JP6229526B2 - タール改質炉及びそのガス化設備 - Google Patents
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Description
本発明は、タールを改質するタール改質炉及びそのガス化設備に関するものである。
一般に、二塔式ガス化炉等のガス化設備には、流動層ガス化炉から生じたガス化ガスを流す改質ラインを備えており、改質ラインには、ガス化ガスのタールを改質する酸化改質炉を配置している。
酸化改質炉は、ガス化ガスのタールを改質する円柱状の炉本体と、平面視で炉本体の周囲面の接線方向からガス化ガスを導入するガス化ガス導入部と、炉本体の天井から酸化剤を鉛直方向下向きへ導入する酸化剤導入部とを備えている(例えば、特許文献1参照)。
ガス化ガスのタールを改質する際には、ガス化ガスを炉本体の接線方向から導入して炉本体内に大きな渦を形成し、そこに酸化剤を鉛直方向下向きに吹き込み混合させる。続いてガス化ガスの炭化水素と水素ガスの一部を酸化剤により燃焼させて炉本体内を約1000℃以上の高温状態にし、ガス化ガスに含まれる水蒸気によりタールを改質する。
しかしながら、酸化改質炉は、ガス化ガスを平面視で炉本体の接線方向から導入して炉本体に大きな渦を形成し、そこに酸化剤を炉本体の天井から鉛直方向下向きに吹き込むため、炉本体内での撹拌はガス化ガスの大きな渦に依存し、ガス化ガス及び酸化剤を十分に撹拌することができないという問題があった。又、酸化改質炉の構造では、不十分な撹拌によって温度が不均一となり、酸化剤の噴出口付近では混合や反応が活発となり、局所的に、燃焼反応が大幅に進み、1000℃以上の高温状態になる一方で、低温部では燃焼反応が進まず、結果的に高い改質率を達成できないという問題があった。
本発明は、上記従来の問題に鑑みてなしたもので、ガス化ガスを炉本体の接線方向から導入した場合の渦に比べ、小さな渦を形成してガス化ガスを十分に撹拌し、高い改質率を達成することができるタール改質炉及びそのガス化設備を提供するものである。
本発明のタール改質炉は、炉本体内にガス化ガスと酸化剤を噴射してガス化ガスのタールを改質するタール改質炉であって、
前記炉本体の上部で環状の周方向に沿って形成する複数の噴射流路を、内周側と外周側に配置し、内周側の噴射流路を、環状の径方向外側に向かって斜め下方に傾斜させると共に、外周側の噴射流路を、環状の径方向内側に向かって斜め下方に傾斜させ、
前記内周側の噴射流路と前記外周側の噴射流路には、ガス化ガス又は酸化剤の少なくとも一方が導入され、平面視で前記炉本体内に互い違いの噴射方向を生じ、旋回しつつ下方へ向かう渦を形成するように構成されたものである。
前記炉本体の上部で環状の周方向に沿って形成する複数の噴射流路を、内周側と外周側に配置し、内周側の噴射流路を、環状の径方向外側に向かって斜め下方に傾斜させると共に、外周側の噴射流路を、環状の径方向内側に向かって斜め下方に傾斜させ、
前記内周側の噴射流路と前記外周側の噴射流路には、ガス化ガス又は酸化剤の少なくとも一方が導入され、平面視で前記炉本体内に互い違いの噴射方向を生じ、旋回しつつ下方へ向かう渦を形成するように構成されたものである。
本発明のタール改質炉において、前記内周側の噴射流路と前記外周側の噴射流路を同心に配置し、前記内周側の噴射流路にガス化ガスを導入すると共に、前記外周側の噴射流路に酸化剤を導入するように構成することが好ましい。
又、本発明のタール改質炉において、前記内周側の噴射流路と前記外周側の噴射流路を同心に配置し、前記内周側の噴射流路と前記外周側の噴射流路にガス化ガスを導入するように構成し、更に前記内周側の噴射流路と前記外周側の噴射流路の間に、下方へ向かう中間の噴射流路を配置し、中間の噴射流路に酸化剤を導入するように構成することが好ましい。
又、本発明のタール改質炉において、噴射流路を開閉する開閉手段と、該開閉手段を制御する制御部とを備えることが好ましい。
又、本発明のタール改質炉において、前記内周側の噴射流路及び前記外周側の噴射流路を、鉛直方向に対して30°以上60°以下で傾斜させることが好ましい。
