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JP6139007B2 - 回転電気機械 - Google Patents

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JP6139007B2
JP6139007B2 JP2016166428A JP2016166428A JP6139007B2 JP 6139007 B2 JP6139007 B2 JP 6139007B2 JP 2016166428 A JP2016166428 A JP 2016166428A JP 2016166428 A JP2016166428 A JP 2016166428A JP 6139007 B2 JP6139007 B2 JP 6139007B2
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Nagoya Institute of Technology NUC
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Description

本発明は、回転電気機械に関するものである。
回転電気機械の一種である電動機の中には、固定子に巻線と永久磁石の両方が設けられ、永久磁石の磁束を固定子から回転子に流す構造のものがある(例えば特許文献1を参照)。特許文献1の例では、所定の巻線(界磁巻線)が永久磁石と接して設けられており、その界磁巻線への直流の通電状態を制御することによって永久磁石の磁束の流れを制御するとともに、別の巻線(電機子巻線)に交流電力を供給して回転子を回転させている。
特開2013−201869号公報
しかしながら、上記特許文献の例では、界磁巻線よりも内周側に永久磁石を設けているので界磁巻線の磁束と永久磁石の磁束が互いに逆向きになり、逆向きの磁束による永久磁石の減磁を防止するために、永久磁石に高い保磁力が求められる。すなわち、永久磁石のコストが高くなりがちである。この問題に対しては、界磁巻線よりも外周側に永久磁石を設けることも考えられるが、後に詳述するように、巻線エリアを確保しつつ、永久磁石の磁極面積を確保するのが難しい。つまり、界磁巻線よりも外周側に永久磁石を設けた形式では、所望のトルクを得るのが難しいと考えられる。
本発明は上記の問題に着目してなされたものであり、永久磁石の保磁力を大きくすることなく、回転電気機械の効率を向上することを目的としている。
上記の課題を解決するため、第1の態様は、
円環状の固定子ヨーク(212)の周方向に所定間隔で並んだ複数のティース(211)を有し、これらのティース(211)間にスロット(213)が形成された固定子コア(21)と、
上記固定子コア(21)と所定のエアギャップをもって対向した回転子コア(11)と、
上記スロット(213)に収容され、直流が供給される界磁巻線(23)と、
所定のティース(211)に巻回されて上記スロット(213)に収容され、交流が供給される電機子巻線(24)と、
上記界磁巻線(23)とともに上記スロット(213)内に収容され、該界磁巻線(23)に接した永久磁石(22)と、
上記界磁巻線(23)に電力を供給する電源(30)と、
を備え、
上記界磁巻線(23)は、上記永久磁石(22)の内周側と外周側の両方に設けられ、
上記永久磁石(22)を挟んで内周側と外周側で互いに対向する界磁巻線(23)同士は、上記電源(30)からの電流の流入側の端から見た場合に巻回方向が同じであることを特徴とする。
この構成では、永久磁石(22)の内周側及び外周側の界磁巻線(23)から磁束が供給される。
また、第2の態様は、第1の態様において、
上記固定子コア(21)は、上記界磁巻線(23)を収容したスロット(213a)に対応する部分の径方向の厚さ(t1)が、上記電機子巻線(24)を収容したスロット(213b)に対応する部分の径方向の厚さ(t2)よりも小さいことを特徴とする。
この構成では、界磁巻線(23)に電流を流した際に、固定子コア(21)において界磁巻線(23)を収容したスロット(213a)に対応する部分を容易に磁気飽和させることが可能になる。また、電機子巻線(24)を収容したスロット(213b)に対応する部分は、界磁巻線(23)を収容したスロット(213a)に対応する部分に比べて磁気飽和し難くなる。
また、第3の態様は、第1又は第2の態様において、
上記界磁巻線(23)を収容するスロット(213a)において上記永久磁石(22)の外周側の界磁巻線(23o)を収容する部分の周方向の幅(wo)は、該永久磁石(22)の内周側の界磁巻線(23i)を収容する部分の周方向の幅(wi)よりも大きく、且つ該永久磁石(22)の周方向の幅(wm)よりも大きいことを特徴とする。
この構成では、ティース(211)部分(とりわけ、磁石側面の部分)において、磁気飽和が起こりにくくなる。
また、第4の態様は、第1から第3の態様の何れかにおいて、
上記スロット(213a)において上記永久磁石(22)の外周側の界磁巻線(23o)を収容する部分と上記電機子巻線(24)を収容したスロット(213b)との最短距離(do)は、上記スロット(213a)において上記永久磁石(22)の内周側の界磁巻線(23i)を収容する部分と、上記電機子巻線(24)を収容したスロット(213b)との最短距離(di)よりも小であるか同一であることを特徴とする。
