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JP6185839B2 - Braf阻害薬とvegf阻害薬との組み合わせ - Google Patents

Braf阻害薬とvegf阻害薬との組み合わせ Download PDF

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Description

本発明は、哺乳動物のがんの治療方法及びそのような治療で有効な組み合わせに関する。詳細には、本発明は、B−Raf阻害薬(特にはN−{3−[5−(2−アミノ−4−ピリミジニル)−2−(1,1−ジメチルエチル)−1,3−チアゾール−4−イル]−2−フルオロフェニル}−2,6−ジフルオロベンゼンスルホンアミド又はその薬学的に許容される塩)と、VEGFR阻害薬5−[[4−[(2,3−ジメチル−2H−インダゾール−6−イル)メチルアミノ]−2−ピリミジニル]アミノ]−2−メチルベンゼンスルホンアミド(又はその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物)とを含む新規な組み合わせ、そのような組み合わせを含んでいる医薬組成物、及びVEGFR及び/又はB−Rafの阻害が有効である病態(例えばがん)の治療でのそのような組み合わせ及び組成物の使用方法に関する。
がんを含めた高増殖性障害を効果的に治療することは腫瘍学分野では継続するゴールである。一般的には、がんは、細胞分裂、分化及びアポトーシス細胞死を調節している正常プロセスの調節異常から生じ、無限増殖、局所増大及び全身転移の能力を有している悪性細胞の増殖を特徴としている。正常プロセスの調節異常としてはシグナル伝達経路の異常及び正常細胞で見られるものとは違う対因子応答が挙げられる。
酵素の重要な一つの大ファミリーはタンパク質キナーゼ酵素ファミリーである。現在では、およそ500種の異なる既知タンパク質キナーゼが存在する。タンパク質キナーゼは、さまざまなタンパク質にあるアミノ酸側鎖にATP−Mg2+複合体のγ−ホスファートを転移させることによってそのようなアミノ酸側鎖のリン酸化を触媒する役割を担っている。これらの酵素は細胞内のシグナル発生プロセスの大部分を調節しており、これによりタンパク質のセリン、トレオニン及びチロシン残基のヒドロキシル基の可逆的リン酸化を通して細胞機能、増殖、分化及び破壊(アポトーシス)を制御している。研究により、タンパク質キナーゼは、シグナル伝達、転写調節、細胞運動、及び細胞分裂を含めた、多くの細胞機能の重要な調節因子であることが明らかになっている。いくつかのがん遺伝子はタンパク質キナーゼをコードしていることも明らかになっており、これはキナーゼが腫瘍形成で役割を果たしていることを示唆するものである。このプロセスは、多くの場合、それぞれのキナーゼが、1つ又はそれ以上のキナーゼによってそれ自体が調節されているであろう複雑な互いにかみ合った経路によって、精緻に調節されている。したがって、異常又は不適切タンパク質キナーゼ活性は、良性及び悪性増殖性障害並びに免疫系及び神経系の不適切活性化から生じる疾患を含めたそのような異常キナーゼ活性が関与する疾患状態の発生をもたらし得る。タンパク質キナーゼの生理学的関連性、多様性及び遍在性から、タンパク質キナーゼは、生化学及び医学研究における最も重要で、広く研究された酵素のファミリーの一つになっている。
タンパク質キナーゼ酵素のファミリーは、それらがリン酸化するアミノ酸残基に基づいて、典型的には2つの主なサブファミリー:タンパク質チロシンキナーゼ及びタンパク質セリン/トレオニンキナーゼに分類される。タンパク質セリン/トレオニンキナーゼ(PSTK)としては、サイクリックAMP−及びサイクリックGMP−依存タンパク質キナーゼ、カルシウム及びリン脂質依存タンパク質キナーゼ、カルシウム−及びカルモジュリン−依存タンパク質キナーゼ、カゼインキナーゼ、細胞分裂周期タンパク質キナーゼ及びその他が挙げられる。これらのキナーゼは、通常、細胞質性であるか又はおそらくタンパク質をアンカーすることによって細胞の粒子状物質フラクションを伴っている。異常タンパク質セリン/トレオニンキナーゼ活性は、リウマチ性関節炎、乾癬、敗血性ショック、骨喪失、多くのがん及び他の増殖性疾患等の多くの病変に関連しているとみられているか又はそう疑われている。したがって、セリン/トレオニンキナーゼ並びにそれらが一部であるシグナル伝達経路はドラッグデザインの重要な標的である。チロシンキナーゼはチロシン残基をリン酸化する。チロシンキナーゼは、細胞調節で同等に重要な役割を演じる。このキナーゼには、上皮細胞増殖因子受容体、インシュリン受容体、血小板由来増殖因子受容体及びその他を含めた、増殖因子並びにホルモン等の分子のためのさまざまな受容体が包含される。研究により、多くのチロシンキナーゼは、その受容体ドメインが細胞の外側に位置していてそのキナーゼドメインが内側に位置している膜横断タンパク質であることが明らかにされている。その上チロシンキナーゼのモジュレータを特定するための多くの検討も進行中である。
受容体チロシンキナーゼ(RTK)は、細胞成長、増殖及び分化を制御する、それら自体を含めた、さまざまなタンパク質にある、ある種のチロシルアミノ酸残基のリン酸化を触媒する。
いくつかのRTKのダウンストリームにはいくつかのシグナル発生経路が位置しており、それらのうちのひとつが、Ras−Raf−MEK−ERKキナーゼ経路である。現在のところ、増殖因子、ホルモン、サイトカイン等に応答するRas GTPアーゼタンパク質の活性化はRafキナーゼのリン酸化及び活性化を刺激すると理解されている。これらのキナーゼは、この後、細胞内タンパク質キナーゼMEK1及び2をリン酸化及び活性化し、これが次に他のタンパク質キナーゼ(ERK1及び2)をリン酸化及び活性化する。分裂促進因子活性化タンパク質キナーゼ(MAPK)経路又は細胞質カスケードとも呼ばれる、このシグナル発生経路は、増殖シグナルに対する細胞の応答を仲介するものである。この最終的な機能は、細胞膜のところの受容体活性と細胞質又は核標的の修飾とを繋ぐことであり、これが細胞増殖、分化、及び生残りを制御するのである。
この経路の構成的活性化は細胞転換を引き起こすのに十分である。異常受容体チロシンキナーゼ活性化、Ras変異又はRaf変異によるMAPキナーゼ経路の異常調節活性化はヒトがんでしばしば見出されていて、異常増殖調節を決定する主な因子となっている。ヒト悪性腫瘍では、Ras変異は一般的であり、がんのおよそ30%で確認されている。GTPアーゼタンパク質(グアノシン三リン酸をグアノシン二リン酸に変えるタンパク質)であるRasファミリーは活性化増殖因子受容体からダウンストリーム細胞内パートナーにシグナルを中継する。活性膜結合Rasによってリクルートされる標的のなかで広く知られているのがセリン/トレオニンタンパク質キナーゼのRafファミリーである。Rafファミリーは、Rasのダウンストリームエフェクターとして機能する3つの関連キナーゼ(A−、B−及びC−Raf)から構成されている。Ras−仲介Raf活性化は次にMEK1及びMEK2(MAP/ERKキナーゼ1及び2)の活性化を誘発し、これが次にチロシン−185及びトレオニン−183上のERK1及びERK2(細胞外シグナル調節キナーゼ1及び2)をリン酸化する。活性化されたERK1及びERK2は細胞核中に転座・蓄積し、そこにおいて、細胞増殖及び生残りを調節する転写因子を含めた、さまざまな基質をリン酸化し得る。ヒトがんの発生におけるRas/Raf/MEK/ERK経路の重要性が判明したので、シグナルカスケードの各キナーゼ成分は、がん並びに他の増殖性疾患の疾患進行をモジュレートする潜在的に重要な標的として浮かび上がりつつある。
MAPK経路の持続的及び構成的活性化をもたらし、最終的には細胞分裂及び生残りの増加をもたらし得るさまざまなRasGTPアーゼ及びB−Rafキナーゼの変異が特定されている。この結果として、これらの変異は、さまざまなヒトがんの構築、発生、及び進行と関連しているとされている。シグナル伝達におけるRafキナーゼの生物学的役割、そして特にはB−Rafのそれは、非特許文献1、非特許文献2、非特許文献3、非特許文献4、非特許文献5、及び非特許文献6に述べられている。
MAPK経路シグナル発生を活性化するB−Rafキナーゼの自然発生的な変異は高い割合のヒト黒色腫(非特許文献1)及び甲状腺がん(非特許文献7及び非特許文献8)で見出されており、同様により低い(が、なお著しい)頻度では以下のがんで見出されている。
バレット腺がん(非特許文献9及び非特許文献10)、胆道がん(非特許文献11)、乳がん(非特許文献1)、子宮頸がん(非特許文献12)、胆管がん(非特許文献13)、神経膠芽腫、星状細胞腫及び上衣細胞腫のような原発性中枢神経系腫瘍を含めた中枢神経系腫瘍(非特許文献14、非特許文献1、及び非特許文献9)並びに二次性中枢神経系腫瘍(すなわち、中枢神経系以外で発生の腫瘍が中枢神経系へ転移したもの)、大腸結腸がん(非特許文献15、非特許文献1及び非特許文献16)を含めた、結腸直腸がん、胃がん(非特許文献17)、頭頸部の扁平上皮細胞がんも含めた頭頸部のがん(非特許文献18及び非特許文献19)、白血病を含めた血液のがん(非特許文献9)、特には急性リンパ芽球性白血病(非特許文献9及び非特許文献20)、急性骨髄性白血病(AML)(非特許文献21及び非特許文献22)、骨髄異形成症候群(非特許文献22)並びに慢性骨髄性白血病(非特許文献23)、ホジキンズリンパ腫(非特許文献24)、非ホジキンズリンパ腫(非特許文献25)、巨核芽球性白血病(非特許文献26)並びに多発性骨髄腫(非特許文献27)、肝細胞がん(非特許文献9)、小細胞肺がん(非特許文献28)並びに非小細胞肺がん(非特許文献1)を含めた、肺がん(非特許文献29、非特許文献18及び非特許文献1)、卵巣がん(非特許文献30及び非特許文献1)、子宮内膜がん(非特許文献12及び非特許文献18)、膵臓がん(非特許文献31)、下垂体腺腫(非特許文献32)、前立腺がん(非特許文献33)、腎臓がん(非特許文献34)、肉腫(非特許文献1)、及び皮膚がん(非特許文献35及び非特許文献1)。c−Rafの過剰発現はAML(非特許文献36及び非特許文献37)及び赤白血病(非特許文献38)に関連しているとされている。
Rafファミリーキナーゼがこれらのがんで演じる役割から、また、B−Rafキナーゼ活性の選択的阻害を目的とする予備的な研究を含めた、さまざまな臨床前及び治療作用物質による予備的な研究(非特許文献39)から、1つ又はそれ以上のRafファミリーキナーゼの阻害は、そのようながんあるいはRafキナーゼが関与している他の病態の治療に有効であろうことはだいたい認められている。
B−Rafの変異は、CFC(cardio-facio cutaneous)症候群(非特許文献40)及び多発性嚢胞腎(非特許文献41)にも関連しているとみられている。
VEGF
血管新生のプロセスは、既存血管構造から新規血管が発生してくるプロセスである。血管新生は、本明細書では、(i)内皮細胞の活性化;(ii)血管透過の増大;(iii)その後基底膜が崩壊して血漿成分が溢出した後もたらされる仮のフィブリンゲル細胞外マトリックスの形成;(iv)内皮細胞の増殖と移動;(v)移動内皮細胞が再編成されることによる機能毛細血管の形成;(vi)毛細血管ループの形成;及び(vi)基底膜の形成及び新形成管への血管周囲細胞のリクルート;を含むものと定義される。正常な血管新生は胚発生から成熟までの組織成長の期間中は活発であるが、その後、成人の期間中は比較的不活発の期間に入る。正常な血管新生は傷治癒の期間中にも活性化され、また女性繁殖周期の一定の段階でも活性化される。不適切又は病的血管新生は、さまざまな網膜症、虚血性疾患、アテローム性動脈硬化症、慢性的炎症性障害、及びがんを含めたいくつかの疾患状態と関連付けられている。疾患状態における血管新生の役割は、例えば、非特許文献42、非特許文献43、非特許文献44に論述されている。
がんでは固形腫瘍の成長は血管新生に依存していることが明らかになっている。白血病の進行並びに悪性腹水と胸水に伴う流体の蓄積にも向血管新生因子が関与している(非特許文献45を参照されたい)。
血管新生のプロセスの要となるのが血管内皮増殖因子(VEGF)とその受容体(血管内皮増殖因子受容体と呼ばれる)(VEGFR)である。VEGF及びVEGFRが固形腫瘍の血管形成で演じる役割、造血系がんの進行、及び血管透過のモジュレーションは科学の分野では大きな関心を呼んでいる。VEGFはポリペプチドであり、不適切又は病的血管新生に関連があるとされている(非特許文献46)。VEGFRはタンパク質チロシンキナーゼ(PTK)であってこれは細胞増殖、分化、及び生残りの調節に関与するタンパク質の特定のチロシン残基のリン酸化を触媒する(非特許文献47、非特許文献48、非特許文献49、非特許文献50、非特許文献51)。
VEGFのための3つのPTK受容体が明らかにされている:VEGFRI(FIt−I);VEGFR2(Flk−I及びKDR);及びVEGFR3(Flt−4)。これらの受容体は血管新生に関与しておりまたシグナル伝達にも参加している(非特許文献52、非特許文献53、非特許文献54)。
