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JP6214912B2 - 空気入り安全タイヤ - Google Patents

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Description

本発明は、高速耐久性、耐フラットスポットの空気入り安全タイヤに関する。
ランフラットタイヤのタイヤの空気が抜けたときは、サイドウォールが折れ曲がり、擦れ等によりタイヤが故障し、走行不能となる。そこでサイドウォールが折れ曲がりにくくなるように、折れ曲がる内側には圧縮変形に強いゴムを配し、歪みを抑制するために、カーカス部のタイヤコードには、弾性率の高い繊維を用いるのが好ましい。そこで一般的には弾性率が大きく、高温での接着低下が少ない、レーヨン繊維が用いられることが多い。しかしレーヨンコードは単位断面積あたりの強度が、一般的なポリエステルやポリアミドと比較して低いため、複数のカーカス層にする、又は、太いコードを用いるなどの必要があり、タイヤ重量の抑制が難しい。
またポリアミドの場合、一般的なPA66の場合は弾性率が低い、熱収縮率が大きいなどの理由によりタイヤの均一性(ユニフォミティ)やクリープ特性、フラットスポットなどの性能が劣るため、カーカス材料に用いるのは難しい。
一方、PA66よりも高弾性・高耐熱である「ナイロンMXD6(芳香族を主鎖に含むナイロン)」をフィルム状に形成し、ベルト補強層に用いてロードノイズ、タイヤ耐久性を向上させる発明が、特許文献1及び2に開示されているが、ヤング率は50〜500MPaであり剛性が低いため、タイヤ性能が十分に確保できない。
特許第3568323号公報 特許第3568324号公報
タイヤのカーカスに、より弾性率の大きい材質を用い、高速耐久性、フラットスポット性を向上させる。
弾性率が大きく、補強効果がPA66より優れた、ポリアミド繊維を含む有機繊維からなる単独、又はハイブリッドコードにより、カーカスが補強されたタイヤ。
すなわち、本発明は、次の(1)〜()に存する。
(1) カーカスに一般式(I)で表される、芳香環を含むジアミンと、ジカルボン酸を含むモノマーユニットの縮合重合によって得られるポリアミド繊維を用いたタイヤ。
Figure 0006214912
(Arは1〜3個の、炭素数4〜14の複素環を含んでもよい芳香環からなる、多環芳香族化合物から任意の位置の水素2つを除いてなる2価の多環芳香族基であり、複素環を含んでもよい芳香環が2つ以上含まれるときは、それぞれの複素環を含んでもよい芳香環が結合したものである。Y、Yは水素原子又は、炭素数1〜4の直鎖又は分枝のアルキル基を表し、互いに同じでも異なっていてもよく、R〜Rは水素原子又は、炭素数1〜6の直鎖、分岐、又は環状の炭化水素基、ハロゲン原子を表し、互いに同じでも、異なっていてもよい。n1、n2は0〜3までの整数を表し、互いに同じでも異なっていてもよく、n1が2以上の時、2つ以上のCRにおける、2つ以上のR同士や2つ以上のR同士は互いに同じでも、異なっていてもよく、同様にn2が2以上の時、2つ以上のCRにおける、2つ以上のR同士や2つ以上のR同士は互いに同じでも、異なっていてもよい。Ar上の芳香環を構成する炭素原子は、炭素数1〜4までの直鎖、又は分岐の炭化水素やハロゲン原子で置換されていてもよい)。
(2) 上記ジカルボン酸はコハク酸、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸の何れか、又は2種類からなることを特徴とする(1)に記載のタイヤ。
(3) 該ポリアミド繊維が溶融紡糸で得られることを特徴とする(1)に記載のタイヤ。
(4) 該ポリアミド繊維のヤング率が0.5GPaより大きく、100GPa以下であることを特徴とする(1)に記載のタイヤ。
(5) 該ポリアミド繊維が該ポリアミド繊維と異なる有機繊維を撚り合わせたハイブリッドコードであることを特徴とする(1)に記載のタイヤ。
