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JP6187316B2 - 電磁弁 - Google Patents

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JP6187316B2 JP2014038285A JP2014038285A JP6187316B2 JP 6187316 B2 JP6187316 B2 JP 6187316B2 JP 2014038285 A JP2014038285 A JP 2014038285A JP 2014038285 A JP2014038285 A JP 2014038285A JP 6187316 B2 JP6187316 B2 JP 6187316B2
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Description

本発明は、流体の圧力を制御する電磁弁、とりわけ、自動車用自動変速装置の油圧制御に好適なリニアソレノイド型電磁弁に関する。
〔従来の技術〕
リニアソレノイド型電磁弁は従来より種々の構成のものが実用に供されているが、その代表例としては、例えば、特許文献1に記載されているリニアソレノイド型電磁弁が知られている。
この電磁弁は、基本構成として、入口ポート、出口ポートおよび排出ポートを有するスリーブと、リニアソレノイドにより駆動されてスリーブ内を軸方向に摺動するスプール(弁体)とを備え、このスプールにリニアソレノイドによる電磁力(以下、電磁吸引力ともいう。)およびスプリングのごとき付勢手段(バネ等の弾性体であり、以下、スプリングと総称する。)による付勢力(以下、取付荷重ともいう。)を作用させ、これらの作用力をバランスさせることで、制御すべき対象流体の圧力調整を行う構造が採用されている。これにより、入口ポートに供給される流体の供給圧は、この流体が出口ポートから流出するときには電磁石部(リニアソレノイド)への入力電気信号に対応した出力圧に調整される。
そして、供給圧に対するスプールの移動量の調節は、リニアソレノイドによる電磁力の働く方向とは逆方向にスプールを付勢するスプリングの一端が係止される調節部材を軸方向に移動させ、これによりスプリングの取付荷重を調整して行われる。具体的には、ネジ調整機構が用いられている。
当該ネジ調整機構は、スリーブの一端側の内周に雌ネジ部を設けるとともに、調節部材をなすスクリュアジャスト(以下、単に受栓と呼ぶ。)の外周に雄ネジ部を設けて、この両ネジ部を螺合するとともに、受栓の一端にスプリングの一端を係止するもので、受栓自体を回転させながら軸方向に移動することによりスプリングの取付荷重を調節することができる。
また、スプリングの取付荷重を調節した後は調節位置が変動しないように、受栓の位置を確定すべく受栓をスリーブに固定する必要がある。この固定手段としては、(A)受栓とスリーブとに係合する嵌合ピンを用いて受栓をスリーブに固定する構造、あるいは、(B)受栓を囲繞しているスリーブを部分的にカシメる(変形させる)ことによって受栓をスリーブに固定する構造が採用されている。
なお、上記の両固定手段には得失があり、前者の固定手段(A)は、受栓とスリーブとの係合位置、つまり嵌合ピン位置が複数個所に限定されるためにスプリングの取付荷重を無段階に調節することができないとか、嵌合ピンを用いることにより部品点数が増加するなどの問題点を抱えていることから、専ら後者の固定手段(B)が賞用されている。
ところで、自動車用自動変速装置のごとく車両制御の中枢を担う装置においては、その構成部品を含めて、年々より一層の小型化・高性能化が希求されている。したがって、構成部品側にあっては、とりわけ、主要部品をなす電磁弁の小型化・高性能化が急務であり、如何にして向上を図っていくのかが当業者の共通の命題である。
〔従来技術の問題点〕
本発明者は、電磁弁の小型化・高性能化の更なる向上を目指し、数多の実験・研究を重ねてきたが、このたび、賞用されている上記固定手段(B)において受栓の固定状態を精査したところ、次のような問題点が内在していることを突き止めた。
