JP6190594B2 - オレフィン重合用触媒の製造方法およびこれにより得られるオレフィン重合用触媒を用いたエチレン系重合体の製造方法 - Google Patents
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Description
本発明は、このような問題点を解決するためになされたものであり、オレフィン(共)重合体の製造において、重合器内でのポリマー塊形成ならびにファウリングを防止できるオレフィン重合用触媒の製造方法を提供することを目的としている。
[1] 下記工程(a)および(b)を含むことを特徴とするオレフィン重合用触媒の製造方法:
工程(a):遷移金属錯体(A)と、固体状担体(S)とを、下記要件(i)
(i)50℃≦Ta≦150℃
を満たす温度Taで接触させて、遷移金属錯体付加担体(Sa)を得る工程;
工程(b):遷移金属錯体(B)と、前記遷移金属錯体付加担体(Sa)とを、下記要件(ii)
(ii)Tb<Ta
を満たす温度Tbで接触させる工程;
ここで、前記遷移金属錯体(B)は、以下の要件(p)を満たす:
(p)遷移金属錯体を含むオレフィン重合用触媒存在下で、エチレンと炭素数4以上20以下のα−オレフィンとを共重合させたときに、
当該遷移金属錯体として、前記遷移金属錯体(B)を単独で用いて得られる重合体におけるα−オレフィンのモル含量Xbが、
当該遷移金属錯体として、前記遷移金属錯体(B)に代えて前記遷移金属錯体(A)を単独で用いたことを除き、前記遷移金属錯体(B)を用いたときと同一の共重合条件下で得られる重合体におけるα−オレフィンのモル含量Xaに対して、
Xb<Xa
の関係にある。
(ii') Tb≦Ta−20℃
(iii) Tb≧0℃
をさらに満たすことを特徴とする、前記[1]に記載のオレフィン重合用触媒の製造方法。
(i')70℃≦Ta≦150℃
を満たすことを特徴とする、前記[1]または[2]に記載のオレフィン重合用触媒の製造方法。
R1〜R12は、それぞれ独立に、水素原子、炭化水素基、ハロゲン含有基、酸素含有基、窒素含有基、ホウ素含有基、硫黄含有基、リン含有基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基およびスズ含有基から選ばれ、同一でも互いに異なっていてもよく、また隣接する2個の基が互いに連結して環を形成してもよく、
Q1は、二価の基であって、炭素数1〜20の炭化水素基、ならびに、ハロゲン含有基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基およびスズ含有基から選ばれる基であり、
Xは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、ハロゲン含有炭化水素基、ケイ素含有基、酸素含有基、硫黄含有基、窒素含有基およびリン含有基から選ばれる原子または基であり、
Mは周期表第4族遷移金属原子を示す。];
R13〜R24は、それぞれ独立に、水素原子、炭化水素基、ハロゲン含有基、酸素含有基、窒素含有基、ホウ素含有基、硫黄含有基、リン含有基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基およびスズ含有基から選ばれ、同一でも互いに異なっていてもよく、また隣接する2個の基が互いに連結して環を形成してもよく、
Q2は、二価の基であって、炭素数1〜20の炭化水素基、ならびに、ハロゲン含有基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基およびスズ含有基から選ばれる基であり、
Xは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、ハロゲン含有炭化水素基、ケイ素含有基、酸素含有基、硫黄含有基、窒素含有基およびリン含有基から選ばれる原子または基であり、
Mは周期表第4族遷移金属原子を示す。]。
R25〜R32は、それぞれ独立に水素原子、炭化水素基、ハロゲン含有基、酸素含有基、窒素含有基、ホウ素含有基、硫黄含有基、リン含有基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基、およびスズ含有基から選ばれ、同一でも互いに異なっていてもよいが、すべてが同時に水素原子ではなく、隣接する基が互いに結合して環を形成してもよく、
Q3は、二価の基であって、炭素数1〜20の炭化水素基、ならびに、ハロゲン含有基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基およびスズ含有基から選ばれる基であり、
Xは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、ハロゲン含有炭化水素基、ケイ素含有基、酸素含有基、硫黄含有基、窒素含有基およびリン含有基から選ばれる原子または基であり、
Mは周期表第4族遷移金属原子を示す。];
Mは周期律表第4族遷移金属原子を示し、
mは、1〜4の整数を示し、
R33は、分岐状または直鎖状脂肪族炭化水素基、置換基を有していてもよい脂環式炭化水素基であり、
R34〜R38は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、ヘテロ環式化合物残基、酸素含有基、窒素含有基、ホウ素含有基、硫黄含有基、リン含有基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基、またはスズ含有基を示し、これらのうちの2個以上が互いに連結して環を形成していてもよく、mが2の場合にはR34〜R38で示される基のうち2個の基が連結されていてもよく(但し、R33同士が結合されることはない)、同一でも互いに異なっていてもよく、
nは、Mの価数を満たす数であり、
Xは、水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、酸素含有基、硫黄含有基、窒素含有基、ホウ素含有基、アルミニウム含有基、リン含有基、ハロゲン含有基、ヘテロ環式化合物残基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基、またはスズ含有基を示し、nが2以上の場合は、Xで示される複数の基は同一でも互いに異なっていてもよく、またXで示される複数の基は互いに結合して環を形成してもよい。]。
[7] エチレンの単独重合、または、エチレンと炭素数4以上20以下のα−オレフィンとの共重合を、前記[6]に記載のオレフィン重合用触媒の存在下で行うことを特徴とするエチレン系重合体の製造方法。
(1')190℃における2.16kg荷重でのメルトフローレート(MFR)が0.1g/10分以上100g/10分以下である;
(2')密度が875kg/m3以上945kg/m3以下である;
(3')13C−NMRにより測定された炭素原子1000個当たりのメチル分岐数〔Me(/1000C)〕とエチル分岐数〔Et(/1000C)〕との和〔(Me+Et)(/1000C)〕が1.80以下である;
(4')200℃におけるゼロせん断粘度〔η0(P)〕と、GPC-粘度検出器法(GPC-VISCO)により測定された重量平均分子量の6.8乗(Mw6.8)の比、η0/Mw6.8が、0.03×10-30以上7.5×10-30以下である;
(5')135℃デカリン中で測定した極限粘度〔[η](dl/g)〕と、GPC-粘度検出器法(GPC-VISCO)により測定された重量平均分子量の0.776乗(Mw0.776)の比、[η]/Mw0.776が、0.80×10-4以上1.65×10-4以下である。
