JP6099393B2 - オートタキシンアイソフォーム特異的抗体および検出方法 - Google Patents
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Description
(1)オートタキシンを認識する抗体であって、
Cys−Asp−Asp−Lys−Asn−Lys−Leu−Asp−Glu−Leu−Asn−Lys−Arg−Leu(配列番号6)からなるアミノ酸配列を含むオートタキシンを特異的に認識し、
Cys−Asp−Asp−Lys−Val−Glu−Pro−Lys−Asn−Lys−Leu−Asp−Glu−Leu−Asn−Lys−Arg−Leu(配列番号5)からなるアミノ酸配列を含むオートタキシンを認識しない、
ことを特徴とする抗体。
(2)前記抗体がモノクローナル抗体である(1)に記載の抗体。
(3)前記オートタキシンがヒトオートタキシンである、(1)または(2)に記載の抗体。
(4)前記モノクローナル抗体が、配列番号2に記載のアミノ酸配列からなる重鎖可変領域と、配列番号3に記載のアミノ酸配列からなる軽鎖可変領域とを有する抗体である、(2)または(3)記載の抗体。
(5)上述の(1)〜(4)のいずれか1項に記載の抗体を用いて、配列番号6からなるアミノ酸配列を含むオートタキシンを特異的に検出する方法。
(6)上述の(1)〜(4)のいずれか1項に記載の抗体と、
オートタキシンのアミノ酸配列のうち、配列番号6からなるアミノ酸配列以外の領域を認識する抗体と、
を用いて、サンドイッチイッムノアッセイにより、配列番号6からなるアミノ酸配列を含むオートタキシンを検出する方法。
(7)上述の(1)〜(4)のいずれか1項に記載の抗体と、
オートタキシンのアミノ酸配列のうち、配列番号6からなるアミノ酸配列以外の領域を認識する抗体と、
を含む、サンドイッチイッムノアッセイによりオートタキシンを検出する試薬。
本発明の抗体は、オートタキシンのアミノ酸配列のうち、ヒトATXδ、ε上に存在するアミノ酸配列Cys−Asp−Asp−Lys−Asn−Lys−Leu−Asp−Glu−Leu−Asn−Lys−Arg−Leu(配列番号6)からなるアミノ酸配列を含むオートタキシンを特異的に認識し、ヒトATXα、β、γ上に存在するアミノ酸配列Cys−Asp−Asp−Lys−Val−Glu−Pro−Lys−Asn−Lys−Leu−Asp−Glu−Leu−Asn−Lys−Arg−Leu(配列番号5)からなるアミノ酸配列を含むオートタキシンを認識しないことを特徴としている。血液中に存在する自然状態のATXδ、εを検出するためには、自然状態での立体構造を認識する抗体が必要であるが、本発明の抗体は、前記自然状態のATXδ、εとの結合能を有する。そのため、本発明の抗体は、血清からのATXδ、εの吸収や酵素免疫測定法などによる血清診断にも用いることができる。
(1)ヒトATXβ(GenBank:AAB00855.1)の配列番号4の569番目から586番目までのアミノ酸からなるオリゴペプチド(Cys-Asp−Asp−Lys−Val−Glu−Pro−Lys−Asn−Lys−Leu−Asp−Glu−Leu−Asn−Lys−Arg−Leu、配列番号5)から5番目のバリンから8番目のリジンまでのアミノ酸(すなわち、配列番号1からなるアミノ酸配列)を欠損させたオリゴペプチド(Cys-Asp−Asp−Lys−Asn−Lys−Leu−Asp−Glu−Leu−Asn−Lys−Arg−Leu、配列番号6)を定法に従い合成した。
(2)合成したペプチドをImject Keyhole Limpet Hemocyanin(PIERCE社;品番77153)を用い、プロトコールに従って、スカシ貝ヘモシアニンにコンジュゲーションすることで免疫抗原を作製した。
(3)配列番号5からなるオリゴペプチド、および配列番号5に記載のアミノ酸配列からなるオリゴペプチドのうち、5番目のバリンから8番目のリジンまでのアミノ酸(すなわち、配列番号1からなるアミノ酸配列)を欠損させたオリゴペプチド(Cys-Asp−Asp−Lys−Asn−Lys−Leu−Asp−Glu−Leu−Asn−Lys−Arg−Leu、配列番号6)を、Imject Bovine serum albumin(PIERCE社;品番77171)を用い、プロトコールに従って、コンジュゲーションすることでペプチド−BSA(Bovine serum albumin)を作製し、これをスクリーニング用抗原とした。
