以下、本発明に係る照明光学系を用いたスキャナ装置の実施の形態を図面に基づいて説明する。
(実施例1;発明の原理説明その1)
[構成]
<スキャナ装置の全体概略構成>
図1は、本発明の実施形態に係る照明光学系を用いたスキャナ装置の概略説明図である。また、図2は図1に示した照明光学系の光源ユニットである。
この図1において、左右方向をスキャナ装置のX軸方向、紙面に垂直な方向をスキャナ装置のY軸方向、紙面の上下方向をスキャナ装置のZ軸方向とする。また、Y軸方向をスキャナ装置の主走査方向、X軸方向をスキャナ装置の副操作方向として構成を説明する。
図1において、1は読取原稿が載置されるスキャナ装置のコンタクトガラス、2は読取原稿が載置されるコンタクトガラス1の原稿載置面である。また、3は原稿載置面2上に載置される読取原稿(図示せず)に原稿読取のための照明光を照射させる照明光学系(照明装置)である。さらに、4はY軸方向(主走査方向)に直線状に延びたミラーで、導光板6から出射される光の一部を折り返して原稿載置面2上の読取原稿面に照射することによって、両方向(+X方向および−X方向)から照射している。
この読取原稿(図示せず)から反射した反射光は、原稿読取りのための読取光学系11に導かれる。この読取光学系11は、ラインセンサ21と、原稿載置面2上の読取原稿(図示せず)からの反射光をラインセンサ21に導く案内光学系(受光光学系)11aを有する。この案内光学系11aは、縮小光学レンズ12と、原稿載置面2上の読取原稿(図示せず)から反射光を縮小光学レンズ12に導く光案内装置(光反射装置)Mを備えている。この光案内装置Mは、複数の第1ミラーM1、第2ミラーM2、第3ミラーM3を光反射部材(光案内部材)として備えている。
<照明光学系3>
照明光学系3は、Y軸方向(主走査方向)に直線状に延びる光源ユニット5と、Y軸方向(主走査方向)に直線状に延びて光源ユニット5からの照明光を原稿載置面2に導く導光板(照明光学系)6を有する。この光源ユニット5は制御回路(制御装置)20により駆動制御されるようになっている。
この光源ユニット5及び導光板6は、X軸方向(副走査方向)に進退駆動させられる移動部材(図示せず)に保持されている。
この光源ユニット5は、図1,図2のY軸方向(主走査方向)に延び且つ図1のX軸方向(副走査方向)に進退駆動させられる移動部材(図示せず)に取り付けられた実装ボード7を有する。また、光源ユニット5は、Y軸方向(主走査方向)に所定間隔をおいて実装ボード7に実装された複数の擬似白色LED8と、複数の擬似白色LED8の隣接するもの同士の間に位置させて実装ボード7に実装された複数の青色LED9を有する。
尚、この擬似白色LED8は、擬似白色用の青色LEDチップと、この青色LEDチップからの青色光が透過させられるが黄色蛍光体を備えている。この擬似白色LED8は、青色LEDチップからの青色光が黄色蛍光体を透過する際、この青色光により黄色蛍光体を励起させて黄色の蛍光を発生させている。これにより、擬似白色LED8では、黄色の蛍光と黄色蛍光体を透過する青色が合成されることにより白色光となって出射される。この擬似白色LED8には周知の構成が採用できる。
本実施例では、例えば図2,図2Aに示したように擬似白色LED8が50個(図2,図2AのWi,i=1,2,3・・・50)設けられていて、隣り合う擬似白色LED8,8間の隙間に青色LED9が配置されている。したがって、本実施例では青色LED9は49個(図2,図2AのBi,i=1,2,3・・・n・・・49)実装されている。この複数の擬似白色LED8と青色LED9はともに所定ピッチP1で実装されている。本実施例において擬似白色LED8と青色LED9はともに所定ピッチP1が6mmに設定されている。この擬似白色LED8は、蛍光励起用の第1の青色LED(図示せず)と、この蛍光励起用の第1の青色LED(図示せず)の周囲を覆う黄色蛍光体(図示せず)を備えている。この構成には周知の構成が採用できるので、その詳細な図示は省略する。
また、複数の擬似白色LED8および複数の青色LED9は、図2Aに示したように、制御回路(制御装置)20により、発光量が制御されるようになっている。
尚、本実施例では、擬似白色LED8を50個、青色LED9を49個としているが、擬似白色LED8および青色LED9を49の個数は50個および49個に限定されるものではない。この実施例において、複数の擬似白色LED8は上述したように主走査方向であるY軸方向に所定ピッチP1で配列されている。
この光源ユニット5の擬似白色LED8から出射される照明光は導光板6およびミラー4で原稿載置面2に導かれる。また、光源ユニット5の青色LED9(第2の青色LED)から出射される青色の照明光は導光板6およびミラー4で原稿載置面2に導かれる。この導光板6およびミラー4は、擬似白色LED8から出射される照明光を原稿載置面2に導く第1の照明光学系と、青色LED9から出射される青色の照明光を原稿載置面2に導く第2の照明光学系を兼用している。
しかも、複数の擬似白色LED8および青色LED9からの照明光は、原稿載置面2上の読取原稿(図示せず)に照射される。そして、原稿載置面2上の読取原稿(図示せず)からの反射光は、図1では図示しない読取光学系および図2Aのラインセンサ(読取部、図1では不図示)21に導かれる。この反射光は、図2Aのラインセンサ(読取部)21で読み取られる。
