JP6093916B2 - コンベヤベルトを電解研磨または電気めっきするシステムおよび方法 - Google Patents

Description

特許請求の範囲に記載されている発明の実施形態は、電解研磨および電気めっきに関し、より詳しくは、コンベヤベルトなどの、相互連結された構成要素の連続アセンブリの局部領域を電解研磨または電気めっきするシステムおよび方法に関する。

コンベヤベルトシステムは、様々な産業分野で資材の運搬管理や加工のために使用されている。例えば、コンベヤシステムは、食品がコンベヤベルトの支持面に載せられ、ある箇所から別の箇所に搬送されている間に加工される食品加工システムで使用される。食品加工システムにおいて特に普及しているモジュラーコンベヤベルトを含めて、様々なタイプのコンベヤベルトが存在する。さらに、コンベヤシステムは、多数の物品をコンベヤシステム内に保管することを可能にする、Ｌａｙｎｅらによる米国特許第５０７０９９９号明細書に開示されるようなヘリカルアキュムレータに使用されることも多い。

食品加工産業では、コンベヤベルトが衛生的であることが最重要である。これを達成するために、コンベヤベルトは、従来は、定期的に拭き掃除、洗浄、および／または蒸気処理が行われている。しかし、コンベヤベルトは極めて長いことも多く、数百フィートやともすれば数千フィートに及ぶ。これらの場合、ベルトを清浄化することが困難なことがあり、その衛生を維持するのに必要な完全な工程に起因して、経時的に耐久性が減退する恐れがある。

電解研磨および電気めっきは、以前から多数の用途に使用されている。Ｓｅｔｏらによる米国特許第４８９５６３３号明細書には、鋼帯、鋼板、および鋼線にめっきを施す従来の溶融塩電気めっき装置が開示されている。鋼帯が、ペイオフリールから連続的に巻き解かれ、ルーパを通過し、前処理装置に送られる。次に、鋼帯が電気めっき溶液中に浸漬された電極間を通過する際に鋼帯の表面のめっきが行われる。次いで、鋼帯は、洗浄され、乾燥され、ルーパおよび剪断機を通過し、次いでテンションリールに巻き付けられる。

Ｆａｒｒｉｓらによる米国特許第７４０７０５１Ｂ１号明細書には、ノズルレスコンベヤベルトおよびスプロケット清浄装置用のステンレス鋼スプロケット支持シャフトが開示されている。ステンレス鋼スプロケットは電解研磨によって表面仕上げされていてもよい。Ｃａｒｅｙ，ＩＩらによる米国特許第５４９１０３６号明細書には、炭素鋼に錫コーティングを施す電解プロセスが全体として開示されている。

米国特許第５０７０９９９号明細書 米国特許第４８９５６３３号明細書 米国特許第７４０７０５１Ｂ１号明細書 米国特許第５４９１０３６号明細書

上記の特許は、様々な材料を電解研磨または電気めっきする様々な方法を提示する。しかし、特に食品加工に使用されるコンベヤベルトに関し、衛生状態および製品解放特性を向上させる、金属コンベヤベルトを電解研磨および電気めっきするシステムおよび方法の必要性が未だに存在する。また、コンベヤベルト上の摩耗および摩擦を低減する、金属コンベヤベルトを電解研磨および電気めっきするシステムおよび方法の必要性が存在する。金属コンベヤベルトの局部領域を電解研磨し電気めっきするシステムおよび方法の必要性がさらに存在する。

上記に鑑みて、本発明の一態様では、金属コンベヤベルトの局部領域用の連続電解研磨および／または電気めっきプロセスを提供する。このプロセスは、衛生状態の向上、製品解放特性の向上、より輝いた外観、溶接変色の除去、および摩耗および摩擦の低減などの利点を提供し、このことは食品加工に使用されるコンベヤベルトにとって特に重要である。

