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JP6092591B2 - スプレー塗布表面処理用組成物、表面処理亜鉛めっき鋼板の製造方法、および表面処理亜鉛めっき鋼板 - Google Patents

スプレー塗布表面処理用組成物、表面処理亜鉛めっき鋼板の製造方法、および表面処理亜鉛めっき鋼板 Download PDF

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Description

本発明は、スプレー塗布表面処理用組成物、表面処理亜鉛めっき鋼板の製造方法、および表面処理亜鉛めっき鋼板に関する。本発明は特に、溶融亜鉛めっき鋼板または合金化溶融亜鉛めっき鋼板である亜鉛めっき鋼板の表面にスプレー塗布法で塗布するのに適した、6価クロムを含まない環境適用型の表面処理用組成物に関する。
家電用鋼板、建材用鋼板、自動車用鋼板には、従来から溶融亜鉛めっき鋼板または合金化溶融亜鉛めっき鋼板の表面に、耐食性(耐白錆性、耐赤錆性)を向上させる目的で、クロム酸、重クロム酸またはその塩類を主要成分とした処理液によるクロメート処理が施された鋼板が幅広く用いられている。このクロメート処理は、溶融亜鉛めっき鋼板または合金化溶融亜鉛めっき鋼板の生産ラインでは、スプレー塗布法により行われることが多く、経済的である。スプレー塗布法は、クロメート処理液をスプレーで塗布またはシャワーで流しかける比較的簡便な方法であり、その後ロールやエアー絞りで塗布(液膜)量を調整し、オーブンなどで乾燥させる。
しかし、クロメート処理は公害規制物質である6価クロムを使用しており、環境に対する配慮から、またクロメート処理液の廃液処理に多大な労力と費用とを要することから、処理液にクロムを含まないクロメートフリー技術が検討されている。
ここで、6価クロムを含まない処理液を溶融亜鉛めっき鋼板または合金化溶融亜鉛めっき鋼板に塗布する場合、クロメートと同等以上の耐食性を発現させるためには乾燥後の皮膜付着量が1g/m程度必要となるが、スプレー塗布法ではこれだけの皮膜付着量を得ることが困難である。つまり、スプレーした後にロールやエアーで液膜を強く絞りとるスプレー塗布法では、耐食性を発現させるために必要な皮膜付着量を得ることが困難である。そのため、この場合ロールコート法を用いて鋼板表面に処理液を塗布、乾燥させ、表面処理皮膜を形成することが一般的であった。これは、ロールコート法は、アプリケータロールの回転速度や各ロール間の押付け圧などの調整により、皮膜付着量の調整が比較的に容易なためである。
特許文献1には、6価クロムを含まない処理液として、特定のチタン含有水性液と、ニッケル化合物または/およびコバルト化合物と、弗素含有化合物とを所定の割合で配合した表面処理用組成物を用いて、これをロールコート法により溶融Zn−Al系合金めっき鋼板に塗布、乾燥させて表面処理皮膜を形成することで、優れた耐食性と耐黒変性を有し、めっき外観性にも優れたクロムフリー表面処理溶融Zn−Al系合金めっき鋼板を得る技術が記載されている。
特開2008−291350号公報
ロールコート法は塗布直後の液膜厚を数ミクロン程度に精度よく制御するのに適した方法であるが、2段または3段のバックアップロールなどの大規模な設備を要するため、設備投資が必要となる。そこで本発明者らは、従来設備であり、かつ、より簡易な設備で塗布可能なスプレー塗布法を用いて、特許文献1と同様の組成物を溶融亜鉛めっき鋼板表面および合金化溶融亜鉛めっき鋼板表面のそれぞれに塗布、乾燥させて表面処理皮膜を形成し、特許文献1と同様の特性を得ることを試みた。しかしながら、特許文献1と同様の種々の組成物についてスプレー塗布法で表面処理皮膜を形成したところ、一部の組成物を塗布した場合に塗布直後の液膜に発泡が見られ、その後乾燥させて形成した表面処理皮膜の外観(仕上がり状態)が大きく損なわれるという問題があった。また、上記種々の組成物のいずれを塗布した場合にも、スプレー塗布法では鋼板に十分な耐食性が付与されないという問題もあった。
そこで本発明の目的は、上記課題に鑑み、溶融亜鉛めっき鋼板または合金化溶融亜鉛めっき鋼板の表面にスプレー塗布法で塗布して表面処理皮膜を形成する場合にも十分な耐食性および良好な皮膜外観(仕上がり状態)を呈することが可能な、6価クロムを全く含まない環境適用型の表面処理用組成物を提供すること、この組成物を用いた表面処理溶融亜鉛めっき鋼板または合金化溶融亜鉛めっき鋼板である表面処理亜鉛めっき鋼板の製造方法を提供すること、およびこの方法により得られる表面処理亜鉛めっき鋼板を提供することにある。
この目的を達成すべく本発明者らがさらに検討したところ、特許文献1に記載の組成物のうち樹脂成分を含むものをスプレー塗布法で溶融亜鉛めっき鋼板または合金化溶融亜鉛めっき鋼板の表面に塗布した場合に、いずれも塗布直後の液膜に発泡が見られることが判明した。これは、分子中に親水性部分と疎水性部分とを有する樹脂成分が液気界面に配向し、界面張力を低くして泡を安定化するためと考えられる。
また、本発明者らは、スプレー塗布法で溶融亜鉛めっきに表面処理皮膜を形成した場合に十分な耐食性が得られない理由は、スプレー塗布法ではスプレーされた後、リンガー等で絞り切られるまでの間、ロールコート法に比べて厚い液膜が形成されるためであるとの着想に至った。すなわち、スプレー塗布法では、厚い液膜が形成されるため、特許文献1に記載の組成物のように反応性の高い処理液を用いると、溶融亜鉛めっき鋼板表面に対するエッチングが過剰に進行し、下地素地に達するようなクラックが多数形成され、十分な耐食性を確保できないのである。