組み換えタンパク質への反応性確認のため、特許文献1に記載の方法に従い、スクリーニング用組み換えタンパク質を調製した。具体的な方法を以下に示す。
(1)Autotaxin−t(Genbank accession number L46720)のうち、塩基番号60番目から2648番目までのヌクレオチドからなるcDNA(配列番号7)をバキュロウイルス用トランスファーベクターpFASTBac−HT(インビトロジェン)に導入し、プロトコールに従い、ポリヒスチジンを付加した、配列番号1からなるアミノ酸配列を含むオートタキシン(ATXβ)発現用バキュロウイルスプラスミドを調製した。
(2)ポリヒスチジンを付加した、配列番号1からなるアミノ酸を含まないオートタキシン(ATXδ)発現用プラスミドとして、(1)で作製したプラスミドを鋳型として、KOD −Plus− Mutagenesis Kit(東洋紡績)を用いて、配列番号7からなるポリヌクレオチドのうち1717番目から1728番目のヌクレオチド(GenBank No.L46729の1776番目から1787番目までのヌクレオチドに相当)を欠損したポリヌクレオチド(配列番号8)を含むプラスミドを調製した。
(3)(1)および(2)で作製したプラスミドを用い、Bac−to−Bacシステム(インビトロジェン)にて組換えバキュロウイルスを調製した。
(4)(3)で調製したバキュロウイルスを用いて、定法に従い、sf9昆虫細胞に感染させることにより、ATXβまたはATXδを含む培養上清を調製した。
(5)発現タンパク質の精製を特開2011−037802号公報に従い実施した。具体的には以下に示す方法で実施した。
(5−1)抗オートタキシンモノクローナル抗体R10.7(特許文献1)をHiTrap NHS−activated HPカラム(GEヘルスケアバイオサイエンス)に結合させ、ATXβあるいはATXδ発現培養上清を前記カラムにロードした。
(5−2)TBS(10mM Tris−HCl、150mM NaCl、pH7.4)で十分洗浄を行った。
(5−3)100mMクエン酸緩衝液(pH5.0)により結合したATXβあるいはATXδを溶出した。
(1)WKY・ラット7週齢メスに対し、実施例1(2)において調製した免疫抗原250μgをフロイント完全アジュバント(DIFCO)と共に、エーテル麻酔下で後足に免疫を行なった。
(2)1カ月後、ラットより鼠頚リンパ節および腸骨リンパ節を採取し、B細胞を回収した。
(3)マウスミエローマ細胞株PAIとポリエチレングリコール存在下、定法に従い、細胞融合を行い、約10日間のHAT培地による選択を行った。
(4)実施例1で作製したスクリーニング用ペプチド−BSAコンジュゲート抗原を用い配列番号6のオリゴペプチド−BSAと反応性を示し、かつ配列番号5のオリゴペプチド−BSAと反応性を示さないクローンを選択した。具体的には、下記に示す方法で実施した。
(4−1)ペプチド−BSAコンジュゲート抗原(配列番号6のオリゴペプチド−BSA、又は配列番号5のオリゴペプチド−BSA)50ng(1μg/mL溶液50μL)をTBSにより希釈し96穴イムノプレート(MaxiSorp、Nalge NUNC International、品番:430341)に添加し、4℃にて一昼夜保存、コーティングした。
(4−2)続いてTBSにより3回の洗浄後、3%−BSAを含むTBS溶液を250μL/ウェルにて各ウェルに添加し、室温で2時間放置した。
(4−3)TBSにより3回洗浄を行い、ハイブリドーマ細胞の培養上清を50μL/ウェルにて添加し、室温で2時間放置した。
(4−4)TBST(0.05%Tween 20を含むTBS)により6回洗浄を行なった後、HRP標識抗ラットイムノグロブリン抗体(5000倍希釈、American Qualex)および1% BSAを含むTBSTを50μL/ウェルにて添加し、室温で2時間放置した。
(4−5)TBSTにより6回洗浄を行ない、続いてTMB基質(Kirkegaard & Perry Laboratories、品番:50−76−00)を50μl/ウェルで添加し室温10分放置した。
(4−6)1Mリン酸にて反応を停止しOD450の吸光度を測定し、目的のクローンを選択した。
(4−7)スクリーニング陽性ウェル中の細胞を限界希釈法によりモノクローナル化を行いハイブリドーマとして樹立した。