製品を電解液槽に導き入れ導き出すローラを廻って製品が案内される従来の研磨プロセスとは対照的に、本発明の実施形態は、ある方向に連続的に流れる電解液が供給されるハウジングの中に製品を通す。それによって、電気めっきまたは電解研磨を、コンベヤベルトの縁部など、製品の特定の領域に目標を定めて行うことができ、真直ぐな製品を変形させることなくハウジングを通過させることができる（すなわち、ローラによって液槽に導き入れ導き出す必要がないので）。これが、システムに必要な電解液の量を減少させ、作業中に電解液に人間が曝されることを減少させ、電解液の蒸発および環境汚染を減少させ、電解液を研磨領域から迅速に除去することができるので段取り時間を減少させ、電流および流体流量を最適化して従来のプロセスに比較して効率を向上させる。さらに、使用済みの電解液の槽内の溶液ではなくて、新鮮な電解液を研磨部位に集中することができて、より効率的な電解研磨または電気めっきを行える。

ベルトは、出荷および輸送を容易にするために、通常５０〜１００フィートのより小さな区分に分割することができる。これら区分は、連続プロセスを維持するために、ベルトの次のロールの前端をベルトの先行するロールの後端に連結するなど、連続的に連結することができる。これら区分は、プロセス後に切り離され、別々の巻取りロールに収められる。また、先導チェーンを、張力を保ちながらベルトの両端を液槽に導き入れ導き出すために使用することができる。めっき材や電解液材などのプロセスに使用される材料は、例えば電気めっきおよび電気めっきに現在使用されている、または開発される可能性のある任意の適切なタイプのものでよい。

一実施形態によれば、コンベヤベルトを電解研磨または電気めっきするシステムが説明される。そのシステムは、導電体と、コンベヤベルトの一部分を受け入れるように構成された開口とを備えるハウジングと、開口内に設けられたシールと、電解液をハウジングに供給するように構成されたインレットと、コンベヤベルトに電流を流すように構成された電気接触子とを備える。

別の実施形態によれば、コンベヤベルトを電解研磨または電気めっきする方法が説明される。その方法は、導電体およびシールを備えるハウジングを通してコンベヤベルトの一部分を導くステップと、電気接触子を用いてコンベヤベルトに電流を流すステップと、インレットを通して電解液をハウジングに供給するステップであって、それによってコンベヤベルトの一部分を電気めっきまたは電解研磨する、ステップとを含む。

本発明のさらに他の態様、特徴、および利点が、本発明を実施するために考えられた最良の形態を含めて多数の例示的実施形態および実行形態を単に説明することによって、以下の詳細な記述から容易に明らかになる。本発明には、また、他の様々な実施形態が可能であり、本発明の種々の細部は、全て本発明の精神および範囲から逸脱することなく、様々な点で変更することができる。したがって、諸図面および諸説明は、全く例示的なものであり、限定するものではないと見なされるべきである。

本発明は、以下に示される詳細な説明、および添付された本発明の様々な実施形態の図面からより完全に理解されるであろう。ただし、それら説明および添付図面は、本発明を特定の実施形態に限定するものと解釈すべきでなく、説明および理解のためのみのものである。

一実施形態による、相互連結された構成要素の連続アセンブリを電解研磨または電気めっきするシステムの斜視図である。 一実施形態による、相互連結された構成要素の連続アセンブリを電解研磨または電気めっきするシステムの斜視図である。 一実施形態による、相互連結された構成要素の連続アセンブリを電解研磨または電気めっきするシステムの斜視図である。

相互連結された構成要素の連続アセンブリを電解研磨または電気めっきするシステムおよび方法が記述される。以下の記述では、説明を目的として、例示的実施形態の完全な理解を可能にするために多数の特定の詳細事項に言及する。しかし、本発明が、それら特定の詳細事項なしに、または同等な構成によって実施することができることは、当業者にとって明らかである。

