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JP6174823B1 - 炭素繊維強化炭化珪素成型体の製造方法、回転子シャフトの製造方法および珪素含浸装置 - Google Patents

炭素繊維強化炭化珪素成型体の製造方法、回転子シャフトの製造方法および珪素含浸装置 Download PDF

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JP6174823B1
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Abstract

本発明は、炭素繊維と、樹脂と、黒鉛とを含む混合粉末を、加圧および加熱硬化するとともに炭化し、炭素繊維強化炭素構造体のブロックを形成する工程と、炭素繊維強化炭素構造体のブロックを形状加工し、内部に空洞部を有する炭素繊維強化炭素成型体を形成する工程と、炭素繊維強化炭素成型体(10S)の空洞部(14)に、融点1500℃以上の高融点材料からなる中子(30)を挿通し、空洞部(14)の小径部分である少なくとも小空洞(16)の内壁を塞いだ状態で、炭素繊維強化炭素成型体(10S)を珪素融液(50M)に浸漬し、炭素繊維強化炭素成型体(10S)に珪素を含浸させる工程と、を含む。

Description

本発明は、内部に空洞部を有する炭素繊維強化炭化珪素複合材(以下C/SiCということもある)成型体の珪素含浸工程を含む、炭素繊維強化炭化珪素複合材成型体の製造方法、回転子シャフトの製造方法および珪素含浸装置に関する。
炭素繊維強化炭素複合材(以下C/Cということもある)は、炭素材料の強度、耐衝撃性などの向上を目的に、高強度炭素繊維で補強された炭素複合材料であり、宇宙航空用や半導体製造用などの最先端技術分野をはじめ一般工業用分野にも使用される先端炭素材料である。炭素繊維強化炭素複合材に珪素(Si)を含浸させることで、さらに補強された炭素繊維強化炭化珪素複合材が、回転子シャフトに有効であるとして着目されている。炭素繊維強化炭化珪素成型体は、多くの場合、炭素繊維強化炭化珪素複合材の構造体を成型した成型体を示すが、本明細書では炭素繊維強化炭化珪素複合材の構造体をC/SiC構造体というものとする。C/SiC構造体は、剛性、電気抵抗値、熱伝導率が高いために、磁場による渦電流の影響を受けず、かつ排熱特性も高いために、回転子シャフトの材料として適している。しかしながら、C/SiC構造体は難加工材であるため、寸法精度を得ることが困難であり、特にC/SiC構造体に空洞部を設けたい場合、C/SiC構造体自体を一から切削加工していては、加工コストが増大するという問題がある。
そこで、特許文献1では、Si含浸前の炭素繊維強化炭素複合材構造体をあらかじめ切削加工して空洞部を設けておき、その後Si含浸を行い、C/SiC構造体を得るという方法が開示されている。Si含浸は、Siを溶融して形成したSi融液に、C/C構造体を浸漬し、化学反応を生じさせ珪素化する技術である。
特開2015−195702号公報
しかし特許文献1の技術では、C/C成型体に設けられた空洞部が比較的小さい場合、Si含浸の加熱時に溶融したSiが表面張力により毛細管現象を生じ、空洞部にSiが侵入し、冷却時のSi凝固の際、空洞部で膨張したSiによりC/SiC成型体がひび割れを起こすという問題が発生する。ひび割れを起こしたC/SiC成型体は製品として使用不可能となるため、製造歩留りが低下する。従って空洞部の小さい、C/SiC成型体を形成するのは困難であり、空洞部の微細化には限界があった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、内部に空洞部を有するC/SiC成型体の製造歩留りを向上させることを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、炭素繊維と、樹脂と、黒鉛とを含む混合粉末を、加圧および加熱硬化するとともに炭化し、炭素繊維強化炭素構造体のブロックを形成する工程と、C/C構造体のブロックを形状加工し、内部に空洞部を有するC/C成型体を形成する工程と、C/C成型体を珪素融液に浸漬し、C/C成型体に珪素を含浸させる工程と、を含む。C/C成型体に珪素を含浸させる工程は、C/C成型体の空洞部に、窒化ホウ素からなる中子を挿通し、空洞部の内壁を塞ぎ、珪素融液の液面下で内壁に珪素が析出しないように、液面下では空洞部の内壁は、窒化ホウ素で塞がれた状態で、珪素を含浸させる工程である。
本発明によれば、内部に空洞部を有するC/SiC成型体の製造歩留りを向上させることができるという効果を奏する。
実施の形態1の回転子シャフトの外観を示す斜視図 実施の形態1の回転子シャフトの正面図 実施の形態1の回転子シャフトの永久磁石装着前の状態を示す断面図 実施の形態1の回転子シャフトの断面図 実施の形態1の回転子シャフトを用いたガルバノメータを示す断面図 実施の形態1の回転子シャフトの製造工程を示すフローチャート 実施の形態1の回転子シャフトの製造工程を示す説明図 実施の形態1の回転子シャフトの製造工程を示す説明図 実施の形態1の回転子シャフトの製造工程を示す説明図 実施の形態1の回転子シャフトの製造工程を示す説明図 実施の形態1の回転子シャフトの製造工程を示す説明図 実施の形態1の回転子シャフトの製造工程を示す説明図 実施の形態1の回転子シャフトの製造工程を示す説明図 実施の形態1の回転子シャフトの製造工程を示す説明図 実施の形態1の回転子シャフトの製造工程を示す説明図 実施の形態1の回転子シャフトの製造工程を示す説明図 実施の形態1の回転子シャフトの製造工程を示す説明図 実施の形態1の回転子シャフトの製造工程を示す説明図 実施の形態1の回転子シャフトの製造工程を示す説明図 実施の形態1の回転子シャフトの製造工程を示す説明図 実施の形態2の回転子シャフトの製造工程に用いられる装置を示す上面図 実施の形態2の回転子シャフトの製造工程に用いられる珪素含浸装置を示す図であり、図21のXXII−XXII断面図 実施の形態2の回転子シャフトの製造工程に用いられる珪素含浸装置を示す図 実施の形態2の回転子シャフトの製造工程に用いられる珪素含浸装置を示す図 実施の形態3の回転子シャフトの製造工程に用いられる珪素含浸装置を示す図 実施の形態4の回転子シャフトの製造工程における珪素溶融含浸ステップで用いられる炭素製の珪素含浸装置を示す図 実施の形態4の回転子シャフトの製造工程における珪素溶融含浸ステップで用いられる係止手段の要部拡大図 図27のXXVIII−XXVIII断面図 実施の形態5の回転子シャフトの製造工程における珪素含浸装置を示す図 実施の形態6の回転子シャフトの製造工程における珪素含浸装置を示す図 実施の形態6の回転子シャフトの製造工程における珪素含浸装置において、C/C成型体を坩堝に装着する工程を示す図 実施の形態6の回転子シャフトの製造工程における珪素含浸装置において、C/C成型体を坩堝に装着して、Si融液充填し、含浸を行う工程を示す図 実施の形態6の回転子シャフトの製造工程における珪素含浸装置において、支柱からC/SiC成型体を取り外した状態を示す図 実施の形態7の回転子シャフトの製造工程における珪素含浸装置を示す図
以下に、本発明のC/SiC成型体、C/SiC成型体の製造方法、回転子シャフト、回転子シャフトの製造方法および珪素含浸装置の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態により本発明が限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。また、以下に示す図面においては、理解の容易のため各層あるいは各部材の縮尺が現実と異なる場合があり、各図面間においても同様である。また、断面図であっても、図面を見易くするためにハッチングを付さない場合がある。
実施の形態1.
