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JP6285164B2 - 化合物、熱硬化性樹脂組成物、及び熱硬化性シート - Google Patents

化合物、熱硬化性樹脂組成物、及び熱硬化性シート Download PDF

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JP6285164B2 JP2013252247A JP2013252247A JP6285164B2 JP 6285164 B2 JP6285164 B2 JP 6285164B2 JP 2013252247 A JP2013252247 A JP 2013252247A JP 2013252247 A JP2013252247 A JP 2013252247A JP 6285164 B2 JP6285164 B2 JP 6285164B2
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Description

本発明は、熱硬化性樹脂組成物、及び熱硬化性シート、並びにそれらに使用可能な新規化合物、及びその前駆体に関する。
近年、電子部品あるいは電子基板材料のコストダウン化が顕著であり、そのためにより安価な樹脂を材料とした部材設計が進められている。また、ディスプレイ関連材料においては、依然として軽薄短小を求められており、より薄く、より安価な部材の使用が必須となってきている。このため、必然として部材は耐熱性に劣るようになり、それら部材を接合するための接着剤はより低温で硬化できるものを要求されている。
ラジカル重合性樹脂、特にアクリル樹脂系の熱硬化を低温で行うために、3級アミンを併用する技術が、いくつか開示されている。特に、常温硬化を目的としての使用例は多く、例えば、特定の3級アミン、コバルト金属石鹸、及び有機過酸化物を併用する技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。また、3級アミン、ナフテン酸スズ、及び有機過酸化物を併用する技術が開示されている(例えば、特許文献2参照)。
これらは、いずれも有機過酸化物と3級アミンとを分けた2液の系であり、これらの例の通り、有機過酸化物と3級アミンの組合せは、そのままでは室温で反応が進行してしまい使用しづらいという問題がある。
この問題を解決するため、UV照射により3級アミンを生成させる技術が開示されている(特許文献3参照)。この技術では、4級アンモニウム塩誘導体を用いてUV照射により3級アミンを生成させている。
しかし、UV照射を併用する手段は、保存時には常に遮光を余儀なくされ、また、作業環境もUVカットが必要となる。さらに、UV照射のためのインフラを整備しなければならないためコスト面において不利となる。また、この技術では、UV照射しない場合には十分な接着強度が得られず、熱単独では硬化できない。
よって、低温かつ短時間で硬化が可能で、かつ硬化前の保存安定性が確保できる技術はまだ不十分といえる。
また、上記技術の他にも、種々の目的で、熱硬化性樹脂組成物にアンモニウム塩を配合する技術が提案されている(例えば、特許文献4〜7参照)。
しかし、これらの技術においても、低温かつ短時間で硬化が可能で、かつ硬化前の保存安定性が確保できる技術はまだ不十分といえる。
したがって、低温かつ短時間で硬化が可能で、かつ硬化前の保存安定性が確保できる熱硬化性樹脂組成物、及び熱硬化性シート、並びにそれらに使用可能な新規化合物、及びその前駆体の提供が求められているのが現状である。
特開2004−224819号公報 特開平2−281018号公報 特許第4967276号公報 特開2013−1654号公報 特開平4−222879号公報 特開平8−283657号公報 特許第3218345号公報
本発明は、従来における前記諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、低温かつ短時間で硬化が可能で、かつ硬化前の保存安定性が確保できる熱硬化性樹脂組成物、及び熱硬化性シート、並びにそれらに使用可能な新規化合物、及びその前駆体を提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
<1> ラジカル重合成分と、熱重合開始剤と、アンモニウム塩とを含有し、
前記アンモニウム塩の熱解離開始温度が、60℃〜140℃であることを特徴とする熱硬化性樹脂組成物である。
<2> アンモニウム塩におけるアニオンの共役酸の水中25℃でのpKaが、3以上である前記<1>に記載の熱硬化性樹脂組成物である。
<3> アンモニウム塩が、下記一般式(1)で表される化合物である前記<1>から<2>のいずれかに記載の熱硬化性樹脂組成物である。
ただし、前記一般式(1)中、R〜Rは、それぞれ独立して、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数3〜8のシクロアルキル基、置換又は無置換のアリール基、及び置換又は無置換のアラルキル基のいずれかを表す。Xは、アニオンを表す。
<4> 一般式(1)において、R及びRが、それぞれ独立して、炭素数1〜4のアルキル基を表し、Rが、置換又は無置換のアリール基を表し、Rが、置換又は無置換のアラルキル基を表す、前記<3>に記載の熱硬化性樹脂組成物である。
<5> 一般式(1)において、Rが、下記一般式(2)で表される基である前記<3>から<4>のいずれかに記載の熱硬化性樹脂組成物である。
ただし、前記一般式(2)中、Rは、水素原子、及び炭素数1〜4のアルキル基のいずれかを表す。Rは、炭素数1〜4のアルキル基を表す。mは、0〜3を表す。nは、0〜3を表す。m+nは、0〜5である。mが2又は3のとき、Rは、異なっていてもよい。nが2又は3のとき、Rは、異なっていてもよい。
<6> 一般式(1)におけるXが、カルボン酸のアニオンである前記<3>から<5>のいずれかに記載の熱硬化性樹脂組成物である。
<7> 一般式(1)におけるXが、ナフタレンカルボン酸類のアニオン、ジフェニル酢酸アニオン、及び1−アダマンタンカルボン酸アニオンのいずれかである前記<3>から<6>のいずれかに記載の熱硬化性樹脂組成物である。
<8> 熱重合開始剤が、有機過酸化物熱重合開始剤である前記<1>から<7>のいずれかに記載の熱硬化性樹脂組成物である。
<9> 有機過酸化物熱重合開始剤が、ジアシルパーオキサイド及びパーオキシジカーボネートの少なくともいずれかを含有する前記<1>から<8>のいずれかに記載の熱硬化性樹脂組成物である。
<10> 前記<1>から<9>のいずれかに記載の熱硬化性樹脂組成物を含有することを特徴とする熱硬化性シートである。
<11> 下記一般式(1)で表されることを特徴とする化合物である。
ただし、前記一般式(1)中、R及びRは、それぞれ独立して、炭素数1〜4のアルキル基を表し、Rは、置換のアリール基を表し、Rは、置換又は無置換のアラルキル基を表す。Xは、アニオンを表す。
<12> 一般式(1)において、Rが、下記一般式(2)で表される基である前記<11>に記載の化合物である。
ただし、前記一般式(2)中、Rは、水素原子、及び炭素数1〜4のアルキル基のいずれかを表す。Rは、炭素数1〜4のアルキル基を表す。mは、0〜3を表す。nは、0〜3を表す。m+nは、1〜5である。mが2又は3のとき、Rは、異なっていてもよい。nが2又は3のとき、Rは、異なっていてもよい。
<13> 一般式(1)におけるXが、ハロゲンアニオン、ナフタレンカルボン酸類のアニオン、ジフェニル酢酸アニオン、及び1−アダマンタンカルボン酸アニオンのいずれかである前記<11>から<12>のいずれかに記載の化合物である。
