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JP6226386B2 - 保持具 - Google Patents

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JP6226386B2
JP6226386B2 JP2014190829A JP2014190829A JP6226386B2 JP 6226386 B2 JP6226386 B2 JP 6226386B2 JP 2014190829 A JP2014190829 A JP 2014190829A JP 2014190829 A JP2014190829 A JP 2014190829A JP 6226386 B2 JP6226386 B2 JP 6226386B2
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Description

本発明は、磁性板を立てた状態で搬送する際に保持する保持具に関する。
形鋼を搬送する際にマグネットを用いて吊り下げ保持する保持具として、マグネットの磁着面を横向きにした吸着姿勢と、磁着面を下向きにした搬送姿勢との間で姿勢変更可能とし、これにより、積み重ねられた形鋼をマグネットで磁着して引き起こし搬送することができるようにした保持具がある(特許文献1参照)。
この特許文献1の保持具は、磁着面を横向きとするのはあくまで形鋼を引き起こす場合のみであり、搬送時は磁着面を下向きにして用いるものであることから、例えば平板状の鋼板を立てた状態で搬送する必要性には対応できない。すなわち、鋼板を立てた状態で縦吊り搬送しようとすると、磁着面が横向きの状態で鋼板を搬送することになるので、磁着面にはせん断方向すなわち下向きの力が作用して、鋼板に対する十分な保持力が得られなくなるため、鋼板が磁着面から滑り落ちる懸念がある。
また、電磁石による吸着と複数のフックまたは係合部とにより鋼板または鉄板を吊り下げ保持する保持具がある(特許文献2および3参照)。
これらの特許文献2および3の保持具は、いずれも電磁石の磁着面を下向きにし、鋼板などを水平にして横向きに搬送するものであり、これらも平板状の鋼板を立てた状態で搬送する必要性には対応できない。
さらに、吊下げ穴を有する1対のアームにより、水平置き状態の鋼板を立てた状態に移行させることができる保持具がある(特許文献4参照)。
この特許文献4の保持具は、鋼板に予め凹状の切欠き部を形成することで、相対的に被吊下げ用の吊部を凸状に形成しておき、その吊部に対して保持具の吊下げ穴を係合させるようにしていることから、搬送用の特別な加工を施していない一般的な鋼板を立てた状態で搬送する必要性には対応できない。
ここで、例えば、油圧ショベルのブームを製作する際にブームを構成する鋼板(上板、下板、側板)を仮溶接する工程を考えると、その仮溶接作業上、各鋼板を仮付溶接治具に縦向きに据え付ける必要があり、一方、工場内において各鋼板は床面に対して平行に平積みされていることが多く、しかも、これらの鋼板には、被吊下げ用の特別な加工は施されていないとともに、上記のように鋼板を立てた状態で縦吊り搬送可能な適切な保持具がないので、従来は、これらの平積みされている鋼板を以下のような手順で縦吊り搬送して仮付溶接治具に据え付けている。
(1) 平積み状態では鋼板と鋼板の間隔が狭く吊上げ用クランプが入らないため、鋼板に吊上げ用クランプをセットできるよう、作業者が一番上の鋼板の位置をクランプ可能な位置までずらす。
(2) 鋼板の一方の端部のみに、この端部のみを掴むだけの単純な吊上げ用クランプを取り付ける。
(3) 上記吊上げ用クランプをクレーンにて吊り上げる。鋼板の一方の端部のみに吊上げ用クランプを取り付けていることから、鋼板の片側のみが持ち上げられて、立てた状態となる。
(4) 立てた状態のまま鋼板を仮付溶接治具まで縦吊り搬送し、そのまま仮付溶接治具に据え付ける。
特開2006−44807号公報 特開昭58−130877号公報 特開平8−188371号公報 特開2013−100148号公報
従来の問題点を以下に列挙する。
(1) 吊上げ用クランプを鋼板の一方の端部のみにセットするために、作業者が平積みされた重い鋼板を動かす必要があり、鋼板が落下するおそれがあるとともに、作業効率が良くない。
