JP6265251B1 - フロントサブフレーム構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】サブフレームにおける車体取付部の車体との連結剛性向上と衝突時のサブフレームの離脱促進とを両立すること。【解決手段】サブフレーム1後部における車体取付部6と車体側におけるサブフレーム支持部とを連結する連結部材65が設けられ、車体取付部6とサブフレーム支持部とに連結部材65を挿通するとともに連結部材65との間に公差を許容する開口が設けられ、車体取付部6とサブフレーム支持部との間にサブフレーム1の後退荷重を利用して当該サブフレーム1を車体から離脱させる離脱手段62が設けられたものにおいて、車体取付部6とサブフレーム支持部との間の当接面41に対し、サブフレーム1と連結部材65との間の摩擦係数よりも高い高摩擦手段70を設けた。【選択図】図4
Description
この発明は、車両前部において前後方向に延びる左右一対のフロントサイドフレームの下方に配設されてサスペンションを支持するフロントサブフレームを備えた車両のフロントサブフレーム構造に関する。
従来、車両前部において前後方向に延びる左右一対のフロントサイドフレームの下方にサスペンションやステアリング機構、パワートレイン等を支持するフロントサブフレーム(以下、「サブフレーム」という。)を設けて、車両の前面衝突時において、フロントサイドフレームの変形により衝突エネルギーを吸収することに加えてサブフレームにて補助的な衝突エネルギー吸収を行う構造が知られている。
また、サブフレーム構造には、走行時の車輪支持剛性を高めるために頑強に構成されている一方で、頑強なサブフレームが車両の前面衝突時にフロントサイドフレームの変形を阻害しないように、衝突中期から後期にかけてサブフレーム後端を車体から離脱させるように構成したものが知られている。
そのために特許文献1では、サブフレーム後部の車体取付部にロアアームの後側ブッシュを共締めし、衝突荷重を、サブフレーム本体と共にロアアームも介してサブフレームの後部に伝達するように構成したものが提案されている。
特許文献1においては、サブフレーム本体のアッパ部材(43A)及びロア部材(43B)のうち、締結部(45)を形成する部位には、ボルト(18)を挿通するための挿通孔(43a、43b)が穿設され、車体側のガセット13の下面にも、ボルト(18)を挿通するために挿通孔(13a)が穿設されている。
そして、これらサブフレーム側の挿通孔(43a、43b)や車体側の挿通孔(13a)には、車体に対するサブフレームの寸法公差を許容するために適宜、所謂バカ孔に形成されており、これら挿通孔(13,43a、43b)の内周面と挿通されたボルト(18)との間に隙間が設けられている。
このように挿通孔(13,43a、43b)に、挿通したボルト(18)に対して公差を有する構成においては締結部(45)におけるサブフレームの車体に対する水平方向の連結強度が低くなり、通常走行時における車体剛性を確保できないおそれがあった。
そこで締結部(45)においてボルト(18)およびナット(20)の締結力を高めることにより、サブフレームの車体に対する連結強度を高めることができる。
しかし、この方法によれば、締結力を高めるためにボルト(18)およびナット(20)が大型化して衝突時にサブフレームが車体から離脱し難くなるおそれがあった。
また特許文献2には、サブフレーム(17)とフロントサイドフレーム(16)との間に設けられるステー(21)(ブレース)が開示されている。
このステーは、サブフレームと車体とを連結するように夫々前後端を取り付けることで、通常走行時における主に車両前後方向の車体剛性を高めつつ、上下に屈曲変形可能に側面視で略S字形状に形成されているため、衝突時に衝突荷重を受けると屈曲部を起点として屈曲することでサブフレームの車体からの脱落を阻害しないように設けられたものである。
しかし特許文献2のステーのように屈曲部や屈曲促進部が設けられたステーにおいては、通常走行時における車体剛性も低くなるため走行時に乗員が僅かに感じ取るレベルの微小振動が発生することによって乗り心地性に悪影響を及ぼすおそれがあるなど、通常走行時における車体剛性に改善の余地があった。
そこでこの発明は、これらを高次元で解決すべく、走行時に車体とサブフレームの間に作用する荷重は主に水平方向に、一方、サブフレームの離脱に必要な荷重は主に上下方向に作用する点に着目し、通常走行時のサブフレームにおける車体取付部の車体との連結剛性向上と衝突時のサブフレームの離脱促進との両立を図ることを目的とする。
この発明は、サブフレーム後部の車体へ取り付ける車体取付部と車体側のサブフレームを支持するサブフレーム支持部とを連結する連結部材が設けられ、上記車体取付部と上記サブフレーム支持部とに連結部材を挿通する開口が設けられるとともに、該開口において上記車体取付部および上記サブフレーム支持部の夫々と連結部材との間に公差が許容されるよう、該連結部材の挿通部位よりも上記開口が大径化され、上記サブフレーム支持部に上記連結部材により上記車体取付部と、ロアアームの後端とを共締めし、上記車体取付部と上記サブフレーム支持部との間にサブフレーム後退荷重を利用して上記連結部材を引き抜き或いは破断して、当該サブフレームを車体から下方へ離脱させるサブフレーム離脱手段が設けられたものにおいて、上記車体取付部と上記サブフレーム支持部との間の当接面に対し、上記サブフレームと上記連結部材との間の摩擦係数よりも高い摩擦係数を有する高摩擦手段を設け、上記高摩擦手段は、亜鉛ニッケル系合金からなる、又は、該亜鉛ニッケル系合金と同等以上の摩擦係数を有する高摩擦材を、平板状の母材にメッキしたものである。
