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JP6094641B2 - 赤色蛍光体 - Google Patents

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JP6094641B2
JP6094641B2 JP2015140779A JP2015140779A JP6094641B2 JP 6094641 B2 JP6094641 B2 JP 6094641B2 JP 2015140779 A JP2015140779 A JP 2015140779A JP 2015140779 A JP2015140779 A JP 2015140779A JP 6094641 B2 JP6094641 B2 JP 6094641B2
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Description

本開示は、赤色蛍光体に関する。
発光ダイオードは、窒化ガリウム(GaN)のような金属化合物から生産される半導体発光素子である。この半導体発光素子と蛍光体とを組み合わせて白色や電球色、橙色等に発光する発光装置が種々開発されている。これらの白色等に発光する発光装置は、光の混色の原理によって得られる。白色光を放出する方式としては、紫外線を発光する発光素子と、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)のそれぞれに発光する3種の蛍光体とを用いる方式と、青色を発光する発光素子及び黄色等を発光する蛍光体を用いる方式とが知られている。青色を発光する発光素子と黄色等を発光する蛍光体とを用いる方式の発光装置は、一般照明、車載照明、ディスプレイ、液晶用バックライト等の幅広い分野で求められている。このうち、液晶用バックライト用途に用いる蛍光体としては、色度座標上の広範囲の色を再現するために、発光効率と共に色純度が良いことも求められている。特に液晶用バックライト用途に用いる蛍光体は、カラーフィルターとの組合せの相性が求められ、発光ピークの半値幅の狭い蛍光体が求められている。
特許文献1には、青色域に励起帯を有し、発光ピークの半値幅の狭い赤色蛍光体として、例えば、KSiF:Mn4+、KTiF:Mn4+、KSnF:Mn4+、NaTiF:Mn4+、NaZrF:Mn4+、KSi0.5Ge0.5:Mn4+等の組成を有するフッ化物蛍光体が記載されている。
発光ピークの半値幅の狭い赤色蛍光体として、3.5MgO・0.5MgF・GeO:Mn4+の組成式で表される蛍光体(以下、「MGF蛍光体」ともいう。)が知られている。MGF蛍光体は、波長254nm付近の水銀ランプで励起される赤色蛍光体として知られている。また、MGF蛍光体は、常圧大気下1200℃付近の焼成で作製できるので、製造し易いという利点がある。
特許文献2には、MGF蛍光体中のMgFの全部を、AF(Aは、Ca、Sr、Ba、Zn、又はこれらの混合物である。)で置換した赤色蛍光体が記載されている。特許文献2の実施例3には、波長400nmの光の励起での発光効率が、MGF蛍光体に比べて最大143%向上された赤色蛍光体が開示されている。
特表2009−528429号公報 特開2008−202044号公報
MGF蛍光体は、波長254nm付近の水銀ランプの励起では、発光効率が高い。その一方、波長350〜500nmの光による励起では、発光効率が低下する虞がある。
よって、本開示の一態様は、MGF蛍光体の基本的な特性を有し、波長350〜500nmの光で励起した場合に、発光効率が高い赤色蛍光体を提供することを目的とする。
本発明者は、MGF蛍光体の構成元素の一部を、他の元素で置換することにより、前記課題を解決できることを見出した。
本開示は、以下の態様を包含する。
[1]下記一般式(1)で示される赤色蛍光体。
(x−a−b)MgO・aMO・bM1.5・yMgF・fM・(1−g)GeO・gM1.5:zMn4+ (1)
(式中、x、y、z、a、b、f及びgは、1.144≦x≦11.0、0<y<1.597、0<z<0.1、0<a<1.0、0≦b≦1.0、0<f≦2.0、0≦g<0.484、1.144<(x−a−b)を満たし、さらに、b及びgは、b+g≠0を満たし、
は、Ca、Sr、Ba及びZnからなる群より選択される少なくとも1種の元素であり、
は、Sc、Y、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb及びLuからなる群より選択される少なくとも1種の元素であり、
は、Mg、Ca、Sr、Ba及びZnからなる群より選択される少なくとも1種の元素であり、
は、B、Al、Ga及びInからなる群より選択される少なくとも1種の元素であり、Xは、F、Cl、Br及びIからなる群より選択される少なくとも1種の元素である。ただし、Mは、MgFではない。)
本開示は、以下の態様を包含する。
[2]下記一般式(2)で示される赤色蛍光体。
(x−b)MgO・bM1.5・yMgF・fM・(1−g)GeO・gM1.5:zMn4+ (2)
(式中、x、y、z、b、f及びgは、1.144≦x≦11.0、0<y<1.597、0<z<0.1、0≦b≦1.0、0<f≦2.0、0≦g<0.484、1.144<(x−b)を満たし、さらに、b及びgは,b+g≠0を満たし、
は、Sc、Y、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb及びLuからなる群より選択される少なくとも1種の元素であり、
は、Mg、Ca、Sr、Ba及びZnからなる群より選択される少なくとも1種の元素であり、
は、B、Al、Ga及びInからなる群より選択される少なくとも1種の元素であり、
Xは、F、Cl、Br及びIからなる群より選択される少なくとも1種の元素である。ただし、Mは、MgFではない。)
本開示は、以下の態様を包含する。
[3]下記一般式(3)で示される赤色蛍光体。
