JP6213185B2 - ニッケル基合金 - Google Patents
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Description
このようなニッケル基合金として、例えば特許文献1に記載のニッケル基合金が挙げられる。特許文献1にはコバルト、クロム、アルミ、チタン、炭素等を含む合金組成物が記載されており、さらに具体的態様として、約9.5重量%のコバルト、約2重量%チタン、約4重量%のモリブデンを含み、加えてクロム、アルミニウム、炭素等を含み、残部としてニッケル及び不可避不純物を含むニッケル基合金(実施例1)、および、約3重量%のチタン、約4.2重量%のモリブデンを含み、加えてコバルト、クロム、アルミニウム、炭素等を含むニッケル基合金(実施例2)が記載されている。
本発明は次の(1)〜(4)である。
(1)Coを14〜19質量%、Crを10〜15質量%、Cを0.05〜0.2質量%、Moを0〜3質量%、Tiを3.1〜4.5質量%含有し、残部がNiおよび不可避的不純物であり、Al含有率(質量%)に対するTi含有率(質量%)の比(Ti/Al)が0.85以下である、ニッケル基合金。
(2)Vを0〜2質量%含有する、上記(1)に記載のニッケル基合金。
(3)Alを5.0〜6.7質量%含有する、上記(1)または(2)に記載のニッケル基合金。
(4)1185℃〜1235℃で1〜4h程度保持を行い、空冷またはガスファン冷却を行う溶体化処理と、その後、800℃〜1150℃で3〜25時間保持し、空冷またはガスファン冷却を行う時効処理とを施して得られる、Niの母相(γ相)中にNi3Al型またはNi3Ti型の析出相(γ´相)が分散析出して強化されている、上記(1)〜(3)のいずれかに記載のニッケル基合金。
本発明は、Coを14〜19質量%、Crを10〜15質量%、Cを0.05〜0.2質量%、Moを0〜3質量%、Tiを3.1〜4.5質量%含有し、残部がNiおよび不可避的不純物であり、Al含有率(質量%)に対するTi含有率(質量%)の比(Ti/Al)が0.85以下である、ニッケル基合金である。
このようなニッケル基合金を、以下では「本発明の合金」ともいう。
本発明の合金における各成分の含有率はICP−AES法によって測定して得られる値を意味するものとするが、C含有率およびS含有率は高周波燃焼−赤外線吸収法によって測定して得られる値を意味するものとし、Si含有率は二酸化ケイ素重量法によって測定して得られる値を意味するものとし、O含有率は赤外線吸収法によって測定して得られる値を意味するものとし、N含有率は熱伝導度法によって測定して得られる値を意味するものとする。
本発明の合金はCoを14〜19質量%含有する。Co含有率は14.5質量%以上であることが好ましく、15.0質量%以上であることがより好ましい。また、Co含有率は18.5質量%以下であることが好ましく、18.0質量%以下であることがより好ましい。Co含有率がこのような範囲であると、密度がより低く、かつ、強度がより高くなる傾向があるからである。
本発明の合金は、従来のニッケル基合金と比較してCr含有率が高い。具体的には、本発明の合金はCrを10〜15質量%含有する。Cr含有率は11質量%以上であることが好ましく、12質量%以上であることがより好ましく、12.5質量%以上であることより好ましく、13質量%以上であることがさらに好ましい。また、Cr含有率は14.5質量%以下であることが好ましく、14質量%以下であることがより好ましい。Cr含有率がこのような範囲であると、密度がより低く、かつ、強度がより高くなる傾向があるからである。
本発明の合金は、従来のニッケル基合金と比較してMo含有率が低い。具体的には、本発明の合金はMoを0〜3質量%含有する。すなわち、本発明の合金はMoを含まない場合もある。本発明の合金においてMo含有率は0.5質量%以上であることが好ましく、1質量%以上であることがより好ましい。Mo含有率がこのような範囲であると、密度がより低く、かつ、強度がより高くなる傾向があるからである。
本発明の合金はWを含んでもよい。本発明の合金は、W含有率が3質量%以下であることが好ましく、2質量%以下であることがより好ましく、1質量%以下であることがさらに好ましい。W含有率がこのような範囲であると、密度がより低く、かつ、強度がより高くなる傾向があるからである。Wが高すぎると密度が高くなる傾向がある。
本発明の合金は、従来のニッケル基合金と比較してTi含有率が高い。具体的には、本発明の合金はTiを3.1〜4.5質量%含有する。本発明の合金においてTi含有率は3.3質量%以上であることが好ましく、3.5質量%以上であることがより好ましい。また、Ti含有率は4.3質量%以下であることが好ましく、4.0質量%以下であることがより好ましい。Ti含有率がこのような範囲であると、密度がより低く、かつ、強度がより高くなる傾向があるからである。
本発明の合金はAlを必須成分として含む。本発明の合金はAlを5.0〜6.7質量%含有することが好ましい。本発明の合金においてAl含有率は5.5質量%以上であることが好ましく、6質量%以上であることがより好ましい。また、Al含有率は6.6質量%以下であることが好ましく、6.5質量%以下であることがより好ましい。Al含有率がこのような範囲であると、密度がより低く、かつ、強度がより高くなる傾向があるからである。
