JP6246024B2 - レーダ信号処理装置 - Google Patents
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Description
そして、このレーダ信号処理装置では、複数のSAR画像間の位置合わせ(レジストレーション)を実施した後に、複数のSAR画像間の差分をとることで、クラッタ成分を抑圧して移動目標を検出するMTI(Moving Target Indicator)処理を実施する。
このとき、チャンネル間の送受信の位相中心が重複する条件であるDPCA(Diplaced Phase Center Antenna)条件を満足している場合には、複数のSAR画像間のレジストレーションをピクセル単位で行うことができるため、アジマスアンビギュイティ成分もクラッタ成分と同様に抑圧して移動目標を検出することが可能である。
しかし、DPCA条件を満足していない場合、複数のSAR画像間のレジストレーションをサブピクセル単位で行うことになる。サブピクセル単位でのリサンプリングを伴うレジストレーションを行う場合、アジマスアンビギュイティ成分はクラッタ成分と異なる振る舞いをするため、レジストレーション後のSAR画像内のアジマスアンビギュイティ成分に位相回転が発生する。その結果、複数のSAR画像間の差分をとってもアジマスアンビギュイティ成分が残余する問題が生じる。
図9は非特許文献1に開示されているレーダ信号処理装置を示す構成図であり、図10は図9のレーダ信号処理装置の処理内容を示すフローチャートである。
このレーダ信号処理装置は、1つの送信アンテナからパルスが繰り返し放射され、2つの受信アンテナが目標に反射された上記パルスの反射波を受信することで、2枚のSAR画像(1)(2)を取得し、2枚のSAR画像(1)(2)から移動目標を検出するものである。
このとき、2つの受信アンテナ間の距離は、プラットフォーム速度Vpに対して、2mVp/PRF+2LVp/PRFで表されるものとする。PFR(Pulse Repetition Frequency)はパルス繰返し周波数、m整数、Lは実数、0<L<1である。
L=0の場合には、図11に示すように、送受のアンテナ位相中心が重複するDPCA条件を満足するが、ここでは、L≠0であるために、図12に示すように、DPCA条件を満足しないものとする。
このとき、レジストレーション部101は、アジマス方向の(m+L)ピクセルの画像ずれを補正するため、アジマスリサンプリングを行う。この結果、p番目のレンジビン、q番目のアジマスビンにおけるSAR画像(1)の受信信号r1(p,q)は以下のように記述される。
1次のアジマスアンビギュイティ成分は、アンテナのサイドローブパターンによって発生したものであるとして、2次以降の成分は無視できるほど小さいものとする。
n1(p,q)はSAR画像(1)内の雑音成分、t1(p,q)はSAR画像(1)内の移動目標成分である。
なお、レンジビンはP個、アジマスビンはQ個存在するものとしている。
式(2)において、n2(p,q)はSAR画像(2)内の雑音成分、t2(p,q)はSAR画像(2)内の移動目標成分である。
ただし、実際にはPRF未満のドップラー周波数帯域制限を帯域幅BDで行っているため、図13の下図のような信号成分になる。しかし、この場合も、アンテナのサイドローブパターンに起因するアジマスアンビギュイティ成分は残余している。
SAR画像(1)と、レジストレーション後のSAR画像(2)との差分画像の信号成分は、下記の式(3)のように表される。
しかし、L≠0でDPCA条件を満足していなければ、図14に示すように、アジマスアンビギュイティ成分が残余するため、移動目標の検出が困難になる。
ウィナーフィルタは、信号成分分別手段により正の領域に分別された信号成分に含まれているアジマスアンビギュイティ成分とクラッタ成分の電力比の期待値と、正の領域に分別された信号成分に含まれている雑音成分とクラッタ成分の電力比の期待値とを用いて生成されるとともに、信号成分分別手段により負の領域の信号成分に含まれているアジマスアンビギュイティ成分とクラッタ成分の電力比の期待値と、負の領域に分別された信号成分に含まれている雑音成分とクラッタ成分の電力比の期待値とを用いて生成されるようにしたものである。
図1はこの発明の実施の形態1によるレーダ信号処理装置を示す構成図である。
図1において、レジストレーション部1は観測領域が同一で観測時刻が異なる複数の合成開口レーダ画像であるSAR画像(1)とSAR画像(2)が与えられると、SAR画像(2)の位置をSAR画像(1)の位置に合わせるレジストレーションを実施する。なお、レジストレーション部1は位置合わせ手段を構成している。
信号成分分別部3はレジストレーション部1により位置合わせが行われたSAR画像(1)(2)におけるドップラー周波数領域の信号成分を正の領域と負の領域に分別する処理を実施する。なお、信号成分分別部3は信号成分分別手段を構成している。
目標検出部5は不要成分抑圧部4によりクラッタ成分及びアジマスアンビギュイティ成分が抑圧された信号成分を有する画像から移動目標を検出する処理を実施する。なお、目標検出部5は目標検出手段を構成している。
レーダ信号処理装置をコンピュータで構成する場合、レジストレーション部1、信号成分推定部2及び目標検出部5の処理内容を記述しているプログラムをコンピュータのメモリに格納し、当該コンピュータのCPUが当該メモリに格納されているプログラムを実行するようにすればよい。
図2はこの発明の実施の形態1によるレーダ信号処理装置の処理内容を示すフローチャートである。
この実施の形態1では、1つの送信アンテナからパルスが繰り返し放射され、2つの受信アンテナが目標に反射された上記パルスの反射波を受信することで、2枚のSAR画像(1)(2)を取得し、2枚のSAR画像(1)(2)から移動目標を検出するものとする。
このとき、2つの受信アンテナ間の距離は、プラットフォーム速度Vpに対して、2mVp/PRF+2LVp/PRFで表されるものとする。PFR(Pulse Repetition Frequency)はパルス繰返し周波数、m整数、Lは実数、−1<L<0又は0<L<1である。
