以下、動物異常検知装置等の実施形態について図面を参照して説明する。なお、実施の形態において同じ符号を付した構成要素は同様の動作を行うので、再度の説明を省略する場合がある。
(実施の形態1)
本実施の形態において、動物を対象とした時系列データを受信して、その時系列データに対応する動物異常情報を検索し、動物異常情報が特定された場合に異常情報を送信する動物異常検知装置1について説明する。
図1は、本実施の形態における動物異常検知装置1を含むシステムの概念図である。動物異常検知装置1を含むシステムは、動物異常検知装置1とユーザの端末装置2とを含む。また、動物異常検知装置1を含むシステムは、さらに専門医の端末装置3を含んでいても良い。図1において、動物異常検知装置1と、1または2以上のユーザの端末装置2と、1または2以上の専門医の端末装置3とは、ネットワーク100を介して接続されている。ネットワーク100は、有線、または無線の通信回線であり、例えば、インターネットやイントラネット、LAN(Local Area Network)、公衆電話回線等である。また、ユーザの端末装置2、および専門医の端末装置3は、ネットワーク100に接続可能な端末であれば何でも良い。例えば、ユーザの端末装置2、および専門医の端末装置3は、デスクトップパソコン、ノートパソコン、スマートフォン、またはPDA等であっても良い。なお、ユーザの端末装置2は、カメラ、マイク、および温度計といったようなセンサが取得した情報を取得できる端末である。ユーザの端末装置2は、有線、または無線の接続手段を介して、センサが取得した情報を取得しても良く、メモリーカード等の記憶媒体を介して、センサが取得した情報を取得しても良い。各センサは、リス等の動物を対象とした情報を取得する。
図2は、本実施の形態における動物異常検知装置1のブロック図である。動物異常検知装置1は、動物異常情報格納手段101、検索観測データ受信手段102、動物種別情報格納手段103、動物異常情報特定手段104、異常情報送信手段105、センサデータ格納手段106、特徴量データ取得手段107、状態規則取得手段108、行動規則取得手段109、および動物異常情報蓄積手段110を備える。また、状態規則取得手段108は、状態ラベル設定手段21、および状態規則特定手段22を備える。また、行動規則取得手段109は、行動ラベル設定手段23、および行動規則特定手段24を備える。
動物異常情報格納手段101には、1または2以上の動物異常情報が格納される。動物異常情報は、動物の時系列の1または2以上の観測データを含む動物観測データと、その動物の個体の属性に関する情報である動物個体情報とが含まれる。なお、動物観測データは、異常である場合の観測データであることが好適である。「異常である場合」とは、内科的、または外科的疾患を有している場合である。時系列の観測データは、所定の間隔ごとに各種のセンサによって取得されたデータが連続しているデータである。所定の間隔は、一定であっても良く、不定であっても良い。所定の間隔は、例えば、1秒間に1回の間隔であっても良く、10秒間に1回の間隔であっても良い。所定の間隔は、状態規則、または行動規則を取得するために必要な間隔以下であれば良い。動物の時系列の観測データは、カメラで観測対象を撮影した動画、およびその観測対象が発した音をマイクで集音した音声等が好適であるが、各種のセンサを用いて取得されたデータであれば何でも良い。例えば、時系列の動物の時系列の観測データは、サーモグラフィで計測した体温を示す時系列のデータであっても良く、対象に付けたGPSで取得した位置の時系列データのであっても良く、対象に取り付けたジャイロセンサから取得した対象の角度を示す時系列のデータであっても良く、動物である観測対象に取り付けた脈拍計で取得した脈拍の時系列のデータであっても良い。なお、観測対象が発した音は、観測対象から発生した鳴き声等の音声であっても良く、観測対象が動作することによって発生した音声であっても良い。観測対象が動作することによって発生した音声とは、例えば、リスがひまわりの種を割っている音であっても良く、アライグマが食べ物を洗う際の水音等であっても良く、自動車のタイヤと路面とがこすれ合う音であっても良い。また、各種のセンサを用いて取得された動物の時系列の観測データは、各種のセンサを用いて取得されたデータそのままであっても良く、その各種のセンサを用いて取得されたデータから算出されたデータであっても良い。センサを用いて取得されたデータから算出されたデータである観測対象データは、例えば、2以上のビデオカメラを用いて取得された観測対象の移動履歴を示す時系列の3次元座標データ等であっても良い。また、時系列の観測データは、上述のようなセンサによって取得されたデータを異なる形式のデータに変換したデータであっても良い。異なる形式に変換したデータとは、センサが取得した波形データを、所定の期間ごとに分割し、その分割した各期間における特徴的な値を時系列に並べた特徴量データであっても良く、その特徴的な値を分類し、その分類ごとにラベルを付与することで取得するラベルを時系列に並べたデータであっても良い。特徴量データ、およびラベルを時系列に並べたデータの詳細については、後述する。
動物個体情報は、動物の個体の属性に関する複数の情報を含む情報である。例えば、動物個体情報に含まれる属性に関する情報は、動物の種別を示す情報であっても良く、動物の性別を示す情報であっても良く、動物の年齢を示す情報であっても良く、動物のこれまでの病歴を示す情報であっても良く、動物の大きさを示す情報であっても良く、動物の体重を示す情報等であっても良い。動物個体情報は、検索観測データ受信手段102で受信した情報を用いて検索される対象である。なお、属性に関する各情報は、1の値のみを有していても良く、複数の値を有していても良い。動物の種別を示す情報は、例えば、「リス」のみを有していても良く、「リス」と「シマリス」とを有していても良い。また、動物の年齢を示す情報は、例えば、「4歳」のみを有していても良く、「4歳」と「5歳」とを有していても良い。動物個体情報は、検索される際に、必ず一致しなければヒットしない情報と、一致しなくても、他の情報が一致していればヒットする二種類の情報があっても良い。必ず一致しなければヒットしない情報は、例えば、動物の種別であっても良い。他の情報が一致していればヒットする情報は、動物の年齢、これまでの病歴、体重等であっても良い。なお、この場合の一致は、属性に関する情報が複数の値を有しているときに、そのうちの1以上の値が一致することを一致するといっても良い。
動物異常情報は、その動物異常情報に含まれる動物観測データと同時期の外部環境に関する観測データである環境観測データをも含んでいても良い。外部環境とは、観測対象の周囲の環境に関する事象のことである。周囲の環境は、観測対象に影響を与える圏内の環境であれば何でも良い。周囲の環境は、対象のケージの周辺であっても良く、ケージが置かれている部屋等であっても良い。環境観測データは、各種のセンサを用いて取得された外部環境に関するデータであれば何でも良い。例えば、環境観測データは、カメラで撮影した動画であっても良く、マイクで集音した音声を示す時系列のデータであっても良く、温度計が取得した気温を示す時系列のデータであっても良く、雨量計が取得した降水量を示す時系列のデータであっても良く、気圧計が取得した気圧を示す時系列のデータであっても良く、風力計が取得した風の強さを示す時系列のデータ等であっても良い。また、各種のセンサを用いて取得された環境観測データは、各種のセンサを用いて取得されたデータそのままであっても良く、その各種のセンサを用いて取得されたデータから算出されたデータであっても良い。また、センサを用いて取得されたデータから算出されたデータである環境観測データは、例えば、温度計が取得した温度の履歴から算出された、時系列の現在と数時間前の温度差を示すデータであっても良く、2以上の温度計が取得した室内と室外の温度から算出された、時系列の温度差を示すデータであっても良い。動物の時系列の観測データ、および環境観測データを取得するために用いる各センサは、すべて公知技術であるため、詳細な説明は省略する。また、環境観測データは、上述のようなセンサによって取得されたデータを異なる形式のデータに変換したデータであっても良い。異なる形式に変換したデータとは、センサが取得した波形データを、所定の期間ごとに分割し、その分割した各期間における特徴的な値を時系列に並べた外部環境特徴量データであっても良く、その特徴的な値を分類し、その分類ごとにラベルを付与することで取得するラベルを時系列に並べたデータであっても良く、特徴的な一の値であっても良く、特徴的な一のラベルであっても良い。特徴量データ、およびラベルを時系列に並べたデータの詳細については、後述する。