このような照明光の照射に際しては、原稿載置面2上に基準白板(図示せず)を原稿に代えて配設しておく。これにより、図2Aのラインセンサ(読取部)21からのR,G,Bの出力から原稿載置面2上の基準白板(図示せず)への被照射面(原稿面)の色度が検出される。
ここで、青色LED9を消灯させた状態で複数の擬似白色LED8を点灯させ、複数の擬似白色LED8の照明光のみにより原稿載置面2上の基準白板(図示せず)を照明したとき、擬似白色LED8のみによる被照射面(原稿面)の色度を検出できる。
この原稿載置面2上の基準白板(図示せず)への被照射面(原稿面)の色度を主走査方向(図1のY軸方向)にグラフ化すると、図3のようになる。尚、このグラフ化にあたり、光線追跡シミュレータとしてライトツールズ(Light Tools)バージョン7.2を用いて光線追跡計算を行った。
この図3は、複数の擬似白色LED8の主走査方向への配列の中心位置を主走査方向の「0」位置である主走査基準位置Bpとして、この主走査基準位置Bpから主走査方向における主走査位置の色度Cx,Cyを示したものである。
この図3において、上下・左右に対角を有する四角形の上側の配列は色度Cxを示し、下側の四角形の配列は色度Cyを示している。この点は、以下の図4,図5,図6,図8,図10でも同じである。
上述した50個の擬似白色LED8のうち主走査基準位置Bpから色度変化を検出した検出距離の主走査位置に位置する擬似白色LED8だけが発光スペクトル(すなわち色度)が異なる。即ち、主走査基準位置Bpから色度変化を検出した検出距離の主走査位置に位置する擬似白色LED8の青波長帯域のピーク波長が長波長側に5nmシフトしている。
本実施例では、50個の擬似白色LED8のうち主走査基準位置Bpから87mmの主走査位置に位置する擬似白色LED8だけが発光スペクトル(すなわち色度)が異なる。即ち、この位置の擬似白色LED8だけが青波長帯域のピーク波長が長波長側に5nmシフトしている。
主走査位置87mmに位置する擬似白色LED8の色度は、青帯域のピーク波長が長波長にシフトしているため座標x、yが他よりも大きくなる。この状態では単一色の原稿を読み取ったとしても主走査位置87mm付近の照明光の色味が異なるため、色ずれを起こす。
実装ボード7に実装された49個の青色LED9のスペクトルは、擬似白色LED8の蛍光励起用の青色LED(図示せず)と同一のスペクトルの青帯域を有する。
また、本実施例では、50個の擬似白色LED8のうち、主走査基準位置Bpから87mmの主走査位置に位置する擬似白色LED8の青波長帯域のピーク波長が長波長側に5nmシフトしている。この結果、主走査基準位置Bpから87mmの主走査位置に位置する擬似白色LED8だけが発光スペクトル(すなわち色度)が異なっている。
従って、制御回路20は、複数の青色LED9のうちこの主走査位置87mmに最も近い青色LED9、即ち主走査基準位置Bpから主走査位置90mmに位置する青色LED9のみを擬似白色LED8の0.07倍の発光量で発光させるようになっている。このときの原稿面の色度分布は図4のようになり、87mm付近の色ムラを低減することができる。
尚、本実施例では、主走査基準位置Bpから主走査位置90mmに位置する青色LED9のみを擬似白色LED8の0.07倍の発光量で発光させている。しかし、青色LED9の発光量は擬似白色LED8の青波長帯域のピーク波長のシフト量でも異なるので、0.07倍の発光量に限定されるものではない。即ち、青色LED9の発光量は、擬似白色LED8の青波長帯域のピーク波長のシフト量に応じて、色ムラを低減するように制御されるようになっている。
このような制御回路20による制御を行うために、擬似白色LED8の青波長帯域のピーク波長のシフト量に応じて予め求めた試験値等に基づいて、補正データを設定しておき、この補正データをメモリ22に記憶させておく。
この制御回路20は、色ムラを低減させるための青色LED9の発光制御をメモリ22(記録部である記憶部)に記憶させた補正データに基づいて実行できる。即ち、制御回路20は、ラインセンサ21からの色度の情報に基づいて、色ムラが生じている擬似白色LED8の位置、及び、この位置の擬似白色LED8の青波長帯域のピーク波長のシフト量等の色ムラ情報を求める。これらの位置色ムラ情報はメモリ22に記憶させておく。一方、制御回路20は、この求めた色ムラ情報に基づいてメモリ22に記録した補正データから色ムラが最小限となる補正用の青色LED9の位置および発光量を求めて、この求めた位置の青色LED9を求めた発光量で発光制御する。
また、本実施例では、50個の擬似白色LED8のうち主走査基準位置Bpから色度変化検出距離すなわち本実施例では87mmの主走査位置に位置する擬似白色LED8だけが発光スペクトル(すなわち色度)が長波長側に異なるとしている。しかし、87mmの主走査位置以外の距離に位置する擬似白色LED8の発光スペクトル(すなわち色度)が長波長側に異なる場合もある。この場合には、87mmの主走査位置以外の距離に位置する擬似白色LED8についても、この擬似白色LED8に最も近い青色LED9の発光量を制御させる。
