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JP6219981B2 - スラリー粘度特性に優れたカーボンブラック、リチウムイオン二次電池電極用スラリー組成物及びリチウムイオン二次電池 - Google Patents

スラリー粘度特性に優れたカーボンブラック、リチウムイオン二次電池電極用スラリー組成物及びリチウムイオン二次電池 Download PDF

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Description

本発明は、スラリー粘度特性に優れたカーボンブラック及びリチウムイオン二次電池電極用スラリー組成物、リチウムイオン二次電池に関する。
リチウムイオン二次電池はスマートフォンやタブレット型パソコンなど小型電子機器の電源として幅広く用いられている。リチウムイオン二次電池は一般に、電極、セパレータ、電解質を含む電解液を備えて構成される。電極は、活物質、導電剤、バインダーなどを溶媒に分散させた合材スラリーを集電体用金属板上に塗工・乾燥させ、合材層とすることで製造される。
導電剤の役割は、導電性の低い活物質に導電性を付与すること、充放電時に活物質が繰り返し膨張収縮して導電性が損なわれるのを防止することである。そのため、電極内で活物質と導電剤の分散状態が悪いと、局所的に導電性の劣る部分が現れ、活物質が有効に利用されずに放電容量が低下し、電池特性が低下する原因となる。すなわち、電池特性は活物質の化学組成や導電剤の導電性といった材料特性だけでなく、合材層中の材料の配合比率及び混合・分散状態、合材層の密度、空隙率といった構造的特性にも影響を受けるため、それらの最適化が必要となる。また、合材層の構造を最適な状態に維持しながら、安定的に電極を生産し続けるためには、合材スラリーの塗工むらや乾燥後の合材層厚みのばらつきを極限まで減少させる必要がある。
従来から導電剤に使用されているカーボンブラックの比表面積は40〜70m/g程度であり、正極活物質の比表面積(0.2〜1.0m/g)と比べて非常に高い。例えば比表面積0.7m/gの正極活物質92質量部と、比表面積65m/gの導電剤8質量部を混合した場合、導電剤が占める表面積の比率は89%にも及ぶことになり、合材スラリーの粘度特性には導電剤の特性が支配的であることがわかる。
近年、リチウムイオン二次電池のさらなる高容量化が求められており、合材層中の活物質の配合比率は増加し、逆に導電剤やバインダーの配合比率は減少する傾向にある。導電剤の配合比率が減少すると電極内での導電パスの形成が困難となり、電池特性が低下してしまう。そこで小粒径の導電剤を用いることで導電パスを維持する検討が行われている。しかしながら、小粒径化に伴い比表面積が高くなり、合材スラリーの粘度が著しく上昇してしまうため、均一分散が困難となる。また、吸液性も高くなってしまうため、合材層中のバインダーをトラップしてしまい、合材層と集電体の密着性(電極密着性)が低下してしまうという問題があった。
そこで合材スラリーの均一分散を目的として、特許文献1では高圧ジェットミルにより導電剤を分散させる試みが検討されている。しかしこの方法によると特殊な装置による処理が必要であり、また、サブミクロンオーダーにまで微細化されるため、導電剤の微細構造が変化し、導電性が低下するといった問題があった。特許文献2では活物質とバインダーからなる固形分材料の凝集状態を制御する検討がなされているが、導電剤の凝集状態は制御しておらず、小粒径の導電剤を用いる場合には目標とする合材スラリー特性を達成することが困難であった。また、特許文献3ではあらかじめ幅広い粒径分布を有する導電剤スラリーを調整することが検討されているが、導電剤の微細構造が解砕されない条件で処理しているため、凝集力が強い小粒径の導電剤の粒径分布を制御することはできなかった。
特開2004−281096号公報 特許第5500395号公報 特許第5561559号公報
本発明の目的は、スラリー粘度特性に優れたカーボンブラック及びリチウムイオン二次電池電極用スラリー組成物、リチウムイオン二次電池を提供することである。
