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JP6099067B1 - 研磨用組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】合金または樹脂、さらには金属や半金属、その酸化物等の材料の表面に対し優れた研磨性能を有しつつ、砥粒の分散性を向上させ、且つ、砥粒の再分散性を向上させた研磨用組成物の提供。
【解決手段】砥粒と、層状ケイ酸塩化合物と、分散媒とを含む、研磨用組成物。前記砥粒の体積平均粒子径は、3.0〜9.5μmが好ましく、pHは2.0〜7.0が好ましい。前記砥粒は金属酸化物および金属炭化物から選択される少なくとも1種であることが好ましい研磨用組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、研磨用組成物に関する。
合金とは、1種の金属元素に対して、1種以上の金属元素や、炭素、窒素、ケイ素などの非金属元素を共有させた共有体であり、純金属に対し機械的強度や耐薬品性、耐食性、耐熱性等の性質を向上させることを目的として製造される。それらの中でもアルミニウム合金は、軽量かつ優れた強度を有することから、建材や容器等の構造材料、自動車、船舶、航空機などの輸送機器の他、各種電化製品や、電子部品等様々な用途に用いられている。また、チタン合金は、軽量なうえに耐食性に優れていることから、精密機器、装飾品、工具、スポーツ用品、医療部品等に広く用いられている。また、鉄系合金であるステンレスやニッケル合金は、優れた耐食性を有することから、構造材料や輸送機器の他、工具、機械器具、調理器具など様々な用途で使用されている。また、銅合金は、電気伝導性、熱伝導性、耐食性に優れているほか、加工性に優れておりまた仕上げの美しさから、装飾品、食器、楽器や電気材料の部品等に広く用いられている。さらに、最近では上記のような用途で、樹脂を含む材料も使用されてきている。
上記のような合金または樹脂、さらには金属や半金属、その酸化物等の材料の表面に対し、平滑化を主な目的として、研磨用組成物を用いた研磨が行われている。
たとえば、特許文献1には、平均粒径が0.05〜1μmの砥粒を0.1〜10重量%水性媒体に分散させた研磨剤スラリーであって、研磨剤スラリー中の粒径が5μm以上の砥粒の含有量が50ppm以下である研磨剤スラリーが開示されている。また、特許文献2には、水、研磨材料、研磨促進剤、および、ヒドロキシプロピルセルロース及びヒドロキシアルキルアルキルセルロースの少なくとも一方を含む研磨用組成物が開示されている。
特開2000−15560号公報 特表2003−510446号公報
しかしながら、上記特許文献1および2に記載の研磨用組成物は、砥粒の分散性が悪いため、研磨性能が安定せず、また研磨用組成物の製造中や使用中に、配管やスラリー供給チューブ内に砥粒が沈降し、配管等を閉塞させてしまうという問題があった。さらに長期保存後の砥粒の再分散性も悪いという問題があった。
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、研磨性能を維持しつつ、砥粒の分散性を向上させる手段を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、研磨性能を維持しつつ、砥粒の再分散性を向上させる手段を提供することにある。
上記課題を解決すべく、本発明者は鋭意研究を積み重ねた。その結果、砥粒、層状ケイ酸塩化合物、および分散媒を含む研磨用組成物を使用することで、上記課題が解決されうることを見出した。そして、上記知見に基づいて、本発明を完成するに至った。
本発明によれば、研磨性能を維持しつつ砥粒の分散性を向上させる手段が提供される。また、本発明によれば、研磨性能を維持しつつ砥粒の再分散性を向上させる手段が提供される。
本発明は、砥粒、層状ケイ酸塩化合物、および分散媒を含む、研磨用組成物である。かような構成を有する本発明の研磨用組成物は、高い研磨速度や研磨対象物の表面粗さの低減といった研磨性能を維持しつつ、砥粒の分散性を向上させることができる。また、上記構成を有する本発明の研磨用組成物は、高い研磨速度や研磨対象物の表面粗さの低減といった研磨性能を維持しつつ、砥粒の再分散性を向上させることができる。
[研磨対象物]
本発明に係る研磨対象物は、特に制限されないが、合金材料および樹脂材料からなる群より選択される少なくとも1種を含むことが好ましい。
以下、合金材料および樹脂材料について説明する。
〔合金材料〕
合金材料は、主成分となる金属種と、主成分とは異なる金属種と、を含有する。
合金材料は、主成分となる金属種に基づいて名称が付される。合金材料としては、たとえば、アルミニウム合金、鉄合金、チタン合金、ニッケル合金、および銅合金等が挙げられる。これら合金材料は、単独でもまたは2種以上組み合わせて適用してもよい。中でも、アルミニウム合金および鉄合金からなる群より選択される少なくとも1種を含むことが好ましい。
アルミニウム合金は、アルミニウムを主成分とし、主成分と異なる金属種として、好ましくは、マグネシウム、ケイ素、銅、亜鉛、マンガン、クロム、および鉄からなる群より選択される少なくとも1種が含有される。アルミニウム合金中における、上記の主成分とは異なる金属種の含有量の下限は、特に制限されないが、アルミニウム合金全体に対して0.1質量%以上であることが好ましい。また、アルミニウム合金中における、上記の主成分とは異なる金属種の含有量の上限は、特に制限されないが、アルミニウム合金全体に対して10質量%以下であることが好ましい。