このように制御回路20は、複数の擬似白色LED8のうち色度が長波長側に異なる擬似白色LED8を検出したとき、原稿面の色度分布の色ムラを低減させる制御をおこなう。この際、制御回路20は、検出した色度の異なる擬似白色LED8が主走査基準位置Bpからの色度変化を検出した検出距離に最も近い青色LED9の発光量を、原稿面の色度分布の色ムラが最小限となるように制御する。
(実施例2)
実施例1の変形例として、主走査基準位置Bpから主走査位置87mmに位置する擬似白色LED8の青帯域のピーク波長が短波長側に5nmシフトした場合の補正について説明する。
図5は50個の擬似白色LED8を光らせたときの主走査方向色度分布を示す。この図5において、主走査基準位置Bpから主走査位置87mmに位置する擬似白色LED8からの光は色度座標x、yがともに小さめとなっていて、図5の分布のように色ムラ(色ずれ)が生じている。本実施例でも補正用の青色LEDは、実施例1と同様に、複数の擬似白色LED8のうち同じスペクトル同士の49個の青帯域のスペクトルと同一とする。
本実施例では、主走査基準位置Bpから主走査位置90mmに位置する青色LED9以外の48個の青色LED9を擬似白色LED8の0.07倍の発光量で光らせた。光線追跡計算の結果、図6に示すとおり、色度ずれが低減された。
実施例1および実施例2では、補正用の青色LED9のスペクトルは、擬似白色LED8の青帯域のピーク波長のバラツキの最も短波長と一致するように設定している。補正用の複数のLEDの発光スペクトルは等しいことが望ましい。擬似白色LED8の青帯域のピーク波長のバラツキ中にあると補正効果が弱まる。効果が高くなるのは、擬似白色LED8の青帯域のピーク波長のバラツキの短波長以下、もしくは、バラツキの長波長以上の場合である。
尚、本実施例でも、主走査基準位置Bpから主走査位置90mmに位置する青色LED9以外の青色LED9を擬似白色LED8の0.07倍の発光量で発光させている。しかし、この主走査基準位置Bpから主走査位置90mmに位置する擬似白色LED8の青波長帯域のピーク波長の短波長側へのシフト量でも、色度ずれがある。この色度ずれを低減させるために、主走査基準位置Bpから主走査位置90mmに位置する青色LED9以外の青色LED9の発光量を異ならせる必要がある。この際の発光量は0.07倍の発光量に限定されるものではない。
即ち、主走査基準位置Bpから主走査位置90mmに位置する青色LED9以外の青色LED9の青色LED9の発光量は、擬似白色LED8の青波長帯域のピーク波長のシフト量に応じて、色ムラを低減するように制御する。
この制御を行うために、擬似白色LED8の青波長帯域のピーク波長のシフト量に応じて予め求めた試験値等に基づいて、補正データを設定しておき、この補正データをメモリ22に記憶させておくものとする。
これにより、色ムラを低減させる青色LED9の発光量の制御は、メモリ22に記憶させた補正データに基づいて実行できる。即ち、制御回路20は、ラインセンサ21からの色度の情報に基づいて、色ムラが生じている擬似白色LED8の位置、及び、この位置の擬似白色LED8の青波長帯域のピーク波長のシフト量等の色ムラ情報を求める。この位置や色ムラ情報等はメモリ22に記憶させておく。一方、制御回路20は、求めた色ムラ情報に基づいてメモリ22に記録した補正データから色ムラが最小限となる補正用の青色LED9の位置および発光量を求めて、この求めた位置の青色LED9を求めた発光量で発光制御する。
また、本実施例では、50個の擬似白色LED8のうち主走査基準位置Bpから色度変化検出距離すなわち本実施例では87mmの主走査位置に位置する擬似白色LED8だけが発光スペクトル(すなわち色度)が短波長に異なるとしている。しかし、87mmの主走査位置以外の距離に位置する擬似白色LED8の発光スペクトル(すなわち色度)が短波長に異なる場合もある。この場合、87mmの主走査位置以外の距離に位置する擬似白色LED8についても、この擬似白色LED8に最も近い青色LED9以外の青色LED9の発光量を制御させることで、色ムラを低減できる。
このように制御回路20は、複数の擬似白色LED8のうち色度が短波長側に異なる擬似白色LED8を検出する。そして、制御回路20は、検出した色度の異なる擬似白色LED8が主走査基準位置Bpからの色度変化検出距離に最も近い青色LED9以外の青色LED9の発光量を制御する。これにより、原稿面の色度分布の色ムラを低減させることができる。
(実施例3)
実施例1,2の変形例として、黄色波長帯域が異なった場合として実施例3として説明する。
図7は本実施例の実装ボード7上のLEDを表している。擬似白色LED8は30個(Wi,i=1,2,3,・・・30)、青色LED9は15個(Bi,i=1,2,3,・・・15)使用する。実装ピッチは擬似白色LED8が10mmピッチ、青色LED9が20mmピッチとした。
図7に示したように本実施例において実装ボード7の端部には、端に1個の擬似白色LED8が設けられている。しかも、実装ボード7の端部には、端の1個の擬似白色LED8から主走査方向の中央側に1個の青色LED9が設けられている。
