<1.第1実施例>
以下、添付される図面を参照して、好ましい実施例について説明する。図1は、通信システムの構成例の説明図である。通信システム1は、基地局装置2と、移動局装置3と、第1ネットワーク4と、第1ゲートウエイ装置5と、第2ゲートウエイ装置6と、ポリシ制御装置7と、セッション制御装置8を備える。以下の説明及び添付図面において、ゲートウエイ装置を「GW」と表記することがある。基地局装置及び移動局装置をそれぞれ「基地局」及び「移動局」と表記することがある。
基地局2は、移動局3との間で無線通信が可能な無線通信圏(例えばセルやセクタ)を形成し、無線通信圏内の移動局3との間で所定の無線通信規格に従って通信する。基地局2は、無線アクセスネットワークの構成要素である。無線通信規格の例は、3GPPが規格する3G(3rd Generation)無線通信規格やLTE等であってよい。
第1GW5は、無線アクセスネットワークを第1ネットワーク4に接続し、第2GW6は、第1ネットワーク4と第2ネットワーク9とを接続する。第1GW5及び第2GW6は、第2ネットワーク9と移動局3の間で伝送されるユーザデータを、第1ネットワーク4を経由して伝送する。
第1ネットワーク4は、例えば、移動通信サービスを提供する通信事業者のプライベートネットワークであってよい。第2ネットワーク9は、例えばインターネットや企業のイントラネット等のIP(Internet Protocol)サービスネットワークであってよい。
無線アクセスネットワーク及び第1ネットワーク4は、移動局3を第2ネットワーク9に接続するIP−CAN(IP Connectivity Access Network)を形成する。移動局3を第2ネットワーク9に接続するために、移動局3と第2GW6との間でユーザIPパケットを転送する論理チャネルであるベアラが形成される。ベアラは、例えば3G無線通信規格で定められたUMTS(Universal Mobile Telecommunications System)ベアラや、LTEで定められたEPS(Evolved Packet System)ベアラである。
以下の説明では、通信システム1がLTEに準拠するシステムである場合の例示を使用する。但し、この例示は、本明細書に記載される通信システムが、LTEに準拠する通信システムのみに限定して適用されることを意図するものではない。本明細書記載の通信システムは、移動局のユーザIPパケットを運ぶベアラに適用されるサービス品質を、予め定義されたポリシに従って制御するシステムに広く適用可能である。
ポリシ制御装置7は、移動局3のベアラに関するサービス情報をセッション制御装置8から取得する。サービス情報は、移動局3のベアラを使用してユーザIPパケットを送受信するアプリケーションプログラムの識別情報を含む。以下の説明において、移動局3のベアラを使用してユーザIPパケットを送受信するアプリケーションプログラムを単に「移動局3のアプリケーションプログラム」と表記する。
ポリシ制御装置7は、移動局3のアプリケーションプログラムに応じて移動局3のベアラに適用されるサービスクラスを決定する。ポリシ制御装置7は、決定したサービスクラスを第1GW5及び第2GW6へ通知する。第1GW5はポリシ実行装置として動作し、ポリシ制御装置7から通知されたサービスクラスに従って移動局3のベアラの伝送速度及び伝送遅延を制御する。
第2GW6は、ポリシ実行装置として動作し、ポリシ制御装置7から通知されたサービスクラスに従って移動局3のベアラの伝送速度及び伝送遅延を制御する。第2GW6は、サービスクラスを基地局2へ通知する。
ポリシ制御装置7は、例えば3GPPが規格するPCRF(Policy and Charging Rules Function)であってよい。セッション制御装置8は、例えばAF(Application Function)であってよい。第1GW5は、例えばBBERF(Bearer Binding and Event Reporting Function)として動作してよい。第2GW6は、PCEF(Policy and Charging Enforcement Function)として動作してよい。ポリシ制御装置7から通知されるサービスクラスは、例えばQCI(QoS Class Identifier)、QoS(Quality of Service)及びQoSクラスであってよい。
基地局2は、第2GW6から通知されたサービスクラスに従って、移動局3と基地局2間のユーザデータの伝送速度及び伝送遅延を制御する。例えば、基地局2は、移動局3と基地局2間のユーザデータの伝送に使用する無線リソース及びMCS(Modulation and Coding Scheme)を選択するスケジューリング処理を実行する。基地局2は、第2GW6から通知されたサービスクラスにより指定されるサービス品質の要求を満足するように、移動局3のベアラに使用される無線リソース及びMCSを選択する。サービス品質の要求は、例えば伝送遅延、伝送遅延の条件、最大伝送速度(Maximum Bit Rate)及び保証伝送速度(Guaranteed Bit Rate)であってよい。基地局2は、第2GW6から通知されたサービスクラスを移動局3へ通知する。
移動局3は、基地局2から通知されたサービスクラスに従って、移動局3から基地局2への上りリンクのユーザデータの伝送速度及び伝送遅延を制御する。例えば、移動局3は、サービスクラスにより指定されたサービス品質の要求を満足することと、移動局3が持つ上りリンクのユーザデータ量を通知することで上り送信を要求してもよい。更には、送信に使用する無線リソース及びMCSを基地局2に要求してもよい。例えば、移動局3は、サービスクラスにより指定された伝送遅延及び伝送遅延の条件を満足するように基地局2から割り当てられた上りリンクの無線リソースの中からベアラに割り当てるリソースを決定してもよい。
図2は、ポリシ制御装置7の機能構成の第1例の説明図である。ポリシ制御装置7は、通信部14と、判定部15と、ポリシ指定部16と、ポリシ通知部17を備える。
通信部14は、移動局3のベアラに関するサービス情報をセッション制御装置8から受信する。判定部15は、サービス情報に含まれるアプリケーションプログラムの識別情報に基づき、移動局3のアプリケーションプログラムが、所定閾値よりも短いパケット長を持つパケットを発生させるか否かを判定する。以下の説明及び添付図面において、所定閾値よりも短いパケット長を持つパケットを「小パケット」と表記する。
判定部15は、例えば予めアプリケーションプログラムの分類、属性又は名称に応じて、アプリケーションプログラムが小パケットを発生させるか否かを判定してよい。ポリシ制御装置7は、小パケットを発生させるアプリケーションプログラムの分類、属性又は名称の情報が格納される記憶部18を備えていてもよい。判定部15は、記憶部18に格納された分類、属性又は名称の情報に従って、移動局3のアプリケーションプログラムが小パケットを発生させるか否かを判定してよい。
後述の第2実施例又は第3実施例と同様に、基地局2及び移動局3が小パケットの発生を検出してもよい。ポリシ制御装置7は、小パケットを発生させるアプリケーションプログラムの分類、属性又は名称を識別するための情報を基地局2及び移動局3から受信してもよい。ポリシ制御装置7は、基地局2及び移動局3から受信した情報に基づいて識別されるアプリケーションプログラムの分類、属性又は名称の情報を記憶部18に格納してもよい。
ポリシ指定部16は、セッション制御装置8から受信されたサービス情報に基づいて、移動局3のベアラに適用されるサービスクラスを指定する。移動局3のアプリケーションプログラムが小パケットを発生させるアプリケーションプログラムである場合、ポリシ指定部16は、移動局3のベアラに適用されるサービスクラスとして、小パケット伝送用サービスクラスを指定する。移動局3のアプリケーションプログラムが小パケットを発生させるアプリケーションプログラムでない場合、ポリシ指定部16は、移動局3のベアラに適用されるサービスクラスとして、小パケット伝送用サービスクラス以外のクラスを指定する。
図3は、ポリシ指定部16により指定されるサービスクラスの一例の説明図である。QCI=1〜9のサービスクラスは、3GPP TS23.203 V10.8.0に規定されるサービスクラスと同様である。QCI=10のサービスクラスは、小パケット伝送用サービスクラスである。
