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JP6140096B2 - 気液分離機を用いた給油システム - Google Patents

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Description

本発明は、燃料給油時に、巻き込み空気などの気相が燃料タンク内に混入することを防ぐための、気液分離機を用いた給油システムに関する。
可撓性を有しない、例えば金属製の燃料タンクを搭載する車両では、内燃機関(エンジン)が燃料を消費するのに伴って、燃料タンクの燃料液面上に空気層が形成される。そうすると、飽和蒸気圧の関係から、燃料の蒸発が促進されることになる。
燃料タンクの上部空間に存在している燃料蒸気は、例えば、給油時における燃料タンク内の液面の上昇に伴い、燃料タンク内から外部へ排出される。排出された燃料蒸気は、キャニスタと呼ばれる周知の蒸発燃料処理装置が備える活性炭などの吸着剤に吸着され、大気中への放散が防止されるようになっている。また、吸着材が吸着した燃料蒸気は、エンジンで燃焼するようにして、吸着剤の再生が行われるようになっている。
ところで、発生する蒸発燃料の量は、燃料タンク内の上部空間が大きいほど多くなる。このため、例えば、特許文献1では、可撓性のある材質からなる素材を用いて、燃料タンク内の液面の上部にできる上部空間をなくそうとしている。
特開平8−197968号公報
しかし、特許文献1の技術では、まだ液面上に相当の空間ができてしまい、その空間によって燃料の蒸発が促進されるという不都合がある。また、特許文献1の技術では、給油時に空気が巻き込まれることについて、改善の余地が相当ある。すなわち、蒸発燃料の発生を抑制することについて、改善の余地が相当ある。
そこで、本発明は、蒸発燃料の発生を可及的に抑制できる給油システムを提供することを課題とする。
前記課題を解決するために本発明は、可撓性を有する燃料タンクと、燃料に空気が混ざった気液二相流を気相と液相に気液分離するための気液分離機と、前記気液分離機に前記気液二相流を導く入口管と、前記気液分離機から前記燃料タンクに前記液相を導く液相出口管と、を備え、前記気液分離機は、前記気相を排出するための気相出口管と、前記気相出口管と前記入口管とを連通、又は、前記気相出口管と前記入口管よりも給油口側に設けられたフィラーパイプとを連通する通路と、を備え、前記入口管もしくは前記フィラーパイプと、前記通路と、の接続部分には、前記気相を排出するためのチューブが備えられ、前記気相は、前記給油口に設けられたベーパ排出孔から、給油時にのみ外気中へ排気されることを特徴とする。
本発明によれば、蒸発燃料の発生を可及的に抑制できる給油システムを提供できる。
第1実施形態に係る気液分離機を用いた給油システムの、全体構成を説明する概略図である。 第1実施形態に係る気液分離機を用いた給油システムのうち、気液分離機の内部構成を説明するための、図1のA部縦断面図である。 第1実施形態に係る気液分離機を用いた給油システムのうち、図1の要部(B部)の拡大断面図である。 第1実施形態に係る気液分離機を用いた給油システムのうち、図3の要部(C部)の拡大断面図である。 第2実施形態に係る気液分離機を用いた給油システムの、要部構成を説明する図である。 第1実施形態および第2実施形態の変形例を説明する図である。
以下、本実施形態に係る気液分離機を用いた給油システムについて、図1ないし図6を参照しながら説明する。
なお、以下では、自動車の給油システムを例に挙げて説明するが、これに限らない。本発明は、自動車以外の機器、例えば産業機械、などへの燃料給油においても、適用することができる。
また、以下では給油する燃料を、ガソリンを例に挙げて説明するが、これに限らない。本発明は、ガソリン以外の揮発油、例えば軽油や灯油を燃料とする機器への給油時においても、適用することができる。
また、以下の説明において、上下左右の方向軸に関しては、特に断り書きのない限り、各図の記載によるものとする。
(第1実施形態)
図1に示すように、本実施形態の給油システム100は、やわらかい材質でできた燃料タンク60に気液分離機30の液相出口管7が接続されている。
