[go: up one dir, main page]

JP6246425B1 - 緩衝器 - Google Patents

緩衝器 Download PDF

Info

Publication number
JP6246425B1
JP6246425B1 JP2017518575A JP2017518575A JP6246425B1 JP 6246425 B1 JP6246425 B1 JP 6246425B1 JP 2017518575 A JP2017518575 A JP 2017518575A JP 2017518575 A JP2017518575 A JP 2017518575A JP 6246425 B1 JP6246425 B1 JP 6246425B1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
valve body
valve seat
valve
axial direction
inner tube
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2017518575A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2018092327A1 (ja
Inventor
高橋 秀明
秀明 高橋
山田 隆央
隆央 山田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Showa Corp
Original Assignee
Showa Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Showa Corp filed Critical Showa Corp
Priority claimed from PCT/JP2017/014228 external-priority patent/WO2018092327A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6246425B1 publication Critical patent/JP6246425B1/ja
Publication of JPWO2018092327A1 publication Critical patent/JPWO2018092327A1/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Fluid-Damping Devices (AREA)

Abstract

受け止められる衝撃力は確保しながら乗員が受ける衝撃を抑制できる緩衝器(10)を提供する。緩衝器(10)は、互いに摺動する一組のチューブ(11,12)と、チューブ(11)に設けられた中空ロッド(16)と、チューブ(12)の内周に配置された第1弁座(33)及び第2弁座(41)と、第1弁体(35)及び第2弁体(39)と、を備え、第1弁体(35)は、中空ロッド(16)の外周と隙間を設けた状態で第2弁座(41)に着座可能であり、第2弁体(39)は、軸方向の下側へ向けて付勢された状態で第1弁座(33)に密着可能である。