(1)上記固定手段(B)によれば、より具体的にはスリーブの外周に二面幅部分を形成し、この二面幅部分をその上下からカシメることによりネジ部を塑性変形させて(潰して)受栓とスリーブとを固定するものであるため、受栓とスリーブとが強固に固定され、受栓が所定位置に的確に固定されているものと考えられていた。
もっとも、雄ネジ部と雌ネジ部との間にはバックラッシ等のクリアランスがあることから、カシメ時にこのクリアランス分だけ受栓が軸方向に移動しスプリングの取付荷重に差異をもたらすことは知られていた。
(2)ところが、上記の軸方向移動現象のほかに、意外にも受栓に傾きが生じる事象が見受けられた。これにより、受栓に係止されているスプリングの傾きを招き、スプリングとしての横力が大きくなる結果スプールの摺動性が悪化し、制御精度に変動(バラツキ)を生じる虞があることが判明した。
(3)そして、上記の受栓が傾く原因を究明したところ、雄ネジ部および雌ネジ部それぞれのカシメ変形状態をよくみると、例えば、上側に位置する部位ではネジの山部分で塑性変形し(潰れ)、下側に位置する部位ではネジの谷部分で塑性変形している(潰れている)という異常な変形現象が認められ、その結果、受栓の軸心が傾くこと、しかも、異常な変形現象が生じるのは、カシメ位置が上下で同じ軸方向位置にあることに大きく起因していることが分かった。
特開平2−129484号公報
本発明は上記の事情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、スプリング(付勢手段)の取付荷重(付勢力)の無段階調節が可能な調整機能を最大限に活用しつつ、受栓(調節部材)を的確に所定位置で固定して制御精度を向上できる電磁弁を提供することにある。
〔請求項1の手段〕
請求項1に記載の発明(電磁弁)は、電磁力により駆動されるスプールと、このスプールを軸方向に往復移動可能に収容するスリーブと、電磁力とのバランス作用でスプールの移動量を制限するスプリング(付勢手段)と、ネジ調整機構を介してスリーブ内を軸方向に移動可能でありスプリングの取付荷重を加減する受栓(調節部材)と、を備え、ネジ調整機構がスリーブの雌ネジ部と受栓の雄ネジ部とで構成されていることを基本構成としている。
そして、本発明の電磁弁は、受栓を軸方向に移動させてスプリングの取付荷重を調整した後に受栓をスリーブに固定する固定手段として、ネジ調整機構を軸方向に半ピッチずれた位置であってかつ軸方向の軸線を挟んだ対向位置から径方向内側に向かって変形させることで、受栓の位置を確定する固定手段を備えることを特徴としている。
上記構成によれば、ネジ調整機構がスリーブの雌ネジ部と受栓の雄ネジ部とで構成されていることからネジ特有の性質(ネジピッチ)を巧みに活用して、ネジ調整機構を軸方向に半ピッチずれた対向位置で変形させているため、対向位置でネジ調整機構のネジ山同士を確実に潰して、受栓をスリーブに位置決め固定することができる。
したがって、受栓が傾くことがなく、スプリングの傾きを招来しないため、スプールの良好な摺動性を確保し、電磁弁の制御精度を向上することができる。
また、受栓をスリーブに固定するための固定手段は、ネジ調整機構を軸方向の対向位置で変形させることを基本構成としており、ネジ調整機構本来の特質である、スプリングの取付荷重を無段階に調節できる調整機能を何ら消失することがないため、制御精度の優れた電磁弁の提供に一層貢献できる。
本発明の電磁弁の適用例を示す油圧制御用電磁弁の縦断面図である(実施例1)。 上記油圧制御用電磁弁の正面図で、図1の矢印A方向から視た図である(実施例1)。 油圧制御用電磁弁が適用される油圧システムの概略構成図である。 本発明の電磁弁におけるネジ調整機構の第1実施形態の説明に供するもので、(a)、(b)は受栓(スクリュアジャスト)の固定過程を示す主要部の模式的断面図である(実施例1)。 本発明との対比説明に供するもので、(a)、(b)は調整ネジ機構において図4に対応する部分の模式的断面図である(参考例)。
以下、本発明を実施するための最良の形態を、図面に示す実施例にしたがって詳細に説明する。
〔実施例1〕