本発明のガス化設備は、上記のタール改質炉を備えるガス化設備であって、原料からガス化ガスを取り出してタール改質炉に供給する流動層ガス化炉と、該流動層ガス化炉で生じたチャーと流動媒体を供給してチャーの燃焼により流動媒体を加熱する流動層燃焼炉と、該流動層燃焼炉から導出される排ガスから流動媒体を分離して前記流動層ガス化炉に供給する分離器とを備えるものである。
本発明によれば、ガス化ガスを炉本体の接線方向から導入して渦を形成する場合に比べ、小さな渦を形成してガス化ガスを十分に撹拌し、高い改質率を達成することができるという優れた効果を奏し得る。
以下、本発明のタール改質炉のガス化設備を実施する形態例を図1を参照して説明する。
ガス化設備1は、流動層を形成してガス化ガスを生成する流動層ガス化炉2と、流動層ガス化炉2で生じたチャーと流動媒体を供給してチャーの燃焼により流動媒体を加熱する流動層燃焼炉3と、流動層燃焼炉3から導出される排ガスから流動媒体を分離して流動層ガス化炉2に供給する分離器4とを備えている。ここでガス化設備1は、特定の設備に限定されるものではないが、二塔式ガス化炉が好ましい。
流動層ガス化炉2は、石炭等の原料を流動媒体の熱でガス化するガス化部5と、ガス化部5の下部に渡って形成されて流動層ガス化炉2内に水蒸気等のガス化剤を供給するボックス部6とを有しており、ガス化部5には原料供給ライン7が接続されていると共に、ボックス部6にはガス化剤供給ライン8が接続されている。又、流動層ガス化炉2は、ガス化されなかったチャーと流動媒体をオーバーフロー管9を介して流動層燃焼炉3へ供給すると共に、生成したガス化ガスを改質ライン10へ供給するようになっている。ここで流動層ガス化炉2からガス化ガスを供給する改質ライン10には、タール改質炉11、熱交換器(以下、図示せず)、冷却器、誘引通風機(IDF)、脱硫器、脱塩器等を備え、最終的にフレアスタック等へ導くようにしている。
流動層燃焼炉3は、流動層ガス化炉2のチャーと流動媒体とを下部から導入すると共に、空気管12から供給される空気を下部の風箱13から吹き出させる。チャーと流動媒体は吹き出される空気により流動化されて上昇し、上昇する間にチャーが燃焼して流動媒体が加熱されるようになっている。又、流動層燃焼炉3は、流動媒体を含む高温流体を移送管14を介して分離器4へ供給するようになっている。
分離器4は、サイクロン構造を備えた外筒15を配置しており、流動層燃焼炉3の流動媒体を含む高温流体が、外筒15内へ接線方向に導入されて流動媒体と排ガスとに遠心分離されるようになっている。又、分離器4は、粒径が細かい灰分を含む排ガスを排出ライン16から排出し、粒径の粗い未燃チャーを含む流動媒体を、分離器4に接続される降下管17により流動層ガス化炉2に供給するようになっている。
次に、本発明のタール改質炉を実施する形態の第一例を図2〜図5を参照して説明する。
第一例のタール改質炉11は、図2に示す如く、排出口18(図1参照)を下方に備える円柱状の炉本体19と、炉本体19の上部のフランジ20に構成されるガス化ガス噴射部21と、炉本体19の上部のフランジ20に構成される酸化剤噴射部22とを備えている。
ガス化ガス噴射部21と酸化剤噴射部22は、図2(B)、図5に示す如く平面視から見て、環状の周方向に沿って一定の間隔で形成された複数の噴射流路23,24を、同心になるように内周側と外周側に備えている。内周側の噴射流路23は、ガス化ガスが導入されるようにガス化ガス噴射部21の一部になっており、外周側の噴射流路24は、酸化剤が導入されるように酸化剤噴射部22の一部になっている。更に図2(A)、図5に示す如く、内周側の噴射流路23は、環状の径方向外側に向かって斜め下方に傾斜していると共に、外周側の噴射流路24は、環状の径方向内側に向かって斜め下方に傾斜している。ここで、内周側の噴射流路23、及び外周側の噴射流路24は、図3に示す如く、フランジ20のみに直接形成されるものでなく、フランジ20の下部にノズル20aを設けても良い。又、内周側の噴射流路23を、酸化剤が導入されるように酸化剤噴射部22の一部にしても良いし、外周側の噴射流路24を、ガス化ガスが導入されるようにガス化ガス噴射部21の一部にしても良い。更に、複数の噴射流路23,24が形成される環状の位置とは、環状の中心点から径方向で同じ距離に限定されるものでなく、幅を有する環状帯の領域を示している。更に又、内周側の噴射流路23及び外周側の噴射流路24は、夫々3個以上ならば問題にならないが、炉本体19のスケールを考慮して決定することが好ましい。
