以下、一実施形態の構成を図1ないし図9を参照して説明する。
図1ないし図9において、11は電気掃除機を示し、この電気掃除機11は、図3ないし図7に示すように全体を動かしながらスティッククリーナ(アップライトクリーナ)として使用する形態と、図1および図2に示すように一部を持ち運びながらハンディクリーナとして使用する形態とを任意に選択できるものである。
そして、図1ないし図9に示すように、この電気掃除機11は、本体部12と、この本体部12と接続された風路体13とを備え、この風路体13が、保持部14を介して本体部12に対して保持可能となっているとともに、本体部12に本体用ハンドル15が突設され、風路体13に風路体用ハンドル17が突設されている。なお、以下、上下方向は電気掃除機11を被掃除面上に載置した状態を基準とする。すなわち、図1に示す矢印U方向が本実施形態の上方向、矢印D方向が本実施形態の下方向となる。
本体部12は、前後方向に沿って長手方向を有する、すなわち前後方向の寸法が左右幅方向および上下方向のそれぞれの寸法よりも大きい本体ケース18と、この本体ケース18の下部に着脱可能な塵埃収容体としてのカップ部である略有底円筒状の集塵カップ19とを備えている。
本体ケース18は、例えば合成樹脂などにより形成されており、前後方向に沿って長手状のケース本体21と、このケース本体21の長手方向の端部である前端部の上部に設けられた保持受部22と、このケース本体21の前端部の下部、すなわち保持受部22の下方に設けられケース本体21から前方に突出する風路体接続部23とを有し、重量物である電動送風機25が電動送風機室26内に収容されているとともに、電動送風機25の動作を制御する図示しない本体制御部、および、重量物である電源部としての電池である二次電池27がそれぞれ収容されている。そして、本体ケース18(ケース本体21)の後部に本体用ハンドル15が一体的に設けられており、この本体用ハンドル15によって、本体部12が把持可能となっている。
ケース本体21の下部には、集塵カップ19を着脱可能な取付開口部31が風路体接続部23の後方の位置に開口されている。この取付開口部31は、上下方向に沿って開口しており、この取付開口部31には、集塵カップ19の本体ケース18(取付開口部31)への装着によりこの集塵カップ19へと内挿されてこの集塵カップ19とともに上流側分離部としての第1分離部である第1遠心分離部32を構成する略円筒状の分離体部33が下方に向けて突設されている。また、この取付開口部31の上方のケース本体21内には、電動送風機室26の外周に、取付開口部31と連通する略円筒状の連通風路部35が区画形成されており、この連通風路部35の外方には、分離体部33(第1遠心分離部32)を通過した空気中に含まれる塵埃、すなわち第1遠心分離部32で分離する塵埃よりも小さい塵埃を分離する下流側分離部としての第2分離部である第2遠心分離部36を構成する略円筒状の分離筒部37が複数設けられている。そして、これら分離筒部37の上部にてケース本体21の内部に、これら分離筒部37(第2遠心分離部36)と連通する風路部38が区画されており、この風路部38が電動送風機25の吸込側と連通している。したがって、第1遠心分離部32から、連通風路部35、第2遠心分離部36、風路部38を介して電動送風機25の吸込側に連通する風路が形成されている。
第1遠心分離部32は、集塵カップ19の内周面と分離体部33の外周面との間で空気を旋回させることにより、塵埃(粗塵)を遠心分離するものである。したがって、この第1遠心分離部32の旋回流は、上下方向に沿って軸方向を有している。
分離体部33は、上下方向に沿って軸方向を有する円筒状に形成されており、集塵カップ19と同軸(同心)に配置される。この分離体部33は、円筒状の分離体部本体41、この分離体部本体41の内方に同軸状に位置する排気部42、および、分離体部本体41よりも径寸法が大きい円筒状の圧縮部43を軸方向に隣接して備えている。
分離体部本体41は、周囲に開口され連通風路部35と連通する複数の開口44と、これら開口44を覆う分離フィルタ45とを有している。すなわち、分離体部本体41の外部(集塵カップ19の内部)と連通風路部35とが、開口44により連通している。そして、第1遠心分離部32では、この分離体部本体41の外周面と集塵カップ19の内周面との間で空気が旋回するようになっている。
排気部42は、分離体部本体41と一体成形され、この分離部本体41と二重筒状となっている。したがって、この排気部42は、電動送風機25の中心軸に対して略平行な中心軸を有し、実質的に電動送風機25と同軸状に配置されている。