気液分離機30の気相出口管6にはリターンパイプUの一端が装着されるとともに、リターンパイプUの他端側には、配管の接続部材42を介して、気液分離機30の入口管5と、フィラーパイプ40と、ブリーザチューブ41と、が接続されている。
また、フィラーパイプ40の、配管の接続部材42の側を一端側とすると、他端側には給油口52が設けられ、給油ガン50の先端部分のノズル51から、燃料であるガソリンが噴射されて、給油することができるようになっている。
ここで、燃料タンク60は、可撓性を有するやわらかいタンクであり、残燃料量に追従して柔軟にその形状を変える、例えば袋状のタンクである。自動車の燃料タンクとして使用する場合には、保安基準に定められた耐衝撃性などの指標をクリアするものである。
このような燃料タンク60の、具体的な材質の候補としては、例えば、高密度ポリエチレン樹脂(HDPE)や、エチレンビニルアルコール共重合体(EVOH)などを挙げることができる。
燃料タンク60は、前記のように可撓性を有し、残燃料量に追従して変形する。それゆえ、例えばエンジンの燃焼によってガソリンが消費された場合でも、特許文献1に示された従来型の燃料タンクのものよりも、ガソリンの液面上と、燃料タンクと、の間に空気層(空間)ができて、燃料蒸気が発生してしまう、といったことがないタイプのタンクである。
つまり、燃料タンク60は、内部に液体のガソリンを充填し、液で満たされた状態にすることができれば、一切燃料蒸気の発生余地を与えない、燃料タンクであるということができる。
なお、図中において、燃料タンク60からエンジンに燃料を供給するための燃料ポンプや配管などの記載は省略している。
なお、本実施形態では、液相出口管7と、燃料タンク60との接続部分(連通孔)は、燃料タンク60を満タンに液で満たされた状態にした場合の最下部と、略等しい位置に設けられることが好ましい。
なぜならば、満タン時の最下部以外の場所に接続部分(連通孔)を設置すると、残燃料量の減少に伴って、接続部分(連通孔)よりも、燃料タンク60内の液面が下がる場合がある。このとき、気液分離機30の液溜18(詳細は図2で後記)から、燃料タンク60に向かってガソリンが流れ、液溜18部分に空気層ができる可能性があるためである。
気液分離機30の液溜18部分に空気層ができると、次回の給油時に、その空気が燃料タンク60に混入してしまう可能性がある。ちなみに、空気が燃料タンク60内に混入すると、燃料タンク60に充填できる燃料の量が減少する。それゆえに、液相出口管7と、燃料タンク60との接続部分(連通孔)は、燃料タンク60の満タン時の最下部の位置に設けられることが好ましい。
気液分離機30は、ガソリンの表面張力作用を利用して気液分離を行う装置を用いる。例えば、特開2013−117372号公報に記載の装置が公知であり、本実施形態ではこれを利用する。
なお、気液分離機は、一般に、遠心分離タイプと表面張力タイプとが存在する。このうち、遠心分離タイプは、遠心力により液相と気相を分離することから、ガソリン流速(燃料タンク60への給油速度)が早い場合は気相と液相を良好に分離できる。一方、表面張力タイプは、ガソリンの流速(給油速度)が遅い場合でも、良好に気相と液相とを分離でき、表面張力タイプの方が、幅広いガソリンの流速に対応可能であるというメリットがある。また、表面張力タイプは、遠心分離タイプのように、別途高速な旋回流発生機構といった付属機器を特に要しないなど、装置の小型化や低コスト化が可能である。気液分離機30としては両方のタイプとも適用可能であるが、本実施形態では、表面張力タイプの気液分離機を使用することとする。気液分離機30の内部断面の概略説明は、図2において後記する。
リターンパイプUは、気相出口管6と、入口管5を接続するパイプであり、気相出口管6から排出されてくる液相(正確には、前回の気液分離では充分に分離されなかった、気液二相流)を入口管5にリターンさせ、何度も何度も、気液分離機30に気液分離させるループ機構を構成する。
また、ブリーザチューブ41は、接続部材42において分離した気相を、給油口52に設けられたベーパ排出孔53を介して、外気中に放出するための空気抜き用のチューブである(図4で後記)。