本実施例では、特に、自動車用自動変速装置の油圧システムに適用される油圧制御用電磁弁を示しており、当該電磁弁の自動変速装置における位置付けを図3に基づいて概説する。
図3に示すように、自動変速装置における油圧システム100は、オイルポンプ101、マニュアルバルブ102、油圧制御用電磁弁103、クラッチ機構104、および、油圧配管105等を含む。オイルポンプ101は、吐出口から油圧配管105を経由してマニュアルバルブ102に作動油を供給する。マニュアルバルブ102は、図示しないセレクトレバーの操作により、P(パーキング)、R(リバース)、N(ニュートラル)、D(ドライブ)のモードを選択する。
油圧制御用電磁弁103は、Dモードの選択時にクラッチ機構104へのオイルの供給油路を開放または遮断するとともに、オイルの供給圧を調整する。そして、電磁弁103は、スプール弁1を駆動するアクチュエータとしてリニアソレノイド2を備えており、エンジンの油槽(オイルパン)中で軸線が水平になるように設置される。
〔油圧制御用電磁弁103の基本構成〕
次に、油圧制御用電磁弁(以下、電磁弁と略称する。)103の具体的な構造について、図1を参照しながら順次説明する。なお、図1において、図の上方および下方が設置時の天方向および地方向に相当する。
まず電磁弁103は、前述したように、スプール弁1と、このスプール弁1を駆動するリニアソレノイド2とで構成されている。
スプール弁1は、基本構成として、スリーブ3、スプール4、スプリング5、および、受栓10を備えている。
スリーブ3は、略円筒状の弁ハウジングを構成するもので、アルミ合金のごとき非磁性金属材料で形成されている。スリーブ3は、軸方向に貫通する挿通穴6を有するとともに、この挿通穴6に沿って当該穴6からスリーブ3の外壁を貫通する複数のオイルポート7を有している。複数のオイルポート7は、マニュアルバルブ102に連通する入口ポート7a、クラッチ機構104に連通する出口ポート7bの他に、排出ポート7cおよび呼吸ポート7dを含んでいる。
スプール4は、弁ハウジングと協働する弁体を構成するものであり、スリーブ3の挿通穴6に摺動可能に収容される。スプール4には、挿通穴6に精度よく嵌合し、複数のオイルポート7を区画するランド8(8a、8b、8c)、および、ランド8bとランド8cとの間に位置する小径部9が設けられている。スプール4は、スリーブ3との相対位置によってオイルポート7の開口面積を変化させる。また、スプール4は、スリーブ3との相対位置によってオイルポート7の連通状態と遮断状態とを切り換える。
スプリング5は、スプール4をリニアソレノイド2側に付勢する付勢手段をなすもので、圧縮コイルスプリングで代表されている。スプリング5は、一端がスプール4のリニアソレノイド2と反対側の端面に当接し、他端が受栓10に当接している。
受栓10は、スクリュアジャストとも呼称される調節部材であり、ネジ調整機構11を介してスリーブ3の端部に装着されている。このネジ調整機構11の螺合量を変更することによってスリーブ3に対する受栓10の軸方向位置を変え、スプリング5の付勢力(取付荷重)を無段階に調整することができる。また、かかる調整後に、受栓10は、ネジ調整機構11に施される固定手段12によってスリーブ3に対して軸方向に移動できないように固定される。
なお、ネジ調整機構11および固定手段12の詳細については後述する。
次いで、リニアソレノイド2の構造を説明する。リニアソレノイド2は、基本構成として、ソレノイドコイル13、ステータコア14、プランジャ15、シャフト16、ヨーク17、コネクタ18、リングコア19、および、軸方向付勢部材20を備えている。
ソレノイドコイル13は、通電されると磁力を発生して、ステータコア14、ヨーク17、および、プランジャ15を通る磁気回路を形成する。ソレノイドコイル13は、樹脂製のボビン13aに絶縁被膜導線を巻回して構成されている。
ステータコア14は、鉄等の磁性体金属材料で形成されている。ステータコア14は、磁気吸引コア14a、磁気遮断部14b、および、案内コア14cが軸方向に一体形成されており、全体として略円筒状を呈している。
プランジャ15は、鉄等の磁性体金属材料で略円柱状に形成されている。プランジャ15は、案内コア14cの内周面を軸方向に往復移動可能であり、軸方向に貫通する呼吸穴15aを有している。