また、特許文献1に記載の組成物を合金化溶融亜鉛めっき鋼板に塗布した場合には、特に外観が得られにくく、耐食性が発現しにくいことが判明した。これは、合金化溶融亜鉛めっき鋼板の表面は溶融亜鉛めっき鋼板と比較して反応性が乏しいためであり、また、合金化により表面に多数の凹凸が形成されており、凸部では化成皮膜の薄膜化が、凹部では厚膜化がそれぞれ生じ、凹部の厚膜部では下地素地に到達するようなクラックが多数形成されるためと考えられる。そこで、組成物の成分を見直した結果、溶融亜鉛めっき鋼板および合金化溶融亜鉛めっき鋼板で発生したクラックは、組成物中の炭酸ジルコニウム化合物に起因することが新たに分かった。また、合金化溶融亜鉛めっき鋼板表面での反応性を確保しつつ、溶融亜鉛めっき鋼板表面での過剰エッチングを低減するためには、弗素含有化合物比率と有機リン酸化合物比率を特定範囲にする必要があることが新たに分かった。
その結果、溶融亜鉛めっき鋼板または合金化溶融亜鉛めっき鋼板である亜鉛めっき鋼板の表面に、特定のチタン含有水性液、ニッケル化合物、弗素含有化合物、有機リン酸化合物、バナジン酸化合物および特定のエーテル系有機溶剤を、特に弗素含有化合物比率と有機リン酸化合物比率をある特定範囲で含み、樹脂成分および炭酸ジルコニウム化合物を含まない組成物を用いれば、スプレー塗布法という簡易設備でも製造可能で優れた耐食性および皮膜外観(仕上がり状態)を有する亜鉛めっき鋼板が得られることを見出し、本発明を完成させるに至った。
本発明は、このような知見に基づきなされたものであり、その要旨構成は以下のとおりである。
(1)加水分解性チタン化合物、加水分解性チタン化合物の低縮合物、水酸化チタン、水酸化チタンの低縮合物の中から選ばれる少なくとも1種のチタン化合物を過酸化水素水と混合して得られるチタン含有水性液(A)を固形分の割合で10〜45質量%と、ニッケル化合物(B)を固形分の割合で0.01〜1質量%と、弗素含有化合物(C)を固形分の割合で10〜20質量%と、有機リン酸化合物(D)を固形分の割合で40〜60質量%と、バナジン酸化合物(E)を固形分の割合で0.1〜30質量%と、炭素数4から6のエーテル系有機溶剤(F)を前記(A)、(B)、(C)、(D)および(E)の合計100質量部に対する割合で5〜30質量部と、を含有し、
樹脂成分および炭酸ジルコニウム化合物を含まない組成物であって、
溶融亜鉛めっき鋼板または合金化溶融亜鉛めっき鋼板である亜鉛めっき鋼板の少なくとも片面にスプレー塗布法にて塗布して表面処理皮膜を形成するために用いることを特徴とするスプレー塗布表面処理用組成物。
(2)前記弗素含有化合物(C)が、ジルコン弗化アンモニウム、ジルコン弗化水素酸の中から選ばれる少なくとも1種である上記(1)に記載のスプレー塗布表面処理用組成物。
(3)溶融亜鉛めっき鋼板または合金化溶融亜鉛めっき鋼板である亜鉛めっき鋼板の少なくとも片面に、上記(1)または(2)に記載のスプレー塗布表面処理用組成物をスプレー塗布法にて塗布し、リンガーロールまたはエアーで塗布量を絞り、乾燥させることにより表面処理皮膜を形成することを特徴とする表面処理亜鉛めっき鋼板の製造方法。
(4)上記(3)に記載の製造方法により製造された表面処理亜鉛めっき鋼板。
本発明によれば、表面処理用組成物に樹脂成分を含有させていないため、溶融亜鉛めっき鋼板または合金化溶融亜鉛めっき鋼板の表面にスプレー塗布法で塗布した際に発泡しにくく、その後乾燥させて得た表面処理皮膜の外観(仕上がり状態)が損なわれることがない。また、炭素数4から6のエーテル系有機溶剤を添加することにより、合金化溶融亜鉛めっき鋼板表面でのはじきを防止することができるため、これも表面処理皮膜の良好な外観に寄与する。さらに、炭酸ジルコニウム化合物を含有させていないため、合金化溶融亜鉛めっき鋼板上の凹部での皮膜クラックの発生を抑制し、その結果十分な耐食性を得ることができる。また、反応性に大きく影響する弗素含有化合物を固形分の割合で10〜20質量%にすることで、スプレー塗布法を用いる場合の鋼板表面との反応性が適切な組成物となり、スプレー塗布法で塗布して形成した表面処理皮膜であっても十分な耐食性を得ることができる。また、有機リン酸化合物を固形分の割合で40〜60質量%にすることで、合金化溶融亜鉛めっき鋼板表面との反応性が適切な組成物となり、特に優れた耐食性が発現可能となる。このようにして、溶融亜鉛めっき鋼板または合金化溶融亜鉛めっき鋼板の表面にスプレー塗布法で塗布して表面処理皮膜を形成する場合に十分な耐食性および良好な皮膜外観(仕上がり状態)を呈することが可能な、6価クロムを全く含まない環境適用型の表面処理用組成物を提供することができた。
以下、本発明をより詳細に説明する。
(溶融亜鉛めっき鋼板および合金化溶融亜鉛めっき鋼板)
本発明の表面処理用組成物を適用する溶融亜鉛めっき鋼板および合金化溶融亜鉛めっき鋼板は、JIS G 3302:2010に規定される溶融亜鉛めっきおよび合金化溶融亜鉛めっきをそれぞれ行った鋼板である。この溶融亜鉛めっきおよび合金化溶融亜鉛めっきを行った鋼板(それぞれ溶融亜鉛めっき鋼板および合金化溶融亜鉛めっき鋼板)は、その酸化物層の厚さおよび被エッチング性が本発明の表面処理用組成物に適するものであり、本発明の表面処理用組成物をスプレー塗布して表面処理皮膜が形成された表面処理溶融亜鉛めっき鋼板および表面処理合金化溶融亜鉛めっき鋼板はいずれも優れた耐食性を有する。なお、素地鋼板の鋼種は特に限定されず、低炭素鋼、極低炭素鋼、IF鋼、各種合金元素を添加した高張力鋼板等の種々の鋼板を用いることができる。
表面処理皮膜をめっき皮膜表面に形成した際に皮膜欠陥やムラが生じないようにするため、必要に応じて、予めめっき皮膜表面にアルカリ脱脂、溶剤脱脂、表面調整処理(アルカリ性の表面調整処理または酸性の表面調整処理)などの処理を施しておくことができる。
また、使用環境下での黒変(めっき表面の酸化現象の一種)を防止する目的で、必要に応じて予めめっき表面に鉄族金属イオン(Niイオン,Coイオン,Feイオンの1種以上)を含む酸性またはアルカリ性水溶液による表面調整処理を施しておくこともできる。
