まず、本発明の技術的特徴について触れておく。本発明の技術的特徴を簡単に説明すると、クライアント装置から申請された申請内容を受け付けるサーバ装置と、画像読み取り機構を備える画像処理装置とを含む画像処理システムにおいて、サーバ装置が、クライアント装置から申請された申請項目に領収書等の添付書類が必要な場合に、画像処理装置で画像の読み取りを実行するための指示内容が定義されているスキャンチケットを生成し、画像処理装置からのスキャンチケット要求に応じて、スキャンチケットを画像処理装置に送信して画像読み取り処理を行わせ、画像読み取り処理を行って得られた画像を受信して、申請内容と紐づけて記憶することである。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態の一例について説明する。図1は、本発明の情報処理システムのシステム構成の一例を示す構成図である。本発明の情報処理システムは、サーバ装置101、クライアント装置102−1、102−2(以下、まとめてクライアント装置102とする)、複合機103−1、103−2(以下、まとめて複合機103とする)等の画像処理装置、LAN104等を備えて構成されている。
サーバ装置101は、クライアント装置102より特定のワークフローの開始要求を受け付けることにより、当該開始要求を受け付けた種別のワークフロー処理データを生成する。また、開始要求を受け付けたワークフローに添付書類、例えば交通費申請におけるタクシーの領収書等、が必要な場合には、当該書類を複合機103のスキャナ機能を使用して読み込む際のスキャナ設定や、スキャンチケットの完了条件、同一のスキャンチケットを用いて作成された画像データの結合条件、スキャンチケットを用いたスキャン処理により作成される画像データを添付するワークフローの申請データ等を定義したスキャンチケットデータを作成する。スキャンチケットデータのデータ構成については、図13を参照して後述することにする。尚、スキャンチケットを発行する機能と、ワークフローデータを管理する機能とは異なるサーバ装置で提供しても構わない。また、サーバ装置101は、スキャンチケットデータの使用完了時に行うべき処理をスキャンチケットデータに従って特定し、その処理を実行する。本実施例では、ワークフローによる申請処理を次のアクティビティに進める例を説明するがスキャンチケットデータ使用完了時に行う処理はこれに限られず、メールの送信等であっても構わない。
クライアント装置102は、ワークフローの申請を行うユーザが使用する端末装置であって、ユーザの入力部を用いた操作に従って入力された操作命令に従い、サーバ装置101に対して、サーバ装置101が提供するワークフロー機能での各種申請要求を行う。その際に、申請を行う項目や、申請に用いる書類の電子画像作成処理に用いるスキャンチケットの設定に必要な入力指示をユーザによる入力部を介した操作により受け付け、当該入力指示に応じた申請要求やスキャンチケットの発行要求をサーバ装置101に対して行う。
複合機103は、各種申請に添付する書類の電子画像データ作成処理に用いる画像処理装置である。申請に添付する書類の電子画像データを作成する際に、複合機103は、ユーザに対応するスキャンチケットをサーバ装置101に対して要求する。ユーザの操作指示に従い、電子画像作成に使用するスキャンチケットの選択指示を受け付け、選択されたスキャンチケットの設定に従って、書類の電子画像作成処理を行う。
ネットワーク104は、サーバ装置101、クライアント装置102、複合機103を相互に通信可能に接続するための通信ネットワークである。以上が、本発明の情報処理システムの構成の一例の説明である。
次に、図2を参照して、図1のサーバ装置101に適用可能な情報処理装置のハードウェア構成について説明する。
図2において、201はCPUで、システムバス204に接続される各デバイスやコントローラを統括的に制御する。また、ROM203あるいは外部メモリ211には、CPU201の制御プログラムであるBIOS(Basic Input / Output System)やオペレーティングシステムプログラム(以下、OS)や、各サーバ或いは各PCの実行する機能を実現するために必要な後述する各種プログラム等が記憶されている。
202はRAMで、CPU201の主メモリ、ワークエリア等として機能する。CPU201は、処理の実行に際して必要なプログラム等をROM203あるいは外部メモリ211からRAM202にロードして、該ロードしたプログラムを実行することで各種動作を実現するものである。
また、205は入力コントローラで、キーボードやポインティングデバイス等の入力装置209からの入力を制御する。206はビデオコントローラで、ディスプレイ装置210等の表示器への表示を制御する。これらは必要に応じて操作者が使用するものである。
