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JP6075087B2 - 蛍光光度計点検方法、点検用試薬容器及び蛍光光度計 - Google Patents

蛍光光度計点検方法、点検用試薬容器及び蛍光光度計 Download PDF

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Description

本願の発明は、蛍光測定の技術に関するものである。
光測定の一分野として、物質が発する蛍光を測定する蛍光測定の技術が知られている。蛍光測定による材料分析(蛍光分析法)は、吸光光度法などに比べて高感度で選択性が高いという特徴があり、試料の同定や定量などを行う際に有効である。
蛍光測定によって試料の同定や定量を行うには、目的物質が蛍光物質である場合に限られるので、汎用性に欠けるとも言える。しかしながら、近年、目的物質を蛍光色素より成る試薬(蛍光試薬)で標識する蛍光標識法が開発されており、様々な物質について各々蛍光試薬が市販されている。このため、様々な目的物質について蛍光測定による同定や定量が可能になってきており、新薬や新材料の研究開発、プラントにおけるプロセス監視、環境評価など、多くの分野で応用が検討されている。
このような蛍光測定において、測定を複数回行い、各測定における測定値(蛍光強度)の比を測定結果とする場合がある。例えば、免疫反応を利用した蛍光測定によって試料の同定や定量を行う技術が特許文献1に開示されている。この技術は、蛍光色素に生じていたクエンチング(蛍光消光)が免疫反応により解消することを利用するものであり、反応の前後における蛍光強度の増大を指標として試料の同定や定量を行う技術である。
特開平10−19892号公報
他の光測定と同様に、蛍光測定においても何らかのノイズが測定結果に含まれることが避けられず、精度の高い測定を行うためには、ノイズを十分に除去する必要がある。尚、本明細書においてノイズとは、測定精度の低下をもたらす要因という広い意味である。
上記のように2回の測定を行う場合、比を取ることで多くのノイズが除去できる。例えば、蛍光を発生させるために試料に照射する光(励起光)の光源の出力が何らかの事情で変動することで生じるノイズは、そのような変動の影響を受けない程度に測定間隔を短くして2回測定するか、光源からの光を分割するかして測定し、一方の光から参照用のデータを取得し、他方の光によって得た測定データとの比を取ることで除去できる。
しかしながら、発明者の研究によると、蛍光測定においては、比を取るだけでは除去できないノイズが存在し、且つそのノイズの中には蛍光測定特有の事情によるものがあることが判明した。本願の発明は、この知見に基づくものであって、比を取るだけでは除去できない蛍光測定特有のノイズの問題を解決すべく為されたものである。
上記課題を解決するため、本願の請求項1記載の発明は、収容部に液相試料が収容された試料容器を収容部が測定位置になるように配置し、測定位置に励起光を照射して液相試料で発生した蛍光を検出器で捉える蛍光光度計の点検方法であって、
発生する蛍光の強度比が既知である第一第二の二つの点検用液相試薬を順次測定位置に配置可能な点検用試薬容器を使用する点検方法であり、
第一の点検用液相試薬を収容した点検用試薬容器の収容部を測定位置に位置させた状態で光源からの励起光を測定位置に照射して発生蛍光を検出器で捉える第一の測定ステップと、
第二の点検用液相試薬を収容した点検用試薬容器の収容部を測定位置に位置させた状態で光源からの励起光を測定位置に照射して発生蛍光を検出器で捉える第二の測定ステップと、
第一の測定ステップにおいて検出器で捉えられた蛍光の強度と、第二の測定ステップにおいて検出器で捉えられた蛍光の強度との比を求め、求められた比と、前記既知である蛍光強度比との差を算出する算出ステップと
を含むという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項2記載の発明は、前記請求項1の構成において、前記第二の点検用液相試薬は前記第一の点検用液相試薬に対し別の材料を混合して成るものであり、
前記第一の測定ステップの後、前記収容部に収容されている前記第一の点検用液相試薬に対して別の材料を混合して前記第二の点検用液相試薬が前記収容部に収容されている状態とし、その後、前記第二の測定ステップを行うという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項3記載の発明は、前記請求項2の構成において、前記第一の点検用液相試薬と前記別の材料は、同一の蛍光試薬を異なる濃度で溶液に溶解して成るものであるという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項4記載の発明は、前記請求項1、2又は3に記載の蛍光光度計点検方法に使用される前記試薬容器であって、前記既知である蛍光強度比を表示した表示部を有している。
また、上記課題を解決するため、請求項5記載の発明は、前記請求項4の構成において、前記表示部は、前記既知である蛍光強度比に加えて可否判断値を表示しており、可否判断値は、前記求められた比と前記既知である蛍光強度比との差の大きさについての基準値であって、前記差が可否判断値を越えている場合には当該蛍光光度計を使用不可とする値であるという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項6記載の発明は、前記請求項4又は5の構成において、前記表示部は、前記蛍光光度計が備えるコードリーダによって読み取られることが可能なコード表示部であるという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項7記載の発明は、前記請求項2に記載の蛍光光度計点検方法に使用される点検用試薬容器であって、前記第一の点検用液相試薬を収容した第一の収容部と、前記別の材料を収容した第二の収容部とを有しており、第二の収容部から前記別の材料を第一の収容部に移動させて前記第一の液相試薬に混合可能な構造を有している。
また、上記課題を解決するため、請求項8記載の発明は、前記請求項1、2又は3に記載の蛍光光度計点検方法が実施される蛍光光度計であって、
記憶部と、演算処理部と、ディスプレイとを備えており、
記憶部は、前記第一の測定ステップで測定された前記第一の点検用液相試薬の蛍光強度の測定値と、前記第二の測定ステップで測定された前記第二の点検用液相試薬の蛍光強度の測定値とを記憶可能であり、
