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JP6160649B2 - 方向性電磁鋼板の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、結晶粒がミラー指数で板面に{110}面、圧延方向に<001>方位が集積したいわゆる方向性電磁鋼板の製造方法に関するものである。方向性電磁鋼板は、軟磁性材料であり、主に変圧器等の電気機器の鉄芯として用いられる。
方向性電磁鋼板は、二次再結晶焼鈍により、結晶粒を{110}<001>方位(以降、ゴス方位という)に集積させることで、優れた磁気特性を示すことが知られている(例えば、特許文献1参照)。
そして、磁気特性の指標としては、磁場の強さ:800A/mにおける磁束密度B8および励磁周波数:50Hzの交流磁場で1.7Tまで磁化したときの鋼板1kgあたりの鉄損W17/50が主に用いられている。
方向性電磁鋼板における低鉄損化手段の一つとして、二次再結晶焼鈍後の結晶粒をゴス方位に高度に集積させることが挙げられる。二次再結晶焼鈍後に、ゴス方位の集積度を高めるためには、先鋭なゴス方位粒のみが優先的に成長するように粒界易動度差をつけること、つまり一次再結晶板の集合組織を所定の組織に形成すること、およびインヒビタ−と呼ばれる析出物を利用してゴス方位以外の再結晶粒の成長を抑制することが重要である。
ここに、先鋭なゴス方位粒のみが優先成長できる所定の一次再結晶組織としては、{554}<225>方位粒、{12 4 1]<014>方位粒が知られている。これらの方位粒を、一次再結晶板のマトリックス中にバランス良くかつ高度に集積させることによって、二次再結晶焼鈍後にゴス方位粒を高度に集積させることができる。
例えば、特許文献2には、一次再結晶焼鈍板において、鋼板の表層近傍の集合組織が、Bungeのオイラー角表示で、φ1=0°、Φ=15°、φ2=0°の方位から10°以内、またはφ1=5°、Φ=20°、φ2=70°の方位から10°以内に極大方位を有し、かつ鋼板の中心層の集合組織が、同じくBungeのオイラー角表示で、φ1=90°、Φ=60°、φ2=45°の方位から5°以内に極大方位を有する場合に、安定して優れた磁気特性を示す二次再結晶焼鈍板が得られることが開示されている。
インヒビター利用技術としては、例えば特許文献1に、AlN、MnSを利用する方法が、また特許文献3に、MnS、MnSeを利用する方法が開示されており、いずれも工業的に実用化されている。
これらのインヒビターを用いる方法は、インヒビターの均一微細分散が理想状態であるが、その達成のためには熱延前のスラブ加熱を1300℃以上の高温で行わなければならない。しかしながら、高温スラブ加熱に伴い、スラブ結晶組織の過度な粗大化が起こる。スラブ組織は、主に熱延安定方位である{100}<011>方位であり、このようなスラブ組織の粗大化は、結果的に二次再結晶を大きく阻害し、磁気特性を大きく劣化させる原因となる。このため、インヒビターを用いた高温スラブ加熱型の方向性電磁鋼板では、熱延時のα−γ変態を利用して粗大スラブ組織を破壊する目的で、素材中にCを0.03〜0.08%程度含有させることが必須である。とはいえ、製品板中にCが残存すると製品板の磁気特性を著しく劣化させるため、熱延後のいずれかの工程において脱炭焼鈍を行い、製品板中のC量を0.003%以下程度に低減させることも必須となる。
このように、従来のインヒビターを用いた方向性電磁鋼板の製造方法においては、高温スラブ加熱に多大なエネルギーを要すること、また脱炭焼鈍工程を必要とすることなどから、製造コストが高くなるという問題があった。
上記の問題を解決すべく、例えば特許文献4には、スラブの加熱温度を1200℃以下の低いものとして、スラブ加熱段階では、インヒビター形成元素、例えばAl,N,Mn,S等の鋼中への固溶を完全には行わず、脱炭焼鈍後、強還元性雰囲気中、例えばNH3とH2の混合雰囲気中にて鋼板を走行させる状態下で焼鈍することにより、(Al,Si)Nを主組成とするインヒビターを形成することによって、低温スラブ加熱においても高温スラブ加熱並みの磁気特性を発現させる、いわゆる窒化処理技術が開示されている。
また、特許文献5には、C≦0.02%を含む珪素鋼スラブについて、粗熱延開始温度を1250℃以下とし、900℃以上での累積圧下率が80%以上で、かつ少なくとも1パスは35%以上の圧下を加えて再結晶熱延後、900℃以下での累積圧下率が40%以上となるような歪蓄積圧延を行うことにより、低C素材においてもスラブ組織を破壊する方法が開示されている。
しかしながら、この方法では、Al,N等のインヒビター元素を含有しているにもかかわらず、高温スラブ加熱を行っていないため、インヒビターの微細析出が起こらず、また上述したような窒化処理も施していないため、一次再結晶粒成長抑制力が不足し、磁気特性が劣化する問題があった。加えて、最終冷間圧延前の焼鈍後の冷却条件に規定がないため、固溶元素(C、N等)量の制御もできていなかった。
さらに、特許文献6には、C:0.0005〜0.004%を含む珪素鋼スラブについて、1000℃から1200℃の温度域で粗熱延を開始し、必要に応じて700℃から1100℃の温度域で短時間焼鈍を行ったのち、1回または中間焼鈍を挟む2回以上の冷間圧延を行い、850℃から1050℃の温度域で1秒以上200秒以内の加熱後、鋼板を走行せしめる状態で窒化処理を行う方法が開示されている。
しかしながら、この方法でも、やはりAl,N等のインヒビター元素を含有しているにもかかわらず、高温スラブ加熱を行っていないため、インヒビターの微細析出が起こらず、また上述したような窒化処理も施していないため、一次再結晶粒成長抑制力が不足し、磁気特性が劣化する問題があった。加えて、最終冷間圧延前の焼鈍後の冷却条件に規定がないため、固溶元素(C、N等)量の制御ができないところに問題を残していた。
一方、特許文献7では、そもそもスラブにインヒビター成分を含有させずに二次再結晶を発現させる技術について検討が進められ、インヒビター成分を含有させなくとも二次再結晶を生じさせることができる技術(インヒビターレス法)が開発された。このインヒビターレス法は、より高純度化した鋼を利用し、テクスチャー(集合組織の制御)によって二次再結晶を発現させる技術である。