本発明の合金において、Al含有率(質量%)に対するTi含有率(質量%)の比(Ti/Al)は0.85以下である。この比は、0.8以下であることが好ましく、0.75以下であることがより好ましく、0.68以下であることがさらに好ましい。また、この比は、0.45以上であることが好ましく、0.5以上であることがより好ましく、0.56以上であることがさらに好ましい。Al含有率(質量%)に対するTi含有率(質量%)の比(Ti/Al)がこのような範囲であると、密度がより低く、かつ、強度がより高くなる傾向があるからである。
本発明の合金はTaを含んでもよい。本発明の合金は、Ta含有率が3質量%以下であることが好ましく、2質量%以下であることがより好ましく、1質量%以下であることがさらに好ましい。Ta含有率がこのような範囲であると、密度がより低く、かつ、強度がより高くなる傾向があるからである。
本発明の合金はNbを含んでもよい。本発明の合金は、Nb含有率が3質量%以下であることが好ましく、2質量%以下であることがより好ましく、1質量%以下であることがさらに好ましい。Nb含有率がこのような範囲であると、密度がより低く、かつ、強度がより高くなる傾向があるからである。
本発明の合金においてVは必須成分ではないが、本発明の合金はVを含むことが好ましい。本発明の合金においてV含有率は0.4質量%以上であることが好ましく、0.6質量%以上であることがより好ましく、0.8質量%以上であることがさらに好ましい。また、V含有率は3質量%以下であることが好ましく、2質量%以下であることがより好ましく、1.5質量%以下であることがさらに好ましい。V含有率がこのような範囲であると、密度がより低く、かつ、強度がより高くなる傾向があるからである。
本発明の合金においてZrは必須成分ではないが、本発明の合金はZrを含むことが好ましい。本発明の合金においてZr含有率は0.01質量%以上であることが好ましく、0.02質量%以上であることがより好ましく、0.03質量%以上であることがさらに好ましい。また、Zr含有率は0.1質量%以下であることが好ましく、0.07質量%以下であることがより好ましく、0.05質量%以下であることがさらに好ましい。Zr含有率がこのような範囲であると、密度がより低く、かつ、強度がより高くなる傾向があるからである。
本発明の合金はCを0.05〜0.2質量%含有する。C含有率は0.06質量%以上であることが好ましく、0.07質量%以上であることがより好ましい。また、C含有率は0.18質量%以下であることが好ましく、0.16質量%以下であることがより好ましい。C含有率がこのような範囲であると、密度がより低く、かつ、強度がより高くなる傾向があるからである。
本発明の合金においてBは必須成分ではないが、本発明の合金はBを含むことが好ましい。本発明の合金においてB含有率は0.005質量%以上であることが好ましく、0.01質量%以上であることがより好ましい。また、B含有率は0.03質量%以下であることが好ましく、0.02質量%以下であることがより好ましい。B含有率がこのような範囲であると、密度がより低く、かつ、強度がより高くなる傾向があるからである。
本発明の合金の製造方法は特に限定されず、鍛造によって得ることもできるが、原料を溶解した後、鋳造して得ることが好ましい。鋳造して得た本発明の合金は割れ難い傾向があり好ましい。
初めに、不純物の少ない原料を真空誘導炉で溶解し、鋳造してインゴットを得る。
次に、得られたインゴットを溶体化処理および時効処理を行う。時効処理は2段階であることが好ましい。
例えばこのような方法によって、本発明の合金を得ることができる。
したがって、従来のニッケル基合金と同程度の強度として場合に、より軽量化された部材を得ることができる。また、同程度の重量の部材であって、より強度が高いものを得ることもできる。
次に、このインゴットを用いて真空溶解炉にて溶解および鋳型への鋳造を行い、鋳造素材を作成した。
次に、得られた鋳造素材に対して溶体化処理および時効処理を行って試験片を得た。ここで溶体化処理は1185℃〜1235℃で1〜4h程度保持を行い、空冷またはガスファン冷却を行った。また、時効処理は2段階の時効処理に分けられ、1次時効処理は1000℃〜1150℃で3〜5h保持し、空冷またはガスファン冷却を行った。2次時効処理は800℃〜950℃で10〜25時間保持し、空冷またはガスファン冷却を行った。
密度の測定方法は次の通りである。
JIS Z 8807に示された「液中ひょう量法による密度および比重の測定方法」に準拠して密度測定を実施した。測定の際に標準物質には純水を用いた。
試験片をASTM E8規格に準拠した形状の引張試験片形状に機械加工を施した後、ASTM E8規格に準拠した試験方法にて引張試験を実施し耐力を測定した。この時測定した耐力は0.2%耐力である。
密度および耐力の測定結果を第1表および図1に示す。
Claims (1)
- Coを14〜19質量%、Crを10〜15質量%、Cを0.05〜0.2質量%、Moを0.5〜3質量%、Tiを3.1〜4.5質量%含有し、Vを0.4〜3質量%、Zrを0.01〜0.1質量%、Bを0.005〜0.03質量%、Alを5.0〜6.7質量%含有し、残部がNiおよび不可避的不純物であり、Al含有率(質量%)に対するTi含有率(質量%)の比(Ti/Al)が0.45〜0.68である、ニッケル基合金。
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