(2) 吊上げ用クランプのみで鋼板を支えることから、鋼板の一部のみを強くクランプする必要がありそのため鋼板のクランプ部表面に吊上げ用クランプによるクランプ傷が付いてしまう。
(3) 平積み状態から立てた状態まで吊り上げる際、吊り上げられる鋼板の角部が平積みされている下側鋼板の表面に接しているので、角部によって下側鋼板の表面を傷付けるおそれがある。
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、搬送用の特別な加工が施されていない平積みされた磁性板を傷付けることなく効率良く立てた状態にして搬送できる保持具を提供することを目的とする。
請求項1に記載された発明は、磁性板を搬送手段により搬送する際に磁性板の面方向を立て方向にして保持する保持具であって、搬送手段により搬送される保持具本体と、保持具本体の一端部に一体的に設けられ、磁性板を立てた状態で磁性板の下端となる箇所を支持する下側クランプ部と、下側クランプ部に対し保持具本体に沿って遠近方向移動可能に設けられ、磁性板を立てた状態で磁性板の上端となる箇所を規制する上側クランプ部と、磁性板を規制する位置にある上側クランプ部を固定するとともにその固定を解除操作可能な上側クランプ部ロック機構と、保持具本体に取り付けられて下側クランプ部と上側クランプ部とでクランプされた磁性板の中間部を磁気吸着するとともに磁気吸着を解除することが可能なマグネットとを具備した保持具である。
請求項2に記載された発明は、請求項1記載の保持具において、磁性板を立てた状態で下側クランプ部の下部に位置する箇所に取り付けられた緩衝材を具備した保持具である。
請求項1記載の発明によれば、保持具本体に、磁性板を立てた状態で搬送する際に磁性板の下端を支持する下側クランプ部と、磁性板の上端を規制する上側クランプ部と、下側クランプ部と上側クランプ部とでクランプされた磁性板の中間部を磁気吸着するマグネットとを設け、平積みされた磁性板を、マグネットによる磁気吸着と、下側クランプ部および上側クランプ部によるクランプ保持とにより、立てた状態にすることができるので、従来作業のように平積みされた磁性板をクランプするために作業者が手で磁性板をずらしたり磁性板の一部に吊上げ用クランプを設置する必要がなく、作業効率を改善できるとともに、磁性板に搬送用の特別な加工を施す必要もなく、平積みされた磁性板を立てた状態にして確実に搬送できる。また、従来の吊上げ用クランプは磁性板の一方の端部のみを強く挟圧する必要があり、これにより磁性板表面にクランプ傷を付けるおそれもあったが、マグネットによる磁性板吸着と下側クランプ部および上側クランプ部による磁性板保持とにより、平積みされた磁性板を立てた状態にすることで、磁性板の一部のみを強く挟圧する必要がなく、強く挟圧することにより生じるクランプ傷の発生を防止できる。さらに、磁性板を立てた状態にして搬送するので、ある程度の範囲の磁性板の板厚の違いであれば同一の保持具で対応できるとともに、下側クランプ部に対し上側クランプ部を保持具本体に沿って遠近方向移動可能に設け、磁性板の上端となる箇所を規制する上側クランプ部の位置を上側クランプ部ロック機構により固定するので、ある程度の範囲の磁性板の板幅の違いであれば同一の保持具で対応でき、磁性板サイズの相違に柔軟に対応できる。
請求項2記載の発明によれば、平積みされた磁性板の最上部の1枚を保持具本体にセットした磁性板保持状態から、この保持具本体を立てる状態へと移行する段階で、平積み側に残された磁性板と接触するおそれがあるのは、保持具本体の下部に位置する下側クランプ部であるが、この下側クランプ部の下部に位置する箇所に緩衝材を取り付けたので、平積み側に残された磁性板の表面に擦り傷を付ける懸念を、緩衝材により防止できる。
本発明に係る保持具の一実施の形態を示す正面図である。 同上保持具の側面図である。 同上保持具の上側クランプ部ロック機構を示す正面図である。 同上保持具の吊上げ工程を示す説明図である。 同上保持具の空荷状態を示す正面図である。
以下、本発明を、図1乃至図5に示された一実施の形態に基いて詳細に説明する。
図1および図2は、磁気吸着可能な性質を有する磁性板としての鋼板Wをクレーンなどの搬送手段(図示せず)により吊り下げ搬送する際に鋼板Wの面方向を立て方向にして保持する保持具10を示す。