Description

本発明は緩衝器に関し、特に衝撃力を受け止めるオイルロック装置を備える緩衝器に関するものである。
主として二輪車のフロントフォークに適用される緩衝器においては、大きな衝撃力が入力されたときの底付きを防ぐため、ストロークの下端や限界部に、オイルを閉塞状態にして衝撃力を受け止めるオイルロック装置が設けられている(例えば特許文献1)。特許文献1に開示される緩衝器のオイルロック装置は、中空ロッドの外周との間に流路を形成する下バルブが中空ロッドとインナチューブとの間に配置される。大きな衝撃力が入力されると、下バルブが流路を絞り、オイルを閉塞状態にして衝撃力を受け止める。
特開2010−151310号公報
しかし、特許文献1に開示される技術において、受け止められる衝撃力(最大荷重)は確保しながら、乗員が受ける衝撃は抑制したいという要求がある。
本発明は上述した要求に応えるためになされたものであり、受け止められる最大荷重は確保しながら乗員が受ける衝撃を抑制できる緩衝器を提供することを目的としている。
この目的を達成するために本発明の緩衝器は、車体側にインナチューブが配置され、車輪側にアウタチューブが配置される。アウタチューブはインナチューブの外周に摺接する。アウタチューブの底部に中空ロッドが設けられる。インナチューブの内周に、インナチューブの軸方向に車輪側から車体側へ順に第1弁座および第2弁座が配置される。第2弁座および第1弁座にそれぞれ着座可能な第1弁体および第2弁体を備え、第1弁体および第2弁体は、軸方向に車輪側から車体側へ順に配置される。第1弁体および第2弁体よりも車輪側に、アウタチューブ、インナチューブ及び中空ロッドに囲まれた下油室が形成される。第1弁体は、中空ロッドの外周と隙間を設けた状態で第2弁座に着座可能であり、第2弁体は、軸方向の下側へ向けて付勢された状態で第1弁座の座面に密着可能である。インナチューブが下油室に進入する圧側行程において、下油室が所定の圧力より高くなると、第1弁体が第2弁座に着座した状態で、第2弁体が開く。
請求項1記載の緩衝器によれば、第1弁体が第2弁座に着座した状態で最大荷重を確保できる。この状態で第2弁体が開くと、乗員が受ける衝撃を抑制できる。よって、最大荷重は確保しながら乗員が受ける衝撃を抑制できる効果がある。
第1実施形態における緩衝器の片側断面図である。 オイルロック装置の断面図である。 最圧縮状態のオイルロック装置の断面図である。 最圧縮状態から伸側行程への反転時のオイルロック装置の断面図である。 第2実施形態における緩衝器の断面図である。 圧側行程のときのオイルロック装置の断面図である。 第3実施形態における緩衝器の断面図である。 第4実施形態における緩衝器の断面図である。 緩衝器のうちオイルロック装置を構成する部分の分解図である。 第5実施形態における緩衝器の断面図である。 緩衝器のうちオイルロック装置を構成する部分の分解図である。
(第1実施形態)
以下、本発明の好ましい実施形態について添付図面を参照して説明する。まず図1を参照して本発明の第1実施形態における緩衝器10について説明する。図1は第1実施形態における緩衝器10の片側断面図である。緩衝器10は、主として二輪車のフロントフォークに適用される装置である。車輪側に連結されるアウタチューブ11に車体側に連結されるインナチューブ12が摺動自在に挿入される。インナチューブ12が挿入されるアウタチューブ11の開口端にダストシール13及びオイルシール14が配置されている。
アウタチューブ11は底部にボルト15が挿入され、ボルト15により中空ロッド16(中空のロッド)がアウタチューブ11に沿って固定されている。中空ロッド16は上端部が拡径され、インナチューブ12の内周に摺接する隔壁部17を形成する。本実施形態では、隔壁部17の外周に設けた溝にリング状のチェックバルブ18(後述する)が設けられている。チェックバルブ18はピストンリングの機能を果たし、インナチューブ12の内周に摺接する。
中空ロッド16は、径方向に貫通する油孔19,20が下部と上部とにそれぞれ形成されている。油孔19は中空ロッド16の軸方向および周方向の複数箇所に形成されている。緩衝器10は、インナチューブ12の上端部を閉塞するばねシート21と隔壁部17の上端面との間にコイルばね22が介在する。コイルばね22は、中空ロッド16及びインナチューブ12を伸長方向へ付勢する懸架スプリングである。
中空ロッド16は、作動油を溜める内部の油溜室23と、アウタチューブ11及びインナチューブ12と中空ロッド16との間に形成される油室(下油室25及び上油室26)とを区画する。油溜室23は、中空ロッド16の上端(隔壁部17)よりも上方に存在する作動油の自由界面を介して気室24と接触する。インナチューブ12の下端部の内周には、下油室25及び上油室26に進退するオイルロック装置30が配置されている。
油孔19は、下油室25及び上油室26と油溜室23とを連通し、油孔20は、上油室26と油溜室23とを連通する。インナチューブ12は、最伸長時に中空ロッド16とインナチューブ12とを圧縮方向へ付勢するリバウンドばね27が、オイルロック装置30と隔壁部17との間に配置されている。
チェックバルブ18は、圧側行程において開弁し、隔壁部17よりも上方に存在する油溜室23の作動油を上油室26へ流入させる。チェックバルブ18は、伸側行程において閉弁し、隔壁部17よりも上方に存在する油溜室23へ上油室26の作動油を流入させない。
図2を参照してオイルロック装置30について説明する。図2はオイルロック装置30の断面図である。図2は緩衝器10の軸方向の図示の一部および軸線を挟んで対称な部分の図示が省略されている。
オイルロック装置30は、インナチューブ12に加締め固定された規制部材31、第1弁座33、第2弁座41及び規制部材46が、インナチューブ12の軸方向に車輪側から車体側へ順に並べられている。規制部材31,46、第1弁座33及び第2弁座41は、中空ロッド16の外周との間に環状の流路を形成する円筒状に形成されている。規制部材31,46、第1弁座33及び第2弁座41は、中空ロッド16の隔壁部17よりも軸方向の下側に配置されている。第1弁座33は、径方向の内側に第1弁体35及び第2弁体39が配置されている。
規制部材31は、第1弁体35の軸方向の移動を規制するための円環状の部材であり、周方向の複数箇所から径方向の内側へ向かってストッパ32が突出する。ストッパ32は周方向に間隔をあけて配置されているので、規制部材31と中空ロッド16との間の流路が確保される。ストッパ32は、第1弁体35と軸方向に隙間をあけて配置されているので、第1弁体35はストッパ32に接触するまでは軸方向の移動が許容される。
第1弁体35は、第2弁座41に着座可能な円環状の部材であり、中空ロッド16との間に環状の第1流路36を形成する。本実施形態では第1弁体35は合成樹脂製である。第1弁体35は、規制部材31と第2弁体39との間で中空ロッド16の外周に沿って軸方向へ移動する。第1弁体35は、径方向の内側へ突出して中空ロッド16に接するセンタリング用の突起(図示せず)が複数設けられても良い。
第1弁体35は、第1弁体35の外周と第1弁座33との間に環状の第2流路37を形成する。第1弁体35は、外周のうち規制部材31に近い側の角に全周に亘って面取部38が設けられている。面取部38は、第1弁体35の外周の角を取って角を角面または丸面にするための部位である。第1弁体35の外周に形成された面取部38によって、第2流路37に作動油を流入させ易くできる。
第1弁体35は、第1弁座33に対して上側に相対移動すると、上側の端面が第2弁体39の下面39aに隙間なく接してシールする。本実施形態では、第2弁体39は第2弁座41の一部でもある。第1弁体35が第2弁体39に接した状態から第1弁体35が下側に相対移動して第2弁体39から離れ、第1弁体35が規制部材31のストッパ32に突き当たると、上側の端面と第2弁体39との間に第2隙間51(図4参照)を形成する。第2隙間51の断面積は第1流路36の断面積より大きい。第1弁体35が形成する第1流路36は圧側絞り流路になる。