本発明に係るオレフィン重合用触媒の製造方法は、下記工程(a)および(b)を含むことを特徴とする:
工程(a):遷移金属錯体(A)と、固体状担体(S)とを、下記要件(i)
(i)50℃≦Ta≦150℃
を満たす温度Taで接触させて、遷移金属錯体付加担体(Sa)を得る工程;
工程(b):遷移金属錯体(B)と、前記遷移金属錯体付加担体(Sa)とを、下記要件(ii)
(ii)Tb<Ta
を満たす温度Tbで接触させる工程。
(p)遷移金属錯体を含むオレフィン重合用触媒存在下で、エチレンと炭素数4以上20以下のα−オレフィンとを共重合させたときに、
当該遷移金属錯体として、前記遷移金属錯体(B)を単独で用いて得られる重合体におけるα−オレフィンのモル含量Xbが、
当該遷移金属錯体として、前記遷移金属錯体(B)に代えて前記遷移金属錯体(A)を単独で用いたことを除き、前記遷移金属錯体(B)を用いたときと同一の共重合条件下で得られる重合体におけるα−オレフィンのモル含量Xaに対して、
Xb<Xa
の関係にある。
遷移金属錯体(A)との接触が特定の温度範囲内で行われ、
遷移金属錯体(A)との接触を行った後、遷移金属錯体(B)との接触が行われ、このとき、
オレフィン重合用触媒としてエチレンと炭素数4以上20以下のα−オレフィンとの共重合に用いられたときに、遷移金属錯体(A)よりもα−オレフィン含量の低いエチレン・α−オレフィン共重合体を与える遷移金属錯体が、遷移金属錯体(B)として用いられるとともに、
遷移金属錯体(B)との接触が、遷移金属錯体(A)との接触を行う温度よりも低い温度で行われる。
なお、α-オレフィン含量は、日本分光社製赤外分光光度計FT-IR 410型を用い、以下のように測定する。
エチレン系重合体約0.3gをテフロン(登録商標)シート(0.1mm厚)、アルミ板(0.1mm厚)、鉄板(2〜3mm厚)の順にはさみ、これを、油圧成形機で加熱温度180℃、加熱時間3分、成形圧力50〜100kg/cm2でプレスし、その後、室温で1分間、圧力0〜50kg/cm2で冷却することにより測定試料を調製する。測定は透過率法により行ない、1−ヘキセン含量の場合はn−ブチル基数を定量する。
本発明者らは、重合器内でポリマー塊形成ならびにファウリングを引き起こす要因として、重合初期における重合体同士もしくは重合器壁との溶融付着に着目した。ここで、本発明において「重合初期」という語は、固体触媒を重合系内へ挿入した直後から、平均滞留時間の1/3以下までの系内滞留時間を示す。
遷移金属錯体(A)および(B)の使用量比は、オレフィン重合体の分子量および分子量分布から任意に決定できるが、好ましい範囲として、遷移金属錯体(A)から生成する重合体と遷移金属錯体(B)から生成する重合体との比率[=遷移金属錯体(B)由来の重合体量/遷移金属錯体(A)由来の重合体量]が、通常30/70〜99.5/0.5、好ましくは40/60〜99/1である。
後述のGPC測定法により得られる、オレフィン重合体の分子量分布曲線は実質的に2つもしくは3つのピークから構成される。1番低分子量側のピークは遷移金属錯体(B)に由来するピークであり、2番目のピークは遷移金属錯体(A)に由来するピークであり、3番目のピークは、遷移金属錯体(A)と(B)が後述の好ましい例の時に生成するピークであるが、これも遷移金属錯体(A)に由来するピークと見なす。そして、遷移金属錯体(B)に由来するピーク(すなわち、1番低分子量側のピーク)と遷移金属錯体(A)に由来するピーク(すなわち、2番目と3番目のピーク)との比率[=遷移金属錯体(B)に由来するピーク/遷移金属錯体(A)に由来するピーク]を、遷移金属錯体(A)から生成する重合体と遷移金属錯体(B)から生成する重合体との比率[=遷移金属錯体(B)由来の重合体量/遷移金属錯体(A)由来の重合体量]として定義する。
Wa=S(G3)+S(G5)
Wb=S(G2)
ここで、S(G2)、S(G3)はそれぞれ強度を変更した後の(G2)、(G3)の面積であり、S(G5)は(G5)の面積である。
Wb=x
なお、分子量分布曲線は、ウォーターズ社製ゲル浸透クロマトグラフallianceGPC2000型(高温サイズ排除クロマトグラフ)を用い、以下のようにして算出する。
解析ソフト;クロマトグラフィデータシステムEmpower(Waters社)
カラム;TSKgel GMH6- HT×2+TSKgel GMH6-HTL×2
(内径7.5mm×長さ30cm,東ソー社)
移動相;o-ジクロロベンゼン(和光純薬 特級試薬)
検出器;示差屈折計(装置内蔵)
カラム温度;140℃
流速;1.0mL/分
注入量;500μL
サンプリング時間間隔;1秒
試料濃度;0.15%(w/v)
分子量較正;単分散ポリスチレン(東ソー社)/分子量495〜分子量2060万
Z. Crubisic, P. Rempp, H. Benoit, J. Polym. Sci., B5, 753 (1967) に記載された汎用較正の手順に従い、ポリエチレン分子量換算として分子量分布曲線を作成する。
次に、本発明で遷移金属錯体(A)、(B)として用いうる具体的な遷移金属錯体について説明する。
(p)遷移金属錯体を含むオレフィン重合用触媒存在下で、エチレンと炭素数4以上20以下のα−オレフィンとを共重合させたときに、
当該遷移金属錯体として、前記遷移金属錯体(B)を単独で用いて得られる重合体におけるα−オレフィンのモル含量Xbが、
当該遷移金属錯体として、前記遷移金属錯体(B)に代えて前記遷移金属錯体(A)を単独で用いたことを除き、前記遷移金属錯体(B)を用いたときと同一の共重合条件下で得られる重合体におけるα−オレフィンのモル含量Xaに対して、
Xb<Xa
の関係にある。
遷移金属錯体(A)、(B)は、このような要件(p)を満たすこと以外に何ら限定されるものではないが、好ましい例を以下に示す。
本発明で用いられる遷移金属錯体(A)は、特に限定されるものではないものの、その好適な例として、下記一般式(I)もしくは(II)で表される遷移金属錯体が挙げられる。
Q2は、二つの配位子を結合する二価の基であり、具体的には、二価の基であって、炭素数1〜20の炭化水素基、ならびにハロゲン含有基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基およびスズ含有基から選ばれる基であり、好ましくは、炭素数1〜20の二価の炭化水素基、または二価のケイ素含有基である。ここで、二価の炭化水素基として、アルキレン基、置換アルキレン基およびアルキリデン基が挙げられ、その具体例としては、上記式(I)中のQ1に用いうるアルキレン基、置換アルキレン基およびアルキリデン基と同様のものが挙げられる。また、二価のケイ素含有基として、上記式(I)中のQ1に用いうるケイ素含有基と同様のものが挙げられ、特に好ましい二価のケイ素含有基として、ジメチルシリレン基およびジブチルシリレン基などのジアルキルシリレン基が挙げられる。
