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JP6267646B2 - ゲートブラッシュ(gateblush)を減少させながらポリマー物品を成形するためのシステム及び方法 - Google Patents

ゲートブラッシュ(gateblush)を減少させながらポリマー物品を成形するためのシステム及び方法 Download PDF

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Description

[0001]本出願は、2011年10月28日出願の米国仮特許出願61/552,856(参照として本明細書中に包含する)に基づくものであり、これに対する優先権を主張する。
[0002]比較的近年においては、金属部品を、ポリマー材料、特に高性能熱可塑性ポリマーから製造される部品で置き換える要望が増加している。このニーズは、ほとんど限界なく多様な異なる用途及び分野にまで及んでいる。例えば、熱可塑性ポリマーから製造される部品は、民生機器製品、工業プロセス、各種輸送車両などにおいて用いられている。例えば、自動車分野において金属部品を熱可塑性ポリマーから製造される部品で置き換える需要が増加している。熱可塑性ポリマーから製造される部品は、例えば車両の外装又は車両の内装に用いることができる。
[0003]例えば自動車用途において用いる場合には、熱可塑性ポリマーから製造される部品は、通常は、車両の魅力を更に増加させるために美的外観を有することが求められている。而して多くの用途において、部品は、成形した後にそれが使用される環境に色を適合させるために塗装又は他の形態で装飾する。残念なことに、プラスチック部品を塗装すると部品の製造において相当な出費になる。また、部品を塗装する必要性によって製造時間が増加し、部品を製造する施設に対する設備支出が大きく増加する可能性がある。
[0004]上記を考慮して、当業者は成形部品の塗装を不要にするために熱可塑性ポリマーに着色剤を加えることを試みている。例えば一態様においては、金属顔料を熱可塑性化合物に加えて金属のような外観を有する成形部品を与えている。しかしながら、ポリマー物品の射出成形中において、部品の製造中に種々の表面欠陥が出現する可能性がある。例えば、特定の部品形状、金型のレイアウト、ゲートの位置、及び成形条件によって、屋外曝露による光沢損失の増加及び部品の美観を損なう視覚的な欠陥などの種々の障害が引き起こされる可能性がある。1つの特に繰り返し起こる問題は「ゲートブラッシュ(gate blush)」として知られているものであり、これは射出金型のゲート位置の付近に不規則な暗色のパターン又はくすんでいるか若しくは変色した領域を引き起こす。他の繰り返し起こる問題は、金型の構造が1つより多いゲートを含む場合に、2つのフローフロントが会合する位置に形成される最終部品におけるフローラインの形成である。これらのフローラインは、当該技術において時には「ニットライン」と呼ばれる。
[0005]ニットラインは、多くの用途において、溶融した熱可塑性材料を金型中に導入する単一のゲート又は導入点のみを含む金型の構造を与えることによって排除することができる。他方において、ゲートブラッシュ(gate blush)を排除する試みは、一般に多くの異なる成形体形状において成功していない。射出速度のような成形条件を制御するか、又は金型上の特定の位置にゲートを移動させることは、ゲートブラッシュ(gate blush)を常に排除するとは分かっていない。ゲートに近接して配置される小さい突起であるコールドスラグ通路を用いることも通常的である。コールドスラグ通路が存在するにもかかわらず、ゲートブラッシュ(gate blush)は引き続き発生する。金型の充填速度を減少させることもゲートブラッシュ(gate blush)を排除しないことがあり、これはまた遅いサイクル時間をもたらす。当業者は、特定の状況において何故ゲートブラッシュ(gate blush)が起こるのかについて全く十分に理解しておらず、したがってこの問題を完全に解決することはできていない。
[0006]本発明は、概して、ゲートブラッシュ(gate blush)を実質的に排除する、物品を射出成形するための成形方法及びシステムに関する。例えば一態様においては、本発明は、1以上の金型ゲートに通じるポリマー流路を含む射出成形金型システムに関する。本発明によれば、ゲート点の1つの位置の付近において、システムは、合計でゲートへのオーバーフロー通路の溶融体体積の約20%〜約1000%の容積を有する1以上の終端オーバーフロー通路を含む。射出成形中において、ポリマー流の一部を、ポリマー流を1以上のゲートに導入して金型に導入するのに十分な時間オーバーフロー通路中に分流させる。オーバーフロー通路が満たされた後は、ポリマー流はそれ以上部分的に分流せず、金型中への最大の流速が達成される。本発明者らは、金型内の流速を上記のように一定時間一時的に減少させると、処理速度に実質的に影響を与えることなくゲートブラッシュ(gate blush)が減少又は排除されることを発見した。
[0007]例えば一態様においては、本発明は、金型、金型と流体連絡している射出装置、及び射出装置と金型との間に配置されている流路を含む、ポリマー物品を射出成形するためのシステムに関する。流路は、射出装置からのポリマー材料の流れを受容する射出点を含む。流路はまた、流路上の射出点の下流に配置されているゲートを含む。ゲートは、金型中に通じる開口に配置されているか又はそれに隣接して配置されている。
[0008]本発明によれば、システムは、射出点とゲートとの間の流路と流体連絡している少なくとも1つのオーバーフロー通路を含む。オーバーフロー通路は、流路を通るポリマー材料の初期段階の流れの間に、流れの一部を少なくとも1つのオーバーフロー通路に一時的に分流させて、それによってゲートを通るポリマー材料の流速を一時的に減少させ、その後に増加させるように構成されている。
[0009]例えば一態様においては、システムには、約1〜約5のオーバーフロー通路、例えば約2〜約5のオーバーフロー通路を含ませることができる。オーバーフロー通路は、全体で、ポリマー材料が1以上のゲートに導入されて金型に導入された後のみに初めてオーバーフロー通路がポリマー材料の流れで満たされるような規定の容積を有する。オーバーフロー通路の容積は、例えばオーバーフロー通路からゲートへの流路の容積の約20%〜約1000%であってよい。オーバーフロー通路は、概して流路を通るポリマー材料の流れの約5%〜約60%、例えばポリマー材料の流れの約20%〜約50%を分流させることができる。
[0010]射出成形システムに加えて、本発明はまた、ポリマー材料を成形する方法にも関
する。この方法は、溶融したポリマー材料を、金型キャビティー中に通じる流路中に供給
する工程を含む。ポリマー材料の流路中への初期段階の流れの間に、流れの一部、例えば
流塊の一部を、金型中への減少した初期段階の流速を生起させるような形でオーバーフロ
ー通路中に一時的に分流させる。金型キャビティーにポリマー材料を充填して成形物品を
形成する。金型キャビティーを充填する間においては、金型中へのポリマー材料の流れ、
例えば初期段階の流塊は、初期段階の流速及び後期段階の充填流速を有する。初期段階の
流速は、当該充填流速よりも約5%〜約90%低く、例えば充填流速の約5%〜約50%である。金型キャビティーが満たされた後に、成形物品を金型から取り出す。
[0011]種々の異なるポリマー材料を、制限なしに本発明にしたがって加工することができる。例えば一態様においては、ポリマー材料には、金属顔料のような着色剤を含むポリオキシメチレンポリマーを含ませることができる。