本発明は、上記の課題を解決するために、以下の手段を採用する。
(1)比表面積が100m/g以上、DBP吸収量が150ml/100g以上250ml/100g未満、一次平均粒径が30nm未満であり、外接長方形の縦横比が1.50未満であるストラクチャーの存在個数割合が70%以上であるカーボンブラック。
)活物質、導電剤、バインダー及び溶剤を含み、導電剤が前記(1)に記載のカーボンブラックであるリチウムイオン二次電池電極用スラリー組成物。
)固形分の配合比率が活物質80〜99.8質量%、導電剤0.1〜10質量%、バインダー0.1〜10質量%、固形分濃度が50〜85質量%であり、せん断速度1s−1における粘度が10Pa・s以下である前記()に記載のスラリー組成物。
)前記()または()に記載のスラリー組成物を用いるリチウムイオン二次電池。
本発明のカーボンブラックは導電性、スラリー粘度特性及び電極密着性に優れているため、高性能なリチウムイオン二次電池を生産性良く提供することができる。
外接長方形の縦横比が1.50未満であるストラクチャーの一例 外接長方形の縦横比が1.50以上であるストラクチャーの一例
1 カーボンブラック
2 外接長方形
3 外接長方形の長辺長さ
4 外接長方形の短辺長さ
本発明のカーボンブラックの比表面積は100m/g以上であり、リチウムイオン二次電池の導電剤として従来から使用されているカーボンブラックの比表面積と比べて高いことが特徴である。比表面積はJIS K6217−2:2001に従って測定することができ、粒子の小粒径化や中空化、粒子表面の多孔質化などにより高めることができる。このように高比表面積を有するカーボンブラックはマトリックス中でのパーコレーション効果により導電性付与能力が高くなるため、導電剤として有効である。比表面積が100m/g未満であると合材層中で活物質との接触点が少なくなり、十分な導電性を発揮できなくなる。一方で比表面積は250m/g以下であることが好ましい。比表面積が250m/gを超えると合材スラリー中での分散性が低下するため、電極内において局所的に導電性の劣る部分が生じ、電池特性が低下してしまう。
本発明のカーボンブラックは、外接長方形の縦横比が1.50未満であるストラクチャーの存在個数割合が70%以上であることを特徴とする。ここでカーボンブラックのストラクチャーとは一次粒子が連結した構造のことであり、従来のカーボンブラックは小粒径化に伴い、複雑に絡み合った形状で発達することが知られている。また、ここで外接長方形とは、カーボンブラックのストラクチャーを完全に取り囲み、面積が最小となる長方形で定義される。ストラクチャーの外接長方形の縦横比は、クロロホルムで分散し、コロジオン膜メッシュで掬い取ったカーボンブラックを透過型電子顕微鏡(観察倍率2000倍)で撮影し、その画像から画像解析ソフト(例えば、Media Cybernetic
s社製「Image−Pro Plus 6.2J」)を用いて測定した外接長方形の長辺長さを短辺長さで除することで求められる。ストラクチャーは立体的な構造を持つが、上述のように観察することにより、ストラクチャーの特徴である長手方向の長さを捉えることができる。また、無作為に選択した100個以上のカーボンブラックのストラクチャーについて外接長方形の縦横比を測定することで、外接長方形の縦横比が1.50未満であるストラクチーの存在個数割合を算出することができる。
本発明者はカーボンブラックのスラリー粘度特性を改善するために鋭意検討を行った結果、カーボンブラックのストラクチャー形状がこの特性に大きく影響することを見出した。すなわち、外接長方形の縦横比が1.50未満であるストラクチャーはアスペクト比が小さく、球状に近い形状となる。このような形状を有するストラクチャーの存在個数割合が70%以上であるカーボンブラックは、合材スラリー混練時に近接するカーボンブラックや他の材料との流動抵抗を低減することができる。また、一次粒子同士が密な状態で合着し、粒子間の空隙が少ないため、空隙にある気泡と溶剤との置換が容易になり、濡れ性が向上する。