L=0の場合には、図11に示すように、送受のアンテナ位相中心が重複するDPCA条件を満足するが、この実施の形態1では、L≠0であるために、図12に示すように、DPCA条件を満足しないものとする。
このとき、レジストレーション部1は、アジマス方向の(m+L)ピクセルの画像ずれを補正するため、アジマスリサンプリングを行う。この結果、p番目のレンジビン、q番目のアジマスビンにおけるSAR画像(1)の受信信号r1(p,q)は以下のように記述される。
1次のアジマスアンビギュイティ成分は、アンテナのサイドローブパターンによって発生したものであるとして、2次以降の成分は無視できるほど小さいものとする。
n1(p,q)はSAR画像(1)内の雑音成分、t1(p,q)はSAR画像(1)内の移動目標成分である。
なお、レンジビンはP個、アジマスビンはQ個存在するものとしている。
式(5)において、n2(p,q)はSAR画像(2)内の雑音成分、t2(p,q)はSAR画像(2)内の移動目標成分である。
以下、信号成分推定部2の処理内容を具体的に説明する。
この問題を簡単化するため、信号成分推定部2の信号成分分別部3は、SAR画像(1)におけるドップラー周波数領域の信号成分を正の領域と負の領域に分別し、SAR画像(2)におけるドップラー周波数領域の信号成分を正の領域と負の領域に分別する(ステップST2)。
この信号成分をそれぞれ2つにコピーして、一方の信号成分をドップラー周波数領域の負の領域に0系列を与え、他方の信号成分をドップラー周波数領域の正の領域に0系列を与えると、前者のスペクトルは図3のようになり、後者のスペクトルは図4のようになる。
上記のスペクトルを時間領域に戻すと、ドップラー周波数領域の負の領域に0系列が与えたられたSAR画像(1)の受信信号r1+(p,q)及びレジストレーション後のSAR画像(2)の受信信号r2+(p,q)は、下記の式(6)(7)のように表され、ドップラー周波数領域の正の領域に0系列が与えたられたSAR画像(1)の受信信号r1−(p,q)及びレジストレーション後のSAR画像(2)の受信信号r2−(p,q)は、下記の式(8)(9)のように表される。
以下、受信信号r1+(p,q),r2+(p,q)を用いて、クラッタ成分s+(p,q)及びアジマスアンビギュイティ成分a+(p,q)を推定する処理を説明する。
[非特許文献2]
M. K. Steven,“Fundamentals of Statistical Signal Processing : Estimation Theory”,Prentice Hall PTR Prentice-Hall,Inc.,1993.
最小二乗法による具体的な推定方法を式で表すと、下記の式(16)のようになる。
式(16)において、Sの文字の上に付されている“−”は、推定結果であることを表している。以下、他の文字の上に“−”が付されている場合も、同様に推定結果であることを表している。
また、式(16)において、−1の添え字は逆行列を表し、Hの添え字は共役転置を表している。
このため、例えば、受信信号r1+(p,q)に含まれているクラッタ成分s+(p,q)とアジマスアンビギュイティ成分a+(p,q)を抑圧するために、クラッタ成分s+(p,q)とアジマスアンビギュイティ成分a+(p,q)を用いて、r1+(p,q)−s+(p,q)−a+(p,q)を計算しても0となり、移動目標成分t1+(p,q)が残余しない。
したがって、最小二乗法で推定する方式は適用することができず、クラッタ成分s+(p,q)とアジマスアンビギュイティ成分a+(p,q)以外の信号の存在を仮定する推定方法を用いる必要がある。
そこで、この実施の形態1では、ウィナーフィルタを用いて、信号の推定を行うものとする。
ただし、E(a+/s+)はアジマスアンビギュイティ成分a+(p,q)とクラッタ成分s+(p,q)の電力比の期待値であり、E(n+/s+)は雑音成分n+(p,q)とクラッタ成分s+(p,q)の電力比の期待値である。
したがって、r1+(p,q)−s+(p,q)−a+(p,q)を計算した場合には、移動目標成分t1+(p,q)が残余する。
クラッタ成分及びアジマスアンビギュイティ成分の抑圧方法は、いくつかのバリエーションが考えられる。
最も単純な抑圧方法としては、以下の計算を行うものがある。
特に、クラッタ成分の推定誤差は、クラッタ成分の電力が大きいことから、移動目標の検出性能劣化に大きく寄与すると考えられる。
そこで、不要成分抑圧部4により推定されたクラッタ成分s+(p,q),s−(p,q)を用いずにクラッタを除去し、残ったアジマスアンビギュイティ成分a+(p,q),a−(p,q)を抑圧する下記の処理が考えられる。
図5の例では、4個の移動目標成分が表されており、クラッタ成分及びアジマスアンビギュイティ成分が抑圧されている。
目標検出部5は、不要成分抑圧部4によりクラッタ成分及びアジマスアンビギュイティ成分が抑圧された信号成分を有する画像(以下、「抑圧後画像」と称する)から移動目標を検出する(ステップST5)。
移動目標の検出処理としては、閾値判定処理などが考えられるが、抑圧後画像を電力成分に変換してから閾値判定処理を行うようにしてもよい。また、雑音を低減するために、移動平均フィルタなどを施してから閾値判定処理を行うようにしてもよい。
具体的には、以下の偏角による位相マップを計算する。
式(37)において、*は共役を示す記号である。
同様に、期待値E(a−/s−),E(n−/s−)を用いて生成したウィナーフィルタを用いて、クラッタ成分s−(p,q)とアジマスアンビギュイティ成分a−(p,q)を推定したのち、その推定したアジマスアンビギュイティ成分a−(p,q)とクラッタ成分s−(p,q)の電力比(a−/s−)と、その推定したクラッタ成分s−(p,q)と雑音成分n−(p,q)の電力比(n−/s−)とを用いて、ウィナーフィルタを再生成し、その再生成したウィナーフィルタを用いて、クラッタ成分s−(p,q)とアジマスアンビギュイティ成分a−(p,q)を推定するようにする。