[0012]別の態様においては、本発明はまた、熱可塑性材料から外観ポリマー物品を射出成形するためのシステムにも関する。このシステムは、金型キャビティーを形成する少なくとも1つの空洞部を含む金型を含む。このシステムはまた、熱可塑性材料を加熱及び圧縮するための圧縮区域も含む。このシステムは更に、金型キャビティーの開口部におけるゲートにおいて終了する少なくとも1つのランナーを含む。ランナーは、圧縮区域とゲートとの間を流体連絡している。本発明によれば、このシステムは更に、ランナーと流体連絡している空間を形成する少なくとも1つの終端分流通路を含む。終端分流流路はゲートから所定の距離に配置されており、終端分流流路の空間容積は、分流通路とゲートとの間に残るランナー空間容積の少なくとも1.1倍である。射出成形中においては、初期段階において金型キャビティーに充填される熱可塑性材料の流れの部分の流速は減少し、一方、熱可塑性材料の他の部分は終端分流通路中に流れる。
[0013]本発明はまた、上記の方法によって製造される成形生成物にも関する。一態様においては、成形生成物は、外表面を有する物品に成形された熱可塑性ポリマーを含む。外表面の少なくとも一部は、生成物を使用する際に見えるように意図されている外観表面を含む。例えば、成形生成物が自動車内装用のトリムベゼルである場合には、外観表面はドライバー又は乗客が車両の中にいる際に見える外表面の一部である。
[0014]成形生成物は、ゲートを通して熱可塑性ポリマーを金型中に射出することによる射出成形によって製造される。多くの用途において、ゲートは外観表面に隣接して配置される。本発明によれば、外観表面はゲートブラッシュ(gate blush)を含まない。
[0015]例えば一態様においては、成形生成物は、少なくとも1種類の着色剤を含むポリオキシメチレンポリマーから製造される。ゲートブラッシュ(gate blush)を含まない外観表面を生成させることができることにより、生成物を塗装する必要なしに最終用途製品中に速やかに含ませることができる。而して、外観表面は塗装を含まないようにすることもできる。
[0016]本発明の他の特徴及び形態を下記においてより詳細に議論する。
[0017]明細書の残りにおいて、添付の図面の参照を含む当業者に対するそのベストモードを含む本発明の完全且つ実施可能な程度の開示をより詳しく示す。
図1は、従来の成形物品を示す平面図である。 図2は、本発明による成形物品の一態様の平面図である。 図3は、本発明による、金型キャビティー及び金型キャビティー中に通じるランナーシステムの断面図である。 図4A、4B、及び4Cは、射出成形によって成形物品を形成するための本発明による方法の一態様を示す。 図5は、本発明による射出成形システムの切り欠き部分を有する側面図である。
[0018]本明細書及び図面において参照番号を繰り返し使用することは、本発明の同じか又は類似の特徴又は要素を表すことを意図する。
[0019]本議論は代表的な態様のみの説明であり、本発明のより広い形態を限定することは意図しないことが当業者に理解される。
[0020]本発明は、概して、ゲートブラッシュ(gate blush)を減少又は排除しながら成形物品を製造するためのシステム及び物品を成形する方法に関する。一般に、本発明のシステムは、射出装置と流体連絡している金型キャビティーを画定している金型を含む。射出装置は、溶融した熱可塑性材料を加熱し、金型中に射出するように構成されている。金型と射出装置との間に流路又はランナーシステムが存在する。流路は、金型キャビティーに隣接して配置されているゲート内で終了している。本発明によれば、流路は少なくとも1つのオーバーフロー通路を含む。
[0021]1以上のオーバーフロー通路が流路上のゲートの上流に配置されている。ポリマー材料の流れを流路に導入すると、流れの一部は一時的な時間の間1以上のオーバーフロー通路中に分流される。より具体的には、一定量のポリマー流が、ポリマー流がゲートを通して金型キャビティーに導入されるのに十分な時間分流される。このようにして、ゲート中へのポリマーの初期段階の流れは、オーバーフロー通路がポリマー材料で満たされるようになるまで一時的に減少する。1以上のオーバーフロー通路がポリマー材料で満たされるようになったら、金型キャビティー中へのポリマー材料の流れは最大流速まで増加する。
[0022]本発明者らは、金型キャビティー中への流速を一時的に減少させることによってゲートブラッシュ(gate blush)が減少又は排除されることを発見した。また驚くべきことに、初期段階の減少の後に流速を増加させることは更なるゲートブラッシュ(gate blush)の問題を引き起こさないことも発見された。このようにして、処理速度を大きく損なうことなくゲートブラッシュ(gate blush)が減少又は排除される。
[0023]ゲートブラッシュ(gate blush)は、射出成形物品のゲート領域における変色として現れる可能性がある表面欠陥である。ゲート領域とは、形成される生成物の外観表面上の、熱可塑性ポリマーを金型中に射出するゲートに隣接している部分である。例えば、ゲート領域は、円形で、約5mm未満、例えば約4mm未満、例えば約3mm未満、例えば約2mm未満、例えば約1mm未満の直径を有する可能性がある。ゲート領域の中心はゲートの位置と同心である。ゲートを通して熱可塑性ポリマーを射出成形するにつれて、ゲートブラッシュ(gate blush)が形成されて、ゲート領域内に位置する一連の曲線が呈される可能性がある。
[0024]ゲートブラッシュ(gate blush)は種々の様式で定義することができる。例えば一態様においては、ゲートブラッシュ(gate blush)は、一態様においては人間の目に見える螺旋パターンのメルトフラクチャーを含む。他の態様においては、螺旋パターンは100倍の倍率及び45°の角度で走査電子顕微鏡によって検査した際に認められる。一態様においては、メルトフラクチャーの少なくとも一部、例えば少なくとも20%、例えば少なくとも40%、例えば少なくとも60%は、少なくとも20ミクロンの長さを有する。
[0025]ゲートブラッシュ(gate blush)はまた、米国特許6,868,371(参照として本明細書中に包含する)に記載されているBORG分光測光技術として知られている表面欠陥観察技術によって測定することもできる。この技術においては、空間分解分光光度計を用いて成形プラスチック部品における表面欠陥を測定する。次に、これらの試料プラスチック部品の1以上からの測定値をコンピューター制御機器に送って、データを適当にフィルタリングし、全体的なデータ形状、平均的なピーク及び谷部のシフト、及びデータ傾斜を示す定性値を算出する。この方法においては、試料成形部品は、場合によっては電動の移動ステージ上に設置されている試料ホルダー上に載置して、試料表面上の対象の形状を横切ってスキャンする。コンピューター制御機器は、モーションシステム及びデータ収集を自動化して、生データを色座標に変換する。このデータは、事前に得た装置較正データを考慮することによって処理して、ユーザーがパラメーターを調節することによって信号/雑音比を最適にすることができるようにする。次に、装置は縞の入った領域全体での最も明るい点と最も暗い点との間の色指数における差を算出する。
[0026]表面欠陥は、通常は欠陥(例えばゲートブラッシュ(gate blush))に物理的に対応する色指数(以下において時には「L」と称する)の減少を測定することによって検出される。
[0027]上記の技術を用いて、成形生成物のゲート領域内などの表面欠陥における色指数を測定することができる。また、欠陥から離れた箇所で色指数を測定することもできる。次に、2つの測定値から色シフトにおける差(%)を算出することができる。