特に重要なのがVEGFR2であり、これは、基本的に内皮細胞に発現する膜横断受容体PTKである。VEGFによるVEGFR−2の活性化は、腫瘍血管新生を開始するシグナル伝達経路における臨界的なステップである。腫瘍細胞にはVEGF発現は構成的であり得るが、ある種の刺激に応答してもアップレギュレーションされ得る。一つのそのような刺激は低酸素であり、この場合では、VEGF発現は、腫瘍と関連宿主組織のいずれにおいてもアップレギュレーションされている。VEGFリガンドはVEGFR2の細胞外VEGF結合部位に結合することによってVEGFR2を活性化する。この活性化がVEGFRの受容体二量体化とVEGFR2の細胞内キナーゼドメインにあるチロシン残基の自己リン酸化をもたらす。このキナーゼドメインはATPからチロシン残基にホスファートを転移させるように作用する、つまりVEGFR−2のダウンストリームにあるシグナル発生タンパク質のための結合部位を提供して最終的には血管新生をもたらす(非特許文献55、非特許文献56)。
したがって、キナーゼドメインの拮抗は、チロシン残基のリン酸化をブロックし、血管新生の開始を撹乱するのに役立つと考えられる。具体的には、VEGFR2キナーゼドメインのATP結合部位での阻害はATPの結合を妨害し、チロシン残基のリン酸化を妨害すると考えられる。VEGFR2が関与する向血管新生シグナル伝達経路のそのような撹乱は、それゆえに、腫瘍血管新生を阻害するはずであり、これによって、不適切血管新生が関与するがん又は他の障害のための有効な治療が提供されるはずである。
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VEGF阻害薬、B−Raf阻害薬等の化合物によるがんの治療で多くの最新の進展がなされているが、がんの影響に苦しむ個体のより効果的な及び/又はより高められた治療に対しては依然としてニーズがある。
本発明者は、単一療法薬よりも活性の増大をもたらす化学療法剤の組み合わせを明らかにした。詳細には、B−Raf阻害薬N−{3−[5−(2−アミノ−4−ピリミジニル)−2−(1,1−ジメチルエチル)−1,3−チアゾール−4−イル]−2−フルオロフェニル}−2,6−ジフルオロベンゼンスルホンアミド又はその薬学的に許容される塩との組み合わせで、VEGFR阻害薬5−[[4−[(2,3−ジメチル−2H−インダゾール−6−イル)メチルアミノ]−2−ピリミジニル]アミノ]−2−メチルベンゼンスルホンアミド(又はその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物)を含む薬物組み合わせが提供される。
本発明のVEGFR阻害薬は、式(I):
Figure 0006185839
の構造(又はその薬学的に許容される塩)で表される(本明細書では集合的に「化合物A」と呼ぶ)。
本発明のB−Raf阻害薬は、式(II):
Figure 0006185839
の構造(又はその薬学的に許容される塩)で表される(本明細書では集合的に「化合物B」と呼ぶ)。
本発明の第1の態様では、
(i)式(I):
Figure 0006185839
で表される化合物又はその薬学的に許容される塩;
及び
(ii)式(II):
Figure 0006185839
で表される化合物又はその薬学的に許容される塩;
を含む組み合わせが提供される。
本発明のもう一つの態様では、5−[[4−[(2,3−ジメチル−2H−インダゾール−6−イル)メチルアミノ]−2−ピリミジニル]アミノ]−2−メチルベンゼンスルホンアミドモノヒドロクロリド及びN−{3−[5−(2−アミノ−4−ピリミジニル)−2−(1,1−ジメチルエチル)−1,3−チアゾール−4−イル]−2−フルオロフェニル}−2,6−ジフルオロベンゼンスルホンアミドメタンスルホナートを含む組み合わせが提供される。
本発明のもう一つの態様では、治療で使用するための、
(i)式(I):
Figure 0006185839
で表される化合物又はその薬学的に許容される塩;及び
(ii)式(II):
Figure 0006185839
で表される化合物又はその薬学的に許容される塩;
を含む組み合わせが提供される。
本発明のもう一つの態様では、がんの治療で使用するための、
(i)式(I):
Figure 0006185839
で表される化合物又はその薬学的に許容される塩;及び
(ii)式(II):
Figure 0006185839
で表される化合物又はその薬学的に許容される塩;
を含む組み合わせが提供される。
本発明のもう一つの態様では、薬学的に許容される希釈剤又は担体と一緒に
(i)式(I):
Figure 0006185839
で表される化合物又はその薬学的に許容される塩;及び
(ii)式(II):
Figure 0006185839
で表される化合物又はその薬学的に許容される塩;
を含む、医薬組成物が提供される。
本発明のもう一つの態様では、がんの治療用医薬の製造における
(i)式(I):
Figure 0006185839
で表される化合物又はその薬学的に許容される塩;及び
(ii)式(II):
Figure 0006185839
で表される化合物又はその薬学的に許容される塩;
を含む組み合わせの使用が提供される。
本発明のもう一つの態様では
(i)式(I):
Figure 0006185839
で表される化合物又はその薬学的に許容される塩の治療有効量;及び
(ii)式(II):
Figure 0006185839
で表される化合物又はその薬学的に許容される塩;
を哺乳動物に投与することを含む哺乳動物のがんの治療方法が提供される。
もう一つの態様では、5−[[4−[(2,3−ジメチル−2H−インダゾール−6−イル)メチルアミノ]−2−ピリミジニル]アミノ]−2−メチルベンゼンスルホンアミド(又はその薬学的に許容される塩)及びN−{3−[5−(2−アミノ−4−ピリミジニル)−2−(1,1−ジメチルエチル)−1,3−チアゾール−4−イル]−2−フルオロフェニル}−2,6−ジフルオロベンゼンスルホンアミド又はその薬学的に許容される塩の組み合わせの治療有効量を投与することを含む、治療を必要としているヒトのがんの治療方法が提供される。
もう一つの態様では、5−[[4−[(2,3−ジメチル−2H−インダゾール−6−イル)メチルアミノ]−2−ピリミジニル]アミノ]−2−メチルベンゼンスルホンアミドモノヒドロクロリドとN−{3−[5−(2−アミノ−4−ピリミジニル)−2−(1,1−ジメチルエチル)−1,3−チアゾール−4−イル]−2−フルオロフェニル}−2,6−ジフルオロベンゼンスルホンアミドメタンスルホナートとの組み合わせの治療有効量を投与することを含む、治療を必要としているヒトのがんの治療方法が提供される。
本発明のさらなる態様では本発明の組み合わせの治療有効量を投与することを含む治療を必要としている哺乳動物のがんの治療方法であって、その組み合わせが特定の期間内に及び特定の時間期間投与される方法が提供される。
本明細書中で使われる場合、VEGFR阻害薬5−[[4−[(2,3−ジメチル−2H−インダゾール−6−イル)メチルアミノ]−2−ピリミジニル]アミノ]−2−メチルベンゼンスルホンアミド(又はその薬学的に許容される塩)は、式(I):
Figure 0006185839
で表される化合物(又はその薬学的に許容される塩)である。便宜上、あり得る化合物及び塩の群は、集合的に化合物Aと呼び、化合物Aへの言及は、その選択肢中の任意の化合物又はその薬学的に許容される塩への言及となることを意味する。
本明細書中で使われる場合、BRaf阻害薬N−{3−[5−(2−アミノ−4−ピリミジニル)−2−(1,1−ジメチルエチル)−1,3−チアゾール−4−イル]−2−フルオロフェニル}−2,6−ジフルオロベンゼンスルホンアミド又はその薬学的に許容される塩は、式(II):
Figure 0006185839
で表される化合物又はその薬学的に許容される塩である。便宜上、あり得る化合物及び塩の群は、集合的に化合物Bと呼び、化合物Bへの言及は、その選択肢中の任意の化合物又はその薬学的に許容される塩への言及となることを意味する。
本明細書中で使われる用語「本発明の組み合わせ」は、化合物Aと化合物Bとを含む組み合わせのことである。
本明細書中で使われる用語「新生物」は、細胞又は組織が異常増殖したもののことをいい、良性の(すなわち非がん性の)増殖及び悪性の(すなわちがん性の)増殖を含むものと理解される。用語「新生物の」は、新生物の、又は新生物に関連する、を意味する。
本明細書中で使われる用語「剤」は、組織、系、動物、哺乳動物、ヒト、あるいは他の対象に所望効果をもたらす物質を意味する。したがって、用語「抗新生物剤」は、組織、系、動物、哺乳動物、ヒト、あるいは他の対象に抗新生物作用をもたらす物質を意味すると理解される。また、「剤」は、一種の化合物もしくは2種又はそれ以上の化合物の組み合わせ又は組成物であり得ると理解されるべきである。
本明細書中で使われる用語「治療」及びその派生語は、治療療法を意味する。ある特定の病態に関して、治療は、(1)その病態又はその病態の1つ又はそれ以上の生物学的発現を改善すること、(2)(a)その病態をもたらしている又はその病態の原因となっている生物学的カスケード中の1つ又はそれ以上のポイント又は(b)その病態の1つ又はそれ以上の生物学的発現と相互干渉すること、(3)その病態と関連している1つ又はそれ以上の症状、影響又は副作用もしくはその病態又はその病態の治療と関連している1つ又はそれ以上の症状、影響又は副作用を軽減すること、又は(4)その病態又はその病態の1つ又はそれ以上の生物学的発現の進行を遅らせること、を意味する。
本明細書中で使われる場合、「予防」は、病態又はその生物学的発現の可能性又は深刻度を実質的に低下させるために薬物を予防的に投与すること、又はそのような病態又はその生物学的発現の始まりを遅らせることをいうものと理解する。当業者なら、「予防」は絶対的用語ではないことを理解すると思われる。予防的療法は、例えば、対象が、高いがんの家族暦を有している場合あるいは対象が発がん物質に曝されたことがある場合のような、対象ががん発症の高いリスクにあると考えられる場合に適切である。
本明細書中で使われる場合、用語「有効量」は、例えば研究者又は臨床医が求めている組織、系、動物又はヒトの生物学的又は医学的応答を引き出すであろう薬物又は医薬剤の量を意味する。さらに、用語「治療有効量」は、そのような量を与えられていない対応する対象に比較した場合、治療の改善、治癒の改善、予防の改善、つまり疾患、障害、あるいは副作用の改善、又は疾患又は傷害の進行の速度の低下を結果としてもたらす任意の量を意味する。この用語には、その範囲内に、正常生理学的機能を向上させるのに有効な量も包含される。
化合物A及び/又はBは1つ又はそれ以上のキラル原子を含み得る、つまり換言するとエナンチオマーとして存在することができ得る。したがって、本発明の化合物には、エナンチオマーの混合物のみならず純粋エナンチオマーあるいはエナンチオリッチ混合物も包含される。また、互変異性体及び互変異性体の混合物はすべて化合物A及び化合物Bの範囲の中に包含されることは理解されるところである。
また、化合物A及び化合物Bは、別々にあるいは一緒に、溶媒和物となり得ることも理解されるところである。本明細書中で使われる場合、用語「溶媒和物」は、溶質(本発明では、式(I)又は(II)で表される化合物又はその塩)と溶媒とによって形成される可変化学量論量の複合体のことをいう。本発明の目的のためのそのような溶媒は溶質の生物学的活性と相互干渉するものであってはならない。適する溶媒の例としては、限定するものではないが、水、メタノール、ジメチルスルホリド、エタノール及び酢酸が挙げられる。一実施形態では、使用される溶媒は、薬学的に許容される溶媒である。適する薬学的に許容される溶媒の例としては、限定するものではないが、水、エタノール及び酢酸が挙げられる。もう一つの実施形態では、使用される溶媒は水である。
化合物A及びBは2つ以上の形態に結晶化する能力(多形と呼ばれる、特性)を有し得るものであり、そのような多形形態(「多形体」)は化合物A及び化合物Bの範囲の内にあることは理解されるところである。多形は一般的には温度又は圧力もしくはその両者の変化に対する応答として生じ得るものであり、また結晶化過程における変動からも生じ得る。多形体は、X−線回折パターン、溶解度、及び融点等の当技術分野で知られている各種の物理特性で区別され得る。
化合物Aは、国際公開第02/059110号では、その薬学的に許容される塩と一緒に、VEGF活性の阻害薬として有効であると、特にはがんの治療で有効であると開示及び特許請求されている。化合物Aは、実施例69の化合物である。化合物Aは、国際公開第02/059110号に記載されているようにして調製され得る。
好適には、化合物Aは、モノヒドロクロリド塩の形態にある。この塩形態は当業者によっては国際公開第02/059110号中の記載から調製され得る。