圧縮部43は、シェード部とも呼ばれ、分離体部本体41の下端部に段差状に拡径して連続しており、この分離体部本体41と同軸に配置されている。この圧縮部43は、分離体部本体41の下端部の周囲に上下方向に沿って開口した複数の圧縮開口47と、これら圧縮開口47を覆う圧縮フィルタ48とを有している。そして、分離体部本体41の外周と集塵カップ19の内周との間を旋回する空気の一部が圧縮部43の下端部から圧縮部43の内部を介して圧縮開口47(圧縮フィルタ48)を通過することにより、第1遠心分離部32にて遠心分離した塵埃を圧縮フィルタ48に押し付けて圧縮部43内で圧縮するようになっている。
連通風路部35は、電動送風機室26の前後にそれぞれ上下方向に沿って配置されており、左右両側方向に広がっている。
第2遠心分離部36は、第1遠心分離部32の上方、本実施形態では、この第1遠心分離部32の上端部よりも上方に位置し、分離筒部37の内面に沿って空気を旋回させることにより、塵埃(細塵)を遠心分離するものである。したがって、この第2遠心分離部36の旋回流は、上下方向に沿って軸方向を有している。
各分離筒部37は、連通風路部35(電動送風機室26)の側方の位置に、上下方向に沿って軸方向を有しており、上端部から下端部へと徐々に縮径されている。すなわち、これら分離筒部37(第2遠心分離部36)は、連通風路部35(電動送風機25)と略平行に軸方向を有している。また、各分離筒部37は、集塵カップ19よりも径寸法が小さく設定されている。このため、第2遠心分離部36は、第1遠心分離部32よりも旋回流の流速が速くなるように設定されている。さらに、これら分離筒部37は、連通風路部35(電動送風機25)の前後に複数、例えば3つずつ、それぞれ上方から見て連通風路部35(電動送風機25)の周方向に沿う円弧に沿って略等間隔に離間されて配置されている。したがって、これら分離筒部37(第2遠心分離部36)は、電動送風機25に対して反対側の位置にそれぞれ複数(3つ)ずつ配置されており、電動送風機25の中心軸に対して互いに前後方向に線対称に位置し、この電動送風機25の中心軸を中心として放射状にそれぞれ配置されている。また、この分離筒部37の上端近傍には、連通風路部35と連通してこの分離筒部37内へと接線方向に沿って含塵空気を導く吸込開口部37aが軸方向に対して交差する側方に向けて開口されている。さらに、この分離筒部37の下端部は、集塵カップ19の上部に対向して開口し塵埃を集塵カップ19へと排出する塵埃排出口37bとなっている。そして、この分離筒部37の上端部には、この分離筒部37と同軸状に、塵埃を遠心分離した空気が風路部38へと連通する円筒状の排出筒部49が配置されており、この排出筒部49の下流端である上端部が、分離筒部37内の空気を排出する第2遠心分離部36の排出開口部49aとなっている。
風路部38は、本体ケース18のケース本体21内の上部に沿って前後方向に延びて位置しており、各排出筒部49の下流端である排出開口部49aとそれぞれ気密に接続されている。
保持受部22は、第1遠心分離部32の旋回流の軸方向に対して一側方である前方に位置して、ケース本体21の前部に突設されている。この保持受部22は、前方に開口した筒状に形成されており、この保持受部22の内部には、風路体13を本体部12に対して着脱可能に係止する図示しない係合受部が凹設されている。
風路体接続部23は、前後方向および水平方向に沿って軸方向を有する円筒状に形成されており、保持受部22の下方(直下)で、かつ、第2遠心分離部36の旋回流の軸方向に対して一側方である前方に位置してケース本体21の前部に突設されている。すなわち、これら保持受部22と風路体接続部23とは、本体部12の同側方である前方にそれぞれ位置し、かつ、本体部12(本体ケース18)を前側から見て、上下に並んで位置している。また、この風路体接続部23は、集塵カップ19に対して気密に接続される部分であり、この風路体接続部23内には、風路体13および集塵カップ19と気密に接続するための円筒状のシール部61が配置されている。
電動送風機25は、二次電池27からの給電により駆動することで負圧を発生させて集塵カップ19へと塵埃を吸い込む吸込風を形成するもので、ケース本体21(本体ケース18)の前後方向および左右方向の略中央部で、かつ、第1遠心分離部32よりも上方に位置するとともに、吸込側である吸気口25aを上側、排気側である図示しない排気口を下側としている。すなわち、この電動送風機25は、第1遠心分離部32(集塵カップ19)の(旋回流の)軸方向と平行な成分、つまり上下方向成分を有するように配置されている。換言すれば、この電動送風機25は、水平方向と異なる方向に沿って配置されており、中心軸(回転軸)が第1遠心分離部32(集塵カップ19)の(旋回流の)中心軸に対して側方から見て鋭角状(好ましくは45°以下の鋭角状)に交差、またはこの中心軸と同軸な位置となっている。すなわち、この電動送風機25は、第1遠心分離部32(集塵カップ19)に対して上下方向に直列状に並んで配置され、第1遠心分離部32(集塵カップ19)の中心軸の延長上に位置している。そして、この電動送風機25の吸込側(吸気口25a)は、本体部12内の上部近傍に位置して(風路部38を介して)第2遠心分離部36の下流側と連通しているとともに、これら風路部38、第2遠心分離部36および連通風路部35を介して第1遠心分離部32(集塵カップ19)と連通している。
