JP6075087B2 - 蛍光光度計点検方法、点検用試薬容器及び蛍光光度計 - Google Patents
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Description
蛍光測定によって試料の同定や定量を行うには、目的物質が蛍光物質である場合に限られるので、汎用性に欠けるとも言える。しかしながら、近年、目的物質を蛍光色素より成る試薬(蛍光試薬)で標識する蛍光標識法が開発されており、様々な物質について各々蛍光試薬が市販されている。このため、様々な目的物質について蛍光測定による同定や定量が可能になってきており、新薬や新材料の研究開発、プラントにおけるプロセス監視、環境評価など、多くの分野で応用が検討されている。
上記のように2回の測定を行う場合、比を取ることで多くのノイズが除去できる。例えば、蛍光を発生させるために試料に照射する光(励起光)の光源の出力が何らかの事情で変動することで生じるノイズは、そのような変動の影響を受けない程度に測定間隔を短くして2回測定するか、光源からの光を分割するかして測定し、一方の光から参照用のデータを取得し、他方の光によって得た測定データとの比を取ることで除去できる。
しかしながら、発明者の研究によると、蛍光測定においては、比を取るだけでは除去できないノイズが存在し、且つそのノイズの中には蛍光測定特有の事情によるものがあることが判明した。本願の発明は、この知見に基づくものであって、比を取るだけでは除去できない蛍光測定特有のノイズの問題を解決すべく為されたものである。
発生する蛍光の強度比が既知である第一第二の二つの点検用液相試薬を順次測定位置に配置可能な点検用試薬容器を使用する点検方法であり、
第一の点検用液相試薬を収容した点検用試薬容器の収容部を測定位置に位置させた状態で光源からの励起光を測定位置に照射して発生蛍光を検出器で捉える第一の測定ステップと、
第二の点検用液相試薬を収容した点検用試薬容器の収容部を測定位置に位置させた状態で光源からの励起光を測定位置に照射して発生蛍光を検出器で捉える第二の測定ステップと、
第一の測定ステップにおいて検出器で捉えられた蛍光の強度と、第二の測定ステップにおいて検出器で捉えられた蛍光の強度との比を求め、求められた比と、前記既知である蛍光強度比との差を算出する算出ステップと
を含むという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項2記載の発明は、前記請求項1の構成において、前記第二の点検用液相試薬は前記第一の点検用液相試薬に対し別の材料を混合して成るものであり、
前記第一の測定ステップの後、前記収容部に収容されている前記第一の点検用液相試薬に対して別の材料を混合して前記第二の点検用液相試薬が前記収容部に収容されている状態とし、その後、前記第二の測定ステップを行うという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項3記載の発明は、前記請求項2の構成において、前記第一の点検用液相試薬と前記別の材料は、同一の蛍光試薬を異なる濃度で溶液に溶解して成るものであるという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項5記載の発明は、前記請求項4の構成において、前記表示部は、前記既知である蛍光強度比に加えて可否判断値を表示しており、可否判断値は、前記求められた比と前記既知である蛍光強度比との差の大きさについての基準値であって、前記差が可否判断値を越えている場合には当該蛍光光度計を使用不可とする値であるという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項6記載の発明は、前記請求項4又は5の構成において、前記表示部は、前記蛍光光度計が備えるコードリーダによって読み取られることが可能なコード表示部であるという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項7記載の発明は、前記請求項2に記載の蛍光光度計点検方法に使用される点検用試薬容器であって、前記第一の点検用液相試薬を収容した第一の収容部と、前記別の材料を収容した第二の収容部とを有しており、第二の収容部から前記別の材料を第一の収容部に移動させて前記第一の液相試薬に混合可能な構造を有している。