インヒビターレス法では、高温でのスラブ加熱が不要であり、低コストで方向性電磁鋼板を製造することが可能であるが、インヒビターを有しないが故に製造時、途中工程での温度ばらつきなどの影響を受けて、製品で磁気特性にばらつきが生じやすいという問題があった。
また、この技術では、集合組織の制御が重要な要素であるため、集合組織制御のための温間圧延など多くの技術が提案されているが、この集合組織制御が十分に行えない場合は、インヒビターを用いる技術に比べると、二次再結晶後のゴス方位への集積度は低く、磁束密度も低くなる傾向にあった。
特公昭40−15644号公報 特開2001−60505号公報 特公昭51−13469号公報 特開平5-112827号公報 特開昭57−114614号公報 特開平6−346147号公報 特開2000−129356号公報
Materials Transactions, Vol.54 No.01 (2013) pp.14-21
上述したとおり、例えば特許文献2のような従来の一次再結晶集合組織制御技術は、インヒビターを用いた高温スラブ加熱型(加熱温度:1200℃以上)の製造技術であるため、熱延時のα−γ変態を利用して粗大スラブの組織を破壊する目的で、素材中にCを0.03〜0.08%程度含有させることが必須であるという制約があり、その制約の中での良好な範囲を規定する技術にすぎなかった。
本発明は、上記の問題を解決するもので、比較的多量のCを含有させるという制約なしに、ゴス方位粒を効果的に成長させて良好な磁気特性を得ることができ、かつ高歩留まり、低コスト、高生産性を有する方向性電磁鋼板の製造方法を提案することを目的とする。
さて、発明者らは、上記の課題を解決すべく、最終冷間圧延前の鋼板の固溶C量に着目して、鋭意検討を重ねた。
その結果、最終冷間圧延前の鋼板の固溶C量を極限まで低減することによって製品板の磁気特性が格段に向上することを見出した。
具体的には、スラブ中のC量を質量%で0.0005%以上0.005%以下、Si量を質量%で2.0以上4.5%以下の範囲に制限するとともに、最終冷間圧延の直前の加熱工程後の800〜200℃間の平均冷却速度を、スラグ中の固溶C量およびSi量との関係で適正範囲に制御することで、最終冷間圧延前の鋼板の時効指数AI(Aging Index)を70MPa以下とすることができ、これにより磁気特性が向上することが明らかとなった。
さらに、一次再結晶焼鈍の昇温速度を10℃/s以上200℃/s以下に調整することにより、一次再結晶焼鈍板の板厚中心層の集合組織について、ランダム強度に対する{554}<225>強度比が12以上で、かつ{554}<225>強度の{111}<110>強度に対する比を7以上とすることができ、これにより磁気特性が一層向上することが明らかとなった。
前述したとおり、これまで提案されてきた製造方法では、良好な磁気特性を安定的に実現することが難しい場合があった。
本発明は、sol.Alを100ppm未満に抑制したインヒビターレス成分に準じた成分を用い、高温スラブ加熱を回避しつつ、窒化を適用することでAlNではなく窒化珪素(Si3N4)を析出させて、正常粒成長の抑制力として機能させることにより、特性のバラつきを大幅に低減し、工業的に安定して良好な特性を有する方向性電磁鋼板の製造を可能ならしめたものである。
本発明は、上記の知見に立脚するもので、その要旨構成は次のとおりである。
1.質量%で、C:0.0005〜0.005%、Si:2.0〜4.5%、Mn:0.005〜0.3%、Sおよび/またはSe(合計):0.05%以下、sol.Al:0.010%未満、N:(14.00/26.98)×[%sol.Al]以上、0.008%以下を含有し、残部はFeおよび不可避的不純物の組成からなる鋼スラブを、加熱後、熱間圧延し、必要に応じて熱延板焼鈍を施したのち、1回または中間焼鈍を挟む2回以上の冷間圧延により最終板厚とし、ついで一次再結晶焼鈍を施し、さらに二次再結晶焼鈍を施す一連の工程によって方向性電磁鋼板を製造するにあたり、
下記(1)式から算出される固溶C量パラメーターXを用い、最終冷間圧延の直前の加熱工程後の800〜200℃間の平均冷却速度R(℃/s)を、下記(2)式から算出される上限平均冷却速度RH以下とすることで、最終冷間圧延前の鋼板の時効指数AIを70MPa以下とすることを特徴とする方向性電磁鋼板の製造方法。

X=[%Si]/28.09+100[%C]/12.01 ・・・ (1)
H =10/X ・・・ (2)
但し、(1)式中、[%M]はM元素の含有量を示す(質量%)
2.前記一次再結晶焼鈍の500〜700℃間の平均昇温速度を10℃/s以上200℃/s以下に調整することにより、一次再結晶焼鈍板の板厚中心層の集合組織について、ランダム強度に対する{554}<225>強度の比を12以上、かつ{554}<225>強度の{111}<110>強度に対する比を7以上とすることを特徴とする前記1に記載の方向性電磁鋼板の製造方法。
3.前記鋼スラブが、質量%でさらに、Ni:0.005〜1.5%、Sn:0.005〜0.50%、Sb:0.005〜0.50%、Cu:0.005〜1.5%、Cr:0.005〜0.10%、P:0.005〜0.50%およびMo:0.005〜0.50%のうちから選んだ1種または2種以上を含有することを特徴とする前記1または2に記載の方向性電磁鋼板の製造方法。
4.前記鋼スラブが、質量%でさらに、Ti:0.001〜0.1%、Nb:0.001〜0.1%およびV:0.001〜0.1%のうちから選んだ1種または2種以上を含有することを特徴とする前記1〜3のいずれか一項に記載の方向性電磁鋼板の製造方法。
5.前記一次再結晶焼鈍から前記二次再結晶焼鈍までのいずれかの段階で追加インヒビター処理を施すことを特徴とする前記1〜4のいずれか一項に記載の方向性電磁鋼板の製造方法。
6.前記追加インヒビター処理として、窒化処理を施すことを特徴とする前記5に記載の方向性電磁鋼板の製造方法。
7.前記追加インヒビター処理として、二次再結晶焼鈍前に鋼板に塗布する焼鈍分離剤中に硫化物、硫酸塩、セレン化物およびセレン酸塩のうちから選んだ一種または二種以上を添加することを特徴とする前記5に記載の方向性電磁鋼板の製造方法。
