以下、本発明を実施するための形態について説明する。
[第1の実施の形態]
最初に第1の実施の形態について説明する。図1は第1の実施の形態における通信システム1の構成例を表わす図である。通信システム1は配送制御装置150と端末装置340を備える。
配送制御装置150は、電子メールを受信すると端末装置340からの電子メールに対する取得要求を待つことなく電子メールを端末装置340へ自動配送する。配送制御装置150は、メール配送管理部151を備える。
メール配送管理部151は、配送制御装置150から端末装置340までの電子メールの配送経路又は当該配送経路上の装置を監視制御し、電子メールの配送経路又は当該配送経路上の装置の障害を検知して、電子メールの自動配送の停止又は再開を制御する。
端末装置340は受信部341を備える。受信部341は、配送制御装置150から配送制御された電子メールを受信する。
本第1の実施の形態においては、メール配送管理部151は、配送制御装置150から端末装置340までの電子メールの配送経路又は当該配送経路上の装置を監視制御し、電子メールの配送経路又は当該配送経路上の装置の障害を検知して、電子メールの自動配送を停止させることができる。これにより、例えば、配送制御装置150から端末装置340までの装置又は経路上において障害などが発生したときでも、配送制御装置150からは電子メールは自動配送されず、かかる電子メールによって生じる輻輳の発生を防止できる。よって、通信システム1においては、緊急連絡による通話など他の通信を行うことが可能となる。
また、本第1の実施の形態においては、メール配送管理部151は、配送制御装置150から端末装置340までの電子メールの配送経路又は当該配送経路上の装置を監視制御し、電子メールの配送経路又は当該配送経路上の装置の障害を検知して、停止した電子メールの自動配送を再開させることもできる。これにより、例えば、本通信システム1はユーザ(又は端末装置340)に対して適切な電子メールの配送を実施することができ、ユーザへの利便性に供することができる。
[第2の実施の形態]
次に第2の実施の形態について説明する。最初に本第2の実施の形態における移動通信システムの構成例について説明する。
なお、移動通信システムは、例えば、電子メールを配送する通信システムの一例である。通信システムは、例えば、移動通信システム以外のシステムにおいても適用可能である。
また、本第2の実施の形態においては、移動通信システムの構成例や動作例などについて、LTEによる通信規格を利用した場合と、LTEより前世代の通信規格(例えば、HSDPA(High Speed Downlink Packet Access)や3G(3rd Generation)など)を利用した場合の例で説明する。説明を容易にするため、前者についてはLTEによる移動通信システム、後者については3Gによる移動通信システムと称する場合がある。
<移動通信システムの構成例>
図2及び図3は第2の実施の形態における移動通信システム10の構成例を表わす図である。図2はLTEによる移動通信システム10、図3は3Gによる移動通信システム10の構成例をそれぞれ表わしている。
なお、移動通信システム10は、例えば、第1の実施の形態における通信システム1に対応する。
LTEによる移動通信システム10は、移動端末事業者ネットワーク20と、気象庁ネットワーク70、他プロバイダネットワーク80を備える。
移動端末事業者ネットワーク20は、メールサーバ100、LTE装置200−1〜200−4、携帯端末装置(又は端末装置、以下、端末と称する場合がある)300、SGN(Serving General packet radio service support Node)350−1,350−2、情報処理装置400−1,400−2、HLR/VLR(Home Location Register/Visitor Location Register)500を備える。
また、気象庁ネットワーク70は、CBS/ETW(Cell Broadcast Service/Earthquake Tsunami Warning)710を備える。
さらに、他プロバイダネットワーク80は、パーソナルコンピュータ(以下、PCと称する場合がある)810、メールサーバ820、SGN830を備える。
なお、第1の実施の形態における配送制御装置150は、例えば、メールサーバ100に対応する。また、第1の実施の形態における端末装置340は、例えば、端末300に対応する。
本移動通信システム10においては、例えば、他プロバイダネットワーク80のPC810から送信された端末300宛ての電子メール(以下、メールと称する場合がある)は、PC810からメールサーバ820、SGN830,350−1を経由して、メールサーバ100へ到達する。そして、当該メールはメールサーバ100からLTE装置200−2を介して端末300へ送信される。
また、緊急地震速報など緊急速報(又は緊急情報)は、気象庁ネットワーク70のCBS/ETW710から配信されて、SGN350−1を経由して情報処理装置400−1へ送信され、情報処理装置400−1ではエリアメール(又は緊急情報)を生成し、LTE装置200−1を介して端末300へ送信する。
メールサーバ100は、例えば、メールを配送する配送制御装置であり、自動配送によりメールを配送する。また、メールサーバ100は、メールの自動配送を停止したり、停止した自動配送を再開することができる。自動配送とは、例えば、PUSH配送と称される場合もあり、メールサーバ100から端末300へ、メールの取得要求を待つことなく即時かつ能動的に電子メールを配送する配送方式のことである。メールサーバ100の詳細については後述する。
LTE装置200−1〜200−4は、例えば、無線基地局装置であり、端末300との間で無線通信を行う。図2の例では、LTE装置200−1〜200−4は、メールサーバ100から出力されたメールや、情報処理装置400−1から送信されたエリアメールなどをLTEによる通信規格に合致した無線信号に変換し、端末300へ送信する。また、LTE装置200−1〜200−4は、例えば、自装置や配下の端末300などの輻輳情報などを収集し、メールサーバ100へ送信する。LTE装置200−1〜200−4の詳細については後述する。
端末300は、例えば、メールサーバ100から自動配送されたメールを受信する受信装置である。端末300は、例えば、LTE装置200−2から送信された無線信号を受信し、受信した無線信号からデータなどを抽出することで、メールを受信する。また、端末300は、ネットワーク側(例えばLTE装置200−2など)から送信される通知を監視し、これらの通知に応じてメールの受信状態をメール自動受信状態にしたり、メール自動受信状態を停止したりするなどの制御を行う。端末300の詳細については後述する。
SGN350−1,350−2は、例えば、移動端末事業者ネットワーク20においてパケット通信サービスを提供するノードである。SGN350−1,350−2は、気象庁ネットワーク70のCBS/ETW710と接続されて、緊急速報を情報処理装置400−1,400−2(以下、情報処理装置400と称する場合がある)へ配信する。また、SGN350−1は、他プロバイダネットワーク80のSGN830と接続されて、他プロバイダネットワーク80から送信されたメールをメールサーバ100へ送信する。
情報処理装置400は、例えば、SGN350−1を介してCBS/ETW710から送信された緊急速報の配信を受けると、緊急速報に関するエリアメールを生成し、LTE装置200−2へ送信する。緊急速報としては、例えば、緊急地震速報や津波警報などがある。
HLR/VLR500は、例えば、携帯電話番号や端末識別番号などの加入者情報を管理するデータベースである。HLR/VLR500は、例えば、メールサーバ100からユーザ情報の問い合わせに関する通知を受け取ると、ユーザ(又は端末300)の識別情報や当該ユーザの位置情報など(以下においては、これらの情報をユーザ情報又は在圏ユーザに関する情報と称する場合がある)をメールサーバ100へ応答する。例えば、HLR/VLR500は、受信した電子メールの宛先アドレスをメールサーバ100から受信し、宛先アドレスに対応するユーザ情報を応答する。メールサーバ100は、ユーザ情報に基づいて、例えば、電子メールの送信先(例えば、どのLTE装置200−1〜200−4か、どのRNC(Radio Network Controller)600−1〜600−4及びBTS(Base Transceiver Station)650−1〜650−5)に関する情報を取得できる。
気象庁ネットワーク70におけるCBS/ETW710は、例えば、災害情報などを検知すると、緊急速報を移動端末事業者ネットワーク20へ向けて送信する。
他プロバイダネットワーク80におけるPC810は、例えば、メールを送信する送信装置でもある。メールサーバ820は、PC810から送信されたメールを受信し、SGN830へ送信する。SGN830は、メールサーバ820から受け取ったメールを移動端末事業者ネットワーク20へ向けて送信する。
図2の例では、PC810から端末300へ向けてメールが送信される例が表わされているが、端末300からPC810へ向けてメールが送信されてもよい。この場合、メールは、図2に示す経路とは逆の経路を利用して送信される。
図3は3Gによる移動通信システム10の構成例を表わしている。LTEによる移動通信システム10に対して、更に、RNC600−1〜600−4、BTS650−1〜650−5を備える。
RNC600−1〜600−4は、配下にある1又は複数のBTS650−1〜650−5を制御し、発着信接続制御、終話制御、ダイバシチハンドオーバ制御などを行う。図3の例では、RNC600−1,600−3,600−4は、配下のBTS650−1,650−4,650−5をそれぞれ制御し、RNC600−2は2台のBTS650−2,650−3を制御する。
BTS650−1〜650−5は、無線基地局装置であって、端末300との間で無線信号を送受信する。図3の例では、BTS650−3は、RNC600−2から送信されたメールを受信し、受信したメールをHSDPAや3Gの通信規格に合致した無線信号に変換して端末300へ送信する。
RNC600−1〜600−4又はBTS650−1〜650−5は、自装置や配下の装置、或いは配下の装置との間の回線における輻輳状態を検知し、メールサーバ100へ送信することができる。RNC600−1〜600−4又はBTS650−1〜650−5の詳細については後述する。
なお、図2及び図3の例において、移動端末事業者ネットワーク20における構成例は一例であって、移動端末事業者ネットワーク20に含まれる各装置の台数などは1台でもよいし複数台あってもよく、図2や図3に示す台数に限定されない。
<移動通信システムにおける動作例>
次に、移動通信システム10におけるメール配送制御の動作例について、図4から図7を用いて説明する。このうち、図4はLTEによる移動通信システム10において障害が発生した場合におけるメール配送制御、図5は3Gによる移動通信システム10において障害が発生した場合におけるメール配送制御の例をそれぞれ表わしている。
図4の例では、他プロバイダネットワーク80のPC810から送信されたメールが、SGN350−1、メールサーバ100、LTE200−2を介して端末300へ送信される。このような状況において、LTE装置200−2において障害が発生すると、LTE装置200−2は障害(又は警報)発生に関する監視情報をメールサーバ100へ送信する(S1)。
メールサーバ100は、監視情報を受信すると、在圏ユーザに関するユーザ情報を問い合わせ、HLR/VLR500から当該ユーザ情報を取得する(S2)。