(x−c)MgO・cM0.5・yMgF・fM・(1−g)GeO・gM1.5:zMn4+ (3)
(式中、x、y、z、c、f及びgは、1.144≦x≦11.0、0<y<1.597、0<z<0.1、0<c≦1.0、0<f≦2.0、0≦g<0.484、1.144<(x−c)を満たし、
は、Li、Na及びKからなる群より選択される少なくとも1種の元素であり、
は、Mg、Ca、Sr、Ba及びZnからなる群より選択される少なくとも1種の元素であり、
は、B、Al、Ga及びInからなる群より選択される少なくとも1種の元素であり、
Xは、F、Cl、Br及びIからなる群より選択される少なくとも1種の元素である。ただし、Mは、MgFではない。)
本開示は、以下の態様を包含する。
[4]下記一般式(4)で示される赤色蛍光体。
(x−d)MgO・dM2.5・yMgF・fM・(1−g)GeO・gM1.5:zMn4+ (4)
(式中、x、y、z、d、f及びgは、1.144≦x≦11.0、0<y<1.597、0<z<0.1、0<d≦1.0、0<f≦2.0、0≦g<0.484、1.144<(x−d)を満たし、
は、V、Nb及びTaからなる群より選択される少なくとも1種の元素であり、
は、Mg、Ca、Sr、Ba及びZnからなる群より選択される少なくとも1種の元素であり、
は、B、Al、Ga及びInからなる群より選択される少なくとも1種の元素であり、
Xは、F、Cl、Br及びIからなる群より選択される少なくとも1種の元素である。ただし、Mは、MgFではない。)
本開示は、以下の態様を包含する。
[5]下記一般式(5)で示される赤色蛍光体。
(x−e)MgO・eM・yMgF・fM・(1−g)GeO・gM1.5:zMn4+ (5)
(式中、x、y、z、e、f及びgは、1.144≦x≦11.0、0<y<1.597、0<z<0.1、0<e≦1.0、0<f≦2.0、0≦g<0.484、1.144<(x−e)を満たし、
は、Cr、Mo及びWからなる群より選択される少なくとも1種の元素であり、
は、Mg、Ca、Sr、Ba及びZnからなる群より選択される少なくとも1種の元素であり、
は、B、Al、Ga及びInからなる群より選択される少なくとも1種の元素であり、
Xは、F、Cl、Br及びIからなる群より選択される少なくとも1種の元素である。ただし、Mは、MgFではない。)
本開示の一態様によれば、MGF蛍光体の基本的な特性を有し、波長350〜500nmの光で励起した場合に、発光効率が高い赤色蛍光体が提供される。
図1は、実施例12の蛍光体、比較例1の蛍光体及び参考例の蛍光体の発光スペクトルを示す図である。 図2は、実施例3の蛍光体、実施例8の蛍光体、実施例12の蛍光体及び比較例1の蛍光体の励起スペクトルを示す図である。 図3は、本実施態様に係る蛍光体の相対ENG(相対エネルギー)を示す図である。
本開示の一態様を、以下に説明する。ただし、以下に示す実施態様は、本発明の技術思想を具体化するための赤色蛍光体及びそれを用いた発光装置を例示するものである。本発明は、以下のものに限定されない。
なお、色名と色度座標との関係、光の波長範囲と単色光の色名との関係等は、JIS Z8110に従う。具体的には、380nm〜410nmが紫色、410nm〜455nmが青紫色、455nm〜485nmが青色、485nm〜495nmが青緑色、495nm〜548nmが緑色、548nm〜573nmが黄緑色、573nm〜584nmが黄色、584nm〜610nmが黄赤色、610nm〜780nmが赤色である。
本明細書において「工程」との語は、独立した工程だけではなく、他の工程と明確に区別できない場合であってもその工程の所期の目的が達成されれば、本用語に含まれる。また「〜」を用いて示された数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値をそれぞれ最小値及び最大値として含む範囲を示す。さらに組成物中の各成分の含有量は、組成物中に各成分に該当する物質が複数存在する場合、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数の物質の合計量を意味する。
本発明者は、MGF蛍光体組成中のMgFの一部をM(Mg、Ca、Sr、Ba、ZnのF、Cl、Br、I化合物)で置換し、かつ、MGF蛍光体組成中のMgOのMgの一部をM(Ca、Sr、Ba、Zn)、M(Sc、Y、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu)、M(Li、Na、K)、M(V、Nb、Ta)、若しくは、M(Cr、Mo、W)で置換するか、又は、MGF蛍光体組成中のGeO中のGeの一部をM(B、Al、Ga、In)で置換した赤色蛍光体は、発光効率が、MGF蛍光体の発光効率に比べて高いことを見出した。更に、本発明者は、MGF蛍光体組成中のMgFの一部をMで置換し、MGF蛍光体組成中のMgOのMgの一部をM、又は、M及びMで置換し、MGF蛍光体組成中のGeO中のGeの一部をMで置換することにより得られる赤色蛍光体のいくつかは、600〜670nmの波長領域の光の発光効率が、MGF蛍光体の発光効率に比べて200%を超えることを見出した。
以下、第1の赤色蛍光体〜第5の赤色蛍光体について詳細に説明する。
[赤色蛍光体]
(第1の赤色蛍光体)
第1の赤色蛍光体は、下記一般式(1)で示される。
(x−a−b)MgO・aMO・bM1.5・yMgF・fM・(1−g)GeO・gM1.5:zMn4+ (1)
(式中、x、y、z、a、b、f及びgは、1.144≦x≦11.0、0<y<1.597、0<z<0.1、0<a<1.0、0≦b≦1.0、0<f≦2.0、0≦g<0.484、1.144<(x−a−b)を満たし、さらに、b及びgは、b+g≠0を満たし、
は、Ca、Sr、Ba及びZnからなる群より選択される少なくとも1種の元素であり、
は、Sc、Y、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb及びLuからなる群より選択される少なくとも1種の元素であり、