又、ガス化ガス噴射部21は、環状に配置される内周側の噴射流路23の流路口を全て覆うように、流動層ガス化炉2から延在する改質ライン10(図1参照)の大径の配管25がフランジ20に接続されている。更に酸化剤噴射部22は、環状に配置される外周側の噴射流路24の流路口を全て覆うように環状の酸化剤導入室26がフランジ20に配置されている。また酸化剤導入室26には、酸化剤を供給する酸化剤供給ライン27の配管28が接続されている。ここで、酸化剤噴射部22は、図4に示す如く、環状の酸化剤導入室26を備えることなく、個々の外周側の噴射流路24に酸化剤供給ライン27の配管28を夫々接続しても良い。又、酸化剤供給ライン27の配管28には、外周側の噴射流路24を開閉可能にする個々のバルブ等の開閉手段29を備え、更に個々の開閉手段29を制御する制御部30を備えても良い。更に又、個々の内周側の噴射流路23に、ガス化ガスを供給するように改質ライン10の小径の配管(図示せず)を夫々接続しても良いし、内周側の噴射流路23を開閉可能にするバルブ等の開閉手段(図示せず)や、開閉手段を制御する他の制御部(図示せず)を備えても良い。
内周側の噴射流路23及び外周側の噴射流路24は、図2(A)に示す如く側面視で互いにクロスすると共に、図5に示す如く平面視で互い違いになっている。又、内周側の噴射流路23及び外周側の噴射流路24は、鉛直方向に対して30°以上60°以下、好ましくは、鉛直方向に対して45°に設定されている。更に内周側の噴射流路23と外周側の噴射流路24は、平面視で環状方向に沿って複数備えられており、第一例では、環状方向に沿って炉本体19の上部全体に配置されている。
本発明のタール改質炉を実施する形態の第一例の作用を説明する。
第一例のタール改質炉11でガス化ガスのタールを改質する際には、流動層ガス化炉2から生じたガス化ガスを、改質ライン10の配管25を介して複数の内周側の噴射流路23へ導入し、炉本体19内に側面視で斜め外側下方へ向かい且つ平面視で環状の径方向外側に向かって放射状に噴射する。続いて空気又は高濃度の酸素等の酸化剤を、酸化剤供給ライン27の配管28を介して酸化剤導入室26に供給し、酸化剤導入室26から複数の外周側の噴射流路24へ導入し、炉本体19内に側面視で斜め内側下方へ向かい且つ平面視で外側から環状の径方向内側へ向かって噴射する。そして炉本体19内でガス化ガスと酸化剤は、内周側の噴射流路23と外周側の噴射流路24により、平面視で互い違いの噴射方向を生じ、旋回しつつ下方へ向かう小さい渦を形成する。炉本体19の全体では、内周側の噴射流路23と外周側の噴射流路24の複数の組み合わせにより、平面視で環状方向に沿って均等な小さい渦を複数形成し、ガス化ガスと酸化剤を撹拌混合する。ここで渦構造の形成は、ガス化ガスの噴射方向の逆側、酸化剤の噴射方向の逆側が負圧となり、そこに隣接して噴射されたガス化ガス又は酸化剤が入り込むことが主な形成理由となっている。又、撹拌混合の効果を高めるためには、内周側の噴射流路23と外周側の噴射流路24の間隔が小さい方が良く、内周側の噴射流路23と外周側の噴射流路24の数は多いほど良い。更に撹拌混合の効果は、内周側の噴射流路23と外周側の噴射流路24から噴射されるガス化ガスと酸化剤の運動量が高いほど良い。
そして、炉本体19内では、ガス化ガスの炭化水素と水素ガスの一部を酸化剤により燃焼させて炉本体19内を約1000℃以上の高温状態にし、ガス化ガスに含まれる水蒸気によりタールを改質する。
その後、改質された改質ガスは、排出口18(図1参照)から改質ライン10の下流側に排出され、熱交換器(以下、図示せず)、冷却器、誘引通風機(IDF)、脱硫器、脱塩器等を経由して処理され、最終的にフレアスタック等へ導かれる。
このように、タール改質炉の形態の第一例によれば、ガス化ガスを炉本体19の接線方向から導入して大きな渦を形成する場合に比べ、小さな渦を形成してガス化ガスを十分に撹拌し、高い改質率を達成することができる。
又、タール改質炉の形態の第一例において、内周側の噴射流路23と外周側の噴射流路24を同心に配置し、内周側の噴射流路23にガス化ガスを導入すると共に、外周側の噴射流路24に酸化剤を導入するように構成すると、小さな渦を適切に形成してガス化ガスを好適且つ十分に撹拌し、高い改質率を達成することができる。