なお、クラッタ成分及びアジマスアンビギュイティ成分の収束判定としては、例えば、前回の推定結果と今回推定結果を比較して、それらの推定結果の差分が予め設定された閾値以内であれば、収束していると判定する方法が考えられる。
即ち、上記の式(18)(19)における期待値E(a+/s+),E(n+/s+)、,式(27)(28)における期待値E(a−/s−),E(n−/s−)の代わりに、クラッタ成分の信号電力に反比例する値を代入して、ウィナーフィルタを生成するようにしてもよい。
この場合も、アジマスアンビギュイティ成分等の推定処理とウィナーフィルタの生成処理を再帰的に繰り返し実施して、その推定精度を高めるようにしてもよい。
同様に、クラッタ成分の信号電力を用いて生成したウィナーフィルタを用いて、クラッタ成分s−(p,q)とアジマスアンビギュイティ成分a−(p,q)を推定したのち、その推定したアジマスアンビギュイティ成分a−(p,q)とクラッタ成分s−(p,q)の電力比(a−/s−)と、その推定したクラッタ成分s−(p,q)と雑音成分n−(p,q)の電力比(n−/s−)とを用いて、ウィナーフィルタを再生成し、その再生成したウィナーフィルタを用いて、クラッタ成分s−(p,q)とアジマスアンビギュイティ成分a−(p,q)を推定するようにする。
不要成分抑圧部4は、アジマスアンビギュイティ成分等の推定処理とウィナーフィルタの生成処理を再帰的に繰り返す場合、例えば、その推定したクラッタ成分及びアジマスアンビギュイティ成分が収束しているか否かを判定し、その推定したクラッタ成分及びアジマスアンビギュイティ成分が収束するまで、その推定処理と生成処理を繰り返すようにしてもよいし、予め設定された回数だけ、その推定処理と生成処理を繰り返すようにしてもよい。
式(38)において、Iは単位行列、λは任意の実数である。
また、信号成分におけるピクセル単位の信号電力を計算し、クラッタ成分の電力が支配的である場合(クラッタ成分の信号電力の割合が予め設定された閾値以上である場合)、λの代わりに、クラッタ成分の信号電力を式(38)に代入して、正則化最小二乗法を行うフィルタを生成するようにしてもよい。
また、この実施の形態1では、2本の受信アンテナを用いる例を示したが、複数本の送信アンテナを用いる場合にも対応可能である。
この実施の形態2では、1つの送信アンテナからパルスが繰り返し放射され、3つの受信アンテナが目標に反射された上記パルスの反射波を受信することで、3枚のSAR画像(1)(2)(3)を取得し、3枚のSAR画像(1)(2)(3)から移動目標を検出するレーダ信号処理装置について説明する。
このとき、プラットフォーム速度Vpに対して、SAR画像(1)に対応する受信アンテナと、SAR画像(2)に対応する受信アンテナとの距離は、2m2Vp/PRF+2L2Vp/PRFで表されるものとする。また、SAR画像(1)に対応する受信アンテナと、SAR画像(3)に対応する受信アンテナとの距離は、2m3Vp/PRF+2L3Vp/PRFで表されるものとする。
PFRはパルス繰返し周波数、m2,m3は整数、L2,L3は実数、0<L2、L3<1である。
図6において、レジストレーション部11aは観測領域が同一で観測時刻が異なるSAR画像(1)とSAR画像(2)が与えられると、SAR画像(2)の位置をSAR画像(1)の位置に合わせるレジストレーションを実施する。
レジストレーション部11bは観測領域が同一で観測時刻が異なるSAR画像(1)とSAR画像(3)が与えられると、SAR画像(3)の位置をSAR画像(1)の位置に合わせるレジストレーションを実施する。なお、レジストレーション部11a,11bは位置合わせ手段を構成している。
信号成分分別部13はレジストレーション部11a,11bにより位置合わせが行われたSAR画像(1)(2)(3)におけるドップラー周波数領域の信号成分を正の領域と負の領域に分別する処理を実施する。なお、信号成分分別部13は信号成分分別手段を構成している。
目標検出部15は不要成分抑圧部14によりクラッタ成分及びアジマスアンビギュイティ成分が抑圧された信号成分を有する画像から移動目標を検出する処理を実施する。なお、目標検出部15は目標検出手段を構成している。
レーダ信号処理装置をコンピュータで構成する場合、レジストレーション部11a,11b、信号成分推定部12及び目標検出部15の処理内容を記述しているプログラムをコンピュータのメモリに格納し、当該コンピュータのCPUが当該メモリに格納されているプログラムを実行するようにすればよい。
この実施の形態2では、観測領域が同一で観測時刻が異なる3枚のSAR画像(1)(2)(3)が与えられると、SAR画像(1)を基準にして、以下の処理を実施する。
レジストレーション部11aは、SAR画像(1)とSAR画像(2)が与えられると、SAR画像(2)の位置をSAR画像(1)の位置に合わせるレジストレーションを実施する。
また、レジストレーション部11aは、SAR画像(1)とSAR画像(3)が与えられると、SAR画像(3)の位置をSAR画像(1)の位置に合わせるレジストレーションを実施する。
このとき、レジストレーション部11aは、アジマス方向の(m2+L2)ピクセルの画像ずれを補正するため、アジマスリサンプリングを行う。
また、レジストレーション部11bは、アジマス方向の(m3+L3)ピクセルの画像ずれを補正するため、アジマスリサンプリングを行う。
この結果、p番目のレンジビン、q番目のアジマスビンにおけるSAR画像(1)の受信信号r1(p,q)は以下のように記述される。
1次のアジマスアンビギュイティ成分は、アンテナのサイドローブパターンによって発生したものであるとして、2次以降の成分は無視できるほど小さいものとする。
n1(p,q)はSAR画像(1)内の雑音成分、t1(p,q)はSAR画像(1)内の移動目標成分である。
なお、レンジビンはP個、アジマスビンはQ個存在するものとしている。
式(40)において、n2(p,q)はSAR画像(2)内の雑音成分、t2(p,q)はSAR画像(2)内の移動目標成分である。