ここで、図面を参照すると、複数の図を通して同じ参照番号は同一または対応する部品を表すが、図１は、一実施形態による、相互連結された構成要素の連続アセンブリを電解研磨または電気めっきするシステムの斜視図である。この実施形態では、相互連結された構成要素の連続アセンブリはコンベヤベルト１０５である。図１に示されるように、２つのハウジング１１５Ａおよび１１５Ｂが、それぞれ縁部リンク１２０Ａおよび縁部リンク１２０Ｂを電解研磨または電気めっきするために、コンベヤベルト１０５の両縁部に配置されている。ただし、一部の実施形態では、ただ１つのみのハウジング１１５Ａまたは１１５Ｂをコンベヤベルト１０５の１つの縁部に配置して、それぞれただ１つのみの縁部リンク１２０Ａまたは縁部リンク１２０Ｂを電解研磨または電気めっきすることができる。単に説明のために図１ではハウジング１１５Ｂが切り欠かれており、実際には、ハウジング１１５Ｂの外観はハウジング１１５Ａに類似していることを理解されたい。さらに、ハウジング１１５Ａの内部は、ハウジング１１５Ｂについて示されている内部と類似していることを理解されたい。図１には示されていないが、縁部ガードやレーン分割部など、コンベヤベルトの他のフィーチャを縁部リンク１２０Ａおよび縁部リンク１２０Ｂと共に、またはそれらの代わりに電解研磨または電気めっきしてもよいことを理解されたい。

コンベヤベルト１０５に接触して配置された電気接触子１１０Ａおよび１１０Ｂが、コンベヤベルト１０５をアノード（電解研磨の場合）またはカソード（電気めっきの場合）にする。安定したコンベヤベルト１０５との接触および安定した電流を確保するために、電気接触子１１０Ａおよび／または電気制御１１０Ｂに力を掛けてもよい。そのような力は、スプリング、空気圧システム、油圧システム、重力、および／または同様な手段によって加えることができる。一実施形態では、電気接触子１１０Ａおよび／または電気接触子１１０Ｂは、コンベヤベルト１０５の寸法の変化を許容するために、移動可能であり、または浮動している。

この実施形態では、導電体１２５Ｂが、ハウジング１１５Ｂ内に配置され、カソード（電解研磨の場合）またはアノード（電気めっきの場合）として働く。同様に、導電体（図示せず）が、ハウジング１１５Ａ内に配置され、カソード（電解研磨の場合）またはアノード（電気めっきの場合）として働く。この実施形態では、導電体１１５Ｂは、コンベヤベルト１０５の溶接部１３５Ｂでの研磨またはめっきを目標として、縁部リンク１２０Ｂの縁に近接して配置されている。ただし、導電体１１５Ｂは、電解研磨または電気めっきされるあらゆる特定の領域に近接するいかなる位置にでも配置することができることが企図される。

一実施形態では、ハウジング１１５Ａおよびハウジング１１５Ｂが銅または別の導電材で製作されており、ハウジング１１５Ａまたはハウジング１１５Ｂ内部の導電体と共に、またはそれなしで、ハウジング自体をカソード（電解研磨の場合）またはアノード（電気めっきの場合）として働かせることができる。ハウジング１１５Ａ、ハウジング１１５Ｂ、および導電体（すなわち、ハウジング１１５Ａ内部の導電体および導電体１２５Ｂ）は、均等な研磨を行うために、導電体の表面が縁部リンク１２０Ａおよび縁部リンク１２０Ｂの全ての表面から等間隔になるように、寸法設定し配置することができる。ブッシングや有孔ライナなどの任意の実効的構成で非導電性摩耗面をハウジング１１５Ａおよびハウジング１１５Ｂ内に配置して、導電体とコンベヤベルト１０５との間に電流が流れることを可能にしながら、コンベヤベルト１０５と導電体との接触を防止することができる。

矩形で細長い形状として図示されているが、ハウジング１１５Ａおよびハウジング１１５Ｂは、本明細書に記載の電解研磨または電気めっきを達成するのに適切ないかなる形状または大きさでもよいことが企図される。さらに、ハウジング１１５Ａおよびハウジング１１５Ｂは、単体として構成してもよく、本体および取外し可能な蓋など、分離可能な構成要素から組み立ててもよい。