電動送風機室26は、略円筒状に形成され、本体部12の本体ケース18の前後方向および左右方向の略中央部に位置しており、この電動送風機室26の前後に連通風路部35を介して分離筒部37が3つずつ配置されている。換言すれば、電動送風機室26(電動送風機25)と分離筒部37との間に連通風路部35が位置している。また、電動送風機室26の下部の中央部には、電動送風機25の排気側(排気口)と連通する排出開口65が下方に向けて開口されている。すなわち、この排出開口65は、本体部12の本体ケース18の下部に位置しており、分離体部33の内部へと連通している。
本体制御部は、例えばマイコンなどを備えており、電動送風機25を導通角制御して、この電動送風機25を所定の動作モードで動作させたり停止させたりすることが可能となっている。
二次電池27は、電動送風機25、本体制御部、および、風路体13側などへと給電するものであり、図示しない端子を介して外部の充電回路と接続可能で、この充電回路を介して必要に応じて充電可能となっている。そして、この二次電池27は、ケース本体21(本体ケース18)の後端部の位置、すなわち第1および第2遠心分離部32,36の旋回流の軸方向に対して他側方である後方の位置に、上下方向に沿って収容されている。換言すれば、保持受部22および風路体接続部23と二次電池27とは、第1および第2遠心分離部32,36(集塵カップ19)を介して本体部12の互いに反対側に位置している。
集塵カップ19は、電動送風機25の駆動により吸い込まれた塵埃を捕集する部分であり、有底円筒状の第1塵埃収容部としての収容部である集塵カップ本体66と、この集塵カップ本体66の前部に突出する導入部67と、この集塵カップ本体66の上部に一体的に設けられた第2塵埃収容部としての細塵受け部68と、集塵カップ本体66の下端部を覆うカバー69とを備えている。そして、この集塵カップ19の集塵カップ本体66の後部には、この集塵カップ19を本体ケース18(取付開口部31)に対して着脱可能に係止保持する保持手段としてのクランプ70が取り付けられている。
集塵カップ本体66は、例えば導入部67および細塵受け部68とともに、透光性を有する(透明な)合成樹脂などの部材によって一体的に成形されている。この集塵カップ本体66は、集塵カップ19を本体ケース18(取付開口部31)に取り付けた状態で分離体部33の周囲に位置する部分である。すなわち、この集塵カップ本体66は、分離体部33とともに第1遠心分離部32を構成しているとともに、下部がこの第1遠心分離部32で遠心分離された塵埃を溜める塵埃溜め部71となっている。この集塵カップ本体66は、各分離筒部37よりも径寸法が大きく設定されている。また、この集塵カップ本体66の底部には、この集塵カップ本体66と同軸(同心)状に、すなわちこの集塵カップ本体66の中心軸、換言すれば第1遠心分離部32(集塵カップ本体66内)で旋回する空気の旋回軸に沿って、排出部としての排気筒部74が一体的に形成されているとともに、この底部の外面部には、複数の導風部であるリブ75がそれぞれ径方向に沿って突設されている。
排気筒部74は、電動送風機25の排気を本体部12の外部へと排出する部分であり、集塵カップ19を本体ケース18(取付開口部31)に取り付けた状態で分離体部33の圧縮部43および分離体部本体41の内部に挿入され、排気部42の下端部に同軸状に気密に接続されてこの排気部42を介して電動送風機室26の下部の排出開口65と気密に接続される。すなわち、この排気筒部74は、電動送風機25の排気側(排気口)と気密に接続されている。換言すれば、電動送風機25の排気側(排気口)と連通する排出開口65が(排気部42を介して)排気筒部74の上流側に気密に接続されている。したがって、排気部42および排気筒部74の外方が電動送風機25の吸込側と連通し、排気部42および排気筒部74の内方が電動送風機25の排気側と連通して、これら吸込側と排気側とが互いに別室となるように区画されている。
リブ75は、排気筒部74から排出された排気を径方向に沿って導くものである。