207はメモリコントローラで、ブートプログラム,各種のアプリケーション,フォントデータ,ユーザファイル,編集ファイル,各種データ等を記憶するハードディスク(HD)や、フレキシブルディスク(FD)、或いはPCMCIAカードスロットにアダプタを介して接続されるコンパクトフラッシュ(登録商標)メモリ等の外部メモリ211へのアクセスを制御する。
208は通信I/F(インタフェース)コントローラで、ネットワーク(例えば、図1に示したLAN104)を介して外部機器と接続・通信するものであり、ネットワークでの通信制御処理を実行する。例えば、TCP/IPを用いた通信等が可能である。
なお、CPU201は、例えばRAM202内の表示情報用領域へアウトラインフォントの展開(ラスタライズ)処理を実行することにより、ディスプレイ装置210上での表示を可能としている。また、CPU201は、ディスプレイ装置210上の不図示のマウスカーソル等でのユーザ指示を可能とする。
本発明を実現するための後述するフローチャートに示す各ステップの処理は、コンピュータで読み取り実行可能なプログラムにより実行され、そのプログラムは外部メモリ211に記録されている。そして、必要に応じてRAM202にロードされることによりCPU201によって実行されるものである。さらに、上記プログラムの実行時に用いられる定義ファイル及び各種情報テーブル等も、外部メモリ211に格納されており、これらについての詳細な説明も後述する。
尚、図1のクライアント装置102もサーバ装置101と略同様のハードウェア構成を有しているので、詳細な説明は割愛する。
次に、図3を参照して、図1の複合機103のハードウェア構成について説明する。図3は、図1の複合機103のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図3において、316はコントローラユニットで、画像入力デバイスとして機能するスキャナ314や、画像出力デバイスとして機能するプリンタ部312と接続する一方、LAN(例えば、図1に示したLAN104)や公衆回線(WAN)(例えば、PSTNまたはISDN等)と接続することで、画像データやデバイス情報の入出力を行う。
コントローラユニット316において、301はCPUで、システム全体を制御するプロセッサである。302はRAMで、CPU301が動作するためのシステムワークメモリであり、プログラムを記録するためのプログラムメモリや、画像データを一時記録するための画像メモリでもある。
303はROMで、システムのブートプログラムや各種制御プログラムが格納されている。304はハードディスクドライブ(HDD)で、システムを制御するための各種プログラム,画像データ等を格納する。
307は操作部インタフェース(操作部I/F)で、操作部308とのインタフェース部である。また、操作部I/F307は、操作部308から入力したキー情報(例えば、スタートボタンの押下)をCPU301に伝える役割をする。
305はネットワークインタフェース(ネットワークI/F)で、LAN104等のネットワークに接続し、データの入出力を行う。306はモデムで、公衆回線に接続し、FAXの送受信等のデータの入出力を行う。
318は外部インタフェース(外部I/F)で、USB、IEEE1394,プリンタポート,RS−232C等の外部入力を受け付けるI/F部であり、本実施形態においてはユーザの認証を行う際に必要となる非接触ICカード(記憶媒体)の読み取り用のカードリーダ319が外部I/F部318に接続されている。そして、CPU301は、この外部I/F318を介してカードリーダ319によるICカードからの情報読み取りを制御し、該ICカードから読み取られた情報を取得可能である。以上のデバイスがシステムバス309上に配置される。
320はイメージバスインタフェース(イメージバスI/F)であり、システムバス309と画像データを高速で転送する画像バス315とを接続し、データ構造を変換するバスブリッジである。画像バス315は、PCIバスまたはIEEE1394で構成される。画像バス315上には以下のデバイスが配置される。
310はラスタイメージプロセッサ(RIP)で、例えば、PDLコード等のベクトルデータをビットマップイメージに展開する。311はプリンタインタフェース(プリンタI/F)で、プリンタ部312とコントローラユニット316を接続し、画像データの同期系/非同期系の変換を行う。また、313はスキャナインタフェース(スキャナI/F)で、スキャナ314とコントローラユニット316を接続し、画像データの同期系/非同期系の変換を行う。