この構成では、永久磁石(22)よりも外周側の界磁巻線(23)を収容する領域を周方向に容易に拡張できる。
また、第5の態様は、第1から第4の態様の何れかにおいて、
上記永久磁石(22)は、ネオジム-ボロン-鉄系磁石であり、重希土類元素を含まないか、表面付近のみに含むことを特徴とする。
また、第6の態様は、第1から第5の態様の何れかにおいて、
上記永久磁石(22)の外周側の全ての界磁巻線(23o)は、共通の線材によって形成されており、
上記永久磁石(22)の内周側の全ての界磁巻線(23i)は、共通の線材によって形成されていることを特徴とする。
この構成では、外周側の全ての界磁巻線(23o)に共通に電力供給でき、同様に、内周側の全ての界磁巻線(23i)に共通に電力供給できる。つまり、電力供給用の配線の本数を低減することが可能になる。
また、第7の態様は、回転電気機械の運転方法において、
上記回転電気機械は、
円環状の固定子ヨーク(212)の周方向に所定間隔で並んだ複数のティース(211)を有し、これらのティース(211)間にスロット(213)が形成された固定子コア(21)と、
上記固定子コア(21)と所定のエアギャップをもって対向した回転子コア(11)と、
上記スロット(213)に収容され、直流が供給される界磁巻線(23)と、
所定のティース(211)に巻回されて上記スロット(213)に収容され、交流が供給される電機子巻線(24)と、
上記界磁巻線(23)とともに上記スロット(213)内に収容され、該界磁巻線(23)に接した永久磁石(22)と、上記界磁巻線(23)に電力を供給する電源(30)とを備え、上記界磁巻線(23)が、上記永久磁石(22)の内周側と外周側の両方に設けられ、上記永久磁石(22)を挟んで内周側と外周側で互いに対向する界磁巻線(23)同士は、上記電源(30)からの電流の流入側の端から見た場合に巻回方向が同じであり、
該運転方法は、
複数種類の運転モードの中から1つの運転モードを選択するステップと、
選択した運転モードで上記回転電気機械を運転するステップとを含み、
上記複数の運転モードには、
上記界磁巻線(23)に電流を流さない第1の運転モード、
上記界磁巻線(23)の巻線磁束が、界磁スロットヨーク部(212a)において、上記界磁巻線(23)がはさむ磁石磁束と反対方向に流れるように、界磁巻線(23)に電流を流す第2の運転モード、
及び、上記界磁巻線(23)の巻線磁束が、界磁スロットヨーク部(212a)において、上記界磁巻線(23)がはさむ磁石磁束と同じ方向に流れるように、界磁巻線(23)に電流を流す第3の運転モードのうちの少なくとも2つの運転モードが含まれることを特徴とする。
第1の態様によれば、永久磁石の保磁力を大きくすることなく、回転電気機械の効率を向上することが可能になる。
また、第2から第4の態様のそれぞれによれば、巻線や永久磁石の磁束をより効率的に回転子コアに流すことが可能になる。
また、第5の態様によれば、比較的、安価な材料で永久磁石を構成することが可能になる。
また、第6の態様によれば、電力供給用の配線が容易になる。
また、第7の態様によれば、例えば、回転電気機械の使用状態に適した運転を行うことが可能になる。
図1は、本発明の実施形態に係る電動機の構成を示す断面図である。 図2は、固定子コアを軸方向から見た図である。 図3は、本実施形態におけるスロット等の寸法関係を示す。 図4は、界磁巻線に電流が流れていない状態における永久磁石の磁束を示す。 図5は、界磁巻線に電流を流した場合における磁石磁束を示す。 図6は、第3の運転モードにおける磁石磁束及び界磁巻線磁束を示す。 図7は、本実施形態の電動機内側磁石型電動機、及び外側磁石型電動機における保磁力と効率の関係を例示する。 図8は、外側磁石型電動機の巻線及び永久磁石の配置例を示す。 図9は、内側磁石型電動機の巻線磁束と磁石磁束を例示する。 図10は、界磁巻線の巻回形式の一例を示す。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
《発明の実施形態》
以下では、本発明の回転電気機械の一例として、電動機の例を説明する。図1は、本発明の実施形態に係る電動機(1)の構成を示す断面図である。電動機(1)は、図1に示すように、所定のエアギャップ(G)をもって互いに対応した対向した回転子(10)と固定子(20)を備え、ケーシング(図示は省略)に収容されている。この電動機(1)は、例えば自動車や、空気調和装置の圧縮機などに用いることができ、回転子(10)に設けられた駆動軸(12)によって、自動車のトランスミッションや空気調和装置の圧縮機などを駆動する。
なお、以下の説明で用いる用語のうち、軸方向とは、駆動軸(12)の軸心(P)の方向をいい、径方向とは軸心(P)と直交する方向をいう。また、外周側とは軸心(P)からより遠い側をいい、内周側とは軸心(P)により近い側をいう。
〈回転子〉