8.前記最終冷間圧延以降のいずれかの段階で、磁区細分化処理を施すことを特徴とする前記1〜7のいずれか一項に記載の方向性電磁鋼板の製造方法。
9.前記磁区細分化処理が、二次再結晶焼鈍後の鋼板への電子ビーム照射によるものである前記8に記載の方向性電磁鋼板の製造方法。
10.前記磁区細分化処理が、二次再結晶焼鈍後の鋼板へのレーザー照射によるものである前記8に記載の方向性電磁鋼板の製造方法。
本発明によれば、製品板においてゴス方位に強く集積するように一次再結晶板集合組織を制御することができ、そのため、二次再結晶焼鈍後に、従来にも増して優れた磁気特性を有する方向性電磁鋼板を製造することが可能となる。特に、高磁束密度化が困難とされる板厚:0.23mmのような薄い鋼板であっても、二次再結晶焼鈍後の磁束密度B8が1.92T以上という優れた磁気特性を得ることができる。
また、一次再結晶焼鈍の500〜700℃間の平均昇温速度を10℃/s以上200℃/s以下に調整することで、磁束密度B8が1.93T以上という優れた磁気特性を得ることができる。
さらに、追加インヒビター処理を施した場合には、磁束密度B8がそれぞれ1.94T以上、さらには1.95T以上という極めて優れた磁気特性を得ることができる。
しかも、磁区細分化処理後の鉄損W17/50が0.70W/kg以下という優れた鉄損特性を達成することができる。
さらに特筆すべきは、スラブ加熱温度の低温化、また場合によっては脱炭焼鈍の省略化、さらにコイルの長手方向、幅方向および板厚方向での均一組織化による製品歩留りの向上により、低コスト化を達成できる。
加えて、低C化による圧延荷重低減により極薄材の製造が可能となり、コストの増加なしに更なる低鉄損化が可能となる。
熱延板焼鈍板(熱延板焼鈍後、最終冷間圧延前の鋼板)の時効指数AIに及ぼす熱延板焼鈍後の冷却速度の影響を示したグラフである。 一次再結晶焼鈍板の板厚中心層の対ランダム強度比に及ぼす熱延板焼鈍板の時効指数AIの影響を示したグラフである。 製品板の磁束密度B8に及ぼす熱延板焼鈍板の時効指数AIの影響を示したグラフである。 一次再結晶焼鈍板の板厚中心層の対ランダム強度比に及ぼす一次再結晶焼鈍時における500〜700℃間の昇温速度の影響を示したグラフである。 製品板の磁束密度B8に及ぼす一次再結晶焼鈍板の板厚中心層の対ランダム強度比の影響を示したグラフである。
以下、本発明を具体的に説明する。
まず、本発明に至った実験について説明する。なお、鋼板成分に関する「%」表示は特に断らない限り質量%を意味するものとする。
残部はFeおよび不可避的不純物からなる3種類の鋼、鋼A(C:0.0009%、Si:2.91%、Mn:0.08%、S:0.003%、Se:0.008%、sol.Al:0.0057%、N:0.0034%)、鋼B(C:0.0024%、Si:3.44%、Mn:0.07%、S:0.004%、Se:0.008%、sol.Al:0.0062%、N:0.0035%)および鋼C(C:0.0042%、Si:3.97%、Mn:0.07%、S:0.003%、Se:0.008%、sol.Al:0.0061%、N:0.0033%)のスラブを、1200℃に加熱したのち、2.3mm厚まで熱間圧延した。ついで、1000℃で60sの熱延板焼鈍後、800〜200℃間を平均冷却速度:20〜100℃/sで冷却したのち、0.23mm厚まで冷間圧延してから、800℃で30sの一次再結晶焼鈍を施した。この一次再結晶焼鈍時での500〜700℃間の昇温速度は30℃/sとした。
ついで、鋼板表面にMgOを主成分とする焼鈍分離剤を塗布してから、1200℃で50時間の純化焼鈍を兼ねた二次再結晶焼鈍を行い、引き続きリン酸塩系の絶縁張力コーティングの塗布、焼付けと鋼帯の平坦化を目的とする平坦化焼鈍を施して製品とし、それぞれの条件下での試験片を得た。
図1に、熱延板焼鈍板(最終冷間圧延前の鋼板)の時効指数AI(Aging Index)に及ぼす熱延板焼鈍後の冷却速度の影響について調べた結果を示す。
なお、時効指数AIについては、最終冷延前の鋼板の板厚全厚サンプルからJIS Z 2241に準拠して5号引張試験片を切り出し、初期ひずみ速度1×10-3で公称ひずみ7.5%まで予ひずみを付与した後、100℃で30分の熱処理を施し、再度初期ひずみ速度1×10-3で引張試験を行い、焼鈍後試験時の降伏応力(降伏点現象が起こる場合は下降伏点)から7.5%予ひずみ付与時の引張応力を減じた値とした。
ここで、固溶C量パラメーターとして次式(1)に示したXを設定し、このXを用いて、各鋼板の熱延板焼鈍後の800〜200℃間における平均冷却速度の上限値RHを次式(2)に示すように設定したとき、鋼A、B、Cの鋼組成から算出される熱延板焼鈍後の800〜200℃間の本発明の上限平均冷却速度RHはそれぞれ、90℃/s、70℃/s、57℃/sとなる。
X=[%Si]/28.09+100[%C]/12.01 ・・・ (1)
H =10/X ・・・ (2)
図1に示したとおり、素材C量が減少するにつれて時効指数AIは低減した。そして、熱延板焼鈍後の800〜200℃間の平均冷却速度RがR≦RHを満足する場合には、時効指数AIは70MPa以下となった。
次に、図2に、一次再結晶焼鈍板(一次再結晶焼鈍後の鋼板)の板厚中心層の対ランダム強度比({554}<225>強度、および{554}<225>強度の{111}<110>強度に対する比)に及ぼす熱延板焼鈍板の時効指数AIの影響について調べた結果を示す。
一次再結晶焼鈍板の結晶方位については、板厚中心層まで研磨して減厚したサンプルを10%硝酸で30秒間エッチングし、X線シュルツ法にて(110)、(200)、(211)面を測定し、そのデータからODF(Orientation Distribution Function)解析を行い、各結晶方位の強度を算出した。解析にはResMat社のソフトウェアTextoolsを用い、ADC(Arbitrarily Defind Cell)法で算出した。ランダム強度に対する{554}<225>方位の強度比については、Bungeのオイラー角表示で(φ1、Φ、φ2)=(90、60、45)、また{111}<110>方位の強度比については(φ1、Φ、φ2)=(60、55、45)とした。
図2に示したとおり、熱延板焼鈍板の時効指数AIの低減に伴い、一次再結晶焼鈍板の板厚中心層の{554}<225>強度が増加し、{554}<225>強度の{111}<110>強度に対する比も増加した。