アルミニウム合金の具体例としては、たとえば、JIS H4000:2006に記載されているような、Al−Cu系、Al−Cu−Mg系の合金番号2000番台、Al−Mn系の合金番号3000番台、Al−Si系の合金番号4000番台、Al−Mg系の合金番号5000番台、Al−Mg−Si系の合金番号6000番台、Al−Zn−Mg系の合金番号7000番台、Al−Fe−Mn系の合金番号8000番台等が挙げられる。
鉄合金は、鉄を主成分とし、主成分とは異なる金属種として、好ましくは、クロム、ニッケル、モリブデン、およびマンガンからなる群より選択される少なくとも1種が含有される。鉄合金中における、上記の主成分とは異なる金属種の含有量の下限は、特に制限されないが、鉄合金全体に対して10質量%以上であることが好ましい。また、鉄合金中における、上記の主成分とは異なる金属種の含有量の上限は、特に制限されないが、鉄合金全体に対して50質量%以下であることが好ましい。
鉄合金は、好ましくはステンレス鋼である。ステンレス鋼の具体的な例としては、たとえば、JIS G4303:2005に記載される種類の記号において、SUS201、SUS303、303Se、SUS304、SUS304L、SUS304NI、SUS305、SUS305JI、SUS309S、SUS310S、SUS316、SUS316L、SUS321、SUS347、SUS384、SUSXM7、SUS303F、SUS303C、SUS430、SUS430F、SUS434、SUS410、SUS416、SUS420J1、SUS420J2、SUS420F、SUS420C、SUS631J1等が挙げられる。
チタン合金は、チタンを主成分とし、主成分とは異なる金属種として、たとえば、アルミニウム、鉄、およびバナジウム等が含有される。チタン合金中における主成分とは異なる金属種の含有量は、チタン合金全体に対してたとえば3.5質量%以上30質量%以下である。チタン合金としては、たとえば、JIS H4600:2012に記載される種類において、11〜23種、50種、60種、61種、および80種のものが挙げられる。
ニッケル合金は、ニッケルを主成分とし、主成分とは異なる金属種として、たとえば、鉄、クロム、モリブデン、およびコバルトから選択される少なくとも1種が含有される。ニッケル合金中における主成分とは異なる金属種の含有量は、ニッケル合金全体に対してたとえば20質量%以上75質量%以下である。ニッケル合金としては、たとえば、JIS H4551:2000に記載される合金番号において、NCF600,601、625、750、800、800H、825、NW0276、4400、6002、6022等が挙げられる。
銅合金は、銅を主成分とし、主成分とは異なる金属種として、たとえば、鉄、鉛、亜鉛、および錫から選択される少なくとも1種が含有される。銅合金中における主成分とは異なる金属種の含有量は、銅合金全体に対してたとえば3質量%以上50質量%以下である。銅合金としては、たとえば、JIS H3100:2006に記載される合金番号において、C2100、2200、2300、2400、2600、2680、2720、2801、3560、3561、3710、3713、4250、4430、4621、4640、6140、6161、6280、6301、7060、7150、1401、2051、6711、6712等が挙げられる。
〔樹脂材料〕
樹脂材料の種類としては特に制限されず、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂のいずれであってもよい。
熱硬化性樹脂の例としては、たとえば、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、フェノール樹脂、アミノ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、熱硬化性ポリウレタン樹脂などが挙げられる。
熱可塑性樹脂の例としては、たとえば、ポリスチレン樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体樹脂(ABS樹脂)、(メタ)アクリル樹脂、有機酸ビニルエステル樹脂またはその誘導体、ビニルエーテル樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリフッ化ビニリデン等のハロゲン含有樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン等のオレフィン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等の飽和ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、熱可塑性ポリウレタン樹脂、ポリスルホン樹脂(ポリエーテルスルホン、ポリスルホンなど)、ポリフェニレンエーテル樹脂(2,6−キシレノールの重合体など)、セルロース誘導体(セルロースエステル類、セルロースカーバメート類、セルロースエーテル類など)、シリコーン樹脂(ポリジメチルシロキサン、ポリメチルフェニルシロキサンなど)などが挙げられる。