小パケット伝送用サービスクラスのデータ伝送の形式(Resource Type)は、帯域保証型または伝送速度保証型(GBR: Guaranteed Bite Rate)でない非帯域保証型または非伝送速度保証型(Non-GBR)である。小パケット伝送用サービスクラスの優先度(Priority)は「10」であり、他のサービスクラスよりも低い。小パケット伝送用サービスクラスの許容伝送遅延(Packet Delay Budget)及び許容誤り率(Packet Error Loss Rate)は、それぞれ「300msec」及び「10-3」である。
小パケット伝送用サービスクラスのサービス品質要求は、小パケットの伝送に起因する輻輳が生じないように他のサービスクラスに比べて緩和されていてもよい。例えば、図3の例の小パケット伝送用サービスクラスの優先度は他のクラスの優先度よりも低い。例えば、小パケット伝送用サービスクラスのサービス品質要求の所要伝送速度、許容伝送遅延、伝送品質及び許容誤り率のいずれかに関する要求が、他のサービスクラスの要求よりも緩和されていてもよい。
図2を参照する。ポリシ通知部17は、ポリシ指定部16により指定されたサービスクラスを、第1GW5及び第2GW6へ通知する。
図4は、基地局2の機能構成の第1例の説明図である。基地局2は、送信部20と、受信部21と、MAC処理部22と、RLC処理部23と、PDCP処理部24を備える。基地局2は、回線制御部25と、回線制御信号作成部26を備える。
図4において、実線の結線はデータの流れを示し、点線の結線は制御信号の流れを示す。図5〜11、図13、図14、図17、図18、図21〜24及び図26〜図28においても同様である。
送信部20は、移動局3へ送信される下りリンク信号を符号化及び変調し、変調された信号をチャネルにマッピングする。送信部20は、各チャネルの信号をアナログ信号に変換し、変換されたアナログ信号を無線周波数信号に変換する。送信部20は、無線周波数信号を増幅し、増幅された信号をアンテナを介して移動局3へ送信する。
受信部21は、移動局3から送信される上りリンク信号をアンテナを介して受信する。受信部21は、受信された信号を増幅し、増幅後の受信信号をアナログベースバンド信号に変換する。受信部21は、アナログベースバンド信号をデジタルベースバンド信号に変換する処理と、復調処理及び復号処理を行う。
MAC処理部22は、移動局3へ送信される下りリンク信号及び移動局3から受信される上りリンク信号のMACレイヤの処理を行う。また、RLC処理部23は、移動局3へ送信される下りリンク信号及び移動局3から受信される上りリンク信号のRLCレイヤの処理を行う。PDCP処理部24は、移動局3へ送信される下りリンク信号及び移動局3から受信される上りリンク信号のPDCPレイヤの処理を行う。
回線制御部25は、移動局3と基地局2間のユーザデータの伝送に使用する無線リソース及びMCSを選択するスケジューリング処理を実行する。回線制御部25は、第2GW6から通知されたサービスクラスを受信する。回線制御部25は、第2GW6から通知されたサービスクラスに従って、移動局3と基地局2との間のユーザデータの伝送速度及び伝送遅延を制御する。例えば、回線制御部25は、第2GW6から通知されたサービスクラスに従って、サービスクラスにより指定される伝送遅延及び伝送遅延の条件を満足するように、移動局3のベアラに使用される無線リソース及びMCSを選択する。
回線制御信号作成部26は、回線制御部25により選択された無線リソース及びMCSを指定する回線制御信号を作成し、回線制御信号を送信部20へ出力する。送信部20は回線制御信号を移動局3へ送信する。また、回線制御信号作成部26は、第2GW6から通知されたサービスクラスを示すサービスクラス指定信号を作成し、サービスクラス指定信号を送信部20へ出力する。送信部20はサービスクラス指定信号を移動局3へ送信する。
回線制御部25は、上りリンクユーザデータの送信に使用する無線リソースの要求信号(例えばスケジューリング要求やランダムアクセスプリアンブルなど)を移動局3及び基地局2から受信してもよい。無線リソースの要求信号は、例えば第2GW6から通知されたサービスクラスを指定するための情報を含んでいてよい。回線制御部25は、無線リソースの要求により指定されるサービスクラスのサービス品質の要求を満足するように、上りリンクのユーザデータの送信に使用する無線リソース及びMCSを選択してよい。
後述の第2実施例と同様に、基地局2にて小パケットの発生が検出されてもよい。小パケットの発生が検出された場合に回線制御部25は、小パケットを発生させるアプリケーションプログラムの分類、属性又は名称を識別するための情報をポリシ制御装置7へ送信してよい。
回線制御部25は、選択無線リソース及びMCSに従って、送信部20及び受信部21が送信及び受信するユーザデータの伝送に使用する無線リソース及びMCSを制御する。
図5は、PDCP処理部24の機能構成の第1例の説明図である。PDCP処理部24は、PDCP制御部30と、圧縮部31と、暗号化部32と、分割/連結部33と、ヘッダ付加部34を備える。PDCP処理部24は、ヘッダ除去部35と、リアセンブル部36と、解読部37と、伸長部38と、リオーダリング部39を備える。
PDCP制御部30は、PDCP処理部24によるPDCPレイヤの処理を制御する。圧縮部31は、第1GW5から受信された下りリンクデータのパケットのヘッダ部分を圧縮する。暗号化部32は、下りリンクデータのパケットを暗号化する。分割/連結部33は、パケットを分割又は連結することにより所定長L0のパケットを生成する。ヘッダ付加部34は、分割/連結部33が生成したパケットに制御信号やシーケンス番号を含むヘッダを付加しPDCP PDU(Packet Data unit)を生成する。ヘッダ付加部34は、PDCP PDUをRLC処理部23へ出力する。なお、ヘッダのシーケンス番号は省略してもよい。
ヘッダ除去部35は、RLC処理部23から出力される上りリンクデータのRLC SDU(Service Data Unit)をPDCP PDUとして受信する。ヘッダ除去部35は、PDCP PDUからヘッダを除去する。リアセンブル部36は、ヘッダが除去されたパケットを結合し暗号化されたパケットを組み立てる。解読部37は暗号化パケットを解読して平文のパケットへ変換する。伸長部38は、平文のパケットに含まれる圧縮されたヘッダを元のヘッダに戻す。リオーダリング部39は、平文のパケットの順序を並べ変えてPDCU SDUとして第1GW5へ出力する。
図6は、RLC処理部23の機能構成の第1例の説明図である。RLC処理部23は、RLC制御部50と、分割/連結部51と、ヘッダ付加部52と、リオーダリング部53と、ヘッダ除去部54と、リアセンブル部55を備える。
RLC制御部50は、RLC処理部23によるRLCレイヤの処理を制御する。分割/連結部51は、PDCP処理部24から出力される下りリンクデータのPDCP PDUをRLC SDUとして受信する。分割/連結部51は、受信したRLC SDUを分割又は連結することにより所定長L1のパケットを生成する。ヘッダ付加部52は、分割/連結部51が生成したパケットに制御信号やシーケンス番号を含むヘッダを付加しRLC PDUを生成する。ヘッダ付加部52は、RLC PDUをMAC処理部22へ出力する。なお、ヘッダのシーケンス番号は省略してもよい。
リオーダリング部53は、MAC処理部22から出力される上りリンクデータのMAC SDUをRLC PDUとして受信する。リオーダリング部53は、RLC PDUの順序を並べ変えてヘッダ除去部54へ入力する。ヘッダ除去部54は、RLC PDUからヘッダを除去する。リアセンブル部55は、ヘッダが除去されたパケットを結合しPDCP PDUを組み立てる。リアセンブル部55は、PDCP PDUをPDCP処理部24へ出力する。
図7は、MAC処理部22の機能構成の第1例の説明図である。MAC処理部22は、MAC制御部60と、多重化部61と、再送制御部62と、無線回線設定制御部63と、逆多重化部64を備える。
