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JP6243850B2 - 抗がん剤による末梢神経障害の予防、治療、または軽減剤 - Google Patents

抗がん剤による末梢神経障害の予防、治療、または軽減剤 Download PDF

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Description

本発明は、抗がん剤による末梢神経障害の予防、治療、または軽減剤に関する。
今日、がん(悪性腫瘍)の治療においては、外科手術、放射線照射、化学療法がそれぞれ単独または併用で適宜用いられている。このうち、化学療法で用いられる抗がん剤(抗悪性腫瘍剤)は、本来、細胞毒性または細胞障害性を有するものであり、がん(悪性腫瘍)細胞だけでなく人間の正常細胞をも傷害することによる副作用が発生するため、かかる副作用をできるだけ予防または軽減しつつ、十分な抗がん(抗悪性腫瘍)効果が発揮されるように患者に投与することが重要である。
抗がん剤の投与に伴う副作用としては、血液障害、消化器障害、神経障害が挙げられるが、近年は、特に急性または慢性の神経障害が注目されている。これは、著しい抗がん効果を発揮する新しい抗がん剤による主な副作用が神経障害である場合が多いことや、最近の治療の中心となっている多剤併用療法による影響や、血液障害や消化器障害の副作用が改善傾向にあることなどが原因と考えられる。神経細胞は再生が困難であり、神経障害は、いったん発現すると有効な対策がなく、重篤な症状を呈したり、不可逆的障害になったりすることがあるため、治療上重要な問題となっている。
抗がん剤の投与に伴う神経障害は、中枢神経系、自律神経系、末梢神経系のほかに、味覚等の感覚器にも認められる。このうち、発生頻度が比較的高く問題となっているのが、劇痛や焼けるような痛み等の疼痛、四肢末端のしびれ、灼熱感等の知覚異常、冷感刺激に対する過敏等の知覚過敏、感覚消失・感覚麻痺や違和感等の感覚異常、知覚性運動失調、筋力の低下等の末梢神経系の神経障害である。この抗がん剤の投与による末梢神経系の病変は、主として軸索の変性によると考えられている。軸索内にある微小管は、細胞分裂の際に紡錘体を形成したり、細胞内小器官の配置や物質輸送など、細胞の正常機能の維持に重要な役割を果たしているが、パクリタキセル、ドセタキセル等のタキサン系薬剤や、ビンクリスチン、ビンプラスチン、ビンデシン、ビノレルビン等のビンアルカロイド系薬剤は、軸索内にある微小管を標的として作用することにより、悪性腫瘍細胞の増殖を抑えるため、正常な神経細胞の微小管も傷害されて神経障害を起こすと考えられている。また、オキサリプラチン、カルボプラチン、シスプラチン、ネダプラチン等の白金製剤やポルテゾミブ等のプロテアソーム阻害剤は神経細胞を直接傷害する結果、二次的に軸索障害をきたすと考えられている。
しかしながら、抗がん剤による神経障害は研究があまり進んでいない領域であり、神経障害の予防・対症方法は確立されていない。そのため、しびれ症状の緩和のためにはメコバラミン等のビタミン製剤や漢方薬の牛車腎気丸を用いたり、疼痛に対しては、抗うつ薬(塩酸アミトリプチン)、抗てんかん薬(カルバマゼピン)、抗不整脈薬(塩酸メキシレチン)や副腎皮質ステロイド等が使われたりしているが、現在のところ、根治または予防の方法は確立されておらず、薬剤投与を中止または減量することが神経障害を食い止める唯一の確実な方法である(ただし、投与中止後も神経障害は持続しまたは増悪することもある)。
さらに昨今は、数種類の注射剤を組み合わせたがん化学療法が主流となっている。複数の抗がん剤を投与する上、さらに末梢神経障害治療薬を静注または点滴静注することは、患者の負担となり、投与タイミングを設計する上でも難しい。加えて、最近では在宅でがん化学療法を受ける患者も多く、末梢神経障害を軽減する薬剤は、自宅で簡単に服用できる薬剤が望ましい。このような状況を鑑み、有効かつ安全であり、簡単に服用できる、がん化学療法に起因する末梢神経障害の処置剤が望まれている。
これまでに、PKC阻害剤(カルホスチンC)の脳室内投与によって、白金系薬剤であるオキサリプラチンを投与したラットの末梢神経障害が改善されたことが報告されている(非特許文献l)。また、MEK/ERK経路を阻害する化合物(ファルネシルチオサリチル酸、およびGW5074)をくも膜下腔内に投与することによって、ピンアルカロイド系薬剤であるビンクリスチンを投与したラットの末梢神経障害が改善されたことが報告されている(非特許文献2)。しかしながら、これらの文献の方法によっても、投与から2〜3時間後には改善効果が減退しており、持続的な改善を行うことができていなかった。また、改善の程度も僅かであった。さらに、投与は、専門的な外科手術の手法によって行われており、日常的に簡便に行うことができない方法によって行われている。このように、抗がん剤の投与に起因する末梢神経障害の実用的な予防、治療、または軽減剤は、いまだ存在しない。
なお、非特許文献1には、PKCだけでなくERKも言及されているが、ERKのリン酸化の傾向はPKCのリン酸化の傾向とは異なることが実験結果によって示されており、ERK阻害と末梢神経障害の軽減との関係については検討されていない。非特許文献2には、ファルネシルチオサリチル酸やGW5074がRas/Raf/MEK/ERK2シグナル経路の阻害剤であると記載されているが、これらはRasおよびc−Raf−1を阻害すると記載されており、MEKまたはERKの阻害と末梢神経障害の軽減との関係については、何ら言及されていない。
ペイン(Pain)、146巻、141−147頁、2009年 フード アンド ケミカル トキシコロジー(Food and chemical toxicology)、50巻、1295−1301頁、2012年
したがって、本発明は、抗がん剤による末梢神経障害を、十分に、かつ、持続的に予防、治療、または軽減することを目的とする。
本発明者らは、PKC阻害剤またはMEK/ERK経路阻害剤を非局所的に投与することによって、抗がん剤による末梢神経障害を、十分に、かつ、持続的に抑制することができることを見出した。従来技術では、PKC阻害剤またはMEK/ERK経路阻害剤が、脳室内、またはくも膜下腔内などへ局所的に投与され、改善効果は持続せず、しかも部分的であったので、この知見は画期的である。非局所的投与は、経口投与などの簡便な方法によって行うことができるため、自宅などの日常的な環境における簡易な方法による予防、治療、または軽減が可能になり、この点でも、この知見は画期的である。