化合物Bは、PCT特許出願であるPCT/US09/42682で、その薬学的に許容される塩と一緒に、BRaf活性の阻害薬として有効であると、特にはがんの治療で有効であると開示及び特許請求されている。化合物Bは、この出願の実施例58a〜58eによって具現化される。このPCT出願は国際公開第2009/137391号の公報として2009年11月12日に公開されているものであり、ここにおいて参照により本明細書に組み込まれる。
典型的には、本発明の塩は、薬学的に許容される塩である。用語「薬学的に許容される塩」に包含される塩とは、本発明の化合物の非毒性塩のことを指す。本発明の化合物の塩には、本発明の化合物の置換基の窒素から誘導される酸付加塩が包含され得る。代表的な塩としては、以下の塩:アセタート、ベンゼンスルホナート、ベンゾアート、ビカルボナート、ビスルファート、ビタルトラート、ボラート、ブロミド、カルシウムエデタート、カムシラート、カルボナート、クロリド、クラブラナート、シトラート、ジヒドロクロリド、エデタート、エジシラート、エストラート、エシラート、フマラート、グルセプタート、グルコナート、グルタマート、グリコリルアルサニラート、ヘキシルレソルシナート、ヒドラバミン、ヒドロブロミド、ヒドロクロリド、ヒドロキシナフトアート、ヨージド、イセチオナート、ラクタート、ラクトビオナート、ラウラート、マラート、マレアート、マンデラート、メシラート、メチルブロミド、メチルニトラート、メチルスルファート、一カリウムマレアート、ムカート、ナプシラート、ニトラート、N−メチルグルカミン、オキサラート、パモアート(エンボナート)、パルミタート、パントテナート、ホスファート/ジホスファート、ポリガラクツロナート、カリウム、サリチラート、ナトリウム、ステアラート、塩基性アセタート、スクシナート、タンナート、タルトラート、テオクラート、トシラート、トリエチオジド、トリメチルアンモニウム及びバレラートが挙げられる。薬学的には許容されない、他の塩も、本発明の化合物の調製で有用であり得、これらの塩は本発明のさらなる態様を形成する。塩は当業者によっては容易に調製され得るものである。
治療で使用するためには、化合物A及びBは、原体化学物質として投与され得ることはあり得るが、活性成分を医薬組成物として提供することが考えられる。したがって、本発明は、さらに、化合物A及び/又は化合物B、及び、1種又はそれ以上の薬学的に許容される担体、希釈剤、又は賦形剤を含む、医薬組成物を提供するものである。化合物A及びBは上記に記載されているとおりである。担体、希釈剤又は賦形剤は、製剤の他の成分と適合性があるという意味において、医薬調製が可能であるという意味において、製剤の受容者に有害でないという意味において許容されるものでなければならない。本発明のもう一つの態様により、化合物A及び/又は化合物Bと、1種又はそれ以上の薬学的に許容される担体、希釈剤又は賦形剤とを混合することを含む医薬組成物の調製方法も提供される。用いられる医薬組成物のそのような各成分は、別々の医薬組み合わせで提供され得るしあるいは一つの医薬組成物中に一緒に製剤化され得る。したがって、本発明は、さらに、医薬組成物の一つが化合物Aと1種又はそれ以上の薬学的に許容される担体、希釈剤、又は賦形剤とを含んでいる医薬組成物と、化合物B及び1種又はそれ以上の薬学的に許容される担体、希釈剤、又は賦形剤とを含有している医薬組成物との医薬組成物の組み合わせを提供するものである。
化合物A及び化合物Bは上記に記載されているとおりであり、上記で述べた各組成物のいずれにも用いられ得る。
医薬組成物は、単位投与あたり所定量の活性成分を含有している単位投与形態で提供され得る。当業者には知られているように、用量あたりの活性成分の量は、治療されている病態、投与の経路並びに患者の年齢、体重及び状態によって決まるものである。好ましい単位用量組成物は、活性成分の一日当たりの薬量又は分割薬量(又はその適当なフラクション)を含有しているものである。さらには、そのような医薬組成物は、製薬の分野で周知のいずれの方法によっても調製され得るものである。
化合物A及びBは、適切な任意の経路で投与され得る。適する経路としては、経口、直腸、経鼻、局所(経頬及び舌下を含む)、経膣、及び非経口(皮下、筋肉内、静脈内、皮内、髄腔内、及び硬膜外を含む)が挙げられる。好ましい経路は、例えば、組み合わせの受容者の状態及び治療されるべきがんで変わり得ることは理解されると思われる。投与される剤のそれぞれは同じか又は異なる経路で投与され得ること及び化合物A及びBは一つの医薬組成物中に一緒に複合化され得ることも理解されると思われる。
経口投与に適合する医薬組成物は、カプセル剤又は錠剤;粉末剤又は顆粒剤;水性もしくは非水性液体中溶液剤又は懸濁液剤;可食フォーム又はホィップ;あるいは水中油型液体エマルション又は油中水型液体エマルション等の個別ユニットとして提供され得る。
例として、錠剤又はカプセル剤の形態での経口投与では、活性薬物成分は、エタノール、グリセロール、水等の、経口用、非毒性の薬学的に許容される不活性担体と組み合わせられ得る。粉粒剤は、化合物を適する細かいサイズに粉砕して、同じように粉砕された医薬担体、例えば、スターチ又はマンニトールのような、可食炭水化物と混合することによって調製される。香味剤、保存剤、分散剤や着色剤も存在していてよい。
カプセル剤は、上記で述べたようにして粉粒剤混合物を調製し、成形ゼラチンシースに充填することによって作製される。コロイドシリカ、タルク、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウムあるいは固体ポリエチレングリコール等の流動促進剤及び潤滑剤は粉粒剤混合物には充填操作の前に加えられ得る。カンテン、炭酸カルシウムあるいは炭酸ナトリウム等の崩壊剤や可溶化剤も、カプセル剤が摂取された時の医薬のアベイラビィリティーをよくするために加えられ得る。
さらには、望まれる場合又は必要な場合は、適する結着剤、潤滑剤、崩壊剤や着色剤も顆粒化の前に加えられ得、粉粒剤混合物は錠剤機に送られて、結果としては不完全成形スラグが顆粒に破砕され得る。この顆粒は潤滑化されて混合物に組み込まれ得る。適する結着剤としては、スターチ、ゼラチン、グルコースやβ−ラクトース等の天然の糖、コーンスイートナー、アカシア、トラガカントあるいはアルギン酸ナトリウムのような天然並びに合成のガム、カルボキシメチルセルロース、ポリエチレングリコール、ワックス等が挙げられる。この投与剤形に使用される潤滑剤としては、オレイン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、安息香酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、塩化ナトリウム等が挙げられる。崩壊剤としては、限定するものではないが、スターチ、メチルセルロース、カンテン、ベントナイト、キサンタンガム等が挙げられる。錠剤は、例えば、粉粒剤混合物を調製し、顆粒化又はスラグ化し、潤滑剤及び崩壊剤を加えて錠剤に圧縮加工することによって製剤化される。粉粒剤混合物は、適切に粉砕された、化合物を、上記で述べた希釈剤又は基剤と、及び場合によっては、結着剤例えばカルボキシメチルセルロース、アリギナート、ゼラチンあるいはポリビニルピロリドン、溶解遅延剤例えばパラフィン、再吸収促進剤例えば四級塩及び/又は吸収剤例えばベントナイト、カオリンあるいはリン酸二カルシウムと混合することによって調製される。粉粒剤混合物は結着剤例えばシロップ、スターチペースト、アカシア粘液あるいは繊維又は高分子物質の溶液で湿潤化させ、スクリーンに押し通すことによって顆粒化され得る。錠剤成形ダイスに粘着するのを回避する代替法としてはステアリン酸、ステアリン酸塩、タルクあるいはミネラルオイルを加える方法がある。潤滑化された混合物は、この後、錠剤に圧縮成形される。本発明の化合物は、また、易流動性不活性担体と組み合わせられて、顆粒化又はスラグ化の工程を経ることなしに直接錠剤に圧縮成形され得る。シェラックのシーリングコート、糖又は高分子物質のコーティング、あるいはワックスのポリッシュコーティングからなる透明又は半透明保護コーティングが設けられ得る。これらのコーティングには、各種の単位用量を区別するために、染料が加えられ得る。
溶液剤、シロップ剤、エリキシル剤等の経口液体剤は、所与の量が所定量の化合物を含有しているように用量単位剤形に調製され得る。シロップ剤は適切に香味付けされた水性溶液に化合物を溶解させることによって調製され得、エリキシル剤は非毒性のアルコール媒体を使用することで調製される。懸濁液剤は、非毒性の媒体に化合物を分散させることで調製され得る。可溶化剤や乳化剤例えばエトキシル化イソステアリルアルコール及びポリオキシエチレンソルビトールエーテル、防腐剤、香味付加剤例えばペパーミントオイルあるいは天然のスイートナー又はサッカリンもしくは他の人工甘味料等も加えられ得る。
適切な場合は、経口投与用組成物は、マイクロカプセル化され得る。組成物は、また、コーティングすることによって、あるいは粒子状物質をポリマー、ワックス又は似たようなものの中に包埋させることによって、放出を長期化又は持続化させるようにも調製され得る。
本発明に従って使用するための剤は、単一ラメラ小ベシクル、単一ラメラ大ベシクル、多重層ラメラベシクル等の、リポソーム送達システムの形態でも投与され得る。リポソームは、コレステロール、ステアリルアミン又はホスファチジルコリン等、各種のリン脂質から形成され得る。
本発明に従って使用するための剤は、化合物分子がカップリングされている個々の運搬体としてのモノクローナル抗体を用いることによっても送達され得る。化合物は、また、標的化可能薬物運搬体としての可溶ポリマーともカップリングされ得る。そのようなポリマーとしては、ポリビニルピロリドン、ピランコポリマー、ポリヒドロキシプロピルメタクリルアミド−フェノール、ポリヒドロキシエチルアスパルトアミドフェノール、又はパルミトイル残基で置換されたポリエチレンオキシデポリリシンが挙げられ得る。さらには、化合物は、薬物の制御放出を達成するのに有用な生分解性ポリマーの群、例えば、ポリ乳酸、ポリエプシロンカプロラクトン、ポリヒドロキシ酪酸、ポリオルトエステル、ポリアセタール、ポリジヒドロピラン、ポリシアノアクリラート並びにヒドロゲルの架橋又は両親媒性ブロックコポリマーに、カップリングされ得る。
経皮投与に適合する医薬組成物は、長期間受容者の表皮と緊密に接触して留まることが企図された個別パッチとして提供され得る。例えば、活性成分は、Pharmaceutical Research, 3(6), 318 (1986)に一般的に記述されているイオン導入法によりパッチから送達され得る。
局所投与に適合する医薬組成物は、軟膏剤、クリーム剤、懸濁液剤、ローション剤、パウダー剤、溶液剤、ペースト剤、ジェル剤、スプレー剤、エアロゾルあるいはオイルとして製剤化され得る。
眼又は他の外部組織、例えば口や皮膚の治療用には、組成物は、好ましくは、局所軟膏剤又はクリーム剤として適用される。軟膏剤に製剤化される場合は、活性成分は、パラフィン系か水混和性軟膏基剤と一緒に用いられ得る。別形態としては、活性成分は、水中油型クリーム基剤又は油中水型基剤でクリーム剤に製剤化され得る。
眼への局所投与に適合する医薬組成物としては、活性成分が、適する担体、特には水性溶媒に溶解又は懸濁されている点眼液剤が挙げられる。
口の中での局所投与に適合する医薬組成物としては、ロゼンジ剤、トローチ剤、マウスウォッシュ剤が挙げられる。
直腸投与に適合する医薬組成物は、座剤又は浣腸剤として提供され得る。
担体が固体である経鼻投与に適合する医薬組成物としては、例えば20〜500ミクロンの範囲の粒子サイズを有している粗粉粒剤が挙げられ、これは、吸い込みが行われる方式で、すなわち鼻の下近くに保持された粉粒剤の容器から鼻腔を通して急速に吸入することによって投与される。経鼻スプレーとしてあるいは点鼻液剤として投与するための、担体が液体である適する組成物としては、活性成分の水性又は油性溶液剤が挙げられる。
吸入による投与に適合する医薬組成物としては微細粒子粉末剤あるいは霧滴剤が挙げられ、これは、さまざまなタイプの加圧計量エアロゾル器、ネブライザー器あるいは吹き入れ器により発生され得る。
膣投与に適合する医薬組成物は、ペッサリー、タンポン、クリーム、ジェル、ペースト、フォーム又はスプレー組成物として提供され得る。
非経口投与に適合する医薬組成物としては、抗酸化剤、緩衝剤、静菌剤並びに製剤を意図される受容者の血液と等張にする溶質を含み得る水性、非水性滅菌注射溶液剤;及び懸濁化剤及び増粘化剤を含み得る水性、非水性滅菌懸濁液剤;が挙げられる。この組成物は、単一用量又はマルチ用量容器、例えば密封アンプル、バイアルで提供され得るものであり、使用直前に滅菌液体担体、例えば注射用の水を加えることのみを必要とする凍結乾燥状態で貯蔵され得る。即席注射溶液剤及び懸濁液剤は、滅菌粉粒剤、顆粒剤、錠剤から調製され得る。
上記で特に言及した成分以外に、組成物は、当該の製剤のタイプに関係がある当技術分野で慣用の他の添加剤を含み得ることは理解されるべきであり、例えば経口投与に適する組成物は香味剤を含み得る。
