JP6172611B2 - ヒドロキシルラジカルの発生方法、および、ヒドロキシルラジカル発生材 - Google Patents
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1)亜塩素酸アニオン源(亜塩素酸塩等)を混和した親水性材料を疎水性粒子内部に含ませて、疎水性粒子に吸着した水分を疎水性粒子内部に取り込ませる、
2)取り込ませた水分により亜塩素酸塩等が加水分解されてヒドロニウムイオンを放出し、疎水性粒子の亜塩素酸アニオンと反応して放出される酸化塩素ガスによってウイルスを不活性にする、
というものであり、ウイルスを不活性にする確率が不明で、適用手段の適用範囲が狭い。
このように、従来の抗ウイルス剤は、イオン方式、ガス方式及びその他の方式による場合であっても、不活性機構の内容が不明瞭で、ウイルスを不活性にする確率が不明で、適用手段に制約があった。
(1)アルカリ金属、アルカリ土類金属、周期表第4族から第12族までの金属又はアルミニウムからなる群より選ばれる1種以上の金属の酸化物粉末と、アルカリ金属の水酸化物、アルカリ土類金属の水酸化物、水酸化鉄、水酸化銅、水酸化亜鉛、水酸化アルミニウム又は水酸化アンモニウムから選ばれる1種以上の水酸化物と、を接触させることによりヒドロキシルラジカルを発生させる方法、
(2)金属の酸化物粉末と水酸化物が、いずれもドロマイトを焼成し、その一部を水和して得られたドロマイト消化物に含まれるものである、(1)に記載の方法、
(3)ドロマイト消化物が、原料ドロマイトを700℃〜1300℃の温度で1〜20時間焼成し、その後常温になるまで冷却した後、ドロマイト100重量部に対して35〜60重量部の水と接触させて得られるものである、(2)に記載の方法
(4)ドロマイト消化物の焼成が、昇温速度5〜10℃/分、温度700℃〜1000℃で8〜12時間保持し、その際の空気気流が送り・停止の併用である、(3)に記載の方法、
(5)金属の酸化物粉末と、水酸化物の重量比、すなわち(金属の酸化物粉末)/(水酸化物)が0.001〜100の範囲に含まれることを特徴とする、(1)または(2)に記載の方法、
(6)金属の酸化物粉末が、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、二酸化マンガン、酸化鉄(II)、酸化鉄(III)、酸化銅、酸化亜鉛又は酸化アルミニウムから選ばれる1種以上の酸化物の粉末であり、水酸化物が水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、水酸化アルミニウム又は水酸化アンモニウムから選ばれる1種以上の水酸化物である、(1)に記載の方法、
が提供される。
(7)アルカリ金属、アルカリ土類金属、周期表第4族から第12族までの金属又はアルミニウムからなる群より選ばれる1種以上の金属の酸化物粉末と、アルカリ金属の水酸化物、アルカリ土類金属の水酸化物、水酸化鉄、水酸化銅、水酸化亜鉛、水酸化アルミニウム又は水酸化アンモニウムから選ばれる1種以上の水酸化物と、を接触させることによりヒドロキシルラジカルを発生させる方法を備えた抗ウイルス材、も提供する。
本発明は、アルカリ金属、アルカリ土類金属、周期表第4族から第12族までの金属又はアルミニウムからなる群より選ばれる1種以上の金属の酸化物粉末と、アルカリ金属の水酸化物、アルカリ土類金属の水酸化物、水酸化鉄、水酸化銅、水酸化亜鉛、水酸化アルミニウム又は水酸化アンモニウムから選ばれる1種以上の水酸化物とを接触させることでヒドロキシルラジカルが発生する、という新しい知見に基づいてなされたものである。
(1)ヒドロキシルラジカルは、単独でウイルスを不活性にする効果が大きいという事実。
(2)ヒドロキシルラジカル以外の活性酸素は、単独でウイルスを不活性にする効果が存在しないか、存在しても小さいという事実。
(3)ヒドロキシルラジカルは、そのウイルス不活性化機構が有効に働く各種のウイルスを不活性にすることができるという事実。
(4)ヒドロキシルラジカルは、金属の酸化物粉末と水酸化物との組み合せ及び反応制御によって、ウイルスを不活性にする効果を増大させることが可能になるという事実。