<14> 下記一般式(1)で表されることを特徴とする化合物である。
ただし、前記一般式(1)中、R及びRは、それぞれ独立して、炭素数1〜4のアルキル基を表し、Rは、置換又は無置換のアリール基を表し、Rは、置換又は無置換のアラルキル基を表す。Xは、ハロゲンアニオンを表す。
<15> 一般式(1)において、Rが、下記一般式(2)で表される基である前記<14>に記載の化合物である。
ただし、前記一般式(2)中、Rは、水素原子、及び炭素数1〜4のアルキル基のいずれかを表す。Rは、炭素数1〜4のアルキル基を表す。mは、0〜3を表す。nは、0〜3を表す。m+nは、0〜5である。mが2又は3のとき、Rは、異なっていてもよい。nが2又は3のとき、Rは、異なっていてもよい。
本発明によれば、従来における前記諸問題を解決し、前記目的を達成することができ、低温かつ短時間で硬化が可能で、かつ硬化前の保存安定性が確保できる熱硬化性樹脂組成物、及び熱硬化性シート、並びにそれらに使用可能な新規化合物、及びその前駆体を提供することができる。
(熱硬化性樹脂組成物)
本発明の熱硬化性樹脂組成物は、ラジカル重合成分と、熱重合開始剤と、アンモニウム塩とを少なくとも含有し、好ましくは膜形成樹脂を含有し、更に必要に応じて、その他の成分を含有する。
<ラジカル重合成分>
前記ラジカル重合成分としては、前記熱重合開始剤の作用によりラジカル重合する成分であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、(メタ)アクリレート類、ビニルエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ジアリルフタレート、ビニルエーテル類、ジシクロペンタジエンなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記(メタ)アクリレート類としては、例えば、単官能(メタ)アクリレート類、多官能(メタ)アクリレート類などが挙げられる。
ここで、(メタ)アクリレートは、アクリレート及びメタクリレートを意味する。
前記単官能(メタ)アクリレート類〔分子内に1個の(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリレート類〕としては、例えば、アルキル(メタ)アクリレート類、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類、芳香族環を有する単官能(メタ)アクリレート類などが挙げられる。
前記アルキル(メタ)アクリレート類としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
前記ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類としては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレ−ト、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレ−ト、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
前記芳香族環を有する単官能(メタ)アクリレート類としては、例えば、ベンジル(メタ)アクリレート、p−クミルフェノールアルキレンオキサイド付加物の(メタ)アクリレート、o−フェニルフェノールアルキレンオキサイド付加物の(メタ)アクリレート、フェノールアルキレンオキサイド付加物の(メタ)アクリレート、ノニルフェノールアルキレンオキサイド付加物の(メタ)アクリレートなどが挙げられる。ここで、前記アルキレンオキサイドとしては、例えば、エチレンオキサイド(EO)、プロピレンオキサイド(PO)などが挙げられる。
前記多官能(メタ)アクリレート類〔分子内に2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリレート類〕としては、アルキレングリコールのジ(メタ)アクリレート類、脂環式環を有するジ(メタ)アクリレート類、芳香族環を有するジ(メタ)アクリレート類などが挙げられる。
前記アルキレングリコールのジ(メタ)アクリレート類としては、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
前記脂環式環を有するジ(メタ)アクリレート類としては、トリシクロデカンジメチロールジ(メタ)アクリレート、1,4−シクロヘキサンジメチロールジ(メタ)アクリレート、ノルボルナンジメチロールジ(メタ)アクリレート、水素添加ビスフェノールAのジ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
前記芳香族環を有するジ(メタ)アクリレート類としては、例えば、ビスフェノールAアルキレンオキサイド付加物のジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテルのジ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
また、前記(メタ)アクリレート類としては、例えば、イソシアヌル酸エチレンオキサイド(EO)変性多官能(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレートなども用いることができる。前記イソシアヌル酸EO変性多官能(メタ)アクリレートとしては、例えば、イソシアヌル酸EO変性ジ及びトリアクリレート(例えば、東亞合成株式会社製のアロニックスM−315)などが挙げられる。
また、前記(メタ)アクリレート類としては、例えば、ウレタン(メタ)アクリレートなども用いることができる。
前記(メタ)アクリレート類は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記熱硬化性樹脂組成物における前記ラジカル重合成分の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記熱硬化性樹脂組成物の不揮発分に対して、10質量%〜90質量%が好ましく、20質量%〜80質量%がより好ましく、30質量%〜80質量%が特に好ましい。
<熱重合開始剤>
前記熱重合開始剤としては、熱により分解し、前記ラジカル重合成分をラジカル重合させるものであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アゾ系熱重合開始剤、有機過酸化物熱重合開始剤などが挙げられる。これらの中でも、低温硬化性に優れる点で、有機過酸化物熱重合開始剤が好ましい。
前記有機過酸化物熱重合開始剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記アンモニウム塩による分解促進効果を享受しやすい点で、ジアシルパーオキサイド、パーオキシジカーボネートが好ましい。
前記ジアシルパーオキサイドとしては、例えば、ジイソブチリルパーオキサイド、ジ(3,5,5−トリメチルヘキサノイル)パーオキサイド、ジラウロイルパーオキサイド、ジスクシン酸パーオキサイド、ジベンゾイルパーオキサイド、ジ(4−メチルベンゾイル)パーオキサイドなどが挙げられる。
前記パーオキシジカーボネートとしては、例えば、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−sec−ブチルパーオキシジカーボネート、ジ(2−エチルヘキシル)パーオキシジカーボネート、ジ(4−t−ブチルシクロへキシル)パーオキシジカーボネートなどが挙げられる。