は、Mg、Ca、Sr、Ba及びZnからなる群より選択される少なくとも1種の元素であり、
は、B、Al、Ga及びInからなる群より選択される少なくとも1種の元素であり、Xは、F、Cl、Br及びIからなる群より選択される少なくとも1種の元素である。ただし、Mは、MgFではない。)
一般式(1)において、a、b、f及びgは、0<a<1.0、0≦b≦1.0、0<f≦2.0、0≦g<0.484を満たし、さらに、b及びgは、b+g≠0を満たす。すなわち、第1の赤色蛍光体は、MGF蛍光体組成中のMgFの一部を、Mで置換し、MGF蛍光体組成中のMgOのMgの一部をMで置換し、かつ、MGF蛍光体組成中のMgOのMgの一部をMで置換し、及び/又は、MGF蛍光体組成中のGeO中のGeの一部をMで置換した赤色蛍光体である。
<aMO>
Oは、MgOを置換する成分である。Mは、Ca、Sr、Ba及びZnからなる群より選択される少なくとも1種の元素であり、Ca、SrまたはZnが好ましい。
変数aは、0<a<1.0を満たし、0.094≦a≦0.462を満たすのが好ましい。変数aが、0.094≦a≦0.462を満たすと、発光効率がより大きくなる。
<bM1.5
1.5は、MgOを置換する成分である。Mは、Sc、Y、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb及びLuからなる群より選択される少なくとも1種の元素であり、ScまたはLuが好ましく、Scがより好ましい。
変数bは、0≦b≦1.0を満たす。変数bは、0<b≦1.0を満たすのが好ましく、0<b≦0.495を満たすのがより好ましい。よって、MはScであり、bは0<b≦0.495を満たすのがより好ましい。さらに、変数bが、0.001≦b≦0.320、好ましくは0.006≦b≦0.320を満たすと、発光効率がより大きくなるのでさらに好ましい。
<変数x>
変数xは、1.144≦x≦11.0を満たす。変数xは、赤色蛍光体のMgOサイトの総量を表す。変数xは、2.422≦x≦5.189を満たすのが好ましい。変数xが2.925≦x≦3.1を満たすと、発光効率がより大きくなるのでより好ましい。
第1の赤色蛍光体において、変数x、a及びbは、1.144<(x−a−b)を満たし、2.422≦(x−a−b)≦5.189を満たすのが好ましい。(x−a−b)が、1.144以下であると、MgOサイトを置換するMO又はMO及びM1.5の量が多くなりすぎてしまい、発光効率が小さくなる。
<変数y>
変数yは、MgFの量を表す。変数yは、0<y<1.597を満たす。変数yが1.597を超えると、MgFの量が多くなりすぎてしまい、発光効率が低くなる。また、変数yが0であると、MGF蛍光体の基本的な特性を有さないため、発光効率が低くなる。変数yは、0.160≦y≦1.213を満たすのが好ましい。変数yが0.403≦y≦0.856を満たすと、発光効率がより大きくなるのでより好ましい。
<fM
は、MgFの一部を置換する成分である。Mは、Mg、Ca、Sr、Ba及びZnからなる群より選択される少なくとも1種の元素であり、Ca、Sr、BaまたはZnが好ましく、Caがより好ましい。Xは、F、Cl、Br及びIからなる群より選択される少なくとも1種の元素であり、ClまたはBrが好ましく、Clがより好ましい。Mは、MgCl、CaCl、SrCl、BaCl、ZnCl、MgBr、CaBrが好ましく、CaClがより好ましい。すなわち、MはCaであり、XはClであるのがより好ましい。
変数fは、0<f≦2.0を満たし、0<f≦1.472を満たすのが好ましく、0<f<1.472を満たすのがより好ましい。さらに、変数fが0.296≦f≦0.852を満たすと、発光効率がより大きくなるのでさらに好ましい。また、Mが、CaClでないとき、変数fが0<f≦0.210を満たすと、発光効率がより大きくなるのでさらに好ましい。
変数y及びfについて、「y+f」は、MGF蛍光体のMgFサイトの合計量に相当する。変数y及びfは、0<y+f<3.597を満たし、0<y+f≦3.0を満たすのが好ましく、0<y+f≦2.25を満たすのがより好ましい。
<gM1.5
gM1.5は、GeOを置換する成分である。Mは、B、Al、Ga及びInからなる群より選択される少なくとも1種の元素であり、InまたはGaが好ましく、Gaがより好ましい。
変数gは、0≦g<0.484を満たし、0<g≦0.295を満たすのが好ましく、0.003≦g≦0.295を満たすのがより好ましい。よって、MがGaであり、gが0<g≦0.295を満たすのが好ましく、MがGaであり、gが0.003≦g≦0.295を満たすのがより好ましい。さらに、変数gが0.035≦g≦0.093を満足すると、発光効率がより大きくなるのでさらに好ましい。
<変数z>
変数zは、Mn4+の量を表す。変数zは、0<z<0.1を満たす。変数zが0.1以上であると、Mn4+の量が多くなりすぎてしまい、発光効率が著しく小さくなる。変数zは、0.001≦z≦0.049を満たすのが好ましい。変数zが0.008≦z≦0.026を満たすと、発光効率がより大きくなるのでより好ましい。
<好ましい組合せ>
第1の赤色蛍光体において、好ましい組合せは以下のとおりである。
は、Sc又はLuであり、Xは、Cl又はBrである。
変数aは、0.094≦a≦0.462を満たし、Mは、Sc又はLuであり、Xは、Cl又はBrである。
また、第1の赤色蛍光体において、より好ましい組合せは以下のとおりである。
は、Ca、Sr、Ba及びZnであり、aは、0.094≦a≦0.462を満たし;Mは、Scであり、bは0<b≦0.495を満たし;MはCaであり、XはClであり、fは0<f≦1.472を満たし;MはGaであり、gは0<g≦0.295を満たし;zは0<z<0.1を満たす。
(第2の赤色蛍光体)
第2の赤色蛍光体は、下記一般式(2)で示される。
(x−b)MgO・bM1.5・yMgF・fM・(1−g)GeO・gM1.5:zMn4+ (2)