上記樹脂は、単独でもまたは2種以上組み合わせても使用することができる。これら樹脂の中でも、耐衝撃性や耐候性の観点から熱可塑性樹脂が好ましく、ポリカーボネート樹脂がより好ましい。
樹脂材料を含む研磨対象物は、たとえば、樹脂材料から形成された部材(樹脂製部材)の形態であってもよいし、金属基板等の表面に樹脂塗膜を有する複合材料の形態であってもよいし、特に制限されない。塗膜に用いられる樹脂としては、熱硬化性ポリウレタン樹脂、(メタ)アクリル樹脂等が挙げられる。樹脂塗膜は透明なクリア塗膜であってもよい。
次に、本発明の研磨用組成物の構成について、詳細に説明する。
[砥粒]
本発明の研磨用組成物は、砥粒を含む。砥粒は、研磨対象物を機械的に研磨する作用を有する。
本発明で用いられる砥粒の具体的な例としては、たとえば、酸化アルミニウム(アルミナ)、酸化ケイ素(シリカ)、酸化セリウム(セリア)、酸化ジルコニウム、酸化チタン(チタニア)、酸化マンガン等の金属酸化物、炭化ケイ素、炭化チタン等の金属炭化物、窒化ケイ素、窒化チタン等の金属窒化物、ホウ化チタン、ホウ化タングステン等の金属ホウ化物などが挙げられる。該砥粒は、単独でもまたは2種以上混合して用いてもよい。また、該砥粒は、市販品を用いてもよいし合成品を用いてもよい。
これら砥粒の中でも、様々な粒子径を有するものが容易に入手でき、優れた研磨速度が得られるという観点から、金属酸化物および金属炭化物からなる群より選択される少なくとも1種が好ましく、酸化アルミニウムまたは炭化ケイ素がより好ましい。
砥粒の体積平均粒子径の下限は、2.0μm以上であることが好ましく、2.5μm以上であることがより好ましく、3.0μm以上であることがさらに好ましく、3.5μm以上が特に好ましい。砥粒の体積平均粒子径が大きくなるにつれて、研磨対象物の研磨速度が向上する。また、砥粒の体積平均粒子径の上限は、25.0μm以下であることが好ましく、15.0μm以下であることがより好ましく、9.5μm以下であることがさらに好ましく、9.0μm以下が特に好ましい。砥粒の体積平均粒子径が小さくなるにつれて、低欠陥で粗度の小さな表面を得ることが容易となる。上記より、砥粒の体積平均粒子径は、3.0μm以上9.5μm以下であることがさらに好ましく、3.5μm以上9.0μm以下が特に好ましい。
金属材料の鏡面化の方法としては、通常、金属材料の機械研削等によって生じた深い傷(スクラッチ)を高速に除去したり、平滑性を向上させたりするための粗研磨工程と、この粗研磨工程の後に、金属材料表面を鏡面にするための鏡面研磨工程等とを、順次に行う方法が挙げられる。
たとえば、一般的な粗研磨工程では、金属材料からなる基体(研磨対象物)を研磨装置の上下定盤間に挟み、上部から押圧しながら、水等の溶媒に分散させたアルミナ砥粒、炭化珪素砥粒、酸化珪素砥粒等の遊離砥粒、即ち研磨液を供給し、上下定盤を回転させることにより、基体を粗研磨できる。この粗研磨工程を行うことにより、基体の機械研削等によって生じた深い傷を除去したり、平滑性を向上させたりすることができる。上記のような砥粒の体積平均粒子径の範囲であれば、かような粗研磨工程に好適に用いられる研磨用組成物となり、深い傷の除去や平滑性の向上といった効果を得ることができる。
なお、本明細書において、砥粒の体積平均粒子径は、体積基準の粒度分布に基づく積算50%粒子径(D50)と定義する。砥粒のD50は、市販の粒度測定装置を利用して測定することができる。かかる粒度測定装置は、動的光散乱法、レーザー回折法、レーザー散乱法、または細孔電気抵抗法等のいずれの手法に基づくものであってもよい。D50の測定方法および測定装置の一例として、実施例に記載の測定方法および測定装置が挙げられる。
研磨用組成物中の砥粒の含有量の下限は、0.1質量%以上であることが好ましく、5質量%以上であることがより好ましく、10質量%以上であることがさらに好ましい。砥粒の含有量が多くなるにつれて、研磨速度が上昇する。
また、研磨用組成物中の砥粒の含有量の上限は、50質量%以下であることが好ましく、40質量%以下であることがより好ましい。砥粒の含有量が少なくなるにつれて、研磨用組成物の製造コストが低減するのに加えて、研磨用組成物を用いた研磨により傷等の欠陥が少ない表面を得ることが容易となる。
[層状ケイ酸塩化合物]
本発明の研磨用組成物は、層状ケイ酸塩化合物を含む。本発明の研磨用組成物において、層状ケイ酸塩化合物は、砥粒の粒子間に立体障害となるような状態で存在しうるため、砥粒の分散性や再分散性を向上させる作用を有する。該層状ケイ酸塩化合物は、ケイ酸四面体が平面的につながっている構造が基本となり、単位構造の中にケイ酸四面体シート1枚または2枚と、アルミナ八面体シート1枚とを含むことを特徴とする構造体である。その層間(単位構造間)においては、ナトリウム、カリウム、カルシウム等の陽イオンが存在する。また、該層状ケイ酸塩化合物は、結晶が薄く剥がれる性質を有する物質である。
本発明で用いられる層状ケイ酸塩化合物は、天然物であってもよく、合成品であってもよく、市販品であってもよく、これらの混合物であってもよい。層状ケイ酸塩化合物の合成方法としては、たとえば、水熱合成反応法、固相反応法、溶融合成法等が挙げられる。