(5)得られたハイブリドーマを、HT培地により約10日間の培養を行った後、最終的にハイブリドーマ用培地により培養を続けた。ハイブリドーマ細胞培養培地は、GIT培地(大日本住友製薬)500mLに対し、NCTC−109培地(インビトロジェン)27.5mL、不必須アミノ酸(インビトロジェン)5.5mL、ペニシリン/ストレプトマイシン/グルタミン酸(インビトロジェン)5.5mLをろ過滅菌し添加したものを用いた。また、前記培地にHAT(Sigma−Aldrich、HYBRYMAX、品番:H0262)を添加したものをHAT培地として、HT(Sigma−Aldrich、HYBRYMAX、品番:H0137)を添加したものをHT培地としてそれぞれ用いた。
(6)培養上清を回収し、抗体ATXR4−127を回収した。
実施例3にて取得したモノクローナル抗体ATXR4−127の重鎖可変領域および軽鎖可変領域の遺伝子配列を決定した。
(1−1)重鎖遺伝子の増幅は、RNeasy Miniキット(QIAGEN)にてtotal RNAを回収した後、One−step RT−PCRキット(QIAGEN)を使用しプロトコールに従い実施した。PCRプライマーは、5’−gctcttccttttatc−3’(配列番号9、GenBank No.L22654.1の86から100番目を参考に設計)および5’−gtcacggtgactggctca−3’(配列番号10、GenBank No.L22652の588から605番目の塩基の相補鎖に相当)の組み合わせを用いた。
(1−2)(1−1)で得られた2種類のPCR産物を回収し、ABI PRISM 310(アプライドバイオシステムズ)にてそれぞれシークエンスにより塩基配列を取得後、重鎖可変領域のヌクレオチド配列を決定した(配列番号13)。配列番号13の情報を基に翻訳した、重鎖可変領域のアミノ酸配列を配列番号2に示す。
(2−1)軽鎖遺伝子の増幅は、重鎖と同様に回収したtotal RNAを用いOne−step RT−PCRキットを使用しプロトコールに従い実施した。PCRプライマーは、5’−ctcctggktttgttgct−3’(配列番号11、GenBank No.BC088255の30から46番目の塩基に相当)および5’−tggatggtgggaagat−3’(配列番号12、GenBank No.BC088255の420から435番目の塩基の相補鎖に相当)の組み合わせを用いた。
(2−2)(2−1)で得られたPCR産物を重鎖と同様にシークエンスし塩基配列を決定した(配列番号14)。配列番号14の情報を基に翻訳した、軽鎖可変領域のアミノ酸配列を配列番号3に示す。
実施例2に従い調製したバキュロウイルス−昆虫細胞系で発現させ、精製したATXδおよびATXβを用い、ウエスタンブロッティングによりATXR4−127抗体の反応性を検証した。なお、対照として、抗オートタキシンモノクローナル抗体(R4+4、ATXα、β、γを特異的に認識する抗体)とヒトオートタキシンN末端領域の大腸菌発現抗原を用い作製した抗オートタキシンモノクローナル抗体(R1.1A9、全てのオートタキシンN末端を認識する抗体)を用いた。
ヒトオートタキシン(GenBank:AAB00855.1)の配列番号3の569番目から586番目までのアミノ酸からなるオリゴペプチド(Cys-Asp−Asp−Lys−Val−Glu−Pro−Lys−Asn−Lys−Leu−Asp−Glu−Leu−Asn−Lys−Arg−Leu、配列番号5)を定法に従い合成した。前記ペプチドをImject Keyhole Limpet Hemocyanin(PIERCE社;品番77153)を用い、プロトコールに従って、コンジュゲーションすることで免疫抗原を作製した。免疫抗原を実施例3と同様にラットに免疫し、配列番号5のオリゴペプチド−BSAと反応性を示し、かつ配列番号6のオリゴペプチド−BSAと反応性を示さないクローンを選択することで、配列番号5のオリゴペプチド−BSAを特異的に認識する抗体ATXR4+4を回収した。
(1)実施例2で調製したATXδまたはβを200ng/レーンにて還元条件下SDS−PAGE電気泳動を行った。
(2)電気泳動後、ポリフッ化ビニリデン膜にSemidry Transblot(BIORAD)を用い定法に従い転写した。
(3)非特異的結合を回避するために、転写後の膜を3%スキムミルクを含むTBS溶液にて2時間のブロッキングを行い、その後1μg/mLのATXR4−127抗体またはATXR4+4抗体またはATXR1.1A9と反応させた。