(5)ウイルスを不活性にするヒドロキシルラジカルの発生には、金属の酸化物粉末の表面状態が影響を与えるという事実。
〈金属酸化物〉
本発明におけるアルカリ金属、アルカリ土類金属、周期表第4族から第12族までの金属又はアルミニウムからなる群より選ばれる1種以上の金属の酸化物粉末は、水酸化物との反応でヒドロキシルラジカル発生が可能であって、天然系(代表的には鉱物に含有されている金属酸化物)若しくは合成系のいずれでもよく、一種のみで用いても、複数種を用いてもよい。金属の酸化物粉末は、ヒドロキシルラジカル発生の効率の観点から、原料となる金属酸化物を、比表面積がより広い粉末、特に多孔性の粉末とすることが好ましい。
鉱物としては、例えば、ドロマイト系鉱物、電気石系鉱物(例えば、ドラバイト、スコール、エルバマイト及びその他)、ゼオライト系鉱物、カオリン系鉱物、麦飯石及びその他の鉱物を用いることができ、これらは鉱物に応じた破砕・化学的処理・物理的処理・粉末化等によって、金属の酸化物粉末、金属の酸化物粉末及び水酸化物粉末との共存系若しくはそれらと第三成分粉末との共存系にされる。
〈水酸化物〉
本発明において用いられる水酸化物は、金属の酸化物粉末との反応でヒドロキシルラジカル発生に水酸化物イオンを供給可能であれば、一種若しくは複数種の使用が可能である。このような水酸化物としては、アルカリ金属の水酸化物、アルカリ土類金属の水酸化物、水酸化鉄、水酸化銅、水酸化亜鉛、水酸化アルミニウム又は水酸化アンモニウムから選ばれる1種以上の水酸化物が挙げられるが、ヒドロキシルラジカルの発生を円滑・容易に行えるという観点から、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム等が好ましい。
〈ヒドロキシルラジカル発生の反応〉
金属の酸化物粉末と水酸化物を接触させてヒドロキシルラジカルを発生させる具体的な方法としては、例えば、金属の酸化物粉末を水酸化物の水溶液若しくはスラリーに混入して反応させる方法、金属の酸化物粉及び水酸化物をプロトン性または非プロトン性有機溶媒に入れて反応させる方法、金属の酸化物粉と固体状水酸化物とを接触させて吸着水分による反応の場で反応させる方法等が挙げられる。
上記消化物粉末は、酸化マグネシウム(MgO)、水酸化カルシウム(Ca(OH)2)及び水酸化マグネシウム(Mg(OH)1〜2)を反応成分として含み、含有が許容される成分は、炭酸カルシウム及び微量成分であることが望まれる。それ以外の成分が焼成及び水和の工程で生成しているとヒドロキシルラジカル発生の反応が阻害されることがある。また、酸化マグネシウム量が低下すると、ヒドロキシルラジカル発生量も低下する。ここで、MgO、Ca(OH)2及びMg(OH)1〜2の各成分の消化物粉末中における含有量は、MgOが2〜22重量%、好ましくは5〜15重量%、Ca(OH)2が40〜60重量%、好ましくは45〜55重量%、Mg(OH)1〜2が5〜25重量%、好ましくは10〜20重量%である。
ヒドロキシルラジカルの確認は、定量も含めて次の方法で測定して検証・確認した。
(a)APF(2−[6−(4−amino)phenoxy−3H−xanthen−3−on−9−yl]benzoicacid)またはHPF(2−[6−(4−hydroxy)phenoxy−3H−xanthen−3−on−9−yl]benzoicacid)を使用する活性酸素検出試薬にて反応させて、生成する強蛍光性化合物(フルオレセン)の蛍光強度から測定する方法である。
(b)エタノールとヒドロキシルラジカルを反応させて生成したヒドロキシエチルラジカルを、POBN(α―(4―pyridyl−1−oxide)―N―tertbutylnirone)により捕捉して、ESR(Electron Spin Resonance : 電子スピン共鳴)により測定する方法である。
(c)ヒドロキシルラジカルが確認された場合には、ラジカル捕捉剤のDPPH(1,1−diphenyl−2−picrylhydrazyl)の紫色の消失有無により、ヒドロキシルラジカルの発生・存在を確認する方法である。