シャフト16は、磁気吸引コア14aに摺動自在に支持され、スプール4とプランジャ15との間に介装されている。スプリング5がスプール4をシャフト16側へ付勢することで、シャフト16の一端はスプール4の端面に当接し、シャフト16の他端はプランジャ15の端面に当接している。
ヨーク17は、鉄等の磁性体金属材料で形成され、筒部17aおよび底部17bからなる略カップ状を呈している。筒部17aは、ソレノイドコイル13、ステータコア14、および、リングコア19を収容している。筒部17aは、開口端側がスリーブ3にカシメられることによって、ステータコア14(磁気吸引コア14a側)をスリーブ3に固定するとともに、ステータコア14(磁気吸引コア14a側)とヨーク7とを磁気的に結合している。
コネクタ18は、電磁弁103を制御する図示しない電子制御装置と接続線を介して電気的な接続を行う接続手段である。コネクタ18の内部には、コイル13の両端に接続される端子18aが設けられている。なお、コネクタ18は、ヨーク17の筒部17aの地側に設けられている。
リングコア19は、鉄等の磁性体金属材料で環状に形成され、ステータコア14とヨーク17との磁気的結合を補佐するものである。リングコア19は、ソレノイドコイル13のボビン13aとの間に介装される軸方向付勢部材20の付勢力によって、ヨーク17の底部17bに押し付けられている。軸方向付勢部材20は、ゴム、皿バネ、ウェーブワッシャ等の弾性体で構成されている。
なお、リングコア19にはステータコア14の案内コア14cが嵌合し、案内コア14cとリングコア19との磁束の受け渡しを行う。リングコア19の端面がヨーク17の底部17aに当接し、リングコア19とヨーク17との磁束の受け渡しを行う。これにより、案内コア14cとヨーク17とは、リングコア19を介して磁気的に結合される。
〔電磁弁103の基本作用〕
次に、上記構成の電磁弁103の基本的作用を説明する。
ソレノイドコイル13に通電されない時、ステータコア14の磁気吸引コア14aには電磁吸引力(電磁力)が発生しない。したがって、スプール4、シャフト16、および、プランジャ15は、スプリング5の付勢力によって図1の右方向に押し付けられている。そして、プランジャ15の端面がヨーク17の底部17bに当接している。
この状態では、入口ポート7aから流入したオイルは、ランド8bとランド8cとの間隙から排出ポート7cへ流出する。したがって、クラッチ機構104は駆動されない。
ソレノイドコイル13に通電されると、ステータコア14の磁気吸引コア14aに電磁吸引力が発生し、プランジャ15が吸引される。すると、プランジャ15は、シャフト16を介してスプール4を図1の左方向に駆動する。このとき、プランジャ15の移動に伴いプランジャ15のシャフト16側のオイルが呼吸穴15aを通ってプランジャ15の後方側へ流出するので、プランジャ15の両側の圧力変動が防止される。
この状態では、ランド8cが排出ポート7cを遮断するため、入口ポート7aから流入したオイルは、ランド8bとランド8cとの間隙から出口ポート7bへ流出し、クラッチ機構104を駆動する。また、出口ポート7bから流出したオイルの一部は呼吸ポート7dへ戻される。
上記の非通電(オフ)状態と通電(オン)状態とが、電子制御装置のデューティ制御により繰り返される。
〔スプリング5の荷重調整〕
しかして、スリーブ3内を軸方向に摺動するスプール4には、リニアソレノイド2による吸引力およびスプリング5による付勢力(取付荷重)が作用している。これにより、入口ポート7aに供給されるオイルの供給圧は、このオイルが出口ポート7bから流出するときにはリニアソレノイド2への入力電気信号に対応した出力圧に調整される。供給圧に対するスプール4の移動量の調節は、ネジ調整機構11によってスプリング5の取付荷重を調整して行われる。
ここで、前述のネジ調整機構11によってスプリング5の取付荷重を調整するための構成について、図1および図2を参照しながら詳細に説明する。
スリーブ3は、リニアソレノイド2と反対側の内部に、スプリング5を収容するスプリング室31を有している。スプリング室31は、一端側でスプール4を収容する挿通穴6と軸方向に連通しており、スプリング5の一端がスプール4の端面に当接している。