一般式(II)で表される遷移金属錯体(A)の好ましい化合物の具体例として、エチレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド、エチレンビス(インデニル)チタニウムジクロリド、エチレンビス(インデニル)ハフニウムジクロリド、エチレンビス(インデニル)ジメチルジルコニウム、エチレンビス(4,5,6,7−テトラヒドロ−1−インデニル)ジルコニウムジクロリド、エチレンビス(2−メチル−1−インデニル)ジルコニウムジクロリド、エチレンビス(4−メチル−1−インデニル)ジルコニウムジクロリド、エチレンビス(5−メチル−1−インデニル)ジルコニウムジクロリド、エチレンビス(2,4−ジメチル−1−インデニル)ジルコニウムジクロリド、エチレンビス(5−メトキシ−1−インデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス(2−メチル−1−インデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス(2,4−ジメチル−1−インデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス(2−メチル−4−シクロヘキシル−1−インデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス(2−メチル−4−フェニル−1−インデニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルシリレンビス(2−メチル−4−フェニル−1−インデニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(p−トリル)シリレンビス(2−メチル−4−フェニル−1−インデニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(p−クロロフェニル)シリレンビス(2−メチル−4−フェニル−1−インデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス(2−メチル−4,5−ベンゾ−1−インデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス(2−メチル−4,5−アセナフトシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレン(2−メチル−4,5−ベンゾ−1−インデニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、などが挙げられ、特に好ましい具体例として、エチレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス(2−メチル−4,5−ベンゾ−1−インデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス(2−メチル−4−フェニル−1−インデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレン(2−メチル−4,5−ベンゾ−1−インデニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、などが挙げられる。
本発明で用いられる遷移金属錯体(B)は、上記遷移金属錯体(A)との関係において上記要件(p)を満たすものである限り、特に限定されるものではないものの、その好適な例として、下記一般式(III)もしくは(IV)で表される遷移金属錯体が挙げられる。
Q3は二つの配位子を結合する二価の基であり、具体的には、二価の基であって、炭素数1〜20の炭化水素基、ならびに、ハロゲン含有基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基およびスズ含有基から選ばれる基であり、特に好ましくは二価のケイ素含有基である。
ここで、二価のケイ素含有基として、上記式(I)中のQ1に用いうる二価のケイ素含有基と同様のものが挙げられ、特に好ましい二価のケイ素含有基として、ジメチルシリレン基およびジブチルシリレン基などのジアルキルシリレン基が挙げられる。
上記一般式(III)で表される遷移金属錯体(B)の好ましい化合物の具体例として、ジメチルシリレンビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス(2-メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス(3-メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス(3-n-ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(3−エチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(3−n−プロピルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(3−n−ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(3−n−オクチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジブチルシリレン(シクロペンタジエニル)(3−n−プロピルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(3−n−ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(3−n−オクチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、トリフルオロメチルブチルシリレン(シクロペンタジエニル)(3−n−プロピルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、トリフルオロメチルブチルシリレン(シクロペンタジエニル)(3−n−ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、トリフルオロメチルブチルシリレン(シクロペンタジエニル)(3−n−オクチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリドなどが挙げられ、より好ましい具体例として、ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(3−n−プロピルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリドおよびジメチルシリレン(3−n−ブチルシクロペンタジエニル)(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリドなどが挙げられる。
R34〜R38は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基(例えば、炭素数1〜30の炭化水素基)、ヘテロ環式化合物残基、酸素含有基、窒素含有基、ホウ素含有基、硫黄含有基、リン含有基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基、またはスズ含有基を示し、これらのうちの2個以上が互いに連結して環を形成していてもよく、mが2の場合にはR34〜R38で示される基のうち2個の基が連結されていてもよく(但し、R33同士が結合されることはない)、同一でも互いに異なっていてもよい。
Xは、水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、酸素含有基、硫黄含有基、窒素含有基、ホウ素含有基、アルミニウム含有基、リン含有基、ハロゲン含有基、ヘテロ環式化合物残基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基、またはスズ含有基を示し、nが2以上の場合は、Xで示される複数の基は互いに同一でも異なっていてもよく、またXで示される複数の基は互いに結合して環を形成してもよい。