該層状ケイ酸塩化合物の具体的な例としては、タルク、パイロフィライト、スメクタイト(サポナイト、ヘクトライト、ソーコナイト、スティブンサイト、ベントナイト、モンモリロナイト、バイデライト、ノントロナイト等)、バーミキュライト、雲母(金雲母、黒雲母、チンワルド雲母、白雲母、パラゴナイト、セラドナイト、海緑石等)、緑泥石(クリノクロア、シャモサイト、ニマイト、ペナンタイト、スドーアイト、ドンバサイト等)、脆雲母(クリントナイト、マーガライト等)、スーライト、蛇紋石(アンチゴライト、リザーダイト、クリソタイル、アメサイト、クロンステダイト、バーチェリン、グリーナライト、ガーニエライト等)、カオリン(カオリナイト、ディッカイト、ナクライト、ハロイサイト等)等が挙げられる。
これら層状ケイ酸塩化合物は、単独でもまたは2種以上組み合わせて用いてもよい。中でもチキソ性や膨潤性に優れており砥粒の分散性や再分散性をより向上させやすいという観点から、層間イオンがナトリウムイオンであるベントナイト(ナトリウムベントナイト)、ヘクトライト(ナトリウムヘクトライト)、雲母(ナトリウム四ケイ素雲母)が好ましく、層間イオンがナトリウムイオンであるベントナイト(ナトリウムベントナイト)がより好ましい。
研磨用組成物中の層状ケイ酸塩化合物の含有量の下限は、0.01質量%以上であることが好ましく、0.1質量%以上であることがより好ましい。また、研磨用組成物中の層状ケイ酸塩化合物の含有量の上限は、5質量%以下であることが好ましく、2質量%以下であることがより好ましい。このような範囲であれば、上記本発明の効果が効率よく得られる。
[分散媒]
本発明に係る研磨用組成物は、各成分を分散するための分散媒を含む。分散媒としては水が好ましい。他の成分の作用を阻害することを抑制するという観点から、不純物をできる限り含有しない水が好ましく、具体的には、イオン交換樹脂にて不純物イオンを除去した後、フィルタを通して異物を除去した純水や超純水、または蒸留水が好ましい。
[研磨用組成物のpH]
本発明の研磨用組成物のpHの下限は、特に制限されないが、2.0以上であることが好ましく、2.3以上であることがより好ましく、2.5以上であることがさらに好ましい。また、pHの上限は、特に制限されないが、12.0以下であることが好ましく、10.0以下であることがより好ましく、7.0以下であることがさらに好ましく、4.0以下であることが特に好ましい。
研磨対象物が合金材料(例えば、アルミニウム合金、鉄合金、チタン合金、ニッケル合金、および銅合金等)である場合、pHが酸性領域であると研磨速度は速くなり好ましい。また、研磨対象物が樹脂材料である場合も、上記と同様に、pHが酸性領域であると研磨速度は速くなり好ましい。
研磨用組成物のpHがアルカリ領域である場合、層状ケイ酸塩化合物の添加量を増やすことにより、砥粒の分散性および/または再分散性を向上させることができる。層状ケイ酸塩化合物の添加量を少なくして、砥粒の分散性および/または再分散性をより向上させるという観点から、研磨用組成物のpHは酸性領域であることが好ましい。すなわち、本発明の研磨用組成物のpHは2.0以上7.0以下であることがさらに好ましい。層状ケイ酸塩化合物は、層表面に負電荷を有していることから、pHが酸性領域であると、砥粒と層状ケイ酸塩化合物とが立体構造を作りやすくなり、層状ケイ酸塩化合物の添加量が少なくても、砥粒の分散性および/または再分散性が向上しやすくなると考えられる。
研磨用組成物のpHは、下記で説明する酸またはその塩や、塩基またはその塩の添加により調整することができる。
[酸またはその塩]
本発明の研磨用組成物は、酸またはその塩を含むことが好ましい。酸またはその塩は、研磨用組成物のpHを調整する役割を果たす。
酸としては、無機酸および有機酸のいずれも用いることができる。無機酸の例としては、たとえば、塩酸、硫酸、硝酸、フッ酸、ホウ酸、炭酸、次亜リン酸、亜リン酸、およびリン酸等が挙げられる。また、有機酸としては、たとえば、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、2−メチル酪酸、n−ヘキサン酸、3,3−ジメチル酪酸、2−エチル酪酸、4−メチルペンタン酸、n−ヘプタン酸、2−メチルヘキサン酸、n−オクタン酸、2−エチルヘキサン酸、安息香酸、グリコール酸、サリチル酸、グリセリン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、マレイン酸、フタル酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、乳酸、ジグリコール酸、2−フランカルボン酸、2,5−フランジカルボン酸、3−フランカルボン酸、2−テトラヒドロフランカルボン酸、メトキシ酢酸、メトキシフェニル酢酸、フェノキシ酢酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、スルホコハク酸、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸、フェニルホスホン酸、ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸等が挙げられる。さらに、塩としては、1族元素塩、2族元素塩、アルミニウム塩、アンモニウム塩、アミン塩、および第四級アンモニウム塩等が挙げられる。これら酸またはその塩は、単独でもまたは2種以上混合しても用いることができる。これらの中でも、硝酸、クエン酸が好ましい。
