図1は、本発明の実施例にかかる医療行為支援システム1の構成を示す図である。医療行為支援システム1は内視鏡業務を支援するためのシステムであり、内視鏡システム10、管理システム40、複数の端末装置30、34を備え、それらはLAN(ローカルエリアネットワーク)などのネットワーク2によって相互接続される。端末装置30、34はたとえばパーソナルコンピュータであって、それぞれ画面出力可能に表示装置32、36と接続されているが、端末装置30、34は表示装置と一体となったラップトップコンピュータであってもよく、また携帯型タブレットであってもよい。
管理システム40は、医療画像を管理する医療画像管理装置42、検査に対して発行される検査オーダ情報を管理するオーダ情報管理装置44、検査情報を管理する検査情報管理装置46を備える。内視鏡システム10と管理システム40は、ゲートウェイ装置を介して接続されてもよい。なお本実施例では検査情報管理装置46が内視鏡システム10における検査情報を管理し、内視鏡システム10と医療画像管理装置42とが、同一プロトコルのネットワークにて接続されていてもよい。
医療画像管理装置42は、内視鏡システム10により撮像された検査画像を検査オーダごとにまとめて記憶する画像記憶部を有して構成される。医療画像管理装置42は、大容量の画像記憶部を備えたサーバとして構成され、画像記憶部としてHDD(ハードディスクドライブ)を備えてもよく、またフラッシュメモリを備えてもよい。各端末装置30、34は、医療画像管理装置42にアクセスして、画像記憶部に記憶された検査画像を各表示装置32、34に表示できる。
オーダ情報管理装置44は、患者の検査オーダ情報を記憶するオーダ記憶部を有して構成される。オーダ情報管理装置44は、医療施設内においてオーダの発行を統括的に管理するオーダリングシステムとして設けられてもよい。検査情報管理装置46は、患者の検査情報を記憶する検査情報記憶部を有して構成される。検査情報管理装置46は、内視鏡検査に関する検査情報を管理し、オーダ情報管理装置44に保持されている内視鏡検査のオーダ情報を取得して、検査情報を生成する。検査情報管理装置46は、検査が終了した過去の検査情報を少なくとも管理し、また、これから検査を行う未来の検査情報も管理する。
内視鏡検査においては、検査室内に配置された端末装置30がオーダ情報管理装置44から内視鏡検査オーダを受け取り、表示装置32に、内視鏡検査オーダの一覧画面を表示する。医師が、オーダ一覧から1つのオーダを選択すると、端末装置30は、オーダ情報管理装置44および検査情報管理装置46から必要な情報を取得して、表示装置32にオーダ確認画面を表示する。医師は、オーダ確認画面をみて、これから行う検査内容を確認してから、内視鏡検査を実施する。
なお、オーダ確認画面は、端末装置30が生成してもよいが、管理システム40が生成してもよい。たとえば検査情報管理装置46が、端末装置30からオーダ確認画面の生成指示を受け付けて、オーダ確認画面を生成し、端末装置30に提供してもよい。このようにオーダ確認画面は、医療行為支援システム1において、いずれかの構成により生成されればよく、オーダ確認画面に含まれる情報については後述する。
内視鏡システム10は、内視鏡スコープ12、内視鏡処理装置14および表示装置16を備える。内視鏡スコープ12は患者の体内に挿入され、医師が内視鏡スコープ12のレリーズスイッチを押したタイミングで体内を撮像する。内視鏡スコープ12は、固体撮像素子(たとえばCCDイメージセンサまたはCMOSイメージセンサ)および信号処理回路を備える。固体撮像素子は入射光を電気信号に変換し、信号処理回路は、固体撮像素子により光電変換された画像データに対して、A/D変換、ノイズ除去などの信号処理を施して、内視鏡処理装置14に出力する。
内視鏡処理装置14は、内視鏡システム10全体を統括的に制御する。内視鏡処理装置14の一つの重要な役割は、内視鏡スコープ12により撮像された画像を医療画像管理装置42に送信して、データベースに記憶させることであり、もう一つの重要な役割は、内視鏡スコープ12により取得されている映像を表示装置16にリアルタイムで表示させることにある。本実施例の内視鏡システム10において、内視鏡スコープ12および内視鏡処理装置14は、検査画像の撮像処理を行う撮像装置20を構成する。医療画像管理装置42は、撮像装置20で撮像された内視鏡画像データを受け取り、検査オーダごとにまとめて記憶部(データベース)に蓄積する。