記憶部には、点検プログラムが記憶されていて演算処理部で実行可能となっており、
点検プログラムは、前記第一の点検用液相試薬の蛍光強度と前記第二の点検用液相試薬の蛍光強度との比を求めてディスプレイに表示するプログラムであるという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項9記載の発明は、前記請求項1、2又は3に記載の蛍光光度計点検方法が実施される蛍光光度計であって、
記憶部と、演算処理部と、ディスプレイとを備えており、
記憶部は、前記第一の測定ステップで測定された前記第一の点検用液相試薬の蛍光強度の測定値と、前記第二の測定ステップで測定された前記第二の点検用液相試薬の蛍光強度の測定値とを記憶可能であり、
記憶部には、点検プログラムが記憶されていて演算処理部で実行可能となっており、
点検プログラムは、前記第一の点検用液相試薬の蛍光強度と前記第二の点検用液相試薬の蛍光強度との比を求めた後、求められた差が可否判断値を越えているかどうか判断し、越えている場合には当該蛍光光度計を使用不可とする旨を前記ディスプレイに表示するプログラムであるという構成を有する。
以下に説明する通り、本願の請求項1記載の発明によれば、発生する蛍光強度比が既知である二つの点検用液相試薬を点検対象の蛍光光度計に投入して測定を行って測定値の比を求めるので、求められた比が標準蛍光光度比からどの程度解離しているかチェックすることができる。このため、測定精度の低下を知らずに測定を行うことで誤った測定結果を得てしまうことが未然に防止される。また、二つの試料についての測定値の比を測定結果として得る蛍光光度計を対象とした点検方法として最適化された方法が提供され、光源の出力変動や光学系の汚れによる光の遮蔽といった要素をキャンセルしつつバックグラウンドノイズの影響を容易にチェックできるようになる。
また、請求項2又は7記載の発明によれば、上記効果に加え、試薬容器の位置や姿勢を変更することなく第一の測定ステップに引き続いて第二の測定ステップを行うことができる。このため、誤りの無い点検を容易に行うことができる。
また、請求項3記載の発明によれば、上記効果に加え、第一の点検用液相試薬と第二の点検用液相試薬が同一の試薬であって濃度が異なるものであるので、誤りの無い点検を容易に行うことができる。
また、請求項4記載の発明によれば、上記効果に加え、点検用試薬容器が、既知である蛍光光度比を表示した表示部を有しているため、その蛍光光度計が使用可能かどうかの判断を容易に行える。
また、請求項5記載の発明によれば、上記効果に加え、表示部が、既知である蛍光光度比に加えて可否判断値も表示しているので、蛍光光度計の使用可否判断を容易に誤りなく行うことができる。
また、請求項6記載の発明によれば、上記効果に加え、表示部が、蛍光光度計が備えるコードリーダによって読み取られることが可能なコード表示部であるので、既知である蛍光強度比の情報をデジタル情報として蛍光光度計に提供するのに適したものになる。
また、請求項8又は9記載の発明によれば、上記効果に加え、測定値から蛍光強度比を求める演算や求められた蛍光強度比を標準蛍光強度比と対比して差を求める演算をユーザーがする必要がないので、この点で利便性の高い蛍光光度計となる。
実施形態の方法により点検が行われる蛍光光度計の一例の斜視概略図である。 図1に示す蛍光光度計の正面断面概略図である。 図1及び図2に示す蛍光光度計に使用される試料容器の一例を示した図であり、(1)は外観概略図、(2)は正面断面概略図である。 図1及び図2に示す蛍光光度計の信号処理系について示したブロック図である。 異物侵入による測定精度低下が測定値の比を取るだけでは除去できないことを確認した実験の結果を示す図である。 本願発明の実施形態に係る点検用試薬容器の概略図である。 図3に示すバーコードリーダ7の概略構成及びその動作原理を示した図である。 図7に示すコード表示部96のフォーマットの一例について示した概略図である。 点検プログラムの概略を示したフローチャートである。
以下、本願発明を実施するための形態(実施形態)について説明する。
実施形態の方法は、蛍光光度計の点検方法であり、特に限度以上の測定精度低下が蛍光光度計に生じ得る状態であるかどうか点検する方法である。まず、実施形態の方法により点検が行われる蛍光光度計の一例について、図1を使用して説明する。図1は、実施形態の方法により点検が行われる蛍光光度計の一例の斜視概略図、図2は、図1に示す蛍光光度計の正面断面概略図である。以下の蛍光光度計の説明は、実施形態の蛍光光度計の説明も兼ねている。
図1及び図2に示す蛍光光度計1は、試料が採取される現場又はそこに近い場所で測定することを想定している。即ち、測定室や実験室といった特別の部屋に常時設置されるものではなく、携帯型の蛍光光度計となっている。また、この蛍光光度計1は、液相状態の試料(以下、液相試料)において発生する蛍光の強度を測定するものであり、液相試料を測定位置に保持するための容器(以下、試料容器)を使用して測定するものである。
具体的に説明すると、図1に示すように、蛍光光度計1は、全体としては扁平なほぼ直方体の箱状のものである。携帯型であるので、大きさとしては人の手のひらサイズかそれよりも少し大きい程度である。
扁平なほぼ直方体の箱状のケーシング10の上面には、開口11が形成されており、開口11には開閉蓋12が設けられている。ケーシング10内には容器保持部5が設けられており、開閉蓋12を開けると、容器保持具5の上端の挿入孔50が露出するようになっている。図1中不図示の試料容器は、挿入孔50から容器保持具5に挿入され、容器保持具5に保持されることでケーシング10内の所定位置に装着されるようになっている。この他、ケーシング10の前面には、測定に必要な情報や測定結果を表示するためのディスプレイ13、測定ボタン141を含む各種操作ボタン141〜146等が設けられている。
図2に示すように、ケーシング10内には、試料を励起して蛍光を放出させることが可能な波長の光(励起光)を発する光源2と、発生した蛍光を捉える検出器3と、励起光を試料に導き、発生した蛍光を検出器3に導く光学系4と、励起光の照射位置(測定位置)に液相試料が位置するように試料容器8を保持する容器保持部5等が設けられている。
図3は、図1及び図2に示す蛍光光度計に使用される試料容器の一例を示した図であり、(1)は外観概略図、(2)は正面断面概略図である。