化合物A及び化合物Bを含んでいる一体型医薬組成物で同時的に投与することにより本発明に従った組み合わせで化合物A及びBは用いられ得る。別形態としては、組み合わせは、別々の医薬組成物で(それぞれには化合物A及びBのうちの一つが入っている)、順次方式で(この場合では、例えば、化合物A又は化合物Bが最初に投与されて他方がその次に投与される)別々に投与され得る。そのような順次的投与は、時間的に近くてよいし(例えば同時に)あるいは時間的に離れていてよい。さらには、各化合物が、同じ投与剤形で投与されるかは重要でなく、例えば一方の化合物は局所的に投与され得るし、また他方の化合物は経口で投与され得る。好適には、各化合物はいずれも経口で投与される。
このように、一つの実施形態では、化合物Aの1つ又はそれ以上の用量が化合物Bの1つ又はそれ以上の用量と同時に又は別々に投与される。
一実施形態では、化合物Aの複数の用量が化合物Bの複数の用量と同時に又は別々に投与される。
一実施形態では、化合物Aの複数の用量が化合物Bの一つの用量と同時に又は別々に投与される。
一実施形態では、化合物Aの一つの用量が化合物Bの複数の用量と同時に又は別々に投与される。
一実施形態では、化合物Aの一つの用量が化合物Bの一つの用量と同時に又は別々に投与される。
上記実施形態のすべてにおいて、化合物Aが最初に投与され得るしあるいは化合物Bが最初に投与され得る。
組み合わせは組み合わせキットとして提供され得る。用語「組み合わせキット」又は「パーツキット」は、本明細書中で使われる場合、本発明に従って化合物A及び化合物Bを投与するのに用いられる一つの医薬組成物又は複数の医薬組成物を意味する。各化合物がいずれも同時に投与される場合は、組み合わせキットは、単一の医薬組成物(例えば錠剤)中又は別々の医薬組成物中に化合物A及び化合物Bを含み得る。化合物A及びBが同時には投与されない場合は、組み合わせキットは、化合物A及び化合物Bを別々の医薬組成物で単一のパッケージ中に含むか又は化合物A及び化合物Bを別々の医薬組成物で別々のパッケージ中に含むことになる。
一つの態様で
薬学的に許容される補佐剤、希釈剤又は担体と合わさった化合物Aコンポーネント;及び
薬学的に許容される補佐剤、希釈剤又は担体と合わさった化合物Bコンポーネント;
を含むパーツキットが提供される。
本発明の一実施形態では、パーツキットは、以下のコンポーネント:
薬学的に許容される補佐剤、希釈剤又は担体と合わさった化合物Aコンポーネント;及び
薬学的に許容される補佐剤、希釈剤又は担体と合わさった化合物Bコンポーネント;
を含み、各コンポーネントは、順次、別々及び/又は同時投与に適している形態で提供される。
一実施形態では、パーツキットは、
薬学的に許容される補佐剤、希釈剤又は担体と合わさった化合物Aを含んでいる第1の容器;及び
薬学的に許容される補佐剤、希釈剤又は担体と合わさった化合物Bを含んでいる第2の容器;
及びそのような第1の容器及び第2の容器を入れるための容器手段を含んでいる。
組み合わせキットには、指示説明書、例えば用量及び投与の指示説明書も提供され得る。そのような用量及び投与の指示説明書は、例えば薬物製品ラベルにより、医師に提供される種類のもの、あるいは患者への指示説明書のように、医師によって提供される種類のものであり得る。
好適には、本発明の組み合わせは、「特定の期間」内に投与される。
用語「特定の期間」及びその派生語は、本明細書中で使われる場合、化合物A及び化合物Bのうちの一方の投与と他方の投与との間の時間の間隔を意味する。特に定義されていない限り、特定の期間には、同時投与が包含され得る。本発明の各化合物がいずれも一日一回投与される場合、特定の期間は、単一の日の期間中に化合物A及び化合物Bが投与されることをいう。本発明の各化合物の一方又は双方が一日2回以上投与される場合は、特定の期間は、特定の日におけるそれぞれの化合物の最初の投与に基づいて計算される。この特定の期間を計算するときは特定の日の期間中における本発明の化合物の最初の投与に続く投与は、すべて、考慮されない。
好適には、各化合物が「特定の期間」内に投与され、同時には投与されない場合、互いのおよそ24時間以内にそれらのいずれもが投与される(このケースでは、特定の期間は、およそ24時間となる);好適には、互いのおよそ12時間以内にそれらのいずれもが投与される(このケースでは、特定の期間は、およそ12時間となる);好適には、互いのおよそ11時間以内にそれらのいずれもが投与される(このケースでは、特定の期間は、およそ11時間となる);好適には、互いのおよそ10時間以内にそれらのいずれもが投与される(このケースでは、特定の期間は、およそ10時間となる);好適には、互いのおよそ9時間以内にそれらのいずれもが投与される(このケースでは、特定の期間は、およそ9時間となる);好適には、互いのおよそ8時間以内にそれらのいずれもが投与される(このケースでは、特定の期間は、およそ8時間となる);好適には、互いのおよそ7時間以内にそれらのいずれもが投与される(このケースでは、特定の期間は、およそ7時間となる);好適には、互いのおよそ6時間以内にそれらのいずれもが投与される(このケースでは、特定の期間は、およそ6時間となる);好適には、互いのおよそ5時間以内にそれらのいずれもが投与される(このケースでは、特定の期間は、およそ5時間となる);好適には、互いのおよそ4時間以内にそれらのいずれもが投与される(このケースでは、特定の期間は、およそ4時間となる);好適には、互いのおよそ3時間以内にそれらのいずれもが投与される(このケースでは、特定の期間は、およそ3時間となる);好適には、互いのおよそ2時間以内にそれらのいずれもが投与される(このケースでは、特定の期間は、およそ2時間となる);好適には、互いのおよそ1時間以内にそれらのいずれもが投与される(このケースでは、特定の期間は、およそ1時間となる)。本明細書中で使われる場合、およそ45分離れての化合物Aと化合物Bの投与は、同時投与とみなされる。
好適には、本発明の組み合わせが「特定の期間」投与される場合、各化合物は一定の「継続時間」共投与されることになる。
用語「継続時間」及びその派生語は、本明細書中で使われる場合、本発明の各化合物がいずれも指定連続日数投与されることを意味する。特に定義されていない限り、連続日数は治療の開始とともに始まらなければならないということもないしあるいは治療の終了とともに終わらなければならないということもなく、連続日数が治療の過程の期間中におけるある時点で始まることのみが必要である。
「特定の期間」投与に関しては、好適には、各化合物はいずれも、少なくとも1日の特定の期間内に投与される(このケースでは、時間期間は、少なくとも1日となる);好適には、治療への過程の期間中、各化合物はいずれも、少なくとも3連続日数の特定の期間内に投与される(このケースでは、時間期間は少なくとも3日となる);好適には、治療への過程の期間中、各化合物はいずれもおよそ5連続日数の特定の期間内に投与される(このケースでは、時間期間は少なくとも5日となる);好適には、治療への過程の期間中、各化合物はいずれもおよそ7連続日数の特定の期間内に投与される(このケースでは、時間期間は少なくとも7日となる);好適には、治療への過程の期間中、各化合物はいずれもおよそ14連続日数の特定の期間内に投与される(このケースでは、時間期間は少なくとも14日となる);好適には、治療への過程の期間中、各化合物はいずれもおよそ30連続日数の特定の期間内に投与される(このケースでは、時間期間は少なくとも30日となる)。
好適には、各化合物が「特定の期間」の期間中に投与されない場合は、順次的に投与される。用語「順次投与」(及びその派生語)は、本明細書中で使われる場合、化合物A及び化合物Bの一方が2日又はそれ以上の連続日数投与され、もう一方が、その後、2日又はそれ以上の連続日数投与されることを意味する。また、本明細書中で考慮されるのが化合物A及び化合物Bの一方ともう一方との順次投与の期間中に設けられる休薬期間である。本明細書中で使われる場合、休薬期間は、化合物A及び化合物Bの一方の順次投与の後ともう一方の順次投与の前との日数の期間であり、この期間中は化合物A及び化合物Bはいずれも投与されない。好適には、休薬期間は、1日、2日、3日、4日、5日、6日、7日、8日、9日、10日、11日、12日、13日及び14日から選択される日数の期間である。
順次投与に関しては、好適には、化合物A及び化合物Bの一方が2〜30連続日数投与され、その後、場合による休薬期間、その後、もう一方が2〜30連続日数投与される。好適には、化合物A及び化合物Bの一方が2〜21連続日数投与され、その後場合による休薬期間、その後もう一方が2〜21連続日数投与される。好適には、化合物A及び化合物Bの一方が2〜14連続日数投与され、その後1〜14日の休薬期間、その後もう一方が2〜14連続日数投与される。好適には、化合物A及び化合物Bの一方が3〜7連続日数投与され、その後3〜10日の休薬期間、その後もう一方が3〜7連続日数投与される。
好適には、化合物Bが順次では最初に投与され、その後場合による休薬期間、その後化合物Aが投与される。好適には、化合物Bが3〜21連続日数投与され、その後場合による休薬期間、その後化合物Aが3〜21連続日数投与される。好適には、化合物Bが3〜21連続日数投与され、その後1〜14日の休薬期間、その後化合物Aが3〜21連続日数投与される。好適には、化合物Bが3〜21連続日数投与され、その後3〜14日の休薬期間、その後化合物Aが3〜21連続日数投与される。好適には、化合物Bが21連続日数投与され、その後場合による休薬期間、その後化合物Aが14連続日数投与される。好適には、化合物Bが14連続日数投与され、その後1〜14日の休薬期間、その後化合物Aが14連続日数投与される。好適には、化合物Bが7連続日数投与され、その後3〜10日の休薬期間、その後化合物Aが7連続日数投与される。好適には、化合物Bが3連続日数投与され、その後3〜14日の休薬期間、その後化合物Aが7連続日数投与される。好適には、化合物Bが3連続日数投与され、その後3〜10日の休薬期間、その後化合物Aが3連続日数投与される。
好適には、化合物Aが順次では最初に投与され、その後場合による休薬期間、その後化合物Bが投与される。好適には、化合物Aが3〜21連続日数投与され、その後場合による休薬期間、その後化合物Bが3〜21連続日数投与される。好適には、化合物Aが3〜21連続日数投与され、その後1〜14日の休薬期間、その後化合物Bが3〜21連続日数投与される。好適には、化合物Aが3〜21連続日数投与され、その後3〜14日の休薬期間、その後化合物Bが3〜21連続日数投与される。好適には、化合物Aが21連続日数投与され、その後場合による休薬期間、その後化合物Bが14連続日数投与される。好適には、化合物Aが14連続日数投与され、その後1〜14日の休薬期間、その後化合物Bが14連続日数投与される。好適には、化合物Aが7連続日数投与され、その後3〜10日の休薬期間、その後化合物Bが7連続日数投与される。好適には、化合物Aが3連続日数投与され、その後3〜14日の休薬期間、その後化合物Bが7連続日数投与される。好適には、化合物Aが3連続日数投与され、その後3〜10日の休薬期間、その後化合物Bが3連続日数投与される。
「特定の期間」投与、「順次」投与には繰り返しの投与が後に続き得ることあるいは代替の投与プロトコルが後に続き得ること、そして休薬期間がそのような繰り返しの投与又は代替の投与プロトコルの前に先行しても良いことは理解されるところである。
好適には、本発明による組み合わせの一部として投与される化合物Aの量は、約10mg〜約1200mgから選択される量である;好適には、そのような量は、約100mg〜約1200mgから選択される。例えば、本発明による組み合わせの一部として投与される化合物Aの量は、好適には、10mg、20mg、50mg、100mg、200mg、300mg、400mg、500mg、600mg、700mg、800mg、900mg、1000mg、1100mg、及び1200mgから選択される。好適には、選択された化合物Aの量は、一日あたり1〜4回投与される。好適には、選択された化合物Aの量は、一日あたり2回投与される。好適には、選択された化合物Aの量は、一日あたり1回投与される。
好適には、本発明による組み合わせの一部として投与される化合物Bの量は、約10mg〜約600mgから選択される量である;好適には、そのような量は、約150mg〜約600mgから選択される。したがって、本発明による組み合わせの一部として投与される化合物Bの量は、約10mg〜約600mgから選択される量である。例えば、本発明による組み合わせの一部として投与される化合物Bの量は、好適には、10mg、20mg、50mg、100mg、150mg、300mg、450mg、及び600mgから選択される。好適には、選択された化合物Bの量は、一日あたり1〜4回投与される。好適には、選択された化合物Bの量は、一日あたり2回投与される。好適には、選択された化合物Bの量は、一日あたり1回投与される。
