以下、本発明による無線通信システムについて、実施の形態を用いて説明する。なお、以下の実施の形態において、同じ符号を付した構成要素及びステップは同一または相当するものであり、再度の説明を省略することがある。
(実施の形態1)
本発明の実施の形態1による無線通信システムについて、図面を参照しながら説明する。本実施の形態による無線通信システムは、ビーコンに含まれる利用指針情報を用いて、無線リソースの適切な割り当てを実現するものである。
図1は、本実施の形態による無線通信システム100の構成を示すブロック図である。本実施の形態による無線通信システム100は、無線基地局1と、1以上の端末装置2とを備える。無線基地局1と端末装置2とは、無線通信を行う。無線基地局1は、インターネットやイントラネット、公衆電話回線網等の外部のネットワークに接続されていてもよい。そして、無線基地局1は、端末装置2を、その外部のネットワークに接続するものであってもよい。無線基地局1は、端末装置2を外部のネットワークに接続するアクセスポイントであってもよい。なお、図1では、無線通信システム100が1個の端末装置2のみを有している場合について示しているが、無線通信システム100は、2個以上の端末装置2を有していてもよい。また、図1では、1個の無線通信システム100のみを示しているが、他の無線通信システム100が存在してもよい。その場合に、無線基地局1は、他の無線通信システム100の有する無線基地局1から送信される情報を受信できてもよい。
無線基地局1は、受付部11と、通信品質取得部12と、利用指針情報生成部13と、基地局送信部14と、基地局受信部15と、処理部16と、送信キュー17と、基地局送信制御部18とを備える。
受付部11は、後述する非常時・平常時を示す情報を受け付ける。この情報は、現在が非常時であるのか、平常時であるのかを示す情報である。非常時とは、多くの人が通信を行いたいと考える状況のことであり、例えば、地震や洪水、台風、火災等の災害時などである。その情報は、例えば、気象庁や他の官庁、管理者等において人手で設定されたものであってもよく、地震計や風速計、気圧計、雨量計等の計測機器等を用いて自動的に設定されたものであってもよい。受付部11は、例えば、入力デバイス(例えば、キーボードやマウス、タッチパネルなど)から入力された情報を受け付けてもよく、有線もしくは無線の通信回線を介して送信された情報を受信してもよく。なお、受付部11は、受け付けを行うためのデバイス(例えば、入力デバイスやネットワークカードなど)を含んでもよく、あるいは含まなくてもよい。また、受付部11は、ハードウェアによって実現されてもよく、あるいは所定のデバイスを駆動するドライバ等のソフトウェアによって実現されてもよい。
通信品質取得部12は、無線通信に関する通信品質を取得する。無線通信に関する通信品質とは、無線基地局1と1以上の端末装置2との間の無線通信が空いているのか混雑しているのかを示す情報である。通信品質は、例えば、通信経路の観測品質の情報、ユーザが評価した通信経路の主観品質の情報、及び平常時・非常時を示す情報から選ばれる1以上の情報に応じた情報であってもよく、無線通信に関する通信品質の程度を示すその他の情報であってもよい。観測品質や、主観品質は、通信経路の混雑の程度を示す情報である。一方、平常時・非常時を示す情報は、通信品質等の要求レベルを決定する情報である。例えば、音声伝送において、平常時には高い音質による通信を求めるが、非常時には了解度と接続回線数の増大を求める等である。通信経路の観測品質の情報、ユーザが評価した通信経路の主観品質の情報、及び平常時・非常時を示す情報から選ばれる1以上の情報に応じた情報とは、その1以上の情報を含む情報であってもよく、その1以上の情報に対応する値であってもよく、観測品質の情報等に応じたその他の情報であってもよい。その1以上の情報に対応する値とは、例えば、その1以上の情報を引数とする関数の値であってもよく、その1以上の情報にテーブル等によって対応付けられている値であってもよい。通信品質が観測品質の情報等を引数とする関数の値である場合には、例えば、通信品質ηは、次式で示されるように、引数がf,d,eである関数Qの値であってもよい。
η=Q(f,d,e)
ここで、fは観測品質であり、dは主観品質であり、eは環境を示す情報であってもよい。環境を示す情報とは、前述の平常時・非常時を示す情報であってもよい。なお、関数Qの引数は、f,d,eから選ばれる1以上の引数であってもよい。また、通信品質が観測品質の情報に応じた情報である場合に、観測品質が高いほど、通信品質も高いものとする。例えば、関数Qは、引数fの増加関数であってもよい。また、通信品質が主観品質の情報に応じた情報である場合に、主観品質が高いほど、通信品質も高いものとする。例えば、関数Qは、引数dの増加関数であってもよい。また、通信品質が平常時・非常時を示す情報に応じた情報である場合に、通信品質は、非常時よりも平常時のほうがよいものとする。例えば、関数Qは、引数eが平常時を示す場合のほうが非常時を示す場合よりも高い値となる関数であってもよい。なお、関数Qは、eの値に応じて異なる関数であってもよい。例えば、関数Q(f,d,e=平常時)=関数Q1(f,d)であり、関数Q(f,d,e=非常時)=関数Q2(f,d)であってもよい。なお、任意のf,dについて、Q1(f,d)>Q2(f,d)であるとする。また、通信品質は、通信品質が結果として分かるのであれば、混雑状況を示す情報であってもよい。また、上述のηは、QoE(Quality of Experience)であると考えてもよい。
通信経路の観測品質の情報は、例えば、パケットの送受信に応じて測定できる情報を含んでもよく、送信キュー17でキューイングされているパケットの数に応じて取得できる情報を含んでもよく、それらのうち少なくとも一方の情報に対応する値であってもよい。その情報に対応する値とは、例えば、その情報を引数とする関数の値であってもよく、その情報にテーブル等によって対応付けられている値であってもよい。この通信経路の観測品質の情報は、例えば、QoSであると考えてもよい。パケットの送受信に応じて測定できる情報は、例えば、スループットであってもよく、遅延であってもよく、ジッタであってもよく、パケットロス率(パケット損失率)であってもよく、周波数帯域が利用されているかどうかを示す周波数の利用状況であってもよく、ビットエラー率であってもよく、それらの任意の2以上の組み合わせであってもよい。また、パケットの送受信に応じて測定できる情報は、スループット等のうち、1以上の情報に対応する値であってもよい。その1以上の情報に対応する値とは、例えば、その1以上の情報を引数とする関数の値であってもよく、その1以上の情報にテーブル等によって対応付けられている値であってもよい。例えば、スループットが高いほど観測品質は高くなり、遅延が短いほど観測品質は高くなり、ジッタがないほど観測品質は高くなり、パケットロス率が低いほど観測品質は高くなり、使用されている周波数帯域(チャネル)が少ないほど観測品質は高くなり、ビットエラー率が低いほど観測品質は高くなる。なお、これらの情報は、無線基地局1が観測した情報であってもよく、端末装置2が観測した情報であってもよく、その両方であってもよい。端末装置2が観測した結果も用いる場合には、通信品質取得部12は、基地局受信部15が受信した、端末装置2での観測結果を用いてもよい。また、パケットの送受信に応じて測定できる情報を取得するために、プローブパケットが用いられてもよく、または、他の用途のパケットが用いられてもよい。また、キューイングされているパケットの数に応じて取得できる情報は、送信キュー17でキューイングされているパケットの数であってもよく、キューイングされているパケットの数の変化の割合(例えば、単位時間あたりの増加率や減少率等)であってもよく、その両方であってもよく、または、キューイングされているパケット数、及び、そのパケット数の変化の割合のうち、少なくとも一方に対応する値であってもよい。少なくとも一方に対応する値とは、例えば、その少なくとも一方を引数とする関数の値であってもよく、その少なくとも一方にテーブル等によって対応付けられている値であってもよい。例えば、送信キュー17でキューイングされているパケットの数が増加している場合やしきい値よりも多い場合には、送信トラフィックが多く、観測品質は低いと考えられる。また、送信キュー17でキューイングされているパケットの数が減少している場合やしきい値よりも低い場合には、送信トラフィックが少なく、観測品質は高いと考えられる。なお、この観測品質の情報は、アプリケーションごとの情報であってもよい。その場合には、パケットの送受信に応じて測定できる情報は、例えば、あるアプリケーションで送受信されるパケットを用いて測定される情報であってもよく、キューイングされているパケットの数に応じて取得できる情報は、例えば、あるアプリケーションで用いられる送信キュー17でキューイングされているパケットの数に応じて取得される情報であってもよい。
