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JP6270617B2 - 固体酸化物形燃料電池の製造方法 - Google Patents

固体酸化物形燃料電池の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、固体酸化物形燃料電池に関する。
固体酸化物形燃料電池は、空気中の酸素、及び都市ガスから作った水素や一酸化炭素を使用して発電するものであり、例えば、特許文献1から知られているように、複数の単セルをインターコネクタを介して電気的に接続するとともに、さらにその下部にマニホールドを備えたセル構造体を備えて構成されている。この単セルは、燃料極と固体電解質と酸素極とが支持体により支持されたものである。マニホールドからセルに燃料ガスが、別途、酸素含有ガスがセルに供給される。セル構造体を構成する構成部材としては、先に示したように、単セルを構成する構成部材、インターコネクタ、マニホールド等が挙げられるが、これらの構成部材は、組み立て工程における高熱での焼成によって接合される。
例えば、特許文献2に開示されているように、耐熱性金属からなるマニホールドとセルとの間はガラスセラミックスでガスシールされており、その製造品質を向上させるために、形状的かつ材料的な工夫が提案されている。しかしながら、その製造過程において数百℃を超える高温に晒されたのち室温(常温)に戻されるので、固体酸化物形燃料電池の内部に残留応力が生じることは避けられず、この残留応力が解放される際にクラックが生じる。固体酸化物形燃料電池は駆動時には800℃の高温となり、駆動停止時には室温に戻される。つまり、実際にこの固体酸化物形燃料電池が使用され始めると、高温と室温との間の温度変化が繰り返し作用することになり、製造品質の良くない固体酸化物形燃料電池では、継時的に予期しない量のクラックが発生し、ガスリーク量が増大していくという問題が生じる。
特開2004−234970号公報 特開2013−182679号公報
上記実情に鑑み、使用開始から継時的に多くのクラックが発生する可能性のある固体酸化物形燃料電池を効果的に見つけ出すことができる固体酸化物形燃料電池の製造技術が要求されている。
本発明による固体酸化物形燃料電池の製造方法の第一特徴構成は、
前記固体酸化物形燃料電池を構成する構成部材を高温加熱で焼成することで各構成部材が接合された半製品を生成する焼成工程と、
前記半製品を室温(常温)からさらに零下温度である過剰冷却温度に冷却する過剰冷却工程と、
前記過剰冷却工程における過剰冷却過程、及び過剰冷却から室温に戻される過程のいずれか或いはそれらの組合せの過程において、クラック検査またはリーク検査あるいはその両方の検査を実施する検査工程と、
を備えており、
前記過剰冷却温度は、前記固体酸化物形燃料電池の使用開始後に経時的に発生するクラックを、前記焼成工程での高温から室温への冷却よりも早期に発生させることができる温度である、ことにある。
固体酸化物形燃料電池の焼成工程後の室温戻しによって、本来は、製造は完了して、その製品検査の後に出荷されるが、第一の特徴構成を備えた製造方法によれば、室温に戻された固体酸化物形燃料電池は、まだ半製品に過ぎないとみなし、さらに室温から低温に冷却する過剰冷却工程を受ける。これは、固体酸化物形燃料電池の残留応力の解放に伴うクラックの発生は、当該固体酸化物形燃料電池をさらに低温に、好ましくは零下温度に冷却することで、加速されるという、本願発明者の知見に基づいている。これは、高温から室温に戻された固体酸化物形燃料電池に発生した内部応力が冷却によって解放され、その解放時にクラックが発生するためと推測される。本発明による製造方法では、従来の出荷前検査では見出すことが困難であった、利用とともに継時的に現れてくるクラックが、本発明を特徴づけているこの過剰冷却工程によって早期に発生させることができる。したがって、このように製造される固体酸化物形燃料電池に対して検査を行うことで従来では困難であったクラックの発生具合を出荷前にチェックすることが可能となる。
