[go: up one dir, main page]

JP6084189B2 - 電極板搬送装置の位置決め機構 - Google Patents

電極板搬送装置の位置決め機構 Download PDF

Info

Publication number
JP6084189B2
JP6084189B2 JP2014185236A JP2014185236A JP6084189B2 JP 6084189 B2 JP6084189 B2 JP 6084189B2 JP 2014185236 A JP2014185236 A JP 2014185236A JP 2014185236 A JP2014185236 A JP 2014185236A JP 6084189 B2 JP6084189 B2 JP 6084189B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
guide rod
inner ring
outer ring
cam
electrode plate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2014185236A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2016056426A (ja
Inventor
崇 塩地
崇 塩地
安志 中園
安志 中園
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Pan Pacific Copper Co Ltd
Original Assignee
Pan Pacific Copper Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Pan Pacific Copper Co Ltd filed Critical Pan Pacific Copper Co Ltd
Priority to JP2014185236A priority Critical patent/JP6084189B2/ja
Publication of JP2016056426A publication Critical patent/JP2016056426A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6084189B2 publication Critical patent/JP6084189B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Electrolytic Production Of Metals (AREA)

Description

本発明は、電極板搬送装置の位置決め機構に関し、さらに詳しくは、電極板搬送装置を電解槽の所定の位置に案内するために昇降するガイドロッドを確実に動作させ、且つ、安全性を高めた電極板搬送装置の位置決め機構に関する。
銅や亜鉛などの金属の電解精製は、電解液が貯えられた電解槽内に複数(Cuの場合、通常、20枚から60枚程度)の陰極板(カソード板)と耳付き型陽極(アノード板)とを交互に平行になるようにして浸漬し、電圧を印加することによって行なわれる。そして、これらの電極板の電解槽への装入及び引き上げ並びに搬送は、電極板搬送装置のロッドの先端側に設けられたフックで掛止し、吊下支持することによって行なわれる。すなわち、電極板搬送装置にはアノード板を支持する一対のアノード用フックと、カソード板を支持する一対のカソード用フックが吊枠にそれぞれ複数設置されており、多数の電極板を吊り下げた電極板搬送装置を天井クレーン等の移動装置によって電解槽の上方まで水平移動させ、所定の位置で電極板搬送装置の吊枠を昇降することにより電極板を電解槽の所定位置への装入又は引き上げが行なわれる。そして、電解が終了したカソード板は、剥ぎ取り機受け入れ口のコンベアに装入され、その表面に電着した金属の剥ぎ取りが行なわれる。そして、剥ぎ取りが終わったカソード板は剥ぎ取り機搬出口のコンベアから、電極板搬送装置によって搬送されて再び電解槽内へ装入され電解精製に供される。
上述した電極板搬送装置の一例として、例えば特許文献1に示すものがある。特許文献1の電極板搬送装置について説明すると、図5に示すように、電極板搬送装置1は、吊枠2を備え、吊枠2には多数の電極板Pを吊り下げるために電極板と同数の一対フック2aが取り付けられている。吊枠2はワイヤWを介して図示しない天井クレーンに吊下されており、天井クレーンを適宜に移動させることにより電極板搬送装置1を電解槽100へ移動させることができるようになっている。そして、電解槽100の上方位置へ搬送された電極板搬送装置1は、図示しない巻取装置によってワイヤWを巻き上げ又は巻き取りすることにより吊枠2を下降又は上昇させて電極板Pを電解槽100内へと装入又は電解槽100からの抜き出しを行う。
