JP6140405B2 - N−置換カルバミン酸エステルの製造方法 - Google Patents
N−置換カルバミン酸エステルの製造方法 Download PDFInfo
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Description
N-置換カルバミン酸エステルを用いて、熱分解反応を行うことで該イソシアネートを得ることができる。
特許文献2:欧州特許出願第0657420号明細書
特許文献3:米国特許第4497963号明細書
特許文献4:国際公開パンフレットWO11/021258
特許文献5:国際公開パンフレットWO08/120645
なお、上記副反応については、説明を簡便にするため、1つの官能基(ここでは、アミノ基、ウレイド基、カーバメート基)を有する化合物の反応について記述しているが、2つ以上の複数の官能基を有する化合物についても、同様の反応が起こり得る。
[1]
有機アミンと、尿素と、芳香族ヒドロキシ化合物とから、N-置換カルバミン酸エステルを製造する方法であって、炭酸誘導体と芳香族ヒドロキシ化合物とを含む組成物を該N-置換カルバミン酸エステルの合成反応が行われる反応装置の底部に供給する工程を有する製造方法、
[2]
該炭酸誘導体が、尿素、イソシアン酸、ビウレット、トリウレット、シアヌレート、N-無置換カルバミン酸エステルの中から選ばれる少なくともひとつを含む[1]記載の製造方法、
[3]
N-無置換カルバミン酸エステルのエステル基が芳香族ヒドロキシ化合物に由来する基である[2]記載の製造方法、
[4]
該炭酸誘導体と芳香族ヒドロキシ化合物とを含む組成物が、該N-置換カルバミン酸エステルの合成反応が行われる反応装置に具備した凝縮器より回収された組成物である[1]記載の製造方法、
[5]
該芳香族ヒドロキシ化合物が、下記式(1)で表される化合物である[1]記載の製造方法、
[6]
該炭酸誘導体と芳香族ヒドロキシ化合物とを含む組成物において、
該芳香族ヒドロキシ化合物のモル数[A] に対する炭酸誘導体のモル数[B]の比率が0.0001〜1の範囲である[1]記載の製造方法、
[7]
該炭酸誘導体と芳香族ヒドロキシ化合物とを含む組成物において、該芳香族ヒドロキシ化合物のモル数[A] に対するビウレットのモル数[C] の比率が0.0001〜1の範囲である[2]記載の製造方法、
[8]
該炭酸誘導体と芳香族ヒドロキシ化合物とを含む組成物において、
該芳香族ヒドロキシ化合物のモル数[A] に対する
トリウレットのモル数[D] の比率が0.0001〜1の範囲である[2]記載の製造方法、
を提供する。
まず、本実施の形態において使用する化合物について説明する。
本実施の形態で使用される有機アミンは下記式(8)で表される有機アミンである。
aはアミノ基の数を表し、1〜10の整数を示し、
R1は、a個のアミノ基で置換された炭素数1〜35の有機基である。)
上記式(8)において、aは、好ましくは2〜10の整数である。
本実施の形態で使用される芳香族ヒドロキシ化合物は下記式(1)で表される芳香族ヒドロキシ化合物である。
環Aは、 b個のヒドロキシ基で置換された芳香族基を含有する炭素数が6〜50の有機基を表し、
bは1〜3の整数である。)
上記式(1)において、環Aの炭素数は、好ましくは6〜33、より好ましくは6〜24である。
上記式(1)において、bが1である芳香族ヒドロキシ化合物は一般に低粘度である場合が多いため、好ましくはbが1である。
本実施の形態で使用する炭酸誘導体は、具体的には、尿素、イソシアン酸、ビウレット、トリウレット、シアヌレート、下記式(9)で表される尿素の多量体、下記式(10)で表されるエステル基が芳香族ヒドロキシ化合物に由来するN-無置換カルバミン酸エステル等である。ここで、N-無置換とは、カルバモイル基(NH2−CO−)のNH2基が置換基によって置換されていないという意味で使用している。即ち、N-無置換カルバミン酸エステルのカルバモイル基(NH2−CO−)のNH2基はNH2基である。
cは3以上の整数を表す。)
環Aは、上記式(1)で定義した基であり、
bは、上記式(1)で定義した値である。dは1〜3の整数で、bを超えない値である。)
N-無置換カルバミン酸エステルは、N-置換カルバミン酸エステルを製造する工程において副生したもの、または、公知の方法で製造されたN-無置換カルバミン酸-エステルで構わない。公知の方法とは、下記式(11)で表されるイソシアン酸(H-N=C=O)と芳香族ヒドロキシ化合物との反応、下記式(12)で表される尿素と芳香族ヒドロキシ化合物とから得る方法が好ましく、その際に芳香族ヒドロキシ化合物として上記式(1)で示した芳香族ヒドロキシ化合物を使用することで、上記式(10)で示したN-無置換カルバミン酸エステルを得ることができる。