317は画像処理部で、入力画像データに対し補正、加工、編集を行ったり、プリント出力画像データに対して、プリンタの補正、解像度変換等を行ったりする。また、これに加えて、画像処理部317は、画像データの回転や、多値画像データに対してはJPEG、2値画像データはJBIG、MMR、MH等の圧縮伸張処理を行う。そして、この画像処理部317は、スキャナ部314を駆動して画像読み取りされた画像データを画像処理して、ファイル出力可能な形式(例えば、PDF形式ファイル)に変換し、CPU301と連携して、ネットワークI/F305を介して、外部装置に画像データのファイルを送信することができる。
スキャナ部314は、原稿となる紙上の画像を照明し、CCDラインセンサで走査することで、ラスタイメージデータとして電気信号に変換する。原稿用紙は原稿フィーダのトレイにセットし、装置使用者が操作部308から読み取り起動指示することにより、CPU301がスキャナ314に指示を与え、フィーダは原稿用紙を1枚ずつフィードし原稿画像の読み取り動作を行う。
プリンタ部312は、ラスタイメージデータを用紙上の画像に変換する部分であり、その方式は感光体ドラムや感光体ベルトを用いた電子写真方式、微少ノズルアレイからインクを吐出して用紙上に直接画像を印字するインクジェット方式等があるが、どの方式でも構わない。プリント動作の起動は、CPU301からの指示によって開始する。なお、プリンタ部312には、異なる用紙サイズまたは異なる用紙向きを選択できるように複数の給紙段を持ち、それに対応した用紙カセットがある。
操作部308は、LCD表示部を有し、LCD上にタッチパネルシートが貼られており、システムの操作画面を表示するとともに、表示してあるキーが押されるとその位置情報を操作部I/F307を介してCPU301に伝える。また、操作部308は、各種操作キーとして、例えば、スタートキー、ストップキー、IDキー、リセットキー等を備える。
尚、表示部はプリンタによって表示性能が異なり、タッチパネルを介して操作をできるプリンタ、単に液晶画面を備え文字列を表示(印刷状態や印刷している文書名の表示)させるだけのプリンタによって本発明は構成されている。
ここで、操作部308のスタートキーは、原稿画像の読み取り動作を開始する時などに用いる。スタートキーの中央部には、緑と赤の2色LEDがあり、その色によってスタートキーが使える状態にあるかどうかを示す。また、操作部308のストップキーは、稼働中の動作を止める働きをする。また、操作部308のIDキーは、使用者のユーザIDを入力する時に用いる。リセットキーは、操作部からの設定を初期化する時に用いる。
カードリーダ319は、CPU301からの制御により、非接触ICカードに記憶されている情報を読み取り、該読み取った情報を外部I/F318を介してCPU301へ通知する。
以上のような構成によって、プリンタ300は、スキャナ314から読み込んだ画像データをLAN104上に送信したり、LAN104から受信した印刷データをプリンタ部312により印刷出力したりすることができる。
また、スキャナ314から読み込んだ画像データをモデム306により、公衆回線上にFAX送信したり、公衆回線からFAX受信した画像データをプリンタ部312により出力したりすることができる。
次に、図4を参照して、サーバ装置101によって実行される処理の概要について説明する。この処理をサーバ装置101のCPU201に行わせるためのプログラムは外部メモリ211に記憶されており、必要に応じてCPU201は当該プログラムをRAM202にダウンロードし、その制御に従って本処理を行うことになる。
この処理を実行している際に、CPU201は常にクライアント装置102からのワークフローシステムで各種申請の新規受け付け、複合機103からのスキャンチケット要求を受け付けている。
クライアント装置102からワークフローシステムでの新規申請を受け付けた場合には(ステップS401でYES)、CPU201は処理をステップS402に進め、サーバ装置101のCPU201とクライアント装置102のCPUによる新規申請受付処理を行う。この処理の詳細については、図5を参照して後述することにする。
複合機103からのスキャンチケット要求を受け付けると(ステップS403でYES)、CPU201は処理をステップS404に進め、サーバ装置101のCPU201と複合機103のCPU301によるスキャンチケットを用いたスキャン処理を実行する。この処理の詳細については、図6を参照して後述することにする。尚、複合機103は、図11に示す表示画面1100において、スキャンチケットボタン1101に対する押下指示を受け付けることで、サーバ装置101に対してスキャンチケットを用いたスキャン要求を行うことになる。この表示画面1100の詳細については後述することにする。
また、CPU201は、あらかじめ設定された所定のタイミング毎に、スキャンチケットの中で使用期限に達したものについて、当該スキャンチケットの使用を完了し、そのスキャンチケットが対応付けられているワークフローの申請を次のアクティビティに移行させるためにバッチ処理を行う(ステップS406)。この処理の詳細については、図9を参照して後述することにする。以上が、サーバ装置101によって行われる処理の概要である。