通信経路の主観品質の情報は、例えば、後述するように端末装置2から送信され、基地局受信部15によって受信された、ユーザによる通信経路の評価を用いて取得される情報であってもよい。すなわち、通信品質取得部12は、その評価を用いて主観品質の情報を取得してもよい。その評価は、例えば、ビデオや音声、テキスト等の通信にユーザが満足しているかどうかを示す情報であってもよい。その評価は、満足・不満足のように2段階の情報であってもよく、満足・普通・不満足等のように3段階の情報であってもよく、4段階以上の情報であってもよい。例えば、ビデオや音声が途切れたり、ノイズが多かったりする場合には、ユーザによる通信経路の評価は「不満足」となり、そうでない場合には、ユーザによる通信経路の評価は「満足」となる。通信品質取得部12は、満足であることを示す評価が多いほど主観品質が高くなり、不満足であることを示す評価が多いほど主観品質が低くなるように主観品質の情報を取得してもよい。そして、通信品質取得部12は、その主観品質の情報に応じた通信品質を取得してもよい。なお、この主観品質の情報は、アプリケーションごとの情報であってもよい。その場合には、あるアプリケーションに対応する主観品質の情報は、そのアプリケーションに関するユーザの評価を用いて取得されてもよい。
なお、観測品質や主観品質は、所定の期間の平均値であってもよい。その所定の期間は、例えば、通信品質を取得する時点の直前のあらかじめ決められた期間であってもよく、その他の期間であってもよい。また、無線基地局1が複数の端末装置2と無線通信を行っている場合には、通信品質そのもの、または、その通信品質の取得のために用いられる情報(例えば、観測品質や主観品質、スループット等)は、その複数の端末装置2との複数の無線通信に応じた値であってもよい。複数の無線通信に応じた値とは、複数の無線通信の通信品質や、観測品質、主観品質、スループット等の代表値であってもよい。代表値は、例えば、平均値や中央値であってもよい。
平常時・非常時を示す情報は、前述のように、受付部11によって受け付けられた情報である。通信品質取得部12は、受付部11が受け付けた平常時・非常時を示す情報のうち、最新の情報に応じて通信品質を取得してもよい。例えば、その平常時・非常時を示す最新の情報は、図示しない記録媒体で記憶されていてもよい。
利用指針情報生成部13は、通信品質取得部12が取得した通信品質を用いて、無線通信に関する設定で用いられる利用指針情報を生成する。利用指針情報は、無線リソースの利用に関する指針を示す情報である。利用指針情報は、例えば、無線通信に関するパラメータに関する指示であってもよい。無線通信に関するパラメータは、通信のパラメータであってもよく、通信対象のパラメータであってもよい。具体的には、利用指針情報は、変調方式、符号化率、周波数、送信電力、信号帯域幅、通信の品質制御、及び通信優先順位から選ばれる1以上のものに関する指示を含んでいてもよい。例えば、通信の品質制御に関する指示は、通信対象のパラメータに関する指示であり、通信の品質制御以外に関する指示は、通信のパラメータに関する指示である。なお、その指示は、変調方式等の変更の指示(例えば、増加させる、減少させる等)であってもよく、変調方式等をある値に設定する旨の指示(例えば、Aに設定する、Bに設定する等)であってもよく、変調方式等に関するその他の指示であってもよい。また、通信品質取得部12が取得する通信品質がアプリケーションごとの情報である場合には、利用指針情報生成部13は、アプリケーションごとに利用指針情報を生成してもよい。なお、利用指針情報は、例えば、前述のηを最大化するように生成されてもよい。より具体的には、無線基地局1のセル内においてなされる1以上の無線通信の通信品質が全体として向上するように利用指針情報が生成されることが好適である。なお、通信品質が全体として向上するようにするため、利用指針情報に応じた設定がなされることによって、一部の端末装置2については通信品質が低下することもありうる。例えば、特定の端末装置2が多くの周波数帯域を占有していることによって、他の複数の端末装置2の通信品質が低下している場合には、その特定の端末装置2の通信品質を下げ、他の複数の端末装置2の通信品質を上げる利用指針情報を利用指針情報生成部13が生成してもよい。その場合には、特定の端末装置2の通信品質は低下するが、他の複数の端末装置2の通信品質を向上させることができ、結果としてそのセル内の無線通信の通信品質を全体として向上させることができるようになる。
ここで、変調方式、符号化率、周波数、送信電力、信号帯域幅、通信の品質制御、及び通信優先順位のそれぞれに関する指示と、取得された通信品質との関係について説明する。利用指針情報生成部13は、以下の説明のように、取得された通信品質に応じた利用指針情報を生成してもよい。
変調方式に関する指示は、通信品質の高いときには、変調1回あたりの送信ビット数を大きくする指示(例えば、変調方式を64QAMにする指示や、変調方式を1段階送信ビット数が大きくなるように変更する指示等)であってもよく、通信品質の低いときには、変調1回あたりの送信ビット数を小さくする指示(例えば、変調方式をBPSKにする指示や、変調方式を1段階送信ビット数が小さくなるように変更する指示等)であってもよい。なお、通信品質に観測品質の情報及び主観品質の情報が含まれている場合であって、観測品質が高く、主観品質が低い場合には、変調方式に関する指示は、変調1回あたりの送信ビット数を大きくする指示であってもよい。
符号化率に関する指示は、通信品質の高いときには、符号化率を大きくする指示(例えば、符号化率を3/4にする指示や、符号化率を1段階大きくする指示等)であってもよく、通信品質の低いときには、符号化率を小さくする指示(例えば、符号化率を1/2にする指示や、符号化率を1段階小さくする指示等)であってもよい。なお、通信品質に観測品質の情報が含まれており、その観測品質の情報にビットエラー率が含まれている場合には、ビットエラー率が大きいときの符号化率に関する指示は、符号化率を小さくする指示であり、ビットエラー率が小さいときの符号化率に関する指示は、符号化率を大きくする指示であってもよい。
なお、変調方式に関する指示と、符号化率に関する指示とは、一体となっていてもよい。例えば、それらに関する指示は、通信品質の高いときには、データレートを高くする指示であってもよく、通信品質が低いときには、データレートを低くする指示であってもよい。具体的には、無線通信がIEEE802.11n規格によって行われる場合には、データレートを高くする指示は、MCS(Modulation and Coding Scheme)インデックスを大きくする指示であり、データレートを低くする指示は、MCSインデックスを小さくする指示であってもよい。ただし、ストリーム数の変わらない範囲でMCSインデックスが変更されることが好適である。
周波数に関する指示は、通信品質が高いときには、周波数を制限しない指示(すなわち、周波数を指示しないことや、通信で使用するチャネル数を2チャネル以上にする指示等)であってもよく、通信品質の低いときには、周波数を制限する指示(例えば、空いているチャネルであるチャネル3で通信を行う旨の指示や、通信で使用するチャネル数を1チャネルにする旨の指示等)であってもよい。なお、周波数は、チャネル以外で指定されてもよい。
送信電力に関する指示は、通信品質の高いときには、送信電力を制限しない指示や、送信電力を下げる指示であってもよく、通信品質の低いときには、送信電力を制限する指示(例えば、送信電力が下限と上限との間になるようにする旨の指示等)や、送信電力を上げる指示であってもよい。
