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JP6084371B2 - 薬剤安定化医薬組成物 - Google Patents

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本発明は、医薬組成物の安定化に関する。とくに本発明は、プロスタグランジン類の薬剤(例えば、リマプロスト アルファデクス(Limaprost alfadex))などの吸湿性が高く、吸湿により分解しやすい薬剤を安定化させる処方に関する。
リマプロスト アルファデクスは、プロスタグランジンE1誘導体であって、末梢血流を増加させたり、血小板凝集抑制作用があることから、閉塞性血栓血管炎に伴う潰瘍、疼痛および冷感などの虚血性諸症状を改善したり、後天性腰部脊柱管狭窄症に伴う下肢疼痛や下肢しびれなどの自覚症状および歩行能力を改善するのに用いられている。
リマプロスト アルファデクス錠は、吸湿性を有しており、水分を吸収して有効成分(リマプロスト)が非常に分解しやすいため、通常は、PTP包装のうえ、シリカゲルやゼオライトなどの乾燥剤とともに、アルミ袋に装填されており、外部からの湿度の影響を回避する為の密封包装形態としている。
これまでに、薬剤の安定性を高める試みとして、薬剤に無水トレハロース(特許文献1および2)や、シクロデキストリン、デキストランなどの多糖類を用いた例(特許文献3および4)が報告されている。リマプロスト アルファデクスについても、その安定性を高めるため、グルカン類を用いることが試みられているが(特許文献5および6)、必ずしも十分なものではなかった。
特表2000−505801号公報 特開平7−109254号公報 特開平7−157431号公報 特開平6−170221号公報 特開2006−45218号公報 特許第3646310号公報
本発明の課題は、リマプロスト アルファデクスなどの吸湿により分解しやすい薬剤の安定かつ製剤作業効率に優れた製剤、とくに経口用医薬組成物を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討する中で、意外にも、凍結乾燥時にリマプロスト アルファデクスにトレハロースを用いることによって、従来用いられていたグルカン類を用いることなく、また他の少糖類に比べて特異的に安定な凍結乾燥組成物を形成することを見出した。
また本発明者らは、湿度に対して不安定な有効成分を含む医薬組成物は、水分透過性の低い包装において保存した場合、内在性の水分によって安定性が損なわれる場合があることを見出した。これは、水分透過性の低い包装は、外部の水分が包装内に透過されにくい一方で、医薬組成物の原料に含まれる水分や医薬組成物を製造する過程において混入する水分が包装外に放出されず、この医薬組成物内在性の水分によって有効成分が分解されてしまうことが一因であると考えられ、かかる現象は、予測や予防が極めて困難であり、品質管理上大きな問題となるという全く新しい課題に直面し、これに対して、凍結乾燥時にリマプロスト アルファデクスにトレハロースを用いて凍結乾燥した医薬組成物の中の水分、とりわけ温度や湿度の影響で容易に移動や蒸発が起こる自由水の量を低減させた場合、内在性の水分によって有効成分が分解されにくくなるという新たな知見を見出すに至った。本発明者らは、かかる知見に基づき、さらに研究を進めた結果、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、以下の医薬組成物および医薬製剤に関する。
[1] プロスタグランジン類の薬剤およびトレハロースからなる乾燥組成物を含有してなる、医薬組成物。
[2] 乾燥組成物が、乳糖、マルトースおよびサッカロースからなる群から選択される1種または2種以上の二糖類をさらに含む、前記[1]に記載の医薬組成物。
[3] 乾燥組成物が、凍結乾燥によって乾燥されたものである、前記[1]または[2]に記載の医薬組成物。
[4] プロスタグランジン類の薬剤が、リマプロスト アルファデクスである、前記[1]〜[3]のいずれか一項に記載の医薬組成物。