また、実装ボード7には、端部の1個の青色LED9の次に主走査方向に2個の擬似白色LED8と1個の青色LED9が交互に配置されている。この構成で擬似白色LED8は、端部に1個が配置されている以外は、青色LED9,9間に2個配置されている。このようにして、擬似白色LED8は実装ボード7の長手方向に30個が配置されている。尚、本実施例では、擬似白色LED8の数を30個としているが、この数に限定されるものではない。要は擬似白色LED8が、端部に1個が配置されている以外は、青色LED9,9間に2個配置されている構成となっていればよい。
しかも、補正用の青色LED9のスペクトルは、30個の擬似白色LED8の青帯域スペクトル成分と同じとした。
擬似白色LED8のうち、主走査基準位置Bpから主走査位置90mmに位置する端から7番目の擬似白色LED8(W7)が残りの29個の擬似白色LED8に比べて黄色帯域のスペクトル強度が1.7倍大きいとした(図9)。この場合、主走査位置の色度分布は図8に示すとおり、主走査位置90mm付近が色度座標x、yともに大き目の数値となって色度ムラが発生している。
複数の補正用の青色LED9のうち、端から3つめ(B3)の青色LED9を擬似白色LED8の1/60倍の光量で光らせ、かつ、端から4つめ(B4)の青色LED9を擬似白色LED8の1/30倍の光量で光らせた。このときの原稿面上の色度分布は図10に示すとおりで、色度ムラが低減された。
本実施例では、青色LED9が擬似白色LED8の数に比べて半分の数にもかかわらず、所定の青色LED9を適量の光量で発光させられることによって実施例1,2と同様の効果が得られた。
尚、本実施例でも、主走査基準位置Bpから主走査位置90mmに位置する端から7番目の擬似白色LED8(W7)が残りの29個の擬似白色LED8に比べて黄色帯域のスペクトル強度よりも大きい場合もある。この場合、端から3つめ(B3)の青色LED9の発光量は上述した擬似白色LED8の1/60倍に限定されるものではない。しかも、端から4つめ(B4)の青色LED9を擬似白色LED8の発光量も、上述した擬似白色LEDの1/30倍に限定されるものでもない。
例えば、主走査基準位置Bpから主走査位置90mmに位置する端から7番目の擬似白色LED8(W7)が残りの29個の擬似白色LED8に比べて黄色帯域のスペクトル強度が1.7倍以外の大きさの場合がある。この場合、色度ムラの状態も黄色帯域のスペクトル強度の1.7倍と大きく異なる。この場合でも、端から3つめ(B3)の青色LED9の発光量は上述した擬似白色LED8の1/60倍に限定されない。また、端から4つめ(B4)の青色LED9を擬似白色LED8の発光量は上述した擬似白色LEDの1/60倍,1/30倍に限定されない。要は、色ムラがなくなるように端から4つめ(B4)の青色LED9を擬似白色LED8の発光量が制御される。
上述したように、端から7番目の擬似白色LED8(W7)が残りの29個の擬似白色LED8に比べて黄色帯域のスペクトル強度が1.7倍大きく、主走査位置90mm付近が色度座標x、yともに大き目の数値となっている。これは色度ムラが発生していることを示している。本実施例では、このような色度ムラが発生している場合の色ムラの補正について説明した。
しかし、この補正は主走査位置90mmの擬似白色LED8に対してのみ限定されるものではない。
例えば、主走査位置90mm以外の距離の主走査位置の擬似白色LED8の黄色帯域のスペクトル強度が他の擬似白色LED8の黄色帯域のスペクトル強度より大きい場合も考えられる。この場合、黄色帯域のスペクトル強度が大きい擬似白色LED8を挟む一対の青色LED9,9の発光量を擬似白色LED8の発光量よりも小さく制御する。しかも、これに加えて、黄色帯域のスペクトル強度が大きい擬似白色LED8に近い側の青色LED9の発光量を大きく制御する。このように、黄色帯域のスペクトル強度が大きい擬似白色LED8に遠い側の青色LED9の発光量を小さく制御することで、色ムラを低減できる。このような青色LED9の発光量の制御は制御回路20により実行される。
この場合も、黄色帯域のスペクトル強度に応じて予め求めた試験値等に基づいて、補正データを設定して、この補正データをメモリ22に記憶させておく。そして、このメモリ22に記憶させた補正データに基づいて、青色LED9の発光量の制御を制御回路20に実行させる。
即ち、制御回路20は、ラインセンサ21からの色度の情報に基づいて、色ムラが生じている擬似白色LED8の位置、及び、この位置の擬似白色LED8の青波長帯域のピーク波長のシフト量等の色ムラ情報を求める。そして、制御回路20は、求めた色ムラ情報に基づいて補正データをメモリ22に記録する。しかも、制御回路20は、メモリ22に記録した補正データから色ムラが最小限となる補正用の青色LED9の位置および発光量を求めて、この求めた位置の青色LED9を求めた発光量で発光制御する。
上述したように、補正用の青色LED9,9間に位置する複数(本実施例では2個)の擬似白色LED8の一つの黄色帯域のスペクトル強度が、他の擬似白色LED8の黄色帯域のスペクトル強度よりも大きくなる場合がある。この場合、色度ムラが発生している。