式(41)において、n3(p,q)はSAR画像(3)内の雑音成分、t3(p,q)はSAR画像(3)内の移動目標成分である。
以下、信号成分推定部12の処理内容を具体的に説明する。
この問題を簡単化するため、信号成分推定部12の信号成分分別部13は、SAR画像(1)におけるドップラー周波数領域の信号成分を正の領域と負の領域に分別し、SAR画像(2)におけるドップラー周波数領域の信号成分を正の領域と負の領域に分別し、SAR画像(3)におけるドップラー周波数領域の信号成分を正の領域と負の領域に分別する。
この信号成分をそれぞれ2つにコピーして、一方の信号成分をドップラー周波数領域の負の領域に0系列を与え、他方の信号成分をドップラー周波数領域の正の領域に0系列を与えると、前者のスペクトルは図3のようになり、後者のスペクトルは図4のようになる。
上記のスペクトルを時間領域に戻すと、ドップラー周波数領域の負の領域に0系列が与えたられたSAR画像(1)の受信信号r1+(p,q)、レジストレーション後のSAR画像(2)の受信信号r2+(p,q)及びレジストレーション後のSAR画像(3)の受信信号r3+(p,q)は、下記の式(42)〜(44)のように表され、ドップラー周波数領域の正の領域に0系列が与えたられたSAR画像(1)の受信信号r1−(p,q)、レジストレーション後のSAR画像(2)の受信信号r2−(p,q)及びレジストレーション後のSAR画像(3)の受信信号r3−(p,q)は、下記の式(45)〜(47)のように表される。
以下、受信信号r1+(p,q),r2+(p,q),r3+(p,q)を用いて、クラッタ成分s+(p,q)及びアジマスアンビギュイティ成分a+(p,q)を推定する処理を説明する。
受信信号r1+(p,q),r2+(p,q),r3+(p,q)の定式を行列とベクトルで表すと、以下のように与えられる。
ウィナーフィルタを用いる推定方法を式で表すと、下記の式(54)のようになる。
ただし、E(a+/s+)はアジマスアンビギュイティ成分a+(p,q)とクラッタ成分s+(p,q)の電力比の期待値であり、E(n+/s+)は雑音成分n+(p,q)とクラッタ成分s+(p,q)の電力比の期待値である。
したがって、r1+(p,q)−s+(p,q)−a+(p,q)を計算した場合には、移動目標成分t1+(p,q)が残余する。
また、SAR画像(3)の受信信号r3(p,q)に含まれているクラッタ成分及びアジマスアンビギュイティ成分を抑圧する。
最も単純な抑圧方法としては、以下の計算を行うものがある。
特に、クラッタ成分の推定誤差は、クラッタ成分の電力が大きいことから、移動目標の検出性能劣化に大きく寄与すると考えられる。
そこで、不要成分抑圧部14により推定されたクラッタ成分s+(p,q),s−(p,q)を用いずにクラッタを除去し、残ったアジマスアンビギュイティ成分a+(p,q),a−(p,q)を抑圧する下記の処理が考えられる。
移動目標の検出処理としては、閾値判定処理などが考えられるが、抑圧後画像を電力成分に変換してから閾値判定処理を行うようにしてもよい。また、雑音を低減するために、移動平均フィルタなどを施してから閾値判定処理を行うようにしてもよい。
具体的には、以下の偏角による位相マップを計算する。
式(76)〜(78)において、*は共役を示す記号である。
また、上記実施の形態1よりも、チャンネル数が多いので、位相のアンラップを解くことで、速度推定範囲を拡大することができる効果を奏する。
同様に、期待値E(a−/s−),E(n−/s−)を用いて生成したウィナーフィルタを用いて、クラッタ成分s−(p,q)とアジマスアンビギュイティ成分a−(p,q)を推定したのち、その推定したアジマスアンビギュイティ成分a−(p,q)とクラッタ成分s−(p,q)の電力比(a−/s−)と、その推定したクラッタ成分s−(p,q)と雑音成分n−(p,q)の電力比(n−/s−)とを用いて、ウィナーフィルタを再生成し、その再生成したウィナーフィルタを用いて、クラッタ成分s−(p,q)とアジマスアンビギュイティ成分a−(p,q)を推定するようにする。
なお、クラッタ成分及びアジマスアンビギュイティ成分の収束判定としては、例えば、前回の推定結果と今回推定結果を比較して、それらの推定結果の差分が予め設定された閾値以内であれば、収束していると判定する方法が考えられる。
即ち、上記の式(55)(56)における期待値E(a+/s+),E(n+/s+)、,式(64)(65)における期待値E(a−/s−),E(n−/s−)の代わりに、クラッタ成分の信号電力に反比例する値を代入して、ウィナーフィルタを生成するようにしてもよい。
この場合も、アジマスアンビギュイティ成分等の推定処理とウィナーフィルタの生成処理を再帰的に繰り返し実施して、その推定精度を高めるようにしてもよい。
同様に、クラッタ成分の信号電力を用いて生成したウィナーフィルタを用いて、クラッタ成分s−(p,q)とアジマスアンビギュイティ成分a−(p,q)を推定したのち、その推定したアジマスアンビギュイティ成分a−(p,q)とクラッタ成分s−(p,q)の電力比(a−/s−)と、その推定したクラッタ成分s−(p,q)と雑音成分n−(p,q)の電力比(n−/s−)とを用いて、ウィナーフィルタを再生成し、その再生成したウィナーフィルタを用いて、クラッタ成分s−(p,q)とアジマスアンビギュイティ成分a−(p,q)を推定するようにする。
不要成分抑圧部14は、アジマスアンビギュイティ成分等の推定処理とウィナーフィルタの生成処理を再帰的に繰り返す場合、例えば、その推定したクラッタ成分及びアジマスアンビギュイティ成分が収束しているか否かを判定し、その推定したクラッタ成分及びアジマスアンビギュイティ成分が収束するまで、その推定処理と生成処理を繰り返すようにしてもよいし、予め設定された回数だけ、その推定処理と生成処理を繰り返すようにしてもよい。
式(79)において、Iは単位行列、λは任意の実数である。
また、信号成分におけるピクセル単位の信号電力を計算し、クラッタ成分の電力が支配的である場合(クラッタ成分の信号電力の割合が予め設定された閾値以上である場合)、λの代わりに、クラッタ成分の信号電力を式(79)に代入して、正則化最小二乗法を行うフィルタを生成するようにしてもよい。