なお、本実施形態で使用する配管・パイプ・チューブはいずれも、金属製としてもよいし、樹脂製としてもよいし、それ以外でもよい。軽量化や取り付け容易性、取り回し性を考慮すれば、樹脂チューブとするのが好適であるが、特にこれに限定されるものではない。
図2は、本実施形態に係る気液分離機30の内部構成を説明するための、図1のA部縦断面図である。
図1において給油ガン50のノズル51から、ガソリンが噴射されると、フィラーパイプ40を介してガソリンが図2に示す気液分離機30の入口管5に導かれる。このとき、給油ガン50による高い流速に巻き込まれる形で、液体のガソリンに、空気が混入することが知られている(気液二相流の発生)。
気液二相流が、入口管5に導かれると、流入室19を通過して、入口仕切り体16によって左右の狭小空間12,12に導かれる。
さらに、狭小空間12,12の下には、蛇腹状に形成された小さな溝部であるマイクロ蛇腹溝2を有する溝付き体4が、出口仕切体8によって規制されるまで、上下方向に設置されている。
この部分に気液二相流が導かれると、液体のガソリンの持つ表面張力によって、気相である、給油時に巻き込まれた空気(およびガソリン蒸気)と、液相であるガソリンが分離される(気液分離室1)。
つまり、溝付き体4の内部に流入した気液二相流の液相は、マイクロ蛇腹溝2の表面に付着し液膜となる。また、気相に乗って運ばれる液滴は溝2の表面に衝突し液膜となる。
続いて、液膜は下方に流下し、下縮管部13と外郭体10で形成される空間に溜まって液溜18となり、液相出口管7から排出される。液滴を除去された気相は、液相中にあっては浮力を受けて上昇し、気相中にあっては気相流入端21まで上昇後、気相出口管6から排出される(詳しくは、特開2013−117372号公報の要約、および段落0034−0036、図1〜図4などを参照のこと)。
ここで、この例では、気液分離機30の液溜18部分は、液体のガソリンで常時満たされた状態となっていることが望ましい。なぜならば、液溜18部分がガソリンで満たされた状態でない場合は、液溜18部分に空気層ができてしまい、その空気が燃料タンク60に混入する可能性があるためである。なお、空気が混入すれば、蒸発燃料が発生しやすくなる。また、燃料タンク60の実質的な容積を減少させる。
次に、図3を参照して本実施形態の給油システムの動作について説明する。
図3は、本実施形態に係る気液分離機を用いた給油システムのうち、図1の要部(B部)の拡大断面図である。
給油ガン50のノズル51から、ガソリンが注入されると、フィラーパイプ40と入口管5を流下したガソリンは、気液分離機30によって、ガソリン中に含まれる気相成分(空気やガソリン蒸気)が分離される。そして、気相成分が分離されたガソリンは、液相出口管7を介して燃料タンク60の中に流れ込む。一方、分離された気相成分は、気相出口管6へと導かれる。ここで、気液分離機30による気液分離は完全ではなく、気相中に分離されなかった液体のガソリンが少なからず気相出口管6から排出される。
本実施形態では、気相出口管6と入口管5とは、リターンパイプUによって接続されている。また、入口管5の部分は、流下するガソリンの流れにより負圧が生じている。このため、気相出口管6の部分の圧力よりも入口管5の部分の圧力が低くなる。よって、気相出口管6から排出された気相(ガソリン蒸気や空気)及び液相(ガソリン)を含んだ気液二相流は、入口管5における負圧で吸引され、リターンパイプUを介して入口管5に達し、そして、フィラーパイプ40を流下したガソリンの流れと合流して気液分離機30に流れ込む。つまり、気液分離機30と、リターンパイプUとの間で、自然に循環流Vが発生する。
これにより、一度の気液分離では、充分に分離することができなかった気液二相流が、すなわち、気相出口管6側に流出した液体のガソリンが、何度も気液分離機30を通過して、気液分離に掛けられることになる。このようにして、最終的には気液分離に成功し、液相出口管7より、燃料タンク60に向けて、気相が除去された、液体のガソリンを供給することができる。
但し、ここでリターンパイプUの最大の高さをh1として、次回給油時に自然に循環流Vが発生させられるような、h1の条件を考えてみる。