[5] 賦形剤をさらに含む、前記[1]〜[4]のいずれか一項に記載の医薬組成物。
[6] 賦形剤が、グルカン類、乳糖、結晶セルロースおよびトレハロースからなる群から選択される1種または2種以上である、前記[5]に記載の医薬組成物。
[7] 錠剤である、前記[1]〜[6]のいずれか一項に記載の医薬組成物。
[8] 25℃における水分活性値が0.4以下である、前記[1]〜[7]のいずれか一項に記載の医薬組成物。
[9] 25℃における水分活性値が0.2以下である、前記[1]〜[8]のいずれか一項に記載の医薬組成物。
[10] 前記[1]〜[9]のいずれか一項に記載の医薬組成物をPTP包装した、医薬製剤。
[11] ピロー包装されてなる、前記[10]に記載の医薬製剤。
[12] 前記[1]〜[9]のいずれか一項に記載の医薬組成物をガラス製またはプラスチック製容器で包装した、医薬製剤。
本発明の医薬組成物は、経済的かつ効率的に製剤化することが可能であり、さらに、湿気に対する安定性を担保することができる。また、例えば、PTP包装などの水分を通しにくい密封包装を施し長期保存しても、有効成分が水分によって分解されない。また、無包装状態でも3週間程度であれば、安定性を担保することができる。
また、一般的に凍結乾燥法は注射用製剤を製造するのによく用いられているところ、経口用製剤を製造するためには、必ずしも効率的ではなく、経済的に不利であったが、本発明の医薬組成物においては、経口用製剤を製造した場合であっても、経済的かつ効率的に製造できる。
本発明の医薬組成物は、吸湿により分解しやすい薬剤およびトレハロースからなる乾燥組成物を含有してなる。また、本発明の医薬組成物は、吸湿により分解しやすい薬剤およびトレハロースからなる凍結乾燥組成物そのものであってもよい。
ここで吸湿により分解しやすい薬剤としては、例えば、プロスタグランジン類の薬剤などが挙げられる。
プロスタグランジン(PG)類の薬剤とは、プロスタン酸骨格を有する一群の生理活性物質およびその誘導体を示し、PGA、PGB、PGC、PGE、PGE、PGF2α、PGG、PGH、PGI、PGJやこれらの誘導体などが挙げられる。本発明は、とくに、リマプロスト アルファデクスにおいて好適に安定化を実現する。
本発明の医薬組成物は、一態様において、リマプロスト アルファデクスおよびトレハロースからなる凍結乾燥組成物を含有してなる。また、本発明の医薬組成物は、リマプロスト アルファデクスおよびトレハロースからなる凍結乾燥組成物そのものであってもよい。
本発明においてトレハロースは、とくに限定されず、結晶性であっても非結晶性であってもよく、また、二水和物であっても無水物であってもよい。トレハロースの安定性、入手の容易さ、そのものの保存安定性などの観点から、二水和物が好ましい。
本発明において、リマプロスト アルファデクスなどの吸湿により分解しやすい薬剤とトレハロースとの成分比(重量比)は、典型的には、1:1以上であってもよく、好ましくは、1:1.5以上である。
また本発明の乾燥組成物は、吸湿により分解しやすい薬剤とトレハロース以外にも、二糖類を含んでいてもよく、かかる二糖類としては、例えば、乳糖、マルトース、サッカロース、ラクツロース、セロビオースなどが挙げられる。二糖類を含む場合、トレハロースと二糖類との重量比は、とくに限定されないが、典型的には、1:3〜4:0.01であってもよく、好ましくは、1:2〜3:0.01である。
本発明の医薬組成物は、賦形剤を含んでいてもよく、かかる賦形剤としては、例えば、グルカン類、乳糖、結晶セルロース、トレハロース、コーンスターチ、ジャガイモデンプンなどが挙げられる。とくに、成形性の観点から、グルカン類、乳糖、結晶セルロースおよびトレハロースからなる群から選択される1種または2種以上であることが好ましい。
ここでグルカン類とは、グルカン(D−グルコースから構成される多糖)またはその化学的および/または酵素的に処理した多糖類であり、デンプン、デキストリン、デキストラン、プルランなどが挙げられる。
本発明の医薬組成物は、例えば、錠剤、顆粒剤、粉末剤などであってもよく、とくに限定されないが、典型的には、錠剤である。