前記熱硬化性樹脂組成物における前記熱重合開始剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記熱硬化性樹脂組成物の不揮発分に対して、0.5質量%〜20質量%が好ましく、1質量%〜15質量%がより好ましい。
<アンモニウム塩>
前記アンモニウム塩としては、熱解離開始温度が、60℃〜140℃であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記熱解離開始温度が、60℃未満であると、低温硬化性は優れるが、保存安定性が不十分となり、140℃を超えると、低温硬化性が不十分となる。
前記熱解離開始温度とは、充分乾燥させたアンモニウム塩単体を加熱した場合に熱解離を起こし始める温度であり、具体的には、示差熱熱重量同時測定装置(TG/DTA)を用いたNガス雰囲気中での昇温速度10℃/minにおける熱重量減少の開始に伴うDTAピーク温度である。DTAのピークが明瞭でない場合には、TGチャートにおける5%重量減少点の接線と重量減少0%のベースラインの交点の温度を前記熱解離開始温度とする。
前記アンモニウム塩の前記熱解離開始温度が60℃〜140℃であることにより、効果的に前記熱硬化性樹脂組成物の熱硬化を促進し、かつ前記熱硬化性樹脂組成物は保存安定性に優れたものとなる。
前記アンモニウム塩は、熱解離開始温度を60℃〜140℃に調整しやすい点で、前記アンモニウム塩におけるアニオンの共役酸の水中25℃でのpKaが、3以上であるアンモニウム塩が好ましい。前記pKaが、3未満であると、熱解離開始温度が上がり、熱硬化の促進効果が低くなることがある。
前記pKaの上限値としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記pKaは、7以下が好ましい。
前記pKaが3以上である共役酸としては、例えば、電気化学便覧第5版(電気化学会編:丸善)のp.102〜p.104、または、以下のURLアドレスより水中におけるpKaデータを参照することができる。
http://www.chem.wisc.edu/areas/organic/index−chem.htm
前記アンモニウム塩のアニオンとしては、カルボン酸のアニオンが、原料が入手しやすい点、及び合成がしやすい点から好ましい。
<<一般式(1)で表される化合物>>
また、前記アンモニウム塩は、原料の入手のし易さ、及び合成のし易さの点で、下記一般式(1)で表される化合物が好ましい。
ただし、前記一般式(1)中、R〜Rは、それぞれ独立して、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数3〜8のシクロアルキル基、置換又は無置換のアリール基、及び置換又は無置換のアラルキル基のいずれかを表す。Xは、アニオンを表す。
前記一般式(1)における前記R〜Rの炭素数1〜4のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基などが挙げられる。これらの中でも、メチル基、エチル基が、熱安定性の点、及び合成の容易性の点で好ましい。前記アルキル基の炭素数が、3以上であると、前記アンモニウム塩の熱解離開始温度が過度に下がり、熱安定性が低下することがある。また、立体障害が大きくなるため、前記アンモニウム塩の合成が困難になることがある。
前記一般式(1)における前記R〜Rの炭素数3〜8のシクロアルキル基としては、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基などが挙げられる。これらの中でも、シクロヘキシル基が、原料の入手のし易さの点で好ましい。
前記一般式(1)における前記R〜Rの置換又は無置換のアリール基としては、例えば、無置換の芳香族炭化水素基、置換の芳香族炭化水素基などが挙げられる。前記無置換の芳香族炭化水素基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基などが挙げられる。前記置換の芳香族炭化水素基としては、例えば、置換のフェニル基、置換のナフチル基などが挙げられる。前記置換のフェニル基としては、例えば、アルキル置換のフェニル基、ヒドロキシ置換のフェニル基、アルコキシ置換のフェニル基などが挙げられる。前記アルキル置換のフェニル基におけるアルキル置換基としては、例えば、炭素数1〜4のアルキル基などが挙げられる。前記炭素数1〜4のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基などが挙げられる。
前記一般式(1)における前記R〜Rの置換又は無置換のアラルキル基としては、例えば、炭素数7〜15のアラルキル基などが挙げられる。
前記アラルキル基におけるアリール基としては、例えば、芳香族炭化水素基などが挙げられる。前記芳香族炭化水素基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基などが挙げられる。前記置換基としては、例えば、炭素数1〜4のアルキル基などが挙げられる。前記炭素数1〜4のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基などが挙げられる。
前記アラルキル基におけるアルキレン基としては、例えば、メチレン基、エチレン基などが挙げられる。
前記アラルキル基としては、例えば、ベンジル基、o−メチルベンジル基、p−メチルベンジル基、2,5−ジメチルベンジル基、(1−ナフチル)メチル基、フェネチル基などが挙げられる。
前記一般式(1)は、R及びRが、それぞれ独立して、炭素数1〜4のアルキル基を表し、Rが、置換又は無置換のアリール基を表し、Rが、置換又は無置換のアラルキル基を表すことが好ましい。そうすることで、N位のベンジル炭素が熱により速やかに脱離し、3級アミンが生成される。この3級アミンが熱重合開始剤(例えば、有機過酸化物熱重合開始剤)の分解促進に寄与し、ラジカル重合成分の硬化を効果的に高める。
前記一般式(1)において、前記Rは、下記一般式(2)で表される基であることが、熱解離開始温度を調整しやすい点、及び合成物が結晶となりやすい点から好ましい。
ただし、前記一般式(2)中、Rは、水素原子、及び炭素数1〜4のアルキル基のいずれかを表す。Rは、炭素数1〜4のアルキル基を表す。mは、0〜3を表す。nは、0〜3を表す。m+nは、0〜5である。mが2又は3のとき、Rは、異なっていてもよい。nが2又は3のとき、Rは、異なっていてもよい。
前記一般式(2)において、m+nは、1〜5が好ましい。
前記一般式(2)において、Rは、水素原子が好ましい。
前記一般式(2)において、Rは、メチル基が好ましい。
前記一般式(1)で表されるアンモニウム塩のカチオンとしては、例えば、下記構造式(1−1)〜(1−12)で表されるカチオンなどが挙げられる。
−一般式(1)及び一般式(2)のX
前記一般式(1)におけるXは、アニオンである。
前記アニオンとしては、その共役酸の水中25℃でのpKaが3以上であるアニオンが好ましい。
前記Xとしては、カルボン酸アニオンが、原料が入手しやすい点、及び合成がしやすい点から好ましい。
前記カルボン酸アニオンとしては、例えば、下記一般式(3)で表されるアニオンなどが挙げられる。
前記一般式(3)中、R21は、炭化水素基を表す。
前記炭化水素基は、ハロゲン原子を有していてもよい。前記ハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子などが挙げられる。