[0028]本発明によれば、表面欠陥が最小になると、ゲート領域及び外観表面の残りの上において測定される色指数の小さい差がもたらされる。例えば、一態様においては、ゲート領域における色指数は、外観表面の残り全体の色指数に対して、ゲート領域において20%以下、例えば10%以下、例えば5%以下変化していてよい。
[0029]BORG分光測光技術を用いる1つの方法は、米国特許6,825,266(これも参照として本明細書中に包含する)に記載されている。
[0030]図5を参照すると、本発明にしたがって構成することができる射出成形システムの一態様が示されている。示されているように、このシステムは、ポリマー材料を溶融又は軟化させ、溶融したポリマー材料を金型キャビティー12中に射出するように構成されている射出装置10を含む。ポリマー組成物は、任意の好適な方法で射出装置10に供給することができる。例えば、図5に示す態様においては、システムは、ポリマー組成物を受容し、組成物を射出装置10に供給するホッパー14を含む。
[0031]射出装置10は、ヒーター及び移送装置を含むバレル16を含む。移送装置には、例えば1以上のフィードスクリュー18を含ませることができる。例えば、図5に示す態様においては、バレル16は単一のフィードスクリュー18を含む。しかしながら他の態様においては、バレル16には2重のフィードスクリューを含ませることができる。フィードスクリュー18はモーター20によって回転される。モーター20は、例えば1以上のベルト又はチェーンによってフィードスクリュー18に接続されている電気モーターを含んでいてよい。
[0032]ポリマー組成物をホッパー14に加えたら、ポリマー組成物をバレル16内で加熱して溶融状態にする。フィードスクリュー18によって、溶融したポリマー材料をバレル16から流路22中に移送する。流路22は、射出点によって射出装置10と連絡していてよい。成形物品を製造するために、流路22からポリマー材料を金型12の金型キャビティー中に射出する。
[0033]図1を参照すると、従来の方法にしたがって製造される成形物品30が示されている。成形物品30を金型キャビティーから取り出す際には、ポリマー組成物から形成される伸長部32が含まれており、これは射出点から金型キャビティーへの流路を示している。伸長部32は、通常は使用する前に成形物品30から除去される。幾つかの態様においては、伸長部32は、その後は再生処理して他の成形プロセスにおいて再利用する。
[0034]図1に示されるように、過去においては、ポリマー材料が金型キャビティー中に導入される位置で問題が生じていた。特に、ポリマー材料が金型キャビティーに導入される箇所で目に見える欠陥が形成されていた。図1において示されるようなこれらの欠陥はゲートブラッシュ(gate blush)34と呼ばれる。多くの場合において、ゲートブラッシュ(gate blush)34は、不規則な暗色のパターン又はクモの巣状の欠陥として見ることができ、これによって部品の美的外観が大きく低下し、部品が製造者によって不合格になる可能性がある。
[0035]図2を参照すると、本発明にしたがって製造される成形物品40が示されている。示されているように、成形物品40は、図1に示す態様と同様に、射出装置の射出点から成形物品40を形成する金型キャビティーの開口への流路を示す伸長部42を含む。しかしながら本発明によれば、伸長部42は1以上のオーバーフロー通路を更に含む。例えば図2に示す態様においては、伸長部42は第1のオーバーフロー通路44及び第2のオーバーフロー通路46を含む。下記においてより詳細に説明するように、成形物品40を形成する金型キャビティーを充填している間においては、射出装置の射出点から排出されるポリマー流の一部はオーバーフロー通路44及び46中に分流される。ポリマー流が流路44及び46中に分流されている間は、ポリマー流の流速及び/又は速度は一時的に減少する。オーバーフロー通路44及び46は、ポリマー流が成形物品40を形成するための金型キャビティーに導入された後のみに初めてオーバーフロー通路がポリマー組成物で満たされるのに十分な容積を有する。オーバーフロー通路44及び46がポリマー流で満たされたら、次に成形物品40を形成するための金型キャビティー中への充填流が再開される。
[0036]図2に示されるように、オーバーフロー通路44及び46が存在することによって、金型キャビティーへの入口におけるゲートブラッシュ(gate blush)が減少するか又は実質的に排除される。
[0037]図3、4A、4B、及び4Cを参照すると、金型12の断面図が、流路22の断面図と共に示されている。示されているように、金型12は、流路22と流体連絡している金型キャビティー50を含む。流路22は、ゲート54の上流に配置されている射出点52を含む。ゲート54は、金型キャビティー50に隣接して配置されている。図3に示す態様においては、単一のゲート54のみが含まれる。しかしながら他の態様においては、1つより多いゲートを流路22と連絡させることができる。
[0038]本発明によれば、流路22はまた1以上のオーバーフロー通路とも流体連絡している。例えば図3に示す態様においては、流路22は第1のオーバーフロー通路56及び第2のオーバーフロー通路58と連絡している。上記したように、流路22を通してポリマー流を供給すると、ポリマー流の一部はオーバーフロー通路56及び58中に分流される。流れは、少なくともポリマー流がゲート54を通して金型キャビティー50に導入されるまでオーバーフロー通路56及び58中に流入し続ける。一態様においては、流れは、金型キャビティーにポリマー組成物が充填されるまでオーバーフロー通路56及び58中に分流される。しかしながら、他の態様においては、ポリマー流は一時的にしかオーバーフロー通路中に分流されない。一時的に分流される際には、ポリマー流は減少した流速で金型キャビティー50中に導入され、その後、流れがそれ以上オーバーフロー通路中に分流されなくなると増加する。
[0039]図4A〜4Cを参照すると、本発明にしたがってポリマー流を流路22に導入して金型キャビティー50に充填する連続図が示されている。例えば図4Aを参照すると、流路22に導入されるポリマー流60が示されている。ポリマー流60は、図5に示される射出装置から流路22中に供給される。
[0040]図4Bにおいて示されるように、ポリマー流60が流路に導入されるにつれて、ポリマー流の一部は、第1のオーバーフロー通路56中及び第2のオーバーフロー通路58中に分流される。オーバーフロー通路56及び58は、ポリマー流がゲート54を通って金型キャビティー50に導入されるのに十分な時間、ポリマー流の一部を分流させるのに十分な容積を有する。而して、図4Bにおいては、ポリマー流60は減少した流速で金型キャビティーに導入される。
[0041]ここで図4Cを参照すると、一定時間の後に、オーバーフロー通路56及び58はポリマー組成物で完全に満たされる。オーバーフロー通路がポリマー組成物で満たされたら、ポリマー流60の一部はそれ以上オーバーフロー通路中に分流されない。而して、図4Cに示されるように、ポリマー流60全体が成形物品を製造するための金型キャビティー50中に流入する。
[0042]オーバーフロー通路によって流入するポリマー流が分流されて、初期段階のポリマー流がゲート54を通過する際の瞬間圧力が減少する。而して、金型キャビティー50中への充填速度は、ポリマー流が金型の充填中にゲートを超えて前進する際に一時的に減少する。射出装置は、所望の射出速度を与えるように更に制御することができる。少なくとも初期段階の金型キャビティーの充填中、及び場合によっては金型キャビティー全体の充填中において、オーバーフロー通路56及び58が存在することにより瞬間圧力及び金型キャビティー50中への流速が減少することによって、ゲートブラッシュ(gate blush)が減少するか又は実質的に排除される。ポリマー組成物のゲートにおける流速は、オーバーフロー通路の相対的な寸法に応じて、金型の充填の一部又は全部の充填の間に、オーバーフロー通路が存在しない場合に起こるであろう流速と比べて減少した状態で維持することができる。