本発明の医薬組成物は、水分活性値が低いことが好ましく、例えば、25℃における水分活性値が0.4以下、好ましくは、0.2以下である。
本発明の医薬組成物は、必要に応じ包装することによって医薬製剤とすることができる。本発明の医薬組成物は、通常のPTP包装の他、高防湿PTPや両面アルミPTPやSP包装などのように比較的水分を透過することのない防湿性の高い包装を行って保存することもできる。前記の各包装形態としたのち、さらにピロー包装を行い保存することも可能である。ピロー包装中には乾燥剤を入れることもできる。
乾燥剤としては、とくに限定されないが、例えば、シリカゲル、塩化カルシウム、酸化カルシウム(生石灰)、塩化マグネシウム、シリカアルミゲル、ゼオライトなどが挙げられるが、安全面、使いやすさ、衛生面などの観点から、とくにシリカゲル(袋入り、または、シート型)が好ましく、さらに使いやすさ、衛生面から、シート型シリカゲルが好ましい。
本発明において、乾燥組成物は、常法に従って調製することが可能である。例えば、凍結乾燥の場合には、リマプロスト アルファデクスとトレハロースとを水に溶解し、凍結乾燥することによって調製することができる。必要に応じ、トレハロースと同時に二糖類などを添加して溶解し、かかる溶液を凍結乾燥することもできる。
さらに、本発明の医薬組成物は、乾燥組成物に賦形剤を添加して製造することも可能であり、賦形剤の種類や添加の方法は、医薬組成物の各種剤形に応じて選択することができる。例えば、錠剤の医薬組成物は、上記のとおり調製した凍結乾燥組成物と賦形剤とを混合し、打錠・乾燥することによって製造することができる。
また、本発明の医薬組成物は、ピロー包装あるいは、両面アルミPTP包装といった外部からの水分の侵入のない包装中であれば、乾燥剤無しでの製剤化が可能となった。つまり、内在性の水分により自己分解しないリマプロスト アルファデクス製剤を開発するに至った。その点で、グルカン類よりも安定化効果で優れていると言える。
本発明の医薬製剤は、前記医薬組成物を包装することによって製造することができる。包装は、例えば、乾燥条件下で、本発明の医薬組成物の低い水分活性値を保ちながら行う。また、本発明の医薬製剤は、分包紙やPTP包装などの包装後、さらにピロー包装することによって製造してもよい。ピロー包装中に乾燥剤を入れておくこともできるが、驚くべきことに、ピロー包装中に乾燥剤がない場合であっても本発明の製剤の安定性に特に問題は生じない。
また、本発明の医薬製剤は、本発明の医薬組成物をガラス製またはプラスチック製容器で包装して製造することができる。
以下に実施例を示し、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
本発明者らは、トレハロース以外の少糖類(単糖、二糖)について、リマプロスト アルファデクスを安定させる効果の有無について検討したが、検討したもののうち、トレハロースだけが極めて顕著に安定化に資することを確認した。そこで、トレハロースを用いてリマプロスト アルファデクスの安定化させることが可能な処方とその包装形態についてさらに検討を進めた。
<例1>凍結乾燥組成物の調製1
材料:リマプロスト アルファデクス(イナガキ薬品(株)より入手)
トレハロース(林原商事より入手)
方法:リマプロスト アルファデクス0.67gとトレハロース4.00gとを水に溶解し、凍結乾燥することによって調製した。
凍結乾燥条件:棚温−50℃とし冷却により、内容物を凍らせた後、棚温−10℃にて品温と棚温度が同じになるまで乾燥させ(1次乾燥)、その後、棚温を30℃とし、6時間以上乾燥させた(2次乾燥)。
<例2>医薬製剤の製造
例1で調製した凍結乾燥組成物を粉砕・篩過し、下記表1に示す処方となるように賦形剤等添加後、常法に従って打錠し、その錠剤を室温で10時間真空乾燥した。
Figure 0006084371
得られた錠剤の水分活性値は、約0.05〜0.07であった。なお、水分活性値の測定は、常法に従い、デカゴン社製水分活性測定装置(AQUA LAB 4TE)を用いて行なった。
得られた錠剤を下記のとおり包装し、実施例1〜3の医薬製剤を製造した。