本明細書中で使われる場合、化合物A及び化合物Bに対して特定した量はすべて遊離の又は非塩化の化合物の量として示されている。
治療の方法
本発明の組み合わせは、VEGFR及び/又はB−Rafの阻害が有効である障害で用途があると考えられる。
本発明は、このようにまた、治療で使用するための、特にはVEGFR及び/又はB−Raf活性の阻害が有効である障害(特にはがん)の治療で使用するための、本発明の組み合わせを提供するものである。
本発明のさらなる態様では、本発明の組み合わせを投与することを含む、VEGFR及び/又はB−Rafの阻害が有効である障害の治療方法が提供される。
本発明のさらなる態様では、VEGFR及び/又はB−Rafの阻害が有効である障害の治療用医薬の製造における本発明の組み合わせの使用が提供される。
典型的には、上記障害は、VEGFR及び/又はB−Rafの阻害が有効な作用を有しているような「感受性がん」である。本発明の組み合わせの治療に適しているがんの例としては、限定するものではないが、頭頸部がん、乳がん、炎症性乳がん、肺がん、非小細胞肺がん(NSCLC)、結腸がん、前立腺がん、(神経膠腫、神経膠芽腫、星状細胞腫及び上衣細胞腫のような)原発性中枢神経系腫瘍及び二次性中枢神経系腫瘍(すなわち、中枢神経系以外で発生した腫瘍が中枢神経系に転移したもの)、バンナヤン−ゾナナ症候群、カウデン病、レルミット−デュクロ病、ウィルムス腫瘍、ユーイング肉腫、横紋筋肉腫、上衣細胞腫、髄芽細胞腫、結腸直腸がん、腎性がん、腎臓がん、肝臓がん、黒色腫、卵巣がん、膵臓がん、肉腫、骨肉腫、骨巨細胞腫、甲状腺がん(甲状腺乳頭がんを含む)、リンパ芽球性T細胞白血病、慢性骨髄性白血病、慢性リンパ性白血病、ヘアリー細胞白血病、急性リンパ芽球性白血病、急性骨髄性白血病(AML)、慢性好中球白血病、形質細胞腫、免疫芽球性大細胞白血病、マントル細胞白血病、巨核芽球性白血病、多発性骨髄腫、急性巨核球性白血病、前骨髄球性白血病、赤白血病、悪性リンパ腫、ホジキンズリンパ腫、非ホジキンズリンパ腫、リンパ芽球性T細胞リンパ腫、バーキットリンパ腫、濾胞性リンパ腫、神経芽細胞腫、膀胱がん、尿路上皮がん、外陰部がん、子宮頸がん、子宮内膜がん、中皮腫、食道がん、唾液腺がん、肝細胞がん、胃がん、鼻咽頭がん、口腔がん、口のがん、GIST(消化管間質腫瘍)、バレット腺がん;胆道がん;胆管がん;脊髄異形成症候群、下垂体腺腫、及び精巣がんの原発形態並びに転移形態が挙げられる。
好適には、本発明は、黒色腫、結腸直腸がん、卵巣がん、甲状腺乳頭がん、及び胆管がんから選択される感受性がんを治療するか又はその重症度を低下させるための方法に関する。
一実施形態によれば、「感受性がん」はBRAF V600E変異を呈示しているがんのことをいい、そのようなBRAF変異は直ぐ前に列挙したがんに存在し得るものである。B−RafのV600Eアミノ酸置換は、例えば、Kumar et al. (2004) J Invest Dermatol. 122(2):342-8に述べられている。この変異は、一般的には、ヒトB−Rafにおけるコード配列のT1799A変異から生じる。
本発明の組み合わせは、単独であるいは1種又はそれ以上の他の治療剤との組み合わせで用いられ得る。本発明は、このように、さらなる態様で、本発明の組み合わせとさらなる1種又は複数種の治療剤とを含むさらなる組み合わせ、そのような組み合わせを含んでいる組成物並びに医薬、及び治療におけるそのようなさらなる組み合わせ、組成物及び医薬の使用を提供する。
この実施形態では、本発明の組み合わせは、がん治療の他の治療剤とともに用いられ得る。特に、抗新生物治療では、上記で言及したもの以外の他の化学療法剤、ホルモン系剤、抗生物剤並びに外科的及び/又は放射線治療との組み合わせ療法が想到される。本発明による組み合わせ療法には、このように、化合物A及び化合物Bの投与並びに他の抗新生物剤を含めた他の治療剤の場合による使用が含まれる。そのような剤の組み合わせは一緒に又は別々に投与され得るものであり、別々に投与される場合はこれは同時に行われ得るし、あるいは任意の順序で、時間的に近い場合及び離れた場合のいずれでも順次的に行われ得る。一実施形態では、医薬組み合わせには、化合物A及び化合物B、及び場合によっては少なくとも1種のさらなる抗新生物剤が含まれる。
説明したように、化合物A及び化合物Bの治療有効量は先に論述されている。本発明のさらなる治療剤の治療有効量は、例えば、哺乳動物の年齢及び体重、治療を必要としている正確な病態、病態の重症度、製剤の特質、及び投与の経路を含めた多くの因子に左右されることになる。最終的には、治療有効量は、担当の医師又は獣医の判断によるところとなる。所望組み合わせ治療効果を達成するためには、投与の相対的なタイミングが選択されるところとなる。
一実施形態では、このさらなる抗がん療法は、外科的及び/又は放射線療法である。
一実施形態では、このさらなる抗がん療法は、少なくとも1種のさらなる抗新生物剤である。
この組み合わせでは、治療を受けている感受性腫瘍に対して活性を有しているあらゆる抗新生物剤が利用され得る。使用可能な典型的抗新生物剤としては、限定するものではないが、抗微小管剤例えばジテルペノイド及びビンカアルカロイド;白金配位錯体;アルキル化剤例えばナイトロジェンマスタード、オキサザホスホリン、アルキルスルホナート、ニトロソ尿素、及びトリアゼン;抗生物剤例えばアントラサイクリン、アクチノマイシン及びブレオマイシン;トポイソメラーゼII阻害薬例えばエピポドフィロトキシン;代謝拮抗薬例えばプリン及びピリミジンアナローグ並びに抗ホラート化合物;トポイソメラーゼI阻害薬例えばカンプトテシン;ホルモン及びホルモンアナローグ;シグナル伝達経路阻害薬;非受容体チロシン血管新生阻害薬;免疫療法剤;向アポトーシス剤;及び細胞周期シグナル発生阻害薬;が挙げられる。
抗微小管又は抗有糸分裂剤:
抗微小管又は抗有糸分裂剤は、細胞周期のM期つまり有糸分裂期の期間中における腫瘍細胞の微小管に対して活性な相特異的薬剤である。抗微小管剤の例としては、限定するものではないが、ジテルペノイド及びビンカアルカロイドが挙げられる。
天然の供給源から誘導される、ジテルペノイドは、細胞周期のG2/M期で作用する相特異的抗がん剤である。このジテルペノイドは、微小管のβ−チューブリンサブユニットを、そのタンパク質と結合することによって安定化させると考えられている。タンパク質の組立分解は、この後阻害されると思われるので、有糸分裂が停止されて細胞死がそれに続く。ジテルペノイドの例としては、限定するものではないが、パクリタキセル及びそのアナローグドセタキセルが挙げられる。
パクリタキセル、すなわち(2R,3S)−N−ベンゾイル−3−フェニルイソセリンとの5β,20−エポキシ−1,2α,4,7β,10β,13α−ヘキサ−ヒドロキシタキサ−11−エン−9−オン4,10−ジアセタート2−ベンゾアート13−エステルは、タイヘイヨウイチイの木であるタキスス・ブレビホリア(Taxus brevifolia)から単離される天然ジテルペン生成物であり、注射溶液剤TAXOL(登録商標)として市販されている。パクリタキセルは、テルペンのタキサンファミリーのメンバーである。パクリタキセルは、合衆国では難治性卵巣がんの治療における臨床使用に(Markman et al., Yale Journal of Biology and Medicine, 64:583, 1991;McGuire et al., Ann. lntem, Med., 111:273,1989)、及び乳がんの治療に(Holmes et al., J. Nat. Cancer Inst., 83:1797,1991)認証されている。パクリタキセルは、皮膚の新生物(Einzig et. al., Proc. Am. Soc. Clin. Oncol., 20:46)及び頭頸部がん(Forastire et. al., Sem. Oncol., 20:56, 1990)の治療有力候補である。この化合物は、また、多発性嚢胞腎(Woo et. al., Nature, 368:750. 1994)、肺がん及びマラリアの治療可能性も示している。パクリタキセルでの患者の治療は、閾濃度(50nM)以上の薬物投与の時間期間に関係している骨髄抑制(multiple cell lineages, Ignoff, R.J. et. al, Cancer Chemotherapy Pocket Guide, 1998)を結果としてもたらす(Kearns, C.M. et. al., Seminars in Oncology, 3(6) p.16-23, 1995)。
ドセタキセル、すなわち5β−20−エポキシ−1,2α,4,7β,10β,13α−ヘキサヒドロキシタキサ−11−エン−9−オン4−アセタート2−ベンゾアートとの(2R,3S)−N−カルボキシ−3−フェニルイソセリン,N−tert−ブチルエステル,13−エステル(三水和物)は、TAXOTERE(登録商標)としての注射溶液剤として市販されている。ドセタキセルは、乳がんの治療用に適応がある。ドセタキセルは、前項のパクリタキセルの半合成誘導体であり、ヨーロッパイチイの木の針葉から抽出される、天然の前駆体(10−デアセチル−バッカチンIII)を用いて調製される。
ビンカアルカロイドは、日々草という植物から誘導される相特異的抗新生物剤である。ビンカアルカロイドは、細胞周期のM期(有糸分裂)で特異的にチューブリンに結合することによって作用する。結果として、結合されたチューブリン分子は微小管にポリメライズすることができない。有糸分裂は中期で停止されると考えられ、細胞死がその後に続く。ビンカアルカロイドの例としては、限定するものではないが、ビンブラスチン、ビンクリスチン及びビノレルビンが挙げられる。
ビンブラスチン、すなわちビンカロイコブラスチンスルファートは、注射溶液剤としてのVELBAN(登録商標)として市販されている。各種の固形腫瘍の第2選択薬として適応であり得るが、主に、精巣がん並びにホジキン病を含めたさまざまなリンパ腫;及びリンパ球性並びに組織球性リンパ腫;の治療で適応である。骨髄抑制はビンブラスチンの用量律速副作用である。
ビンクリスチン、すなわちビンカロイコブラスチン,−22−オキソ,スルファートは、注射溶液剤としてのONCOVIN(登録商標)として市販されている。ビンクリスチンは、急性白血病の治療で適応であり、ホジキン及び非ホジキン悪性リンパ腫の治療レジメンでも使用が見出されている。脱毛及び神経作用がビンクリスチンの最も一般的な副作用であり、より低い程度では骨髄抑制及び胃腸粘膜炎作用が起こる。
ビノレルビンタルトラート注射溶液剤(NAVELBINE(登録商標))として市販の、ビノレルビン、すなわち3’,4’−ジデヒドロ−4’−デオキシ−C’−ノルビンカロイコブラスチン[R−(R,R)−2,3−ジヒドロキシブタンジオアート(1:2)(塩)]は、半合成ビンカアルカロイドである。ビノレルビンは、さまざまな固形腫瘍、特には非小細胞肺がん、進行乳がん、及びホルモン抵抗性前立腺がんの治療で、単一の剤として又はシスプラチンのような、他の化学療法剤との組合せで適応である。骨髄抑制がビノレルビンの最も一般的な用量律速副作用である。
白金配位錯体:
白金配位錯体は、DNAと相互作用する、非相特異的抗がん剤である。白金錯体は、腫瘍細胞に入り、アクア化を受け、DNAとストランド内−及びストランド間−架橋を形成し、腫瘍に対して有害な生物学的作用をひき起こす。白金配位錯体の例としては、限定するものではないが、オキサリプラチン、シスプラチン及びカルボプラチンが挙げられる。
シスプラチン、すなわちシスジアミンジクロロ白金は、注射溶液剤としてのPLATINOL(登録商標)として市販されている。シスプラチンは、主に、転移性精巣がん及び卵巣がん並びに進行膀胱がんの治療で適応である。
カルボプラチン、すなわち白金,ジアミン[1,1−シクロブタン−ジカルボキシラート(2−)−O,O’]は、注射溶液剤としてのPARAPLATIN(登録商標)として市販されている。カルボプラチンは、主に、進行卵巣がんの第1及び第2選択治療で適応である。
アルキル化剤:
アルキル化剤は非相特異的抗がん剤であり、強求電子性である。典型的には、アルキル化剤は、ホスファート基、アミノ基、スルフヒドリル基、ヒドロキシル基、カルボキシル基及びイミダゾール基等のDNA分子の求核部分を通してDNAに、アルキル化することによって、共有結合を形成する。そのようなアルキル化は、核酸機能を撹乱し、細胞死に至らす。アルキル化剤の例としては、限定するものではないが、ナイトロジェンマスタード例えばシクロホスファミド、メルファラン、及びクロラムブシル;アルキルスルホナート例えばブスルファン;ニトロソ尿素例えばカルムスチン;及びトリアゼン例えばダカルバジン;が挙げられる。
シクロホスファミド、すなわち2−[ビス(2−クロロエチル)アミノ]テトラヒドロ−2H−1,3,2−オキサザホスホリン2−オキシド一水和物は、注射溶液剤又は錠剤としてのCYTOXAN(登録商標)として市販されている。シクロホスファミドは、悪性リンパ腫、多発性骨髄腫、及び白血病の治療で、単一の剤として又は他の化学療法剤との組み合わせで適応である。