研磨用組成物中の酸またはその塩の含有量は、上記のpHの範囲となるように適宜調整すればよい。
[塩基またはその塩]
上記pHの範囲に調整するために、塩基またはその塩を用いてもよい。塩基またはその塩の例としては、脂肪族アミン、芳香族アミン等のアミン、水酸化第四アンモニウムなどの有機塩基、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属の水酸化物、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム等の第2族元素の水酸化物、およびアンモニア等が挙げられる。
研磨用組成物中の塩基またはその塩の含有量は、上記のpHの範囲となるように適宜調整すればよい。
[他の成分]
本発明の研磨用組成物は、必要に応じて、研磨対象物の表面を酸化させる酸化剤、研磨対象物の表面や砥粒表面に作用する水溶性高分子、研磨対象物の腐食を抑制する防食剤やキレート剤、その他の機能を有する防腐剤、防黴剤等の他の成分をさらに含んでもよい。
酸化剤の例としては、過酸化水素、過酢酸、過炭酸塩、過酸化尿素、過塩素酸塩、過硫酸塩等が挙げられる。
水溶性高分子の例としては、ポリアクリル酸などのポリカルボン酸、ポリホスホン酸、ポリスチレンスルホン酸などのポリスルホン酸、キタンサンガム、アルギン酸ナトリウムなどの多糖類、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロースなどのセルロース誘導体、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ソルビタンモノオレエート、単一種または複数種のオキシアルキレン単位を有するオキシアルキレン系重合体等が挙げられる。また、上記の化合物の塩も水溶性高分子として好適に用いることができる。
防食剤の例としては、アミン類、ピリジン類、テトラフェニルホスホニウム塩、ベンゾトリアゾール類、トリアゾール類、テトラゾール類、安息香酸等が挙げられる。キレート剤の例としては、グルコン酸等のカルボン酸系キレート剤、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリメチルテトラアミンなどのアミン系キレート剤、エチレンジアミン四酢酸、ニトリロ三酢酸、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸、トリエチレンテトラミン六酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸などのポリアミノポリカルボン系キレート剤、2−アミノエチルホスホン酸、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸、アミノトリ(メチレンホスホン酸)、エチレンジアミンテトラキス(メチレンホスホン酸)、ジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸)、エタン−1,1−ジホスホン酸、エタン−1,1,2−トリホスホン酸、メタンヒドロキシホスホン酸、1−ホスホノブタン−2,3,4−トリカルボン酸などの有機ホスホン酸系キレート剤、フェノール誘導体、1,3−ジケトン等が挙げられる。
防腐剤の例としては、次亜塩素酸ナトリウム等が挙げられる。防黴剤の例としてはオキサゾリジン−2,5−ジオンなどのオキサゾリン等が挙げられる。
[研磨用組成物の製造方法]
本発明の研磨用組成物の製造方法は、特に制限されず、たとえば、砥粒、層状ケイ酸塩化合物、および必要に応じて他の成分を、分散媒中で攪拌混合することにより得ることができる。
各成分を混合する際の温度は特に制限されないが、10℃以上40℃以下が好ましく、溶解速度を上げるために加熱してもよい。また、混合時間も特に制限されない。
[研磨方法]
上述のように、本発明の研磨用組成物は、合金材料および/または樹脂材料を含む研磨対象物の研磨に好適に用いられる。
本発明の研磨用組成物を用いて研磨対象物を研磨する際には、通常の金属研磨に用いられる装置や条件を用いて行うことができる。一般的な研磨装置としては、片面研磨装置や、両面研磨装置があり、片面研磨装置では、キャリアと呼ばれる保持具を用いて研磨対象物(好ましくは基板状の研磨対象物)を保持し、研磨用組成物を供給しながら研磨対象物の片面に研磨布を貼付した定盤を押しつけて定盤を回転させることにより、研磨対象物の片面を研磨する。両面研磨装置では、キャリアと呼ばれる保持具を用いて研磨対象物を保持し、上方より研磨用組成物を供給しながら、研磨対象物の対向面に研磨布が貼付された定盤を押しつけ、それらを相対方向に回転させることにより研磨対象物の両面を研磨する。このとき、研磨パッドおよび研磨用組成物と、研磨対象物との摩擦による物理的作用と、研磨用組成物が研磨対象物にもたらす化学的作用とによって研磨される。
本発明に係る研磨方法における研磨条件として、研磨荷重が挙げられる。一般に荷重が高くなればなるほど砥粒による摩擦力が高くなり、機械的な加工力が向上するため研磨速度が上昇する。本発明による研磨方法における研磨荷重の下限は特に限定されないが、20g/cm以上であることが好ましく、50g/cm以上であることがより好ましい。研磨荷重が高くなるにつれ、機械的な加工特性が向上するため研磨速度が高まる。また、該研磨荷重の上限は、1000g/cm以下であることが好ましく、500g/cm以下であることがより好ましい。研磨荷重が低くなるにつれて、研磨面の表面荒れが抑制される。