また、第一の特徴構成では、前記過剰冷却工程における過剰冷却過程、及び過剰冷却から室温に戻される過程で、クラック検査またはリーク検査あるいはその両方の検査を実施する。即ち、前記過剰冷却工程における過剰冷却過程、及び過剰冷却から室温に戻される過程のいずれか或いはそれらの組合せの過程に検査工程が備えられる。温度変化を伴う固体酸化物形燃料電池の製造時には、固体酸化物形燃料電池の温度変化に弱い箇所にクラックが生じやすくなるが、この第一の特徴構成により、温度変化によって生じるクラックの検査、結果的にはクラックの発生に伴うリークを検査するリーク検査が効率的に行われるので製品の信頼性が向上する。さらに、使用し始めてから、数多くのクラックが発生してガスリーク量が増大するような製品の出荷を予め回避することが可能となる。
本発明による前記第一の特徴構成を備えた固体酸化物形燃料電池の製造方法の第二の特徴構成は、前記過剰冷却温度は、零下15度から零下5度までの零下温度であり、前記過剰冷却工程において、前記半製品は、室温から、前記過剰冷却温度まで冷却された後に、室温に戻されることにある。この特徴によれば、過剰冷却工程において半製品は零下15度から零下5度までの零下温度まで冷却されるので、半製品は、室温から過剰冷却温度までの温度変化及び冷却温度から室温までの温度変化に晒される。このような零下15度から零下5度までの温度への冷却に基づく温度変化を通じて、固体酸化物形燃料電池の温度変化に弱い箇所にクラックが生じやすくなり(即ち、過剰冷却によって劣化が促進されるものと理解される)、クラック検査が容易となる。なお、過剰冷却温度としては零下温度であることが好ましいが、特には、本願発明者の実験結果によれば、零下15度から零下5度までの零下温度が適切であると判断される。
本発明による前記第一又は第二の特徴構成を備えた固体酸化物形燃料電池の製造方法の第の特徴構成は、前記検査工程で用いられる検査が、アコースティックエミッションを利用した検査であることにある。実際にガスを注入して行われるリーク検査は、検査員の作業負担が大きいだけでなく、ガス注入の前処理や後処理にかなりの時間が要求されるが、これは、この第の特徴構成により、改善される。
即ち、クラック検査の1つとして過剰冷却工程中においても実施できる(無論、焼成工程から常温に戻される過程、前記過剰冷却工程における過剰冷却過程、及び過剰冷却から室温に戻される過程の全てでも実施できる)アコースティックエミッション(以下、単にAEと称する)を利用した検査が提案される。このAE検査では、固体酸化物型燃料にクラックが発生する時に放たれる衝撃波であるAE波が、固体酸化物型燃料の構成部材を伝播するので、その途中の適切な箇所に当該AE波を受信するAEセンサが装着される。AEセンサは、一般には、振動を電気信号に変換する圧電素子を備えている。AE信号の周波数などの振動特性は、クラック元となる材料やクラックの種類によって異なるので、検出したい振動特性、特に検出したい周波数の受信感度の良い圧電素子、あるいは広帯域の周波数を検出する圧電素子を選ぶとよい。圧電素子には、柔軟性のある高分子圧電材料を用いたものや、チタン酸バリウム系などの圧電セラミックを用いたものがあるが、装着面の温度を考慮すると、圧電セラミックが好ましい。装着面とAEセンサの受信面(圧電素子面)との間には音響カップリング剤を付与するが、耐熱性の音響カップリング剤を用いることで、高温の装着面に対処することができる。さらに、装着面の温度が数百度を超えるような場合には、電磁超音波方式を用いた非接触式の超音波センサを用いることやレーザー干渉計を用いた非接触式のAE波検出も考慮される。このようなAE検査において、AEセンサによって検出され、電気信号化されたAE信号を評価することによって、ガスリーク量を推定することも可能である。これは、AE信号の発生量とガスリーク量に直接の相関があることを見出した本願発明者の知見に基づくもので、実験等に通じて確認されている