(表面処理皮膜の形成方法)
本発明において、溶融亜鉛めっき鋼板または合金化溶融亜鉛めっき鋼板の表面に表面処理用組成物を塗布する方法は、スプレー塗布法である。ここで、本明細書において「スプレー塗布法」とは、表面処理用組成物(処理液)を鋼板表面に対してスプレーで塗布する方法、またはシャワーで流しかける方法を意味する。その後、リンガーロールまたはエアーで塗布量を絞り、乾燥させることにより鋼板表面に皮膜を形成する。塗布の詳細な条件については後述する。
(スプレー塗布表面処理用組成物)
本発明のスプレー塗布表面処理用組成物は、特定のチタン含有水性液(A)を固形分の割合で10〜45質量%と、ニッケル化合物(B)を固形分の割合で0.01〜1質量%と、弗素含有化合物(C)を固形分の割合で10〜20質量%と、有機リン酸化合物(D)を固形分の割合で40〜60質量%と、バナジン酸化合物(E)を固形分の割合で0.1〜30質量%と、炭素数4から6のエーテル系有機溶剤(F)を(A)、(B)、(C)、(D)および(E)の合計100質量部に対する割合で5〜30質量部と、を含有し、樹脂成分および炭酸ジルコニウム化合物を含まない組成物であり、この組成物は6価クロムを含有しない。このような組成物を採用することによって、これを溶融亜鉛めっき鋼板または合金化溶融亜鉛めっき鋼板の表面にスプレー塗布法で塗布しても、十分な耐食性および良好な皮膜外観(仕上がり状態)を呈する表面処理皮膜を得ることができる。以下、より詳細に説明する。
前記チタン含有水性液(A)は、加水分解性チタン化合物、加水分解性チタン化合物の低縮合物、水酸化チタン、水酸化チタンの低縮合物の中から選ばれる少なくとも1種のチタン化合物と過酸化水素水とを混合して得られるチタンを含む水性液である。
前記加水分解性チタン化合物は、チタンに直接結合する加水分解性基を有するチタン化合物であって、水、水蒸気などの水分と反応することにより水酸化チタンを生成するものである。また、加水分解性チタン化合物は、チタンに結合する基の全てが加水分解性基であるものでもよいし、チタンに結合する基の一部が加水分解性基であるものでもよい。前記加水分解性基としては、上記したように水分と反応することにより水酸化チタンを生成させるものであれば特に制限はないが、例えば、低級アルコキシル基やチタンと塩を形成する基(例えば、塩素などのハロゲン原子、水素原子、硫酸イオンなど)などが挙げられる。
加水分解性基として低級アルコキシル基を含有する加水分解性チタン化合物としては、特に、一般式Ti(OR)(式中、Rは同一または異なる炭素数1〜5のアルキル基を示す)で示されるテトラアルコキシチタンが好ましい。炭素数1〜5のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基などが挙げられる。加水分解性基として、チタンと塩を形成する基を有する加水分解性チタン化合物としては、塩化チタン、硫酸チタンなどが代表的なものとして挙げられる。
加水分解性チタン化合物の低縮合物は、上記した加水分解性チタン化合物同士の低縮合物である。この低縮合物は、チタンに結合する基の全てが加水分解性基であるものでもよいし、チタンに結合する基の一部が加水分解性であるものでもよい。加水分解性基がチタンと塩を形成する基である加水分解性チタン化合物(例えば、塩化チタン、硫酸チタンなど)については、その加水分解性チタン化合物の水溶液とアンモニアや苛性ソーダなどのアルカリ溶液との反応により得られるオルトチタン酸(水酸化チタンゲル)も低縮合物として使用できる。
加水分解性チタン化合物の低縮合物および水酸化チタンの低縮合物としては、縮合度が2〜30の化合物が使用可能であり、特に縮合度が2〜10の化合物を使用することが好ましい。縮合度が30以下であれば、過酸化水素と混合した際に白色沈殿を生じることなく、安定なチタン含有水性液が得られるからである。
以上挙げた加水分解性チタン化合物、加水分解性チタン化合物の低縮合物、水酸化チタン、水酸化チタンの低縮合物は、1種または2種以上を使用できるが、そのなかでも、上述した一般式で示される加水分解性チタン化合物であるテトラアルコキシチタンが、過酸化水素と混合した際に沈殿が生じにくいので、より好ましい。
チタン含有水性液(A)としては、上記したチタン化合物と過酸化水素水とを混合することにより得られるチタンを含む水性液であれば、従来公知のものを特に制限なしに使用することができる。具体的には、下記のものを挙げることができる。
(i)含水酸化チタンのゲルまたはゾルに過酸化水素水を添加して得られるチタニルイオン過酸化水素錯体またはチタン酸(ペルオキソチタン水和物)水溶液(特開昭63−35419号公報、特開平1−224220号公報参照)。
(ii)塩化チタンや硫酸チタンの水溶液と塩基性溶液から製造した水酸化チタンゲルに過酸化水素水を作用させ、合成することで得られるチタニア膜形成用液体(特開平9−71418号公報、特開平10−67516号公報参照)。
このチタニア膜形成用液体を得る場合、チタンと塩を形成する基を有する塩化チタンや硫酸チタンの水溶液とアンモニアや苛性ソーダなどのアルカリ溶液とを反応させることによりオルトチタン酸と呼ばれる水酸化チタンゲルを沈殿させる。次いで、水を用いたデカンテーションによって水酸化チタンゲルを分離し、良く水洗し、さらに過酸化水素水を加え、余分な過酸化水素を分解除去することにより、黄色透明粘性液体を得ることができる。
沈殿した上記オルトチタン酸は、OH同士の重合や水素結合によって高分子化したゲル状態にあり、そのままではチタンを含む水性液としては使用できない。このゲルに過酸化水素水を添加するとOHの一部が過酸化状態になり、ペルオキソチタン酸イオンとして溶解あるいは高分子鎖が低分子に分断された一種のゾル状態になり、余分な過酸化水素は水と酸素になって分解し、無機膜形成用のチタンを含む水性液として使用できるようになる。このゾルはチタン原子以外に酸素原子と水素原子しか含まないので、乾燥や焼成によって酸化チタンに変化する場合、水と酸素しか発生しないため、ゾルゲル法や硫酸塩などの熱分解に必要な炭素成分やハロゲン成分の除去が必要でなく、低温でも比較的密度の高い酸化チタン膜を形成することができる。