実施の形態1では、C/SiC成型体として、内部に永久磁石を内蔵するための空洞部を備えた回転子シャフト本体の製造方法について説明し、回転子シャフト本体の空洞部に永久磁石をセットし、回転子シャフトを製造する方法について説明する。実施の形態1の回転子シャフトの製造方法で得られた回転子シャフトはガルバノスキャナ用に用いられる。図1は、実施の形態1の回転子シャフトの外観を示す斜視図、図2は、実施の形態1の回転子シャフトの正面図、図3は、図2のIII-III断面図であり、実施の形態1の回転子シャフトの永久磁石装着前の状態を示す断面図である。図4は、実施の形態1の回転子シャフトの断面図、図5は、実施の形態1の回転子シャフトを用いたガルバノメータを示す断面図である。図6は、実施の形態1の回転子シャフトの製造工程を示すフローチャート、図7から図20は実施の形態1の回転子シャフトの製造工程を示す説明図である。
実施の形態1の回転子シャフト10の製造方法は、C/C構造体から、シャフト形状をなし、空洞部14を有するC/C成型体10Sに加工した後、Si融液50Mに浸漬してSiを含浸させることで空洞部14を有するC/SiC成型体10Cを得、回転子シャフト10を得るものである。実施の形態1では、シャフト形状をなす、半加工品である空洞部を有するC/C成型体10Sの空洞部14に窒化ホウ素(BN)製の中子30を装着し、固定した状態でSi融液50Mを供給し、C/C成型体10にSiを含浸させることを特徴とする。Si融液50Mは、1400℃以上となることが多いため、中子30は、融点1500℃以上の高融点材料が用いられる。実施の形態1では、中子30は、融点が2960℃以上で、かつ高温下で組成が安定で、電気絶縁体では最高の熱伝導度を持つ材料であるBNで構成されている。中子30は、Si融液50M中においても、空洞部14の内壁を確実に保護するとともに、外側からの均一なSiの含浸を促進する。従って、C/SiC成型体10Cの細い空洞部の内側にSi融液が浸透するのが抑制され、冷却時に残留したSiの膨張により細い空洞部からクラックが生じるのを抑制するものである。また、中子30は空洞部14のうち下部で小径となっている部分である小空洞16の内径R0よりも外径R1の大きい径大部であるストッパ部32を有しており、ストッパ部32がSi融液50Mの浮力によって中子30が浮き上り、小空洞16の内壁がSi融液50Mに接するのを阻止する。中子30は少なくともSi融液50Mに浸漬されている部分で空洞部14を塞ぐ形状をもつものであればよい。実施の形態1の回転子シャフト10のように空洞部14の先端に小空洞16を持つ形状であれば、少なくとも小空洞16が中子30で塞がれていればよい。
実施の形態1の回転子シャフト10は、図4に示すように、C/SiC構造体で構成されたシャフト本体部11と、シャフト本体部11に内蔵された永久磁石20とを有している。この永久磁石20は、ネオジム焼結磁石で構成され、回転子シャフト10と同軸上に設けられている。シャフト本体部11の両端には径小の第1および第2の小径部12,13が形成されている。
回転子シャフト10は、図2および図3に示すように、永久磁石20の外周面を覆う直径数十mmの筒状のシャフト本体部11と、シャフト本体部11の両端に形成された第1の小径部12および第2の小径部13とで構成されている。シャフト本体部11は一体形成された第1の小径部12および第2の小径部13とともに、分割面L0によって2分割され、分割体11A,11Bに分割して成形されている。分割面L0は軸方向を2分割する面である。分割体11A,11Bはそれぞれ、2分割のシャフト本体部である。シャフト本体部11は両端に、中央部よりも径小で長さ数十mmの第1の小径部12および第2の小径部13を有している。そして、シャフト本体部11は軸方向中央部で2分割されるとともに径方向中央部で2分割され、2分割体からなるシャフト部品を形成している。このシャフト本体部11の分割体11A,11Bによって形成された凹部つまり空洞部14に永久磁石20が接着剤により密着固定されている。空洞部14の一端には直径の小さい小空洞16が形成される。一方、空洞部14の他端には小空洞はなく、中実となっている。また、分割面L0に相当する分割体11A、分割体11Bの接合部も接着剤により接着されている。
ガルバノスキャナ100は、図5に示すように、回転子シャフト10と、ベアリング101を介して回転子シャフト10を回転可能に支持するハウジング102と、回転子シャフト10の外周に対向して設けられ、ハウジング102の内周面に固着されたコイル103と、回転子シャフト10の一端に固定された光学部材である楕円形平面状のガルバノミラー104と、回転子シャフト10の他端部に固定されたエンコーダ板105とを備えている。エンコーダ板105は表面にスリットを有し、図示しないセンサヘッドと協働して、ガルバノミラー104の角度変位フィードバックを制御するためのロータリエンコーダを構成している。
次に、実施の形態1のC/SiC構造体からなる回転子シャフトの製造方法について説明する。C/SiC構造体からなる回転子シャフトを製造する方法を図6のフローチャートおよび図7から図20の工程説明図に従って説明する。
まず、原料粉体混合ステップS10で、図7に示すように、PAN系炭素繊維M1、ピッチ系炭素繊維M2、フェノール樹脂粒子M3、黒鉛粒子M4の各原料が混合されて混合粉体Mが形成される。原料粉体混合ステップS10では、PAN系炭素繊維、ピッチ系炭素繊維およびフェノール樹脂粒子、黒鉛粒子の各原料を特定重量比で、ミキサー800に装填して均一に混合させて混合粉体Mを得る。
次に、粉体加圧成形ステップS20で、図8に示すように、混合粉体Mが成形用金型200に充填されて、加圧成形され、加圧粉体10B0が形成される。上記粉体加圧成形ステップS20では、混合粉体Mを成型用金型200内に投入し、フェノール樹脂粒子の軟化温度である70℃以下の温度で加圧によりブロック状構造体である加圧粉体10B0を成形する。
この仮硬化状態におけるブロック状構造体である加圧粉体10B0の材料密度が、0.8g/cm3から0.9g/cm3となるような条件で加圧することで、Si含浸時の含浸効率、および段付きの円柱構造である回転子シャフト10の剛性の要求を満たすC/SiCの複合材料からなる部品の製造が可能となる。Si含浸で得られるC/SiC複合材料は、材料組成割合が、SiC70%から80%、C10%未満、Si15%から20%のC/SiCの複合材料となる。仮硬化状態のブロック状構造体である加圧粉体10B0の材料密度は、成形品の特性、材料組成割合の要求に合わせて加圧条件を調整することで制御することができる。なおC/SiC複合材料中のCの割合は、少ないほどよく、0.5%から1%程度含有しているものを用いるのが望ましい。
その後、粉体中樹脂硬化ステップS30で、図9に示すように、加圧加熱成形により加圧粉体10B0中のフェノール樹脂粒子が加熱硬化され、炭素繊維強化樹脂(CFRP:Carbon Fiber Reinforced Plastics)が成形され炭素繊維強化樹脂10B1の成形ブロックが形成される。