端末装置34は内視鏡科に設置されており、キーボードなどのユーザインタフェースが接続されている。内視鏡医は、検査が終了すると、端末装置34で検査レポートを作成する。このとき端末装置34は、医療画像管理装置42から検査画像(内視鏡画像)を取得し、医師は、必要な画像をレポートに貼り付けることができる。
医療行為支援システム1は、これから行う検査に有益な情報を含むオーダ確認画面を医師に提供する機能を有する。本実施例においてオーダ確認画面に含ませる有益な情報は、患者の過去の検査履歴であり、検査医はオーダ確認画面をみることで、これから行う検査内容を確認するとともに、その患者が過去に内視鏡検査を行っていたかを知ることができる。
図2は、検査履歴を含んだオーダ確認画面の生成機能を実現するための構成を示す。医療行為支援システム1は、画面制御部100、入力処理部120、オーダ記憶部140および検査情報記憶部150を備える。
これらの構成はハードウエア的には、任意のプロセッサ、メモリ、その他のLSIで実現でき、ソフトウエア的にはメモリにロードされたプログラムなどによって実現されるが、ここではそれらの連携によって実現される機能ブロックを描いている。したがって、これらの機能ブロックがハードウエアのみ、ソフトウエアのみ、またはそれらの組合せによっていろいろな形で実現できることは、当業者には理解されるところである。なお図2に示す構成は、内視鏡システム10、端末装置30および管理システム40の少なくとも1つもしくはこれらが協働して実現される。
オーダ記憶部140は、患者の内視鏡検査オーダ情報を記憶する。検査オーダ情報は、「検査予定日」、「検査内容」を少なくとも含んで構成され、検査内容には、「検査種別」および「検査項目」が含まれる。たとえば内視鏡検査の検査種別としては、上部内視鏡検査、下部内視鏡検査が少なくとも含まれる。また検査オーダ情報は、担当医や検査室の情報を含んでもよい。オーダ記憶部140は、オーダ情報管理装置44に設けられる。
検査情報記憶部150は、患者の検査情報を記憶する。検査情報は、検査予定日および検査実施日を含む日付情報と、検査種別および検査項目を含む検査内容を含んで構成される。また検査情報は、その検査の実施後に検査医によりレポートが作成されたか否かを示す存否情報を含んでもよい。検査情報記憶部150は、検査情報管理装置46に設けられる。検査情報管理装置46は、オーダ記憶部140に記憶された検査オーダ情報を取得し、取得した検査オーダ情報を用いて検査情報を作成する。たとえば検査情報管理装置46は、検査オーダが発行された時点で、未実施検査の検査情報を作成してもよい。
なお、検査実施時に、検査オーダ情報で指定された検査種別に変更や追加があったような場合には、検査実施中ないしは検査終了後に、検査オーダ情報が適切に修正されて、検査情報管理装置46が、修正された検査オーダ情報をもとに検査情報を修正してもよい。このとき検査オーダ情報が適切に修正されていなければ、担当医が検査情報をマニュアルで修正してもよい。
このように検査情報記憶部150は、オーダ記憶部140に記憶された検査オーダ情報を、検査情報として記憶する。検査情報記憶部150は、検査オーダに含まれる全ての情報を記憶しなくてもよいが、少なくとも一部の情報を検査情報として記憶する。この意味において本実施例においては、検査情報記憶部150を、オーダ記憶部として取り扱うことも可能である。
図3は、検査情報記憶部150に記憶される検査情報の一例を示す。図3では、説明の便宜上、1人の患者(患者1)についての検査情報を示しているが、検査情報記憶部150には、内視鏡検査の検査オーダが発行された全ての患者の検査情報が、患者を特定する患者IDに紐付けて記憶されている。なお図3に示す「検査番号」は、本実施例の説明のために付与したものであり、検査情報記憶部150において登録されている検査番号ではないことにご留意いただきたい。
「検査予定日」の項目には、検査を予定した日付が入力される。「検査実施日」の項目には、検査を実施した日付が入力される。「検査種別」の項目には、内視鏡検査の種別が入力され、「検査項目」の項目には、検査種別をさらに細分化した検査内容が入力される。「レポート存否」の項目には、検査に関するレポートが作成されたか否かを示す情報が入力され、レポートが作成されている場合には「あり」、作成されていない場合には「なし」が入力される。「検査予定日」、「検査種別」、「検査項目」の項目には、検査に対して発行される検査オーダに含まれる情報が入力される。