又、タール改質炉の形態の第一例において、内周側の噴射流路23又は外周側の噴射流路24を開閉する開閉手段29と、開閉手段29を制御する制御部30とを備えると、炉本体19内で温度分布の偏り等が生じた場合であっても、ガス化ガスや酸化剤の噴射量及び噴射位置を調整して対応し得るので、ガス化ガスを適切に撹拌し、高い改質率を達成することができる。
又、タール改質炉の形態の第一例において、内周側の噴射流路23及び外周側の噴射流路24を、鉛直方向に対して30°以上60°以下で傾斜させると、小さな渦を一層適切に形成してガス化ガスを好適且つ十分に撹拌し、高い改質率を達成することができる。ここで内周側の噴射流路23及び外周側の噴射流路24を、鉛直方向に対して30°より小さい角度で傾斜させると、下方へ向かう力が強くなって排出口18までの時間が短くなり、ガス化ガスを十分に撹拌することができないという問題がある。又、内周側の噴射流路23及び外周側の噴射流路24を、鉛直方向に対して60°より大きい角度で傾斜させると、下方へ向かう力が弱くなってガス化ガスと酸化剤を排出口18へ適切に導くことができず、温度分布の偏り等を生じるという問題がある。
又、図1に示す如く、上記のタール改質炉11を備えるガス化設備1であって、原料からガス化ガスを取り出してタール改質炉11に供給する流動層ガス化炉2と、流動層ガス化炉2で生じたチャーと流動媒体を供給してチャーの燃焼により流動媒体を加熱する流動層燃焼炉3と、流動層燃焼炉3から導出される排ガスから流動媒体を分離して流動層ガス化炉2に供給する分離器4とを備えると、ガス化ガスを好適に取り出すと共に、ガス化ガスを適切に処理することができる。
次に、本発明のタール改質炉を実施する形態の第二例を図6〜図8を参照して説明する。
第二例のタール改質炉31は、第一例のガス化ガス噴射部21と酸化剤噴射部22の構成を変形したものであり、図6に示す如く、排出口18(図1参照)を下方に備える円柱状の炉本体32と、炉本体32の上部のフランジ33に構成されるガス化ガス噴射部34と、炉本体32の上部のフランジ33に構成される酸化剤噴射部35とを備えている。
ガス化ガス噴射部34は、図6(B)に示す如く平面視から見て、環状の周方向に沿って一定の間隔で形成された複数の噴射流路36,37を、同心になるように内周側と外周側に備えている。又、図6(A)に示す如く、内周側の噴射流路36は、環状の径方向外側に向かって斜め下方に傾斜していると共に、外周側の噴射流路37は、環状の径方向内側に向かって斜め下方に傾斜している。
一方、酸化剤噴射部35は、図6(B)に示す如く平面視から見て、環状の周方向に沿って複数形成され、且つ内周側の噴射流路36と外周側の噴射流路37との間に位置する中間の噴射流路38を備えている。中間の噴射流路38は、図6(A)に示す如く、内周側の噴射流路36と外周側の噴射流路37との間で鉛直方向下向きになっている。ここで内周側の噴射流路36、外周側の噴射流路37、中間の噴射流路38は、第一例と同様に、フランジ33のみに直接形成されるものでなく、フランジ33の下部にノズルを設けても良い。又、複数の噴射流路36,37,38が形成される環状の位置とは、環状の中心点から径方向で同じ距離に限定されるものでなく、幅を有する環状帯の領域を示しており、特に中間の噴射流路38は、内周側の噴射流路36と外周側の噴射流路37との間に位置するならば、環状すなわち環状帯の領域のどの位置であっても良い。更に、第二例では、ガス化ガス噴射部34に中間の噴射流路38を備えると共に酸化剤噴射部35に内周側の噴射流路36及び外周側の噴射流路37を備えても良い。更に内周側の噴射流路36及び外周側の噴射流路37は、夫々3個以上ならば問題にならないが、炉本体32のスケールを考慮して決定することが好ましい。