上記構成によれば、通常走行時のサブフレームにおける車体取付部の車体との連結剛性向上と衝突時のサブフレームの離脱促進との両立を図ることができる。
また、亜鉛ニッケル系合金からなる高摩擦材は、ボルトやナット、ワッシャ等のメッキとして一般に用いられているため、本発明の高摩擦手段に適用し易く容易に高摩擦化することができる。
ここで請求項1に記載の高摩擦手段は、例えば、上記サブフレームと上記連結部材との間の摩擦係数よりも高い高摩擦係数の部材又は被覆部とすることができる。
上記高摩擦手段は、上記開口の縁部のみに限らず当接面の一部又は全体に1つ又は複数設けてもよい。
この発明の態様として、上記車体取付部の下面と車体を連結するブレースを設け、上記高摩擦材を、上記ブレースと、上記車体取付部の下面とが直接当接した時の摩擦係数よりも高い高摩擦係数の高摩擦材に設定し、上記ブレースにおける、上記車体取付部の下面との間の当接面に、上記高摩擦材を設けることができる。
上記構成によれば、ブレースとサブフレーム間の高摩擦化により、連結部材(ボルト、ナット)やブレースの大型化を抑えながら、走行荷重に対する位置決め剛性を向上できる。
ここで請求項2に記載の上記高摩擦手段は、ブレースと上記後部下面とが直接当接した時の摩擦係数よりも高い高摩擦係数の部材又は被覆部とすることができる。
上記高摩擦手段は、ブレースにおける上記サブフレームの後部下面との当接面のみに限らずブレース全体に設けるなどしてもよい。
また上記高摩擦手段は、例えば、上記高摩擦材を用いて車体取付部とサブフレーム支持部と間や、上記ブレースとサブフレームと間に介在させるワッシャやシート状のような高摩擦部材として形成してもよく、また、車体取付部のサブフレーム支持部との当接面やブレースの表面に高摩擦材をメッキや塗布剤のようにコーティングしたり、シート状の高摩擦材を接着剤等で貼り付けた被覆部として形成することができる。
この発明によれば、通常走行時のサブフレームにおける車体取付部の車体との連結剛性向上と衝突時のサブフレームの離脱促進とを両立することができる。
以下、図面に基づいて本発明の実施形態を詳述する。
図1は本実施形態のフロントサブフレーム構造の左側部分の要部を示す平面図、図2は本実施形態のフロントサブフレーム構造を示す左側面図、図3は図2においてロアアームを取外して図示した左側面図、図4はフロントサブフレームの後部左側部分の要部の斜視図、図5はフロントサブフレーム構造の後部左側の要部の平面図、図6はフロントサブフレーム構造の後部左側部分の要部の左側面図、図7(a)は図5中のA−A線の要部断面図、図7(b)は図5中のB−B線の要部断面図であってロアアームを省略して示した図、図8はサブフレームに対するブレースと高摩擦ワッシャとの取付構造を示す分解斜視図、図9はブレースのサブフレーム及び車体に対する取付箇所を示す車体前部左側の底面図である。なお、図中、矢印Fは車両前方を示し、矢印Rは車両右方を示し、矢印Lは車両左方を示し、矢印Uは車両上方を示すものとする。また、本実施形態のサブフレーム構造(前部車体構造)の要部は左右対称形状であるため、車両左側の構成に基づいて説明し、車両右側の構成については省略するものとする。
図1は本実施形態のフロントサブフレーム構造の左側部分の要部を示す平面図、図2は本実施形態のフロントサブフレーム構造を示す左側面図、図3は図2においてロアアームを取外して図示した左側面図、図4はフロントサブフレームの後部左側部分の要部の斜視図、図5はフロントサブフレーム構造の後部左側の要部の平面図、図6はフロントサブフレーム構造の後部左側部分の要部の左側面図、図7(a)は図5中のA−A線の要部断面図、図7(b)は図5中のB−B線の要部断面図であってロアアームを省略して示した図、図8はサブフレームに対するブレースと高摩擦ワッシャとの取付構造を示す分解斜視図、図9はブレースのサブフレーム及び車体に対する取付箇所を示す車体前部左側の底面図である。なお、図中、矢印Fは車両前方を示し、矢印Rは車両右方を示し、矢印Lは車両左方を示し、矢印Uは車両上方を示すものとする。また、本実施形態のサブフレーム構造(前部車体構造)の要部は左右対称形状であるため、車両左側の構成に基づいて説明し、車両右側の構成については省略するものとする。
本実施形態に係る車両Vは、フロントノーズが短く設定された小型車であり、図2、図3に示すように、その前部において、車両前後方向に延びる左右一対のフロントサイドフレーム100の下方に配設され、サスペンションの一部を構成する左右一対のロアアーム50を支持するフロントサブフレーム1(以下「サブフレーム1」という。)を備えている。
フロントサイドフレーム100は、車両前後方向に延びる閉断面形状の筒状体で構成されており、その前端には、フランジ100a及び上側クラッシュカン102側のフランジ102aを介して上側クラッシュカン102が取り付けられている。
上側クラッシュカン102は、車両前後方向に延びる閉断面形状の筒状体で構成され、フロントサイドフレーム100の前部に連接している。左右の上側クラッシュカン102の前端は、車幅方向に延びるバンパーレインフォースメント103によって連結されている。
また図1〜図3に示すように、フロントサイドフレーム100の底面には、後述するサブフレーム1の前端が前端支持部材107及びフランジ100aを介して連結されるとともに、サブフレーム1の車両前後方向の中間部が、中間支持部材108(図2、図3参照)を介して締結部材(図示省略)により連結されている。