本実施例では、黄色帯域のスペクトル強度が擬似白色LED8の黄色帯域のスペクトル強度よりも大きい擬似白色LED8を挟む一対の青色LED9,9の発光量を制御することで、色ムラが低減される。
この場合、黄色帯域のスペクトル強度が大きい擬似白色LED8を挟む一対の青色LED9,9の発光量は、この擬似白色LED8の発光量よりも小さく制御する。しかも、この際、黄色帯域のスペクトル強度が大きい擬似白色LED8に近い側の青色LED9の発光量を大きくし、黄色帯域のスペクトル強度が大きい擬似白色LED8に遠い側の青色LED9の発光量を小さくしている。
実施例1から実施例3では擬似白色LED8と補正用の青色LED9が1枚の実装ボードに直線状にレイアウトされていた。
しかし、補正用の青色LED9が主走査方向に垂直な方向にシフトされた配置であっても所定の位置の青色LED9を適量の発光量で発光させることで色度ムラを低減させることができる。さらに、青色LED9と擬似白色LED8が別の実装ボードであっても構わない。
(実施例4)
図11は実施例4を説明するためのスキャナ装置の概略説明図である。
このスキャナ装置は、原稿を置くコンタクトガラス1と、コンタクトガラス1の原稿載置面2上の原稿に読み取り用の照明光を照射させる照明装置10と、コンタクトガラス1の原稿載置面2上の原稿からの反射光から原稿を読み取る読取光学系(読取装置)11を有する。
照明装置10は、擬似白色LED8及び第1の照明光学系10a、補正用の第2の青色LED9及び第2の照明光学系10bを有する。尚、第1の照明光学系10aと第2の照明光学系10bはともに導光板を用いている。
読取光学系11は、原稿載置面2上の原稿に照射されて反射する照明光の反射光から原稿を読み取るラインセンサ21と、このラインセンサ21に原稿載置面2上の原稿からの反射光を導く案内光学系(受光光学系)11aを有する。
この案内光学系11aは、縮小光学レンズ12と、コンタクトガラス1の原稿載置面2上の原稿に照明光を照射したときに、原稿からの照明光の反射光を縮小光学レンズ12に導く光案内装置(光反射装置)Mを備えている。この光案内装置Mは、複数の第1ミラーM1、第2ミラーM2、第3ミラーM3を光反射部材(光案内部材)として備えている。
この縮小光学レンズ12で縮小される反射光束は、縮小されてラインセンサ21に投影され、コンタクトガラス1の原稿載置面2上の原稿(図示せず)の反射光によるライン状原稿像をラインセンサ21上に結像させる。尚、ラインセンサ21電装系には周知の構成を採用できるので、図示および説明は省略する。
このスキャナ装置で色度ムラを補正する手順は次のとおりである。
まず、コンタクトガラス1の原稿載置面2上に基準白板(図示略)をおいて、擬似白色LED8を点灯させる。この擬似白色LED8からの照明光は、第1の照明光学系10aを介してコンタクトガラス1の原稿載置面2上の基準白板(図示せず)に照射され、基準白板(図示せず)で反射させられる。
この基準白板(図示せず)からの照明光の反射光は、読取光学系11の第1ミラーM1、第2ミラーM2、第3ミラーM3で縮小光学レンズ12に導かれる。この反射光は、縮小光学レンズ12で縮小させられて、ラインセンサ21に入射させられる。このラインセンサ21は、R,G,B出力から色度ムラに対応するR,G,Bの比率のムラを調べることで、基準白板(図示せず)からの反射光のR,G,Bの色、即ち色度を読み取る。
この際、許容できないムラが発生した位置(主走査位置)の色度のずれ方向、すなわち、色度座標x、yの増減方向と、補正用の青色LED9のスペクトルが短波長寄りか長波長寄りかによって、発光させる青色LED9を決定する。
そして、色度ムラ、すなわち、R,G,B比率のムラが許容されるレベルに改善されるように青色LED9の発光量をコントロールする。
本実施例は、複数の第1〜第3ミラーを有する光案内装置Mと縮小光学レンズ12を用いた読取光学系11に、縮小光学系タイプを適用した例を示している。しかし、セルフォックレンズとラインセンサからなると等倍光学系タイプ、いわゆる、密着イメージセンサ(CIS)を用いた読取光学系に、本実施例の青色LED9の発光量の制御を適用しても、本発明の効果は変わらない。
また、第1,第2の照明光学系10a,10bには導光板以外にも、ミラー、ロッドレンズ、拡散シートなど各種の照明方式に本実施例の青色LED9の発光量の制御を適用しても、本発明の効果は変わらない。
(実施例5)
実施例1では、擬似白色LED8と青色LED9を1直線上に等ピッチに配置した例を示したが、必ずしもこれに限定されるものではない。例えば、図12に示したように、擬似白色LED8と青色LED9とを1直線上ではないレイアウトにしても良い。この図12は、実施例1の変形例を示したものである。
この図12の実施例5では、照明系は基本的に実施例1の図1と同様であるが、実装ボード7に配置される擬似白色LED8と青色LED9の位置が実施例1の図2と異なる。
すなわち、この図12の実装ボード7には、実施例1と同様に、複数の擬似白色LED8と複数の補正用の青色LED9が実装される。しかし、図12では、複数の擬似白色LED8と複数の補正用の青色LED9の配置は図2のレイアウトとは異なり、擬似白色LED8と補正用の青色LED9を実施例1のように1直線上にはレイアウトさせていない。