また、本発明に係る研磨方法における研磨条件として、研磨における線速度(研磨線速度)が挙げられる。一般に研磨パッドの回転数、キャリアの回転数、研磨対象物の大きさ、研磨対象物の数等が線速度に影響するが、線速度が大きい場合は研磨対象物にかかる摩擦力が大きくなるため、研磨対象物が機械的に研磨されやすくなる。また、摩擦によって摩擦熱が発生し、研磨用組成物による化学的作用が大きくなることがある。本発明による研磨方法における研磨線速度の下限は特に限定されないが、10m/分以上であることが好ましく、20m/分以上であることがより好ましい。また、研磨線速度の上限は300m/分以下であることが好ましく、150m/分以下であることがより好ましい。この範囲であれば、十分に高い研磨速度が得られることに加えて、研磨対象物に対して適度な摩擦力を付与することができる。すなわち、本発明においては、研磨線速度は、10m/分以上300m/分以下であることが好ましく、20m/分以上150m/分以下であることがより好ましい。
本発明の研磨用組成物を用いた研磨方法で使用される研磨パッドは、たとえばポリウレタンタイプ、発泡ポリウレタンタイプ、不織布タイプ、スウェードタイプ等の材質の違いの他、その硬度や厚みなどの物性の違い、さらに砥粒を含むもの、砥粒を含まないものなど種々あるが、これらを制限なく使用することができる。
本発明に係る研磨方法においては、研磨工程後に別の研磨用組成物を用いた仕上げ研磨工程を有することができる。以下、仕上げ研磨工程に用いる仕上げ研磨用組成物について説明する。
仕上げ研磨用組成物に含まれる砥粒としては、酸化ケイ素(シリカ)、酸化アルミニウム、酸化セリウム、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化マンガン、炭化ケイ素、または窒化ケイ素であることが好ましい。なかでも酸化ケイ素(シリカ)が好ましく、具体的には例えば、コロイダルシリカ、フュームドシリカ、ゾルゲル法シリカ等が挙げられる。中でも、合金表面の平滑性をより効率的に得るという観点から、フュームドシリカまたはコロイダルシリカが好ましい。
コロイダルシリカの製造方法としては、公知の方法が挙げられる。例えば、作花済夫著 「ゾル−ゲル法の科学」(アグネ承風社刊)の第154〜156頁に記載のアルコキシシランの加水分解による方法;特開平11−60232号公報に記載の、ケイ酸メチルまたはケイ酸メチルとメタノールとの混合物を、水、メタノールおよびアンモニア、またはアンモニアとアンモニウム塩とからなる混合溶媒中に滴下してケイ酸メチルと水とを反応させる方法;特開2001−48520号公報に記載の、アルキルシリケー卜を酸触媒で加水分解した後、アルカリ触媒を加えて加熱してケイ酸の重合を進行させて粒子成長させる方法;特開2007−153732号公報に記載の、アルコキシシランの加水分解の際に特定の種類の加水分解触媒を特定の量で使用する方法等が挙げられる。また、ケイ酸ソーダをイオン交換することにより製造する方法も挙げられる。
フュームドシリカの製造方法としては、四塩化ケイ素を気化し、酸水素炎中で燃焼させる気相反応を用いる公知の方法が挙げられる。さらに、フュームドシリカは、公知の方法で水分散液とすることができ、水分散液とする方法としては、例えば、特開2004−43298号公報、特開2003−176123号公報、特開2002−309239号公報に記載の方法が挙げられる。
仕上げ研磨用組成物中に含まれる砥粒の平均一次粒子径は5nm以上であることが好ましく、10nm以上であることがより好ましく、15nm以上であることがさらに好ましい。砥粒の平均一次粒子径が上記の範囲内にある場合、研磨対象物の研磨速度が向上する。仕上げ研磨用組成物中に含まれる砥粒の平均一次粒子径は、400nm以下であることが好ましく、300nm以下であることがより好ましく、200nm以下であることがさらに好ましく、100nm以下であることが最も好ましい。砥粒の平均一次粒子径が上記の範囲内にある場合、低欠陥かつ面粗度の小さい表面を得ることが容易である。研磨後の研磨対象物に大粒子径の砥粒が残留することが問題となる場合、大粒子径を含まない小粒子径の砥粒を用いることが好ましい。なお、仕上げ研磨用組成物に含まれる砥粒の平均一次粒子径は、窒素吸着法(BET法)による比表面積の測定値から算出することができる。
仕上げ研磨用組成物中の砥粒の含有量は、1質量%以上であることが好ましく、2質量%以上であることがより好ましい。砥粒の含有量が上記の範囲内にある場合、仕上げ研磨用組成物による研磨対象物の研磨速度が向上する。仕上げ研磨用組成物中の砥粒の含有量は、50質量%以下であることが好ましく、40質量%以下であることがより好ましい。砥粒の含有量が上記の範囲内にある場合、仕上げ研磨用組成物の製造コストが低減するのに加えて、スクラッチの少ない研磨面を得ることが容易である。また、研磨後の研磨対象物表面上に残存する砥粒の量が低減され、表面の清浄性が向上する。
仕上げ研磨用組成物のpHは、研磨される研磨対象物の種類により異なる。仕上げ研磨用組成物中のpHは公知の酸、塩基、またはそれらの塩により調整される。なかでも塩基としては、脂肪族アミン、芳香族アミン等のアミン、水酸化第四アンモニウムなどの有機塩基、水酸化カリウム等のアルカリ金属の水酸化物、アルカリ土類金属の水酸化物、およびアンモニア等が挙げられ、これらの中でも、入手容易性から水酸化カリウムまたはアンモニアが好ましい。