(iii)塩化チタンや硫酸チタンの無機チタン化合物水溶液に過酸化水素を加えてペルオキソチタン水和物を生成させた後に、塩基性物質を添加して得られた溶液を放置または加熱することによってペルオキソチタン水和物重合体の沈殿物を生成させ、次いで、少なくともチタン含有原料溶液に由来する水以外の溶解成分を除去した後に過酸化水素を作用させて得られるチタン酸化物形成用溶液(特開2000−247638号公報、特開2000−247639号公報参照)。
チタン化合物として加水分解性チタン化合物および/またはその低縮合物(以下、単に「加水分解性チタン化合物a」という)を用いるチタン含有水性液(A)は、加水分解性チタン化合物aを過酸化水素水と反応温度1〜70℃で10分間〜20時間程度反応させることにより得ることができる。この加水分解性チタン化合物aを用いたチタン含有水性液(A)は、加水分解性チタン化合物aと過酸化水素水とを反応させることにより、加水分解性チタン化合物aが水で加水分解されて水酸基含有チタン化合物を生成し、次いで、この水酸基含有チタン化合物に過酸化水素が配位するものと考えられ、この加水分解反応および過酸化水素による配位が同時近くに起こることにより得られたものであり、室温域での安定性が極めて高く、長期の保存に耐えるキレート液を生成する。従来の製法で用いられる水酸化チタンゲルは、Ti−O−Ti結合により部分的に三次元化しており、このゲルと過酸化水素水を反応させたチタン含有水性液(A)とは組成および安定性が本質的に異なる。
また、加水分解性チタン化合物aを用いたチタン含有水性液(A)を80℃以上で加熱処理またはオートクレーブ処理すると、結晶化した酸化チタンの超微粒子を含む酸化チタン分散液が得られる。前記加熱処理またはオートクレーブ処理が80℃未満では、酸化チタンの結晶化が十分に進まない。このようにして製造された酸化チタン分散液に含まれる酸化チタン超微粒子の平均粒子径は、好ましくは10nm以下、より好ましくは1〜6nm程度である。酸化チタン超微粒子の平均粒子径が10nmより大きくなると造膜性が低下する(塗布後乾燥して皮膜とした場合、膜厚1μm以上でワレを生じる)ので好ましくない。この酸化チタン分散液の外観は半透明状のものである。このような酸化チタン分散液も、チタン含有水性液(A)として使用することができる。
加水分解性チタン化合物aを用いたチタン含有水性液(A)を含む表面処理用組成物(G)を、めっき鋼板表面に塗布・乾燥(例えば、低温で加熱乾燥)することにより、それ自体で付着性に優れた緻密な酸化チタン含有皮膜(表面処理皮膜)を形成することができる。
表面処理用組成物(G)を塗布した後の加熱温度としては、例えば200℃以下、特に150℃以下が好ましく、このような温度で加熱乾燥することにより、水酸基を若干含む非晶質(アモルファス)の酸化チタン含有皮膜が形成できる。また、上記したような80℃以上の加熱処理またはオートクレーブ処理を経て得られた酸化チタン分散液をチタン含有水性液(A)として用いた場合、表面処理用組成物(G)を塗布するだけで結晶性の酸化チタン含有皮膜が形成できるため、加熱処理できない材料のコーティング材として有用である。
また、チタン含有水性液(A)としては、酸化チタンゾルの存在下で、加水分解性チタン化合物aと過酸化水素水とを反応させて得られるチタン含有水性液(A1)を使用することもできる。
前記酸化チタンゾルは、無定型チタニア微粒子または/およびアナタース型チタニア微粒子が水(必要に応じて、例えばアルコール系、アルコールエーテル系などの水性有機溶剤を添加してもよい)に分散したゾルである。この酸化チタンゾルとしては、従来公知のものを使用することができ、例えば、(i)硫酸チタンや硫酸チタニルなどの含チタン溶液を加水分解して得られる酸化チタン凝集物、(ii)チタンアルコキシドなどの有機チタン化合物を加水分解して得られる酸化チタン凝集物、(iii)四塩化チタンなどのハロゲン化チタン溶液を加水分解または中和して得られる酸化チタン凝集物、などの酸化チタン凝集物を水に分散した無定型チタニアゾル、あるいは前記酸化チタン凝集物を焼成してアナタース型チタン微粒子とし、これを水に分散したゾルを使用することができる。
前記無定形チタニアの焼成では、少なくともアナターゼの結晶化温度以上の温度、例えば、400℃〜500℃以上の温度で焼成すれば、無定形チタニアをアナターゼ型チタニアに変換させることができる。この酸化チタンの水性ゾルとしては、例えば、TKS−201(商品名,テイカ社製,アナタース型結晶形,平均粒子径6nm)、TA−15(商品名,日産化学社製,アナタース型結晶形)、STS−11(商品名,石原産業社製,アナタース型結晶形)などが挙げられる。
チタン含有水性液(A1)において、上記酸化チタンゾルxとチタン過酸化水素反応物y(加水分解性チタン化合物aと過酸化水素水との反応生成物)との質量比率x/yは、1/99〜99/1、好ましくは約10/90〜90/10の範囲が適当である。質量比率x/yが1/99未満では、安定性、光反応性などの点において酸化チタンゾルを添加した効果が十分に得られず、一方、99/1を超えると造膜性が劣るので好ましくない。
チタン含有水性液(A1)は、酸化チタンゾルの存在下で加水分解性チタン化合物aを過酸化水素水と反応温度1〜70℃で10分間〜20時間程度反応させることにより得ることができる。チタン含有水性液(A1)の生成形態やその特性は、さきに述べた加水分解性チタン化合物aを用いたチタン含有水性液(A)と同様であるが、特に、酸化チタンゾルを使用することにより、合成時に一部縮合反応が起きて増粘するのが抑えられる。その理由は、縮合反応物が酸化チタンゾルの表面に吸着され、溶液状態での高分子化が抑えられるためであると考えられる。