前記炭化水素基としては、例えば、環状構造を有する炭化水素基などが挙げられる。
前記環状構造を有する炭化水素基としては、例えば、芳香族を有する炭化水素基、脂環構造を有する炭化水素基などが挙げられる。
前記炭化水素基の炭素数としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1〜15が好ましく、6〜13がより好ましい。
前記カルボン酸としては、飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸、芳香環を有するカルボン酸、脂環構造を有するカルボン酸、アクリル酸、トリフルオロ酢酸などが挙げられる。
前記飽和脂肪酸としては、例えば、酢酸、プロピオン酸、デカン酸、ミリスチン酸、ステアリン酸、2−エチルヘキサン酸などが挙げられる。
前記不飽和脂肪酸としては、例えば、オレイン酸、リノール酸などが挙げられる。
前記脂環構造を有するカルボン酸としては、例えば、1−アダマンタンカルボン酸、シクロヘキサンカルボン酸などが挙げられる。
前記芳香環を有するカルボン酸としては、例えば、安息香酸、2−メチルベンゼンカルボン酸、2−フェニルベンゼンカルボン酸、2,6−ジメチルベンゼンカルボン酸、2−ヒドロキシベンゼンカルボン酸等の置換、又は無置換の安息香酸類(置換基を有していてもよい安息香酸);1−ナフタレンカルボン酸、2−ナフタレンカルボン酸、2−ヒドロキシ−1−ナフタレンカルボン酸、3−ヒドロキシ−2−ナフタレンカルボン酸等のナフタレンカルボン酸類;ナフタレン酢酸、フェニルプロピオン酸、ジフェニル酢酸、トリフェニル酢酸などが挙げられる。
前記カルボン酸アニオンとしては、ナフタレンカルボン酸類のアニオン、ジフェニル酢酸アニオン、1−アダマンタンカルボン酸アニオンが、結晶が得られやすい点から好ましい。
前記アンモニウム塩としては、例えば、以下のアンモニウム塩などが挙げられる。
前記熱硬化性樹脂組成物における前記アンモニウム塩の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記熱硬化性樹脂組成物の不揮発分に対して、0.1質量%〜10質量%が好ましく、0.5質量%〜7.0質量%がより好ましく、0.5質量%〜5.0質量%が特に好ましい。前記含有量が、0.1質量%未満であると、所望の分解促進効果が得られなくなることがあり、10質量%を超えると、前記熱硬化性樹脂組成物の保存安定性が低下することがある。前記含有量が、前記特に好ましい範囲内であると、前記熱重合開始剤(特に前記有機過酸化物熱重合開始剤)の分解促進と、前記熱硬化性樹脂組成物の保存安定性とを両立しやすい点で有利である。
<膜形成樹脂>
前記膜形成樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリアクリル樹脂、フェノキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステルウレタン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、製膜性、加工性の点からフェノキシ樹脂が特に好ましい。
前記フェノキシ樹脂としては、例えば、2官能フェノール類とエピクロルヒドリンとを反応させ高分子量化したもの、あるいは2官能エポキシ樹脂と2官能フェノール類とを重付加することにより得られる樹脂などが挙げられる。
使用される2官能エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビフェニルジグリシジルエーテル、メチル置換ビフェニルジグリシジルエーテルなどが挙げられる。
また、2官能フェノール類としては、例えば、ハイドロキノン類、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールAD、ビスフェノールS、ビスフェノールフルオレン、メチル置換ビスフェノールフルオレン、ジヒドロキシビフェニル、メチル置換ジヒドロキシビフェニル等のビスフェノール類などが挙げられる。
前記熱硬化性樹脂組成物における前記膜形成樹脂の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記前記熱硬化性樹脂組成物の不揮発分に対して、10質量%〜90質量%が好ましく、20質量%〜80質量%がより好ましく、30質量%〜60質量%が特に好ましい。
<その他の成分>
前記その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、チキソトロピー剤、充填剤、レベリング剤、酸化防止剤、着色剤、導電性付与剤、接着付与剤などが挙げられる。
(熱硬化性シート)
本発明の前記熱硬化性シートは、本発明の前記熱硬化性樹脂組成物を含有し、更に必要に応じて、その他の成分を含有する。
前記熱硬化性シートは、例えば、基材フィルム(剥離基材)上に前記熱硬化性樹脂組成物からなる熱硬化性接着層が形成されてなるものである。前記基材フィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリイミドフィルムなどが挙げられる。
前記熱硬化性シートは、保管性、使用時のハンドリング性などの観点から、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリイミドフィルム等に必要に応じてシリコーン等で剥離処理した基材フィルムに、前記熱硬化性樹脂組成物からなる熱硬化性接着層が10μm〜50μmの平均厚みで形成されていることが好ましい。
前記熱硬化性樹脂組成物、及び前記熱硬化性シートは、電子部品分野に好ましく適用できる。特に、前記熱硬化性シートは、フレキシブルプリント配線板の端子部等と、その裏打ちするためのポリエチレンテレフタレート、ポリイミド、ガラスエポキシ、ステンレス、アルミニウム等の厚み50μm〜2mmの補強用シートとを接着固定するために好ましく適用でき、その適用により、フレキシブルプリント配線板の端子部と補強用シートとが、本発明の熱硬化性シートの基材フィルムを除いた熱硬化性接着層の熱硬化物で接着固定されてなる補強フレキシブルプリント配線板が得られる。
(化合物)
<第1の化合物>
本発明の化合物(第1の化合物)は、下記一般式(1)で表される。前記化合物は、前記熱硬化性樹脂組成物の保存安定性を維持しつつ、前記熱重合開始剤による低温硬化を促進させる硬化促進剤、又はその前駆体として有用である。
ただし、前記一般式(1)中、R及びRは、それぞれ独立して、炭素数1〜4のアルキル基を表し、Rは、置換のアリール基を表し、Rは、置換又は無置換のアラルキル基を表す。Xは、アニオンを表す。
前記一般式(1)が、前記R〜Rを有することで、N位のベンジル炭素が熱により速やかに脱離し、3級アミンが生成される。この3級アミンが熱重合開始剤(例えば、有機過酸化物熱重合開始剤)の分解促進に寄与し、ラジカル重合成分の硬化を効果的に高める。
前記化合物(第1の化合物)の前記一般式(1)における前記R及びRの炭素数1〜4のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基などが挙げられる。これらの中でも、メチル基、エチル基が、熱安定性の点、及び合成の容易性の点で好ましい。前記アルキル基の炭素数が、3以上であると、前記アンモニウム塩の熱解離開始温度が過度に下がり、熱安定性が低下することがある。また、立体障害が大きくなるため、前記アンモニウム塩の合成が困難になることがある。