気相出口管6における気液二相流の圧力をP1とし、リターンパイプU内の、任意の高さの気液二相流のヘッド圧をP2とすると、P1>P2が循環流Vが自然発生するための条件となる。つまり、押出し圧P1の方が、ヘッド圧P2よりも勝っている場合にのみ、高さh1のリターンパイプU内を、気液二相流が下から上に上昇できると考えられる。
ここで、ヘッド圧P2∝h1(∵P2=ρ・g・h1)の関係があるので、最大のヘッド圧P2は、リターンパイプUの高さh1まで気液二相流が到達している場合に与えられる。ゆえに、リターンパイプUの最大の高さh1は、P1>P2となるような条件を満たす高さに規制される。
すなわち、リターンパイプUの高さh1は、特に限定されないが、なるべく低い方が好適といえる。例えば、接続部材42が設けられる位置は、気液分離機30の入口管5の直上付近がより好ましいといえる。このような位置とすることで、次回給油時に、自然に循環流Vをより良好に発生させることができる。
また、液相出口管7の上下方向の取り付け位置も特に限定されないが、液相出口管7にシャット弁70(後記の図6参照)を設けない場合には、液溜18部分のなるべく上方で、かつ出口仕切体8の直下付近がより好適である。
なぜならば、燃料タンク60の残燃料量が少なくなった場合は、液溜18から燃料タンク60にガソリンが流入することになるが、液溜18は、前記の通り、常時その量を極力多く保つことが望ましいためである。
次に、引き続き、図4を参照して本実施形態の給油システムの動作を説明する。
図4は、図3の要部(C部)の拡大断面図である。
リターンパイプU内を流れてきた気液二相流は、接続部材42のブリーザチューブ41側の内壁に衝突する。
図4に示すように、接続部材42には、略Y字状の分岐管の一方の管、すなわち、ブリーザチューブ41が接続される方の管に、リターンパイプUが接続されている。また、略Y字状の分岐管の他方の管には、フィラーパイプ40が接続されている。
つまり、リターンパイプUは、気相出口管6と入口管5と、もしくは気相出口管6とフィラーパイプ40とを、接続部材42を介して、連通する通路となるようにされている。
なお、接続部材42とフィラーパイプ40、あるいは接続部材42とリターンパイプUは、別体で構成してもよいし、図4に示すように、一体で成形されたものであってもよい。
リターンパイプU内を循環する気液二相流が接続部材42の壁に衝突すると、重力の影響で、重い液相は鉛直下方に流下し、これに対して相対的に軽い気相は行き場を失って次々にブリーザチューブ41に入り込む。
このようにして、ブリーザチューブ41内を空気(およびガソリン蒸気)が通って、給油口52内に設けられたベーパ排出孔53から、空気が外気中に放出されることになる(図4の白抜きの矢印を参照)。
このようにして、給油作業により、給油口52が開放されている間は、給油時に混入した巻き込み空気の空気抜き、すなわち、気液二相流の気相排出、を自動的に行うことができる。
さらに、ベーパ排出孔53が給油口52の内部に設けられていることから、一部のガソリン蒸気は再びフィラーパイプ40内に戻される。この蒸気の流れが、給油時の新たな空気の巻き込みを防止する役割を果たすとともに、より強い循環流Vの自然発生を助けている。
また、給油作業が終盤に近づき、ガソリンが接続部材42の位置まで上昇すると、今度は、ガソリンは、ブリーザチューブ41内ではなくて、フィラーパイプ40内を上昇し始める。
なぜならば、ブリーザチューブ41内は、非給油時は図示しない給油キャップによって大気圧との連通が遮断されているが、給油時は、ベーパ排出孔53を介して大気圧と連通している。
その一方で、フィラーパイプ40は、給油口52側は給油ガン50が挿入されており、密閉ではないものの塞がれた状態で、なおかつ、給油ガン50のノズル51からの高速なガソリン流れ(実線矢印参照)の周囲に負圧が発生している状況である。
このため、フィラーパイプ40側の方が、ブリーザチューブ41側の方よりも、管の内圧が低く、吸い込まれる形となるのである。
更にフィラーパイプ40内を、ガソリンの液面が上昇し、給油ガン50のノズル51部分に備えられた不図示の液面センサに到達すると、液面センサがガソリンの液面を検出して給油ガン50の燃料噴射を停止させ、燃料供給を自動的に停止することができる。
なお、ベーパ排出孔53は、給油口52のうち、給油ガン50のノズル51部分よりも上方で、かつなるべく入口付近に設けられることが望ましい。