以上の効果により、小粒径で高比表面積のカーボンブラックであっても、合材スラリーの粘度上昇による塗工むらや乾燥後の合材層厚みのばらつきを極限まで減少させることができる。さらに電極内での活物質と導電剤の分散状態、接触状態が良くなることで、局所的な導電性の低下や電池の放電容量の低下を抑制することができる。外接長方形の縦横比が1.50未満であるストラクチャーの存在個数割合が70%未満であると、合材スラリーの粘度上昇抑制の効果は小さくなる。外接長方形の縦横比が1.50以上であると、分枝が多方向に伸長したストラクチャー形状となるため、合材スラリー混練時に互いに絡まり、急激な粘度上昇が生じてしまう。
本発明のカーボンブラックのDBP吸収量は250ml/100g未満である。ここでDBP吸収量とは、カーボンブラックの粒子表面及びストラクチャーや凝集粒子が作る空隙にジブチルフタレートを吸収する能力を評価する指標であり、JIS K6217−4:2008に従って測定することができる。ストラクチャーの発達したカーボンブラックでは、一次粒子が融着してできるネック部や粒子同士が凝集して形成される空隙が多くなるためDBP吸収量が多くなる。DBP吸収量が250ml/100g以上であるとカーボンブラックのストラクチャーに合材層中のバインダーがトラップされてしまい、活物質や集電体などの他材料との密着性が低下してしまう。一方で、DBP吸収量は150ml/100g以上であることが好ましい。DBP吸収量が150ml/100g未満であるとストラクチャーが十分に発達していないために導電パスが形成されず、導電性付与能力が低下してしまう。また、二次電池に用いた場合には、充放電に伴う活物質の体積変化を緩衝することができず、サイクル特性などの電池特性が低下してしまう。
本発明のカーボンブラックの平均一次粒子径は50nm未満であることが好ましく、30nm未満であることがさらに好ましい。従来からリチウムイオン二次電池の導電剤に用いられるカーボンブラックは、外接長方形の縦横比が1.50未満であるストラクチャーの存在個数割合が70%未満であるため、平均一次粒子径が30nm未満になるとスラリー化が困難であった。一方、本発明のカーボンブラックは、外接長方形の縦横比が1.50未満であるストラクチャーの存在個数割合が70%以上であり分散性に優れているため、平均一次粒子径が30nm未満であってもスラリー化することができる。このように小粒径のカーボンブラックの使用が可能となることにより、合材層における配合比率が低くても高い導電性を発揮することができる。カーボンブラックの平均一次粒子径は、透過型電子顕微鏡の5万倍画像から無作為に選択した100個以上のカーボンブラックの一次粒子径を測り、平均値を算出して求めることができる。カーボンブラックの一次粒子はアスペクト比が小さく真球に近い形状をしているが、完全な真球ではない。そこで、TEM画像における一次粒子の外周2点を結ぶ線分のうちで最大のものをカーボンブラックの一次粒子径とした。
本発明に係るカーボンブラックの製造方法は特に限定されるものではなく、例えば、炭化水素などの原料ガスを反応炉の炉頂に設置されたノズルから供給し、熱分解反応及び又は部分燃焼反応によりカーボンブラックを製造し、反応炉下部に直結されたバグフィルターから捕集することができる。使用する原料ガスは特に限定されるものではなく、アセチレン、メタン、エタン、プロパン、エチレン、プロピレン、ブタジエンなどのガス状炭化水素や、トルエン、ベンゼン、キシレン、ガソリン、灯油、軽油、重油などのオイル状炭化水素を使用することができる。これらの複数を混合して使用することもできる。中でも不純物が少ないアセチレンガスを使用することが好ましい。アセチレンガスの分解熱により反応炉内の温度が高くなるため、カーボンブラックの均一な核生成が起こり、一次粒子径が30nm未満のカーボンブラックを得ることができる。
原料ガスとは別に、酸素ガス、水素ガス、窒素ガスなどを使用することができる。中でも、酸素ガスを使用することが好ましい。酸素ガスを使用すると賦活作用によりカーボンブラックが多孔質化され、比表面積を高めることができる。