また、本発明者らは、PKC阻害剤またはMEK/ERK経路阻害剤において見出された十分かつ持続的な抑制効果は、MEKまたはERKを阻害することによるものであることを見出した。従来の先行技術文献においては、PKCの阻害やMEK/ERK経路の阻害の記載はあるが、MEKまたはERKの阻害については何らの言及もなく、本発明者らの知見は新規である。
さらに、本発明者らは、十分かつ持続的な抑制効果が認められたPKC阻害剤またはMEK/ERK経路阻害剤が抗がん剤であることから、抗がん剤の投与による末梢神経障害の予防、治療、または軽減を、別の抗がん剤によって、十分、かつ持続的に行うことが可能であることを見出した。この知見は、抗がん剤の投与による末梢神経障害を、多剤併用療法における抗がん剤の組み合わせを工夫することによって、十分かつ持続的に予防、治療、または軽減するという画期的な思想を提供するものである。
すなわち、本発明は、PKC阻害剤、またはMEK/ERK経路阻害剤を有効成分として含有する、抗がん剤による末梢神経障害の非局所投与用の予防、治療、または軽減剤を提供する。
さらに、本発明は、MEK阻害剤またはERK阻害剤を有効成分として含有する、抗がん剤による末梢神経障害の予防、治療、または軽減剤を提供する。
また、本発明は、MEK阻害剤またはERK阻害剤が、抗がん剤である、前記の予防、治療、または軽減剤を提供する。
また、本発明は、ERK阻害剤が、ERKのリン酸化阻害剤である、前記の予防、治療、または軽減剤を提供する。
また、本発明は、ERK阻害剤が、ERK1のThr202、ERK1のTyr204、ERK2のThr185、およびERK2のTyr187からなる群から選ばれるリン酸化部位のリン酸化阻害剤である、前記の予防、治療、または軽減剤を提供する。
また、本発明は、末梢神経障害が白金製剤によるものである、前記の予防、治療、または軽減剤を提供する。
さらに、本発明は、被験物によるPKC阻害またはMEK/ERK経路阻害を評価する工程を含むことを特徴とする、抗がん剤による末梢神経障害の非局所投与用の予防、治療、または軽減剤の有効成分の選択方法を提供する。
また、本発明は、被験物によるMEK阻害またはERK阻害を評価する工程を含むことを特徴とする、抗がん剤による末梢神経障害の予防、治療、または軽減剤の有効成分の選択方法を提供する。
さらに別の態様において、本発明は、PKC阻害剤、またはMEK/ERK経路阻害剤を非局所的に投与することを特徴とする、抗がん剤による末梢神経障害の予防、治療、または軽減方法を提供するものである。
また、本発明は、MEK阻害剤またはERK阻害剤を投与することを特徴とする、抗がん剤による末梢神経障害の予防、治療、または軽減方法を提供するものである。
さらに、本発明は、MEK阻害剤またはERK阻害剤が、抗がん剤である、上記の予防、治療、または軽減方法を提供するものである。
さらに、本発明は、ERK阻害剤が、ERKのリン酸化阻害剤である、上記の予防、治療、または軽減方法を提供するものである。
さらに、本発明は、ERK阻害剤が、ERK1のThr202、ERK1のTyr204、ERK2のThr185、ERK2のTyr187からなる群から選ばれるリン酸化部位のリン酸化阻害剤である、上記の予防、治療、または軽減方法を提供するものである。
さらに、本発明は、末梢神経障害が白金製剤によるものである、上記の予防、治療、または軽減方法を提供するものである。
また、別の態様において、本発明は、抗がん剤による末梢神経障害の非局所投与用の予防、治療、または軽減剤を製造するためのPKC阻害剤、またはMEK/ERK経路阻害剤の使用を提供するものである。
さらに、本発明は、抗がん剤による末梢神経障害の予防、治療、または軽減剤を製造するためのMEK阻害剤またはERK阻害剤の使用を提供するものである。
さらに、本発明は、MEK阻害剤またはERK阻害剤が、抗がん剤である、上記の使用を提供するものである。
また、本発明は、ERK阻害剤が、ERKのリン酸化阻害剤である、上記の使用を提供するものである。
また、本発明は、ERK阻害剤が、ERK1のThr202、ERK1のTyr204、ERK2のThr185、ERK2のTyr187からなる群から選ばれるリン酸化部位のリン酸化阻害剤である、上記の使用を提供するものである。
また、本発明は、末梢神経障害が白金製剤によるものである、上記の使用を提供するものである。
さらに、別の態様において、本発明は、抗がん剤による末梢神経障害の予防、治療、または軽減のための、PKC阻害剤、またはMEK/ERK経路阻害剤の非局所的使用を提供するものである。
また、本発明は、抗がん剤による末梢神経障害の予防、治療、または軽減のための、MEK阻害剤またはERK阻害剤の使用を提供するものである。
また、本発明は、MEK阻害剤またはERK阻害剤が、抗がん剤である、上記の使用を提供するものである。
また、本発明は、ERK阻害剤が、ERKのリン酸化阻害剤である、上記の使用を提供するものである。
また、本発明は、ERK阻害剤が、ERK1のThr202、ERK1のTyr204、ERK2のThr185、ERK2のTyr187からなる群から選ばれるリン酸化部位のリン酸化阻害剤である、上記の使用を提供するものである。
また、本発明は、末梢神経障害が白金製剤によるものである、上記の使用を提供するものである。