本発明における「抗ウイルス材」とは、本発明に係るヒドロキシルラジカル発生方法により発生したヒドロキシルラジカルを利用して、抗ウイルス作用を持たせた繊維やプラスチック及びこれらから成るマスクや防護服等の各種製品、その他薬品等の各種応用品を意味する。係る多様な応用品へ抗ウイルス効果を付与する場合(例えば、付着、固着、固定、担持、混入その他の方法で付与する場合)には、ウイルス効果を付与する際の制約が少ない若しくは制約が存在しないことが望まれる。この点本発明においては、ヒドロキシルラジカルの発生源として固体粉末を使用することで多様な適用手段への抗ウイルス効果の付与を可能にし、ほとんど制約なく抗ウイルス材の広範囲な使用を可能にしている。
〈ウイルスの不活性機構〉
ヒドロキシルラジカルが、ウイルス構造を破壊する現象、ウイルスタンパク質を凝集させる現象、ウイルスタンパク質を高分子量化させる現象及び表面の突起タンパク質の変化による大きな塊若しくは集団の生成現象と、それによって、ウイルスが不活性になる現象が本発明で見いだされている。(後記実施例を参照)
〈対象となるウイルス〉
ウイルス構造破壊、ウイルス表面の突起タンパク質の塊化現象及びウイルスタンパク質の凝集現象がヒドロキシルラジカルにより生じるウイルスは、いずれも本発明の抗ウイルス材により不活性にすることができる。
〈適用手段〉
抗ウイルス材の適用手段によって人若しくは動物がウイルスに接触可能な領域に抗ウイルス性が付与されて、ウイルスを不活性にする。抗ウイルス材は、各種ウイルスの不活性化に有効であって、抗ウイルス材として取り扱いが容易な粉末を使用する場合、適用手段は、用途・形状・大きさ・使用方法その他において特に制約がない。
〈適用手段の使用の態様〉
抗ウイルス材は、ヒドロキシルラジカル発生が可能に適用手段に備えられる。例えば、固着、付着、塗布、固定、含有、担持その他の方法によって備えられる。水酸化物が溶液状である場合には、適用手段に含有させてもよい。また、水酸化物を別に用意しておいて、適用手段に備える金属酸化物と予め用意した水酸化物とを反応させてヒドロキシルラジカルを発生させる。その場合には、適用手段に備える金属酸化物及び予め用意した水酸化物から本発明の抗ウイルス材が構成されることになる。
〈実施例1〉〔ヒドロキシルラジカルの検証〕
酸化マグネシウム(MgO)粉末を水酸化ナトリウム(NaOH)水溶液0.1モル/リットルに入れて反応させた。次に、APF試薬(活性酸素検出用試薬)に反応させて、ヒドロキシルラジカル(・OH)の存在の確認及び検量線による定量によって多量のヒドロキシルラジカル(・OH)の発生が認められた。
酸化マグネシウム(MgO)粉末を水酸化ナトリウム(NaOH)水溶液0.1モル/リットルに入れ、さらにエタノールとPOBNを加えた。ヒドロキシルラジカルはエタノールと反応し、ヒドロキシルエチルラジカルを生成するが、これをPOBNで補足しESR(電子スピン共鳴)により測定する実験を行った。ESRではヒドロキシルラジカルの生成を示す典型的なピークのパターンが検出された。
金属酸化物と水酸化物が共存する鉱物粉末からのヒドロキシルラジカル(・OH)発生を検証した。
ヒドロキシルラジカルのサーズウイルス(SARS−CoV)に対する不活性化能の検証実験をプラークリダクション法により行った。
ヒドロキシルラジカルのサーズウイルスに対する不活性化能の検証実験を酸化マグネシウム(MgO)粉末と水酸化ナトリウム(NaOH)水溶液から発生したヒドロキシルラジカルにより行った。
一組が5匹からなる二組のマウスを用意して、その一組の5匹のマウスの鼻から高病原性トリインフルエンザウイルス(H5N1 HPAIV)/ベトナム株を吸引させた。他の一組のマウスには、実施例3のヒドロキシルラジカルで処理して高病原性トリインフルエンザウイルス(H5N1 HPAIV)/ベトナム株を吸引させた。
しかし、ヒドロキシルラジカル処理した組のマウスは、14日後も全数が生存していた。
ヒドロキシルラジカルの高病原性トリインフルエンザウイルス(H5N1 HPAIV)/ベトナム株に対する不活性化能の検証実験を実施例4と同じ条件で行った。