第1弁座33は、第1弁体35との間に第2流路37を形成すると共に、内周に円環状の第1座面34が形成される円筒状の部材である。第1座面34は、第2弁体39が閉止位置にあるときに第2弁体39の下面39aの全周が線接触する。第2流路37は、断面積が第1流路36の断面積より大きい。
第2弁体39は、第1弁座33に着座可能な円環状の部材であり、撓み変形によって第2流路37を開放可能に閉鎖する。本実施形態では第2弁体39は金属製の薄板により形成されている。第2弁体39は、第2弁体39の内周と中空ロッド16の外周との間に円環状の第1隙間40を形成する。第1隙間40の断面積は第1流路36の断面積より大きい。第2弁体39は、径方向の内側へ突出して中空ロッド16に接するセンタリング用の突起(図示せず)が複数設けられても良い。
第2弁座41は、第2弁体39の位置を規制すると共に径方向の内側に第3弁体48を収容するための円筒状の部材である。第2弁座41は、軸方向の下側の端面の複数箇所から軸方向の下側へ向かって支持部42が突出する。支持部42は、先端が、第2弁体39の上面に突き当たり、第2弁体39の撓みの支点となる。支持部42は、第2弁体39を挟んで第1弁体35と軸方向に対向する位置に配置されている。支持部42は周方向に間隔をあけて配置されているので、第2弁体39と第2弁座41の端面との間に第4流路44が形成される。
支持部42が突き当てられた第2弁体39は、下面39aが、第1弁座33の第1座面34の位置より軸方向の下側に位置するので、第1座面34及び支持部42は、第2弁体39を撓み変形した状態で保持する。第2弁体39は、第1座面34及び支持部42による予撓みによって、第2流路37を閉じる方向(軸方向の下側)に付勢される。第2弁体39は、下油室25の圧力が高くなると撓んで第2流路37を開放する。
第2弁座41は、支持部42及び第1弁座33の第1座面34に撓んだ状態で第2弁体39を保持する。これにより第2弁座41は、第1弁座33の第1座面34よりも径方向の内側に第2弁体39を配置する。第1弁体35の軸方向の上側に第2弁体39が配置されるので、第1弁体35が閉止状態にあるときに第1弁体35が全周に線接触する第2座面として、第2弁体39の下面39aを使うことができる。第2弁体39の下面39aを第2座面とするので、各部品をコンパクトに配置できる。
第2弁座41は、中空ロッド16の外周との間に第3流路43を形成する。第3流路43の断面積は第1流路36の断面積より大きい。第2弁座41は、軸方向の上側へ向かうにつれて拡径する第3座面45(上側座面)が内周に形成されている。第3座面45と規制部材46との間に第3弁体48が配置される。
規制部材46は、第3弁体48の軸方向の移動を規制するための円環状の部材であり、周方向の複数箇所から径方向の内側へ向かってストッパ47が突出する。ストッパ47は周方向に間隔をあけて配置されているので、規制部材46と中空ロッド16との間の流路が確保される。ストッパ47は、第3弁体48と軸方向に隙間をあけて配置されているので、第3弁体48はストッパ47に接触するまでは軸方向の移動が許容される。
第3弁体48は、中空ロッド16との間に環状の内側流路49を形成する円環状の部材であり、本実施形態では合成樹脂製である。第3弁体48は、規制部材46と第3座面45との間で中空ロッド16の外周に沿って軸方向へ移動する。第3弁体48は、径方向の内側へ突出して中空ロッド16に接するセンタリング用の突起(図示せず)が複数設けられても良い。第3弁体48は、第3弁体48の外周と第2弁座41との間に環状の外側流路50を形成する。
第3弁体48は、第2弁座41に対して下側に相対移動すると、第3弁体48の外周面が第3座面45に隙間なく線接触してシールし、外側流路50を閉鎖する。第3弁体48が第3座面45に接した状態から第3弁体48が上側に相対移動して第3座面45から離れ、第3弁体48が規制部材46のストッパ47に突き当たると、内側流路49及び外側流路50を形成する。外側流路50の断面積は内側流路49の断面積より大きい。第3弁体48が形成する内側流路49は伸側絞り流路になる。
緩衝器10(図1参照)は、コイルばね22及び気室24の空気ばねによって、車輪が受ける衝撃を緩衝し、この衝撃の吸収に伴う伸縮振動を下油室25及び上油室26で生じる減衰力によって抑制する。
図2から図4を参照して緩衝器10の減衰作用について説明する。図3は最圧縮状態のオイルロック装置30の断面図であり、図4は最圧縮状態から伸側行程への反転時のオイルロック装置30の断面図である。図3及び図4は、緩衝器10の軸方向の図示の一部および軸線を挟んで対称な部分の図示が省略されている。
(圧側行程)
図2に示すように圧側行程では、インナチューブ12が下油室25に進入すると、上油室26は体積が拡大して圧力が低下する。チェックバルブ18(図1参照)が開弁し、隔壁部17の上方の油溜室23の作動油がチェックバルブ18を通って上油室26へ流入する。インナチューブ12の下油室25への進入体積相当分の作動油が、複数の油孔19を通って下油室25から中空ロッド16の内側の油溜室23へ流入する。複数の油孔19によって圧側減衰力を発生する。
下油室25は体積が縮小して下油室25の圧力が高くなるので、第1弁体35が上方へ移動して第2弁体39に接し、第3弁体48が上方へ移動して規制部材46に突き当たる。下油室25の作動油は、第1流路36、第1隙間40、第3流路43及び外側流路50を通って上油室26へ流入する。第1弁体35の内周の形状に起因する第1流路36の絞り抵抗に基づく圧側減衰力が発生する。
図3に示すように第1弁体35が複数の油孔19を順次閉塞し、圧側行程の最終段階(ストロークの限界部)に入ると、下油室25の作動油は、第1流路36を通った後、第1隙間40、第3流路43及び外側流路50を通って上油室26へ流入する。或いは、下油室25の作動油は、第1流路36を通った後、第1隙間40、第3流路43及び油孔19を通って油溜室23へ流入する。その結果、下油室25から上油室26又は油溜室23への作動油の流路面積が閉鎖された油孔19の分だけ縮小するので、下油室25の作動油が閉塞されるオイルロック状態になる。圧側減衰力が大きくなるので、インナチューブ12の底付きを防止できる。
なお、第1流路36(圧側絞り流路)による減衰力(荷重)は、インナチューブ12が下油室25に進入する速度のほぼ2乗に比例して増加する。従って、インナチューブ12が下油室25に進入する速度が速いときは、急激に荷重が増加するので、下油室25がオイルロック状態になったときに乗員が受ける衝撃も大きくなる。一方で、インナチューブ12が下油室25に進入する速度が比較的遅いときにオイルロック装置30が受け止められる衝撃力(最大荷重)は、第1流路36によって確保できる。
オイルロック装置30は、第1流路36とは別に、下油室25と上油室26とを連通する第2流路37が、第1流路36と並列に設けられている。第2流路37は、下油室25の圧力が高くなると撓み変形する第2弁体39によって閉鎖されている。第2弁体39が撓み変形して第2流路37が開放されると、下油室25の作動油は、第2流路37を通って第4流路44へ流入する。第2弁体39が撓み変形して開口面積が変化する第2流路37による減衰力(荷重)は、インナチューブ12が下油室25に進入する速度のほぼ2/3乗に比例して増加する。
その結果、第1流路36及び第2流路37による減衰力は、第1流路36及び第2流路37の各々の減衰力が合成され、インナチューブ12が下油室25に進入する速度に比例するようにできる。よって、オイルロック装置30は、インナチューブ12が下油室25に進入する速度が速いときも遅いときも底付きを防止し、特にインナチューブ12が下油室25に進入する速度が速いときの荷重の急激な増加を抑制できる。よって、衝撃を緩和できる。
なお、オイルロック装置30は、油孔19よりも中空ロッド16の下部側に第1弁体35が位置するときに、第3弁体48が油孔19を完全には閉塞できない位置に配置されている。そのため、油溜室23の油圧は、第3流路43を介して第3弁体48の上部に及ぶ。