次に、図3に、製品板の磁束密度B8に及ぼす熱延板焼鈍板の時効指数AIの影響について調べた結果を示す。
図3に示したとおり、熱延板焼鈍板の時効指数AIの低減に伴い、磁束密度は向上した。特に、AI≦70MPaに制御することで磁束密度B8≧1.92Tとなった。
さらに、一次再結晶焼鈍時の昇温速度の影響について詳細に検討した。
C:0.0037%、Si:3.26%、Mn:0.08%、sol.Al:0.004%、N:0.0027%、S:0.005%およびSe:0.017%を含有し、残部はFeおよび不可避的不純物からなる種々のスラブを、1180℃に加熱したのち、2.5mmの厚みまで熱間圧延した。ついで、1000℃で60sの熱延板焼鈍後、800〜200℃間を、平均冷却速度:30℃/sで冷却した。ここで、X=[%Si]/28.09+100[%C]/12.01とすると、鋼組成から算出される熱延板焼鈍後の800〜200℃間の本発明の上限平均冷却速度RH (=10/X)は68℃/sとなる。ついで、0.23mm厚まで冷間圧延してから、800℃で20sの一次再結晶焼鈍を施した。一次再結晶焼鈍時における500〜700℃間の昇温速度を、10〜300℃/sの範囲で種々変化させた。
ついで、鋼板表面にMgOを主成分とする焼鈍分離剤を塗布してから、1220℃で50時間の純化焼鈍を兼ねた二次再結晶焼鈍を行い、引き続きリン酸塩系の絶縁張力コーティングの塗布、焼付けと鋼帯の平坦化を目的とする平坦化焼鈍を施して製品とし、それぞれの条件下での試験片を得た。
図4に、一次再結晶焼鈍板の板厚中心層の対ランダム強度比({554}<225>強度、および{554}<225>強度の{111}<110>強度に対する比)に及ぼす一次再結晶焼鈍時における500〜700℃間の昇温速度の影響について調べた結果を示す。
図4に示したとおり、一次再結晶焼鈍時における500〜700℃間の昇温速度が低下するに伴って、一次再結晶焼鈍板の板厚中心層の{554}<225>強度が増加し、{554}<225>強度の{111}<110>強度に対する比も増加した。また、一次再結晶焼鈍の昇温速度を200℃/s以下にすることで{554}<225>強度比を12以上、かつ{554}<225>強度の{111}<110>強度に対する比を7以上とすることができた。
図5に、製品板の磁束密度(B8)に及ぼす一次再結晶焼鈍板の板厚中心層の対ランダム強度比({554}<225>強度、および{554}<225>強度の{111}<110>強度に対する比)の影響ついて調べた結果を示す。
同図に示されるとおり、一次再結晶焼鈍板の板厚中心層において{554}<225>強度比を12以上、かつ{554}<225>強度の{111}<110>強度に対する比を7以上とすることで、磁束密度(B8)≧1.93Tとなった。
以上の結果より、製品板の高磁束密度化には、熱延板焼鈍後の800〜200℃間の冷却速度を、素材C量およびSi量より算出される上限平均冷却速度RH以下に制御することで、最終冷延前における鋼板の時効指数AIを低減できること、つまり固溶C量を低減させることが重要であることが明らかとなった。
加えて、一次再結晶焼鈍の500〜700℃間の平均昇温速度を200℃/s以下に調整し、一次再結晶焼鈍板の板厚中心層において、{554}<225>強度比を12以上、かつ{554}<225>強度の{111}<110>強度に対する比を7以上とすることで、さらに高磁束密度化できることが明らかとなった。
最終冷間圧延前における鋼板の時効指数の低減、すなわち固溶C量の減少に伴い、一次再結晶焼鈍板の{554}<225>強度、および{554}<225>強度の{111}<110>強度に対する比が増加した理由については必ずしも明確ではないが、発明者らは以下のように考えている。
素材C量が低減すると、粒内の固溶C量が減少すると共に、粒界への炭化物の析出量が減少するため、粒界拘束力が低減し、その結果、冷間圧延時のせん断帯による局所変形領域が減少し、先鋭な冷間圧延集合組織が形成される。また、熱延板焼鈍後の800〜200℃間の冷却速度を、素材C量およびSi量より算出される上限平均冷却速度RH以下に制御することで、最終冷延前における鋼板の時効指数AIを効果的に低減させることができる結果、一次再結晶焼鈍において主方位である{554}<225>が先鋭化したものと考えられる。
一次再結晶焼鈍の昇温速度を200℃/s以下に調整することにより、一次再結晶焼鈍板の{554}<225>強度、および{554}<225>強度の{111}<110>強度に対する比が増加した理由については必ずしも明確ではないが、発明者らは以下のように考えている。
一次再結晶焼鈍時には、圧延で蓄積されたエネルギーが各結晶方位で異なることから、蓄積エネルギーの高い方位から再結晶が開始することが知られている。一次再結晶焼鈍の昇温速度を増加させることはこの蓄積エネルギー差をなくす方向に作用し、一次再結晶集合組織はランダム化する方向であるため、本発明の技術思想とは逆の効果をもたらすことになる。よって、昇温速度は低速側が好ましく、本発明では、500〜700℃間における昇温速度が200℃/s以下であれば、良好な一次再結晶集合組織が形成されることが明らかとなった。より好ましくは、500〜700℃間を10℃/s以上100℃/s以下である。なお、昇温速度の下限については、連続焼鈍を想定して、短時間で一次再結晶が完了する速度が好ましく、この観点から10℃/sとした。
また、一次再結晶焼鈍板の{554}<225>強度および{554}<225>/{111}<110>強度比の増加に伴い二次再結晶焼鈍板(二次再結晶焼鈍後の鋼板)の磁束密度が向上した理由については必ずしも明確ではないが、発明者らは以下のように考えている。