回転子(10)は、回転子コア(11)及び駆動軸(12)を備えている。回転子コア(11)は、軟磁性体によって形成されている。本実施形態の回転子コア(11)は、電磁鋼板をプレス加工によって打ち抜いて作成した多数のコア部材を軸方向に積層した積層コアであり、その中心には、図1に示すように駆動軸(12)を挿入する貫通孔(113)が形成されている。また、回転子コア(11)には、外周側に向かって突き出た複数の突部(111)が設けられている。突部(111)は、回転子コア(11)の周方向に等ピッチで並んでいる。つまり、回転子コア(11)は、軸方向から見て、歯車状の形状である。
〈固定子〉
固定子(20)は、固定子コア(21)、永久磁石(22)、界磁巻線(23)、及び電機子巻線(24)を備えている。
−固定子コア(21)−
固定子コア(21)は、軟磁性体によって形成されている。この例では、固定子コア(21)は、電磁鋼板をプレス加工によって打ち抜いて作成した多数のコア部材を軸方向に積層した積層コアである。図2は、固定子コア(21)を軸方向から見た図である。図2に示すように、固定子コア(21)は、固定子ヨーク(212)と、複数のティース(211)とを備えている。固定子ヨーク(212)は、円環状の形状を有した、固定子コア(21)の外周側に形成された部分である。また、それぞれのティース(211)は、固定子ヨーク(212)の内周面から内周側に向かって突き出た部分である。図2の例では、24個のティース(211)が設けられており、これらのティース(211)は、軸心(P)回りに周方に所定ピッチで配置されている。それにより、それぞれのティース(211)の間には、空間が形成されることになる。
ティース(211)の間に形成されたこれらの空間は、永久磁石(22)や界磁巻線(23)や電機子巻線(24)が収容されるスロット(213)として機能する。これらスロット(213)には、界磁スロット(213a)と電機子スロット(213b)の2種類があり、何れの種類のスロットも複数設けられている。具体的には、界磁スロット(213a)は、スロット(213)のうちの、周方向において1つ飛ばしで隣り合う一対のスロットである。また、電機子スロット(213b)は、スロット(213)のうち、界磁スロット(213a)を除くスロットである。つまり、界磁スロット(213a)と電機子スロット(213b)とは、周方向に交互に配置されている。なお、以下の説明において、界磁スロット(213a)や電機子スロット(213b)等のように複数個が存在する構成要素において、特定のものに着目する等の場合には、参照符合に枝番を付けることにする(例えば213a-1,213a-2…など)。
−電機子巻線(24)−
電機子巻線(24)は、回転磁界を形成するための巻線である。固定子(20)では、電機子巻線(24)は、ティース(211)に巻回されて、電機子スロット(213b)に収容されている。より具体的には、電機子巻線(24)は、周方向において隣り合う一対の電機子スロット(213b)によって挟まれる一対のティース(211)(以下、一対の電機子ティース(211b)とも呼ぶ)に対して巻回されている。詳しくは、電機子巻線(24)は、径方向に沿う軸を巻回軸として、一対の電機子ティース(211b)に巻回されている。つまり、一対の電機子ティース(211b)を一つのティースとみなして、これに電機子巻線(24)が集中巻で巻回されているのである。これを具体的に図1で見ると、例えば電機子巻線(24-1)は、周方向において隣り合う電機子スロット(213b-1)と電機子スロット(213b-2)によって挟まれている、ティース(211-1)とティース(211-2)とによって構成された一対の電機子ティース(211b)に巻回されている。
電機子巻線(24)には、回転磁界を形成するために、交流が供給される。例えば、電機子巻線(24)として三相の電機子巻線を採用した場合には、電機子巻線(24)には三相の交流電流を流すことになる。電機子巻線(24)に流れる交流電流は、インバータ回路などによって制御することができる。
−界磁巻線(23)−
界磁巻線(23)は、永久磁石(22)の磁束を制御するための巻線である。この界磁巻線(23)は、ティース(211)に巻回されて、界磁スロット(213a)に収容されている。この例では、周方向において互いに隣り合う一対の界磁スロット(213a)によって挟まれる一対のティース(211)(以下、一対の界磁ティース(211a)とも呼ぶ)に対して、2つの界磁巻線(23)が巻回されている。詳しくは、2つの界磁巻線(23)のそれぞれは、径方向に沿う軸を巻回軸として、この一対の界磁ティース(211a)に巻回されている。つまり、一対の界磁ティース(211a)を一つのティースとみなして、これに2つの界磁巻線(23)が集中巻で巻回されているのである。これらの界磁巻線(23)は、必要に応じて直流励磁される。そのため、界磁巻線(23)は、電源(30)に接続されている(図7参照)。なお、界磁巻線(23)に直流電力を供給する電源(30)には種々のものを採用できる。例えば、チョッパ回路(例えば降圧回路、昇圧回路または昇降圧回路)を用いることで、界磁巻線(23)に流す直流電流を容易に制御することができる。つまり、界磁巻線(23)に流す直流は、脈動成分を含んでいるものでもかまわない。
−永久磁石(22)−
固定子(20)には、複数の永久磁石(22)が設けられている。この例では、それぞれの永久磁石(22)は、希土類元素を用いたいわゆる希土類磁石である。より具体的には、永久磁石(22)は、ネオジム、鉄、ホウ素を主成分とした磁石(ネオジム-ボロン-鉄系の磁石)であって、重希土類元素(具体的にはジスプロシウム(Dy)或いはテルビウム(Tb))を粒界拡散法によって表面付近のみに含ませた焼結磁石である。