ブロック状構造体である加圧粉体10B0成形後の粉体中樹脂硬化ステップS30では、仮硬化を行ったブロック状構造体である加圧粉体10B0を樹脂の硬化条件で硬化させ、ブロック状のCFRP構造体を成形することができる。用いられる樹脂粒子がフェノール樹脂である場合は、硬化条件を150℃、1時間とする。以上の硬化条件でフェノール樹脂を硬化することによりブロック状のCFRP構造体を得る。フェノール樹脂の硬化工程では金型を加圧状態のまま、金型の上板の位置を固定する。金型の中の粉体はもとに戻ろうとする力を発生させるが、金型の上板で、ブロック状のCFRP構造体を押さえつけながら、オーブン内に載置して加圧硬化を行う。
引き続き、C/Cブロック形成ステップS40で、図10に示すように、CFRP内のフェノール樹脂が炭化されてC/Cブロック10B2が形成される。
CFRP構造体の成形後のC/Cブロック形成ステップS40では、CFRP構造体を炭化しC/Cの複合材料からなる、C/Cブロック10B2を成形する。実施の形態1の製造工程では、真空雰囲気下において10℃/minの昇温速度で800℃、1時間の条件により炭化させた。
炭化条件は、使用する樹脂により異なるため、炭素繊維同士を接着するための接着材料にフェノール樹脂以外の樹脂材料を用いる場合においては、使用する樹脂により材料分析の結果を元に炭化温度の決定をする必要がある。
次に、空洞部を有するC/C構造体形成ステップS50で、図11および図12に示すように、ブロックが目的形状に加工され、半成形品である、空洞部14を有するC/C成型体10Sが形成される。図12は図11の拡大断面図である。C/C成型体10Sは、図2から図4に示すように、第1の小径部12および第2の小径部13を有しており、第1の小径部12および第2の小径部13を備えた分割体11A,11Bである。ここでは端面同士が接合される2分割形状である。含浸ステップは分割体11A,11Bに対して実行される。図12に示すように、一端に第2の小径部13を備えた両端開口の筒状体からなる成型体である分割体11Aを単位として以降の工程でSi含浸がなされる。図示はしないが、分割体11Bも分割体11Aと同一形状を有している。空洞部14は第1の小径部12および第2の小径部13では小径の小空洞16を構成している。図12は、分割体11Aに珪素含浸を施す工程を示している。
次に、坩堝に中子を装着するステップS60で、図13に示すように空洞部14を有するC/C成型体10Sの内部に装着するための中子30を坩堝40の底部40Bに形成された窪み部41に装着する。坩堝40に中子を装着するステップS60の詳細は後述する。
続いて、空洞部を有するC/C構造体を坩堝底部のネジ穴に螺合するステップS70で、図14に示すように空洞部14を有するC/C成型体10Sは、ネジ溝15とネジ穴42とで構成される係止部で、坩堝40の底部40Bに形成された窪み部41に固定される。底部40Bの窪み部41には雌ネジを構成するネジ穴42が形成されており、ネジ穴42に中子30の装着された空洞部14を有するC/C成型体10Sの雄ネジを構成するネジ溝15を螺合させ、坩堝40の底部40Bに空洞部を有するC/C成型体10Sが固定される。
空洞部を有するC/C構造体を坩堝40の底部40Bのネジ穴に螺合するステップS70では、中子30の下端は坩堝40の窪み部41に位置しているが、図16に示す珪素溶融含浸ステップS90で坩堝40内部にSi融液50Mが充填されるとSi融液50Mの浮力により、中子30には浮き上がろうとする力がはたらく。中子30は上記浮力により浮き上がろうとするが、径大部であるストッパ部32により、中子30は空洞部14に入るのが阻止され、径大部であるストッパ部32が小空洞16に接触した位置で停止する。従って、空洞部14の内壁を中子30で覆った状態を維持することができ、空洞部14内側から空洞部を有するC/C成型体10SへのSiの浸透を抑制することができる。
雌ネジ部を構成するネジ穴42は、空洞部を有するC/C成型体10Sを坩堝40の底部40Bのネジ穴に螺合するステップS70で、空洞部を有するC/C成型体10Sを、治具に形成された個々の窪み部41に固定する際の固定用途のほかに、後述する、珪素溶融含浸ステップS90の次工程である、螺合を解除するステップS100において雄ネジ部を谷部で折るための応力集中部を兼ねている。
半部品である空洞部を有するC/C成型体10Sの加工形状は、この後の珪素溶融含浸ステップS90でのSiの含浸による体積収縮を考慮し、Si含浸後に最終目的形状となるような形状とする。例えば、径方向に0.3%から0.5%の収縮を見込んで、最終加工代を含めた形状の加工を行っている。
雄ネジ部の径は必要部品形状により変更する必要がある。雄ネジ部の谷部分の径が大きくなると後続工程である螺合を解除するステップS100において雄ネジ部を折ることが困難になることから、雄ネジ部を折ることが可能である範囲内で雄ネジ部の径を決定すればよい。通常、雄ネジ部にはM6以下が推奨される。
この後、坩堝内に珪素を供給するステップS80で、図15に示すように坩堝40の窪み部41に、フレーク状のSi粒50が充填される。
次に、珪素溶融含浸ステップS90で、図16に示すように坩堝40を加熱してSi粒50を溶融することによりSi粒50はSi融液50Mとなり、Si融液50Mが、空洞部を有するC/C成型体10Sの内部に毛細管現象により含浸される。含浸により、組成中の炭素(C)が化学反応により珪素化され炭化珪素(SiC)となって、C/SiC成型体10Cを形成する。SiC含浸後のC/SiC成型体10Cの状態を図17に示す。坩堝40内のSi融液50Mの液面は低下し、窪み部41の雄ネジ部を構成するネジ穴42を除いて坩堝40内にSi融液50Mは残っていない。供給されるSi融液50Mの全てがC/C成型体10Sに含浸されることで、Si融液50Mの供給量でSi含有率を規定することができる。含浸前には、シャフトが必要とする量よりも多めにフレーク状のSi粒50を坩堝40に投入する。多めに投入し、意図的に余らせることで、シャフトが必要とするSi粒50を十分に供給する。シャフトの雄ねじ周辺には、Siが残るが、残留したSiは仕上げ加工で除去することができる。
なお、毛細管現象を利用してC/C成型体10Sの下部からSi融液50Mを含浸させるのは一例であり、Si融液50Mを半成型品であるC/C成型体10Sに上部あるいは、側面から供給するようにしてもよい。含浸に際し、必ずしも空洞部14の内壁全体を塞がなくてもよいが、少なくともSi融液50Mの液面下では空洞部14の内壁は、中子30で塞がれていることが必要である。空洞部14が小空洞16を有している場合は少なくとも小空洞16が塞がれていることが重要である。
供給するSi粒50の量は、実施の形態1では、一個のC/C成型体10S当たり9.0gとした。このSi粒50の量は最終成形品であるC/SiC成型体10Cからなる回転子シャフト10の形状と密度とから計算して得られる。
また、含浸については、真空雰囲気下で昇温速度7℃/min、1500℃の条件で熱処理を施し、溶融、含浸することで、半成形品であるC/C成型体10SのCとの化学反応によりC/SiCからなるC/SiC成型体10Cが得られる。
次に、螺合を解除するステップS100で、図18に示すように坩堝40の底部40Bのネジ穴42とネジ溝15の螺合部分からC/SiC成型体10Cが折られ、坩堝40から取り出される。
次に、中子をとり出すステップS110で、図19に示すように、C/SiC成型体10Cから中子30が外される。本実施の形態では、中子30を取り外さないまま仕上げ加工ステップS120で中子30を切除するようにしてもよい。