また、フロントサイドフレーム100の車両後方には、エンジン等のパワートレインを収容する収容空間と車室とを仕切るダッシュパネル104が配設され、このダッシュパネル104の前面には、フロントサイドフレーム100の後端が接続されている。そして、ダッシュパネル104の下部には、フロントサイドフレーム100の後端から車両前後方向に延びるフロアフレーム105が配設されている。このフロアフレーム105の下部には、側面視でクサビ状をなすガセット106が接合固定され、フロアフレーム105とガセット106とにより閉断面を形成している。上述したサブフレーム1の後端は、締結部63を介して車体側のフロアフレーム105及びガセット106に連結されている。
サブフレーム1は、図1〜図3に示すように、サブフレーム本体2と、サブフレーム本体2から連結部31を介して前方へ延びる左右一対の前後メンバ3と、前後メンバ3の前部を車幅方向に連結するフロントクロスメンバ35(図1参照)とサブフレーム1の前部において車幅方向に連結するセンタクロスメンバ36(同図参照)とで井桁状に構成されている。
サブフレーム本体2および前後メンバ3は、上面を構成するとともに該上面の縁部が適宜下方へ延出するように折り曲げられたアッパパネル1Aと、下面を構成するとともに該下面の縁部が適宜上方へ延出するように折り曲げられたロアパネル1Bとを備え、ロアパネル1Bとアッパパネル1Aとの対向部分を接合することで中空状に形成されている。
サブフレーム本体2は、図1に示すように、車幅方向に延びるサスクロス4(サスペンションクロスメンバ4)と、該サブフレーム本体2の左右両側の前部から前方へ突出する左右一対の前方突出部5と、該サブフレーム本体2の後部から車幅方向外側へ突出するとともに上記サブフレーム本体2の後部を車体側へ取り付ける車体取付部6とを備えている。
本実施形態において前方突出部5は、前方程車幅方向外側へ略水平に突出するとともに、車体取付部6は、車幅方向と略平行に車幅方向外側へ略水平に突出している。
前後メンバ3は、前方突出部5の前端に連結部31を介して連設されている。詳しくは、連結部31は、前方突出部5の前端から該前方突出部5の突出方向と同じ方向である前方程車幅方向外側へ略直線状に連続して延びており、後記のアーム前側支持部17よりも前方位置において前方突出部5と一体に形成されている。前後メンバ3は、連結部31の前端から車両前後方向と略平行にさらに前方へ延びている。前後メンバ3の後部には、連結部31に対して屈曲する屈曲部7が形成されている。
本実施形態では、図2に示すように、前後メンバ3の前端の車両前後方向(長手方向)に直交する向きの断面が、前後メンバ3の後端の車両前後方向に直交する向きの断面と正面視で少なくとも部分的に重複するよう構成されている。
また図1〜図3に示すように、前後メンバ3の前後方向の中間部であって車幅方向外側の縦壁状の側面部3aには、車両V前面からのオフセット衝突時に前後メンバ3の中間部が車幅方向内側へ屈曲変形することを促進する凹状ビード8が設けられている。
また同図に示すように、前後メンバ3の前端には、上方へ突の前端支持部材107が接合固定され、この前端支持部材107の前面には、前側フランジ部107aが設けられている。そして前側フランジ部107aの下部前面には下側クラッシュカン11が、プレート状のフランジ11aを介して取り付けられている。
図2に示すように、下側クラッシュカン11は、上面を構成するアッパパネル11Aと下面を構成するロアパネル11Bとにより、四角錘台状に形成されており、その後端がそれぞれフランジ11aに接合固定されている。これにより、下側クラッシュカン11は、車両前方から入力される衝突荷重に対して圧縮変形可能とされている。なお図1〜図3中の符号12は、左右一対の下側クラッシュカン11の各前端を車幅方向に連結する下側バンパビームである。
また図1〜図3の図3中のX部拡大図に示すように、前方突出部5の前部には、ロアアーム50の前部を前側連結部55(前側ブッシュ55)(図1、図2参照)を介して軸支するアーム前側支持部17が設けられている。
アーム前側支持部17は、アーム前側支持ブラケット18と、ロアアーム50の前側連結部55を軸支するボルト19およびナット20を備えている。
前方突出部5の前面には、図1に示すように、車両前方および車幅方向内方に開口する前面開口部15が形成されているとともに、前方突出部5の後面には、図3に示すように、車両後方および車幅方向外方に開口する後面開口部16が形成されている。
前方突出部5の前面には、図1に示すように、車両前方および車幅方向内方に開口する前面開口部15が形成されているとともに、前方突出部5の後面には、図3に示すように、車両後方および車幅方向外方に開口する後面開口部16が形成されている。
前面開口部15は、主にアーム前側支持ブラケット18に前側連結部55の軸支用のボルト19を締結するためのサービスホール(作業用孔)である。
後面開口部16は、前方突出部5の前部の後面部から連結部31および屈曲部7の各後面部にかけて連続して開口形成されており、このうち前方突出部5の前部の後面部の開口部分は、車幅方向外側に開口し(図3参照)、図1に示すように、該開口部分からロアアーム50の後記の車幅方向延設アーム部51の車幅方向内側が前方突出部5の内部空間S5に差し込まれるようにして配置されている。
上記のアーム前側支持ブラケット18は、図3中のX部拡大図に示すように、側面視で上方に開口したコ字状に一体に形成され、前壁部18bを備えている。
前壁部18bは、車幅方向外側へ延出し、その車幅方向外端部は屈曲部7の車幅方向外側の側面の後端に接合されている。これにより、前壁部18bは連結部31および屈曲部7の後面部7aを形成している。