この永久磁石(22)は、軸心(P)に直交する方向の断面(図1で見える面)が方形(この例では概ね径方向が長辺となる長方形)であり、その軸方向の長さは、固定子コア(21)の軸方向長さと概ね同じである。つまり、本実施形態の永久磁石(22)は、直方体である。また、これらの永久磁石(22)は、周方向において同じ極性の磁極面が向かい合うように、界磁スロット(213a)内に配置されている(図1を参照)。つまり、永久磁石(22)は、周方向に沿って磁化されており、これらの永久磁石(22)は、周方向の一方側に向かって、交互に異なる極性の磁極面を向けて配置されている。そして、本実施形態では、永久磁石(22)と界磁巻線(23)との位置関係に特徴がある。
−永久磁石(22)と巻線との位置関係−
まず、永久磁石(22)と電機子巻線(24)の関係を見ると、永久磁石(22)は、径方向に沿って電機子巻線(24)に囲まれている(図1を参照)。
一方、永久磁石(22)と界磁巻線(23)の関係を見ると、図1に示すように各永久磁石(22)は、界磁巻線(23)とともに界磁スロット(213a)内に収容され界磁巻線(23)に接している。より詳しくは、一対の界磁ティース(211a)に対して、2つの界磁巻線(23)が設けられており、それらの界磁巻線(23)は、永久磁石(22)の内周側と外周側の両方から永久磁石(22)に接している。永久磁石(22)を挟んで内周側と外周側で互いに対向する界磁巻線(23)同士は、上記電源(30)からの電流の流入側の端から見た場合に巻回方向が同じである。
なお、以下の説明において、永久磁石(22)の内周側の界磁巻線(23)と該永久磁石(22)の外周側の界磁巻線(23)とを区別する必要がある場合には、内周側の界磁巻線(23)の参照符合に接尾辞として”i”を付けて界磁巻線(23i)と記載し、外周側の界磁巻線(23)の参照符合に接尾辞として”o”を付けて界磁巻線(23o)と記載することにする。また、内周側の界磁巻線(23i)や界磁巻線(23o)において特定のものに着目する等の場合には、接尾辞の後に更に枝番を付けることにする(例えば23i-1,23o-1等)。
本実施形態における永久磁石(22)と界磁巻線(23)との配置を具体的に図1で見ると、例えば、界磁巻線(23o-1)は、周方向において互いに隣り合う界磁スロット(213a-1)と界磁スロット(213a-2)によって挟まれるティース(211-2)とティース(211-3)によって構成された一対の界磁ティース(211a)に対して巻回されている。この界磁巻線(23o-1)は、永久磁石(22-1)や永久磁石(22-2)よりも外周側に位置している。同様に界磁巻線(23i-1)は、ティース(211-2)とティース(211-3)に対して巻回されている。この界磁巻線(23i-1)は、永久磁石(22-1)や永久磁石(22-2)よりも内周側に位置している。
なお、この例では、永久磁石(22)の外周側の全ての界磁巻線(23o)は、共通の線材(1本の被覆電線)によって形成されている。同様に、永久磁石(22)の内周側でも全ての界磁巻線(23i)が共通の線材によって形成されている。このように複数の界磁巻線(23)を共通の線材で形成するには、一対の界磁ティース(211a)に線材を巻回した後に、その線材を隣接する他の一対の界磁ティース(211a)に、先に巻回した界磁ティース(211a)における巻回方向とは巻回方向を反転して連続的に巻回すればよい。
−スロット、固定子ヨークの大きさ−
そして、本実施形態では、電動機(1)の効率向上の目的(後述)で、スロット(213)や固定子ヨーク(212)の大きさにも工夫を加えてある。図3は、本実施形態におけるスロット(213)等の寸法関係を示す。本実施形態では、界磁スロット(213a)において外周側の界磁巻線(23o)を収容する部分(以下、界磁スロット外側部(214)と呼ぶ)と電機子スロット(213b)との最短距離(do)は、界磁スロット(213a)において内周側の界磁巻線(23i)を収容する部分(以下、界磁スロット内側部(215)と呼ぶ)と電機子スロット(213b)との最短距離(di)よりも小さいか、もしくは同一である(すなわちdo≦diである)。
また、本実施形態では、図3に示すように、固定子ヨーク(212)において界磁スロット(213a)に対応する部分(以下、界磁スロットヨーク部(212a)と呼ぶ)の径方向の厚さ(t1)を、該固定子ヨーク(212)において電機子スロット(213b)に対応する部分(以下、電機子スロットヨーク部(212b)と呼ぶ)の径方向の厚さ(t2)よりも小さく形成してある(すなわちt1<t2である)。
更に、本実施形態では、界磁スロット外側部(214)の周方向の幅(以下、界磁スロット外幅(wo))を、界磁スロット内側部(215)の周方向の幅(以下、界磁スロット内幅(wi))よりも大きく形成してある。また、界磁スロット外幅(wo)を永久磁石(22)の周方向の幅(wm)よりも大きくしてある。つまり、wo>wi>wmの関係がある。
〈電動機(1)の運転方法(巻線の励磁方法)〉
本実施形態に係る電動機(1)では、複数種類の運転モードを実現できる。以下では、3種類の運転モード(第1の運転モード〜第3の運転モード)を例示する。