導入部67は、集塵カップ本体66の上端近傍、すなわち集塵カップ本体66(集塵カップ19)内へと挿入された分離体部33の分離体部本体41(分離フィルタ45)の前方に対向する位置にて、集塵カップ本体66へと含塵空気を導入するもので、集塵カップ19を本体ケース18(取付開口部31)に取り付けた状態で上流端部である前端部がシール部61を介して風路体接続部23の下流側に気密に接続される。そして、この導入部67の下流端である後端部には、含塵空気を集塵カップ本体66(集塵カップ19)内へと導入する吸込口77が集塵カップ本体66の接線方向に沿って開口されている。この吸込口77は、上下方向、すなわち第1遠心分離部32の旋回流の軸方向において分離体部33と略等しい高さ位置に配置されている。したがって、この吸込口77は、電動送風機25よりも下方に位置しており、この電動送風機25の吸気口25aおよび排気口に対して(上下方向に)ずれた位置に配置されている。
細塵受け部68は、集塵カップ19を本体ケース18(取付開口部31)に取り付けた状態で第2遠心分離部36(分離筒部37)の下端部の下部に連通し、第2遠心分離部36で遠心分離された塵埃を溜めるようになっている。この細塵受け部68は、集塵カップ本体66の上端部近傍にて、この集塵カップ本体66の軸方向と交差(直交)する前後方向に沿って延びており、前後方向から見て上側に開口した受け皿状に湾曲されている。
カバー69は、例えばエラストマなどの軟質の合成樹脂である軟質部材により、軸方向寸法が小さい有底円筒状、すなわち浅い皿状に形成されており、集塵カップ本体66の下端部(リブ75)を覆ってこの集塵カップ本体66に取り付けられている。そして、このカバー69の外側部である外周部の全体には、周方向に沿って長孔スリット状の複数の排気開口79が略等間隔(略等角度)に離間されてそれぞれ形成されている。これら排気開口79は、例えば第1遠心分離部32(集塵カップ19)の軸方向である上下方向に複数、例えば2段に設けられており、排気筒部74から排出されてカバー69に当たった後、各リブ75を介して径方向に沿って導かれた排気風を外部へと分散排出するものである。そして、これら排気開口79は、第1遠心分離部32(集塵カップ19)の径方向であるカバー69の径方向に向けて放射状に開口されている(図8)。これら排気開口79の位置は、例えば各リブ75に対向しない位置となっており、各リブ75間に複数ずつ配置されるようになっている。さらに、これら排気開口79は、集塵カップ19の最下端の外周部に位置しており、本体用ハンドル15の下端部よりも下方に位置している。
クランプ70は、集塵カップ本体66の後部上端から細塵受け部68の後部の下部に亘って略L字状に配置されている。
一方、風路体13は、風路体接続部23の上流側である前側に下流側である後側が連通接続された伸縮可能なホース体82と、このホース体82の上流側である前側が連通接続された吸込口体部83と、この吸込口体部83の上流側である前側に対して着脱可能に連通接続されるアタッチメント部84とを有している。そして、この風路体13は、掃除の形態に応じて、本体部12に対して保持部14により保持された状態と、本体部12から保持部14の位置で取り外された状態とで選択的に使用可能である。
ホース体82は、下流側である一端側すなわち後端側が本体部12(風路体接続部23(シール部61))と気密に接続され、上流側である他端側すなわち前端側が保持部14によって保持されて吸込口体部83(アタッチメント部84)と気密に接続されている。したがって、このホース体82は、下流端側が風路体接続部23を介して集塵カップ19(第1遠心分離部32)と連通するとともに、この集塵カップ19、連通風路部35、分離筒部37(第2遠心分離部36)および風路部38をさらに介して電動送風機25の吸込側と連通している。また、このホース体82は、例えば可撓性を有する合成樹脂などにより蛇腹状に形成されて伸縮自在となっており、収縮方向に向けて付勢されている。すなわち、このホース体82は、自然状態(無負荷状態)で最大に収縮した状態となっており、この最大に収縮した状態で、内面の凹凸が密着して平面状となるように形成されている。換言すれば、このホース体82は、外力を加えて両端方向に引っ張った状態(本体部12側に固定されている下流側に対して上流側を引っ張った状態)を維持しているときにのみ伸張するようになっている。
吸込口体部83は、ホース体82の上流端部である前端部に設けられている。この吸込口体部83は、円筒状の吸込口体部本体85と、この吸込口体部本体85と連通しこの吸込口体部本体85の後部の下側に突設された円筒状の接続部86と、吸込口体部本体85の上流端部である前端部に回動可能に配置された清掃部としてのブラシ部87と、この吸込口体部83に対してアタッチメント部84を着脱可能に係止保持する保持クランプ89とを備えている。
吸込口体部本体85は、ホース体82よりも硬質の部材である合成樹脂などにより直管状に形成されており、下流端部である後端部が保持部14と一体的に設けられている。
接続部86は、吸込口体部本体85の軸方向に対して鋭角状に交差する方向に沿って軸方向が傾斜した直管状となって吸込口体部本体85と一体に設けられており、ホース体82の上流端部が挿入されて気密に接続されている。