環Aは、上記式(1)で定義した基であり、
bは、上記式(1)で定義した値である。dは1〜3の整数で、bを超えない値である。)
本実施の形態で使用されるウレイド基を有する化合物は下記式(13)で表される。
R1は、上記式(8)で定義した基を示し、
eは1〜10の整数を示す。)
上記式(13)において、eは1〜10の整数を示すが、本実施の形態の製造方法において使用する有機アミンにおけるaを超えない整数である。すなわち、有機アミンのアミノ基のうち、e個のアミノ基がウレイド基に変換されている場合、理論上、(a−e)個のアミノ基は、そのままウレイド基を有する化合物において、アミノ基として存在していると考えられる。
次にN-置換カルバミン酸エステルの製造方法について説明する。
N-置換カルバミン酸エステルは上記式(2)で表される有機アミンと、尿素と、上記式(1)で表される芳香族ヒドロキシ化合物から得られるものであって、これらの化合物の反応で副生するアンモニアを気相部へ抜き出すことにより得られる。有機アミンと尿素は上記した方法によって先にウレイド化反応を経てウレイド基を有する化合物とし該ウレイド基を有する化合物と芳香族ヒドロキシ化合物の反応によりN-置換カルバミン酸エステルを製造しても良い。
本発明者らは、驚くべきことに、上記のN-置換カルバミン酸エステルの製造において、供給される原料(有機アミン、尿素、芳香族ヒドロキシ化合物)とは別に、炭酸誘導体と芳香族ヒドロキシ化合物とを含む組成物を反応装置の底部に供給することで、高収率・高純度かつ高効率(短時間)で該N-置換カルバミン酸エステルを得ることができることを見出した。
本実施の形態の方法によって得られるカルバミン酸エステルは、下記式(17)で表される化合物である。
R1は炭素数1〜35の有機基を示し、
環Aは、(b-1)個のヒドロキシ基と1個のカルバモイル基(−NHCOO−)で置換された芳香族基を含有する炭素数6〜50の有機基を示し、
bは1〜3の整数を示し、
fは1〜10の整数でcを超えない数を示す。)
(1)NMR分析方法
装置:日本国、日本電子(株)社製JNM−A400 FT−NMRシステム
・1Hおよび13C−NMR分析サンプルの調製
サンプル溶液を約0.3g秤量し、重クロロホルム(米国、アルドリッチ社製、99.8%)を約0.7gと内部標準物質としてテトラメチルスズ(日本国、和光純薬工業社製、和光一級)を0.05g加えて均一に混合した溶液をNMR分析サンプルとした。
・定量分析法
各標準物質について分析を実施し、作成した検量線を基に、分析サンプル溶液の定量分析を実施した。
装置:日本国、島津製作所社製 LC−10ATシステム
カラム:日本国、GLサイエンス社製 Inertsil−ODSカラムを2本直列に接続
展開溶媒:5mmol/L酢酸アンモニウム水溶液(A液)とアセトニトリル(B液)との混合液
展開溶媒流量:2mL/min
カラム温度:35℃
検出器:R.I.検出器(屈折率計)、および、PDA検出器(フォトダイオードアレイ検出器、測定波長範囲:200nm〜300nm)
・液体クロマトグラフィー分析サンプル
サンプルを約0.1g秤量し、テトラヒドロフラン(日本国、和光純薬工業社製、脱水)を約1gと内部標準物質として1,1−ジエチル尿素(日本国、東京化成社製)を約0.02g加えて均一に混合した溶液を、液体クロマトグラフィー分析のサンプルとした。
・定量分析法
各標準物質について分析を実施し、作成した検量線を基に、分析サンプル溶液の定量分析を実施した。
・工程(A−1):N−置換カルバミン酸エステルの製造
図1に示すような反応器にてN−置換カルバミン酸エステルの製造をおこなった。
3−アミノメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルアミン1.5kg(7.1モル)と尿素1.3kg(21.6モル)とフェノール17.1kg(181.7モル)とを混合し原料溶液とした。段数40段の棚段式蒸留塔102にフェノールを投入し、リボイラー106でフェノールを炊き上げて全還流状態とした。この時、塔頂の圧力は2.6気圧であり、ライン2が具備する37段目(塔頂側から数える。最下段から棚段式蒸留塔102本体の長さの2/10の位置)の温度は230℃であった。運転条件が安定した後、該蒸留塔102の最上段(1段目)に具備したライン1より、原料溶液と同じ組成の混合液を約2.8kg/Hrで導入し、反応液を、蒸留塔102の最底部に具備したライン6を経由して貯槽105に回収した。