−第1の運転モード−
第1の運転モードは、界磁巻線(23)に電流を流さない運転モードである(界磁電流ゼロモード)。図4は、界磁巻線(23)に電流が流れていない状態における永久磁石(22)の磁束を示す。図4では、軸心(P)に垂直な断面における電動機(1)の一部(駆動軸(12)を中心とした凡そ4分の1)を図示してある。図4に示すように、永久磁石(22)の磁束(以下、磁石磁束とも呼ぶ)は、実線矢印で示した経路(主経路)を主に流れ、僅かな磁束が破線矢印で示す経路(副経路)を流れる。すなわち、界磁巻線(23)に電流が流れていない状態では、磁石磁束が固定子(20)内でほぼ短絡していると見なして差し支えない。
この状態において、電機子巻線(24)に交流を流して回転磁界を形成すると、電機子巻線(24)による巻線磁束と永久磁石(22)の磁石磁束とが鎖交し、回転子(10)においてトルクを発生させることができる。この運転モードにおいて、上記磁石磁束による電動機(1)のトルク(T)は、次式で表すことができる。
T=P(Φmag)i
上式において、Pは、極対数である。また、Φmagは、磁石磁束の大きさであり、iは、電機子巻線(24)の電流(q軸電流)の大きさである。
この運転モードでは、界磁巻線(23)に電流を流さないので、界磁巻線(23)における銅損がゼロになる。この運転モードは、比較的高速回転、且つ低トルクで電動機(1)を運転する場合に有用な運転モードである。
−第2の運転モード−
第2の運転モードは、界磁巻線(23)の磁束を利用して磁石磁束を回転子コア(11)に流す運転モードである(強め界磁制御モード)。図5は、界磁巻線(23)に直流を流した場合における磁石磁束を示す。図5でも軸心(P)に垂直な断面における電動機(1)の一部(駆動軸(12)を中心としたおよそ4分の1)を図示してあり、永久磁石(22)の磁石磁束と界磁巻線(23)による磁束(以下、巻線磁束とも呼ぶ)とを、それぞれ実線矢印及び破線矢印で示してある。
図5の例では、磁石磁束が回転子コア(11)を経由するように、界磁巻線(23)に所定の値に制御された直流電流を流している。具体的には、界磁巻線(23)には、その巻線磁束が界磁スロットヨーク部(212a)において、図4に示した磁石磁束と反対方向に流れるように、界磁巻線(23)に電流を流すのである。ここでいう直流電流は、スイッチングに伴う高調波成分を含んでいてもよい。図5には、界磁巻線(23)に流れる電流の方向が周知の記号(円の内部に黒丸が付された記号と円の内部に×が付された記号)で示してある。
このように界磁巻線(23)に直流電力を供給すると、界磁巻線(23)の巻線磁束によって、界磁スロットヨーク部(212a)において磁気飽和を起こすことができ、それにより磁石磁束は界磁スロットヨーク部(212a)を流れ難くなる。その結果、磁石磁束は、所定のティース(211)を介して回転子コア(11)に流れ込むことになる。
例えば、永久磁石(22-1)の磁束は、対応する界磁スロットヨーク部(212a-1)が磁気飽和すると、ティース(211-1)に流れ込み、次に回転子コア(11)の突部(111-1)に流れ込む(図5参照)。突部(111-1)に流れ込んだ磁石磁束は、隣(図5では右隣)の突部(111-2)を介してティース(211-3)に流れ込む。そして、その磁石磁束は、電機子スロットヨーク部(212b-1)、及びティース(211-2)を介して永久磁石(22-1)に戻っている。
また、永久磁石(22-2)の磁束は、対応する界磁スロットヨーク部(212a-2)が磁気飽和したことによって、電機子スロットヨーク部(212b-2)に流れ込み、次にティース(211-5)を介して回転子コア(11)の突部(111-3)に流れ込む。突部(111-3)に流れ込んだ磁石磁束は、隣(図5では左隣)の突部(111-2)を介してティース(211-3)に流れ込む。そして、その磁石磁束は、ティース(211-3)を介して永久磁石(22-2)に戻っている。
なお、図5の磁石磁束及び巻線磁束の流れは一例であり、回転子コア(11)の回転位置(突部(111)の位置)によって、磁石磁束および巻線磁束が流れる経路は異なり得る。ただし、回転子コア(11)の回転位置が変わっても、磁石磁束および巻線磁束は回転子コア(11)を経由して流れることとなる。
上記のように、電動機(1)では、磁石磁束及び巻線磁束は、回転子コア(11)を経由して流れて、界磁磁束として作用する。
そして、この運転モードでも、電機子巻線(24)に交流を流して回転磁界を形成すると、それに伴って電機子巻線(24)による巻線磁束と永久磁石(22)の磁石磁束とが鎖交し、回転子(10)においてトルクを発生させることができる。この運転モードにおける電動機(1)のトルク(T)は、次式で表すことができる。
T=P(Φmag+Φ)i
上式においてもPは、極対数である。また、Φmagは、磁石磁束の大きさであり、iは、電機子巻線(24)の電流(q軸電流)の大きさである。また、Φは、界磁巻線(23)の巻線磁束(以下、界磁巻線磁束と呼ぶ)の大きさである。