メルファラン、すなわち4−[ビス(2−クロロエチル)アミノ]−L−フェニルアラニンは、注射溶液剤又は錠剤としてのALKERAN(登録商標)として市販されている。メルファランは、多発性骨髄腫及び卵巣切除不能上皮がんの緩和治療で適応である。骨髄抑制がメルファランの最も一般的な用量律速副作用である。
クロラムブシル、すなわち4−[ビス(2−クロロエチル)アミノ]ベンゼンブタン酸は、LEUKERAN(登録商標)錠剤として市販されている。クロラムブシルは、慢性リンパ性白血病、及び悪性リンパ腫例えばリンパ肉腫、巨大濾胞性リンパ芽球腫、及びホジキン病の緩和治療で適応である。
ブスルファン、すなわち1,4−ブタンジオールジメタンスルホナートは、MYLERAN(登録商標)TABLETSとして市販されている。ブスルファンは、慢性骨髄性白血病の緩和治療で適応である。
カルムスチン、すなわち1,3−[ビス(2−クロロエチル)−1−ニトロソ尿素は、凍結乾燥物質の単一バイアルとしてのBiCNU(登録商標)として市販されている。カルムスチンは、緩和治療で単一の剤として又は脳腫瘍、多発性骨髄腫、ホジキン病、及び非ホジキンリンパ腫用の他の剤との組み合わせで適応である。
ダカルバジン、すなわち5−(3,3−ジメチル−1−トリアゼノ)−イミダゾール−4−カルボキサミドは、物質の単一バイアルとしてのDTIC−Dome(登録商標)として市販されている。ダカルバジンは、転移性悪性黒色腫の治療で、及び、ホジキン病の第2選択治療用の他の剤との組み合わせで適応である。
抗生物抗新生物薬:
抗生物抗新生物薬は、DNAと結合又はインターカレートする、非相特異的剤である。典型的には、そのような作用は、安定DNA錯体又はストランド破壊をもたらし、これが核酸の正常機能を撹乱して細胞死に至らす。抗生物抗新生物薬の例としては、限定するものではないが、アクチノマイシン例えばダクチノマイシン、アントラサイクリン例えばダウノルビシン及びドキソルビシン;及びブレオマイシン;が挙げられる。
アクチノマイシンDとも呼ばれる、ダクチノマイシンは、注射剤形でCOSMEGEN(登録商標)として市販されている。ダクチノマイシンは、ウィルムス腫瘍及び横紋筋肉腫の治療で適応である。
ダウノルビシン、すなわち(8S−シス−)−8−アセチル−10−[(3−アミノ−2,3,6−トリデオキシ−α−L−リキソ−ヘキソピラノシル)オキシ]−7,8,9,10−テトラヒドロ−6,8,11−トリヒドロキシ−1−メトキシ−5,12ナフタセンジオンヒドロクロリドは、リポソーム注射剤形でDAUNOXOME(登録商標)として、又は注射用としてのCERUBIDINE(登録商標)として市販されている。ダウノルビシンは、急性非リンパ性白血病及び進行HIV関連カポジ肉腫の治療における寛解誘導で適応である。
ドキソルビシン、すなわち(8S,10S)−10−[(3−アミノ−2,3,6−トリデオキシ−α−L−リキソ−ヘキソピラノシル)オキシ]−8−グリコロイル、7,8,9,10−テトラヒドロ−6,8,11−トリヒドロキシ−1−メトキシ−5,12ナフタセンジオンヒドロクロリドは、注射剤形としてのRUBEX(登録商標)又はADRIAMYCIN RDF(登録商標)として市販されている。ドキソルビシンは、主に、急性リンパ芽球性白血病及び急性骨髄芽球性白血病で適応であるが、一部の固形腫瘍及びリンパ腫の治療においても有効な成分である。
ブレオマイシン(ストレプトミセス・ベルチシルス[Streptomyces verticillus]株から単離された細胞傷害性グリコペプチド抗生物質の混合物)はBLENOXANE(登録商標)として市販されている。ブレオマイシンは、単一の剤として又は他の剤との組み合わせで、扁平上皮細胞がん、リンパ腫、及び精巣がんの緩和治療として適応である。
トポイソメラーゼII阻害薬:
トポイソメラーゼII阻害薬としては、限定するものではないが、エピポドフィロトキシンが挙げられる。
エピポドフィロトキシンは、マンドレーク植物から誘導される相特異的抗新生物剤である。エピポドフィロトキシンは、典型的には、トポイソメラーゼII及びDNAと三成分複合体を形成することによって細胞周期のS期及びG2期の細胞に作用を及ぼし、DNAストランド破壊を引き起こす。ストランド破壊は蓄積し、細胞死がそれに続く。エピポドフィロトキシンの例としては、限定するものではないが、エトポシド及びテニポシドが挙げられる。
エトポシド、すなわち4’−ジメチル−エピポドフィロトキシン9[4,6−0−(R)−エチリデン−β−D−グルコピラノシド]は、注射溶液剤又はカプセル剤としてのVePESID(登録商標)として市販されており、一般的にはVP−16と呼ばれる。エトポシドは、精巣がん及び非小細胞肺がんの治療で単一の剤として又は他の化学療法剤との組み合わせで適応である。
テニポシド、すなわち4’−ジメチル−エピポドフィロトキシン9[4,6−0−(R)−チエニリデン−β−D−グルコピラノシド]は、注射溶液剤としてのVUMON(登録商標)として市販されており、一般的にはVM−26と呼ばれる。テニポシドは、小児の急性白血病の治療で単一の剤として又は他の化学療法剤との組み合わせで適応である。
代謝拮抗新生物剤:
代謝拮抗新生物剤は、細胞周期のS期(DNA合成)でDNA合成を阻害する又はプリンもしくはピリミジン塩基合成を阻害しそれによりDNA合成を制限することによって作用する相特異的抗新生物剤である。結果として、S期は進むことなく、細胞死がこれに続く。代謝拮抗抗新生物剤の例としては、限定するものではないが、フルオロウラシル、メトトレキセート、シタラビン、メルカプトプリン、チオグアニン、及びゲムシタビンが挙げられる。
5−フルオロフラシル、すなわち5−フルオロ−2,4−(1H,3H)ピリミジンジオンは、フルオロウラシルとして市販されている。5−フルオロウラシルの投与は、チミジラート合成の阻害をもたらし、さらにはRNA及びDNAのいずれにも組み込まれる。結果は典型的には細胞死である。5−フルオロウラシルは、乳がん、結腸がん、直腸がん、胃がん及び膵臓がんの治療で単一の剤として又は他の化学療法剤との組み合わせで適応である。他のフルオロピリミジンアナローグとしては5−フルオロデオキシウリジン(フロクスウリジン)及び5−フルオロデオキシウリジンモノホスファートが挙げられる。
シタラビン、すなわち4−アミノ−1−β−D−アラビノフラノシル−2(1H)−ピリミジノンは、CYUTOSAR−U(登録商標)として市販されており、一般的にはAra−Cと呼ばれる。シタラビンは、成長DNA鎖にシタラビンを末端組み込みすることによりDNA鎖伸長を阻害することによってS−期での細胞期特異性を発揮すると考えられている。シタラビンは、急性白血病の治療で単一の剤として又は他の化学療法剤との組み合わせで適応である。他のシチジンアナローグとしては、5−アザシチジン及び2’,2’−ジフルオロデオキシシチジン(ゲムシタビン)が挙げられる。
メルカプトプリン、すなわち1,7−ジヒドロ−6H−プリン−6−チオン一水和物は、PURINETHOL(登録商標)として市販されている。メルカプトプリンは、現時点では未特定の機序によりDNA合成を阻害することによってS期での細胞期特異性を発揮する。メルカプトプリンは、急性白血病の治療で単一の剤として又は他の化学療法剤との組み合わせで適応である。有効なメルカプトプリンアナローグはアザチオプリンである。
チオグアニン、すなわち2−アミノ−1,7−ジヒドロ−6H−プリン−6−チオンは、TABLOID(登録商標)として市販されている。チオグアニンは、現時点では未特定の機序によりDNA合成を阻害することによってS期での細胞期特異性を発揮する。チオグアニンは、急性白血病の治療で単一の剤として又は他の化学療法剤との組み合わせで適応である。他のプリンアナローグとしては、ペントスタチン、エリスロヒドロキシノニルアデニン、フルダラビンホスファート及びクラドリビンが挙げられる。
ゲムシタビン、すなわち2’−デオキシ−2’,2’−ジフルオロシチジンモノヒドロクロリド(β−異性体)は、GEMZAR(登録商標)として市販されている。ゲムシタビンは、G1/S境界を通っての細胞の進行をブロックすることによってS期での細胞期特異性を発揮する。ゲムシタビンは、局所進行非小細胞肺がんの治療でシスプラチンとの組み合わせで、また局所進行膵臓がんの治療では単独で適応である。
メトトレキセート、すなわちN−[4[[(2,4−ジアミノ−6−プテリジニル)メチル]メチルアミノ]ベンゾイル]−L−グルタミン酸は、メトトレキセートナトリウムとして市販されている。メトトレキセートは、プリンヌクレオチド及びチミジラートの合成で必要とされているジヒドロ葉酸レダクターゼを阻害することによりDNA合成、修復及び/又は複製を阻害することによってS期で特異的に細胞期作用を発揮する。メトトレキセートは、絨毛がん、髄膜白血病、非ホジキンリンパ腫、さらには乳がん、頭部がん、頚部がん、卵巣がん及び膀胱がんの治療で単一の剤として又は他の化学療法剤との組み合わせで適応である。
トポイソメラーゼI阻害薬:
カンプトテシン並びにカンプトテシン誘導体を含めた、カンプトテシンは、トポイソメラーゼI阻害薬として入手可能である又は開発中である。カンプトテシン細胞傷害活性は、そのトポイソメラーゼI阻害活性に関連していると考えられている。カンプトテシンの例としては、限定するものではないが、以下で述べるイリノテカン、トポテカン、さらには7−(4−メチルピペラジノ−メチレン)−10,11−エチレンジオキシ−20−カンプトテシンの各種の光学形態が挙げられる。
イリノテカンHCl、すなわち(4S)−4,11−ジエチル−4−ヒドロキシ−9−[(4−ピペリジノピペリジノ)カルボニルオキシ]−1H−ピラノ[3’,4’,6,7]インドリジノ[1,2−b]キノリン−3,14(4H,12H)−ジオンヒドロクロリドは、注射溶液剤CAMPTOSAR(登録商標)として市販されている。イリノテカンはカンプトテシンの誘導体であり、その活性代謝産物SN−38と一緒に、トポイソメラーゼI−DNA複合体に結合する。細胞障害性は、トポイソメラーゼI:DNA:イリノテカンもしくはSN−38の三成分複合体と複製酵素との相互作用によって引き起こされる修復不能ダブルストランド破壊の結果として生じると考えられている。イリノテカンは、結腸又は直腸の転移性がんの治療で適応である。
トポテカンHCl、すなわち(S)−10−[(ジメチルアミノ)メチル]−4−エチル−4,9−ジヒドロキシ−1H−ピラノ[3’,4’,6,7]インドリジノ[1,2−b]キノリン−3,14−(4H,12H)−ジオンモノヒドロクロリドは、注射溶液剤HYCAMTIN(登録商標)として市販されている。トポテカンはカンプトテシンの誘導体であり、トポイソメラーゼI−DNA複合体に結合し、そのDNA分子のねじれ歪に応答してトポイソメラーゼIによって引き起こされるシングルストランド破壊の再連結を妨害する。トポテカンは、卵巣の転位性がん及び小細胞肺がんの第2選択治療で適応である。
ホルモン及びホルモンアナローグ:
ホルモン及びホルモンアナローグは、ホルモンとがんの成長及び/又は成長欠如との間に関係が存在するがんを治療するのに有効な化合物である。がん治療で有効なホルモン及びホルモンアナローグの例としては、限定するものではないが、悪性リンパ腫及び小児の急性白血病の治療で有効である副腎皮質ステロイド例えばプレドニゾン及びプレドニゾロン;副腎皮質がん及びエストロゲン受容体内包ホルモン依存乳がんの治療で有効なアミノグルテチミド並びに他のアロマターゼ阻害薬例えばアナストロゾール、レトラゾール、ボラゾール、及びエクセメスタン;ホルモン依存乳がん及び子宮内膜がんの治療で有効なプロゲストリン例えばメゲストロールアセタート;前立腺がん及び良性前立腺肥大の治療で有効な、エストロゲン剤、アンドロゲン剤、さらには抗アンドロゲン剤例えばフルタミド、ニルタミド、ビカルタミド、シプロテロンアセタート並びに5α−レダクターゼ剤例えばフィナステリド及びデュタステリド;ホルモン依存乳がん及び他の感受性がんで有効な、抗エストロゲン剤例えばタモキシフェン、トレミフェン、ラロキシフェン、ドロロキシフェン、ヨードキシフェン、並びに選択的エストロゲン受容体モジュレータ(SERMS)例えば米国特許第5,681,835号明細書、同5,877,219号明細書、及び同6,207,716号明細書中に記載されているもの;及び黄体形成ホルモン(LH)及び/又は卵胞刺激ホルモン(FSH)の放出を刺激する、前立腺がん治療用のゴナドトロピン放出ホルモン(GnRH)並びにそのアナローグ、例えば、LHRHアゴニスト及びアンタゴニスト例えばゴセレリンアセタート及びルプロリド;が挙げられる。
シグナル伝達経路阻害薬:
シグナル伝達経路阻害薬は、細胞内変化を引き起こす化学過程を遮断又は阻害する、阻害薬である。本明細書中で使われる場合、この変化は、細胞増殖又は分化である。本発明で有効なシグナル伝達阻害薬としては、受容体チロシンキナーゼ、非受容体チロシンキナーゼ、SH2/SH3ドメインブロッカー、セリン/トレオニンキナーゼ、ホスホチジルイノシトール−3キナーゼ、ミオイノシトールシグナル発生キナーゼ、及びRasがん遺伝子の阻害薬が挙げられる。