(式中、x、y、z、b、f及びgは、1.144≦x≦11.0、0<y<1.597、0<z<0.1、0≦b≦1.0、0<f≦2.0、0≦g<0.484、1.144<(x−b)を満たし、さらに、b及びgは,b+g≠0を満たし、
は、Sc、Y、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb及びLuからなる群より選択される少なくとも1種の元素であり、
は、Mg、Ca、Sr、Ba及びZnからなる群より選択される少なくとも1種の元素であり、
は、B、Al、Ga及びInからなる群より選択される少なくとも1種の元素であり、
Xは、F、Cl、Br及びIからなる群より選択される少なくとも1種の元素である。ただし、Mは、MgFではない。)
第2の赤色蛍光体において、b、f及びgは、0≦b≦1.0、0<f≦2.0、0≦g<0.484を満たし、さらにb及びgは、b+g≠0を満たす。すなわち、第2の赤色蛍光体は、MGF蛍光体組成中のMgFの一部をMで置換し、かつ、MGF蛍光体組成中のMgOのMgの一部をMで置換し、及び/又は、MGF蛍光体組成中のGeO中のGeの一部をMで置換した赤色蛍光体である。
第2の赤色蛍光体において、x、y、z、b、f及びgは、好ましい態様を含み、第1の赤色蛍光体で述べたとおりである。
第2の赤色蛍光体において、変数x及びbは、1.144<(x−b)を満たし、2.422≦(x−b)≦5.189を満たすのが好ましい。(x−b)が、1.144以下であると、MgOサイトを置換するM1.5の量が多くなりすぎてしまい、発光効率が小さくなる。
<好ましい組合せ>
第2の赤色蛍光体において、好ましい組合せは以下のとおりである。
は、Sc又はLuであり、Xは、Cl又はBrである。
また、第2の赤色蛍光体において、より好ましい組合せは以下のとおりである。
は、Scであり、bは0<b≦0.495を満たし;MはCaであり、XはClであり、fは0<f≦1.472を満たし;zは0<z<0.1を満たし;かつ、g=0である。
はCaであり、XはClであり、fは0<f≦1.472を満たし;MはGaであり、gは0<g≦0.295を満たし;zは0<z<0.1を満たし;かつ、b=0である。
は、Scであり、bは0<b≦0.495を満たし;MはCaであり、XはClであり、fは0<f≦1.472を満たし;MはGaであり、gは0<g≦0.295を満たし;かつ、zは0<z<0.1を満たす。
は、Scであり、bは0<b≦0.495を満たし;Mは、Mg、Ca、Sr、Ba及びZnであり、Xは、Cl又はBrであり、fは0<f≦1.472を満たし;MはGaであり、gは0<g≦0.295を満たし;zは0<z<0.1を満たす。
(第3の赤色蛍光体)
第3の赤色蛍光体は、下記一般式(3)で示される。
(x−c)MgO・cM0.5・yMgF・fM・(1−g)GeO・gM1.5:zMn4+ (3)
(式中、x、y、z、c、f及びgは、1.144≦x≦11.0、0<y<1.597、0<z<0.1、0<c≦1.0、0<f≦2.0、0≦g<0.484、1.144<(x−c)を満たし、
は、Li、Na及びKからなる群より選択される少なくとも1種の元素であり、
は、Mg、Ca、Sr、Ba及びZnからなる群より選択される少なくとも1種の元素であり、
は、B、Al、Ga及びInからなる群より選択される少なくとも1種の元素であり、
Xは、F、Cl、Br及びIからなる群より選択される少なくとも1種の元素である。ただし、Mは、MgFではない。)
一般式(3)において、c、f及びgは、0<c≦1.0、0<f≦2.0、0≦g<0.484を満たす。すなわち、第3の赤色蛍光体は、MGF蛍光体組成中のMgFの一部をMで置換し、かつ、MGF蛍光体組成中のMgOのMgの一部をMで置換し、場合により、MGF蛍光体組成中のGeO中のGeの一部をMで置換した赤色蛍光体である。
<cM0.5
0.5は、MgOを置換する成分である。Mは、Li、Na及びKからなる群より選択される少なくとも1種の元素であり、Kが好ましい。
変数cは、0<c≦1.0を満たし、0<c<0.495を満たすのが好ましい。変数cが0.001≦c≦0.320、好ましくは0.006≦c≦0.320を満たすと、発光効率がより大きくなるのでより好ましい。
第3の赤色蛍光体において、x、y、z、b、f及びgは、好ましい態様を含み、第1の赤色蛍光体で述べたとおりである。
第3の赤色蛍光体において、変数x及びcは、1.144<(x−c)を満たし、2.422≦(x−c)≦5.189を満たすのが好ましい。(x−c)が、1.144以下であると、MgOサイトを置換するM0.5の量が多くなりすぎてしまい、発光効率が小さくなる。
<好ましい組合せ>
第3の赤色蛍光体において、好ましい組合せは以下のとおりである。
はKであり、Xは、Cl又はBrである。
(第4の赤色蛍光体)
第4の赤色蛍光体は、下記一般式(4)で示される赤色蛍光体である。
(x−d)MgO・dM2.5・yMgF・fM・(1−g)GeO・gM1.5:zMn4+ (4)
(式中、x、y、z、d、f及びgは、1.144≦x≦11.0、0<y<1.597、0<z<0.1、0<d≦1.0、0<f≦2.0、0≦g<0.484、1.144<(x−d)を満たし、
は、V、Nb及びTaからなる群より選択される少なくとも1種の元素であり、
は、Mg、Ca、Sr、Ba及びZnからなる群より選択される少なくとも1種の元素であり、
は、B、Al、Ga及びInからなる群より選択される少なくとも1種の元素であり、
Xは、F、Cl、Br及びIからなる群より選択される少なくとも1種の元素である。ただし、Mは、MgFではない。)
一般式(4)において、d、f及びgは、0<d≦1.0、0<f≦2.0、0≦g<0.484を満たす。すなわち、第4の赤色蛍光体は、MGF蛍光体組成中のMgFの一部をMで置換し、MGF蛍光体組成中のMgOのMgの一部をMで置換し、場合により、MGF蛍光体組成中のGeO中のGeの一部をMで置換した赤色蛍光体である。