電解液を、ハウジング１１５Ａおよびハウジング１１５Ｂの全長に沿った任意の箇所から導き入れることができる。この実施形態では、電解液は、インレット１３０Ａを経由してハウジング１１５Ａ内に導かれる。電解液が、同様なインレット（図示せず）を経由してハウジング１１５Ｂ内に導入されることを理解されたい。電解液は、ハウジング１１５Ａおよび１１５Ｂの中をどちらの方向にでも、すなわちハウジング１１５Ａおよび１１５Ｂの中をコンベヤベルト１０５が移動する方向に、またはハウジング１１５Ａおよび１１５Ｂの中をコンベヤベルト１０５が移動する方向とは反対に流れることができる。

一実施形態では、ハウジング１１５Ａおよび１１５Ｂは、電解液が流れ出ることができ、コンベヤベルト１０５が通り抜けることができるように両端で開口している。別の実施形態では、電解液流出用に別個のオリフィスが設けられている。流出オリフィスは、電解研磨または電気めっきプロセス中に発生するガスの除去を容易にするために、上向き方向に配置することができる。オリフィスは流出量を制限するように寸法設定され、ハウジング１１５Ａおよび１１５Ｂにはそれぞれシール１４０Ａおよび１４０Ｂが設けられ、それによって、ハウジング１１５Ａおよび１１５Ｂが、有効な電解研磨または電気めっきを行えるレベルまで充満される。シール１４０Ａおよび１４０Ｂは、液体の流れを完全に止める必要はなく、ハウジングを充満させるのに足りるだけ液体の流れを制限すればよい。例示的シールは、ゴムの薄板またはブラシから製作してもよい。

図２は、別の実施形態による、相互連結された構成要素の連続アセンブリを電解研磨または電気めっきするシステムの斜視図である。この実施形態では、相互連結された構成要素の連続アセンブリは、電解研磨または電気めっきされる複数の中央リンク２２０を有するコンベヤベルト２０５である。中央リンク２２０は、コンベヤベルト２０５の両縁間に配置されたあらゆるリンクであり、必ずしもコンベヤベルト２０５の両縁間の中央にある必要はない。中央リンク２２０は、コンベヤベルト２０５に側方への所望の旋回半径を生じさせ、その縁部リンクの伸縮を制御するために配置されている。単一のハウジング２１５が、中央リンク２２０を電解研磨または電気めっきするために、コンベヤベルト２０５の幅の途中に配置されている。ハウジング２１５は、単に説明上、図２では切り欠かれており、使用されるハウジング２１５は矩形形状であることを理解されたい。図２に示されていないが、縁部ガードやレーン分割部など、コンベヤベルトの他のフィーチャを中央リンク２２０と共に、またはそれらの代わりに電解研磨または電気めっきしてもよいことが企図される。さらに、単一のハウジング２１５および単一列の中央リンク２２０について図示および説明されているが、複数列の中央リンク２２０や電解研磨または電気めっきされる複数の他のフィーチャ、ならびにそれらに伴うハウジングが存在し得ることが企図される。

電気接触子２１０Ａおよび２１０Ｂが、図１の電気接触子１１０Ａおよび１１０Ｂに関して説明したのと同様に、コンベヤベルト２０５に接して配置されている。導電体２２５が、ハウジング２１５内に配置され、カソード（電解研磨の場合）またはアノード（電気めっきの場合）として働く。この実施形態では、導電体２２５は、ハウジング２１５の底部、中央リンク２２０の溶接縁部２３５Ａおよび２３５Ｂの両方の下に配置されている。ただし、導電体２２５は、電解研磨または電気めっきされるあらゆる特定の領域に近接するいかなる位置にでも配置することができることが企図される。

図１におけると同様に、ハウジング２１５は銅または他の導電材で製作することができ、ハウジング２１５内部の導電体と共に、またはそれなしで、ハウジング自体をカソード（電解研磨の場合）またはアノード（電気めっきの場合）として働かせることができる。ハウジング２１５および導電体２２５は、均一な研磨を行うために、導電体２２５の面が中央リンク２２０の全ての面から等間隔になるように寸法設定し配置することができる。ブッシングや有孔ライナなどの任意の実効的構成で非導電性摩耗面をハウジング２２５内に配置して、導電体とコンベヤベルト２０５との間に電流が流れることを可能にしながら、コンベヤベルト２０５と導電体との接触を防止することができる。