本実施例では、補正用の青色LED9を主走査方向(図12の左右方向)と直交する方向にシフトさせて実装している。即ち、複数の擬似白色LED8の配列ライン8Lと複数の補正用の青色LED9の配列ライン9Lを、主走査方向(図12の左右方向)と直交する方向にシフトさせて実装している。この際、複数の擬似白色LED8の配列ライン8Lと複数の補正用の青色LED9の配列ライン9Lは、重ならないように近接配置させている。
このレイアウトによって、擬似白色LED8の主走査位置および実装ピッチと、補正用の青色LED9の主走査位置および実装ピッチは、互いに自由に設定することができ、最小個数の青色LED9で補正が可能になる。
また、図12のように擬似白色LED8を主走査方向に対して不等ピッチで配置する場合、実装ピッチが短い箇所でも青色LED9との物理的な干渉を避けることができる。
(実施例6)
この実施例6は、図2Aの読取用ラインセンサ(CCD)21のR,G,B出力バランスをとるために、読取用ラインセンサ(CCD)21の主走査位置に対する他の走査位置の色度ムラを低減させる例を示したものである。この実施例6は、実施例1の実装ボード7および読取用ラインセンサ(CCD)21と、実施例2及び実施例3の構成を用いて、色度ムラの補正の原理をより具体的に説明した例を示したものである。尚、上述した実施例1から実施例3では主走査位置での色度ムラの補正をしている。
実施例2は、上述したように、実装ボード7の主走査基準位置Bpから主走査位置90mmに位置する青色LED9以外の48個の青色LED9を擬似白色LED8の0.07倍の発光量で光らせて、補正するようにしたものである。
この実施例2では、補正前に先ず図2Aの制御回路20により青色LED9を消灯させた状態で複数の擬似白色LED8を点灯させ、複数の擬似白色LED8の照明光のみにより図1の原稿載置面2上の基準白板(図示せず)を照明させる。
この照明により原稿載置面2上の基準白板(図示せず)で照明光が反射させられ、この際の反射光が読取用ラインセンサ(CCD)21で読み取られる。この際、読取用ラインセンサ(CCD)21からはR,G,B出力すなわちR,G,B輝度の出力値が得られ、この出力が制御回路20に入力される。この制御回路20は、読取用ラインセンサ(CCD)21のR,G,B出力を算出する。
尚、この読取用ラインセンサ(CCD)21には赤、緑、青のカラーフィルタ(図示せず)が設置されており、この各色の相対感度特性は図13に示すものとする。この青のカラーフィルタによる読取用ラインセンサ(CCD)21の相対感度特性は、相対感度特性線fBで示したように、400nm〜550nmの帯域で感度を有し、且つ450nm付近に感度のピークを有する。また、緑のカラーフィルタによる読取用ラインセンサ(CCD)21の相対感度特性は、相対感度特性線fGで示したように、450nm〜640nmの帯域で感度を有し、且つ530nm付近に感度のピークを有する。更に、赤のカラーフィルタによる読取用ラインセンサ(CCD)21の相対感度特性は、相対感度特性線fRで示したように、550nm〜800nmの帯域で感度を有し、且つ620〜650nm付近に感度のピークを有する。
上述したように制御回路20により読取用ラインセンサ(CCD)21のR,G,B出力を算出させると、実施例2の図5のように、補正前では色ムラ(色度ムラ)が発生する。実施例2では、これを補正用の青色LED49個のうち1個を除いた48個を擬似白色LED8の0.07倍の発光量で点灯させることにより、図6に示したように色ムラを補正している。
この実施例2における読取用ラインセンサ(CCD)21のR,G,B出力の値すなわちR,G,B輝度の出力の値を主走査ライン上の位置との関係で示すと、表1のようになる。尚、この表1では、実施例2における色ムラ(色度ムラ)の補正前と補正後のR出力値,G出力値,B出力値を、R出力(赤出力),G出力(緑出力),B出力(青出力)としてそれぞれ求めて示したものである。
表1のR出力(R出力値),G出力(G出力値),B出力(B出力値)を求めるに際しては、主走査方向の中心を主走査基準位置Bpとし、主走査基準位置Bpを「0」として、主走査基準位置Bpからの距離をx(主走査基準位置Bpから所定距離だけ離れた位置までの距離)としている。この表1において距離xはx=87mmになっている。
しかも、表1では、補正前のR出力の値を基準として規格化したときの出力、即ち補正前のR出力の値を基準出力として求めたR出力,G出力,B出力を示している。この規格化に際しては、表1では、主走査方向の距離「0」(主走査方向の中心)におけるR出力を基準出力「1.00」としている。
しかも、表1では、距離「0」におけるG出力,B出力と、距離x=87mmにおけるR出力,G出力,B出力が、基準出力「1.00」の比としてそれぞれ求められている。各出力は、実施例2の補正前と実施例2の補正後に対してそれぞれ求められている。
(実施例2の補正前のR出力,G出力,B出力)