(4)TBSTによる十分な洗浄後、CDP−STAR(Roche)を製品プロトコルに従って用いることにより抗体の結合を検出した。
(1)天然状態ATXδへの反応性の検証のため実施例2により作製したATXδを特開2011−037802号公報に記載の方法でオートタキシンを吸着して除いた牛血清に添加し、他のオートタキシンアイソフォームを含有せず、ATXδのみを含むサンプルを調製した。
(2)試料中のオートタキシン濃度を、特許文献1に記載のオートタキシン定量法により決定した。
(2−1)プロトコールに従い1mL容量のHiTrap NHS−activated HP(GEヘルスケアバイオサイエンス社)カラムに5mgのATXR4−127抗体を結合させたアフィニティーカラムを作製した。本カラムにはATXδが結合することが期待される。対照として1mL容量のHiTrap NHS−activated HP(GEヘルスケアバイオサイエンス社)カラムにATXR4−127抗体を結合させていないカラム(ATXR4−127抗体未結合カラム)を作製した。
(2−2)3mLの約0.4mg/LのATXδを含むサンプルを2本のカラムに別々にロードした。なお、各試料のオートタキシン濃度は特許文献1に記載のオートタキシン定量試薬を用い、全自動エンザイムイムノアッセイ装置 AIA−1800(東ソー、製造販売届出番号:13B3X90002000002)にて定量している。
(2−3)素通り画分を回収し、オートタキシン濃度を定量した。対照としてATXR4−127抗体未結合カラムにロードした同一サンプル中の素通り溶液のオートタキシン濃度を測定しバックグラウンド値とした。
ヒト血清中のATXδ、εの存在検出を以下の手順にて行った。
(1)実施例6と同様にATXR4−127モノクローナル抗体を結合させたアフィニティーカラムを作製した。
(2)1.17mg/Lのオートタキシンを含む健常者ヒト血清15mLをATXR4−127抗体結合アフィニティーカラムにロードした。
(3)カラムは十分量のTBSにて洗浄後、100mMグリシン(pH2.5)溶液でカラムに結合した物質を溶出し、溶出画分はアミコンウルトラ−4、30kDa、アミコンウルトラ−0.5、50kDa(Millipore)にて50μlまで濃縮し、解析用サンプルとした。
(4)ATXR4−127抗体結合カラムに結合後に溶出した画分(以下、溶出画分とする)を、実施例5同様、電気泳動、膜への転写を実施し、ATXR4−127抗体およびATXR4+4抗体およびATXR1.1A9抗体にてオートタキシンを検出した。
(5)同様の実験を、異なるヒト健常人血清についても実施した。
一方、同一試料をATXR4−127抗体でウエスタンブロッティングした場合は、反応性を示し、ATXR4+4抗体でウエスタンブロッティングした場合は、反応性を示さなかった。以上のことから、ATXR4−127抗体結合カラムにはATXδ、εのみが結合し、血清中のATXα、β、γは結合しないことが明らかとなった。
特許文献1と同様の方法でATXδ、ε特異的測定試薬の調製を行った。具体的には以下に示す方法で実施した。
(1)水不溶性担体(内部にフェライトを練り込んだ粒子径約1.5mmのエチレンビニルアルコール製担体)に抗ヒトオートタキシンモノクローナル抗体(ATXR4−127)を100ng/担体になるように30℃にて一昼夜物理的に吸着させ、その後1%BSAを含む100mMトリス緩衝液(pH8.0)にて40℃、4時間ブロッキングを行なうことで抗体固定化担体を調製した。
(2)抗ヒトオートタキシンモノクローナル抗体(ATXR10.23)をアルカリフォスファターゼ標識用キット−NH2(同仁化学研究所、品番:LK12)を用いてアルカリ性フォスファターゼと結合させることで標識抗体を調製した。
(3)磁力透過性の容器(容量1.2mL)に12個の抗体固定化担体を入れた後、0.7μg/mLの標識抗体を含む緩衝液(3%BSAを含むトリス緩衝液、pH8.0)50μLを容器に添加し凍結乾燥を施しオートタキシン測定試薬とした。オートタキシン測定試薬は窒素充填下密閉封印シールを施し測定まで4℃にて保管した。
(4)既知濃度ヒトオートタキシン標準品を特許文献1記載の方法で調製した。具体的には、下記に示す方法で実施した。
(4−1)オートタキシンモノクローナル抗体(ATXR10.23)結合カラムを用い、牛血清中のオートタキシンを吸着させることで、オートタキシン非含有血清を調製した。