また、この実施の形態2では、3本の受信アンテナを用いる例を示したが、4本以上の受信アンテナを用いる場合にも適用可能である。また、複数本の送信アンテナを用いる場合や、複数本の送信アンテナ及び複数本の受信アンテナを用いる場合にも対応可能である。
この実施の形態3では、上記実施の形態2と同様に、3本の受信アンテナを用いる例を説明するが、図7に示すように、ドップラー周波数領域におけるアジマスアンビギュイティ成分の影響が大きく、ドップラー周波数領域で信号成分の分別を行っても、2種類のアジマスアンビギュイティ成分が混在してしまうことである。
この実施の形態3では、図7に示すように、2種類のアジマスアンビギュイティ成分が混在してしまう場合でも、クラッタ成分とアジマスアンビギュイティ成分の両方を抑圧して、移動目標を検出することができるレーダ信号処理装置を説明する。
不要成分抑圧部20はレジストレーション部11a,11bにより位置合わせが行われたSAR画像(1)(2)(3)におけるドップラー周波数領域の正の領域の信号成分に含まれているクラッタ成分及びアジマスアンビギュイティ成分以外の成分を仮定して、正の領域の信号成分に含まれているクラッタ成分及びアジマスアンビギュイティ成分を推定することで、正の領域の信号成分に含まれているクラッタ成分及びアジマスアンビギュイティ成分を抑圧するとともに、そのドップラー周波数領域の負の領域の信号成分に含まれているクラッタ成分及びアジマスアンビギュイティ成分以外の成分を仮定して、負の領域の信号成分に含まれているクラッタ成分及びアジマスアンビギュイティ成分を推定することで、負の領域の信号成分に含まれているクラッタ成分及びアジマスアンビギュイティ成分を抑圧する処理を実施する。なお、不要成分抑圧部20は不要成分抑圧手段を構成している。
このとき、プラットフォーム速度Vpに対して、SAR画像(1)に対応する受信アンテナと、SAR画像(2)に対応する受信アンテナとの距離は、2m2Vp/PRF+2L2Vp/PRFで表されるものとする。また、SAR画像(1)に対応する受信アンテナと、SAR画像(3)に対応する受信アンテナとの距離は、2m3Vp/PRF+2L3Vp/PRFで表されるものとする。
PFRはパルス繰返し周波数、m2,m3は整数、L2,L3は実数、0<L2、L3<1である。
この実施の形態3では、観測領域が同一で観測時刻が異なる3枚のSAR画像(1)(2)(3)が与えられると、SAR画像(1)を基準にして、以下の処理を実施する。
レジストレーション部11aは、SAR画像(1)とSAR画像(2)が与えられると、SAR画像(2)の位置をSAR画像(1)の位置に合わせるレジストレーションを実施する。
また、レジストレーション部11aは、SAR画像(1)とSAR画像(3)が与えられると、SAR画像(3)の位置をSAR画像(1)の位置に合わせるレジストレーションを実施する。
このとき、レジストレーション部11aは、アジマス方向の(m2+L2)ピクセルの画像ずれを補正するため、アジマスリサンプリングを行う。
また、レジストレーション部11bは、アジマス方向の(m3+L3)ピクセルの画像ずれを補正するため、アジマスリサンプリングを行う。
この結果、p番目のレンジビン、q番目のアジマスビンにおけるSAR画像(1)の受信信号r1(p,q)は以下のように記述される。
1次のアジマスアンビギュイティ成分は、アンテナのサイドローブパターンによって発生したものであるとして、2次以降の成分は無視できるほど小さいものとする。
n1(p,q)はSAR画像(1)内の雑音成分、t1(p,q)はSAR画像(1)内の移動目標成分である。
なお、レンジビンはP個、アジマスビンはQ個存在するものとしている。
式(81)において、n2(p,q)はSAR画像(2)内の雑音成分、t2(p,q)はSAR画像(2)内の移動目標成分である。
式(82)において、n3(p,q)はSAR画像(3)内の雑音成分、t3(p,q)はSAR画像(3)内の移動目標成分である。
SAR画像(1)の受信信号r1(p,q)、レジストレーション後のSAR画像(2)の受信信号r2(p,q)及びレジストレーション後のSAR画像(3)の受信信号r3(p,q)には、図7に示すような2種類のアジマスアンビギュイティ成分が混在している。
以下、受信信号r1(p,q),r2(p,q),r3(p,q)を用いて、クラッタ成分s(p,q)及びアジマスアンビギュイティ成分a+(p,q),a−(p,q)を推定する処理を説明する。
ウィナーフィルタを用いる推定方法を式で表すと、下記の式(89)のようになる。
ただし、E(a+/s)はアジマスアンビギュイティ成分a+(p,q)とクラッタ成分s(p,q)の電力比の期待値であり、E(a−/s)はアジマスアンビギュイティ成分a−(p,q)とクラッタ成分s(p,q)の電力比の期待値である。
また、E(n/s)は雑音成分n(p,q)とクラッタ成分s(p,q)の電力比の期待値である。
したがって、r1(p,q)−s(p,q)−a+(p,q)−a−(p,q)を計算した場合には、移動目標成分t1(p,q)が残余する。
また、SAR画像(3)の受信信号r3(p,q)に含まれているクラッタ成分及びアジマスアンビギュイティ成分を抑圧する。
最も単純な抑圧方法としては、以下の計算を行うものがある。
特に、クラッタ成分の推定誤差は、クラッタ成分の電力が大きいことから、移動目標の検出性能劣化に大きく寄与すると考えられる。
そこで、不要成分抑圧部20により推定されたクラッタ成分s(p,q)を用いずにクラッタを除去し、残ったアジマスアンビギュイティ成分a+(p,q),a−(p,q)を抑圧する下記の処理が考えられる。
移動目標の検出処理としては、閾値判定処理などが考えられるが、抑圧後画像を電力成分に変換してから閾値判定処理を行うようにしてもよい。また、雑音を低減するために、移動平均フィルタなどを施してから閾値判定処理を行うようにしてもよい。
具体的には、以下の偏角による位相マップを計算する。