本発明の基本原理を説明する説明図である。 加熱処理を通じて製造された固体酸化物形燃料電池の製造から使用にかけてのガスリーク量(クラック量)の継時的な増加を推測する推測曲線を示しており、(a)は過剰冷却処理なしの推測曲線であり、(b)は過剰冷却処理ありの推測曲線である。 本発明による固体酸化物形燃料電池の製造及び検査を行う設備の1つの実施形態を模式的に示す機能ブロック図である。 複数回の過剰冷却処理毎の、AE信号積分量とガスリーク量との関係を示すグラフである。
本発明の基本原理を説明するため、図1を用いて、固体酸化物形燃料電池の製造及び検査の基本的な工程を説明する。固体酸化物形燃料電池は、燃料極と固体電解質と酸素極とを支持体で支持した単セルの複数を電気的にインターコネクタで接続し、さらにその下部に燃料ガスをセルそれぞれに供給するためのマニホールドが接続一体化されたセル構造体を有して構成されており、ガスをシールするためのガラスシール部が含まれている。一般に、固体酸化物形燃料電池は、電解質膜の一方面側に空気極を接合するとともに、同電解質膜の他方面側に燃料極を接合してなる単セルを、空気極または燃料極に対して電子の授受を行う一対の電子伝導性の基材(セル間接続部材)により挟み込んだ構造を有する。そして、例えば700〜900℃程度の作動温度で作動し、空気極側から燃料極側への電解質膜を介した酸化物イオンの移動に伴って、一対の電極間に起電力が発生し、その起電力を外部に取り出し利用することができる。セル間接続部材にはインターコネクタやインターコネクタを介してセル間を電気的に接続する部材が該当する。ここで例示されている固体酸化物形燃料電池は、例えば特許文献1(特開2004−234970号公報)で示されているように、基本構成部材として少なくとも、燃料極11と固体電解質12と酸素極13とからなるセル(単セル)10の複数と、内部にガス流路が形成されているマニホールド16とを含むものであり、セル10とマニホールド16とはガラスシール部で接合される。なお、このマニホールド16内及びこのマニホール16からセル10には、ガス流路として、燃料、例えば水素が流れる燃料ガス流路が設けられる。本願においては、燃料ガス流路の他、ガス通路として、セルに酸化剤ガスを供給する酸化剤ガス流路も含む。但し、ここでの図示は省略されている。これらの基本構成部材の組み付けは、1000℃レベルの高温下での焼成工程によって行われる。つまり、各構成部材を前処理として準備された後(#01)、加熱(焼成)され(#02)、室温まで降温される(#03)。従来の製造では、室温に戻された段階で製造が終了となり、後は検査を受けて、合格したものは製品として出荷される。この検査は、具体的には、固体酸化物形燃料電池のガス流通路にガスを充満させてそのリークを測定する検査である。しかしながら、本発明では、室温に戻された固体酸化物形燃料電池はまだ半製品とみなされ、さらに零下温度、好ましくは零下5℃から零下15℃、特に好ましいのは零下10℃にまで冷却される過剰冷却処理を受け(#04)、その後室温に戻される(#05)。つまり、この固体酸化物形燃料電池は、#02での加熱の後の室温戻し、#04での冷却、その後の室温戻しといった温度変化に晒されることになるが、その温度変化時に生じるクラック、及び当該クラックによって生じるリークに対する検査が、例えば、室温戻し操作、過剰冷却操作、室温戻し操作にかけて実施される(#06)。この検査で合格したものが出荷される(#07)。なお、ここで実施される検査は、クラックの発生時に放たれるAE波に検出を原理とするAE(アコースティックエミッション)を利用したAE検査であり、製造中においても実施可能な検査である。また、クラック検査の対象としているクラックの発生箇所としては、ガスをシールするガラスシール部などの接合箇所だけでなくセル10の構造体そのものも含まれている。