また、チタン含有水性液(A1)を80℃以上で加熱処理またはオートクレーブ処理すると、結晶化した酸化チタンの超微粒子を含む酸化チタン分散液が得られる。この酸化チタン分散液を得るための温度条件、結晶化した酸化チタン超微粒子の粒子径、分散液の外観なども、さきに述べた加水分解性チタン化合物aを用いたチタン含有水性液(A)と同様である。このような酸化チタン分散液も、チタン含有水性液(A1)として使用することができる。
さきに述べた加水分解性チタン化合物aを用いたチタン含有水性液(A)と同様、チタン含有水性液(A1)を含む表面処理用組成物(H)を、めっき鋼板表面に塗布・乾燥(例えば、低温で加熱乾燥)することにより、それ自体で付着性に優れた緻密な酸化チタン含有皮膜(表面処理皮膜)を形成することができる。
表面処理用組成物(H)を塗布した後の加熱温度としては、乾けば問題なく、例えば鋼板温度として200℃以下、特に150℃以下が好ましく、このような温度で加熱乾燥することにより、水酸基を若干含むアナタース型の酸化チタン含有皮膜が形成できる。
以上述べたように、チタン含有水性液(A)の中でも、加水分解性チタン化合物aを用いたチタン含有水性液(A)やチタン含有水性液(A1)は、貯蔵安定性、耐食性などに優れた性能を有するので、本発明ではこれらを使用することが特に好ましい。
加水分解性チタン化合物、加水分解性チタン化合物の低縮合物、水酸化チタン、水酸化チタンの低縮合物の中から選ばれる少なくとも1種のチタン化合物に対する過酸化水素水の配合割合は、チタン化合物10質量部に対して過酸化水素換算で0.1〜100質量部とすることが好ましく、1〜20質量部とすることがより好ましい。上記配合割合を0.1質量部以上とすれば、キレート形成が十分であり白濁沈殿が生じることがなく、一方、100質量部以下であれば、未反応の過酸化水素が残存しにくく、貯蔵中に危険な活性酸素を放出しにくいため好ましい。
過酸化水素水の過酸化水素濃度は特に限定されないが、3〜30質量%程度であることが、取り扱いやすさ、塗装作業性に関係する生成液の固形分の点で好ましい。
チタン含有水性液(A)には、必要に応じて、他のゾルや顔料を添加分散させることもできる。例えば、添加物としては、市販の酸化チタンゾルや酸化チタン粉末、マイカ、タルク、シリカ、バリタ、クレーなどが挙げられ、これらの1種以上を添加することができる。
処理液の安定性を確保するために、表面処理用組成物(G),(H)中でのチタン含有水性液(A)の含有量は、固形分の割合で10質量%〜45質量%とする。
前記ニッケル化合物(B)は耐黒変性向上のために配合されるものであり、ニッケル化合物(B)としては、例えば、酢酸ニッケル、硝酸ニッケル、硫酸ニッケルなどの無機ニッケル化合物が挙げられ、これらの1種または2種以上を用いることができる。なかでも、酢酸ニッケルが耐黒変性向上の点から好適である。ニッケル化合物(B)の配合量は、組成物の固形分の割合で0.01質量%〜1質量%である。0.01質量%以上であれば十分な耐黒変性の改善が得られ、一方、1質量%以下であれば耐食性が劣化することもないからである。
前記弗素含有化合物(C)は耐食性を向上させるために配合されるものであり、弗素含有化合物(C)としては、例えば、ジルコン弗化アンモニウム、ジルコン弗化カリウム、ジルコン弗化水素酸、チタン弗化アンモニウム、弗化水素酸、弗化水素酸アンモニウムなどの無機弗素含有化合物が挙げられ、これらの1種または2種以上を用いることができる。なかでも、ジルコン弗化アンモニウム、ジルコン弗化水素酸の中から選ばれる少なくとも1種を用いることが、耐食性の点から好ましい。
弗素含有化合物(C)の配合量は、組成物の固形分の割合で10質量%〜20質量%である。10質量%以上とすれば、スプレー処理時の反応性を適正に得ることができ、十分な耐食性を得ることができる。一方、20質量%以下とすれば、反応性が高くなりすぎず、めっき表面のエッチング量を抑えて、十分な耐食性を得ることができる。
前記有機リン酸化合物(D)としては、例えば、1−ヒドロキシメタン−1,1−ジホスホン酸、1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸、1−ヒドロキシプロパン−1,1−ジホスホン酸などのヒドロキシル基含有有機亜リン酸;2−ヒドロキシホスホノ酢酸、2−ホスホノブタン−1,2,4−トリカルボン酸などのカルボキシル基含有有機亜リン酸、およびこれらの塩などが好適なものとして挙げられ、これらの1種または2種以上を用いることができる。有機リン酸化合物(D)は、チタン含有水性液(A)の貯蔵安定性を向上させる効果を有し、なかでも、1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸はその効果が特に大きいことから、これを使用するのが特に好ましい。
有機リン酸化合物(D)の配合量は、組成物の固形分の割合で40質量%〜60質量%である。有機リン酸化合物(D)の配合量が40質量%以上であれば、十分な貯蔵安定性を得ることができ、かつ、合金化溶融亜鉛めっき鋼板とも適度な反応性を得ることが出来る。60質量%以下であれば、十分な耐水性を得ることができる。
前記バナジン酸化合物(E)としては、例えば、メタバナジン酸リチウム、メタバナジン酸カリウム、メタバナジン酸ナトリウム、メタバナジン酸アンモニウム、無水バナジン酸などが挙げられ、これらの1種または2種以上を用いることができる。十分な耐食性を確保するために、バナジン酸化合物(E)の配合量は、組成物の固形分の割合で0.1質量%〜30質量%とする。なかでも、メタバナジン酸アンモニウムが耐水付着性などの点から好ましい。