試料自体が液相状態である場合もあるが、試料は粉末のような固相状態であることが想定されており、溶液に溶かし込んで液相にした上でその発生蛍光を測定するようになっている。このため、試料容器8は、試料を溶かし込むための溶液を提供する目的も兼ねている。また、この例の蛍光光度計1は、免疫反応を利用した蛍光測定を行うためのものであり、試料容器8は、二つの溶液が予め収容したものとなっている。
具体的には、試料容器8は、測定位置に位置せしめられる収容部(以下、第一の収容部)81と、これとは別の第二の収容部82とを有している。第一の収容部81には、抗体が溶かし込まれた溶液(以下、抗体溶液)83が予め収容されている。第二の収容部82は、第一の収容部81に対して破断可能な隔壁84で区画されており、ここには、試料を溶かし込んで所定の濃度に調整してから抗体溶液83に投入するための溶液(以下、調整用溶液)85が収容されている。
尚、図3に示すように、試料容器8は細長いものである。容器保持部5は、試料容器8の寸法形状に適合した枠状の部材である。図3に示すように、第一の収容部81は試料容器8の下端部に設けられており、第二の収容部82は中腹部に設けられている。隔壁84は、第二の収容部82の底壁となっている。
試料容器8の上端は開口となっており、この開口にはキャップ状の蓋86が設けられている。試料の投入の際には、蓋86が開けられる。尚、試料容器8が容器装着部5に正しく保持されて装着されると、第一の収容部81が測定位置に位置した状態となる。測定位置は、光学系4を介して励起光が照射され、発生した蛍光が光学系4を介して検出器3に捉えられる位置である。
図2に示す蛍光光度計1において、ケーシング10内に設けられた光源2には、コスト上の優位性や省消費電力を考慮してLEDランプが使用される。例えば、波長525nmの緑色光を放射するもので、出力2mW程度のものが使用される。
光学系4は、光源2からの光を集光する集光レンズ41と、光路の折り曲げと光の選択を行うためのダイクロイックミラー42と、光路上に配置されたフィルタ43,44等から構成される。光源2は、下方に向けて光を放出する姿勢となっており、ダイクロイックミラー42は、光源2の下方において斜め45°の角度で配置されている。ダイクロイックミラー42は、励起光の波長の光を反射するとともに、測定する蛍光の波長の光を透過するものである。
検出器3は、ダイクロイックミラー42を挟んで容器装着部5とは反対側の位置に配置されている。検出器3には、例えばシリコンフォトダイオードにより光電変換を行うものが使用される。
また、光源2とダイクロイックミラー42との間には、励起光用フィルタ43が配置され、ダイクロイックミラー42と検出器との間には蛍光用フィルタ44が配置されている。525nmの緑色光が励起光として使用される場合、510〜545nm程度の波長域の光を透過し、それ以外の波長域の光を反射するものが励起光用フィルタ43として使用される。この場合、測定する蛍光の波長は550〜630nm程度であり、蛍光用フィルタ44としては、570〜610nm程度の波長域の光を透過し、それ以外の波長域の光を反射するものが使用される。尚、集光レンズ41は、光源2からの光を細いビームにして収容部81内の液相試料に照射するとともに、液相試料から発せられた蛍光を集めて検出器3に入射させるものである。
次に、図1及び図2に示す蛍光光度計の信号処理系について説明する。図4は、図1及び図2に示す蛍光光度計の信号処理系について示したブロック図である。
図2に示すように、ケーシング10内には、制御ボックス60が設けられている。制御ボックス60内には、各部の制御や信号処理を行う制御部6が設けられている。制御部6は、各種プログラムを実行するプロセッサ61や、データやプログラムを記憶するためのメモリ62などを備えている。
検出器3は、蛍光を受光する光電変換部(この例ではシリコンフォトダイオード)31と、光電変換部31の出力信号を増幅する増幅器32と、増幅された信号に基づいて蛍光強度の信号として出力する出力回路33とを含んでいる。出力回路33は、光度(蛍光強度)を絶対値で表示するための較正回路を必要に応じて含む。
制御部6には、検出器3からの出力の他、各操作ボタン141〜146からの操作信号や電源スイッチからの信号が入力されるようになっている。また、制御部6には、不図示のインターフェースを介してディスプレイ13が接続されている。
尚、図2に示すように、ケーシング10内には、電池ケース600が設けられている。電池ケース600には、光源2や検出器3、制御部6などに必要な電圧を供給する電池が装着される。
このような蛍光光度計1を使用して測定を行う場合、試料を所定量採取して第二の収容部84に投入して調整用溶液85に溶かし込む。この状態で試料容器8を容器装着部5に装着し、光源2を点灯させて測定を行う。この状態では、試料は第二の収容部82にあるのみであり、測定位置の第一の収容部81には抗体溶液83があるのみである。したがって、試料未投入の状態の抗体溶液83について励起光を照射して発生蛍光を測定していることになる。その後、不図示の治具等を使用して試料容器8の隔壁84を破断し、試料が溶かし込まれている調整用溶液85を抗体溶液82に投入して混合した上で、再度測定を行う。試料が抗原であれば、免疫反応が生じてクエンチングの解消が生じ、抗体溶液83において発生する蛍光が増強される。したがって、2つの測定値の比を算出することで、試料が抗原であるかどうかの同定をすることができる。また、蛍光増強比を所定の較正用データと比較することで、試料の定量を行うこともできる。
尚、メモリ62に記憶されたプログラムには、上記測定のためのプログラムが含まれる。具体的には、試料容器8の装着を促す表示をディスプレイ13に表示したり、装着完了後に測定ボタン(光源2を点灯させるボタン)141を押すよう促す表示をディスプレイ13に表示したりするプログラムの他、各回の測定結果をメモリ62に記憶し、その比を算出して測定結果とするプログラム等である。
このような蛍光光度計1を使用した蛍光測定において、前述したように測定結果にノイズが含まれることが避けられない。ノイズは、光源2が劣化して出力が低下したり、光学系4に汚れが付着して励起光や発生蛍光が一部遮られたりすることにより生じる。これらノイズは、測定値の比を取ることで除去可能である。