しかしながら、天井クレーンの移動制御のみで電極板搬送装置1を電解槽100内における電極板Pが配列されるべき所定の場所に位置させることは極めて困難であり、また、天井クレーンによる移動に起因する吊枠2の揺れ止め、電極板Pの電解槽100内への装入時に発生する電極板Pと電解槽100との衝突による損傷の防止、吊枠2を電解槽100に対するより高精度な位置決めを図るために、電極板搬送装置1には位置決め機構を構成する位置決めガイド10が設けられている。この位置決めガイド10は、電極板搬送装置1が所定の電解槽100位置へと搬送されてきたときに、電解槽100に設けられた位置決めピン101に嵌合することにより正確な位置決めを行うと共に吊枠2の揺れ止めとしても機能するように構成されている。
すなわち、位置決めガイド10は、吊枠2の長手方向両端部に設けられ、細長ロッド状のガイドロッド11をスライド自在に軸支したスライド軸受け3を備えている。また、ガイドロッド11がスライド軸受け3から抜け落ちないようにガイドロッド11の上端部にはストッパ13が設けられている。そして、図6に示すように、ガイドロッド11の下端には位置決め部材12が配置されており、位置決め部材12の下端部には円錐形状の凹部14が形成されている。
一方、電解槽100の側壁の上面には、図5に示すように、凸状の位置決めピン101が配置されており、吊枠2が下降することによって位置決め部材12の凹部14が凸状の位置決めピン101に嵌合するようになっている。これにより、電極板搬送装置1は、吊枠2を電解槽100に対してより高精度に位置決めすることが可能となり、吊枠2の揺れも止めることができる。この状態で電極板Pを電解槽100内への装入又は抜き出しが行われる。
しかしながら、上述した従来の位置決め機構は、位置決めガイド10には駆動機構が設けられておらず、ガイドロッド11はスライド軸受け3に対して自由にスライド可能な状態で吊枠2に垂下されていたため、ガイドロッド11の下端部分が電解槽100やその他の設備に衝突しない高さまで吊枠2を上昇させた状態で電極搬送装置1の移動を行う必要があった。
そのため、ガイドロッド11を所定の高さで停止させることができ、それによって吊枠2を任意の高さで移動させることができるようにした位置決めガイドが特許文献2に開示されている。この位置決めガイドを図6,7に示す。図示された位置決めガイド10は、吊枠2の長手方向両端に配置され、ガイドロッド11(特許文献2では「ピンガイド11」)がスライド軸受け3によって上下方向に移動自在に配置されて構成されている。
ガイドロッド11は細長パイプ状部材であり、上端は栓カバー15によって封止され、下端には位置決め部材12が取付けられている。この位置決め部材12は、下端部に円錐形状に下方に開口した凹部14と、凹部14の先端には軸線に対して直交する方向に延在した逆V字形の溝16とが形成されている。凹部14は電解槽100側に設置した円錐形状の凸部材101に嵌合可能とされている。
ガイドロッド11には、長手方向軸線に沿って所定の長さにわたってラック歯車17が形成されたラック部材18が一体に取付けられており(図6参照)、フレーム枠体31にはラック部材18のラック歯車17に噛合し、位置決めガイド10を駆動するための駆動装置20が配置されている。この駆動装置20は、駆動源としての電動モータ21及び減速機22を備え(図7参照)、減速機22からの出力軸23は水平方向に延在してその先端はフレーム枠体31に設置された軸受け24にて担持されている。出力軸23にはラック歯車17に噛合するピニオン歯車25を備えたピニオン歯車装置26と、ピニオン歯車装置26に一方向の回転力のみを伝達する一方向回転力伝達手段としてのラッチ装置40とが配置されている。
図7に示すように、出力軸23には減速機22に隣接した位置に一体に駆動部材を構成するフランジ41が配置され、出力軸23の外周には、同軸にてフランジ41と軸受け24との間に回転自在にスリーブ42が配置されている。そして、スリーブ42の一端、即ち、フランジ41に対面する側の端部には、ボルト43によって一体に被駆動部材としてのラチェット歯車44が取付けられている。スリーブ42の、ラチェット歯車44に対面する位置に回転自在にフランジ47が配置され、スリーブ42の他端には、ピニオン歯車25が配置され、ボルト27にて一体に取付けられている。また、フランジ41にはラチェット歯車44に噛合し、ラチェット歯車44に一方向回転力を伝達するための爪部材45が、取付け軸46を介して揺動自在に配置されている。爪部材45は図示しない付勢手段によって常にラチェット歯車44の方へと押圧されている。
上述したような構成により、爪部材45がラチェット歯車44に噛合して回転力を伝達し、ガイドロッド11を適宜に上昇させると共に所定の高さ位置で保持することが可能とされる一方、位置決め部材12が電解槽100側に設置した凸部材101への嵌合を開始した場合には爪部材45はラチェット歯車44に噛合することなくスリップすることにより吊枠2がガイドロッド11に対して相対的に下方に下がることを許容するようになっている。
特開平09−249985号公報 特開2002−348695号公報