また、定常運転時に、該蒸留塔の15段目に具備したサンプリング口から反応液を採取して分析したところ、尿素は検出されなかった。
・工程(1−1):N−置換カルバミン酸エステルの製造
ライン2より、尿素とフェノールとの混合液(尿素濃度約12.0重量%)を約1.4kg/Hrでフィードした以外は、比較例1の工程(A−1)と同様の方法をおこなった。
貯槽105に回収した反応液を、液体クロマトグラフィーおよび1H−NMRで分析したところ、該反応液は、3−(フェノキシカルボニルアミノメチル)−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルカルバミン酸フェニルエステルを含む溶液であり、該3−(フェノキシカルボニルアミノメチル)−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルカルバミン酸フェニルエステルの、3−アミノメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルアミンに対する収率は約93%であった。
・工程(B−1):N−置換カルバミン酸エステルの製造
図1に示すような反応器にてN−置換カルバミン酸エステルの製造をおこなった。
4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルアミン)1.5kg(7.1モル)と尿素1.3kg(21.6モル)とフェノール17.1kg(181.7モル)とを混合し原料溶液とした。段数40段の棚段式蒸留塔102にフェノールを投入し、リボイラー105でフェノールを炊き上げて全還流状態とした。この時、塔頂の圧力は2.3気圧であり、ライン2が具備する37段目(塔頂側から数える。最下段から棚段式蒸留塔102本体の長さの2/10の位置)の温度は220℃であった。運転条件が安定した後、該蒸留塔102の最上段(1段目)に具備したライン1より、原料溶液と同じ組成の混合液を約2.8kg/Hrで導入し、反応液を、蒸留塔102の最底部に具備したライン6を経由して貯槽105に回収した。
・工程(2−1):N−置換カルバミン酸エステルの製造
ライン2より、尿素とフェノールとの混合液(尿素濃度約4.0重量%)を約3.0kg/Hrでフィードした以外は、比較例2の工程(B−1)と同様の方法をおこなった。
貯槽105に回収した反応液を、液体クロマトグラフィーおよび1H−NMRで分析したところ、該反応液は、4,4’−メチレンビス(シクロヘキサン−4,1−ジイル)ジ(カルバミン酸フェニルエステル)を含む溶液であり、該4,4’−メチレンビス(シクロヘキサン−4,1−ジイル)ジ(カルバミン酸フェニルエステル)の、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルアミン)に対する収率は約90%であった。
・工程(3−1):N−置換カルバミン酸エステルの製造
ライン2より、ビウレットとフェノールとの混合液(ビウレット濃度約3.3重量%)を約3.0kg/Hrでフィードした以外は、比較例2の工程(B−1)と同様の方法をおこなった。
貯槽105に回収した反応液を、液体クロマトグラフィーおよび1H−NMRで分析したところ、該反応液は、4,4’−メチレンビス(シクロヘキサン−4,1−ジイル)ジ(カルバミン酸フェニルエステル)を含む溶液であり、該4,4’−メチレンビス(シクロヘキサン−4,1−ジイル)ジ(カルバミン酸フェニルエステル)の、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルアミン)に対する収率は約93%であった。
・工程(4−1):N−置換カルバミン酸エステルの製造
ライン2より、カルバミン酸フェニルとフェノールとの混合液(カルフバミン酸フェニル濃度約9.0重量%)を約3.0kg/Hrでフィードした以外は、比較例2の工程(B−1)と同様の方法をおこなった。
貯槽105に回収した反応液を、液体クロマトグラフィーおよび1H−NMRで分析したところ、該反応液は、4,4’−メチレンビス(シクロヘキサン−4,1−ジイル)ジ(カルバミン酸フェニルエステル)を含む溶液であり、該4,4’−メチレンビス(シクロヘキサン−4,1−ジイル)ジ(カルバミン酸フェニルエステル)の、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルアミン)に対する収率は約95%であった。
・工程(C−1):N−置換カルバミン酸エステルの製造