また図2〜図4、図6に示すように、サブフレーム本体2における車体取付部6は、アッパパネル1Aとロアパネル1Bとで車幅方向外側へ突出する中空形状に形成されており、その前面側および車幅方向外面側に相当する部位には、これらの境界部分を含めて連続して車両前方及び車幅方向外方に開口する開口部69が形成されている。
開口部69のうち車両前方に向けて開口する開口部を前方開口部69aに設定するとともに、車幅方向外方に開口する開口部を幅外方開口部69bに設定する。
開口部69のうち車両前方に向けて開口する開口部を前方開口部69aに設定するとともに、車幅方向外方に開口する開口部を幅外方開口部69bに設定する。
図4、図5に示すように、車体取付部6には、他の部位よりも剛性が低い低剛性部としての屈曲促進部61と、車両の前面衝突時におけるサブフレーム1後退荷重を利用して当該サブフレーム本体2を上記フロントサイドフレーム100から離脱させる離脱部62とを有している。
この屈曲促進部61は、図1に示すように、前後メンバ3の屈曲部7と離脱部62とを結ぶ仮想線L1と、前方突出部5の後方への延長方向の仮想線L2との間の領域Xに形成されている。本実施形態では図4、図5に示すように、車体取付部6における離脱部62よりも車幅方向内側に位置する部位(車体取付部6の付け根に相当する部位)であって、離脱部62の基端部と車体取付部6の基端部との間に相当する部位に形成されている。
図1、図6、図7(a)に示すように、離脱部62は、ロアアーム50の後端をサブフレーム1とともに車体に共締め固定する締結部63と、該締結部63よりも車両後方に取り付けられ、車体に嵌合する基準ピン64とが設けられている。
締結部63は、図7(a)に示すように、車体側のガセット106に締結する締結部材としてのボルト65およびウェルドナット66を備え、さらに、締結部63は、アッパパネル1A及びロアパネル1Bのうち、該締結部63を形成する部位に、ボルト65を挿通するために穿設された挿通孔63a,63bを有しており、該挿通孔63a,63bが、上下方向に重なるように配置されている。締結部63に備えたボルト65は、ロアアーム50の後端に設けた後側連結部56(後側ブッシュ56)を軸支する。すなわち、この締結部63はロアアーム50の後部を後側連結部56を介して支持するアーム後側支持部を兼ねている。
また、基準ピン64は、締結部63における挿通孔63bの車両後方に取り付けられており、その先端部が略円錐状をなして上方に突出しており、ガセット106側を指向している。
また図4〜図7(a)、(b)に示すように、車体取付部6には、そのアッパパネル1Aの前縁の車幅方向略全体にフランジ40が前方開口部69aに沿って連続して延設されている。
離脱部62のアッパパネル1Aにおける前縁を除く上面には、車体側のガセット13の下面が当接する車体当接面41が形成されている。この車体当接面41は、ガセット13の下面と面同士が当接するように平坦状に形成されており、この車体当接面41の前部に挿通孔63bが形成されるとともに、該挿通孔63bよりも後方にピン嵌合孔64aが形成されている。
また図2、図3、図7(a)に示すように、締結部63における車体当接面41と車体側のガセット106の下面106Aとの間には、高摩擦ワッシャ70を介在させている。
高摩擦ワッシャ70は、その母材に対して高摩擦材としての亜鉛ニッケル系合金メッキ78が施されており、母材の表面全体が亜鉛ニッケル系合金メッキ78により被覆されている。なお、図中、亜鉛ニッケル系合金メッキ78を施した部位、すなわち高摩擦ワッシャ70および後述するブレース63にはドットを付して示している。
亜鉛ニッケル系合金は、適度な剛性と粘性を兼ね備え、母材を痛めることのない高い摩擦係数を有するものであり、具体的には図7(a)に示すように、車体取付部6のロアパネル1Bの下面1Ba(以下、「車体取付部6の下面1Ba」という。)と締結部63に備えたボルト頭部65aとの間の各当接面1Ba,65aの摩擦係数よりも高い摩擦係数を有する。さらには、車体当接面41とガセット106の下面106Aとが直接当接した場合の各当接面41,106Aの摩擦係数よりも高い高摩擦係数を有する。
すなわち、本実施形態の高摩擦ワッシャ70は、通常のワッシャのように、締結部63に備えたボルト65のヘッド65aと、ボルトヘッド65aに当接して締結される車体取付部6の下面1Baとの間に介在させるのではなく、走行時に水平方向に動かないように固定したい部材であるサブフレーム1と、サブフレーム1を固定する側の部材である車体側のガセット106との間(41,106A)に介在させたものである。
このように走行時に水平方向の相対移動を阻止したい車体当接面41とガセット106の下面106Aとの間に直接、摩擦係数の高い高摩擦ワッシャ70を介在させることで、該高摩擦ワッシャ70は、これら41,106Aの間の摩擦力をボルト65の締結力(ボルト65がサブフレーム1を車体側へ押す力)を大きくせずとも(すなわちボルト65及びウェルドナット66自体を大型化せずとも)高めることができ、ボルト65との間に隙間Ga(図7(a)参照)を有する挿通孔63b(所謂バカ孔)が形成されたサブフレーム1でありながら走行時に車体に対して水平方向に動かないように固定するものである。
さらに、このように走行時の車体に対するサブフレーム1の水平方向の連結剛性を高めるためにボルト65を太くて頑強なものを採用してその締結力を高める必要がないため、前面衝突時には、衝突荷重により締結部63におけるボルト65やウェルドナット66を破断させたり互いに引き抜くことで車体に対してサブフレーム1を確実に脱落させることができるものである。
図4〜図7(a)、図8に示すように、高摩擦ワッシャ70は、円環状且つ平板状のワッシャ本体71と、該ワッシャ本体71に対して前方程左右各側に互いに離間するように斜め前方に延出し、車体取付部6側に係止する左右一対の係止片72,72とで一体に形成されている。