しかしながら、特許文献2のようにガイドロッド11の動作を上述したようなラチェット機構による噛み合わせ及びその解除によるものとした場合、ラチェット機構は爪部材45とラチェット歯車44との噛み合いによって機能するものであるからラチェット歯車44が回転を開始する際に瞬間的にラチェット歯車44と爪部材45が離れる状態となる場合がある。その結果、何らかの要因で爪部材45とラチェット歯車44が適正に噛み合わなかった場合にはガイドロッド11がフリーな状態となって無抵抗な状態で急激に落下するおそれがある。ガイドロッド11の上端には落下防止のためのストッパ13が取り付けられているものの何の抵抗もなく落下した場合にはストッパ13によってもガイドロッド11を止めることができず地面に落下してしまうことも考えられる。万一、そのような事態になった場合には、落下したガイドロッド11が電極板Pや電解槽100、その他の設備を破損させるおそれがあるばかりでなく、作業者を危険に晒すことにもなる。
そこで、本発明は、上記の問題に鑑み、ガイドロッドの上昇及び所定の高さ位置で保持する機能はそのままに、ガイドロッドを確実に動作させ、且つ、自然落下のおそれがなく、安全性の高い電極板搬送装置の位置決め機構を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために請求項1に記載の本発明は、多数の電極板を吊下支持する吊枠を備えた電極板搬送装置を電解槽の上方の所定位置に位置決め配置するための電極板搬送装置の位置決め機構において、吊枠の両端又はいずれか一方に配置された長尺のガイドロッドと、ガイドロッドを吊枠に対して相対的に上下移動させる駆動機構とを備え、駆動機構は、カムクラッチを介してガイドロッドを上昇及び停止させると共に電解槽の所定位置に当接したガイドロッドに対して吊枠を自重により下降可能に構成されていることを特徴とする。
上記課題を解決するために請求項2に記載の本発明は、請求項1に記載の電極板搬送装置の位置決め機構において、カムクラッチは、内輪と、内輪と同軸に配設される外輪と、内輪と外輪との間に配置されて両輪の噛み合いと空転を生じさせる複数のカムを備え、ガイドロッドを上昇させる場合には、内輪と外輪にカムが噛み合う方向に内輪又は外輪を回転させてカムクラッチを噛み合い状態とし、ガイドロッドを下降させる場合には、カムの噛み合いが解除されて内輪と外輪とが空転する方向に内輪又は外輪を回転させてカムクラッチを半クラッチ状態とし、ガイドロッドを電解槽の所定位置に当接させた状態でガイドロッドに対して吊枠を自重により下降させる場合には、内輪又は外輪の回転を停止させることによりカムクラッチを半クラッチ状態とすることを特徴とする。
本発明に係る電極板搬送装置の位置決め機構によれば、爪部材とラチェット歯車との噛み合いによるラチェット機構のような機械的な係合解除機構ではなく、カムが外輪と内輪に常に接触しているカムクラッチを用いることとしたので、カムと外輪及び内輪との摩擦力の低下によりガイドロッドが緩やかに滑り落ちることはあるにしても全く抵抗無く自然落下するようなおそれはないことから従来に比べて安全性が高いという効果がある。
また、本発明に係る電極板搬送装置の位置決め機構によれば、カムと外輪及び内輪との摩擦力が低下したような場合にはガイドロッドが緩やかに滑り落ちるので交換や改修等の作業時期を見極め易いという効果がある。
本発明に係る電極板搬送装置の位置決め機構の一実施形態を示す構成図である。 カムクラッチの一例を示す一部断面斜視図である。 (a)〜(e)はカムクラッチの各構成部品を示す斜視図である。 (a),(b)はカムクラッチの動作を説明する図である。 従来の電極板搬送装置を示す斜視図である。 ラチェット機構を備えた従来の位置決めガイドを示す一部断面正面図である。 図6のA−A線の断面図である。
[電極板搬送装置の位置決め機構の構成]
本発明に係る電極板搬送装置の位置決め機構の好ましい一実施形態について以下、図面を参照しつつ説明する。図1は本発明に係る電極板搬送装置の位置決め機構の一実施形態を示す構成図である。図1に示すように、電極板搬送装置の位置決め機構(以下、単に「位置決め機構」という。)5は、概略として、モータ21と、モータ21を駆動源とする減速機22と、減速機22の出力軸22aに取り付けられたプーリ22bと、プーリ22bに対して同一列になるように配設されたプーリ6bと、プーリ22bとプーリ6bの間に架け渡されたベルト7と、プーリ6bに入力軸6aが連結されたカムクラッチ6と、カムクラッチ6の出力軸6cに連結された回転軸9を軸支する軸受8a,8bと、回転軸9に取り付けられて回転軸9の回転力をガイドロッド11に取り付けられたラック歯車17に伝達するピニオン歯車25を備えて構成されている。また、モータ21の動作を適宜に切り替えるための切替スイッチ30が設けられている。