式(102)〜(104)において、*は共役を示す記号である。
なお、クラッタ成分及びアジマスアンビギュイティ成分の収束判定としては、例えば、前回の推定結果と今回推定結果を比較して、それらの推定結果の差分が予め設定された閾値以内であれば、収束していると判定する方法が考えられる。
即ち、上記の式(90)(91)における期待値E(a+/s),E(a−/s),E(n/s)の代わりに、クラッタ成分の信号電力に反比例する値を代入して、ウィナーフィルタを生成するようにしてもよい。
この場合も、アジマスアンビギュイティ成分等の推定処理とウィナーフィルタの生成処理を再帰的に繰り返し実施して、その推定精度を高めるようにしてもよい。
不要成分抑圧部20は、アジマスアンビギュイティ成分等の推定処理とウィナーフィルタの生成処理を再帰的に繰り返す場合、例えば、その推定したクラッタ成分及びアジマスアンビギュイティ成分が収束しているか否かを判定し、その推定したクラッタ成分及びアジマスアンビギュイティ成分が収束するまで、その推定処理と生成処理を繰り返すようにしてもよいし、予め設定された回数だけ、その推定処理と生成処理を繰り返すようにしてもよい。
式(105)において、Iは単位行列、λは任意の実数である。
また、信号成分におけるピクセル単位の信号電力を計算し、クラッタ成分の電力が支配的である場合(クラッタ成分の信号電力の割合が予め設定された閾値以上である場合)、λの代わりに、クラッタ成分の信号電力を式(105)に代入して、正則化最小二乗法を行うフィルタを生成するようにしてもよい。
また、この実施の形態3では、3本の受信アンテナを用いる例を示したが、4本以上の受信アンテナを用いる場合にも適用可能である。また、複数本の送信アンテナを用いる場合や、複数本の送信アンテナ及び複数本の受信アンテナを用いる場合にも対応可能である。
Claims (11)
- 観測領域が同一で観測時刻が異なる複数の合成開口レーダ画像の位置合わせを行う位置合わせ手段と、
前記位置合わせ手段により位置合わせが行われた複数の合成開口レーダ画像におけるドップラー周波数領域の信号成分を正の領域と負の領域に分別する信号成分分別手段と、
前記信号成分分別手段により正の領域に分別された信号成分に含まれているクラッタ成分及びアジマスアンビギュイティ成分と前記信号成分分別手段により負の領域に分別された信号成分に含まれているクラッタ成分及びアジマスアンビギュイティ成分をウィナーフィルタを用いて推定し、前記正の領域に分別された信号成分に含まれているクラッタ成分及びアジマスアンビギュイティ成分を抑圧するとともに、前記負の領域に分別された信号成分に含まれているクラッタ成分及びアジマスアンビギュイティ成分を抑圧する不要成分抑圧手段と、
前記不要成分抑圧手段によりクラッタ成分及びアジマスアンビギュイティ成分が抑圧された信号成分を有する画像から移動目標を検出する目標検出手段とを備え、
前記ウィナーフィルタは、前記信号成分分別手段により正の領域に分別された信号成分に含まれているアジマスアンビギュイティ成分とクラッタ成分の電力比の期待値と、前記正の領域に分別された信号成分に含まれている雑音成分とクラッタ成分の電力比の期待値とを用いて生成されるとともに、前記信号成分分別手段により負の領域の信号成分に含まれているアジマスアンビギュイティ成分とクラッタ成分の電力比の期待値と、前記負の領域に分別された信号成分に含まれている雑音成分とクラッタ成分の電力比の期待値とを用いて生成されることを特徴とするレーダ信号処理装置。 - 観測領域が同一で観測時刻が異なる複数の合成開口レーダ画像の位置合わせを行う位置合わせ手段と、
前記位置合わせ手段により位置合わせが行われた複数の合成開口レーダ画像におけるドップラー周波数領域の正の領域の信号成分に含まれているクラッタ成分及びアジマスアンビギュイティ成分以外の成分を仮定して、前記正の領域の信号成分に含まれているクラッタ成分及びアジマスアンビギュイティ成分と、前記位置合わせ手段により位置合わせが行われた複数の合成開口レーダ画像におけるドップラー周波数領域の負の領域の信号成分に含まれているクラッタ成分及びアジマスアンビギュイティ成分以外の成分を仮定して、前記負の領域の信号成分に含まれているクラッタ成分及びアジマスアンビギュイティ成分とをウィナーフィルタを用いて推定し、前記正の領域の信号成分に含まれているクラッタ成分及びアジマスアンビギュイティ成分を抑圧するとともに、前記負の領域の信号成分に含まれているクラッタ成分及びアジマスアンビギュイティ成分を抑圧する不要成分抑圧手段と、
前記不要成分抑圧手段によりクラッタ成分及びアジマスアンビギュイティ成分が抑圧された信号成分を有する画像から移動目標を検出する目標検出手段とを備え、
前記ウィナーフィルタは、前記正の領域に分別された信号成分に含まれているアジマスアンビギュイティ成分とクラッタ成分の電力比の期待値と、前記正の領域に分別された信号成分に含まれている雑音成分とクラッタ成分の電力比の期待値とを用いて生成されるとともに、前記負の領域の信号成分に含まれているアジマスアンビギュイティ成分とクラッタ成分の電力比の期待値と、前記負の領域に分別された信号成分に含まれている雑音成分とクラッタ成分の電力比の期待値とを用いて生成されることを特徴とするレーダ信号処理装置。 - 前記不要成分抑圧手段は、前記電力比の期待値を用いて生成したウィナーフィルタを用いて、前記正の領域及び前記負の領域の信号成分に含まれているクラッタ成分及びアジマスアンビギュイティ成分を推定したのち、その推定したアジマスアンビギュイティ成分とクラッタ成分の電力比と、その推定したクラッタ成分と前記雑音成分の電力比とを用いて、前記ウィナーフィルタを再生成し、その再生成したウィナーフィルタを用いて、前記正の領域及び前記負の領域の信号成分に含まれているクラッタ成分及びアジマスアンビギュイティ成分を再推定することを特徴とする請求項1又は請求項2記載のレーダ信号処理装置。