実施例1:例1の凍結乾燥組成物(錠剤)を高防湿PTP包装した後、シート型乾燥剤を入れてピロー包装したもの
実施例2:例1の凍結乾燥組成物(錠剤)を高防湿PTP包装した後、乾燥剤を入れずにピロー包装したもの
実施例3:例1の凍結乾燥組成物(錠剤)を高防湿PTP包装したもの(ピロー包装していない、乾燥剤なし)
なお、高防湿PTP包装は、材料として、PVC(塩化ビニル)、PVDC複合剤(共重合体)、環状ポリオレフィン、あるいは、両面アルミニウム(容器側とシート側の両方がアルミニウムラミネートを使用)、または、フッ素系ポリマーフィルムまたはそのラミネートを用いた、非常に防湿性の高い包装である。
<例3>安定性試験1
実施例1の医薬製剤の安定性を加速条件(40℃、75%RH)において確認した。比較例として、市販のオパルモン錠(登録商標)(小野薬品工業株式会社)を用いた。なお、オパルモン錠(登録商標)は、高防湿PTP包装されており、さらに乾燥剤3gを含むピロー包装されている(比較例1)。また、添加物としてグルカン類を含む。
実施例1および比較例1について、試験開始時(実測値)から3週間に亘って1週間ごとにリマプロスト アルファデクスの分解物(11−デオキシ−10Δ体)の含量(%)を測定した。結果を表2に示す。
Figure 0006084371
比較例1は、高防湿PTP包装であるにも拘らず、1週間後から3週間後まで分解物が増え、有効成分であるリマプロスト アルファデクスの安定性が損なわれていることが示された。一方、実施例1は、比較例1と同様、高防湿PTP包装(ポリ塩化ビニリデン;PVDC)であっても、比較例1よりも湿気に対して安定であり、有効成分であるリマプロスト アルファデクスが極めて安定に保たれていることが確認された。
<例4>安定性試験2
乾燥剤を入れずにピロー包装した実施例2の医薬製剤について、上記と同様に安定性を確認した。結果を表3に示す。
Figure 0006084371
乾燥剤を入れずにピロー包装した実施例2における医薬製剤の分解物の含量は、乾燥剤を入れてピロー包装した実施例1に比較して、全く遜色がなく、乾燥剤を使用しなくても、リマプロスト アルファデクスを安定に保存できることが確認された。従来の医薬製剤では、乾燥剤を入れなければ、十分に安定に保存できなかったことから、本発明の医薬製剤が湿気に対して極めて安定であることが示された。
<例5>安定性試験3
例1の凍結乾燥組成物を高防湿PTP包装(PVDC)だけにした実施例3と、市販のオパルモン錠(登録商標)をピロー包装から取り出し、高防湿PTP包装だけにした医薬製剤(比較例2)とについて、上記と同様に安定性を確認した。結果を表4に示す。
Figure 0006084371
水分を通しにくい高防湿PTP包装(PVDC)によって、乾燥剤とともにピロー包装しない場合であっても、十分な安定性を保つことができた。
<例6>凍結乾燥組成物の調製2
2次乾燥の温度条件を30℃から60℃に変更した以外は、例1に示す凍結乾燥組成物の調製と同様に凍結乾燥組成物を調製した。得られた凍結乾燥組成物を密封ガラス容器中で保存し、例3に示す安定性試験に従い、安定性を確認した。結果を表5に示す。
Figure 0006084371
加速条件下であっても長期に亘ってリマプロスト アルファデクスが分解されることなく、極めて安定的に保存できることが示された。
<例7>安定性試験4
例2で得られた錠剤(例1で調製した凍結乾燥組成物を粉砕・篩過し、賦形剤等添加後、常法に従って打錠し、その錠剤を室温で10時間真空乾燥したもの)をさらに60℃で2時間真空乾燥した。得られた錠剤の水分活性値は、測定限度以下(0.025以下)であった。この錠剤から、以下の包装形態の医薬製剤を製造し、例3に示す安定性試験に従い、安定性を確認した。結果を表6に示す。
実施例5:フッ素系ポリマーラミネートフィルムを使った高防湿PTP(アクラー(登録商標))だけで包装したもの。
実施例6:フッ素系ポリマーラミネートフィルムを使った高防湿PTP(アクラー(登録商標))にアルミピローで包装したもの。
実施例7:両面アルミニウムラミネート(AL)を使ったPTPだけで包装したもの。
比較例1:市販のオパルモン錠(登録商標)をピロー包装から取り出し、高防湿PTP包装だけにした医薬製剤