又、ガス化ガス噴射部34は、内周側の噴射流路36の流路口及び外周側の噴射流路37の流路口を全て覆うように、円筒状のガス化ガス導入室39がフランジ33に接続されている。更にガス化ガス導入室39の中央には、ガス化ガスを供給する改質ライン10(図1参照)の配管40が接続されている。更に又、酸化剤噴射部35は、ガス化ガス導入室39を貫通して個々の中間の噴射流路38に接続するように酸化剤供給ライン27の個々の配管41を配置し、酸化剤供給ライン27の配管41には、配管41を開閉可能にするバルブ等の開閉手段42を備えている。ここで、酸化剤噴射部35は、図7に示す如く、ガス化ガス導入室39を貫通して個々の中間の噴射流路38に接続される第一配管43と、ガス化ガス導入室39の上部に配置されて第一配管43の流路口を全て覆う環状の酸化剤導入室44と、酸化剤導入室44へ酸化剤を供給する酸化剤供給ライン27の第二配管45とを備えても良い。更に酸化剤噴射部35は、図8に示す如く、個々の酸化剤供給ライン27の配管41を開閉する個々のバルブ等の開閉手段42を備え、更に個々の開閉手段42を制御する制御部46を備えても良い。
内周側の噴射流路36及び外周側の噴射流路37は、図6(A)に示す如く側面視で互いにクロスすると共に、図6(B)に示す如く、平面視で互い違いになっている。又、内周側の噴射流路36及び外周側の噴射流路37は、鉛直方向に対して30°以上60°以下、好ましくは、鉛直方向に対して45°に設定されている。更に内周側の噴射流路36と外周側の噴射流路37は、平面視で環状方向に沿って複数備えられており、第二例では、環状方向に沿って炉本体32の上部全体に配置されている。又、中間の噴射流路38は、互いに近接する内周側の噴射流路36と外周側の噴射流路37の間に全て配置されている。
本発明のタール改質炉を実施する形態の第二例の作用を説明する。
第二例のタール改質炉31でガス化ガスのタールを改質する際には、流動層ガス化炉2から生じたガス化ガスを、改質ライン10の配管40やガス化ガス導入室39等を介して複数の内周側の噴射流路36へ導入し、炉本体32内に側面視で斜め外側下方へ向かい且つ平面視で環状の径方向外側に向かって放射状に噴射する。同時にガス化ガスを、複数の外周側の噴射流路37へ導入し、炉本体32内に側面視で斜め内側下方へ向かい且つ平面視で外側から環状の径方向内側に向かって噴射する。そして炉本体32内でガス化ガスは、内周側の噴射流路36と外周側の噴射流路37により、平面視で互い違いの噴射方向を生じ、旋回しつつ下方へ向かう小さい渦を形成する。炉本体32の全体では、内周側の噴射流路36と外周側の噴射流路37の複数の組み合わせにより、平面視で環状方向に沿って均等な小さい渦を複数形成する。一方で空気又は高濃度の酸素等の酸化剤は、酸化剤供給ライン27の配管41及び中間の噴射流路38を介して炉本体32内に側面視で鉛直方向下向きへ噴射され、炉本体32内で小さい渦のほぼ中心に流下してガス化ガスに巻き込まれつつ撹拌混合される。ここで渦構造の形成は、第一例とほぼ同様な理由となっている。
そして、炉本体32内では、ガス化ガスの炭化水素と水素ガスの一部が酸化剤により燃焼させて炉本体32内を約1000℃以上の高温状態にし、ガス化ガスに含まれる水蒸気によりタールを改質する。
その後、改質された改質ガスは、第一例と同様に、排出口18(図1参照)から改質ライン10の下流側に排出され、熱交換器(以下、図示せず)、冷却器、誘引通風機(IDF)、脱硫器、脱塩器等を経由して処理され、最終的にフレアスタック等へ導かれる。
このように、タール改質炉31の形態の第二例によれば、第一例と同様な作用効果を得ることができる。
又、タール改質炉31の形態の第二例において、内周側の噴射流路36と外周側の噴射流路37を同心に配置し、内周側の噴射流路36と外周側の噴射流路37にガス化ガスを導入するように構成し、更に内周側の噴射流路36と外周側の噴射流路37の間に、下方へ向かう中間の噴射流路38を配置し、中間の噴射流路38に酸化剤を導入するように構成すると、ガス化ガスの小さな渦を適切に形成すると共に酸化剤を適切な位置に導入することが可能となり、ガス化ガス及び酸化剤を好適且つ十分に撹拌し、高い改質率を達成することができる。
又、図1、図6〜図8に示す如く、上記のタール改質炉31を備えるガス化設備1であって、原料からガス化ガスを取り出してタール改質炉31に供給する流動層ガス化炉2と、該流動層ガス化炉2で生じたチャーと流動媒体を供給してチャーの燃焼により流動媒体を加熱する流動層燃焼炉3と、流動層燃焼炉3から導出される排ガスから流動媒体を分離して流動層ガス化炉2に供給する分離器4とを備えると、第一例と同様に、ガス化ガスを好適に取り出すと共に、ガス化ガスを適切に処理することができる。