本発明によれば、抗がん剤による末梢神経障害を、極めて高度に、しかも、持続的に、予防、治療、または軽減することができる。すなわち、本発明の予防、治療、または軽減剤を投与することによって、抗がん剤によって誘発される四肢のしびれ、四肢の痛み、深部腱反射の低下、筋力の低下、アロディニア、痛覚過敏、手指の巧緻機能障害、歩行障害、蹟き、転倒、屈曲障害(正座、あぐら、横座りまたは椅子座り等の困難または不能)、または四肢の麻痺等を予防、治療、または軽減することができる。これまでは、末梢神経障害に対処するためには、抗がん剤の減量やがん化学療法の中断が余儀なくされていたが、本発明の予防、治療、または軽減剤を用いれば適切ながん治療を継続することが可能となり、がんからの早期回復に繋がる。また、本発明の予防、治療、または軽減剤は、経口投与などによって非局所的に投与することができ、自宅などの日常的な環境で簡単に抗がん剤による末梢神経障害を予防、治療、または軽減することができる。これにより、在宅での抗がん剤治療を受ける患者の生活の質が向上する。また、末梢神経障害を引き起こす抗がん剤とは異なる抗がん剤を本発明の予防、治療、または軽減剤の有効成分に用いる場合には、末梢神経障害の予防、治療、または改善を、抗がん剤の多剤併用療法において簡易に行うことができる。さらに、抗がん剤であることを指標として有効成分を選択すれば、有効量、有効な投与方法、副作用などに関する既存の情報を用いることによって、長期の臨床試験を要することなく、多剤併用療法において臨床的に使用することができる末梢神経障害の予防、治療、または軽減剤を、容易かつ迅速に製造することができる。
図1は、オキサリプラチン投与によって生じる知覚過敏に対する被験薬の軽減作用をフォン・フライ試験において調べた結果である。 図2は、オキサリプラチン投与によって生じる知覚異常に対する被験薬の軽減作用をコールドプレート試験において調べた結果である。 図3は、オキサリプラチン投与後14日目における脊髄でのリン酸化ERKおよびリン酸化PKCの発現増加に対する被験薬の抑制効果を調べた結果である。図は少なくとも3回の独立的な実験のうちの一つの代表的な実験の結果を示したものである。 図4は、オキサリプラチン投与によって生じる知覚過敏に対する被験薬の軽減作用をフォン・フライ試験において調べた結果である。 図5は、オキサリプラチン投与によって生じる知覚異常に対する被験薬の軽減作用をコールドプレート試験において調べた結果である。 図6は、オキサリプラチン投与後14日目における脊髄でのリン酸化ERKおよびリン酸化PKCの発現増加に対する被験薬の抑制効果を調べた結果である。
PKC阻害剤は、本発明の予防、治療、または軽減剤の有効成分である。PKCは、プロテインキナーゼCともいわれる。PKCとしては、PKC−α、PKC−β1、PKC−β2、PKC−γ、PKC−δ、PKC−υ、PKC−ν、PKC−λ、PKC−μ、PKC−θ、およびPKC−ζが挙げられる。PKC阻害剤は、PKCを阻害する作用を有する物質である。PKCを阻害する作用としては、PKCのリン酸化を阻害する作用が挙げられる。PKCのリン酸化を阻害する作用は、好ましくは、PKCの発現量を実質的に減少させずに、リン酸化PKCの発現量を減少させる作用である。PKCのリン酸化を阻害する作用を有する物質は、PKCのリン酸化阻害剤とよぶことができる。PKCのリン酸化部位としては、PKC−αについては、Ser638が挙げられ、PKC−δについては、Ser643、Thr505が挙げられる。PKC阻害剤は、細胞透過性であってもよい。PKC阻害剤は、無機化合物であっても、有機化合物であってもよく、有機化合物としては、炭素数10〜100の有機化合物などが挙げられる。
PKC阻害剤としては、3,4−ビス(3−インドリル)マレイミド、ビスインドリルマレイミドI、ビスインドリルマレイミドII、ビスインドリルマレイミドIII、ビスインドリルマレイミドIV、ビスインドリルマレイミドV、ビスインドリルマレイミドVI、ビスインドリルマレイミドVII、ビスインドリルマレイミドVIII、ビスインドリルマレイミドX、カルフォスチンC、カルジオトキシン、CGP41251、CGP53353、塩化ケレリトリン、塩化デカリニウム、5−(2,5−ジヒドロキシベンジルアミノ)−2−ヒドロキシ安息香酸、エラグ酸、Go 6976、Go 6983、Go 7874、H−7、2,2’,3,3’,4,4’−ヘキサヒドロキシ−1,1’−ビフェニル−6,6’−ジメタノールジメチルエーテル、ヒスピジン、ヒペリシン、1−(5−イソキノリンスルホニル)−3−メチルピペラジン二塩酸塩、イソ−H−7、K−252a、K−252b、K−252c、KN−62、KN−93、KT5823、メリチン、NGIC−I、7−オキソスタウロスポリン、フロレチン、ピセアタノール、PKC 20−28、ポリミキシンB、Ro−31−7549、Ro−31−8220、Ro−31−8425、Ro−32−0432、ロットレリン、サフィンゴール、サンギバマイシン、スキトネミン、スタウロスポリン、ステレッタミドA、STO−609、タモキシフェン、(Z)−4−ヒドロキシタモキシフェン、TER14687、UCN−01、UCN−02、ビタミンEコハク酸エステル、4−ヒドロキシタモキシフェン、エンドキシフェン、クロミフェン、トレミフェン、ならびにそれらの誘導体、薬学的に許容される塩、および類似物などが挙げられる。
MEK/ERK経路阻害剤は、本発明の予防、治療、または軽減剤の有効成分である。MEKは、マイトジェンアクチベイティッドプロテインキナーゼキナーゼともいわれる。ERKは、エクストラセルラーシグナルレギュレイティッドキナーゼともいわれる。MEKとしては、MEK1、MEK2が挙げられる。ERKとしては、ERK1、ERK2、ERK1/2が挙げられる。ERK1/2は、ERK1およびERK2からなる複合体である。MEK/ERK経路阻害剤は、MEK/ERK経路を阻害する作用を有する物質である。MEK/ERK経路は、MEKおよびERKが関与するシグナル伝達経路である。MEK/ERK経路阻害剤としては、MEK1阻害剤、MEK2阻害剤などのMEK阻害剤;ERK1阻害剤、ERK2阻害剤などのERK阻害剤が挙げられる。ERK1阻害剤、およびERK2阻害剤は、ERK1およびERK2からなる複合体の阻害剤であるERK1/2阻害剤であってもよい。MEK/ERK経路阻害剤は、細胞透過性であってもよい。MEK/ERK経路阻害剤は、無機化合物であっても、有機化合物であってもよく、有機化合物としては、炭素数10〜100の有機化合物などが挙げられる。
MEK/ERK経路阻害剤としては、AG 126、アピゲニン、FR180204、5−ヨードツベルシジン、5−ニトロ−2−(3−フェニルプロピルアミノ)安息香酸、PD98059、U0125、U0126、ならびにそれらの誘導体、薬学的に許容される塩、および類似物が挙げられる。