ヘテロ環式化合物残基としては、ピロール、ピリジン、ピリミジン、キノリン、トリアジンなどの含窒素化合物、フラン、ピランなどの含酸素化合物、チオフェンなどの含硫黄化合物残基、およびこれらのヘテロ環式化合物残基に炭素原子数が1〜30、好ましくは1〜20のアルキル基、アルコキシ基などが置換した基などが挙げられる。
以上に、本発明で好適に用いられる遷移金属錯体(A)および(B)の例を示したが、本発明で用いられる遷移金属錯体(A)および(B)は、上記要件(p)を満たす限り、上記に例示した化合物に限定されるものではない。つまり、本発明では、遷移金属錯体を含むオレフィン重合用触媒存在下で、エチレンと炭素数4以上20以下のα−オレフィンとを共重合させたときに、
当該遷移金属錯体として、前記遷移金属錯体(B)を単独で用いて得られる重合体におけるα−オレフィンのモル含量Xbが、
当該遷移金属錯体として、前記遷移金属錯体(B)に代えて前記遷移金属錯体(A)を単独で用いたことを除き、前記遷移金属錯体(B)を用いたときと同一の共重合条件下で得られる重合体におけるα−オレフィンのモル含量Xaに対して、
Xb<Xa
の関係が成り立つように、遷移金属錯体(A),(B)となる2つの遷移金属錯体を選択すれば良いのである。
この2つの遷移金属錯体のうち、どちらを遷移金属錯体(A)として用い、どちらを遷移金属錯体(B)として用いるかは、具体的には、例えば、以下の(1)〜(3)に示す手順により決定することができる。
次に、本発明で用いられる固体状担体(S)について説明する。
本発明で用いることができる固体状担体(S)は、無機または有機の化合物であって、顆粒状または微粒子状の固体である。
粘土、粘土鉱物には、化学処理を施すことも好ましい。化学処理としては、表面に付着している不純物を除去する表面処理、粘土の結晶構造に影響を与える処理等、いずれも使用できる。化学処理として具体的には、酸処理、アルカリ処理、塩類処理、有機物処理等が挙げられる。酸処理は、表面の不純物を取り除くほか、結晶構造中のAl、Fe、Mg等の陽イオンを溶出させることによって表面積を増大させる。アルカリ処理では粘土の結晶構造が破壊され、粘土の構造の変化をもたらす。また、塩類処理、有機物処理では、イオン複合体、分子複合体、有機誘導体等を形成し、表面積や層間距離を変えることができる。
本発明に係るオレフィン重合用触媒の製造方法においては、上記遷移金属錯体(A),(B)および上記固体状担体(S)に加え、必要に応じて、下記に記載の成分をさらに用いることができる。
本発明において、上記遷移金属錯体(A),(B)に加えて、成分(C)をさらに用いることができる。
(c−1)下記一般式(VII)、(VIII)または(IX)で表される有機金属化合物、
Rd mAl(ORe)nHpXq・・・(VII)
〔一般式(VII)中、RdおよびReは、炭素数が1〜15の炭化水素基を示し、互いに同一でも異なっていてもよく、Xはハロゲン原子を示し、mは0<m≦3、nは0≦n<3、pは0≦p<3、qは0≦q<3の数であり、かつm+n+p+q=3である。〕
MaAlRf 4・・・(VIII)
〔一般式(VIII)中、MaはLi、NaまたはKを示し、Rfは炭素数が1〜15の炭化水素基を示す。〕
Rg rMbRh sXt・・・(IX)
〔一般式(IX)中、RgおよびRhは、炭素数が1〜15の炭化水素基を示し、互いに同一でも異なっていてもよく、MbはMg、ZnまたはCdを示し、Xはハロゲン原子を示し、rは0<r≦2、sは0≦s≦1、tは0≦t≦1であり、かつr+s+t=2である。〕
(c−3)遷移金属錯体(A)、(B)と反応してイオン対を形成する化合物、
から選ばれる少なくとも1種の化合物である。
本発明に係るオレフィン重合用触媒の製造方法において、上記遷移金属錯体(A),(B)、および、必要により好適に用いられる上記成分(C)を、上記固体状担体(S)と接触させる際に、各接触を溶媒中で行うことが好ましい。
不活性炭化水素としては、具体的には、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、ドデカンおよび灯油などの脂肪族炭化水素、シクロペンタン、シクロヘキサンおよびメチルシクロペンタンなどの脂環族炭化水素、ベンゼン、トルエンおよびキシレンなどの芳香族炭化水素、ならびにエチレンクロリド、クロロベンゼンおよびジクロロメタンなどのハロゲン化炭化水素またはこれらの混合物などが挙げられる。
上述したように、本発明に係るオレフィン重合用触媒の製造方法において、上記遷移金属錯体(A)と上記固体状担体(S)との接触を行ってから、上記遷移金属錯体(B)との接触が行われる。このとき、各接触を上記不活性炭化水素中で行うことが好ましい。
これらのうち、特に好ましい態様として(i)が挙げられる。
本発明におけるオレフィン重合用触媒は、上述したように、2種の遷移金属錯体(A)、(B)と固体状担体(S)とを接触させることにより固体触媒成分として調製することができる。本発明では、このような固体触媒成分をそのまま重合系に挿入して用いてもよいが、固体触媒成分に事前にオレフィンを予備重合させ、予備重合触媒成分を形成させてから用いることもできる。すなわち、本発明のオレフィン重合用触媒は、遷移金属錯体(A)、(B)と固体状担体(S)とを接触させることにより得られる固体触媒成分それ自体であってもよいし、あるいは、この固体触媒成分にオレフィンを予備重合させることによって得られる予備重合触媒成分であってもよい。
予備重合に使用する固体触媒成分の形態としては、既に述べたものを制限無く利用することができる。また、必要に応じて成分(C)が用いられ、特に(c−1)中の上記式(VII)に示される有機アルミニウム化合物が好ましく用いられる。成分(C)が用いられる場合は、該成分(C)中のアルミニウム原子(Al−C)と遷移金属錯体中の遷移金属原子(M)とのモル比(アルミニウム原子(Al−C)/遷移金属原子(M))で、通常0.1〜10000、好ましくは0.5〜5000の量で用いられる。
また、下記の成分(G)を、上記オレフィン重合用触媒の製造におけるいずれの工程に共存させてもよく、接触順序も任意である。また予備重合によって生成した予備重合触媒成分に接触させてもよい。
本発明で所要により用いることができる成分(G)として、下記(g−1)〜(g−6)よりなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物が挙げられる:
(g−1)ポリアルキレンオキサイドブロック、
(g−2)高級脂肪族アミド、
(g−3)ポリアルキレンオキサイド、
(g−4)ポリアルキレンオキサイドアルキルエーテル、
(g−5)アルキルジエタノールアミン、および
(g−6)ポリオキシアルキレンアルキルアミン。
以下に、本発明のオレフィン重合用触媒は、エチレン系重合体の製造に限定されるものではないが、例えば、エチレン単独重合体またはエチレンと炭素数4〜20のα−オレフィンとの共重合体の製造に、好適に用いることができる。このようなエチレンの単独重合体や共重合体は、エチレンの単独重合、または、エチレンと炭素数4以上20以下のα−オレフィンとの共重合を、本発明のオレフィン重合用触媒の存在下で行うことにより、得ることができる。
本発明に係る製造方法によって得られる好適なエチレン系重合体は、エチレンと炭素数4以上10以下のα−オレフィンとの共重合体、好ましくはエチレンと炭素数6〜10のα−オレフィンとの共重合体である。炭素数4のα−オレフィンを使用する場合には、炭素数6〜10のα-オレフィンもあわせて使用することが好ましい。エチレンとの共重合に用いられる炭素数4〜10のα−オレフィンとしては、1-ブテン、1-ヘキセン、4-メチル-1-ペンテン、1-オクテン、1-デセンなどが挙げられる。