MAC制御部60は、MAC処理部22によるMACレイヤの処理を制御する。多重化部61は、RLC処理部23から出力される下りリンクデータのRLC PDUをMAC SDUとして受信する。多重化部61は、異なる論理チャネルで伝送される制御データやユーザデータを多重化する。多重化部61は、更にデータの分割又は連結することにより所定長L2のパケットを生成する。
再送制御部62は、多重化部61が生成したパケットに制御信号やシーケンス番号を含むヘッダを付加しMAC PDUを生成する。再送制御部62は、MAC PDUを一時的に格納する。なお、ヘッダのシーケンス番号は省略してもよい。
無線回線設定制御部63は、基地局2と移動局3との間の無線回線設定のための制御信号を作成する。MAC制御信号はヘッダとしてMAC PDUに付加される場合もある。無線回線設定の一例として、無線回線設定制御部63はランダムアクセス手順を実行する。以上の処理が施された後にMAC PDUはMAC処理部22から送信部20へ出力される。
再送制御部62は、上りリンクデータの受信信号の誤り判定結果を受信部21から受信する。受信信号に誤りがない場合に再送制御部62は、肯定応答(ACK: ACKnowledge)を送信部20へ出力する。受信信号に誤りがある場合に再送制御部62は、否定応答(NACK: Negative ACKnowledge)を送信部20へ出力する。
逆多重化部64は、受信部21にて受信されたパケットであるMAC PDUを論理パケット毎に分解し、各サービスへデータを振り分ける。逆多重化部64は、論理パケット毎に分解したデータを連結させてMAC SDUを組立てる。逆多重化部64は、MAC SDUをRLC処理部23へ出力する。
図8は、移動局3の機能構成の第1例の説明図である。移動局3は、受信部70と、送信部71と、MAC処理部72と、RLC処理部73と、PDCP処理部74と、アプリケーション処理部75を備える。移動局3は、回線制御部76と、回線制御信号作成部77を備える。
受信部70は、基地局2から送信される下りリンク信号をアンテナを介して受信する。受信部70は、受信された信号を増幅し、増幅後の受信信号をアナログベースバンド信号に変換する。受信部70は、アナログベースバンド信号をデジタルベースバンド信号に変換する処理と、復調処理及び復号処理を行う。
送信部71は、基地局2へ送信される上りリンク信号を符号化及び変調し、変調された信号をチャネルにマッピングする。送信部71は、各チャネルの信号をアナログ信号に変換し、変換されたアナログ信号を無線周波数信号に変換する。送信部71は、無線周波数信号を増幅し、増幅された信号をアンテナを介して基地局2へ送信する。
MAC処理部72は、基地局2へ送信される上りリンク信号及び基地局2から受信される下りリンク信号のMACレイヤの処理を行う。RLC処理部73は、基地局2へ送信される上りリンク信号及び基地局2から受信される下りリンク信号のRLCレイヤの処理を行う。
PDCP処理部74は、基地局2へ送信される上りリンクデータ及び基地局2から受信される下りリンク信号のPDCPレイヤの処理を行う。アプリケーション処理部75は、移動局3のアプリケーションプログラムの実行に従って所定の情報処理を行う。
回線制御部76は、基地局2から送信された回線制御信号を受信する。回線制御部76は、回線制御信号で指定された無線リソース及びMCSに従って、受信部70及び送信部71が受信及び送信するユーザデータの伝送に使用する無線リソース及びMCSを制御する。
回線制御部76は、基地局2から通知されたサービスクラスを受信する。回線制御部76は、基地局2から通知されたサービスクラスに従って、移動局3から基地局2への上りリンクのユーザデータの伝送速度及び伝送遅延を制御してもよい。
例えば、回線制御部76は、サービスクラスにより指定されたサービス品質の要求を満足することと、移動局3が持つ上りリンクのユーザデータ量を通知することで上り送信を要求してもよい。更には、送信に使用する無線リソース及びMCSを基地局2に要求してもよい。例えば、回線制御部76は、基地局2から通知されたサービスクラスを指定するための情報を回線制御信号作成部77に出力する。回線制御信号作成部77は、サービスクラスを指定するための情報を含んだ、上りリンクのユーザデータの送信に使用する無線リソースの要求信号を作成して送信部71へ出力する。送信部71は要求信号を基地局2へ送信する。
例えば、基地局2から上りリンクの無線リソースが割り当てられた場合に、回線制御部76は、サービスクラスにより指定された伝送遅延及び伝送遅延の条件を満足するように、割り当てられたリソースの中からベアラに割り当てるリソースを決定してもよい。
後述の第3実施例と同様に、移動局3にて小パケットの発生が検出されてもよい。小パケットの発生が検出された場合に回線制御部76は、小パケットを発生させるアプリケーションプログラムの分類、属性又は名称を識別するための情報をポリシ制御装置7へ送信してよい。
図9は、MAC処理部72の機能構成の第1例の説明図である。MAC処理部72は、MAC制御部80と、再送制御部81と、逆多重化部82と、多重化部83と、無線回線設定制御部84を備える。
MAC制御部80は、MAC処理部72によるMACレイヤの処理を制御する。逆多重化部82は、受信部70にて受信されたパケットであるMAC PDUを論理パケット毎に分解し、各サービスへデータを振り分ける。逆多重化部82は、論理パケット毎に分解したデータを連結させてMAC SDUを組立てる。逆多重化部82は、MAC SDUをRLC処理部73へ出力する。
多重化部83は、RLC処理部73から出力される上りリンクデータのRLC PDUをMAC SDUとして受信する。多重化部83は、異なる論理チャネルで伝送される制御データやユーザデータを多重化する。多重化部83は、更にデータの分割又は連結することにより所定長L3のパケットを生成する。
再送制御部81は、多重化部83が生成したパケットに制御情報やシーケンス番号を含むヘッダを追加しMAC PDUを生成する。再送制御部81は、MAC PDUを一時的に格納する。再送制御部81は、下りリンクデータの受信信号の誤り判定結果を受信部70から受信する。受信信号に誤りがない場合に再送制御部81は、肯定応答(ACK)を送信部71へ出力する。受信信号に誤りがある場合に再送制御部81は、否定応答(NACK)を送信部71へ出力する。無線回線設定制御部84は、移動局3と基地局2との間の無線回線の確立のための処理を実行する。なお、ヘッダのシーケンス番号は省略してもよい。
図10は、RLC処理部73の機能構成の第1例の説明図である。RLC処理部73は、RLC制御部90と、リオーダリング部91と、ヘッダ除去部92と、リアセンブル部93と、分割/連結部94と、ヘッダ付加部95を備える。
RLC制御部90は、RLC処理部73によるRLCレイヤの処理を制御する。リオーダリング部91は、MAC処理部72から出力される下りリンクデータのMAC SDUをRLC PDUとして受信する。リオーダリング部91は、RLC PDUの順序を並べ変えてヘッダ除去部92へ入力する。ヘッダ除去部92は、RLC PDUからヘッダを除去する。リアセンブル部93は、ヘッダが除去されたパケットを結合しPDCP PDUを組み立てる。リアセンブル部93は、PDCP PDUをPDCP処理部74へ出力する。
分割/連結部94は、PDCP処理部74から出力される上りリンクデータのPDCP PDUをRLC SDUとして受信する。分割/連結部94は、受信したRLC SDUを分割又は連結することにより所定長L4のパケットを生成する。ヘッダ付加部95は、分割/連結部94が生成したパケットに制御信号やシーケンス番号を含むヘッダを付加しRLC PDUを生成する。ヘッダ付加部95は、RLC PDUをMAC処理部72へ出力する。なお、ヘッダのシーケンス番号は省略してもよい。
図11は、PDCP処理部74の機能構成の第1例の説明図である。PDCP処理部74は、PDCP制御部100と、ヘッダ除去部101と、リアセンブル部102と、解読部103と、伸長部104と、リオーダリング部105を備える。PDCP処理部74は、圧縮部106と、暗号化部107と、分割/連結部108と、ヘッダ付加部109を備える。