この保持具10は、保持具本体11に、下側クランプ部12が一体的に設けられ、上側クランプ部13が移動可能に設けられ、上側クランプ部13を固定する上側クランプ部ロック機構14が設けられ、マグネット15が一体的に設けられ、吊上げ用のアーム16が回動自在に設けられ、このアーム16の2箇所に取り付けられた被吊り金具17a,17bの少なくとも一方にチェーン、シャックルなどの吊り金具18が取り付けられたものである。
保持具本体11は、図1に示されるように鋼板Wを立てた状態で保持できるように上下方向に長尺に形成されるとともに、図2に示されるように主として2枚のプレート11a,11bにより構成されたものであり、この保持具本体11の比較的下部の背面には、作業者が搬送作業時に保持具10を保持するための把持部21を設け、また、この保持具本体11の比較的上部の側面には上側クランプ部13をスライド可能に取り付けるための上下方向に細長い形状の長穴22が穿設されている。
この保持具本体11の上端部には、搬送手段により吊り下げられる被吊下部23が設けられ、この被吊下部23に嵌着された軸部材24により吊上げ用のアーム16のほぼ中央部が回動自在に軸支されている。
このアーム16のクランク状に形成された図1右側部分にメインの被吊り金具17aが回動自在に軸支されている。この被吊り金具17aは、鋼板Wを立てた状態で保持する保持具10を吊る状態、いわゆる縦吊り状態でのバランスを保つ位置に設けられている。さらに、アーム16のy字状に形成された図1左側部分にサブの被吊り金具17bが回動自在に軸支されている。この被吊り金具17bは、鋼板Wを解放して空荷状態となった保持具10を立てた状態のままクレーンで吊ったとき、すなわち空荷縦吊り状態となったときに保持具10のバランスが崩れることを防ぐ位置に設けられている。要するに、2箇所の被吊り金具17a,17bは、クレーンで吊り上げた保持具10を常に垂直の姿勢に維持できる重量バランスが得られるように設けられている。
下側クランプ部12は、鋼板Wを縦吊り状態としたときの保持具本体11の下端部にあたる箇所にボルト25およびナット26により取り付けられ、鋼板Wを立てた状態で鋼板Wの下端となる箇所を支持する。この下側クランプ部12には鋼板脱落防止用の爪27が設けられているが、マグネット15があるので、この爪27は、無くても良いし、例えば鋼板Wの全てが同一方向に端揃えの状態で平積みされている場合は、爪27が鋼板Wの間に入らないので、そのような場合は、爪27は無い方が望ましい。
鋼板Wを立てた縦吊り状態で下側クランプ部12の下部に位置する箇所には、緩衝材28が取り付けられている。この緩衝材28は、鋼板Wより軟質の金属、合成樹脂、ゴムなどであり、鋼板Wとの接触により鋼板Wに擦り傷を付けないものが、ボルト29により下側クランプ部12に取替可能に取り付けられている。
上側クランプ部13は、鋼板Wを立てた状態で鋼板Wの上端となる箇所を規制するものであり、この上側クランプ部13の取付構造は、保持具本体11に穿設された長穴22に通した2本の軸部材31,32により、保持具本体11内に配置されたスライド部33が移動可能に結合され、このスライド部33の上側クランプ部取付部34に上側クランプ部13がボルト35およびナット36により取り付けられ、これにより下側クランプ部12に対し上側クランプ部13が保持具本体11に沿って遠近方向移動可能に設けられている。
このように、上側クランプ部13は、この上側クランプ部13と下側クランプ部12との間隔を伸縮させるよう保持具本体11に対して移動可能となっているので、異なる幅の鋼板Wの端部を保持することができる。なお、上側クランプ部13にも鋼板脱落防止用の爪37が設けられているが、マグネット15があるので、この爪37は、無くても良いし、上記のように無い方が望ましい場合もある。
スライド部33には、連結板38が一体的に設けられ、この連結板38の先端部は、軸部材39により、アーム16の被吊り金具17b近傍に穿設された長穴40に移動自在に接続されている。このため、スライド部33が上方へ移動すると、軸部材39が長穴40に沿って移動しつつ、アーム16が連動して図1時計方向に回動する。