(6) トレッド部と、一対のサイドウォール部と、一対のビード部と、各ビード部内のビードコア間にトロイド状に延在する本体部および、ビードコアの周りに折り返した折返し部を持つ少なくとも一枚のカーカスプライからなるカーカスと、カーカスのクラウン域の外周側に配設した、一層以上のコード交錯ベルト層からなるベルトと、少なくともサイドウォール部と対応する部分でカーカスのタイヤ幅方向内側に配設した、横断面形状が三日月状をなす補強ゴムとを具えてなることを特徴とする(1)に記載のタイヤ。
本発明(1)によって、特徴づけられる、主鎖中に芳香環を有することで、ポリアミド繊維の弾性率・ガラス転移温度・吸水性が改善でき、操縦安定性と乗り心地性(フラットスポット性能)に優れたタイヤが提供される。
(2)〜(5)によって、(1)に記載の、タイヤに用いるポリアミド繊維の特性が規定される。
(6)によって、(1)に記載のポリアミドを用いることにより、フラットスポット性能を向上させつつも、軽量化されたランフラットタイヤが提供される。
本発明の実施形態の一例を示す空気入り安全タイヤの概略断面図である。
以下に、本発明の実施形態を詳しく説明する。
カーカスに下記、一般式(I)で表される、芳香環を含むジアミンとジカルボン酸を含むモノマーユニットの重縮合によって得られるポリアミド繊維を用いており、ポリアミド繊維が溶融紡糸で得られ、ヤング率が0.5GPa以上であり、一方ジカルボン酸はコハク酸、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸の何れか、又は2種類からなるタイヤであって、さらにポリアミド繊維単独、又は、異なる有機繊維を撚り合わせた、ハイブリッドコードでもよいタイヤ。
Figure 0006214912
(Arは1〜3個の、炭素数4〜14の複素環を含んでもよい芳香環からなる、多環芳香族化合物から任意の位置の水素2つを除いてなる2価の多環芳香族基であり、複素環を含んでもよい芳香環が2つ以上含まれるときは、それぞれの複素環を含んでもよい芳香環が結合したものである。R〜Rは水素原子又は、炭素数1〜6の直鎖、分岐、又は環状の炭化水素基、ハロゲン原子を表し、互いに同じでも、異なっていてもよい。n1、n2は0又は1の整数を表し、互いに同じでも異なっていてもよい。Ar上の芳香環を構成する炭素原子は、炭素数1〜4までの直鎖、又は分岐の炭化水素やハロゲン原子で置換されていてもよい)。
芳香環を含むジアミンとしては、一般式(I)で表される、少なくとも、2つのアミン窒素原子間が、芳香環を構成する複数個の炭素原子を経由して結ばれている、ジアミンであればよい。
Figure 0006214912
(Arは1〜3個の、炭素数4〜14の複素環を含んでもよい芳香環からなる、多環芳香族化合物から任意の位置の水素2つを除いてなる2価の多環芳香族基であり、複素環を含んでもよい芳香環が2つ以上含まれるときは、それぞれの複素環を含んでもよい芳香環が結合したものである。R〜Rは水素原子又は、炭素数1〜6の直鎖、分岐、又は環状の炭化水素基、ハロゲン原子を表し、互いに同じでも、異なっていてもよい。n1、n2は0又は1の整数を表し、互いに同じでも異なっていてもよい。Ar上の芳香環を構成する炭素原子は、炭素数1〜4までの直鎖、又は分岐の炭化水素やハロゲン原子で置換されていてもよい)。
上記、一般式(I)において、Arは1〜3個の炭素数4〜14の複素環化合物を含んでもよい多環芳香族化合物から任意の水素2つを除いてなる2価の多環芳香族基であり、炭素数4〜14の複素環化合物を含んでもよい多環芳香族化合物とは、芳香族性を持つ、具体的にはベンゼン、インデン、ナフタレン、アズレン、フルオレン、アセナフチレン、フェナレン、アントラセン、フェナントレンなどの骨格を持つ芳香族炭化水素や、酸素、窒素、硫黄から選ばれるヘテロ原子を含む、複素環芳香族であり、例えば、フラン、ピロール、チオフェン、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジンやそれら同士、芳香族炭化水素が縮合したものとしてベンゾピロール、ジベンゾフラン、ナフトチオフェン、キノリン、ナフチリジン、チアントレンなどを具体的に挙げることができる化合物であり、Arはこれらの、炭素数4〜14の複素環化合物を含んでもよい芳香族化合物が1〜3個結合してなる多環芳香族化合物から、任意の位置の水素2つを除いてなる2価の多環芳香族基である。