[0043]図3に示されるように、オーバーフロー通路56及び58は射出点52とゲート54との間に配置されている。オーバーフロー通路の寸法又は容積は種々のファクターに応じて定めることができる。例えば、より大きな容積を有するオーバーフロー通路は、オーバーフロー通路からより離してゲートを配置することが必要である。また、流路からゲートまでの間に存在するポリマー流の体積がより多い場合には、オーバーフロー通路はより大きな容積を有することも必要な可能性がある。一般に、流路56及び58並びに流路の容積は、同時に少なくとも金型の充填の初期段階の数秒の間に初期段階の瞬間溶融圧力及び金型充填速度を十分に減少させながら、廃棄材料の生成を最小にするように調節することができる。
[0044]一般に、1以上のオーバーフロー通路の容積は、オーバーフロー通路からゲートまでの流路の容積の約20%〜約1000%である。例えば幾つかの態様においては、1以上のオーバーフロー通路は、オーバーフロー通路とゲート開口との間の流路の容積の約50%〜約500%、例えば約100%〜約500%の範囲の容積を有していてよい。1つの特定の態様においては、オーバーフロー通路の容積の比はフローチャンバーとゲートとの間の流路の容積よりも約1.1〜約2倍大きい。
[0045]最終的には、流路は、ゲートブラッシュ(gate blush)を減少又は排除するために十分な量のポリマー流を十分な時間分流させなければならない。例えば、オーバーフロー通路中に分流させるポリマー流の量は、全ポリマー流の約5%〜約60%、例えば全ポリマー流の約20%〜約50%であってよい。例えば1つの特定の態様においては、1以上のオーバーフロー通路は、流路に導入されるポリマー流の約25%〜約40%を分流させることができる。
[0046]ポリマー流から1以上のオーバーフロー通路中に分流される流れの量は、多数の技術を用いて制御することができる。例えば、より多いか又はより少ないオーバーフロー通路を含ませることによって分流の割合を制御することができる。分流される流れの量はまた、流路の断面積に対するオーバーフロー通路の断面積を調節することによって制御することもできる。例えば、オーバーフロー通路の断面積は、流路の断面積の約25%〜約200%にすることができる。例えば一態様においては、オーバーフロー通路は、流路又はランナーの断面積よりも小さい断面積を有する。例えば、オーバーフロー通路の断面積は、流路の断面積の約30%より大きく、例えば約40%より大きく、例えば約50%より大きくすることができ、一般に流路の断面積の約90%未満、例えば約80%未満、例えば約70%未満にすることができる。別の態様においては、オーバーフロー通路の断面積は、流路の断面積の100%より大きく、例えば約110%〜約200%にすることができる。オーバーフロー通路の断面積は固定することができ、或いは好適なバルブ機器を用いて変動させることができる。
[0047]ポリマー流を分流させる時間は種々のファクターに応じて定めることができるが、少なくともポリマー流がゲートを通過して金型キャビティーに導入されるのに十分なものである。一般に、ポリマー流をオーバーフロー通路中に分流させる時間は、金型キャビティー50を完全に満たすのに必要な時間の少なくとも約1%、例えば少なくとも約3%、例えば少なくとも約5%、例えば少なくとも約10%、例えば少なくとも約20%である。例えば一態様においては、ポリマー流は、金型キャビティーを満たすための全時間の約5%〜約50%、例えば約5%〜約20%の時間、オーバーフロー通路中に分流させる。
[0048]而して、金型キャビティーに導入されるポリマー流の流速及び速度は、金型の全充填時間の約1%〜約50%の時間、約5%〜約60%の量で減少する。
[0049]図3に示される態様においては、システムは2つのオーバーフロー通路56及び58を含む。しかしながら、特定の用途及び所望の結果に応じてより多いか又はより少ないオーバーフロー通路をシステム中に含ませることができることを理解すべきである。例えば、一般には、約1〜約5のオーバーフロー通路を単一の流路に連絡させて配置することができる。
[0050]図3に示される態様においては、オーバーフロー通路56及び58は規定の容積を有する。しかしながら他の態様においては、オーバーフロー通路は端部を開口させることができ、ここではプロセスの間中においてポリマー流の一部を連続的に分流させ、或いはオーバーフロー通路中に分流されたポリマー流の部分を流路22中か又は他の導管中に再循環して戻すことができる。更に他の態様においては、オーバーフロー通路56及び58のそれぞれをバルブと関係させることができる。バルブは、オーバーフロー通路中への流れを開放及び閉止し、及び/又はオーバーフロー通路中への流れの量を制御するように構成することができる。例えば、流路22を通るポリマー流を開始させる際には、バルブを開放してポリマー流の一部が流路に導入されるようにすることができる。ポリマー流がゲート54を通過して金型キャビティー50に導入されたら、次にバルブを閉止位置に戻してポリマー流の全部が金型キャビティーに導入されるようにすることができる。バルブはまた、一定の量を開放して、オーバーフロー通路中に分流されるポリマー流の部分を制御するように構成することもできる。
[0051]一態様においては、オーバーフロー通路のそれぞれは、システム内の圧力に反応するバネ付勢バルブのような圧力制御バルブと関係させることができる。而して、オーバーフロー通路中に分流される流れの量は、バネ付勢バルブ上に印加する圧力の量によって定めることができる。
[0052]一般に、本発明のシステム及び方法は、成形プロセス、特に射出成形プロセスにおける任意の好適な熱可塑性ポリマーの加工に適合させることができる。一態様においては、本発明方法において用いるポリマー組成物としては、金型キャビティーから排出したら使用できる状態である成形物品を製造するための着色剤と混合した熱可塑性ポリマーが挙げられる。特に、着色剤は、美的外観を有する成形物品を与え、成形物品を塗装するか又は成形物品を他の形態で装飾する必要性を排除するために存在させる。
[0053]本発明方法にしたがって加工することができる熱可塑性ポリマーとしては、ポリアセタールポリマー、ポリフェニレンスルフィドポリマーのようなポリアリーレンスルフィドポリマー、ポリエチレン及びポリプロピレンなどのポリオレフィンポリマー、ポリカーボネートポリマー、PCTポリマーなどのポリエステルポリマーなどが挙げられる。
[0054]熱可塑性ポリマーと混合する着色剤には、顔料、染料、金属粒子などを含ませることができる。顔料粒子としては、例えば、硫酸バリウム粒子、二酸化チタン粒子、炭酸カルシウム粒子などを挙げることができる。他の態様においては、着色剤には、雲母フレークを、単独か又は有機染料のような染料と組み合わせて含ませることができる。
[0055]1つの特定の態様においては、ポリマー組成物は、ポリアセタール樹脂を、着色剤、特に金属フレークと組み合わせて含む。ポリアセタール樹脂はホモポリマー又はコポリマーを含んでいてよく、末端停止基を含んでいてよい。ホモポリマーは、ホルムアルデヒド又はトリオキサンを重合することによって得ることができ、これはカチオン又はアニオンによって開始することができる。ホモポリマーは、ポリマー鎖内に主としてオキシメチレン単位を含んでいてよい。他方において、ポリアセタールコポリマーはオキシメチレン単位と共にオキシアルキレン単位を含んでいてよい。オキシアルキレン単位は、例えば約2〜約8炭素の単位を含んでいてよく、線状又は分岐であってよい。一態様においては、ホモポリマー又はコポリマーは、エステル化又はエーテル化による分解に抵抗するように化学的に安定化されているヒドロキシ末端基を有していてよい。
[0056]上記したように、ホモポリマーは、一般に、好ましくは好適な触媒の存在下においてホルムアルデヒド又はトリオキサンを重合することによって製造される。特に好適な触媒の例は、三フッ化ホウ素及びトリフルオロメタンスルホン酸である。
[0057]ポリオキシメチレンコポリマーは、−CHO−繰り返し単位と共に、50モル%以下、例えば0.1〜20モル%、特に0.5〜10モル%の次式:
Figure 0006267646
(式中、R〜Rは、互いに独立して、水素原子、C〜C−アルキル基、又は1〜4個の炭素原子を有するハロ置換アルキル基であり、Rは、−CH−、−O−CH−、又はC〜C−アルキル−若しくはC〜C−ハロアルキル−置換メチレン基、或いは対応するオキシメチレン基であり、nは0〜3である)
の繰り返し単位を含んでいてよい。
[0058]これらの基は、有利には、環式エーテルの開環によってコポリマー中に導入することができる。好ましい環式エーテルは、式:
Figure 0006267646
(式中、R〜R、及びnは上記に定義した通りである)
のものである。
[0059]例として言及することができる環式エーテルは、エチレンオキシド、プロピレン1,2−オキシド、ブチレン1,2−オキシド、ブチレン1,3−オキシド、1,3−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、及び1,3−ジオキセパンであり、例として言及することができるコモノマーは、ポリジオキソラン又はポリジオキセパンのような線状のオリゴ又はポリホルマールである。
[0060]オキシメチレンターポリマー、例えば、トリオキサンを、上述の環式エーテルの1つ及び第3のモノマー、好ましくは式:
Figure 0006267646
(式中、Zは、化学結合、−O−、又は−ORO−(R=C〜C−アルキレン又はC〜C−シクロアルキレン)である)
の二官能性化合物と反応させることによって製造されるものを用いることもできる。
[0061]このタイプの好ましいモノマーは、ごく僅かな例を言及すれば、エチレンジグリシド、ジグリシジルエーテル、並びに、2:1のモル比のグリシジル単位、及びホルムアルデヒド、ジオキサン、又はトリオキサンから構成されるジエーテル、並びに2モルのグリシジル化合物及び2〜8個の炭素原子を有する1モルの脂肪族ジオールから構成されるジエーテル、例えばエチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,3−シクロブタンジオール、1,2−プロパンジオール、又は1,4−シクロヘキセンジオールのジグリシジルエーテルである。
[0062]本明細書において規定するポリアセタール樹脂にはまた、末端停止樹脂を含めることができる。かかる樹脂は、例えばペンダントヒドロキシル基を有していてよい。かかるポリマーは、例えば米国特許5,043,398(参照として本明細書中に包含する)に記載されている。
[0063]一態様においては、ポリアセタールポリマーは、ヘミホルマール末端基及び/又はホルミル末端基を含んでいてよい。特に、本発明方法は、有利には、ポリマーがヘミホルマール末端基及び場合によってはホルミル末端基を含む場合であってもポリアセタールポリマーのホルムアルデヒド放出を大きく減少させることができると考えられる。例えば一態様においては、ポリアセタールポリマーは、1.0ミリモル/kgより多い量、例えば1.5ミリモル/kgより多い量のヘミホルマール末端基を含んでいてよい。別の態様においては、ポリアセタールポリマーは、2ミリモル/kgより多い量、例えば2.5ミリモル/kgより多い量のホルミル末端基を含んでいてよい。
[0064]上記に記載のポリオキシメチレンポリマーを形成するのに用いる方法は、特定の用途に応じて変化させることができる。しかしながら、比較的低いホルムアルデヒド含量を有するポリアセタール樹脂を生成させる方法を用いることができる。この点に関し、一態様においては、ポリマーは、米国特許出願公開2007/0027300及び/又は米国特許出願2008/0242800(これらはいずれも参照として本明細書中に包含する)に記載されているような溶液加水分解プロセスによって製造することができる。例えば一態様においては、脂肪族又は脂環式ジオール単位を含むポリオキシメチレンポリマーは、メタノール及び水をトリオールエチレンと共に用いることによる溶液加水分解によって分解することができる。
[0065]本発明にしたがって用いることができるポリアセタール樹脂又はポリオキシメチレンは、一般に約150℃より高い融点を有する。ポリマーの分子量は、一般に約2,000〜約1,000,000、例えば約7,000〜約150,000の範囲であってよい。ポリマーは、約0.3〜約20g/10分、特に約2〜約9g/10分のメルトフローレート(MVR190−2.16)(ISO−1133)を有していてよい。
[0066]一般に、ポリマー組成物には、約60重量%より多い量、例えば約70重量%より多い量、例えば約80重量%より多い量、例えば約90重量%より多い量のポリアセタールポリマー樹脂を含ませることができる。ポリアセタール樹脂ポリマーは、一般に約95重量%未満の量で存在させる。また、他の熱可塑性ポリマー樹脂を少量存在させることもできる。例えば、1種類以上の熱可塑性ポリマー樹脂を、約50重量%未満の量、例えば約10重量%未満の量、例えば約5重量%未満の量で組成物中に存在させることもできる。かかる他の熱可塑性樹脂としては、ポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂などを挙げることができる。
[0067]上記したように、ポリアセタール樹脂は金属フレークのような金属顔料と混合することができる。金属フレークは、板状の形状を有していてよい。粒子は研磨することができ、或いはそうでなくても高い反射性を有していてよく、レンズ状であってよい。一態様においては、板状粒子は、約4:1より大きく、例えば約8:1より大きく、例えば約10:1〜約50:1のアスペクト比を有していてよい。
[0068]板状粒子は、約12ミクロンより大きく、例えば約14ミクロンより大きいメジアン直径を有していてよい。例えば、板状粒子は約15ミクロン〜約650ミクロンのメジアン直径を有していてよい。1つの特定の態様においては、板状粒子は約15ミクロン〜約30ミクロンの寸法を有する。
[0069]金属顔料は、約0.01重量%〜約20重量%、例えば約0.1重量%〜約15重量%の量でポリマー組成物中に存在させることができる。例えば、金属顔料は、約0.25重量%〜約10重量%、例えば約0.5重量%〜約5重量%の量でポリマー組成物中に存在させることができる。
[0070]金属顔料は、周期律表の第I−B族、III−A族、IV族、VI−B族、及びVIII族の金属のような任意の好適な金属を含んでいてよい。これらの金属顔料の物理的混合物、及びこれらの顔料の合金を用いることもできる。特定の例においては、金属顔料としては、アルミニウム、青銅、真鍮、クロム、銅、金、鉄、モリブデン、ニッケル、スズ、チタン、亜鉛などを挙げることができる。一態様においては、異なる平均粒径を有する2種類の金属顔料を混合することができる。
[0071]一態様においては、金属顔料は、元素状アルミニウムを含むアルミニウム顔料を含んでいてよい。アルミニウム顔料は、例えば約1ミクロン未満の厚さを有する非常に薄いものであってよく、上記に記載のメジアン直径を有していてよい。例えば1つの特定の態様においては、アルミニウム顔料は約12ミクロン〜約18ミクロンのメジアン直径を有していてよい。アルミニウム顔料は、顕著なフロップ性、高い輝度を有し、高度に反射性であることができる。
[0072]一態様においては、アルミニウム顔料は約80重量%より多いアルミニウムを含んでいてよい。アルミニウム顔料は、単独か又はキャリアのような他の添加剤と組み合わせて存在させることができる。例えば、アルミニウム顔料は、ポリオレフィン、精製医療用ホワイトオイルのような熱可塑性ポリマーと組み合わせて存在させることができ、或いはジイソノニルフタレートのような溶媒と共に存在させることができる。
[0073]着色剤及び熱可塑性ポリマーに加えて、ポリマー組成物に種々の他の成分を含ませることもできる。例えば一態様においては、紫外光安定剤を存在させることができる。紫外光安定剤は、ベンゾフェノン、ベンゾトリアゾール、又はベンゾエートを含んでいてよい。紫外光安定剤の特定の例としては、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクトオキシベンゾフェノン、及び5,5’−メチレンビス(2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン);2−(2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール類、例えば2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジクミルフェニル)ベンゾトリアゾール、及び2,2’−メチレンビス(4−t−オクチル−6−ベンゾトリアゾリル)フェノール、フェニルサリチレート、レゾルシノールモノベンゾエート、2,4−ジ−t−ブチルフェニル−3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシベンゾエート、及びヘキサデシル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート;置換オキサニリド類、例えば2−エチル−2’−エトキシオキサニリド、及び2−エトキシ−4’−ドデシルオキサニリド;シアノアクリレート類、例えばエチル−α−シアノ−β,β−ジフェニルアクリレート、及びメチル−2−シアノ−3−メチル−3−(p−メトキシフェニル)アクリレート、或いはこれらの混合物が挙げられる。
[0074]一態様においては、ポリマー組成物に、窒素含有化合物のようなホルムアルデヒドスキャベンジャー(scavenger)を含ませることもできる。窒素スキャベンジャー(scavenger)は、例えばベンゾグアナミンのようなグアナミン化合物を含んでいてよい。
[0075]一態様においては、組成物に成核剤を含ませることができる。成核剤は例えば結晶化度を増加させることができ、これはオキシメチレンターポリマーを含んでいてよい。例えば1つの特定の態様においては、成核剤は、ブタンジオールジグリシジルエーテル、エチレンオキシド、及びトリオキサンのターポリマーを含んでいてよい。成核剤は、約0.05重量%より多く、例えば約0.1重量%より多い量で組成物中に存在させることができる。成核剤はまた、約2重量%未満の量、例えば約1重量%未満の量で組成物中に存在させることができる。
[0076]組成物中に存在させることができる更に他の添加剤は立体障害フェノール化合物であり、これは酸化防止剤として機能させることができる。商業的に入手できるかかる化合物の例は、ペンタエリトリチルテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](Irganox 1010, BASF)、トリエチレングリコールビス[3−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオネート](Irganox 245, BASF)、3,3’−ビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオノヒドラジド](Irganox MD1024, BASF)、ヘキサメチレングリコールビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](Irganox 259, BASF)、及び3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシトルエン(Lowinox BHT, Chemtura)である。Irganox 1010、及び特にIrganox 245が好ましい。上記の化合物は、約2重量%未満の量、例えば約0.01重量%〜約1重量%の量で組成物中に存在させることができる。
[0077]紫外光安定剤に加えて組成物中に存在させることができる光安定剤としては、立体障害アミンが挙げられる。用いることができるヒンダードアミン光安定剤としては、N−メチル化されているオリゴマー化合物が挙げられる。例えば、ヒンダードアミン光安定剤の他の例は、Adeka Palmaroleから入手できるADK STAB LA-63光安定剤を含む。光安定剤は、存在させる場合には、約0.1重量%より多い量、例えば約0.5重量%より多い量であるが、約2重量%未満の量、例えば約1重量%未満の量で含ませることができる。
[0078]組成物中に含ませることができる充填剤としては、ガラスビーズ、珪灰石、ローム、二硫化モリブデン、又はグラファイト、無機又は有機繊維、例えばガラス繊維、炭素繊維、又はアラミド繊維が挙げられる。ガラス繊維は、例えば約3mmより大きく、例えば5〜約50mmの長さを有していてよい。組成物には、熱可塑性又は熱硬化性ポリマー添加剤、或いはポリエチレン、ポリウレタン、ポリメチルメタクリレート、ポリブタジエン、ポリスチレンのようなエラストマー、或いはそのコアが、1,3−ブタジエン、イソプレン、n−ブチルアクリレート、エチルヘキシルアクリレート、又はこれらの混合物を重合することによって形成されており、そのシェルが、スチレン、アクリロニトリル、又は(メタ)アクリレートを重合することによって形成されているグラフトコポリマーを更に含ませることもできる。
[0079]一態様においては、組成物に1種類以上の潤滑剤を含ませることもできる。潤滑剤はポリマーワックス組成物を含んでいてよい。組成物中に含ませることができる潤滑剤としては、例えば、N,N’−エチレンビスステアラミドが挙げられる。一態様においては、ポリエチレングリコールポリマー(加工助剤)を組成物中に存在させることができる。ポリエチレングリコールは、例えば、約1000〜約5000、例えば約3000〜約4000の分子量を有していてよい。例えば一態様においては、PEG-75を存在させることができる。潤滑剤は、一般に約0.01重量%〜約5重量%の量でポリマー組成物中に存在させることができる。例えば、潤滑剤は、約0.1重量%より多い量、例えば約0.1重量%〜約1重量%の量で存在させることができる。上記のポリエチレングリコールポリマーはまた、約5重量%以下の量で存在させることもできる。例えば、ポリエチレングリコールポリマーは、約0.1重量%〜約2重量%、例えば約0.5重量%〜約1重量%の量で存在させることができる。
[0080]上記の成分に加えて、ポリマー組成物には酸スキャベンジャー(scavenger)を含ませることもできる。酸スキャベンジャー(scavenger)は、例えばアルカリ土類金属塩を含んでいてよい。例えば、酸スキャベンジャー(scavenger)はクエン酸カルシウムのようなカルシウム塩を含んでいてよい。酸スキャベンジャー(scavenger)は、約0.01重量%〜約1重量%の量で存在させることができる。
[0081]上記の添加剤はいずれも、単独か又は他の添加剤と混合してポリマー組成物に加えることができる。一般に、それぞれの添加剤は、約5重量%未満の量、例えば約2重量%未満の量、例えば約1重量%未満の量で存在させる。
[0082]殆ど無限の種々のポリマー物品を本発明にしたがって成形することができる。かかる物品としては、限定なしに、ノブ、ドアの取っ手、自動車用パネル、ベゼルのような自動車内装部品、民生機器部品などを挙げることができる。