例えば、蛍光の発光強度が既知である標準蛍光試薬を使用し、所定の濃度で溶液に溶かして試料容器の第一の収容部に収容して測定を行い、その結果を参照値Vcとする。次に、第一の収容部内の溶液に試料が溶解している別の試料容器を入れ替えて装着し(又は、第一の収容部の収容物を試料溶解溶液に入れ替え)、測定を行う。そうして得た測定値VについてVcとの比を取ることで、光源2の経時的な劣化や光学系4の汚れ等に起因したノイズの影響を受けない測定とすることができる。
しかしながら、発明者の研究によると、測定値の比を取るだけでは除去できないノイズが存在し、そのノイズは蛍光測定特有の要因によるものであることが判明した。以下、この点について詳説する。
発明者が行った蛍光測定の研究において、測定値の比を取ることでノイズを除去したとしても、無視し得ない測定結果の変動が生じ、これが原因で測定精度を高くできない問題があることが判明した。発明者は、この問題の原因についてさらに鋭意研究を行ったところ、光学系4に侵入した塵や埃等の異物の影響であり、特に蛍光物質である異物が光学系4に侵入してしまうことによるものであることが判ってきた。
蛍光光度計のケーシング10内に侵入し得る異物は、塵や埃が典型的なものである。塵や埃の中には、蛍光物質であるものがある。例えば、衣服等から出た糸くずの破片が塵や埃になる場合が多いが、糸くずが蛍光物質である場合がある。繊維が蛍光物質であったり、蛍光塗料で染色されていたり、蛍光物質を含む洗剤が残留していたりする場合である。この他、人間の皮脂も塵や埃の原因となるが、皮脂にも蛍光成分が含まれている。
これら蛍光物質である異物は、試料容器8の装着のために開閉蓋12が開けられた際、ケーシング10内に侵入し、光学系4の要素に付着する。例えば、集光レンズ41の表面に付着する。異物によって励起光や蛍光が遮られることによるノイズは、前述した通り測定値の比を取ることで除去できる。このノイズは、異物の量が不安定に変動したとしても、二つの測定を時間的に連続して行うようにすれば(二つの測定の間には異物量の変動がないようにして測定を行うようにすれば)、測定精度に影響を与えることは無い。しかしながら、異物が蛍光物質であり、且つ発生蛍光の波長が測定波長と範囲が重なっている場合(蛍光用フィルタ44を透過してしまう場合)、検出器3からの出力にその異物由来の蛍光が含まれてしまうことになる。
このような光学系4に侵入した異物が蛍光物質である場合のノイズは、バックグラウンドノイズと同種のものであり、比を取るだけでは除去できない。従って、二つの測定を行い、その比を取っているだけでは、この種の測定精度低下は防止できない。
図5は、このような異物侵入による測定精度低下が測定値の比を取るだけでは除去できないことを確認した実験の結果を示す図である。図5に結果を示す実験では、同一の蛍光光度計を使用し、前述した試料容器8と同一の構造の容器を試薬容器として使用して測定を行った。試薬容器の第一の収容部に二つの異なる蛍光液相試薬a,bを順次収容し、それぞれについて蛍光強度を測定した。具体的には、蛍光試薬としてTAMRAを使用し、これを異なる濃度で溶液に溶解させたものを液相試薬として用意した。一つは、1ナノモル/リットルであり(液相試薬a)、もう一つは5ナノモル/リットルである(液相試薬b)。実際には、TAMRAをPBS溶液(リン酸緩衝生理食塩水溶液)に溶解して1ナノモル/リットルの濃度とし(液相試薬a)、これを75μリットルの量で第一の収容部81に収容して1回目の測定を行った。次に、第一の収容部の液相試薬をそのままとし、これに、PBS溶液に溶解させて17ナノモル/リットルの濃度としたTAMRAを25μリットル追加して混合した。これにより第一の収容部内に液相試薬bを調製し、この状態で2回目の測定を行った。
尚、実験では、バックグラウンドノイズの量を把握するため、試薬容器を装着しない状態で光源2を点灯させて検出器3の出力を確認し、その値をオフセット値とした。
また、実験では、異物混入の影響を把握するため、異物として埃を意図的に挿入孔11からケーシング10内に投入し、測定を行った。最初に、埃を投入しない状態で上記2回の測定(液相試薬a,bについての測定)を行った(第一測定セット)。次に、少量の埃を挿入孔11から投入した上で、同様に2回の測定を行った(第二測定セット)。さらに、埃を追加した上でさらに2回同様に測定を行った(第三測定セット)。埃は特別なものではなく、日常的に屋内に存在するものをかき集めて投入した。
図5において、αはオフセット値、Aは試薬溶液aについての測定値、Bは試薬溶液bについての測定値である。各々の測定値からオフセット値を差し引いた値と、最終的に求めた蛍光強度比とが併せて示されている。
液相試薬a,bの組合せにおいて、濃度比は5倍であるので、計算上の蛍光強度比(この例での既知の蛍光強度比)は5倍である。各測定セットにおいて同一の液相試薬a,bの組み合わせが使用されているため、測定結果(蛍光強度比)も同じように5倍程度でなければならないが、図5に示すように、測定結果は不安定に変動している。各回の測定は、時間的に連続して行われているので、光源2の出力変動といった、埃の意図的な導入以外の変動要因は考えにくい。仮に、各セットの測定のインターバルの間に光源2の出力変動等が生じたとしても、比を取っているので、影響は出ない筈である。また、光学系4における埃の侵入量が異なるので、バックグラウンドノイズが変動するが、オフセット値として予め測定され、測定値から差し引かれるので、影響は除去される筈であるが、蛍光強度比は変動している。
興味深いのは、埃を投入し、その量を多くすると、オフセット値が上昇している点である。投入した埃が励起光や蛍光を遮蔽するように作用するだけであれば、オフセット値は変動しない筈である。埃の投入によってオフセット値が上昇するという事実は、投入した埃が蛍光の発生源として作用していることを端的に示すものと考えられる。
また、第一測定セットと第二測定セットとを比べると、オフセット値は、第二測定セットの方が15.5mV程度大きくなっているのにも拘わらず、測定値A,B(オフセット減算する前の測定値)は、第二測定セットの方が小さい。これは、光学系4に侵入した埃が、蛍光発生源となりつつも、励起光や試薬からの蛍光を遮蔽する作用を多く生じさせているものと考えられる。
その一方、第三測定セットでは、オフセット値はさらに29.0mV程度上昇しており、測定値A,Bは、逆に第二測定セットよりも大きく、第一測定セットよりも大きくなっている。この結果は、光学系4の要素に多くの埃が付着した結果、励起光や試薬からの蛍光を遮蔽する作用よりも埃自体が蛍光発生源となる作用の方が強くなったことを示していると考えられる。