次に、図5を参照して、図4のステップS402の新規申請受付処理の詳細を示すフローチャートである。サーバ装置101のCPU201は、外部メモリ211に記憶されているCPU201にステップS501乃至S506の処理を実行させるためのプログラムをRAM202にロードし、ロードしたプログラムの制御に従って当該処理を行うことになる。また、同様にクライアント装置102のCPU201は、外部メモリに記憶されているクライアント装置102のCPUにステップS511乃至S515の処理を実行させるためのプログラムをRAMにロードし、ロードしたプログラムの制御に従って本処理を行うことになる。
まず、不図示のステップで、新規申請の要求を行ってきたクライアント装置102を操作するユーザの認証処理が終了すると、サーバ装置101のCPU201は、新規申請画面をディスプレイ装置に表示させるための画面情報を、要求を行ってきたクライアント装置102に対して送信する(ステップS501)。画面情報を受信したクライアント装置102は、画面情報に従った新規申請画面をディスプレイ装置に表示する(ステップS511)。このステップで、図10に示す新規申請画面がクライアント装置102のディスプレイ装置に表示される。
ここで、図10を参照して新規申請画面の構成について説明する。図10は、新規申請画面の構成の一例を示す構成図である。
新規申請画面1000には、各種の設定情報の入力を受け付けるために、以下のコントロールが用意されている。
申請種別選択部1001は、ワークフローシステムにより何れの申請に対する決裁処理を行うかを選択するための選択部であって、「交通費申請」、「交際費申請」、「出張精算」の何れか1つを選択可能である。
また、申請の種別はこれらに限らず、他の申請項目を設けても良いし、これらの項目を設けなくても勿論構わない。また、申請を行う際には、この画面とは別の不図示の画面で、交通費申請の場合には、いつ、何処に、どのような用事で外出したのか、利用交通機関、その利用に支払った金額を入力したり、交際費申請の場合には、いつ、どのような相手に、どのような理由で、いくら支払ったかを入力したりする必要がある。この入力データがワークフロー申請の詳細データとして登録される。1つのワークフローの申請データに対して複数の詳細データが紐づくこともある。これら情報は、必要に応じてユーザがクライアント装置102を操作し、サーバ装置101に対して登録要求を行うことになる。これら情報は不図示のワークフロー管理DBに登録される。
スキャンチケット設定チェックボックス1002は、本画面に入力した情報に従った新規の申請にスキャンチケットを使用するかを指定するチェックボックスである。例えば、交通費申請の場合であれば、タクシーを利用した場合に等、領収書を添付する必要がある場合に、このチェックボックスにチェックを付けることになる。電車・バスの利用についての交通費申請については、必ずしも領収書を必要としないので、このチェックはつけなくても構わない。このスキャンチケット設定チェックボックス1002にチェックが付けられている場合には、以下説明するコントロールによるスキャンチケットの設定を行うことになる。
スキャンチケット名入力欄1003はスキャンチケットの名称を入力するための入力欄であり、ユーザは任意の名称を入力することが可能である。スキャンチケットの選択時に、このスキャンチケット名入力欄に入力された名称が表示されることになる。
スキャンチケット種別選択部1004は、スキャンチケットを1回のスキャンにのみ有使用可能とするか(1回限り)、それとも、複数回のスキャンに繰り返し使用できるものとするか(複数回スキャン可能)を指定するための指定部である。「複数回スキャン可能」を選択した場合には、「完了条件」設定、及び「結合条件」設定を行うことになる。
スキャンチケット種別選択部1004で「複数回スキャン可能」が選択された場合に、複数件のスキャンデータの完了条件、と複数のスキャンファイルの結合条件の設定を行う。完了条件設定として、日時指定1005、件数指定1006、OCR1007、完了情報送信1008のいずれかの指定を受け付けることになる。
日時指定1005の指定を受け付けた場合には、日時指定入力欄(月)1005−1、日時指定入力欄(日)1005−2が有効になり、スキャンチケットの完了条件となる日時の入力を受け付けることが可能になる。この場合、入力された日時に達した場合にスキャンチケットの使用を完了し、それ以前に当該スキャンチケットを用いて作成された電子画像データを添付して、ワークフローの処理を次のアクティビティに移行させる。尚、スキャンチケットの使用が完了するとは、当該スキャンチケットをそれ以降使用できないようにすることを意味し、スキャンチケットの使用が完了したと判断した場合には、CPU201は、当該スキャンチケットを用いて作成された電子画像データを添付して申請のワークフローを次のアクティビティに移行させる。