当初のControlは、感染価が107プラーク/ミリリットルであったが、ヒドロキシルラジカル処理後にはゼロになっていた。
ヒドロキシルラジカルの高病原性トリインフルエンザウイルス(H5N1 HPAIV)/香港株に対する不活性化能の検証実験を実施例4と同じ条件で行った。
先ず、サーズウイルス(SARS−CoV)粒子の表面に存在する突起(スパイク)タンパク質に、抗スパイク抗体と金コロイドを結合させた抗IgG抗体を作用させ、ウイルス粒子表面のスパイクタンパク質を電子顕微鏡により観察した。その結果、ウイルス粒子の周りに金コロイドが分布し、ウイルスのスパイスタンパク質の分布と一致していた。次に、サーズウイルス(SARS−CoV)をヒドロキシルラジカルに接触させた後で同様の方法で抗スパイク抗体と金コロイドを結合させた抗IgG抗体を作用させてからウイルスを電子顕微鏡により観察した。その結果、金コロイドは塊状・集団状・高分子状になった場所に分布し、ウイルス粒子表面のスパイクタンパク質の変化を伴うウイルス構造の崩壊とウイルスの不活性化が観察された。
ヒドロキシルラジカル未処理のサーズウイルスとヒドロキシルラジカル処理をしたサーズウイルスに対し抗スパイク抗体を用いてウエスタンブロットを行った。還元剤を加えずに電気泳動すると、ヒドロキシルラジカル処理をしたサンプルにおいてスパイクタンパク質のバンドの消失が認められた。還元剤を加えて電気泳動すると、スパイクタンパク質のバンドの回復が認められた。これはスパイクタンパク質がヒドロキシルラジカルによって酸化され、高分子量化を起こしている事を意味している。
ヒドロキシルラジカルで処理したサーズウイルスとヒドロキシルラジカルの発生源にヒドロキシルラジカル除去剤を加えた状態で処理をしたサーズウイルスに対し抗スパイク抗体を用いてウエスタンブロットを行った。還元剤を加えずに電気泳動すると、ヒドロキシルラジカル処理をしたサンプルにおいてスパイクタンパク質のバンドの消失が認められたが、ヒドロキシルラジカル除去剤(ここではサリチル酸ナトリウム)を加えたサンプルではスパイクタンパク質のバンドの回復が認められた。これはスパイクタンパク質のヒドロキシルラジカルによる高分子量化が、ヒドロキシルラジカル除去剤によって阻害される事を意味している。
実施例3のサンプル調整において、ドロマイト鉱石の焼成及び消化の条件を変えて酸化マグネシウム(MgO)が存在しない消化物の粉末を調整した。すなわち、ここでは700℃以下の温度で焼成を行い、常温になるまで冷却した後、ドロマイト100重量部に対して45〜50重量部の水と接触させてドロマイト消化物を得た。この酸化マグネシウム(MgO)未含有のドロマイト消化物サンプルでは、ウイルスを不活性にすることができなかった。
本発明者は、上記特許文献5に記載のウイルス剤をその出願人会社である、用瀬電機株式会社から、同公報に開示された抗ウイルス剤の提供を受けた。
酸化チタン(アナターゼ型、純度99.9%、和光純薬工業株式会社製)0.1%、銀(粒子径100nm未満、純度99.5%、SIGMA社製)1%、水酸化マグネシウム(純度95%、和光純薬工業株式会社製)1%、及び実施例3で用いたドロマイト消化物1%を含む溶液を以下のように調整した。
0.5M リン酸バッファー(pH7.0) 20μL
純水 69.9μL
酸化チタン1%懸濁液又は
銀10%懸濁液又は
水酸化マグネシウム10%懸濁液又は
ドロマイト消化物10%懸濁液 10μL
こうして酸化チタン0.1%又は銀1%又は水酸化マグネシウム1%又はドロマイト消化物1%懸濁液を含む測定用試料を得た。
以下の表3に示すような、金属酸化物、水酸化物又はこれらの混合物が合計1重量%含まれる溶液を作成した。
0.5Mリン酸バッファー(pH 7.0) 20μL
純水 69.9μL
各種懸濁液 10μL
各測定対象試料中の金属酸化物及び/又は水酸化物の濃度と量を、表3に示す。
実施例15と同様に、金属酸化物及び/又は水酸化物の懸濁液を用い、各種試薬を以下のように混合して測定対象試料を作成した。
0.5 M リン酸バッファー(pH 7.0) 20μL