カムクラッチ6は、減速機22からの出力をガイドロッド11に伝達してガイドロッド11を上昇及び停止させると共に、減速機22の出力を遮断してガイドロッド11に対して吊枠2を自重により下降可能に動作させる。換言すれば、カムクラッチ6が効いている場合にはラック歯車17に減速機22の駆動力が伝達され、一方、カムクラッチ6をいわゆる半クラッチ状態とした場合にはガイドロッド11を自重で下降させる。モータ21の回転方向は切替スイッチ30によってガイドロッド11を上昇させる方向及び下降させる方向への切り替えが行われるようになっている。
[カムクラッチの詳細構成]
カムクラッチ6として、例えば、株式会社ツバキE&M社製のカムクラッチを用いることができる。図2はカムクラッチ6の一例を示す一部断面斜視図、図3(a)〜(e)はカムクラッチ6の各構成部品を示す斜視図である。カムクラッチ6は図2に示すように、中央に大径部が形成されて段差を備えた略円筒形状の内輪60(図3(a))と、内輪60の段差部分に外嵌された前後二つのベアリング61,61(図3(b))と、二つのベアリング61,61の間の内輪60に外嵌された二つのリング状のスプリング62,62(図3(c))と、二つのベアリング61,61の間に挟持されるようにして配置され、二つのスプリング62,62によって内輪60と後述する外輪64に接触させるようにして配置された複数のカム63,63(図3(d))と、内輪60、ベアリング61,61及びカム63,63を内装する円筒形状の外輪64(図3(e))を備えて構成されている。尚、本実施形態では、図1に示すように、外輪64が出力軸6cを介して回転軸9に連結され、内輪60が入力軸6aを介してプーリ6bに連結されているが、それぞれ逆に取り付けることもできる。
内輪60の表面及び外輪64の内周面はカム63の軌道面であり、カム63との噛み合いの際に作用する圧縮応力や空転時の摺動摩耗に耐えられるよう充分な硬度と硬化層が確保され、さらに真円筒に精密研削されている。カム63,63は内輪60と外輪64との間に規則的に複数個が配置されており、内輪60と外輪64の相対回転方向に応じて連結状態となったり、すべり状態になったりするようになっている。この作用によってカムクラッチ6の内輪60と外輪64の噛み合いと空転が行われる。カム63,63は、上面側(外輪64側)は屋根型形状とされ、下面側(内輪60側)は略半円形状となっている。
ベアリング61,61は、内輪60及び外輪64の同心保持とラジアル荷重を支持する。特に、同心保持とするのはカムクラッチ6が噛み合う際に全てのカム63,63が同時にかつ均等な荷重分担で噛み合うようにするためである。また、スプリング62,62は、図4(b)に示すように、カム63の両端に一本ずつ圧縮された状態で配置されており、全てのカム63,63を内輪60及び外輪64に常に接触するようにしている。
[駆動機構(カムクラッチ)の動作]
図4(a),(b)はカムクラッチの動作を説明する図である。図4(a)に示すように、カム63,63は、内輪60及び外輪64に対して点A,Bの2カ所で接している。そして点A,Bは、図4(a)に示すように内輪60及び外輪64の中心線O−O’と一定の角度θ(θ:ストラットアングル)を保っている。そして、スプリング62,62は圧縮された状態でカム63,63の両端の段差部63aに配設され、カム63,63を内輪60及び外輪64に軽く接触させている。
次に、カムクラッチ6の空転(クラッチ解放)及び噛み合い(クラッチ連結)について図4(a)を用いて説明する。
[空転(クラッチ解放)時]
まず、外輪64をR方向又は内輪60をL’方向に回転させると、カム63は外輪64との接点である点Aと内輪60との接点である点Bにおける連結状態が解除される方向に傾斜する。したがって、外輪64と内輪60は互いに自由に回転できる状態となるので内輪60又は外輪64には回転を伝えない。この状態が「空転」である。
[噛み合い(クラッチ連結)時]
一方、外輪64をL方向又は内輪60をR’方向に回転させると、カム63は外輪64との接点である点Aと内輪60との接点である点Bにおいて内輪60と外輪64にしっかりと挟持された状態となる。したがって、外輪64、カム63及び内輪60は一体、すなわち「連結状態」となって駆動機側から被動機側へ動力が伝達される。この状態が「噛み合い」である。そして、内輪60と外輪64の軌道面上に多数配列されているカム63,63は、スプリング62,62の作用によって瞬時に均等な荷重分担で噛み合うことになる。
[位置決め機構の動作]
次に、位置決め機構5の動作について説明する。初めに、ガイドロッド11を上昇又は下降させる場合について説明する。ガイドロッド11を上昇又は下降させる場合には、切替スイッチ30によってガイドロッド11を上昇又は下降のいずれかを選択する。この場合、モータ21の回転方向はそれぞれ反対となるが、モータ21の回転方向に応じてモータ21が回転駆動され、その回転数は減速機22によって所定の回転数に減速される。減速機22の出力軸22aからの回転はプーリ22b、ベルト7及びプーリ6bを介してカムクラッチ6の内輪60に連結された入力軸6aに伝達される。そして、ガイドロッド11を上昇させる場合には内輪60がモータ21の回転を受けて図4(a)に示すR’方向へ回転し、カムクラッチ6の外輪64が相対的に図4(a)に示すL方向へ回転する状態となるのでカム63には、図4(b)に示すように、F方向にモーメントが働き、内輪60と外輪64とが噛み合って内輪60、カム63及び外輪64の3つが一体となって同方向に回転する。この結果、プーリ22bの回転力がカムクラッチ6を介して回転軸9に伝達され、さらにピニオン歯車25からラック歯車17に伝達され、これによってガイドロッド11が上昇する。