MEK阻害剤は、本発明の予防、治療、または軽減剤の有効成分である。MEK阻害剤は、MEKを阻害する作用を有する物質である。MEK阻害剤の例としては、ATP競合的MEK阻害剤、非ATP競合的MEK阻害剤、およびATP非競合的MEK阻害剤が挙げられる。MEKを阻害する作用としては、MEKのリン酸化を阻害する作用が挙げられる。MEKのリン酸化を阻害する作用は、好ましくは、MEKの発現量を実質的に減少させずに、リン酸化MEKの発現量を減少させる作用である。MEKのリン酸化を阻害する作用を有する物質は、MEKのリン酸化阻害剤とよぶことができる。MEKのリン酸化阻害剤が阻害するリン酸化部位は、1つでもよいし、複数でもよい。MEK阻害剤としては、動物の脊髄におけるMEKを阻害する物質が挙げられる。脊髄としては、腰部の脊髄が挙げられる。MEK阻害剤は、より限定してMEK/ERK経路を阻害することができ、その他のシグナル伝達経路に影響を及ぼさないため、副作用なども少ない点で、好ましい。また、MEK阻害剤は、より末梢神経障害を抑制することができる点で、好ましい。
MEK阻害剤としては、たとえば、ベンゾイミダゾール誘導体のMEK阻害剤、ベンズアミド誘導体のMEK阻害剤、ピリダジン誘導体のMEK阻害剤、ベンゾピラン誘導体のMEK阻害剤などが挙げられる。より具体的には、MEK阻害剤としては、たとえば、トラメチニブ(Trametinib)、セルメチニブ(Selumetinib)、レファメティニブ(Refametinib)、ピマセルチブ(Pimasertib)、MEK162/ARRY−162、AZD8330/ARRY−424704、GDC−0973/RG7420、GDC−0623/RG7421/XL518、CIF/RG7167/RO4987655、CK127/RG7304/RO5126766、E6201、TAK−733、PD−0325901、AS703988/MSC2015103B、WX−554、ならびにそれらの誘導体、薬学的に許容される塩、および類似物などが挙げられる。
ERK阻害剤は、本発明の予防、治療、または軽減剤の有効成分である。ERK阻害剤は、ERKを阻害する作用を有する物質である。ERKを阻害する作用としては、ERKのリン酸化を阻害する作用が挙げられる。ERKのリン酸化を阻害する作用は、好ましくは、ERKの発現量を実質的に減少させずに、リン酸化ERKの発現量を減少させる作用である。ERKのリン酸化を阻害する作用を有する物質は、ERKのリン酸化阻害剤とよぶことができる。ERKのリン酸化阻害剤が阻害するリン酸化部位は、1つでもよいし、複数でもよい。ERKのリン酸化部位としては、ERK1については、Thr202、Tyr204が挙げられ、ERK2については、Thr185、Tyr187が挙げられる。ERKのリン酸化阻害剤としては、たとえば、ERK1のThr202、ERK1のTyr204、ERK2のThr185、およびERK2のTyr187からなる群から選ばれるリン酸化部位のリン酸化阻害剤が挙げられる。ERK阻害剤としては、動物の脊髄におけるERKを阻害する物質が挙げられる。脊髄としては、腰部の脊髄が挙げられる。
PKC阻害剤、MEK/ERK経路阻害剤、MEK阻害剤、またはERK阻害剤は、抗エストロゲン剤であってもよい。抗エストロゲン剤には、ステロイド系の抗エストロゲン剤、および非ステロイド系の抗エストロゲン剤が含まれる。抗エストロゲン剤は、エストロゲンレセプターに結合し、エストロゲンに対する拮抗作用を発揮する物質である。メピチオスタンは、ステロイド性の抗エストロゲン剤である。タモキシフェンは、非ステロイド系の抗エストロゲン剤である。
PKC阻害剤、MEK/ERK経路阻害剤、MEK阻害剤、またはERK阻害剤は、タモキシフェンの類似物(タモキシフェン類縁化合物ともいう)であってもよい。タモキシフェン類縁化合物としては、クロミフェン、トレミフェンなどの非ステロイド系の抗エストロゲン剤;ラロキシフェン、バゼドキシフェン、アルゾキシフェン、ラソフォキシフェンなどの選択的エストロゲン調節薬;4−ヒドロキシタモキシフェン、エンドキシフェンなどのタモキシフェン活性代謝物が挙げられる。
PKC阻害剤、MEK/ERK経路阻害剤、MEK阻害剤、またはERK阻害剤には、抗がん剤としての機能を有する薬剤が存在する。本発明の予防、治療、または軽減剤においては、有効成分として、抗がん剤であるPKC阻害剤、MEK/ERK経路阻害剤、MEK阻害剤、またはERK阻害剤を用いてもよい。その場合、抗がん剤を複数用いる多剤併用療法において、抗がん剤の組み合わせを工夫することによって、簡便に、抗がん剤による末梢神経障害を予防、治療、または軽減することができ、また、用いる抗がん剤について知られている副作用、投与量、投与方法、薬理試験データなどの情報を利用することによって、臨床的使用を迅速に開始することができる。
本発明の予防、治療、または軽減剤の有効成分は、1種のみのPKC阻害剤、MEK/ERK経路阻害剤、MEK阻害剤、またはERK阻害剤を含んでもよいし、2種以上のPKC阻害剤、MEK/ERK経路阻害剤、MEK阻害剤、またはERK阻害剤を含んでもよい。
後述の実施例において説明するように、PKC阻害剤、もしくはMEK/ERK経路阻害剤を非局所的に投与することによって、または、MEKもしくはERKを阻害することによって、抗がん剤の投与に伴う末梢神経障害が、高度に、かつ持続的に、抑制されることが見出された。したがって、PKC阻害剤、MEK/ERK経路阻害剤、MEK阻害剤、またはERK阻害剤を有効成分として用いることによって、抗がん剤による末梢神経障害を予防、治療、または軽減することができる。
末梢神経障害を引き起こす抗がん剤としては、微小管に傷害を与えて末梢神経障害を引き起こす抗がん剤などの微小管阻害薬が挙げられる。このような抗がん剤としては、パクリタキセル、ドセタキセル等のタキサン系薬剤;ビンクリスチン、ビンプラスチン、ビンデシン、ビノレルビン等のビンアルカロイド系薬剤が挙げられる。また、末梢神経障害を引き起こす抗がん剤としては、神経細胞を傷害することによって軸索障害をきたすことにより末梢神経障害を引き起こす抗がん剤が挙げられる。このような抗がん剤としては、オキサリプラチン、カルボプラチン、シスプラチン、ネダプラチン等の白金製剤;ボルテゾミプ等のプロテアソーム阻害剤などが挙げられる。