<dM2.5
2.5は、MgOを置換する成分である。Mは、V、Nb及びTaからなる群より選択される少なくとも1種の元素であり、Taが好ましい。
変数dは、0<d≦1.0を満たし、0<d<0.495を満たすのが好ましい。変数dが0.001≦d≦0.320、好ましくは0.006≦d≦0.320を満たすと、発光効率がより大きくなるのでより好ましい。
第4の赤色蛍光体において、x、y、z、f及びgは、好ましい態様を含み、第1の赤色蛍光体で述べたとおりである。
第4の赤色蛍光体において、変数x及びdは、1.144<(x−d)を満たし、2.422≦(x−d)≦5.189を満たすのが好ましい。(x−d)が、1.144以下であると、MgOサイトを置換するM2.5の量が多くなりすぎてしまい、発光効率が小さくなる。
<好ましい組合せ>
第4の赤色蛍光体において、好ましい組合せは以下のとおりである。
はTaであり、Xは、Cl又はBrである。
(第5の赤色蛍光体)
第5の赤色蛍光体は、下記一般式で示される赤色蛍光体である。
(x−e)MgO・eM・yMgF・fM・(1−g)GeO・gM1.5:zMn4+
(式中、x、y、z、e、f及びgは、1.144≦x≦11.0、0<y<1.597、0<z<0.1、0<e≦1.0、0<f≦2.0、0≦g<0.484、1.144<(x−e)を満たし、
は、Cr、Mo及びWからなる群より選択される少なくとも1種の元素であり、
は、Mg、Ca、Sr、Ba及びZnからなる群より選択される少なくとも1種の元素であり、
は、B、Al、Ga及びInからなる群より選択される少なくとも1種の元素であり、
Xは、F、Cl、Br及びIからなる群より選択される少なくとも1種の元素である。
ただし、Mは、MgFではない。)
一般式(5)において、e、f及びgは、0<e≦1.0、0<f≦2.0、0≦g<0.484を満たす。第5の赤色蛍光体は、MGF蛍光体組成中のMgFの一部をMで置換し、MGF蛍光体組成中のMgOのMgの一部をMで置換し、場合により、MGF蛍光体組成中のGeO中のGeの一部をMで置換した赤色蛍光体である。
<eM
eMは、MgOを置換する成分である。Mは、Cr、Mo及びWからなる群より選択される少なくとも1種の元素であり、Moが好ましい。
変数eは、0<e≦1.0を満たし、0<e<0.495を満たすのがより好ましい。さらに、変数eが0.001≦e≦0.320、好ましくは0.006≦e≦0.320を満たすと、発光効率がより大きくなるのでさらに好ましい。
第5の赤色蛍光体において、x、y、z、f及びgは、好ましい態様を含み、第1の赤色蛍光体で述べたとおりである。
第5の赤色蛍光体において、変数x及びeは、1.144<(x−e)を満たし、2.422≦(x−e)≦5.189を満たすのが好ましい。(x−e)が、1.144以下であると、MgOサイトを置換するMの量が多くなりすぎてしまい、発光効率が小さくなる。
<好ましい組合せ>
第5の赤色蛍光体において、好ましい組合せは以下のとおりである。
はMoであり、Xは、Cl又はBrである。
[赤色蛍光体の製造方法]
赤色蛍光体は、出発原料を混合して、原料混合物を得る工程、及び、原料混合物を熱処理して、焼成物を得る工程を含む方法により製造できる。
出発原料は、赤色蛍光体を構成する元素の酸化物、水酸化物、フッ化物、臭化物、ヨウ化物、塩化物及び炭酸塩が挙げられる。出発原料は、目的とされる赤色蛍光体の組成比に合わせて所定量秤量される。混合は、公知の混合装置を用いて行うことができる。公知の混合装置としては、高速せん断型ミキサー、ボールミル、V型混合機、撹拌機等が挙げられる。
原料混合物を坩堝等の焼成容器に収容し、熱処理を行なって焼成物を得る。熱処理の雰囲気は、大気雰囲気、N雰囲気、Ar雰囲気中が挙げられ、大気雰囲気が好ましい。
熱処理の温度は、特に限定されないが、1000℃〜1400℃が好ましく、1000〜1300℃がより好ましい。熱処理の温度が1000℃以上であれば、原料の反応が促進される。また、熱処理の温度が1400℃以下であれば、原料又は焼成物の溶融、あるいは原料の一部の揮散による組成の変動の可能性が低減される。
熱処理の時間は、0.5〜20時間とすることができ、4〜12時間が好ましい。熱処理の時間が0.5時間以上であれば、原料の反応が促進される。また、熱処理の時間が20時間以下であれば、原料又は焼成物の溶融、あるいは原料の一部の揮散による組成の変動の可能性が低減される。
上記の方法により赤色蛍光体が得られる。赤色蛍光体における各元素の量は、原料仕込み比にほぼ一致する。
以下、本実施形態を実施例により詳述する。なお、本実施形態は以下に示す実施例のみに限定されない。
実施例1〜20、27〜45が第2の赤色蛍光体であり、実施例21〜26が第1の赤色蛍光体であり、実施例46が第3の赤色蛍光体であり、実施例47が第4の赤色蛍光体であり、実施例48が第5の赤色蛍光体である。
<実施例1〜13、比較例2、3>
原料としてMgO、MgF、CaCl、GeO、MnCOを正確に秤量した。さらに、MgO又はGeOを置換する元素の原料として、Sc又はGaを正確に秤量した後、これらの原料を羽根撹拌式混合機で混合した。この混合した原料を、大気中において1000〜1300℃で4〜12時間焼成することにより、組成式が以下の表1に示される実施例1〜13、比較例2、3の赤色蛍光体を得た。
<比較例1>
組成式3.5MgO・0.5MgF・GeO:0.015Mn4+で表されるMGF蛍光体を、上記実施例と同じ原料及び焼成条件で作製した。このMGF蛍光体を比較例1の蛍光体とした。
Figure 0006094641
<発光スペクトルの測定>
実施例12で得られた赤色蛍光体、比較例1のMGF蛍光体(組成式:3.5MgO・0.5MgF・GeO:0.15Mn4+)、参考例のCASN蛍光体(組成式:CaAlSiN:Eu2+)について、励起波長350〜500nmの光による発光スペクトルを測定した。結果を図1に示す。図1に示されるように、実施例12の赤色蛍光体は、波長350〜500nmの光により励起されて、600〜670nmの波長領域の光を発光していた。また、実施例12の赤色蛍光体は、参考例として示すCASN蛍光体よりも発光スペクトルの半値幅が狭い光を発光していた。