(伸側行程)
図4に示すように、最圧縮状態から伸側行程へ反転すると、油溜室23の油圧と下油室25の油圧との差圧により、第1弁体35が押し下げられて第2弁体39から離れ、第1弁体35が規制部材31に突き当たる。第2弁体39と第1弁体35との間に第2隙間51が形成される。油溜室23の作動油は、第2隙間51及び第2流路37を通って下油室25へ流入する。下油室25の負圧が速やかに解消されるので、最圧縮状態から伸側行程へ反転したときの抜け音の発生を防止できる。
インナチューブ12が下油室25から退出すると、上油室26の作動油は、中空ロッド16に形成された油孔20を通り、中空ロッド16の内側の油溜室23へ流入する。油孔20によって伸側減衰力を発生する。インナチューブ12の下油室25からの退出体積相当分の作動油は、中空ロッド16の内側の油溜室23から油孔19を通って補給される。
上油室26の体積が縮小して上油室26の圧力が高くなるので、第3弁体48は第2弁座41に対して下側へ相対移動し、第3弁体48が第2弁座41の第3座面45に隙間なく接触する。第1弁体35は規制部材31に突き当たったままである。上油室26の作動油は、内側流路49、第3流路43、第1隙間40、第2隙間51及び第2流路37を通って下油室25へ流入する。第3弁体48の内周の形状に起因する内側流路49の絞り抵抗に基づく伸側減衰力が発生する。
このオイルロック装置30は、上述のように、第1弁座33、第2弁座41、第1弁体35及び第2弁体39を備えている。中空ロッド16の外周に配置される筒状の第1弁座33が、第1弁体35との間に第2流路37を形成する。第1弁座33の上側かつ中空ロッド16の外周に配置される筒状の第2弁座41は、第1流路36と連通する第3流路43を中空ロッド16との間に形成する。第2弁座41の支持部42は、第1弁体35との間に第2弁体39を挟んだ状態で、第3流路43と連通する第4流路44を第2弁体39との間に形成する。
第2弁体39は、断面積が第1流路36の断面積よりも広い第1隙間40を中空ロッド16との間に形成する。第3流路43及び第4流路44は断面積が第1流路36の断面積よりも広く、第2弁体39が第2流路37を開放すると第2流路37と第4流路44とが連通する。従って、オイルロック装置30の構造を簡易にできる。
第1弁座33の第1座面34及び第2弁座41の支持部42は、第2弁体39を撓み変形させた状態で保持する。その結果、第1弁座33及び支持部42による第2弁体39の予撓みによって第2流路37を開放する下油室25の圧力を調整できる。
第2弁体39は、第1弁座33及び支持部42によって撓んだ状態にされるので、第1弁体35が軸方向に移動して第2弁体39から離れても、第2弁体39は同じ位置に保持される。よって、第2弁体39の位置の変動によって、第2弁体39が変形する設定圧力が変動しないようにできる。
第2弁体39は、下油室25が最圧縮時のオイルロック状態になると下油室25の圧力(曲げ荷重)が加わるが、常用のストローク域(オイルロック状態にないとき)では、第1弁座33及び支持部42による小さな曲げ荷重が加わるだけである。オイルロック状態になったときは第1弁体35が第2弁体39を押圧するが、第2弁体39を挟んで支持部42が第1弁体35に対向するので、第1弁体35及び支持部42による曲げ荷重は第2弁体39に生じない。即ち、第2弁体39はオイルロック状態のときに下油室25の圧力に伴う曲げ荷重が作用するだけなので、第2弁体39の耐久性を確保できる。
支持部42は第2弁体39が撓み変形する支点となり、変形の復元力によって第2弁体39は第1座面34に線接触する。第1座面34と支持部42の先端との軸方向の距離によって予撓みの大きさが設定される。第2弁体39の厚さや材質、支持部42と第1座面34との間の径方向の距離によって、第2弁体39が変形して第2流路37を開放する下油室25の圧力を設定できる。従って、下油室25の圧力の上限値の設定を容易にできる。
下油室25の圧力が高くなると第2弁体39が開弁して、オイルロック状態にあるときの下油室25の圧力を開放するので、第2弁体39が無い場合に比べて、下油室25の最大圧力を低くできる。その結果、下油室25を構成するアウタチューブ11や中空ロッド16の強度を低く設定できる。
第2弁座41の上下に第2座面(第2弁体39の下面39a)と第3座面45とが設けられるので、第2座面と第3座面をそれぞれ持った弁座を2つ設ける場合に比べて、部品点数を削減できる。第2弁体39の下面39aを第1弁体35が密着する第2座面にするので、規制部材31,46間に2つの弁座と3つの弁体とが配置されたオイルロック装置30(ピストン)をコンパクト化できる。
(第2実施形態)
次に図5及び図6を参照して第2実施形態について説明する。第1実施形態では、規制部材31が第1弁体35の下油室25側への移動を規制する場合について説明した。これに対し第2実施形態では、規制部材31を省略し、その代りに第1弁体62をばね65で弾性支持する場合について説明する。なお、第1実施形態で説明した部分と同一の部分については、同一の符号を付して以下の説明を省略する。
図5は第2実施形態における緩衝器60の断面図であり、図6は圧側行程のときのオイルロック装置61の断面図である。図5及び図6は、緩衝器60の軸方向の図示の一部および軸線を挟んで対称な部分の図示が省略されている。
図5及び図6に示すように、緩衝器60のオイルロック装置61は、インナチューブ12に加締め固定された第1弁座33、第2弁座41及び規制部材46が、インナチューブ12の軸方向に並べられている。第1弁体62は、軸方向の端面の内側から中空ロッド16に沿って軸方向へ延びる円筒状の筒部63を備えている。第1弁体62は、中空ロッド16との間に環状の第1流路64を形成する。第1弁体62は、筒部63がばね65の上端に嵌め込まれている。ばね65は、中空ロッド16の周囲に配置されたコイルばねであり、下端が中空ロッド16の下部に固定されている。
第1弁体62は、インナチューブ12から離れた状態でばね65によって下油室25内に弾性支持されているので、インナチューブ12の下油室25への進入に伴い第2弁体39に押され、中空ロッド16の外周に沿って軸方向の下側へ移動する。第1弁体62と第2弁体39とが接触していない状態で、第1弁体62が、最も低い位置にある油孔19よりも上に位置するように、ばね65は自由長が設定される。ばね65は、常用のストローク域(オイルロック状態にないとき)において、少なくとも第1弁座33と第1弁体62とが径方向に重ならない位置に第1弁体62を弾性支持する。
第1弁体62は、径方向の内側へ突出して中空ロッド16に接するセンタリング用の突起(図示せず)が複数設けられても良い。第1弁体62は、第1弁座33の径方向の内側に進入すると、第1弁体62と第1弁座33との間に環状の第2流路37を形成する。
オイルロック装置61は、第1弁体62がばね65で支持されているので、常用のストローク域(オイルロック状態にないとき)では、第1弁体62を第2弁体39に接触させないようにできる。圧側行程において、下油室25の作動油は、第1弁座33の内側、第1隙間40、第3流路43及び外側流路50を通って上油室26へ流入する。第1弁体62が第1弁座33から退出しているので、圧側行程における上油室26への作動油の流入を妨げないようにできる。その結果、圧側行程において上油室26に充填された作動油を使って、伸側行程で安定した伸側減衰力を発生させることができる。
オイルロック装置61は、最圧縮状態から伸側行程へ反転すると、油溜室23の油圧と下油室25の油圧との差圧により、第1弁体62が押し下げられて第2弁体39から離れる。オイルロック装置61は規制部材31(図4参照)が省略されているので、第2弁体39と第1弁体35との間に形成される第2隙間51(図4参照)を大きくできる。第2弁体39は第2流路37を閉鎖するが、上油室26及び油溜室23の作動油が、第1弁座33の内側を通って下油室25へ流入する。下油室25の負圧が速やかに解消されるので、最圧縮状態から伸側行程へ反転したときの抜け音の発生を防止できる。