最後に、仕上げ加工ステップ120で、図20に示すように未加工部品であるC/SiC成型体10Cを研磨し、永久磁石20を挟み込み固着して、仕上げ、図1に示した成形品である回転子シャフト10が形成される。螺合を解除するステップS100で、坩堝40の底部40Bのネジ穴42とネジ溝15の螺合部分からC/SiC成型体10Cが折られ、坩堝40から取り出された時点ではSiの析出物が付着していることが多いが、仕上げ加工ステップで、ネジ溝15の部分も切除することで、回転子シャフト10が得られる。製品となった時点でネジ溝を使用する場合には、ネジ溝の一部を残した成形品を形成しても良い。
上記各ステップS10からS110を経て得られたC/SiC成型体10Cは、仕上げ加工ステップ120で雄ネジ部であるネジ溝15の残り部を取り除き、一定の寸法になるように表面を切削する加工をはじめとする仕上げ加工が施され、2分割体11Aおよび11Bの端面同士を接合し、図1に示したように、最終製品である回転子シャフト10が形成される。
未加工部品であるC/SiC構造体10Cは、粉体中樹脂硬化ステップS30でCFRPから珪素溶融含浸ステップS90でC/SiC成型体となる工程において0.5%程度のサイズの形状変化が確認された。この形状変化の度合いは粉体加圧成形ステップS20において設定した最終形状とのマージンである0.7%から1.0%以下である。
即ち、0.5%以下の削り代を有するサイズでの形状作製が可能となり、仕上げ加工ステップS120により外形に丸みを有し、精密な形状を有する構造の形成が可能となることが確認された。
同時に、上記従来のC/SiC成型体では表面にSi残留物の付着が生じており、Si含浸後に表面を長時間加工して形状の精度を出す必要があるが、実施の形態1のC/SiC成型体10Cでは、残留付着Siは回転子シャフト10の形状には影響の無い、折り代である雄ネジ部であるネジ溝15の残り部付近に主に生じていることが確認された。残り部に残留付着Siが生じるのは、C/C成型体10Sに対して必要とするSi融液50Mの量よりも余分なSi融液50Mを坩堝40の底部40Bの窪み部41に配置するためである。そのため、機械加工により実施する、仕上げ加工ステップS120にかかる時間は、上記従来法のものと比較して格段に短縮できる。
実際には、残留付着Siは、折り代部以外、例えば回転子シャフトの表面にも析出する。このため、仕上げ加工ステップで、中子を挿入した小空洞を含め、回転子シャフト全体を研磨する必要がある。中子によって空洞部の小空洞が塞がれずそのまま残るため、仕上加工ステップにかかる時間は従来法のものと比較して格段に短縮することができる。
加えて、実施の形態1の方法で得られた回転子シャフト10は、坩堝40に固着してはずれにくくなることもなく、容易にとりはずすことができ、回転子シャフト10の割れあるいは、カケがないことも確認された。
また、あらかじめ決定された規定量のSi粒50を充填された坩堝40でC/C成型体10Sに対するSi融液50Mの含浸処理を行ったことから、処理を行った全てのC/SiC成型体10Cに対し、一定でかつ十分なSiの含浸が実施されていることが確認でき、Siのバラツキ、含浸ムラが無いことも確認された。すなわち、坩堝40内に充填するSi粒50は、窪み部41に残留するSi融液を除いて、全量がC/C成型体10Sに含浸されるため、充填するSi粒50の量によりC/C成型体10SへのSiの含浸量を決定することができる。
回転子シャフト10の割れ、カケ、Si含浸量のバラツキを抑制することで、回転子シャフト10としての、製造時の歩留まりを大幅に改善することが可能であることが確認された。
以上、実施の形態によるC/SiCからなる回転シャフトの製造方法によれば、C/SiC部品の製造時に生じる表面残留Si、特には小空洞内にSiが析出するのを大幅に低減することができることから、仕上げ加工に要する時間を大幅に短縮することができ、かつ歩留まりが良好で、特に小形の回転子シャフトの量産化が可能となる。
また、回転子シャフト10は、内部に永久磁石20を収納するための空洞部14を有するため、従来の中子を用いない方法では、Si含浸時に、Si含浸の加熱時に溶融したSiが毛細管現象により空洞部14に侵入し、冷却時のSi凝固の際、膨張によりC/SiC成型体がひび割れを起こすという問題があった。これに対し、実施の形態1の方法によれば、内部にBNで形成された中子30を挿入した状態で、C/C成型体10SがSi融液に浸漬されているため、内面からのSiの浸透は阻止され、ひび割れの発生を抑制することができる。また、中子30はSi融液中で浮力により浮き上がってしまうが、円筒状の本体部31の底部40Bに径大のストッパ部32を有しており、ストッパ部32で中子30の浮き上がりが防止されるため、C/C成型体10Sの空洞部14の小空洞16に中子30が挿通された状態を維持することができる。従ってC/C成型体10Sの空洞部14に中子30が有効に挿通された状態を維持できることで、Siが空洞部14の小空洞16の内部から浸透するのを抑制することができる。
なお、実施の形態1では、BNを中子として用いている。BNは、常圧では、原子がしっかりと組み合った六角網面が広い間隔で重なり、層間をつなげるのは弱いファンデアワールス力であり、網面がしっかりしているので格子振動によって熱がよく伝わり、電気絶縁体の中では最高の熱伝導率を持つ。また、BNは、高熱伝導率で低膨熱張率であるためセラミックスの中で最高の熱衝撃抵抗を示し、1500℃以上から急冷しても破壊しないとされている。真空中では1400℃まで、不活性気圏では2800℃まで安定である。珪素の融体に濡れない。モース硬度は2程度で、機械加工が容易である。密度は2.27g/cm3、融点は2967℃である。従って、BNで形成された中子30は、Si融液50M中で化学反応を生じることなく安定で、かつC/C成型体10Sの空洞部14を確実に保護することができる。
なお、中子には、安定で、しかも加工性がよいことから、BNが有効であるが、BNに限定されることなく、黒鉛をはじめとする融点1500℃以上の高融点材料が適応可能である。さらなる条件として、凝固時の熱膨張率が低いものが望ましい。また、融点が1400℃以上あるいは、1400℃に満たない材料であっても、若干溶融して空洞部14内に残留する場合に、凝固時の熱膨張率が低い材料であればよい場合もある。
また、加熱硬化されたC/C構造体を炭化し、ブロック状に成型するC/Cブロック形成ステップS40における、C/Cブロック10B2の成形方法は、実施の形態1の方法に限定されるものではなく、成形用金型200を利用し加圧成形を行う方法の他に、FRP材料の製造で用いられる一般的な射出成形法をはじめとする他の方法でもよい。
また、炭化処理における処理雰囲気は炭素材料の酸化をはじめとする、化学反応を防ぐ必要があるために、実施の形態1で用いた真空雰囲気に限らず、アルゴンあるいは窒素雰囲気をはじめとする不活性雰囲気であってもよい。
また、珪素溶融含浸ステップS90においても実施の形態1では真空雰囲気下で実施したが、アルゴンあるいは窒素雰囲気をはじめとする不活性雰囲気下で実施してもよい。
また、ガルバノミラーの回転をフィードバック制御するための回転位置検出装置には、ロータリエンコーダに限らず、モータの回転軸にコイルを複数個とりつけ電磁誘導を使って、軸の角度を出力する、レゾルバなど他の回転位置検出装置を用いてもよい。
また、永久磁石には、ネオジム焼結磁石に限定されることなく、フェライト磁石、アルニコ磁石をはじめとする強磁性材料が適用可能である。
実施の形態2.