カーボンブラックのストラクチャー形状は、反応炉の形状や原料ガスの供給量などによって調整できる。例えば、原料ガスの供給量が多くなると、生成されるカーボンブラックの一次粒子同士が反応炉内で衝突する頻度が高くなるため、ストラクチャーが発達し、DBP吸収量が高くなる。本発明のストラクチャー形状を有するカーボンブラックを得るためには、反応炉内への原料ガスの噴出速度を6m/s以上とすることが好ましい。ここでカーボンブラックのストラクチャー形成は、反応炉内に供給された原料ガスが瞬時に熱分解及び又は部分燃焼することでカーボンブラックの核生成及び粒成長が起こり、捕集設備に移動する間の反応炉内低温領域でカーボンブラック粒子が互いに融着して鎖状につながることで説明される。反応炉内への原料ガスの噴出速度が6m/s以上であると、反応炉内のガス撹拌が促進され、ストラクチャー形成領域におけるカーボンブラック粒子の衝突が短時間で多量に起こるため、分枝状の複雑な構造のストラクチャーが形成され難くなると推察される。また、反応炉内での滞留時間が短縮されるため、過度なストラクチャーの成長によるDBP吸収量の増加を防ぐことができる。
本発明のリチウムイオン二次電池電極用スラリー組成物は、活物質、導電剤、バインダー、溶剤を含む。なお、目的に応じて分散剤や難燃剤などの添加剤を含有させることもできる。スラリー組成物の固形分配合比率は活物質80〜99.8質量%、導電剤0.1〜10質量%、バインダー0.1〜10質量%であることが好ましい。本発明のカーボンブラックを導電剤に用い、上記固形分配合とすることにより、合材スラリーの粘度特性や導電性を損なうことなく合材層中の活物質の配合比率を高めることができ、リチウムイオン二次電池の高容量化が達成できる。また、本発明のカーボンブラックを用いることにより、同一の固形分配合であっても導電性を向上させることができ、リチウムイオン二次電池の高出力化が達成できる。なお導電剤には、本発明のカーボンブラックの導電性付与能力、分散性を阻害しない範囲でその他のカーボンブラック、黒鉛、カーボンナノチューブ、カーボンナノファイバー等を添加することができる。本発明のリチウムイオン二次電池電極用スラリー組成物の固形分濃度は50〜85質量%であることが好ましい。固形分濃度が85質量%を超えると合材スラリー混練時に強いせん断が加わるため、導電剤の一次凝集が破壊され、導電性が低下してしまう。また、乾燥工程においてひび割れが生じやすくなる。一方、固形分濃度が50質量%未満であると塗工後の乾燥工程で時間を要するため、生産性が低下してしまう。
本発明のリチウムイオン二次電池電極用スラリー組成物は、せん断速度1s−1における粘度が10Pa・s以下であることが好ましい。集電体への合材スラリー塗工方法にはドクターブレード法、ロールコーター法、ダイコーター法などがあるが、塗工速度は10〜50m/min程度が一般的である。この領域に相当するせん断速度1s−1における粘度が10Pa・s以下であると均一な塗工が可能となる。せん断速度1s−1における粘度は1Pa・s以上であることが好ましい。1Pa・s未満であると塗工後に活物質の沈降が起こりやすくなり、合材層の構造に偏りが生じてしまうおそれがある。合材スラリーの粘度はレオメーターによって測定することができる。なお本発明における粘度とは測定温度25℃における粘度とする。合材スラリーの粘度は活物質、導電剤、バインダーといった固形分の配合比率や、固形分濃度、分散条件、分散剤の添加、導電剤であるカーボンブラックのストラクチャー形状などを変更することによって調整できる。
本発明のリチウムイオン二次電池電極用スラリー組成物に用いられる活物質は特に限定されるものではないが、正極活物質であれば、起電力を高めることができるコバルト酸リチウム、ニッケル・マンガン・コバルト酸リチウムなどのコバルトやマンガンを含むリチウム含有遷移金属酸化物であることが好ましい。また、活物質の平均粒子径は1〜20μmであることが好ましい。1μm未満であると合材スラリーが増粘してしまい、20μmを超えると平滑な電極を作製することが困難となる。負極活物質には天然黒鉛、人造黒鉛、グラファイト、活性炭、コークス、ニードルコークス、フリュードコークス、メソフェーズマイクロビーズ、炭素繊維、熱分解炭素など、各種の炭素質材料を使用することができる。