<励起スペクトルの測定>
実施例3、8及び12で得られた赤色蛍光体並びに比較例1のMGF蛍光体について、波長220〜570nmにおける励起スペクトルを測定した。結果を図2に示す。実施例3は、MgFの一部をCaClで置換し、MgOのMgの一部をScで置換(以下、「Sc単独置換」ともいう。)した赤色蛍光体である。実施例8は、MgFの一部をCaClで置換し、GeOの一部をGaO1.5で置換(以下、「Ge単独置換」ともいう。)した赤色蛍光体である。実施例12は、MgFの一部をCaClで置換し、MgOの一部をScO1.5で置換し、GeOの一部をGaO1.5で置換(以下、「Sc/Ga共置換」ともいう。)した赤色蛍光体である。図2に示されるように、実施例3、8及び12の赤色蛍光体は、波長350〜500nmの近紫外光や青色光励起での相対強度が大きくなった。特に、実施例12は、Ga/Sc共置換であり、Sc単独置換である実施例3、Ge単独置換である実施例5に比べて、波長350〜500nmの近紫外光や青色光励起での相対強度がより大きくなった。
<粉体輝度の測定>
実施例1〜13、比較例2、3について、赤色蛍光体の粉体輝度を分光蛍光光度計:F−4500(株式会社日立ハイテクノロジーズ製)を用いて、励起光の波長を440nmとして測定した。波長440nmの光で励起したときの、比較例1(MGF蛍光体)の発光スペクトルのエネルギー値を100%として、各実施例及び比較例の相対的な発光スペクトルのエネルギー値(相対ENG)を求めた。結果を表3に示す。なお、エネルギー値は、発光スペクトルにおける波長460〜830nm範囲の相対的な積分値である。
<蛍光体の組成>
実施例1〜13、比較例2、3について、赤色蛍光体の組成は、ICP分析(誘導結合プラズマ発光分析)や分光光度計によって分析した。結果を表3に示す。
Figure 0006094641
Figure 0006094641
実施例1〜5の赤色蛍光体は、Sc単独置換した赤色蛍光体である。これにより、相対ENGが大きくなった。特に、Sc単独置換において、Scの置換量が0.007〜0.320mol(bが0.007≦b≦0.320)である実施例1〜4の赤色蛍光体は、相対ENGがより大きくなった。
実施例6〜9の赤色蛍光体は、Ge単独置換した赤色蛍光体である。これにより、相対ENGが大きくなった。しかし、Ge単独置換であっても、Gaの置換量が0.484mol(g=0.484)である比較例2は、相対ENGが非常に小さくなった。
実施例10〜13の赤色蛍光体は、Ga/Sc共置換した赤色蛍光体である。特に、Ga/Sc共置換において、Scの置換量が0.050〜0.099mol(bが0.050≦b≦0.099)であり、Gaの置換量が0.050〜0.093mol(gが0.050≦g≦0.093)である実施例11及び12の赤色蛍光体は、相対ENGが200%を超えていた。しかし、Ga/Sc共置換であっても、Gaの置換量が0.496mol(g=0.496)である比較例3は、相対ENGが非常に小さくなった。
図3は、Sc単独置換の実施例2〜6と、Ge単独置換の実施例6〜9、比較例2と、Ga/Sc共置換の実施例10〜13、比較例3とについて、それぞれの各置換量(mol)における440nm励起での相対ENGを示す図である。
図3に示されるように、Scの置換量が0.050〜0.099mol(bが0.050≦b≦0.099)であり、Gaの置換量が0.050〜0.093mol(gが0.050≦g≦0.093)である実施例11及び12は、ほぼ同じ量のSc単独置換の実施例2及び3、並びにほぼ同じ量のGa単独置換の実施例7、8に対して、相対ENGがより大きくなった。これは、価数の異なる元素を特定量で同時に置換することで、電荷補償の効果がより高まり、濃度消光がより抑制されるためであると考えられる。しかし、比較例3は、Gaの置換量が過剰であるため、相対ENGが非常に小さくなった。
<実施例14〜20、比較例4〜6>
原料としてMgO、MgF、CaCl、GeO、MnCOを正確に秤量した。さらに、MgO又はGeOを置換する元素の原料としてSc又はGaを正確に秤量した後、これらの原料を羽根撹拌式混合機で混合した。この混合した原料を、大気中において1000〜1300℃で4〜12時間焼成して、組成式が以下の表4に示される実施例14〜20、比較例4〜6の赤色蛍光体を得た。実施例14〜20、比較例4〜6の赤色蛍光体について、実施例1と同様にして、粉体輝度及び蛍光体の組成を測定した。蛍光体の仕込み比を以下の表5に示す。相対ENG及び蛍光体の組成を以下の表6に示す。
Figure 0006094641
Figure 0006094641
Figure 0006094641
実施例14〜16の赤色蛍光体は、MgOの含有量は異なるが、他の組成比はほぼ一定である。赤色蛍光体中のMgOの含有量が大きくなっても、相対ENGは大きな変化はないが、MgOの含有量が2.422〜5.189mol(x−bが2.422≦(x−b)≦5.189)である実施例14及び15の相対ENGはより大きくなった。しかし、MgOの含有量が1.144mol((x−b)=1.144)である比較例4は、相対ENGは非常に小さくなった。
実施例17〜20、比較例5、6の赤色蛍光体は、MgOとMgFの割合は異なるが、他の組成比は一定である。比較例5は、赤色蛍光体がMgFを含んでいない(y=0)ため、相対ENGは著しく小さかった。実施例17〜20において、MgFの含有量が大きくなると、相対ENGは大きくなった。しかし、MgFの含有量が1.597mol(y=1.597)である比較例6は、相対ENGが非常に小さくなった。
<実施例21〜26、比較例7>