PDCP制御部100は、PDCP処理部74によるPDCPレイヤの処理を制御する。ヘッダ除去部101は、RLC処理部73から出力される下りリンクデータのRLC SDUをPDCP PDUとして受信する。ヘッダ除去部101は、PDCP PDUからヘッダを除去する。リアセンブル部102は、ヘッダが除去されたパケットを結合し暗号化されたパケットを組み立てる。解読部103は暗号化パケットを解読して平文のパケットへ変換する。伸長部104は、平文のパケットに含まれる圧縮されたヘッダを元のヘッダに戻す。リオーダリング部105は、平文のパケットの順序を並べ変えてPDCU SDUとしてアプリケーション処理部75へ出力する。
圧縮部106は、アプリケーション処理部75から出力される上りリンクデータのパケットのヘッダ部分を圧縮する。暗号化部107は、上りリンクデータのパケットを暗号化する。分割/連結部108は、パケットを分割又は連結することにより所定長L5のパケットを生成する。ヘッダ付加部109は、分割/連結部108が生成したパケットに制御信号やシーケンス番号を含むヘッダを付加しPDCP PDUを生成する。ヘッダ付加部109は、PDCP PDUをRLC処理部73へ出力する。なお、ヘッダのシーケンス番号は省略してもよい。
図12は、通信システム1の動作の第1例の説明のためのシーケンス図である。オペレーションAAにおいてポリシ制御装置7は、移動局3のベアラに関するサービス情報をセッション制御装置8から受信する。オペレーションAAは通信部14の動作に相当する。
オペレーションABにおいてポリシ制御装置7は、サービス情報に含まれるアプリケーションプログラムの識別情報に基づき、移動局3のアプリケーションプログラムが小パケットを発生させるプログラムであるか否かを判定する。オペレーションABは判定部15の動作に相当する。
移動局3のアプリケーションプログラムが小パケットを発生させるプログラムである場合に、オペレーションACにおいてポリシ制御装置7は、移動局3のベアラに適用されるサービスクラスとして、小パケット伝送用サービスクラスを指定する。オペレーションACはポリシ指定部16の動作に相当する。
オペレーションADにおいてポリシ制御装置7は、オペレーションACで指定されたサービスクラスを、第1GW5及び第2GW6へ通知する。オペレーションADはポリシ通知部17の動作に相当する。
オペレーションAEにおいて第2GW6は、移動局3のベアラに適用するサービスクラスをオペレーションADで指定されたサービスクラスに設定する。オペレーションAFにおいて第1GW5は、移動局3のベアラに適用するサービスクラスをオペレーションADで指定されたサービスクラスに設定する。
オペレーションAGにおいて基地局2は、ポリシ制御装置7により指定されたサービスクラスを第2GW6から受信する。移動局3は、サービスクラスを基地局2から受信するオペレーションAGは回線制御部25及び76及び回線制御信号作成部26の動作に相当する。オペレーションAHにおいて基地局2は、移動局3のベアラに適用するサービスクラスをオペレーションADで指定されたサービスクラスに設定する。オペレーションAHは回線制御部25の動作に相当する。オペレーションAIにおいて移動局3は、移動局3のベアラに適用するサービスクラスをオペレーションADで指定されたサービスクラスに設定する。オペレーションAIは回線制御部76の動作に相当する。
オペレーションAJにおいて移動局3のベアラを経由して移動局3と第2GW6との間でデータが伝送される。第1GW5及び第2GW6は、オペレーションAF及びAEでそれぞれ設定されたサービスクラスに従って移動局3のベアラの伝送速度及び伝送遅延を制御する。基地局2の回線制御部25は、オペレーションAHで設定したサービスクラスに従って、移動局3のベアラの伝送速度及び伝送遅延を制御する。移動局3の回線制御部76は、オペレーションAIで設定したサービスクラスに従って、上りリンクの移動局3のベアラの伝送速度及び伝送遅延を制御する。
本実施例によれば、輻輳の要因となる小パケットを生じるベアラに適用されるサービス品質の要求が他のサービスクラスよりも緩和される。この結果、小パケットを含むベアラの伝送速度や伝送遅延を制御することにより、伝送のための処理時間を制御することが可能となるため、ベアラが設定されるネットワークにおいて小パケットに起因する輻輳が低減する。輻輳の低減により伝送速度が改善し所要伝送速度を満たすことができるようになる。また、ネットワークにおける処理またはネットワークを構成する装置における処理を低減することが可能となる。
<2.第2実施例>
図13は、基地局2の機能構成の第2例の説明図である。図4に示す構成要素と同様の構成要素には図4で使用した参照符号と同じ参照符号を付す。MAC処理部22、RLC処理部23及びPDCP処理部24は、移動局3の下りリンクのベアラで伝送される小パケットを検出する。
なお、MAC処理部22、RLC処理部23及びPDCP処理部24のいずれか1つ又は2つが小パケットを検出してもよく、MAC処理部22、RLC処理部23及びPDCP処理部24の全部が小パケットを検出してもよい。
小パケットの伝送が生じた場合、MAC処理部22、RLC処理部23及びPDCP処理部24は、小パケットが検出されたベアラに適用されるサービスクラスの変更を決定し、サービスクラスの変更を要求するクラス制御信号を回線制御部25へ出力する。クラス制御情報を受信した回線制御部25は、小パケットが検出されたベアラに適用するサービスクラスの変更を要求する変更要求信号をポリシ制御装置7へ送信する。変更要求信号は、例えば小パケットが検出されたベアラを識別するための識別情報を含んでいてよい。
ポリシ制御装置7は、変更要求信号に応答して、小パケットが検出されたベアラに適用するサービスクラスの変更を指示する変更通知信号を、第1GW5及び第2GW6に送信する。変更通知信号は、変更後のサービスクラスを識別するための識別情報と、変更後のサービスクラスが適用されるベアラを識別するための識別情報を含んでいてよい。
変更後のサービスクラスのサービス品質要求は、小パケットが検出される前に適用されていたサービスクラスのサービス品質要求よりも緩和されていてよい。例えば、変更後のサービスクラスの所要伝送速度、許容伝送遅延、伝送品質及び許容誤り率のいずれかに関する要求が、小パケットが検出される前に適用されていたサービスクラスの要求よりも緩和されていてよい。変更後のサービスクラスは、例えば図3を参照して説明した小パケット伝送用サービスクラスであってよい。
第2GW6は、変更通知信号を基地局2へ送信する。回線制御部25は、変更通知信号を受信すると、小パケットの伝送が検出された移動局3のベアラに適用するサービスクラスを、変更通知信号で指定されるサービスクラスに変更する。すなわち、回線制御部25は、変更通知信号で指定されるサービスクラスに従って、移動局3と基地局2との間のユーザデータの伝送速度及び伝送遅延を制御する。回線制御信号作成部26は、変更通知信号を送信部20へ出力する。送信部20は変更通知信号を移動局3へ送信する。移動局3の回線制御部76も、同様に小パケットの伝送が検出されたベアラに適用するサービスクラスを、変更通知信号で指定されるサービスクラスに変更する。
図14は、基地局装置のPDCP処理部24の機能構成の第2例の説明図である。図5に示す構成要素と同様の構成要素には図5で使用した参照符号と同じ参照符号を付す。PDCP処理部24は、小パケット検出部40と、閾値記憶部41と、変更判定部42を備える。
小パケット検出部40は、分割/連結部33において分割又は連結される前のパケットのパケット長を検出する。小パケット検出部40は、検出されたパケット長に基づいて、ベアラ毎に、ベアラで伝送されるパケットが小パケットであるか否かを判定する。
例えば、小パケット検出部40は、ベアラで伝送されるパケットのパケット長の各々と閾値記憶部41に格納された閾値Lth0とを比較する。小パケット検出部40は、パケット長がLth0より短いパケットが1つでも検出した場合に、小パケットが検出されたと判定してよい。閾値Lth0は、例えば分割/連結部33による分割処理が行われないパケットのパケット長の上限であってよい。例えば、閾値Lth0は、分割/連結部33により生成されるパケットのパケット長L0であってよい。