上記、一般式(I)において、Ar上を置換する炭素数1〜4の直鎖又は分岐の炭化水素基としては、メチル基、エチル基、1−プロピル基、2−プロピル基、1−ブチル基、2−ブチル基、2−メチル−1−プロピル基、2−メチル−2−プロピル基から選ばれる、炭化水素基であり、R〜Rである、炭素数1〜6の、直鎖、分岐、又は環状の炭化水素基とは、メチル基、エチル基、1−プロピル基、2−プロピル基、1−ブチル基、2−ブチル基、2−メチル−1−プロピル基、2−メチル−2−プロピル、1−ペンチル基、2−ペンチル基、3−ペンチル基、2−メチル−1−ブチル基、2−メチル−2−ブチル基、3−メチル−1−ブチル基、3−メチル−2−ブチル基、2,2−ジメチル−プロピル基、シクロペンチル基、1−ヘキシル基、2−ヘキシル基、3−ヘキシル基、2−メチル−1−ペンチル基、3−メチル−1−ペンチル基、4−メチル−1−ペンチル基、2−エチル−1−ブチル基、2−メチル−2−ペンチル基、3−メチル−2−ペンチル基、4−メチル−2−ペンチル基、2−メチル−3−ペンチル基、3−メチル−3−ペンチル基、2,2−ジメチル−1−ブチル基、3,3−ジメチル−2−ブチル基、2,3−ジメチル−1−ブチル基、2,3−ジメチル−2−ブチル基、シクロヘキシル基、1−メチル−1−シクロペンチル基、2−メチル−1−シクロペンチル基、3−メチル−1−シクロペンチル基から選ばれる炭化水素基である。
上記、一般式において、NHと芳香環の間の、置換されていてもよいメチレン鎖CR又はCRの炭素鎖長である、n1、n2は、0または1であり、また、立体的な嵩高さの要因から、R〜Rは水素原子、ハロゲン原子、メチル基が好ましく、水素原子、フッ素原子であることが特に好ましい。
上記の一般式(I)で表される、芳香環を含むジアミンとしてはo−、m−、p−フェニレンジアミン(1,2−、1,3−又は1,4−フェニレンジアミン)のような、芳香環に直結したアミン窒素原子を有する、芳香族アミン、又は、m−キシリレンジアミン(1,3−キシリレンジアミン)のように、芳香環には直結していないが、2つのアミン窒素間の5つの炭素原子のうち、2番目から4番目までの3つの炭素原子が、ベンゼン環に含まれるものなどが挙げられる。
上記の一般式(I)で表される、芳香環を含むジアミン以外に、炭素数、2〜6の直鎖の両末端ジアミン(α,ω−ジアミン)を併用してもよく、エチレンジアミン(エタン−1,2−ジアミン)、プロピレンジアミン(プロパン−1,3−ジアミン)、プトレシン(ブタン−1,4−ジアミン)、ガダベリン(ペンタン−1,5−ジアミン)、ヘキサメチレンジアミン(ヘキサン−1,6−ジアミン)から選ぶことができる。上記の一般式(I)で表される、芳香環を含むジアミンだけをジアミン成分として、ポリアミドを製造した場合に、剛直すぎて、加工性が悪いといった場合に、物性、特に弾性率を調整するために、適宜添加して用いることができる。上記、一般式(I)で表される、芳香環を含むジアミンに対して、モル比にして50%以下までの範囲で用いることができ、25%以下が好ましい。
上記の一般式(I)で表される、芳香環を含むジアミンと、縮合させるジカルボン酸はコハク酸(ブタン二酸)、アジピン酸(ヘキサン二酸)、スベリン酸(オクタン二酸)、セバシン酸(デカン二酸)など、直鎖脂肪族の両末端ジカルボン酸(α,ω−ジカルボン酸)やテレフタル酸(ベンゼン−1,4−ジカルボン酸)から少なくとも1又は2種類を選んで用いることができる。これらの中ではアジピン酸、セバシン酸が特に好ましい。一般に、直鎖の炭素鎖長を伸ばすことにより、分子構造に柔軟性が与えられるため、弾性率を調整することが可能である。