一方、ガイドロッド11を下降させる場合には切替スイッチ30によって内輪60がモータ21の回転を受けて図4(a)に示すL’方向へ回転し、カムクラッチ6の外輪64が相対的に図4(a)に示すR方向へ回転する状態となるので、カム63は図4(b)に示すF方向へのモーメントが弱くなる状態になる。しかしながら外輪64はガイドロッド11と連結されており、ガイドロッド11の自重により図4(a)に示すL方向へ回転させられるため、ガイドロッド11下降中は完全には空転状態とはならない。すなわち、下降時における内輪60と外輪64との間のカム63の位置関係によって完全に噛み合ったり噛み合いが弱まったりして半クラッチ状態となる。この結果、ガイドロッド11は自重で落下するもののモータ21からの伝達動力を受けて回転するカム63の内輪60の回転速度以下に制御されて下降させることができる。すなわち、ガイドロッド11と連結した外輪64のL方向への回転速度をV1とし、モータ21の動力を受けて回転する内輪60のL’方向への回転速度をV2とすると、V1<V2の状態になるとカム63の図4(b)に示すF方向へのモーメントが弱まり、半クラッチ状態で下降するようになり、逆にV1>V2の状態になるとカム63の図4(b)に示すF方向へのモーメントが強まり、カム63が完全に噛み合うようになる。したがって、ガイドロッド11は自重で落下するもののモータ21からの伝達動力を受けて回転する内輪60の回転速度以下に制御されて下降させることができる。
次に、ガイドロッド11の位置決め部材12の凹部14が凸状の位置決めピン101に嵌合して吊枠2が位置決めされた状態でさらに吊枠2を下降させる場合について説明する。位置決め部材12の凹部14が凸状の位置決めピン101に嵌合して吊枠2の位置決めが行われたら、作業者は切替スイッチ30によってモータ21を停止し、図示しないブレーキによってモータ21の回転を停止する。これにより、内輪60は止まった状態となり、内輪60に固定されたカム63は回転しない状態となる。その結果、半クラッチ状態であったカム63は外輪64と接触した状態となり、カム63と外輪64との摩擦力はガイドロッド11の自然落下を許容しない状態となるが、ガイドロッド11よりもはるかに重量のある吊枠2の自重によって外輪64がR方向へ回転することを許容する状態となる(半クラッチ状態)。これにより、吊枠2は自重によって下降し、相対的にガイドロッド11は上昇することになる。この場合、ガイドロッド11の上昇によってラック歯車17を介してピニオン歯車25を回転させ、その回転はさらに回転軸9を回転させることになるが、カムクラッチ6においては半クラッチ状態となっているので回転軸9の回転はプーリ6bの出力軸6cには伝わらない。尚、位置決めされたガイドロッド11に対して吊枠2を相対的に下降させる場合には、モータ21をガイドロッド11が上昇する方向に回転駆動しても良いし、モータ21のブレーキ装置を解除しても良い。また、外輪64及び内輪60と回転軸9及び入力軸6aとの連結を逆にした場合には上述の動作はそれぞれ反対となる。
[実施形態の効果]
以上のように、本実施形態に係る電極板搬送装置の位置決め機構によれば、従来の爪部材とラチェット歯車との噛み合いによるラチェット機構のような機械的な係合解除機構ではなく、カムクラッチ6を駆動機構として用いたので、カム63と外輪64及び内輪60との摩擦力の低下によりガイドロッド11が緩やかに滑り落ちることはあるにしても、全く抵抗無く自然落下するようなおそれはないことから従来に比べて安全性が高いという効果がある。
また、本発明に係る電極板搬送装置の位置決め機構によれば、カム63と外輪64及び内輪60との摩擦力が低下したような場合にはガイドロッド11が緩やかに滑り落ちるので改修等の作業時期を見極め易いという効果がある。
以上のように、本発明の好ましい実施形態について詳述したが、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能であることはいうまでもない。例えば、カムクラッチ6は図示した構造に限定されるものではなく、同様の機能を発揮できるなら、どのような構造であってもよい。
1 電極板搬送装置
2 吊枠
5 位置決め機構
6 駆動機構(カムクラッチ)
6a 入力軸
6b プーリ
6c 出力軸
7 ベルト
8a,8b 軸受
9 回転軸
10 位置決めガイド
11 ガイドロッド
17 ラック歯車
20 駆動装置
21 電動モータ
22 減速機
22a 出力軸
22b プーリ
25 ピニオン歯車
30 切替スイッチ
60 内輪
61 ベアリング
62 スプリング
63 カム
64 外輪