上側クランプ部ロック機構14は、鋼板Wをクランプして縦吊り状態で搬送するときに、鋼板Wの支持点と重心位置とのずれなどで鋼板Wから上側クランプ部13に作用する力により下側クランプ部12と上側クランプ部13との間隔が開くことを防止するために、鋼板Wの上端となる箇所を規制する位置にある上側クランプ部13を固定するとともに、その固定を解除操作可能としたものであり、スライド部33の凸部41に軸部材42によりロックレバー43が回動自在に取り付けられ、このロックレバー43の先端部にこのロックレバー43を開閉操作するための把持部44が設けられ、このロックレバー43と保持具本体11との間にはスプリング45が設けられ、このスプリング45によりロックレバー43は保持具本体11側すなわちロック方向へ付勢されている。
図3に示されるように、上側クランプ部ロック機構14は、ロックレバー43の保持具本体11側に、複数の歯46が、上側クランプ部13の稼働範囲とほぼ同じ範囲にわたって所定のピッチで突出され、これらの歯46に対して逆止爪47が係脱自在に設けられている。この逆止爪47は、保持具本体11から突出された取付板48に軸部材49により回動自在に軸支され、スプリング50により図3時計方向に付勢されている。
上側クランプ部ロック機構14の各々の歯46は、図3に示されるように、ロックレバー43が上方へ移動して上側クランプ部13が開く方向に動作することを規制するために逆止爪47と係合して上方への移動を阻止する係止面部46aをそれぞれ有するとともに、ロックレバー43が下方へ移動して上側クランプ部13が閉じる方向に動作するときは逆止爪47を退避させながら下方への移動を可能とする斜面部46bをそれぞれ有する。
すなわち、クランプ閉方向の動作については、逆止爪47が図3反時計方向に回避運動しながら各歯46の斜面部46bを乗り越えることで、逆止爪47と歯46との係合を逃がすので、ロックレバー43は、クランプ開方向にはロック状態であってもクランプ閉方向には動作可能である。歯46を1つ超えると逆止爪47はスプリング50の力で元の角度姿勢に戻るので、歯46のピッチ分の幅を単位としてクランプ間隔の調整が可能である。
上側クランプ部ロック機構14の逆止爪47は、その尖端よりやや回動支軸側にて突出された小さな凸部51を有し、この凸部51は、ロックレバー43に設けられた凸片52と係脱自在であり、係合時はロックレバー43を上方へ移動したクランプ解放状態を保つことができる。
マグネット15は、図1に示されるように保持具本体11の凹形に形成されたマグネット取付部53に、図2に示される取付板54およびボルト55により取り付けられている。このマグネット15は、図4に示されるように平積み状態の鋼板Wを吸着させて持ち上げる際から縦吊り搬送中にわたって磁気吸着状態となるようにオン操作されるが、縦吊り状態においてはマグネット15のみで鋼板Wを保持することは困難であるから、下側クランプ部12および上側クランプ部13により保持された鋼板Wをマグネット15により側方から吸着することで、鋼板Wが脱落することを防ぐ役割がある。
このマグネット15は、マグネット本体内に設けられた永久磁石を外部の操作レバー56により図1に実線で示されたオン位置に回動することで、磁束の経路がマグネット15の磁気吸着面を経て鋼板Wを通るようにして鋼板Wを吸着し、また永久磁石を外部の操作レバー56により図1に2点鎖線で示されるオフ位置に回動することで、磁束の経路がマグネット15の磁気吸着面を経ないようにして変化させて鋼板Wの吸着を解除するものであり、下側クランプ部12と上側クランプ部13とでクランプされた鋼板Wの中間部を磁気吸着するとともに、この磁気吸着を解除する切替操作が可能である。
なお、マグネット15は、電磁石とすることも可能であり、その場合は通電を制御して励磁および消磁を制御する。
図1および図2に示されるように、マグネット15の操作レバー56にはワイヤ連結部57が設けられ、このワイヤ連結部57と前記逆止爪47のスプリング50とが、保持具本体11の側面に取り付けられたワイヤ挿通環58を通したワイヤ59により接続されている。このワイヤ59は、図1に示されるようにオン位置の操作レバー56によりスプリング50を機能させ、図5に示されるようにオフ位置の操作レバー56によりスプリング50を機能させない状態にする。