これらの抗がん剤による末梢神経障害としては、知覚過敏、知覚異常、感覚異常、急性または慢性の疼痛などが挙げられる。知覚過敏としては、より具体的には、機械的刺激によるアロディニアなどの痛覚過敏が挙げられる。アロディニアは、通常痛みを引き起こさない触覚刺激で惹起される激痛を意味する。知覚異常としては、より具外的には、低温刺激における知覚異常、四肢末端のしびれ、灼熱感などが挙げられる。感覚異常としては、感覚消失、感覚麻痺、違和感などが挙げられる。感覚麻痺が生じる部位としては、四肢が挙げられる。急性または慢性の疼痛が生じる部位としては、四肢が挙げられる。疼痛には、劇痛、焼けるような痛みと称されるものも含まれる。これらの末梢神経障害によって、運動機能障害などの日常生活上の障害、深部腱反射の低下などが生じることがある。運動機能障害としては、筋力の低下、運動失調などが挙げられる。運動失調としては、手指の巧緻機能障害、屈曲障害、歩行障害などが挙げられる。手指の巧緻機能障害は、物がうまくつかめない、ボタンがかけにくい、といった障害を伴うことがある。屈曲障害としては、正座、あぐら、横座りまたは椅子座りなどが困難または不能である状態が挙げられる。歩行障害は、蹟き、転倒などを伴うことがある。
本発明において予防、治療、または軽減の対象となる抗がん剤による末梢神経障害は、一種類の抗がん剤を用いた単剤療法で生じるものだけでなく、作用機序の異なる複数の薬剤を組み合わせて投与する多剤併用療法において発生する末梢神経障害、およびバイオケミカル・モジュレーション(biochemical modulation)療法において発生する末梢神経障害をも包含する。バイオケミカル・モジュレーション療法は、作用機序の異なる薬剤が最大の有効性を発揮できるように、薬剤の組み合わせ、または薬剤の投与方法に工夫を行う療法である。また、FOLFOX療法において生じる末梢神経障害も、本発明における予防、治療、または軽減の対象に包含される。FOLFOX療法は、フルオロウラシル、フォリン酸、およびオキサリプラチンの3剤を併用するがん化学療法であり、大腸癌に対する化学療法の1つである。
本発明によって、これらの末梢神経障害の予防、治療、または軽減を行うことができるが、ここで、「予防」には、病態の発症を防ぐこと、抑制すること、および遅延させることが包含されるものとする。また、「治療」には、病態を完全に治癒させることのほか、完全に治癒しないものの症状の進展または悪化を抑制して病態の進行をとどめること、および病態の一部または全部を改善して治癒の方向へ導くことが包含されるものとする。さらに、「軽減」には、症状を緩解することが包含されるものとする。
本発明の予防、治療、または軽減剤には、有効成分のほか、賦形剤、結合剤、滑沢剤、崩壊剤、矯味剤、矯臭剤、界面活性剤、香料、着色剤、抗酸化剤、隠蔽剤、静電気防止剤、流動化剤、湿潤剤などの添加剤を含んでもよい。
賦形剤としては、たとえば、ブドウ糖、果糖、麦芽糖、乳糖、異性化乳糖、還元乳糖、ショ糖、D−マンニトール、エリスリトール、マルチトール、キシリトール、パラチノース、トレハロース、ソルビトール、トウモロコシデンプン、バレイショデンプン、コムギデンプン、コメデンプン、結晶セルロース、タルク、無水ケイ酸、無水リン酸カルシウム、沈降炭酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、デキストラン(たとえば、デキストラン、デキストラン40、デキストラン70など)、プルラン、デキストリン、アルファー化デンプンなどが挙げられる。結合剤としては、たとえば、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポビドン、ポリビニルピロリドン、メチルセルロース、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース、部分アルファー化デンプン、アルファー化デンプン、アルギン酸ナトリウム、プルラン、アラビアゴム末、ゼラチン、デキストリンなどが挙げられ、これらの1種または2種以上を適宜配合して用いてもよい。滑沢剤としては、たとえば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ショ糖脂肪酸エステル、フマル酸ステアリルナトリウム、ステアリン酸、タルク、ポリエチレングリコールなどが挙げられる。崩壊剤としては、たとえば、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、カルメロース、カルメロースカルシウム、カルボキシメチルスターチナトリウム、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、ヒドロキシプロピルスターチ、トウモロコシデンプンなどが挙げられる。矯味剤としては、たとえば、白糖、D−ソルビトール、キシリトール、クエン酸、アスコルビン酸、酒石酸、リンゴ酸、アスパルテーム、アセスルファムカリウム、ソーマチン、サッカリンナトリウム、グリチルリチン二カリウム、グルタミン酸ナトリウム、5’−イノシン酸ナトリウム、5’−グアニル酸ナトリウムなどが挙げられる。矯臭剤としては、たとえば、トレハロース、リンゴ酸、マルトース、グルコン酸カリウム、アニス精油、バニラ精油、カルダモン精油などが挙げられる。界面活性剤としては、たとえば、ポリソルベート(ポリソルベート80など)、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレン共重合物、ラウリル硫酸ナトリウムなどが挙げられる。香料としては、たとえば、レモン油、オレンジ油、メントール、はっか油などが挙げられる。着色剤としては、たとえば、酸化チタン、食用黄色5号、食用青色2号、三二酸化鉄、黄色三二酸化鉄などが挙げられる。抗酸化剤としては、たとえば、アスコルビン酸ナトリウム、L−システイン、亜硫酸ナトリウム、ビタミンEなどが挙げられる。隠蔽剤としては、たとえば、酸化チタンなどが挙げられる。静電気防止剤としては、たとえば、タルク、酸化チタンなどが挙げられる。流動化剤としては、たとえば、軽質無水ケイ酸、タルク、含水二酸化ケイ素などが挙げられる。湿潤剤としては、たとえば、ポリソルベート80、ラウリル酸硫酸ナトリウム、ショ糖脂肪酸エステル、マクロゴール、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)などが挙げられる。
これらの添加剤は、目的とする製剤に通常用いられる割合で配合することができる。また、上記以外にも、公知の文献、例えば、薬事日報社2000年刊「医薬品添加物辞典」日本医薬品添加剤協会編集)などに記載されているような添加剤を用いてもよい。