上式から分かるように、界磁巻線(23)に流れる直流電流を制御することで、界磁磁束の大きさを制御することができる。例えば、低速回転時に界磁磁束の大きさを増大させて、大きなトルクを出力する強め界磁制御を行い、高速回転時に界磁磁束の大きさを低減させて、誘起電圧を調整して回転速度を向上することができる。界磁巻線磁束の大きさを低減させることで、界磁巻線(23)における銅損も低減する。
−第3の運転モード−
第3の運転モードは、回転子コア(11)に向かう磁石磁束とは逆方向に、界磁巻線磁束を流す運転モードである。図6は、第3の運転モードにおける磁石磁束及び界磁巻線磁束を示す。
この運転モードでは、第2の運転モードとは逆方向の電流を界磁巻線(23)に流している。このように界磁巻線(23)に直流電力を供給すると、界磁巻線(23)の巻線磁束によって、界磁スロットヨーク部(212a)において磁気飽和が起こる。そのため、永久磁石(22)の磁束は、ティース(211)に向って流れることになる。しかしながら、この運転モードでは、界磁巻線磁束の向きと磁石磁束の向きが互いに逆方向なので、結果として、回転子コア(11)に流れ込む磁束が弱められることになる。すなわち、この運転モードでは、界磁巻線(23)の電流を調整することで、回転子コア(11)に流れ込む磁石磁束を低減乃至はゼロにすることが可能になるのである。
そして、この運転モードでも、電機子巻線(24)に交流を流して回転磁界を形成すると、回転子(10)においてトルクを発生させることができる。この運転モードにおける電動機(1)のトルク(T)は、次式で表せる。
T=P(Φmag−Φ)i
この運転モードは、誘起電圧を低下させることが可能であり、比較的高速回転、且つ低トルクで電動機(1)を運転する場合に有用な運転モードである。また、メンテナンス時等に、上記のように磁石磁束を打ち消すことで、回転子(10)を容易に取り外すことが可能になる。
上記のように、本実施形態の電動機(1)では、複数種類の運転モードを実現できるので、この電動機(1)の運転を制御する制御装置は、例えば、回転速度や負荷の大きさ等に応じて、複数種類の運転モードの中から1つの運転モードを選択するように構成することが考えられる。なお、当該制御装置では、必ずしも、例示した全ての運転モードを取り扱う必要はない。例えば、何れかの2つの運転モードを切り換えるように制御装置を構成してもよい。
〈本実施形態における効果〉
本実施形態の電動機(1)では、以下に説明するように、固定子において界磁巻線の内周側に永久磁石が設けられる形式の電動機(以下、内側磁石型電動機と呼ぶ)よりも保磁力の小さな永久磁石を採用でき、且つこの内側磁石型電動機や、固定子において界磁巻線の外周側に永久磁石が設けられる形式の電動機(以下、外側磁石型電動機と呼ぶ)よりも効率を向上させることが可能になる。
図7は、本実施形態の電動機(1)、内側磁石型電動機、及び外側磁石型電動機における保磁力(Hcj)[kA/m]と効率[%]の関係を例示する。同図では、本実施形態の電動機(1)、内側磁石型電動機、及び外側磁石型電動機の3種の電動機に関して、同じ出力トルクの下で3種の回転速度について効率の比較を行っている。なお、電動機の効率は、出力(具体的にはトルク×回転速度)と入力(供給した電力)との比であるが、本実施形態の電動機(1)の効率は、電機子巻線の銅損をPca、界磁巻線の銅損をPcf、モータ鉄損をPiとすると、出力/(Pca+Pcf+Pi+出力)と表せる。
図8に外側磁石型電動機の巻線及び永久磁石の配置例を示す。例えば、外側磁石型電動機において、より大きなトルクを発生できるようにするには、永久磁石を径方向に長くすることが考えられるが、永久磁石を径方向に長くすると、ステータ外径に制約がある場合には、ステータ内径が小さくなるか、巻線スペースが少なくなる。そのため、外側磁石型電動機では、現実的な電動機のサイズで、径方向に永久磁石を長くするのは難しく、磁極面積を増やすのは困難である。それに対して、本実施形態では、界磁スロット外側部(214)を周方向に広くすることで、外側の界磁巻線(23o)を巻回するためのスペースを確保できるので、その分、永久磁石(22)の径方向長さを大きくすることができる。つまり、本実施形態では、所望の定格(最大出力)の電動機を容易に得ることが可能になる。
一方、内側磁石型電動機の場合、界磁巻線による磁束と永久磁石による磁束がティースの磁石側面の部分を反対方向に流れる。図9に内側磁石型電動機の巻線磁束と磁石磁束を例示する。図9では、点線矢印で磁石磁束の短絡磁路を示し、実線矢印で磁石磁束の鎖交磁路を示している。また、同図において破線矢印は界磁巻線の磁束の磁路を示している。図9に示したように、内側磁石型電動機ではティースにおいて巻線の磁束と磁石磁束が互いに逆方向の部分では、磁気飽和が起こり難く、電機子反作用による電圧降下の抑制が起こり難いため、力率改善効果が小さい。換言すると、最大出力(最大トルク)を増大させるのが難しい。敢えて、内側磁石型電動機においてティースを磁気飽和させるには、界磁巻線の電流を増大させて、永久磁石の磁束を打ち消し、更に同方向に流れるまで励磁する必要がある。しかしながら、それにはアンペアターンを多くする必要があり、巻線用スロットの断面積も大きくなりがちである。つまり、電動機の大型化が必要になる。