次に、図2を用いて、本発明を特徴付けている過剰冷却処理について説明する。図2の(a)は、製造されてから発電機として駆動されている状況下での固体酸化物形燃料電池におけるガスリーク量の継時的な変化の推測曲線を示しており、実線は良好な製品(製品Aと記している)で、点線は良好ではない製品(製品Bと記している)に対応している。一般に、固体酸化物形燃料電池は、1000℃レベルの加熱処理を受けるため、室温において残留応力が生じている。固体酸化物形燃料電池の駆動温度は800℃程度(運転時)であることから、その駆動と停止の繰り返しは、固体酸化物形燃料電池に室温(停止時)と800℃(運転時)の高温との間の温度負荷を与えることになる。したがって、時間経過とともに、残留応力の開放と残量応力の発生との繰り返しによってクラックが増加し、結果的にガスリーク量が継時的に増加する。ガスリーク量が所定のしきい値:kを超えると(時点:Tk)、修理または交換の必要が生じる。したがって、製品品質を向上させるためには、早い時点でガスリーク量がしきい値:kを超えるような製品Bを、製造完了時に判定することが重要である。これを実現するために、本発明では、製造の最終段階で、過剰冷却処理を取り入れている。図2の(b)は、本願発明者の知見に基づく、図2の(a)に対応する推測曲線であり、この過剰冷却処理を施すことにより、経時的にゆっくりと生じるクラック量の増加が、過剰冷却処理の間の短期間に生じることを示している。製品Bのような品質をもった固体酸化物形燃料電池のクラック量、つまりガスリーク量は、過剰冷却処理後に(時点:T0)、しきい値:kを超える可能性が高く、このことを利用して、製品Bのような品質をもった固体酸化物形燃料電池を出荷前の検査で取り除くことができる。
次に、過剰冷却機構61と加熱機構60とを組み込んだ固体酸化物形燃料電池の製造装置と製造時検査装置とからなる、固体酸化物形燃料電池製造設備の実施形態を説明する。図3は、そのような製造設備における、特に本発明に関係する機能部を示した機能ブロック図である。この固体酸化物形燃料電池の製造装置は、それ自体公知であるので、ここではその加熱機構だけが点線で示されている。また、固体酸化物形燃料電池に関しては、燃料極11と固体電解質12と酸素極13とからなるセル10と、内部にガス流路15が形成されているマニホールド16とだけが模式的に示されている(図3においてガス流路15は燃料ガス流路を代表的に示している)。図1で示された基本原理に基づいて、固体酸化物形燃料電池の製造装置及び製造時検査装置の各機能を制御するために、製造コントローラ5と検査コントローラ4が備えられている。
固体酸化物形燃料電池の製造にあたっては、加熱機構60を用いた焼成を行う前に、固体酸化物形燃料電池の各構成部材が準備され、接合面にはシール剤が付与される。加熱処理が終了し、焼成組み付けが終了した固体酸化物形燃料電池は室温まで降温される。固体酸化物形燃料電池の温度が室温に達すると、過剰冷却機構61が駆動して、固体酸化物形燃料電池を零下10℃まで下げ、その後、室温に戻す過剰冷却処理が行われる。
例えば、この過剰冷却処理の間、本願で言うところのクラック検査として、AE(アコースティックエミッション)を用いた検査を行う。このため、圧電素子からなるAEセンサ3が固体酸化物形燃料電池のマニホールド16に接続されたガス配管部材17に装着される。このガス配管部材17は、金属材料から構成されており、セル10側から超音波が効率良く伝播する。したがって、固体酸化物形燃料電池の内部で微小クラックが発生すると、この微小クラックを起因として生じるAE波はガス配管部材17を通じてAEセンサ3に達する。AE波は、AEセンサ3でAE信号(電気信号)に変換され、検査コントローラ4のAE信号取得部30に入力する。AE信号取得部30には、増幅機能及びフィルタ処理や波形処理を含むディジタル信号処理機能が備えられており、入力したAE信号に対して増幅や信号処理を施して、AE評価部40に送る。