図2に戻って、入力処理部120は、撮像検出部122、日付入力部124、入力判定部126、レポート登録確認部128およびオーダ情報解析部130を備える。オーダ情報解析部130は、オーダ記憶部140に記憶されている内視鏡検査のオーダ情報を取得し、オーダ情報に含まれる「検査予定日」、「検査種別」、「検査項目」の情報を抽出して、オーダIDに紐付けて、検査情報として検査情報記憶部150に記憶させる。オーダ情報解析部130は、内視鏡検査の開始前、たとえば内視鏡検査オーダが発行された時点で、「検査予定日」、「検査種別」、「検査項目」の情報を、検査情報として検査情報記憶部150に記憶させてよい。またオーダ情報解析部130は、一日の業務の開始前に、当日を検査予定日とする複数の内視鏡検査オーダをオーダ記憶部140から収集して、当日分の内視鏡検査オーダの検査情報を、検査情報記憶部150に記憶させてもよい。
図3に示す「検査実施日」の項目について説明する。「検査実施日」の項目には、内視鏡検査を実施した日付が入力される。内視鏡検査の実施日は、検査の終了後、医師がマニュアルで入力してもよいが、入力処理部120が、内視鏡スコープ12のレリーズスイッチが押されたことを検出することで、内視鏡検査が行われたことが判定され、そのときの日付が「検査実施日」の項目に入力されてもよい。撮像検出部122は、撮像装置20による撮像処理を検出する機能を有し、具体的には、内視鏡スコープ12のレリーズスイッチが押されたことを検出する機能を有する。撮像検出部122が、撮像処理が行われたことを検出すると、日付入力部124が、撮像検出部122が撮像処理を検出した検出日を、「検査実施日」として検査情報記憶部150に入力する。このとき撮像検出部122および日付入力部124は、内視鏡システム10における内視鏡処理装置14の機能として形成されてよい。
また撮像検出部122は、医療画像管理装置42の機能として形成されてもよい。内視鏡処理装置14は、内視鏡スコープ12のレリーズスイッチが押されると、撮像画像を医療画像管理装置42に送信する。医療画像管理装置42は、検査オーダと紐付けて検査画像を記憶するが、このとき、医療画像管理装置42に形成される撮像検出部122は、その検査画像が送信された日付(すなわち撮像処理が行われた日付)を日付入力部124に通知し、日付入力部124が、撮像検出部122が撮像処理を検出した検出日を、「検査実施日」として検査情報記憶部150に入力する。このように撮像検出部122および日付入力部124は、内視鏡処理装置14の機能、または医療画像管理装置42の機能として設けられてよく、いずれに設けられる場合であっても、内視鏡スコープ12による撮像処理を自動的に検出して、検査実施日の項目に、検査情報として撮像日を入力できることが好ましい。
図3に示す「レポート存否」の項目について説明する。「レポート存否」の項目には、検査に関するレポートの存在の有無を示す情報が入力され、デフォルト値として「なし」が設定されている。既述したように、医師は、内視鏡検査の終了後、内視鏡検査に関するレポートを作成する。医師は、検査室内の端末装置30からレポートを作成してもよいが、検査室から内視鏡科に戻り、自席の端末装置34からレポートを作成してもよい。作成したレポートは、検査情報管理装置46において検査情報に関連付けて記憶される。たとえば検査情報記憶部150が、検査情報に関連付けてレポートを記憶してもよい。レポート登録確認部128は、レポートが検査情報記憶部150に登録されたことを確認すると、図3に示す検査情報の「レポート存否」の項目を「あり」に設定し、その内視鏡検査に対してレポートが作成されていることを検査情報として登録する。なお原則として医師は検査を終了すると、レポートを作成することになっているが、たとえば検査において異常所見がなかったようなケースでは、医師がレポートを作成しないこともあり、またレポートの作成を後回しにしたまま忘れてしまうこともある。そのため、そのような場合には、「検査実施日」の項目には日付が入力され(実際に検査が行われ)ているにも関わらず、「レポート存否」の項目に「なし」が設定されていることもある。図3の例では、検査番号3の上部内視鏡検査において、2014年2月10日に検査が実施されているが、レポートは作成されていないことが検査情報として示されている。なお検査番号5の上部内視鏡検査では、レポートが作成されていないが、これは、まだ検査が実施されていないため、「レポート存否」の項目に、デフォルト値である「なし」が設定されている状態が示されている。