ブラシ部87は、前端部に清掃部材であるブラシ毛87aを複数備えた環状に形成されており、内縁の両側が吸込口体部本体85の上流端部である前端部の両側部に回動可能に軸支されて、この吸込口体部本体85の軸方向と交差する上下方向に回動可能となっている。
保持クランプ89は、吸込口体部本体85の上部に一部が露出して操作可能となっている。
アタッチメント部84は、掃除の形態に応じて吸込口体部83に対して適宜着脱されるものであり、例えば直管長尺状の延長管91と、この延長管91の上流端である前端に着脱可能な吸込口体としての床ブラシ92とを備えている。
延長管91は、下流端部である後端部に接続口部96を備え、上流端部である前端部に吸込口部97を備えている。接続口部96は、アタッチメント部84(延長管91)を吸込口体部83に接続する際に吸込口体部83の前端部に挿入される部分である。また、吸込口部97は、円筒状の吸込口部本体101と、この吸込口部本体101の上流端部である前端部に回動可能に配置された清掃体部としてのブラシ毛部102と、この吸込口部97に対して床ブラシ92を着脱可能に係止保持するクランプ部104とを備えている。
ブラシ毛部102は、前端部に延長管用清掃部材であるブラシ毛102aを複数備えた環状に形成されており、内縁の両側が吸込口部本体101の上流端部である前端部の両側部に回動可能に軸支されて、この吸込口部本体101の軸方向と交差する上下方向に回動可能となっている。
クランプ部104は、吸込口部本体101の上部に一部が露出して操作可能となっている。
床ブラシ92は、左右幅方向に沿って長手状、すなわち横長のケース体106と、このケース体106の後部に回転可能に接続された回転管107とを備えている。
ケース体106には、被掃除面に対向する下面に図示しない吸込口が開口されている。なお、この吸込口には、回転清掃体としての回転ブラシを配置してもよい。
回転管107は、ケース体106に対して少なくとも軸回り方向に回動可能に軸支されており、吸込口と連通している。なお、この回転管107の後端側(下流端側)は、延長管91の下流端側と略等しい径寸法を有しており、吸込口部97と同様に吸込口体部83に対しても着脱可能となっている。
保持部14は、風路体13の下流端側であるホース体82の下流端部と異なる位置、本実施形態ではホース体82の上流側の吸込口体部83を本体部12(保持受部22)に対して着脱可能とするものであり、吸込口体部83の吸込口体部本体85と一体的に設けられてホース体82に対して並列に分岐する風路体用ハンドル17と、この風路体用ハンドル17の後端部に位置する連結部117と、風路体用ハンドル17に設けられた係止手段としてのクランプ体118とにより構成されている。すなわち、風路体用ハンドル17は、保持部14の一部を構成している。換言すれば、保持部14は、風路体用ハンドル17を兼ねており、風路体13の下流側であるホース体82と異なる位置、本実施形態では、これらホース体82よりも上流側の吸込口体部83と前端側が一体的に設けられている。そして、この保持部14により、風路体13が本体部12に対して、ホース体82よりも上方の位置で着脱可能となっている。
風路体用ハンドル17は、本体部12から保持部14の位置で取り外した風路体13を把持するためのもので、ホース体82よりも硬質の合成樹脂などの部材により形成され、吸込口体部本体85と同軸状に形成されてこの吸込口体部本体85と略一直線上に並んで配置されているとともに、この吸込口体部本体85よりも後方へと突出して前後方向に沿って長手状に延びている。
連結部117は、風路体用ハンドル17の後端部に連続し(保持部14の一端側である後端側に位置し)本体部12の保持受部22に嵌合する部分であり、後方に向けて突出する円筒状の接続凸部122を備えている。この接続凸部122は、保持部14によって風路体13を本体部12に装着する際に保持受部22に挿入されて嵌合される部分である。
クランプ体118は、風路体用ハンドル17の前側の上部に一部が露出して例えば前後方向に沿ってスライド操作可能となっており、接続凸部122の上部に、保持受部22の係合受部に係止される図示しない爪部が露出している。
本体用ハンドル15は、本体部12の後部との間で本体部12の長手方向と交差(直交)する左右方向に開口するように上下方向にループ状に形成されている。すなわち、この本体用ハンドル15は上下方向に沿って形成されている。そして、この本体用ハンドル15の上部には、この本体用ハンドル15を把持した手で使用者が電動送風機25の動作などを設定するための設定ボタン135が互いに前後方向に沿って離間されて複数配置されている。
次に、上記一実施形態の動作を説明する。
電気掃除機11は、例えば、室内の床面などの被掃除面の比較的広い面積を掃除する場合には、図3および図4に示すように、保持部14により風路体13を本体部12に対して保持受部22の位置で装着し、本体用ハンドル15を把持して全体を動かしながら掃除をする。