AE評価部40は、AE信号取得部30から受け取ったAE信号から固体酸化物形燃料電池におけるクラック発生を評価する。この実施形態では、AE信号取得部30は、AE信号の積分量からクラックの発生及び当該クラックの発生に起因するガスリーク量を推定し、その推定されたガスリーク量から、検査対象となっている製品(固体酸化物形燃料電池)の品質評価(合格または不合格)を行う。このため、AE評価部40には、AE信号積分量算定部41、ガスリーク量算定部42、積分量−ガスリーク量テーブル43、評価出力部44が備えられている。AE信号積分量算定部41は、AE信号の振幅値の総和、つまりAE信号の時間積分値をAE信号積分量として求める。過剰冷却を始めていくと、残留応力が開放され、微小クラックが増加していくので、パルス状のAE信号の発生頻度も増え、AE信号積分量も増えていく。このことから、AE信号積分量の増加と微小クラック増加、結果的にはAE信号積分量の増加とガスリーク量の増加とは高い相関関係を示すことになる。ここでの積分量−ガスリーク量テーブル43は、実験的に求められたAE信号積分量の増加とガスリーク量の増加との相関関係から得られた関係式に基づいて作成されており、この積分量−ガスリーク量テーブル43を用いて、任意のAE信号積分量から特定のガスリーク量が導出される。ガスリーク量算定部42は、AE信号積分量算定部41で算定されたAE信号積分量から、積分量−ガスリーク量テーブル43を用いて、ガスリーク量を求め、評価出力部44に送る。
評価出力部44は、予め設定されている、ガスリーク量のしきい値と、ガスリーク量算定部42で算定されたガスリーク量とを比較し、当該ガスリーク量がしきい値を超えていると、検査対象となっている製品を不合格とする。
なお、この実施形態では、この過剰冷却処理が複数回行われる。図2の(b)で示している製品Aと製品Bとの比較例は、あくまで説明的なグラフであり、実際には、過剰冷却処理によるガスリーク量(クラック量)の増加率は製品毎に変動する。したがって、この過剰冷却処理は複数回行われた方が、検査の信頼度が向上する。過剰冷却処理を複数回行った実験データが図4に示されている。図4は、20℃から零下10℃までの過剰冷却処理が4回実施され、その都度得られたAE信号積分量とガスリーク量との関係を示している。横軸はAE信号積分量を示しており、縦軸はガスリーク量を示している。なお、縦軸のガスリーク量では、初期結果(第1回目の過剰冷却処理の結果)を1とする正規化が行われている。この4回の過剰冷却処理で得られた測定ポイントを近似直線で結ぶと、一次線形の積分量−ガスリーク量関係式が得られる。
なお、一例として、2回の過剰冷却処理(20℃−零下10℃)を行った実験結果の数値を挙げると、1回目の過剰冷却処理で発生したAE信号の数は、147個、2回目は22個であった。ガスリーク量は、1回目の過剰冷却処理後のガスリーク量を1とすれば、2回目の過剰冷却処理後のガスリーク量は1.4であった。
さらに、製品品質管理を徹底するために、製品が使用状態で受ける熱負荷の下で、上述のようなAE検査を行ってもよい。つまり、この固体酸化物形燃料電池は、駆動時には約800℃の高温となり、駆動停止で、室温に戻される。したがって、製品使用時と同様な温度負荷として、製品に対して800℃と100℃との間の温度変化を与えながら、AE検査を実施し、最終的な製品の良否判定を行うのである。これにより、初期の段階でクラック発生が増加するといった初期不良を効果的に抑制することができる。
〔別実施の形態〕
(1)上述した実施形態では、過剰冷却処理における冷却温度は、零下15℃から零下5℃、実際に用いられたのは零下10℃であったが、本発明はこの温度領域に限定されているわけではない。過剰冷却処理の最適な温度は、固体酸化物形燃料電池の種類によっても異なる。最適な冷却温度は、加熱処理後の降温で残留応力を内在させた固体酸化物形燃料電池をさらに冷却して、使用開始後に経時的にクラックが発生してくる部位において、そのようなクラックを短時間(過剰冷却処理の期間)で発生させる温度である。