図21および図22は、実施の形態2の回転子シャフトの製造工程で用いられる炭素製の珪素含浸装置を示す図であり、図21は上面図、図22は図21のXXII−XXII断面図である。図23および図24は含浸工程中の状態を示す図である。実施の形態2の珪素含浸装置は、珪素融液が充填される坩堝40と、C/C成型体10Sの空洞部に挿通される、融点1500℃以上の高融点材料からなる中子30と、坩堝40に設けられ、空洞部14のうち少なくとも第2の小径部13の小空洞16を中子30で塞いだ状態で、C/C成型体10Sを固定する固定部とを備える。固定部は雌ネジからなるネジ穴42を有する。
C/SiC成型体からなる回転子シャフト10は、M6の雄ネジ部からなるネジ溝15を有する中空の第2の小径部13および直径数十mmの中空の大径のシャフト本体部11とからなる段付円柱形状をなすものである。第2の小径部13は同一内径の円筒状体であり、第2の小径部13の内部は小空洞16が設けられている。
回転子シャフト製造工程は実施の形態1で図6に示したフローチャートに従って同様に進められるが、珪素含浸装置400は、表面にBNコートが施された9個の凹部からなる小坩堝40aと、小坩堝40aそれぞれの底部40Bに設けられた窪み部41とネジ穴42とを備え、一度に9個の回転子シャフトが形成されるものである。図23は、坩堝にC/C成型体10Sを装着し、Si粒50を充填した状態を示す図である。図24はSi粒50を溶融させSi融液50Mから珪素溶融含浸を行うステップS90を示す図である。また、小坩堝40aの底部40Bは窪み部41に向かってテーパ面40Tを形成している。テーパ面40Tにより、Si融液50Mが小坩堝40aの底面に残留することなく、窪み部41に流れ込むため、珪素溶融含浸ステップS90終了時に小坩堝40aの底面にSiが析出するのを抑制することができ、C/SiC成型体10への付着を防止することができる。
この実施の形態2の珪素含浸装置を用いた回転子シャフトの製造方法は、原料粉体混合ステップS10から仕上げ加工ステップS120までは、実施の形態1のものと同じである。
なお、上記の実施の形態1および2では、成形体として段付き円柱構造の部品について説明したが、形状、大きさに限定されるものではなく、また部品に限定されるものではなく、特に内部に空洞部を有する成型体の形成に有効である。
また、固定手段として、雄ネジ部、雌ネジ部を構成要素とする固定手段を用いて坩堝の底部で固定する方法について説明したが、底部で固定するのに限定されることなく、側壁でもよい。また、含浸されるSiの量の制御が困難である場合もあるが、1つの坩堝に複数の成型体を浸漬し、同時にSi含浸を行う場合にも適用可能である。1つの坩堝に複数の成型体を浸漬し、同時にSi含浸を行う場合は、同一形状同一サイズのC/C成型体を用いるのが望ましい。C/C成型体それぞれに対し均一にSiが浸透し、Siの含浸が均一に進行するため、得られるC/SiCとしては、目的とするSi量を含浸したものにすることができる。
実施の形態3.
図25は、実施の形態3の回転子用シャフトの製造工程における珪素溶融含浸ステップS90で用いられる炭素製の珪素含浸装置を示す図である。実施の形態3の珪素含浸装置では中子30Mに加工をするのではなく、C/C成型体10SPの第2の小径部13内部の小空洞16に突出部16Sを設け、浮力で中子30Mが浮き上がるのを阻止することができるようにしたものである。突出部16Sの内縁の内径R2は、突出部16S下の空洞部14の内径と同一である中子30Mの本体部31の径R0より小さいため、中子30は突出部16Sで係止され、それ以上浮き上がることはない。
他部の構成については実施の形態1と同様であり、製造工程についても同様であるのでここでは説明を省略するが同一部位には同一符号を付した。
実施の形態3によれば、小空洞16の加工が若干難しい反面、中子は下部の径大部であるストッパ部32を持つことなく、円柱状であればよいため、加工が容易であり、かつ坩堝40の構造、特に底部の構造を簡略化することができる。
実施の形態4.
図26は、実施の形態4の回転子シャフトの製造工程における珪素溶融含浸ステップS90で用いられる炭素製の珪素含浸装置を示す図である。図27および図28は係止手段の要部拡大図である。図28は図27のXXVIII-XXVIII断面図である。実施の形態4ではC/C成型体10Sに挿通する中子30Pの本体部31に、係止片33を設け、坩堝40の底部40Bに設けた係止体43の係止穴44に引掛けることで、中子30Pを坩堝40に固定するものである。坩堝40の底部40Bに設けられた係止体43の係止穴44に中子30Pの係止片33を引掛け、折り曲げ片34で係止することで、中子30Pを坩堝40に固定する。従って、中子30Pは坩堝40の底部40Bの係止穴44と中子30の係止片33で係止され、それ以上浮き上がることはない。
他部の構成については前記実施の形態1と同様であり、製造工程についても同様であるのでここでは説明を省略するが同一部位には同一符号を付した。
実施の形態4の珪素含浸装置および珪素含浸方法によれば、坩堝40の底部40Bに設けられた係止体43の係止穴44に引掛けることで、中子30Pを坩堝40に固定するため、中子30Pを固定するための係止構造が簡単で、製造が容易である。
実施の形態5.