次に、図4および図5を参照しながら、本保持具10を用いた鋼板Wの吊り上げ搬送プロセスを説明する。
図4(a)に示されるように、吊り金具18を介してクレーンに吊り下げられた保持具10を、平積みされた鋼板Wの一番上に置く。
このとき、マグネット15の操作レバー56はオフ位置にあって、マグネット15は磁気吸着解除状態にあり、また、上側クランプ部ロック機構14もオフ状態にある。すなわち、ロックレバー43を図4(a)に2点鎖線で示されるように上方へ開放したロック解除状態とすることで、ロックレバー43を動かして上側クランプ部13を右側へ移動させることができるので、ロックレバー43を図4(a)に実線に示される位置まで把持部44を用いて手で動かし、下側クランプ部12と上側クランプ部13との間のクランプ間隔を鋼板Wの幅よりも広げておく。
さらに、下側クランプ部12を最上部の鋼板Wの端部側面に密着させる。この下側クランプ部12は、鋼板Wを縦吊りした場合に鋼板Wの自重を受ける側となるので、この下側クランプ部12が鋼板Wの端部側面と必ず密着するように注意する。
図4(b)に示されるように、マグネット15の操作レバー56をオン位置に回動して最上部の鋼板Wを磁気吸着するとともに、ロックレバー43を図4(b)に示される位置まで把持部44を用いて手で動かして、ロックレバー43と共に移動する上側クランプ部13を下側クランプ部12側へ動かし、下側クランプ部12と上側クランプ部13との間のクランプ間隔を狭めていくことにより、上側クランプ部13を鋼板Wの端部側面に密着させ、上側クランプ部13により鋼板Wの端部側面が動かないように規制する。
このとき、図3に示されるようにロックレバー43の歯46の1つが逆止爪47により係止される状態、すなわち上側クランプ部ロック機構14がロックオン状態となっているので、下側クランプ部12と上側クランプ部13とで最上部の鋼板Wを保持する保持状態が確保される。
図4(c)に示されるように、クレーンを操作して保持具10をゆっくり上方に持ち上げ、最上部の鋼板Wを平積み状態から少しずつ図4(d)に示される縦吊り状態に移行させる。平積み状態においてマグネット15により吸着された鋼板Wは、縦吊り状態への移行初期における持ち上げ工程ではマグネット15の吸着力によるところが大きいが、縦吊り状態への移行終期および縦吊り状態においては、鋼板Wは主に下側クランプ部12で支持され、マグネット15は鋼板Wの倒れすなわち脱落を防止する役割を果たす。
また、縦吊り状態にある鋼板Wの支持点と重心位置とのずれなどで鋼板Wから上側クランプ部13に上向きの力が作用しても、上側クランプ部ロック機構14の働きにより上側クランプ部13が開く方向の動作は規制されているので、吊り作業中に誤って上側クランプ部13が開いて鋼板Wが脱落することはない。
このように鋼板Wを平積み状態から持ち上げ、縦吊りして搬送する際は、鋼板Wの上方に位置するメインの被吊り金具17aのみにチェンおよびシャックル等の吊り金具18を取り付けて作業するので、鋼板Wをクランプして縦吊りした状態において、鋼板Wを含む保持具全体がバランスよく吊り下げられる。また、多少の鋼板Wの大小があっても、保持具全体の水平方向の重心位置が大きく変わることはないので、バランスは損なわれない。
クレーンにより縦吊り搬送された鋼板Wを、その縦吊り状態のまま仮付溶接治具(図示せず)にセットする。
このとき、メインの被吊り金具17aの吊り穴のみで鋼板Wを吊り下げたまま鋼板Wを保持具10から解放すると、縦吊りされた保持具10の重量バランスが崩れ、保持具10の姿勢が、被吊り金具17aの吊り穴を中心として揺れ動く不安定な状態となってしまうので、これを防止するために、鋼板Wを保持具10から解放する前に、図5に示されるようにサブの被吊り金具17bにも吊り金具18aを取り付けて2箇所の吊り穴で保持具10を吊り下げるようにする。
この2点吊り下げ状態でマグネット15の操作レバー56を図5に示されるようにオフ位置に操作して磁気吸着を解除するとともに、ロックレバー43を開放・上昇操作して上側クランプ部13を図5に示されるように上方へ移動させることで、鋼板Wを保持具10から解放すると、その解放したときに、2箇所の吊り穴で保持具10の姿勢を垂直の安定した状態に保つことができ、保持具10の重量バランスの崩れによる揺れ動きを防止でき、鋼板Wを保持具10から解放した後の作業性を向上できる。