メルトフローレート(MFR)は、ASTM D1238-89に従い、190℃、2.16kg荷重の条件下で測定される。
(3')13C−NMRにより測定された炭素原子1000個当たりのメチル分岐数〔Me(/1000C)〕とエチル分岐数〔Et(/1000C)〕との和〔(Me+Et)(/1000C)〕が1.80以下、好ましくは1.30以下、より好ましくは0.80以下、さらにより好ましくは0.50以下である。なお、本発明で定義したメチル分岐数およびエチル分岐数は、後述するように1000カーボン当たりの数で定義される。
0.03×10-30≦η0/Mw6.8≦7.5×10-30 --------(Eq-1)
を満たす。ここで、下限値は好ましくは0.05×10-30、より好ましくは0.8×10-30であり、上限値は好ましくは5.0×10-30、より好ましくは3.0×10-30である。
重量平均分子量(Mw)に対してゼロせん断粘度〔η0(P)〕を両対数プロットしたとき、長鎖分岐がなく直鎖状で、伸長粘度がひずみ硬化性を示さないエチレン系重合体は、傾きが3.4のべき乗則に則る。一方、比較的短い長鎖分岐を数多く有し、伸長粘度がひずみ速度硬化性を示すエチレン系重合体は、べき乗則よりも低いゼロせん断粘度〔η0(P)〕を示し、さらにその傾きは3.4よりも大きな値となることが知られており(C Gabriel, H.Munstedt, J.Rheol., 47(3), 619(2003)、H. Munstedt, D.Auhl, J. Non-Newtonian Fluid Mech. 128, 62-69, (2005) )、傾き6.8は経験的に選択しうる。η0とMw6.8との比をとることについては特開2011-1545号公報にも開示されている。
ゼロせん断粘度〔η0(P)〕と重量平均分子量(Mw)との関係は、エチレン系重合体中の長鎖分岐の含量および長さに依存していると考えられ、長鎖分岐含量が多いほど、また長鎖分岐の長さが短いほどゼロせん断粘度〔η0(P)〕は請求範囲下限に近い値を示し、長鎖分岐含量が少ないほど、また長鎖分岐の長さが長いほどゼロせん断粘度〔η0(P)〕は請求範囲上限に近い値を示すと考えられる。
これらのほか、長鎖分岐量を制御する重合条件について例えば国際公開第2007/034920号パンフレットに開示されている。
ここで、λは時間の次元を持つパラメーター、nは材料の冪法則係数(power law index)を表す。なお、非線形最小二乗法によるフィッティングは下記数式(Eq-3)におけるdが最小となるよう行われる。
0.80×10-4≦[η]/Mw0.776≦1.65×10-4 --------(Eq-4)
を満たす。ここで、下限値は好ましくは0.90×10-4、であり、上限値は好ましくは1.55×10-4、より好ましくは1.40×10-4である。
エチレン系重合体中に長鎖分岐が導入されると、長鎖分岐の無い直鎖型エチレン系重合体に比べ、分子量の割に極限粘度[η](dl/g)が小さくなることが知られている(例えばWalther Burchard, ADVANCES IN POLYMER SCIENCE, 143, Branched PolymerII, p.137(1999))。
前述のようにオレフィン重合用触媒中の遷移金属錯体(B)の比率([B]/[A+B])を高くすることで長鎖分岐含量は多くなることから、[B]/[A+B]を増減させることで、上記範囲の極限粘度[η]を有するエチレン系重合体を製造することができる。
[η]=lim(ηsp/C) (C→0) ---------- (Eq-5)
エチレン系重合体は、上記要件(1')〜(5')に加えて、下記要件(6')をさらに満たすことが好ましい。
1.0×10-4≦MT/η*≦7.0×10-4 --------(Eq-6)
を満たすことが好ましい。ここで、上限値は好ましくは5.0×10-4、より好ましくは3.0×10-4である。
<エチレン系重合体中のα−オレフィン含量測定(表1)>
遷移金属錯体を単独で用いて、エチレンと炭素数4以上20以下のα−オレフィンとを共重合させて得られる重合体中のα−オレフィン含量の測定例を次に示す。
固体状担体の調製
内容積270リットルの攪拌機付き反応器に、窒素雰囲気下、シリカゲル(富士シリシア株式会社製:平均粒径70μm、比表面積340m2/g、細孔容積1.3cm3/g、250℃で10時間乾燥)10kgを77リットルのトルエンに懸濁させた後0〜5℃に冷却した。この懸濁液にメチルアルミノキサンのトルエン溶液(Al原子換算で3.5mmol/mL)19.4リットルを30分間かけて滴下した。この際、系内温度を0〜5℃に保った。引き続き0〜5℃で30分間接触させた後、約1.5時間かけて系内温度を95℃まで昇温して、引き続き95℃で4時間接触させた。その後常温まで降温して、上澄み液をデカンテーションにより除去し、さらにトルエンで2回洗浄した後、全量115リットルのトルエンスラリーを調製した。得られたスラリー成分の一部を採取し濃度を調べたところ、スラリー濃度:122.6g/L、Al濃度:0.62mol/Lであった。
内容積200ミリリットルの攪拌機付き反応器に、窒素雰囲気下、トルエンを30ミリリットル、および上記で得られた固体状担体8.2ミリリットル(Al原子換算で5.1mmol)を装入した。次に、イソプロピリデン(シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド(錯体番号:X−1)のトルエン溶液をZr原子換算で0.025mmol滴下し、系内温度20〜25℃で1時間接触させた。上澄み液をデカンテーションにより除去し、さらにヘキサンを用いて2回洗浄した後、ヘキサンを加えて全量100ミリリットルとし、固体触媒成分のスラリーを調製した。
内容積1リットルのSUS製オートクレーブに、窒素雰囲気下、ヘプタン500ミリリットルを添加した後に、エチレンを流通させ液相および気相をエチレンで飽和させた。次に、1−ヘキセン10ミリリットル、トリイソブチルアルミニウム0.375mmol、および固体触媒成分を固体分として20mg装入した後、80℃、0.8MPaGに昇温、昇圧し、90分間重合反応を行った。得られたポリマーをろ過後、80℃で10時間真空乾燥し、エチレン系重合体63.5gを得た。得られた重合体中の1−ヘキセン含量は2.6mol%であった。
測定例1−2〜1−6については、表1に記載の遷移金属錯体を用いて、測定例1−1と同様の触媒調製ならびに重合を実施した。得られたエチレン系重合体中の1−ヘキセン含量を表1に示す。
遷移金属錯体を単独で用いて、エチレンと炭素数4以上20以下のα−オレフィンとを共重合させたときの重合初期活性の測定例を以下に示す。
固体触媒成分の調製
内容積200ミリリットルの攪拌機付き反応器に、窒素雰囲気下、トルエンを30ミリリットル、および測定例1−1に記載の固体状担体8.2ミリリットル(Al原子換算で5.1mmol)を装入した。次に、イソプロピリデン(シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド(錯体番号:X−1)のトルエン溶液をZr原子換算で0.025mmol滴下し、系内温度20〜25℃で1時間接触させた後、系内温度を75℃に昇温し、さらに2時間接触させた。降温後、上澄み液をデカンテーションにより除去し、さらにヘキサンを用いて2回洗浄した後、ヘキサンを加えて全量100ミリリットルとし、固体触媒成分のスラリーを調製した。