本発明のリチウムイオン二次電池電極用スラリー組成物に用いられるバインダーは特に限定されるものではなく、例えばポリエチレン、ニトリルゴム、ポリブタジエン、ブチルゴム、ポリスチレン、スチレン・ブタジエンゴム、多硫化ゴム、ニトロセルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール、四フッ化エチレン樹脂、ポリフッ化ビニリデン、ポリフッ化クロロプレンなどを使用することができる。また、これらをあらかじめ溶剤に溶解させたものを使用することもできる。
本発明のリチウムイオン二次電池電極用スラリー組成物に使用する溶剤は特に限定されるものではなく、例えばN−メチルピロリドンやエタノール、酢酸エチルなどを使用することができる。
本発明のリチウムイオン二次電池電極用スラリー組成物作製時の混練方法は特に限定されるものではなく、例えばミキサー、ニーダー、分散機、ミル、自転公転式回転装置などの一般的な装置を使用することができる。
本発明のリチウムイオン二次電池は、例えば、本発明の合材スラリーを金属箔からなる集電体に塗工、その後乾燥して被着させることによって製造することができる。正極と負極とをセパレータを介して積層あるいは捲回して形成される電極群に電解液を浸漬することで二次電池を製造することができる。本発明の合材スラリーは小粒径、高比表面積の導電剤を含有しながらも優れた塗工性を有するため、高容量リチウムイオン二次電池を生産性良く提供することができる。
集電体は特に限定されるものではなく、金、銀、銅、白金、アルミニウム、鉄、ニッケル、クロム、マンガン、鉛、タングステン、チタン等、乃至これらを主成分とする合金の金属箔が使用される。正極にはアルミニウムを、負極には銅を用いることが好ましい。
電解液は特に限定されるものではなく、リチウム塩を含む非水電解液またはイオン伝導ポリマーなどを使用することができる。リチウム塩を含む非水電解液における非水電解質の非水溶媒としては、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジエチルカーボネート、ジメチルカーボネート、メチルエチルカーボネートなどが挙げられる。また、非水溶媒に溶解できるリチウム塩としては、六フッ化リン酸リチウム、ホウ四フッ化リチウム、トリフルオロメタンスルホン酸リチウムなどが挙げられる。
セパレータは特に限定されるものではなく、ポリエチレンやポリプロピレンなどの合成樹脂を使用することができる。電解液の保持性が良いことから多孔性フィルムを用いることが好ましい。
以下、実施例により本発明を詳細に説明する。しかし、本発明の範囲は以下の実施例に限定されるものではない。
実施例1
カーボンブラック反応炉(炉長5m、炉直径0.5m)の炉頂に設置されたノズルから原料ガスであるアセチレンガスを15m/h、酸素ガスを9m/h噴出し、アセチレンガスの熱分解及び燃焼反応を利用してカーボンブラックを製造した。なお、ノズル径の調整により原料ガスの噴出速度を6.5m/sとした。得られたカーボンブラックについて、以下の物性を測定した。評価結果を表1に示す。
(1)比表面積:JIS K6217−2:2001に従い測定した。
(2)外接長方形の縦横比が1.50未満であるストラクチャーの存在個数割合:透過型電子顕微鏡の2000倍画像から、画像解析ソフト(Media Cybernetics社製「Image−Pro Plus 6.2J」)により無作為に選択した100個以上のカーボンブラックのストラクチャーについて外接長方形の縦横比を測定し、外接長方形の縦横比が1.50未満であるストラクチャーの存在個数割合を算出した。
(3)DBP吸収量:JIS K6217−4:2008に従い測定した。
(4)平均一次粒子径:透過型電子顕微鏡の5万倍画像より、無作為に選択した100個以上のカーボンブラック一次粒子径を測り、平均値を算出した。