矩形で細長い形状として図示されているが、ハウジング２１５は、本明細書に記載の電解研磨または電気めっきを達成するのに適切ないかなる形状または大きさでもよいことが企図される。さらに、ハウジング２１５は、単体として構成してもよく、本体および取外し可能な蓋など、分離可能な構成要素から組み立ててもよい。

電解液が、図１に関して説明されているのと同様に、ハウジング２１５の長さおよび幅に関して中央位置にあるインレット２３０を経由して導入される。電解液は、ハウジング２１５の中をどちらの方向にでも、すなわちハウジング２１５の中をコンベヤベルト２０５が移動する方向に、またはハウジング２１５の中をコンベヤベルト２０５が移動する方向とは反対に流れることができる。

この実施形態では、ハウジング２１５は、電解液が流れ出ることができ、コンベヤベルト２０５が通り抜けることができるように両端で開口している。図１に関して上記で説明されているように、電解液流出用に別個のオリフィスを代わりに設けることができる。ハウジング２１５にはシール２４０が設けられ、それによって、電解液の損失を最小限に抑えながら、ハウジング２１５が、有効な電解研磨または電気めっきを行えるレベルまで充満される。この実施形態では、シール２４０が、中央リンク２２０の両側に配置されている。別々の実施形態として図示および説明されているが、図１の実施形態を図２の実施形態と組み合わせることによって、コンベヤベルトの縁部リンクおよび中央リンクの両方を同時に研磨することができることが企図される。

図３は、一実施形態による、相互連結された構成要素の連続アセンブリを電解研磨または電気めっきするシステムの斜視図である。この実施形態では、相互連結された構成要素の連続アセンブリはコンベヤベルト３０５である。連続的電解研磨または電気めっきプロセスを形成するために、コンベヤベルト３０５が、送込みロール３４０から巻き解かれ、方向Ａに移動して清浄ステーション３４５に入る。清浄ステーション３４５は、例えば、コンベヤベルト３０５の縁部リンクを清浄し、脱脂する。コンベヤベルト３０５は、次いで、洗浄ステーション３５０で洗浄される。

電気めっきまたは電解研磨が、電気めっき／電解研磨ステーション３５５で達成される。２つの電気めっき／電解研磨ステーション３５５が図示されているが、単一の電気めっき／電解研磨ステーション３５５を設けることもでき、あるいは多数の電気めっき／電解研磨ステーション３５５を連続して設けることもできることが企図される。電気めっき／電解研磨ステーション３５５は、コンベヤベルトの一方の縁部を研磨するハウジング３１５Ａ、ならびにコンベヤベルト３５５の反対側の縁部を研磨する、ハウジング３１５Ａとは反対側のハウジング（図示せず）を有する。ハウジング３１５Ａならびに反対側のハウジングは、それぞれ、図１のハウジング１１５Ａおよび１１５Ｂに類似または同一でよいことが企図される。さらに、本明細書ではハウジング３１５Ａについてのみ図示され説明されているが、反対側のハウジングにおいても類似または同一のプロセスを実行することができることが企図される。図３には示されていないが、縁部ガードやレーン分割部など、コンベヤベルトの他のフィーチャを、コンベヤベルト３０５の縁部リンクと共に、またはそれらの代わりに電解研磨または電気めっきしてもよいことが企図される。

コンベヤベルト３０５に接触して配置された電気接触子が、コンベヤベルトをアノード（電解研磨の場合）またはカソード（電気めっきの場合）にする。導電体が、ハウジング３１５Ａ内に配置され、カソード（電解研磨の場合）またはアノード（電気めっきの場合）として働く。電解液が、インレット３３０Ａを経由してハウジング３１５Ａに供給され、ハウジング３１５Ａ内のコンベヤベルト３０５の縁部リンクを電解液に浸漬する。

電気めっきに関しては、電流が導電体に流され、導電体を構成する金属原子を酸化し、それら金属原子を電解液中に溶解させる。溶解された金属イオンが、電場によってコンベヤベルト３０５へ移動させられ、コンベヤベルト３０５を覆い、コンベヤベルト３０５の表面に金属物質層を堆積する。