次に、メールサーバ100は、取得したユーザ情報に基づいて、当該ユーザに対するメールの自動配送を停止し、当該ユーザ(又は端末300)宛にメールの自動配送を停止した旨の情報を含むメール配送方式変更制御報告を送信する(S3)。
メールサーバ100は、メールの自動配送を停止した後、該ユーザ宛てのメールを受信しても、例えば、ユーザ(又は端末300)宛に送信しないで当該メールを内部メモリなどに保持する。
その後、LTE装置200−2における障害が復旧すると、LTE装置200−2は、障害復旧に関する監視情報をメールサーバ100へ送信する(S1’)。
メールサーバ100は、この監視情報を受けて、メールサーバ100はメールの自動配送を再開し、保持したメールや再開後において受信したユーザ宛てのメールを、LTE装置200−2を介して端末300へ配送する(S4)。
3Gによる移動通信システム10の場合、例えば図5に示すように、BTS650−3において障害が発生したとき、RNC600−2がこの障害を検知して、障害(又は警報)発生に関する監視情報をメールサーバ100へ送信する(S5)。この場合、例えば、BTS650が障害を検知し、その旨をRNC600−2へ通知することで、RNC600−2はBTS650の障害を検知することもできる。
以降はLTEによる移動通信システム10における例と同様に、メールサーバ100は、HLR/VLR500から在圏するユーザ(又は端末300)に関するユーザ情報を問い合わせて、当該ユーザ情報を取得する(S6)。そして、メールサーバ100は、メールの自動配送を停止して、当該ユーザ(又は端末300)宛にメール自動配送を停止する旨の情報を含むメール配送方式変更制御報告を送信する(S7)。
その後、BTS650−3において障害が復旧すると、RNC600−2は、障害復旧に関する監視情報をメールサーバ100へ送信する(S5’)。メールサーバ100はこの監視情報を受けて、メールの自動配送を再開する(S8)。
このように本第2の実施の形態においては、例えば、電子メールの配送経路又は配送経路上の装置において障害が発生するなど、メールサーバ100はその状態を監視することで電子メールの配送経路又は当該配送経路上の装置の障害を検知して、メールの自動配送を停止するようにしている(S3,S7)。従って、端末300宛てのメールは、メールサーバ100の配下の装置や回線で滞留することがなく、当該メールによる輻輳も発生することがない。よって、障害が発生した場合でも輻輳の発生を防止し、通話などの他の通信を行うことができる。
図6及び図7は緊急速報が配信される場合のメール配送制御の例を表わしている。このうち、図6はLTEによる移動通信システム10におけるメール配送制御の例を表わす。
図6に示すように、情報処理装置400−1は、CBS/ETW710から送信された緊急速報を、SGN350−1を介して受信すると、緊急速報に対応するエリアメールを生成してLTE装置200へ送信する(S10)。LTE装置200はエリアメールを端末300へ送信する(S11)。
一方、情報処理装置400−1は、エリアメールを送信すると、例えば、エリアメールの送信に関する監視情報をメールサーバ100へ通知する(S12)。このような監視情報は、例えば、LTE装置200−2から通知されてもよい(S13)。
メールサーバ100は、当該監視情報を受信すると、LTE装置200−2配下のユーザ情報をHLR/VLR500から取得し(S14)。当該ユーザに対するメールの自動配送を停止する(S15)。
その後、メールサーバ100は、一定期間内に、LTE装置200−2から障害の発生を示す監視情報を受け取らないとき、メールの自動配送を再開する(S13)。例えば、緊急速報が通知されるものの、実際にはLTE装置200−2などでは実際には障害が発生しなかった場合で、かかる場合は、メールの自動配送を再開する。
一方、メールサーバ100は、一定期間内において、LTE装置200−2から障害発生に関する監視情報を受け取ると、自動配送の停止を継続する。例えば、緊急速報後が配信された後、実際に災害が発生し、その影響でLTE装置200−2などにおいて障害が発生する場合などである。
その後、LTE装置200−2は障害が復旧する障害復旧に関する監視情報をメールサーバ100へ送信し、メールサーバ100は停止した自動配送を再開する(S16)。
図7は3Gによる移動通信システム10におけるメール配送制御の例を表わす図である。エリアメールの送信や障害の発生を示す監視情報についてはRNC600−2が送信する以外は、LTEによる移動通信システム10の例と同様である。すなわち、メールサーバ100は、エリアメールの送信に関する監視情報を受けて(S12又はS17)、メールの自動配送を停止し(S18)、一定期間内にRNC600−2から障害発生を示す監視情報を受け取らないと自動配送を再開する(S19)。一方、メールサーバ100は、一定期間内において障害発生を示す監視情報をRNC600−2から受け取ると、停止した自動配送を継続する。その後、メールサーバ100は、障害復旧に関する監視情報を受信すると、自動配送を再開する(S19)。
このように移動通信システム10では、例えば、メールサーバ100はエリアメールが端末300へ送信されたことを監視情報によって検出すると、障害の発生を予想してメールの自動配送を停止し、実際に災害が発生するとメールの自動配送の停止を継続している(S15,S18)。従って、災害が発生した場合でも、メールサーバ100からメールが配送されず、端末300宛てのメールによる輻輳も発生しない。よって、災害や障害が発生した場合でも輻輳の発生を防止し、安否確認や緊急連絡の通話などの通信を行うことが可能となる。
<移動通信システムの他の構成例と送受信情報の例>
次に移動通信システム10について他の構成例を説明し、併せて当該移動通信システム10において送受信される情報の例について説明する。
図8(A)は移動通信システム10の他の構成例を表わす図である。移動通信システム10は、メールサーバ制御部120、配下ノード監視制御部(以下、配下ノード監視部と称する場合がある)220、メール送受信部320を備える。
図2及び図3の移動通信システム10の構成例との関係は、例えば以下のようになる。すなわち、メールサーバ制御部120は、例えば、メールサーバ100に対応する。配下ノード監視部220は、例えば、LTE装置200−1〜200−4、RNC600−1〜600−4、又はBTS650−1〜650−5に対応する。メール送受信部320は、例えば、端末300に対応する。
図8(A)に示すように、配下ノード監視部220は監視情報を生成して、メールサーバ制御部120へ通知する(T2)。監視情報には、例えば、障害発生によって装置状態が変化した装置の識別番号、規制率、輻輳率、CPU使用率などが含まれる。監視情報の詳細は後述する。
メールサーバ制御部120は監視情報を受信すると、メール配送制御を実施する(T3)。メール配送制御としては、例えば、メールの自動配送の停止や再開などがある。
そして、メールサーバ制御部120は、メール配送制御を実施したことを通知する(T4)。この通知は、例えば、メールの自動配送を停止したことや再開したことなどの情報を含むメール配送方式変更制御報告である。
図8(B)から図9に示す例は、例えば、図8(A)に対するその他の例を表わしている。すなわち、図8(B)の例では、メールサーバ制御部120が監視情報要求を通知し(T1)、配下ノード監視部220が当該要求を受けて監視情報を生成し、メールサーバ制御部120へ通知する(T2)。そして、メールサーバ制御部120は、メール配送制御を実施し(T3)、メール配送方式変更制御報告をメール送受信部320へ通知する(T4)。メール送受信部320は、当該報告を受信すると、当該報告に対する確認結果を報告する(T5)。
図8(C)の例では、配下ノード監視部220が監視情報を通知し(T2)、メールサーバ制御部120は、メール配送制御を実施し(T3)、メール配送方式変更制御報告をメール送受信部320へ通知する(T4)。メール送受信部320は、当該報告に対する確認結果を報告する(T5)。
図9の例は、メールサーバ制御部120が監視情報要求を通知し(T1)、配下ノード監視部220はこの要求を受けて監視情報を生成し、メールサーバ制御部120へ通知する(T2)。そして、メールサーバ制御部120は、メール自動配送制御を実施し(T3)、メール配送方式変更制御報告をメール送受信部320へ通知する(T4)。
図10(A)及び図10(B)は、移動通信システム10において、例えば、回線や装置の障害などを監視する監視部(または監視機能)がどの装置に設置されるかの例を表わしている。
図10(A)に示すように、配下ノード監視部220が監視部240を備える構成の場合、配下ノード監視部220内、配下ノード監視部220とメール送受信部320との間の回線、及びメール送受信部320についての障害を監視できる。この場合、監視部240は、配下ノード監視部220の上位側に位置するメールサーバ制御部120や、メールサーバ制御部120と配下ノード監視部220との間の回線の障害を監視することができない。上位側の装置や回線の障害を監視することを考慮すると、例えば、図10(B)に示すように、本移動通信システム10において最も上位にあるメールサーバ制御部120に監視部240に備えるようにしてもよい。
ただし、本第2の実施の形態では、配下ノード監視部220に監視部240(または監視機能)を備える例で以下説明する。
<メールサーバ制御部、配下ノード監視部、及びメール送受信部の構成例>
次に、メールサーバ制御部120、配下ノード監視部220、メール送受信部320の各構成例について説明する。
図11はメールサーバ制御部120の構成例を表わす図である。上述したように、メールサーバ制御部120は、例えばメールサーバ100に対応する。
メールサーバ制御部120は、受信部101、メール中央制御部102、メール配送管理部103、メール送信タイミング制御部105、メール送信経路制御部106、メール送信順序制御部107、自ノード監視制御部108、他ノード監視制御部109、及び送信部110を備える。
なお、第1の実施の形態におけるメール配送管理部151は、例えば、メール配送管理部103に対応する。
受信部101は、例えば、配下ノード監視部220から送信された監視情報や、配下ノード監視部220を介して端末300から送信されたメール配送方式変更制御報告などを受信する。また、受信部101はSGN350−1や情報処理装置400−1から送信された電子メールやその他の情報を受信する。さらに、受信部101は、HLR/VLR500から送信されたユーザ情報を受信する。受信部101は受信した監視情報やユーザ情報などをメール配送管理部103へ出力し、受信した電子メールなどをメール中央制御部104へ出力する。
メール中央制御部102は、例えば、メールサーバ制御部120の中央制御部として機能し、電子メールの自動配送を行う。例えば、メール中央制御部102は、受信した電子メールの配送先(どのLTE装置200−1,200−2か、又は、どのRNC600−1〜600−4かなど)を決定すると、端末300からの取得要求を待つことなく受信した電子メールを配送先に送信する。
メール配送管理部103は、例えば、監視情報に基づいてメールの配送制御を行う。例えば、メール配送管理部103は、障害発生に関する監視情報を受け取ると、メールの自動配送を停止させることを決定し、メール中央制御部102に対してメールの自動配送を停止させる旨の信号を出力して、自動配送の停止を制御する。この場合、メール配送管理部103は、送信部110へ自動配送を停止させる旨の信号を出力するようにしてもよい。
また、メール配送管理部103は、例えば、障害復旧に関する監視情報を受け取ると、メールの自動配送を再開させることを決定し、メール中央制御部102に対してメールの自動配送を再開させる旨の信号を出力して、自動配送の再開を制御する。メールの配送制御の詳細は後述する。