非特許文献1にあるように、高エネルギー粒界説による二次再結晶理論に立脚すれば、方位差角が25°〜40°の粒界が高易動度である。つまり、ゴス方位に対して25°〜40°を有する一次再結晶集合組織を形成することで二次再結晶時に先鋭なゴス方位が選択されることになる。ゴス方位に対する方位差角は、{554}<225>については29.5°、{111}<110>については46.0°である。一方、ゴス方位からND//<110>を軸として20°回転した方位に対する方位差角は、{554}<225>については35.5°、{111}<110>については36.6°である。つまり、{111}<110>一次再結晶粒の存在は、二次再結晶核選択時にゴス方位からND//<110>を軸としてずれた方位粒の選択を促進することになり、製品板の磁気特性の劣化を引き起こす。よって、二次再結晶焼鈍板の高磁束密度化を達成するには、{554}<225>一次再結晶粒を増加させると共に、{111}<110>を減少させることが本質であると考えられる。
一次再結晶焼鈍時には、圧延で蓄積されたエネルギーが各結晶方位で異なることから、蓄積エネルギーの高い方位から再結晶が開始することが知られている。一次再結晶焼鈍の昇温速度を増加させることはこの蓄積エネルギー差をなくす方向に働き、一次再結晶集合組織はランダム化する方向であるため、本発明の技術思想とは逆の効果をもたらすことになる。よって、昇温速度は低速側が好ましく、本発明では、500〜700℃間における昇温速度が200℃/s以下であれば、良好な一次再結晶集合組織が形成されることが明らかとなった。一方、昇温速度の下限については、連続焼鈍を想定して、短時間で一次再結晶が完了する速度が好ましく、この観点から10℃/sとした。
また、sol.Alが0.01%未満の成分系において、窒化により特性のバラツキが抑制され、さらに良好な磁気特性が発現した理由については、必ずしも明確ではないが、以下のように考えている。
すなわち、従来のAlNの粒内析出型インヒビターに対し、本発明では方向性電磁鋼板で一般に数%程度含有される珪素を途中工程での窒化処理により窒化珪素(Si3N4)として析出させ、インヒビターとして利用することで、窒化物形成元素(Al、Ti、Cr、V等)の多寡によらず同等の粒成長抑制力が得られている。窒化珪素は、AlN中にSiが固溶した(Al, Si)Nとは異なり、鋼の結晶格子との整合性が悪く、また共有結合性の複雑な結晶構造を有するため、粒内に微細に析出させることは極めて困難であることが知られており、本発明鋼においても粒界に選択的に粗大析出している。また、従来のAlNの粒内析出型に対して、多量に含有している珪素を利用した本発明鋼では析出量自体も増大しており、全長全厚において均一なインヒビション効果を付与でき、特性バラツキが抑制されるものと考えられる。
以下、素材である鋼スラブの成分組成について説明する。
C:0.0005%以上0.005%以下
Cは、本発明における特徴の1つである。前述したとおり、特性の向上および脱炭焼鈍の省略等の観点からからは、C量は低ければ低いほど好ましいので、0.005%以下に限定した。一方、成分調整時の脱炭負荷増大によるコストアップおよび現代における精錬技術を考慮し、現実的な含有量として0.0005%を下限とした。ただし、0.005%を超える場合も、最終冷間圧延前に析出処理、具体的には100〜500℃で長時間焼鈍したのち、炉冷程度の徐冷を施すことで固溶C量を低減することができれば、本発明と同等の効果を発揮することもできる。
Si:2.0%以上4.5%以下
Siは、鋼の電気抵抗を増大させ、鉄損の一部を構成する渦電流損を低減するのに極めて有効な元素である。鋼板に、Siを添加していった場合、含有量が11%までは、電気抵抗が単調に増加するものの、含有量が4.5%を超えたところで、加工性が著しく低下する。一方、含有量が2.0%未満では、電気抵抗が小さくなり良好な鉄損特性を得ることができない。そのため、Si量は2.0%以上4.5%以下とした。
Mn:0.005%以上0.3%以下
Mnは、SやSeと結合してMnSやMnSeを形成し、これらのMnSやMnSeが二次再結晶焼鈍の昇温過程において正常粒成長を抑制するインヒビターとして作用する。しかしながら、Mn量が0.005%に満たないと、インヒビターの絶対量が不足するために、正常粒成長の抑制力不足となる。一方、Mn量が0.3%を超えると、熱延前のスラブ加熱過程において、Mnを完全固溶させるためには高温でのスラブ加熱が必要となるだけでなく、インヒビターが粗大析出してしまうために、正常粒成長の抑制力が低下する。そのため、Mn量は0.005%以上0.3%以下とした。
Sおよび/またはSe(合計):0.05%以下
SおよびSeは、Mnと結合してインヒビターを形成するが、1種または2種の合計含有量が0.001%未満では、微量インヒビターとしての絶対量が不足し、正常粒成長の抑制力不足となるので、SやSeは0.001%以上含有させることが好ましい。一方、含有量が0.05%を超えると、二次再結晶焼鈍において、脱S、脱Seが不完全となるため、鉄損劣化を引き起こす。そのため、SおよびSeのうちから選んだ1種または2種は、合計量で0.05%以下とした。なお、SやSeの添加効果をより効果的に発揮させるためには0.01%以上とすることが好ましい。
sol.Al:0.010%未満
Alは、表面に緻密な酸化膜を形成し、窒化の際にその窒化量の制御を困難にしたり、脱炭も阻害することがあるため、Alはsol.Al量で0.010%未満に抑制する。但し、酸素親和力の高いAlは、製鋼で微量添加することにより鋼中の溶存酸素量を低減し、特性劣化につながる酸化物系介在物の低減などを見込めるので、この観点からはsol.Alを0.003%以上含有させることが好ましく、これにより磁気特性の劣化を抑制することができる。
N:(14.00/26.98)×[%sol.Al]以上、0.008%以下
本発明では、窒化珪素を析出させることが特徴であるため、含有するAl量に対してAlNとして析出するN以上のNを事前に含有させておくことが肝要である。AlNはそれぞれ1:1で結合しているため、原子量比で1以上のN、すなわちAl含有量[%sol.Al]に対し(14.00/26.98)以上のNを含有させておくことで、鋼中に含まれる微量Nを窒化珪素として析出させることができる。一方で、Nは、スラブ加熱時にフクレなどの欠陥の原因となることもあるため、0.008%以下に抑制する必要がある。望ましくは0.006%以下である。
以上、本発明の基本成分について説明したが、本発明では、その他にも必要に応じて、以下に示す元素を適宜含有させることができる。
Ni:0.005%以上1.5%以下