以上のように、検査情報が生成され、検査情報記憶部150に記憶される。以下では、検査番号5として登録されている内視鏡検査を実施する際に、有益な情報を含めたオーダ確認画面を生成する方法について説明する。
図2に戻って、画面制御部100は、表示装置32などに表示するための画面を生成する機能を有し、オーダ情報取得部102、種別取得部104、検査情報取得部106、画面生成部108および指示受付部110を備えて構成される。本実施例において画面制御部100は、検査オーダの一覧画面および検査オーダ情報の確認画面を生成する。
医師は、検査室内に配置された端末装置30から、本日分の検査オーダの一覧画面を表示装置32に表示させる。医師は、キーボードやマウスなどのユーザインタフェースを操作して、本日分のオーダ一覧画面の表示指示を入力する。なお医師は、端末装置34から、表示装置36に検査オーダの一覧画面を表示させてもよい。医師が本日分の検査オーダ一覧画面の表示指示を入力すると、指示受付部110が、表示指示を受け付けて、オーダ記憶部140に本日分の検査オーダ情報の送信を要求する。オーダ情報取得部102は、オーダ記憶部140から本日分の検査オーダ情報を取得し、画面生成部108が、オーダ一覧画面を生成して、表示装置32にオーダ一覧画面を表示する。
図4は、オーダ一覧画面の一例を示す。このオーダ一覧画面には本日分の検査オーダの一覧が表示されている。医師は、画面上部の日付を指定することで、指定した日付の検査オーダの一覧画面を見ることができる。オーダ一覧画面において、医師は、これから検査を開始する検査オーダを選択する。指示受付部110が検査オーダの選択指示を受け付けると、画面生成部108が、オーダ確認画面を生成して、表示装置32にオーダ確認画面を表示する。以下、指示受付部110が、オーダ一覧画面における患者1の検査オーダの選択指示を受け付け、画面生成部108が、患者1の検査オーダの確認画面を生成する例について説明する。なお、選択された患者1の検査オーダは、図3に示す検査番号5の検査情報に対応するものとする。
図5は、オーダ確認画面の一例を示す。このオーダ確認画面には、検査オーダに含まれる検査内容の詳細情報と、患者情報とが少なくとも含まれる。オーダ情報取得部102は、患者1の検査オーダの詳細情報をオーダ記憶部140から取得し、また患者情報を患者データベース(図示せず)から取得する。図5において、患者基本情報、依頼情報およびオーダ情報は、オーダ記憶部140から取得された情報により構成され、患者プロフィールは、患者データベースから取得された情報により構成されてよい。なお既述したように、検査情報記憶部150には、オーダ記憶部140から取得した検査オーダ情報が記憶されており、したがってオーダ情報取得部102は、検査情報記憶部150から、検査オーダの詳細情報を取得することも可能である。
オーダ確認画面には、検査オーダの発行時点(ここでは、検査依頼日である2014年4月25日)での患者1の注意情報も含まれる。図5においては、感染症の有無、アレルギーの有無、注意事項の有無、障害情報の有無が示されており、これから行う内視鏡検査において医師が注意しなければならない情報が示される。このオーダ確認画面においては、全ての注意情報が「なし」に設定されているが、たとえば患者1が、所定の薬剤についてアレルギーを有している場合には、アレルギー情報としてその旨が表示され、また患者1が心臓病を有している場合には、注意事項として、その旨が表示される。医師は、このような注意情報を検査前に確認することで、安全な検査を実施できるようになる。これらの注意情報は、オーダ情報取得部102により、患者データベースから取得されてもよい。
本実施例のオーダ確認画面には、履歴表示領域200において、患者1の直近の検査履歴が表示される。履歴表示領域200に表示される直近検査履歴は、検査情報記憶部150に記憶されている検査情報から生成される。
図3を参照すると、患者1は、過去、検査番号1〜4で示される内視鏡検査を受けており、検査情報記憶部150は、これらの検査情報を記憶している。過去の検査情報は、これから検査番号5で示される内視鏡検査を行う医師にとっては有益な情報であり、医師は、患者1が過去最も近い時期にどのような検査を行っているか、また、その時期が1ヶ月前なのか、または5年前なのかという情報を把握してから、内視鏡検査を実施することが好ましい。