いくつかのタンパク質チロシンキナーゼは、細胞増殖の調節に関与するさまざまなタンパク質の特定のチロシル残基のリン酸化を触媒する。これらのタンパク質キナーゼは、受容体キナーゼ又は非受容体キナーゼとして大きく分類され得る。
受容体チロシンキナーゼは、細胞外リガンド結合ドメイン、膜貫通ドメイン、及びチロシンキナーゼドメインを有している膜貫通タンパク質である。受容体チロシンキナーゼは細胞増殖の調節に関与しており、一般的には増殖因子受容体と呼ばれる。多くのこれらのキナーゼの不適切又は無制御活性化、すなわち、例えば過剰発現又は変異による、異常キナーゼ増殖因子受容体活性は無制御細胞増殖をもたらすことが明らかにされている。結果的に、そのようなキナーゼの異常活性は、悪性組織増殖に関連しているとされてきた。結果としては、そのようなキナーゼの阻害薬は、がん治療の方法を提供し得ると考えられる。増殖因子受容体としては、例えば、上皮増殖因子受容体(EGFr)、血小板由来増殖因子受容体(PDGFr)、erbB2、erbB4、ret、血管内皮増殖因子受容体(VEGFr)、免疫グロブリン様及び上皮増殖因子相同ドメインを有するチロシンキナーゼ(TIE−2)、インシュリン増殖因子−1(IGFI)受容体、マクロファージコロニー刺激因子(cfms)、BTK、ckit、cmet、繊維芽細胞増殖因子(FGF)受容体、Trk受容体(TrkA、TrkB、及びTrkC)、エフリン(eph)受容体、及びRETがん原発遺伝子が挙げられる。いくつかの増殖受容体の阻害薬が開発中であり、リガンドアンタゴニスト、抗体、チロシンキナーゼ阻害薬及びアンチセンスオリゴヌクレオチドが挙げられる。増殖因子受容体並びに増殖因子受容体機能を阻害する剤は、例えば、Kath, John C., Exp. Opin. Ther. Patents (2000) 10(6):803-818;Shawver et al DDT Vol 2, No. 2 February 1997;及びLofts, F. J. et al, “Growth factor receptors as targets”, New Molecular Targets for Cancer Chemotherapy, ed. Workman, Paul and Kerr, David, CRC press 1994, London;に述べられている。
増殖因子受容体キナーゼではない、チロシンキナーゼは、非受容体チロシンキナーゼと呼ばれる。抗がん薬開発の標的又は潜在的標的である、本発明で有効な非受容体チロシンキナーゼとしては、cSrc、Lck、Fyn、Yes、Jak、cAbl、FAK(斑点状接着キナーゼ)、ブルートンチロシンキナーゼ、及びBcr−Ablが挙げられる。そのような非受容体キナーゼ並びに非受容体キナーゼ機能を阻害する剤は、Sinh, S. and Corey, S.J., (1999) Journal of Hematotherapy and Stem Cell Research 8 (5): 465 - 80;及びBolen, J.B., Brugge, J.S., (1997) Annual review of Immunology. 15: 371-404;に述べられている。
SH2/SH3ドメインブロッカーは、PI3−Kp85サブユニット、Srcファミリーキナーゼ、アダプター分子(Shc、Crk、Nck、Grb2)及びRas−GAPを含めた、さまざまな酵素又はアダプタータンパク質中のSH2又はSH3ドメイン結合を撹乱する剤である。抗がん薬開発のための標的としてのSH2/SH3ドメインは、Smithgall, T.E. (1995), Journal of Pharmacological and Toxicological Methods. 34(3) 125-32に述べられている。
セリン/トレオニン/キナーゼの阻害薬としては、MAPキナーゼカスケードブロッカー(これにはRafキナーゼ(rafk)、マイトジェン又は細胞外調節キナーゼ(MEK)、及び細胞外調節キナーゼ(ERK)のブロッカーが包含される);及びタンパク質キナーゼCファミリーメンバーブロッカー(これにはPKC(アルファ、ベータ、ガンマ、イプシロン、ミュー、ラムダ、イオタ、ゼータ)、IkBキナーゼファミリー(Ikka、Ikkb)、PKBファミリーキナーゼ、aktキナーゼファミリーメンバー、及びTGFベータ受容体キナーゼのブロッカーが包含される);が挙げられる。そのようなセリン/トレオニンキナーゼ及びそれらの阻害薬は、Yamamoto, T., Taya, S., Kaibuchi, K., (1999), Journal of Biochemistry. 126 (5) 799-803;Brodt, P, Samani, A., and Navab, R. (2000), Biochemical Pharmacology, 60. 1101-1107;Massague, J., Weis-Garcia, F. (1996) Cancer Surveys. 27:41-64;Philip, P.A., and Harris, A.L. (1995), Cancer Treatment and Research. 78: 3-27、Lackey, K. et al Bioorganic and Medicinal Chemistry Letters, (10), 2000, 223-226;米国特許第6,268,391号明細書;及びMartinez-Iacaci, L., et al, Int. J. Cancer (2000), 88(1), 44-52;に述べられている。
P13−キナーゼ、ATM、DNA−PK、及びKuのブロッカーを含めたホスホチジルイノシトール−3キナーゼファミリーメンバーの阻害薬も本発明で有効である。そのようなキナーゼは、Abraham, R.T. (1996), Current Opinion in Immunology. 8 (3) 412-8;Canman, C.E., Lim, D.S. (1998), Oncogene 17 (25) 3301-3308;Jackson, S.P. (1997), International Journal of Biochemistry and Cell Biology. 29 (7):935-8;及びZhong, H. et al, Cancer res, (2000) 60(6), 1541-1545;に論述されている。
本発明で同様に有効なのは、ミオイノシトールシグナル発生阻害薬例えばホスホリパーゼCブロッカー及びミオイノシトールアナローグである。そのようなシグナル阻害薬は、Powis, G., and Kozikowski A., (1994) New Molecular Targets for Cancer Chemotherapy ed., Paul Workman and David Kerr, CRC press 1994, Londonに述べられている。
シグナル伝達経路阻害薬のもう一つの群は、Rasがん遺伝子の阻害薬である。そのような阻害薬としては、ファルネシルトランスフェラーゼ、ゲラニル−ゲラニルトランスフェラーゼ、及びCAAXプロテアーゼの阻害薬並びにアンチセンスオリゴヌクレオチド、リボザイム及び免疫療法が挙げられる。そのような阻害薬は、野生型変異体ras含有細胞のras活性化をブロックし、それによって抗増殖剤として作用することが明らかにされている。Rasがん遺伝子阻害は、Scharovsky, O.G., Rozados, V.R., Gervasoni, S.I. Matar, P. (2000), Journal of Biomedical Science. 7(4) 292-8;Ashby, M.N. (1998), Current Opinion in Lipidology. 9 (2) 99 - 102;及びBioChim. Biophys. Acta, (19899) 1423(3):19-30;に論述されている。
先に言及したように、受容体キナーゼリガンド結合の抗体アンタゴニストもシグナル伝達阻害薬として作用し得る。このシグナル伝達経路阻害薬の群としては、受容体チロシンキナーゼの細胞外リガンド結合ドメインのヒト化抗体の使用が挙げられる。例えばImcloneC225EGRF特異的抗体(Green, M.C. et al, Monoclonal Antibody Therapy for Solid Tumors, Cancer Treat. Rev., (2000), 26(4), 269-286を参照されたい);Herceptin(登録商標)erbB2抗体(Tyrosine Kinase Signalling in Breast cancer:erbB Family Receptor Tyrosine Kinases, Breast cancer Res., 2000, 2(3), 176-183を参照されたい);及び2CB VEGFR2特異的抗体(Brekken, R.A. et al, Selective Inhibition of VEGFR2 Activity by a monoclonal Anti-VEGF antibody blocks tumor growth in mice, Cancer Res. (2000) 60, 5117-5124を参照されたい)。
免疫療法剤:
免疫療法レジメンで用いられる剤も式(I)の化合物との組み合わせで有効であり得る。免疫療法アプローチとしては、例えば患者腫瘍細胞の免疫発生を増大させるためのエックスビボ並びにインビボアプローチ(例えばインターロイキン2、インターロイキン4又は顆粒球−マクロファージコロニー刺激因子等のサイトカインでのトランスフェクション)、T−細胞アネルギーを低下させるアプローチ、トランスフェクト免疫細胞例えばサイトカイン−トランスフェクト樹状細胞を用いたアプローチ、及び抗イディオタイプ抗体を用いたアプローチが挙げられる。
向アポトーシス剤:
向アポトーシスレジメンで用いられる剤(例えば、bcl−2アンチセンスオリゴヌクレオチド)も本発明の組合せで用いられ得る。
細胞周期シグナル発生阻害薬:
細胞周期シグナル発生阻害薬は、細胞周期の制御に関与する分子を阻害する。サイクリン依存キナーゼ(CDK)と呼ばれるタンパク質キナーゼのファミリーと、サイクリンと呼ばれるタンパク質のファミリーとのその相互作用とが、真核細胞周期の進行を制御している。さまざまなサイクリン/CDK複合体の配位活性化及び不活性化が、細胞周期の正常進行には必要である。細胞周期シグナル発生に関してのいくつかの阻害薬が開発中である。例えば、サイクリン依存キナーゼの例としては、CDK2、CDK4、及びCDK6が挙げられ、これら用の阻害薬は、例えば、Rosania et al, Exp. Opin. Ther. Patents (2000) 10(2):215-230に述べられている。
一つの実施形態では、本発明の組み合わせには、式Iで表される化合物又はその塩もしくは溶媒和物と、抗微小管剤、白金配位錯体、アルキル化剤、抗生物剤、トポイソメラーゼII阻害薬、代謝拮抗薬、トポイソメラーゼI阻害薬、ホルモン及びホルモンアナローグ、シグナル伝達経路阻害薬、非受容体チロシン血管形成阻害薬、免疫療法剤、向アポトーシス剤、及び細胞周期シグナル発生阻害薬から選択される少なくとも1つの抗新生物剤とが含まれる。
一実施形態では、本発明の組み合わせには、式Iで表される化合物又はその塩もしくは溶媒和物と、ジテルペノイド及びビンカアルカロイドから選択される抗微小管剤である少なくとも1種の抗新生物剤とが含まれる。
さらなる実施形態では、この少なくとも1種の抗新生物剤は、ジテルペノイドである。
さらなる実施形態では、この少なくとも1種の抗新生物剤は、ビンカアルカロイドである。
一実施形態では、本発明の組み合わせには、式Iで表される化合物又はその塩もしくは溶媒和物と、白金配位錯体である、少なくとも1種の抗新生物剤とが含まれる。
さらなる実施形態では、この少なくとも1種の抗新生物剤は、パクリタキセル、カルボプラチン、又はビノレルビンである。
さらなる実施形態では、この少なくとも1種の抗新生物剤は、カルボプラチンである。
さらなる実施形態では、この少なくとも1種の抗新生物剤は、ビノレルビンである。
さらなる実施形態では、この少なくとも1種の抗新生物剤は、パクリタキセルである。
一実施形態では、本発明の組み合わせには、式Iで表される化合物又はその塩もしくは溶媒和物と、シグナル伝達経路阻害薬である少なくとも1種の抗新生物剤とが含まれる。
さらなる実施形態では、このシグナル伝達経路阻害薬は、増殖因子受容体キナーゼTIE2、PDGFR、BTK、erbB2、EGFr、IGFR−1、TrkA、TrkB、TrkC、又はc−fmsの阻害薬である。
さらなる実施形態では、このシグナル伝達経路阻害薬は、セリン/トレオニンキナーゼMEK、rafk、akt、又はPKC−zetaの阻害薬である。
さらなる実施形態では、このシグナル伝達経路阻害薬は、srcキナーゼファミリーから選択される非受容体チロシンキナーゼの阻害薬である。
さらなる実施形態では、このシグナル伝達経路阻害薬は、c−srcの阻害薬である。