件数指定1006の指定を受け付けた場合には、件数入力欄1006−1が有効になり、件数入力を受け付けることが可能となる。この場合、入力された件数分スキャン処理がされた場合にスキャンチケットの使用を完了し、その件数分の電子画像データを添付した形でワークフローを次のアクティビティに移行させる。
OCR1007の指定を受け付けた場合には、終了条件入力欄(OCR)1007−1が有効になり、終了判定に使用する文字列(または文字列パターン)の入力を受け付けることが可能になる。この場合、当該スキャンチケットを用いて作成された電子画像データに対してOCR処理を行った結果、終了条件入力欄(OCR)に入力された文字列(文字列パターン)が検出された場合に、スキャンチケットの使用を完了し、それまでに当該スキャンチケットを用いて作成された電子画像データを添付して、ワークフローの処理を次にアクティビティに移行させる。
完了情報送信1008の指定を受け付けた場合には、スキャンチケットを用いてのスキャン処理が終了するたびに、複合機103のCPU301がスキャンチケットの使用を完了するか否かの指定を入力させる画面(図12)を操作部308に表示し、当該スキャンチケットを用いてのスキャンチケットの使用完了の入力をユーザから受け付けるような制御を行うことになる。使用完了の入力を受け付けた場合に、サーバ装置101のCPU201は当該スキャンチケットの使用を完了とし、ワークフローの処理を次にアクティビティに移行させる。
スキャンチケット種別選択部1004で「複数回スキャン可能」が選択された場合には、さらに、結合条件についても設定入力を受け付けることになる。結合条件の設定入力として、同一のスキャンチケットを用いて作成された個々の電子画像データを、ワークフローの処理を次のアクティビティに移行させる際に、1つの電子画像データに結合するか否か、結合する場合には、結合する順序の条件について受け付けることになる。
電子画像データを結合するか否かについては、複数のスキャンファイルの結合を「行わない」1009、または「行う」1010の選択に従って決定されることになる。また、「行う」1010が選択された場合には、結合順として、スキャン順1010−1、OCR結果順1010−2、任意指定1010−3のいずれかの指定を受け付ける。
スキャン順1010−1の指定を受け付けた場合には、サーバ装置101のCPU201は、先に作成された電子画像データが先のページになるように電子画像データを結合する。OCR結果順1010−2の指定を受け付けた場合には、OCR処理の結果取得された電子画像データ中に含まれる日付情報が早いものが先のページになるように電子画像データを結合する。任意指定1010−3が指定された場合には、クライアント装置102や複合機103上で入力された結合順序情報に従って、CPU201は電子画像データの結合処理を行うことになる。
新規申請ボタン1011は、上記の各コントロールに従った新規申請を行う際に用いられるボタンであって、新規申請ボタン1011が押下された場合に、クライアント装置102のCPUは、サーバ装置101に対して本画面に対する入力情報に従った新規申請データを送信する。キャンセルボタン1012は、本画面の表示を終了するために用いられるボタンであって、キャンセルボタン1012が押下された場合に、クライアント装置102のCPUは、本画面に対して入力された情報を破棄し、本画面の表示を終了する。以上が、図10の新規申請画面1000の構成の一例の説明である。
図5の説明に戻る。クライアント装置102のCPU201は、ステップS511で表示した新規申請画面1000を介して、ユーザの入力装置209操作に従って申請種別(申請種別選択部1001)の入力や詳細設定(申請種別選択部1001以外)の入力を受け付け(ステップS512、ステップS513)、新規申請ボタン1011の押下指示を受け付けると、新規申請画面1000で受け付けた設定情報を新規申請データとしてサーバ装置101に対して送信する(ステップS514)。
サーバ装置101のCPU201は、クライアント装置102から新規申請データを受信すると(ステップS502)、申請データに基づきワークフローデータを作成して、不図示のワークフロー管理DBに登録する(ステップS503)。このワークフロー管理DBには、データ項目として、申請者、申請種別、承認者、申請日、詳細データなどが登録される。そして、スキャンチケットを作成するか否かを判定する(ステップS504)。CPU201はこの判定を、クライアント装置102から取得した新規申請データのうち、スキャンチケット設定チェックボックス1002にチェックがされているか/否かのデータに従って行うことになる。