(第3実施形態)
次に図7を参照して第3実施形態について説明する。第3実施形態では、第2弁座73の下側の端面に変位規制部75が形成される場合について説明する。なお、第1実施形態で説明した部分と同一の部分については、同一の符号を付して以下の説明を省略する。図7は第3実施形態における緩衝器70の断面図である。図7は、緩衝器70の軸方向の図示の一部および軸線を挟んで対称な部分の図示が省略されている。
図7に示すように緩衝器70のオイルロック装置71は、インナチューブ12に加締め固定された第1弁座72及び第2弁座73が、インナチューブ12の軸方向に並べられている。第2弁座73は、軸方向の下側の端面の複数箇所から軸方向の下側へ向かって支持部74が突出する。第2弁座73は、軸方向の下側の端面のうち支持部74の径方向の外側の部分に変位規制部75が形成されている。
変位規制部75は、変形した第2弁体39の周縁が当接することにより、第2弁体39の最大変位を規制する部位である。支持部74の先端(軸方向の下側の端部)から変位規制部75までの軸方向の距離Lは、第2弁体39に降伏応力が発生する第2弁体39の変形量以下に設定される。第2弁座73に変位規制部75を設けることにより、過大な荷重が第2弁体39に入力されたときに第2弁体39が塑性変形しないようにできる。なお、このときの弾性変形の最大値が最大変位である。
第2弁座73は、軸方向の下側の端面に変位規制部75よりも軸方向に凹んだ溝部76が形成されている。溝部76は、支持部74の間に複数が放射状に形成されている。溝部76は、第2弁体39が開いた状態で第2流路37と第3流路43とを連通する。変位規制部75があるので、第2弁体39が撓むと第4流路44が狭窄されるおそれがあるが、溝部76が形成されているので、第2弁体39が変位規制部75に当接した状態でも第4流路44を確保できる。その結果、第2弁体39が変位規制部75に当接するような過大な荷重が入力されたときも、乗員が受ける衝撃を抑制しつつ第2弁体39の塑性変形を阻止できる。
なお、第2弁体39の上面に周方向に点在する突起や突条等を設け、過大な荷重が入力されて突起等が変位規制部75に当接したときに、突起等の間を作動油が流通するようにすれば、第4流路44を確保できる。しかし、第2弁体39に突起等が設けられることにより、荷重たわみ曲線等の機械特性を考慮した第2弁体39の設計や第2弁体39の動作の安定性の確保が困難になるおそれがある。これに対し第3実施形態によれば、第4流路44を確保するための溝部76を第2弁座73に設けるので、第2弁体39の設計や動作の安定性の確保を容易にできる。
(第4実施形態)
次に図8及び図9を参照して第4実施形態について説明する。図8は第4実施形態における緩衝器80の断面図であり、図9は緩衝器80のうちオイルロック装置を構成する部分の分解図である。図8は理解を容易にするため、アウタチューブ11及び中空ロッド16の図示、並びに、インナチューブ12の一部の図示が省略されている。なお、第1実施形態と同一の部分については、同一の符号を付して以下の説明を省略する。
図8に示すように緩衝器80は、インナチューブ12の下端部の内周に、軸方向の下から上へ順に、規制部材31、第1弁座81、第2弁座87及び規制部材46が配置されている。第1弁座81と第2弁座87との間に第2弁体39が配置され、規制部材31と第2弁体39との間に第1弁体35が配置され、規制部材46と第2弁座87との間に第3弁体48が配置されている。規制部材31、第1弁座81、第2弁座87及び規制部材46は、インナチューブ12の内周に形成された段部94と、インナチューブ12の先端(下端部)が内側に折り曲げられた屈曲部95との間に固定され、軸方向の位置が規制される。
図9に示すように第1弁座81は、円環状に形成された第1部82と、第1部82の第2弁体39側の端面の径方向の外側の部分から軸方向の上側に突出する円環状の第2部83と、を備えている。第1弁座81は、第1部82と第2部83との境界の内周に、第2弁体39が着座する第1座面84が形成されている。第2部83は、第1座面84の径方向の外側に連なる内周面85と、内周面85から径方向の外側に連なる第1当接部86と、を備えている。第1当接部86は、第2部83の軸方向の先端に位置する。第2部83の内径と第1部82の内径との差を、第1弁座81の内周に設けられた第1座面84の大きさにできるので、第2部83の肉厚を確保して第2部83の強度を確保できる。
第2弁座87は、円環状に形成された第3部88と、第3部88の第2弁体39側の端面の径方向の内側の部分から軸方向の下側に突出する円環状の第4部89と、を備えている。第4部89は、第2弁体39の径方向の内側の上面を押える支持部90が設けられている。第2弁座87は、第3部88と第4部89との境界の外周に第2当接部91が形成されている。第4部89の外周面92は第2当接部91の径方向の内側に連なる。第3部88は、第3弁体48が着座する第3座面93が内周に形成されている。第1弁座81の第2部83の内側に挿入される第2弁座87の第4部89に、第2弁体39の径方向の内側の上面を押える支持部90が設けられるので、第4部89の肉厚を確保して第4部89の強度を確保できる。
本実施形態では、第2部83の内周面85の内径は、第4部89の外周面92の外径よりも小さく設定されており、第2部83と第4部89との嵌め合いに締め代が設けられている。第2部83に第4部89が圧入され、第2部83が第4部89と径方向に重ねられた状態で、第2部83の第1当接部86は、第2弁座87の第2当接部91に軸方向から当接する。その状態で、第2弁体39の径方向の内側の上面に支持部90が突き当たり、第2弁体39の下面の径方向の外側の部分が第1座面84に線接触する。第2弁体39は支持部90及び第1座面84に押されて弾性変形し、軸方向の下側へ向かう復元力を第1座面84に加える。
緩衝器80を組み立てるときは、まず、第1弁座81の第1座面84に第2弁体39を載せ、第2部83に第4部89を圧入して第2当接部91に第1当接部86を当接する。これにより、第1弁座81及び第2弁座87が第2弁体39を挟み込んだ組立体96を得る。組立体96によれば、第2弁座87の第2当接部91に第1弁座81の第1当接部86が当接したときの第2弁体39の予撓みの大きさを一定にできる。また、組立体96によって、第2弁体39が正規の位置に取り付けられたかどうかを第1弁座81の第1部82側から目視確認できる。さらに、組立体96によって3つの部品を1部品にできるので、インナチューブ12に各部品を収容する作業を簡易にできる。
次に、インナチューブ12の下端から規制部材46を段部94の位置に収容した後、第3弁体48、組立体96、第1弁体35及び規制部材31を、順にインナチューブ12に収容する。次いで、インナチューブ12の下端の曲げ加工により屈曲部95を形成して、インナチューブ12に規制部材46、組立体96及び規制部材31を加締め固定する。
仮に屈曲部95の大きさ(段部94と屈曲部95との軸方向の距離)がばらついて、規制部材46、組立体96及び規制部材31の間に軸方向の隙間が生じても、組立体96は第2部83に第4部89が圧入されているので、第2弁体39の予撓みの大きさが変わらないようにできる。従って、屈曲部95の大きさにばらつきが生じても、第2弁体39による第2流路37(図2参照)を開放する下油室25の圧力にばらつきが生じないようにできる。
(第5実施形態)
次に図10及び図11を参照して第5実施形態について説明する。図10は第5実施形態における緩衝器100の断面図であり、図11は緩衝器100のうちオイルロック装置を構成する部分の分解図である。図10は理解を容易にするため、アウタチューブ11及び中空ロッド16の図示、並びに、インナチューブ12の一部の図示が省略されている。なお、第1実施形態および第4実施形態と同一の部分については、同一の符号を付して以下の説明を省略する。