このように、使用を続ける過程で埃などの異物が混入して、測定した蛍光強度の値が異なってくる場合が想定される。測定値の解離が蛍光強度比の値にまで影響を与えて、正しい判断ができないときには、蛍光光度計として致命的な問題となる。そこで、上述したように発生する蛍光強度の比が既知である標準としての二種類の液相試薬を収容した点検用の容器(以下、点検用試薬容器と呼ぶ)を用意しておき、この点検用試薬容器を使用して2回の蛍光測定を行い、得られた測定値の比が標準値からどの程度乖離しているかを点検することで、その蛍光光度計の精度が実用に耐え得るものであるかどうか判断することが考えられる。本願の発明者は、係る知見及び検討に基づいて、以下の実施形態の点検方法及び点検用試薬容器等を発明するに至った。
図6は、本願発明の実施形態に係る点検用試薬容器の概略図である。図6に示す点検用試薬容器9は、容器の構造としては図3に示す試料容器8とほぼ同様である。従って、点検用試薬容器9は、第一の点検用液相試薬と第二の点検用液相試薬とを測定位置に配置可能なものである。この実施形態では、第二の点検用液相試薬は、第一の点検用液相試薬に対して別の材料を混合して得られるものである。具体的には、前述した実験と同様に、第一の点検用液相試薬と第二の点検用液相試薬とは、同じ蛍光色素であり、異なる濃度で溶液に溶解させたものとなっている。点検用試薬容器9の第一の収容部91には、第一の点検用液相試薬93が予め収容され、第二の収容部92には別の材料95が収容されている。別の材料95は、隔壁94を破断することで第一の収容部91内の第一の点検用液相試薬に混合されるようになっている。
実施形態の点検用試薬容器9は、収容している第一第二の二つの点検用液相試薬における発生蛍光光度の比が既知のものであり、且つその比(以下、標準蛍光強度比という)の情報を蛍光光度計1に対して提供できるようにしている。また、実施形態の点検用試薬容器9は、点検用試薬容器9を使用して得られた蛍光強度比が、標準蛍光光度比からどの程度乖離した場合に蛍光光度計1を使用不可とするかどうかの基準値(以下、可否判断値という)の情報も、蛍光光度計1に対して提供できるようになっている。
具体的に説明すると、実施形態の点検用試薬容器9は、標準蛍光強度比や可否判断値の情報をコード化して蛍光光度計1に提供するようになっている。一方、蛍光光度計1は、コード化された情報を読み取るコードリーダを備えている。
より具体的には、図6に示すように、実施形態の点検用試薬容器9は、標準蛍光強度比や可否判断値をバーコードにして表示した箇所(以下、コード表示部)96を有している。点検用試薬容器9は、側面に平坦面部97を有している。この実施形態では、コード表示部96は、バーコードをシールに印刷し、平坦面部97に貼り付けることで形成されている。
一方、蛍光光度計1は、コードリーダとしてバーコードリーダ7を備えている。図2に示すように、バーコードリーダ7は、容器装着部5に取り付けられている。容器装着部5は、途中の高さの位置に読み取り用開口51を有している。読み取り用開口51の縁から斜め上方に突出するようにしてリーダ取付部52が形成されている。リーダ取付部52は短い筒状の部位である。バーコードリーダ7は、このリーダ取付部52内に嵌め込まれて保持されており、読み取り用開口51を通して光照射したり受光したりすることが可能となっている。
尚、図3に示すように、読み取り用開口51及びリーダ取付部52は、中央側の側面に形成されている。「中央側」とは、蛍光光度計1の中央側ということである。したがって、バーコードリーダ7も中央側から読み取りを行うようになっている。
図7は、図3に示すバーコードリーダ7の概略構成及びその動作原理を示した図である。図7の(1)は、バーコードリーダ7がコード表示部96を読み取っている状態を示し、(2)は試料容器8の装着を検知するセンサとして動作している状態を示している。図7に示すように、バーコードリーダ7は、コード表示部96に光を照射する発光器71と、コード表示部96からの光を受光する受光器72と、受光器72からの出力信号を処理してデジタル信号を得る二値化素子73とを備えている。
点検用試薬容器9は、図1に示す容器保持部5の上端の挿入孔50から挿入される。図1に示すように、挿入孔50は直線状の部分を有する形状であり、挿入の際、点検用試薬容器9は平坦面部97が挿入孔50の直線状の部分に合わせられるので、平坦面部97は中央側を向くことになる。この状態で点検用試薬容器9が押し下げられると、図2から解るように、コード表示部96が読み取り用開口51の前を通り過ぎる状態となり、その際に、バーコードリーダ7によってコード表示部96が読み取られる。
より具体的に説明すると、本実施形態ではバーコードリーダ7の位置は固定されており、この位置に対してコード表示部96が相対的に移動する。発光器71は、一定の領域に光照射しており、この光照射領域をコード表示部96が通り過ぎることになる。したがって、コード表示部96は、下端箇所が光照射領域に達して光照射がされ、移動に伴って順次上側の箇所が光照射される。そして、移動終了時(装着完了時)には、上端箇所まで光照射が終了していることになる。つまり、点検用試薬容器9の移動によって光照射領域が相対的に走査(スキャン)される。
図7(1)に示すように、走査の際、受光器72には光照射されたコード表示部96からの光が入射し、その出力を二値化素子73が処理する。受光器72に入る光は、バーコードの明暗を反映したものとなり、それに従って二値化素子73がデジタル信号を出力する。尚、図3に示すように本実施形態のバーコードリーダ7は斜めから光照射するものであるが、コード表示部96の表面で光は拡散又は散乱され、その光が受光器72で捉えられることになる。受光器72は、発光器71からの強い反射光が入射しないようにすることが推奨される場合が多く、本実施形態でもこれを考慮してバーコードリーダ7を斜めに取り付けている。
このようなバーコードリーダ7としては、例えば岡谷電機産業(株)製のRPU813Tなどを使用することができる。また、発光器71にレーザーを使用したものでも良く、例えばHonewell社のH0A6480などを使用することができる。
図8は、図7に示すコード表示部96のフォーマットの一例について示した概略図である。図8に示すように、この例では、11桁の数字がバーコード化されている。このうち、最初の1桁は種別ID、次の6桁は使用期限情報、次の2桁は標準蛍光強度比、次の2桁は可否判断値となっている。