なお、メール配送管理部103は、メールの自動配送を停止したり再開すると、その旨の情報を含むメール配送方式変更制御報告を生成し、送信部110を介して端末300へ送信する。メール配送方式変更制御報告の詳細は後述する。
メール中央制御部102又はメール配送管理部103は、例えば、内部メモリなどにシステムデータを保持し、送信部110を介して配下ノード監視部220へシステムデータを送信する。システムデータは、例えば、電子メールの配送制御に関する値又はデータである。システムデータの詳細は後述する。
メール送信タイミング制御部105は、例えば、自動配送停止中において電子メールの送信を行うとき、電子メールの適切な送信タイミング(又は送信間隔)を算出し、当該送信タイミングで電子メールが送信されるよう制御する。メールサーバ100は、自動配送停止中、電子メールの送信自体を停止することも可能であるが、回線や装置の負荷、輻輳レベルによっては適切なタイミングで電子メールを送信することも可能である。メール送信タイミング制御部105は、このような場合において、メールの適切な送信タイミングを算出している。例えば、メール送信タイミング制御部105は、算出した送信タイミングをメール配送管理部103に出力し、メール配送管理部103は当該送信タイミングで電子メールを送信するよう送信部110を制御する。送信タイミングの算出の詳細については後述する。
メール送信経路制御部106は、例えば、自動配送停止中において電子メールの送信を行うとき、電子メールの送信経路を決定し、当該経路で電子メールが送信されるよう制御する。例えば、自動配送停止中において、メールサーバ100は障害が発生する経路以外の経路(例えば、グローバルなインターネット経由で端末300が属する他のメールサーバへの経路など)を利用して電子メールを送信することもできる。メール送信経路制御部106は、このような場合において、メールの送信経路を決定している。例えば、メール送信経路制御部106は、決定した送信経路をメール配送管理部103に出力し、メール配送管理部103は決定した経路情報を送信部110へ出力する。そして、送信部110は、例えば、送信先の送信アドレスや経由する装置のアドレスなどを電子メールに含ませて送信することで、決定した経路情報に従って電子メールを配送させることができる。経路決定の詳細については後述する。
メール送信順序制御部107は、例えば、自動配送停止中において電子メールの送信を行うとき、電子メールの送信順序を変更して送信されるよう制御する。例えば、メールサーバ100は自動配送停止中において、装置や回線の負荷や輻輳レベルに基づいて、パケットデータの到着順からサイズ順に変更して、電子メールを送信することも可能である。メール送信順序制御部107は、例えば、このような場合において、メールの送信順序を決定している。例えば、メール送信順序制御部107は、メール配送管理部103を介して送信部110へ決定した送信順序に関する情報を出力し、送信部110は決定した送信順序で電子メールを送信する。
自ノード監視制御部108は、例えば、メールサーバ100内の監視を行い、輻輳や障害などを監視して監視結果をメール配送管理部103へ出力する。
他ノード監視制御部109は、例えば、LTE装置200−1〜200−4、RNC600−1〜600−4,BTS650−1〜650−5など、他のノード装置の監視を行う。他ノード監視制御部109は、例えば、他のノード装置に関する監視結果などをメール配送管理部103から受け取ると内部メモリなどに蓄積し、適宜、読み出してメール配送管理部103へ通知する。
送信部110は、例えば、メール配送管理部103で生成されたメール配送方式変更制御報告を端末300へ向けて送信したり、メール中央制御部102の制御により、受信したメールを端末300へ向けて送信する。また、送信部110は、例えば、メール配送管理部103から在圏ユーザの問い合わせに関する通知を受け取り、HLR/VLR500へ送信する。
図12は配下ノード監視部220の構成例を表わす図である。上述したように、配下ノード監視部220は、例えば、LTEによる移動通信システム10の例ではLTE装置200−1〜200−4、3Gによる移動通信システム10の例ではRNC600−1〜600−4、又はBTS650−1〜650−5にそれぞれ対応する。
配下ノード監視部220は、受信部201、送信監視制御部202、装置監視部203、装置内輻輳監視部205、装置内規制監視部206、障害監視部207、及び送信部210を備える。
受信部201は、例えば、メールサーバ100から送信された電子メールやメール配送方式変更制御報告、システムデータなどを受信する。また、受信部201は、例えば、情報処理装置400から配信されたエリアメールや規制情報などを受信する。受信部201は、電子メールやメール配送方式変更制御報告などについては送信部210へ出力し、システムデータや規制情報などについては装置監視制御部202又は装置監視部203へ出力する。
なお、受信部201は、配下ノード監視部220がLTE装置200−1〜200−4又はBTS650−1〜650−5に対応するときは、端末300から送信された無線信号を受信することもできる。この場合、受信部201は、受信した無線信号からデータなどを抽出する。そのため、受信部201には、周波数変換回路や変調回路、誤り訂正復号化回路などが含まれてもよい。
装置監視制御部202は、例えば、受信部201と送信部210を監視する。また、装置監視制御部202は、例えば、システムデータを受け取り、システムデータに含まれる値となるように受信部201と送信部210に対して設定を行う。
装置監視部203は、例えば、装置内輻輳監視部205から輻輳情報、装置内規制監視部206から規制情報、障害監視部207から障害発生情報を受け取り、これらの情報とシステムデータとに基づいて監視情報を生成する。装置監視部203は、監視情報を、送信部210を介してメールサーバ100へ送信する。
なお、装置監視部203は、監視情報要求通知を受けて監視情報を生成することもできる。また、装置監視部203は、例えば、受信部201から受け取った規制情報を装置内規制監視部206へ出力する。
装置内輻輳監視部205は、例えば、配下ノード監視部220内における輻輳情報を収集管理する。輻輳情報は、例えば、配下ノード監視部220内において発生した輻輳に関する情報であって、輻輳率やトラヒック量、CPU使用率などである。例えば、装置内輻輳監視部205は、受信部201と送信部210で送受信されるデータなどに基づいて、輻輳率やトラヒック量を算出する。また、例えば、装置内輻輳監視部205は、各制御部202等の使用率を算出することでCPU使用率を算出する。装置内輻輳監視部205は、算出した輻輳情報を装置監視部203へ出力する。
装置内規制監視部206は、例えば、受信部201や送信部210で送受信されるデータのデータ量などを監視することで、自装置のシステム規制率を監視する。装置内規制監視部206は、例えば、監視した結果を自局の規制情報として装置監視部203へ出力する。また、装置内規制監視部206は、例えば、装置監視部203を介して上位装置から送信された規制情報を受け取り、当該規制情報に含まれるシステム規制率となるように、受信部201と送信部210を制御して、送受信されるデータのデータ量などを制限する。
なお、システム規制率は、例えば、データの送受信量に対する規制率であって、所定量(例えば最大データ送受信量)に対する送受信可能なデータ量の比率を表わす。例えば、システム規制率が高ければ高いほど、送受信できるデータ量は少なくなる。
障害監視部207は、例えば、装置や回線などの障害発生情報を収集及び管理する。例えば、障害監視部207は、配下の装置において発生した障害発生情報を、受信部201と装置監視部203などを介して受け取り、これを内部メモリなどに保持する。また、障害監視部207は、受信部201や送信部210などの障害や、配下ノード監視部220に接続された回線を監視し、障害が発生すると障害発生情報を生成して内部メモリなどに保持する。障害監視部207は、例えば、収集した障害発生情報を装置監視部203へ出力する。
送信部210は、例えば、受信部201から受け取った電子メールやメール配送方式変更制御報告などを端末300へ向けて送信する。また、送信部210は、例えば、装置監視部203から受け取った監視情報をメールサーバ100へ送信する。なお、配下ノード監視部220がLTE装置200−1〜200−4又はBTS650−1〜650−5に対応するときは、送信部210は、電子メールのデータを無線信号に変換して端末300へ送信する。このような変換が行われるように送信部210には誤り訂正符号化回路、変調回路、周波数変換回路などが含まれても良い。
図13はメール送受信部320の構成例を表わす図である。上述したように、メール送受信部320は、例えば、端末300に対応する。
メール送受信部320は、受信部301、携帯中央処理部302、端末監視部304、メール受信モード管理部305、メール自動受信制御管理部306、メール取得制御管理部307、及び送信部310を備える。
なお、第1の実施の形態における受信部341は、例えば、受信部301に対応する。
受信部301は、配下ノード監視部220から送信された電子メールやメール配送方式変更制御報告を受信し、電子メールなどを携帯中央処理部302へ、メール配送方式変更制御報告をメール受信モード管理部305へ出力する。
携帯中央処理部302は、メール送受信部320の各部を制御する。例えば、携帯中央処理部302は、電子メールに含まれる文字情報や画像情報を表示部に表示させたり、音声情報をスピーカから出力させる。
端末監視部304は、メール送受信部320の状態を監視し、例えば、受信部301や送信部310などを監視して障害が発生したことを検知すると、障害発生情報や監視情報などを生成する。端末監視部304は、障害発生情報や監視情報などを、送信部310などを介してさらにメールサーバ100へ送信する。
メール受信モード管理部305は、例えば、配下ノード監視制御部220から送信されたメール配送方式変更制御報告を監視し、電子メールの受信モードを管理する。メール受信モード管理部305は、例えば、受信したメール配送方式変更制御報告をメール自動受信制御管理部306とメール取得制御管理部307へ出力する。
メール自動受信制御管理部306は、例えば、配下ノード監視部220から送信されたメール配送方式変更制御報告を監視し、メール配送方式変更制御報告に従って、メール自動受信状態の開始又は停止の制御を行う。
例えば、メール自動受信制御管理部306は、電子メールの自動配送を停止する旨の情報を含むメール配送方式変更制御報告を受信したときは、受信部301に対して電子メールの自動受信状態を停止させる。この場合は、例えば、受信部301はメールを受信しても当該メールを破棄するなどの処理を行う。
また、メール自動受信制御管理部306は、電子メールの自動配送を再開する旨の情報を含むメール配送方式変更制御報告を受信したときは、受信部301に対して電子メールの自動受信状態を再開させる。この場合は、例えば、受信部301は自動配送された電子メールを受信して携帯中央処理部302などに出力する。
メール取得制御管理部307は、例えば、配下ノード監視部220から送信されたメール配送方式変更制御報告を監視し、メール配送方式変更制御報告に従って、メール送受信部320における電子メールの受信状態を保持する。メール取得制御管理部307は、例えば、メール送受信部320において自動配送で送信されたメールを受信する状態か否かなどを管理する。
送信部310は、例えば、端末監視部304から出力された障害発生情報や監視情報などを配下ノード監視部220へ送信する。また、送信部310は、例えば、携帯中央処理部302で生成された電子メールなどを配下ノード監視部220へ送信する。