それに対し、本実施形態では、図8の外側磁石型と同様に、ティース(211)における、永久磁石(22)の側面の部分において、界磁巻線による磁束と永久磁石(22)による磁束が同方向に流れる(図5参照)。したがって、本実施形態では、界磁スロット内側部(215)と電機子スロット(213b)にはさまれたティースが磁気飽和しやすいことより、アンペアターンを増やさなくても力率を上げつつ最大出力を増大させることが可能になる。また、本実施形態では、内周側に配置された界磁巻線による磁界の方向と永久磁石の磁化の方向が同方向であるがゆえに内側磁石型電動機に比べ、永久磁石(22)の減磁が起こりにくい。そのため本実施形態では、小さい保磁力で減磁に耐えうるために残留磁束密度(Br)の大きな磁石を採用でき、逆磁界で増磁する内側磁石型電動機とは異なり、動作点磁束密度も高くできる。また、本実施形態では、永久磁石の重希土類量を小さくすることも可能になる。
また、本実施形態の固定子コア(21)では、界磁スロットヨーク部(212a)の径方向の厚さ(t1)が、電機子スロットヨーク部(212b)の厚さ(t2)よりも小さく設定されている。そのため、界磁巻線(23)に電流を流した際に界磁スロットヨーク部(212a)において容易に磁気飽和させることが可能になる。界磁スロットヨーク部(212a)における磁気飽和は、永久磁石(22)の磁束短絡を防いで、磁石磁束が回転子(10)に流れるようにする強め界磁効果(トルク増加効果とも呼ぶ)に寄与する。
一方、界磁スロットヨーク部(212a)において磁石磁束の短絡を防止すると磁石磁束は電機子スロットヨーク部(212b)を通過することになるので、電機子スロットヨーク部(212b)の部分での磁気飽和は望ましくない。本実施形態では、界磁スロットヨーク部(212a)の径方向の厚さ(t1)と電機子スロットヨーク部(212b)の厚さ(t2)との関係をt1<t2としてあるので、電機子スロットヨーク部(212b)は、界磁スロットヨーク部(212a)に比べて磁気飽和し難くなる。すなわち、本実施形態では磁石磁束をより効率的に回転子コア(11)に流すことができる。
また、本実施形態では、界磁スロット外側部(214)の周方向の幅(wo)が、界磁スロット内側部(215)の周方向の幅(wi)よりも大きく、且つ該永久磁石(22)の周方向の幅(wm)よりも大きく設定されている。また、本実施形態では、界磁スロット外側部(214)と電機子スロット(213b)との最短距離(do)を、界磁スロット内側部(215)と電機子スロット(213b)との最短距離(di)以下にしてある。例えば、ティース(211)において内周側の界磁巻線(23i)に隣接する部分が、磁石磁束の短絡経路(図4参照)よりも先に磁気飽和すると磁石磁束が回転子側に流れにくくなるため、界磁巻線(23i)の起磁力による強め界磁効果(トルク増加効果)が失われる可能性がある。しかしながら、本実施形態では、上記のようにdi≧do,wo>wiとしたことによりトルク増加効果が失われないようにできる。
また、磁石磁束を効率的に発生させるためには、出来る限り永久磁石(22)の表面積を大きくした方が望ましく、それには永久磁石の磁化方向(着磁軸方向)の厚さを薄手にするのがよいと考えられる(勿論、減磁耐力を最低限確保するための厚さは必要である)。
そして、このように永久磁石(22)を薄手にすると、界磁スロット内側部(215)と永久磁石(22)は径方向に縦長の形状になる。界磁スロット内側部(215)や永久磁石(22)が径方向に縦長の形状になると、固定子(20)の径方向寸法の制約の中で、外側の界磁巻線(23o)用のスロット面積を確保するためは、界磁スロット外側部(214)の周方向幅を長くすることにより界磁巻線の断面積を大きくできることが、強め界磁効果(トルク増加効果)を得る上で望ましい。つまり、本実施形態では、上記のようにdi≧do,wo>wi>wmとすることにより、永久磁石(22)に必要な磁極表面積を確保できるとともに、当該磁極表面積を確保したことに起因してトルク増加効果が失われないようにできるのである。
更に、本実施形態では、永久磁石(22)の外周側の全ての界磁巻線(23o)が共通の線材によって形成されているので、界磁巻線(23o)に電力供給するための引き出し配線の数を低減できる。同様に、永久磁石(22)の内周側の全ての界磁巻線(23i)が共通の線材によって形成されているので、やはり、界磁巻線(23i)に電力供給するための引き出し配線の数を低減できる。つまり、本実施形態では、界磁巻線(23)への配線が容易になる。
《その他の実施形態》
なお、電動機(1)では、界磁巻線(23)を永久磁石(22)の着磁に利用できる。具体的には、永久磁石(22)の外周側に設ける界磁巻線(23o)に電流を流して、その巻線磁束によって永久磁石(22)を着磁すればよい。このとき、回転子は存在しないことが望ましい。
また、永久磁石(22)の材料は例示であり、重希土類元素を含まない磁石材料で永久磁石(22)を構成してもよい。
また、固定子(20)におけるティース(211)の数や、回転子(10)の突部(111)の数も例示であり、上記の実施形態の例には限定されない。
また、上記実施形態の構成は、電動機のみならず、発電機にも適用できる。
また、界磁巻線(23)や電機子巻線(24)の巻回の形態は例示であり、上記実施形態の界磁には限定されない。例えば、界磁巻線(23)は、1つ飛ばしに巻回してもよい(図10参照)。また、界磁巻線(23)は、ティース(211)に巻回する代わりに、例えば固定子ヨーク(212)に巻回することも可能である。