記憶部と、演算処理部と、ディスプレイとを備えており、
記憶部は、前記第一の測定ステップで測定された前記第一の点検用液相試薬の蛍光強度の測定値と、前記第二の測定ステップで測定された前記第二の点検用液相試薬の蛍光強度の測定値とを記憶可能であり、
記憶部には、点検プログラムが記憶されていて演算処理部で実行可能となっており、
点検プログラムは、前記第一の点検用液相試薬の蛍光強度と前記第二の点検用液相試薬の蛍光強度との比を求めてディスプレイに表示するプログラムであるという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項9記載の発明は、前記請求項1、2又は3に記載の蛍光光度計点検方法が実施される蛍光光度計であって、
記憶部と、演算処理部と、ディスプレイとを備えており、
記憶部は、前記第一の測定ステップで測定された前記第一の点検用液相試薬の蛍光強度の測定値と、前記第二の測定ステップで測定された前記第二の点検用液相試薬の蛍光強度の測定値とを記憶可能であり、
記憶部には、点検プログラムが記憶されていて演算処理部で実行可能となっており、
点検プログラムは、前記第一の点検用液相試薬の蛍光強度と前記第二の点検用液相試薬の蛍光強度との比を求めた後、求められた差が可否判断値を越えているかどうか判断し、越えている場合には当該蛍光光度計を使用不可とする旨を前記ディスプレイに表示するプログラムであるという構成を有する。
また、請求項2又は7記載の発明によれば、上記効果に加え、試薬容器の位置や姿勢を変更することなく第一の測定ステップに引き続いて第二の測定ステップを行うことができる。このため、誤りの無い点検を容易に行うことができる。
また、請求項3記載の発明によれば、上記効果に加え、第一の点検用液相試薬と第二の点検用液相試薬が同一の試薬であって濃度が異なるものであるので、誤りの無い点検を容易に行うことができる。
また、請求項4記載の発明によれば、上記効果に加え、点検用試薬容器が、既知である蛍光光度比を表示した表示部を有しているため、その蛍光光度計が使用可能かどうかの判断を容易に行える。
また、請求項5記載の発明によれば、上記効果に加え、表示部が、既知である蛍光光度比に加えて可否判断値も表示しているので、蛍光光度計の使用可否判断を容易に誤りなく行うことができる。
また、請求項6記載の発明によれば、上記効果に加え、表示部が、蛍光光度計が備えるコードリーダによって読み取られることが可能なコード表示部であるので、既知である蛍光強度比の情報をデジタル情報として蛍光光度計に提供するのに適したものになる。
また、請求項8又は9記載の発明によれば、上記効果に加え、測定値から蛍光強度比を求める演算や求められた蛍光強度比を標準蛍光強度比と対比して差を求める演算をユーザーがする必要がないので、この点で利便性の高い蛍光光度計となる。
実施形態の方法は、蛍光光度計の点検方法であり、特に限度以上の測定精度低下が蛍光光度計に生じ得る状態であるかどうか点検する方法である。まず、実施形態の方法により点検が行われる蛍光光度計の一例について、図1を使用して説明する。図1は、実施形態の方法により点検が行われる蛍光光度計の一例の斜視概略図、図2は、図1に示す蛍光光度計の正面断面概略図である。以下の蛍光光度計の説明は、実施形態の蛍光光度計の説明も兼ねている。
具体的に説明すると、図1に示すように、蛍光光度計1は、全体としては扁平なほぼ直方体の箱状のものである。携帯型であるので、大きさとしては人の手のひらサイズかそれよりも少し大きい程度である。
図2に示すように、ケーシング10内には、試料を励起して蛍光を放出させることが可能な波長の光(励起光)を発する光源2と、発生した蛍光を捉える検出器3と、励起光を試料に導き、発生した蛍光を検出器3に導く光学系4と、励起光の照射位置(測定位置)に液相試料が位置するように試料容器8を保持する容器保持部5等が設けられている。