電解研磨に関しては、電流が、コンベヤベルト３０５に流され、コンベヤベルト３０５の表面の金属原子を酸化し、それら金属原子を電解液中に溶解させる。電解液中に溶解された金属イオンは、電場によって導電体へ移動させられる。それによって、より滑らかな研磨面がコンベヤベルト３０５上に生じる。

コンベヤベルト３０５は、電解研磨または電気めっきされた後は、後処理ステーション３６０（そこでコンベヤベルト３０５は、例えば硝酸洗浄を受ける）に移動し、次いで、洗浄ステーション３６５で最終洗浄を受ける。任意選択で、コンベヤベルト３０５は、ドライヤ（図示せず）を通って移動することができる。コンベヤベルト３０５は、巻取りロール３７０上へ移動する。コンベヤベルト３０５は、例えばシステム駆動装置またはモータなどの任意の適切な手段によって、送込みロール３４０から巻取りロール３７０まで移動させることができることが企図される。縁部リンクの電解研磨または電気めっきに関して図示し説明したが、図３は、その代わりにあるいはそれに加えて、存在するならば中央リンクを電解研磨または電気めっきするように修正することができることが企図される。

本明細書ではコンベヤベルトに関して説明されているが、本明細書に記載の方法およびシステムは、チェーンまたは他の相互連結された構成要素の連続アセンブリを含めて、あらゆる巻上可能かつ／または導電性の機材に適用することができることが企図される。記載された実施形態によって適用される電解研磨または電気めっきは、特に食品加工用途に関して、衛生状態を改善し、処置される部品上の摩耗および摩擦を低減し、製品解放特性を向上する結果になる。

本発明が、特定の例に関して説明されてきたが、それら例は、全ての点で、限定するものではなく例示的であることを意図している。当業者は、材料および構成要素の多様な組合せが、本発明を実施するのに適していることを理解するであろう。

本明細書に開示された本発明の明細事項および手法を考察することによって、当業者には、本発明の他の実行形態が明らかになるであろう。記載された実施形態の様々な態様および／または構成要素は、単独に、または任意の組合せで使用することができる。明細事項および諸例は、単に例示として考えられること意図しており、本発明の真の範囲および精神は、添付特許請求の範囲によって示される。

Claims (29)