原料としてMgO、MgF、CaCl、GeO、MnCOを正確に秤量した。さらに、MgO又はGeOを置換する元素の原料としてCaCO、SrCO、BaCO、ZnO、Sc、Gaを正確に秤量した後、これらの原料を羽根撹拌式混合機で混合した。この混合した原料を、大気中において1000〜1300℃で4〜12時間焼成して、組成式が以下の表7に示される実施例21〜26、比較例7の赤色蛍光体を得た。実施例21〜26、比較例7の赤色蛍光体について、実施例1と同様にして、粉体輝度及び蛍光体の組成を測定した。蛍光体の仕込み比を以下の表8に示す。相対ENG及び蛍光体の組成を以下の表9に示す。
Figure 0006094641
Figure 0006094641
Figure 0006094641
実施例21〜23、比較例7の赤色蛍光体は、第1の赤色蛍光体において、MgOの一部置換するCaOの含有量が異なるものである。CaOの含有量が1.083mol(a=1.083)である比較例7は、相対ENGが非常に小さくなった。
さらに、実施例24〜26に示されるように、MgOの一部を置換するCaOを、SrO、BaO、ZnOに換えた赤色蛍光体の相対ENGは、実施例21〜23の赤色蛍光体の相対ENGと同様の相対ENGであった。
<実施例27〜36>
原料としてMgO、MgF、CaCl、GeO、MnCOを正確に秤量した。さらに、MgO、GeO又はMgFを置換する元素の原料としてSc、Ga、CaF、MgCl・6HO、SrCl、BaCl、ZnCl、MgBr・6HO、CaBrを正確に秤量した後、これらの原料を羽根撹拌式混合機で混合した。この混合した原料を、大気中において1000〜1300℃で4〜12時間焼成して、組成式が以下の表10に示される実施例27〜36の赤色蛍光体を得た。実施例27〜36の赤色蛍光体について、実施例1と同様にして、粉体輝度及び蛍光体の組成を測定した。蛍光体の仕込み比を以下の表11に示す。相対ENG及び蛍光体の組成を以下の表12に示す。
Figure 0006094641
Figure 0006094641
Figure 0006094641
表12に示されるように、実施例27〜30の赤色蛍光体は、Ga/Sc共置換の第2の赤色蛍光体において、MgFとCaClの割合を変化させているが、他の組成比はほぼ一定にしたものである。赤色蛍光体がMgF及びCaClを特定量で含む実施例28及び29は、相対ENGが200%を超えた。さらに、実施例31〜36に示されるように、MgFの一部を置換するCaClを、MgCl、SrCl、BaCl、ZnCl、MgBr、CaBrとした赤色蛍光体の相対ENGは、実施例27の赤色蛍光体の相対ENGと同様であった。
<実施例37〜40、比較例8>
原料としてMgO、MgF、CaCl、GeO、MnCOを正確に秤量した。さらに、MgO又はGeOを置換する元素の原料としてSc、Gaを正確に秤量した後、これらの原料を羽根撹拌式混合機で混合した。この混合した原料を、大気中において1000〜1300℃で4〜12時間焼成して、組成式が以下の表13に示される実施例37〜40、比較例8の赤色蛍光体を得た。実施例37〜40、比較例8の赤色蛍光体について、実施例1と同様にして、粉体輝度及び蛍光体の組成を測定した。蛍光体の仕込み比を以下の表14に示す。相対ENG及び蛍光体の組成を以下の表15に示す。
Figure 0006094641
Figure 0006094641
Figure 0006094641
実施例37〜40、比較例8の赤色蛍光体は、Ga/Sc共置換の第2の赤色蛍光体において、Mn4+の含有量が異なるが、他の組成比はほぼ一定にしたものである。表15に示されるように、赤色蛍光体中のMn4+の含有量が大きくなると、相対ENGは大きくなった。特に、Mn4+の含有量が0.008〜0.026mol(zが0.008≦z≦0.026)である実施例38〜39は、相対ENGがより大きくなった。しかし、Mn4+の含有量が0.101mol(z=0.101)である比較例8は、濃度消光と考えられる影響により、相対ENGが非常に小さくなった。
<実施例41〜48>
原料としてMgO、MgF、CaCl、GeO、MnCOを正確に秤量した。さらに、MgOを置換する元素の原料としてSc、KCO、Lu、Ta又はMoOを正確に秤量し、GeOを置換する元素の原料としてGa、HBO、In、TiO、SnO又はAlを正確に秤量した後、これらの原料を羽根撹拌式混合機で混合した。この混合した原料を、大気中において1000〜1300℃で4〜12時間焼成して、実施例41〜48の赤色蛍光体を得た。実施例41〜48の赤色蛍光体について、実施例1と同様にして、粉体輝度及び蛍光体の組成を測定した。蛍光体の仕込み比を以下の表17、19、21及び23に示す。相対ENG及び蛍光体の組成を以下の表18、20、22及び24に示す。
Figure 0006094641
Figure 0006094641
Figure 0006094641
Figure 0006094641
Figure 0006094641
Figure 0006094641
Figure 0006094641
Figure 0006094641
Figure 0006094641
表18の実施例41〜45に示されるように、第2の赤色蛍光体において、MgFの一部をCaClで置換し、MgOのMgの一部をLuで置換したり、GeOのGeの一部をB、In又はAlで置換したりしても、MgFの一部をCaClで置換し、MgOのMgの一部をScで置換し、及び/又は、GeOのGeの一部をGaで置換した、第2の赤色蛍光体に係る実施例2、7、11と同様であった。
表20の実施例46に示されるように、MGF蛍光体において、MgFの一部をCaClで置換し、MgOのMgの一部をKで置換し、GeOのGeの一部をBで置換した第3の赤色蛍光体は、発光効率が高い赤色蛍光体である。また、実施例46の赤色蛍光体の発光効率は、実施例46におけるK及びBをSc及びGaとした、第2の赤色蛍光体に係る実施例11の発光効率と同様に向上した。