図1に示すような反応器にてN−置換カルバミン酸エステルの製造をおこなった。 1,6−ヘキサメチレンジアミン1.2kg(10.3モル)と4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール28.3kg(137.2モル)と尿素3.0kg(50.0モル)とを混合し原料溶液を調製した。段数40段の棚段式蒸留塔102を加熱し、塔頂部の圧力を約10kPaとした。この時、ライン2が具備する37段目(塔頂側から数える。最下段から棚段式蒸留塔102本体の長さの2/10の位置)の温度は、240℃であった。運転条件が安定した後、該蒸留塔102の最上段(1段目)に具備したライン1より、原料溶液と同じ組成の混合液を約2.8kg/Hrで導入し、反応液を、蒸留塔102の最底部に具備したライン6を経由して貯槽105に回収した。
・工程(5−1):N−置換カルバミン酸エステルの製造
ライン2より、尿素と4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノールとの混合溶液(尿素濃度約5重量%)を約1.2kg/Hrでフィードした以外は、比較例3の工程(C−1)と同様の方法をおこなった。
貯槽105に回収した反応液を、液体クロマトグラフィーおよび1H−NMRで分析したところ、該反応液は、N,N’−ヘキサンジイル−ジ(カルバミン酸(4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェニル)エステル)を含む溶液であり、該N,N’−ヘキサンジイル−ジ(カルバミン酸(4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェニル)エステル)の、1,6−ヘキサメチレンジアミンに対する収率は約87%であった。
・工程(6−1):N−置換カルバミン酸エステルの製造
比較例3の工程(C−1)において、蒸留塔102の最上部に具備したライン3より気相成分を回収し、約120℃に保持された凝縮器103で凝縮して得られる成分を貯槽104に回収した。貯槽104に回収した成分について1H−NMR測定をおこなったところ、4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノールと尿素、ビウレット、トリウレット、シアヌレート、カルバミン酸フェニルとを含む混合物であり、それぞれの濃度は、(尿素、ビウレット、トリウレット、シアヌレート、カルバミン酸4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェニル)=(4.5質量%、0.5質量%、0.003質量%、0.004質量%、0.8質量%)であった。また、混合物中のアンモニア濃度は320ppmであった。ライン7aを具備する5段目(塔頂側から数える。最下段から棚段式蒸留塔102本体の長さの7/10の位置)より、フィード量約1.2kg/Hrでこの凝縮された混合物をフィードした以外は、比較例3の工程(C−1)と同様の方法をおこなった。貯槽105に回収した反応液を、液体クロマトグラフィーおよび1H−NMRで分析したところ、該反応液は、N,N’−ヘキサンジイル−ジ(カルバミン酸(4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェニル)エステル)を含む溶液であり、該N,N’−ヘキサンジイル−ジ(カルバミン酸(4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェニル)エステル)の、1,6−ヘキサメチレンジアミンに対する収率は約90%であった。
図2に示す装置を使用してイソシアネートの製造をおこなった。
伝熱面積が0.1m2の薄膜蒸留装置202を220℃に加熱し、該薄膜蒸留装置内の圧力を約1.3kPaとした。工程(4−1)で貯槽105に回収した反応液を貯槽201に投入し、ライン20を介して、約1.8kg/Hrで該薄膜蒸留装置202に供給した。該薄膜蒸留装置202の底部に具備されたライン22より液体成分を抜き出し、貯槽203に回収した。薄膜蒸留装置202の上部に具備されたライン21より、ヘキサメチレンジイソシアネートと4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノールとを含む気体成分を抜き出した。
・工程(7−1):N−置換カルバミン酸エステルの製造