信号帯域幅に関する指示は、通信品質の高いときには、帯域幅を拡げる指示(例えば、信号帯域幅を40MHzにする指示や、信号帯域幅を5MHzだけ拡げる指示等)であってもよく、通信品質の低いときには、帯域幅を狭める指示(例えば、信号帯域幅を20MHzにする指示や、信号帯域幅を5MHzだけ狭める指示等)であってもよい。なお、通信品質に主観品質が含まれている場合には、信号帯域幅に関する指示は、主観品質が低いときには帯域幅を拡げる指示であり、主観品質が高いときには信号帯域幅を狭める指示であってもよい。また、通信品質に観測品質が含まれている場合であって、信号帯域幅に関する指示がアプリケーションごとの指示である場合には、テキストの通信のアプリケーションに対応する信号帯域幅に関する指示は、観測品質が低いときには帯域幅を狭める指示であり、主観品質が高いときには信号帯域幅を拡げる指示であってもよい。このようにすることで、テキストの通信に関する送信機会を増やすことができると考えられる。
通信の品質制御に関する指示は、通信品質の高いときには、通信の品質を高くする指示(例えば、通信の品質を1段階上げる指示や、通信の品質を32kbpsにする指示、送信キューからのパケット送出頻度を増加させる指示等)であってもよく、通信品質の低いときには、通信の品質を低くする指示(例えば、通信の品質を1段階下げる指示や、通信の品質を9.6kbpsにする指示、送信キューからのパケット送出頻度を減少させる指示等)であってもよい。この通信の品質制御に関する指示は、アプリケーションの通信の品質を制御する指示であってもよい。
通信優先順位に関する指示は、通信品質の高いときには、通信品質の高いときの優先順位で通信する指示であってもよく、通信品質の低いときには、通信品質の低いときの優先順位で通信する指示であってもよい。通信優先順位は、例えば、図4Aで示されるように、アプリケーションごとの優先順位であってもよい。そして、通信品質の高いときの優先順位と、通信品質の低いときの優先順位とは異なっていてもよい。例えば、通信品質が低い場合には、アプリケーション「ボイス」の優先順位が高くなってもよい。なお、通信品質に平常時・非常時を示す情報が含まれている場合には、通信優先順位に関する指示は、平常時・非常時を示す情報が平常時を示すときには、平常時に応じた優先順位で通信する指示であり、平常時・非常時を示す情報が非常時を示すときには、非常時に応じた優先順位で通信する指示であってもよい。
基地局送信部14は、利用指針情報生成部13が生成した利用指針情報を含むビーコンを送信する。ビーコンとは、無線基地局1が繰り返して送信する信号である。ビーコンは、例えば、周期的に送信されてもよい。その送信の周期は、例えば、100(ms)であってもよく、その他の周期であってもよい。ビーコンは、利用指針情報以外に、例えば、無線基地局1の識別子を含む信号であってもよい。その無線基地局1の識別子は、例えば、IEEE802.11規格におけるSSID(Service Set Identifier)であってもよい。利用指針情報がアプリケーションごとの情報である場合には、そのアプリケーションごとの利用指針情報がビーコンに含まれてもよい。また、基地局送信部14は、ビーコン以外の情報を送信してもよい。例えば、インターネット等の通信回線を介して行われる通信において端末装置2が受信する情報を、基地局送信部14が端末装置2に送信してもよい。具体的には、基地局送信部14は、送信キュー17でキューイングされているパケットを、順次送信してもよい。その送信の際に、基地局送信部14は、キャリアセンスの結果を用いた基地局送信制御部18の制御に応じた送信を行ってもよい。基地局送信部14は、通常、アンテナを介して無線で情報を送信する。なお、基地局送信部14は、送信を行うための送信デバイス(例えば、ネットワークカードなど)を含んでもよく、あるいは含まなくてもよい。また、基地局送信部14は、ハードウェアによって実現されてもよく、あるいは送信デバイスを駆動するドライバ等のソフトウェアによって実現されてもよい。
基地局受信部15は、端末装置2から送信された情報を受信する。例えば、基地局受信部15は、端末装置2の端末送信部27が送信した、ユーザによる通信経路の評価を受信してもよい。また、基地局受信部15は、その他の情報を受信してもよい。また、基地局受信部15は、キャリアセンスを行ってもよい。キャリアセンスとは、空き周波数帯域を検出(センシング)することである。基地局受信部15は、通常、無線で送信された情報を、アンテナを介して受信する。なお、基地局受信部15は、受信を行うための無線の受信デバイス(例えば、ネットワークカードなど)を含んでもよく、あるいは含まなくてもよい。また、基地局受信部15は、ハードウェアによって実現されてもよく、あるいは受信デバイスを駆動するドライバ等のソフトウェアによって実現されてもよい。
処理部16は、受信された情報、送信される情報に関する処理を行う。処理部16は、その処理をアプリケーションごとに行ってもよい。例えば、ボイス通信が行われている場合には、処理部16は、外部のネットワークから受信されたボイス通信に応じたパケットを送信キュー17に蓄積したり、基地局受信部15が受信したボイス通信に応じたパケットを受け取り、外部のネットワークに送信したりするなどの処理を行ってもよい。なお、送信キュー17において、アプリケーションごとにキューイングを行うことができる場合には、処理部16は、アプリケーションごとにパケットを送信キュー17に蓄積してもよい。また、例えば、基地局受信部15が、ユーザによる通信経路の評価を受信した場合には、処理部16は、その評価を含むパケットから評価の情報を取り出し、通信品質取得部12に渡してもよく、図示しない記録媒体に蓄積してもよい。
送信キュー17には、送信前の情報が一時的に記憶される。前述のように、送信キュー17では、アプリケーションごとに情報が記憶されてもよい。送信キュー17は、所定の記録媒体(例えば、半導体メモリや磁気ディスクなど)によって実現されうる。
基地局送信制御部18は、基地局受信部15を用いたキャリアセンスの結果に応じて、基地局送信部14による送信を制御する。具体的には、基地局送信制御部18は、キャリアセンスの結果に応じて空いている周波数を特定し、その特定した周波数で送信するように基地局送信部14を制御してもよい。基地局送信制御部18による制御は、例えば、CSMA/CA(Carrier Sense Multiple Access/Collision Avoidance)の制御であってもよい。なお、キャリアセンスの結果に応じて通信で用いる周波数を制御することはすでに公知であり、その詳細な説明を省略する。
端末装置2は、端末受信部21と、判断部22と、設定部23と、受付部24と、処理部25と、送信キュー26と、端末送信部27と、端末送信制御部28とを備える。
端末受信部21は、無線基地局1から送信されたビーコンを受信する。また、端末受信部21は、ビーコン以外の情報を受信してもよい。また、端末受信部21は、キャリアセンスを行ってもよい。また、端末受信部21は、通常、無線で送信された情報を、アンテナを介して受信する。なお、端末受信部21は、受信を行うための無線の受信デバイス(例えば、ネットワークカードなど)を含んでもよく、あるいは含まなくてもよい。また、端末受信部21は、ハードウェアによって実現されてもよく、あるいは受信デバイスを駆動するドライバ等のソフトウェアによって実現されてもよい。
判断部22は、端末受信部21が受信したビーコンに含まれる利用指針情報が、端末装置2の無線通信の方針に反するかどうか判断する。ここで、端末装置2の無線通信の方針は、例えば、ユーザによる方針であってもよく、アプリケーションによる方針であってもよく、または、その両方であってもよい。ユーザによる方針は、例えば、ユーザが設定した方針であってもよく、受付部24が受け付けた、ユーザによる通信経路の評価(この評価については後述する)に応じた方針であってもよい。そのユーザが設定した方針は、例えば、利用指針情報に応じた設定を行うという方針であってもよく、利用指針情報に応じた設定を行わないという方針であってもよく、または、通信品質が高くなる場合にのみ利用指針情報に応じた設定を行うという方針であってもよい。また、そのユーザが設定した方針は、利用指針情報に含まれている指示ごと(例えば、変調方式や符号化率等ごと)に、指針に応じた設定を行うかどうかを示す方針であってもよい。また、ユーザによる評価に応じた方針は、例えば、ユーザによる通信経路の評価が低い場合には、現状よりも高い通信品質で通信を行うことであり、ユーザによる通信経路の評価が高い場合には、現状の通信品質、または、任意の通信品質で通信を行うことであってもよい。