なお、受信部301と送信部310は、例えば、配下ノード監視部220との間で無線信号を送受信するため、周波数変換回路や変調回路などを内部に備え、無線信号から電子メールのデータなどを抽出したり、データなどを無線信号に変換することができる。
<動作例>
次に、電子メールの配送制御に関する動作例の詳細について説明する。最初に、配送制御全体の動作例について説明し、併せてシステムデータや監視情報の詳細について説明し、次に、自動配送停止中において行われる制御、最後に各シーケンス例について説明する。
<1.メールの配送制御の動作例>
メール配送制御の動作例について説明するとともに、システムデータや監視情報、メール配送方式変更制御報告などの詳細についても説明する。
図14は電子メールの配送制御全体の動作例を表わすフローチャートである。移動通信システム10は処理を開始すると(S20)、装置状態変化の有無を判別する(S21)。
例えば、メールサーバ制御部120は、システムデータを配下ノード監視部220へ送信する。配下ノード監視部220は、システムデータに含まれる制限値と自局で算出した規制情報や輻輳情報などとを比較して、装置状態変化の状態変化の有無を判別する。
ここで、システムデータのついての詳細を以下説明する。図15(A)はシステムデータの例を表わす図である。システムデータには、システム規制率制限値、CPU使用率制限値、トラヒック量制限値、配送制御開始_状変継続時間、装置の過負荷度が含まれる。システムデータの各値は、例えば、メールサーバ制御部120のメール配送管理部103などで生成され、自動配送を停止するか否かの基準となる値を表わしている。
システム規制率制限値は、例えば、移動通信システム10において送受信されるデータのシステム規制率に対する制限値を表わし、装置内のシステム規制率がどの値以上になればメールの配送制御が開始されるかが指定される。
CPU使用率制限値は、例えば、装置内におけるCPU使用率に対する制限値を表わし、装置内のCPU使用率がどの値以上なればメール配送制御が開始されるかが指定される。なお、CPU使用率は、例えば、一定期間において使用されたCPU(例えば、装置内の各部102等)の使用量を表わす。
トラヒック量制限値は、例えば、装置内のトラヒック量に対する制限値を表わし、装置内のトラヒック量がどの値以上になれば配送制御が開始されるかが指定される。トラヒック量は、例えば、装置において送受信されるデータ量を表わす。
配送制御開始_状変継続時間は、例えば、電子メールの配送制御を開始するための状態変化継続時間を表わす。
また、装置の過負荷度は、例えば、装置の最大性能値を表わす指標であり、装置内においてデータを送信することができない送信負荷率を表わす。
配下ノード監視部220は、例えば、システムデータに含まれる制限値(システム規制率制限値、CPU使用率制限値、トラヒック量制限値)に基づいて、装置状態が変化したか否かを検出する。例えば、各制限値は上限値と下限値の値を有している。
すなわち、配下ノード監視部220は、例えば、算出したシステム規制率、CPU使用率、トラヒック量が、システムデータに含まれる各制限値の範囲をそれぞれ超えることが、配送制御開始_状変継続時間の間継続しているとき、障害発生による装置状態変化有りと判別する。この場合、配下ノード監視部220は、障害発生に関する監視情報を生成する。
また、配下ノード監視部220は、例えば、算出したシステム規制率、CPU使用率、トラヒック量が、システムデータに含まれる各制限値の範囲内にあることが、配送制御開始_状変継続時間の間継続しているとき、障害復旧による装置状態変化有りと判別する。この場合、配下ノード監視部220は、障害復旧に関する監視情報を生成する。
一方、配下ノード監視部220は、それ以外のときは装置状態変化無しと判別する。
配下ノード監視部220(又はLTE装置200−1〜200−4、RNC600−1〜600−4、或いはBTS650−1〜650−5)やその配下装置において障害が発生するとシステム規制率やCPU使用率、或いはトラヒック量が変化する。また、配下装置との間の回線に障害が発生すると、例えば、システム規制率やトラヒック量に変化が生じる。
従って、配下ノード監視部220は、システム規制率やCPU使用率、トラヒック量を算出し、制限値と比較することで、自装置や配下装置、或いは配下装置との間の回線において、継続した障害の発生により装置状態が変化したことを検出できる。
例えば、装置監視部203は、装置内のシステム規制率を装置内規制監視部206から受け取り、CPU使用率、或いはトラヒック量を装置内輻輳監視部205から受け取り、システムデータ内の制限値と比較することで状態変化の有無を判別する。
図14に戻り、配下ノード監視部220は、装置状態の変化を検出したとき(S21で「有り」)、監視情報を生成してメールサーバ制御部120へ送信する(S22)。
ここで監視情報などの詳細について説明する。図15(B)及び図15(C)は監視情報の例を表わす図である。監視情報には、例えば、「LTE番号」、「RNC番号」、「BTS番号」、「システム規制率」、「輻輳率」、「CPU使用率」、「トラヒック量(データ送信量)」、「通信中の端末番号」、及び「電源OFFの端末番号」の各項目が含まれる。
「LTE番号」、「RNC番号」、「BTS番号」は、例えば、障害が発生した又は障害から復旧したLTE装置200−1〜200−4、RNC600−1〜600−4、BTS650−1〜650−4の識別番号をそれぞれ表わす。配下ノード監視部220の装置監視部203は、例えば障害監視部207から自装置の障害発生情報を受け取ると、自装置の識別番号を当該領域に挿入する。
「システム規制率」は、例えば、対象装置において監視情報が生成されるときのシステム規制率を表わす。例えば、配下ノード監視部220の装置内規制監視部206で算出されたシステム規制率が当該領域に挿入される。
「輻輳率」は、例えば、対象装置において監視情報が生成されるときの輻輳率を表わす。例えば、配下ノード監視部220の装置内輻輳監視部205において算出された輻輳率が挿入される。
「CPU使用率」は、例えば、対象装置において監視情報が生成されるときのCPU使用率を表わす。例えば、配下ノード監視部220の装置内輻輳監視部205において算出されたCPU使用率が挿入される。
「トラヒック量(データ送信量)」は、例えば、対象装置において監視情報が生成されるときのトラヒック量を表わす。例えば、配下ノード監視部220の装置内輻輳監視部205において算出されたトラヒック量が挿入される。
「通信中の端末番号」は、例えば、通信中のユーザ(又は端末300)を特定するための情報を示す。また、「電源OFFの端末番号」は、例えば、未通信のユーザ(又は端末300)を特定するための情報を示す。
なお、装置情報は、例えば、「LTE番号」、「RNC番号」、「BTS番号」に含まれる識別番号のことである。また、輻輳情報は、例えば、「システム規制率」、「CPU使用率」、「トラヒック量(データ送信量)」に含まれる情報のことである。
図15(B)などの監視情報の例には、例えば、障害発生から装置状態が変化したのか、障害復旧からか装置状態が変化したのかを表わすメッセージ番号が含まれても良い。例えば、メッセージ番号が「10」のとき監視情報は障害発生に関する監視情報を表わし、「11」のときは障害復旧に関する監視情報を表わす。
図15(B)に示す監視情報の例は、「RNC番号」が「5」のRNC600−1〜600−4において障害が発生し、装置状態が変化したことを表わしている。また、図15(C)に示す監視情報の例は、「LTE番号」が「521」のLTE装置200−1〜200−4、「RNC番号」が「4」のRNC600−1〜60―4において障害が発生し、装置状態が変化したことを表わしている。
なお、図16(A)は監視情報の例、図16(B)は監視情報要求(例えば図8(B)のT1)の例、図16(C)は監視情報要求に対する監視情報応答(例えば図8(B)のT2)の例をそれぞれ表わす。
監視情報要求には、例えば、図16(B)に示すように、監視情報を要求する対象となる装置の種別(「情報収集対象装置種別」)と装置の識別番号(「装置番号」)が含まれる。
また、監視情報要求に対する監視情報応答に含まれる情報は、例えば図17に示すように、監視情報と同一となっている。
図17はメール配送制御情報の例を表わす図である。メール配送制御情報は、例えば、メールサーバ制御部120において監視情報を受信すると生成される情報であり、メールサーバ制御部120はメール配送制御情報に基づいて、メール配送方式変更制御報告を生成する。
メール配送制御情報には、「メール自動配送開始停止種別」、「情報収集対象装置種別」、「装置番号」、及び「端末番号」が含まれる。
「メール自動配送開始停止種別」は、例えば、電子メールの自動配送を停止するか開始するかの種別を表わし、「停止」のときは電子メール自動配送の停止を表わし、「開始」のときは電子メールの自動配送の開始を表わす。
「情報収集対象装置種別」は、例えば、自動配送制御が行われる対象となる装置の種別を表わし、「装置番号」は自動配送制御が行われる対象となる装置の識別番号を表わし、「端末番号」は自動配送制御が行われる装置の識別番号を表わす。
監視情報や監視情報応答などは、例えば、配下ノード監視部220の装置監視部203において生成される。
図17のメール配送制御情報の例では、メールの自動配送が開始され、その対象となる装置は識別番号「5」の「RNC」と、識別番号「45」の端末300であることを表わす。
図18(A)は、メールサーバ100から通知されるメール配送方式変更制御報告の例を表わす。上記したように、メール配送方式変更制御報告に含まれる各情報は、例えば、メール配送制御情報に含まれる各情報と同一である。
図18(B)はメール配送方式変更制御報告に対する確認結果の例を表わす図である。確認結果には、さらに、「確認結果」の項目含まれる。「確認結果」には、例えば、メール配送方式変更制御報告の受信が確認されたか否かの情報が挿入される。
メール配送制御情報や、メール配送方式変更制御報告などは、例えば、メールサーバ制御部120のメール配送監視部103で生成される。
図14に戻り、メールサーバ制御部120は監視情報を取得すると(S22)、電子メールの自動配送制御(図14では「メール配送方式制御」と記載される)を実施する(S23)。例えば、メールサーバ制御部120は、障害発生に関する監視情報を受信したときメールの自動配送を停止させ、障害復旧に関する監視情報を受信したときメールの自動配送を再開させる。
そして、処理はS21に移行して、移動通信システム10は上述した処理を繰り返す。
一方、装置状態変化が無いとき(S21で「無し」)、移動通信システム10は配送制御の処理を終了させる(S24)。
<2.自動配送停止中に行われる制御>
移動通信システム10においては、自動配送停止中は、メールの自動配送を実施しない。しかし、移動通信システム10における負荷状況や輻輳レベルによっては、自動配送自体は行われないが、サイズを制限してメールを分割送信したり、配送順序を入れ換えて送信したり、あるいは適切な送信タイミング(又は送信間隔)でメールを送信することは可能である。
以下、自動配送停止中に行われる制御の例について説明する。図19(A)は配送サイズを制限して分割送信する場合の例を説明するための図である。
メールサーバ制御部120は、監視情報に含まれる情報や、システムデータに基づいて、障害が発生している状況においても電子メールを送信可能なデータ量を計算することができる。
例えば、メールサーバ制御部120は監視情報のうち、システム規制率、輻輳率、CPU使用率に基づいて、当該装置の負荷比率を算出する。負荷比率は、例えば、
負荷比率=システム規制率×輻輳率×CPU使用率 ・・・(1)
により算出できる。図19(A)の例では、負荷比率(‰)として「1000」、「512」、「216」が算出される。