本発明の予防、治療、または軽減剤の剤型としては、固形製剤が挙げられるが、これに限定されず、たとえば、エアゾール剤、液剤、エキス剤、軟エキス剤、乾燥エキス剤、エリキシル剤、カプセル剤、硬カプセル剤、軟カプセル剤、顆粒剤、丸剤、眼軟膏剤、経皮吸収型製剤、懸濁剤、乳剤、坐剤、散剤、酒精剤、錠剤、シロップ剤、浸剤、煎剤、注射剤、貼付剤、チンキ剤、点眼剤、トローチ剤、軟膏剤、パップ剤、芳香水剤、リニメント剤、リモナーデ剤、流エキス剤、ローション剤が挙げられる。
本発明の予防、治療、または軽減剤は、公知の方法で製造することができる。たとえば、顆粒状の固形製剤は、転動造粒機、撹拌造粒機、流動造粒機、遠心転動造粒機、乾式造粒機などを用いて造粒することによって製造することができる。また、カプセル剤は、公知の方法で製造することができ、たとえば、前記顆粒に必要に応じて添加剤を添加したものを硬カプセル(例えば、ゼラチンカプセル、ヒドロキシプロビルメチルセルロース(HPMC)カプセル、プルランカプセル、ポリビニルアルコール(PVA)カプセルなど)にカプセル充填機を用いて充填することにより、製造することができる。また、錠剤も、公知の方法で製造することができる。たとえば、上記顆粒および必要に応じて添加剤を均等に混合し、回転式打錠機などによって圧縮成型して素錠を得て、該素錠をそのまま錠剤とすることにより、または必要に応じてさらにコーティング基剤を用いて被覆することにより、錠剤を製造することができる。また、造粒を行わずに薬物などを含有する混合末を調製し、それを回転式打錠機などによって錠剤化することによって、錠剤を製造することもできる。さらに、上記顆粒の代わりに、有効成分および賦形剤を溶媒(たとえば水、有機溶媒(たとえば、エタノール、アセトンなど)、またはそれらの混合溶媒など)に溶解し、常法に従って凍結乾燥した凍結乾燥品を用いて錠剤を製造してもよい。すなわち、有効成分を含有する凍結乾燥品を粉砕した後、必要に応じて添加剤を添加して混合し、打錠することによって錠剤を製造してもよい。
本発明の予防、治療、または軽減剤の有効成分の投与量は、投与を受ける患者の年齢、体重、病態、投与方法などによって異なるが、たとえば、投与を受ける患者において、1回あたり20〜40mgであり、これを、たとえば、半日に1回〜2日に1回の頻度で投与してもよい。本発明の予防、治療、または軽減剤の投与頻度は、投与を受ける患者の年齢、体重、病態、投与方法などによって異なるが、たとえば、末梢神経障害を引き起こす抗がん剤の投与頻度の3〜10倍である。また、本発明の予防、治療、または軽減剤の有効成分の投与量は、たとえば、投与を受ける患者の血中濃度が、100ng/mL〜800ng/mL、より限定的には、100ng/mL〜200ng/mLとなる量である。
PKC阻害剤、またはMEK/ERK経路阻害剤を有効成分として含有する本発明の予防、治療、または軽減剤は、非局所的投与によって患者に投与される。非局所的投与において除外される局所的投与としては、脳室内投与、くも膜下腔内投与などの髄腔内投与が挙げられる。非局所的な投与は、経口投与、経管栄養、注腸投与などの経腸投与;静脈注射、点滴静脈注射などの経静脈投与;経動脈投与;筋肉内投与;皮下投与;吸入投与;経皮投与;経粘膜投与;骨内投与などであってもよい。このうち、経口投与、経皮投与などは、日常的環境において簡易に使用することができる点で、優れている。MEK阻害剤またはERK阻害剤を有効成分として含有する本発明の予防、治療、または軽減剤の投与経路としては、皮膚上投与、吸入投与、注腸投与、点耳、経鼻投与、膣内投与、経口投与、経管栄養、注腸投与、経静脈投与、経動脈投与、筋肉内投与、心臓内投与、皮下投与、骨内投与、皮内投与、くも膜下(腔)投与、腹腔内投与、膀胱内投与、経皮投与、経粘膜投与、硬膜外投与、硝子体内投与などが挙げられる。
本発明の予防、治療、または軽減剤が投与される患者としては、卵巣がん、非小細胞肺がん、乳がん、胃がん、子宮体がん、頭頚部がん、食道がん、白血病、悪性リンパ腫、小児腫瘍、多発性骨髄腫、悪性星細胞腫、神経膠腫、絨毛性疾患、胚細胞腫瘍、睾丸腫瘍、膀胱がん、腎盂腫瘍、尿管腫瘍、前立腺がん、子宮頚がん、神経芽細胞腫、小細胞肺がん、骨肉腫、悪性胸膜中皮腫、悪性骨腫瘍、および大腸がんからなる群から選択される1種または2種以上のがんを患ったがん患者が挙げられる。
後述の実施例において説明するように、抗がん剤による末梢神経障害の抑制の効果は、PKC阻害剤、もしくはMEK/ERK経路阻害剤を非局所的に投与すること、またはMEKもしくはERKを阻害することによるものであることが見出された。したがって、被験物によるPKC阻害、もしくはMEK/ERK経路阻害を評価する工程を行うことによって、または、被験物によるMEK阻害もしくはERK阻害を評価する工程を行うことによって、抗がん剤による末梢神経障害の予防、治療、または軽減剤の有効成分を選択することができる。すなわち、本発明は、被験物によるPKC阻害、またはMEK/ERK経路阻害を評価する工程を含むことを特徴とする、抗がん剤による末梢神経障害の非局所投与用の予防、治療、または軽減剤の有効成分の選択方法;および被験物によるMEK阻害またはERK阻害を評価する工程を含むことを特徴とする、抗がん剤による末梢神経障害の予防、治療、または軽減剤の有効成分の選択方法も提供する。
被験物は、選択すべき有効成分の候補である物質である。被験物は、天然物由来の有機化合物または無機化合物であっても、合成による有機化合物または無機化合物であってもよい。