また、スリーブ3は、リニアソレノイド2と反対側の端部に、小径筒部32を有している。小径筒部32は、外周面の一部が上下に対面する二面幅部32aに形成されており、内周面に雌ネジ部32bを有する。
受栓10は、中実体で、スリーブ3の小径筒部32に装着され、スプリング室31の他端側を閉塞する。受栓10は、外側の端面に受栓10自体を回転させるための十字溝10aを有するとともに、外周面に雄ネジ部10bを有している。受栓10の内側の端面には、スプリング5の他端が当接している。
ネジ調整機構11は、スリーブ3の雌ネジ部32bと受栓10の雄ネジ部10bとによって構成されている。このネジ調整機構11を介して、受栓10とスリーブ3の端部(小径筒部32)とが螺合状態にあり、受栓10は回転しながらスリーブ3内を軸方向に移動することができる。
したがって、スプリング5の取付荷重を調整するには、プラスドライバー等の工具を受栓10の十字溝10aに嵌合して受栓10を回転させることにより、スリーブ3に対する受栓10の位置を軸方向に移動させ、スプリング5の圧縮長を増減してスプリング5の付勢力(取付荷重)を調整することができる。
かくして、スプリング5の取付荷重を所定値に調整した後には、受栓10がスリーブ3に対して移動しないように固定(回り止め)する必要があり、この回り止めのための固定手段12をネジ調整機構11に施す。具体的には、スリーブ3の小径筒部32において、二面幅部32aを上下からカシメることにより、ネジ調整機構11(雌ネジ部32bおよび雄ネジ部10b)を塑性変形させる(潰す)ことで、スリーブ3に対して受栓10が移動(回動)しないようにするわけである。
〔実施例1の特徴〕
とりわけ、本発明の要は、上記のネジ調整機構11に施す固定手段12にあり、その具体例について、図4および図5に基づいて詳説する。
まず、本発明を適用していない参考例を図5により説明する。
図5(a)は、スプリング5の取付荷重を所定値に調整した直後のネジ調整機構11の螺合状態を示している。
かかる状態のネジ調整機構11に対して、固定手段12を施すわけで、具体的にはスリーブ3の小径筒部32において、二面幅部32aを一対のカシメパンチX(X1、X2)によって矢印のごとく上下からカシメる。
すると、例えば、上側のカシメパンチX1は雌ネジ部32bの山部分(厚肉の部分)を押圧変形し、下側のカシメパンチX2は雌ネジ部32bの谷部分(薄肉の部分)を押圧変形することになる。
その結果、図5(b)に示すように、雌ネジ部32bと雄ネジ部10bとの間にはクリアランスSが存在していることもあって、受栓10の雄ネジ部10bにはアンバランスな押圧荷重が加わり、雄ネジ部10bが矢印Yのごとく曲げモーメントを受けることで、受栓10の中心軸線Oが基準線(スリーブ3の中心軸線)Zに対し傾く事象を招来する。この受栓10の傾きにより、受栓10の端面に当接しているスプリング5も傾く結果、スプリング5としての横力が大きくなり、スプール4の摺動性が悪化するという問題を惹起していた。
これに対し、実施例1による本発明の固定手段12は、上記問題を解決するために創案されたものであり、図4に基づいて説明する。
図4(a)は、スプリング5の取付荷重を所定値に調整した直後のネジ調整機構11の螺合状態を示しているが、本発明では、上下一対のカシメパンチX(X1、X2)を用いてカシメるものの、そのカシメる軸方向位置を工夫している点に特徴がある。
即ち、ネジ調整機構11は、雌ネジ部32bと雄ネジ部10bとの組み合わせであることから、そのネジピッチ(山間もしくは谷間の間隔)Pに着目し、上側のカシメパンチX1と下側のカシメパンチX2との軸方向位置を半ピッチ(P/2)だけずらしている。
これにより、上側のカシメパンチX1、および、下側のカシメパンチX2で、共に、雌ネジ部32bの山部分(厚肉の部分)同士を押圧変形させて、固定手段12を構築することができる。
この結果、図4(b)に示すように、受栓10の雄ネジ部10bには均等に押圧荷重が加わり、受栓10の中心軸線Oを基準線Z上に保持することができる。