また、メールサーバ制御部120は、システムデータに含まれる装置の過負荷度と、メールの送信データ量とに基づいて送信可能な送信可能データ数を算出する。送信可能データ数は、例えば、
送信可能データ数=データ送信量−データ送信量×装置の過負荷度 ・・・(2)
により算出できる。図19(A)の例では、送信可能データ数として、「8」、「25」、「45」などの値が算出される。
メールサーバ制御部120は、送信可能データ数以下でメールを送信し、メールのデータ量が送信可能データ数より多いとき、複数回に分割して、メールを送信する。例えば、このような値の算出などはメール配送管理部103において行われ、算出した送信可能データ数以下でメールを送信するよう送信部110を制御することで実施される。
このような分割送信によって、例えば、自動配送停止中においても輻輳を発生させない程度に電子メールの送信を行うことが可能となる。
なお、メールサーバ制御部120は、式(1)で計算した負荷比率が閾値以上のときは、障害発生の度合が一定以上に大きく、メール送信は不可能と判別して分割送信を行わないようにすることもできる。
メールサーバ制御部120は、算出した送信可能データ数に基づいて送信タイミングを算出することもできる。例えば、メールサーバ制御部120は、ある一定期間において送信可能データ数となるように、電子メールの送信タイミングを算出することもできる。
このような算出は、例えば、メール送信タイミング制御部105において行われる。すなわち、メール送信タイミング制御部105は、メール配送管理部103から送信可能データ数を受け取り、当該送信可能データ数でメールの送信が行われることがある一定期間で行われるように、送信タイミングを算出する。メール配送管理部103は算出結果を受け取り、当該算出タイミングで電子メールを送信するよう送信部110を制御することで実施できる。
また、メールサーバ制御部120は、送信可能データ数を算出すると、送信可能データ数に基づいて、配送順序を算出することもできる。例えば、メールサーバ制御部120は、電子メールに含まれるデータパケットの配送順序を、パケットデータの到着順からパケットサイズの小さい順に並び替えることで、一定時間内において送信可能データ数とすることができる。
例えば、メール送信順序制御部107が受信部101で受信したメールの到着順序などの情報を受信部101からメール配送監視部103を介して受け取り、この情報に基づいて配送順序を算出する。そして、メール送信順序制御部107は、算出結果をメール配送管理部103に伝え、メール配送管理部103が当該算出順序で送信するよう送信部110を制御することで実施できる。
さらに、メールサーバ制御部120は、配送経路をグローバルなインターネット経由で電子メールを配送させることで、例えば、障害が発生した装置や回線を回避させることも可能である。図19(B)は経路リストテーブルの例である。
例えば、メール送信経路制御部106は、内部メモリなどに保持した経路リストテーブルに基づいて、目的地までの送信経路を決定する。この場合、メール送信経路制御部106は、例えば、同一の目的地が複数ある場合、ノード数の最も少ない経路を選択する。メール送信経路制御部106は、負荷比率が「800」(‰)以上のときは電子メールの送信が不可能と判断して、配送経路の変更は行わないようにしてもよい。メール配送管理部103は、決定した送信経路の情報を受け取り、決定した配送経路にある目的地をメールの送信先としてメールを送信する。
<3.シーケンス例>
次に、電子メールの配送制御に関するシーケンス例について説明する。図20から図30は配送制御に関するシーケンス例を表わす図である。このうち、図20と図21は輻輳が発生した場合、図22と図23は緊急速報が配信された場合、図24と図25は緊急速報後に輻輳が発生した場合、図26と図27は端末300において障害が発生した場合の各シーケンス例を表わす。また、図28は配送方式がPULL方式に変更された場合のシーケンス例、図29は端末300がハンドオーバした場合のシーケンス例、図30は緊急速報後に輻輳が発生した場合の他のシーケンス例を表わす図である。
<3.1 輻輳が発生した場合のシーケンス例>
図20はLTEによる移動通信システム10において輻輳が発生した場合のシーケンス例を表わす。
メールサーバ100は、ユーザA(又は端末300)宛ての電子メールを受信する(S30)。かかる電子メールは例えば、他プロバイダネットワーク80のPC810から送信されたものである。
次に、メールサーバ100は、HLR/VLR500に対して、受信した電子メールについてのユーザ情報の問い合わせに関する通知を送信する(S31)。例えば、メールサーバ100は、受信した電子メールの宛先情報を当該通知に含ませて、ユーザ情報を問い合わせるようにしてもよい。
次に、HLR/VLR500は、ユーザ情報の問い合わせに関する通知に対して、ユーザ情報を応答する(S32)。例えば、HLR/VLR500は、ユーザ情報として、電子メールの宛先情報に対応するユーザ(又は端末300)の識別情報と当該ユーザの位置情報を応答する。
次に、メールサーバ100は、取得したユーザの識別情報と位置情報に基づいて、電子メールの着信通知をユーザA(又は端末300)へ向けて送信する(S33)。例えば、メール中央制御部102がユーザの識別情報を含む着信通知を生成して、位置情報に基づいて端末300へ向けて送信する。この着信通知は、LTE装置200(以下において、とくに断らない限りLTE装置200−1〜200−4をLTE200−1と称する場合がある)を介して端末300へ送信される。
メールサーバ100は着信通知を通知後、メールを自動配送する。また、着信通知を受けた端末300は自動配送されたメールを受信し、受信を終了するとメールの受信を完了する。
次に、LTE装置200において障害が発生して装置状態の変化を検出すると、監視情報を生成し、メールサーバ100へ通知する(S34)。LTE装置200は、例えば、障害が発生した自局の識別番号を含む監視情報を生成し(例えば図15(B))、メールサーバ100へ送信する。
メールサーバ100は、監視情報を受信すると、LTE装置200配下のユーザA(又は端末300)に対してメールの自動配送を停止することを決定する(S35)。
次に、メールサーバ100は、HLR/VLR500に対して、ユーザ情報の問い合わせに関する通知を送信する(S36)。問い合わせ自体はS31でも行われているが、例えば、S31以降において端末300が移動する場合もあり、メールサーバ100はこの時点(S36)における最新のユーザ情報を取得する。
次に、HLR/VLR500は、ユーザ情報の問い合わせに関する通知に対して、ユーザ情報を応答する(S32)。
次に、メールサーバ100は、ユーザ情報に基づいて、メールの自動配送を停止し、メール配送方式変更制御報告を端末300へ向けて送信する(S38)。
メール配送方式変更制御報告には、例えば、電子メールの自動配送の停止を開始する旨と、制御対象のLTE装置200−1の識別番号、対象となる端末300の識別番号などが含まれる(例えば図18(A))。
例えば、メール配送監視部103においてこれらの情報を含むメール配送方式変更制御報告が生成される。メールサーバ100は、LTE装置200配下に在圏する端末300すべてに対して自動配送を停止するようにしてもよい。この場合、例えば、メール配送方式変更制御報告における「端末番号」の欄を空欄にすることで、配下の全ユーザを対象とすることもできる。
メール自動配送停止中において、メールサーバ100はメールを受信しても自動配送を実施いない(S39)。例えば、メール配送管理部103は自動配送の停止を決定すると、受信部101においてユーザA宛てのメールを受信しても、送信部110から配下のLTE装置200へ送信させないように制御する。この場合、受信したメールは、例えば受信部101の内部メモリなどに保持される。
その後、LTE装置200の障害が復旧して装置状態が変化すると、LTE装置200は障害復旧に関する監視情報を通知する(S40)。例えば、装置監視部203は、CPU使用率、トラヒック量、システム規制率の全て又は一部が、制限値として定義された上限値及び下限値内の範囲内となるとを検出すると、装置監視部203は装置状態が障害復旧に変化したと判別できる。
メールサーバ100は、障害復旧に関する監視情報を受信すると、電子メールの自動配送を再開し、メール配送方式変更制御報告を端末300へ向けて送信する(S41)。この場合のメール配送方式変更制御報告は、例えば、自動配送が開始されることを表わす情報が含まれ(例えば図18(A))、メール配送監視部103において生成される。
端末300は、自動配送再開を示す情報を含むメール配送方式変更制御報告を受信すると(S41)、メール配送方式変更制御報告により指示された状態に変更する。この場合、例えば、端末300のメール受信モード管理部305は電子メールについて自動配送受信で受信するよう受信部301を制御する。
メールサーバ100は、S41の処理以降、受信した電子メールを自動配送で端末300へ送信する。また、例えば、メールサーバ100は自動配送停止中において保持した電子メールも自動配送で送信する。
従って、メールサーバ100はユーザA宛ての電子メールを受信すると(S42)、着信通知を端末300へ向けて送信し(S43)、自動配送を実施する。
図21は、3Gシステムによる移動通信システム10において輻輳が発生した場合のシーケンス例である。LTEシステムによる移動通信システム10に対して、監視情報を送信する装置がLTE装置200からRNC600−1〜600−4(以下において、とくに断らない限りRNC600−1〜600−4をRNC600と称する場合がある)に変更される以外はほぼ同様のシーケンスとなっている。
すなわち、RNC600は障害の発生によって装置状態の変化を検出すると、障害発生に関する監視情報を生成し、メールサーバ100へ通知する(S34)。メールサーバ100は、この監視情報に基づいて、電子メールの自動配送を停止する(S38)。
また、RNC600は装置状態の変化により障害から復旧して装置状態が変化したことを検知すると、障害復旧に関する監視情報を生成し、メールサーバ100へ通知する(S40)。メールサーバ100は、この監視情報に基づいて、電子メールの自動配送を再開する(S41)。
図21や図22に示すように、メールサーバ100は、メールの配送経路又は配送経路上の装置を監視制御し、電子メールの配送経路又は当該配送経路上の装置の障害を検知して、メールの自動配送を停止するようにしている。従って、メールサーバ100からはメールが送信されないため、障害が発生してもメールサーバ100から送信されるメールによって輻輳が発生することもない。よって、本移動通信システム10では、障害が発生しても、エリアメールの送信や通話による緊急連絡などの他の通信を行うことが可能となる。
<3.2 緊急速報が配信された場合のシーケンス例>
次に緊急速報が配信された場合のシーケンス例について説明する。図22はLTEによる移動通信システム10による場合の例、図23は3Gによる移動通信システム10による場合の例を表わしている。
気象庁のCBS/ETW710は、地震や津波などの検知すると緊急速報を配信する(S50)。緊急速報は、例えば、SGN350−1を経由して情報処理装置400へ送信される。
情報処理装置400は緊急速報を受信すると、エリアメールをLTE装置200へ配信する(S51)。このエリアメールには、例えば、地震や津波の発生時刻や発生場所、規模などの情報が含まれる。
LTE装置200はエリアメールを受信すると、エリアメールを配下の端末300へ送信する(S52)。
また、LTE装置200はエリアメールを受信すると、監視情報を生成し、メールサーバ100へ通知する(S53)。監視情報には、例えば、エリアメールの送信が行われたことを表わす情報を表わすメッセージ番号(例えば、「12」はエリアメールの送信を示すなど)などが含まれても良いし、エリアメールを送信したLTE装置200の識別番号が含まれても良い。この監視情報によって、例えば、メールサーバ100はエリアメールの配信(又は緊急情報の送信)を検出できる。