このとき、集塵カップ19は予め本体ケース18に取り付けておく。すなわち、集塵カップ19を本体ケース18の取付開口部31に位置合わせして本体ケース18側へと押し込むことで、細塵受け部68が第2遠心分離部36(分離筒部37)の下端部に対向して塵埃排出口37bと連通し、分離体部33が集塵カップ本体66内に同軸状に挿入され、排気筒部74が分離体部33内に挿入されて排気部42に気密に接続されてこの排気部42を介して排出開口65と気密に接続されるとともに、導入部67の上流端部である前端部がシール部61を介して風路体接続部23(風路体13)の下流側である後端部に気密に接続された状態で、クランプ70の作用により集塵カップ19が本体ケース18に係止保持される。
また、風路体13は、吸込口体部83の上流端部である前端部に延長管91の接続口部96を挿入接続するとともに、延長管91の吸込口部97の上流端部である前端部に対して床ブラシ92の回転管107を挿入接続する。このとき、保持クランプ89の作用により延長管91が吸込口体部83に気密に接続された状態で係止保持されるとともに、クランプ部104の作用により床ブラシ92が延長管91に気密に接続された状態で係止保持される。
さらに、保持部14においては、図1に示す風路体用ハンドル17の後端部の連結部117を本体部12の保持受部22に対して位置合わせしつつ前方から挿入嵌合することで、接続凸部122が保持受部22に相対的に挿入され、クランプ体118の爪部が係合受部に対して挿入係止されることで、保持部14の位置で風路体13が本体部12に保持される。この状態で、図3および図4に示すように、保持部14の一部をなす風路体用ハンドル17が前後方向に沿って位置し、この風路体用ハンドル17と同軸状の吸込口体部83が前後方向に沿って直管状に位置することにより、風路体13は、床ブラシ92、延長管91(アタッチメント部84)、吸込口体部83および風路体用ハンドル17が略一直線上に位置し、かつ、吸込口体部83から下方に分岐したホース体82の下流端側が、保持部14よりも下方の風路体接続部23にて本体部12に対して接続された状態となる。この結果、保持部14により、ホース体82が上流側から下流側へと、上側から下側に緩やかに屈曲した状態に保形され、風路体13が第1遠心分離部32へと、上下左右に急峻に屈曲することなく基本的に前後方向に沿って略直線状に連通する。このため、風路体13内での圧力損失が少なく、空気および塵埃が内部を通りやすくなる。すなわち、風路体13は、保持部14の位置と、ホース体82の下流端側との位置で、換言すれば上下に並んだ位置でそれぞれ本体部12に対して機械的に接続され、ホース体82の下流端側の位置で風路として連通している。
そして、使用者は、本体用ハンドル15を把持しつつ設定ボタン135を操作することで、本体制御部を介して所望の動作モードで電動送風機25を駆動させる。この電動送風機25の駆動により生じた負圧は、風路部38、第2遠心分離部36、連通風路部35、第1遠心分離部32、導入部67、風路体接続部23(シール部61)、ホース体82、吸込口体部83およびアタッチメント部84を介して床ブラシ92の吸込口に作用するので、使用者は、被掃除面上に載置した床ブラシ92を電気掃除機11全体とともに被掃除面上で前後に交互に走行させながら被掃除面の電動送風機25の負圧の作用によって吸込口から空気とともに塵埃を吸い込む。また、使用者は、必要に応じて、床ブラシ92の回転ブラシを回転駆動させることで、被掃除面の塵埃を掻き取ったり、被掃除面を磨いたりするなどの掃除補助を行う。
このとき、塵埃とともに吸い込まれた空気、すなわち含塵空気は、床ブラシ92、延長管91、吸込口体部83、ホース体82と移動し、このホース体82の内面に沿って緩やかに屈曲しながら、ホース体82の下流端から風路体接続部23(シール部61)、導入部67および吸込口77を介して第1遠心分離部32の集塵カップ19(集塵カップ本体66)へと接線方向に沿って吸い込まれる。
また、例えば家具と壁部との間など、床ブラシ92を挿入することができない狭い隙間を掃除するなどの必要に応じて、床ブラシ92を延長管91から取り外して用いることも可能である(図5)。この場合には、保持クランプ89を操作することで床ブラシ92の係止を解除して延長管91から取り外す。そして、使用者は、延長管91の前端部の吸込口部97のブラシ毛部102などを用いながら、この吸込口部97から同様に空気とともに塵埃を吸い込んで被掃除面を掃除する。
一方、例えば、テーブルの上や被掃除面の比較的狭い面積などを掃除する場合には、図3ないし図5に示す状態から、図6に示すように、風路体13においてアタッチメント部84(延長管91および床ブラシ92)を取り外して、本体用ハンドル15を把持して全体を動かしながら掃除をする。