Niは、オーステナイト生成元素であるため、オーステナイト変態を利用することで熱延板組織を改善し、磁気特性を向上させる上で有用な元素である。しかしながら、含有量が0.005%未満では、磁気特性の向上効果が小さく、一方含有量が1.5%超では、加工性が低下するため通板性が悪くなるほか、二次再結晶が不安定となり磁気特性が劣化するので、Niは0.005〜1.5%の範囲とした。
Sn:0.005%以上0.50%以下、Sb:0.005%以上0.50%以下、Cu:0.005%以上1.5%以下、Cr:0.005%以上0.10%以下、P:0.005%以上0.50%以下およびMo:0.005%以上0.50%
以下
Sn、Sb、Cu、Cr、PおよびMoはいずれも、磁気特性向上に有用な元素であるが、それぞれの含有量が上記範囲の下限値に満たないと、磁気特性の改善効果が乏しく、一方それぞれの含有量が上記範囲の上限値を超えると、二次再結晶が不安定になり磁気特性の劣化を招く。従って、Snは0.005%以上0.50%以下、Sbは0.005%以上0.50%以下、Cuは0.005%以上1.5%以下、Crは0.005%以上0.10%以下、Pは0.005%以上0.50%以下およびMoは0.005%以上0.50%以下の範囲でそれぞれ含有させることにした。
Ti:0.001%以上0.1%以下、Nb:0.001%以上0.1%以下およびV:0.001%以上0.1%以下
Ti、NbおよびVはいずれも、炭化物および窒化物として析出し、固溶CおよびNの低減に有効な元素であるが、それぞれの含有量が上記範囲の下限値に満たないと、磁気特性改善効果が乏しく、一方それぞれの含有量が上記範囲の上限値を超えると、製品板に残存した当該元素から成る析出物が鉄損の劣化を引き起こす。従って、Tiは0.001%以上0.1%以下、Nbは0.001%以上0.1%以下およびVは0.001%以上0.1%以下の範囲でそれぞれ含有させることにした。
次に、本発明の製造方法について説明する。
上記の成分組成を有する鋼スラブを、スラブ加熱後、熱間圧延を行う。スラブ加熱温度は1200℃以下とする。スラブ加熱温度の低温化に伴い、スラブ粒径の微細化および熱間圧延時の蓄積ひずみ量が増大するため、熱延板組織の微細化に有効となるためである。
熱間圧延後、必要であれば、熱延板焼鈍することで熱延板組織の改善を行う。この時の熱延板焼鈍は、均熱温度:800℃以上1200℃以下、均熱時間:2s以上300s以下の条件で行うことが好ましい。
熱延板焼鈍の均熱温度が800℃未満では、熱延板組織の改善が完全ではなく、未再結晶部が残存するため、所望の組織を得ることができないおそれがある。一方、均熱温度が1200℃超では、AlN、MnSeおよびMnSの溶解が進行し、二次再結晶過程でインヒビターの抑制力が不足して、二次再結晶しなくなる結果、磁気特性の劣化を引き起こすこととなる。従って、熱延板焼鈍の均熱温度は800℃以上1200℃以下とすることが好ましい。
また、均熱時間を2sに満たないと、高温保持時間が短いために、未再結晶部が残存し、所望の組織を得ることができなくなるおそれがある。一方、均熱時間が300sを超えると、AlN、MnSeおよびMnSの溶解が進行し、微量インヒビターの効果が弱まり、窒化処理前組織の不均質化が進行する結果、二次再結晶焼鈍板の磁気特性が劣化する。従って、熱延板焼鈍の均熱時間は2s以上300s以下とすることが好ましい。
後述の中間焼鈍を行わない場合、熱延板焼鈍後の冷却処理は、本発明の特徴の一つであり、前述した実験のとおり、熱延板焼鈍後の800〜200℃間の冷却速度を、素材C量およびSi量より算出される上限平均冷却速度RH以下に制御することで、最終冷間圧延前の鋼板の時効指数AIを70MPa以下まで低減することができ、これにより良好な磁気特性を得ることができる。
なお、冷却時における平均冷却速度を制御すべき温度域を800〜200℃間としたのは、この温度域が炭化物(Fe3C,ε-カーバイド等)や窒化物(AlN,Si3N4等)の析出温度域だからであり、この温度域における平均冷却速度を調整することによって、CやNの固溶を効果的に低減できるからである。
本発明では、最終冷間圧延前の固溶C量を低減することが重要であるので、熱延板焼鈍を施さず、かつ1回の冷間圧延によって最終板厚まで圧延する(すなわち中間焼鈍を行わない)場合には、熱延板の固溶C量の低減が重要となる。すなわち、この場合、熱間圧延後の800〜200℃間の平均冷却速度R(℃/s)を素材C量およびSi量により算出される上限平均冷却速度RH以下に制御すればよい。
本発明では、熱延板焼鈍を行わず、鋼板を、中間焼鈍を挟む2回以上の冷間圧延によって最終板厚まで圧延してもよい。この場合、中間焼鈍は、熱延板焼鈍と同じ思想で、均熱温度:800℃以上1200℃以下、均熱時間:2s以上300s以下とすることが好ましい。また、この場合も、中間焼鈍後の800〜200℃間の冷却速度を、素材C量およびSi量より算出される上限平均冷却速度RH以下とすることで、最終冷間圧延前の鋼板の時効指数AIを70MPa以下まで低減することができ、これにより良好な磁気特性を得ることができる。
このように本発明では、中間焼鈍を行う場合には中間焼鈍後の800〜200℃間の冷却速度を、中間焼鈍を行わず熱延板焼鈍を行う場合には熱延板焼鈍後の800〜200℃間の冷却速度を、中間焼鈍も熱延板焼鈍も行わない場合には熱間圧延後の800〜200℃間の平均冷却速度を、素材C量およびSi量より算出される上限平均冷却速度RH以下とする。すなわち、最終冷間圧延の直前の加熱工程の800〜200℃間の平均冷却速度を制御することが肝要である。
冷間圧延については、最終冷間圧延における圧下率を80%以上95%以下とすることで、より良好な一次再結晶焼鈍板集合組織を得ることができる。
上記の冷間圧延後、好ましくは均熱温度:700℃以上1000℃以下で一次再結晶焼鈍を施す。また、この一次再結晶焼鈍は、例えば湿水素雰囲気中で行えば、鋼板の脱炭も兼ねさせることができる。
ここに、一次再結晶焼鈍における均熱温度が700℃未満では、未再結晶部が残存し、所望の組織を得ることができないおそれがある。一方、均熱温度が1000℃超では、ゴス方位粒の二次再結晶が起こってしまう可能性がある。従って、一次再結晶焼鈍における均熱温度は700℃以上1000℃以下とすることが好ましい。