さらなる実施形態では、このシグナル伝達経路阻害薬は、ファルネシルトランスフェラーゼの阻害薬及びゲラニルゲラニルトランスフェラーゼの阻害薬から選択されるRasがん遺伝子の阻害薬である。
さらなる実施形態では、このシグナル伝達経路阻害薬は、PI3Kからなる群から選択されるセリン/トレオニンキナーゼの阻害薬である。
さらなる実施形態では、このシグナル伝達経路阻害薬は、デュアルEGFr/erbB2阻害薬、例えばN−{3−クロロ−4−[(3−フルオロベンジル)オキシ]フェニル}−6−[5−({[2−(メタンスルホニル)エチル]アミノ}メチル)−2−フリル]−4−キナゾリンアミンである(下記構造):
Figure 0006185839
一実施形態では、本発明の組み合わせには、式Iで表される化合物又はその塩もしくは溶媒和物と、細胞周期シグナル発生阻害薬である少なくとも1種の抗新生物剤とが含まれる。
さらなる実施形態では、細胞周期シグナル発生阻害薬は、CDK2、CDK4又はCDK6の阻害薬である。
一実施形態では、本発明の方法及び使用における哺乳動物は、ヒトである。
アッセイ
実験準備
動物
この実験では週齢が6−8週の雌CD−1ヌードマウスを用いた(マウスはすべてCharles River Laboratories(Wilmington、DE)から入手した)。動物は無菌条件で飼育し、無菌器具で取り扱った。
細胞培養
BRAFV600Eの変異をコードする、A375P F11s細胞株を、A375Pヒト黒色腫細胞株(ATCCから入手、Cat# CRL−1619)からサブクローニングした。この選択されたクローン(A375P F11s)を単離し、V600Eアミノ酸変異をコードするBRAFの変異(T1799A)を再確認した。
CO5%の加湿37℃チャンバー中でこのA375P F11s細胞株を、10%ウシ胎仔血清(FBS)、1%ナトリウムピルバート及び1%ペニシリン−ストレプトマイシンが補充された増殖培地で増殖させた。細胞を大増殖させて、各注入に必要な大量の細胞を得た(細胞は、コンフルエントに到らせることなく対数増殖で増殖させ、規則的に代継代させた)。
細胞懸濁体からの異種移植片腫瘍の定着
0.25%トリプシン/EDTAに37℃で5分間曝すことにより培養フラスコからA375P F11s細胞を収穫した。脱離細胞を回収し、遠心分離し(1500rpm、5分、4℃)、濯ぎ洗いして、トリプシン溶液を除去した。細胞をマグネシウムもカルシウムも含まないPBSに再懸濁させ、計数した。細胞をすでに述べたようにして遠心してPBSを除去し、マウス1匹あたり100μLの皮下注入が175万個細胞を送達するような単一細胞懸濁体を50%Matrigel:50%PBS(体積:体積)中に作出した。腫瘍は注入後およそ4週間で定着した(およそ150−250mm)。
薬物調製
化合物は以下に記載の媒体で投与した。
Figure 0006185839
実験プロトコル
有効性、投与、及び異種移植片腫瘍の測定
同じようなサイズの腫瘍(100〜300mm)を有するマウスを選別した。腫瘍の長さと幅を手持ち式カリパスで測定し、マウスの体重を台秤式秤量計を用いて測定した。腫瘍体積は次の式:腫瘍体積=(長さ×幅)/2に基づいて計算した。マウスを必要な数の投与グループ(n=8マウス/グループ)にブロックランダム化した。このランダム化処理は、それぞれの投与グループでの平均腫瘍体積が研究の始点ではおよそ等しいこと及びさまざまな腫瘍体積を有するマウスが均一に分散されていることを確実なものにした。記載のとおりにマウスを8匹の各グループに配分し、以下の表にまとめられているように、媒体か又は化合物を一日あたり1回か又は2回36日間投与した。研究の間中は1週間に2回マウスを秤量し及び腫瘍を測定した(Studylog動物研究管理ソフトウエア(Studylog Systems、Inc.、South San Francisco、CA、USA)を用いた)。
Figure 0006185839
データ分析
腫瘍体積は次の式:腫瘍体積=(長さ×幅)/2に基づいて計算した。腫瘍成長曲線は、n=8動物/グループで、平均±平均の標準誤差から作成した。腫瘍成長阻害の割合(パーセント)は、投与の最終日に、次の式:1−(薬物治療集団の腫瘍体積/媒体治療対照集団の腫瘍体積)を用いて計算した。
結果
媒体単独で治療されたA375P F11s腫瘍異種移植片保持ヌードマウスは治療期間の全期間に亘って腫瘍体積の明確な増大を見せ、治療の日28には1253mmにまで達した。100mg/kg(BID)での化合物A治療は、媒体治療動物に比較して、治療の4週後では73.7%より小さい腫瘍体積の結果となった。BRAF阻害薬での治療では、10mg/kg及び30mg/kg(QD)での化合物Bは、それぞれ、45.6%及び88.1%より小さい腫瘍の結果となった。化合物A及び化合物Bでのマウスの共治療は、化合物Bの10mg/kg及び30mg/kg投与で、日28には、それぞれ、81.9%及び94.7%より小さい腫瘍体積をもたらした。化合物Aとの組み合わせで与えられた場合は、化合物Bの高投与量(30mg/kg)で腫瘍退縮が観察されたが、単一剤治療は静止効果の結果となった(表1〜表2)。この研究では、各剤(単独又は組み合わせ)で治療されたマウスの体重に対しては、いずれも大きな影響はなかった(表3)。
Figure 0006185839
Figure 0006185839
Figure 0006185839
以下の実施例は説明のためだけであっていかなる意味においても本発明の範囲を限定するものではない。
実施例1−カプセル剤組成物
本発明の組み合わせを投与するための経口投与剤形を表I(以下)に示す割合の各成分を標準2ピース硬質ゼラチンカプセルに充填することによって作製する。
Figure 0006185839
ここまでの記載により本発明の好ましい実施形態は説明されるが、本発明は本明細書に開示のその寸分違わぬ説明文言に限定されないこと及び以下の特許請求の範囲の中になされるあらゆる修正に対する権利は留保されていることは理解されるべきである。本発明の実施形態として例えば以下を挙げることができる。
[実施形態1]
(i)式(I)
Figure 0006185839
で表される化合物又はその薬学的に許容される塩;
及び
(ii)式(II)
Figure 0006185839
で表される化合物又はその薬学的に許容される塩;
を含む、組み合わせ。
[実施形態2]
化合物(I)がモノヒドロクロリド塩の形態であり、化合物(II)がメタンスルホナート塩の形態である、実施形態1に記載の組み合わせ。
[実施形態3]
薬学的に許容される1種または複数種の担体と一緒に実施形態1又は2に記載の組み合わせを含む、組み合わせキット。
[実施形態4]
がんの治療用医薬の製造における実施形態1又は2に記載の組み合わせの使用。
[実施形態5]
ヒトにおける感受性がんを治療する方法であって、
(i)式(I)
Figure 0006185839
で表される化合物又はその薬学的に許容される塩;
及び
(ii)式(II)
Figure 0006185839
で表される化合物又はその薬学的に許容される塩;
の治療有効量を、治療を必要とするヒトに投与することを含む、前記治療方法。
[実施形態6]
感受性がんが、頭頸部がん、乳がん、炎症性乳がん、肺がん、非小細胞肺がん(NSCLC)、結腸がん、前立腺がん、並びに神経膠腫、神経膠芽腫、星状細胞腫及び上衣細胞腫のような原発性中枢神経系腫瘍、及び二次性中枢神経系腫瘍(すなわち、中枢神経系以外を由来とする腫瘍が中枢神経系に転移したもの)、バンナヤン−ゾナナ症候群、カウデン病、レルミット−デュクロ病、ウィルムス腫瘍、ユーイング肉腫、横紋筋肉腫、上衣細胞腫、髄芽細胞腫、結腸直腸がん、腎性がん、腎臓がん、肝臓がん、黒色腫、卵巣がん、膵臓がん、肉腫、骨肉腫、骨巨細胞腫、甲状腺がん(甲状腺乳頭がんを含む)、リンパ芽球性T細胞白血病、慢性骨髄性白血病、慢性リンパ性白血病、ヘアリー細胞白血病、急性リンパ芽球性白血病、急性骨髄性白血病(AML)、慢性好中球白血病、形質細胞腫、免疫芽球性大細胞白血病、マントル細胞白血病、巨核芽球性白血病、多発性骨髄腫、急性巨核球性白血病、前骨髄球性白血病、赤白血病、悪性リンパ腫、ホジキンズリンパ腫、非ホジキンズリンパ腫、リンパ芽球性T細胞リンパ腫、バーキットリンパ腫、濾胞性リンパ腫、神経芽細胞腫、膀胱がん、尿路上皮がん、外陰部がん、子宮頸がん、子宮内膜がん、中皮腫、食道がん、唾液腺がん、肝細胞がん、胃がん、鼻咽頭がん、口腔がん、口のがん、GIST(消化管間質腫瘍)、バレット腺がん;胆道がん;胆管がん;脊髄異形成症候群、下垂体腺腫、及び精巣がんの原発形態並びに転移形態から選択される、実施形態5に記載の方法。
[実施形態7]
感受性がんが、黒色腫、結腸直腸がん、卵巣がん、甲状腺乳頭がん、及び胆管がんから選択される、実施形態5に記載の方法。
[実施形態8]
治療で使用するための実施形態1又は2に記載の組み合わせ。
[実施形態9]
がん治療で使用するための実施形態1又は2に記載の組み合わせ。
[実施形態10]
薬学的に許容される希釈剤又は担体と一緒に実施形態1又は2に記載の組み合わせを含む医薬組成物。

Claims (9)

  1. (i)式(I)
    Figure 0006185839
    で表される化合物又はその薬学的に許容される塩を含む、
    (ii)式(II)
    Figure 0006185839
    で表される化合物又はその薬学的に許容される塩、或いはそれを含む医薬組成物と組み合わせて使用するための、がん治療で使用するための医薬組成物。
  2. (i)式(II)
    Figure 0006185839
    で表される化合物又はその薬学的に許容される塩を含む、
    (ii)式(I)
    Figure 0006185839
    で表される化合物又はその薬学的に許容される塩、或いはそれを含む医薬組成物と組み合わせて使用するための、がん治療で使用するための医薬組成物。
  3. (i)式(I)
    Figure 0006185839
    で表される化合物又はその薬学的に許容される塩;
    及び
    (ii)式(II)
    Figure 0006185839
    で表される化合物又はその薬学的に許容される塩;
    を含む、がん治療で使用するための医薬組成物。
  4. 薬学的に許容される希釈剤又は担体を更に含む、請求項1〜3のいずれかに記載の医薬組成物。
  5. 化合物(I)がモノヒドロクロリド塩の形態であり、化合物(II)がメタンスルホナート塩の形態である、請求項1〜4のいずれかに記載の医薬組成物。
  6. がんが、頭頸部がん、乳がん、炎症性乳がん、肺がん、非小細胞肺がん(NSCLC)、結腸がん、前立腺がん、並びに神経膠腫、神経膠芽腫、星状細胞腫及び上衣細胞腫のような原発性中枢神経系腫瘍、及び二次性中枢神経系腫瘍、バンナヤン−ゾナナ症候群、カウデン病、レルミット−デュクロ病、ウィルムス腫瘍、ユーイング肉腫、横紋筋肉腫、上衣細胞腫、髄芽細胞腫、結腸直腸がん、腎性がん、腎臓がん、肝臓がん、黒色腫、卵巣がん、膵臓がん、肉腫、骨肉腫、骨巨細胞腫、甲状腺がん、リンパ芽球性T細胞白血病、慢性骨髄性白血病、慢性リンパ性白血病、ヘアリー細胞白血病、急性リンパ芽球性白血病、急性骨髄性白血病(AML)、慢性好中球白血病、形質細胞腫、免疫芽球性大細胞白血病、マントル細胞白血病、巨核芽球性白血病、多発性骨髄腫、急性巨核球性白血病、前骨髄球性白血病、赤白血病、悪性リンパ腫、ホジキンズリンパ腫、非ホジキンズリンパ腫、リンパ芽球性T細胞リンパ腫、バーキットリンパ腫、濾胞性リンパ腫、神経芽細胞腫、膀胱がん、尿路上皮がん、外陰部がん、子宮頸がん、子宮内膜がん、中皮腫、食道がん、唾液腺がん、肝細胞がん、胃がん、鼻咽頭がん、口腔がん、口のがん、GIST(消化管間質腫瘍)、バレット腺がん;胆道がん;胆管がん;脊髄異形成症候群、下垂体腺腫、及び精巣がんの原発形態並びに転移形態から選択される、請求項1〜5のいずれかに記載の医薬組成物。
  7. がんが、黒色腫、結腸直腸がん、卵巣がん、甲状腺乳頭がん、及び胆管がんから選択される、請求項1〜5のいずれかに記載の医薬組成物。
  8. (i)式(I)
    Figure 0006185839
    で表される化合物又はその薬学的に許容される塩;
    (ii)式(II)
    Figure 0006185839
    で表される化合物又はその薬学的に許容される塩;
    及び
    薬学的に許容される1種または複数種の担体;
    を含む、がん治療で使用するための組み合わせキット。
  9. がんの治療用医薬の製造における
    (i)式(I)
    Figure 0006185839
    で表される化合物又はその薬学的に許容される塩;
    及び
    (ii)式(II)
    Figure 0006185839
    で表される化合物又はその薬学的に許容される塩;
    の使用。
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