被験物によるPKC阻害、またはMEK/ERK経路阻害を評価する工程、および被験物によるMEK阻害またはERK阻害を評価する工程は、インビボの試験によって行ってもよいし、インビトロの試験によって行ってもよい。インビボの試験は、たとえば、モデル生物に被験物を投与する工程、およびモデル生物におけるPKC、MEK、またはERKを被験物の投与の前後で比較する工程を含む試験によって行ってもよい。このうち、モデル生物におけるPKC、MEK、またはERKを被験物の投与の前後で比較する工程は、被験物の投与前および投与後におけるモデル生物におけるPKC、MEK、またはERKを測定する工程、ならびに測定された投与前および投与後のPKC、MEK、またはERKを比較する工程によって、行ってもよい。測定されるモデル生物におけるPKC、MEK、またはERKとしては、PKC、MEK、またはERKのタンパク質の発現量、PKC、MEK、またはERKのリン酸化の程度などが挙げられる。PKC、MEK、またはERKのリン酸化の程度は、リン酸化したPKC、MEK、またはERKのタンパク質の発現量などをリン酸化特異的認識抗体を用いることなどによって測定することができる。測定するリン酸化したPKC、MEK、またはERKのタンパク質としては、たとえば、Ser638がリン酸化したPKC−αタンパク質;Ser643、またはThr505がリン酸化したPKC−δタンパク質;Thr202、またはTyr204の部位がリン酸化したERK1タンパク質;Thr185、またはTyr187の部位がリン酸化したERK2タンパク質;ERK1タンパク質のThr202、ERK1タンパク質のTyr204、ERK2タンパク質のThr185、およびERK2タンパク質のTyr187からなる群から選ばれるリン酸化部位がリン酸化したERK1/2タンパク質などが挙げられる。測定するリン酸化したPKC、MEK、またはERKタンパク質におけるリン酸化部位は、単独であっても、複数であってもよい。測定するモデル生物におけるPKC、MEK、またはERKとしては、モデル生物の脊髄におけるPKC、MEK、またはERKが挙げられ、特に、腰部の脊髄におけるPKC、MEK、またはERKが挙げられる。試験に用いられるモデル生物としては、哺乳動物が挙げられ、哺乳動物としては、ヒトのほか、ラット、マウスなどの非ヒト哺乳動物が挙げられる。
本発明における有効成分の選択方法において、抗がん剤による末梢神経障害の予防、治療、または軽減剤の有効成分の選択は、被験物によるPKC阻害、MEK/ERK経路阻害、MEK阻害、またはERK阻害を評価した結果に基づいて行われる。予防、治療、または軽減剤の有効成分の選択は、被験物によるPKC阻害、MEK/ERK経路阻害、MEK阻害、またはERK阻害を評価した結果のみに基づくものであってもよいが、被験物によるPKC阻害、MEK/ERK経路阻害、MEK阻害、またはERK阻害を評価した結果と、被験物に関する他の情報とを組み合わせて行う評価に基づくものであってもよい。被験物に関する他の情報としては、被験物についての他のインビボまたはインビトロの試験結果が挙げられる。
本発明における有効成分の選択方法は、単独の被験物について行ってもよいし、複数の被験物を用いるハイコンテンツスクリーニング系において行ってもよい。
以下、実施例によって本発明を詳述するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1:オキサリプラチンによるマウス末梢神経障害に対する作用:
以下のようにして、被験薬をマウスに経口投与し、コールドプレート試験、およびフォン・フライ試験を行うことによって、抗がん剤のオキサリプラチンを投与した場合に生じる、機械的刺激によるアロディニア等の知覚過敏、および低温刺激における知覚異常に対する被験薬の効能を調べた。
(1)被験薬の投与:
実験動物として6〜7週齢のBalb/c雄性マウスを用い、コントロール群、オキサリプラチン投与群、ならびにオキサリプラチンおよび被験薬投与群(以下、単にオキサリプラチン+被験薬投与群とも称する)の3群に群構成した。オキサリプラチン投与群には、オキサリプラチンの週1回の静脈内投与を2週間継続して、計2回のオキサリプラチン投与を行った。オキサリプラチンの1回の投与量は、マウスの体重に対して6mg/kgとした。オキサリプラチン+被験薬投与群については、オキサリプラチン投与直後から2週間継続して連日、計14回、被験薬としてタモキシフェンを経口投与した。タモキシフェンの1回の投与量は、マウスの体重に対して30mg/kgとした。コントロール群には、5%ブドウ糖液および生理食塩水を投与した。なお、オキサリプラチン投与群、およびオキサリプラチン+被験薬投与群への投与に用いた溶媒も、5%ブドウ糖液および生理食塩水とした。
(2)フォン・フライ試験(von Frey test)
オキサリプラチン+被験薬投与群への被験薬の投与の約12時間後に、底が金網になっているケージに、上記(1)の3群のマウスを入れ、1時間順化させた後、0.16gの強度のフォン・フライ(von Frey)フィラメントを、後肢裏に対して垂直に、フィラメントが曲るまで押し付けて6秒間静止する処置を、左右の後肢について5回ずつ施行して、回避反応の回数を測定した。回避反応の測定は、オキサリプラチン投与開始から、14日間連続して行った。測定した回避行動の結果を、Descoeurら(EMBO Molecular Medicine 3,266−278,2011)の方法に従ってスコア化し、回避行動スコアを求めた。
上記試験の結果を図1に示す。オキサリプラチン投与群ではコントロール群に比べて著しく回避行動スコアが上昇した。オキサリプラチンに被験薬を併用して投与したオキサリプラチン+被験薬投与群では、コントロール群と同程度の回避行動スコアを示し、オキサリプラチン投与群と比較して有意に回避行動スコアの上昇を抑制した。また、オキサリプラチン+被験薬投与群においては、被験薬の投与を終了した後も、疼痛閾値の低下の抑制を維持し続けることが認められた。以上の結果から、被験薬は、オキサリプラチンによる知覚過敏に対して、持続的に優れた予防、治療、または軽減作用を発揮することが明らかになった。
(3)コールドプレート試験(Cold plate test)
オキサリプラチン投与開始日から14日目まで連続してコールドプレート試験を行い、低温刺激における知覚異常に対する被験薬の効果を試験した。試験前日に上記(1)の3群のマウスをコールドプレート(Hot/Cold plate Cat,No.35100 Ugo Basile Biological Research Aparatus社製)上に30分間を置いて充分に順化させた。試験当日は10℃に設定したコールドプレート上にラットをのせ、30秒間マウスの行動を観察し、後足の回避までの反応時間(潜時)を測定した。潜時の測定は、オキサリプラチン+被験薬投与群への被験薬の投与の約12時間後に行った。なお、行動観察は試験実施者の先入観を排除するため、マウス各群の投与物が判らないように配慮して行った。試験は3回行って平均し、平均値、および標準誤差を算出した。多群間の比較は、一元配置分散分析(one−way ANOVA)後、Tukey−Kramer法の検定によって各群間を比較して行った。検定にはStat View(AbacusConcepts,Berkely,CA,USA)を用いて、5%未満(p<0.05)の危険率を有意差とみなした。