表22の実施例47に示されるように、MGF蛍光体において、MgFの一部をCaClで置換し、MgOのMgの一部をTaで置換した第4の赤色蛍光体は、発光効率が高い赤色蛍光体である。また、実施例47の赤色蛍光体の発光効率は、実施例47におけるTaの置換量とほぼ同じScの置換量である、第2の赤色蛍光体に係る実施例2の発光効率と同様に向上した。
表24の実施例48に示されるように、MGF蛍光体において、MgFの一部をCaClで置換し、MgOのMgの一部をMoで置換した第5の赤色蛍光体は、発光効率が高い赤色蛍光体である。また、実施例48の赤色蛍光体の発光効率は、実施例48におけるMo及びGaの置換量とほぼ同じSc及びGaの置換量である、第2の赤色蛍光体に係る実施例11の発光効率と同様に向上した。
本開示の一態様に係る赤色蛍光体は、紫外光を放射するランプや近紫外や可視光を放射する発光ダイオードと組み合わせて、高効率で赤色を発光する発光装置、又は他の蛍光体などと組み合わせて白色系の混色光を含む様々な色の発光装置や表示装置として利用することができる。

Claims (13)

  1. 下記一般式(1)で示される赤色蛍光体。
    (x−a−b)MgO・aMO・bM1.5・yMgF・fM・(1−g)GeO・gM1.5:zMn4+ (1)
    (式中、x、y、z、a、b、f及びgは、2.422≦x≦11.0、0<y<1.597、0<z<0.1、0<a<1.0、0≦b≦1.0、0<f≦2.0、0≦g<0.484、1.144<(x−a−b)を満たし、さらに、b及びgは、b+g≠0を満たし、
    は、Ca、Sr、Ba及びZnからなる群より選択される少なくとも1種の元素であり、
    は、Sc、Y、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb及びLuからなる群より選択される少なくとも1種の元素であり、
    は、Mg、Ca、Sr、Ba及びZnからなる群より選択される少なくとも1種の元素であり、
    は、B、Al、Ga及びInからなる群より選択される少なくとも1種の元素であり、
    Xは、F、Cl、Br及びIからなる群より選択される少なくとも1種の元素である。ただし、Mは、MgFではない。)
  2. 下記一般式(2)で示される赤色蛍光体。
    (x−b)MgO・bM1.5・yMgF・fM・(1−g)GeO・gM1.5:zMn4+ (2)
    (式中、x、y、z、b、f及びgは、2.422≦x≦11.0、0<y<1.597、0<z<0.1、0≦b≦1.0、0<f≦2.0、0≦g<0.484、1.144<(x−b)を満たし、さらに、b及びgは,b+g≠0を満たし、
    は、Sc、Y、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb及びLuからなる群より選択される少なくとも1種の元素であり、
    は、Mg、Ca、Sr、Ba及びZnからなる群より選択される少なくとも1種の元素であり、
    は、B、Al、Ga及びInからなる群より選択される少なくとも1種の元素であり、
    Xは、F、Cl、Br及びIからなる群より選択される少なくとも1種の元素である。ただし、Mは、MgF 及びCaF ではない。)
  3. 下記一般式(4)で示される赤色蛍光体。
    (x−d)MgO・dM2.5・yMgF・fM・(1−g)GeO・gM1.5:zMn4+ (4)
    (式中、x、y、z、d、f及びgは、2.422≦x≦11.0、0<y<1.597、0<z<0.1、0<d≦1.0、0<f≦2.0、0≦g<0.484、1.144<(x−d)を満たし、
    は、V、Nb及びTaからなる群より選択される少なくとも1種の元素であり、
    は、Mg、Ca、Sr、Ba及びZnからなる群より選択される少なくとも1種の元素であり、
    は、B、Al、Ga及びInからなる群より選択される少なくとも1種の元素であり、
    Xは、F、Cl、Br及びIからなる群より選択される少なくとも1種の元素である。ただし、Mは、MgFではない。)
  4. 下記一般式(5)で示される赤色蛍光体。
    (x−e)MgO・eM・yMgF・fM・(1−g)GeO・gM1.5:zMn4+ (5)
    (式中、x、y、z、e、f及びgは、2.422≦x≦11.0、0<y<1.597、0<z<0.1、0<e≦1.0、0<f≦2.0、0≦g<0.484、1.144<(x−e)を満たし、
    は、Cr、Mo及びWからなる群より選択される少なくとも1種の元素であり、
    は、Mg、Ca、Sr、Ba及びZnからなる群より選択される少なくとも1種の元素であり、
    は、B、Al、Ga及びInからなる群より選択される少なくとも1種の元素であり、
    Xは、F、Cl、Br及びIからなる群より選択される少なくとも1種の元素である。ただし、Mは、MgFではない。)
  5. 前記Mは、Sc又はLuであり、前記Xは、Cl又はBrである、請求項1又は2に記載の赤色蛍光体。
  6. 前記MはScであり、bは0<b≦0.495を満たす、請求項5に記載の赤色蛍光体。
  7. 前記MはTaであり、前記Xは、Cl又はBrである、請求項に記載の赤色蛍光体。
  8. 前記MはMoであり、前記Xは、Cl又はBrである、請求項に記載の赤色蛍光体。
  9. 前記MはCaであり、前記XはClである、請求項5から8のいずれか一項に記載
    の赤色蛍光体。
  10. fは、0<f≦1.472を満たす、請求項5から9のいずれか一項に記載の赤色蛍光体。
  11. 前記MはGaであり、gは0<g≦0.295を満たす、請求項5から10のいずれか一項に記載の赤色蛍光体。
  12. aは、0.094≦a≦0.462を満たし、前記Mは、Sc又はLuであり、前記Xは、Cl又はBrである、請求項1に記載の赤色蛍光体。
  13. zは、0.001≦z≦0.049を満たす、請求項2に記載の赤色蛍光体。
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