前記化合物(第1の化合物)の前記一般式(1)における前記Rの置換のアリール基としては、例えば、置換の芳香族炭化水素基などが挙げられる。前記置換の芳香族炭化水素基としては、例えば、置換のフェニル基、置換のナフチル基などが挙げられる。前記置換のフェニル基としては、例えば、例えば、アルキル置換のフェニル基、ヒドロキシ置換のフェニル基、アルコキシ置換のフェニル基などが挙げられる。前記アルキル置換のフェニル基におけるアルキル置換基としては、例えば、炭素数1〜4のアルキル基などが挙げられる。前記炭素数1〜4のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基などが挙げられる。
前記化合物(第1の化合物)の前記一般式(1)における前記Rの置換又は無置換のアラルキル基としては、例えば、炭素数7〜15のアラルキル基などが挙げられる。
前記アラルキル基におけるアリール基としては、例えば、芳香族炭化水素基などが挙げられる。前記芳香族炭化水素基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基などが挙げられる。前記置換基としては、例えば、炭素数1〜4のアルキル基などが挙げられる。前記炭素数1〜4のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基などが挙げられる。
前記アラルキル基におけるアルキレン基としては、例えば、メチレン基、エチレン基などが挙げられる。
前記アラルキル基としては、例えば、ベンジル基、o−メチルベンジル基、p−メチルベンジル基、2,5−ジメチルベンジル基、(1−ナフチル)メチル基、フェネチル基などが挙げられる。
前記化合物(第1の化合物)の前記一般式(1)において、前記Rは、下記一般式(2)で表される基であることが、熱解離開始温度を調整しやすい点、及び合成物が結晶となりやすい点から好ましい。
ただし、前記一般式(2)中、Rは、水素原子、及び炭素数1〜4のアルキル基のいずれかを表す。Rは、炭素数1〜4のアルキル基を表す。mは、0〜3を表す。nは、0〜3を表す。m+nは、1〜5である。mが2又は3のとき、Rは、異なっていてもよい。nが2又は3のとき、Rは、異なっていてもよい。
前記一般式(2)において、Rは、水素原子が好ましい。
前記一般式(2)において、Rは、メチル基が好ましい。
前記一般式(1)で表される化合物のカチオンとしては、例えば、下記構造式(1−3)〜(1−12)で表されるカチオンなどが挙げられる。
<<一般式(1)のX>>
前記化合物(第1の化合物)の前記一般式(1)におけるXは、アニオンである。
前記アニオンとしては、ハロゲンアニオン、その共役酸の水中25℃でのpKaが3以上であるアニオンであることが好ましい。
前記アニオンが、その共役酸の水中25℃でのpKaが3以上であるアニオンである場合、前記化合物は、前記熱硬化性樹脂組成物の保存安定性を維持しつつ、前記熱重合開始剤による低温硬化を促進させる硬化促進剤として有用である。
前記Xがハロゲンアニオンである場合、前記化合物は、前記硬化促進剤の前駆体として有用である。
前記pKaの上限値としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記pKaは、7以下が好ましい。
前記ハロゲンアニオンとしては、例えば、塩素イオン、フッ素イオン、臭素イオン、ヨウ素イオンなどが挙げられる。
前記Xとしては、カルボン酸アニオンが、原料が入手しやすい点、及び合成がしやすい点から好ましい。
前記カルボン酸アニオンとしては、例えば、下記一般式(3)で表されるアニオンなどが挙げられる。
前記一般式(3)中、R21は、炭化水素基を表す。
前記炭化水素基は、ハロゲン原子を有していてもよい。前記ハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子などが挙げられる。
前記炭化水素基としては、例えば、環状構造を有する炭化水素基などが挙げられる。
前記環状構造を有する炭化水素基としては、例えば、芳香族を有する炭化水素基、脂環構造を有する炭化水素基などが挙げられる。
前記炭化水素基の炭素数としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1〜15が好ましく、6〜13がより好ましい。
前記カルボン酸としては、飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸、芳香環を有するカルボン酸、脂環構造を有するカルボン酸、アクリル酸、トリフルオロ酢酸などが挙げられる。
前記飽和脂肪酸としては、例えば、酢酸、プロピオン酸、デカン酸、ミリスチン酸、ステアリン酸、2−エチルヘキサン酸などが挙げられる。
前記不飽和脂肪酸としては、例えば、オレイン酸、リノール酸などが挙げられる。
前記脂環構造を有するカルボン酸としては、例えば、1−アダマンタンカルボン酸、シクロヘキサンカルボン酸などが挙げられる。
前記芳香環を有するカルボン酸としては、例えば、安息香酸、2−メチルベンゼンカルボン酸、2−フェニルベンゼンカルボン酸、2,6−ジメチルベンゼンカルボン酸、2−ヒドロキシベンゼンカルボン酸等の置換、又は無置換の安息香酸類(置換基を有していてもよい安息香酸);1−ナフタレンカルボン酸、2−ナフタレンカルボン酸、2−ヒドロキシ−1−ナフタレンカルボン酸、3−ヒドロキシ−2−ナフタレンカルボン酸等のナフタレンカルボン酸類;ナフタレン酢酸、フェニルプロピオン酸、ジフェニル酢酸、トリフェニル酢酸などが挙げられる。
前記カルボン酸アニオンとしては、ナフタレンカルボン酸類のアニオン、ジフェニル酢酸アニオン、1−アダマンタンカルボン酸アニオンが、結晶が得られやすい点から好ましい。
前記化合物(第1の化合物)としては、例えば、以下の化合物などが挙げられる。
<第2の化合物>
本発明の化合物(第2の化合物)は、下記一般式(1)で表される。前記化合物は、本発明の前記熱硬化性樹脂組成物に含有されるアンモニウム塩を合成するための前駆体として有用である。
ただし、前記一般式(1)中、R及びRは、それぞれ独立して、炭素数1〜4のアルキル基を表し、Rは、置換又は無置換のアリール基を表し、Rは、置換又は無置換のアラルキル基を表す。Xは、ハロゲンアニオンを表す。
前記一般式(1)が、前記R〜Rを有することで、この化合物を用いて得られ前記熱硬化性樹脂組成物に使用されるアンモニウム塩において、N位のベンジル炭素が熱により速やかに脱離し、3級アミンが生成される。この3級アミンが熱重合開始剤(例えば、有機過酸化物熱重合開始剤)の分解促進に寄与し、ラジカル重合成分の硬化を効果的に高める。
前記化合物(第2の化合物)の前記一般式(1)における前記R及びRの炭素数1〜4のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基などが挙げられる。これらの中でも、メチル基、エチル基が、熱安定性の点、及び合成の容易性の点で好ましい。前記アルキル基の炭素数が、3以上であると、前記アンモニウム塩の熱解離開始温度が過度に下がり、熱安定性が低下することがある。また、立体障害が大きくなるため、前記アンモニウム塩の合成が困難になることがある。
前記化合物(第2の化合物)の前記一般式(1)における前記Rの置換のアリール基としては、例えば、置換の芳香族炭化水素基などが挙げられる。前記置換の芳香族炭化水素基としては、例えば、置換のフェニル基、置換のナフチル基などが挙げられる。前記置換のフェニル基としては、例えば、例えば、アルキル置換のフェニル基、ヒドロキシ置換のフェニル基、アルコキシ置換のフェニル基などが挙げられる。前記アルキル置換のフェニル基におけるアルキル置換基としては、例えば、炭素数1〜4のアルキル基などが挙げられる。前記炭素数1〜4のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基などが挙げられる。