ライン7bが具備する25段目(塔頂側から数える。最下段から棚段式蒸留塔102本体の長さの4/10の位置)より、フィード量約1.2kg/Hrで凝縮器103で凝縮して得られる成分をフィードした以外は、実施例6の工程(6−1)と同様の方法をおこなった。貯槽104に回収した凝縮液について1H−NMR測定をおこなったところ、4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノールと尿素、ビウレット、トリウレット、シアヌレート、カルバミン酸フェニルとを含む混合物であり、それぞれの濃度は、(尿素、ビウレット、トリウレット、シアヌレート、カルバミン酸4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェニル)=(4.5質量%、0.5質量%、0.003質量%、0.004質量%、0.8質量%)であった。また、混合物中のアンモニア濃度は320ppmであった。貯槽105に回収した反応液を、液体クロマトグラフィーおよび1H−NMRで分析したところ、該反応液は、N,N’−ヘキサンジイル−ジ(カルバミン酸(4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェニル)エステル)を含む溶液であり、該N,N’−ヘキサンジイル−ジ(カルバミン酸(4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェニル)エステル)の、1,6−ヘキサメチレンジアミンに対する収率は約88%であった。
・工程(8−1):N−置換カルバミン酸エステルの製造
ライン2より、フィード量約1.2kg/Hrで凝縮器103で凝縮して得られる成分をフィードした以外は、実施例6の工程(6−1)と同様の方法をおこなった。貯槽104に回収した凝縮液について1H−NMR測定をおこなったところ、4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノールと尿素、ビウレット、トリウレット、シアヌレート、カルバミン酸フェニルとを含む混合物であり、それぞれの濃度は、(尿素、ビウレット、トリウレット、シアヌレート、カルバミン酸4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェニル)=(4.5質量%、0.5質量%、0.003質量%、0.004質量%、0.8質量%)であった。また、混合物中のアンモニア濃度は320ppmであった。貯槽105に回収した反応液を、液体クロマトグラフィーおよび1H−NMRで分析したところ、該反応液は、N,N’−ヘキサンジイル−ジ(カルバミン酸(4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェニル)エステル)を含む溶液であり、該N,N’−ヘキサンジイル−ジ(カルバミン酸(4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェニル)エステル)の、1,6−ヘキサメチレンジアミンに対する収率は約95%であった。
・工程(9−1):N−置換カルバミン酸エステルの製造
凝縮器103で凝縮して得られる成分をライン7a、7b、2より、それぞれフィード量約0.4kg/Hrでフィードした以外は、実施例6の工程(6−1)と同様の方法をおこなった。貯槽104に回収した凝縮液について1H−NMR測定をおこなったところ、4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノールと尿素、ビウレット、トリウレット、シアヌレート、カルバミン酸フェニルとを含む混合物であり、それぞれの濃度は、(尿素、ビウレット、トリウレット、シアヌレート、カルバミン酸4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェニル)=(4.5質量%、0.5質量%、0.003質量%、0.004質量%、0.8質量%)であった。また、混合物中のアンモニア濃度は320ppmであった。貯槽105に回収した反応液を、液体クロマトグラフィーおよび1H−NMRで分析したところ、該反応液は、N,N’−ヘキサンジイル−ジ(カルバミン酸(4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェニル)エステル)を含む溶液であり、該N,N’−ヘキサンジイル−ジ(カルバミン酸(4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェニル)エステル)の、1,6−ヘキサメチレンジアミンに対する収率は約95%であった。
・工程(10−1):N−置換カルバミン酸エステルの製造