図15は、小パケットの検出動作の第1例の説明図である。オペレーションBAにおいて小パケット検出部40は、パケット長の判定回数をカウントするための変数nの値を「0」に初期化する。オペレーションBBにおいて小パケット検出部40は、変数nの値が上限N以上であるか否かを判定する。変数nの値が上限N以上である場合(オペレーションBB:Y)に動作は終了する。変数nの値が上限N以上でない場合(オペレーションBB:N)に動作はオペレーションBCへ進む。
オペレーションBCにおいて小パケット検出部40は、検出されたパケット長Lpnが閾値Lth0以上であるか否かを判断する。パケット長Lpnが閾値Lth0以上である場合(オペレーションBC:Y)に動作はオペレーションBDへ進む。パケット長Lpnが閾値Lth0以上でない場合(オペレーションBC:N)に動作はオペレーションBEへ進む。
オペレーションBDにおいて小パケット検出部40は、変数nの値を1増加させる。その後に動作はオペレーションBBへ戻る。オペレーションBEにおいて小パケット検出部40は、小パケットが検出されたと判定する。その後に動作は終了する。
例えば、小パケット検出部40は、Lth0より短いパケット長を持つパケットの発生頻度を検出し、この発生頻度に応じて小パケットが検出されたと判定してもよい。例えば、小パケット検出部40は、所定個数のパケットの中に含まれるLth0より短いパケットの個数が閾値以上の場合に、小パケットが検出されたと判定してもよい。小パケット検出部40は、所定個数のパケットに占めるLth0より短いパケットの占める割合が閾値以上の場合に、小パケットが検出されたと判定してもよい。
図16は、小パケットの検出動作の第2例の説明図である。オペレーションCAにおいて小パケット検出部40は、パケット長の判定回数をカウントするための変数nの値と、Lth0より短いパケット長を持つパケットの検出回数をカウントするための変数kの値を「0」に初期化する。
オペレーションCBにおいて小パケット検出部40は、変数nの値が上限N以上であるか否かを判定する。変数nの値が上限N以上である場合(オペレーションCB:Y)に動作は終了する。変数nの値が上限N以上でない場合(オペレーションCB:N)に動作はオペレーションCCへ進む。
オペレーションCCにおいて小パケット検出部40は、検出されたパケット長Lpnが閾値Lth0以上であるか否かを判断する。パケット長Lpnが閾値Lth0以上である場合(オペレーションCC:Y)に動作はオペレーションCEへ進む。パケット長Lpnが閾値Lth0以上でない場合(オペレーションCC:N)に動作はオペレーションCDへ進む。オペレーションCDにおいて小パケット検出部40は、変数kの値を1増加させる。その後に動作はオペレーションCEへ進む。
オペレーションCEにおいて小パケット検出部40は、変数kの値が閾値kthより大きいか否かを判定する。変数kの値が閾値kthより大きい場合(オペレーションCE:Y)に動作はオペレーションCGへ進む。変数kの値が閾値kthより大きくない場合(オペレーションCE:N)に動作はオペレーションCFへ進む。
オペレーションCFにおいて小パケット検出部40は、変数nの値を1増加させる。その後に動作はオペレーションCBへ戻る。オペレーションCGにおいて小パケット検出部40は、小パケットが検出されたと判定する。その後に動作は終了する。
また例えば、小パケット検出部40は、一定期間内に検出したパケットの中に含まれるLth0より短いパケットの個数が閾値以上の場合に、小パケットが検出されたと判定してもよい。小パケット検出部40は、一定期間内に検出したパケットに占めるLth0より短いパケットの占める割合が閾値以上の場合に、小パケットが検出されたと判定してもよい。
小パケットの伝送が生じた場合に、小パケット検出部40は、小パケットが生じたことを変更判定部42に通知する。小パケットが生じた場合に変更判定部42は、小パケットが検出されたベアラに適用されるサービスクラスを変更することを決定する。変更判定部42は、サービスクラスの変更を要求するクラス制御信号を回線制御部25へ出力する。
図17は、RLC処理部23の機能構成の第2例の説明図である。図6に示す構成要素と同様の構成要素には図6で使用した参照符号と同じ参照符号を付す。RLC処理部23は、小パケット検出部56と、閾値記憶部57と、変更判定部58を備える。
小パケット検出部56は、分割/連結部51において分割又は連結される前のパケットのパケット長を検出する。小パケット検出部56は、検出されたパケット長に基づいて、ベアラ毎に、ベアラで伝送されるパケットが小パケットであるか否かを判定する。
例えば、小パケット検出部56は、ベアラで伝送されるパケットのパケット長の各々と閾値記憶部57に格納された閾値Lth1とを比較する。小パケット検出部56は、パケット長がLth1より短いパケットが1つでも検出した場合に、小パケットが検出されたと判定してよい。例えば小パケット検出部56は、Lth1より短いパケット長を持つパケットの発生頻度を検出し、この発生頻度に応じて小パケットが検出されたと判定してもよい。閾値Lth1は、例えば分割/連結部51による分割処理が行われないパケットのパケット長の上限であってよい。例えば、閾値Lth1はパケット長L1であってよい。
小パケットの伝送が生じた場合に、小パケット検出部56は、小パケットが生じたことを変更判定部58に通知する。小パケットが生じた場合に変更判定部58は、小パケットが検出されたベアラに適用されるサービスクラスを変更することを決定する。変更判定部58は、サービスクラスの変更を要求するクラス制御信号を回線制御部25へ出力する。
図18は、MAC処理部22の機能構成の第2例の説明図である。図7に示す構成要素と同様の構成要素には図7で使用した参照符号と同じ参照符号を付す。MAC処理部22は、小パケット検出部65と、閾値記憶部66と、変更判定部67を備える。
小パケット検出部65は多重化部61において多重化される前のパケットのパケット長を検出する。小パケット検出部65は、検出されたパケット長に基づいて、ベアラ毎に、ベアラで伝送されるパケットが小パケットであるか否かを判定する。
例えば小パケット検出部65は、ベアラで伝送されるパケットのパケット長の各々と閾値記憶部66に格納された閾値Lth2とを比較する。小パケット検出部65は、パケット長がLth2より短いパケットが1つでも検出した場合に、ベアラで小パケットが検出されたと判定してよい。例えば小パケット検出部65は、Lth2より短いパケット長を持つパケットの発生頻度を検出し、この発生頻度に応じて小パケットが検出されたと判定してもよい。閾値Lth2は、例えば多重化部61による分割処理が行われないパケットのパケット長の上限であってよい。例えば、閾値Lth2はパケット長L2であってよい。
小パケットの伝送が生じた場合に、小パケット検出部65は、小パケットが生じたことを変更判定部67に通知する。小パケットが生じた場合に変更判定部67は、小パケットが検出されたベアラに適用されるサービスクラスを変更することを決定する。変更判定部67は、サービスクラスの変更を要求するクラス制御信号を回線制御部25へ出力する。
なお、MAC処理部22が小パケットの検出を行わない場合には、小パケット検出部65と、閾値記憶部66と、変更判定部67を省略してもよい。RLC処理部23が小パケットの検出を行わない場合には、小パケット検出部56と、閾値記憶部57と、変更判定部58を省略してもよい。PDCP処理部24が小パケットの検出を行わない場合には、小パケット検出部40と、閾値記憶部41と、変更判定部42を省略してもよい。出されたパケット長と比較される閾値Lth0、Lth1及びLth2として、上記所定値L0〜L2のうち最も短い値を使用してもよく、所定値L0〜L2と無関係な値を使用してもよい。
図19は、ポリシ制御装置7の機能構成の第2例の説明図である。図2に示す構成要素と同様の構成要素には図2で使用した参照符号と同じ参照符号を付す。ポリシ制御装置7は、変更要求受信部19を備える。
変更要求受信部19は、基地局2から送信された変更要求信号を受信する。変更要求受信部19は、小パケットが検出されたベアラを識別するための識別情報を変更要求信号から取得し、ポリシ指定部16に出力する。
ポリシ指定部16は、小パケットが検出されたベアラに現在適用されているサービスクラスのサービス品質要求よりも緩和されたサービス品質要求のサービスクラスを、変更後のサービスクラスとして指定する。例えば、変更後のサービスクラスの所要伝送速度、許容伝送遅延、伝送品質及び許容誤り率のいずれかに関する要求が、現在適用されているサービスクラスの要求よりも緩和されていてよい。変更後のサービスクラスは、例えば図3を参照して説明した小パケット伝送用サービスクラスであってよい。