メールサーバ100は、監視情報を受信すると、LTE装置200配下のユーザ(又は端末300)に対して自動配送制御を行うことを決定し(S54)、LTE装置200配下のユーザに対するユーザ情報を問い合わせる(S55)。例えば、メールサーバ100はLTE装置配下の全ユーザに対するユーザ情報の問い合わせを行ってもよい。
HLR/VLR500は、当該通知を受けると、LTE装置200配下のユーザについてのユーザ情報を応答する(S56)。
メールサーバ100は、ユーザ情報を受信すると(S56)、電子メールの自動配送を停止する。この場合、メールサーバ100は、電子メールの自動配送を停止する旨の情報を含むメール配送方式変更制御報告を送信しない。端末300では、エリアメールの配信を受けて(S52)、例えば、電子メールの自動受信を停止するため、当該メール配送方式変更制御報告の送信が無駄になるからである。
メールサーバ100は、一定時間経過後、LTE装置200から障害発生通知を受信しないとき、停止した電子メールの自動配送を再開し、再開した旨の情報を含むメール配送方式変更制御報告を送信する(S57)。
このように自動配送が再開されるのは、例えば、緊急速報が配信されてもメールサーバ100配下の装置(LTE装置200や端末300など)や回線において障害が発生しない場合である。かかる場合、移動通信システム10では、電子メールの自動配送を停止し続けるのではなく、自動配送を再開させることでユーザの便宜を図るようにしている。
図23は3Gによる移動通信システム10のシーケンス例を表わしている。LTEによる移動通信システム10の場合(例えば図22)と比較して、監視情報を送信する装置がRNC600となっている以外はほぼ同様のシーケンスとなっている。
この場合、情報処理装置400は、緊急速報の配信を受けると(S50)、エリアメールを生成する。エリアメールは、配下のRNC600とBTS650を介して、端末300へ配信される(S58〜S60)。そして、RNC600はエリアメールを受信すると、エリアメールの送信に関する監視情報をメールサーバ100へ通知する(S61)。メールサーバ100は監視情報を受信すると、在圏ユーザを確認した後(S55,S56)、電子メールの自動配送を停止し、一定時間経過後、自動配送を再開する(S57)。
図22及び図23のシーケンス例においては、メールサーバ100は、緊急速報の配信による監視情報を受信すると、一定期間メールの自動配送を停止し、その間に障害発生に関する監視情報を受信しないと自動配送を再開するようにしている。
従って、メールサーバ100は、障害が発生する前にメールの自動配送を停止するため、例えば、メールサーバ100からのメールによる輻輳の発生を防止できる。これにより、例えば、移動通信システム10は、災害が発生しても通話による緊急連絡や安否確認などの他の通信を行うことが可能となる。
<3.3 緊急速報が配信された後、障害が発生した場合のシーケンス例>
次に、緊急速報が配信された後、障害が発生した場合のシーケンス例について説明する。図24はLTEによる移動通信システム10による場合の例、図25は3Gによる移動通信システム10による場合の例を表わしている。
図24に示すように、緊急速報の配信からメールの自動配送停止までのシーケンス(S50からS56)は、図22の例と同様である。
次に、LTE装置200において障害が発生すると、LTE装置200は障害発生に関する監視情報を生成し、メールサーバ100へ通知する(S74)。例えば、アクセス規制に関する障害が発生している。
メールサーバ100は、監視情報を受信すると、自動配送の停止を継続させる(S741)。次に、メールサーバ100は、LTE装置200配下の最新のユーザ情報を確認し(S75,S76)、当該ユーザ(又は端末300)へメール配送方式変更制御報告を送信する(S77)。
本例において、メールサーバ100は電子メールの自動配送を停止したときにメール配送方式変更制御報告を送信するのではなく、障害が発生した後でメール配送方式変更制御報告を送信するようにしている(S74,S77)。メールサーバ100は、例えば、端末300に対して、障害発生によってメールの自動配送を停止していることを報告することができる。
以降は、障害発生の場合のシーケンス(例えば図20)と同様に処理が行われる(S40,S41)。
図25は3Gによる移動通信システム10において、緊急速報が配信された後、障害が発生した場合のシーケンス例を表わしている。LTEによる移動通信システム10の場合(例えば図24)と比較して、監視情報を送信する装置がRNC600となっている以外はほぼ同様のシーケンスとなっている。
図25に示す例においても、緊急速報の配信後、災害などによりRNC600(又はRNC600配下のBTS650などの装置またはその間の回線)に障害が発生し装置状態が変化すると、RNC600は監視情報を生成してメールサーバ100へ送信する(S81)。メールサーバ100は、監視情報の受信により電子メールの自動配送停止を継続し(S82)、メール配送方式変更制御報告を送信する(S77)。以降の処理は、障害発生の場合のシーケンス例(例えば図21)と同様に処理が行われる。
図24及び図25のシーケンス例においては、メールサーバ100は、緊急速報の配信による監視情報を受信すると一定期間メールの自動配送を停止する(S54)。そして、メールサーバ100は、その間に障害発生に関する監視情報を受信すると(S74,S81)、自動配送の停止を継続するようにしている(S741,S82)。
従って、メールサーバ100は、障害が発生する前にメールの自動配送を停止するため、例えば、メールサーバ100から送信されるメールによる輻輳の発生を防止できる。また、障害が発生しても、メールサーバ100はメールの自動配送の停止を継続しているため、例えば、移動通信システム10においては災害による障害が発生しても通話による緊急連絡や安否確認などの他の通信が可能となる。
<3.4 端末から監視情報を通知する場合のシーケンス例>
次に、端末300が自局の障害を検出して監視情報を送信する場合の動作例について説明する。図26はLTEによる移動通信システム10、図27は3Gによる移動通信システム10の例をそれぞれ表わしている。
図26に示すように、端末300が自身の障害を検出して装置状態の変化を検出すると、監視情報を生成し、メールサーバ100へ向けて送信する(S90)。
例えば、端末監視部304は、LTE装置200の場合と同様に、受信部301や送信部310などを監視して、システム規制率、CPU使用率、トラヒック量を算出し、予め受信又は保持したシステムデータの各制限値と比較することで装置状態の変化を検出できる。この場合、端末監視部304は、例えば、端末300自身の識別番号を含む監視情報を生成する。
メールサーバ100は、端末300から送信された監視情報を受信すると(S90)、当該ユーザAに対してメールの自動配送を停止することを決定し、自動配送を停止させる(S35)。この場合、メールサーバ100は、当該ユーザAの位置情報などを確認するものの(S36,S37)、当該ユーザAに対して自動配送を停止したことを含むメール配送方式変更制御報告は送信しない。例えば、端末300は障害によってメール配送方式変更制御報告を受信できないことが予想されるからである。
メールサーバ100は、電子メールの自動配送を停止しているときは、ユーザA宛ての電子メールは自動配送せず、内部メモリなどに保持する(S39)。
その後、端末300は、障害から復旧して装置状態が変化すると、その旨の情報を含む監視情報を生成し、メールサーバ100へ向けて送信する(S94)。
メールサーバ100はこの監視情報を受信すると、電子メールの自動配送を再開する。その後、メールサーバ100は、ユーザA宛てのメールを受信すると着信通知を端末300へ送信する(S42,S43)。
図27は3Gによる移動通信システム10において、端末300が自局の障害を検出し監視情報を送信する場合のシーケンス例を表わしている。端末300から送信された監視情報(S90,S94)がBTS650とRNC600を介してメールサーバ100に送信される以外は、LTEによる移動通信システム10の例(例えば図26)と同様に動作する。
図26及び図37の例では、メールサーバ100は端末300から障害発生に関する監視情報を受信するとメールの自動配送を停止している(S90,S35)。そのため、本移動通信システム10においては、端末300において障害が発生しているとき、端末300宛てのメールは送信されず、当該メールによる輻輳の発生を防止できる。また、移動通信システム10においては輻輳の防止によって、緊急連絡による通話など他の通信を行うことが可能となる。
<3.5 PULL方式による電子メールの配送>
上記<2.自動配送停止中に行われる制御>では、メールサーバ100では電子メールの自動配送停止中においても、電子メールを分割送信したり、送信タイミング(送信間隔)で送信することなどを説明した。ここでは、メールの自動配送停止中、配送方式をPULL方式に変更する例について説明する。
図28は、PULL方式での電子メールの配送例を表わす図である。図28は、例えば、自動配送停止後のシーケンス例を示す。
PULL方式は、例えば、メールサーバ100は端末300からの要求に応じて、受信した電子メールを端末300へ配送る配送方式である。図28の例においても、端末300はメッセージ要求をメールサーバ100へ向けて送信し(S97)、電子メールの新たな受信があるかどうかを確認する。メールサーバ100は、ユーザA宛ての電子メールを受信した場合は、メッセージ要求に対して電子メールを送信し(S98)、端末300はこれを受信する。
このPULL方式については、例えば、<2.自動配送停止中に行われる制御>で説明した分割送信や、配送順序の変更などと組み合わせて適用されてもよい。
<3.6 端末がハンドオーバする場合のシーケンス例>
次に、メールの自動配送停止後、端末300がハンドオーバする場合の動作例について説明する。図29はかかる場合のシーケンス例を表わす図であり、3Gによる移動通信システム10による場合の例を表わしている。
メールサーバ100は、障害発生に関する監視情報を受信し(S34)、在圏ユーザを確認した後(S36,S37)、監視情報を通知したユーザA(又は端末300)に対してメールの自動配送を停止させる(S360)。そして、メールサーバ100は、メール配送方式変更制御報告を、端末300が接続しているBTS650−1へ向けて送信する(S38)。
その後、端末300はハンドオーバを行い、接続基地局をBTS650−1からBTS650−2に変更する(S100)。
ハンドオーバ後、HLR/VLR500は、変更後のユーザ情報をメールサーバ100へ通知する(S101)。HLR/VLR500は、ハンドオーバによってユーザ(又は端末300)の位置情報などが変更されると、RNC600などから変更後の位置情報を受信するため、この受信を契機にして、変更後のユーザ情報を通知できる。
次に、メールサーバ100は、RNC600から障害発生による監視情報を再度受信し(S102)、ユーザA(又は端末300)に対して、電子メールの自動配送を停止することを決定し(S103)、メール配送方式変更制御報告を送信する(S104)。この場合、メールサーバ100は、ユーザAに対してはハンドオーバ前に自動配送を停止しているため(S360)、ハンドオーバ後においてもその状態を継続することになる。
その後、メールサーバ100は、RNC600から障害復旧に関する監視情報を受信すると(S105)、当該ユーザAに対してメールの自動配送を再開させ(S106)、その旨の情報を含むメール配送方式変更制御報告を端末300へ向けて送信する(S107)。