純水 69.9μL
各種懸濁液 10μL
各測定対象試料中の金属酸化物及び/又は水酸化物の濃度と量は、表5の通りである。
金属酸化物として酸化マグネシウム、水酸化物として水酸化マグネシウム及び/又は水酸化カルシウムを、これら金属酸化物と水酸化物の合計が1重量%となるべく、試料を調整した。
0.5 M リン酸バッファー(pH 7.0) 20μL
純水 49.9μL
各種懸濁液 30μL
各測定対象試料中の金属酸化物及び/又は水酸化物の濃度と量は、表7の通りである。
次に、水酸化マグネシウム(Mg(OH)2)(純度:99.90%、和光純薬株式会社製)を粉砕することで、一次粒子の粒子径を、1nm以上200nmの範囲にした水酸化マグネシウム(Mg(OH)2)粉末と、一次粒子の粒子径を、200nm以上400nmの範囲にした水酸化マグネシウム(Mg(OH)2)を調製した。
例えば、表1に示す試料No.3に、炭酸カルシウム(CaCO3)を添加すると、ヒドロキシルラジカルの発生量が、2811に低下した。
また、水酸化カルシウム(Ca(OH)2)は、空気その他の二酸化炭素(CO2)を含むガスと接触すると、その一部が、二酸化炭素(CO2)と反応して、炭酸カルシウム(CaCO3)になる。
また、酸化カルシウム(CaO)は、空気その他の二酸化炭素(CO2)を含むガスと接触すると、その一部が、二酸化炭素(CO2)と反応して、炭酸カルシウム(CaCO3)になる。
CaO+CO2→CaCO3
以上の実験からは、本発明に係るウイルスを不活性にするヒドロキシルラジカルの発生を可能にする金属酸化物粉末、水酸化マグネシウム粉末は、保存の際に、CO2と非接触の状態(CO2をブロックした状態)で保存することが、好ましい。
本発明に係る抗ウイルス材をCO2と非接触の状態(CO2をブロックした状態)で保存する方法としては、例えば、包装材料内に、本発明に係る抗ウイルス材を収容した後、包装材料内を真空にして密閉したり、例えば、包装材料内に、本発明に係る抗ウイルス材を収容した後、包装材料内の空気を、例えば、アルゴン(Ar)、ネオン(Ne)等の不活性ガス、窒素(N2)ガス、酸素(O2)ガスその他のCO2を含まないガス又はこのようなCO2を含まないガスを含まないガスの混合ガスにより置換した後密閉したり、又は、例えば、包装材料内に、本発明に係る抗ウイルス材を収容した後、包装材料内に、例えば、アルゴン(Ar)、ネオン(Ne)等の不活性ガス、窒素(N2)ガス、酸素(O2)ガスその他のCO2を含まないガス又はこのようなCO2を含まないガスを含まないガスの混合ガスを充填した後に密閉したりする方法を挙げることができる。
Claims (4)
- 水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、酸化マグネシウム、及び、ドロマイトを焼成し、その一部を水和して得られたドロマイト消化物からなる群から選ばれる少なくとも一種を、水系溶媒中に懸濁させた後、遮光することを特徴とする、遮光条件下におけるヒドロキシルラジカル発生方法。
- 酸化マグネシウムと、水酸化マグネシウム、水酸化ナトリウム、水酸化カルシウム及び水酸化カリウムからなる群から選ばれる少なくとも一種を、水系溶媒中で接触させた後、遮光することを特徴とする、遮光条件下におけるヒドロキシルラジカル発生方法。
- 水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、及び、酸化マグネシウムを、水系溶媒中で接触させた後、遮光することを特徴とする、遮光条件下におけるヒドロキシルラジカル発生方法。
- 水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、酸化マグネシウム、及び、ドロマイトを焼成し、その一部を水和して得られたドロマイト消化物からなる群から選ばれる少なくとも一種が水系溶媒中に懸濁している懸濁液が遮光されていることを特徴とする、遮光条件下におけるヒドロキシルラジカル発生材。
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