ポリシ指定部16は、変更後のサービスクラスをポリシ通知部17に通知する。ポリシ通知部17は、変更後のサービスクラスを指定する変更通知信号を第1GW5及び第2GW6に送信する。
図20は、通信システム1の動作の第2例の説明のためのシーケンス図である。オペレーションDAにおいて移動局3と第2GW6との間でデータが伝送される。オペレーションDBにおいて基地局2は、移動局3と第2GW6との間のベアラで伝送される小パケットを検出する。オペレーションDBは小パケット検出部40、56及び65の動作に相当する。
小パケットの伝送が生じた場合、オペレーションDCにおいて基地局2は小パケットが検出された移動局3のベアラに適用されるサービスクラスを変更することを決定する。オペレーションDCは変更判定部42、58及び67の動作に相当する。オペレーションDDにおいて基地局2は、変更要求信号をポリシ制御装置7へ送信する。オペレーションDDは回線制御部25の動作に相当する。
オペレーションDEにおいてポリシ制御装置7は、小パケットが検出された移動局3のベアラに適用される変更後のサービスクラスを指定する。オペレーションDEはポリシ指定部16の動作に相当する。オペレーションDFにおいてポリシ制御装置7は、変更通知信号を第1GW5及び第2GW6に送信する。オペレーションDFはポリシ通知部17の動作に相当する。
オペレーションDGにおいて第2GW6は、小パケットが検出された移動局3のベアラに適用するサービスクラスを現在のクラスから変更通知信号で指定されたクラスへ変更する。オペレーションDHにおいて第1GW5は、小パケットが検出された移動局3のベアラに適用するサービスクラスを現在のクラスから変更通知信号で指定されたクラスに設定する。オペレーションDIにおいて基地局2は、第2GW6から変更通知信号を受信する。移動局3は、基地局2から変更通知信号を受信する。オペレーションDIは回線制御部25及び76及び回線制御信号作成部26の動作に相当する。
オペレーションDJにおいて基地局2は、小パケットが検出された移動局3のベアラに適用するサービスクラスを現在のクラスから変更通知信号で指定されたクラスに設定する。オペレーションDJは回線制御部25の動作に相当する。オペレーションDKにおいて移動局3は、小パケットが検出されたベアラに適用するサービスクラスを現在のクラスから変更通知信号で指定されたクラスに設定する。オペレーションDJは回線制御部76の動作に相当する。
オペレーションDLにおいて移動局3のベアラを経由して移動局3と第2GW6との間でデータが伝送される。第1GW5及び第2GW6は、変更後のサービスクラスに従って小パケットが検出された移動局3のベアラの伝送速度及び伝送遅延を制御する。基地局2は、変更後のサービスクラスに従って、小パケットが検出された移動局3のベアラの伝送速度及び伝送遅延を制御する。移動局3の回線制御部76は、変更後のサービスクラスに従って、小パケットが検出された上りリンクのベアラの伝送速度及び伝送遅延を制御する。
上記実施例では、MAC処理部22、RLC処理部23及びPDCP処理部24は、下りリンクのベアラにおける小パケットの伝送を検出した。これに代えて又はこれに加えて、MAC処理部22、RLC処理部23及びPDCP処理部24が上りリンクのベアラで小パケットを検出するように基地局2を変形してもよい。以下の他の実施例及び変形例においても同様である。
上りリンクと下りリンクのデータ伝送とが対をなす場合がある。例えば、移動局3で動作する同一のアプリケーションによる上りリンクと下りリンクのデータ伝送が対をなすことがある。ポリシ指定部16は、対をなす上りリンクと下りリンクのデータ伝送の一方に使用するベアラに適用するサービスクラスを変更する場合、他方のデータ伝送に使用するベアラに適用するサービスクラスを変更してもよい。ポリシ指定部16は、対をなすベアラのクラスが互いに同じクラスになるように対をなすクラスを変更してもよく、互いに異なるクラスになるように変更してもよい。
ポリシ指定部16は、ベアラを使用するアプリケーションプログラムを識別するための情報を移動局3または基地局2から受信し、その情報とベアラに設定されているサービスクラスに基づいて、対をなす上りリンクと下りリンクのベアラを識別してよい。
サービスクラスを変更する代わりに、小パケットが検出された移動局3のベアラに適用されるサービス品質要求を変更するように第2実施例を修正してもよい。例えば、サービスクラスを変更する代わりに、サービスクラスの属性を変更するように第2実施例を変更してもよい。
属性とは、各サービスクラスのサービス品質要求を定める要求の個々の要素である。属性は、例えば所要伝送速度、許容伝送遅延、優先度、伝送品質及び許容誤り率であってよい。変更判定部42、58及び67は、パケットが検出されたベアラに適用されるサービスクラスの属性を変更することを決定する。回線制御部25は、小パケットが検出されたベアラに適用するサービスクラスの属性の変更を要求する変更要求信号をポリシ制御装置7へ送信する。
ポリシ指定部16は、小パケットが検出されたベアラに現在適用されているサービスクラスの属性よりも緩和された属性を、変更後の属性として指定する。変更後の属性は、小パケットが検出される前に適用されていた属性よりも緩和されていてよい。ポリシ通知部17は、変更後の属性を指定する識別情報変更通知を送信してよい。第1GW5、第2GW6、基地局2及び移動局3は、変更後の属性に従って小パケットが検出された移動局3のベアラの伝送速度及び伝送遅延を制御してよい。
同様に、後述の第3実施例及び第4実施例も、サービスクラスを変更する代わりに、小パケットが検出された移動局3のベアラに適用されるサービス品質要求を変更するように修正してもよい。
本実施例によれば、輻輳の要因となる小パケットが検出されるベアラに適用されるサービス品質の要求が緩和される。この結果、小パケットを含むベアラの伝送速度や伝送遅延を制御することにより、伝送のための処理時間を制御することが可能となるため、ベアラが設定されるネットワークにおいて小パケットに起因する輻輳が低減する。輻輳の低減により伝送速度が改善し所要伝送速度を満たすことができるようになる。また、ネットワークにおける処理またはネットワークを構成する装置における処理を低減することが可能となる。
<3.第3実施例>
図21は、移動局3の機能構成の第2例の説明図である。図8に示す構成要素と同様の構成要素には図8で使用した参照符号と同じ参照符号を付す。MAC処理部72、RLC処理部73及びPDCP処理部74は、移動局3の上りリンクのベアラで伝送される小パケットを検出する。
MAC処理部72、RLC処理部73及びPDCP処理部74のいずれか1つ又は2つが小パケットを検出してもよく、MAC処理部72、RLC処理部73及びPDCP処理部74の全部が小パケットを検出してもよい。MAC処理部72、RLC処理部73及びPDCP処理部74は小パケットが生じたことを回線制御部76に通知する。
MAC処理部72、RLC処理部73及びPDCP処理部74が小パケットの発生を回線制御部76に通知した場合、回線制御部76は、回線制御信号作成部77に対して、小パケットの検出を通知する検出通知信号の作成を要求する。回線制御信号作成部77は、検出通知信号を作成し送信部71へ出力する。送信部71は検出通知信号を基地局2へ送信する。
基地局2の回線制御部25は検出通知信号を受信する。検出通知信号を受信した場合に回線制御部25は、小パケットが検出されたベアラに適用されるサービスクラスを変更することを決定する。回線制御部25は、小パケットが検出されたベアラに適用するサービスクラスの変更を要求する変更要求信号をポリシ制御装置7へ送信する。以降の動作は第2実施例と同様である。
図22は、MAC処理部72の機能構成の第2例の説明図である。図9に示す構成要素と同様の構成要素には図9で使用した参照符号と同じ参照符号を付す。MAC処理部72は、小パケット検出部85と、閾値記憶部86を備える。