図10に示すように緩衝器100は、インナチューブ12の下端部の内周に、軸方向の下から上へ順に、第1弁座101、第2弁座87及び規制部材46が配置されている。第1弁座101と第2弁座87との間に第2弁体39が配置され、第1弁座101の規制部102と第2弁体39との間に第1弁体103が配置されている。第1弁座101、第2弁座87及び規制部材46は、インナチューブ12の内周に形成された段部94と、インナチューブ12の先端(下端部)が径方向の内側に折り曲げられた屈曲部95との間に固定され、軸方向の位置が規制される。
図11に示すように第1弁座101は、第1部82の軸方向の下端部から径方向の内側へ向けて円環状に張り出す規制部102が設けられている。規制部102は、第1弁体103の軸方向の移動を規制するための部位である。第1弁座101に規制部102が設けられているので、規制部材31(図9参照)を省略することができ、その分だけ部品点数を削減できる。
第1弁体103は、第2弁座87(第2弁体39の下面)に着座可能な円環状の部材である。第1弁体103は、第1弁座101の規制部102と第2弁体39との間で軸方向へ移動する。第1弁体103は、下端面の複数箇所から突部104が突出する。突部104は周方向に間隔をあけて配置されているので、規制部102に突部104が接触したときも規制部102と第1弁体103との流路が確保される。
緩衝器100を組み立てるときは、まず、第1弁座101の規制部102に第1弁体103を載せ、第1座面84に第2弁体39を載せる。次いで、第2部83に第4部89を圧入して第2当接部91に第1当接部86を当接する。これにより、第1弁座101及び第2弁座87が第2弁体39を挟み込んだ組立体105を得る。組立体105によれば、第2弁座87の第2当接部91に第1当接部86が当接したときの第2弁体39の予撓みの大きさを一定にできる。また、組立体105によって4つの部品を1部品にできるので、インナチューブ12に各部品を収容する作業を簡易にできる。
次に、インナチューブ12の下端から規制部材46を段部94の位置に収容した後、第3弁体48及び組立体105を、順にインナチューブ12に収容する。次いで、インナチューブ12の下端の曲げ加工により屈曲部95を形成して、インナチューブ12に規制部材46及び組立体105を加締め固定する。
第5実施形態よれば、第4実施形態で得られる作用効果に加え、第1弁座101に形成された規制部102により、部品点数の削減およびインナチューブ12に各部品を収容する組立工程の簡素化を実現できる。
以上、実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変形が可能であることは容易に推察できるものである。例えば、油孔19の位置や数などは適宜設定できる。
上記各実施形態では、緩衝器10,60,70,80,100が、中空ロッド16との間の内側流路49が伸側絞り流路となる第3弁体48、伸側絞り流路となる油孔20等の減衰力発生機構を備える場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。車輪の両側にそれぞれ第1緩衝器および第2緩衝器が配置されるフロントフォークにおいて、第1緩衝器が減衰力発生機構を内蔵し、第2緩衝器がばねは内蔵するが減衰力発生機構は内蔵しない場合には、各実施形態で説明したオイルロック装置30,61,71を第2緩衝器に配置することは当然可能である。第2緩衝器の内部の潤滑油を使ってオイルロック状態にできるからである。
上記各実施形態では、減衰力発生機構として、軸方向に移動する第3弁体48を備える場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。第3弁体48に代えて、周知の他の減衰バルブを設けることは当然可能である。
上記第1実施形態から第4実施形態では、第1弁体35の軸方向の移動を規制する規制部材31が第1弁座33,81と別に設けられる場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。第5実施形態のように、規制部材31を第1弁座33と一体化することは当然可能である。規制部材31を第1弁座33,81と一体化した場合も、インナチューブ12の内周に規制部材46、第3弁体48等の順に組み付け、規制部材31が一体化された第1弁座33を最後に組み付けた後、インナチューブ12の先端を折り曲げて、それらを加締め固定できる。
上記各実施形態では、1枚の環状の薄板により第2弁体39が形成される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。薄板を複数枚重ねた状態に配置して第2弁体39を形成することは当然可能である。この場合には、薄板の枚数を増減することによって第2弁体39が変形する設定圧力を調整できる。
上記第1実施形態では、第1弁体35の外周のうち規制部材31に近い側の角に全周に亘って面取部38を設ける場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。第1弁体35の外周のうち第2弁体39に近い側の角に全周に亘って面取部を設けることは当然可能である。第2弁体39に近い側の角に面取部を設けることにより、第2隙間51から第2流路37へ作動油を流入し易くできる。また、第2弁体39の外周の両方の角(規制部材31に近い角と第2弁体39に近い角)に面取部を設けることは当然可能である。
上記第4実施形態および第5実施形態では、第1弁座81,101と第2弁座87との嵌め合いが、しまりばめ(第1弁座81,101に第2弁座87が圧入される)の場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。第1弁座81,101と第2弁座87との嵌め合いを、すきまばめや中間ばめにすることは当然可能である。これらの場合も、径方向に重なる第1弁座81の第2部83と第2弁座87の第4部89との摩擦によって、第1弁座81,101と第2弁座87とが仮固定された組立体96,105が得られる。その結果、インナチューブ12に各部品を収容する作業を簡易にできる。
上記第4実施形態および第5実施形態では、第1弁座81に設けられた第2部83に第2弁座87の第4部89が挿入される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、第2弁座87の第4部89に溝や凹みなどの凹部を形成し、その凹部に挿入される凸部を第1弁座81の第2部83に設けることや、第1弁座81の第2部83に溝や凹みなどの凹部を形成し、その凹部に挿入される凸部を第2弁座87の第4部89に設けること等は当然可能である。それらの場合には、凸部の先端と凹部の底とが軸方向に突き当たるようにすることができ、凸部の先端や凹部の底が第1当接部86や第2当接部91に該当する。
上記の各実施形態は、他の実施形態が有する構成の一部をその実施形態に追加または交換することにより、その実施形態を変形しても良い。例えば、第3実施形態で説明した変位規制部75及び溝部76が形成された第2弁座73を、第1弁座72と一緒に、第2実施形態の第2弁座41及び第1弁座33と交換することは当然可能である。また、第4実施形態および第5実施形態の第2弁座87に、第3実施形態で説明した変位規制部75及び溝部76を設けることは当然可能である。また、第5実施形態で説明した第1弁体103の突部104を、第1実施形態から第4実施形態の第1弁体35に設けると共に、第1実施形態から第4実施形態の規制部材31のストッパ32を省略することは当然可能である。
10,60,70,80,100 緩衝器
11 アウタチューブ
12 インナチューブ
16 中空ロッド
25 下油室
33,72,81,101 第1弁座
34,84 第1座面(座面)
35,62,103 第1弁体
36 第1流路
37 第2流路
39 第2弁体
40 第1隙間(隙間)
41,73,87 第2弁座
42,74,90 支持部
45,93 第3座面(上側座面)
48 第3弁体
65 ばね
75 変位規制部
76 溝部
82 第1部
83 第2部
86 第1当接部
88 第3部
89 第4部
91 第2当接部