1. 複数のリンクの列によって互いに連結された複数のロッドを含むコンベヤベルトを電解研磨または電気めっきするシステムであって、
   導電体と、前記複数のリンクの列の第１のリンクの列を受け入れるように構成された開口とを備えるハウジングと、
   前記開口内に設けられ、前記第１のリンクの列が前記ハウジングを通過するとき、前記第１のリンクの列から延びた前記複数のロッドが前記ハウジングの外側に延びることを可能にし、電解液が前記ハウジングから流出するのを制限するように構成されたシールと、
   前記電解液を前記ハウジングに供給するように構成された供給口と、
   前記コンベヤベルトに電流を流すように構成された電気接触子と
   を備えるシステム。
2. 前記電気接触子が、スプリング張力、空気圧力、油圧力、および重力の少なくとも１つによって、前記コンベヤベルトに当接する位置に保持される、請求項１に記載のシステム。
3. 前記ハウジングから電解液を排出するように構成された排出口をさらに備える、請求項１に記載のシステム。
4. 前記ハウジングが細長い、請求項１に記載のシステム。
5. 前記第１のリンクの列から延びる前記複数のロッドが前記ハウジングの反対側で外側に延びることを可能にするように構成された一対のシールを含み、前記第１のリンクの列が中央リンクを備える、請求項１に記載のシステム。
6. 第２の導電体と、第２の開口とをそれぞれが備える１つまたは複数の第２のハウジングであって、各第２の開口が、前記複数のリンクの列の第２のリンクの列を受け入れるように構成されている、１つまたは複数の第２のハウジング
   をさらに備え、
   各第２の開口が、前記第２のリンクの列から延びた前記複数のロッドが前記各第２のハウジングの外側に延びることを可能にし、電解液が前記各第２のハウジングから流出するのを制限するように構成された第２のシールを有し、
   各第２のハウジングが、前記電解液を前記第２のハウジングに供給するように構成された第２の供給口を有し、
   前記各第２のリンクの列が中央リンクを備える、
   請求項５に記載のシステム。
7. 前記第１のリンクの列が第１の縁部リンクを備える、請求項１に記載のシステム。
8. 第２の導電体と、第２のリンクの列を受け入れるように構成された前記第２の開口とを備える第２のハウジングと、
   前記第２の開口内に設けられ、前記第２のリンクの列から延びる前記複数のロッドが前記第２のハウジングの外側に延びることを可能にし、電解液が前記第２のハウジングから流出するのを制限するように構成された第２のシールと、
   前記電解液を前記第２のハウジングに供給するように構成された第２の供給口と
   をさらに備える、請求項７に記載のシステム。
9. 前記第２のリンクの列から延びる前記複数のロッドが前記第２のハウジングの反対側で前記第２のハウジングの外側に延びることを可能にするように構成された一対の第２のシールを含み、前記第２のリンクの列が中央リンクを備える、請求項８に記載のシステム。
10. 第３の導電体と、第３の開口とをそれぞれが備える１つまたは複数の第３のハウジングであって、各第３の開口が、前記複数のリンクの列の第３のリンクの列を受け入れるように構成されている、１つまたは複数の第３のハウジング
    をさらに備え、
    各第３の開口が、前記第３のリンクの列から延びる前記複数のロッドが前記各第３のハウジングの外側に延びることを可能にし、電解液が前記各第３のハウジングから流出するのを制限するように構成された第３のシールを有し、
    各第３のハウジングが、前記電解液を前記第３のハウジングに供給するように構成された第３の供給口を有し、
    前記各第３のリンクの列が中央リンクを備える、
    請求項９に記載のシステム。
11. 前記第２のリンクの列が第２の縁部リンクを備える、請求項８に記載のシステム。
12. 第３の導電体と、第３のリンクの列を受け入れるように構成された前記第３の開口とを備える第３のハウジングと、
    前記第３の開口内に設けられ、前記第３のリンクの列から延びる前記複数のロッドが前記各第３のハウジングの外側に延びることを可能にし、電解液が前記各第３のハウジングから流出するのを制限するように構成された第３のシールと、
    前記電解液を前記第３のハウジングに供給するように構成された第３の供給口と
    をさらに備える、請求項１１に記載のシステム。
13. 前記第３のリンクの列から延びる前記複数のロッドが前記第３のハウジングの反対側で前記第３のハウジングの外側に延びることを可能にするように構成された一対の第３のシールを含み、前記第３のリンクの列が中央リンクを備える、請求項１２に記載のシステム。
14. 第４の導電体と、第４の開口とをそれぞれが備える１つまたは複数の第４のハウジングであって、各第４の開口が、前記複数のリンクの列の第４のリンクの列を受け入れるように構成されている、１つまたは複数の第４のハウジング
    をさらに備え、
    各第４の開口が、前記第４のリンクの列から延びる前記複数のロッドが前記各第４のハウジングの外側に延びることを可能にし、電解液が前記各第４のハウジングから流出するのを制限するように構成された第４のシールを有し、
    各第４のハウジングが、前記電解液を前記第４のハウジングに供給するように構成された第４の供給口を有し、