前記炭素数4から6のエーテル系有機溶剤(F)としては、例えばエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールイソブチルエーテル、エチレングリコール−tert−ブチルエーテルなどのグリコールエーテル系有機溶剤が挙げられ、これらの1種または2種以上を用いることができる。炭素数が4以上であれば良好な皮膜の仕上がり状態を得ることができ、炭素数が6以下であれば、処理剤中で相溶性に優れるため、安定性に優れた処理剤を得ることができる。
炭素数4から6のエーテル系有機溶剤(F)の配合量は、(A)、(B)、(C)、(D)および(E)の合計100質量部に対する割合で5〜30質量部である。この配合量が5質量部以上であれば、合金化溶融亜鉛めっき鋼板に塗装したときのはじきによる外観不良を防止することができ、一方、30質量部以下であれば、耐食性が劣化することがない。特に、皮膜の仕上がり性を向上させ、皮膜の乾燥性を低下させない点で、エチレングリコールモノブチルエーテルを5〜25質量部とすることが好ましい。
本発明の組成物の特徴の1つは、樹脂成分を含まないことである。表面処理用組成物に樹脂成分を含有させないことにより、スプレー塗布法で塗布した際に発泡しにくく、その後乾燥させて得た表面処理皮膜の外観(仕上がり状態)が損なわれることがない。
本発明の組成物のもう1つの特徴は、炭酸ジルコニウム化合物を含まないことである。表面処理用組成物に炭酸ジルコニウム化合物を含有させないことにより、合金化溶融亜鉛めっき鋼板のような表面凹凸の激しいめっき表面であっても、凹部でのクラック発生を抑制し、優れた耐食性が発現可能となる。
本発明の組成物には、さらに必要に応じて、例えば、シランカップリング剤、無機リン酸化合物などのエッチング剤、本発明が規定する成分以外の重金属化合物、増粘剤、界面活性剤、染料などを含有することができる。また、本発明の組成物は、必要に応じて、例えばメタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、エチレングリコール系溶剤、プロピレングリコール系溶剤などの親水性溶剤で希釈して使用することができる。
(表面処理亜鉛めっき鋼板およびその製造方法)
本発明の表面処理亜鉛めっき鋼板の製造方法は、溶融亜鉛めっき鋼板または合金化溶融亜鉛めっき鋼板である亜鉛めっき鋼板の少なくとも片面に、これまで説明した組成物をスプレー塗布法にて塗布し、リンガーロールまたはエアーで塗布量を絞り、乾燥させることにより表面処理皮膜を形成することで得ることができる。こうして得た表面処理亜鉛めっき鋼板は、既述のとおり、皮膜に6価クロムを含まず、十分な耐食性および良好な皮膜外観(仕上がり状態)を呈する。
次に、本発明に適したスプレー塗布法の条件について説明する。スプレー塗布法では、鋼板の表面全面が液に接触するようなスプレー圧であれば問題なく、0.2kgf/cm以上とするのが好ましい。0.2kgf/cm以上であれば、液不足による外観不良が発生することがないと考えられるためである。スプレー塗布後はリンガーロールまたはエアーで液を絞る。リンガーロールの絞り圧またはエアーの圧力は、目標とする付着量が得られる範囲に調整すればよい。
本発明により形成される表面処理皮膜の片面当たりの付着量は、0.05〜0.5g/mが好ましい。皮膜付着量が0.05g/m以上であれば、耐食性をより確実に得ることができ、0.5g/m以下であれば、皮膜が割れて耐食性が低下する可能性が低いからである。
以下、実施例を用いて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に何ら限定されるものではない。
(めっき鋼板)
表面処理鋼板のベース鋼板としては、表1に示すめっき鋼板を用いた。No.2,3が本発明例に用いる亜鉛めっき鋼板であり、残りは比較例に用いる亜鉛めっき鋼板である。
Figure 0006092591
(表面処理用組成物)
以下に、この実施例の組成物に用いた各成分(A)〜(F),(Y),(Z)を示す。
[チタン含有水溶液(A)の製造]
<製造例1(チタン含有水性液T1)>
四塩化チタン60質量%溶液5ccを蒸留水で500ccとした溶液にアンモニア水(1:9)を滴下し、水酸化チタンを沈殿させた。蒸留水で洗浄後、過酸化水素水30質量%溶液を10cc加えてかき混ぜ、チタンを含む黄色半透明の粘性のあるチタン含有水性液T1を得た。
<製造例2(チタン含有水性液T2)>
テトラiso−プロポキシチタン10部とiso−プロパノール10部の混合物を30質量%過酸化水素水10質量部と脱イオン水100質量部の混合物中に20℃で1時間かけて撹拌しながら滴下した。その後25℃で2時間熟成し、黄色透明の少し粘性のあるチタン含有水性液T2を得た。
<製造例3(チタン含有水性液T3)>
製造例2で使用したテトラiso−プロポキシチタンの代わりにテトラn−ブトキシチタンを使用した以外は製造例2と同様の製造条件で、チタン含有水性液T3を得た。
<製造例4(チタン含有水性液T4)>
製造例2で使用したテトラiso−プロポキシチタンの代わりにテトラiso−プロポキシチタンの3量体を使用した以外は製造例2と同様の製造条件で、チタン含有水性液T4を得た。
<製造例5(チタン含有水性液T5)>
製造例2に対して過酸化水素水を3倍量用い、50℃で1時間かけて滴下し、さらに60℃で3時間熟成した以外は製造例2と同様の製造条件で、チタン含有水性液T5を得た。
<製造例6(チタン含有水性液T6)>
製造例3で製造したチタン含有水性液T3を、さらに95℃で6時間加熱処理することにより、白黄色の半透明なチタン含有水性液T6を得た。
<製造例7(チタン含有水性液T7)>