貯槽104に回収した凝縮液(4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノールと尿素、ビウレット、トリウレット、シアヌレート、カルバミン酸フェニルとを含む混合物であり、それぞれの濃度は、(尿素、ビウレット、トリウレット、シアヌレート、カルバミン酸4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェニル)=(4.5質量%、0.5質量%、0.03質量%、0.04質量%、0.8質量%)であり、該凝縮液中のアンモニア濃度は320ppm)に加えて、貯槽104にカルバミン酸(4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェニル)エステルと4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノールとの混合溶液(カルバミン酸(4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェニル)エステル濃度約40重量%)を約1.5kg/Hrをフィードした以外は、実施例6の工程(6−1)と同様の方法をおこなった。貯槽105に回収した反応液を、液体クロマトグラフィーおよび1H−NMRで分析したところ、該反応液は、N,N’−ヘキサンジイル−ジ(カルバミン酸(4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェニル)エステル)を含む溶液であり、該N,N’−ヘキサンジイル−ジ(カルバミン酸(4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェニル)エステル)の、1,6−ヘキサメチレンジアミンに対する収率は約96%であった。
・工程(11−1):ウレイド基を有する化合物の製造
図3で表される装置を使用した。
ライン36を閉止した状態で、4−(α,α−ジメチルベンジル)フェノール52.8kg(248.7モル)と尿素4.2kg(69.9モル)とを、120℃に加熱した貯槽601で混合し、該混合液を、120℃に加熱した攪拌槽303へ移送した。攪拌槽303において、該混合液を攪拌している状態で、3−アミノメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルアミン2.9kgを、貯槽302よりライン32を経て、攪拌槽303に、約1.8kg/Hrの速度で供給した。3−アミノメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルアミンの供給が終了したのち、約4時間攪拌し、反応液をサンプリングした。該反応液を液体クロマトグラフィーで分析した結果、3−ウレイドメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルウレアが、3−アミノメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルアミンに対して収率約97%で生成していた。
ライン36を開き、該反応液を、ライン36を経て貯槽306に移送した。
図1に示す装置を使用した。
段数40段の棚段式蒸留塔102に4−(α,α−ジメチルベンジル)フェノールを投入し、リボイラー105で4−(α,α−ジメチルベンジル)フェノールを炊き上げて全還流状態とした。この時、塔頂部の圧力は1.5kPaであり、ライン2が具備する37段目(塔頂側から数える。最下段から棚段式蒸留塔102本体の長さの2/10の位置)の温度は230℃であった。該蒸留塔102の最上段(1段目)に具備したライン1より、工程(11−1)で得られた反応液と同じ組成の混合液を約1.8kg/Hrで導入し、同時に、ライン2より、カルバミン酸(4−(α,α−ジメチルベンジル)フェニル)エステルと4−(α,α−ジメチルベンジル)フェノールとの混合液(カルバミン酸(4−(α,α−ジメチルベンジル)フェニル)エステル濃度約13重量%)を約1.6kg/Hrでフィードした。運転条件が安定したのち、工程(20−1)で得られた反応液を約1.9kg/Hrでライン1より供給し、反応液を、蒸留塔102の最底部に具備したライン6を経由して貯槽105に回収した。蒸留塔102の最上部に具備したライン3より気相成分を回収し、約85℃に保持された凝縮器103で凝縮して得られる成分を貯槽104に回収した。
・工程(12−1):ウレイド基を有する化合物の製造
図3で表される装置を使用した。