種別IDは、装着された容器が点検用試薬容器9であることを光度計に確認させるためのコードである。例えば、0〜8までのいずれかの数字が通常の測定の際に装着された試料容器8を特定する情報として与えられる場合、“9”が点検用試薬容器9である旨のIDとして与えられる。
使用期限情報は、点検用試薬溶液の使用期限を示したものである。多くの蛍光色素は、所定の蛍光特性が発揮される期間が製造後の一定期間に限られるため、コード化される情報に使用期限情報を含ませている。この実施形態では、使用期限情報は、最初の二桁が西暦の略記(2013年なら13)であり、その次の二桁が月、その次の二桁が日を意味するようになっている。131020なら、2013年10月20日が使用期限という意味である。
標準蛍光強度比は、この実施形態では、最初の1桁が一の位、次の1桁が小数点以下一位の位となっている。したがって、“45”であれば、標準蛍光強度比が4.5倍である旨がコード化されていることになる。
また、可否判断値も、最初の1桁が一の位、次の1桁が小数点以下一位の位となっている。したがって、“05”であれば、0.5が可否判断値ということになり、点検用試薬容器9を使用して実際に測定された蛍光強度比と標準蛍光強度比との差が0.5以内であれば、その蛍光光度計は使用可能と判断されることになる。
以上は一例であり、標準蛍光強度比が1桁であったり、3桁以上であったりしても良い。また、可否判断値についても、3桁を与えて小数点以下2位の数値としても良い。
一方、蛍光光度計1のメモリ62に記憶されたプログラムには、点検用試薬容器9を使用した点検のためのプログラム(以下、点検プログラム)が含まれている。ディスプレイ13に表示されるメニュー画面には、「測定精度チェック」というようなメニュー項目が含まれている。このメニュー項目は、測定ボタン141を点検プログラムの開始ボタンとして使用するもので、「測定精度チェック」が表示されている状態で測定ボタン141を押すと、点検プログラムが起動するようになっている。
図9は、点検プログラムの概略を示したフローチャートである。図9に示すように、点検プログラムは、点検用試薬容器9の装着を促す画面をディスプレイ13に表示し、点検用試薬容器9が装着されたかどうか判断待ちの状態となる。即ち、蛍光光度計は不図示の容器センサを備えている。点検プログラムは、容器センサからの出力により容器が装着されたかどうか確認し、容器の装着完了が確認されたら、バーコードリーダ7の出力信号を処理し(デコード)し、最初の1桁の情報(種別ID)を読み取る。種別IDが点検用試薬容器9である旨の情報である場合、点検用試薬容器9が装着されたことを確認したことになるので、点検プログラムは、バーコードリーダ7の出力から標準蛍光強度比と可否判断値とを取り出し、各々メモリ変数に一時的に格納する。
次に、点検プログラムは、点検用試薬容器9の装着を確認したメッセージをディスプレイ13に表示するとともに、点検のための1回目の測定を行うようメッセージをディスプレイ13に表示する。そして、測定ボタン141が押されると、点検プログラムは、光源2を点灯させ、検出器3から出力される測定値をメモリ変数に一時的に記憶する。
次に、点検プログラムは、点検のための2回目の測定を行うようメッセージをディスプレイ13に表示する。即ち、点検用試薬容器9の隔壁94を破断して第二の収容部92内の別の材料95を第一の収容部91に投入し、第二の点検用液相試薬が第一の収容部91に収容された状態として測定ボタン141を押すことを促すメッセージをディスプレイ13に表示する。測定ボタン141が押されると、点検プログラムは、光源2を再度点灯させ、検出器3からの出力される測定値を別のメモリ変数に一時的に記憶する。
次に、点検プログラムは、各メモリ変数から測定値を読み出し、その比(1回目の測定値に対する2回目の測定値の大きさ)を算出する。そして、算出された比と、メモリ変数に記憶しておいた標準蛍光強度比とを比較し、その差分を算出する。そして、算出された差分と、メモリ変数に記憶しておいた可否判断値とを比較し、差分が可否判断値以下であるかどうか判断する。差分についてはマイナスの場合もあり得るが、この実施形態では可否判断値以下であるかどうか絶対値で判断する。可否判断値以下であれば、この蛍光光度計は正常であって使用可である旨のメッセージをディスプレイ13に表示する。また、可否判断値を越えていれば、この蛍光光度計は測定精度が限度以上に悪化しているので使用不可である旨のメッセージをディスプレイ13に表示する。これにより、点検プログラムは終了である。
尚、図示及び説明は省略したが、点検プログラムは、バーコードリーダ7の出力から使用期限情報を取り出し、使用期限を過ぎていないかどうか判断する。使用期限を過ぎていれば、その旨のメッセージをディスプレイ13に表示し、点検動作(2回の測定)を行わずにプログラムを終了する。
上記説明を踏まえ、蛍光光度計点検方法の発明の実施形態について以下に説明する。上記のような蛍光光度計1は、操作マニュアルなどで、定期的に測定精度の点検を行うことが推奨されている。また、上述した点検用試薬容器9を含む点検用キットが、蛍光光度計1とは別に提供される。点検用キットは、点検用試薬容器9を個装袋に封入したものである。
上記の通り、「測定精度チェック」のメニュー項目をディスプレイ13に表示し、この状態で測定ボタン141を押して点検プログラムを起動させる。まず、点検用試薬容器9の装着が促されるので、個装袋から点検用試薬容器9を取り出し、通常の測定の場合と同様に、開閉蓋12を開けて挿入孔11からケーシング10内に挿入する。点検用試薬容器9は、通常の試料容器8と同様に容器装着部5に装着され、第一の収容部91が測定位置に位置した状態となる。
次に、ディスプレイ13の表示に従って測定ボタン141を押し、光源2を点灯させて測定(第一の測定ステップ)を行う。次に、ディスプレイ13の表示に従って点検用試薬容器9内の隔壁94を破断し、第二の収容部92にある別の材料を第一の収容部91内の第一の点検用液相試薬93に混合する。これにより、第一の収容部91内は第二の点検用液相試薬が収容された状態となる。この状態で、もう一度測定ボタン141を押し、光源2を点灯させて測定(第二の測定ステップ)を行う。
そして、点検プログラムが上記演算処理を演算処理部61に行わせ、可否判断値との対比結果がディスプレイ13に表示される。結果が正常であれば、点検用試薬容器9を取り出して通常の試料容器8を装着し、本来の測定を行う。結果が異常であれば、使用不可の表示がされるので、測定を取りやめ、別の蛍光光度計を使用するようにする。