- 前記不要成分抑圧手段は、前記正の領域及び前記負の領域の信号成分に含まれているクラッタ成分及びアジマスアンビギュイティ成分を推定すると、その推定したクラッタ成分及びアジマスアンビギュイティ成分が収束しているか否かを判定し、その推定したクラッタ成分及びアジマスアンビギュイティ成分が収束するまで、前記ウィナーフィルタを再生成しながら、その再生成したウィナーフィルタを用いて、前記正の領域及び前記負の領域の信号成分に含まれているクラッタ成分及びアジマスアンビギュイティ成分を推定する処理を繰り返し実施することを特徴とする請求項3記載のレーダ信号処理装置。
- 観測領域が同一で観測時刻が異なる複数の合成開口レーダ画像の位置合わせを行う位置合わせ手段と、
前記位置合わせ手段により位置合わせが行われた複数の合成開口レーダ画像におけるドップラー周波数領域の信号成分を正の領域と負の領域に分別する信号成分分別手段と、
前記信号成分分別手段により正の領域に分別された信号成分に含まれているクラッタ成分及びアジマスアンビギュイティ成分と前記信号成分分別手段により負の領域に分別された信号成分に含まれているクラッタ成分及びアジマスアンビギュイティ成分を推定し、前記正の領域に分別された信号成分に含まれているクラッタ成分及びアジマスアンビギュイティ成分を抑圧するとともに、前記負の領域に分別された信号成分に含まれているクラッタ成分及びアジマスアンビギュイティ成分を抑圧する不要成分抑圧手段と、
前記不要成分抑圧手段によりクラッタ成分及びアジマスアンビギュイティ成分が抑圧された信号成分を有する画像から移動目標を検出する目標検出手段とを備え、
前記不要成分抑圧手段は、前記信号成分分別手段により正の領域に分別された信号成分におけるピクセル単位の信号電力のうち、前記クラッタ成分の信号電力の割合が予め設定された閾値以上であり、前記信号成分分別手段により負の領域に分別された信号成分におけるピクセル単位の信号電力のうち、前記クラッタ成分の信号電力の割合が予め設定された閾値以上である場合、前記正の領域に分別された信号成分に含まれているクラッタ成分の信号電力と前記負の領域に分別された信号成分に含まれているクラッタ成分の信号電力を用いて、ウィナーフィルタを生成し、前記正の領域に分別された信号成分に含まれているクラッタ成分及びアジマスアンビギュイティ成分と前記負の領域に分別された信号成分に含まれているクラッタ成分及びアジマスアンビギュイティ成分の推定は前記ウィナーフィルタを用いて実施することを特徴とするレーダ信号処理装置。 - 観測領域が同一で観測時刻が異なる複数の合成開口レーダ画像の位置合わせを行う位置合わせ手段と、
前記位置合わせ手段により位置合わせが行われた複数の合成開口レーダ画像におけるドップラー周波数領域の正の領域の信号成分に含まれているクラッタ成分及びアジマスアンビギュイティ成分以外の成分を仮定して、前記正の領域の信号成分に含まれているクラッタ成分及びアジマスアンビギュイティ成分と、前記位置合わせ手段により位置合わせが行われた複数の合成開口レーダ画像におけるドップラー周波数領域の負の領域の信号成分に含まれているクラッタ成分及びアジマスアンビギュイティ成分以外の成分を仮定して、前記負の領域の信号成分に含まれているクラッタ成分及びアジマスアンビギュイティ成分を推定し、前記正の領域の信号成分に含まれているクラッタ成分及びアジマスアンビギュイティ成分を抑圧するとともに、前記負の領域の信号成分に含まれているクラッタ成分及びアジマスアンビギュイティ成分を抑圧する不要成分抑圧手段と、
前記不要成分抑圧手段によりクラッタ成分及びアジマスアンビギュイティ成分が抑圧された信号成分を有する画像から移動目標を検出する目標検出手段とを備え、
前記不要成分抑圧手段は、前記位置合わせ手段により位置合わせが行われた複数の合成開口レーダ画像におけるドップラー周波数領域の正の領域の信号成分におけるピクセル単位の信号電力のうち、前記クラッタ成分の信号電力の割合が予め設定された閾値以上であり、前記位置合わせ手段により位置合わせが行われた複数の合成開口レーダ画像におけるドップラー周波数領域の負の領域の信号成分におけるピクセル単位の信号電力のうち、前記クラッタ成分の信号電力の割合が予め設定された閾値以上である場合、前記正の領域の信号成分に含まれているクラッタ成分の信号電力と前記負の領域の信号成分に含まれているクラッタ成分の信号電力を用いて、ウィナーフィルタを生成し、前記正の領域に分別された信号成分に含まれているクラッタ成分及びアジマスアンビギュイティ成分と前記負の領域に分別された信号成分に含まれているクラッタ成分及びアジマスアンビギュイティ成分の推定を前記ウィナーフィルタを用いて実施することを特徴とするレーダ信号処理装置。 - 前記不要成分抑圧手段は、前記クラッタ成分の信号電力を用いて生成したウィナーフィルタを用いて、前記正の領域及び前記負の領域の信号成分に含まれているクラッタ成分及びアジマスアンビギュイティ成分を推定したのち、その推定したアジマスアンビギュイティ成分とクラッタ成分の電力比を用いて、前記ウィナーフィルタを再生成し、その再生成したウィナーフィルタを用いて、前記正の領域及び前記負の領域の信号成分に含まれているクラッタ成分及びアジマスアンビギュイティ成分を再推定することを特徴とする請求項5又は請求項6記載のレーダ信号処理装置。
- 観測領域が同一で観測時刻が異なる複数の合成開口レーダ画像の位置合わせを行う位置合わせ手段と、
前記位置合わせ手段により位置合わせが行われた複数の合成開口レーダ画像におけるドップラー周波数領域の信号成分を正の領域と負の領域に分別する信号成分分別手段と、
前記信号成分分別手段により正の領域に分別された信号成分に含まれている雑音成分とクラッタ成分の電力比の期待値と、前記信号成分分別手段により負の領域に分別された信号成分に含まれている雑音成分とクラッタ成分の電力比の期待値とを用いて、正則化最小二乗法を行うフィルタを生成し、前記正の領域に分別された信号成分に含まれているクラッタ成分及びアジマスアンビギュイティ成分と前記負の領域に分別された信号成分に含まれているクラッタ成分及びアジマスアンビギュイティ成分を前記フィルタを用いて推定し、前記正の領域に分別された信号成分に含まれているクラッタ成分及びアジマスアンビギュイティ成分を抑圧するとともに、前記負の領域に分別された信号成分に含まれているクラッタ成分及びアジマスアンビギュイティ成分を抑圧する不要成分抑圧手段と、