仮に、オーダ確認画面に、過去の検査履歴が表示されないとすると、医師は、過去の検査履歴を確認するために、たとえばシステムの検索機能を利用して、患者IDを入力して、検査情報記憶部150を検索した結果(患者1の検査履歴)を表示装置32に表示させる必要がある。
しかしながら医療施設においては、時間短縮化の観点から、効率的に医療行為を完了させることが要求されている。そのため内視鏡検査前に、医師がわざわざ患者IDを端末装置30から入力して、検査情報記憶部150における患者の過去の検査情報を検索して検索結果を表示装置32に表示させるという作業は非効率であり、そのため、そのような作業自体が省略されることも多かった。そこで、本実施例の医療行為支援システム1においては、医師に検索作業を行わせることなく、オーダ確認画面において、患者の過去の検査履歴を含めるようにし、医師がオーダ確認画面をみた後、すみやかに内視鏡検査を開始できるようにしている。
また医療現場の要請として、オーダ確認画面は、表示装置32の一画面に収まるように形成されることが望まれている。オーダ確認画面に多くの情報を含めようとすると、その分、オーダ確認画面のサイズも大きくなるが、一画面に収まりきらない画面下部に含まれる情報を確認するためには、医師がマウス等を操作して、画面をスクロールさせる必要がある。上記したように検査時間短縮化の要請のもとでは、医師が瞬時にオーダ確認画面の表示情報を確認できる必要があり、一画面に表示されている情報が全てと勘違いして、画面をスクロールしない事態も想定されるため、医師による情報の見落としを防止するために、オーダ確認画面をスクロールする必要のない大きさで形成することが切望されている。
そのためオーダ確認画面を一画面に収めようとすると、含める情報量を多くすることはできず、したがって検査履歴を表示するための履歴表示領域200も、一画面中に大きくとることはできない。そこで本実施例では、履歴表示領域200において、直近の検査履歴、すなわち検査オーダ情報が有する日付と最も近い検査実施日を有する検査情報を含め、それ以外の検査情報の表示を省略している。
図5に示すように、画面制御部100は、患者の検査オーダ情報、患者の情報とともに、患者の過去の検査情報を含むオーダ確認画面を生成する。画面制御部100において、種別取得部104は、患者の検査オーダ情報に含まれる検査種別を取得する。検査情報取得部106は検査情報記憶部150から、検査オーダ情報が有する日付と最も近い検査実施日を有し、且つ種別取得部104が取得した検査種別と同一の検査種別を含む検査情報を取得する。ここで、これから患者1に対して行う検査種別は「上部内視鏡検査」であり、種別取得部104は、検査種別として「上部内視鏡検査」を取得する。
図3を参照して、検査オーダ情報が有する日付(2014年5月1日)と最も近い検査実施日を有し、且つ「上部内視鏡検査」の検査種別を含む検査情報は、検査番号3で示される検査情報である。検査情報取得部106は、検査番号3で示される検査情報を取得し、画面生成部108は、履歴表示領域200における同検査種別欄202に、直近の同検査種別情報として、直近の同種別の検査日が2014年2月10日であること、および、検査項目が上部内視鏡検査(一般)であったことを示す検査情報を含める。
今回行う検査種別の検査を、患者1が過去に受けたことがあるか、また過去に受けている場合には、いつ受けたかを示す情報は、医師にとって有益な情報である。たとえば、過去の検査実施日が、現在から近い場合には、患者1が経過観察中であることが多く、医師は、たとえばレポートを確認するなど、必要な対応をとることができる。一方で、過去の検査実施日が10年以上前であれば、医師は、その当時のレポートを確認する必要もないと判断し、ただちに内視鏡検査を開始してもよい。このように、同検査種別の過去の検査日や検査項目は、情報としては僅かではあるが、医師にとっては非常に有益であり、画面生成部108が、直近の同検査種別の検査情報を含むオーダ確認画面を生成することで、医師は、すみやかに内視鏡検査を開始できるようになる。
本実施例において、検査情報取得部106は、さらに検査情報記憶部150から、検査オーダ情報が有する日付と最も近い検査実施日を有し、且つ種別取得部104が取得した検査種別と異なる検査種別を含む検査情報を取得する。図3を参照して、検査オーダ情報が有する日付(2014年5月1日)と最も近い検査実施日を有し、且つ「上部内視鏡検査」の検査種別と異なる検査種別を含む検査情報は、検査番号4で示される検査情報である。検査情報取得部106は、検査番号4で示される検査情報を取得し、画面生成部108は、履歴表示領域200における異検査種別欄204に、直近の異検査種別情報として、直近の異種別の検査日が2014年3月1日であること、および、検査項目が下部内視鏡検査(一般)であったことを示す検査情報を含める。