ライン36を閉止した状態で、4−ノニルフェノール60.1kg(272.7モル)と尿素3.5kg(58.3モル)とを、120℃に加熱した貯槽301で混合し、該混合液を、120℃に加熱した攪拌槽303へ移送した。攪拌槽303において、該混合物を攪拌している状態で、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルアミン)2.8kgを、貯槽302よりライン32を経て、攪拌槽303に、約3.0kg/Hrの速度で供給した。4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルアミン)の供給が終了したのち、約4時間攪拌し、反応液をサンプリングした。該反応液を液体クロマトグラフィーで分析した結果、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルウレア)が、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルアミン)に対して収率約99%で生成していた。
ライン36を開き、該反応液を、ライン36を経て貯槽306に移送した。
図1に示す装置を使用した。
段数40段の棚段式蒸留塔102に4−ノニルフェノールを投入し、リボイラー105で4−ノニルフェノールを炊き上げて全還流状態とした。この時、塔頂部の圧力は2.5kPaであり、ライン2が具備する37段目(塔頂側から数える。最下段から棚段式蒸留塔102本体の長さの2/10の位置)の温度は240℃であった。該蒸留塔102の最上段(1段目)に具備したライン1より、工程(12−1)で得られた反応液と同じ組成の混合液を約3.0kg/Hrで導入し、同時に、ライン2より、尿素、ビウレットとトリウレットと4−ノニルフェノールとの混合液(尿素濃度約3.2重量%、ビウレット濃度1.5重量%、トリウレット濃度0.01重量%)を約1.2kg/Hrでフィードした。運転条件が安定したのち、工程(12−1)で得られた反応液を約1.9kg/Hrでライン1より供給し、反応液を、蒸留塔102の最底部に具備したライン6を経由して貯槽105に回収した。蒸留塔102の最上部に具備したライン3より気相成分を回収し、約85℃に保持された凝縮器103で凝縮して得られる成分を貯槽104に回収した。
(図2) 201、203,207、209:貯槽、202:薄膜蒸留装置、204:蒸留塔、205:凝縮器、206:気液分離器、208:リボイラー、20、21、22、23、24、25、26:ライン
(図3) 301、302,304、306:貯槽、303:攪拌槽、305:気液分離器、307:凝縮器、31、32、33、34、35、36:ライン
Claims (6)
- 供給される原料である、有機アミンと、尿素と、芳香族ヒドロキシ化合物とから、N−置換カルバミン酸エステルを製造する方法であって、前記原料を多段蒸留塔に供給する工程と、尿素、イソシアン酸、ビウレット、および、下記式(2)で表されるエステル基が芳香族ヒドロキシ化合物に由来するN−無置換カルバミン酸エステルからなる群から選ばれる少なくとも1種の炭酸誘導体と、前記芳香族ヒドロキシ化合物とを含む組成物を該N−置換カルバミン酸エステルの合成反応が行われる多段蒸留塔に供給する工程を有し、前記組成物の供給箇所が、前記原料が供給される箇所よりも下段であり、かつ前記多段蒸留塔の最下段から最上段の高さ方向の全長をLとしたときの最下段から3/4×Lの範囲である、製造方法。
- N−無置換カルバミン酸エステルのエステル基が芳香族ヒドロキシ化合物に由来する基である請求項1記載の製造方法。
- 該炭酸誘導体と芳香族ヒドロキシ化合物とを含む組成物が、該N−置換カルバミン酸エステルの合成反応が行われる多段蒸留塔に具備した凝縮器より回収された組成物である請求項1または2に記載の製造方法。
- 該芳香族ヒドロキシ化合物が、下記式(3)で表される化合物である請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法。
- 該炭酸誘導体と芳香族ヒドロキシ化合物とを含む組成物において、該芳香族ヒドロキシ化合物のモル数[A]に対する炭酸誘導体のモル数[B]の比率が0.0001〜1の範囲である請求項1〜4のいずれかに記載の製造方法。
- 該炭酸誘導体と芳香族ヒドロキシ化合物とを含む組成物において、該芳香族ヒドロキシ化合物のモル数[A]に対するビウレットのモル数[C]の比率が0.0001〜1の範囲である請求項1記載の製造方法。
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