図29は、実施の形態5の回転子シャフトの製造工程に用いられる珪素溶融含浸ステップS90で用いられる炭素製の珪素含浸装置を示す図である。実施の形態5ではC/C成型体10SPに、係止部17を設け、坩堝40の底部40Bの窪み部41に設けた係止片46を引掛けることで、C/C成型体10SPを坩堝40に固定するものである。図27および図28に要部拡大図を示した実施の形態4の坩堝と同様の係止方法であり、坩堝40の窪み部41に設けられた係止片46の先端を、C/C成型体10SP端部の係止部17に設けられた係止穴18に引掛け、折り曲げ片47で係止することで、C/C成型体10SPを坩堝40に固定する。従って、C/C成型体10SPは、坩堝40の底部40Bの係止片46とC/C成型体10SPの係止部17と係止され、坩堝40に固定される。中子については実施の形態3で用いた円柱状の本体部31からなる中子30Mを用い、C/C成型体10SPの小空洞16に設けられた突出部16Sで中子30Mの上端を係止することで、Si融液50Mが充填されてもそれ以上中子30が浮き上がることはない。
実施の形態5ではC/C成型体10SPに係止部17を設け係止部17の係止穴18に、坩堝40の底部40Bに設けた係止片46を、引掛けることで、C/C成型体10SPを坩堝40に固定するものである。坩堝40の底部40Bに設けられた係止片46を、C/C成型体10SPに係止部17の係止穴18に引掛け、折り曲げ片47で係止することで、C/C成型体10SPを坩堝40に固定する。また、C/C成型体10SPの小空洞16に設けられた突出部16Sで中子30Mの上端が係止されることで、Si融液50Mが充填されても、実施の形態3と同様、それ以上中子30Mが浮き上がることはない。
他部の構成については前記実施の形態1と同様であり、製造工程についても同様であるのでここでは説明を省略するが同一部位には同一符号を付した。
実施の形態5の珪素含浸装置および珪素含浸方法によれば、坩堝40の底部40Bに設けられた係止片46をC/C成型体10SPの係止部17の係止穴18に引掛け、折り曲げ片47で係止することで、C/C成型体10SPを坩堝40に固定するため、固定のためのネジ溝が不要となり、C/C成型体の係止構造が簡単となり製造が容易である。
実施の形態6.
図30は、実施の形態6の回転子シャフトの製造工程における珪素溶融含浸ステップS90で用いられる炭素製の珪素含浸装置を示す図であり、C/C成型体10STの装着前の坩堝を示す図である。図31はC/C成型体10STを坩堝40に装着する工程を示す図である。図32はC/C成型体10STを坩堝40に装着して、Si融液50Mを充填し、含浸を行う工程を示す図である。図33は、支柱からC/SiC成型体10SSを取り外した状態を示す図である。実施の形態1および2では、坩堝の底部40Bに窪み部41を設け窪み部41に雌ネジを備えたネジ穴を形成したものを用いたが、実施の形態6では、C/C成型体10STを坩堝40に固定するための固定部としてのネジ部が中子と一体成型される。坩堝40の底部40BにBN製の支柱を構成する中子130が立設されており、中子130に、雄ネジ部132が形成されたものである。中子130は、空洞部を有するC/C成型体10STの小径部13STの中間部に設けられた雌ネジ部からなるネジ溝15STを備える。中子130の係止部133の本体部131側の端部に設けられた雄ネジ部132に、C/C成型体10STのネジ溝15STを螺合させ坩堝40の底部40BにC/C成型体10STを固定する。固定と同時に、中子130が空洞部14の端部の小空洞16に装着されるように構成されている。なお実施の形態6では坩堝40の内壁にBN膜からなる坩堝保護膜45を形成しているため、坩堝40の保護性を高め、Si融液50Mと坩堝40との反応を防止することができる。
他部の構成については上記実施の形態1と同様であり、製造工程についても同様であるのでここでは説明を省略するが同一部位には同一符号を付した。
実施の形態6によれば、固定手段である支柱を構成する中子130に直接雄ネジ部132を形成しており、坩堝40にネジ溝を形成する必要がなく、製造が容易である。BNは加工性が高いため支柱の成型も容易である。
支柱を構成する中子130を坩堝40の底部40Bに固定する方法としては、ネジによる螺合する方法あるいは、坩堝40の底部40Bに凹部を穿設しておき、最後凹部にカシメ込むという方法をはじめとし、種々の固定方法が適用可能である。
実施の形態6では坩堝40の内壁にBN膜を形成したが、形成しなくても良い。また実施の形態1から5の珪素溶融含浸ステップS90で用いられる珪素含浸装置においても坩堝の内壁にBN膜を形成してもよい。
実施の形態7.
図34は、実施の形態7の回転子シャフトの製造工程における珪素溶融含浸ステップS90で用いられる炭素製の珪素含浸装置を示す図である。実施の形態1から6では、BN製の中子を空洞部14に挿入することで、空洞部14の端部の小径部分である小空洞16へのSiの毛細管現象による浸透を阻止した。これに対し、実施の形態7の方法では、C/C成型体の空洞部14の内壁全体にSiの浸透阻止のための保護膜35にBN膜を用いたものである。
実施の形態7では中子に代えてBNからなる保護膜35を形成しているため、Si融液の侵入を阻止するための構造が極めて簡単である。Si融液の侵入を阻止するための保護膜35がBN膜であるため、C/C成型体10SにSiを含浸させてC/SiC成型体完成後も保護膜35は剥離することなくそのまま使用することができる。
なおBNからなる保護膜35は、最終的には回転子シャフト10を構成するC/SiC成型体の内壁から剥離してもよい。
さらにまた、C/C成型体の空洞部14の内壁全体にSiの浸透阻止のための保護膜を形成し、さらに、実施の形態1から6で用いた中子を用いることで、Siが小空洞からC/C成型体に浸透するのをさらに確実に抑制することができ、さらなる歩留りの向上をはかることができる。
実施の形態1から7において、内部に空洞部を有するC/C成型体にSi含浸を行うに際し、BNを用いた中子あるいは保護膜で、空洞部の内壁を塞いだ状態でSi含浸を行うことで、Siの空洞部内への析出を抑制することができ、Siの体積膨張により、C/SiC成型体にクラックが発生するのを抑制する方法を説明した。必ずしも空洞部の内壁全体を塞がなくてもよいが、少なくともSi融液の液面下では空洞部の内壁は、中子あるいは保護膜で塞がれていることが必要である。中子あるいは保護膜については、BNの他、炭素をはじめとする、融点1500℃以上の高融点材料であればよい。なお、BNは電気的絶縁体であるため、C/SiC成型体が、空洞部の内壁を絶縁化する必要のある用途にもちいられる場合は、空洞部内壁全体をBN膜で被覆しておき、珪素溶融含浸ステップS90の後、BN膜を剥離することなく、そのまま絶縁膜として使用することも可能である。