得られたカーボンブラック3質量部と、活物質としてLiNi1/3Mn1/3Co1/3(日本化学工業社製「CELLSEED NMC Ni:Mn:Co=1:1:1」)94質量部、バインダーとしてポリフッ化ビニリデン(クレハ社製「クレハKFポリマーW#1100」)3質量部、溶剤としてN−メチルピロリドン(Aldrich社製)60質量部を脱泡混練機(日本精機製作所社製「NBK−1」)回転数1000rpmの条件で15分間混練し、固形分濃度62.5質量%の合材スラリーを作製した。この合材スラリーの25℃における粘度を粘弾性測定機(AntonPaar社製「MCR102」、φ30mm、角度3°のコーンプレート使用、ギャップ1mm)で評価した。せん断速度は0.01から100s−1へ変化させて測定し、せん断速度1s−1における粘度を求めた。測定結果を表1に示す。
得られた合材スラリーを厚さ20μmのアルミニウム箔(集電体)上に塗工機(宝泉株式会社製「MINI−COATER MODEL:MC10」)を用いて塗工し、乾燥したものをプレス、裁断して、正極を作製した。この正極を幅25mm、長さ100mmに切り、合材層表面に粘着テープを貼り付けた後、アルミニウム箔の一端を引張り試験機(エー・アンド・デイ社製「テンシロン万能試験機」)を用いて剥離方向180°、剥離速度100mm/minで引き剥がしたときのピール強度を測定した。
また、正極の極板抵抗を交流インピーダンス法により評価した。具体的には、正極をSUS製三極式セルにセットして、インピーダンスアナライザー(東陽テクニカ社製「電気化学測定システム12608W型」、電極面積1.54cm、掃引周波数1MHz→1Hz、印加電圧10mV、測定温度20度)で交流抵抗を測定した。評価結果を表1に示す。
正極に対する対極に金属リチウム(本城金属社製)を用い、これらを電気的に隔離するセパレータとしてポリオレフィン繊維製不織布を用いてコインセル(CR−2032型)を作製した。電解液にはエチレンカーボネート(Aldrich製)/ジメチルカーボネート(Aldrich製)を1/1の容積比で混合した溶液中に六フッ化リン酸リチウム(ステラケミファ社製)を1mol/L溶解させたものを用いた。電池の放電試験として、電池を初充電後、充放電効率が100%近傍になるのを確認後、0.7mA/cmの電流密度にて定電流放電を3.0Vまで行った際の放電容量を測定した。測定結果を表1に示す。
実施例2〜7、参考例8、比較例1〜2
原料ガスの供給量、酸素ガスの供給量、原料ガスの噴出速度を表1に示すように変えたこと以外は実施例1と同様にしてカーボンブラックを得た。測定結果を表1に示す。
実施例9
合材層中の配合比率を活物質96質量部、カーボンブラック2質量部、バインダー2質量部に変えたこと以外は実施例1と同様にして合材スラリーを得た。測定結果を表1に示す。
表1の測定結果より、本発明のカーボンブラックは導電性、スラリー粘度特性及び電極密着性に優れており、高性能なリチウムイオン二次電池を生産性良く提供することができる。
本発明のカーボンブラックはリチウムイオン二次電池電極用スラリー組成物及びリチウムイオン二次電池に好適に利用することができる。




Claims (4)

  1. 比表面積が100m/g以上、DBP吸収量が150ml/100g以上250ml/100g未満、平均一次粒子径が30nm未満であり、外接長方形の縦横比が1.50未満であるストラクチャーの存在個数割合が70%以上であるカーボンブラック。
  2. 活物質、導電剤、バインダー及び溶剤を含み、導電剤が請求項1に記載のカーボンブラックであるリチウムイオン二次電池電極用スラリー組成物。
  3. 固形分の配合比率が活物質80〜99.8質量%、導電剤0.1〜10質量%、バインダー0.1〜10質量%、固形分濃度が50〜85質量%であり、25℃でせん断速度1s−1における粘度が10Pa・s以下である請求項に記載のスラリー組成物。
  4. 請求項または請求項に記載のスラリー組成物を用いるリチウムイオン二次電池。
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