実施形態の点検方法によれば、発生する蛍光強度比が既知である二つの液相試薬を点検対象の蛍光光度計に投入して測定を行って測定値の比を求めるので、求められた比が標準蛍光光度比からどの程度解離しているかチェックすることができる。このため、測定精度の低下を知らずに測定を行うことで誤った測定結果を得てしまうことが未然に防止される。
また、蛍光光度計内に異物が混入し、異物が蛍光物質である場合を考慮して、可否判断値を設定することができるので、異物が混入し易い環境や状況で使用される蛍光光度計に特に適した点検方法となる。例えば、前述したような携帯型の蛍光光度計である場合、色々な場所で測定が可能である一方、塵や埃等の異物が混入し易い環境や状況で使用されることも想定される。従って、実施形態の点検方法は携帯型の蛍光光度計に特に適した方法であると言える。
また、蛍光強度比が既知である二つの液相試薬について実際に測定を行って比を求めることで点検を行うことは、二つの試料についての蛍光強度の比を測定結果として得る蛍光光度計を対象とした点検方法として最適化したものである他、光源の出力変動や光学系の汚れによる光の遮蔽といった要素をキャンセルしつつバックグラウンドノイズの影響を容易にチェックできるようにした意義がある。
即ち、蛍光光度計の測定精度をチェックする場合、発生する蛍光の光度の絶対値が既知である標準的な液相試薬について測定を行い、検出器で得られた出力で算出した光度の絶対値と、既知である光度の絶対値とを比較することがまず考えられる。そして、二つの絶対値の解離が一定値を越える場合にその蛍光光度計を使用不可とすることが考えられる。
このような点検方法でも良いのであるが、二つの絶対値の乖離(ノイズ)には、バックグラウンドノイズの他、光源の劣化や光学系における異物付着により光遮蔽等の要因が含まれ、それらのノイズ要因は、実際の測定において測定値の比を取る場合には問題とならないものである。つまり、二つの絶対値を比較する点検方法であると、実際には問題とはならないノイズまでも判断要素に入れてしまうことになり、実際には問題とならない精度低下であっても問題であると判断してしまうこともあり得る。例えば、光源の出力変動による精度低下のみが生じていて、蛍光物質である異物の混入等の要因によるバックグラウンドノイズの増大が生じていない場合にも、両者が峻別されないので、測定精度低下により使用不可であるとの点検結果となってしまうことになる。実施形態の方法によれば、このような問題はなく、問題となる精度低下のみをチェックする点検とすることができる。
また、実施形態の方法では、第一の点検用液相試薬93を収容した第一の収容部91を測定位置に配置した状態で第一の測定ステップを行った後、別の材料95を第一の点検用液相試薬93に混合することで第二の点検用液相試薬が測定位置に位置した状態とし、この状態で第二の測定ステップを行う。つまり、点検用試薬容器9の位置や姿勢を変更することなく第一の測定ステップに引き続いて第二の測定ステップを行うことができる。このため、誤りの無い点検を容易に行うことができる。
本願発明の方法を実施するには、第一の点検用液相試薬を収容した第一の点検用試薬容器と、第二の点検用液相試薬を収容した第二の点検用試薬容器とを使うことも可能である。この場合、異なる容器を使用することになるため、容器間の条件の相違が測定に影響を与える可能性がある。また、容器を交換する際に挿入孔から埃等の異物が進入する可能性があり、この点でも測定条件が変わってしまう可能性がある。また、一つの点検用試薬容器において上下に点検用液相試薬の収容部が設けられており、上下をひっくり返して装着することで第一第二の点検用液相試薬を順次測定位置に配置できるようにした構造も考えられるが、この場合も、第一第二の点検用液相試薬で容器の器壁部分が異なるので、その部分における異物の付着の有無が異なる等、測定条件が変わってしまう可能性がある。測定条件が変わると、測定値の比が実際の蛍光強度比と一致しなくなり、蛍光強度計の使用可否の判断の精度に影響を与える恐れがあるが、実施形態の方法ではこのような問題はない。
尚、第二の収容部92内の別の溶液95を第一の収容部91に移動させて第一の液相試薬93に混合する構造としては、前述した破断可能な隔壁94で第二の収容部92の底部を形成する構造の他、外部から操作可能なスライダで第二の収容部92の底部を形成した構造等が採用可能である。
また、第一の点検用液相試薬と第二の点検用液相試薬が同一の試薬であって濃度が異なるものとしている点も、誤りの無い点検を容易に行えるようにした意義を有する。第一の点検用液相試薬と第二の点検用液相試薬は、蛍光強度比が既知である限り、どんなものでも使用可能である。とはいえ、異なる試薬を使用する場合、試薬の製造上のバラツキの影響が出てしまう可能性がある。同一の試薬を使用し濃度を異ならせることで第一の点検用液相試薬、第二の点検用液相試薬としている場合、試薬としては同じなので、同一の製造ロットのものを使用することができ、製造上のバラツキもキャンセルできる。仮に、ある製造ロットの試薬の蛍光強度(絶対値)が仕様値からずれていた場合でも、同じ製造ロットの試薬で第一第二の液相試薬を調製し、それらから発生する蛍光の強度比で点検を行う限り、仕様値からの絶対値のずれは問題にはならない。
また、実施形態の点検用試薬容器9は、標準蛍光光度比を表示したコード表示部96を有しているため、ユーザーは、その点検用試薬容器9を使用して蛍光光度計の点検をした際、測定された蛍光強度比と比べることができる。このため、その蛍光光度計が使用可能かどうかの判断が容易に行える。
標準蛍光光度比をユーザーに知らせる手段としては、この他、ラベルに印刷して点検用試薬キットの個装袋に貼り付けたり、印刷した紙片を個装袋内に封入したりすることが考えられる。また、標準蛍光光度比が共通の一定した値であれば、蛍光光度計の仕様書や取り扱い説明書に記載しておく方法もある。とはいえ、試薬容器9に表示されている場合、個装袋や紙片を紛失又は廃棄してしまった場合でも確認が可能であるし、試薬容器9毎に異なる値である場合にも対応が可能である。