仕上げ研磨用組成物のpHの下限は、2以上であることが好ましく、8以上であることがより好ましい。仕上げ研磨用組成物のpHが大きくなるにつれて、砥粒(例えば、シリカ粒子)の分散性が向上する。また、仕上げ研磨用組成物のpHの上限は、12.0以下であることが好ましく、11.5以下であることがより好ましい。仕上げ研磨用組成物のpHが小さくなるにつれて、仕上げ研磨用組成物の安全性がより向上する他、経済的観点からも好ましい。
仕上げ研磨用組成物は、本発明の研磨用組成物と同様、必要に応じて、研磨対象物の表面を酸化させる酸化剤、研磨対象物の表面や砥粒表面に作用する水溶性高分子、研磨対象物の腐食を抑制する防食剤やキレート剤、その他の機能を有する防腐剤、防黴剤等の他の成分をさらに含んでもよい。
本発明の研磨用組成物を用いて研磨対象物を研磨する際には、一度研磨に使用された研磨用組成物を回収し、再度研磨に使用することができる。研磨用組成物の再使用する方法の一例として、研磨装置から排出された研磨用組成物をタンク内に回収し、再度研磨装置内へ循環させて使用する方法が挙げられる。研磨用組成物を循環使用することは、廃液として排出される研磨用組成物の量を減らすことで環境負荷が低減できる点と、使用する研磨用組成物の量を減らすことで研磨対象物の研磨にかかる製造コストを抑制できる点で有用である。
本発明の研磨用組成物を循環使用する際には、研磨により消費・損失された砥粒、層状ケイ酸塩化合物、およびその他の添加剤の一部または全部を組成物調整剤として循環使用中に添加することができる。この場合、組成物調整剤としては、砥粒、層状ケイ酸塩化合物、およびその他の添加剤の一部または全部を任意の混合比率で混合したものとしてもよい。組成物調整剤を追加で添加することにより、研磨用組成物が再利用されるのに好適な組成物に調整され、研磨が好適に維持される。組成物調整剤に含有される砥粒、層状ケイ酸塩化合物、およびその他の添加剤の濃度は任意であり、特に限定されないが、循環タンクの大きさや研磨条件に応じて適宜調整されるのが好ましい。
本発明の研磨用組成物は一液型であってもよいし、二液型をはじめとする多液型であってもよい。また、本発明の研磨用組成物は、研磨用組成物の原液を水などの希釈液を使って、たとえば、10倍以上に希釈することによって調製されてもよい。
本発明を、以下の実施例および比較例を用いてさらに詳細に説明する。ただし、本発明の技術的範囲が以下の実施例のみに制限されるわけではない。
(研磨用組成物の調製)
砥粒が30質量%の含有量となるように水で希釈し、分散剤(層状ケイ酸塩化合物またはそれに代わる他の化合物)が0.5質量%の含有量となるように加えて室温(25℃)で攪拌し、分散液を調製した。次いで、前記の分散液に酸としてクエン酸または硝酸を加え、pHメーターにより確認しながら、下記表1〜6に記載のpHに調整した。
<砥粒>
酸化アルミニウム:α化率90〜100%(酸化アルミニウム粒子のα化率は、X線解析装置(Ultima−IV、株式会社リガク製)を使用し、X線回折測定による(113)面回折線の積分強度比より算出した)
炭化ケイ素:GC#3000(D50:4.0μm)、GC#1200(D50:9.9μm)
砥粒のD50は、マルチサイザーIII(ベックマン・コールター株式会社製)を用い、細孔電気抵抗法により測定した。
<層状ケイ酸塩化合物>
Naベントナイト:ナトリウムベントナイト、粘度300mPa・s(4質量%水分散液での測定値、BM型粘度計、60rpm、25℃)、膨潤力63ml/2g
スティブンサイト:粘度1000mPa・s(4質量%水分散液での測定値、BM型粘度計、60rpm、25℃)、膨潤力12ml/2g
Naヘクトライト:ナトリウムヘクトライト、粒子径3μm(レーザー回折計による測定値)、アスペクト比1000
Na四ケイ素雲母:ナトリウム四ケイ素雲母、粒子径11μm(レーザー回折計による測定値)、アスペクト比2000。
(砥粒の分散性の評価)
容量100mlの比色管(アズワン株式会社製)に研磨用組成物を100mlの目盛りまで入れてから1時間静置した。静置後に、砥粒層と上澄み液との界面の高さが静置前と比べてどのくらい下がったか、下がった目盛りの数を測定した。この値が小さいほど分散性が良好である。
(砥粒の再分散性の評価)
容量50mlのPP容器(アズワン株式会社製)に45mlの研磨用組成物を入れてから60時間静置した。静置後、PP容器を上下にひっくり返し、底部の砥粒が取れた回数を測定した。回数が少ないほど再分散性が良好である。
(研磨の評価)
各実施例および各比較例の研磨用組成物を用いて、下記の研磨条件で研磨し、研磨速度を求めた。また、研磨後の各研磨対象物の表面粗さを下記方法により測定した。
<研磨条件>
研磨装置:片面研磨装置(定盤径380mm)
研磨パッド:不織布タイプ(溝有り)
研磨荷重:150g/cm
定盤回転数:50rpm
研磨線速度:30m/分
研磨時間:8min
研磨用組成物の供給速度:35ml/min
<研磨対象物>
Al合金6000番台:3.2cm×3.2cm角、厚み5mmの大きさの基板3枚を、上記研磨装置の円形治具表面に、回転方向に等間隔にセットした。
Al合金7000番台:5.0cm×5.0cm角、厚み5mmの大きさの基板を1枚、上記研磨装置にセットした。