試料自体が液相状態である場合もあるが、試料は粉末のような固相状態であることが想定されており、溶液に溶かし込んで液相にした上でその発生蛍光を測定するようになっている。このため、試料容器8は、試料を溶かし込むための溶液を提供する目的も兼ねている。また、この例の蛍光光度計1は、免疫反応を利用した蛍光測定を行うためのものであり、試料容器8は、二つの溶液が予め収容したものとなっている。
試料容器8の上端は開口となっており、この開口にはキャップ状の蓋86が設けられている。試料の投入の際には、蓋86が開けられる。尚、試料容器8が容器装着部5に正しく保持されて装着されると、第一の収容部81が測定位置に位置した状態となる。測定位置は、光学系4を介して励起光が照射され、発生した蛍光が光学系4を介して検出器3に捉えられる位置である。
光学系4は、光源2からの光を集光する集光レンズ41と、光路の折り曲げと光の選択を行うためのダイクロイックミラー42と、光路上に配置されたフィルタ43,44等から構成される。光源2は、下方に向けて光を放出する姿勢となっており、ダイクロイックミラー42は、光源2の下方において斜め45°の角度で配置されている。ダイクロイックミラー42は、励起光の波長の光を反射するとともに、測定する蛍光の波長の光を透過するものである。
また、光源2とダイクロイックミラー42との間には、励起光用フィルタ43が配置され、ダイクロイックミラー42と検出器との間には蛍光用フィルタ44が配置されている。525nmの緑色光が励起光として使用される場合、510〜545nm程度の波長域の光を透過し、それ以外の波長域の光を反射するものが励起光用フィルタ43として使用される。この場合、測定する蛍光の波長は550〜630nm程度であり、蛍光用フィルタ44としては、570〜610nm程度の波長域の光を透過し、それ以外の波長域の光を反射するものが使用される。尚、集光レンズ41は、光源2からの光を細いビームにして収容部81内の液相試料に照射するとともに、液相試料から発せられた蛍光を集めて検出器3に入射させるものである。
図2に示すように、ケーシング10内には、制御ボックス60が設けられている。制御ボックス60内には、各部の制御や信号処理を行う制御部6が設けられている。制御部6は、各種プログラムを実行するプロセッサ61や、データやプログラムを記憶するためのメモリ62などを備えている。
制御部6には、検出器3からの出力の他、各操作ボタン141〜146からの操作信号や電源スイッチからの信号が入力されるようになっている。また、制御部6には、不図示のインターフェースを介してディスプレイ13が接続されている。
尚、図2に示すように、ケーシング10内には、電池ケース600が設けられている。電池ケース600には、光源2や検出器3、制御部6などに必要な電圧を供給する電池が装着される。
例えば、蛍光の発光強度が既知である標準蛍光試薬を使用し、所定の濃度で溶液に溶かして試料容器の第一の収容部に収容して測定を行い、その結果を参照値Vcとする。次に、第一の収容部内の溶液に試料が溶解している別の試料容器を入れ替えて装着し(又は、第一の収容部の収容物を試料溶解溶液に入れ替え)、測定を行う。そうして得た測定値VについてVcとの比を取ることで、光源2の経時的な劣化や光学系4の汚れ等に起因したノイズの影響を受けない測定とすることができる。
発明者が行った蛍光測定の研究において、測定値の比を取ることでノイズを除去したとしても、無視し得ない測定結果の変動が生じ、これが原因で測定精度を高くできない問題があることが判明した。発明者は、この問題の原因についてさらに鋭意研究を行ったところ、光学系4に侵入した塵や埃等の異物の影響であり、特に蛍光物質である異物が光学系4に侵入してしまうことによるものであることが判ってきた。
蛍光光度計のケーシング10内に侵入し得る異物は、塵や埃が典型的なものである。塵や埃の中には、蛍光物質であるものがある。例えば、衣服等から出た糸くずの破片が塵や埃になる場合が多いが、糸くずが蛍光物質である場合がある。繊維が蛍光物質であったり、蛍光塗料で染色されていたり、蛍光物質を含む洗剤が残留していたりする場合である。この他、人間の皮脂も塵や埃の原因となるが、皮脂にも蛍光成分が含まれている。