また、蛍光光度計1がバーコードリーダ7を備えており、試薬容器9のコード表示部96がバーコードリーダ7によって読み取り可能なコード表示部96である構成は、標準蛍光光度比や可否判断値を蛍光光度計1に取得させるのに好適な構成となっている。二つの点検用液相試薬の測定結果から蛍光光度計1が自動的に可否判断を行ってその結果をユーザーに知らせるには、標準蛍光光度比や可否判断値をデジタル情報として取得する必要がある。このためには、ユーザーが表示部を読んで手入力で蛍光光度計に入力する方法もあり得るが、面倒である。実施形態のようにコード表示部96をバーコードリーダ7が読み取るようにすれば、面倒さは全くない。その上、実施形態の構造では、点検用試薬容器9を容器装着部5に装着する動作において自動的にコード表示部96の読み取りが行われるので、この点でも非常に簡便な方法となっている。
尚、コード表示部96が標準蛍光光度比に加えて可否判断値も表示している点は、蛍光光度計1の使用可否判断を容易に誤りなく行える意義を有している。標準蛍光光度比だけでも、測定された蛍光強度比と比べることで、ある程度は使用可否の判断が可能である。例えば、標準蛍光光度比と測定された蛍光強度比の乖離について、ユーザーが経験的に知っている許容値の範囲内かどうかで判断することがあり得る。しかしながら、この方法では、ユーザーの経験に頼ることになるので、判断の信頼性に欠ける問題がある。また、乖離の許容値が共通した一般的な値である場合、それを蛍光光度計の仕様書や取り扱い説明書に記載しておく方法もあるが、いちいち仕様書や取り扱い説明書を参照しなければならないので、面倒である。実施形態の点検用試薬容器9によれば、このような問題はない。
また、蛍光光度計1が演算処理部61や点検プログラムを備えており、測定値から蛍光強度比を求める演算や求められた蛍光強度比を標準蛍光強度比と対比して差を求める演算等が演算処理部61で行われることは、そのような演算をユーザーがする必要がないので、この点で利便性の高い蛍光光度計となる。
1 蛍光光度計
10 ケーシング
2 光源
3 検出器
4 光学系
5 容器装着部
6 制御部
7 バーコードリーダ
8 試料容器
9 点検用試薬容器
91 第一の収容部
92 第二の収容部
93 第一の点検用液相試薬
94 隔壁
95 別の材料
96 コード表示部

Claims (9)

  1. 収容部に液相試料が収容された試料容器を収容部が測定位置になるように配置し、測定位置に励起光を照射して液相試料で発生した蛍光を検出器で捉える蛍光光度計の点検方法であって、
    発生する蛍光の強度比が既知である第一第二の二つの点検用液相試薬を順次測定位置に配置可能な点検用試薬容器を使用する点検方法であり、
    第一の点検用液相試薬を収容した点検用試薬容器の収容部を測定位置に位置させた状態で光源からの励起光を測定位置に照射して発生蛍光を検出器で捉える第一の測定ステップと、
    第二の点検用液相試薬を収容した点検用試薬容器の収容部を測定位置に位置させた状態で光源からの励起光を測定位置に照射して発生蛍光を検出器で捉える第二の測定ステップと、
    第一の測定ステップにおいて検出器で捉えられた蛍光の強度と、第二の測定ステップにおいて検出器で捉えられた蛍光の強度との比を求め、求められた比と、前記既知である蛍光強度比との差を算出する算出ステップと
    を含むことを特徴とする蛍光光度計点検方法。
  2. 前記第二の点検用液相試薬は前記第一の点検用液相試薬に対し別の材料を混合して成るものであり、
    前記第一の測定ステップの後、前記収容部に収容されている前記第一の点検用液相試薬に対して別の材料を混合して前記第二の点検用液相試薬が前記収容部に収容されている状態とし、その後、前記第二の測定ステップを行うことを特徴とする請求項1記載の蛍光光度計点検方法。
  3. 前記第一の点検用液相試薬と前記別の材料は、同一の蛍光試薬を異なる濃度で溶液に溶解して成るものであることを特徴とする請求項2記載の蛍光光度計点検方法。
  4. 請求項1、2又は3に記載の蛍光光度計点検方法に使用される前記試薬容器であって、前記既知である蛍光強度比を表示した表示部を有していることを特徴する点検用試薬容器。
  5. 前記表示部は、前記既知である蛍光強度比に加えて可否判断値を表示しており、可否判断値は、前記求められた比と前記既知である蛍光強度比との差の大きさについての基準値であって、前記差が可否判断値を越えている場合には当該蛍光光度計を使用不可とする値であることを特徴とする請求項4記載の点検用試薬容器。
  6. 前記表示部は、前記蛍光光度計が備えるコードリーダによって読み取られることが可能なコード表示部であることを特徴とする請求項4又は5記載の点検用試薬容器。
  7. 請求項2に記載の蛍光光度計点検方法に使用される点検用試薬容器であって、前記第一の点検用液相試薬を収容した第一の収容部と、前記別の材料を収容した第二の収容部とを有しており、第二の収容部から前記別の材料を第一の収容部に移動させて前記第一の液相試薬に混合可能な構造を有していることを特徴とする点検用試薬容器。
  8. 請求項1、2又は3に記載の蛍光光度計点検方法が実施される蛍光光度計であって、
    記憶部と、演算処理部と、ディスプレイとを備えており、
    記憶部は、前記第一の測定ステップで測定された前記第一の点検用液相試薬の蛍光強度の測定値と、前記第二の測定ステップで測定された前記第二の点検用液相試薬の蛍光強度の測定値とを記憶可能であり、 記憶部には、点検プログラムが記憶されていて演算処理部で実行可能となっており、
    点検プログラムは、前記第一の点検用液相試薬の蛍光強度と前記第二の点検用液相試薬の蛍光強度との比を求めてディスプレイに表示するプログラムであることを特徴とする蛍光光度計。
  9. 請求項1、2又は3に記載の蛍光光度計点検方法が実施される蛍光光度計であって、
    記憶部と、演算処理部と、ディスプレイとを備えており、
    記憶部は、前記第一の測定ステップで測定された前記第一の点検用液相試薬の蛍光強度の測定値と、前記第二の測定ステップで測定された前記第二の点検用液相試薬の蛍光強度の測定値とを記憶可能であり、
    記憶部には、点検プログラムが記憶されていて演算処理部で実行可能となっており、
    点検プログラムは、前記第一の点検用液相試薬の蛍光強度と前記第二の点検用液相試薬の蛍光強度との比を求めた後、求められた差が可否判断値を越えているかどうか判断し、越えている場合には当該蛍光光度計を使用不可とする旨を前記ディスプレイに表示するプログラムであることを特徴とする蛍光光度計。
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