なぜならば、ノズル51部分よりも下方に設置すると、例えば給油中に、あるいは、ガソリンを勢いよく入れ過ぎて吹き返しがあった場合に、ノズル51の先端よりもベーパ排出孔53が、ガソリン流れから見て下流の位置にあると、ガソリンがベーパ排出孔53からブリーザチューブ41内に侵入・逆流し、気相排出の妨げとなる可能性があるからである。
そこで、ベーパ排出孔53は、給油ガン50のノズル51部分よりも上方で、かつ、なるべく入口付近に設けておけば、このような心配をする必要がなくなるので、より好適であるといえる。
(作用・効果)
改めて、本実施形態の作用・効果をまとめてみると、以下のようになる。
本発明の気液分離機30を用いた給油システム100では、可撓性を有する燃料タンク60を用いる。
つまり、残燃料量に追従して燃料タンクの形状が変形するので、給油時に、内部に液体のガソリンを充填し、液で満たされた状態にすることができれば、例えばエンジンの燃焼によってガソリンが消費された場合でも、一切燃料蒸気の発生余地を与えない構成となっている。
これにより、従来型のキャニスタやそれを連結するための複雑な配管系統を一切排除することができ、装置の単純化、製造工程の削減、製造コストの切り下げ、製品自体の軽量化などの効果を奏することができる。
燃料タンク60内部を液で満たされた状態とするために、ガソリンの表面張力効果に着目した公知の気液分離機30を利用し、この気液分離機30を何度も通過するように、リターンパイプUを設けて循環系統を構成したので、給油時に混入する巻き込み空気を、確実に分離させることができる。
また、気液分離した気相部分は、給油時のみに開放される給油口52に設けられたベーパ排出孔53から、外気中に安全に排気することができる。
(第2実施形態)
図5は、第2実施形態に係る気液分離機を用いた給油システム200の、要部構成を説明する図である。なお、第1実施形態と同様の構成については、同一の符号を付して、重複する説明を省略する。
図5に示すように、第2実施形態では、気液分離機30,31が、リターンパイプSによって直列つなぎで接続され、さらにリターンパイプRによって、気液分離機31と接続部材42とが、接続されている。
また、気液分離機31の液相出口管7Bが、気液分離機30の液相出口管7に接続するように設けられている。それ以外の構成は、第1実施形態と同様である。なお、第2実施形態でシャット弁70(参考図として後記の図6参照)を設ける場合は、液相出口管7のうち、液相出口管7,7Bの接続部分よりも、燃料タンク60側の位置に設ければよい。
気液分離機30,31は、同型機を用いているが、適宜異なるサイズの表面張力タイプの気液分離機を、混成して編成させたものであってもよい。また、直列つなぎで連結される台数は2台に限定されず、複数台を直列でつないだ構成であってもよい。
また、図5において液相出口管7Bは、紙面に作図する都合上、上下に盛り上がった形状で描かれているが、実際には、水平面内を、気液分離機30を迂回して紙面奥側に回り込むように取付されている。ここで、回りこみ方向は、紙面手前側の水平面内としてもよい。
このように構成しても、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。このように構成すれば、循環流Wが1周分、ループを循環する間に、2回気液分離に掛けられることになり、効率がよい。特に、設置スペースに制約が少ない大型の輸送機器、例えばトラックやトレーラー、船舶、航空機などにおいて適用すると、より好適である。
(変形例)
次に、図6を参照しながら、第1実施形態、および第2実施形態の変形例を説明する。
第1実施形態、および第2実施形態の変形例として、気液分離機30の液相出口管7(第2実施形態においては液相出口管7Bと合流後の液相出口管7)と、燃料タンク60との間に、シャット弁70を設けてもよい。このシャット弁70は、液相出口管7と、燃料タンク60と、の連通を遮断する弁である。なお、図6は、図1(第1実施形態)にシャット弁70を設置した場合を、例示したものである。