LTEによる移動通信システム10におけるシーケンス例は示していないが、LTE装置200が監視情報を通知(S34、S102、S105)することで、3Gによる移動通信システム10の場合の例(例えば図29)と同様に実施できる。
端末300のハンドオーバによっても、メールサーバ100は、障害発生による装置状態の変化が継続していると、メールの自動配送の停止も継続させるようにしている。従って、本移動通信システム10においては、障害が発生してもメールサーバ100からはメールが送信されず、当該メールによる輻輳の発生を防止でき、これにより、通話などの他の通信を行うことが可能となる。
<3.7 その他のシーケンス例>
上記<3.3>において、緊急速報が配信された後、障害が発生した場合のシーケンス例について説明した。本例では、エリアメールの配信に関する監視情報の通知がなく、障害発生に関する監視情報によって、メールサーバ100がメールの自動配送を停止する例である。
図30はシーケンス例であり、3Gシステムによる移動通信システム10による場合の例を表わしている。
RNC600は、エリアメールの配信を受けても、エリアメールの配信による監視情報を送信しない。RNC600は、障害発生による装置状態の変化を検出すると、監視情報を生成し、メールサーバ100へ通知する(S74)。
メールサーバ100は、在圏ユーザを確認し(S75,S76)、ユーザA(又は端末300)に対して、メールの自動配送を停止し(S741)、その旨を示す情報を含むメール配送方式変更制御報告を送信する(S77)。以降は図25に示すシーケンス例と同様に動作する。
本例においては、メールサーバ100は、エリアメールの配信に関する監視情報を受信しなくても、障害に関する監視情報を受信することで自動配送を停止することができ(S74,S741)、これにより、輻輳の発生を防止し、通信を行うことが可能となる。
<3.8 在圏ユーザの問い合わせに関する動作例>
次に、在圏ユーザの問い合わせに関する種々の動作例について説明する。図31から図36はかかる動作例を表わすシーケンス図を示している。
このうち、図31は情報処理装置400が在圏ユーザの問い合わせを行う例を表わしている。情報処理装置400は、緊急速報を受信すると(S50)、RNC600配下に在圏する全ユーザについての識別情報や位置情報などを問い合わせる(S120)。
HLR/VLR500は、この通知を受けると、RNC600配下に在圏する全ユーザにユーザ情報を応答する(S121)。
メールサーバ100は、例えば、情報処理装置400から受信したユーザ情報に基づいて、メールの自動配送を停止させることが可能となる(S123)。
本例においては、メールサーバ100はHLR/VLR500に対して在圏ユーザの確認を行うことがないため、例えば、処理の軽減を図ることもできる。
図32の例は、メールサーバ100がHLR/VLR500に対して在圏ユーザを問い合わせる(S55,S56)例であり、図23などこれまで説明した例とほぼ同様の例となっている。
図33は、RNC600が在圏ユーザを問い合わせる例である。すなわち、RNC600は、エリアメールの配信を受けると(S58)、例えば、RNC600配下に在圏するユーザについてのユーザ情報を問い合わせる(S125)。そして、RNC600は、HLR/VLR500からユーザ情報を受信すると、メールサーバ100へ通知する(S127)。
図34は、RNC600が在圏ユーザを問い合わせて、HLR/VLR500がメールサーバ100へユーザ情報が通知される例である(S130,S131)。この場合、RNC600は、在圏ユーザの問い合わせの際に、その結果をメールサーバ100へ送信するよう指示してもよい。
図35はBTS650が在圏ユーザを問い合わせる例(S135)であり、図36はLTE装置200が在圏ユーザを問い合わせる例(S140)である。いずれも、HLR/VLR500は在圏ユーザの問い合わせに対して、その結果をメールサーバ100へ通知する(S136,S141)。
このように、本例においてはメールサーバ100以外の装置によって在圏ユーザの問い合わせが行われるため、メールサーバ100においては処理の軽減を図ることができる。
<3.9 緊急速報の際における他のシーケンス例>
次に、緊急速報の際における他のシーケンス例について説明する。図37から図39はシーケンス例を表わす。図37から図39のいずれの例においても、メールサーバ100は、自動配送を停止したことを示す情報を含むメール配送方式変更制御報告を送信しない例を表わしている。
図37の例においては、情報処理装置400が緊急速報を受信すると(S50)、在圏ユーザを確認し(S120,S121)、在圏ユーザに関するユーザ情報をメールサーバ100へ通知する(S122)。
メールサーバ100は、この通知を受けると、当該ユーザ宛ての電子メールについては配送方式を変更して送信する(S150)。図37の例では、メールの配送サイズを制限する例を表わしている(S151,S152)。このような配送サイズの制限は、例えば、上記<2.自動配送停止中に行われる制御>で説明したように、メールサーバ100が式(1)や式(2)を用いて送信可能データ数などを算出し、算出した当該送信可能データ数で電子メールを送信することで行われる。
図38の例においては、RNC600がエリアメールの配信を受けると(S58)、装置情報、輻輳情報、及び規制情報を含む監視情報を通知し(S155)、メールサーバ100がこの通知を受けると電子メールの配送方式を変更する(S150)。メールサーバ100は、例えば、この通知を受けた後に当該ユーザ宛ての電子メールを受信すると、変更後の配送方式で電子メールを配送する。図38の例においても、変更後の配送方式は、配送サイズを制限する例となっている(S151,S152)。
図39の例においては、図38と同様に、RNC600がエリアメールを受信すると(S58)、装置情報、輻輳情報、及び規制情報を含む監視情報をメールサーバ100へ通知する(S155)。
メールサーバ100は、この通知を受けて、例えば、RNC600配下のユーザの確認を行うと(S156,S157)、当該ユーザ宛てのメールに対して配送方式を変更する(S150)。
例えば、上記<2.自動配送停止中に行われる制御>において説明したように、メールサーバ100が送信可能データ数を算出し、送信可能データ数に基づいて、電子メールの配送順序を変更したり、配送経路を変更する。
図39の例では、メールサーバ100は、メールの配送順序を変更して、ユーザA宛てのメールを送信する(S160,S161)。例えば、メールサーバ100は、メールのデータパケットについて、到着順ではなく、パケットサイズの小さい順から送信する(S160,S161)。
その後、RNC600は、システム規制値を新たに算出したり、メール配送順序を変更したことでシステム規制値などに変更があると、規制情報を生成し、メールサーバ100へ通知する(S162)。RNC600は、例えば、規制情報を含む監視情報を生成して通知してもよい。
メールサーバ100は規制情報の通知を受けると、電子メールの配送経路を変更し、変更後の経路で電子メールを送信する(S164,S165)。
RNC600は、規制に関する解除が行われると、規制解除を示す規制情報を生成してメールサーバ100へ通知する(S167)。例えば、装置内規制監視部206や装置監視部203において規制解除がなされたか否かが検出されて、装置監視部203において当該規制情報が生成される。
メールサーバ100は当該規制情報を受信すると、配送方式を自動配送に変更する(S168)。メールサーバ100は、自動配送に変更後、端末300に対する電子メールを自動配送により送信する(S168,S169)。
なお、規制情報の通知については(S162,S167)、例えば、規制情報を含む監視情報の通知としてもよい。
図37から図39はいずれも3Gによる移動通信システム10を例にして説明したが、LTEによる移動通信システム10であっても同様に実施できる。この場合、RNC600をLTE装置200に代えて、LTE装置200が監視情報を生成して通知する。
図37から図39に示す例においても、メールサーバ100は障害発生に関する監視情報を受信すると、メールの自動配送を停止している(S155,S150など)。そのため、移動通信システム10においては、当該メールによる輻輳の発生を防止し、他の通信を行うことができる。また、図37から図39に示す例では、メールサーバ100は、自動配送を停止したことを示す情報を含むメール配送方式変更制御報告を送信しないため、処理の軽減を図ることができる。
<3.10 装置情報及び規制情報の通知シーケンス>
上記<3.9 緊急速報の際における他のシーケンス例>において、RNC600が装置情報と規制情報を含む監視情報を通知する例について説明した(例えば図38,図39のS155)。本例においては、装置情報と規制情報の通知について説明する。
図40はRNC600から装置情報と規制情報が送信される場合の例を表わしている。RNC600において障害等が発生すると(S180)、RNC600は規制を開始し(S181)、装置情報と規制情報をメールサーバ100へ通知する(S182)。例えば、規制情報には「システム規制率」や「CPU使用率」、「トラヒック量」などが含まれ、一定値以上の「システム規制率」などの値が規制情報として送信される(例えば図15(A))。
メールサーバ100は装置情報と規制情報を受信すると、メールの配送方式を変更する(S183)。図40の例では配送サイズが変更される。この場合、メールサーバ100は、メールの自動配送を停止するようにしてもよい。
その後、RNC600は規制が解除されると、規制解除の情報を含む規制情報をメールサーバ100へ通知する(S184)。例えば、一定値以下の「システム規制率」などの値が規制情報として送信され、メールサーバ100はこの値とシステムデータに含まれる各制限値とを比較することで、規制解除を確認できる。或いは、RNC600は、規制開始か規制解除かの情報を含む規制情報を生成して送信するようにしてもよい。例えば、装置監視部203において、このような規制情報が生成される。
メールサーバ100は規制解除に関する規制情報を受信すると、電子メールの配送方式を自動配送方式に変更し(S185)、以後、ユーザA(又は端末300)宛の電子メールを自動配送で送信する(S186)。
図41はBTS650が装置情報と規制情報を通知する場合の例を表わしている。BTS650はエリアメールの配信を受けて(S59)、装置情報と規制情報を生成し、メールサーバ100へ通知する(S190)。メールサーバ100はこの通知を受けて、メールの自動配送を停止したり、他の配送方式に変更する(S191)。
図42はLTE装置200が装置情報と規制情報を通知する場合の例を表わしている。LTE装置200はエリアメールの配信を受けると(S51)、装置情報と規制情報をメールサーバ100へ通知する(S195)。メールサーバ100はこの通知を受けて、メールの自動配送を停止したり、配送方式を自動配送から他の方式に変更する(S196)。
<4.その他の動作例>
上記した動作例については、メールサーバ100以外の電子メールの配送経路上の装置や回線において、障害発生による装置状態の変化を検出する場合について説明した。例えば、障害が発生する場所については、例えば、メールサーバ100において発生する場合もある。メールサーバ100は、例えば、自局の障害発生による装置状態の変化を検出することで、メールの自動配送を停止したり変更したりすることができる。