前記不要成分抑圧手段によりクラッタ成分及びアジマスアンビギュイティ成分が抑圧された信号成分を有する画像から移動目標を検出する目標検出手段と
を備えたレーダ信号処理装置。 - 観測領域が同一で観測時刻が異なる複数の合成開口レーダ画像の位置合わせを行う位置合わせ手段と、
前記位置合わせ手段により位置合わせが行われた複数の合成開口レーダ画像におけるドップラー周波数領域の正の領域の信号成分に含まれている雑音成分とクラッタ成分の電力比の期待値と、前記位置合わせ手段により位置合わせが行われた複数の合成開口レーダ画像におけるドップラー周波数領域の負の領域の信号成分に含まれている雑音成分とクラッタ成分の電力比の期待値とを用いて、正則化最小二乗法を行うフィルタを生成し、前記正の領域の信号成分に含まれているクラッタ成分及びアジマスアンビギュイティ成分以外の成分を仮定して、前記正の領域の信号成分に含まれているクラッタ成分及びアジマスアンビギュイティ成分を前記フィルタを用いて推定することで前記正の領域の信号成分に含まれているクラッタ成分及びアジマスアンビギュイティ成分を抑圧するとともに、前記負の領域の信号成分に含まれているクラッタ成分及びアジマスアンビギュイティ成分以外の成分を仮定して、前記負の領域の信号成分に含まれているクラッタ成分及びアジマスアンビギュイティ成分を前記フィルタを用いて推定することで前記負の領域の信号成分に含まれているクラッタ成分及びアジマスアンビギュイティ成分を抑圧する不要成分抑圧手段と、
前記不要成分抑圧手段によりクラッタ成分及びアジマスアンビギュイティ成分が抑圧された信号成分を有する画像から移動目標を検出する目標検出手段と
を備えたレーダ信号処理装置。 - 観測領域が同一で観測時刻が異なる複数の合成開口レーダ画像の位置合わせを行う位置合わせ手段と、
前記位置合わせ手段により位置合わせが行われた複数の合成開口レーダ画像におけるドップラー周波数領域の信号成分を正の領域と負の領域に分別する信号成分分別手段と、
前記信号成分分別手段により正の領域に分別された信号成分に含まれているクラッタ成分及びアジマスアンビギュイティ成分と前記信号成分分別手段により負の領域に分別された信号成分に含まれているクラッタ成分及びアジマスアンビギュイティ成分を推定し、前記正の領域に分別された信号成分に含まれているクラッタ成分及びアジマスアンビギュイティ成分を抑圧するとともに、前記負の領域に分別された信号成分に含まれているクラッタ成分及びアジマスアンビギュイティ成分を抑圧する不要成分抑圧手段と、
前記不要成分抑圧手段によりクラッタ成分及びアジマスアンビギュイティ成分が抑圧された信号成分を有する画像から移動目標を検出する目標検出手段とを備え、
前記不要成分抑圧手段は、前記信号成分分別手段により正の領域に分別された信号成分におけるピクセル単位の信号電力のうち、前記クラッタ成分の信号電力の割合が予め設定された閾値以上であり、前記信号成分分別手段により負の領域に分別された信号成分におけるピクセル単位の信号電力のうち、前記クラッタ成分の信号電力の割合が予め設定された閾値以上である場合、前記正の領域に分別された信号成分に含まれているクラッタ成分の信号電力と前記信号成分分別手段により正の領域に分別された信号成分に含まれているクラッタ成分の信号電力を用いて、正則化最小二乗法を行うフィルタを生成し、前記正の領域に分別された信号成分に含まれているクラッタ成分及びアジマスアンビギュイティ成分と前記負の領域に分別された信号成分に含まれているクラッタ成分及びアジマスアンビギュイティ成分の推定を前記フィルタを用いて実施することを特徴とするレーダ信号処理装置。 - 観測領域が同一で観測時刻が異なる複数の合成開口レーダ画像の位置合わせを行う位置合わせ手段と、
前記位置合わせ手段により位置合わせが行われた複数の合成開口レーダ画像におけるドップラー周波数領域の正の領域の信号成分に含まれているクラッタ成分及びアジマスアンビギュイティ成分以外の成分を仮定して、前記正の領域の信号成分に含まれているクラッタ成分及びアジマスアンビギュイティ成分と、前記位置合わせ手段により位置合わせが行われた複数の合成開口レーダ画像におけるドップラー周波数領域の負の領域の信号成分に含まれているクラッタ成分及びアジマスアンビギュイティ成分以外の成分を仮定して、前記負の領域の信号成分に含まれているクラッタ成分及びアジマスアンビギュイティ成分を推定し、前記正の領域の信号成分に含まれているクラッタ成分及びアジマスアンビギュイティ成分を抑圧するとともに、前記負の領域の信号成分に含まれているクラッタ成分及びアジマスアンビギュイティ成分を抑圧する不要成分抑圧手段と、
前記不要成分抑圧手段によりクラッタ成分及びアジマスアンビギュイティ成分が抑圧された信号成分を有する画像から移動目標を検出する目標検出手段とを備え、
前記不要成分抑圧手段は、前記位置合わせ手段により位置合わせが行われた複数の合成開口レーダ画像におけるドップラー周波数領域の正の領域の信号成分におけるピクセル単位の信号電力のうち、前記クラッタ成分の信号電力の割合が予め設定された閾値以上であり、前記位置合わせ手段により位置合わせが行われた複数の合成開口レーダ画像におけるドップラー周波数領域の負の領域の信号成分におけるピクセル単位の信号電力のうち、前記クラッタ成分の信号電力の割合が予め設定された閾値以上である場合、前記正の領域の信号成分に含まれているクラッタ成分の信号電力と前記負の領域の信号成分に含まれているクラッタ成分の信号電力を用いて、正則化最小二乗法を行うフィルタを生成し、前記正の領域に分別された信号成分に含まれているクラッタ成分及びアジマスアンビギュイティ成分と前記負の領域に分別された信号成分に含まれているクラッタ成分及びアジマスアンビギュイティ成分の推定を前記フィルタを用いて実施することを特徴とするレーダ信号処理装置。
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