そして、一次再結晶焼鈍の昇温速度については、前述した実験のとおり、500〜700℃間を10℃/s以上200℃/s以下とすることで、より良好な磁気特性を得ることができる。好ましくは、500〜700℃間を10℃/s以上100℃/s以下の低昇温速度側である。
ここに、昇温速度調整を行うべき温度域を500〜700℃間としたのは、この温度域が再結晶粒が核発生する温度域だからである。
さらに、本発明では、一次再結晶焼鈍から二次再結晶焼鈍までのいずれかの段階で追加インヒビター処理として窒化処理を適用することができる。この窒化処理は、一次再結晶焼鈍後、アンモニア雰囲気中で熱処理を行うガス窒化や、塩浴中で熱処理を行う塩浴窒化、さらにはプラズマ窒化や、窒化物を焼鈍分離剤中に含有させたり、二次再結晶焼鈍雰囲気を窒化雰囲気とするなどの公知の技術が適用できる。
その後、必要であれば鋼板表面にMgOを主成分とする焼鈍分離剤を塗布したのち、二次再結晶焼鈍を行う。本発明においては、追加インヒビター処理として、焼鈍分離剤中に硫化物や硫酸塩、セレン化物およびセレン酸塩のうちから選んだ一種または二種以上を添加することができる。当該添加物は二次再結晶焼鈍中に分解したのち、鋼中に浸硫、浸セレンし、インヒビション効果をもたらす。二次再結晶焼鈍の焼鈍条件についても、特に制限はなく、従来公知の焼鈍条件で行えば良い。なお、この時の焼鈍雰囲気を水素雰囲気とすると、純化焼鈍も兼ねることができる。その後、絶縁被膜塗布工程および平坦化焼鈍工程を経て、所望の方向性電磁鋼板を得る。この時の絶縁被膜塗布工程および平坦化焼鈍工程の製造条件についても、特段の規定はなく、常法に従えば良い。
上記の条件を満たして製造された方向性電磁鋼板は、二次再結晶後に極めて高い磁束密度を有し、併せて低い鉄損特性を有する。ここに、高い磁束密度を有するということは二次再結晶過程においてジャストゴス近傍の方位のみが優先成長したことを示している。ジャストゴス近傍になるほど、二次再結晶粒の成長速度は増大することが知られていることから、高磁束密度化するということは潜在的に二次再結晶粒径が粗大化することを示しており、ヒステリシス損低減の観点からは有利であるが、渦電流損低減の観点からは不利となる。
従って、このような本技術における鉄損低減という最終目標に対しての相反する事象を解決するために、磁区細分化処理を施すことが好ましい。本技術に適切な磁区細分化処理を施すことで、二次再結晶粒径粗大化により不利となっていた渦電流損が低減し、ヒステリシス損の低減と併せて、極めて低い鉄損特性を得ることができる。
磁区細分化処理としては、公知の全ての耐熱型または非耐熱型の磁区細分化処理が適用できるが、二次再結晶焼鈍後の鋼板表面に電子ビームまたはレーザーを照射する方法を用いれば、鋼板板厚内部まで磁区細分化効果を浸透させることができるので、エッチング法などの他の磁区細分化処理よりも極めて低い鉄損特性を得ることができる。
(実施例1)
表1に示す成分組成からなる鋼スラブを、1150℃に加熱したのち、2.3mm厚まで熱間圧延した。ついで、1020℃で60sの熱延板焼鈍後、800〜200℃間を平均冷却速度:30℃/sで冷却したのち、0.23mm厚まで冷間圧延してから、820℃で10sの一次再結晶焼鈍を施した。この一次再結晶焼鈍時における500〜700℃間の昇温速度は20℃/sとした。
ついで、鋼板表面にMgOを主成分とする焼鈍分離剤を塗布してから、1180℃で50時間の純化焼鈍を兼ねた二次再結晶焼鈍を行い、引き続きリン酸塩系の絶縁張力コーティングの塗布、焼付けと鋼帯の平坦化を目的とする平坦化焼鈍を施して製品とした。
かくして得られた製品板の磁気特性について調べた結果を、表1に併記する。また、表1には、最終冷間圧延前鋼板、すなわち熱延板焼鈍板の時効指数AIおよび一次再結晶焼鈍後の板厚中心層の集合組織について調べた結果も併せて示す。
Figure 0006160649
表1に示したように、最終冷間圧延前の鋼板、すなわち熱延板焼鈍板の時効指数AIを70MPa以下とし、一次再結晶焼鈍板の板厚中心層の集合組織について、ランダム強度比で{554}<225>強度≧12で、かつ{554}<225>強度/{111}<110>強度≧7とすることで、二次再結晶焼鈍板の磁束密度B8≧1.92Tを達成することができた。
(実施例2)
表1中、No.2および、No.4の鋼スラブを、1150℃に加熱したのち、表2に示す種々の厚みまで熱間圧延した。ついで、1020℃で60sの熱延板焼鈍後、800〜200℃間を平均冷却速度:10℃/sで冷却したのち、0.20mm厚まで冷間圧延してから、820℃で120sの一次再結晶焼鈍を施した。この一次再結晶焼鈍時における500〜700℃間の昇温速度は40℃/sとした。
ついで、鋼板表面にMgOおよびMgO:100質量部に対して10質量部のMgSO4を添加した焼鈍分離剤を塗布してから、1180℃で50時間の純化焼鈍を兼ねた二次再結晶焼鈍を行い、引き続きリン酸塩系の絶縁張力コーティングの塗布、焼付けと鋼帯の平坦化を目的とする平坦化焼鈍を施して製品とした。
かくして得られた製品板の磁気特性について調べた結果を、表2に併記する。また、表2には、熱延板焼鈍板の時効指数AIおよび一次再結晶焼鈍後の板厚中心層の集合組織について調べた結果も併せて示す。
Figure 0006160649
表2に示したように、最終冷間圧延前の鋼板すなわち熱延板焼鈍板のAI値を70MPa以下とし、一次再結晶焼鈍板の板厚中心層の集合組織について、ランダム強度比で{554}<225>強度≧12、かつ{554}<225>強度/{111}<110>強度≧7とすることで、二次再結晶焼鈍板の磁束密度B8≧1.95Tを達成することができた。さらに、最終冷延圧下率の増加に伴い、一次再結晶焼鈍板の板厚中心層の{554}<225>強度のみならず、{554}<225>強度/{111}<110>強度の比が顕著に増加し、二次再結晶焼鈍板の磁束密度B8も比較材に対して顕著に増加した。
(実施例3)
表3に示す種々の成分組成からなる鋼スラブを、1100℃に加熱したのち、3.0mm厚まで熱間圧延した。ついで、1回目の冷間圧延により2.3mmの中間厚まで圧延したのち、900℃で60sの中間焼鈍後、800〜200℃間を平均冷却速度:40℃/sで冷却し、ついで2回目の冷間圧延により0.23mmの最終厚みとしたのち、820℃で20sの一次再結晶焼鈍を施した。この一次再結晶焼鈍時における500〜700℃間の昇温速度は15℃/sとした。