    前記各第４のリンクの列が中央リンクを備える、
    請求項１３に記載のシステム。
15. 複数のリンクの列によって互いに連結された複数のロッドを含むコンベヤベルトを電解研磨または電気めっきする方法であって、
    導電体およびシールを備えるハウジングを通して前記複数のリンクの列の第１のリンクの列を導き、その一方で前記複数のリンクの列の残りが前記ハウジングの外側を通って通過するステップと、
    電気接触子を用いて前記コンベヤベルトに電流を流すステップと、
    供給口を通して電解液を前記ハウジングに供給するステップであって、それによって前記コンベヤベルトの前記第１のリンクの列を電気めっきまたは電解研磨する、ステップと
    を含む方法。
16. 前記電気接触子が、スプリング張力、空気圧力、油圧力、および重力の少なくとも１つによって、前記コンベヤベルトに当接する位置に保持される、請求項１５に記載の方法。
17. 前記電解液を前記ハウジングから排出口を経由して排出するステップ
    をさらに含む、請求項１５に記載の方法。
18. 前記ハウジングが細長い、請求項１５に記載の方法。
19. 前記コンベヤベルトを洗浄するステップ
    をさらに含む、請求項１５に記載の方法。
20. 前記第１のリンクの列が中央リンクを備える、請求項１５に記載の方法。
21. 前記複数のリンクの列の１つまたは複数の第２のリンクの列を、それぞれが導電体および第２のシールを備える１つまたは複数の第２のハウジングを通して導き、その一方で前記複数のリンクの列の残りが前記１つまたは複数の第２のハウジングの外側を通って通過するステップと、
    １つまたは複数の第２の電気接触子を用いて前記コンベヤベルトに電流を流すステップと、
    電解液を１つまたは複数の第２の供給口を通して前記１つまたは複数の第２のハウジングに供給するステップであって、それによって前記１つまたは複数の第２のリンクの列を電気めっきまたは電解研磨する、ステップと
    をさらに含み、
    前記各第２のリンクが縁部リンクを備える、
    請求項２０に記載の方法。
22. 前記第１のリンクの列が第１の縁部リンクを備える、請求項１５に記載の方法。
23. 前記複数のリンクの列の第２のリンクの列を、第２の導電体および第２のシールを備える第２のハウジングを通して導き、その一方で前記複数のリンクの列の残りが前記第２のハウジングの外側を通って通過するステップと、
    前記電気接触子を用いて前記コンベヤベルトに電流を流すステップと、
    電解液を第２の供給口を通して前記第２のハウジングに供給するステップであって、それによって前記第２のリンクの列を電解研磨または電気めっきする、ステップと
    をさらに含む、請求項２２に記載の方法。
24. 前記第２のリンクの列が中央リンクを備える、請求項２３に記載の方法。
25. 前記複数のリンクの列の１つまたは複数の第３のリンクの列を、それぞれが第３の導電体および第３のシールを備える１つまたは複数の第３のハウジングを通して導き、その一方で前記複数のリンクの列の残りが前記１つまたは複数の第３のハウジングの外側を通って通過するステップと、
    １つまたは複数の第３の電気接触子を用いて前記コンベヤベルトに電流を流すステップと、
    電解液を１つまたは複数の第３の供給口を通して前記１つまたは複数の第３のハウジングに供給するステップであって、それによって前記１つまたは複数の第３のリンクの列を電気めっきまたは電解研磨する、ステップと
    をさらに含み、
    前記各第３のリンクの列が中央リンクを備える、
    請求項２４に記載の方法。
26. 前記第２のリンクの列が第２の縁部リンクを備える、請求項２３に記載の方法。
27. 前記複数のリンクの列の第３のリンクの列を、第３の導電体および第３のシールを備える第３のハウジングを通して導き、その一方で前記複数のリンクの列の残りが前記第３のハウジングの外側を通って通過するステップと、
    前記電気接触子を用いて前記コンベヤベルトに電流を流すステップと、
    電解液を第３の供給口を通して前記第３のハウジングに供給するステップであって、それによって前記第３のリンクの列を電解研磨または電気めっきする、ステップと
    をさらに含む、請求項２６に記載の方法。
28. 前記第３のリンクの列が中央リンクを備える、請求項２７に記載の方法。
29. 前記複数のリンクの列の１つまたは複数の第４のリンクの列を、それぞれが第４の導電体および第４のシールを備える１つまたは複数の第４のハウジングを通して導き、その一方で前記複数のリンクの列の残りが前記ハウジングの外側を通って通過するステップと、
    １つまたは複数の第４の電気接触子を用いて前記コンベヤベルトに電流を流すステップと、
    電解液を１つまたは複数の第４の供給口を通して前記１つまたは複数の第４のハウジングに供給するステップであって、それによって前記１つまたは複数の第４のリンクの列を電気めっきまたは電解研磨する、ステップと
    をさらに含み、
    前記各第４のリンクの列が中央リンクを備える、
    請求項２８に記載の方法。

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