固体触媒成分を固体分として30mg用いて、測定例1−1と同様の方法で重合を行ない、エチレン系重合体62.6gを得た。
測定例2−1は、測定例1−1に比べて、重合初期におけるエチレン消費速度が低く、すなわち、重合初期活性が抑制されていることがわかる。
固体触媒成分の調製
内容積200ミリリットルの攪拌機付き反応器に、窒素雰囲気下、トルエンを30ミリリットル、および測定例1−1に記載の固体状担体8.2ミリリットル(Al原子換算で5.1mmol)を装入した。次に、イソプロピリデン(シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド(錯体番号:X−1)のトルエン溶液をZr原子換算で0.025mmol滴下し、系内温度20〜25℃で1時間接触させた後、系内温度を95℃に昇温し、さらに2時間接触させた。降温後、上澄み液をデカンテーションにより除去し、さらにヘキサンを用いて2回洗浄した後、ヘキサンを加えて全量100ミリリットルとし、固体触媒成分のスラリーを調製した。
固体触媒成分を固体分として30mg用いて、測定例1−1と同様の方法で重合を行ない、エチレン系重合体60.2gを得た。(表2)
重合開始直後から30分間のエチレン消費速度の推移を、測定例2−1と同様に図1に示す。測定例2−2は、測定例2−1よりもさらに、重合初期におけるエチレン消費速度が低く、すなわち、重合初期活性が抑制されていることがわかる。
固体触媒成分の調製
遷移金属錯体をジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(3−n−プロピルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド(錯体番号:X−5)に変えた以外は、測定例2−1と同様の条件にて固体触媒成分のスラリーを調製した。
固体触媒成分を固体分として10mg用いて、測定例1−1と同様の方法で重合を行ない、エチレン系重合体76.5gを得た。
測定例2−3は、測定例1−5に比べて、重合初期におけるエチレン消費速度が低く、すなわち、重合初期活性が抑制されていることがわかる。
固体触媒成分の調製
遷移金属錯体をジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(3−n−プロピルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド(錯体番号:X−5)に変えた以外は、測定例2−2と同様の条件にて固体触媒成分のスラリーを調製した。
固体触媒成分を固体分として15mg用いて、測定例1−1と同様の方法で重合を行ない、エチレン系重合体77.1gを得た。
[実施例1]
固体触媒成分の調製
内容積200ミリリットルの攪拌機付き反応器に、窒素雰囲気下、トルエンを30ミリリットル、および測定例1−1に記載の固体状担体8.2ミリリットル(Al原子換算で5.1mmol)を装入した。次に、遷移金属錯体(A)として、イソプロピリデン(シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド(錯体番号:X−1)のトルエン溶液を、Zr原子換算で0.020mmol滴下し、系内温度20〜25℃で1時間接触させた後、系内温度を95℃に昇温し、さらに2時間接触させた。30℃まで降温後、遷移金属錯体(B)として、(3−n−ブチルシクロペンタジエニル)(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド(錯体番号:X−5)のトルエン溶液を、Zr原子換算で0.0048mmol滴下し、系内温度20〜30℃で1時間接触させた。上澄み液をデカンテーションにより除去し、さらにヘキサンを用いて2回洗浄した後、ヘキサンを加えて全量50ミリリットルとし、固体触媒成分のスラリーを調製した。
上記で得られた固体触媒成分スラリーを10℃まで冷却した後、ジイソブチルアルミニウムヒドリド(DiBAl−H)2.5mmolを添加した。さらに常圧下でエチレンを系内に連続的に数分間供給した。この間系内の温度は10〜15℃に保持し、次いで1−ヘキセン0.36ミリリットルを添加した。1−ヘキセン添加後、系内温度を35℃に昇温し、固体触媒成分に対して重量換算で3等量分のエチレンを重合させた。その後、上澄み液をデカンテーションにより除去し、ヘキサンを用いて4回洗浄した後、ヘキサンを加えて全量を50ミリリットルとした。次に、系内温度を35℃に昇温した後、成分(G)として、ケミスタット2500(三洋化成工業株式会社製)40mgのヘキサン溶液を添加し、2時間接触させた。その後、上澄み液をデカンテーションにより除去し、ヘキサンを用いて4回洗浄した。次に、内容積100mLのガラス製シュレンク管に上記ヘキサンスラリーを移し、減圧下25℃にてヘキサンを減圧留去させることで、予備重合触媒成分4.0gを得た。得られた予備重合触媒の組成を調べたところ、予備重合触媒成分1g当たり、Zr原子が0.52mg含まれていた。
内容積1.0m3の流動層型気相重合反応器を用いて、以下の重合条件にて反応器内に上記予備重合触媒成分、エチレン、1−ヘキセンなどを連続的に供給し、エチレン・1−ヘキセン共重合体の製造を行った。
予備重合触媒成分;4g/h、エチレン;5.5Nm3/h、1−ヘキセン;0.80kg/hr、水素/エチレン比;18m.r.(×10^−4)、重合圧力;1.4MPa・G、エチレン分圧;1.0MPa・A、重合温度;80℃、ガス線速;80cm/sec、ケミスタット2500添加量;0.5g/L、滞留時間;6h、重合体収量;4.0kg/hr
(ここで、上記「m.r.」は、モル比であることを示す。)
重合反応中、局所的なヒートスポットなどの発生なく120時間運転が継続し、安定的に重合を停止した。重合後の反応器内には、ポリマー塊などが存在しなかった。
固体触媒成分の調製
内容積200ミリリットルの攪拌機付き反応器に、窒素雰囲気下、トルエンを30ミリリットル、および測定例1−1に記載の固体状担体8.2ミリリットル(Al原子換算で5.1mmol)を装入した。次に、遷移金属錯体(A)として、イソプロピリデン(シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド(錯体番号:X−1)のトルエン溶液を、Zr原子換算で0.020mmol滴下し、系内温度20〜25℃で1時間接触させた後、続けて遷移金属錯体(B)として(3−n−ブチルシクロペンタジエニル)(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド(錯体番号:X−5)のトルエン溶液を、Zr原子換算で0.0048mmol滴下し、系内温度20〜30℃で1時間接触させた。上澄み液をデカンテーションにより除去し、さらにヘキサンを用いて2回洗浄した後、ヘキサンを加えて全量50ミリリットルとし、固体触媒成分のスラリーを調製した。
上記で得られた固体触媒成分スラリーを10℃まで冷却した後、ジイソブチルアルミニウムヒドリド(DiBAl−H)2.5mmolを添加した。さらに常圧下でエチレンを系内に連続的に数分間供給した。この間系内の温度は10〜15℃に保持し、次いで1−ヘキセン0.36ミリリットルを添加した。1−ヘキセン添加後、系内温度を35℃に昇温し、固体触媒成分に対して重量換算で3等量分のエチレンを重合させた。その後、上澄み液をデカンテーションにより除去し、ヘキサンを用いて4回洗浄した後、ヘキサンを加えて全量を50ミリリットルとした。次に、系内温度を35℃に昇温した後、成分(G)として、ケミスタット2500(三洋化成工業株式会社製)40mgのヘキサン溶液を添加し、2時間接触させた。その後、上澄み液をデカンテーションにより除去し、ヘキサンを用いて4回洗浄した。次に、内容積100mLのガラス製シュレンク管に上記ヘキサンスラリーを移し、減圧下25℃にてヘキサンを減圧留去させることで、予備重合触媒成分4.0gを得た。得られた予備重合触媒の組成を調べたところ、予備重合触媒成分1g当たり、Zr原子が0.51mg含まれていた。