このような光学系4に侵入した異物が蛍光物質である場合のノイズは、バックグラウンドノイズと同種のものであり、比を取るだけでは除去できない。従って、二つの測定を行い、その比を取っているだけでは、この種の測定精度低下は防止できない。
尚、実験では、バックグラウンドノイズの量を把握するため、試薬容器を装着しない状態で光源2を点灯させて検出器3の出力を確認し、その値をオフセット値とした。
液相試薬a,bの組合せにおいて、濃度比は5倍であるので、計算上の蛍光強度比(この例での既知の蛍光強度比)は5倍である。各測定セットにおいて同一の液相試薬a,bの組み合わせが使用されているため、測定結果(蛍光強度比)も同じように5倍程度でなければならないが、図5に示すように、測定結果は不安定に変動している。各回の測定は、時間的に連続して行われているので、光源2の出力変動といった、埃の意図的な導入以外の変動要因は考えにくい。仮に、各セットの測定のインターバルの間に光源2の出力変動等が生じたとしても、比を取っているので、影響は出ない筈である。また、光学系4における埃の侵入量が異なるので、バックグラウンドノイズが変動するが、オフセット値として予め測定され、測定値から差し引かれるので、影響は除去される筈であるが、蛍光強度比は変動している。
また、第一測定セットと第二測定セットとを比べると、オフセット値は、第二測定セットの方が15.5mV程度大きくなっているのにも拘わらず、測定値A,B(オフセット減算する前の測定値)は、第二測定セットの方が小さい。これは、光学系4に侵入した埃が、蛍光発生源となりつつも、励起光や試薬からの蛍光を遮蔽する作用を多く生じさせているものと考えられる。
その一方、第三測定セットでは、オフセット値はさらに29.0mV程度上昇しており、測定値A,Bは、逆に第二測定セットよりも大きく、第一測定セットよりも大きくなっている。この結果は、光学系4の要素に多くの埃が付着した結果、励起光や試薬からの蛍光を遮蔽する作用よりも埃自体が蛍光発生源となる作用の方が強くなったことを示していると考えられる。
より具体的には、図6に示すように、実施形態の点検用試薬容器9は、標準蛍光強度比や可否判断値をバーコードにして表示した箇所(以下、コード表示部)96を有している。点検用試薬容器9は、側面に平坦面部97を有している。この実施形態では、コード表示部96は、バーコードをシールに印刷し、平坦面部97に貼り付けることで形成されている。
尚、図3に示すように、読み取り用開口51及びリーダ取付部52は、中央側の側面に形成されている。「中央側」とは、蛍光光度計1の中央側ということである。したがって、バーコードリーダ7も中央側から読み取りを行うようになっている。
点検用試薬容器9は、図1に示す容器保持部5の上端の挿入孔50から挿入される。図1に示すように、挿入孔50は直線状の部分を有する形状であり、挿入の際、点検用試薬容器9は平坦面部97が挿入孔50の直線状の部分に合わせられるので、平坦面部97は中央側を向くことになる。この状態で点検用試薬容器9が押し下げられると、図2から解るように、コード表示部96が読み取り用開口51の前を通り過ぎる状態となり、その際に、バーコードリーダ7によってコード表示部96が読み取られる。
このようなバーコードリーダ7としては、例えば岡谷電機産業(株)製のRPU813Tなどを使用することができる。また、発光器71にレーザーを使用したものでも良く、例えばHonewell社のH0A6480などを使用することができる。
種別IDは、装着された容器が点検用試薬容器9であることを光度計に確認させるためのコードである。例えば、0〜8までのいずれかの数字が通常の測定の際に装着された試料容器8を特定する情報として与えられる場合、“9”が点検用試薬容器9である旨のIDとして与えられる。
また、可否判断値も、最初の1桁が一の位、次の1桁が小数点以下一位の位となっている。したがって、“05”であれば、0.5が可否判断値ということになり、点検用試薬容器9を使用して実際に測定された蛍光強度比と標準蛍光強度比との差が0.5以内であれば、その蛍光光度計は使用可能と判断されることになる。