ワッシャ本体71は、その中央部に板厚方向(上下方向)に貫通するとともにボルト65に対して隙間を有してその挿通を許容する開口70a(貫通孔70a)が形成され、車体当接面41の挿通孔63bの周縁に設置される(図4参照)。
係止片72は、図8に示すように、斜め前方へ水平に延出する前方延出部72aとその先端部から屈曲して下方へ延びる下方延出部72bとで形成され、該下方延出部72bの下端部には係止爪73が設けられている。
一方、車体当接面41における挿通孔63bの周縁であって、左右一対の係止片72,72の各係止爪73に対応する部位のアッパパネル1Aには、係止爪73の下方延出部72bを差し込んで縁部に係止可能とする係止孔75が貫通形成されている。
このように高摩擦ワッシャ70は、係止爪73が係止孔75の縁部に係止されることで車体当接面41に周方向にワッシャ本体71に対して前側の左右2箇所で位置決めした状態で設置される。
また図6、図7(a)、(b)、図9に示すように、本実施形態のサブフレーム構造には、車体取付部6の下面1Baの後部と車体側のフロアフレーム105とを連結するブレース37が設けられている。
ブレース37は、略前後方向に延びる長尺な部材であり、屈曲部や湾曲部を有しない底面視略直線状の部材であり(図9参照)、その前後方向(長手方向)の前後両端を除いた部位には前後方向に沿って下方へ凸のビード37eが設けられている。
ブレース37は、その縦横比(略前後方向に延びる長辺と短辺(幅)との比)が5:1以上の長さ(幅に対して長辺が5倍以上)であることが好ましく、本実施形態においては5:1の長さで長尺に形成されている。
このように本実施形態のブレース37は、従来のブレースと異なり屈曲部や湾曲部を有しないことから走行時に乗員が僅かに感じる微小振動を抑制しつつ、縦横比が5:1よりも短い従来の直線状のブレースと比較して曲げ剛性を低下させることができるため、一旦微小変形を超えて変形し始めると大きく変形し易いという特性を備えることができる。これによりブレース37は、走行時の支持剛性の向上と、前面衝突時のサブフレーム1の車体に対する離脱性(離脱し易さ)の向上とを両立することができる。
さらに図7(b)、図8に示すように、車体取付部6の下面1Baの後部に取り付けるためにボルト81の挿通を許容する挿通孔37aが厚み方向に貫通形成されている。一方図8、図9に示すように、ブレース37の後端には、フロアフレーム105の下面105aに取り付けるためにボルト83の挿通を許容する挿通孔37b(図8参照)が厚み方向に貫通形成されている。
なお、図9中の符号110はトンネルロアフレーム、符号111はフロアトンネル部、符号112は車幅方向外側において前後方向に延びる不図示のサイドシルの前部と、フロアフレーム105の前部とを車幅方向に連結する左右一対のトルクボックスである。
図7(b)、図8に示すように、ブレース37の前端の挿通孔37aは所謂バカ孔として、挿通したボルト81に対して隙間Gbを有するように(すなわち公差Gbを許容するように)ボルト81の挿通部位よりも大径化して形成されている。また図8に示すように、ブレース37の前端部の上面には、車体取付部6の下面1Baの後部に面接触状態で当接可能な平坦な平坦面37cが形成されるとともに、ブレース37の後端部の上面には、フロアフレーム105の下面105aに面接触状態で当接可能な平坦な平坦面面37dが形成されている。
ブレース37の母材の少なくとも前後各側の平坦面37c,37d、本実施形態ではブレース37の母材全体には、これらブレース37と車体取付部6の下面1Baとが直接当接した時の摩擦係数よりも高い摩擦材としての亜鉛ニッケル系合金メッキ78が施されている。
また、車体取付部6の下面1Baであって締結部63におけるボルト65を挿通する挿通孔63aよりも後側、且つ車幅方向内側部位のブレース37の取付け位置には、図7(b)に示すように、該ブレース37を取り付けるためのボルト81を挿通する挿通孔80aが貫通形成されている。
この挿通孔80aもブレース37前端に穿孔した挿通孔37aと同様に所謂バカ孔として、挿通したボルト81に対して隙間Gbを有して形成されている(図7(b)参照)。
この挿通孔80aもブレース37前端に穿孔した挿通孔37aと同様に所謂バカ孔として、挿通したボルト81に対して隙間Gbを有して形成されている(図7(b)参照)。
そして、車体取付部6の下面1Baのブレース37の取付け位置においてボルト81が下方から挿通孔37a,80aに挿通され上方からウェルドナット82で締結固定されている。すなわち、車体取付部6の下面1Baにおけるブレース37の取付け位置には、ボルト81及びウェルドナット82と挿通孔37a,80aとでブレース締結部80が構成されており、ブレース締結部80においてブレース37の前端はボルト81及びウェルドナット82を用いて車体取付部6に締結されている。
なお、図8、図9に示すように、フロアフレーム105の下面105aにもブレース37を取り付けるためのボルト83を挿通する挿通孔105b(図9参照)が貫通形成されており、ブレース37の後端についてもフロアフレーム105の下面105aにボルト83が下方から挿通孔37b,105bに挿通され上方からウェルドナット(図示省略)で締結固定されている。
上述したようにブレース37は、締結部63においてロアアーム50やサブフレーム1と共締めしておらず、ブレース締結部80は、車体取付部6の下面1Baの締結部63よりも後側の位置で締結部63とは別に設けられている。