比較例2:高防湿PTP包装及び乾燥剤3gを含むピロー包装されたオパルモン錠(登録商標)
Figure 0006084371
実施例5、6および7において、加速保存で2箇月(通常の保存条件で約1年間に相当)で内在性水分により分解されることなく極めて安定であることが明らかになった。実施例5と同じく高防湿PTPのみの包装とした比較例1が、2箇月で約20倍の分解物を生成している。また、外部から水分を通さず、内在性の水分を乾燥剤により取り除く包装形態である比較例2においても分解が進んでいる。これは、吸湿により分解しやすい薬剤に対し、極めて簡易な包装で長期間の安定を実現するPTP製剤ができたことを示している。
<例8>凍結乾燥組成物の安定性
例1と同様にして、トレハロースの代わりにデキストリンまたは乳糖を用いた凍結乾燥組成物を調製し、トレハロースを用いた凍結乾燥物と安定性を比較した。例3に示す安定性試験に従い、安定性を確認した。結果を表7に示す。
Figure 0006084371
トレハロースを用いた凍結乾燥物は、従来用いられていた多糖類(デキストリン)に遜色がない程度にリマプロスト アルファデクスを長期に亘って安定化させることができた。一方、トレハロースと同様に二糖である乳糖では、十分な長期安定性を得ることはできなかった。
本発明の医薬組成物は、リマプロスト アルファデクスなどの吸湿により分解しやすい薬剤を安定化することができ、とくに経口用製剤として、経済的かつ効果的に製造することができる。水分に対する安定性が極めて優れ、直接容器または、間接容器に水分透過性の極めて低い素材を用いた包装形態であっても、乾燥剤なしに内在性の水分の影響を受けることなく加速条件下で2箇月の長期に亘って、リマプロスト アルファデクスの十分な安定性を保つことが可能である。

Claims (12)

  1. PGA、PGB、PGC、PGE、PGE、PGF2α、PGG、PGH、PGI、PGJおよびリマプロスト アルファデクスからなる群から選択されるプロスタグランジン類の薬剤およびトレハロースを水に溶解し、凍結乾燥してなる乾燥組成物を含有してなる、医薬組成物。
  2. 乾燥組成物が、乳糖、マルトースおよびサッカロースからなる群から選択される1種または2種以上の二糖類をさらに含む、請求項1に記載の医薬組成物。
  3. プロスタグランジン類の薬剤が、リマプロスト アルファデクスである、請求項1または2に記載の医薬組成物。
  4. 賦形剤をさらに含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  5. 賦形剤が、グルカン類、乳糖、結晶セルロースおよびトレハロースからなる群から選択される1種または2種以上である、請求項4に記載の医薬組成物。
  6. 錠剤である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  7. 25℃における水分活性値が0.4以下である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  8. 25℃における水分活性値が0.2以下である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  9. 請求項1〜8のいずれか一項に記載の医薬組成物をPTP包装した、医薬製剤。
  10. ピロー包装されてなる、請求項9に記載の医薬製剤。
  11. 請求項1〜8のいずれか一項に記載の医薬組成物をガラス製またはプラスチック製容器で包装した、医薬製剤。
  12. プロスタグランジン類の薬剤およびトレハロースからなる乾燥組成物を含有してなる医薬組成物を製造する方法であって、PGA、PGB、PGC、PGE 、PGE 、PGF 2α 、PGG、PGH 、PGI 、PGJおよびリマプロスト アルファデクスからなる群から選択されるプロスタグランジン類の薬剤およびトレハロースを水に溶解し、凍結乾燥して乾燥組成物を調製することを含む、前記方法。
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