以上は一例であり、標準蛍光強度比が1桁であったり、3桁以上であったりしても良い。また、可否判断値についても、3桁を与えて小数点以下2位の数値としても良い。
次に、点検プログラムは、点検のための2回目の測定を行うようメッセージをディスプレイ13に表示する。即ち、点検用試薬容器9の隔壁94を破断して第二の収容部92内の別の材料95を第一の収容部91に投入し、第二の点検用液相試薬が第一の収容部91に収容された状態として測定ボタン141を押すことを促すメッセージをディスプレイ13に表示する。測定ボタン141が押されると、点検プログラムは、光源2を再度点灯させ、検出器3からの出力される測定値を別のメモリ変数に一時的に記憶する。
尚、図示及び説明は省略したが、点検プログラムは、バーコードリーダ7の出力から使用期限情報を取り出し、使用期限を過ぎていないかどうか判断する。使用期限を過ぎていれば、その旨のメッセージをディスプレイ13に表示し、点検動作(2回の測定)を行わずにプログラムを終了する。
上記の通り、「測定精度チェック」のメニュー項目をディスプレイ13に表示し、この状態で測定ボタン141を押して点検プログラムを起動させる。まず、点検用試薬容器9の装着が促されるので、個装袋から点検用試薬容器9を取り出し、通常の測定の場合と同様に、開閉蓋12を開けて挿入孔11からケーシング10内に挿入する。点検用試薬容器9は、通常の試料容器8と同様に容器装着部5に装着され、第一の収容部91が測定位置に位置した状態となる。
そして、点検プログラムが上記演算処理を演算処理部61に行わせ、可否判断値との対比結果がディスプレイ13に表示される。結果が正常であれば、点検用試薬容器9を取り出して通常の試料容器8を装着し、本来の測定を行う。結果が異常であれば、使用不可の表示がされるので、測定を取りやめ、別の蛍光光度計を使用するようにする。
また、蛍光光度計内に異物が混入し、異物が蛍光物質である場合を考慮して、可否判断値を設定することができるので、異物が混入し易い環境や状況で使用される蛍光光度計に特に適した点検方法となる。例えば、前述したような携帯型の蛍光光度計である場合、色々な場所で測定が可能である一方、塵や埃等の異物が混入し易い環境や状況で使用されることも想定される。従って、実施形態の点検方法は携帯型の蛍光光度計に特に適した方法であると言える。
即ち、蛍光光度計の測定精度をチェックする場合、発生する蛍光の光度の絶対値が既知である標準的な液相試薬について測定を行い、検出器で得られた出力で算出した光度の絶対値と、既知である光度の絶対値とを比較することがまず考えられる。そして、二つの絶対値の解離が一定値を越える場合にその蛍光光度計を使用不可とすることが考えられる。
尚、第二の収容部92内の別の溶液95を第一の収容部91に移動させて第一の液相試薬93に混合する構造としては、前述した破断可能な隔壁94で第二の収容部92の底部を形成する構造の他、外部から操作可能なスライダで第二の収容部92の底部を形成した構造等が採用可能である。
標準蛍光光度比をユーザーに知らせる手段としては、この他、ラベルに印刷して点検用試薬キットの個装袋に貼り付けたり、印刷した紙片を個装袋内に封入したりすることが考えられる。また、標準蛍光光度比が共通の一定した値であれば、蛍光光度計の仕様書や取り扱い説明書に記載しておく方法もある。とはいえ、試薬容器9に表示されている場合、個装袋や紙片を紛失又は廃棄してしまった場合でも確認が可能であるし、試薬容器9毎に異なる値である場合にも対応が可能である。
また、蛍光光度計1が演算処理部61や点検プログラムを備えており、測定値から蛍光強度比を求める演算や求められた蛍光強度比を標準蛍光強度比と対比して差を求める演算等が演算処理部61で行われることは、そのような演算をユーザーがする必要がないので、この点で利便性の高い蛍光光度計となる。
10 ケーシング
2 光源
3 検出器
4 光学系
5 容器装着部
6 制御部
7 バーコードリーダ
8 試料容器
9 点検用試薬容器
91 第一の収容部
92 第二の収容部
93 第一の点検用液相試薬
94 隔壁
95 別の材料
96 コード表示部
Claims (9)