(2)上述した実施形態では、固体酸化物形燃料電池として、燃料極11と固体電解質12と酸素極13とからなるセル10と、内部にガス流路15が形成されているマニホールド16とからなる構造体を例としたが、これは1つの例に過ぎず、本発明はその他の構造を有する固体酸化物形燃料電池にも適用可能である。
(3)上述した実施形態では、AEセンサ3はマニホールド16から延びたガス配管部材17に装着され、セル10とマニホールド16を接続するガラスシール部に発生するクラックを検出照準としていた。それ以外のクラック検出照準としては、特開2013−229170号公報の図5に示されているような、セルとガラス封止板とを結晶化ガラス層で接合している接合領域、特開2007−149430号公報の図1に示されているような、セルとセパレータとをシール材で接合している接合領域、開2012−74268号公報の図1に示されているような、セルとガス管とを接合材で接合している接合領域、などが挙げられる。しかしながら、このAE検査においては、上記のような接合領域だけでなく、セルそれ自体に発生するクラックも検出対象とすることも可能である。
(4)AEセンサ3の取付位置としては、放熱機能を有して、表面温度が高温にならない部材、ガス供給配管などが適しているが、超音波が伝播しやすい金属製ヒートシンクのような部材を別個にAE波導入部材として設けてもよい。
(5)上述した実施形態では、AEセンサ3を1つだけ装着されていたが、適当な箇所に複数装着し、マルチチャンネル方式を用いて各AEセンサ3で検出されたAE波の信号処理及び評価を行ってもよい。
(6)上述した実施形態では、燃料ガス流路を通じてのAE検査を実施する例を示しているが、酸化剤ガス流路を通じてのAE検査の実施も可能である。もちろん、両方のガス流路を通じてAE検査が実施されてもよい。
本発明は、加熱処理によって、内部に残留応力が閉じ込められる固体酸化物形燃料電池、及びその製造方法に適用可能である。
10:セル
11:燃料極
12:固体電解質
13:酸素極
15:ガス流路
16:マニホールド
17:ガス配管部材
3 :AEセンサ
30:AE信号取得部
4 :検査コントローラ
40:AE評価部
41:AE信号積分量算定部
42:ガスリーク量算定部
43:積分量−ガスリーク量テーブル
44:評価出力部
5 :製造コントローラ
60:加熱機構
61:過剰冷却機構

Claims (3)

  1. 固体酸化物形燃料電池の製造方法であって、
    前記固体酸化物形燃料電池を構成する構成部材を高温加熱で焼成することで各構成部材が接合された半製品を生成する焼成工程と、
    前記半製品を室温からさらに零下温度である過剰冷却温度に冷却する過剰冷却工程と、
    前記過剰冷却工程における過剰冷却過程、及び過剰冷却から室温に戻される過程のいずれか或いはそれらの組合せの過程において、クラック検査またはリーク検査あるいはその両方の検査を実施する検査工程と、
    を備えており、
    前記過剰冷却温度は、前記固体酸化物形燃料電池の使用開始後に経時的に発生するクラックを、前記焼成工程での高温から室温への冷却よりも早期に発生させることができる温度である、固体酸化物形燃料電池の製造方法。
  2. 前記過剰冷却温度は、零下15度から零下5度までの零下温度であり、
    前記過剰冷却工程において、前記半製品は、室温から、前記過剰冷却温度まで冷却された後に、室温に戻される請求項1に記載の固体酸化物形燃料電池の製造方法。
  3. 前記検査工程で用いられる検査は、アコースティックエミッションを利用した検査である請求項1又は2に記載の固体酸化物形燃料電池の製造方法。
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