Claims (7)

  1. 車体側に配置されるインナチューブと、
    車輪側に配置されると共に前記インナチューブの外周に摺接するアウタチューブと、
    前記アウタチューブの底部に設けられる中空ロッドと、
    前記インナチューブの内周に、前記インナチューブの軸方向に前記車輪側から前記車体側へ順に配置される第1弁座および第2弁座と、
    前記第2弁座および前記第1弁座にそれぞれ着座可能に配置されると共に、前記軸方向に前記車輪側から前記車体側へ順に配置される第1弁体および第2弁体と、を備え、
    前記第1弁体および前記第2弁体よりも車輪側に、前記アウタチューブ、前記インナチューブ及び前記中空ロッドに囲まれた下油室が形成され、
    前記第1弁体は、前記中空ロッドの外周と前記第1弁体の内周との間に第1流路を設けた状態で前記第2弁座に着座可能であり、
    前記第2弁体は、前記中空ロッドの外周と前記第2弁体の内周との間に隙間を設けた状態で配置され、前記隙間は前記第1流路と直列に接続され、前記隙間の断面積は前記第1流路の断面積より大きく、
    前記インナチューブが前記下油室に進入する圧側行程において、前記第1弁体は前記第2弁座に着座し、前記第2弁体は、前記軸方向の下側へ向けて付勢された状態で前記第1弁座の座面に密着して、前記第1流路と並列に設けられた第2流路を閉じ、
    前記下油室が所定の圧力より高くなると、前記第1弁体が前記第2弁座に着座した状態で、前記第2弁体が開いて前記第2流路を開放し、
    伸側行程に反転すると、前記第1弁体は前記第2弁座から離れ、前記隙間を通って作動油が前記下油室へ流入する緩衝器。
  2. 車体側に配置されるインナチューブと、
    車輪側に配置されると共に前記インナチューブの外周に摺接するアウタチューブと、
    前記アウタチューブの底部に設けられる中空ロッドと、
    前記インナチューブの内周に、前記インナチューブの軸方向に前記車輪側から前記車体側へ順に配置される第1弁座および第2弁座と、
    前記第2弁座および前記第1弁座にそれぞれ着座可能に配置されると共に、前記軸方向に前記車輪側から前記車体側へ順に配置される第1弁体および第2弁体と、を備え、
    前記第1弁体および前記第2弁体よりも車輪側に、前記アウタチューブ、前記インナチューブ及び前記中空ロッドに囲まれた下油室が形成され、
    前記第1弁体は、前記中空ロッドの外周と隙間を設けた状態で前記第2弁座に着座可能であり、
    前記第2弁体は、前記軸方向の下側へ向けて付勢された状態で前記第1弁座の座面に密着可能であり、
    前記インナチューブが前記下油室に進入する圧側行程において、前記下油室が所定の圧力より高くなると、前記第1弁体が前記第2弁座に着座した状態で、前記第2弁体が開き、
    前記第2弁座は、前記第2弁体の最大変位を規制する変位規制部を備え、
    前記変位規制部は、前記第2弁座の前記軸方向の下側の端面に設けられている緩衝器。
  3. 車体側に配置されるインナチューブと、
    車輪側に配置されると共に前記インナチューブの外周に摺接するアウタチューブと、
    前記アウタチューブの底部に設けられる中空ロッドと、
    前記インナチューブの内周に、前記インナチューブの軸方向に前記車輪側から前記車体側へ順に配置される第1弁座および第2弁座と、
    前記第2弁座および前記第1弁座にそれぞれ着座可能に配置されると共に、前記軸方向に前記車輪側から前記車体側へ順に配置される第1弁体および第2弁体と、を備え、
    前記第1弁体および前記第2弁体よりも車輪側に、前記アウタチューブ、前記インナチューブ及び前記中空ロッドに囲まれた下油室が形成され、
    前記第1弁体は、前記中空ロッドの外周と隙間を設けた状態で前記第2弁座に着座可能であり、
    前記第2弁体は、前記軸方向の下側へ向けて付勢された状態で前記第1弁座の座面に密着可能であり、
    前記インナチューブが前記下油室に進入する圧側行程において、前記下油室が所定の圧力より高くなると、前記第1弁体が前記第2弁座に着座した状態で、前記第2弁体が開き、
    前記第1弁座は、環状に形成される第1部と、前記第1部から前記軸方向に突出する第2部と、前記第1部または前記第2部に形成される第1当接部と、を備え、
    前記第2弁座は、環状に形成される第3部と、前記第3部から前記軸方向に突出すると共に前記第2部と径方向に重なる第4部と、前記第3部または前記第4部に形成されると共に前記第1当接部と前記軸方向に突き当たる第2当接部と、を備え、
    前記第2当接部が前記第1当接部に当接した状態で、前記第2弁体は、前記軸方向の下側へ向けて付勢される緩衝器
  4. 前記第2弁座は、その下面よりも前記軸方向の上側に上側座面を備え、
    前記上側座面よりも前記軸方向の上側の前記インナチューブの内周に配置されると共に前記上側座面に密着可能な第3弁体を備えていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の緩衝器。
  5. 前記第2弁体の径方向外側の下面は、前記中空ロッドが中央を貫通する円環状の部材であり、閉止状態では前記第1弁座に密着可能であり、
    前記第2弁座は、前記軸方向の下側へ突出する支持部を備え、
    前記支持部は、前記第2弁体の径方向内側の上面を押えることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の緩衝器。
  6. 前記第2弁座は、その前記軸方向の下側の端面に溝部が形成されていることを特徴とする請求項記載の緩衝器。
  7. 前記第1弁体を前記軸方向の上側へ付勢するばねを備えていることを特徴とする請求項1からのいずれかに記載の緩衝器。
JP2017518575A 2016-11-15 2017-04-05 緩衝器 Expired - Fee Related JP6246425B1 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016222274 2016-11-15
JP2016222274 2016-11-15
PCT/JP2017/014228 WO2018092327A1 (ja) 2016-11-15 2017-04-05 緩衝器