[0083]本発明は以下の実施例を参照してより良好に理解することができる。
[0084]本実施例においては、シミュレーションソフトウエアを用いて、金型キャビティーに導入される流速を予測した。特に、San Rafael, CaliforniaのAutodesk, Inc.から商業的に入手できるAUTODESK MOLDFLOW射出成形シミュレーションソフトウエアで、図3に示すものと同様の構造体を作成した。
[0085]図3に示すものと同様の態様(ここでは、流路は2つのオーバーフロー通路を含んでいた)においてシミュレーションを行い、オーバーフロー通路を用いないで完成させたシミュレーションと比較した。シミュレーション中において、ポリオキシメチレンポリマー組成物を金型キャビティーに供給した。ポリマー流の充填速度又は流速は0.2インチ/秒に設定した。シミュレーションソフトウエアによって、0.25秒の間隔で、金型キャビティーに導入されるゲートにおける流速を見積もった。
[0086]以下の結果が得られた。
Figure 0006267646
[0087]上記に示されるように、シミュレーションソフトウエアによれば、オーバーフロー通路によって、初期段階の金型の充填中の約2秒未満の間、ポリマーの流速が減少した。示されているように、1.25秒において、流速は約40%減少していた。1.5秒後においては、流速は約33%減少していた。1.75秒後においては、流速は約21%減少していた。2秒の時点においては、流速は実質的に同等であった。而して、初めの1.5〜1.75秒の間に、ゲートを通過する流速は、オーバーフロー通路の存在のために、平均で約25%〜約40%減少していた。
[0088]本発明に対するこれら及び他の修正及び変更は、本発明の精神及び範囲(これは、より特には特許請求の範囲において示される)から逸脱することなく当業者によって実施することができる。更に、種々の態様の複数の形態は全体的又は部分的に交換することができることを理解すべきである。更に、当業者であれば、上記の記載は例示のみの目的であり、特許請求の範囲において更に表される発明を限定することは意図しないことを認識するであろう。
本発明の具体的態様は以下のとおりである。
[1] 金型キャビティーを形成する少なくとも1つの空洞部を含む金型;
熱可塑性材料を加熱及び圧縮するための圧縮区域;
金型キャビティーの開口におけるゲート内で終了しており、圧縮区域とゲートとの間を流体連絡している少なくとも1つのランナー;
ランナーと流体連絡している空間を形成し、ゲートから所定の距離で配置されており、終端分流通路の空間容積は分流通路とゲートとの間に残るランナー空間容積の少なくとも1.1倍であり、初期段階において金型キャビティーに充填される熱可塑性材料の流れの部分の流速は、熱可塑性材料の流れの他の部分が終端分流通路中に流れる間に減少している少なくとも1つの終端分流通路;
を含む、熱可塑性材料から外観ポリマー物品を射出成形するためのシステム。
[2] システムが約2〜約5の終端分流通路を含む、[1]に記載のシステム。
[3] 少なくとも1つの終端分流通路が、熱可塑性材料の流れがランナーを通して供給される際に、かかる流れの約5%〜約60%が少なくとも1つの終端分流通路中に分流されるような寸法を有してランナー上に配置されている、[1]に記載のシステム。
[4] システムが、終端分流通路上に配置されており、終端分流通路中への熱可塑性材料の流れを制御するように構成されているバルブを更に含む、[1]に記載のシステム。
[5] 金型;
金型と流体連絡している、ポリマー材料の流れを金型中に送るための射出装置;
射出装置と金型との間に配置されており、射出装置からのポリマー材料の流れを受容するための射出点、及び流路上の射出点の下流に配置されており、金型中に通じる開口に配置されているか又はこれに隣接して配置されているゲートを含む流路;
射出点とゲートとの間の流路と流体連絡しており、流路を通るポリマー材料の初期段階の流れの間に、流れの一部が少なくとも1つのオーバーフロー通路に一時的に分流されて、これによりゲートを通るポリマー材料の流速が一時的に減少し、その後に増加するように構成されている少なくとも1つのオーバーフロー通路;
を含む、ポリマー物品を射出成形するためのシステム。
[6] オーバーフロー通路が規定の容積を有し、オーバーフロー通路が流路から分岐している、[5]に記載のシステム。
[7] オーバーフロー通路の規定の容積がポリマー材料で満たされるまで、ポリマー材料の流れを一時的にオーバーフロー通路中に分流させる、[6]に記載のシステム。
[8] オーバーフロー通路が、一定量のポリマー材料が金型に導入されるまでオーバーフロー通路がポリマー材料で満たされないような規定の容積を有する、[7]に記載のシステム。
[9] オーバーフロー通路が、オーバーフロー通路からゲートへの流路の容積の約20%〜約1000%である規定の容積を有する、[6]に記載のシステム。
[10] オーバーフロー通路が、オーバーフロー通路からゲートへの流路の容積の約20%〜約500%である規定の容積を有する、[6]に記載のシステム。
[11] 流路が複数のオーバーフロー通路を含む、[5]に記載のシステム。
[12] システムが約2〜約5のオーバーフロー通路を含む、[11]に記載のシステム。
[13] オーバーフロー通路のそれぞれが規定の容積を有し、それぞれのオーバーフロー通路が流路から分岐しており、オーバーフロー通路の全部がポリマー材料で満たされるまでポリマー材料の流れの一部をオーバーフロー通路中に一時的に分流させ、オーバーフロー通路が、一定量のポリマー材料が金型に導入されるまで満たされないような規定の容積を有する、[11]に記載のシステム。
[14] オーバーフロー通路によって、後期段階の充填流速から減少しており、かかる充填流速の約5%〜約50%であるゲートを通るポリマー材料の初期段階の流速が生起する、[5]に記載のシステム。
[15] 金型キャビティー中に通じる流路中に溶融したポリマー材料を供給し;
流路中へのポリマー材料の初期段階の流れの間に、流れの一部をオーバーフロー通路中に一時的に分流させ;
金型キャビティーにポリマー材料を充填して成形物品を形成し、ここで金型中へのポリマー材料の初期段階の流れは、同時に流れの一部をオーバーフロー通路中に分流させながら行い;そして
金型から成形物品を取り出す;
ことを含むポリマー材料を成形する方法。
[16] ポリマー材料がポリオキシメチレンポリマーを含む、[15]に記載の方法。
[17] ポリマー材料が金属顔料を含む、[15]に記載の方法。
[18] ポリマー材料がポリオキシメチレンポリマーを含む、[17]に記載の方法。
[19] 流路中へのポリマー材料の初期段階の流れを、金型中への減少した初期段階の流速を生起させるような形で一時的に分流させ、金型キャビティーを初期段階の流速及び後期段階の充填流速で充填し、初期段階の流速は充填速度よりも約5%〜約90%低い、[15]に記載の方法。
[20] 初期段階の流速が充填流速の約5%〜約50%である、[19]に記載の方法。
[21] 初期段階の流速が充填流速の約20%〜約50%である、[19]に記載の方法。
[22] ポリマー流が流塊を有し、流塊を、初期段階において、ポリマー流の一部をオーバーフロー通路中に一時的に分流させるのと同時に金型キャビティーに導入する、[15]に記載の方法。
[23] 外表面を有する物品に成形された熱可塑性ポリマー;
を含み、
外表面の少なくとも一部は生成物を使用する際に見えるように意図されている外観表面を含み、物品は、外観表面に隣接して配置されているゲートを通して金型中に熱可塑性ポリマーを射出することによって射出成形されており、外観表面は塗料を含まず且つゲートブラッシュ(gate blush)を含まない成形生成物。