かくして、受栓10を傾むかせることなく、ネジ調整機構11を塑性変形させ(潰し)て固定手段12を設けることができ、固定手段12によってスリーブ3に対する受栓10の固定位置を所定位置に一義的に定めることができる。
〔実施例1の効果〕
上記実施例1による本発明の固定手段12によれば、次のような作用効果を奏する。
(1)ネジ調整機構11を軸方向に半ピッチ(P/2)ずれた位置であってかつ軸方向の軸線を挟んだ対向位置から径方向内側に向かって変形させることで、受栓10をスリーブ3に固定しているため、ネジ調整機構11のネジ山同士を確実に潰すことで、受栓10をスリーブ3に位置決め固定することができる。
したがって、受栓10の軸心が傾くことがなく、スプリング5の傾きを招来しないため、スプール4の良好な摺動性を確保し、電磁弁103の制御精度を確実に向上することができる。
なお、図4(b)に示すように、押圧荷重の均等化によってクリアランスSも均等化できる付随効果も期待できる。
(2)ネジ調整機構11がスリーブ3の雌ネジ部32bと受栓10の雄ネジ部10bとで構成されているというネジの特質をそのまま有効活用して、変形個所を軸方向に半ピッチ(P/2)ずらすのみであるため、受栓10の軸心が傾くのを防ぐための特別な加工や部品を一切要しなく、電磁弁103の小型化・製造コストの低減に資すること絶大である。
(3)受栓10をスリーブ3に固定する基本構成は、ネジ調整機構11を軸方向の対向位置で変形させることにあり、ネジ調整機構11本来の特質である、スプリング5の取付荷重を無段階に調節できる調整機能を何ら消失することがないため、電磁弁103の制御精度の向上に一層貢献できる。
(4)スリーブ3には小径筒部32を設けて、ここにネジ調整機構11を構築するとともに、小径筒部32に二面幅部32aを設けて、ここにネジ調整機構11の変形位置を設定している。したがって、変形位置が平面であるため、半ピッチ(P/2)の正確なずらし設定を簡便に行え、かつ、変形位置が平面に加えて薄肉であるため、一対のカシメパンチX(X1、X2)によって安定した押圧変形効果を得ることができる。
〔他の実施形態;変形例〕
以上本発明の一実施例について詳述してきたが、本発明の精神を逸脱しない範囲で種々変形することが可能であり、他の実施形態としてその変形例を例示する。
(1)実施例1においては、ネジ調整機構11の変形位置を、スリーブ3の雌ネジ部32bの山部分同士を潰すような位置にしたが、受栓10の雄ネジ部10bにおけるネジ山同士を潰すような位置にしても良いことは勿論である。つまり、受栓10の軸心が傾かないようにするためには、雄ネジ部10bに対して均等に押圧荷重を加えることが肝要であり、スリーブ3の雌ネジ部32bまたは受栓10の雄ネジ部10bのネジ山同士またはネジ谷同士を塑性変形させる(潰す)ことである。
(2)また、実施例1においては、スリーブ3に二面幅部32aを有する小径筒部32を設けて、ここにネジ調整機構11を構築するとともに、ネジ調整機構11の変形位置を設定するようにしたが、二面幅部32aを有する小径筒部32を設けることなく、スリーブ3の端部を大径筒部のままとし、ここにネジ調整機構11を構築するとともに、ネジ調整機構11の変形位置を設定することも勿論可能である。
(3)また、実施例1においては、スプリング5として長いストロークの確保が容易な圧縮コイルスプリングを例示したが、スプリングで総称される付勢手段には、ゴムや皿バネ等の他の弾性体を用いることもできる。
(4)上述の実施形態では、本発明の電磁弁の適用例として、自動車用自動変速装置の油圧システム100における油圧制御用電磁弁103を例示した。これ以外に、例えば、バルブタイミング調整の油圧制御用電磁弁としてエンジンヘッドカバーに収容する電磁弁に適用する等、本発明の電磁弁は、種々な流量制御装置における電磁弁として有用することができる。
以上詳述してきた本発明の特徴点および特記すべき作用効果を、特許請求の範囲において従属項(従属項6を除く)として記載した各手段にしたがって要約列挙すれば、次の通りである。
(特徴点1=請求項2の手段)
請求項1に記載の電磁弁103において、