動物異常情報とは、その動物異常情報に含まれる動物観測データに対応する異常の内容を示す動物異常検知情報をも含んでいても良い。動物異常検知情報は、動物観測データから分かる異常の内容である。例えば、動物異常検知情報は、「歩き方が一般的でない」であっても良く、「伏せて動かない」等であっても良い。動物異常検知情報は、図示しない格納手段に格納されている、動物観測データの波形、特徴量データ、またはラベルの並びと動物異常検知情報とを対応付ける情報を用いて動物異常情報格納手段101に格納されても良く、人が判断した動物異常検知情報を図示しない受付手段が受け付けた後、図示しない蓄積手段が動物異常情報格納手段101に蓄積しても良い。
動物異常情報には、その動物異常情報に含まれる動物観測データに対応する専門医の診断結果を示す診断情報が含まれていても良い。専門医は、獣医であっても良く、獣医以外の、診断する動物に対する医療知識のある者であっても良い。専門医は、動物観測データを見て診断しても良く、その動物観測データを取得した対象の動物を診断しても良い。診断情報は、専門医の端末装置3から送信された診断情報を、図示しない受信手段が受信した後、図示しない蓄積手段が動物異常情報格納手段101に蓄積しても良い。
なお、動物異常情報蓄積手段110が、動物異常情報を蓄積する場合は、動物異常情報格納手段101には、2以上の観測データを含む動物観測データが格納される。この場合の観測データは、特徴量データ、またはラベルを時系列に並べたデータである。
動物異常情報格納手段101は、不揮発性の記録媒体が好適であるが、揮発性の記録媒体でも実現可能である。動物異常情報は、動物異常情報蓄積手段110によって蓄積されても良く、記録媒体を介して蓄積されても良く、通信回線等を介して送信された動物異常情報を図示しない受信手段で受信した後に図示しない蓄積部によって蓄積されても良い。
検索観測データ受信手段102は、動物の時系列の1以上の観測データを含む検索動物観測データと、動物の個体の属性に関する検索動物個体情報とを受信する。検索観測データ受信手段102が受信する情報は、ユーザの端末装置2が常に動物を監視することで取得した情報と、特定の期間において選択的に取得された情報とがある。つまり、検索観測データ受信手段102は、延々と動物観測データ等を受信しても良く、ユーザの端末装置2から特定の期間の動物観測データを受信しても良い。選択的に取得された情報は、ユーザによって動物が異常であると判断された期間の情報であっても良く、スケジューリングされた期間の情報であっても良い。スケジューリングされた期間の情報は、例えば、毎日12時から10分間等のように決まった期間に取得された情報であっても良い。また、検索観測データ受信手段102は、検索動物観測データと、検索動物個体情報と、その検索動物観測データと同時期の外部環境に関する観測データである検索環境観測データとを受信しても良い。検索動物観測データは、センサが取得したデータであっても良く、センサが取得したデータを基に取得したデータであっても良い。検索観測データ受信手段102が受信する検索動物観測データは、動物異常情報格納手段101に格納されている動物観測データを検索するための検索キーとなるデータである。そのため、検索動物観測データの詳細は、動物観測データと同様である。検索動物観測データは、動物観測データと同じ形式のデータであることが好適であるが、異なる形式のデータであっても良い。検索動物個体情報は、ユーザの端末装置2でユーザが入力した情報であっても良く、ユーザの端末装置2であらかじめ設定されている情報であっても良い。検索観測データ受信手段102が受信する検索動物個体情報は、動物異常情報格納手段101に格納されている動物個体情報を検索するための検索キーとなるデータである。検索動物個体情報は、動物の個体の属性に関する複数の情報を含む情報である。例えば、検索動物個体情報に含まれる属性に関する情報は、動物の種別を示す情報であっても良く、動物の性別を示す情報であっても良く、動物の年齢を示す情報であっても良く、動物のこれまでの病歴を示す情報であっても良く、動物の大きさを示す情報であっても良く、動物の体重を示す情報等であっても良い。検索観測データ受信手段102が受信する検索環境観測データは、動物異常情報格納手段101に格納されている環境観測データを検索するための検索キーとなるデータである。検索環境観測データの詳細は、環境観測データと同様である。検索環境観測データは、環境観測データと同じ形式のデータであることが好適であるが、異なる形式のデータであっても良い。
検索観測データ受信手段102は、検索動物観測データと検索動物個体情報とを対応付けて受信しても良い。対応付けて受信するとは、検索動物観測データと検索動物個体情報とを同時に受信することであっても良く、同一のIDを含む検索動物観測データ、および検索動物個体情報をそれぞれ別々に受信することであっても良く、検索動物観測データと、検索動物個体情報とを順番に受信することであっても良い。検索観測データ受信手段102は、通常、無線または有線の通信手段で実現されるが、放送を受信する手段で実現されても良い。
動物種別情報格納手段103には、動物種別情報が1以上格納される。動物種別情報は、類似する動物の種別を示す情報である。動物種別情報は、ある動物の種別と異なる動物の種別が類似していることを表現できる情報であればどのように表現されていても良い。例えば、動物種別情報は、「シマリス,エゾリス」や「シマリス,ニホンリス」等のように1対1の類似する動物の種別を示すように表現されても良く、「シマリス,エゾリス,ニホンリス,・・・」等のように複数の動物の種別をグループ化して表現されても良い。動物種別情報格納手段103は、不揮発性の記録媒体が好適であるが、揮発性の記録媒体でも実現可能である。動物種別情報格納手段103に動物種別情報が記憶される過程は問わない。例えば、記録媒体を介して動物種別情報が動物種別情報格納手段103で記憶されるようになっても良く、通信回線等を介して送信された動物種別情報が動物種別情報格納手段103で記憶されるようになっても良く、あるいは、入力デバイスを介して入力された動物種別情報が動物種別情報格納手段103で記憶されるようになっても良い。
動物異常情報特定手段104は、検索観測データ受信手段102が受信した検索動物観測データと検索動物個体情報とに対応する動物観測データと動物個体情報とを含む動物異常情報を特定する。また、動物異常情報特定手段104は、さらに検索環境観測データをも対応する動物観測データと動物個体情報と環境観測データとを含む動物異常情報を特定しても良い。動物異常情報特定手段104は、検索動物観測データと動物観測データとが対応し、かつ、検索動物個体情報と動物個体情報とが対応する場合に、その動物観測データとその動物個体情報とを含む動物異常情報を特定しても良い。また、動物異常情報格納手段101に環境観測データが格納されており、検索観測データ受信手段102が検索環境観測データをも受信した場合は、動物異常情報特定手段104は、検索動物観測データと動物観測データとが対応し、検索動物個体情報と動物個体情報とが対応し、かつ、検索環境観測データと環境観測データとが対応するときに、その動物観測データとその動物個体情報とその環境観測データとを含む動物異常情報を特定しても良い。
「検索動物観測データと動物観測データとが対応する」は、検索動物観測データと動物観測データとが完全に一致することであっても良く、一部のデータが一致することであっても良い。「一部のデータが一致する」とは、検索動物観測データに含まれる観測データの種類の方が、動物観測データに含まれる観測データの種類より多い場合に、検索動物観測データに含まれる一部の種類の観測データが動物観測データに含まれるすべての種類の観測データと一致することであっても良い。また、「一部のデータが一致する」とは、検索動物観測データに含まれる観測データの種類と、動物観測データに含まれる観測データの種類とが異なる場合に、検索動物観測データに含まれる観測データと共通する種類の動物観測データに含まれる観測データとが一致することであっても良い。なお、検索動物観測データと動物観測データとの対応を判断する場合の「一致」は、あらかじめ決められた閾値以下の誤差を含んでいても良い。例えば、観測データが波形である場合は、動物異常情報特定手段104は、検索動物観測データに含まれる観測データの波形と動物観測データに含まれる観測データの波形とが、同じタイミングで上昇し、下降する波形が取得されている場合に、振れ幅の差異を考慮せずに一致すると判断しても良く、同じ振れ幅が取得されている場合に、期間の長さを考慮せずに一致すると判断しても良い。また、観測データが、特徴量データである場合、およびラベルの並びである場合は、検索動物観測データに含まれる観測データに、動物観測データに含まれる観測データの値の並びが含まれている場合に一致すると判断しても良い。
「検索動物個体情報と動物個体情報とが対応する」は、検索動物個体情報に含まれる情報と動物個体情報に含まれる情報とが一致することであっても良い。例えば、検索動物個体情報、および動物個体情報に動物の種別が含まれている場合に、検索動物個体情報の動物の種別と動物個体情報の動物の種別とが一致することである。なお、「検索動物個体情報と動物個体情報とが対応する」は、一部の情報が一致することであっても良い。「一部の情報が一致する」とは、検索動物個体情報に含まれる情報の種類の方が、動物個体情報に含まれる情報の種類より多い場合に、検索動物個体情報に含まれる一部の情報が動物個体情報に含まれるすべての情報と一致することであっても良い。また、「一部の情報が一致する」とは、検索動物個体情報に含まれる情報の種類と、動物個体情報に含まれる情報の種類とが異なる場合に、検索動物個体情報に含まれる情報と共通する種類の動物個体情報に含まれる情報とが一致することであっても良い。なお、動物個体情報に含まれる各情報が複数の値を有している場合は、検索動物個体情報に含まれる情報が、動物個体情報に含まれる情報の複数の値のうちの1の情報と一致したときに、動物異常情報特定手段104は、対応していると判断しても良い。また、動物個体情報に、「必ず一致しなければヒットしない情報」が含まれている場合で、その情報について一致していないときは、動物異常情報特定手段104は、その他の情報が検索動物個体情報の各情報と一致していても、対応していると判断しないようにしても良い。なお、検索動物個体情報と動物個体情報との対応を判断する場合の「一致」は、誤差を含んでいても良い。検索動物個体情報、および動物個体情報に動物の種別が含まれている場合で、動物の種別について一致するかどうかを判断するときは、動物異常情報特定手段104は、動物種別情報において類似する動物の種別を含む動物個体情報と、検索動物データに対応する動物観測データとを含む動物異常情報を特定しても良い。また、検索動物個体情報、および動物個体情報に動物の年齢が含まれている場合で、動物の年齢について一致するかどうかを判断するときは、動物異常情報特定手段104は、あらかじめ決められた閾値以下の年齢差であれば一致していると判断しても良い。
「検索環境観測データと環境観測データとが対応する」とは、検索環境観測データと環境観測データとが一致することである。なお、検索環境観測データと環境観測データとの対応を判断する場合の「一致」は、あらかじめ決められた閾値以下の誤差を含んでいても良い。例えば、環境観測データが波形である場合は、動物異常情報特定手段104は、検索環境観測データの波形と環境観測データの波形とが、同じタイミングで上昇し、下降する波形が取得されている場合に、振れ幅の差異を考慮せずに一致すると判断しても良く、同じ振れ幅が取得されている場合に、期間の長さを考慮せずに一致すると判断しても良い。また、環境観測データが、特徴量データである場合、およびラベルの並びである場合は、検索環境観測データのデータに、環境観測データのデータが含まれている場合に一致すると判断しても良い。また、環境観測データが、特徴量データの値である場合、およびラベルである場合は、検索環境観測データのデータに、環境観測データのデータが含まれている場合に一致すると判断しても良い。また、動物異常情報特定手段104は、異なる形式の観測データが対応するかどうか判断する場合は、同じ形式のデータに変換してから判断する。観測データの形式を変換する場合は、動物異常情報特定手段104は、特徴量データ取得手段107、状態規則取得手段108、および行動規則取得手段109で処理させることで形式を変換しても良い。動物異常情報特定手段104は、通常、MPUやメモリ等から実現され得る。動物異常情報特定手段104の処理手順は、通常、ソフトウェアで実現され、当該ソフトウェアはROM等の記録媒体に記録されている。但し、ハードウェア(専用回路)で実現しても良い。
異常情報送信手段105は、動物異常情報特定手段104が動物異常情報を特定した場合に、異常に関する情報である異常情報を送信する。動物異常情報は、異常であることを示す情報である。なお、異常情報には、動物異常情報特定手段104が特定した動物異常情報に含まれる動物異常検知情報が含まれていても良く、動物異常情報特定手段104が特定した動物異常情報に含まれる診断情報が含まれていても良い。異常情報送信手段105は、異常情報を、検索動物観測データ等を送信したユーザの端末装置2へ送信しても良く、ユーザがあらかじめ設定した別の端末装置に送信しても良く、図示しない受信部で受信した異常情報に関する送信要求を送信してきた図示しない端末装置に送信しても良い。また、異常情報送信手段105は、異常情報を専門医の端末装置3に送信しても良い。なお、専門医の端末装置3に送信する場合は、検索観測データ受信手段102が受信した各データをも送信しても良い。異常情報送信手段105は、通常、無線または有線の通信手段で実現されても良い。
センサデータ格納手段106には、動物に異常があった際にセンサが取得したデータであり、時系列の1種類以上のデータであるセンサデータと、その動物の個体の属性に関する情報である動物個体情報とが対応付けて格納される。また、センサデータ格納手段106には、外部環境に関する時系列のセンサデータが格納されても良い。センサデータは、各種センサによって取得されたデータである。上述の観測データは、各種のセンサを用いて取得されたそのままのデータであっても良く、その各種のセンサを用いて取得されたデータを基に算出したデータであっても良かったが、センサデータは、各種のセンサを用いて取得されたそのままのデータである。センサデータ格納手段106に格納される動物個体情報の詳細は、動物異常情報格納手段101に格納される動物個体情報と同じである。
センサデータ格納手段106には、2種類以上の時系列のセンサデータが格納されていても良い。センサデータ格納手段106に2種類以上の時系列のセンサデータが格納されている場合は、センサデータ格納手段106には、例えば、図3のようなセンサデータが格納される。センサデータ格納手段106に格納されている各センサデータは、共通する期間を含むデータである。つまり、例えば2013年1月1日0時0分0秒から同0時0分5秒までの期間のような任意の期間に観測された2種類以上の時系列のセンサデータが格納されていることが好適である。また、センサデータ格納手段106は、各時系列のセンサデータに共通する期間に含まれる特定の時点の各センサデータの情報が同期できるように格納することが好適である。各時系列のセンサデータを同期するために、各時系列のセンサデータは、例えば、タイムコード等の同期に必要な情報を有していても良い。以下、センサデータ格納手段106には、動物に対する2種類のセンサデータと1種類の外部環境に関するセンサデータとが格納されているものとして、主に説明する。センサデータ格納手段106は、不揮発性の記録媒体が好適であるが、揮発性の記録媒体でも実現可能である。センサデータ格納手段106にセンサデータが格納される過程は問わない。例えば、記録媒体を介してセンサデータがセンサデータ格納手段106で格納されるようになっても良く、通信回線等を介して送信されたセンサデータがセンサデータ格納手段106で格納されるようになっても良く、あるいは、入力デバイスを介して入力されたセンサデータがセンサデータ格納手段106で格納されるようになっても良い。なお、「2種類以上のセンサデータ」は、2種類以上の異なるセンサで取得したセンサデータであることを示している。
特徴量データ取得手段107は、センサデータ格納手段106に格納されている1種類の時系列のセンサデータから、特徴的な値の時系列データである2種類以上の特徴量データを取得する。また、特徴量データ取得手段107は、外部環境に関する時系列のセンサデータからも、特徴的な値の時系列データである外部環境特徴量データを取得しても良い。特徴量データは、例えば、図4のように、センサデータを、所定の期間ごとに分割し、その分割した各期間における特徴的な値を時系列に並べたデータである。特徴量データの値は、所定の期間における最大値であっても良く、所定の期間における最小値であっても良く、所定の期間における波形の平均値であっても良く、所定の期間における波形の傾きであっても良く、所定の期間における波形をフーリエ変換して取得した特徴的な値であっても良く、所定の期間における移動量を時間で微分した値であっても良く、所定の期間における移動量を時間で2回微分した値であっても良く、その他のアルゴリズムで取得される値等であっても良い。また、特徴量データは、上記のようにして取得した値と対応付けられた値であっても良い。例えば、特徴量データ取得手段107は、図示しない格納手段に格納されている対応表を用いて、上記のようにして取得した各値に対応する特徴量データの値を取得しても良い。具体的には、特徴量データ取得手段107は、音量の大きさを5段階の特徴量データに分ける対応表を用いて、鳴き声の音量に関する特徴量データを取得しても良い。なお、特徴量データは、上記のようにして取得した値を任意の桁を丸めた数値であっても良い。値を丸める方法は、四捨五入であっても良く、切り捨てであっても良く、切り上げであっても良い。
なお、センサデータ格納手段106に、観測対象に対する2種類以上の時系列の観測データが格納されている場合は、特徴量データ取得手段107は、センサデータ格納手段106に格納されている観測対象に対する2種類以上の時系列のセンサデータから、3種類以上の特徴量データを取得しても良い。特徴量データ取得手段107が2種類以上の時系列のセンサデータから特徴量データを取得する場合は、ある1種類の時系列のセンサデータから2種類以上の特徴量データを取得し、その1種類の時系列のセンサデータ以外の時系列のセンサデータそれぞれから1種類以上の特徴量データを取得しても良い。つまり、特徴量データ取得手段107は、M種類の時系列のセンサデータから、(M+1)種類以上の特徴量データを、M種類の各時系列のセンサデータを用いて取得しても良い。Mは1以上の自然数とする。よって、状態規則または行動規則を取得するために用いられない特徴量データを取得するために用いる時系列のセンサデータをM種類の時系列のセンサデータの中に含めないものと考えても良い。以下、センサデータ格納手段106には、2種類以上の時系列のセンサデータが格納されている場合について、主に説明する。
特徴量データ取得手段107は、センサデータから、状態に関する特徴量データである状態特徴量データと行動に関する特徴量データである行動特徴量データとを取得しても良く、そうで無くても良い。なお、センサデータ格納手段106に、観測対象に対する2種類以上の時系列の観測データが格納されている場合は、特徴量データ取得手段107は、センサデータから、N種類以上の状態特徴量データと、(3−N)種類以上の行動特徴量データを取得しても良い。また、Nは1または2である。状態特徴量データは、状態規則を取得するために用いられるデータであっても良い。状態規則は、動物の状態に関する、特徴量データの値やラベル等の並びからなる情報である。状態規則は、例えば、食事中の状態を示す情報であっても良く、水飲み中の状態を示す情報であっても良く、排尿中の状態を示す情報であっても良く、排便中の状態を示す情報であっても良く、睡眠中の状態を示す情報であっても良く、その他の状態を示す情報であっても良い。また、行動特徴量データは、行動規則を取得するために用いられるデータであっても良い。行動規則は、動物の行動に関する、特徴量データの値やラベル等の並びからなる情報である。行動規則は、例えば、位置を定期的に変えている行動を示す情報であっても良く、走っている行動を示す情報であっても良く、鳴き声を上げている行動を示す情報であっても良く、ジャンプしている行動を示す情報等であっても良い。状態特徴量データと行動特徴量データとの違いは、特徴量データを取得する処理において、センサデータを分割する所定の期間が異なることであっても良く、特徴量データを取得するための処理が異なることであっても良く、特徴量データを取得するセンサデータが異なることであっても良く、上述の2以上の違いを組み合わせたものであっても良い。センサデータを分割する所定の期間が異なる場合の違いは、状態特徴量データを取得する処理における所定の期間より、行動特徴量データを取得する処理における所定の期間の方が短いことであっても良い。例えば、状態特徴量データを取得する処理における所定の期間が10秒である場合に、行動特徴量データを取得する処理における所定の期間は、1秒等であっても良い。特徴量データを取得するための処理が異なる場合の違いは、例えば、状態特徴量データを取得する処理が積分値を取得する処理であったときに、行動特徴量データを取得する処理が微分値を取得する処理であることであっても良い。特徴量データを取得するセンサデータが異なる場合の違いは、状態特徴量データを取得するために用いるセンサデータと、行動特徴量データを取得するために用いるセンサデータとがあらかじめ異なるように決められていることであっても良い。例えば、特徴量データ取得手段107における処理は、カメラから状態特徴量データと行動特徴量データとを取得し、マイクから行動特徴量データを取得する等のように、あらかじめ決められていても良い。
また、「2種類以上の特徴量データ」とは、それぞれ異なる処理で取得した2以上の特徴量データであると考えても良い。なお、異なる処理で取得した、2個の特徴量データが同じ特徴量データである場合は、2種類の特徴量データと考えても良く、1種類の特徴量データと考えても良い。特徴量データ取得手段107は、通常、MPUやメモリ等から実現され得る。特徴量データ取得手段107の処理手順は、通常、ソフトウェアで実現され、当該ソフトウェアはROM等の記録媒体に記録されている。但し、ハードウェア(専用回路)で実現しても良い。
状態規則取得手段108は、特徴量データ取得手段107が取得した1種類以上の特徴量データを用いて、対象の状態に関する規則である状態規則を取得する。特徴量データ取得手段107が1種類のセンサデータから2種類以上の特徴量データを取得した場合は、状態規則取得手段108は、その2種類の以上の特徴量データのうち少なくとも1種類以上を用いて状態規則を取得しても良い。1種類の特徴量データから、状態規則を取得する場合は、状態規則取得手段108は、その特徴量データにおける2以上の連続した値が、所定の期間において繰り返し出現するときに、その連続した特徴量データの値である状態規則を取得しても良い。なお、特徴量データ取得手段107が、2種類以上の時系列のセンサデータから、3種類以上の特徴量データを取得した場合は、状態規則取得手段108は、3種類以上の特徴量データのうちのいずれかN種類以上の特徴量データを用いて、状態規則を取得しても良い。また、Nは前述のように1または2である。2種類以上の特徴量データから、状態規則を取得する場合は、状態規則取得手段108は、その2種類以上の特徴量データにおける1または2以上の連続した値の組み合わせが、所定の期間において繰り返し出現するときに、その連続した値の組み合わせである状態規則を取得しても良い。また、特徴量データ取得手段107が状態特徴量データを取得している場合は、状態規則取得手段108は、状態特徴量データから、上記のようにして、状態規則を取得しても良い。
また、状態規則取得手段108は、外部環境特徴量データの値ごと、または外部環境特徴量データの値の分類ごとに、状態規則を取得しても良い。「外部環境特徴量データの値ごとに状態規則を取得する」とは、特徴量データ取得手段107が取得した値ごとに状態規則を取得することである。例えば、外部環境に関するセンサデータが気温に関するセンサデータである場合に、状態規則取得手段108は、気温が30度のときの状態規則と、気温が31度のときの状態規則とをそれぞれ取得しても良い。「外部環境特徴量データの値の分類ごとに状態規則を取得する」とは、特徴量データ取得手段107が取得した値を2以上の分類に仕分け、その分類ごとに状態規則を取得することである。例えば、外部環境に関するセンサデータが気温に関するセンサデータである場合に、状態規則取得手段108は、気温が30度以上のときの状態規則と、気温が20度以上30度未満のときの状態規則とをそれぞれ取得しても良い。外部環境特徴量データの値の分類は、上記以外にも、外部環境に関するセンサデータが降水量に関するセンサデータである場合に、雨が降っているか降っていないかといった分類であっても良く、外部環境に関するセンサデータが音声に関するセンサデータである場合に、図書館程度、生活音程度、または工事現場程度等といった分類であっても良く、その他の分類であっても良い。状態規則取得手段108は、通常、MPUやメモリ等から実現され得る。状態規則取得手段108の処理手順は、通常、ソフトウェアで実現され、当該ソフトウェアはROM等の記録媒体に記録されている。但し、ハードウェア(専用回路)で実現しても良い。
状態規則取得手段108は、状態ラベル設定手段21と状態規則特定手段22との処理によって、特徴量データにラベルを付与して状態規則を取得しても良い。なお、ここで言う特徴量データとは、状態特徴量データであっても良い。状態ラベル設定手段21は、図5のように、特徴量データの値を複数のグループに分類し、同一のグループに属する特徴量データの値に同一の状態ラベルを設定する。状態ラベル設定手段21は、3種類以上の特徴量データのうちのいずれかN種類以上の特徴量データに対して状態ラベルを設定しても良い。Nは前述のように1または2である。状態ラベル設定手段21が特徴量データの値を分類する基準は問わない。例えば、状態ラベル設定手段21は、特徴量データの値ごとにグループに分類しても良く、所定の値の範囲ごとに特徴量データの値をグループに分類しても良く、あらかじめ決められた規則に応じて特徴量データの値をグループに分類しても良い。あらかじめ決められた規則は、偶数の特徴量データの値と奇数の特徴量データの値とのグループに分類する規則であっても良く、頻出する特徴量データの値とそうでない特徴量データの値とのグループに分類する規則等であっても良い。状態ラベルは、分類したグループを識別できる情報である。つまり、状態ラベルは、グループを一意に識別できる情報であれば、どのような情報であっても良い。状態ラベルを用いることで、複数の特徴量データの値を一つのラベルに設定でき、特徴量データの値を用いるよりも情報を丸めることができる。つまり、状態ラベルを設定することは、状態規則の発見を容易にしている。
なお、状態ラベル設定手段21は、2以上の連続した特徴量データの値をまとめて一のグループに分類しても良い。状態ラベル設定手段21は、2以上の連続した特徴量データの値をまとめてグループに分類した場合は、その2以上の連続した特徴量データの値に一の状態ラベルを設定しても良い。具体的には、状態ラベル設定手段21は、「活動中を示す特徴量データの値・停止中を示す特徴量データの値・停止中を示す特徴量データの値・活動中を示す特徴量データの値」というような特徴量データの値の並びを「活動中を示す特徴量データの値・停止中を示す特徴量データの値・活動中を示す特徴量データの値」のように特徴量データの値をまとめても良い。特徴量データの値をまとめると、例えば、上述の場合には、状態ラベル設定手段21は、停止中の期間にこだわらないようにラベルを設定できる。
状態規則特定手段22は、例えば、図6のように状態ラベル設定手段21が設定したN種類以上の状態ラベルの並びから状態規則を取得する。1種類の状態ラベルの並びから状態規則を取得する場合は、状態規則特定手段22は、その状態ラベルの並びにおける2以上の連続した状態ラベルが、所定の期間において繰り返し出現するときに、その連続した状態ラベルである状態規則を取得しても良い。また、2種類以上の状態ラベルの並びから状態規則を取得する場合は、状態規則特定手段22は、その2種類以上の状態ラベルの並びにおける1または2以上の連続した状態ラベルの組み合わせが、所定の期間において繰り返し出現するときに、その連続した状態ラベルの組み合わせである状態規則を取得しても良い。状態規則特定手段22は、例えば、状態ラベルの並びを複数の期間ごとに分割して、頻出パターンマイニングを行うことで状態規則を取得しても良く、上述の状態ラベルの並びを分割する期間を複数回変更して、同様に頻出パターンマイニングを行うことで状態規則を取得しても良い。なお、頻出パターンマイニングは、公知技術であるため、その詳細な説明については、省略する。
行動規則取得手段109は、特徴量データ取得手段107が取得した1種類以上の特徴量データを用いて、対象の行動に関する規則である行動規則を取得する。特徴量データ取得手段107が1種類のセンサデータから2種類以上の特徴量データを取得した場合は、行動規則取得手段109は、その2種類の以上の特徴量データのうち少なくとも1種類以上を用いて行動規則を取得しても良い。1種類の特徴量データから、行動規則を取得する場合は、行動規則取得手段109は、その特徴量データにおける2以上の連続した値が、所定の期間において繰り返し出現するときに、その連続した特徴量データの値である行動規則を取得しても良い。なお、特徴量データ取得手段107が、2種類以上の時系列のセンサデータから、3種類以上の特徴量データを取得した場合は、行動規則取得手段109は、3種類以上の特徴量データのうちのいずれか(3−N)種類以上の特徴量データを用いて、行動規則を取得しても良い。また、Nは前述のように1または2である。2種類以上の特徴量データから、行動規則を取得する場合は、行動規則取得手段109は、その2種類以上の特徴量データにおける1または2以上の連続した値の組み合わせが、所定の期間において繰り返し出現するときに、その連続した値の組み合わせである行動規則を取得しても良い。また、特徴量データ取得手段107が行動特徴量データを取得している場合は、行動規則取得手段109は、行動特徴量データから、行動規則を取得しても良い。行動規則取得手段109は、特徴量データ取得手段107が取得した特徴量データのうち、状態規則取得手段108が用いなかった特徴量データをすべて用いて行動規則を取得しても良く、状態規則取得手段108が用いた特徴量データの種類と少なくとも一部が異なる1以上の特徴量データを用いて行動規則を取得しても良く、上述の両方を満たす1以上の特徴量データを用いて行動規則を取得しても良い。つまり、状態規則取得手段108と行動規則取得手段109とは、特徴量データ取得手段107が取得したすべての特徴量データが、状態規則または行動規則のいずれかを取得するために用いられるように処理を行っても良い。また、行動規則は、状態規則が取得された期間内の規則であっても良い。つまり、状態規則取得手段108が、時点tから時点(t+x)までの期間xの状態規則を取得していた場合は、行動規則取得手段109は、時点tから時点(t+x)までにおいて、期間x未満の行動規則を取得しても良い。なお、xは任意の期間である。
また、行動規則取得手段109は、外部環境特徴量データの値ごと、または外部環境特徴量データの値の分類ごとに、行動規則を取得しても良い。「外部環境特徴量データの値ごとに行動規則を取得する」とは、特徴量データ取得手段107が取得した値ごとに行動規則を取得することである。例えば、外部環境に関するセンサデータが気温に関するセンサデータである場合に、行動規則取得手段109は、気温が30度のときの行動規則と、気温が31度のときの行動規則とをそれぞれ取得しても良い。「外部環境特徴量データの値の分類ごとに行動規則を取得する」とは、特徴量データ取得手段107が取得した値を2以上の分類に仕分け、その分類ごとに行動規則を取得することである。例えば、外部環境に関するセンサデータが気温に関するセンサデータである場合に、行動規則取得手段109は、気温が30度以上のときの行動規則と、気温が20度以上30度未満のときの行動規則とをそれぞれ取得しても良い。外部環境特徴量データの値の分類は、上記以外にも、外部環境に関するセンサデータが降水量に関するセンサデータである場合に、雨が降っているか降っていないかといった分類であっても良く、外部環境に関するセンサデータが音声に関するセンサデータである場合に、図書館程度、生活音程度、または工事現場程度等といった分類であっても良く、その他の分類であっても良い。行動規則取得手段109は、通常、MPUやメモリ等から実現され得る。行動規則取得手段109の処理手順は、通常、ソフトウェアで実現され、当該ソフトウェアはROM等の記録媒体に記録されている。但し、ハードウェア(専用回路)で実現しても良い。
行動規則取得手段109は、行動ラベル設定手段23と行動規則特定手段24との処理によって、特徴量データにラベルを付与して行動規則を取得しても良い。なお、ここで言う特徴量データとは、行動特徴量データであっても良い。行動ラベル設定手段23は、図5のように、特徴量データの値を複数のグループに分類し、同一のグループに属する特徴量データの値に同一の行動ラベルを設定する。行動ラベル設定手段23は、3種類以上の特徴量データのうちのいずれか(3−N)種類以上の特徴量データに対して行動ラベルを設定しても良い。Nは前述のように1または2である。行動ラベル設定手段23が特徴量データの値を分類する基準は問わない。例えば、行動ラベル設定手段23は、特徴量データの値ごとにグループに分類しても良く、所定の値の範囲ごとに特徴量データの値をグループに分類しても良く、あらかじめ決められた規則に応じて特徴量データの値をグループに分類しても良い。あらかじめ決められた規則は、偶数の特徴量データの値と奇数の特徴量データの値とのグループに分類する規則であっても良く、頻出する特徴量データの値とそうでない特徴量データの値とのグループに分類する規則等であっても良い。行動ラベルは、分類したグループを識別できる情報である。つまり、行動ラベルは、グループを一意に識別できる情報であれば、どのような情報であっても良い。行動ラベルを用いることで、複数の特徴量データの値を一つのラベルに設定でき、特徴量データの値を用いるよりも情報を丸めることができる。つまり、行動ラベルを設定することは、行動規則の発見を容易にしている。
なお、行動ラベル設定手段23は、2以上の連続した特徴量データの値をまとめて一のグループに分類しても良い。行動ラベル設定手段23は、2以上の連続した特徴量データの値をまとめてグループに分類した場合は、その2以上の連続した特徴量データの値に一の行動ラベルを設定しても良い。具体的には、行動ラベル設定手段23は、「走っている行動を示す特徴量データの値・歩いている行動を示す特徴量データの値・歩いている行動を示す特徴量データの値・走っている行動を示す特徴量データの値」というような特徴量データの値の並びを「走っている行動を示す特徴量データの値・歩いている行動を示す特徴量データの値・走っている行動を示す特徴量データの値」のように特徴量データの値をまとめても良い。特徴量データの値をまとめると、例えば上述の場合には、行動ラベル設定手段23は、歩いている期間にこだわらないようにラベルを設定できる。
行動規則特定手段24は、例えば、図6のように行動ラベル設定手段23が設定した(3−N)種類の行動ラベルの並びから行動規則を取得する。Nは前述のように1または2である。1種類の行動ラベルの並びから行動規則を取得する場合は、行動規則特定手段24は、その行動ラベルの並びにおける2以上の連続した行動ラベルが、所定の期間において繰り返し出現するときに、その連続した行動ラベルである行動規則を取得しても良い。また、2種類以上の行動ラベルの並びから行動規則を取得する場合は、行動規則特定手段24は、その2種類以上の行動ラベルの並びにおける1または2以上の連続した行動ラベルの組み合わせが、所定の期間において繰り返し出現するときに、その連続した行動ラベルの組み合わせである行動規則を取得しても良い。行動規則特定手段24は、例えば、行動ラベルの並びを複数の期間ごとに分割して、頻出パターンマイニングを行うことで行動規則を取得しても良く、上述の行動ラベルの並びを分割する期間を複数回変更して、同様に頻出パターンマイニングを行うことで行動規則を取得しても良い。
動物異常情報蓄積手段110は、状態規則取得手段108が取得した状態規則である1種類または2種類以上の観測データと行動規則取得手段109が取得した行動規則である1種類または種類以上の観測データとを含む動物観測データと、その観測データを取得する際に用いたセンサデータに対応付けられている動物個体情報とを含む動物異常情報を動物異常情報格納手段101に蓄積する。また、動物異常情報蓄積手段110は、外部環境特徴量データごと、または外部環境特徴量データの値の分類とを含む動物異常情報を動物異常情報格納手段101に蓄積しても良い。なお、動物異常情報蓄積手段110が蓄積した動物異常情報を動物異常情報特定手段104が特定する場合は、検索観測データ受信手段102が受信する検索動物観測データは、1以上の波形データ、または2以上の特徴量データ、または、2以上の特徴量を分類したラベルの並びである。動物異常情報蓄積手段110は、通常、MPUやメモリ等から実現され得る。動物異常情報蓄積手段110の処理手順は、通常、ソフトウェアで実現され、当該ソフトウェアはROM等の記録媒体に記録されている。但し、ハードウェア(専用回路)で実現しても良い。
図7は、本実施の形態における動物異常検知装置1の動作の一例を示すフローチャートである。以下、図7を用いて動作について説明する。なお、本フローチャートでは、センサデータ格納手段106に、観測対象に対する2種類以上のセンサデータが格納されている場合について説明する。
(ステップS201)検索観測データ受信手段102は、検索動物観測データと検索動物個体情報と検索環境観測データとを受信したかどうかを判断する。受信した場合は、ステップS202へ進み、受信しなかった場合は、ステップS206へ進む。
(ステップS202)動物異常情報特定手段104は、ステップS201で受信された検索動物観測データ等に対応する動物異常情報を探索する。
(ステップS203)異常情報送信手段105は、ステップS202で探索した結果、ステップS201で受信された検索動物観測データに対応する動物異常情報があったかどうかを判断する。対応する動物異常情報があった場合は、ステップS204へ進み、対応する動物異常情報がなかった場合は、ステップS201へ戻る。
(ステップS204)異常情報送信手段105は、ステップS202で探索した結果特定された異常情報をステップS201で受信した検索動物観測データ等を送信してきた端末に送信する。
(ステップS205)異常情報送信手段105は、ステップS202で探索した結果特定された異常情報を専門医の端末装置3に送信する。そして、ステップS201へ戻る。
(ステップS206)センサデータ格納手段106にセンサデータが格納されているかどうかを判断する。センサデータが格納されている場合は、ステップS207へ進み、格納されていない場合は、ステップS201へ戻る。
(ステップS207)特徴量データ取得手段107は、センサデータ格納手段106に格納されている2種類のセンサデータから3種類以上の特徴量データを取得する。
(ステップS208)特徴量データ取得手段107は、センサデータ格納手段106に格納されている外部環境に関するセンサデータから外部環境特徴量データを取得する。
(ステップS209)状態ラベル設定手段21は、ステップS207で取得された特徴量データを、その特徴量データの値ごとにグループに分類し、分類したグループごとに状態ラベルを設定する。
(ステップS210)状態規則特定手段22は、ステップS209で設定された状態ラベルの並びから外部環境特徴量データの値ごとに状態規則を特定する。
(ステップS211)行動ラベル設定手段23は、ステップS207で取得された特徴量データを、その特徴量データの値ごとにグループに分類し、分類したグループごとに行動ラベルを設定する。
(ステップS212)行動規則特定手段24は、ステップS211で設定された行動ラベルの並びから外部環境特徴量データの値ごとに行動規則を特定する。
(ステップS213)動物異常情報蓄積手段110は、ステップS210で特定した状態規則とステップS212で特定した行動規則とを含む動物観測データと、その動物観測データを取得する際に用いたセンサデータに対応付けられている動物個体情報と、外部環境特徴量データの値の分類とを含む動物異常情報を動物異常情報格納手段101に蓄積する。なお、動物異常情報蓄積手段110は、蓄積した動物異常情報に含まれる動物観測データを取得する際に用いたセンサデータをセンサデータ格納手段106から削除する。そして、ステップS201に戻る。
以下、本実施の形態における動物異常検知装置1の具体的な動作について説明する。なお、本具体例において示した各図面の情報は、説明のために便宜上用意されたものであって、実際のデータを示すものではない。また、本具体例では、フローチャートにおける、ステップS206からステップS213の処理を行うことで、動物異常情報格納手段101に動物異常情報が格納されているものとする。
本具体例において、動物異常情報格納手段101には、図8で示されるテーブルが格納されているものとする。図8のテーブルは、動物異常情報IDと観測データと外部環境に関する観測データと動物異常検知情報と動物個体情報と診断情報とを有している。例えば、動物異常情報ID「1」は、観測データ「[状態規則:a1 a2 a1][行動規則:b1 b3 b2][行動規則:c3 c1 c1]」と、外部環境に関する観測データ「D3」と、動物異常検知情報「定期的に動きがなくなる」と、動物個体情報「[種別:犬][年齢:6歳][性別:雌]」と、診断情報「発熱」とが登録されている。なお、本具体例において、観測データは、状態規則取得手段108、および行動規則取得手段109が取得した規則であるものとする。また、本具体例において、外部環境に関する観測データは、特徴量データ取得手段107が取得した外部環境特徴量データの値の分類であるものとする。
本具体例において、動物種別情報格納手段103には、図9で示されるテーブルが格納されているものとする。図9のテーブルは、種別名と対応する種別名とを有している。例えば、一つ目の情報は、種別名「リス」と、対応する種別名「シマリス」とが登録されている。これは、動物異常情報特定手段104が、「リス」と「シマリス」とを一致する動物の種別として扱うための情報である。
ユーザが、ケージの中であまり動かなくなったリスに異常を感じ、リスの様子に関するデータをカメラとマイクから、外部環境に関するデータを温度計からユーザの端末装置2に取り込み、ユーザの端末装置2を操作して、検索動物観測データ等送信画面にある送信ボタンを押したものとする。ユーザの端末装置2は、動画と音声の2種類の波形の観測データを含む検索動物観測データと温度に関する波形の検索環境観測データと、予め登録されていた、検索動物個体情報「[種別:リス][年齢:4歳][性別:雄]」とを対応付けて送信する。すると、ユーザの端末装置2から送信された検索動物観測データ等は、検索観測データ受信手段102で受信される(ステップS201)。
動物異常情報特定手段104は、検索観測データ受信手段102で受信された各波形の観測データを特徴量データ取得手段107、状態規則取得手段108に含まれる状態ラベル設定手段21、および行動規則取得手段109に含まれる行動ラベル設定手段23を用いてラベルの並びに変換する。この際、検索観測データ受信手段102が受信した動物観測データは、「[状態規則:a1 a1 a3 a2 a1 a3 a1 a3 a2][行動規則:b1 b1 b1 b1 b1 b1 b1 b1 b1][行動規則:c4 c1 c4 c1 c4 c1 c4 c1]」に変換され、環境観測データは、「D2 D2 D2」に変換されたものとする。動物異常情報特定手段104は、変換された観測データと、検索動物個体情報に対応する動物異常情報を探索する。まず、動物異常情報特定手段104は、動物異常情報ID「1」が、検索動物個体情報と動物個体情報とが全く一致しないため、対応しないと判断する。次に、動物異常情報特定手段104は、動物異常情報ID「2」について、判断する。動物異常情報ID「2」の動物個体情報の種別は、「シマリス」であり、検索動物個体情報に含まれる種別「リス」とは異なる。しかし、「リス」と「シマリス」は、動物種別情報格納手段103において、対応する種別名として登録されている。よって、動物異常情報特定手段104は、検索動物個体情報に含まれる種別と、動物異常情報ID「2」の動物個体情報の種別とが一致すると判断する。そして、動物異常情報ID「2」の動物個体情報の年齢は、「3歳」であり、検索動物個体情報に含まれる年齢「4歳」とは異なる。しかし、「4歳」と「3歳」の差は1歳であり、誤差の範囲といえる。よって、動物異常情報特定手段104は、検索動物個体情報に含まれる年齢と、動物異常情報ID「2」の動物個体情報の年齢とが一致すると判断する。さらに、動物異常情報特定手段104は、検索動物個体情報に含まれる性別と物異常情報ID「2」の動物個体情報の性別とが、同じ「雄」であるため、一致していると判断する。そして、動物異常情報特定手段104は、物異常情報ID「2」の各観測データも検索動物観測データに含まれ、外部環境に関する観測データも検索環境観測データに含まれていることから、動物異常情報ID「2」を対応する動物異常情報と特定する(ステップS202)。
異常情報送信手段105は、動物異常情報特定手段104が特定した同部値異常情報ID「2」の動物異常検知情報「動きがない」と、診断情報「骨折」とをユーザの端末装置2に送信する(ステップS203からステップS204)。すると、ユーザの端末装置2では、図10のように表示される。そして、異常情報送信手段105は、同部値異常情報ID「2」の動物異常検知情報「動きがない」と、診断情報「骨折」と、検索観測データ受信手段102が受信した動物観測データと、環境観測データと、検索動物個体情報とを専門医の端末装置3に送信する(ステップS205)。すると、専門医の端末装置3では、検索動物観測データと、検索動物個体情報と、検索環境観測データ等が表示される。
以下、センサデータ格納手段106に、異常な状態であった際のリスをカメラで撮影した動画であるセンサデータと、そのリスの動物固体情報とが格納されている場合について、動物異常情報格納手段101に動物異常情報を蓄積する処理を具体的に説明する。なお、本具体例において、カメラは、リスのケージ上部からケージ内のすべてが撮影できるように配置されていたものとする。特徴量データ取得手段107は、動画であるセンサデータから、背景差分の処理を行うことで、リスの位置に関する特徴量データ「A,B,C,C,C,C,A・・・」と、リスの姿勢に関する特徴量データ「Z,Z,Y,Z,Z,X,Y・・・」とを取得したものとする。なお、本具体例において、リスの位置に関する特徴量データでは、「C,C,C,C」が定期的に出現し、さらに、「C,C,C,C」と同じ期間に、リスの姿勢に関する特徴量データでは、「Z,Z,X」が定期的に出現したものとする。また、ここで「C」は、トイレの位置を示す特徴量データの値であり、「Z」は、伏せていることを示す特徴量データの値であり、「X」は、周りを見回すことを示す特徴量データの値であるものとする。状態規則取得手段108は、リスの位置に関する特徴量データから状態規則「C,C,C,C」を取得する。そして、行動規則取得手段109は、状態規則「C,C,C,C」と対応する行動規則「Z,Z,X」を取得する。そして、動物異常情報蓄積手段110は、取得した状態規則と、行動規則とを含む動物観測データと、その各規則を取得するために用いたセンサデータに対応する動物個体情報とを含む動物異常情報を構成して動物異常情報格納手段101に蓄積する。なお、本具体例で出力された状態規則「C,C,C,C」は、トイレに滞在することを示し、行動規則「Z,Z,X」は、少しの間伏せた後、周りを見回すことを示しているものとする。
また、センサデータ格納手段106に、異常な状態であった際のリスをカメラで撮影した動画であるセンサデータと、そのリスが発した鳴き声をマイクで集音した音声であるセンサデータと、そのリスの動物固体情報とが格納されている場合について、動物異常情報格納手段101に動物異常情報を蓄積する処理を具体的に説明する。なお、本具体例では、先に説明した具体例と重複する説明について省略しているものもある。また、本具体例において、マイクは、そのリスのケージのすぐ近くに配置されていたものとする。特徴量データ取得手段107は、動画であるセンサデータから、背景差分の処理を行うことで、リスの位置に関する特徴量データ「A,B,C,C,C,C,A・・・」と、リスの姿勢に関する特徴量データ「Z,Z,Y,Z,Z,X,Y・・・」とを取得し、音声であるセンサデータから鳴き声を発したかどうかに関する特徴量データ「0,0,0,0,0,1,0・・・」とを取得したものとする(ステップS207)。なお、本具体例において、「C,C,C,C」が出現する期間の「Z,Z,X」が出現する期間において、「0,0,1」も定期的に出現したものとする。また、ここで「0」は、鳴き声を上げていないことを示す特徴量データの値であり、「1」は、鳴き声を上げていることを示す特徴量データの値であるものとする。状態規則取得手段108は、リスの位置に関する特徴量データから状態規則「C,C,C,C」を取得する(ステップS209からステップS210)。そして、行動規則取得手段109は、状態規則「C,C,C,C」と対応する行動規則[「Z,Z,X」「0,0,1」]を取得する(ステップS211からステップS212)。そして、動物異常情報蓄積手段110は、取得した状態規則と、行動規則とを含む動物観測データと、その各規則を取得するために用いたセンサデータに対応する動物個体情報とを含む動物異常情報を構成して動物異常情報格納手段101に蓄積する(ステップS213)。なお、本具体例で出力された状態規則「CCCC」は、トイレに滞在することを示し、行動規則[「Z,Z,X」「0,0,1」]は、少しの間伏せた後、周りを見回しながら、鳴き声を上げることを示しているものとする。
本実施の形態において、動物異常情報特定手段104は、ユーザの端末装置2から送信された検索観測データと検索動物個体情報に対応する動物異常情報を特定できる。これにより、多数の種類の動物の異常を検知できる。また、ユーザは、専門医を介在せずに動物の状態に異常があるかどうかを判断する目安を得ることができる。また、本実施の形態において、動物種別情報格納手段103に動物種別情報が格納されていることにより、一の動物異常情報を複数の類似した動物に対して適用できる。これにより、動物異常情報が集まりにくいマイナーな動物であっても、類似する動物の動物異常情報があれば、そのマイナーな動物の異常を検知できる。また、本実施の形態において、動物異常情報格納手段101に環境観測データが格納されている場合は、動物異常情報特定手段104は、外部環境に関する観測データを考慮して、ユーザの端末装置2から送られてきた観測データに対応する動物異常情報を特定できる。これにより、高い精度で動物異常情報を検索できるようになる。また、本実施の形態において、動物異常情報格納手段101に動物異常検知情報が格納されている場合は、異常情報送信手段105は、動物異常検知情報を含む情報を送信できる。これにより、ユーザは、異常に関する情報を得ることができる。また、本実施の形態において、動物異常情報格納手段101に診断情報が格納されている場合は、異常情報送信手段105は、過去のよく似た事例に対する診断情報を送信できる。これにより、ユーザは、仮想的に専門医の診察を受けることができる。また、本実施の形態において、検索観測データ受信手段102は、ユーザが異常を感じた時点から一定期間の検索動物観測データ等を受信できる。これにより、ユーザは、常に装置の電源を入れていなくても、必要な場合にのみ電源を入れ、操作をすれば良いようになる。また、本実施の形態において、異常情報送信手段105は、異常情報を専門医の端末装置にも送信する。これにより、異常が検知されると、すぐに専門医に通知することができる。また、本実施の形態において、動物異常情報蓄積手段110は、センサデータから特徴量データに変換した動物異常情報を蓄積できる。これにより、動物異常情報格納手段101が格納するデータ量を圧縮し、動物異常情報特定手段104の検索効率を上げることができる。
なお、本実施の形態では、センサデータ格納手段106と特徴量データ取得手段107と状態規則取得手段108と行動規則取得手段109と動物異常情報蓄積手段110とを備える場合について説明したが、動物異常検知装置1は、センサデータ格納手段106と特徴量データ取得手段107と、状態規則取得手段108と行動規則取得手段109と動物異常情報蓄積手段110とを備えていなくても良い。センサデータ格納手段106と特徴量データ取得手段107と、状態規則取得手段108と行動規則取得手段109と動物異常情報蓄積手段110とを備えていない場合は、動物異常情報格納手段101には、図示しない格納手段や通信回線等を介して動物異常情報が蓄積されても良い。
また、本実施の形態では、状態規則取得手段108と行動規則取得手段109とを備える場合について説明したが、動物異常検知装置1は、状態規則取得手段108と行動規則取得手段109とを備えていなくても良い。状態規則取得手段108と行動規則取得手段109とを備えていない場合は、検索観測データ受信手段102は、波形データ、または特徴量データである各観測データを受信する。
また、本実施の形態では、特徴量データ取得手段107を備える場合について説明したが、動物異常検知装置1は、特徴量データ取得手段107を備えていなくても良い。特徴量データ取得手段107を備えていない場合は、検索観測データ受信手段102は、波形データである各観測データを受信する。
なお、本実施の形態では、特徴量データ取得手段107が、外部環境特徴量データを取得する場合について説明したが、特徴量データ取得手段107は、外部環境特徴量データを取得しなくても良い。特徴量データ取得手段107が、外部環境特徴量データを取得しない場合は、センサデータ格納手段106は、外部環境に関するセンサデータを格納していなくても良く、状態規則取得手段108と、行動規則取得手段109は、特徴量データのみから各規則を取得しても良い。
なお、本実施の形態では、状態ラベル設定手段21と状態規則特定手段22とを含む場合について説明したが、動物異常検知装置1は、状態ラベル設定手段21と状態規則特定手段22とを含まなくても良い。状態ラベル設定手段21と状態規則特定手段22とを含まない場合は、状態規則取得手段108は、特徴量データからラベルを設定せずに状態規則を取得するようにしても良い。
行動ラベル設定手段23と行動規則特定手段24とを含む場合について説明したが、動物異常検知装置1は、行動ラベル設定手段23と行動規則特定手段24とを含まなくても良い。行動ラベル設定手段23と行動規則特定手段24とを含まない場合は、行動規則取得手段109は、特徴量データからラベルを設定せずに行動規則を取得するようにしても良い。
また、本実施の形態における動物異常検知装置1を実現するソフトウェアは、以下のようなプログラムである。つまり、プログラムは、動物の時系列の1以上の観測データを含む動物観測データと、動物の個体の属性に関する情報である動物個体情報とを含む動物異常情報が格納される動物異常情報格納手段にアクセス可能なコンピュータを、動物の時系列の1以上の観測データを含む検索動物観測データと、動物の個体の属性に関する検索動物個体情報とを受信する検索観測データ受信手段、検索観測データ受信手段が受信した検索動物観測データと検索動物個体情報とに対応する動物観測データと動物個体情報とを含む動物異常情報を特定する動物異常情報特定手段、動物異常情報特定手段が動物異常情報を特定した場合に、異常に関する情報である異常情報を送信する異常情報送信手段として機能させるためのプログラムである。
なお、本実施の形態において、各処理(各機能)は、単一の装置(システム)によって集中処理されることによって実現されても良く、または、複数の装置によって分散処理されることによって実現されても良い。また、本実施の形態において、一の装置に存在する2以上の通信手段は、物理的に一の手段で実現されても良いことは言うまでもない。
また、本実施の形態において、各構成要素は、専用のハードウェアにより構成されても良く、または、ソフトウェアにより実現可能な構成要素については、プログラムを実行することによって実現されても良い。例えば、ハードディスクや半導体メモリ等の記録媒体に記録されたソフトウェア・プログラムをCPU等のプログラム実行手段が読み出して実行することによって、各構成要素が実現され得る。
なお、上記プログラムにおいて、上記プログラムが実現する機能には、ハードウェアでしか実現できない機能は含まれない。例えば、情報を取得する取得手段や、情報を出力する出力手段等におけるモデムやインターフェースカード等のハードウェアでしか実現できない機能は、上記プログラムが実現する機能には含まれない。
図11は、上記プログラムを実行して、上記実施の形態による本発明を実現するコンピュータの外観の一例を示す模式図である。上記実施の形態は、コンピュータハードウェアおよびその上で実行されるコンピュータプログラムによって実現され得る。
図11において、コンピュータシステム1100は、CD−ROMドライブ1105、FDドライブ1106を含むコンピュータ1101と、キーボード1102と、マウス1103と、モニタ1104とを備える。
図12は、コンピュータシステム1100の内部構成を示す図である。図12において、コンピュータ1101は、CD−ROMドライブ1105、FDドライブ1106に加えて、MPU1111と、ブートアッププログラム等のプログラムを蓄積するためのROM1112と、MPU1111に接続され、アプリケーションプログラムの命令を一時的に蓄積すると共に、一時記憶空間を提供するRAM1113と、アプリケーションプログラム、システムプログラム、およびデータを蓄積するハードディスク1114と、MPU1111と、ROM1112等を相互に接続するバス1115とを備える。なお、コンピュータ1101は、LANへの接続を提供する図示しないネットワークカードを含んでいても良い。
コンピュータシステム1100に、上記実施の形態による本発明等の機能を実行させるプログラムは、CD−ROM1121、またはFD1122に蓄積されて、CD−ROMドライブ1105、またはFDドライブ1106に挿入され、ハードディスク1114に転送されても良い。これに代えて、そのプログラムは、図示しないネットワークを介してコンピュータ1101に送信され、ハードディスク1114に蓄積されても良い。プログラムは実行の際にRAM1113にロードされる。なお、プログラムは、CD−ROM1121やFD1122、またはネットワークから直接、ロードされても良い。
プログラムは、コンピュータ1101に、上記実施の形態による本発明の機能を実行させるオペレーティングシステム(OS)、またはサードパーティプログラム等を必ずしも含んでいなくても良い。プログラムは、制御された態様で適切な機能(モジュール)を呼び出し、所望の結果が得られるようにする命令の部分のみを含んでいても良い。コンピュータシステム1100がどのように動作するのかについては周知であり、詳細な説明は省略する。
本発明は、以上の実施の形態に限定されることなく、種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることは言うまでもない。また、本発明における各手段の「手段」は、「部」や「回路」と読み替えても良い。