[24] 外観表面が、100倍の倍率及び45°の角度で走査電子顕微鏡によって検査して螺旋パターンのメルトフラクチャーを含まない、[23]に記載の成形生成物。
[25] 外観表面が、熱可塑性ポリマーを金型中に射出する位置に配置されているゲート領域を含み、BORG分光測光技術にしたがって色指数におけるシフトを測定した際に、ゲート領域と外観表面の残りとの間の色指数の差が20%より多く変化していない、[23]に記載の成形生成物。
[26] 色指数におけるシフトが10%より多く変化していない、[25]に記載の成形生成物。
[27] 色指数におけるシフトが5%より多く変化していない、[25]に記載の成形生成物。
[28] 熱可塑性ポリマーがポリオキシメチレンポリマーを含み、熱可塑性ポリマーが少なくとも1種類の着色剤と混合されている、[23]に記載の成形生成物。
[29] 着色剤が金属顔料を含む、[28]に記載の成形生成物。

Claims (19)

  1. ポリマー物品を射出成形するためのシステムであって:
    金型;
    前記金型と流体連絡している、ポリマー材料の流れを前記金型中に送るための射出装置

    前記射出装置と前記金型との間に配置されている流路であって、前記流路は、前記射出
    装置からのポリマー材料の流れを受容するための射出点、及び前記流路上の前記射出点の
    下流に配置されているゲートを含み、前記ゲートは金型中に通じる開口に配置されている
    か又はこれに隣接して配置されている、前記流路;
    前記射出点と前記ゲートとの間の前記流路と流体連絡している少なくとも1つのオーバ
    ーフロー通路であって、前記流路を通るポリマー材料の初期段階の流れの間に、前記流れ
    の一部が前記少なくとも1つのオーバーフロー通路に一時的に分流されて、これにより前
    記ゲートを通るポリマー材料の流速が一時的に減少し、その後に増加するように構成され
    ている、前記少なくとも1つのオーバーフロー通路;
    を含み、
    前記オーバーフロー通路によって、後期段階の充填流速から減少した前記ゲートを通る
    ポリマー材料の初期段階の流速が生起し、前記初期段階の流速が前記後期段階の充填流速
    の約60%〜約95%である、前記システム。
  2. 前記オーバーフロー通路が規定の容積を有し、前記オーバーフロー通路が前記流路から
    分岐している、請求項1に記載のシステム。
  3. 前記オーバーフロー通路の前記規定の容積がポリマー材料で満たされるまで、ポリマー
    材料の流れを一時的に前記オーバーフロー通路中に分流させる、請求項2に記載のシステ
    ム。
  4. 前記オーバーフロー通路が、一定量のポリマー材料が前記金型に導入されるまで前記オ
    ーバーフロー通路がポリマー材料で満たされないような規定の容積を有する、請求項3に
    記載のシステム。
  5. 前記オーバーフロー通路が、前記オーバーフロー通路から前記ゲートへの前記流路の容
    積の約20%〜約1000%である規定の容積を有する、請求項2に記載のシステム。
  6. 前記システムが約2〜約5のオーバーフロー通路を含む、請求項1に記載のシステム。
  7. 前記オーバーフロー通路のそれぞれが規定の容積を有し、それぞれのオーバーフロー通
    路が前記流路から分岐しており、前記オーバーフロー通路の全部がポリマー材料で満たさ
    れるまでポリマー材料の流れの一部を前記オーバーフロー通路中に一時的に分流させ、前
    記オーバーフロー通路が、一定量のポリマー材料が前記金型に導入されるまで満たされな
    いような規定の容積を有する、請求項6に記載のシステム。
  8. ポリマー材料を成形する方法であって:
    金型キャビティー中に通じる流路中に溶融したポリマー材料を供給する工程であって、
    前記流路は、射出装置と金型との間に配置されており、前記流路は、前記射出装置からの
    ポリマー材料の流れを受容するための射出点、及び前記流路上の前記射出点の下流に配置
    されているゲートを含む、供給工程;
    前記流路中への前記ポリマー材料の初期段階の流れの間に、前記流れの一部をオーバー
    フロー通路中に一時的に分流させる工程であって、前記オーバーフロー通路は前記射出点
    と前記ゲートとの間の前記流路と流体連絡している、分流工程;
    前記金型キャビティーに前記ポリマー材料を充填して成形物品を形成する工程であって
    、前記ポリマー材料の流れの一部を前記オーバーフロー通路中に分流させると同時に、前
    記金型キャビティー中への前記ポリマー材料の初期段階の流れが生じる、形成工程;及び
    前記金型から前記成形物品を取り出す工程;
    を含み、
    前記流路中への前記ポリマー材料の初期段階の流れを、前記金型中への減少した初期段
    階の流速を生起させるような形で一時的に分流させ、前記金型キャビティーを前記初期段
    階の流速及び後期段階の充填流速で充填し、前記初期段階の流速は前記後期段階の充填速
    度の約60%〜約90%である、
    前記方法。
  9. 前記ポリマー材料がポリオキシメチレンポリマーを含む、請求項に記載の方法。
  10. 前記ポリマー材料が金属顔料を含む、請求項に記載の方法。
  11. 前記ポリマー流が流塊を有し、前記流塊を、前記ポリマー流の一部を前記オーバーフロ
    ー通路中に一時的に分流させるのと同時に前記金型キャビティーに初めに導入する、請求
    に記載の方法。
  12. 請求項1〜のいずれか1つに記載のシステムを用い、請求項11のいずれか1つ
    に記載の方法により成形物品を製造する方法であって:
    ゲートを通して金型中に熱可塑性ポリマーを射出し、前記物品を形成する工程を含み、
    前記熱可塑性ポリマーがポリオキシメチレンポリマーを含み、前記熱可塑性ポリマーが
    少なくとも1種類の着色剤と混合されており、
    前記成形物品は、使用する際に見えるように意図されている外観表面を含む外表面を含
    み、前記外観表面は塗料を含まず且つゲートブラッシュを含まない、前記方法。
  13. 前記成形物品の外観表面が、100倍の倍率及び45°の角度で走査電子顕微鏡によっ
    て検査して螺旋パターンのメルトフラクチャーを含まない、請求項12に記載の方法。
  14. 前記成形物品の外観表面が、前記熱可塑性ポリマーを前記金型中に射出する位置に配置
    されているゲート領域を含み、BORG分光測光技術にしたがって色指数におけるシフト
    を測定した際に、前記ゲート領域と前記外観表面の残りとの間の色指数の差が20%より
    多く変化していない、請求項13に記載の方法。
  15. 前記色指数におけるシフトが10%より多く変化していない、請求項14に記載の方法
  16. 前記色指数におけるシフトが5%より多く変化していない、請求項14に記載の方法。
  17. 前記着色剤が金属顔料を含む、請求項12に記載の方法。
  18. 前記少なくとも1つのオーバーフロー通路が空間容積を有し、前記少なくとも1つのオ
    ーバーフロー通路の前記空間容積が、前記少なくとも1つのオーバーフロー通路と前記ゲ
    ートとの間の前記流路の空間容積の1.1倍〜2倍である、請求項1に記載のシステム。
  19. 前記少なくとも1つのオーバーフロー通路上に配置されており、前記少なくとも1つの
    オーバーフロー通路中への熱可塑性材料の流れを制御するように構成されているバルブを
    更に含む、請求項1に記載のシステム。
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