ここで、ブレース締結部80は、車体取付部6の下面1Baにおいて上記締結部63に対して極力後側の位置に設けることが好ましい。これは上記衝突荷重に伴って車両前方から大きな荷重が作用することでサブフレーム1が車体から離脱する過程において後述するように離脱部62が前傾変形時に、この離脱部62の前傾変形が阻害されることがなくスムーズにサブフレーム1を車体から離脱させることができるためである。
さらに、ブレース37を締結部63においてロアアーム50やサブフレーム1と共締めすると、その分、ブレース37も含めて車体に締結するためのボルト65の締結力を確保する必要が生じるため、締結部63におけるボルト65及びウェルドナット66が大型化することになるが、ブレース締結部80を締結部63とは別に構成することでその分、締結部63のボルト65等を小型化することができるため、前面衝突時には、締結部63におけるボルト65等を互いに引き抜いたり、破断させて車体に対してサブフレーム1を確実に脱落させることができる。
また図1、図2、図4〜図7(a)に示すように、ロアアーム50は、その前部において車幅方向と略平行に延びる車幅方向延設アーム部51(図1、図2参照)と、該車幅方向延設アーム部51の車幅方向の略中間位置から車両後方へ延びる前後方向延設アーム部52とで平面視略T字状に一体に形成されている。
図1、図2、図4に示すように、車幅方向延設アーム部51の車幅方向の外端には、車輪を支持するナックルアーム(図示せず)にボールジョイント54aを介して連結するナックル支持部54が設けられている。
図1、図2に示すように、車幅方向延設アーム部51の車幅方向の内端には、前側連結部55(前側ブッシュ55)が取り付けられている。
そして、本実施形態では、サブフレーム本体2に備えたアーム前側支持部17に備えた車両前後方向に延びるボルト19及びナット20によって前側連結部55がアーム前側支持部17に揺動可能に軸支されている。
また図1、図2、図4〜図7(a)に示すように、ロアアーム50における前後方向延設アーム部52は、その後端が車体取付部6における開口部69からアッパパネル1Aとロアパネル1Bとの間に差し込まれるようにして締結部63に配設されている。
そして図2、図4、図6、図7(a)に示すように、前後方向延設アーム部52は、車幅方向延設アーム部51の車幅方向の中間位置から後方へ略水平に延び、その後端には、上記の後側連結部56が取付けられている。後側連結部56は、図6、図7(a)に示すように、アッパパネル1Aの上面とロアパネル1Bの下面との間に固定された内筒56a、ロアアーム50の後端に固定された外筒56b、及び内筒56aと外筒56bとの間に挟まれるように配設された環状のラバー部材56cにより構成されており、内筒56aの中空部が挿通孔63a,63bと上下方向に重なるように配置されている。
また、車体側では、図7(a)に示すように、内筒56aの中空部及び挿通孔63a,63bの位置に対応して、ガセット106の下面106Aに、車両前後方向に対して斜めに傾斜する長穴形状の挿通孔106aが穿設されるとともに、フロアフレーム105にも、挿通孔105aが穿設されている。この挿通孔105aには、ボルト65とともに締結部63を構成するパイプ状のウェルドナット66が挿通されており、このウェルドナット66は、ガセット106の下面106A、及びフロアフレーム105の挿通孔105aによって、座面が挿通孔106aの周囲に配置されるように固定されている。
本実施形態では、ボルト65が、挿通孔106a,63a,63b、及び後側連結部56の内筒56aの中空部に挿通され、ウェルドナット66に締め付けられることにより、ロアアーム50の後端が、サブフレーム1の車体取付部6とともに車体側のガセット106に共締め固定されている。
ところで、内筒56aの中空部および挿通孔63a,63bの各孔径は、何れもボルト65の径よりも大きく設定されており、上述した共締め固定状態では、締結部63(挿通孔63a,63bの内周面)および内筒56aとボルト65との間に、図7(a)に示すような隙間Gaが形成されている。
また、フロアフレーム105及びガセット106には、図6に示すように、基準ピン64(ピン嵌合孔64a)と対応する位置に開孔105b及び基準孔106bが穿設されている。
これら開孔105b及び基準孔106bのうち、基準孔106bは、その孔径が基準ピン64の径と略同じに設定され、上述した共締め固定状態では、略隙間なく基準ピン64と嵌合するようになっている。従って、本実施形態では、上述した隙間Gaが、基準孔106bと基準ピン64との隙間よりも大きく設定されている。
ここで、基準ピン64及び基準孔106bは、車体に対するサブフレーム1の位置決め用の基準ピン、基準孔として利用される。具体的には、サブフレーム1を車体に取付ける作業を行う際、基準ピン64を車体側のガセット106の基準孔106bに嵌合させることにより、締結部63の車体に対する位置決めを行うことができ、ひいてはサブフレーム1の車体に対する位置決めを適切に行うことができるようになっている。
次に、本実施形態に係る車両Vが前面衝突した時のサブフレーム1の変形挙動について説明する。
先ず、車両Vが前面衝突時には、フロントサイドフレーム100(図2参照)の前端に設けられた上側クラッシュカン102(同図参照)や、該フロントサイドフレーム100自体が衝突荷重によって軸圧縮することにより、衝突エネルギーが吸収される。
先ず、車両Vが前面衝突時には、フロントサイドフレーム100(図2参照)の前端に設けられた上側クラッシュカン102(同図参照)や、該フロントサイドフレーム100自体が衝突荷重によって軸圧縮することにより、衝突エネルギーが吸収される。