アプリケーションによる方針は、例えば、処理部25が通信したい対象に応じた方針であってもよい。通信したい対象とは、例えば、通信内容(例えば、ボイスであるのか、テキストであるのかなど)であってもよく、通信量(通信容量)であってもよい。その方針は、例えば、処理部25が通信したい対象の通信内容が高い通信品質を要求する場合(例えば、通信内容がビデオである場合等)や、処理部25が通信したい対象の通信量が多い場合には、高い通信品質で通信を行うことであり、処理部25が通信したい対象の通信内容が高い通信品質を要求しない場合や、処理部25が通信したい対象の通信量が少ない場合には、任意の通信品質で通信を行うことであってもよい。なお、通信したい対象の通信量については、通信対象の全データ量で判断してもよく、または、送信キュー26でキューイングされているデータ量で判断してもよい。また、端末装置2の無線通信の方針は、上述した以外の基準に応じた方針であってもよい。2以上の方針を用いる場合、例えば、ユーザによる方針と、アプリケーションによる方針とを用いる場合には、端末装置2の無線通信の方針は、それらの2以上の方針を含んでもよく、または、それらの2以上の方針から生成された1個の方針であってもよい。この端末装置2の無線通信の方針のうち、ユーザが設定する方針以外については、処理部25によって生成されてもよい。また、端末装置2の無線通信の方針は、アプリケーションごとの情報であってもよい。また、端末装置2の無線通信の方針は、図示しない記録媒体で記憶されており、判断部22は、それを読み出して判断の処理に用いてもよい。
判断部22は、端末装置2の無線通信の方針によって、より高い通信品質または高い通信品質が求められているのに対して、利用指針情報が、通信品質を低下させる指針である場合には、利用指針情報が端末装置2の無線通信の方針に反すると判断してもよい。一方、端末装置2の無線通信の方針によって通信品質の制限がない場合には、利用指針情報が端末装置2の無線通信の方針に反しないと判断してもよい。具体的には、端末装置2の無線通信の方針によって、より高いスループットの通信が求められているとすると、利用指針情報に、送信ビット数が小さくなる変調方式に関する指示や、符号化率が小さくなる符号化率に関する指示、周波数を制限する指示、送信電力が下がることになる送信電力に関する指示、帯域幅を狭める信号帯域幅に関する指示、通信の品質を低くする旨の通信の品質制御に関する指示、優先順位が下がることになる通信優先順位に関する指示が含まれている場合には、各指示は端末装置2の無線通信の方針に反すると判断されてもよい。なお、その判断は、指示ごとになされてもよい。すなわち、ある利用指針情報について、例えば、変調方式に関する指示は端末装置2の無線通信の方針に反しないが、信号帯域幅に関する指示は端末装置2の無線通信の方針に反すると判断してもよい。なお、ビーコンに含まれる利用指針情報がアプリケーションごとの情報である場合や、端末装置2の無線通信の方針がアプリケーションごとの情報である場合には、判断部22は、アプリケーションごとに、利用指針情報と端末装置2の無線通信の方針とが一致するかどうかを判断してもよい。また、ユーザによって、利用指針情報に応じた設定を行うという方針が設定されている場合には、判断部22は、利用指針情報が端末装置2の無線通信の方針に反しないと判断してもよい。また、ユーザによって、利用指針情報に応じた設定を行わないという方針が設定されている場合には、判断部22は、利用指針情報が端末装置2の無線通信の方針に反すると判断してもよい。また、ユーザによって、通信品質が高くなる場合にのみ利用指針情報に応じた設定を行うという方針が設定されている場合には、判断部22は、利用指針情報が通信品質を向上させる指針であるときには、利用指針情報が端末装置2の無線通信の方針に反しないと判断し、利用指針が通信品質を低下させる指針であるときには、利用指針情報が端末装置2の無線通信の方針に反すると判断してもよい。また、判断部22は、それ以外の判断を行ってもよい。例えば、判断部22は、ビーコンに含まれる利用指針情報と、端末装置2の無線通信の方針との比較を行うかどうかを判断してもよい。具体的には、利用指針情報が更新されていない場合には、判断部22は、両者の比較を行わないと判断してもよい。また、利用指針情報が、強度の最も強いビーコンに含まれているものではない場合には、判断部22は、両者の比較を行わないと判断してもよい。他のセルからのビーコンに含まれる利用指針情報に応じた設定を行わないようにするためである。
設定部23は、端末受信部21が受信したビーコンに含まれる利用指針情報が端末装置2の無線通信の方針に反しないと判断部22によって判断された場合には、その利用指針情報に応じた無線通信に関する設定を行う。なお、アプリケーションごとに判断が行われた場合には、設定部23は、アプリケーションごとに無線通信に関する設定を行ってもよい。また、利用指針情報に含まれる指示ごとに判断が行われた場合には、設定部23は、その指示ごとに無線通信に関する設定を行ってもよい。一方、利用指針情報が端末装置2の無線通信の方針に反すると判断部22によって判断された場合には、設定部23は、利用指針情報に応じた設定を行わない。このようにすることで、端末装置2の方針に反しない範囲で、利用指針情報に応じた設定が行われることになり、利用指針情報によって端末装置2のユーザの満足度を低下させたり、アプリケーションに悪影響を与えたりすることを防止することができる。設定部23は、例えば、利用指針情報のうち、通信のパラメータに関する指示に応じて端末送信部27に設定を行ってもよく、通信対象のパラメータに関する指示に応じて処理部25に設定を行ってもよい。設定部23は、例えば、変調方式、符号化率、周波数、送信電力、信号帯域幅、通信優先順位については、端末送信部27に対して設定を行い、通信の品質制御については、処理部25に対して設定を行ってもよい。なお、設定部23は、通信のパラメータに関する指示に応じた変調方式等を、制御チャネル等を介して無線基地局1に送信してもよい。具体的には、設定部23は、通信のパラメータに関する指示に応じた変調方式等と、端末装置2の識別子とを無線基地局1に送信するように処理部25を制御してもよい。その結果、それらの情報が送信キュー26、端末送信部27を介して無線基地局1に送信されてもよい。また、無線基地局1では、それらの情報を受信すると、その受信した識別子で識別される端末装置2に送信を行う場合には、その受信した変調方式等によって、送信を行うものとする。その結果、端末受信部21は、利用指針情報に応じた変調方式等によって情報を受信できるようになる。なお、利用指針情報に含まれる2以上の指示のうち、一部の指示(例えば、変調方式に関する指示等)について端末装置2の無線通信の方針に反しないと判断された場合には、設定部23は、端末装置2の無線通信の方針に反しない指示についてのみ、その指示に応じた設定を行ってもよい。
受付部24は、ユーザから、通信経路の評価を受け付ける。その評価は、前述のように、満足・不満足のように2段階の情報であってもよく、3段階以上の情報であってもよい。また、受付部24は、評価以外の情報、例えば、通信に関する操作や、アプリケーションに関する操作等を受け付けてもよい。受付部24は、例えば、入力デバイス(例えば、キーボードやマウス、タッチパネルなど)から入力された情報を受け付けてもよく、有線もしくは無線の通信回線を介して送信された情報を受信してもよい。なお、受付部24は、受け付けを行うためのデバイス(例えば、入力デバイスやネットワークカードなど)を含んでもよく、あるいは含まなくてもよい。また、受付部24は、ハードウェアによって実現されてもよく、あるいは所定のデバイスを駆動するドライバ等のソフトウェアによって実現されてもよい。