本発明は、回転電気機械として有用である。
1 電動機(回転電気機械)
11 回転子コア
21 固定子コア
22 永久磁石
23 界磁巻線
24 電機子巻線
211 ティース
212 固定子ヨーク
213 スロット

Claims (7)

  1. 円環状の固定子ヨーク(212)の周方向に所定間隔で並んだ複数のティース(211)を有し、これらのティース(211)間にスロット(213)が形成された固定子コア(21)と、
    上記固定子コア(21)と所定のエアギャップをもって対向した回転子コア(11)と、
    上記スロット(213)に収容され、直流が供給される界磁巻線(23)と、
    所定のティース(211)に巻回されて上記スロット(213)に収容され、交流が供給される電機子巻線(24)と、
    上記界磁巻線(23)とともに上記スロット(213)内に収容され、該界磁巻線(23)に接した永久磁石(22)と、
    上記界磁巻線(23)に電力を供給する電源(30)と、
    を備え、
    上記界磁巻線(23)は、上記永久磁石(22)の内周側と外周側の両方に設けられ、
    上記永久磁石(22)を挟んで内周側と外周側で互いに対向する界磁巻線(23)同士は、上記電源(30)からの電流の流入側の端から見た場合に巻回方向が同じであることを特徴とする回転電気機械。
  2. 請求項1において、
    上記固定子コア(21)は、上記界磁巻線(23)を収容したスロット(213a)に対応する部分の径方向の厚さ(t1)が、上記電機子巻線(24)を収容したスロット(213b)に対応する部分の径方向の厚さ(t2)よりも小さいことを特徴とする回転電気機械。
  3. 請求項1又は請求項2において、
    上記界磁巻線(23)を収容するスロット(213a)において上記永久磁石(22)の外周側の界磁巻線(23o)を収容する部分の周方向の幅(wo)は、該永久磁石(22)の内周側の界磁巻線(23i)を収容する部分の周方向の幅(wi)よりも大きく、且つ該永久磁石(22)の周方向の幅(wm)よりも大きいことを特徴とする回転電気機械。
  4. 請求項1から請求項3の何れかにおいて、
    上記スロット(213a)において上記永久磁石(22)の外周側の界磁巻線(23o)を収容する部分と上記電機子巻線(24)を収容したスロット(213b)との最短距離(do)は、上記スロット(213a)において上記永久磁石(22)の内周側の界磁巻線(23i)を収容する部分と、上記電機子巻線(24)を収容したスロット(213b)との最短距離(di)よりも小であるか同一であることを特徴とする回転電気機械。
  5. 請求項1から請求項4の何れかにおいて、
    上記永久磁石(22)は、ネオジム-ボロン-鉄系磁石であり、重希土類元素を含まないか、表面付近のみに含むことを特徴とする回転電気機械。
  6. 請求項1から請求項5の何れかにおいて、
    上記永久磁石(22)の外周側の全ての界磁巻線(23o)は、共通の線材によって形成されており、
    上記永久磁石(22)の内周側の全ての界磁巻線(23i)は、共通の線材によって形成されていることを特徴とする回転電気機械。
  7. 回転電気機械の運転方法において、
    上記回転電気機械は、
    円環状の固定子ヨーク(212)の周方向に所定間隔で並んだ複数のティース(211)を有し、これらのティース(211)間にスロット(213)が形成された固定子コア(21)と、
    上記固定子コア(21)と所定のエアギャップをもって対向した回転子コア(11)と、
    上記スロット(213)に収容され、直流が供給される界磁巻線(23)と、
    所定のティース(211)に巻回されて上記スロット(213)に収容され、交流が供給される電機子巻線(24)と、
    上記界磁巻線(23)とともに上記スロット(213)内に収容され、該界磁巻線(23)に接した永久磁石(22)と、上記界磁巻線(23)に電力を供給する電源(30)とを備え、上記界磁巻線(23)が、上記永久磁石(22)の内周側と外周側の両方に設けられ、上記永久磁石(22)を挟んで内周側と外周側で互いに対向する界磁巻線(23)同士は、上記電源(30)からの電流の流入側の端から見た場合に巻回方向が同じであり、
    該運転方法は、
    複数種類の運転モードの中から1つの運転モードを選択するステップと、
    選択した運転モードで上記回転電気機械を運転するステップとを含み、
    上記複数の運転モードには、
    上記界磁巻線(23)に電流を流さない第1の運転モード、
    上記界磁巻線(23)の巻線磁束が、界磁スロットヨーク部(212a)において、上記界磁巻線(23)がはさむ磁石磁束と反対方向に流れるように、界磁巻線(23)に電流を流す第2の運転モード、
    及び、上記界磁巻線(23)の巻線磁束が、界磁スロットヨーク部(212a)において、上記界磁巻線(23)がはさむ磁石磁束と同じ方向に流れるように、界磁巻線(23)に電流を流す第3の運転モードのうちの少なくとも2つの運転モードが含まれることを特徴とする回転電気機械の運転方法。
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