一方、サブフレーム1では、下側クラッシュカン11が衝突荷重によって圧縮変形し、下側クラッシュカン11の圧縮変形によっても吸収されない衝突荷重は、サブフレーム1に入力され、サブフレーム1に備えた前後メンバ3が軸圧縮することにより、補助的な衝突エネルギー吸収が行われる。
前後メンバ3が軸圧縮すると、上記衝突荷重は、前後メンバ3の後端の屈曲部7から連結部31、前方突出部5を介してサスクロス4に伝達される第1の荷重伝達経路(図1中の太矢印D1参照)に沿って衝突エネルギーの吸収、分散が行われる。
このとき、屈曲促進部61では、上記衝突荷重に伴って車両前方から大きな荷重が作用することで谷折れ変形が促進される。この屈曲促進部61の谷折れ変形に伴って離脱部62では前傾するような変形が発生する。
仮に衝突荷重に伴って屈曲部7が屈曲して後退しても屈曲部7の後面部7a(図3中のX部拡大図参照)がロアアーム50の前面部53(図1参照)に当接することにより、前後メンバ3から伝わる衝突荷重の一部が、図1に太矢印D2で示すように、屈曲部7からロアアーム50を介して離脱部62に伝達される。
そしてこのような屈曲部7からロアアーム50を介した離脱部62への第2の荷重伝達経路(図1中の太矢印D2参照)で伝わる衝突荷重により、離脱部62では、締結部63に備えたボルト65や、基準ピン64が車両後方に押圧される。本実施形態では、ボルト65と後側連結部56の内筒56aおよび締結部63(挿通孔63a,63bの内周面)との間に隙間Gaが形成されていることにより(図7(a)参照)、締結部63および内筒56aの車両後方への移動に伴ってサブフレーム1が車両後方に移動する。
これにより、挿通孔63bの周囲では、既に基準ピン64がガセット106の基準孔106bを拡開する等して該挿通孔63bの周囲の支持剛性が著しく低下することとなる。
さらに第2の荷重伝達経路によって、離脱部62は前傾するような変形が生じ、車両Vの衝突がさらに進行すると、屈曲促進部61の谷折れ変形の進行に伴って、離脱部62の前傾がさらに促進される。これにより、離脱部62には、基準ピン64を支点として締結部63に備えたボルト65及びウェルドナット66は、所謂テコの原理によって下方かつ後方に車体側のガセット106から引き抜かれたり、破断することでサブフレーム1の車体取付部6が車体(フロアフレーム105及びガセット106)から離脱する。
上述した本実施例の車両のサブフレーム構造は、サブフレーム1後部における車体へ取り付ける車体取付部6と車体側のサブフレーム1を支持するサブフレーム支持部としてのガセット106とを連結するボルト65及びウェルドナット66(締結部材)が設けられ、車体取付部6の車体当接面41とガセット106とにボルト65を挿通する挿通孔63bが設けられるとともに、該挿通孔63bにおいて車体取付部6およびガセット106の夫々とボルト65との間に公差Ga(隙間Ga)が許容されるよう、該ボルト65の挿通部位よりも挿通孔63bが大径化され、車体取付部6とガセット106との間にサブフレーム1の後退荷重を利用して当該サブフレーム1を車体から離脱させる離脱部62が設けられたものにおいて、車体取付部6とガセット106との間の当接面41,106Aに対し、サブフレーム1とボルト65のボルトヘッド65aとの間の摩擦係数よりも高い高摩擦ワッシャ70を設けたものである(図2〜図7(a)、図8参照)。
上記構成によれば、サブフレーム1側の車体取付部6と車体側のガセット106との間に高摩擦ワッシャ70を介在させることができ、これにより、車体取付部6とガセット106との間の摩擦力を、これら車体取付部6の車体当接面41とガセット106の下面106Aとが直接当接した場合の摩擦力よりも高くすることができる。
上記構成によれば、ボルト65を大型化することによりサブフレーム1の離脱荷重(垂直方向の荷重)が増加することを防ぎつつ、走行時におけるサブフレーム1の車体に対する水平方向の動きを阻止し、走行荷重(水平方向の荷重)に対して、車体取付部6とガセット106との連結剛性を高めることができる。
この発明の態様として、車体取付6の下面1Baの後部と車体側のフロアフレーム105を連結するブレース37を設け、該ブレース37の前端の平坦面37cと車体取付6の下面1Baの後部との間の当接面1Ba,37cに対し、これらブレース37と車体取付6の下面1Baとが直接当接した時の摩擦係数よりも高い高摩擦係数を有する被覆部としての亜鉛ニッケル系合金メッキ78をブレース37の母材表面に施したものである(図7(b)、図8、図9参照)。
上記構成によれば、ブレース37とサブフレーム1との間の高摩擦化により、連結部材(ボルト81、ウェルドナット82)やブレース37の大型化を抑えながら、走行荷重に対する位置決め剛性を向上できる。
さらにボルト81の締結力(ボルト81がサブフレーム1を車体側へ押す力)を大きくせずともブレース37の少なくとも車体取付6の下面1Baと当接する平坦面37cを、亜鉛ニッケル系合金メッキ78で被覆したため、この間1Ba,37cの摩擦力を高め、ブレース締結部80において夫々の挿通孔37a,80aにはボルト81との間にたとえ隙間Gbが形成されていても走行時にサブフレーム1とブレース37とに水平方向にズレることを防ぐことができ、ひいてはサブフレーム1と車体との水平方向のズレも防ぐことができる。
そしてこのようにブレース37の少なくとも平坦面37cを亜鉛ニッケル系合金メッキ78で被覆することによって走行時にサブフレーム1とブレース37とに水平方向のズレを防ぐことができるため、結果的にブレース37をサブフレーム1に締結するボルト81(ボルトヘッド81a)を小型化することができる。これにより、車体取付部6の下面1Baから突き出したボルトヘッド81aを小型化できるため、サブフレーム1の最低地上高を確保することができる。