上記予備重合触媒成分を用いて、実施例1と同様の条件で運転した結果、重合器壁面温度計の温度が急上昇し、重合開始から12時間で運転が継続できなくなった。重合後の重合器内を確認すると、ポリマー塊が約2kg存在していた。
実施例1及び比較例1の結果を表3に示す。
重合初期の重合体中と最終的に得られる重合体中とで、遷移金属錯体(A)、(B)それぞれに由来する重合体の比率(遷移金属錯体(B)由来の重合体量)/(遷移金属錯体(A)由来の重合体量)を比較することで、接触温度による重合初期活性の変化を比較した。
重合
内容積1リットルのSUS製オートクレーブに、窒素雰囲気下、ヘプタン500ミリリットルを添加した後に、エチレンを流通させ液相および気相をエチレンで飽和させた。次に、1−ヘキセン10ミリリットル、トリイソブチルアルミニウム0.375mmol、および実施例1の予備重合触媒成分111mgを装入した後、80℃、0.8MPaGに昇温、昇圧し、90分間重合反応を行った。得られたポリマーをろ過後、80℃で10時間真空乾燥し、エチレン系重合体60.1gを得た。得られた重合体のGPCピーク面積計算を行なったところ、(遷移金属錯体(B)由来の重合体量)/(遷移金属錯体(A)由来の重合体量)=60/40であった。
重合
本実施例においては、実施例1の予備重合触媒成分の量を増やして重合を行った。
固体触媒成分、予備重合触媒成分の調製
遷移金属錯体(A)と固体状担体との接触温度を95℃から75℃に変えた以外は、実施例1と同様の条件にて固体触媒成分及び予備重合触媒成分の調製を行い、予備重合触媒成分4.0gを得た。得られた予備重合触媒の組成を調べたところ、予備重合触媒成分1g当たり、Zr原子が0.51mg含まれていた。
実施例1の予備重合触媒成分に代えて、上記予備重合触媒成分を109mg装入した以外は、実施例2と同様の条件で90分間重合反応を行ない、エチレン系重合体64.5gを得た。得られた重合体のGPCピーク面積計算を行なったところ、(遷移金属錯体(B)由来の重合体量)/(遷移金属錯体(A)由来の重合体量)=63/37であった。
重合
実施例1の予備重合触媒成分に代えて、実施例4の予備重合触媒成分を405mg装入した以外は、実施例2と同様の条件で20分間重合反応を行ない、エチレン系重合体57.8gを得た。得られた重合体のGPCピーク面積計算を行なったところ、(遷移金属錯体(B)由来の重合体量)/(遷移金属錯体(A)由来の重合体量)=64/36であり、実施例4に対し、遷移金属錯体(B)由来の重合体の割合が増加した。
固体触媒成分、予備重合触媒成分の調製
遷移金属錯体(A)と固体状担体との接触温度を95℃から25℃に変えた以外は、実施例1と同様の条件にて固体触媒成分のスラリーを調製した。
実施例1の予備重合触媒成分に代えて、上記予備重合触媒成分を89mg装入した以外は、実施例2と同様の条件で90分間重合反応を行ない、エチレン系重合体49.2gを得た。得られた重合体のGPCピーク面積計算を行なったところ、(遷移金属錯体(B)由来の重合体量)/(遷移金属錯体(A)由来の重合体量)=64/36であった。
重合
実施例1の予備重合触媒成分に代えて、比較例2の予備重合触媒成分を313mg装入した以外は、実施例2と同様の条件で20分間重合反応を行ない、エチレン系重合体50.2gを得た。得られた重合体のGPCピーク面積計算を行なったところ、(遷移金属錯体(B)由来の重合体量)/(遷移金属錯体(A)由来の重合体量)=50/50であり、実施例比較例2に対し、遷移金属錯体(B)由来の重合体の割合が減少した。
固体触媒成分の調製
内容積200ミリリットルの攪拌機付き反応器に、窒素雰囲気下、トルエンを30ミリリットル、および測定例1−1に記載の固体状担体8.2ミリリットル(Al原子換算で5.1mmol)を装入した。次に、遷移金属錯体(A)として、エチレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド(錯体番号:X−3)のトルエン溶液を、Zr原子換算で0.022mmol滴下し、系内温度20〜25℃で1時間接触させた後、系内温度を70℃に昇温し、さらに2時間接触させた。30℃まで降温後、遷移金属錯体(B)として、下記式に示すジルコニウム錯体(錯体番号:X−6)のトルエン溶液を、Zr原子換算で0.0025mmol滴下し、系内温度20〜30℃で1時間接触させた。上澄み液をデカンテーションにより除去し、さらにヘキサンを用いて2回洗浄した後、ヘキサンを加えて全量50ミリリットルとし、固体触媒成分のスラリーを調製した。
本実施例においては、上記固体触媒成分を、対応する予備重合触媒成分に導くことなくそのまま重合反応に使用した。
重合
実施例1の予備重合触媒成分に代えて、実施例6で得られた固体触媒成分のスラリーを固体分として80mg装入した以外は、実施例2と同様の条件で20分間重合反応を行ない、エチレン系重合体54.8gを得た。得られた重合体のGPCピーク面積計算を行なったところ、(遷移金属錯体(B)由来の重合体量)/(遷移金属錯体(A)由来の重合体量)=48/52であり。実施例6に対し、遷移金属錯体(B)由来の重合体の割合が増加した。
固体触媒成分の調製
遷移金属錯体(A)と固体状担体との接触温度を70℃から25℃に変えた以外は、実施例6と同様の条件にて、固体触媒成分のスラリーを調製した。
実施例1の予備重合触媒成分に代えて、上記固体触媒成分のスラリーを固体分として20mg装入した以外は、実施例2と同様の条件で90分間重合反応を行ない、エチレン系重合体76.2gを得た。得られた重合体のGPCピーク面積計算を行なったところ、(遷移金属錯体(B)由来の重合体量)/(遷移金属錯体(A)由来の重合体量)=11/89であった。
重合
実施例1の予備重合触媒成分に代えて、比較例4で得られた固体触媒成分のスラリーを固体分として40mg装入した以外は、実施例2と同様の条件で20分間重合反応を行ない、エチレン系重合体73.8gを得た。得られた重合体のGPCピーク面積計算を行なったところ、(遷移金属錯体(B)由来の重合体量)/(遷移金属錯体(A)由来の重合体量)=5/95であり、上記各実施例および比較例4に対し、遷移金属錯体(B)由来の重合体の割合が減少した。
[実施例8]
実施例1により得られたエチレン系重合体パウダーに耐熱安定剤としてスミライザーGP(住友化学社製)850ppm、ステアリン酸カルシウム(日東化成工業社製)210ppmを加え、株式会社東洋精機製作所製の二軸異方向20mmφ押出機を用い、設定温度200℃、スクリュー回転数100rpmの条件で溶融混練した後、ストランド状に押し出し、カットしてエチレン系重合体のペレットを得た。得られたペレットを測定用試料として物性測定を行った。結果を表5に示す。
Claims (8)
- 下記工程(a)および(b)を含むことを特徴とするオレフィン重合用触媒の製造方法:
工程(a):遷移金属錯体(A)と、固体状担体(S)とを、下記要件(i)
(i)50℃≦Ta≦150℃
を満たす温度Taで接触させて、遷移金属錯体付加担体(Sa)を得る工程;
工程(b):遷移金属錯体(B)と、前記遷移金属錯体付加担体(Sa)とを、下記要件(ii)
(ii)Tb<Ta
を満たす温度Tbで接触させる工程;