(4−2)実施例2に記載の方法で精製した組み換えATXδを用い、オートタキシン非含有血清に適当な濃度添加することで、濃度の異なる5濃度(オートタキシン非含有血清を加えると6濃度)の標準品を作製した。標準品の濃度決定は特許文献1に記載のオートタキシン定量試薬にて決定した。
本実施例で調製した、ATXδ、ε特異的測定試薬について、全自動エンザイムイムノアッセイ装置 AIA−1800(東ソー、製造販売届出番号:13B3X90002000002)において、標準品を用いて作成した検量線を図4に示す。図4の検量線は、縦軸に測定値のlog値を、横軸に各標準品のオートタキシン濃度の対数値をとり、オートタキシン非含有血清試料における測定値を0.01mg/Lでの値として代用し作成したものである。
実施例8で作製した測定試薬を、全自動エンザイムイムノアッセイ装置 AIA−1800(東ソー、製造販売届出番号:13B3X90002000002)において用いて、健常者血清2種(オートタキシン濃度が低濃度の血清と中濃度の血清)、および健常者血清に、実施例2に記載の方法で精製した組み換えATXδを添加した高濃度試料の計3種類の検体を10回測定した際のばらつき(CV(%))を検証した。表1に示す通り、いずれもCVは5%以下であり測定精度は良好であった。
ATXδ、ε特異的測定試薬のヒト血清中ATXδ、εへの反応性検証を以下の手順にて行った。
(1)オートタキシン非含有健常者ヒト血清を特開2011−037802号公報に記載の方法で調製した。具体的には、オートタキシンモノクローナル抗体(ATXR10.23)結合カラムを用い、健常者ヒト血清中のオートタキシンを吸着させることで、オートタキシン非含有血清を調製した。
(2)(1)で作製したオートタキシン非含有健常者ヒト血清に、実施例2により作製したATXδおよび、ATXβを約0.4mg/Lとなるように添加することにより、他のオートタキシンアイソフォームを含有せずATXδのみを含むサンプル(以下、ATXδ添加サンプルとする)および他のオートタキシンアイソフォームを含有せずATXβのみを含むサンプル(以下、ATXβ添加サンプルとする)を調製した。
(3)上記2つのサンプルのオートタキシン濃度を、特許文献1に記載のオートタキシン定量試薬(以下、ATXtotal測定試薬とする)および実施例8で調製したATXδ、ε特異的測定試薬(以下、ATXδ、ε測定試薬とする)を用い、全自動エンザイムイムノアッセイ装置 AIA−1800(東ソー、製造販売届出番号:13B3X90002000002)にて定量した。
一方、ATXδ、ε測定試薬では、ATXδ添加サンプルは0.44mg/L、ATXβ添加サンプルは0.00mg/Lの測定値を示した。このことから、ATXδ、ε測定試薬は、ヒト血清中において、ATXα、β、γは検出せず、ATXδ、εのみを検出することが明らかとなった。
Claims (4)
- ヒトオートタキシンを認識するモノクローナル抗体であって、
配列番号2に記載のアミノ酸配列からなる重鎖可変領域と、配列番号3に記載のアミノ酸配列からなる軽鎖可変領域とを有し、前記抗体が、
Cys−Asp−Asp−Lys−Asn−Lys−Leu−Asp−Glu−Leu−Asn−Lys−Arg−Leu(配列番号6)からなるアミノ酸配列を含むヒトオートタキシンを特異的に認識し、
Cys−Asp−Asp−Lys−Val−Glu−Pro−Lys−Asn−Lys−Leu−Asp−Glu−Leu−Asn−Lys−Arg−Leu(配列番号5)からなるアミノ酸配列を含むヒトオートタキシンを認識しない、
ことを特徴とする、前記抗体。 - 請求項1に記載の抗体を用いて、配列番号6からなるアミノ酸配列を含むヒトオートタキシンを特異的に検出する方法。
- 請求項1に記載の抗体と、
ヒトオートタキシンのアミノ酸配列のうち、配列番号6からなるアミノ酸配列以外の領域を認識する抗体と、
を用いて、サンドイッチイムノアッセイにより、配列番号6からなるアミノ酸配列を含むヒトオートタキシンを検出する方法。 - 請求項1に記載の抗体と、
ヒトオートタキシンのアミノ酸配列のうち、配列番号6からなるアミノ酸配列以外の領域を認識する抗体と、
を含む、サンドイッチイムノアッセイによりヒトオートタキシンを検出する試薬。
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