異なる検査種別の過去の検査情報は、今回行う検査と異なる観察範囲に関するものであるが、医師が、患者1がどのような検査を受けてきたかを知るには有益な情報である。そのため画面生成部108は、直近の同検査種別の検査情報だけでなく、直近の異検査種別の検査情報を含むオーダ確認画面を生成することで、医師が、患者の状態を適切に把握したうえで、内視鏡検査を開始できるようになる。なお既述したように、一画面表示されるオーダ確認画面において、履歴表示領域200のスペースを大きくとることは困難であるため、スペースが許さない場合には、画面生成部108は、直近の同検査種別の検査情報のみを含めたオーダ確認画面を生成するようにしてもよい。
なお画面生成部108は、検査情報への履歴表示リンク190をオーダ画面に含めるようにしてもよい。履歴表示リンク190には、図3に示す患者1の検査情報を表示するための機能が設定され、医師は、履歴表示リンク190を選択することで、図3に示す検査情報の一覧が表示装置32に表示されるようにしてもよい。
なお、上記の例では検査情報取得部106が、直近の同検査種別および異検査種別の検査情報を検査情報記憶部150から取得することを説明したが、取得する検査情報は、レポートが存在しているものに限ってもよい。既述したように、レポートが存在していない場合は、異常所見がみつからなかったような検査情報であることがあり、限られた履歴表示領域200に表示する検査情報としては、有益な情報とはならない可能性があるためである。そこで検査情報取得部106は、直近の検査情報であって、且つレポートが存在していることを示す存否情報を有する検査情報を取得してもよい。
図3を参照して、同検査種別である上部内視鏡検査に関して、検査番号3の検査情報においては「レポート存否」の項目に「なし」が設定されており、検査番号2の検査情報においては「レポート存否」の項目に「あり」が設定されている。したがって、レポートが存在していることが表示条件として設定されている場合には、検査情報取得部106は、検査番号2の検査情報を取得し、画面生成部108が、直近の同検査種別の検査情報として、同検査種別欄202に表示するようにする。
図6は、オーダ確認画面の別の例を示す。このオーダ確認画面においては、同検査種別欄202に、検査番号2で示される検査情報が表示されている。同検査種別欄202には、検査番号2のレポートへのリンク情報が設定され、たとえば医師が同検査種別欄202を選択すると、検査番号2のレポートが表示装置32に表示されるようにしてもよい。これにより医師は、直近の検査のレポートを容易に見ることができるようになる。
図7は、オーダ確認画面の別の例を示す。図6に示すオーダ確認画面においては、レポートが作成されていない検査番号3の検査情報が表示されていないが、図7に示すオーダ確認画面では、検査情報としては表示しないものの、検査番号3の検査情報が存在することが通知される。
画面生成部108は、検査オーダ情報が有する日付と、検査情報取得部106が取得した検査情報に含まれる検査実施日との間に、レポートが存在していないことを示す存否情報を有する検査情報が検査情報記憶部150に記憶されている場合に、検査オーダ情報が有する日付と最も近い検査実施日を有し、且つレポートが存在していない検査情報があることを示す通知情報206を含む確認画面を生成する。図3の例でいえば、検査オーダ情報が有する日付(検査番号5:2014年5月1日)と、検査情報取得部106が取得した同検査種別の検査情報に含まれる検査実施日(検査番号2:2014年1月1日)の間に、レポートが作成されていない検査実施日(検査番号3:2014年2月10日)を有する検査情報が存在している。この場合、画面生成部108は、同検査種別欄202に示した検査情報の前に、レポートが存在していない検査情報があることを示す通知情報206を、同検査種別欄202に関連付けて表示する。たとえば通知情報206には、検査番号3の検査情報へのリンク情報が設定され、医師が通知情報206を選択すると、検査番号3の検査情報がレポート確認画面上に重畳表示されるようにしてもよい。これにより医師は、レポートが作成されていないが、最も近い過去の検査情報を容易に見ることができるようになる。