前記化合物(第2の化合物)の前記一般式(1)における前記Rの置換又は無置換のアラルキル基としては、例えば、炭素数7〜15のアラルキル基などが挙げられる。
前記アラルキル基におけるアリール基としては、例えば、芳香族炭化水素基などが挙げられる。前記芳香族炭化水素基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基などが挙げられる。前記置換基としては、例えば、炭素数1〜4のアルキル基などが挙げられる。前記炭素数1〜4のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基などが挙げられる。
前記アラルキル基におけるアルキレン基としては、例えば、メチレン基、エチレン基などが挙げられる。
前記アラルキル基としては、例えば、ベンジル基、o−メチルベンジル基、p−メチルベンジル基、2,5−ジメチルベンジル基、(1−ナフチル)メチル基、フェネチル基などが挙げられる。
前記化合物(第2の化合物)の前記一般式(1)において、前記Rは、下記一般式(2)で表される基であることが、熱解離開始温度を調整しやすい点、及び合成物が結晶となりやすい点から好ましい。
ただし、前記一般式(2)中、Rは、水素原子、及び炭素数1〜4のアルキル基のいずれかを表す。Rは、炭素数1〜4のアルキル基を表す。mは、0〜3を表す。nは、0〜3を表す。m+nは、0〜5である。mが2又は3のとき、Rは、異なっていてもよい。nが2又は3のとき、Rは、異なっていてもよい。
前記一般式(2)において、m+nは、1〜5が好ましい。
前記一般式(2)において、Rは、水素原子が好ましい。
前記一般式(2)において、Rは、メチル基が好ましい。
前記一般式(1)で表される化合物のカチオンとしては、例えば、下記構造式(1−1)〜(1−12)で表されるカチオンなどが挙げられる。
<<一般式(1)のX>>
前記化合物(第2の化合物)の前記一般式(1)における前記Xは、ハロゲンアニオンである。
前記ハロゲンアニオンとしては、例えば、塩素イオン、フッ素イオン、臭素イオン、ヨウ素イオンなどが挙げられる。これらの中でも、塩素イオンが好ましい。
前記化合物(第2の化合物)としては、例えば、以下の化合物などが挙げられる。
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明は、これらの実施例に何ら限定されるものではない。
(合成例1)
<ジフェニル酢酸銀の合成>
攪拌器、及び温度計を設置した500mL三口フラスコに、水酸化ナトリウム 2.00g(0.050mol)及びメタノール200gを入れて撹拌後、さらにジフェニル酢酸(東京化成工業株式会社製)10.61g(0.050mol)を入れ、室温にて固形分が無くなるまで撹拌した。そこに、別途調製した硝酸銀5質量%水溶液169.87g(硝酸銀として0.050mol)をフラスコを遮光状態にしてから室温にて撹拌しながら10分間で滴下した、滴下直後より白色の析出物が生成した。滴下終了後さらに30分間撹拌を行った後、析出物を濾別し、さらにメタノールで洗浄を行った後、24時間減圧乾燥することでジフェニル酢酸銀の白色結晶 15.72g(収率98.5%)を得た。
(合成例2)
<1−アダマンタンカルボン酸銀の合成>
合成例1において、ジフェニル酢酸を1−アダマンタンカルボン酸(東京化成工業株式会社製)9.01g(0.050mol)に変えた以外は、合成例1と同様にして、1−アダマンタンカルボン酸銀の白色結晶 14.04g(収率97.8%)を得た。
(合成例3)
<安息香酸銀の合成>
合成例1において、ジフェニル酢酸を安息香酸(東京化成工業株式会社製)6.11g(0.050mol)に変えた以外は、合成例1と同様にして、安息香酸銀の白色結晶 11.36g(収率99.2%)を得た。
(合成例4)
<p−トルエンスルホン酸銀の合成>
攪拌器、及び温度計を設置した200mL三口フラスコを遮光状態にしながら、炭酸銀(和光純薬工業株式会社製)4.14g(0.015mol)及びアセトニトリル60gを入れて撹拌して懸濁状態とし、そこにp−トルエンスルホン酸1水和物(和光純薬工業株式会社製)5.43g(0.0285mol)をアセトニトリル10gと水0.7gの混合液に溶解させた液を、10分間で滴下し、滴下終了後さらに30分間撹拌を行った。その後、残った炭酸銀をフィルター除去し、濾液を減圧により溶媒を除去することで結晶を析出させた。この結晶をメチルエチルケトンで洗浄後、24時間減圧乾燥することでp−トルエンスルホン酸銀の白色結晶 7.57g(収率95.2%)を得た。
(実施例A1)
<アンモニウム塩A1の合成>
攪拌器、冷却管、及び温度計を設置した100mL三口フラスコに、N,N−ジメチルアニリン(東京化成工業株式会社製)5.0g(0.0413mol)、α−クロロ−o−キシレン(東京化成工業株式会社製)5.81g(0.0413mol)、及びメタノール30gを入れ、50℃にて8時間撹拌及び反応させた。冷却後、減圧によりメタノールを留去することで結晶を析出させた。この結晶を酢酸エチル50gで3回撹拌及び洗浄後、24時間減圧乾燥することで、下記構造式(A1)で表されるアンモニウム塩A1の白色結晶 8.98g(収率83.1%)を得た。
(実施例A2)
<アンモニウム塩A2の合成>
実施例A1において、N,N−ジメチルアニリンをN,N−ジメチル−p−トルイジン(和光純薬工業株式会社製)5.58g(0.0413mol)に変えた以外は、実施例A1と同様にして、下記構造式(A2)で表されるアンモニウム塩A2の白色結晶 9.82g(収率86.2%)を得た。
(実施例A3)
<アンモニウム塩A3の合成>
実施例A2において、α−クロロ−o−キシレンをベンジルクロライド(東京化成工業株式会社製)5.23g(0.0413mol)に変えた以外は、実施例A2と同様にして、下記構造式(A3)で表されるアンモニウム塩A3の白色結晶 9.03g(収率83.5%)を得た。
(実施例A4)
<アンモニウム塩A4の合成>
攪拌器、冷却管、及び温度計を設置した100mL三口フラスコに、N,N−ジメチル−p−トルイジン(和光純薬工業株式会社製)10.0g(0.0740mol)、1−(クロロメチル)ナフタレン(東京化成工業株式会社製)13.07g(0.0740mol)、及びメタノール60gを入れ、50℃にて8時間撹拌して反応させた。冷却後、減圧によりメタノールを留去することで結晶を析出させた。この結晶を酢酸エチル50gで3回撹拌及び洗浄後、24時間減圧乾燥することで、下記構造式(A4)で表されるアンモニウム塩A4の白色結晶 18.25g(収率79.1%)を得た。
(実施例A5)
<アンモニウム塩A5の合成>
実施例A2において、α−クロロ−o−キシレンを2,5−ジメチルベンジルクロライド(東京化成工業株式会社製)6.39g(0.0413mol)に変えた以外は、実施例A2と同様にして、下記構造式(A5)で表されるアンモニウム塩A5の白色結晶 8.99g(収率75.2%)を得た。
(実施例A6)
<アンモニウム塩A6の合成>
実施例A2において、α−クロロ−o−キシレンをα−クロロ−p−キシレン(東京化成工業株式会社製)5.81g(0.0431mol)に変えた以外は、実施例A2と同様にして、下記構造式(A6)で表されるアンモニウム塩A6の白色結晶 8.91g(収率78.2%)を得た。
(実施例A7)
<アンモニウム塩(安定剤)A7の合成>