このとき、アタッチメント部84(延長管91)は、保持クランプ89を操作することで吸込口体部83から取り外される。そして、使用者は、本体用ハンドル15を把持して電気掃除機11全体を持ち運びながら、吸込口体部83のブラシ部87などを用いて、この吸込口体部83から空気とともに塵埃を吸い込んで掃除をする。
また、このとき、被掃除面の種類などの必要に応じて、床ブラシ92のみを吸込口体部83に取り付けて用いることも可能である(図7)。この場合には、床ブラシ92の回転管107を吸込口体部83に上流側から挿入することで、保持クランプ89の作用によって床ブラシ92が吸込口体部83に対して気密に接続された状態で保持される。そして、使用者は、被掃除面上に載置した床ブラシ92を電気掃除機11全体とともに被掃除面上で前後に交互に走行させながら被掃除面の電動送風機25の負圧の作用によって吸込口から空気とともに塵埃を吸い込む。また、使用者は、必要に応じて、床ブラシ92の回転ブラシを回転駆動させることで、被掃除面の塵埃を掻き取ったり、被掃除面を磨いたりするなどの掃除補助を行う。
さらに、例えば、天井などの相対的に高い位置を掃除する場合には、図5に示す状態から、図1に示すように、保持部14により風路体13を本体部12から取り外し、本体部12を持ち運びつつこの本体部12に対して風路体13のホース体82を伸張(伸縮)させながら、延長管91の前端部の吸込口部97により掃除をする。
また、例えば、テレビなどの設置物の裏、車両のシート、あるいは階段など、使用者の手元に近い位置を掃除する場合には、図2に示すように、図1に示す状態からさらに延長管91を取り外し、本体部12を持ち運びつつこの本体部12に対して風路体13のホース体82を伸張(伸縮)させながら、吸込口体部83により掃除をする。
これらの図1および図2に示す掃除形態の場合には、クランプ体118を操作することで、このクランプ体118の爪部を保持受部22の係合受部から抜き取った状態で風路体13を本体部12に対して前方へと移動させることにより、保持部14において、風路体用ハンドル17の後端部の連結部117が本体部12の保持受部22から離間され、接続凸部122が保持受部22から抜き取られる。
そして、一方の手で本体用ハンドル15を把持して本体部12を持ち上げつつ、他方の手で風路体用ハンドル17を把持して、基本的にはホース体82を伸縮させて風路体13のみを動かしながら、吸込口部97のブラシ毛部102、あるいは吸込口体部83のブラシ部87などを用いて、空気とともに塵埃を吸い込んで掃除をする。
なお、ホース体82の伸張のみで充分に届く範囲を掃除する場合、あるいはベッドの下などを掃除する場合などには、本体部12は本体用ハンドル15を把持して持ち上げることなく、被掃除面上に載置した状態などとしてもよい。このとき、カバー69が被掃除面に対して滑り止めとして作用し、ホース体82の収縮力によって本体部12が引きずられることがない。
そして、第1遠心分離部32の集塵カップ19(集塵カップ本体66)に吸い込まれた含塵空気は、集塵カップ19(集塵カップ本体66)の内周面と分離体部33の分離体部本体41の外周面との間で旋回されて特に大きい塵埃(粗塵)が自重により空気から遠心分離され、集塵カップ本体66の内周面に沿って落下して集塵カップ本体66の塵埃溜め部71に捕集される。この塵埃は、集塵カップ本体66内の旋回流の一部が圧縮部43の下端部から圧縮開口47(圧縮フィルタ48)を通過することによって圧縮フィルタ48に押し付けられて圧縮され、圧縮部43の内部に溜まる。
塵埃が遠心分離された空気は、分離フィルタ45を通過しつつ開口44に流入する。この開口44(分離フィルタ45)を通過した空気は、排気部42の滑らかな円筒状の外周によって整流されつつ連通風路部35を通過する。さらに、この連通風路部35を通過した空気は、吸込開口部37aを介して第2遠心分離部36(分離筒部37)へと流入し、この第2遠心分離部36において分離筒部37の内周面に沿って旋回されて細塵がさらに遠心分離される。この分離された細塵は、分離筒部37の下端部の塵埃排出口37bから集塵カップ19の細塵受け部68へと落下して捕集される。すなわち、集塵カップ本体66と細塵受け部68とで、粗塵と細塵とが別個に捕集される。この細塵が分離された空気は、分離筒部37の上端部の排出筒部49の排出開口部49aから風路部38へと流出し、この風路部38を介して電動送風機25の吸気口25aへと吸い込まれる。
そして、この電動送風機25に吸い込まれた空気は、この電動送風機25を冷却しつつ通過して排気風となり、排気口から電動送風機室26内へと排出された後、この電動送風機室26の下部の排出開口65から排気部42および排気筒部74の滑らかな内周面によって整流されつつ分離体部33の内方を下方へと通過して集塵カップ19(本体部12)の外方へと排出され、各リブ75によって分散されつつ各排気開口79へと導かれ、これら排気開口79から径方向に沿って分散排気される。