実施例2の補正前では、表1におけるように、距離「0」におけるG出力が「1.08」となり、距離「0」におけるB出力が「1.09」となっている。さらに、実施例2の補正前では、距離x=87mmにおけるR出力が「1.00」となり、距離x=87mmにおけるG出力が「1.08」となり、距離x=87mmにおけるB出力が「1.09」となっている。
また、実施例2の補正前では、距離「0」におけるR出力と距離xのR出力の差が「0.00」となり、距離「0」におけるG出力と距離xのG出力の差が「0.00」となり、距離「0」におけるB出力と距離xのB出力の差が「0.00」となっている。
(実施例2の補正後のR出力,G出力,B出力)
実施例2の補正後では、表1におけるように、距離「0」におけるR出力が「1.00」となり、距離「0」におけるG出力が「1.08」となり、距離「0」におけるB出力が「1.17」となっている。さらに、実施例2の補正後では、距離x=87mmにおけるR出力が「1.00」となり、距離x=87mmにおけるG出力が「1.08」となり、距離x=87mmにおけるB出力が「1.17」となっている。
また、実施例2の補正後では、距離「0」におけるR出力と距離xのR出力の差が「0.00」となり、距離「0」におけるG出力と距離xのG出力の差が「0.00」となり、距離「0」におけるB出力と距離xのB出力の差が「0.00」となっている。
この表1から分かるように、読取用ラインセンサ(CCD)21のR,G,B出力を見ると(補正前の赤出力で規格化した)、補正前も補正後も色ムラの発生した主走査位置x=87mmでも、その位置と離れたx=0mmでもR出力,G出力,B出力の出力バランスは変わらない。
しかし、実施例3における読取用ラインセンサ(CCD)21の補正前は、R出力,G出力,B出力の出力バランスに色度ムラが生じている。表2は、この実施例3における読取用ラインセンサ(CCD)21の補正前と補正後のR,G,B出力の値を主走査ライン上の位置との関係で示したものである。
この表2は、表1と同様に補正前のR出力「赤出力」で規格化したR出力,G出力,B出力、即ち、主走査方向の距離xが「0」におけるR出力を基準出力「1.00」となっている。また、距離x=0におけるG出力,B出力と、距離x=87mmのR出力,G出力,B出力を求めている。
(実施例3の補正前のR出力,G出力,B出力)
実施例3の補正前では、表2におけるように、距離「0」におけるG出力が「1.08」となり、距離「0」におけるB出力が「1.03」となっている。さらに、実施例2の補正前では、距離x=87mmにおけるR出力が「1.00」となり、距離x=87mmにおけるG出力が「1.08」となり、距離x=87mmにおけるB出力が「0.99」となっている。
また、実施例3の補正前では、距離「0」におけるR出力と距離xのR出力の差が「0.00」となり、距離「0」におけるG出力と距離xのG出力の差が「−0.01」となり、距離「0」におけるB出力と距離xのB出力の差が「−0.05」となっている。
この実施例3の場合において補正前は、表2に示したように、x=0mmのB出力(補正前のR出力で規格化、即ち補正前のx=0におけるR出力を基準出力としたときの基準出力に対するB出力の比)が1.03に対して、x=87mmのB出力は基準出力に対して0.99となり、x=0におけるB出力とx=87mmのB出力の差は−0.05となる主走査位置に対するムラがあった。
また、補正前ではx=0mmのR出力とx=87mmのR出力の差は表2に示すように「0」であったのが、補正後ではx=0mmのR出力とx=87mmのR出力の差は表2に示すように0.03の差を発生している。
(実施例3の補正後のR出力,G出力,B出力)
そこで、制御回路20により、50個の擬似白色LED8を点灯制御させる際、50個の擬似白色LED8の全てを一律に所定量(0.99倍)に減光制御した。この制御により、実施例3の補正後では、表2におけるように、距離「0」におけるR出力が「1.00」となり、距離「0」におけるG出力が「1.11」となり、距離「0」におけるB出力が「1.06」となっている。さらに、実施例3の補正後では、距離x=87mmにおけるR出力が「1.03」となり、距離x=87mmにおけるG出力が「1.12」となり、距離x=87mmにおけるB出力が「1.05」となっている。
また、実施例3の補正後では、距離「0」におけるR出力と距離xのR出力の差が「0.02」となり、距離「0」におけるG出力と距離xのG出力の差が「0.00」となり、距離「0」におけるB出力と距離xのB出力の差が「−0.02」となっている。
この表2から分かるように、50個の擬似白色LED8の全てを一律に所定量(0.99倍)に減光制御したことにより、R出力の主走査位置のムラは0.02に、B出力の主走査位置のムラは−0.02となり、RGBバランスすなわちR出力,G出力,B出力のバランスが改善された。
本実施例のように、補正用の青色LED9の点灯数が少ないときにはRGB出力が主走査位置でムラとなりやすく、擬似白色LED8を所定量減光させるとこのムラは抑制される。
(補足説明1)
以上説明したように、この発明の実施の形態では、複数の擬似白色LEDを用いる照明光学系で色度バラツキが大きくても補正用の青色LEDを用いることで原稿面上の色度バラツキを低減させることを目的としている。