実施例A5において、N,N−ジメチル−p−トルイジンを3−(ジメチルアミノ)フェノール(東京化成工業株式会社製)5.91g(0.0431mol)に変えた以外は、実施例A5と同様にして、下記構造式(A7)で表されるアンモニウム塩A7の赤褐色結晶 7.64g(収率62.1%)を得た。
(実施例A8)
<アンモニウム塩A8の合成>
攪拌器、冷却管、及び温度計を設置した100mL三口フラスコに、N,N−ジエチル−p−トルイジン(東京化成工業株式会社製)5.0g(0.0306mol)、ベンジルクロライド3.87g(0.0306mol)、及びメタノール30gを入れ、40℃にて48時間撹拌して反応させた。冷却後、減圧によりメタノールを留去することで結晶を析出させた。この結晶を酢酸エチル50gで3回撹拌及び洗浄後、24時間減圧乾燥することで、下記構造式(A8)で表されるアンモニウム塩A8の白色結晶 4.01g(収率45.2%)を得た。
(実施例B1)
<アンモニウム塩B1の合成>
攪拌器を設置した100mL三口フラスコを遮光状態にしながら、合成例1で合成したジフェニル酢酸銀2.42g(0.0076mol)とアセトニトリル10gを入れ、室温で撹拌して懸濁状態にしながら、実施例A1で合成したアンモニウム塩A1 2.00g(0.0076mol)をアセトニトリル20gとメタノール2gに溶解させた液を、添加した。添加後室温にて30分間撹拌した後、フィルターにて析出した塩化銀を除去し、濾液を減圧濃縮して透明粘調液を得た。これを撹拌しながら酢酸エチルを添加することにより結晶の析出を得た。さらに酢酸エチルで洗浄後、ろ過し、24時間減圧乾燥することで、下記構造式(B1)で表されるアンモニウム塩B1の白色結晶 3.00g(収率90.3%)を得た。
(実施例B2)
<アンモニウム塩B2の合成>
実施例B1において、アンモニウム塩A1を実施例A2で合成したアンモニウム塩A2 2.10g(0.0076mol)に変えた以外は、実施例B1と同様にして、下記構造式(B2)で表されるアンモニウム塩B2の白色結晶 3.04g(収率88.5%)を得た。
(実施例B3)
<アンモニウム塩B3の合成>
実施例B1において、アンモニウム塩A1を実施例A3で合成したアンモニウム塩A3 1.99g(0.0076mol)に変えた以外は、実施例B1と同様にして、下記構造式(B3)で表されるアンモニウム塩B3の白色結晶 3.07g(収率92.3%)を得た。
(実施例B4)
<アンモニウム塩B4の合成>
実施例B1において、アンモニウム塩A1を実施例A4で合成したアンモニウム塩A4 2.37g(0.0076mol)に変えた以外は、実施例B1と同様にして、下記構造式(B4)で表されるアンモニウム塩B4の白色結晶 3.53g(収率95.3%)を得た。
(実施例B5)
<アンモニウム塩B5の合成>
実施例B1において、アンモニウム塩A1を実施例A5で合成したアンモニウム塩A5 2.20g(0.0076mol)に変えた以外は、実施例B1と同様にして、下記構造式(B5)で表されるアンモニウム塩B5の白色結晶 3.23g(収率91.2%)を得た。
(実施例B6)
<アンモニウム塩B6の合成>
実施例B1において、アンモニウム塩A1を実施例A6で合成したアンモニウム塩A6 2.10g(0.0076mol)に変えた以外は、実施例B1と同様にして、下記構造式(B6)で表されるアンモニウム塩B6の白色結晶 2.99g(収率87.1%)を得た。
(実施例B7)
<アンモニウム塩B7の合成>
実施例B1において、アンモニウム塩A1を実施例A7で合成したアンモニウム塩A7 2.22g(0.0076mol)に変えた以外は、実施例B1と同様にして、下記構造式(B7)で表されるアンモニウム塩B7の白色結晶 3.02g(収率85.1%)を得た。
(実施例B8)
<アンモニウム塩B8の合成>
実施例B1において、アンモニウム塩A1を実施例A8で合成したアンモニウム塩A8 2.20g(0.0076mol)に変えた以外は、実施例B1と同様にして、下記構造式(B8)で表されるアンモニウム塩B8の白色結晶 2.49g(収率70.3%)を得た。
(実施例B9)
<アンモニウム塩B9の合成>
実施例B8において、ジフェニル酢酸銀を合成例2で合成した1−アダマンタンカルボン酸銀 2.18g(0.0076mol)に変えた以外は、実施例B8と同様にして、下記構造式(B9)で表されるアンモニウム塩B9の白色結晶 1.39g(収率42.3%)を得た。
(実施例B10)
<アンモニウム塩B10の合成>
実施例B4において、ジフェニル酢酸銀を合成例2で合成した1−アダマンタンカルボン酸銀 2.18g(0.0076mol)に変えた以外は、実施例B4と同様にして、下記構造式(B10)で表されるアンモニウム塩B10の白色結晶 2.50g(収率72.1%)を得た。
(実施例B11)
<アンモニウム塩B11の合成>
実施例B4において、ジフェニル酢酸銀を合成例3で合成した安息香酸銀 1.74g(0.0076mol)に変えた以外は、実施例B4と同様にして、下記構造式(B11)で表されるアンモニウム塩B11の白色結晶 2.15g(収率71.1%)を得た。
(比較例B1)
<アンモニウム塩B12の合成>
攪拌器を設置した100mL三口フラスコを遮光状態にしながら、合成例4で合成したp−トルエンスルホン酸銀2.12g(0.0076mol)及びアセトニトリル10gを入れ、室温で撹拌して、溶解させた。そこに、実施例A4で合成したアンモニウム塩A4 2.37g(0.0076mol)をアセトニトリル20gとメタノール2gの混合溶媒に溶解させた液を添加した。添加後室温にて30分間撹拌した後、フィルターにて析出した塩化銀を除去し、濾液を減圧濃縮することで結晶を得た。これを酢酸エチルで洗浄後、ろ過し、24時間減圧乾燥することで、下記構造式(B12)で表されるアンモニウム塩B12の白色結晶 3.18g(収率93.5%)を得た。
(比較例B2)
<アンモニウム塩B13の合成>
攪拌器を設置した300mL三口フラスコに、実施例A4で合成したアンモニウム塩A4 2.37g(0.0076mol)を入れ、さらに水100gを入れて撹拌して溶解させた。そこに、テトラフェニルホウ酸ナトリウム(東京化成工業株式会社製)2.60g(0.0076mol)の10質量%水溶液をゆっくり添加した。添加直後より白色の結晶が析出した。添加後、室温にてさらに2時間撹拌したのち、フィルターにて濾別し、さらに水洗した後、24時間減圧乾燥することで、下記構造式(B13)で表されるアンモニウム塩B13の白色結晶 2.95g(収率65.2%)を得た。
表1−1及び表1−2に、アンモニウム塩B1〜B12のアニオンの共役酸の水中25℃でのpKaを示した。
(アンモニウム塩B1〜B13の熱解離開始温度の測定)
エスアイアイ・ナノテクノロジー株式会社製の示差熱熱重量同時測定装置 TG/DTA6200を使用して、昇温速度10℃/min、200mL/min窒素ガス雰囲気下にてアンモニウム塩B1〜B13の熱解離開始温度を評価した。結果を表2−1、及び表2−2に示した。
なお、アンモニウム塩B7以外は熱解離開始に伴うDTAのピークが得られたため、そのピーク温度を熱解離開始温度とした。アンモニウム塩B7は明瞭なDTAピークが得られなかったため重量減少チャートの熱解離開始前の平坦部と5%重量減少点の接線の外挿交点の温度を熱解離開始温度とした。
(実施例1〜16及び比較例1〜5)
表3−1及び表3−2に示す配合にしたがって熱硬化性樹脂組成物を作製した。
作製した熱硬化性樹脂組成物をシリコーン系離型処理された剥離PET(ポリエチレンテレフタレート)にコーティングし、60℃に設定された熱風循環オーブン中で5分間乾燥することにより、平均厚み15μmの熱硬化性シートを作製した。