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP6246425B1 true JP6246425B1 (ja) 2017-12-13
JPWO2018092327A1 JPWO2018092327A1 (ja) 2018-11-15

Family

ID=60659008

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017518575A Expired - Fee Related JP6246425B1 (ja) 2016-11-15 2017-04-05 緩衝器

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6246425B1 (ja)

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5276050U (ja) * 1975-12-04 1977-06-07
JPS54150785U (ja) * 1978-04-14 1979-10-19
JPH08270714A (ja) * 1995-03-27 1996-10-15 Kayaba Ind Co Ltd 緩衝器
JPH11280819A (ja) * 1998-01-29 1999-10-15 Toyota Motor Corp ショックアブソ―バ
JP2010151310A (ja) * 2008-11-27 2010-07-08 Showa Corp フロントフォークのオイルロック装置

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5276050U (ja) * 1975-12-04 1977-06-07
JPS54150785U (ja) * 1978-04-14 1979-10-19
JPH08270714A (ja) * 1995-03-27 1996-10-15 Kayaba Ind Co Ltd 緩衝器
JPH11280819A (ja) * 1998-01-29 1999-10-15 Toyota Motor Corp ショックアブソ―バ
JP2010151310A (ja) * 2008-11-27 2010-07-08 Showa Corp フロントフォークのオイルロック装置

Also Published As

Publication number Publication date
JPWO2018092327A1 (ja) 2018-11-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US11181161B2 (en) Shock absorber base valve assembly
CN106460997B (zh) 缓冲器
JP6838768B2 (ja) 緩衝器
CN106233026A (zh) 缓冲器
CN106460995A (zh) 缓冲器
CN101113773B (zh) 阀装置
JP2015148268A (ja) 緩衝器
US10837514B2 (en) Valve structure of shock absorber
JP6623099B2 (ja) 緩衝器
JP7450583B2 (ja) 緩衝器
JP6810603B2 (ja) シリンダ装置
WO2018092327A1 (ja) 緩衝器
WO2018021125A1 (ja) 緩衝器
JP6246425B1 (ja) 緩衝器
JP2011064285A (ja) バルブ構造
WO2018056099A1 (ja) 緩衝器
KR102568588B1 (ko) 실린더 장치
JP2016080140A (ja) 圧力緩衝装置
JP2009030789A (ja) 空圧緩衝器のバルブ構造
JP5112985B2 (ja) リバウンドスプリング
JP4740045B2 (ja) 油圧緩衝器の減衰バルブ
JP2014029175A (ja) 流体圧緩衝器
JP6014459B2 (ja) シリンダ装置
CN103791019B (zh) 减震器
JP7154199B2 (ja) 緩衝器

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20170406

A871 Explanation of circumstances concerning accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A871

Effective date: 20170406

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170421

A975 Report on accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971005

Effective date: 20170522

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170606

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170807

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20171031

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20171114

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6246425

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees