以下の説明の目的上、「上」、「下」、「右」、「左」、「垂直」、「水平」、「頂部」、「底部」、「横」、「縦」などの空間に関する用語が使用されている場合、それらの用語は、図面上の向きの記載された実施形態に関する。しかしながら、そうではないと明示されている場合を除き、多くの代替変形物および代替実施形態を想定することができることを理解すべきである。また、添付図面に示され本明細書に記載された特定の装置および実施形態は単に、本発明の例示的な実施形態にすぎないことも理解すべきである。
概して、本発明の一実施形態は、枢動皮膚センサレバーを備える受動後退針アセンブリに関する。この皮膚センサレバーは、針を挿入し抜き取る医療専門家の行為を感知し、それらの2つの行為が完了した後に、医療専門家による他の意識的な行為を一切必要とすることなしに安全装置を受動的に起動させることが意図されている。この安全装置が起動しても、それによって針カニューレが患者から自動的に放出されるほどの大きな相対的な軸方向の力は生じない。この皮膚センサレバーはさらに、穿刺部位の位置を示すのに役立つガイドを提供することができ、また、むき出しの針の視覚的なマイナスの影響から針恐怖症の患者の気をそらすことができる。本発明は概して、採血セットまたは輸液セット内で使用される遮蔽針アセンブリに関して記述されており、遮蔽針アセンブリおよびこのような採血セットまたは輸液セットを包含する。
図1および図2に全体的に示されているように、流体採集/輸液セットが採血セット1として示されている。採血セット1は、安全遮蔽針装置または安全遮蔽針アセンブリ2と、針装置または針アセンブリ2から延びる可撓管3と、針プロテクタ29などの保護キャップまたは保護遮蔽物とを含む。この保護キャップまたは保護遮蔽物は、針アセンブリ2の可撓管3とは反対の側に、針アセンブリ2との摩擦係合などによってはリアセンブリ2に取外し可能に取り付けられた包装カバーを形成する。可撓管3の第1の端部すなわち基端部17は、採血用レセプタクルなどのレセプタクルに接続されるように適合されており、可撓管3の第2の端部すなわち末端部19からは針アセンブリ2が延びている。
管3は、基端部17、末端部19および基端部17と末端部19の間に延びる通路を含む。管3は、従来の採血セットで使用されている従来の静脈管とすることができる。基端側管継手5は、プラスチック材料から一体成形されており、基端部21、末端部23および基端部21と末端部23の間に延びる通路を含む。通路の末端部23に隣接する部分は、管3の基端部17の上に入れ子式にしっかりとはまり、その結果、管3を貫く通路が基端側管継手5を貫く通路と連通するように構成されている。管継手5の基端部21は例えば、薬物を患者に注入するための適当な雄型ルアーコネクタと接続することができる雌型ルアーコネクタを画定することができる。例えば、薬物を患者に注入するために、従来の注射器の末端部の雄型ルアーコネクタを基端側管継手5に直接に接続することができる。この場合には、基端側管継手5を閉じるために別個の雄型ルアーキャップを使用することができる。あるいは、当技術分野において知られているように、管継手5と係合した雄型ルアーコネクタハブなどを介して、エラストマー製の外筒を含む非対患者用の針アセンブリを収容するように、管継手5を適合させることもできる。このような一実施形態では、その非対患者用針を、排気された採血管と連通するように従来の針ホルダに取り付け、それによって採血アセンブリを知られている方法で形成することができる。採集/輸液セット1の特定の用途に従って他の管継手を基端側管継手5に係合することもできる。さらに、特定の目的を達成するため、他の構成のコネクタを使用することもできる。
前述のとおり、採血セット1は、可撓管3から延びる針装置または針アセンブリ2を含む。図1および図2を概括的に参照すると、本発明の一実施形態は、遮蔽針アセンブリ2を、針ハブ27に接続された針カニューレ25を含む針部分7と、前筒11、後筒13および羽付き構造物15を備える筒アセンブリを含む安全遮蔽部材8と、針部分および遮蔽部材を互いに対して移動させるばね9などの駆動部材と、皮膚センサレバー16などの接触部材とを概括的に含むものとして定義する。
図2〜図7を参照すると、針部分7は、針カニューレ25、針ハブ27および任意選択の針プロテクタ29を含む。針プロテクタ29は、輸送および保管の間、枢動皮膚センサレバー16の枢動を妨げ、レバー16を下方位置に拘束することを可能にするような形状に成形することができる。針カニューレ25は、基端部31、末端部33および基端部31と末端部33の間に延びる管孔を有する。針カニューレ25の末端部33は斜めに切られており、鋭い穿刺先端35、例えば静脈穿刺先端を形成する。穿刺先端35は、静脈などの患者の血管に挿入するために形成されたものであり、したがって穿刺先端35は、挿入が容易になり、静脈穿刺中の不快感が最小限に抑えられるように設計される。
針ハブ27は、ポリカーボネート、ポリプロピレン、ポリエチレン、アクリル樹脂、ポリスチレン、ABSなどのプラスチック材料から一体成形することができる。針ハブ27内を流れる血液または他の流体の観察を可能にするため、針ハブ27は、透明または半透明の材料から成形することができる。針ハブ27は、後方端すなわち基端部59、前方端すなわち末端部61および基端部59と末端部61端の間に延びる通路を含む。通路の基端部59に隣接する部分の寸法は、管3の末端部19を受け取ることができるように決められる。より具体的には、管3の末端部19を針ハブ27の通路に入れ子式にはめ込み、針ハブ27の基端部59に隣接する位置に接着することができる。通路の針ハブ27の末端部61に隣接する部分の寸法は、針カニューレ25の基端部31を摺動可能に受け取ることができるように決められる。
図8を参照し、加えて図2〜図7を続けて参照すると、遮蔽部材8は、針部分7に対して、具体的には針ハブ27に対して入れ子式に関連付けられており、針ハブ27および/または遮蔽部材8のうちの少なくとも一方は、他方に対して入れ子式に相対的に移動するように適合されている。具体的には、針ハブ27および遮蔽部材8は、図9に示すように針カニューレ25の穿刺先端35が遮蔽部材8の前方端から露出した第1の位置と、図14に示すように針カニューレ25の穿刺先端35が遮蔽部材8の内部に包容された第2の位置との間を互いに対して軸方向に移動可能である。これは、遮蔽部材8の内部に針ハブ27を、摺動可能に係合した状態で配置することによって達成することができる。
遮蔽部材8は概して管または円筒の形状を有し、単一構造体、望ましくは熱可塑性材料から成形された単一構造体とすることができる。一実施形態では、遮蔽部材8が、前筒11、後筒13および羽付き構造物15を含む筒アセンブリを備える。前筒11は、互いに反対側に位置する基端部73および末端部75ならびに基端部73と末端部75の間に延びる通路77を備える一体成形された実質的に管状のプラスチック構造物とすることができる。後筒13も、基端部93、末端部95および基端部93と末端部95の間に延びる通路97を備える実質的に管状の構造物とすることができる。前筒11の通路77はさらに、基端部73の近くの環状のロックリブ(locking rib)83によって画定され、末端部95に隣接する後筒13の外側部分は環状のロックリング94を画定する。ロックリブ83およびロックリング94は、前筒11と後筒13とがロックされた状態で係合することを可能にする。具体的には、ロックリング94は、前筒11の通路77内の環状のロックリブ83とスナップ式にロックされた状態で係合して、前筒11と後筒13とが互いに係合するように構成されている。接着結合もしくは溶接によって、または環状ロックリブ83と環状ロックリング94の間の締めしろを大きくすることによって、前筒11と後筒13との係合をより永続的にすることができる。あるいは、前筒11および後筒13のうちの一方が雄ねじを有し、前筒11および後筒13のうちのもう一方が雌ねじを有するねじ式の係合によって前筒11と後筒13を接続することもできる。
前筒11は通路77内に環状の段81を含む。環状の段81は、針ハブ27のフランジ67の外径よりも小さい内径を画定する。したがって、環状の段81は、前筒11内での針ハブ27の末端側への移動に対する一定の制限を画定する。同様に、後筒13を貫く通路97の基端側部分は、内側へ延びる基端側フランジ101によって特徴付けられる。基端側フランジ101の内径は、針ハブ27のフランジ67の外径よりも小さい。したがって、基端側フランジ101は、後筒13内での針ハブ27の基端側への移動を制限する。
前述のとおり、針ハブ27および遮蔽部材8は互いに対して軸方向に移動可能である。針アセンブリ2は、針ハブ27と遮蔽部材8との間に延びるばね9などの駆動部材をさらに含み、この駆動部材は、針ハブ27および遮蔽部材8を、軸方向または縦方向に沿って互いから離れる方向へバイアスするバイアス力をもたらす。針アセンブリ2が第1の位置にあるとき、駆動部材またはばね9は一般に、遮蔽部材8および/または針ハブ27と同軸に配置される。駆動部材は、コイル圧縮ばねまたは同種のバイアス要素の形態をとることができ、概して、針アセンブリ2の第1の位置と第2の位置との間で遮蔽部材8および/または針ハブ27を互いに対して移動させるように適合される。本明細書では、駆動部材のバイアス力を、針ハブ27および遮蔽部材8を軸方向に沿って互いから離れる方向へバイアスするバイアス力など、針ハブ27および遮蔽部材8を互いに対してバイアスするものとして記述する。針アセンブリ2の作動は、針ハブ27および遮蔽部材8のうちのどちらか一方の移動または針ハブ27および遮蔽部材8の両方の互いに対する移動を引き起こす駆動部材のこのバイアス力に基づくことに留意されたい。例えば、起動時に使用者が針ハブ27を保持している場合には、この駆動部材によって、遮蔽部材8が、針ハブ27に対して末端方向へ延びまたは移動して、針アセンブリ2を遮蔽する第2の位置に達する。一方、起動時に使用者が遮蔽部材8を保持している場合には、この駆動部材によって、針ハブ27が、遮蔽部材8に対して基端方向へ後退または移動して、針アセンブリ2を遮蔽する第2の位置に達する。
これらの図、具体的には、図1および図11に関して示されているように、ばね9の形態の駆動部材は、針ハブ27の周囲に概して配置される第1の端部、および遮蔽部材8の一部分と概して接触する第2の端部を有する。例えば、末端部61に隣接する針ハブ27の外側部分は、小径の円筒形の先端63を画定することができ、この小径の円筒形の先端63からは、中間の直径の円筒形のばね取付け部分65が基端方向へ延びることができ、このばね取付け部分65の基端部からは、より大径の円筒形のフランジ67が外側へ延びることができる。フランジ67は、針ハブ27上でのばね9の基端側への移動を制限する限界、および前筒11に対する針ハブ27の末端側への移動を制限する限界を画定する。さらに、前筒11の末端部75に近い通路77の部分は、内側へ延びる環状の末端側フランジ79を画定することができ、末端側フランジ79の内径はばね9の外径よりも小さい。したがって、末端側フランジ79は、ばね9に対する末端側への移動止めを画定し、前筒11内でばね9が圧縮されることを可能にする。環状の段81は、圧縮されたばね9の長さに実質的に等しい距離だけ末端側フランジ79から離して配置される。したがって、通路77の末端側フランジ79と環状の段81の間の区間は、ばねのハウジングを効果的に画定する。
前筒11の末端部75を通して遮蔽物の前方端から穿刺先端35が延出する第1の位置に針アセンブリ2を維持するため、針ハブ27および遮蔽部材8は一般に、ばね9のバイアス力に逆らって互いに対して移動しないように維持される。針ハブ27および遮蔽部材8のこのような維持は、ばね9のバイアス力に逆らって針ハブ27および遮蔽部材8を互いに対して所定の位置に維持するように適合された解放可能な係合によって達成することができる。例えば、針ハブ27および遮蔽部材8は、枢動皮膚センサレバー16などによって針ハブ27と遮蔽部材8の間の係合を提供して、ばね9が、針ハブ27および遮蔽部材8を縦方向に沿って互いから離れる方向へバイアスすることを防ぐ相互係合構造を含むことができる。
図3および図4を参照し、加えて図1および図2を続けて参照すると、枢動皮膚センサレバー16は前方部分49および後方部分51を含む。枢動皮膚センサレバー16は前筒11に取り付けられ、枢動軸53を形成する。枢動軸53は、前筒11、針ハブ27および針カニューレ25の軸に対して実質的に垂直である。枢動軸53は一般に前筒11の上面に隣接して配置される。レバー16の前方部分49を、針カニューレ25をまたぐことによって患者の注射点と相互に接触するように適合させることができる。枢動皮膚センサレバー16の前方部分49はさらに溝が切られたパッドを含むことができる。溝が切られたパッドは、より広い表面積および快適性を患者に提供する。枢動皮膚センサレバー16は、枢動軸53を軸に、前方部分49が上方向および下方向へ動くように枢動することが望ましい。上方向は、患者の注射点から遠ざかる方向であり、下方向は、注射点に近づく方向である。後方部分51も上方向および下方向へ動くが、枢動軸53の位置のためその動きは前方部分49とは逆である。
レバー16の後方部分51は針ハブ27と相互に接触して、ばね9のバイアスに逆らって針ハブ27を維持する。具体的には、針ハブ27は、図5〜図7に示すように、第1の凹部69および第2の凹部71を含むように構成されている。第1の凹部69および第2の凹部71はそれぞれ、ばね9の力に逆らって針ハブ27を前方位置に保持するために、枢動皮膚センサレバー16の第1の係合部材55および第2の係合部材57と相互作用するように設計される。これについては後により詳細に論じる。
前筒11はさらに、前筒11の上壁の表面を貫いて延び、通路77と連通する開口91を含む。開口91は、枢動皮膚センサ16の後方部分51を受け取ることができる寸法および形状を有し、それによって第1の係合部材55および第2の係合部材57がそれぞれ針ハブ27の第1の凹部69および第2の凹部71と相互作用することを可能にする。
一実施形態では、枢動軸53が、レバーバー(lever bar)構成によって形成され、それによって枢動皮膚センサレバー16がピン/穴構成によって前筒11に接続される。例えば、図3および図4に示すように、レバー16の下面にピン52を一体に形成することができる。ピン52は、レバー16に沿った任意の位置に配置することができ、第1の係合部材55と第2の係合部材57の間に配置されることが望ましい。ピン52の断面は円筒形であることが望ましい。レバー16と前筒11の間に枢動軸53を形成し、前筒11にレバー16を取り付ける機構を提供するため、前筒11はさらに、開口91を通してピン52を枢動可能に収容するための対応する案内面を形成する構造を備える。例えば、ピン52をその中に収容するために、前筒11を形成する壁の対向する側面の部分を切り取ることができる。図1、図2および図9に示すように、前筒11の壁のこのような切取り部分は、壁の対向する側面に案内面50aおよび50bを形成するような輪郭を有することができる。案内面50aおよび50bは、レバー16のピン52を載せる載置面の働きをし、それによって前筒11とのスナップ係合などによってレバー16を前筒11に取り付け保持するための機構を提供し、枢動軸53を軸に枢動するためのヒンジ状の係合を提供する。
代替実施形態ではさらに、互いから間隔を置いて配置された前方肩状部および後方肩状部を有するように前筒11を形成することが意図され、前方肩状部および後方肩状部はそれぞれピン52の外面を収容する表面輪郭を含む。前方肩状部と後方肩状部を間隔を置いて配置することによって、前方肩状部と後方肩状部の間に、ピン52の外面をヒンジのように枢動可能に収容する案内面が形成される。前方肩状部および後方肩状部は、前筒11の内面に一体に形成することができ、開口91を横切って延びる連続する構造を別々に表すことができる。あるいは、前方肩状部および後方肩状部をそれぞれ、開口91の対向する辺のところの前筒11の内面の対向する側面から延び、それによってピン52の外面を収容する案内面を提供する部分的な肩状構造物とすることもできる。
あるいは、枢動皮膚センサレバー16を前筒11の一部分に直接に一体成形することもできる。例えば、1つまたは複数の薄い可撓性の部材を提供して、前筒11と一体の一体成形ヒンジを生み出すことができる。
羽を取り付けるための末端部75の近くの環状のアンダーカット(undercut)85によって、前筒11の外周面を画定することができる。環状アンダーカット85は、前筒11上に羽付き構造物15を、回転に関して固定された向きに配置するための回転止め87を備える。羽付き構造物15は、典型的には、ポリオレフィン、ポリ塩化ビニルまたはそのような他のエラストマーポリマーなどの弾性材料から一体成形される。羽付き構造物15は、可撓性の側面パネル37および39ならびに管状のマウント41を含む。管状マウント41は、前筒11の上にぴったりとした係合をすることができるように寸法が決められた内部通路43を含む。パネル37および39は、比較的になめらかな上面を有するように成形される。しかしながら、パネル37の上面は、管状マウント41から離れた部分に、円弧状の一対の突起45を含む。パネル39の上面は円弧状の一対の凹部47を含み、凹部47の寸法、位置および形状は、パネルの上面が互いに向い合せに係合するようにパネル37および39を折り畳んだときにパネル37上の突起45を凹部47が受け取るように決められる。突起45と凹部47の相互係合は、折り畳まれたパネル37および39が互いに対して滑らず、把手として機能することを保証する。パネル37および39の下面は、複数の触覚隆起(図示せず)を備えることができる。この触覚隆起は、折り畳まれたパネル37および39を使用者の親指と人差し指で把持することを容易にする。羽付き構造物15の色によって針カニューレ25のゲージを表示することができる。羽付き構造物15が一方の側面パネル37または39だけを有する代替実施形態によって、使用者が針アセンブリを操作する代替手段を提供することが企図される。
前筒11の環状アンダーカット85はさらに、制動剤(a dampening agent)を通路77に注入するための制動剤注入ポート89を含むことができる。注入後に、制動剤注入ポート89を羽付き構造物15によって覆うことができる。
後筒13はさらに、後筒13上の対向する位置から基端方向および内側に向かって片持ち梁式に延びる弾性的にたわみ可能なロックフィンガ(locking finger)103を含むことができる。ロックフィンガ103はそれぞれ、針ハブ27上のフランジ67の軸方向の厚さに等しいかまたはそれよりもわずかに大きい距離だけ基端側フランジ101から離隔した基端部105を含む。したがって、移動止めフランジ101の末端面とロックフィンガ103の間にフランジ67を捕捉することができる。ロックフィンガ103の基端部105は、針ハブ27上のフランジ67の直径よりも短いある距離だけ互いから離隔している。
図9を参照し、加えて図1〜図8を続けて参照すると、流体採集/輸液セット1は、最初に針部分7を構築することによって組み立てられる。針部分7は、針カニューレ25の基端部31を針ハブ27の通路内に取り付けることによって構築される。熱硬化性または紫外線硬化性のエポキシ接着剤などの接着剤によって、針カニューレ25をこの位置に固定することができる。針カニューレ25は、針カニューレ25の末端部33の穿刺先端35および羽付き構造物15が共通の平面に関して対称になるような向きに固定される。次いで、管3の末端部19を針ハブ27の基端部59に固定する。溶剤結合、接着結合または溶接によって管3をこの位置に固定することができる。
針ハブ27のばね取付け部分65の上にばね9を入れ子式に配置することによって組立てを継続する。次いで針部分7およびばね9の位置を合わせ、それらを前筒11内に末端方向へ入れ子式にはめ込み、それによってばね9を圧縮する。次いで、前筒11の開口91の中に枢動皮膚センサ16の後方部分51を配置して、第1の係合部材55および第2の係合部材57がそれぞれ針ハブ27の前方凹部69および後方凹部71と相互作用することを可能にする。この係合部材55および57と凹部69および71の間の相互作用によって、針ハブ27は、圧縮されたばね9の力に逆らって前方位置に保持される。枢動皮膚センサ16は、前筒11、針ハブ27および針カニューレ25に対して垂直な枢動軸53を形成するように配置する。枢動軸53は、ピン/穴構成によって生み出すことができ、あるいは枢動皮膚センサレバー16を前筒11と一体成形して疑似ヒンジを形成することもできる。
次いで、前筒11の末端部75の上に羽付き構造物15を取り付ける。羽付き構造物15の管状マウント41の内部通路43を、前筒11上の回転止め87と整列させる。このようにすると、羽付き構造物15の管状マウント41と環状アンダーカット85および回転止め87との間に、羽付き構造物15を前筒11上に保持し回転を防ぐぴったりとした嵌合が達成される。この取り付けられた状態では、羽付き構造物15のパネル37および39が、針カニューレ25の末端部33の穿刺先端35および枢動皮膚センサレバー16によって画定された対称面に対して実質的に垂直に延びる平面を画定する。
管3の末端部19を後筒13に通すことによって組立てをさらに継続する。後筒13を管3に沿って末端方向へ十分に移動させると、後筒13の末端部95を前筒11の基端部73の内部に、ロックされた状態で係合させることができる。次いで、管3の基端部17に基端側管継手5を固定することができる。
粘性の制動剤を使用するときには、前筒11の通路77、針ハブ27のばね取付け部分65および針ハブ27のフランジ67の末端面が、制動剤を好ましい位置に拘束するチャンバを画定する。前筒11の側壁に位置する注入ポート89を使用して、粘性の制動剤をチャンバ内へ分配する。制動剤は、注入ポート89にぴったりとはまる形状に形成された末端部を有する分配カニューレを通して注入することができる。組立て前に、通路77、ばね9および針ハブ27、またはこれらの3つの構成要素のうちのいずれかに制動剤を塗布して、後退スピードまたは後退速度を変化させることも意図される。
粘性の制動剤は、前筒11および後筒13に対する針ハブ27の速度を低下させるように機能するシリコーンとすることができる。粘性の制動剤は、針ハブ27および針カニューレ25の後退を減速させる抵抗を生み出す。制動剤の一例はチキソトロピーゲル(thixotropic gel)であり、これは、採血管内においてセパレータゲルとして使用されているタイプのゲルと同種のゲルである。制動剤として使用されるチキソトロピーゲルは、ばね9に対して独特の特性を提供する。具体的には、チキソトロピーゲルは、ばね9の隣接するコイルどうしを一時的に弾性的に結合する能力を示す。後退の開始は、ばね9の蓄積エネルギーを解放し、ばね9の伸長を可能にする。チキソトロピーゲルは、シリコーンと同様の抵抗を生み出し、したがってハブ27および針カニューレ25の速度を低下させる。しかしながら、従来のシリコーンとは違い、チキソトロピーゲルによって達成される隣接するコイル間の一時的な結合は、より低い初期加速度をもたらす。このより低い初期加速度の結果、針カニューレ25の後退中における跳ねがかなり低減する。以上では、チキソトロピーゲルを制動剤として使用することを説明したが、他の制動剤の使用も予想されるので、このことを本発明を限定するものと解釈すべきではない。
注入ポート89は、環状アンダーカット85上に配置することができ、注入ポート上に羽付き構造物15を配置し、注入ポート89を覆うことによって密閉することができ、それによってばね9の注入ポート89に近い部分に制動剤を拘束することができる。あるいは、針ハブ27と前筒11および後筒13との間の摺動可能に係合した表面に、制動剤を配置することもできることが理解される。こうすると粘性剪断境界層が形成されることになり、この層も、針ハブ27が後退する速度および加速度を変化させることができる。
図10〜図14を参照し、加えて図9を続けて参照すると、流体採集/輸液セット1は、羽付き構造物15のパネル37とパネル39を互いに向かって折り畳み、パネル37とパネル39のずれを防ぐためにパネル37の上面の突起45がパネル39の上面の凹部47に受け取られるようにパネル37とパネル39を向い合せに係合させることによって使用される。次いで、向い合せに係合したパネル37および39の下面の触覚隆起(図示せず)を親指と人差し指でしっかりと保持することができる。次いで、針ハブ27から針プロテクタ29を取り外して針カニューレ25を露出させる。この状態で、羽付き構造物15のパネル37とパネル39の接触面によって画定された平面は、針カニューレ25の穿刺先端35の対称面上にある。
また、枢動皮膚センサレバー16の前方部分49は針カニューレ25よりも低い下方位置にある。枢動皮膚センサレバー16は、第1の係合部材55と前方凹部69との係合によってこの位置にバイアスされている。医療専門家は次いで、針カニューレ25の穿刺先端35を患者の体表の標的位置へ導き、管3の基端部17の基端側管継手5を使用して、排気された容器または患者に注入する流体の供給源に接続する。枢動皮膚センサレバー16の前方部分49の溝が切られた構成は針カニューレ25をまたぎ、針カニューレ25または注射部位を覆い隠さない。さらに、この溝が切られた構成は、理想的な穿刺部位の位置を示すのに役立つガイドの働きもする。
患者に針カニューレ25を挿入すると枢動皮膚センサレバー16は枢動し、レバー16の前方部分49は、少なくとも針カニューレ25の高さまで上方へ移動するように強制され、この移動により、第1の係合部材55は、枢動軸53の位置に基づく上方位置へ移動する。枢動皮膚センサレバー16の前方部分49が上方へ移動することによって、第1の係合部材55は前方凹部69から外れ、それによって針ハブ27とレバー16の間の干渉係合(interference engagement)を解放する。干渉係合のこの解放は、対応する針ハブ27の表面と前筒11の表面と間にばねがバイアス力を加えることを可能にし、このバイアス力は、針カニューレ25の穿刺先端35が前筒11と後筒13の筒アセンブリの内部に包容される第2の位置に向かって針アセンブリ2を推進しまたは駆動することを可能にする。例えば、ばね9は、針ハブ27および前筒11が互いに対して軸方向にかつ/または入れ子式に移動するような力を針ハブ27と前筒11の間に加える。針ハブ27と前筒11の間に加えられるバイアス力は、静脈穿刺点における針カニューレと患者の皮膚の間の摩擦力よりも小さいことがあり、それによって針カニューレが患者の皮膚から抜けることを防ぐことができる。あるいは、患者の皮膚と接触したときおよび/または静脈穿刺中の枢動レバーの初期の枢動の後に、枢動レバー16と針ハブ27の間に第2の干渉係合が存在することも意図される。
例えば、このような第2の係合は、図13に示すように、枢動レバー16の後方部分51の第2の係合部材57と針ハブ27の後方凹部71との干渉係合によって提供することができる。枢動レバー16の第2の係合部材57は、枢動軸53を軸とした枢動レバー16の初期のもしくは上方への枢動の前に、接触および挿入時に、またはより望ましくはこのような初期のもしくは上方への枢動中に、針ハブ27の後方凹部71と係合させることができる。このようにすると、針ハブ27は、図13に示すように、第2の係合部材57と後方凹部71との係合によって止められるまで、ばね9によって加えられた力に基づいて、少なくとも最小限の距離だけ後方へ摺動することができる。注射または輸液が続く間、枢動皮膚センサレバー16はこの構成を維持する。
医療処理が完了した後、医療専門家は患者から針カニューレ25を抜き取る。針カニューレ25を抜き取ることにより、枢動皮膚センサレバー16の前方部分49はその最初の位置に向かって下方へ移動し、それによって枢動レバー16は枢動軸53を軸に反対方向すなわち逆方向へ枢動する。これによって、第2の係合部材57は上方へ移動し、後方凹部71から外れ、同時に、第1の係合部材55は下方へ移動して、前方凹部69と係合しない位置に達する。したがって、ばね9は伸長し、針部分7を基端方向へ推進することができる。フランジ67が後筒13の基端側フランジ101に当接すると、針部分7の基端方向への移動は終わる。この位置で、針カニューレ25は、図15に示すように、その全体が前筒11および/または後筒3の内部に安全に配置されている。
針ハブ27のフランジ67が基端側フランジ101に近づくと、フランジ67はさらにロックフィンガ103と係合する。フランジ67の後方への移動はロックフィンガ103の外側への撓みを引き起こす。しかしながら、フランジ67が基端側フランジ101に当接すると、ロックフィンガ103は、撓んでいない状態の方へ弾性的に戻り、フランジ67の末端面と係合する。したがって針部分7の戻りが防止される。さらに、ロックフィンガ103が揃って内側を向いていることは、針カニューレ25の再露出を許すことになるロックフィンガ103の外側への意図的な撓みを実質的に妨げる。したがって、後筒13のロックフィンガ103を実質的に完全に破壊しない限り、針カニューレ25の再使用を達成することはできない。
図16を参照すると、採血/輸液セット201の別の実施形態は、1本の可撓管203と、針カニューレ205を含む針アセンブリと、ばね(図示せず)と、前筒207、後筒209および羽付き構造物211を備える筒アセンブリと、枢動皮膚センサレバー213とを含む。
針カニューレ205は、前筒207内に配置された針ハブによって支持された基端部、末端部215および基端部と末端部の間に延びる管孔を有する。針カニューレ205の末端部215は斜めに切られており、鋭い穿刺先端217、例えば静脈穿刺先端を形成する。穿刺先端217は、静脈などの患者の血管に挿入するために形成されたものであり、したがって穿刺先端217は、挿入が容易になり、静脈穿刺中の不快感が最小限に抑えられるように設計される。
枢動皮膚センサレバー213は前部219および後部221を含む。枢動皮膚センサレバー213は前筒207に取り付けられており、前筒207および針カニューレ205の軸に対して実質的に垂直な枢動軸223を有する。枢動軸223は一般に前筒207の下面に配置される。前部219は、針カニューレ205をまたぐことによって患者の注射点と相互に接触し、後部221は針ハブ(図示せず)と相互に接触する。枢動皮膚センサ213の前部219は上方向および下方向へ動く。上方向は、患者の注射点から遠ざかる方向であり、下方向は、注射点に近づく方向である。枢動皮膚センサレバー213の前部219は、針カニューレ205をまたぐことによって患者の注射点と相互に接触するように構成され、レバー213の前部219をさらに、溝が切られたパッドを含むように構成することもできる。溝が切られたパッドは、より広い表面積および快適性を患者に提供する。枢動皮膚センサレバー213の前部219はさらに、最初の下方位置にあるときに針カニューレ205よりも低い位置にあるように構成されている。後部221も上方向および下方向へ動くが、枢動軸223の位置のためその動きは前部219とは逆である。枢動軸223は、ピン/穴構成によって形成することができ、そうすることによって枢動皮膚センサレバー213は前筒207から独立した構成要素となる。あるいは、枢動軸223を前筒207と一体成形することもできる。この場合、枢動軸223は、前筒207と一体のヒンジを形成する2つの薄い可撓性の部材を備えることができる。
この実施形態の使用法は以下のとおりである。医療専門家は最初に、針カニューレ205の穿刺先端217を患者の体表の標的位置へ導き、管203の基端部の基端側管継手(図示せず)を使用して、排気された容器または患者に注入する流体の供給源に接続する。針カニューレ205を患者に挿入すると、枢動皮膚センサレバー213の前部219は、少なくとも針カニューレ205の高さまで上方へ移動するように強制される。枢動皮膚センサレバー213の前部219の溝が切られた構成は針カニューレ205をまたぎ、針カニューレ205または注射部位を覆い隠さない。さらに、この溝が切られた構成は、理想的な穿刺部位の位置を示すのに役立つガイドの働きもする。枢動皮膚センサレバー213の前部219が上方へ移動することにより、係合部材(図示せず)が針ハブ(図示せず)の第1の凹部から外れ、針ハブは、他の係合部材(図示せず)と針ハブの第2の凹部との係合によって止められるまで、最小限の距離だけ後方へ摺動することができる。注射または輸液が続く間、枢動皮膚センサレバー213はこの構成を維持する。医療処理が完了した後、医療専門家は患者から針カニューレ205を抜き取る。針カニューレ205を抜き取ることにより、枢動皮膚センサレバー213の前部219はその最初の位置に向かって下方へ移動する。その結果、もう一方の係合部材が上方へ移動し、第2の凹部から外れる。したがって、駆動部材(図示せず)は伸長し、針ハブを近位方向へ推進することができる。針カニューレ205の全体が前筒207および後筒209の内部に安全に配置されると、針ハブの近位方向への移動は終わる。
図17〜図19は、レバーとハブの間の別の保持/解放機構を含む本発明の他の実施形態を示す。図17〜図19に示す実施形態は図12〜図15に示した実施形態と同様の構成要素を含み、そのような同様の構成要素は、記号「a」をさらに含む同様の参照符号によって識別される。例えば、図17〜図19の採血/輸液セットは、1本の可撓管3aと、針カニューレ25aを含む針アセンブリと、ばね9aと、前筒11aおよび後筒13aを備える筒アセンブリと、枢動皮膚センサレバー16aとを含む。
針カニューレ25aは、筒アセンブリ内に配置された針ハブ27aによって支持された基端部、静脈穿刺先端35aを画定する末端部、および基端部と末端部の間に延びる管孔を有する。穿刺先端35aは、静脈などの患者の血管に挿入するために提供され、したがって、穿刺先端35aは、挿入が容易になり、静脈穿刺中の不快感が最小限に抑えられるように設計される。
枢動皮膚センサレバー16aは前方部分49aおよび後方部分51aを含む。前方部分49aは、針カニューレ25aをまたぐことによって患者の注射点と相互に接触し、後方部分51aは針ハブ27aと相互に接触する。これについては後により詳細に説明する。枢動皮膚センサレバー16aは前筒11aに取り付けられ、枢動軸53aを形成する。前筒11aはさらに、前筒11aの上壁の表面を貫いて延びる開口91aを含み、開口91aは、枢動皮膚センサ16aの後方部分51aを受け取ることができる寸法および形状を有し、それによって後方部分51aと針ハブ27aとの係合を可能にする。
図12〜図15に関して説明した実施形態と同様に、枢動軸53aはレバーバー構成によって形成することができ、それによって枢動皮膚センサレバー16aの後方部分51aは、前筒11aに接続されたピン52aを含む。例えば、図12〜図15に関して上で説明した方法と同様の方法でピン52aをその中にスナップ係合で収容して、枢動軸53aを軸としたヒンジ状の枢動係合を提供するために、前筒11aを形成する壁の対向する側面の部分を切り取ることができる。
レバー16aの後方部分51aは針ハブ27aと相互に接触して、ばね9aのバイアスに逆らって針ハブ27aを維持する。具体的には、針ハブ27aは、上面の一部分を貫いて延びる凹部312を含むことができる。凹部312は、レバー16aの後方部分51aに配置されたピン52aを回転可能に収容するように構成され、したがって、凹部312は、ピン52aの全体に円筒形の外面の輪郭に対応する内面を含む。ピン52aは、中央切取り部分310のところに、ピン52aの側端と側端の間に延びる凹部を備える。中央切取り部分310は、ピン52aの全体に円筒形の断面の中心部分から切り取られた、楔面320、322を画定するパイ形の楔(a pie-shaped wedge)の形態を有することができる。楔面320、322は、ピン52aの枢動軸53aにおいて90°よりも大きい角度で互いに交わり、鈍角の中央切取り部分310を形成することが望ましい。ピン52aの外面314および中央切取り部分310の楔面320、322は、ばね9aの力に逆らって針ハブ27aを前方位置に保持するために凹部312の内面と相互作用するように設計される。
具体的には、図17に示すように、ピン52aの外面314と針ハブ27aの凹部312の間に干渉係合が確立され、外面314は第1の係合部分の働きをし、それによってばね9aのバイアスに逆らって針ハブ27aが所定の位置に維持される。針カニューレ25aを患者に挿入すると、枢動皮膚センサレバー16aの前方部分49aは、少なくとも針カニューレ25aの高さまで上方へ移動するように強制される。枢動皮膚センサレバー16aの前方部分49aが上方へ移動することにより、ピン52aが、図18に示すように枢動軸53aを軸に枢動する。このような枢動により、楔面320は回転して、針ハブ27aの上面の肩状部316との干渉係合から外れる。そのため、ピン52aは、針ハブ27aを保持している第1の位置から実質的に外れ、針ハブ27aが最小限の距離だけ後方へ摺動することを可能にし、楔面322は、凹部312の前縁のリップ(lip)部分と接触し、それによってばね9aのバイアスに逆らって針ハブ27aをさらに維持する第2の係合部分の働きをする。注射または輸液が続く間、枢動皮膚センサレバー16aはこの構成を維持する。医療処理が完了した後、医療専門家は患者から針カニューレ25aを抜き取る。針カニューレ25aを抜き取ることにより、枢動皮膚センサレバー16aの前方部分49aはその最初の位置に向かって下方へ移動し、それによってピン52aは、枢動軸53aを軸に逆方向へ枢動する。このような戻り方向の枢動によって、楔面320は、肩状部316を巻き、肩状面318に沿うように移動する。肩状面318は、針ハブ27aの上面に沿ってフランジ67aに向かって延びる低い輪郭のチャンネル面まで延びている。このような逆方向または戻り方向の枢動によって、楔面322は枢動し、凹部312の前縁のリップ部分との干渉係合から解放される。このようにすると、針ハブ27aが干渉係合から解放され、それによってばね9aが伸長し、針ハブ27aを基端方向すなわち後方へ推進することが可能になる。針ハブのこのような基端方向への移動は、針ハブ27aの後方端すなわち基端部59aが基端側フランジ101aと接触し、図19に示すように針カニューレ25aの全体が前筒11aおよび後筒13aの内部に安全に配置されると終わる。
本発明の遮蔽機構は、装置を通常どおりに使用すると受動的に作動する。具体的には、患者の皮膚に接触したときおよび/または静脈穿刺中に、安全機構は始動し、チャージされ、患者の皮膚からの針を抜き取った後に針を遮蔽する準備が整う。したがって、針の安全遮蔽を達成するのに、使用者は、能動的なステップを一切取る必要がなく、それにより、通常の操作による有効な安全機構を自動的に提供する。
皮膚センサを備える受動後退針のいくつかの図を参照して本発明の実施形態を説明したが、当業者は変更および改変を実施することができる。したがって、上記の詳細な説明は例示を目的としたものであり、限定を目的としたものではない。本発明の実施形態は添付の特許請求の範囲によって定義される。添付の特許請求の範囲の等価物の意味および範囲に含まれる全ての変更は特許請求の範囲に包含される。