処理部25は、受信された情報、送信される情報に関する処理を行う。処理部25は、その処理をアプリケーションごとに行ってもよい。例えば、ボイス通信が行われている場合には、処理部25は、ボイス通信に応じたパケットを送信キュー26に蓄積したり、端末受信部21が受信したボイス通信に応じたパケットを受け取ったりするなどの処理を行ってもよい。なお、送信キュー26において、アプリケーションごとにキューイングを行うことができる場合には、処理部25は、アプリケーションごとにパケットを送信キュー26に蓄積してもよい。また、例えば、受付部24がユーザによる通信経路の評価を受け付けた場合には、処理部25は、その評価を含むパケットが無線基地局1に送信されるように処理してもよい。具体的には、処理部25は、その評価を含むパケットを送信キュー26に蓄積してもよい。また、処理部25は、端末装置2の無線通信の方針を生成してもよい。例えば、受付部24によって受け付けられた評価によって、ユーザによる通信経路の評価が低いことが示される場合には、処理部25は、現状よりも高い通信品質で通信を行う方針を生成してもよく、ユーザによる通信経路の評価が普通である場合、または高いことが示される場合には、処理部25は、任意の通信品質で通信を行う方針を生成してもよい。また、処理部25は、通信内容が高い通信品質を要求する場合や、通信量が多い場合には、高い通信品質で通信を行う方針を生成し、通信内容が高い通信品質を要求しない場合や、通信量が少ない場合には、任意の通信品質で通信を行う方針を生成してもよい。また、処理部25は、その他の基準に応じて、端末装置2の無線通信の方針を生成してもよい。また、処理部25は、その生成した方針を図示しない記録媒体に蓄積してもよい。また、設定部23によって、通信の品質制御に関する指示に応じた設定がなされた場合には、処理部25は、その設定に応じた処理を行ってもよい。例えば、通信の品質が9.6kbpsに設定された場合には、処理部25は、その速度で送信が行われるように処理を行ってもよい。また、例えば、送信キュー26からの送出頻度を増加または減少させる指示に応じて、処理部25は、送信キュー26からの送出頻度を制御してもよい。
送信キュー26には、送信前の情報が一時的に記憶される。送信キュー26では、アプリケーションごとに情報が記憶されてもよい。送信キュー26は、所定の記録媒体(例えば、半導体メモリや磁気ディスクなど)によって実現されうる。
端末送信部27は、設定部23による設定に応じて情報を送信する。例えば、設定部23によって変調方式が64QAMに設定された場合には、端末送信部27は、変調方式「64QAM」による送信を行う。また、端末送信部27は、キャリアセンスの結果を用いた端末送信制御部28による制御に応じた送信を行ってもよい。端末送信部27は、例えば、キャリアセンスによって空いていることが確認された周波数帯域において、設定された変調方式等による送信を行ってもよい。また、端末送信部27は、受付部24が受け付けた、ユーザによる通信経路の評価を無線基地局1に送信してもよい。また、端末送信部27は、評価以外の情報を送信してもよい。例えば、インターネット等の通信回線を介して行われる通信において端末装置2が送信する情報を、端末送信部27が無線基地局1に送信してもよい。具体的には、端末送信部27は、送信キュー26でキューイングされているパケットを、順次送信してもよい。端末送信部27は、通常、アンテナを介して無線で情報を送信する。なお、端末送信部27は、送信を行うための送信デバイス(例えば、ネットワークカードなど)を含んでもよく、あるいは含まなくてもよい。また、端末送信部27は、ハードウェアによって実現されてもよく、あるいは送信デバイスを駆動するドライバ等のソフトウェアによって実現されてもよい。
端末送信制御部28は、端末受信部21を用いたキャリアセンスの結果に応じて、端末送信部27による送信を制御する。具体的には、端末送信制御部28は、キャリアセンスの結果に応じて空いている周波数を特定し、その特定した周波数で送信するように端末送信部27を制御してもよい。端末送信制御部28による制御は、例えば、CSMA/CAの制御であってもよい。なお、キャリアセンスの結果に応じて通信で用いる周波数を制御することはすでに公知であり、その詳細な説明を省略する。
また、通信経路の観測品質の情報が、端末装置2で観測された情報に応じた情報である場合には、端末装置2は、スループット等の情報を測定する図示しない測定部を有していてもよい。そして、端末送信部27は、その測定部によって測定されたスループット等の情報を無線基地局1に送信してもよい。
次に、無線基地局1の動作について図2のフローチャートを用いて説明する。なお、図2のフローチャートは、処理部16以外の構成要素による処理を主に示すものである。したがって、処理部16は、図2のフローチャートと別に、送信対象の情報を送信キュー17に蓄積したり、受信された情報に応じた処理を行ったりしてもよい。
(ステップS101)利用指針情報生成部13は、利用指針情報を生成するかどうか判断する。そして、利用指針情報を生成する場合には、ステップS102に進み、そうでない場合には、ステップS104に進む。なお、利用指針情報生成部13は、例えば、利用指針情報を生成すると定期的に判断してもよく、無線基地局1が送受信する情報量が所定の量となるごとに利用指針情報を生成すると判断してもよく、その他のタイミングで利用指針情報を生成すると判断してもよい。
(ステップS102)通信品質取得部12は、通信品質を取得する。通信品質取得部12は、その通信品質の取得の際に、図示しない記録媒体で記憶されている、ユーザによる通信経路の評価や、平常時・非常時を示す情報を用いてもよい。また、通信品質取得部12は、その通信品質の取得の際に、送信キュー17でキューイングされている情報量や、基地局受信部15によるキャリアセンスの結果を用いてもよい。
(ステップS103)利用指針情報生成部13は、ステップS102で取得された通信品質を用いて、利用指針情報を生成する。その生成された利用指針情報は、図示しない記録媒体で一時的に記憶されてもよい。そして、ステップS101に戻る。
(ステップS104)基地局送信部14は、ビーコンを送信するかどうか判断する。そして、ビーコンを送信する場合には、ステップS105に進み、そうでない場合には、ステップS107に進む。なお、基地局送信部14は、例えば、ビーコンを送信すると定期的に判断してもよく、その他のタイミングでビーコンを送信すると判断してもよい。
(ステップS105)基地局送信部14は、利用指針情報生成部13が生成した最新の利用指針情報を含むビーコンを生成する。
(ステップS106)基地局送信部14は、生成したビーコンを送信する。そして、ステップS101に戻る。
(ステップS107)基地局受信部15は、情報を受信したかどうか判断する。そして、情報を受信した場合には、ステップS108に進み、そうでない場合には、ステップS109に進む。
(ステップS108)処理部16等は、受信に応じた処理を行う。例えば、基地局受信部15が、ユーザによる通信経路の評価を受信した場合には、処理部16は、その評価を図示しない記録媒体に蓄積してもよい。そして、ステップS101に戻る。
(ステップS109)基地局送信部14は、情報を送信するかどうか判断する。そして、送信する場合には、ステップS110に進み、そうでない場合には、ステップS113に進む。なお、基地局送信部14は、例えば、送信キュー17にキューイングされている情報がある場合には、送信すると定期的に判断してもよい。
(ステップS110)基地局送信制御部18は、キャリアセンスを行うかどうか判断する。そして、キャリアセンスを行う場合には、ステップS111に進み、そうでない場合には、ステップS112に進む。基地局送信制御部18は、例えば、前回のキャリアセンスからあらかじめ決められた時間以上、経過している場合に、キャリアセンスを行うと判断してもよく、伝送路品質の低下が検出された場合に、キャリアセンスを行うと判断してもよく、または、その他のタイミングでキャリアセンスを行うと判断してもよい。
(ステップS111)基地局受信部15は、キャリアセンスを行う。
(ステップS112)基地局送信部14は、最新のキャリアセンスの結果を用いた基地局送信制御部18の制御に応じて情報を送信する。そして、ステップS101に戻る。
(ステップS113)受付部11は、平常時・非常時を示す情報を受け付けたかどうか判断する。そして、その情報を受け付けた場合には、ステップS114に進み、そうでない場合には、ステップS101に戻る。
(ステップS114)受付部11は、受け付けた平常時・非常時を示す情報を図示しない記録媒体に蓄積する。そして、ステップS101に戻る。
なお、図2のフローチャートにおいて、電源オフや処理終了の割り込みにより処理は終了する。また、ビーコンの送信頻度と、利用指針情報の生成頻度とが等しい場合には、ステップS103からステップS105に進んでもよい。その場合には、ステップS101でNOである際にステップS107に進んでもよい。