スキャンチケットの設定チェックボックス1002にチェックがされた状態で新規申請ボタン1011が押下された場合に送信される新規申請データには、サーバ装置101のCPU201にスキャンチケットを作成させるための情報が含まれるので、CPU201はステップS504の判定処理でYESと判定し、新規申請データに従ってスキャンチケットを作成し、スキャンチケットデータテーブルに保存する(ステップS505)。ステップS505が終了した場合、またはステップS504の判定処理でスキャンチケットを作成しないと判定した場合には、CPU201は処理をステップS506に進め、新規申請データを受け付けた結果の処理結果情報をクライアント装置102に対して送信する。
クライアント装置102はサーバ装置101から処理結果情報を受信すると、その情報に基づいて、ディスプレイ装置に表示されている画面の表示を更新する。以上が図4のステップS402の新規申請受付処理の詳細な説明である。
ここで、図12を参照してスキャンチケットデータテーブルのデータ構成について説明する。図12はスキャンチケットデータテーブルのデータ構成の一例を示す図である。
図12に示す通り、スキャンチケットデータテーブル1300は、データ項目としてスキャンチケットID(ST−ID)1301、対象ユーザ1302、スキャンチケット名1303、種別1304、ファイル形式1305、解像度1306、複数1307、完了条件1308、結合1309、結合順指定1310、ワークフローID1311を備えて構成されている。
ST−TD1301は、スキャンチケットデータを一意に識別するためのID情報を登録するためのデータ項目である。対象ユーザ1302は、スキャンチケットデータを使用可能なユーザ情報を登録するデータ項目である。例えば、交通費の申請のためのワークフローに使用するスキャンチケットデータの場合には、ワークフローの申請者の情報が登録される。これに限らず、スキャンチケットデータの作成時に使用可能とするユーザの情報を受け付け、そのユーザの情報を登録するという方法をとっても勿論構わない。スキャンチケット名1303は、図10のスキャンチケット名入力欄1003に入力された入力情報を登録するデータ項目である。種別1304は、図10の申請種別選択部1001で選択されたワークフローの申請種別を登録するためのデータ項目である。
ファイル形式1305、解像度1306は、スキャンチケットを使用して書類のスキャンを行う際の設定を登録するためのデータ項目であり、ファイル形式1305には、作成するファイル形式の情報(例えばTIFF、PDF等)が、解像度1306にはスキャナによる読み取り解像度が登録される。これら設定は、申請種別に応じて決定されるようにしても、図10の新規申請画面1000にスキャナの読み取り設定を行うためのコントロールを追加して、その入力に従った設定にしてもどちらでも構わない。
複数1307は、図10の新規申請画面1000のスキャンチケット選択部1004で、「複数回スキャン可能」または「1回限り」のどちらが選択されたかを示す情報を登録するデータ項目である。例えば複数申請用が選択された場合には「○」が登録され、「1回限り」が選択された場合にはこのデータ項目にはデータの登録を行わない。完了条件1308は、図10の新規申請画面1000で何れの結合条件(日時指定1005、件数指定1006、OCR1007、完了情報送信1008)が選択されたかを示す情報が登録されるデータ項目である。尚、日時指定が結合条件として選択された場合には日時情報、件数指定が選択された場合には件数情報、OCR1007が選択された場合には文字列情報があわせて登録される。
結合1309は、図10の結合条件でファイルの結合を行う/行わないの何れが選択されたかを示す情報を登録するデータ項目である。例えば、結合を行うが選択された場合には「○」が登録され、行わないが選択された場合には、このデータ項目にはデータの登録を行わない。結合順指定1310は、ファイルの結合を行う場合、その結合順として、図10の新規申請画面においてスキャン順1010−1、OCR結果順1010−2、任意指定1010−3のいずれが選択されたかを示す情報を登録するデータ項目である。ワークフローIDは当該スキャンチケットを用いたスキャン処理により作成される電子画像データを添付するワークフローの申請データを特定するためのIDを登録するデータ項目である。以上が、図13のスキャンチケットデータテーブルの構成の説明である。
本発明では、ワークフローの新規申請を行う際に、スキャンチケットデータの作成を行うかを指定させ、申請時に作成したスキャンチケットデータとワークフローとを対応付けて保存することになる。また、作成したスキャンチケットデータには、スキャン時の読み取り設定が行われているので、スキャンを行う度に読み取り設定を行う必要がなく、また、同一のスキャンチケットを用いれば、同一の読み取り設定でのスキャンを行うことが可能となる。
また、スキャンチケットには、当該スキャンチケットを用いたスキャン処理により作成される電子画像データを何れのワークフローの申請データに添付するかの情報が設定されているので、スキャン時に、ユーザがいずれのワークフローの申請データに電子画像データを添付するかを指定させなくとも良く、業務の効率化につながるとともに、添付ミスを低減させる効果も奏する。
次に、図6を参照して図4のステップS404のスキャンチケットを用いたスキャン処理の詳細について説明する。サーバ装置101のCPU201は、外部メモリ211に記憶されているCPU201にステップS621乃至S627の処理を実行させるためのプログラムをRAM202にロードし、ロードしたプログラムの制御に従って当該処理を行うことになる。また、同様に複合機103のCPU301は、HDD304に記憶されているCPU301にステップS601乃至S614の処理を実行させるためのプログラムをRAM302にロードし、ロードしたプログラムの制御に従って本処理を行うことになる。尚、複合機103に当該ステップの処理を行わせるためのプログラムはサーバ装置101が提供する構成をとっても勿論構わない。
まず、複合機103のCPU301は、不図示のステップにおいてユーザ認証処理を行った後に、ユーザ認証で特定されたログインユーザに対応するスキャンチケットの一覧要求をサーバ装置101に対して送信する(ステップS601)。サーバ装置101のCPU201は、複合機103からの一覧要求を受信すると(ステップS621)、スキャンチケットデータテーブル1300を検索し、当該ログインユーザに対応するスキャンチケットデータを取得し(ステップS622)、取得したスキャンチケットデータの要求を行ってきた複合機103に対して送信する(ステップS623)。
複合機103のCPU301は、ログインユーザに対応するスキャンチケットデータを取得すると、スキャンファイル情報をサーバ装置101から取得する必要があるかを判定する。CPU301は、取得したスキャンチケットデータのうち少なくともいずれかの複数1307のデータ項目が複数回スキャン可能を示す情報である場合に、この判定処理でスキャンファイル情報を取得する必要があると判定することになる。
ここで、図14を参照してスキャンファイルデータテーブルの構成について説明する。図14はスキャンファイルデータテーブルの構成の一例を示す図である。スキャンファイルデータテーブル1400は、複合機103において、スキャンチケットを用いたスキャン処理により作成された電子画像データの情報を管理するためのデータテーブルである。
図14に示すようにスキャンファイルデータテーブルはデータ項目として、ST−ID(スキャンチケットID)1401、SF−ID(スキャンファイルID)1402、スキャンファイル名1403、スキャン日時1404、結合順1405を備えて構成されている。
ST−ID1401は、スキャンファイル(電子画像ファイル)を作成する際に選択されたスキャンチケットのIDを示す情報を登録するデータ項目である。このST−ID1401は図13のST−ID1301と関連付けられている。
SF−ID1402は、スキャンファイルを一意に識別するためのID情報であり、同一のSF−IDを有するスキャンファイルで一意の情報が登録される。スキャンファイル名1403はスキャンファイルの名称を示す情報を登録するためのデータ項目である。
スキャン日時1404は、スキャンチケットを用いたスキャン処理によりスキャンファイルが作成された日時情報を登録するためのデータ項目である。結合順1405は、同一のスキャンチケットを使用して作成された複数のスキャンチケットを結合する際の結合順序情報を登録するためのデータ項目である。スキャンチケットの設定を行う際に、結合条件で「行わない」を指定した場合には、サーバ装置101のCPU201はこのデータ項目に対してデータの登録を行わない。
スキャンファイルデータテーブルに、図14に示したデータ項目以外のデータ項目を含ませた構成にしても、また、図14に示したデータ項目のうち、不要なものを削除した構成にしても勿論構わない。以上がスキャンファイルデータテーブルの説明である。