尚、本発明は、上述の実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
1 ガス化設備
2 流動層ガス化炉
3 流動層燃焼炉
4 分離器
11 タール改質炉
19 炉本体
21 ガス化ガス噴射部
22 酸化剤噴射部
23 内周側の噴射流路
24 外周側の噴射流路
29 開閉手段
30 制御部
31 タール改質炉
32 炉本体
34 ガス化ガス噴射部
35 酸化剤噴射部
36 内周側の噴射流路
37 外周側の噴射流路
38 中間の噴射流路
42 開閉手段
46 制御部
2 流動層ガス化炉
3 流動層燃焼炉
4 分離器
11 タール改質炉
19 炉本体
21 ガス化ガス噴射部
22 酸化剤噴射部
23 内周側の噴射流路
24 外周側の噴射流路
29 開閉手段
30 制御部
31 タール改質炉
32 炉本体
34 ガス化ガス噴射部
35 酸化剤噴射部
36 内周側の噴射流路
37 外周側の噴射流路
38 中間の噴射流路
42 開閉手段
46 制御部
Claims (6)
- 炉本体内にガス化ガスと酸化剤を噴射してガス化ガスのタールを改質するタール改質炉であって、
前記炉本体の上部で環状の周方向に沿って形成する複数の噴射流路を、内周側と外周側に配置し、内周側の噴射流路を、環状の径方向外側に向かって斜め下方に傾斜させると共に、外周側の噴射流路を、環状の径方向内側に向かって斜め下方に傾斜させ、
前記内周側の噴射流路と前記外周側の噴射流路には、ガス化ガス又は酸化剤の少なくとも一方が導入され、平面視で前記炉本体内に互い違いの噴射方向を生じ、旋回しつつ下方へ向かう渦を形成するように構成されたことを特徴とするタール改質炉。 - 前記内周側の噴射流路と前記外周側の噴射流路を同心に配置し、前記内周側の噴射流路にガス化ガスを導入すると共に、前記外周側の噴射流路に酸化剤を導入するように構成したことを特徴とする請求項1に記載のタール改質炉。
- 前記内周側の噴射流路と前記外周側の噴射流路を同心に配置し、前記内周側の噴射流路と前記外周側の噴射流路にガス化ガスを導入するように構成し、更に前記内周側の噴射流路と前記外周側の噴射流路の間に、下方へ向かう中間の噴射流路を配置し、中間の噴射流路に酸化剤を導入するように構成したことを特徴とする請求項1に記載のタール改質炉。
- 噴射流路を開閉する開閉手段と、該開閉手段を制御する制御部とを備えたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のタール改質炉。
- 前記内周側の噴射流路及び前記外周側の噴射流路を、鉛直方向に対して30°以上60°以下で傾斜させたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のタール改質炉。
- 請求項1〜5のいずれか一項に記載のタール改質炉を備えるガス化設備であって、原料からガス化ガスを取り出してタール改質炉に供給する流動層ガス化炉と、該流動層ガス化炉で生じたチャーと流動媒体を供給してチャーの燃焼により流動媒体を加熱する流動層燃焼炉と、該流動層燃焼炉から導出される排ガスから流動媒体を分離して前記流動層ガス化炉に供給する分離器とを備えたことを特徴とするガス化設備。
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JP2003013072A (ja) * | 2001-07-04 | 2003-01-15 | Chiyoda Corp | 低級炭化水素ガスから合成ガスを製造する方法とその装置 |
JP2005060533A (ja) * | 2003-08-12 | 2005-03-10 | Chugai Ro Co Ltd | バイオマスガス化システムの燃料ガス改質装置 |
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JP2010070734A (ja) * | 2008-09-22 | 2010-04-02 | Mitsui Eng & Shipbuild Co Ltd | 熱分解ガスの改質器 |
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