Claims (2)

  1. 多数の電極板を吊下支持する吊枠を備えた電極板搬送装置を電解槽の上方の所定位置に位置決め配置するための電極板搬送装置の位置決め機構において、
    前記吊枠の両端又はいずれか一方に配置された長尺のガイドロッドと、
    前記ガイドロッドを前記吊枠に対して相対的に上下移動させる駆動機構と、
    を備え、
    前記駆動機構は、カムクラッチを介して前記ガイドロッドを上昇及び停止させると共に前記電解槽の所定位置に当接した前記ガイドロッドに対して前記吊枠を自重により下降可能に構成されていることを特徴とする電極板搬送装置の位置決め構造。
  2. 請求項1に記載の電極板搬送装置の位置決め機構において、
    前記カムクラッチは、内輪と、前記内輪と同軸に配設される外輪と、前記内輪と前記外輪との間に配置されて両輪の噛み合いと空転を生じさせる複数のカムを備え、
    前記ガイドロッドを上昇させる場合には、前記内輪と前記外輪に前記カムが噛み合う方向に前記内輪又は前記外輪を回転させて前記カムクラッチを噛み合い状態とし、
    前記ガイドロッドを下降させる場合には、前記カムの噛み合いが解除されて前記内輪と前記外輪とが空転する方向に前記内輪又は前記外輪を回転させて前記カムクラッチを半クラッチ状態とし、
    前記ガイドロッドを前記電解槽の所定位置に当接させた状態で前記ガイドロッドに対して前記吊枠を自重により下降させる場合には、前記内輪又は前記外輪の回転を停止させることにより前記カムクラッチを半クラッチ状態とする、
    ことを特徴とする電極板搬送装置の位置決め構造。
JP2014185236A 2014-09-11 2014-09-11 電極板搬送装置の位置決め機構 Active JP6084189B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014185236A JP6084189B2 (ja) 2014-09-11 2014-09-11 電極板搬送装置の位置決め機構