上記、一般式(I)で表される、芳香環を含むジアミン及び/又は直鎖の両末端ジアミンからなるジアミン成分と、直鎖の両末端ジカルボン酸成分とから、一般的な縮合重合反応の手法を用いて、本発明に必要なポリアミドを製造することができる。
上記、本発明に必要なポリアミドは、溶融紡糸によって、100〜2000dtexの繊維状に加工して用いることができる。また、そのヤング率は0.5GPaより大きく、100GPa以下であることを特徴とする。0.5GPa以下では、補強効果が十分ではなく、100GPaを超えると、生産性が悪くなる。2〜20GPaが好ましく、3〜10GPaがより好ましい。溶融紡糸したものを撚り合わせたことにより、フィルム状の補強材として用いるより、弾性率の大きい補強材とすることが可能であり、また、従来のタイヤコードと同様に使用することが可能である。
上記、ポリアミドから紡糸した原糸だけでなく、通常のタイヤコードで用いられる、他の有機繊維からなる原糸と一緒に撚り合わせた、ハイブリッドコードを用いても、その性能メリットを得ることができ、総番手(dtex表示)にして、1000〜5000dtexにして用いることができ、1500〜4000dtexが好ましく、2000〜3000dtexがより好ましい。ハイブリッドコードとするのは弾性率コントロールの点で好ましいが、その場合、特にPA66と共に撚り合わせた、ハイブリッドコードが好ましい。
上記、本発明におけるポリアミドによる単独コードや、他の有機繊維とより合わせた、ハイブリッドコードは、タイヤゴムとの接着を確保するための素地加工として、通常のRFL(レゾルシノール−ホルマリン−ラテックス)ディッピングで処理することで可能である。最近用いられ始めた、PENやアラミドの場合には、その素材自体が高価であることに加えて、ディッピングの際にも反応性試薬を用いた、2浴処理が必要になるなど、さらに加工においてもコストが増大することになるが、本発明のポリアミドを用いた、タイヤ用コードでは、そのようなコストの増大もなく、通常通りの加工が可能であり、生産性を維持できる。
一般式(I)で表される、芳香環を含むジアミンから得られたポリアミドは、主鎖に芳香環を含むため、弾性率が高く、又、ガラス転移温度の上昇にみられるように、熱安定性も高いため、高温においても高弾性率を維持することが可能である。タイヤ用コードとして用いた場合に、タイヤが温度上昇しても、その温度上昇に伴う、弾性率の低下が抑制されているため、タイヤの変形が防止されているので、さらなる温度上昇を招くといったことがなく、耐久性に優れた性能を維持できるので、PA66よりもランフラットタイヤに適した物性をえることができる。また、強度はPA66と同等のため、レーヨンよりも繊維使用量を抑えることができるため、従って繊維径を細くすることによりゴムの使用量も減少させ、タイヤを軽量化することができる。
本発明におけるポリアミドを用いた、単独又はハイブリッドコードで補強する、タイヤ用のゴム組成物のゴム成分としては、通常のタイヤに用いられるゴム成分として天然ゴム(NR)や、各種処理を施した変性天然ゴム、ジエン系をはじめとする合成ゴムとして、ポリイソプレン(IR)、ポリブタジエン(BR)、クロロプレン(CR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、ブチルゴム(IIR)、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)から選ばれる少なくとも1種以上のゴムを用いることができ、天然ゴムやジエン系合成ゴムの使用が好ましい。
本発明におけるポリアミドを用いた、単独又はハイブリッドコードで補強する、タイヤ用のゴム組成物には、通常のゴム工業で用いられる、カーボンブラックやシリカなどの充填剤、亜鉛華、ステアリン酸、硫黄、加硫促進剤、老化防止剤などのゴム薬品を配合して混練し、通常の方法で加硫したものを用いることができる。