表3−1及び表3−2におけるフェノキシ樹脂の配合は、溶剤分を除いた配合量であり、単位は、質量部である。ラジカル重合成分、熱重合開始剤、及びアンモニウム塩の配合も、溶剤分を除いた配合量であり、単位は、質量部である。
なお、表3における各材料は、以下のとおりである。
YP70:新日鐵住金化学株式会社製、ビスフェノールA/ビスフェノールF共重合型フェノキシ樹脂
FX−316:新日鐵住金化学株式会社製、ビスフェノールF型フェノキシ樹脂
アロニックスM−315:東亞合成株式会社製、イソシアヌル酸EO 変性ジ及びトリアクリレート
NKエステル A−TMM−3L:新中村化学工業株式会社製、ペンタエリスリトールトリアクリレート
アートレジンUN−5500:根上工業株式会社製、ウレタンアクリレートオリゴマー
パーロイルL:日油株式会社製、有機過酸化物
ナイパーBW:日油株式会社製、有機過酸化物
なお、配合する際、YP70及びFX−316は、メチルエチルケトンの45質量%固形分溶液を用いた。アロニックスM−315は、トルエンの50質量%固形分溶液を用い、NKエステル A−TMM−3Lは原液をそのまま用いた。アートレジンUN−5500は、メチルエチルケトンの50質量%固形分溶液を用いた。パーロイルLは、トルエンの20質量%固形分溶液を用いた。ナイパーBWは、アセトンの20質量%固形分溶液を用いた。また、アンモニウム塩B1〜B13は、メタノールに溶解し10質量%固形分としたものを用いた。
ナイパーBW3.04質量部と、パーロイルL5質量部とは、等モル量である。
実施例1〜14、比較例2〜5において、アンモニウム塩は、パーロイルL又はナイパーBWに対して30mol%となるように配合した。
(実施例1〜16及び比較例1〜5の熱硬化性シートの低温硬化性及び保存安定性評価)
作製した実施例1〜16及び比較例1〜5の熱硬化性シート(平均厚み15μm)の初期の低温硬化性及び保存安定性を、エスアイアイ・ナノテクノロジー株式会社製の示差走査熱量測定装置DSC6200により評価した。
保存安定性は25℃/65%Rhの暗所環境下にて2週間放置前後のDSCにおける発熱量変化から減少率を算出することで評価した。
当業界で良く知られているように、示差走査熱量測定による発熱挙動はラジカル重合成分の硬化反応挙動を反映している。よってその結果による硬化開始温度及び硬化終了温度がより低いほど、その組成物が低温硬化性を有すると言える。
本発明では、硬化開始温度としてDSCチャートにおけるトータル発熱の2%に到達する温度、及び硬化終了温度はDSCチャートにおけるトータル発熱の98%に到達する温度を指標として低温硬化性を評価した。いずれも、より低温である方が低温硬化活性を有することになるが、反応の完結の指標となる発熱(硬化)終了温度がより重要な指標となる。
また、放置前後のトータル発熱量の変化量は、放置中での反応進行量を反映する。放置前後で発熱量の変化が少ないほど保存安定性が高いと言える。具体的には、10%以下の減少に抑えることで接着シートとしての機能は維持できる。
結果を表4−1及び表4−2に示した。
<測定条件>
昇温速度 10℃/min
ガス 100ml/min
サンプル重量 約10mg
上記の結果より、本発明の実施例1〜16の熱硬化性シートは、アンモニウム塩を添加をしていない比較例1及び2に対し硬化開始温度及び硬化終了温度のいずれも低温化が図れていることがわかる。また、25℃/65%Rh下での保存安定性も十分有していることが確認できた。
また、熱解離開始温度の高いアンモニウム塩を添加した比較例3〜5は添加していないもの(比較例1及び2)とほとんど差が無く、効果が見られないことが確認できた。
本結果により、本発明の有用性が証明された。
本発明の熱硬化性樹脂組成物は、低温かつ短時間で硬化が可能で、かつ硬化前の保存安定性が確保できるため、電子部品を接合する接着剤として、好適に用いることができる。

Claims (14)

  1. ラジカル重合成分と、熱重合開始剤と、アンモニウム塩とを含有し、
    前記アンモニウム塩の熱解離開始温度が、60℃〜140℃であって、
    前記アンモニウム塩が、下記一般式(1)で表される化合物であることを特徴とする熱硬化性樹脂組成物。
    ただし、前記一般式(1)中、R 〜R は、それぞれ独立して、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数3〜8のシクロアルキル基、置換又は無置換のアリール基、及び置換又は無置換のアラルキル基のいずれかを表す。X は、アニオンを表す。
  2. アンモニウム塩におけるアニオンの共役酸の水中25℃でのpKaが、3以上である請求項1に記載の熱硬化性樹脂組成物。
  3. 一般式(1)において、R 及びR が、それぞれ独立して、炭素数1〜4のアルキル基を表し、R が、置換又は無置換のアリール基を表し、R が、置換又は無置換のアラルキル基を表す、請求項1から2のいずれかに記載の熱硬化性樹脂組成物。
  4. 一般式(1)において、R が、下記一般式(2)で表される基である請求項1から3のいずれかに記載の熱硬化性樹脂組成物。
    ただし、前記一般式(2)中、R は、水素原子、及び炭素数1〜4のアルキル基のいずれかを表す。R は、炭素数1〜4のアルキル基を表す。mは、0〜3を表す。nは、0〜3を表す。m+nは、0〜5である。mが2又は3のとき、R は、異なっていてもよい。nが2又は3のとき、R は、異なっていてもよい。
  5. 一般式(1)におけるX が、カルボン酸アニオンである請求項1から4のいずれかに記載の熱硬化性樹脂組成物。
  6. 一般式(1)におけるX が、ナフタレンカルボン酸類のアニオン、ジフェニル酢酸アニオン、及び1−アダマンタンカルボン酸アニオンのいずれかである請求項1から5のいずれかに記載の熱硬化性樹脂組成物。
  7. 一般式(1)におけるX が、ハロゲンアニオンである請求項1から4のいずれかに記載の熱硬化性樹脂組成物。
  8. 熱重合開始剤が、有機過酸化物熱重合開始剤である請求項1から7のいずれかに記載の熱硬化性樹脂組成物。
  9. 有機過酸化物熱重合開始剤が、ジアシルパーオキサイド及びパーオキシジカーボネートの少なくともいずれかを含有する請求項1から8のいずれかに記載の熱硬化性樹脂組成物。
  10. 請求項1から9のいずれかに記載の熱硬化性樹脂組成物を含有することを特徴とする熱硬化性シート。
  11. 下記一般式(1)で表されることを特徴とする化合物。
    ただし、前記一般式(1)中、R及びRは、それぞれ独立して、炭素数1〜4のアルキル基を表し、Rは、置換のアリール基を表し、Rは、置換又は無置換のアラルキル基を表す。Xは、カルボン酸アニオンを表す。
  12. 一般式(1)において、Rが、下記一般式(2)で表される基である請求項11に記載の化合物。
    ただし、前記一般式(2)中、Rは、水素原子、及び炭素数1〜4のアルキル基のいずれかを表す。Rは、炭素数1〜4のアルキル基を表す。mは、0〜3を表す。nは、0〜3を表す。m+nは、1〜5である。mが2又は3のとき、Rは、異なっていてもよい。nが2又は3のとき、Rは、異なっていてもよい。
  13. 一般式(1)におけるX が、ナフタレンカルボン酸類のアニオン、ジフェニル酢酸アニオン、及び1−アダマンタンカルボン酸アニオンのいずれかである請求項11から12のいずれかに記載の化合物。
  14. 下記の構造式(1−2)〜(1−12)のいずれかで表されるカチオンを有し、アニオンがCl アニオンであることを特徴とする化合物。
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