このため、この発明の実施の形態のスキャナ装置は、青色光を放出する第1の青色LEDと該第1の青色光を吸収し黄色の波長帯域の光を蛍光する蛍光体からなる擬似白色LED8が複数個と、青色光を発光する第2の青色LED9が複数個と、前記擬似白色LED8からの光を被照射部へ照明させる第1の照明光学系(導光板6,10a)と、前記第2の青色LEDからの光を前記被照射部へ照明させる第2の照明光学系(導光板6,10b)と、被照射部からの光を読み取るラインセンサ21と前記ラインセンサ21まで前記被照射部からの光を伝搬させる案内読取光学系11a、とを備えている。
しかも、前記擬似白色LED8を点灯させたときのラインセンサ21の赤出力、緑出力、青出力のバランスが所定の範囲となるように、前記第2の青色LED9のうち所定の青色LED9を適量の発光量で光らせるようになっている。
この構成によれば、複数の擬似白色LED8と、複数の補正用の第2の青色LED9とを光源とし、擬似白色LED8を点灯したときのラインセンサ21の赤出力、緑出力、青出力のバランスを所定の範囲となるように複数の補正用の第2の青色LED9のうち所定の青色LED9を適量の発光量で発光させられるという構成としたから、色度バラツキの大きい擬似白色LED8を用いても原稿面上で色度バラツキを低減することができるようになった。
(補足説明2)
また、この発明の実施の形態のスキャナ装置は、青色光を放出する第1の青色LEDと該第1の青色光を吸収し黄色の波長帯域の光を蛍光する蛍光体からなる擬似白色LED8が複数個と、青色光を発光する第2の青色LED9が複数個と、前記擬似白色LED8からの光を被照射部へ照明させる第1の照明光学系(導光板6,10a)と、前記第2の青色LED9からの光を前記被照射部へ照明させる第2の照明光学系(導光板6,10b)と、被照射部からの光を読み取るラインセンサ21と前記ラインセンサ21まで前記被照射部からの光を伝搬させる読取光学系11を備えている。
しかも、前記擬似白色LED8を点灯させたときのラインセンサ21の赤出力、緑出力、青出力のバランスが所定の範囲となるように、前記第2の青色LED9のうち所定の青色LED9を適量の発光量で光らせ、かつ、前記擬似白色LED8の全てを減光させるようになっている。
この構成によれば、所定の青色LEDを適量の発光量で光らせ、かつ、擬似白色LEDを全て一律に減光させることによって、色度バラツキの大きい擬似白色LED8を用いても原稿面上で色度バラツキを低減することができると共に、補正用の青色LEDの点灯数が少ない条件下であっても原稿面上の色度ばらつき、特にラインセンサのR,G,B出力の位置ばらつきとR,G,B出力比のアンバランスをそれぞれ低減することができる。
(補足説明3)
また、上述した補足説明1の目的を達成するため、この発明の実施の形態のスキャナ装置では前記第2青色LEDのピーク波長は、複数個の第1の青色LEDのピーク波長のうち最も短い波長よりも短い、もしくは、最も長い波長よりも長く設定されている。
この構成によれば、上記補足説明1の構成に加えて、補正用の第2の青色LED9のピーク波長を擬似白色LED8に使われる青色LED(図示せず)のピーク波長のバラツキの最短波長以下、もしくは、最長波長以上であるという構成としたから、色度バラツキの大きい擬似白色LED8を用いても原稿面上で色度バラツキを確実に低減することができるようになった。
(補足説明4)
また、この発明の実施の形態では、補足説明1における目的に加えて従来の照明光学系よりも部品点数を増やさないことを目的としている。
このため、この発明の実施の形態のスキャナ装置では、第1照明光学系と第2照明光学系が共通であるひとつの光学系(図1の導光板6)としている。
この構成によれば、「第1照明光学系と第2照明光学系が共通である一つの光学系(導光板6)であるという構成としたから、従来の照明光学系と同じ部品点数にできるようになった。
(補足説明5)
更に、この発明の実施の形態のスキャナ装置では、上記補足説明1〜3の目的に加えて従来の光源部分と同等のサイズとすることを目的とする。
この目的を達成するため、この発明の実施の形態のスキャナ装置では、前記擬似白色LED8(光源)と前記第2の青色LED9(光源)が一枚の実装ボード7上に実装されている。
この構成によれば、「複数の擬似白色LED8と複数の補正用の第2の青色LED9とを1枚の実装ボード7に実装するという構成としたから、従来の光源部分のサイズと同等とすることができるようになった。
(補足説明6)
この発明の実施の形態のスキャナ装置では、上記補足説明1〜4の目的に加えて従来の光源部分と同等のサイズとすることを目的とする。
このため、この発明の実施の形態のスキャナ装置では、前記擬似白色LED8(光源)と前記第2の青色LEDが9(光源)が一枚の実装ボード7上に交互に実装されている。
この構成によれば、擬似白色LED8と補正用の第2の青色LED9とを1枚の実装ボード(実装基板)7に交互に実装するという構成としたから、従来の光源部分のサイズと同等とすることができ、かつ、色度バラツキの大きい擬似白色LED8を用いても原稿面上で色度バラツキを確実に低減することができるようになった。