その後、シアン酸塩浴中で600℃で3分の窒化処理を施した。窒化処理後の鋼板の窒素量を、表4に示す。ついで、鋼板表面にMgOを主成分とする焼鈍分離剤を塗布してから、1200℃で50時間の純化焼鈍を兼ねた二次再結晶焼鈍を行い、引き続きリン酸塩系の絶縁張力コーティングの塗布、焼付けと鋼帯の平坦化を目的とする平坦化焼鈍を施して製品とした。
かくして得られた製品板の磁気特性について調べた結果を、表4に示す。また、表4には、熱延板焼鈍板の時効指数AIおよび一次再結晶焼鈍後の板厚中心層の集合組織について調べた結果も併せて示す。
Figure 0006160649
Figure 0006160649
表4に示したように、最終冷間圧延前鋼板、つまり熱延板焼鈍板のAI値を70MPa以下とし、一次再結晶焼鈍板の板厚中心層の集合組織について、ランダム強度比で{554}<225>強度≧12、かつ{554}<225>強度/{111}<110>強度≧7とすることで、二次再結晶焼鈍板の磁束密度B8≧1.95Tを達成した。
(実施例4)
表3,4に示したNo.3および13のサンプルについて、表5に示す磁区細分化処理の効果を確認する実験を行った。エッチングは、冷延鋼板の片面について、幅:80μm、深さ:15μm、圧延方向間隔:5mmの溝を圧延直角方向に形成した。ついで、840℃で20sの一次再結晶焼鈍を施した。この一次再結晶焼鈍時の500〜700℃間の昇温速度は160℃/sとした。ついで、アンモニアを含有するガス雰囲気中で750℃で30sおよび950℃で30sのガス窒化処理を施した。窒化処理後の鋼板の窒素量を表5に示す。その後、鋼板表面にMgOを主成分とする焼鈍分離剤を塗布してから、1200℃で50時間の純化焼鈍を兼ねた二次再結晶焼鈍を行い、続いてリン酸塩系の絶縁張力コーティングの塗布、焼付けと鋼帯の平坦化を目的とする平坦化焼鈍を施して製品とした。
電子ビームは、平坦化焼鈍後の鋼板の片面について、加速電圧:80kV、照射間隔:5mm、ビーム電流:3mAの条件で圧延直角方向に連続照射した。
連続レーザーは、平坦化焼鈍後の鋼板の片面について、ビーム径:0.3mm、出力:200W、走査速度:100m/s、照射間隔:5mmの条件で圧延直角方向に連続照射した。
かくして得られた製品板の磁気特性について調べた結果を、表5に併記する。
Figure 0006160649
表5に示したように、磁区細分化処理を施すことで、さらに良好な鉄損特性が得られることが分かる。

Claims (10)

  1. 質量%で、C:0.0005〜0.005%、Si:2.0〜4.5%、Mn:0.005〜0.3%、Sおよび/またはSe(合計):0.05%以下、sol.Al:0.010%未満、N:(14.00/26.98)×[%sol.Al]以上、0.008%以下を含有し、残部はFeおよび不可避的不純物の組成からなる鋼スラブを、1200℃以下に加熱後、熱間圧延し、必要に応じて熱延板焼鈍を施したのち、1回または中間焼鈍を挟む2回以上の冷間圧延により最終板厚とし、ついで一次再結晶焼鈍を施し、さらに二次再結晶焼鈍を施す一連の工程によって方向性電磁鋼板を製造するにあたり、
    下記(1)式から算出される固溶C量パラメーターXを用い、最終冷間圧延の直前の加熱工程後の800〜200℃間の平均冷却速度R(℃/s)を、下記(2)式から算出される上限平均冷却速度RH以下とすることで、最終冷間圧延前の鋼板の時効指数AIを70MPa以下とすることを特徴とする方向性電磁鋼板の製造方法。

    X=[%Si]/28.09+100[%C]/12.01 ・・・ (1)
    H =10/X ・・・ (2)
    但し、(1)式中、[%M]はM元素の含有量を示す(質量%)
  2. 前記一次再結晶焼鈍の500〜700℃間の平均昇温速度を10℃/s以上200℃/s以下に調整することにより、一次再結晶焼鈍板の板厚中心層の集合組織について、ランダム強度に対する{554}<225>強度の比を12以上、かつ{554}<225>強度の{111}<110>強度に対する比を7以上とすることを特徴とする請求項1に記載の方向性電磁鋼板の製造方法。
  3. 前記鋼スラブが、質量%でさらに、Ni:0.005〜1.5%、Sn:0.005〜0.50%、Sb:0.005〜0.50%、Cu:0.005〜1.5%、Cr:0.005〜0.10%、P:0.005〜0.50%およびMo:0.005〜0.50%のうちから選んだ1種または2種以上を含有することを特徴とする請求項1または2に記載の方向性電磁鋼板の製造方法。
  4. 前記鋼スラブが、質量%でさらに、Ti:0.001〜0.1%、Nb:0.001〜0.1%およびV:0.001〜0.1%のうちから選んだ1種または2種以上を含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の方向性電磁鋼板の製造方法。
  5. 前記一次再結晶焼鈍から前記二次再結晶焼鈍までのいずれかの段階で追加インヒビター処理を施すことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の方向性電磁鋼板の製造方法。
  6. 前記追加インヒビター処理として、窒化処理を施すことを特徴とする請求項5に記載の方向性電磁鋼板の製造方法。
  7. 前記追加インヒビター処理として、二次再結晶焼鈍前に鋼板に塗布する焼鈍分離剤中に硫化物、硫酸塩、セレン化物およびセレン酸塩のうちから選んだ一種または二種以上を添加することを特徴とする請求項5に記載の方向性電磁鋼板の製造方法。
  8. 前記最終冷間圧延以降のいずれかの段階で、磁区細分化処理を施すことを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の方向性電磁鋼板の製造方法。
  9. 前記磁区細分化処理が、二次再結晶焼鈍後の鋼板への電子ビーム照射によるものである請求項8に記載の方向性電磁鋼板の製造方法。
  10. 前記磁区細分化処理が、二次再結晶焼鈍後の鋼板へのレーザー照射によるものである請求項8に記載の方向性電磁鋼板の製造方法。
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