SUS304:直径1インチ、厚み5mmの大きさの基板を3枚、上記研磨装置の円形治具表面に、回転方向に等間隔にセットした。
ポリカーボネート樹脂(シロキサン共重合グレード、AG1950):3.2cm×3.2cm角、厚み5mmの大きさの基板3枚を、上記研磨装置の円形治具表面に、回転方向に等間隔にセットした。
<研磨速度>
研磨前後の研磨対象物の質量の差から研磨速度を算出した。
<表面粗さRa>
研磨後の研磨対象物の表面粗さRaを、非接触表面形状測定機(レーザー顕微鏡、VK−X200、株式会社キーエンス製)を用いて測定した。なお、表面粗さRaは、粗さ曲線の高さ方向の振幅の平均を示すパラメーターであって、一定視野内での研磨対象物表面の高さの算術平均を示す。非接触表面形状測定機による測定範囲は、285μm×210μmとした。
(各種分散剤の比較)
層状ケイ酸塩化合物または他の化合物を含む研磨用組成物の砥粒の分散性および再分散性の評価、ならびに研磨の評価を、D50が3.1μmである砥粒を用いた場合(表1)、およびD50が8.0μmである砥粒を用いた場合(表2)のそれぞれで行った。また、比較例15は、エチレングリコールの添加量を10質量%とした。評価結果を下記表1および表2に示す。なお、下記表1〜6中の「−」は、その成分を添加しなかったことを示す。
上記表1および表2から明らかなように、層状ケイ酸塩化合物を含む研磨用組成物を用いた場合(表1の実施例1、表2の実施例2、3、4、5)、砥粒の分散性および再分散性、ならびに研磨性能において良好な結果が得られた。特に、層状ケイ酸塩化合物を添加していない比較例(表1の比較例1、表2の比較例7)と比べて、研磨速度やRa等の研磨性能を維持しつつ、砥粒の分散性が向上することがわかった。また、他の分散剤を用いた比較例(表1の比較例2〜6、表2の比較例8〜15)と比べて、実施例1の研磨用組成物は、研磨性能を維持しつつ砥粒の再分散性も向上することがわかった。
(pHおよび砥粒のD50
研磨用組成物のpHを変えて砥粒の分散性および再分散性、ならびに研磨性能を評価した。また、砥粒のD50を変化させて砥粒の分散性および再分散性、ならびに研磨性能を評価した。なお、実施例9は、ナトリウムベントナイトの添加量を0.8質量%とした。評価結果を下記表3および表4に示す。比較のため、表3には上記実施例2および比較例7の結果を、表4には上記実施例1および2ならびに比較例1および7の結果を、それぞれ示した。
上記表3から明らかなように、種々のpHにおいて、実施例の層状ケイ酸塩化合物を含む研磨用組成物は、層状ケイ酸塩化合物を添加していない比較例の研磨用組成物と比べて、研磨性能を維持しつつ、砥粒の分散性を向上させることが分かった。また、実施例6および9の研磨用組成物では、同じpHである比較例(比較例17、比較例18)と比べると、砥粒の再分散性も向上することが分かった。
さらに、上記表4から明らかなように、砥粒のD50を変化させた場合でも、実施例の研磨用組成物は、砥粒の分散性が向上することが分かった。実施例10の研磨用組成物は、比較例19の研磨用組成物と比べて、砥粒の再分散性も向上した。
(炭化ケイ素、研磨対象物)
砥粒として炭化ケイ素を用い、分散性および再分散性、ならびに研磨性能を評価した。評価結果を下記表5に示す。
また、研磨対象物を種々変えて研磨性能を評価した。用いた研磨用組成物は、実施例2および比較例7の研磨用組成物である。比較のため、実施例2および比較例7の結果も示した。評価結果を下記表6に示す。
上記表5から明らかなように、砥粒として炭化ケイ素を用いた場合でも、実施例の研磨用組成物は、研磨性能を維持しつつ砥粒の分散性が向上することが分かった。実施例12の研磨用組成物は、比較例21の研磨用組成物と比べて、砥粒の再分散性も向上した。
また、上記表6から明らかなように、実施例2の研磨用組成物は、比較例7の研磨用組成物と比べて、種々の研磨対象物に対しての研磨性能を維持しつつ、砥粒の分散性が著しく向上した組成物となることが分かった。

Claims (5)

  1. 砥粒と、層状ケイ酸塩化合物と、分散媒とを含む、研磨用組成物であって、
    前記砥粒は、酸化アルミニウムおよび炭化ケイ素の少なくとも一方であり、
    前記砥粒の体積平均粒子径は、2.0μm以上9.5μm以下であり、
    前記層状ケイ酸塩化合物は、ベントナイトおよびヘクトライトの少なくとも一方であり、
    pHが2.0以上7.0以下である、研磨用組成物。
  2. 合金材料および樹脂材料からなる群より選択される少なくとも1種を含む研磨対象物の研磨に用いられる、請求項に記載の研磨用組成物。
  3. 前記合金材料がアルミニウム合金および鉄合金からなる群より選択される少なくとも1種を含む、請求項に記載の研磨用組成物。
  4. 前記アルミニウム合金は、マグネシウム、ケイ素、銅、亜鉛、マンガン、クロム、および鉄からなる群より選択される少なくとも1種の金属元素を、アルミニウム合金全体に対して0.1質量%以上含有する合金である、請求項に記載の研磨用組成物。
  5. 前記鉄合金は、クロム、ニッケル、モリブデン、およびマンガンからなる群より選択される少なくとも1種の金属元素を、鉄合金全体に対して10質量%以上含有する合金である、請求項に記載の研磨用組成物。
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