次に本発明の空気入りタイヤは、トレッド部と、一対のサイドウォール部と、一対のビード部と、各ビード部内のビードコア間にトロイド状に延在する本体部、および、ビードコアの周りに折り返した折返し部を持つ、少なくとも一枚のカーカスプライからなるカーカスと、カーカスのクラウン域の外周側に配設した、一層以上のコード交錯ベルト層からなるベルトと、少なくともサイドウォール部と、対応する部分でカーカスのタイヤ幅方向内側に配設した、横断面形状が三日月状をなす、補強ゴムとを具えてなることを特徴とし、カーカス部には、上記タイヤコードを用いるものである。
本発明の空気入りタイヤとしては、例えば、図1に示す、空気入りタイヤが挙げられるが、本発明はこの概略断面図に何ら限定されるものではない。
本発明の実施形態となる、空気入りタイヤ1は、図1に示すように、先端部にビードリング2、ビードフィラー3を埋設したサイドウォール部4があり、ビードリング2とビードフィラー3のタイヤ幅方向内側から外側に向って折り返した、本発明のポリアミドを用いたコードで補強したカーカス層5を有し、カーカスのタイヤ幅方向内側に配設した、横断面形状が三日月状をなす、補強ゴム層6を具えてなるものである。
以下に本発明を、実施例・比較例・従来例を用いて説明するが、本発明の構成は、以下の実施例に限定されるものではない。
本実施例と比較例は、工場でのタイヤサイズ215/45R17の通常条件にて、表1に示すような、構成に基づくベルト補強層を持つタイヤを試作し、評価した。ここで、本発明に係るカーカスのコードを被覆するコーティングゴムは、種々の形状からなることができる。代表的には、被膜、シート等である。また、コーティングゴムは、既知のゴム組成物を適宜採用することができ、特に制限されるべきものではない。
試作タイヤにおける、共通する構成
タイヤサイズ:215/45R17
ボディプライ層:表1に示す各々の原糸。
(2枚) 原糸サイズ ポリアミドの実施例・比較例 1400dtex/2
レーヨン使用の比較例 1840dtex/2
撚り数 40×40、打ち込み 50本/50mm
三日月上の補強ゴム:硬度(JIS) 80度、最大厚み 7mm
ベルト層:1×5×0.25mm スチールコード
打ち込み 40本/50mm、角度 20°。
ベルト補強層:PA661400dtex/2のキャップレイヤー構造
打ち込み 40本/50mm、角度0°
評価方法は以下の基準にて、実施し評価した。
[ランフラット耐久性]
各試作タイヤを常圧でリム組みし、内圧230kPaを封入してから38℃の室温中に24時間放置後、バルブのコアを抜き内圧を大気圧として、荷重5.19kN(530kgf)、速度80km/h、室温38℃の条件でドラム走行テストを行った。この際の故障発生時での走行距離がランフラットドラム走行距離であり、従来例の数値を100として指数で表した。数値が大きいほど、ランフラット耐久性に優れていることを示す。
[フラットスポット性能]
各試作タイヤを実車に装着し、一定時間走行させて十分高温となった後、タイヤに負荷をかけて、完全に冷えるまで放置した。この際のタイヤの変形を真円度の変化として測定することにより、フラットスポットを評価した。すなわち、負荷の前後における真円度をそれぞれ測定して、その割合をフラットスポット量として求め、従来例の数値を100とした。数値が小さいほどフラットスポット性能が優れていることを示す。
[ユニフォミティRFV]
各試作タイヤをリムサイズ7 1/2Jのリムに組み、内圧200kPa、負荷荷重4410Nの条件下で、JASO C 607(2000)に規定されたユニフォミティ測定方法に従って、ラジアルフォースバリエーション(RFV)を測定した。値が小さいほど、タイヤのユニフォミティ(均一性)が高いことを示し、良好である。
Figure 0006214912