例えば、自ノード監視制御部108は、受信部101と送信部110とを監視し、送受信されるデータのデータ量や、各制御部102等の動作などに基づいて、輻輳率、トラヒック量、CPU使用率などを算出する。そして、自ノード監視制御部108は、例えば、システムデータに含まれる制限値と比較することで、配下ノード監視部220における装置監視部203と同様にして、装置状態変化の有無を検出できる(例えば図14のS21)。メール配送管理部103は、自ノード監視制御部108から装置状態の変化の有無の検出結果を受け取り、例えば監視情報などと同様に処理することで、装置状態の変化の有無に応じてメールの自動配送を停止したり再開することも可能である。
また、上記した動作例について、メールサーバ100は移動通信システム10におけるメールサーバであるとして説明した。例えば、メールの自動配送を行うメールサーバ100であれば、移動通信システム10以外の他の通信システムにおけるメールサーバ100であっても上記した動作例を適用することも可能である。
<メールサーバ制御部、配下ノード監視部、及びメール送受信部の他の構成例>
次に、メールサーバ制御部120、配下ノード監視部220、及びメール送受信部320の他の構成例について説明する。
図43はメールサーバ制御部120の他の構成例を表わす図である。メールサーバ制御部120は、CPU(Central Processing Unit)130、メモリ131、外部インタフェース132を備え、内部バス133を介して互いに接続される。
CPU130は、メモリ131に記憶されたプログラムを実行することで、例えば、メール中央制御部102、メール配送管理部103、メール送信タイミング制御部105、メール送信経路制御部106、メール送信順序制御部107、自ノード監視制御部108、他ノード監視制御部109(例えば図11)で行われる機能を実行できる。そのため、CPU130は、例えば、メール中央制御部102、メール配送管理部103、メール送信タイミング制御部105、メール送信経路制御部106、メール送信順序制御部107、自ノード監視制御部108、他ノード監視制御部109に対応する。
また、外部インタフェース132は、例えば、LTE装置200、情報処理装置400−1、HLR/VLR500、SGN350−1,350−2(以下、SGN350を称する場合がある)、RNC600との間でデータなどを交換する。外部インタフェース132は、例えば、受信部101と送信部110に対応する。
図44(A)は配下ノード監視部220の他の構成例を表わす図である。配下ノード監視部220は、CPU230、メモリ231、外部インタフェース232、及び無線部234を備え、内部バス233を介して互いに接続される。
図44(A)に示す配下ノード監視部220は、例えば、LTE装置200又はBTS650に対応する。これらの装置では端末300と無線通信を行うため、配下ノード監視部220においては無線部234を備える。無線部234は、例えば、データや信号などを無線信号に変換して端末300へ送信したり、端末300から送信された無線信号を受信して無線信号からデータや信号などを抽出する。無線部234は、例えば、受信部201と送信部210に対応する。
また、CPU230は、メモリ231に記憶されたプログラムを読み出して実行することで、例えば、装置監視制御部202、装置監視部203、装置内輻輳監視部205、装置内規制監視部206、及び障害監視部207(例えば図12)の機能を実行する。そのため、CPU230は、例えば、装置監視制御部202、装置監視部203、装置内輻輳監視部205、装置内規制監視部206、及び障害監視部207に対応する。
また、外部インタフェース232は、例えば、メールサーバ100、SGN350、情報処理装置400、HLR/VLR500、RNC600との間でデータなどを交換する。外部インタフェース232は、例えば、受信部201と送信部210に対応する。
図44(B)は配下ノード監視部220の他の構成例を表わす図である。図44(B)に示す配下ノード監視部220は、例えば、RNC600に対応する。このため、本例における配下ノード監視部220は、図44(A)に示す配下ノード監視部220に対して無線部234がない構成となっている。本例における外部インタフェース232は、例えば、メールサーバ100、SGN350、情報処理装置400、HLR/VLR500、及びBTS650との間でデータなどを交換する。
図45はメール送受信部320の構成例を表わす図である。メール送受信部320は、CPU330、メモリ331、及び無線部332を備える。
CPU330は、メモリ331に記憶されたプログラムを読み出して実行することで、例えば、携帯中央処理部302、端末監視部304、メール受信モード管理部305、メール自動受信制御管理部306、及びメール取得制御管理部307(図13)の機能を実行する。そのため、CPU330は、例えば、携帯中央処理部302、端末監視部304、メール受信モード管理部305、メール自動受信制御管理部306、及びメール取得制御管理部307に対応する。
無線部332は、配下ノード監視部220から送信された無線信号を受信して、無線信号からデータなどを抽出し、また、データなど無線信号に変換して配下ノード監視部220へ送信する。無線部332は、例えば、受信部301と送信部310に対応する。
以上まとめると付記のようになる。
(付記1)
端末装置と、
電子メールを受信すると前記端末装置から前記電子メールに対する取得要求を待つことなく前記電子メールを前記端末装置へ自動配送する配送制御装置とを備える通信システムにおいて、
前記配送制御装置は、前記配送制御装置から前記端末装置までの前記電子メールの配送経路又は当該配送経路上の装置の状態に応じて、前記電子メールの自動配送の停止又は再開を制御するメール配送管理部を備え、
前記端末装置は前記自動配送された電子メールを受信する受信部を備えることを特徴とする通信システム。
(付記2)
前記メール配送管理部は、緊急情報が前記端末装置へ送信されたことを検出したとき、前記電子メールの自動配送を停止させることを特徴とする付記1記載の通信システム。
(付記3)
前記メール配送管理部は、前記経路上の装置において前記緊急情報を送信したときにおいて前記経路上の装置から前記緊急情報の送信に関する監視情報を受信し、当該監視情報を受信したとき、前記電子メールの自動配送を停止させることを特徴とする付記2記載の通信システム。。
(付記4)
前記メール配送管理部は、前記配送経路又は前記配送経路上の装置において障害が継続して発生することを検出したとき、前記電子メールの自動配送を停止することを特徴とする付記1記載の通信システム。
(付記5)
前記メール配送管理部は、障害が継続して発生することで前記配送経路上の装置から障害発生に関する監視情報を受信したとき、前記電子メールの自動配送を停止することを特徴とする付記4記載の通信システム。
(付記6)
前記メール配送管理部は、前記配送経路上の装置において、所定データ量に対して送受信可能なデータ量の比率を示すシステム規制率、一定期間内において使用された前記メール配送管理部の使用率、及びデータの送受信量を示すトラヒック量が制限値により示された上限値及び下限値の範囲を超えることが所定時間継続するとき、前記配送経路上の装置から障害発生に関する監視情報を受信し、当該障害発生に関する監視情報を受信すると、前記電子メールの自動配送を停止することを特徴とする付記4記載の通信システム。
(付記7)
前記メール配送管理部は、前記配送経路又は前記配送経路上の装置において発生した障害が継続して復旧したことを検出したとき、前記電子メールの自動配送を再開することを特徴とする付記1記載の通信システム。
(付記8)
前記メール配送管理部は、障害からの復旧が継続して発生することで前記配送経路上の装置から障害復旧に関する監視情報を受信したとき、前記電子メールの自動配送を再開することを特徴とする付記7記載の通信システム。
(付記9)
前記メール配送管理部は、前記配送経路上の装置において、所定データ量に対して送受信可能なデータ量の比率を示すシステム規制率、一定期間内において使用された前記メール配送管理部の使用率、及びデータの送受信量を示すトラヒック量が制限値により示された上限値及び下限値の範囲内にあることが所定時間継続するとき、前記配送経路上の装置から障害復旧に関する監視情報を受信し、当該障害復旧に関する監視情報を受信すると、前記電子メールの自動配送を再開することを特徴とする付記8記載の通信システム。
(付記10)
前記メール配送管理部は、前記電子メールの自動配送を停止させた後一定期間内において配送経路又は当該配送経路上の装置の障害を検出したとき、停止させた前記電子メールの自動配送を継続し、前記電子メールの自動配送を停止させた後一定期間内において配送経路又は当該配送経路上の装置の障害を検出しないとき、前記電子メールの自動配送を再開させることを特徴とする付記2記載の通信システム。
(付記11)
前記メール配送管理部は、前記緊急情報を配信する装置から前記緊急情報を送信したことを示す監視情報を受信したとき、前記緊急情報が前記端末装置へ送信されたことを検出することを特徴とする付記2記載の通信システム。
(付記12)
前記メール配送管理部は、前記電子メールの自動配送を停止しているとき、前記配送経路又は前記配送経路上の装置における負荷状態又は輻輳状態に応じた送信量で前記電子メールを前記端末装置へ送信し、前記電子メールのデータ量が前記送信量を超えるときは前記電子メールを分割して送信することを特徴とする付記1記載の通信システム。
(付記13)
前記送信量は、前記配送制御装置の最大性能値を表わす過負荷度に応じた送信量であることを特徴とする付記12記載の通信システム。
(付記14)
前記メール配送管理部は、前記電子メールの自動配送を停止しているとき、一定期間内で前記送信量となる送信タイミングで前記電子メールを端末装置へ送信することを特徴とする付記12記載の通信システム。
(付記15)
前記メール配送管理部は、前記電子メールの自動配送を停止しているとき、前記電子メールを構成するデータパケットの配送順序を変更して前記電子メールを送信することを特徴とする付記1記載の通信システム。
(付記16)
前記メール配送管理部は、前記電子メールの自動配送を停止しているとき、経路情報に基づいて前記電子メールを他の配送制御装置へ送信することを特徴とする付記1記載の通信システム。
(付記17)
前記メール配送管理部は、前記電子メールの自動配送を停止しているとき、前記端末装置からの取得要求に応じて前記電子メールを前記端末装置へ送信することを特徴する付記1記載の通信システム。
(付記18)
端末装置と、電子メールを受信すると端末装置から前記電子メールに対する取得要求を待つことなく前記電子メールを前記端末装置へ自動配送する配送制御装置とを備える通信システムにおける電子メールの配送制御方法であって、
前記配送制御装置は、前記配送制御装置から前記端末装置までの前記電子メールの配送経路又は当該配送経路上の装置の状態に応じて、前記電子メールの自動配送の停止又は再開を制御し、
前記端末装置は前記自動配送された電子メールを受信する
ことを特徴とする配送制御方法。
(付記19)
電子メールを受信すると端末装置から前記電子メールに対する取得要求を待つことなく前記電子メールを前記端末装置へ自動配送する配送制御装置において、
前記配送制御装置から前記端末装置までの前記電子メールの配送経路又は当該配送経路上の装置の状態に応じて、前記電子メールの自動配送の停止又は再開を制御するメール配送管理部
を備えることを特徴とする配送制御装置。
(付記20)
配送制御装置へ電子メールの取得要求を送信することなく前記配送制御装置から自動配送された前記電子メールを受信する端末装置において、
前記配送制御装置から前記端末装置までの前記電子メールの配送経路又は当該配送経路上の装置の状態に応じて、前記配送制御装置において前記電子メールの自動配送の停止又は再開が制御されて、前記電子メールの自動配送が再開されたとき前記配送制御装置から前記電子メールを受信する受信部
を備えることを特徴とする端末装置。