テトラiso−プロポキシチタン10質量部とiso−プロパノール10質量部の混合物を、「TKS−203」(商品名,テイカ社製,酸化チタンゾル)5質量部(固形分)、30質量%過酸化水素水10質量部及び脱イオン水100質量部の混合物中に10℃で1時間かけて撹拌しながら滴下した。その後10℃で24時間熟成し、黄色透明の少し粘性のあるチタン含有水性液T7を得た。
[ニッケル化合物(B)]
B1:酢酸ニッケル
B2:硝酸ニッケル
B3:硫酸ニッケル
[弗素含有化合物(C)]
C1:ジルコン弗化アンモニウム
C2:ジルコン弗化水素酸
C3:ジルコン弗化ナトリウム
C4:ジルコン弗化カリウム
[有機リン酸化合物(D)]
D1:1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸
D2:1−ヒドロキシメタン−1,1−ジホスホン酸
[バナジン酸化合物(E)]
E1:メタバナジン酸アンモニウム
E2:メタバナジン酸ナトリウム
[エーテル系有機溶剤(F)]
F1:エチレングリコールモノブチルエーテル(炭素数6)
F2:プロピレングリコールモノメチルエーテル(炭素数4)
F3:ジエチレングリコールモノエチルエーテル(炭素数6)
F4:エチレングリコールモノメチルエーテル(炭素数3)
F5:プロピレングリコールモノブチルエーテル(炭素数7)
[炭酸ジルコニウム化合物(Y)]
Y1:炭酸ジルコニウムアンモニウム
Y2:炭酸ジルコニウムナトリウム
[樹脂成分(Z)]
Z1:スーパーフレックスE−2500(商品名,第一工業製薬(株)製,水性ポリウレタン樹脂,Tg:42℃)
Z2:バイロナールMD−1100(商品名,東洋紡績(株)製,水性ポリエステル樹脂)
Z3:アデカレジンEM−0718(商品名,(株)ADEKA),水性エポキシ樹脂)
Z4:ハイドランAP−10(商品名,大日本インキ化学工業(株)製,水性ポリウレタン樹脂,Tg:27℃)
Z5:ハイドランAP−30(商品名,大日本インキ化学工業(株)製,水性ポリウレタン樹脂,Tg:61℃)
Z6:ハイドランHW−340(商品名,大日本インキ化学工業(株)製,水性ポリウレタン樹脂,Tg:7℃)
Z7:ハイドランHW−350(商品名,大日本インキ化学工業(株)製,水性ポリウレタン樹脂,Tg:57℃)
Z8:スーパーフレックス110(商品名,第一工業製薬(株)製,水性ポリウレタン樹脂,Tg:46℃)
Z9:スーパーフレックス130(商品名,第一工業製薬(株)製,水性ポリウレタン樹脂,Tg:96℃)
Z10:スーパーフレックス600(商品名,第一工業製薬(株)製,水性ポリウレタン樹脂,Tg:70℃)
これらの成分を所定量配合し、複数種の表面処理用組成物を作製した。各組成物の配合を表2に示す。なお、表2において、*1〜*10は以下の内容を示す。
*1 明細書本文に記載のチタン含有水溶液T1〜T7
*2 明細書本文に記載のニッケル化合物B1〜B3
*3 明細書本文に記載の弗素含有化合物C1〜C4
*4 明細書本文に記載の有機リン酸化合物D1,D2
*5 明細書本文に記載のバナジン酸化合物E1,E2
*6 明細書本文に記載のエーテル系有機溶剤F1〜F5
*7 明細書本文に記載の炭酸ジルコニウム化合物Y1,Y2
*8 明細書本文に記載の樹脂成分Z1〜Z10
*9 表面処理用組成物(水性処理液)中の固形分割合(質量%)
*10 明細書本文に記載の成分(A)〜(E)の合計100質量部に対する配合割合(質量部)
Figure 0006092591
(塗布方法)
表1に記載のいずれかのめっき鋼板の表面(片面)に、表2に記載の組成物を塗布し、30〜100℃で乾燥させ、供試材(表面処理めっき鋼板)とした。塗布は以下に示す方法で行い、片面当たりの皮膜付着量は0.2g/mとした。
塗布方法1:組成物をスプレー圧1kgf/cmでスプレーして塗布した後に、リンガーロールで絞った後の液膜厚が2μmとなるように余分な液を搾り取る。
塗布方法2:組成物をロールコーターにて塗布し、液膜厚が5μmとなるように各ロール荷重を調整して組成物を鋼板側へ転写することにより行った。
(評価基準)
各供試材について、以下の試験方法により皮膜の仕上がり状態、耐食性を評価した。加えて、耐黒変性、耐水性、貯蔵安定性も評価した。その結果を、各供試材に適用した組成物の種類および塗布条件とともに表3および表4に示す。なお、表3および表4において、*11,*12は以下の内容を示す。
*11 明細書本文に記載の塗布方法
*12 表1に記載のめっき鋼板のNo.1〜8
(1)皮膜の仕上がり状態
皮膜の仕上がり状態は、以下の基準で判定した。
○(良好):泡の乾き跡などの凹凸が目視で確認されず、指で擦ったときに皮膜の欠落が生じない平滑で均一な皮膜である。
△(やや不良):凹凸が目視で確認されるか、指で擦ったときに皮膜の欠落が生じるかのいずれかである。
×(不良):凹凸が目視で確認され、かつ、指で擦ったときに皮膜の欠落が生じる。
(2)耐食性
端部と裏面をテープシールした供試材に対してJIS−Z−2371−2000に準拠した塩水噴霧試験を行い、白錆発生面積率が5%となる試験時間を測定した。その評価基準は以下のとおりである。
◎+:96時間以上
◎:72時間以上、96時間未満
○:48時間以上、72時間未満
△:24時間以上、48時間未満
×:24時間未満
(3)耐黒変性
供試材を温度80℃、相対湿度95%に制御された恒温恒湿機に24時間静置した際の白色度(L値)の変化をΔL(試験後のL値−試験前のL値)で算出した。その算出基準は以下の通りである。
○:ΔL≧−10
△:−10>ΔL≧−15
×:−15>ΔL
(4)耐水性
供試材にイオン交換水100μLを滴下し、室温にて15分間放置した後、100℃に設定した炉にて滴下した水を乾燥し、試験前後での外観変化を目視観察して評価した。その評価基準は以下のとおりである。
○:変化なし
△:水滴のふち部分のみ色調変化
×:水滴の内側の色調変化
(5)貯蔵安定性