次に、端末装置2の動作について図3のフローチャートを用いて説明する。なお、図3のフローチャートは、処理部25以外の構成要素による処理を主に示すものである。したがって、処理部25は、図3のフローチャートと別に、送信対象の情報を送信キュー26に蓄積したり、受信された情報に応じた処理を行ったりしてもよい。
(ステップS201)端末受信部21は、情報を受信したかどうか判断する。そして、受信した場合には、ステップS202に進み、そうでない場合には、ステップS207に進む。
(ステップS202)端末受信部21は、ビーコンを受信したかどうか判断する。そして、ビーコンを受信した場合には、ステップS203に進み、そうでない場合には、ステップS206に進む。
(ステップS203)判断部22は、受信されたビーコンに含まれる利用指針情報を、端末装置2の無線通信の方針と比較するかどうか判断する。例えば、端末受信部21が2以上の無線基地局1からのビーコンを受信する場合には、判断部22は、ステップS201で受信されたビーコンの電波強度が最も強いかどうか判断し、最も強い場合に、利用指針情報生成部と端末装置2の無線通信の方針とを比較すると判断し、そうでない場合に、両者を比較しないと判断してもよい。このようにすることで、与干渉・被干渉の影響の大きいセルの利用指針情報を用いることができるようになる。なお、この判断を行う場合には、判断部22は、過去に受信されたビーコンの強度を、無線基地局1の識別子に対応付けて一時的に記憶していてもよい。また、判断部22は、過去に受信された最新の利用指針情報を一時的に記憶しておき、ステップS201で受信されたビーコンに含まれる利用指針情報が、一時的に記憶している最新の利用指針情報と一致するかどうか判断してもよい。そして、一致する場合には、利用指針情報が更新されていないため、判断部22は、利用指針情報生成部と端末装置2の無線通信の方針とを比較しないと判断してもよい。一致しない場合には、利用指針情報が更新されているため、判断部22は、利用指針情報生成部と端末装置2の無線通信の方針とを比較すると判断してもよい。そして、利用指針情報を、端末装置2の無線通信の方針と比較する場合には、ステップS204に進み、そうでない場合には、ステップS201に戻る。
(ステップS204)判断部22は、受信されたビーコンに含まれる利用指針情報が、端末装置2の無線通信の方針に反するかどうか判断する。そして、利用指針情報が端末装置2の無線通信の方針に反しない場合には、ステップS205に進み、そうでない場合には、ステップS101に戻る。なお、利用指針情報と端末装置2の方針との比較がアプリケーションごとに行われる場合には、いずれかのアプリケーションにおいて、利用指針情報と端末装置2の方針とが反しないと判断されるとステップS205に進むものとする。
(ステップS205)設定部23は、利用指針情報に応じた通信の設定を行う。なお、利用指針情報と端末装置2の方針との比較がアプリケーションごとに行われ、いずれかのアプリケーションにおいて、利用指針情報と端末装置2の方針とが反しないと判断された場合には、設定部23は、利用指針情報と端末装置2の方針とが反しないと判断されたアプリケーションについてのみ、利用指針情報に応じた通信の設定を行う。
(ステップS206)処理部25は、端末受信部21が受信した情報に応じた処理を行う。そして、ステップS101に戻る。
(ステップS207)端末送信部27は、情報を送信するかどうか判断する。そして、送信する場合には、ステップS208に進み、そうでない場合には、ステップS211に進む。なお、端末送信部27は、例えば、送信キュー26にキューイングされている情報がある場合には、送信すると定期的に判断してもよい。
(ステップS208)端末送信制御部28は、キャリアセンスを行うかどうか判断する。そして、キャリアセンスを行う場合には、ステップS209に進み、そうでない場合には、ステップS210に進む。端末送信制御部28は、例えば、前回のキャリアセンスからあらかじめ決められた時間以上、経過している場合に、キャリアセンスを行うと判断してもよく、伝送路品質の低下が検出された場合に、キャリアセンスを行うと判断してもよく、または、その他のタイミングでキャリアセンスを行うと判断してもよい。
(ステップS209)端末受信部21は、キャリアセンスを行う。
(ステップS210)端末送信部27は、設定部23による設定と、最新のキャリアセンスの結果を用いた端末送信制御部28の制御とに応じて情報を送信する。そして、ステップS201に戻る。
(ステップS211)受付部24は、ユーザから、通信経路の評価を受け付けたかどうか判断する。そして、受け付けた場合には、ステップS212に進み、そうでない場合には、ステップS201に戻る。
(ステップS212)処理部25は、受付部24が受け付けた、ユーザによる通信経路の評価を無線基地局1に送信するため、送信キュー26に蓄積する。なお、その評価が、あるアプリケーションに対応付けられて受け付けられた場合には、処理部25は、その評価が、そのアプリケーションの評価であることが分かるように無線基地局1に送信してもよい。具体的には、アプリケーション識別子と一緒に送信してもよい。そして、ステップS201に戻る。
なお、図3のフローチャートにおいて、電源オフや処理終了の割り込みにより処理は終了する。また、図3のフローチャートでは、ステップS203の判断処理を行う場合について説明したが、例えば、2以上のビーコンを受信しない場合や、ビーコンごとに利用指針情報が更新されている場合には、その判断処理を行わなくてもよい。
次に、本実施の形態による無線通信システム100の動作について、具体例を用いて説明する。この具体例では、説明を簡単にするため、利用指針情報は、変調方式、符号化率、通信優先順位に関する変更の指示であるとする。また、この具体例では、端末装置2では、ユーザによる通信経路の評価と、送信キュー26でキューイングされているパケット数とに応じて、端末装置2の無線通信の方針が決められるものとする。すなわち、処理部25は、ユーザによる最新の30分以内の評価が低い場合、または、キューイングされているパケット数が多い場合には、高い通信品質で通信を行う方針を生成し、それ以外の場合には、任意の通信品質で通信を行う方針を生成するものとする。
また、各端末装置2は、アプリケーションタイプと、優先度とを対応付ける優先度テーブルとして、図4Aで示される平常時用のものと、図4Bで示される非常時用のものとを保持しているものとする。図4A,図4Bにおいて、優先度と、アプリケーションタイプを識別する識別子と、アプリケーションタイプとが対応付けられている。アプリケーションタイプは、各アプリケーションに対応するタイプであり、例えば、電話などの音声通信を行うアプリケーションに対応するアプリケーションタイプは「ボイス」であり、動画配信を行うアプリケーションに対応するアプリケーションタイプは「ビデオ」である。個別のアプリケーションと、アプリケーションタイプとの対応は、例えば、アプリケーションの設計者によって設定されてもよく、または、ユーザによって設定されてもよい。また、図4Aと図4Bを比較すると、非常時には、ビデオの優先度が下げられている。非常時には、動画での通信よりも、他の通信のほうが優先されると考えられるからである。また、この具体例では、説明を簡単にするため、利用指針情報、及びユーザによる通信経路の評価は、アプリケーションごとではないものとする。
まず、無線基地局1と端末装置2とが、利用周波数帯域が非常に空いている状態で無線通信をしていたとする。また、受付部11で受け付けられた、平常時・非常時を示す情報の最新のものは、「平常時」を示していたとする。また、受信された評価による不満足の割合は、5%であったとする。なお、その割合は、直近の30分以内に受信された評価を用いたものであるとする。したがって、そのときには、高いスループット、少ない遅延・ジッタ、低いパケットロス率・ビットエラー率、周波数の低い利用状況が取得され(ステップS101,S102)、それに応じて次の利用指針情報が生成され、図示しない記録媒体に蓄積されたとする(ステップS103)。
変調方式:64QAM
符号化率:3/4
通信優先順位:平常時用