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014185236A JP6084189B2 (ja) 2014-09-11 2014-09-11 電極板搬送装置の位置決め機構

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016056426A JP2016056426A (ja) 2016-04-21
JP6084189B2 true JP6084189B2 (ja) 2017-02-22

Family

ID=55757604

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014185236A Active JP6084189B2 (ja) 2014-09-11 2014-09-11 電極板搬送装置の位置決め機構

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6084189B2 (ja)

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3305563B2 (ja) * 1996-03-13 2002-07-22 日鉱金属株式会社 電極板搬送装置の位置決め構造
JP4678986B2 (ja) * 2001-05-24 2011-04-27 Jx日鉱日石金属株式会社 電極板搬送装置
JP5858530B2 (ja) * 2012-02-02 2016-02-10 株式会社ツバキE&M 一方向クラッチ

Also Published As

Publication number Publication date
JP2016056426A (ja) 2016-04-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN204528595U (zh) 一种轴套夹取输送装置
CN104192549A (zh) 具有翻转功能的传输机构
US2959445A (en) Grapples
JP6084189B2 (ja) 電極板搬送装置の位置決め機構
CN205740279U (zh) 一种夹紧翻转机构
CN103274158A (zh) 一种滚棒式套圈移送料装置
KR20150074963A (ko) 감속기용 구동커플링 커버 지지장치
CN107720533B (zh) 一种多功能型材吊具
CN103407882A (zh) 电动脱钩器和起重设备
CN104512798A (zh) 一种智能电磁起重设备
CN202785287U (zh) 自动机械夹钳
JP2015202911A (ja) ワーク積載装置
KR102061273B1 (ko) 도금욕조의 잉곳 공급장치
CN214988781U (zh) 贵金属化学生产用桶料转运装置
CN211254986U (zh) 锭子夹具
JPH0480121A (ja) ハンドリング設備の掴み装置
CN108840230A (zh) 无动力自动吊具及操作方法
CN204549435U (zh) 自动上料机
CN210910052U (zh) 铝棒转运机械手
CN211569343U (zh) 一种简易移栽机构
JP4678986B2 (ja) 電極板搬送装置
CN218403395U (zh) 吊装装置
KR101668527B1 (ko) 통 크레인의 복구 장치
CN203945374U (zh) 一种扬声器自动上料机的机械手升降装置
CN215905690U (zh) 一种建筑工程施工用建筑管材提升机

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20160317

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20170118

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170124

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170124

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6084189

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250