上記試験の結果を図2に示す。上記試験の4日目には、コールドプレートにおける冷刺激に対して、オキサリプラチン投与群では著しく潜時が短縮されたが、オキサリプラチン+被験薬投与群では、コントロール群とほぼ同程度に、かつ、持続的に潜時が回復した。以上の結果から、被験薬は、オキサリプラチンによる知覚異常(冷感刺激に対する過敏)に対して、持続的に優れた予防、治療、または軽減効果を発揮することが明らかになった。
試験例1:ERK阻害作用の測定:
実験開始後14日目のマウスから採取した腰部脊髄サンプルについて、ウェスタンブロット分析を行い、サンプルにおけるERKタンパク質の発現量、およびリン酸化ERKタンパク質の発現量を調べた。リン酸化ERKタンパク質の試験は、ERK1のThr202、ERK1のTyr204、ERK2のThr185、およびERK2のTyr187からなる群から選ばれるリン酸化部位のリン酸化を認識する抗体(Phospho−p44/42MAPK(ERK1/2)(Thr202/Tyr204)Antibody;Cell Signaling Technology)を用いて行った。対照には、β−actinを用いた。
上記試験の結果を図3に示す。図3に示すように、オキサリプラチン投与群のサンプルでは、神経過敏時に誘導されるリン酸化ERKの発現量が著しく増加していた。一方、オキサリプラチンに被験薬を併用して投与したオキサリプラチン+被験薬投与群は、コントロール群と同程度のリン酸化ERKの発現量を示し、オキサリプラチン投与群と比較して有意にリン酸化ERK発現量が抑制されていた。ERKの発現量については、両群において有意な差が認められなかった。このことから、被験薬は、ERKのリン酸化を阻害することによって、オキサリプラチンなどの抗がん剤による末梢神経障害を持続的に、かつ顕著に予防、治療、または軽減することが明らかになった。
試験例2:PKC阻害作用の測定:
試験例1と同様の試験を行い、胸部脊髄サンプルにおけるリン酸化PKC−α(Ser638)、リン酸化PKC−γ(Ser643)、およびリン酸化PKC−γ(Thr505)の発現量を調べた。結果を図3にあわせて示す。図3に示すように、オキサリプラチンに被験薬を併用して投与したオキサリプラチン+被験薬投与群は、オキサリプラチン投与群と比較して有意にリン酸化PKCの発現量が抑制されていた。このことから、PKC阻害剤を非局所的に投与することによって、オキサリプラチンなどの抗がん剤による末梢神経障害を持続的に、かつ顕著に予防、治療、または軽減することができることが明らかになった。
実施例2:MEK阻害剤による効果:
PD0325901を被験薬として用いたほかは、実施例1と同様の方法によって、フォン・フライ試験およびコールドプレート試験を行った。PD0325901は、MEKに選択的に結合して、ATP非競合的にMEKを阻害するMEK阻害剤である。MEKは、MEK/ERK経路においてERKの上流に位置する。結果を、それぞれ、図4および5に示す。図4および図5に示すように、実施例1と同様に、被験薬による機械的刺激抑制効果、および冷刺激抑制効果が認められた。
また、PD0325901を被験薬として用いたほかは、試験例1と同様の試験を行い、サンプルにおけるERKタンパク質の発現量、およびリン酸化ERKタンパク質の発現量を調べた。結果を図6に示す。図6に示すように、試験例1と同様に、被験薬によるリン酸化ERK発現量の抑制効果が認められた。
図1と図4との対比、図2と図5との対比、および図3と図6との対比から明らかなように、MEK阻害剤を用いる実施例2の試験における機械的刺激抑制効果、冷刺激抑制効果、およびリン酸化ERK発現量の抑制効果は、PKC阻害剤を用いてERKを阻害した実施例1および試験例1の効果とほぼ同一であった。このことから、実施例1および実施例2で認められた末梢神経障害の持続的かつ顕著な予防、治療、または軽減効果は、MEKまたはERKを阻害して、MEK/ERK経路を阻害することによるものであり、MEKまたはERKを阻害することによって、持続的かつ顕著な末梢神経障害の予防、治療、または軽減効果が得られることが明らかになった。
試験例3:安全性の測定:
実施例1の試験における3群および実施例2の試験における3群について、試験に用いたマウスの体重変化を経時的に測定した。その結果、いずれの群においても、体重変化に顕著な差は見られず、本発明の予防、治療、または軽減剤は、副作用が少なく、安全性が高いことが分かった。
これらの薬理試験結果より明らかなように、被験薬は、オキサリプラチン等の抗がん剤の投与で生じる機械的刺激によるアロディニアなどの知覚過敏、および低温刺激における知覚異常を末梢神経障害の指標として実施したマウス経口投与試験において、末梢神経障害に対して持続的に優れた予防、治療、または軽減作用を有することが認められた。そして、PKC阻害剤またはMEK阻害剤として知られているこれらの被験薬は、MEK阻害を行い、または、ERKのリン酸化を阻害して、ERK阻害を行い、MEK/ERK経路を阻害することによって、持続的に優れた予防、治療、または軽減作用を示すことが認められた。このことから、PKC阻害剤またはMEK/ERK経路阻害剤を非局所的に投与することによって、または、MEKもしくはERKを阻害することによって、オキサリプラチン等の抗がん剤の投与によって引き起こされる知覚過敏や知覚異常などの末梢神経障害を、持続的に顕著に予防、治療、または軽減することができることが示された。

Claims (3)

  1. タモキシフェンまたはPD0325901を有効成分として含有する、抗がん剤による末梢神経障害の予防、治療、または軽減剤(ただし、該抗がん剤はパクリタキセル、ドセタキセル、ビンクリスチン、ビンブラスチン、ビンデシン、ビノレルビン、シスプラチンおよびカルボプラチンを含まない)。
  2. 非局所投与用である請求項1に記載の予防、治療、または軽減剤。
  3. 末梢神経障害が白金製剤によるものである、請求項1または2に記載の予防、治療、または軽減剤。
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