基地局送信部14は、ビーコンの送信タイミングになると(ステップS104)、その変調方式等を有する利用指針情報を含むビーコンを生成し(ステップS105)、そのビーコンを送信する(ステップS106)。なお、そのビーコンには、無線基地局1のSSID「AP101」も含まれているものとする。送信されたビーコンは、端末装置2の端末受信部21で受信される(ステップS201,S202)。すると、判断部22は、それまでに記憶しているSSIDと、ビーコン強度とを対応付ける情報において、SSID「AP101」に対応するビーコン強度を上書きで更新する。そして、その更新されたビーコン強度が、他のビーコン強度と比較して最も大きいか判断する。この場合には、SSID「AP101」に対応するビーコン強度が最も大きかったとする。次に、判断部22は、それまでに記憶している利用指針情報と、ビーコンに含まれる利用指針情報とが同じであるかどうか判断する。この場合には、両者は異なっていたとする。すると、判断部22は、新たに受信された利用指針情報を、記憶されている利用指針情報に上書きすることによって利用指針情報を更新し、その利用指針情報と、端末装置2の無線通信の方針とを比較する(ステップS203)。
ここで、端末装置2において、その時点までユーザによる通信経路の評価の入力はなく、また、送信キュー26でキューイングされているパケット数も多くなかったとする。したがって、処理部25は、任意の通信品質で通信を行う方針を生成していたとする。すると、判断部22は、利用指針情報が端末装置2の無線通信の方針に反しないと判断し(ステップS204)、その判断結果を設定部23に渡す。すると、設定部23は、端末受信部21が受信したビーコンに含まれる利用指針情報に応じた設定を行う。すなわち、変調方式が64QAMであり、符号化率が3/4であり、優先度テーブルとして図4Aのものを用いる設定を行う(ステップS205)。そして、その設定に応じた通信が、無線基地局1と端末装置2との間で行われることになる(ステップS109〜S112,S107,108,S201,202,S206,S207〜210)。
その後、無線基地局1のセルで通信を行う端末装置2以外の無線端末が増えてきたとする。そのため、通信品質取得部12により、利用する周波数チャネルの高い利用状況が取得され(ステップS101,S102)、その結果、周辺の無線端末信号による干渉の影響を低減するために、次の利用指針情報が生成されたとする(ステップS103)。
変調方式:16QAM
符号化率:1/2
通信優先順位:平常時用
その利用指針情報は、上述の説明と同様にして、ビーコンに含まれて送信され(ステップS104〜S106)、端末装置2において、その利用指針情報に応じた設定がなされたとする(ステップS201〜S205)。その設定の変更に応じて、無線基地局1と端末装置2との間の無線通信の通信レートが低くなり、端末装置2のユーザの満足度が低下し、ユーザが、「不満足」ボタンをクリックまたはタップしたとする。すると、受付部24は、ユーザの評価「不満足」を受け付け(ステップS211)、処理部25に渡す。処理部25は、その評価「不満足」を含むパケットを構成し、そのパケットを送信キュー26に蓄積する(ステップS212)。また、処理部25は、評価「不満足」が受け付けられた旨と、その日時とを図示しない記録媒体に蓄積する。また、処理部25は、その評価に応じて、高い通信品質で通信を行う方針を生成したとする。
その後、無線基地局1のセルで通信を行う無線端末がさらに増え、その結果として、低い通信品質が通信品質取得部12によって取得されたとする(ステップS101,S102)。そして、利用指針情報生成部13は、それに応じて次の利用指針情報を生成したとする(ステップS103)。
変調方式:QPSK
符号化率:1/2
通信優先順位:平常時用
その利用指針情報は、上述の説明と同様にして、ビーコンに含まれて送信され(ステップS104〜S106)、端末装置2で受信される(ステップS201,S202)。また、判断部22は、そのビーコンが、最も大きいビーコン強度のものであると判断し、また、利用指針情報はそれまでに記憶しているものと異なると判断したとする(ステップS203)。一方、その利用指針情報は、通信レートを下げるものであるが、端末装置2の無線通信の方針は、高い通信品質で通信を行う方針であるため、判断部22は、利用指針情報が端末装置2の方針に反すると判断する(ステップS204)。その結果、端末装置2は、変調方式「16QAM」及び符号化率「1/2」の設定のまま、通信を行うことになる。
端末装置2がユーザからの評価「不満足」を受け付けてから30分以上が経過したとする。そして、処理部25は、任意の通信品質で通信を行う方針を生成したとする。その後、地震の発生に応じて、受付部11が、非常時を示す情報を受け付けたとする(ステップS113)。すると、受付部11は、その情報を図示しない記録媒体に蓄積する(ステップS114)。そして、利用指針情報を生成する次のタイミングで、利用指針情報生成部13は、次の利用指針情報を生成したとする(ステップS101〜S103)。
変調方式:16QAM
符号化率:1/2
通信優先順位:非常時用
その利用指針情報は、上述の説明と同様にして、ビーコンに含まれて送信され(ステップS104〜S106)、端末装置2において、その利用指針情報に応じた設定がなされたとする(ステップS201〜S205)。その設定の変更に応じて、無線基地局1と端末装置2との間の無線通信は、図4Bの優先度テーブルを用いて行われるようになる。
以上のように、本実施の形態による無線通信システム100によれば、ビーコンにより、セル内のすべての端末装置2に利用指針情報を伝えることができ、自律分散型無線システムにおいて、無線リソースの適切な割り当てを実現することができうる。また、利用指針情報をビーコンに含めて送信するため、個別の制御メッセージに利用指針情報を含めて送信する場合と比較して、利用指針情報の送信に伴う通信量の増大を抑制することができる。その結果、空き無線リソースの増加を実現できる。また、利用指針情報に含まれる通信の品質制御に関する指示により、アプリケーションの品質を制御する場合には、セル内のすべての端末装置2について、送信パケット数を調整することができ、無線リソースの利用状況を制御できることになる。また、利用指針情報は、無線リソースやアプリケーション品質等の比較的長期間のトレンドに応じているが、実際の無線リソースの確保は、キャリアセンスの結果を用いて、時々刻々と変化する無線リソース等の利用状況に応じてなされることになる。したがって、長期のトレンドと、短期の状況との両方を考慮した適切な通信制御を行うことができると考えられる。また、利用指針情報を用いてセル内の通信を制御することによって、周波数帯の公平な共用を実現することもできるようになる。また、端末装置2において、利用指針情報が自端末の方針に反すると判断された場合には、その利用指針情報に応じた設定を行わないことにより、各端末装置2に固有の状況にも配慮した制御を行うことができるようになる。
なお、通信品質取得部12が取得する通信品質が、ユーザが評価した通信経路の主観品質の情報に応じた情報でない場合には、端末装置2は、ユーザによる評価を受け付ける受付部11を備えていなくてもよい。
また、利用指針情報が、端末装置2の無線通信の方針に反するかどうかを判断しない場合には、端末装置2は、判断部22を備えていなくてもよい。この場合には、利用指針情報が更新されるごとに、その更新後の利用指針情報に応じた設定が端末装置2で行われることになる。
また、基地局受信部15は、他の無線基地局1から送信されたビーコンを受信してもよい。そして、利用指針情報生成部13は、他の無線基地局1から送信されたビーコンに含まれる利用指針情報をも用いて自セルの利用指針情報を生成してもよい。例えば、他の無線基地局1からのビーコンに含まれる利用指針情報に、通信品質を下げる方向の変更の指示が含まれている場合には、利用指針情報生成部13は、同様に通信品質を下げる方向の利用指針情報を生成してもよい。また、例えば、他の無線基地局1からのビーコンに含まれる利用指針情報に、符号化率を下げる変更の指示が含まれている場合には、利用指針情報生成部13は、自セル内の端末装置2が、周囲のセルに干渉を与えている可能性を考慮し、送信電力を抑制する指示を含む利用指針情報を生成してもよい。なお、送信電力を抑制する指示は、例えば、送信電力が所定の上限値以下となるように変更する旨の指示であってもよい。