実施の形態1から7において、内部に空洞部を有するC/C成型体にSi含浸を行うに際し、Si融液の液面が表面張力により空洞部内に上がる程度の太さの小空洞を持つ場合に少なくとも小空洞を、高融点材料で形成した中子あるいは保護膜で、空洞部の内壁を塞いだ状態でSi含浸を行うことで、小空洞内にSiが析出するのを防ぐことができる。また、Si含浸の終了時には小空洞の端部にSi融液が残留しているように、内部に空洞部を有するC/C成型体を坩堝の窪み部に立設するのが望ましい。立設とは、水平状態以外の状態をいうものとし、望ましくは、鉛直に近い状態をとるものとする。
Siの融点は、含有する不純物によって変動する。このため、炭素繊維強化炭素成型体に珪素を含浸させる工程で炭素繊維強化炭素成型体の空洞部の内壁を塞ぐ材料は、1500℃以上の融点を持つ材料であって、Si融液中で安定で、反応性の低い材料を用いるのが望ましい。炭素繊維強化炭素成型体に珪素を含浸させる工程で炭素繊維強化炭素成型体の空洞部の内壁を塞ぐ材料は、純粋なSiの融点よりも高い融点を持つ材料であればよい。1500℃以下でも若干溶融する場合もあるが、Siの接触により空洞部の内壁にSiが析出するのを抑制できるものであれば、使用可能である。
また、炭素繊維強化炭素成型体に珪素を含浸させる工程で炭素繊維強化炭素成型体の空洞部の内壁を塞ぐ材料は、切削加工性の高い材料であるのが望ましい。中子は、珪素を含浸させる工程後にとり出しやすいものであるのが望ましいためである。
また、炭素繊維強化炭素成型体に珪素を含浸させる工程で炭素繊維強化炭素成型体の空洞部の内壁を塞ぐ材料は、Siよりも熱膨張率の低い材料であるのが望ましい。上記炭素繊維強化炭素成型体の空洞部の内壁を塞ぐ材料は、冷却時に空洞部内で膨張し、炭素繊維強化炭素成型体を破損する恐れがないものであるのが望ましい。
以上の要件を満たす材料として、BN,炭素をはじめとする高融点材料がある。
また、珪素溶融含浸ステップS90における内部に空洞部を有するC/C成型体の坩堝への固定方法としては、実施の形態1から7に限定されることなく、適宜変更可能である。またC/C成型体は、坩堝内のSi融液の液面に対して垂直に固定しなくてもよく、一部がSi融液に浸漬されており、含浸後に、C/SiC成型体の要部にSiが付着しにくい係止方法であれば、実施の形態1から7に限定されるものではなく、また各方法において用いられている、係止方法を組み合わせて使用することも可能である。
実施の形態1から7では、回転子シャフトの製造方法について説明したが、回転子シャフトに限定されるものではなく、C/SiC成型体全般特に、内部を貫通する空洞部を有する成型体に適用可能である。C/SiC構造体は硬く、加工性が悪いため、内部を貫通する空洞部を形成するのは困難であったが、実施の形態1から7の方法により、内部を貫通する空洞部を有する筒状体で構成された炭素繊維強化炭化珪素成型体を得ることが可能である。内部に空洞部を有する炭素繊維強化炭素成型体は、筒状のシャフト本体部と、空洞部の内径がシャフト本体部の内径よりも小さい小径部とを備えたものは、通例の方法では形成不可能であるが、実施の形態1から7の方法であれば形成可能である。また小径部の内壁が、BN膜で被覆されたものであれば、含浸工程でも歩留りが向上し、使用時にも安定な絶縁性の保護膜として有効である。特に内部に空洞部を備えた炭素繊維強化炭化珪素成型体で構成され、円筒状のシャフト本体部と、シャフト本体部の両端に連設された、小径部とを備えた回転子シャフトが有用である。さらに、中子あるいは保護膜は少なくともSi融液に浸漬されている部分で空洞部を塞ぐ形状をもつものであればよい。
以上の実施の形態に示した構成は、本発明の内容の一例を示すものであり、別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、構成の一部を省略、変更することも可能である。
10 回転子シャフト、10S,10ST,10SP C/C成型体、10C,10SS C/SiC成型体、11 シャフト本体部、11A,11B 分割体、L0 分割面、12 第1の小径部、13 第2の小径部、14 空洞部、15,15ST ネジ溝、16 小空洞、16S 突出部、17 係止部、20 永久磁石、30,30M,30P,130 中子、31 本体部、33 係止片、34 折り曲げ片、35 保護膜、40 坩堝、40B 底部、41 窪み部、42 ネジ穴、43 係止体、44 係止穴、45 坩堝保護膜、46 係止片、47 折り曲げ片、100 ガルバノスキャナ、101 ベアリング、102 ハウジング、103 コイル、104 ガルバノミラー、105 エンコーダ板、200 成型用金型。

Claims (16)

  1. 炭素繊維と、樹脂と、黒鉛とを含む混合粉末を、加圧および加熱硬化するとともに炭化し、炭素繊維強化炭素構造体のブロックを形成する工程と、
    前記炭素繊維強化炭素構造体のブロックを形状加工し、内部に空洞部を有する炭素繊維強化炭素成型体を形成する工程と、
    窒化ホウ素で、前記炭素繊維強化炭素成型体の空洞部の内壁を塞ぎ、前記炭素繊維強化炭素成型体を珪素融液に浸漬し、前記珪素融液の液面下で前記内壁に珪素が析出しないように前記珪素融液の液面下では前記空洞部の内壁が前記窒化ホウ素で塞がれた状態で前記炭素繊維強化炭素成型体に珪素を含浸させる工程と、
    を含むことを特徴とする炭素繊維強化炭化珪素成型体の製造方法。
  2. 前記珪素を含浸させる工程は、前記炭素繊維強化炭素成型体の空洞部に、窒化ホウ素からなる中子を挿通する工程を含み、前記空洞部の内壁を塞いだ状態で、前記炭素繊維強化炭素成型体を珪素融液に浸漬し、前記炭素繊維強化炭素成型体に珪素を含浸させる工程を含むことを特徴とする請求項1に記載の炭素繊維強化炭化珪素成型体の製造方法。
  3. 前記珪素を含浸させる工程後、
    前記炭素繊維強化炭化珪素成型体から前記中子を取り外す工程を含むことを特徴とする請求項2に記載の炭素繊維強化炭化珪素成型体の製造方法。
  4. 前記炭素繊維強化炭素成型体は、
    係止部を有し、
    前記珪素を含浸させる工程は、