固定手段12は、ネジ調整機構11を構成する雌ネジ部32bまたは雄ネジ部10bのネジ山を潰すことで、受栓(調整部材)10を位置決め固定することを特徴としている(実施例1および変形例(1)参照)。
上記手段によれば、ネジ調整機構11の構成要素である雌ネジ部32bまたは雄ネジ部10bをそのまま有効活用して、受栓10をスリーブ3の所定位置に的確に固定することができる。
(特徴点2=請求項3の手段)
請求項1または2に記載の電磁弁103において、
スリーブ3は二面幅部32aを有する小径筒部32を備え、ネジ調整機構11は小径筒部32に構築されており、固定手段12は二面幅部32aに設けられることを特徴としている(実施例1参照)。
上記手段によれば、ネジ調整機構11の変形位置が平面であるため、半ピッチ(P/2)の正確なずらし設定を簡便に行え、かつ、上記変形位置が平面に加えて薄肉であるため、一対のカシメパンチX(X1、X2)によって安定した押圧変形効果を得ることができる。
(特徴点3=請求項4の手段)
請求項1〜3のいずれか1つに記載の電磁弁103において、
付勢手段をなすスプリング5が、圧縮コイルスプリングで構成されていることを特徴としている(実施例1参照)。
上記手段によれば、圧縮コイルスプリングは長いストロークの確保が容易であり、取付荷重の調整が行い易い。
(特徴点4=請求項5の手段)
請求項1〜4のいずれか1つに記載の電磁弁103において、
この電磁弁103は、自動車用自動変速装置の油圧システム100における油圧制御用電磁弁103として用いられることを特徴としている(実施例1参照)。
上記手段によれば、小型化・高性能化の要求が厳しい自動車用自動変速装置おいて一層の小型化・高性能化に貢献することができる。
1…スプール弁、2…リニアソレノイド、3…スリーブ、4…スプール、5…スプリング(付勢手段)、10…受栓(調節部材)、10b…雄ネジ部(ネジ調整機構の一部)、11…ネジ調整機構、12…固定手段、32b…雌ネジ部(ネジ調整機構の一部)、103…電磁弁。

Claims (5)

  1. 電磁力により駆動されるスプール(4)と、このスプール(4)を軸方向に往復移動可能に収容するスリーブ(3)と、前記電磁力とのバランス作用で前記スプール(4)の移動量を制限する付勢手段(5)と、ネジ調整機構(11)を介して前記スリーブ(3)内を軸方向に移動可能であり前記付勢手段(5)の付勢力を加減する調節部材(10)と、を備え、
    前記ネジ調整機構(11)が前記スリーブ(3)の雌ネジ部(32b)と前記調節部材(10)の雄ネジ部(10b)とで構成されている電磁弁(103)であって、
    前記調節部材(10)を軸方向に移動させて前記付勢手段(5)の付勢力を調整した後に前記調節部材(10)の位置を確定する手段として、前記ネジ調整機構(11)を軸方向に半ピッチ(P/2)ずれた位置であってかつ軸方向の軸線を挟んだ対向位置から径方向内側に向かって変形させることで、前記調節部材(10)を前記スリーブ(3)に固定する固定手段(12)を備えることを特徴とする電磁弁。
  2. 請求項1に記載の電磁弁(103)において、
    前記固定手段(12)は、前記雌ネジ部(32b)または前記雄ネジ部(10b)のネジ山を潰すことで、前記調節部材(10)を位置決め固定することを特徴とする電磁弁。
  3. 請求項1または2に記載の電磁弁(103)において、
    前記スリーブ(3)は、二面幅部(32a)を有する小径筒部(32)を備え、
    前記ネジ調整機構(11)は、前記小径筒部(32)に構築されており、
    前記固定手段(12)は、前記二面幅部(32a)に設けられることを特徴とする電磁弁。
  4. 請求項1〜3のいずれか1つに記載の電磁弁(103)において、
    前記付勢手段(5)は、圧縮コイルスプリングで構成されていることを特徴とする電磁弁。
  5. 請求項1〜4のいずれか1つに記載の電磁弁(103)において、
    この電磁弁(103)は、自動車用自動変速装置の油圧システム(100)における油圧制御用電磁弁(103)として用いられることを特徴とする電磁弁。
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