小パケット検出部85は、多重化部83において多重化される前のパケットのパケット長を検出する。小パケット検出部85は、検出されたパケット長に基づいて、ベアラ毎に、ベアラで伝送されるパケットが小パケットであるか否かを判定する。
例えば小パケット検出部85は、ベアラで伝送されるパケットのパケット長の各々と閾値記憶部86に格納された閾値Lth3とを比較する。小パケット検出部85は、パケット長がLth3より短いパケットが1つでも検出した場合に、ベアラで小パケットが検出されたと判定してよい。例えば小パケット検出部85は、Lth3より短いパケット長を持つパケットの発生頻度を検出し、この発生頻度に応じて小パケットが検出されたと判定してもよい。
閾値Lth3は、例えば多重化部83による分割処理が行われないパケットのパケット長の上限であってよい。例えば、閾値Lth3はパケット長L3であってよい。小パケットの伝送が生じた場合に、小パケット検出部85は、小パケットが生じたことを回線制御部76に通知する。
図23は、RLC処理部73の機能構成の第2例の説明図である。図10に示す構成要素と同様の構成要素には図10で使用した参照符号と同じ参照符号を付す。RLC処理部73は、小パケット検出部96と、閾値記憶部97を備える。
小パケット検出部96は、分割/連結部94において分割又は連結される前のパケットのパケット長を検出する。小パケット検出部96は、検出されたパケット長に基づいて、ベアラ毎に、ベアラで伝送されるパケットが小パケットであるか否かを判定する。
例えば、小パケット検出部96は、ベアラで伝送されるパケットのパケット長の各々と閾値記憶部97に格納された閾値Lth4とを比較する。小パケット検出部96は、パケット長がLth4より短いパケットが1つでも検出した場合に、ベアラで小パケットが検出されたと判定してよい。例えば小パケット検出部96は、Lth4より短いパケット長を持つパケットの発生頻度を検出し、この発生頻度に応じて小パケットが検出されたと判定してもよい。
閾値Lth4は、例えば分割/連結部94による分割処理が行われないパケットのパケット長の上限であってよい。例えば、閾値Lth4はパケット長L4であってよい。小パケットの伝送が生じた場合に、小パケット検出部96は、小パケットが生じたことを回線制御部76に通知する。
図24は、PDCP処理部74の機能構成の第2例の説明図である。図11に示す構成要素と同様の構成要素には図11で使用した参照符号と同じ参照符号を付す。PDCP処理部74は、小パケット検出部110と、閾値記憶部111を備える。
小パケット検出部110は、分割/連結部108において分割又は連結される前のパケットのパケット長を検出する。小パケット検出部110は、検出されたパケット長に基づいて、ベアラ毎に、ベアラで伝送されるパケットが小パケットであるか否かを判定する。
例えば、小パケット検出部110は、ベアラで伝送されるパケットのパケット長の各々と閾値記憶部111に格納された閾値Lth5とを比較する。小パケット検出部110は、パケット長がLth5より短いパケットが1つでも検出した場合に、ベアラで小パケットが検出されたと判定してよい。例えば小パケット検出部110は、Lth5より短いパケット長を持つパケットの発生頻度を検出し、この発生頻度に応じて小パケットが検出されたと判定してもよい。
閾値Lth5は、例えば分割/連結部108による分割処理が行われないパケットのパケット長の上限であってよい。例えば、閾値Lth5はパケット長L5であってよい。小パケットの伝送が生じた場合に、小パケット検出部110は、小パケットが生じたことを回線制御部76に通知する。
MAC処理部72が小パケットの検出を行わない場合には、小パケット検出部85と、閾値記憶部86を省略してもよい。RLC処理部73が小パケットの検出を行わない場合には、小パケット検出部96と、閾値記憶部97を省略してもよい。PDCP処理部74が小パケットの検出を行わない場合には、小パケット検出部110と、閾値記憶部111を省略してもよい。検出されたパケット長と比較される閾値Lth3、Lth4及びLth5として、上記所定値L3〜L5のうち最も短い値を使用してもよく、所定値L3〜L5と無関係な値を使用してもよい。
図25は、通信システム1の動作の第3例の説明のためのシーケンス図である。オペレーションEAにおいて移動局3と第2GW6との間でデータが伝送される。オペレーションEBにおいて移動局3は、移動局3と第2GW6との間のベアラで伝送される小パケットを検出する。オペレーションEBは小パケット検出部85、96及び110の動作に相当する。
オペレーションECにおいて移動局3は、検出通知信号を基地局2へ送信する。オペレーションECは回線制御信号作成部77及び送信部71の動作に相当する。オペレーションEDにおいて基地局2は、小パケットが検出された移動局3のベアラに適用されるサービスクラスを変更することを決定する。オペレーションDCは回線制御部25の動作に相当する。オペレーションEE〜EMは、図20のオペレーションDD〜DLの動作と同様である。
本実施例によれば、輻輳の要因となる小パケットが検出されるベアラに適用されるサービス品質の要求が緩和される。この結果、小パケットを含むベアラの伝送速度や伝送遅延を制御することにより、伝送のための処理時間を制御することが可能となるため、ベアラが設定されるネットワークにおいて小パケットに起因する輻輳が低減する。輻輳の低減により伝送速度が改善し所要伝送速度を満たすことができるようになる。また、ネットワークにおける処理またはネットワークを構成する装置における処理を低減することが可能となる。
本実施例によれば、移動局3のベアラで発生する小パケットの検出処理が、各移動局3に分散される。このため、小パケットを検出するために基地局2の負荷が増加することが回避できる。
上記実施例では、MAC処理部72、RLC処理部73及びPDCP処理部74は、上りリンクのベアラにおける小パケットの伝送を検出した。これに代えて又はこれに加えて、MAC処理部72、RLC処理部73及びPDCP処理部74が下りリンクのベアラで小パケットを検出するように基地局2を変形してもよい。以下の他の実施例及び変形例においても同様である。
<4.第4実施例>
図26は、MAC処理部72の機能構成の第3例の説明図である。図22に示す構成要素と同様の構成要素には図22で使用した参照符号と同じ参照符号を付す。MAC処理部72は、変更判定部87を備える。パケットの伝送が生じた場合に、小パケット検出部85は、小パケットが生じたことを変更判定部87に通知する。小パケットが生じた場合に変更判定部87は、小パケットが検出されたベアラに適用されるサービスクラスを変更することを決定する。変更判定部87は、サービスクラスの変更を要求するクラス制御信号を回線制御部76へ出力する。
図27は、RLC処理部73の機能構成の第3例の説明図である。図23に示す構成要素と同様の構成要素には図23で使用した参照符号と同じ参照符号を付す。RLC処理部73は、変更判定部98を備える。小パケットの伝送が生じた場合に、小パケット検出部96は、小パケットが生じたことを変更判定部98に通知する。小パケットが生じた場合に変更判定部98は、小パケットが検出されたベアラに適用されるサービスクラスを変更することを決定する。変更判定部98は、サービスクラスの変更を要求するクラス制御信号を回線制御部76へ出力する。
図28は、PDCP処理部74の機能構成の第3例の説明図である。図24に示す構成要素と同様の構成要素には図24で使用した参照符号と同じ参照符号を付す。PDCP処理部74は、変更判定部112を備える。小パケットの伝送が生じた場合に、小パケット検出部110は、小パケットが生じたことを変更判定部112に通知する。小パケットが生じた場合に変更判定部112は、小パケットが検出されたベアラに適用されるサービスクラスを変更することを決定する。変更判定部112は、サービスクラスの変更を要求するクラス制御信号を回線制御部76へ出力する。
MAC処理部72、RLC処理部73及びPDCP処理部74のいずれか1つ又は2つが小パケットを検出してもよく、MAC処理部72、RLC処理部73及びPDCP処理部74の全部が小パケットを検出してもよい。MAC処理部72が小パケットの検出を行わない場合には、小パケット検出部85と、閾値記憶部86と、変更判定部87を省略してもよい。RLC処理部73が小パケットの検出を行わない場合には、小パケット検出部96と、閾値記憶部97と、変更判定部98を省略してもよい。PDCP処理部74が小パケットの検出を行わない場合には、小パケット検出部110と、閾値記憶部111と、変更判定部112を省略してもよい。