    前記炭素繊維強化炭素成型体を、前記係止部で坩堝に固定して、前記珪素融液を前記坩堝に供給することで、前記珪素を含浸させる工程を含むことを特徴とする請求項2または3に記載の炭素繊維強化炭化珪素成型体の製造方法。
  5. 前記係止部はネジ溝であり、
    内部に空洞部を有する前記炭素繊維強化炭素成型体を形成する工程は、
    一端に前記ネジ溝を有する筒状体を備えた炭素繊維強化炭素成型体を形成する工程であり、
    前記珪素を含浸させる工程は、
    ネジ穴を備えた坩堝内に、前記内部に空洞部を有する炭素繊維強化炭素成型体の前記ネジ溝を螺合させ、前記坩堝に固定して、前記珪素融液を前記坩堝に供給することで、前記珪素を含浸させる工程を含むことを特徴とする請求項4に記載の炭素繊維強化炭化珪素成型体の製造方法。
  6. 前記ネジ穴は前記坩堝の底部に設けられており、
    前記内部に空洞部を有する炭素繊維強化炭素成型体は、一端が小径部を構成する筒状体であり、前記ネジ溝は前記小径部に設けられており、
    前記含浸させる工程後、前記ネジ穴と前記ネジ溝との螺合部分または前記螺合部分に隣接する前記小径部で前記内部に空洞部を有する炭素繊維強化炭素成型体を折ることで、前記坩堝から前記内部に空洞部を有する炭素繊維強化炭素成型体を取り外すことを特徴とする請求項5に記載の炭素繊維強化炭化珪素成型体の製造方法。
  7. 前記珪素を含浸させる工程は、前記炭素繊維強化炭素成型体の空洞部の内壁を、窒化ホウ素からなる保護膜で覆い、前記空洞部の内壁を塞いだ状態で、前記炭素繊維強化炭素成型体を珪素融液に浸漬し、前記炭素繊維強化炭素成型体に珪素を含浸させる工程を含むことを特徴とする請求項1に記載の炭素繊維強化炭化珪素成型体の製造方法。
  8. 炭素繊維と、樹脂と、黒鉛とを混合し、加圧および加熱硬化するとともに炭化し、炭素繊維強化炭素構造体のブロックを形成する工程と、
    前記炭素繊維強化炭素構造体のブロックを形状加工し、シャフト本体部と小径部とを備え、内部に前記シャフト本体部と前記小径部とを貫通する空洞部を有する炭素繊維強化炭素成型体を形成する工程と、
    前記炭素繊維強化炭素成型体の空洞部の内壁に、窒化ホウ素からなる中子を挿通し、珪素融液の液面下で前記内壁に珪素が析出しないように、前記珪素融液の液面下では前記空洞部の内壁を塞いだ状態で、前記炭素繊維強化炭素成型体を珪素融液に浸漬し、前記炭素繊維強化炭素成型体に珪素を含浸させ、空洞部を有する炭素繊維強化炭化珪素成型体を形成する工程と、
    前記空洞部を有する炭素繊維強化炭素成型体の前記空洞部に永久磁石を装着する工程とを含むことを特徴とする回転子シャフトの製造方法。
  9. 炭素繊維と、樹脂と、黒鉛とを混合し、加圧および加熱硬化するとともに炭化し、炭素繊維強化炭素構造体のブロックを形状加工し、内部に空洞部を有する炭素繊維強化炭素成型体を形成し、
    前記内部に空洞部を有する炭素繊維強化炭素成型体を珪素融液に浸漬し、珪素を含浸させて、内部に空洞部を有する炭素繊維強化炭化珪素成型体を形成する、珪素含浸装置であって、
    珪素融液が配される坩堝と、
    前記炭素繊維強化炭素成型体の空洞部に挿通される、窒化ホウ素で構成された中子と、
    前記坩堝に設けられ、前記空洞部を前記中子で塞いだ状態で、前記内部に空洞部を有する炭素繊維強化炭素成型体を固定する固定部とを備えたことを特徴とする珪素含浸装置。
  10. 前記固定部は、前記坩堝の底部に設けられた雌ネジ部と、
    前記内部に空洞部を有する炭素繊維強化炭素成型体の1端部の外壁に設けられ、前記雌ネジ部に螺合する雄ネジ部とで構成されたことを特徴とする請求項に記載の珪素含浸装置。
  11. 前記内部に空洞部を有する炭素繊維強化炭素成型体は、本体部と小径部とを備え、
    前記中子は、前記小径部内の小空洞に挿通される本体部と、前記本体部の前記小径部側の端部に設けられ、前記小空洞の内径よりも大きい径大部を備えたことを特徴とする請求項9または10に記載の珪素含浸装置。
  12. 前記坩堝は、複数の小坩堝に分割されており、各小坩堝が、前記空洞部を前記中子で塞いだ状態で、前記内部に空洞部を有する炭素繊維強化炭素成型体を固定する固定部を備えたことを特徴とする請求項9から11のいずれか1項に記載の珪素含浸装置。
  13. 前記中子は、前記固定部に一体成型されており、
    前記坩堝に固定されることを特徴とする請求項9または10に記載の珪素含浸装置。
  14. 炭素繊維と、樹脂と、黒鉛とを含む混合粉末を、加圧および加熱硬化するとともに炭化し、炭素繊維強化炭素構造体のブロックを形成する工程と、
    前記炭素繊維強化炭素構造体のブロックを形状加工し、内部に空洞部を有する炭素繊維強化炭素成型体を形成する工程と、
    珪素の融点よりも高い融点をもつ材料で、前記炭素繊維強化炭素成型体の空洞部の内壁を塞ぎ、窒化ホウ素で、珪素融液の液面下で前記内壁に珪素が析出しないように、少なくとも液面下では前記空洞部の内壁を塞いだ状態で、前記炭素繊維強化炭素成型体を珪素融液に浸漬し、前記炭素繊維強化炭素成型体に珪素を含浸させる工程と、
    を含むことを特徴とする炭素繊維強化炭化珪素成型体の製造方法。
  15. 炭素繊維と、樹脂と、黒鉛とを含む混合粉末を、加圧および加熱硬化するとともに炭化し、炭素繊維強化炭素構造体のブロックを形成する工程と、
    前記炭素繊維強化炭素構造体のブロックを形状加工し、内部に空洞部を有する炭素繊維強化炭素成型体を形成する工程と、
    珪素より膨張率の小さい窒化ホウ素で、前記炭素繊維強化炭素成型体の空洞部の内壁を塞ぎ、前記炭素繊維強化炭素成型体を珪素融液に浸漬し、前記炭素繊維強化炭素成型体に珪素を含浸させる工程と、
    を含むことを特徴とする炭素繊維強化炭化珪素成型体の製造方法。
  16. 炭素繊維と、樹脂と、黒鉛とを含む混合粉末を、加圧および加熱硬化するとともに炭化し、炭素繊維強化炭素構造体のブロックを形成する工程と、
    前記炭素繊維強化炭素構造体のブロックを形状加工し、内部に空洞部を有する炭素繊維強化炭素成型体を形成する工程と、
    前記炭素繊維強化炭素成型体の空洞部の内壁を塞ぎ、前記炭素繊維強化炭素成型体を坩堝の底部に立設して固定し、珪素融液に浸漬し、前記炭素繊維強化炭素成型体に珪素を含浸させる工程と、
    を含むことを特徴とする炭素繊維強化炭化珪素成型体の製造方法。
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