このようなシャット弁70を設置した場合、その開閉は、例えば、給油時の気液分離機30(図2参照)の液溜18(図2参照)の液量を、液相出口管7よりも高い位置に設けられた不図示のセンサで計測し、所定量以上となった場合にのみ開弁させ、それ以外の条件では、(非給油時を含めて)全て閉じておく、といった利用方法が考えられる。
このようにすることで、気液分離機30と、燃料タンク60とを、例えば上下方向に高低差を設けて設置した場合であっても、両者間で、高い方から低い方に向かってガソリンが逆流する、といった事態を防ぐことができる。これにより、装置配置のレイアウトの自由度を高めることができる。
なお、シャット弁70の設置は任意である。図1に示すように、シャット弁70を設置しない場合には、気液分離機30と、燃料タンク60とを連通する液相出口管7が、水平となるような位置関係で両装置を設置すればよい。このようにすることで、シャット弁70や液量センサの設置コストを省くことができる。つまり、車両の製造コストの引き下げに寄与できる。
本発明は、前記した実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更ができる。例えば、本発明における配管は、樹脂チューブが好適であるとしたが、金属製の配管であってもよく、樹脂チューブと金属製の配管を使用場所に応じて使い分けて、混在する構成であってもよい。
また、第2実施形態では、気液分離機30,31を直列に連結するリターンパイプSは、略S字状の形状を有するパイプを使用したが、直線状のパイプで連結する構成としてもよい。このようにすると、例えば比較的高さ方向にレイアウト上の制約が少ない、車高が高いクルマにおいて、好適である。
また、第1実施形態および第2実施形態では、気相排出用のブリーザチューブ41を、フィラーパイプ40とは別体として構成し、より空気抜きをしやすくさせているが、これに限らない。
このように構成する場合には、ベーパ排出孔53を給油口52に設ける必要がなくなる。また、ブリーザチューブ41を廃止できるので、接続部材42の構造を簡略化することができる。
1 気液分離室
2 マイクロ蛇腹溝
4 溝付き体
5 入口管
6 気相出口管
7,7B 液相出口管
8 出口仕切体
10 外郭体
12 狭小空間
13 下縮管部
16 入口仕切体
18 液溜
19 流入室
21 気相流入端
30,31 気液分離機
40 フィラーパイプ
41 ブリーザチューブ(チューブ)
42 接続部材
50 給油ガン
51 ノズル
52 給油口
53 ベーパ排出孔
60 燃料タンク
70 シャット弁
100,200 給油システム
P1,P2 圧力
h1 高さ
S,R,U リターンパイプ(通路)
V,W 循環流

Claims (4)

  1. 可撓性を有する燃料タンクと、
    燃料に空気が混ざった気液二相流を気相と液相に気液分離するための気液分離機と、
    前記気液分離機に前記気液二相流を導く入口管と、
    前記気液分離機から前記燃料タンクに前記液相を導く液相出口管と、
    を備え
    前記気液分離機は、
    前記気相を排出するための気相出口管と、
    前記気相出口管と前記入口管とを連通、又は、前記気相出口管と前記入口管よりも給油口側に設けられたフィラーパイプとを連通する通路と、
    を備え、
    前記入口管もしくは前記フィラーパイプと、前記通路と、の接続部分には、前記気相を排出するためのチューブが備えられ、
    前記気相は、前記給油口に設けられたベーパ排出孔から、給油時にのみ外気中へ排気される
    ことを特徴とする、気液分離機を用いた給油システム。
  2. 前記気液分離機は前記燃料の表面張力作用を利用して前記気液分離を行う
    ことを特徴とする、請求項1に記載の気液分離機を用いた給油システム。
  3. 前記燃料タンクは残燃料量に完全に追従して変形し、内部が常時液で満たされた状態に保持される
    ことを特徴とする、請求項1に記載の気液分離機を用いた給油システム。
  4. 前記入口管、前記液相出口管、前記気相出口管、前記通路、前記フィラーパイプ、前記チューブのうち少なくとも一つは、樹脂チューブを含んで構成される
    ことを特徴とする、請求項に記載の気液分離機を用いた給油システム。
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