図21を参照する。クラス制御信号を受信した回線制御部76は、回線制御信号作成部77に対して、小パケットが検出されたベアラに適用するサービスクラスの変更を要求する変更要求信号の作成を要求する。回線制御信号作成部77は、変更要求信号を作成し送信部71へ出力する。送信部71は変更要求信号を基地局2へ送信する。
基地局2の回線制御部25は変更要求信号を受信する。回線制御部25は、変更要求信号をポリシ制御装置7へ送信する。以降の動作は第2実施例と同様である。
図29は、通信システム1の動作の第4例の説明のためのシーケンス図である。オペレーションFAにおいて移動局3と第2GW6との間でデータが伝送される。オペレーションFBにおいて移動局3は、移動局3と第2GW6との間のベアラで伝送される小パケットを検出する。オペレーションFBは小パケット検出部85、96及び110の動作に相当する。
小パケットの伝送が生じた場合、オペレーションFCにおいて移動局3は小パケットが検出された移動局3のベアラに適用されるサービスクラスを変更することを決定する。オペレーションFCは、変更判定部87、98及び112の動作に相当する。オペレーションFDにおいて移動局3は、変更要求信号を基地局2へ送信する。オペレーションFDは、回線制御信号作成部77及び送信部71の動作に相当する。
オペレーションFEにおいて基地局は、変更要求信号をポリシ制御装置7へ送信する。オペレーションFEは回線制御部25の動作に相当する。オペレーションFF〜FMの動作は、図20のオペレーションDE〜DLの動作と同様である。
本実施例によれば、輻輳の要因となる小パケットが検出されるベアラに適用されるサービス品質の要求が緩和される。この結果、小パケットを含むベアラの伝送速度や伝送遅延を制御することにより、伝送のための処理時間を制御することが可能となるため、ベアラが設定されるネットワークにおいて小パケットに起因する輻輳が低減する。輻輳の低減により伝送速度が改善し所要伝送速度を満たすことができるようになる。また、ネットワークにおける処理またはネットワークを構成する装置における処理を低減することが可能となる。
本実施例によれば、移動局3のベアラで発生する小パケットの検出処理が、各移動局3に分散される。このため、小パケットを検出するために基地局2の負荷が増加することが回避できる。
以上の説明において、図2、図4〜図11、図13、図14、図17〜図19、図21〜図24、及び図26〜図28の機能構成図は、本明細書において説明される機能に関係する構成を中心に示している。基地局2、移動局3及びポリシ制御装置7は、図示の構成要素以外の他の構成要素を含んでいてよい。図12、図15、図16、図20、図25及び図29を参照して説明する一連の動作は複数の手順を含む方法と解釈してもよい。この場合に「オペレーション」を「ステップ」と読み替えてもよい。
<5.ハードウエア構成>
図30は、基地局2の一例のハードウエア構成図である。基地局装置2は、CPU(Central Processing Unit)等であるプロセッサ200と、記憶装置201と、LSI(Large Scale Integration)202と、無線処理回路203と、ネットワークインタフェース回路204を備える。以下の説明及び添付図面においてネットワークインタフェースを「NIF」と表記する事がある。
記憶装置201は、コンピュータプログラムやデータを記憶するための、不揮発性メモリや、読み出し専用メモリ(ROM: Read Only Memory)やランダムアクセスメモリ(RAM: Random Access Memory)、ハードディスクドライブ装置等を含んでいてよい。プロセッサ200は、記憶装置201に格納されたコンピュータプログラムに従い、下記のLSI202が行う処理以外のユーザ管理処理や基地局2の動作制御を行う。
LSI202は、移動局3との間で送受信される信号の符号化及び変調、並びに復調及び復号化、通信プロトコル処理、スケジューリングに関するベースバンド信号の処理を実施する。LSI202は、FPGA(Field-Programming Gate Array)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やDSP(Digital Signal Processing)等を含んでいてよい。
無線処理回路203は、デジタル・アナログ変換回路や、アナログ・デジタル変換回路や、周波数変換回路、増幅回路、フィルタ回路などを含んでいてよい。NIF回路204は、物理層およびデータリンク層を使用して有線ネットワークを経由して第1GW5、第2GW6やポリシ制御装置7等の上位装置と通信するための電子的な回路を備える。
基地局2の送信部20及び受信部21の上記動作は、例えばLSI202及び無線処理回路203の協働により実現される。基地局2のMAC処理部22と、RLC処理部23と、PDCP処理部24の上記動作は、例えばLSI202により実現される。基地局2の回線制御部25と、回線制御信号作成部26の上記動作は、例えばプロセッサ200によって実現される。
図31は、移動局3の一例のハードウェア構成図である。移動局3は、プロセッサ210と、記憶装置211と、LSI212と、無線処理回路213を備える。記憶装置211は、コンピュータプログラムやデータを記憶するための、不揮発性メモリや、読み出し専用メモリやランダムアクセスメモリ等を含んでいてよい。
プロセッサ210は、記憶装置211に格納されたコンピュータプログラムに従い、下記のLSI212が行う処理以外の移動局3の動作制御と、ユーザデータを処理するアプリケーションプログラムを実行する。
LSI212は、基地局2との間で送受信される信号の符号化及び変調、並びに復調及び復号化、通信プロトコル処理、スケジューリングに関するベースバンド信号の処理を実施する。LSI212は、FPGA、ASICやDSP等を含んでいてよい。
受信部70と、送信部71の上記動作は、LSI212と無線処理回路213との協働によって実現される。MAC処理部72と、RLC処理部73と、PDCP処理部74の上記動作は、例えばLSI212により実現される。アプリケーション処理部75と、回線制御部76と、回線制御信号作成部77の上記動作は、例えばプロセッサ210によって実現される。
図32は、ポリシ制御装置7の一例のハードウェア構成図である。ポリシ制御装置7は、プロセッサ220と、記憶装置221と、NIF回路224を備える。記憶装置221は、コンピュータプログラムやデータを記憶するための、不揮発性メモリや、読み出し専用メモリやランダムアクセスメモリ、ハードディスクドライブ装置等を含んでいてよい。
プロセッサ220は、記憶装置221に格納されたコンピュータプログラムに従い、第2GW6と移動局3との間のベアラのデータ転送に対するポリシ制御処理を行う。NIF回路224は、物理層およびデータリンク層を使用して有線ネットワークを経由して第1GW5、第2GW6や基地局2等と通信するための電子的な回路を備える。
ポリシ制御装置7の通信部14及び変更要求受信部19の上記動作はNIF回路224により実現される。判定部15及びポリシ指定部16の上記処理は、プロセッサ220によって実現される。ポリシ通知部17の上記処理はプロセッサ220とNIF回路224との協働によって実現される。
なお、図30〜及び図32に示すハードウエア構成は実施例の説明のための例示にすぎない。上述の動作を実行するものであれば、本明細書に記載される基地局、移動局及びポリシ制御装置は他のどのようなハードウエア構成を採用してもよい。
ここに記載されている全ての例及び条件的な用語は、読者が、本発明と技術の進展のために発明者により与えられる概念とを理解する際の助けとなるように、教育的な目的を意図したものであり、具体的に記載されている上記の例及び条件、並びに本発明の優位性及び劣等性を示すことに関する本明細書における例の構成に限定されることなく解釈されるべきものである。本発明の実施例は詳細に説明されているが、本発明の精神及び範囲から外れることなく、様々な変更、置換及び修正をこれに加えることが可能であると解すべきである。