- 収容部に液相試料が収容された試料容器を収容部が測定位置になるように配置し、測定位置に励起光を照射して液相試料で発生した蛍光を検出器で捉える蛍光光度計の点検方法であって、
発生する蛍光の強度比が既知である第一第二の二つの点検用液相試薬を順次測定位置に配置可能な点検用試薬容器を使用する点検方法であり、
第一の点検用液相試薬を収容した点検用試薬容器の収容部を測定位置に位置させた状態で光源からの励起光を測定位置に照射して発生蛍光を検出器で捉える第一の測定ステップと、
第二の点検用液相試薬を収容した点検用試薬容器の収容部を測定位置に位置させた状態で光源からの励起光を測定位置に照射して発生蛍光を検出器で捉える第二の測定ステップと、
第一の測定ステップにおいて検出器で捉えられた蛍光の強度と、第二の測定ステップにおいて検出器で捉えられた蛍光の強度との比を求め、求められた比と、前記既知である蛍光強度比との差を算出する算出ステップと
を含むことを特徴とする蛍光光度計点検方法。 - 前記第二の点検用液相試薬は前記第一の点検用液相試薬に対し別の材料を混合して成るものであり、
前記第一の測定ステップの後、前記収容部に収容されている前記第一の点検用液相試薬に対して別の材料を混合して前記第二の点検用液相試薬が前記収容部に収容されている状態とし、その後、前記第二の測定ステップを行うことを特徴とする請求項1記載の蛍光光度計点検方法。 - 前記第一の点検用液相試薬と前記別の材料は、同一の蛍光試薬を異なる濃度で溶液に溶解して成るものであることを特徴とする請求項2記載の蛍光光度計点検方法。
- 請求項1、2又は3に記載の蛍光光度計点検方法に使用される前記試薬容器であって、前記既知である蛍光強度比を表示した表示部を有していることを特徴する点検用試薬容器。
- 前記表示部は、前記既知である蛍光強度比に加えて可否判断値を表示しており、可否判断値は、前記求められた比と前記既知である蛍光強度比との差の大きさについての基準値であって、前記差が可否判断値を越えている場合には当該蛍光光度計を使用不可とする値であることを特徴とする請求項4記載の点検用試薬容器。
- 前記表示部は、前記蛍光光度計が備えるコードリーダによって読み取られることが可能なコード表示部であることを特徴とする請求項4又は5記載の点検用試薬容器。
- 請求項2に記載の蛍光光度計点検方法に使用される点検用試薬容器であって、前記第一の点検用液相試薬を収容した第一の収容部と、前記別の材料を収容した第二の収容部とを有しており、第二の収容部から前記別の材料を第一の収容部に移動させて前記第一の液相試薬に混合可能な構造を有していることを特徴とする点検用試薬容器。
- 請求項1、2又は3に記載の蛍光光度計点検方法が実施される蛍光光度計であって、
記憶部と、演算処理部と、ディスプレイとを備えており、
記憶部は、前記第一の測定ステップで測定された前記第一の点検用液相試薬の蛍光強度の測定値と、前記第二の測定ステップで測定された前記第二の点検用液相試薬の蛍光強度の測定値とを記憶可能であり、 記憶部には、点検プログラムが記憶されていて演算処理部で実行可能となっており、
点検プログラムは、前記第一の点検用液相試薬の蛍光強度と前記第二の点検用液相試薬の蛍光強度との比を求めてディスプレイに表示するプログラムであることを特徴とする蛍光光度計。 - 請求項1、2又は3に記載の蛍光光度計点検方法が実施される蛍光光度計であって、
記憶部と、演算処理部と、ディスプレイとを備えており、
記憶部は、前記第一の測定ステップで測定された前記第一の点検用液相試薬の蛍光強度の測定値と、前記第二の測定ステップで測定された前記第二の点検用液相試薬の蛍光強度の測定値とを記憶可能であり、
記憶部には、点検プログラムが記憶されていて演算処理部で実行可能となっており、
点検プログラムは、前記第一の点検用液相試薬の蛍光強度と前記第二の点検用液相試薬の蛍光強度との比を求めた後、求められた差が可否判断値を越えているかどうか判断し、越えている場合には当該蛍光光度計を使用不可とする旨を前記ディスプレイに表示するプログラムであることを特徴とする蛍光光度計。
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