以上のようにして、マグネット15による磁気吸着と、下側クランプ部12および上側クランプ部13によるクランプ保持とにより、平積みされた鋼板Wを縦吊り状態にして搬送し、そのまま仮付溶接治具などに据え付けることができる。
次に、図示された実施の形態の効果を説明する。
平積みされた鋼板Wを、マグネット15による磁気吸着と、下側クランプ部12および上側クランプ部13によるクランプ保持とにより、立てた状態にすることができるので、従来の吊り作業のように、平積みされた鋼板Wの最上部の1枚をクランプするために作業者が手で鋼板Wをずらしたり鋼板Wの一部に吊上げ用クランプを設置する必要がなく、作業効率を改善できるとともに、鋼板Wに搬送用の特別な加工を施す必要もなく、平積みされた鋼板Wを立てた状態にして確実に搬送できる。
従来の吊上げ用クランプは鋼板Wの一部のみを強くクランプする必要があり、これにより鋼板Wの表面にクランプ傷などが発生することもあったが、マグネット15による磁性板吸着と下側クランプ部12および上側クランプ部13による鋼板保持とにより、平積みされた鋼板Wを立てた状態にすることで、鋼板Wの一部のみを強くクランプする必要がなく、強くクランプすることにより生じるクランプ傷の発生を防止できる。
従来の吊り作業においては縦吊りされた鋼板端部の角部が平積みされた残りの鋼板Wの表面を擦ることで鋼板Wの表面に擦り傷が発生していたが、保持具本体11の把持部21に手を掛けて、平積みされた鋼板Wの表面を擦らないように保持具本体11を補助操作することも可能である。
平積みされた鋼板Wの最上部の1枚を保持具本体11にセットした鋼板保持状態から、この保持具本体11を立てる状態へと移行する段階で、平積み側に残された鋼板と接触するおそれがあるのは、保持具本体11の下部に位置する下側クランプ部12であるが、この下側クランプ部12の下部に位置する箇所に緩衝材28を取り付けたので、平積み側に残された鋼板の表面に擦り傷を付ける懸念を、緩衝材により防止できる。
鋼板Wを立てた状態にして搬送するので、ある程度の範囲の鋼板Wの板厚の違いであれば同一の保持具10で対応できるとともに、下側クランプ部12に対し上側クランプ部13を保持具本体11に沿って遠近方向移動可能に設け、鋼板Wの上端となる箇所を規制する上側クランプ部13の位置を上側クランプ部ロック機構14により固定するので、ある程度の範囲の鋼板Wの板幅の違いであれば同一の保持具10で対応でき、鋼板サイズの相違に柔軟に対応できる。
なお、本発明の保持具10は、例えば油圧ショベルのブーム用鋼板などを平積み状態から縦吊り状態にして搬送する場合などに用いることが好適であるが、このような用途の鋼板に限定されるものではなく、磁気吸着可能な磁性板であれば広く適用できる。
本発明は、平積み状態の磁性板を立てた状態で搬送する保持具を製造、販売または使用する事業者にとって産業上の利用可能性がある。
W 磁性板としての鋼板
10 保持具
11 保持具本体
12 下側クランプ部
13 上側クランプ部
14 上側クランプ部ロック機構
15 マグネット
28 緩衝材

Claims (2)

  1. 磁性板を搬送手段により搬送する際に磁性板の面方向を立て方向にして保持する保持具であって、
    搬送手段により搬送される保持具本体と、
    保持具本体の一端部に一体的に設けられ、磁性板を立てた状態で磁性板の下端となる箇所を支持する下側クランプ部と、
    下側クランプ部に対し保持具本体に沿って遠近方向移動可能に設けられ、磁性板を立てた状態で磁性板の上端となる箇所を規制する上側クランプ部と、
    磁性板を規制する位置にある上側クランプ部を固定するとともにその固定を解除操作可能な上側クランプ部ロック機構と、
    保持具本体に取り付けられて下側クランプ部と上側クランプ部とでクランプされた磁性板の中間部を磁気吸着するとともに磁気吸着を解除することが可能なマグネットと
    を具備したことを特徴とする保持具。
  2. 磁性板を立てた状態で下側クランプ部の下部に位置する箇所に取り付けられた緩衝材
    を具備したことを特徴とする請求項1記載の保持具。
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