以上のように画面制御部100は、オーダ一覧画面およびオーダ確認画面を生成して、表示装置32から出力する。上記した例では、画面制御部100の各機能ブロックが、端末装置30により実現されることを説明したが、各機能ブロックは、管理システム40において実現されてもよく、また端末装置30と管理システム40とが協働して実現してもよい。
画面制御部100において、検査情報取得部106は、検査情報記憶部150に含まれる検査実施日に入力された日付を参照して、これから行う検査に最も近い日付の検査情報を取得する。本実施例において検査情報記憶部150の「検査実施日」の項目には、撮像検出部122が撮像処理を検出した検出日が入力される。
撮像装置20は内視鏡スコープ12と内視鏡処理装置14とによって構成されているが、内視鏡スコープ12の種類によっては、撮像検出部122が、内視鏡スコープ12による撮像処理を検出できないこともある。また、別の撮像装置で撮像された検査画像を、検査情報管理装置46に外部画像として取り込む場合には、撮像検出部122が、当該別の撮像装置による撮像処理を検出することができない。撮像検出部122が撮像処理が行われたことを検出できなければ、日付入力部124が検査実施日を検査情報記憶部150に入力できないため、その検査情報の検査実施日の項目は、ブランクのままとなってなる。その場合には、検査情報取得部106が、検査情報の検査実施日を参照することができないため、検査実施日の項目には、何らかの日付を入力する必要がある。
そこで本実施例では、入力判定部126が、検査情報記憶部150に含まれる検査情報の「検査実施日」の項目を参照し、日付が入力されているか否かを判定する。たとえば、この判定を行うタイミングは、検査情報記憶部150が、撮像装置20とは異なる撮像装置で撮像された外部画像を記憶したときであってよい。入力判定部126は、外部画像を検査情報に関連付けて登録する際に、その検査情報の「検査実施日」の項目がブランクであれば、日付入力部124により日付が入力されていないことを判定する。また、判定を行うタイミングは、医師がレポートを作成するときであってもよく、入力判定部126は、医師が作成したレポートを検査情報に関連付けて登録する際に、その検査情報の「検査実施日」の項目がブランクであれば、日付入力部124により日付が入力されていないことを判定する。
日付入力部124は、入力判定部126により日付が入力されていないことが判定された場合に、検査予定日に入力されている日付を参照して、検査予定日に入力されている日付を検査実施日として検査情報記憶部150に入力する。ここで未入力の検査実施日を、検査予定日以外の日付、たとえば外部画像を取り込んだ日に設定すると、取り込み日が、実際の検査実施日よりも遅い可能性が否定できない。また未入力の検査実施日を、レポートが作成された日に設定すると、レポート作成日が、検査当日ではなく、その後である可能性が否定できない。そのため、本実施例のように検査予定日と検査実施日とを別個のフィールドで管理する場合に、撮像検出部122が撮像処理を検出せずに、検査実施日が入力されていない場合には、検査実施日のフィールドに、検査予定日の日付情報を入力することで、検査実施日がブランクのままとなる事態を回避する。
ここで検査予定日が変更になった場合であるが、既述したように検査オーダに変更があると、オーダ情報管理装置44は検査オーダを修正して、新たな検査オーダ情報を生成する。そのため、検査情報管理装置46に記憶されている検査情報においても、検査オーダの修正に合わせて検査予定日が修正されることとなり、この意味において検査予定日に入力されている日付は、非常に信頼性の高い情報であることがいえる。このため、検査予定日の日付を、未入力の検査実施日の日付とみなすことで、上記したように、直近の検査履歴をオーダ確認画面に適切に表示することが可能となる。
以上、本発明を、実施例をもとに説明した。この実施例は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
たとえばオーダ確認画面において、直近の検査履歴が同検査種別欄202および異検査種別欄204に表示されることを説明したが、同検査種別欄202および異検査種別欄204を設けるスペースが存在しない場合には、履歴表示領域200内における「同検査種別」、「異検査種別」の表示に、それぞれ直近の検査情報へのアクセスを可能とするリンクを設定してもよい。この場合、医師は、「同検査種別」ないしは「異検査種別」の表示を選択することで、それぞれの種別の検査情報を容易に見ることができるようになる。