また、本実施の形態で説明した通信品質や、利用指針情報は一例であり、それらは上述の説明に限定されるものではない。また、通信経路の観測品質の情報、ユーザが評価した通信経路の主観品質も一例であり、それらは上述の説明に限定されるものではない。また、通信品質と利用指針情報に含まれる各指示との関係の一例について説明したが、それらは上述の説明に限定されるものではない。また、本実施の形態では、非常時が災害時である場合について主に説明したが、年末年始等のように、多くの人が通信を行いたいと考えるイベントの発生時も、非常時に含まれると考えてもよく、または、そうでなくてもよい。また、本実施の形態では、通信品質取得部12が、ユーザによる通信経路の評価を、処理部16を介して受け取る場合について説明したが、通信品質取得部12は、基地局受信部15からその評価を受け取ってもよい。また、アプリケーションとアプリケーションタイプとの対応は、固定であってもよく、または、変化してもよい。また、無線基地局1においてキャリアセンスの結果に応じた送信を行わない場合には、無線基地局1は、基地局送信制御部18を備えていなくてもよい。
また、上記実施の形態において、各処理または各機能は、単一の装置または単一のシステムによって集中処理されることによって実現されてもよく、あるいは、複数の装置または複数のシステムによって分散処理されることによって実現されてもよい。
また、上記実施の形態において、各構成要素間で行われる情報の受け渡しは、例えば、その情報の受け渡しを行う2個の構成要素が物理的に異なるものである場合には、一方の構成要素による情報の出力と、他方の構成要素による情報の受け付けとによって行われてもよく、あるいは、その情報の受け渡しを行う2個の構成要素が物理的に同じものである場合には、一方の構成要素に対応する処理のフェーズから、他方の構成要素に対応する処理のフェーズに移ることによって行われてもよい。
また、上記実施の形態において、各構成要素が実行する処理に関係する情報、例えば、各構成要素が受け付けたり、取得したり、選択したり、生成したり、送信したり、受信したりした情報や、各構成要素が処理で用いるしきい値や数式、アドレス等の情報等は、上記説明で明記していなくても、図示しない記録媒体において、一時的に、あるいは長期にわたって保持されていてもよい。また、その図示しない記録媒体への情報の蓄積を、各構成要素、あるいは、図示しない蓄積部が行ってもよい。また、その図示しない記録媒体からの情報の読み出しを、各構成要素、あるいは、図示しない読み出し部が行ってもよい。
また、上記実施の形態において、各構成要素等で用いられる情報、例えば、各構成要素が処理で用いるしきい値やアドレス、各種の設定値等の情報がユーザによって変更されてもよい場合には、上記説明で明記していなくても、ユーザが適宜、それらの情報を変更できるようにしてもよく、あるいは、そうでなくてもよい。それらの情報をユーザが変更可能な場合には、その変更は、例えば、ユーザからの変更指示を受け付ける図示しない受付部と、その変更指示に応じて情報を変更する図示しない変更部とによって実現されてもよい。その図示しない受付部による変更指示の受け付けは、例えば、入力デバイスからの受け付けでもよく、通信回線を介して送信された情報の受信でもよく、所定の記録媒体から読み出された情報の受け付けでもよい。
また、上記実施の形態において、無線基地局1や端末装置2に含まれる2以上の構成要素が通信デバイスや入力デバイス等を有する場合に、2以上の構成要素が物理的に単一のデバイスを有してもよく、あるいは、別々のデバイスを有してもよい。
また、上記実施の形態において、各構成要素は専用のハードウェアにより構成されてもよく、あるいは、ソフトウェアにより実現可能な構成要素については、プログラムを実行することによって実現されてもよい。例えば、ハードディスクや半導体メモリ等の記録媒体に記録されたソフトウェア・プログラムをCPU等のプログラム実行部が読み出して実行することによって、各構成要素が実現され得る。その実行時に、プログラム実行部は、記憶部や記録媒体にアクセスしながらプログラムを実行してもよい。なお、上記実施の形態における無線基地局1を実現するソフトウェアは、以下のようなプログラムである。つまり、このプログラムは、コンピュータを、1以上の端末装置と無線通信を行う無線基地局として機能させ、無線通信に関する通信品質を取得する通信品質取得部、通信品質取得部が取得した通信品質を用いて、無線通信に関する設定で用いられる利用指針情報を生成する利用指針情報生成部、利用指針情報生成部が生成した利用指針情報を含むビーコンを送信する基地局送信部として機能させるためのプログラムである。
また、上記実施の形態における端末装置2を実現するソフトウェアは、以下のようなプログラムである。つまり、このプログラムは、コンピュータを、無線基地局と無線通信を行う端末装置として機能させ、無線通信に関する通信品質を用いて生成された、無線通信に関する設定で用いられる利用指針情報を含むビーコンを受信する端末受信部、端末受信部が受信したビーコンに含まれる利用指針情報に応じた無線通信に関する設定を行う設定部、設定部による設定に応じて情報を送信する端末送信部、端末受信部を用いたキャリアセンスの結果に応じて、端末送信部による送信を制御する端末送信制御部として機能させるためのプログラムである。
なお、上記プログラムにおいて、上記プログラムが実現する機能には、ハードウェアでしか実現できない機能は含まれない。例えば、情報を取得する取得部や、情報を送信する送信部、情報を受信する受信部などにおけるモデムやインターフェースカードなどのハードウェアでしか実現できない機能は、上記プログラムが実現する機能には少なくとも含まれない。
また、このプログラムは、サーバなどからダウンロードされることによって実行されてもよく、所定の記録媒体(例えば、CD−ROMなどの光ディスクや磁気ディスク、半導体メモリなど)に記録されたプログラムが読み出されることによって実行されてもよい。また、このプログラムは、プログラムプロダクトを構成するプログラムとして用いられてもよい。
また、このプログラムを実行するコンピュータは、単数であってもよく、複数であってもよい。すなわち、集中処理を行ってもよく、あるいは分散処理を行ってもよい。
図5は、上記プログラムを実行して、上記実施の形態による無線基地局1、端末装置2を実現するコンピュータの外観の一例を示す模式図である。上記実施の形態は、コンピュータハードウェア及びその上で実行されるコンピュータプログラムによって実現されうる。
図5において、コンピュータシステム900は、CD−ROMドライブ905、FD(Floppy(登録商標) Disk)ドライブ906を含むコンピュータ901と、キーボード902と、マウス903と、モニタ904とを備える。
図6は、コンピュータシステム900の内部構成を示す図である。図6において、コンピュータ901は、CD−ROMドライブ905、FDドライブ906に加えて、MPU(Micro Processing Unit)911と、ブートアッププログラム等のプログラムを記憶するためのROM912と、MPU911に接続され、アプリケーションプログラムの命令を一時的に記憶すると共に、一時記憶空間を提供するRAM913と、アプリケーションプログラム、システムプログラム、及びデータを記憶するハードディスク914と、MPU911、ROM912等を相互に接続するバス915とを備える。なお、コンピュータ901は、LANやWAN等への接続を提供する図示しないネットワークカードを含んでいてもよい。
コンピュータシステム900に、上記実施の形態による無線基地局1、端末装置2の機能を実行させるプログラムは、CD−ROM921、またはFD922に記憶されて、CD−ROMドライブ905、またはFDドライブ906に挿入され、ハードディスク914に転送されてもよい。これに代えて、そのプログラムは、図示しないネットワークを介してコンピュータ901に送信され、ハードディスク914に記憶されてもよい。プログラムは実行の際にRAM913にロードされる。なお、プログラムは、CD−ROM921やFD922、またはネットワークから直接、ロードされてもよい。
プログラムは、コンピュータ901に、上記実施の形態による無線基地局1、端末装置2の機能を実行させるオペレーティングシステム(OS)、またはサードパーティプログラム等を必ずしも含んでいなくてもよい。プログラムは、制御された態様で適切な機能やモジュールを呼び出し、所望の結果が得られるようにする命令の部分のみを含んでいてもよい。コンピュータシステム900がどのように動作するのかについては周知であり、詳細な説明は省略する。
また、本発明は、以上の実施の形態に限定されることなく、種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることは言うまでもない。