ここで、前記遷移金属錯体(B)は、以下の要件(p)を満たす:
(p)遷移金属錯体を含むオレフィン重合用触媒存在下で、エチレンと炭素数4以上20以下のα−オレフィンとを共重合させたときに、
当該遷移金属錯体として、前記遷移金属錯体(B)を単独で用いて得られる重合体におけるα−オレフィンのモル含量Xbが、
当該遷移金属錯体として、前記遷移金属錯体(B)に代えて前記遷移金属錯体(A)を単独で用いたことを除き、前記遷移金属錯体(B)を用いたときと同一の共重合条件下で得られる重合体におけるα−オレフィンのモル含量Xaに対して、
Xb<Xa
の関係にある。 - 前記温度Tbが、下記要件(ii') および(iii)
(ii') Tb≦Ta−20℃
(iii) Tb≧0℃
をさらに満たすことを特徴とする、請求項1に記載のオレフィン重合用触媒の製造方法。 - 前記温度Taが、下記要件(i')
(i')70℃≦Ta≦150℃
を満たすことを特徴とする、請求項1または2に記載のオレフィン重合用触媒の製造方法。 - 前記遷移金属錯体(A)が、下記一般式(I)もしくは(II)で表されることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載のオレフィン重合用触媒の製造方法:
R1〜R12は、それぞれ独立に、水素原子、炭化水素基、ハロゲン含有基、酸素含有基、窒素含有基、ホウ素含有基、硫黄含有基、リン含有基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基およびスズ含有基から選ばれ、同一でも互いに異なっていてもよく、また隣接する2個の基が互いに連結して環を形成してもよく、
Q1は、二価の基であって、炭素数1〜20の炭化水素基、ならびに、ハロゲン含有基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基およびスズ含有基から選ばれる基であり、
Xは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、ハロゲン含有炭化水素基、ケイ素含有基、酸素含有基、硫黄含有基、窒素含有基およびリン含有基から選ばれる原子または基であり、
Mは周期表第4族遷移金属原子を示す。];
R13〜R24は、それぞれ独立に、水素原子、炭化水素基、ハロゲン含有基、酸素含有基、窒素含有基、ホウ素含有基、硫黄含有基、リン含有基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基およびスズ含有基から選ばれ、同一でも互いに異なっていてもよく、また隣接する2個の基が互いに連結して環を形成してもよく、
Q2は、二価の基であって、炭素数1〜20の炭化水素基、ならびに、ハロゲン含有基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基およびスズ含有基から選ばれる基であり、
Xは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、ハロゲン含有炭化水素基、ケイ素含有基、酸素含有基、硫黄含有基、窒素含有基およびリン含有基から選ばれる原子または基であり、
Mは周期表第4族遷移金属原子を示す。]。 - 前記遷移金属錯体(B)が、下記一般式(III)もしくは(IV)で表されることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載のオレフィン重合用触媒の製造方法:
R25〜R32は、それぞれ独立に水素原子、炭化水素基、ハロゲン含有基、酸素含有基、窒素含有基、ホウ素含有基、硫黄含有基、リン含有基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基、およびスズ含有基から選ばれ、同一でも互いに異なっていてもよいが、すべてが同時に水素原子ではなく、隣接する基が互いに結合して脂肪族環を形成してもよく、
Q3は、二価の基であって、炭素数1〜20の炭化水素基、ならびに、ハロゲン含有基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基およびスズ含有基から選ばれる基であり、
Xは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、ハロゲン含有炭化水素基、ケイ素含有基、酸素含有基、硫黄含有基、窒素含有基およびリン含有基から選ばれる原子または基であり、
Mは周期表第4族遷移金属原子を示す。];
Mは周期律表第4族遷移金属原子を示し、
mは、1〜4の整数を示し、
R33は、分岐状または直鎖状脂肪族炭化水素基、置換基を有していてもよい脂環式炭化水素基であり、
R34〜R38は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、ヘテロ環式化合物残基、酸素含有基、窒素含有基、ホウ素含有基、硫黄含有基、リン含有基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基、またはスズ含有基を示し、これらのうちの2個以上が互いに連結して環を形成していてもよく、mが2の場合にはR34〜R38で示される基のうち2個の基が連結されていてもよく(但し、R33同士が結合されることはない)、同一でも互いに異なっていてもよく、
nは、Mの価数を満たす数であり、
Xは、水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、酸素含有基、硫黄含有基、窒素含有基、ホウ素含有基、アルミニウム含有基、リン含有基、ハロゲン含有基、ヘテロ環式化合物残基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基、またはスズ含有基を示し、nが2以上の場合は、Xで示される複数の基は同一でも互いに異なっていてもよく、またXで示される複数の基は互いに結合して環を形成してもよい。]。 - 請求項1〜5のいずれか一項に記載の製造方法によって得られるオレフィン重合用触媒。
- エチレンの単独重合、または、エチレンと炭素数4以上20以下のα−オレフィンとの共重合を、請求項6に記載のオレフィン重合用触媒の存在下で行うことを特徴とするエチレン系重合体の製造方法。
- 前記エチレン系重合体が、エチレンと炭素数4以上20以下のα−オレフィンとの共重合体であって、下記要件(1')〜(5')を満たすことを特徴とする、請求項7に記載のエチレン系重合体の製造方法:
(1')190℃における2.16kg荷重でのメルトフローレート(MFR)が0.1g/10分以上100g/10分以下である;
(2')密度が875kg/m3以上945kg/m3以下である;
(3')13C−NMRにより測定された炭素原子1000個当たりのメチル分岐数〔Me(/1000C)〕とエチル分岐数〔Et(/1000C)〕との和〔(Me+Et)(/1000C)〕が1.80以下である;
(4')200℃におけるゼロせん断粘度〔η0(P)〕と、GPC-粘度検出器法(GPC-VISCO)により測定された重量平均分子量の6.8乗(Mw6.8)の比、η0/Mw6.8が、0.03×10-30以上7.5×10-30以下である;
(5')135℃デカリン中で測定した極限粘度〔[η](dl/g)〕と、GPC-粘度検出器法(GPC-VISCO)により測定された重量平均分子量の0.776乗(Mw0.776)の比、[η]/Mw0.776が、0.80×10-4以上1.65×10-4以下である。
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