一般式(I)で表される、芳香環を含むジアミンとして、m−キシリレンジアミンを用いている実施例は、ジカルボン酸として、アジピン酸を用いた実施例1が最も弾性率が大きく、評価対象のタイヤ性能も最良であるが、ジアミンにPA66と同じヘキサメチレンジアミンを用いて、分子レベルでPA66の構造を持たせた実施例2、ジカルボン酸の炭素鎖長を伸ばして、柔軟性を与えた実施例3においても、弾性率は小さくなるが、なお好適範囲にとどまり、性能を発揮した。さらに、これをPA66と混紡した実施例4も弾性率は小さくなるが、なお好適範囲にとどまり、性能を発揮した。一方で、PA66を用いた比較例では、これらに比べ、ユニフォミティRFV、フラットスポット性の向上は見られなかった。またいずれの場合においても、従来例のレーヨンコードを用いた場合と比べると、タイヤ重量の低減化は達成できた。
本発明により、ランフラット耐久性とフラットスポット性能が良く、ユニフォミティが良好でありつつも、重量を低減化したタイヤが提供できる。
1 空気入り安全タイヤ
2 ビードリング
3 ビードフィラー
4 サイドウォール部
5 カーカス層
6 補強ゴム層( 三日月形ゴム層)

Claims (9)

  1. カーカスに一般式(I)で表される、芳香環を含むジアミンと、炭素数2〜6の直鎖の両末端ジアミン:α,ω−ジアミンと、ジカルボン酸を含むモノマーユニットの縮合重合によって得られるポリアミド繊維を用いたタイヤ。
    Figure 0006214912
    (Arは1〜3個の、炭素数4〜14の複素環を含んでもよい芳香環からなる、単環又は多環芳香族化合物から任意の位置の水素2つを除いてなる2価の多環芳香族基であり、複素環を含んでもよい芳香環が2つ以上含まれるときは、それぞれの複素環を含んでもよい芳香環が縮合していてもよい。R〜Rは水素原子又は、炭素数1〜6の直鎖、分岐、又は環状の炭化水素基、ハロゲン原子を表し、互いに同じでも、異なっていてもよい。n1、n2は1の整数を表し、Ar上の芳香環を構成する炭素原子は、炭素数1〜4までの直鎖、又は分岐の炭化水素やハロゲン原子で置換されていてもよい)。
  2. 一般式(I)において、R〜Rが水素原子もしくはフッ素原子である請求項1に記載のタイヤ。
  3. 一般式(I)で表される、芳香環を含むジアミンが、m−キシリレンジアミンである、請求項1又は2に記載のタイヤ。
  4. 上記ジカルボン酸はコハク酸、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸の何れか、又は2種類からなることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載のタイヤ。
  5. 該ポリアミド繊維が溶融紡糸で得られることを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載のタイヤ。
  6. 該ポリアミド繊維のヤング率が0.5GPaより大きく、100GPa以下であることを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載のタイヤ。
  7. 該ポリアミド繊維が該ポリアミド繊維と異なる有機繊維を撚り合わせたハイブリッドコードであることを特徴とする請求項5又は6に記載のタイヤ。
  8. 前記ポリアミド繊維がdtex表示での総番手において1000〜5000dtexにして用いることを特徴とする、請求項1乃至7の何れかに記載のタイヤ。
  9. トレッド部と、一対のサイドウォール部と、一対のビード部と、各ビード部内のビードコア間にトロイド状に延在する本体部、および、ビードコアの周りに折り返した折返し部を持つ、少なくとも一枚のカーカスプライからなるカーカスと、カーカスのクラウン域の外周側に配設した、一層以上のコード交錯ベルト層からなるベルトと、少なくともサイドウォール部と、対応する部分でカーカスのタイヤ幅方向内側に配設した、横断面形状が三日月状をなす、補強ゴムとを具えてなることを特徴とする、請求項1乃至の何れかに記載のタイヤ。
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