掃除が終了すると、使用者は設定ボタン135を操作して電動送風機25を停止させる。
また、塵埃を廃棄する際には、クランプ70を操作して集塵カップ19を本体ケース18(取付開口部31)から取り外し、ごみ箱などの上で集塵カップ19を上下逆さにして塵埃溜め部71および細塵受け部68の塵埃を排出する。
以上説明した一実施形態によれば、電動送風機25により吸い込んだ含塵空気から塵埃を遠心分離する本体部12の下部の第1遠心分離部32の集塵カップ19において、含塵空気を旋回させる集塵カップ本体66の旋回軸方向に沿って、本実施形態では中心軸に沿って電動送風機25の排気を底部から排出する排気筒部74を設け、かつ、この排気筒部74を含む集塵カップ19(集塵カップ本体66)の底部を覆って取り付けたカバー69の外側部に複数の排気開口79を設けることで、本体部12を必要以上に大きくすることなく、第1遠心分離部32の中心軸の周囲のスペースを有効に利用して電動送風機25からの排気を整流しつつ排出可能な排気風路を排気筒部74によって形成でき、かつ、この排気筒部74から排出された排気をカバー69によって整流して各排気開口79から分散排気できる。このため、被掃除面に向けて下方へと排気されることがなく、被掃除面の塵埃を吹き飛ばしにくい。また、電動送風機25の駆動により生じた風切り音などの騒音の音圧についても、排気筒部74および排気開口79を介して排気が排出されることで減衰され、静音性を確保できる。
しかも、集塵カップ本体66を旋回する、電動送風機25に吸い込まれる前のいわば冷たい空気の中央に位置する排気筒部74を介して電動送風機25の排気を排出するので、電動送風機25を通過した後のいわば熱い空気である排気が集塵カップ本体66内を旋回する空気によって冷却される。したがって、この排気が仮に使用者の身体に当たっても、生温かい排気でないため、使用者の使用感を損ないにくい。
なお、本体部12を集塵カップ19の底部(カバー69)にて被掃除面に載置して掃除する場合には、通常風路体13を本体部12から保持部14の位置で取り外してホース体82を伸張させて用いる。したがって、風路体13を用いて掃除する箇所は本体部12から離間された位置となるから、カバー69が被掃除面に載置されて排気開口79が被掃除面に接近して位置していたとしても、これら排気開口79から排出された排気によって掃除すべき塵埃が吹き飛ばされることはない。
また、排気開口79を、径方向に向けて放射状に開口することで、これら排気開口79から排出される排気を集塵カップ19の径方向に略均等に分散させることができる。したがって、排気が特定の方向に集中せず、圧力が緩和されたマイルドな排気となって排出されるので、塵埃を吹き飛ばしたり、使用者の身体に強く吹き付けたりすることがない。
さらに、第1遠心分離部32の集塵カップ19の底部に、排気筒部74から排出された排気を排気開口79へと導くリブ75を突設することで、排気筒部74の軸方向から集塵カップ19の径方向へと空気の流れ方向が急変する集塵カップ19の底部においても乱流を生じにくく、静音性を向上できる。
しかも、これらリブ75と対向しない位置に排気開口79を開口しているので、リブ75によって排気開口79からの排気が遮られることがなく、円滑に排気される。
また、本体部12の把持用の本体用ハンドル15よりも下方に排気開口79が位置するので、本体用ハンドル15を把持した手に対して排気開口79からの排気が吹き付けられず、使用感を向上できる。
そして、カバー69を軟質部材により形成することで、例えば風路体13を保持部14の位置で本体部12に対して取り外して使用する場合、カバー69を被掃除面上に載置しておくことで、本体部12の自重によってカバー69が被掃除面に対して摩擦力を生じさせて滑り止めとして作用するので、収縮方向に付勢されたホース体82を伸張させながら掃除をしても、本体部12がホース体82の収縮力によって引っ張られることもない。さらに、この載置の際や、誤って本体部12を落下させた場合などでも、カバー69が緩衝部材として作用することで、集塵カップ19(集塵カップ本体66)が破損したりしにくい。
なお、上記一実施形態において、第2遠心分離部36は必須の構成ではなく、例えば第1遠心分離部32の下流側に第2遠心分離部36に代えてフィルタなどを配置してもよい。
また、排気開口79は、少なくともカバー69の外側部のうち両側部に設ければ、前部や後部には設けなくてもよい。
本発明の一実施形態を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。この実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。