そして、本実施形態においては、車体取付部6の上部においては車体当接面41とガセット106との間の当接面41,106Aに高摩擦ワッシャ70を設けるとともに、車体取付部6の下部においては該車体取付6の下面1Baに当接するブレース37の前端の少なくとも平坦面37cを亜鉛ニッケル系合金メッキ78で被覆したことにより、これら車体取付部6の上下両側において該車体取付部6がこれら高摩擦手段(70,78)によって水平方向に固定されることになるため、サブフレーム1の車体に対する水平方向の連結剛性を高めることができる。
すなわち、車体取付部6とガセット106との間の1箇所の連結(片持ち支持)だけでなくブレース37とサブフレーム1との間の連結も加えた上下2箇所の連結(両持ち支持)によって水平方向の連結剛性を高めることにより、サブフレーム1の車体に対するねじれ変形を効果的に防ぐことができ、走行荷重に対する支持剛性をより高めることができる。
またこの発明の態様として、上記高摩擦手段は、亜鉛ニッケル系合金メッキ78としたものである。
上記構成によれば、亜鉛ニッケル系合金メッキ78は、ボルトやウェルドナット、ワッシャ等のメッキとして一般に用いられているため、本発明の高摩擦手段に適用し易く容易に高摩擦化することができる。
この発明は、上述の実施例の構成のみに限定されるものではなく様々な実施形態で形成することができる。
例えば、高摩擦手段は、亜鉛ニッケル系合金と同様或いはより高い摩擦係数を有する手段を採用してもよいことは言うまでもない。
車体取付部6とガセット106と間に介在させる高摩擦部材として亜鉛ニッケル系合金メッキ78を施した高摩擦ワッシャ70に限らず、同じく高摩擦材を用いて形成したシート状の部材などで形成してもよい。さらには、車体取付部6のガセット106との当接面である車体当接面41やブレース37の表面に、高摩擦材を塗布剤のようにコーティングした構成を採用することができる。
例えば、高摩擦手段は、亜鉛ニッケル系合金と同様或いはより高い摩擦係数を有する手段を採用してもよいことは言うまでもない。
車体取付部6とガセット106と間に介在させる高摩擦部材として亜鉛ニッケル系合金メッキ78を施した高摩擦ワッシャ70に限らず、同じく高摩擦材を用いて形成したシート状の部材などで形成してもよい。さらには、車体取付部6のガセット106との当接面である車体当接面41やブレース37の表面に、高摩擦材を塗布剤のようにコーティングした構成を採用することができる。
またフロントサイドフレーム100から離脱させる離脱手段としては、上述した実施形態のように、前面衝突時に、所謂テコの原理によって離脱部62における基準ピン64を支点としてボルト65及びウェルドナット66を、下方かつ後方に引き抜く実施形態に限定せず、例えば図示省略するが、前面衝突時に、荷重伝達を受けて締結部材(ボルト65及びウェルドナット66)が変位するに伴って該締結部材自体がサブフレーム1自体を押し下げるように付勢するようにガイドするガイド手段を採用する等特に限定しない。
1…サブフレーム
1Ba…車体取付のロアパネルの下面(上記サブフレームの下面)
6…車体取付部
37…ブレース
41の車体当接面(請求項1に記載の当接面)
62…離脱部(サブフレーム離脱手段)
63a…挿通孔(開口)
65…ボルト(連結部材)
66…ウェルドナット
70…高摩擦ワッシャ(高摩擦手段)
78…亜鉛ニッケル系合金メッキ(請求項2に記載の高摩擦材)
37c…ブレースの前端の平坦面(請求項2に記載の当接面)
106…ガセット(サブフレーム支持部)
1Ba…車体取付のロアパネルの下面(上記サブフレームの下面)
6…車体取付部
37…ブレース
41の車体当接面(請求項1に記載の当接面)
62…離脱部(サブフレーム離脱手段)
63a…挿通孔(開口)
65…ボルト(連結部材)
66…ウェルドナット
70…高摩擦ワッシャ(高摩擦手段)
78…亜鉛ニッケル系合金メッキ(請求項2に記載の高摩擦材)
37c…ブレースの前端の平坦面(請求項2に記載の当接面)
106…ガセット(サブフレーム支持部)
Claims (2)
- サブフレーム後部の車体へ取り付ける車体取付部と車体側のサブフレームを支持するサブフレーム支持部とを連結する連結部材が設けられ、
上記車体取付部と上記サブフレーム支持部とに連結部材を挿通する開口が設けられるとともに、該開口において上記車体取付部および上記サブフレーム支持部の夫々と連結部材との間に公差が許容されるよう、該連結部材の挿通部位よりも上記開口が大径化され、
上記サブフレーム支持部に上記連結部材により上記車体取付部と、ロアアームの後端とを共締めし、
上記車体取付部と上記サブフレーム支持部との間にサブフレーム後退荷重を利用して上記連結部材を引き抜き或いは破断して、当該サブフレームを車体から下方へ離脱させるサブフレーム離脱手段が設けられたものにおいて、
上記車体取付部と上記サブフレーム支持部との間の当接面に対し、上記サブフレームと上記連結部材との間の摩擦係数よりも高い摩擦係数を有する高摩擦手段を設け、
上記高摩擦手段は、亜鉛ニッケル系合金からなる、又は、該亜鉛ニッケル系合金と同等以上の摩擦係数を有する高摩擦材を、平板状の母材にメッキしたものである
フロントサブフレーム構造。 - 上記車体取付部の下面と車体を連結するブレースを設け、
上記高摩擦材を、上記ブレースと、上記車体取付部の下面とが直接当接した時の摩擦係数よりも高い高摩擦係数の高摩擦材に設定し、
上記ブレースにおける、上記車体取付部の下面との間の当接面に、上記高摩擦材を設けた
請求項1に記載のフロントサブフレーム構造。
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