濃度12質量%に調整した組成物を40℃の恒温槽内に30日静置し、組成物の状態を目視で評価した。
○:組成物の状態の変化は見られない。
△:組成物の粘度上昇がみられる。
×:組成物が粘度上昇かつ組成物中にゲル状態の不溶物が生成するもの。
Figure 0006092591
Figure 0006092591
表3および表4より以下のことがわかる。まず、比較例40〜44に示すとおり、炭酸ジルコニウム化合物を含む組成物を用いてスプレー塗布法で表面処理皮膜を形成した場合、合金化溶融亜鉛めっき鋼板の耐食性が劣る結果となった。
次に、比較例15〜27に示すように、樹脂成分を含む組成物を用いてスプレー塗布法で表面処理皮膜を形成した場合、溶融亜鉛めっき鋼板の皮膜の仕上がり状態が悪くなるとともに、耐食性も十分ではなくなった。また、比較例45に示すように、合金化溶融亜鉛めっき鋼板についても、皮膜の仕上がり状態が悪くなるとともに、耐食性も十分ではなくなった。
さらに、比較例1〜14,28〜39に示すように、組成物の成分(A)〜(F)のいずれかが本発明で規定する含有量の範囲外となった場合、溶融亜鉛めっき鋼板または合金化溶融亜鉛めっき鋼板の皮膜の仕上がり、耐食性、耐黒変性、耐水性、貯蔵安定性の少なくとも1つが劣る結果となった。
また、比較例46〜48に示すとおり、炭素数が3以下または7以上であるエーテル系有機溶剤を用いると、溶融亜鉛めっき鋼板または合金化溶融亜鉛めっき鋼板の皮膜の仕上がり状態が悪くなり、さらに炭素数が7以上の場合、耐食性および耐水性も劣る結果となった。
一方、発明例1〜64に示すとおり、本発明の範囲内に含まれる組成物を用いてスプレー塗布法で表面処理皮膜を形成した場合、溶融亜鉛めっき鋼板および合金化溶融亜鉛めっき鋼板のどちらも、皮膜の仕上がり、耐食性、耐黒変性、耐水性、貯蔵安定性の全てが良好であった。特に耐食性に関しては、合金化溶融亜鉛めっき鋼板に塗布した場合に非常に良好であった。
また、発明例1〜19,22〜51,54〜64と、発明例20,21,52,53とを比較すると、弗素含有化合物(C)が、ジルコン弗化アンモニウム、ジルコン弗化水素酸から1種または2種を含む場合、耐食性が特に良好となることも分かった。
なお、比較例57,58に参考に示すように、溶融亜鉛めっき鋼板にロールコート法で塗布した場合には、組成物の成分(A)または(C)が本発明の範囲に含まれなくても耐食性が劣ることはなかった。さらに、比較例59,60に参考に示すように、ロールコート法で塗布した場合には、組成物に樹脂が含まれていても、皮膜の仕上がりが劣ることはなかった。また、比較例61に参考に示すように、合金化溶融亜鉛めっき鋼板にロールコート法で塗布した場合には、組成物中にグリコールエーテル系有機溶剤の少なくとも1種を含有していなくても、皮膜仕上がりが低下することはなく、皮膜の耐食性も良好であった。このことから、耐食性または皮膜仕上がりが劣るという問題は、スプレー塗布法にて塗布する場合に特有のものであることがわかった。
また、比較例49〜54に示すとおり、溶融亜鉛めっき鋼板または合金化溶融亜鉛めっき鋼板以外の亜鉛めっき鋼板に、本発明で規定する成分組成を満たす組成物をスプレー塗布法で塗布しても、十分な耐食性を得ることができなかった。よって、本発明は、これらの組成物により溶融亜鉛めっき鋼板または合金化溶融亜鉛めっき鋼板に対して表面処理皮膜を形成した場合に特有のものであることがわかった。
なお、比較例55,56に参考に示すとおり、溶融亜鉛めっき鋼板または合金化溶融亜鉛めっき鋼板に何ら塗装しない場合、耐食性、耐黒変性、耐水性のいずれも不十分である。
本発明によれば、溶融亜鉛めっき鋼板または合金化溶融亜鉛めっき鋼板の表面にスプレー塗布法で塗布して表面処理皮膜を形成する場合に十分な耐食性および良好な皮膜外観(仕上がり状態)を呈することが可能な、6価クロムを全く含まない環境適用型の表面処理用組成物を提供することができた。

Claims (3)

  1. 加水分解性チタン化合物、加水分解性チタン化合物の低縮合物、水酸化チタン、水酸化チタンの低縮合物の中から選ばれる少なくとも1種のチタン化合物を過酸化水素水と混合して得られるチタン含有水性液(A)を固形分の割合で10〜45質量%と、ニッケル化合物(B)を固形分の割合で0.01〜1質量%と、弗素含有化合物(C)を固形分の割合で10〜20質量%と、有機リン酸化合物(D)を固形分の割合で40〜60質量%と、バナジン酸化合物(E)を固形分の割合で0.1〜30質量%とを、含有し、
    炭素数4から6のエーテル系有機溶剤(F)を、前記(A)、(B)、(C)、(D)および(E)の合計100質量部に対する割合で5〜30質量部含有し、
    樹脂成分および炭酸ジルコニウム化合物を含まない組成物であって、
    前記弗素含有化合物(C)は、ジルコン弗化アンモニウム、ジルコン弗化水素酸、ジルコン弗化ナトリウム、ジルコン弗化カリウムの中から選ばれる1種または2種以上であり、
    溶融亜鉛めっき鋼板または合金化溶融亜鉛めっき鋼板である亜鉛めっき鋼板の少なくとも片面にスプレー塗布法にて塗布して表面処理皮膜を形成するために用いることを特徴とするスプレー塗布表面処理用組成物。
  2. 前記弗素含有化合物(C)が、ジルコン弗化アンモニウム、ジルコン弗化水素酸の中から選ばれる少なくとも1種である請求項1に記載のスプレー塗布表面処理用組成物。
  3. 溶融亜鉛めっき鋼板または合金化溶融亜鉛めっき鋼板である亜鉛めっき鋼板の少なくとも片面に、請求項1または2に記載のスプレー塗布表面処理用組成物をスプレー塗布法にて塗布し、リンガーロールまたはエアーで塗布量を絞り、乾燥させることにより表面処理皮膜を形成することを特徴とする表面処理亜鉛めっき鋼板の製造方法。

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