図6の説明に戻る。ステップS603で、複合機103のCPU301が、スキャンファイル情報を取得する必要があると判断した場合には、処理をステップS604に移行させ、スキャンファイル情報要求をサーバ装置101に対して送信する。その際には、複合機103のCPU301はサーバ装置101に対して複数1307が複数回スキャン可能であることを示すスキャンチケットデータのST−ID1301を送信することになる。サーバ装置101のCPU201は、スキャンファイル情報要求を受信すると(ステップS624)複合機103から受信した受信したST−ID情報をもとにスキャンファイルデータテーブルを検索し、取得したST−IDがST−ID1401に登録されているスキャンファイルデータを取得し、複合機103に対して送信する(ステップS625)。尚、サーバ装置101のCPU201が、ステップS622で取得したスキャンチケットデータの中に、複数回スキャン可能であるスキャンチケットがあると判断した場合に、当該スキャンチケットデータに対応するスキャンファイル情報を取得し、スキャンチケットデータとスキャンファイル情報とを合わせて複合機103に送信するような構成にしても勿論構わない。
複合機103のCPU301は、ステップS603でNOと判定した場合、または、サーバ装置101からスキャンファイル情報を取得した(ステップS605)後に、操作部308に図12に示す表示画面(UI)1200を表示することになる。
ここで、図11を参照して複合機103の操作部308に表示される表示画面(UI)の構成について説明する。図12は、スキャンチケットを用いたスキャン処理を行う際に複合機103の操作部308に表示される表示画面(UI)の構成の一例を示す図である。
図中1101はスキャンチケットボタンであり、このボタンの押下指示を受け付けると複合機103のCPU301は、サーバ装置101に対してスキャンチケットの要求を行うことになる。その後に、本図に示す表示画面が操作部308に表示されることになる。
図中1102はスキャンチケット選択欄であって、添付書類のスキャン処理に用いるスキャンチケットをユーザに選択させるための選択欄である。ユーザが正しいスキャンチケットを選択できるように、スキャンチケット選択欄にはスキャンチケットの情報としてスキャンチケット名、当該スキャンチケットが複数回スキャン可能なスキャンチケットか否かを示す情報、スキャンチケットを使用してスキャン処理を行った最終のスキャン日時情報、当該スキャンチケットを用いたスキャンを行った回数等の情報を表示する。このスキャンチケット選択欄1102には、ログイン中のユーザが使用可能なスキャンチケットの情報が表示される。尚、既に使用完了となったスキャンチケットの表示は行われない。
スキャンチケット選択欄1102では、ユーザの操作指示に従って選択されたスキャンチケットデータが、1102−1のように白黒反転処理されることにより、ユーザがどのスキャンチケットを選択したかを認識可能になっている。ユーザが選択したスキャンチケットを認識できる表示形態であれば、これ以外に、例えば選択されたスキャンチケットデータの字体を変える、文字色を変える等、他の表示形態を採用しても勿論構わない。
スキャン履歴表示欄1103にはスキャンチケット選択欄1102で選択されたスキャンチケットを用いて作成されたスキャンファイル情報が表示される。スキャンファイル情報としては、夫々のスキャンファイルのスキャンファイル名、スキャン日時が表示される。スキャンチケット選択欄1102で、スキャンファイルの結合を行う指定がなされたスキャンチケットが選択された場合は、スキャン履歴表示欄1103には、スキャンファイル情報が結合順に登録されることになる。スキャンファイルの結合を行わない指定がなされたスキャンチケットが選択された場合には、スキャン日時が古い順に表示がされる。
また、スキャンチケットを作成する際(新規の申請を行う際)に、図10の新規申請画面において、結合条件指定で任意指定1010−3を選択した場合に、図中の結合順変更指示部1103−1が有効となり、いずれかの「▲」の押下指示を受けた場合には、当該「▲」の行のスキャンファイルの結合優先順を1高く(例えば2→1)し、「▼」の押下指示を受け付けた場合には、スキャンファイルの結合優先順を1低く(例えば2→3)する。その場合、CPU301は、変更された結合順に従って、スキャン履歴の表示順を変更することになる。
スキャンファイル名指定ボタン1104は、スキャン履歴表示欄1103でスキャンファイル名が「<<今回スキャン>>」となっているスキャンファイルの名称を入力するために用いられるボタンであり、このボタンの押下指示を受け付けるとCPU301は、不図示のファイル名入力画面を操作部308に表示し、スキャンファイル名の入力を受け付けることになる。
スキャン開始ボタン1105は、スキャンチケット選択欄1102で選択されたスキャンチケットを用いてのスキャン処理を開始するために用いられるボタンであり、このボタンが押されると、CPU301は、スキャンチケットデータに設定された解像度で書類のスキャンを行い、スキャンチケットデータに設定されたファイル形式のファイルを作成し、サーバ装置101にスキャンファイルデータを送信する。スキャンファイル名の入力を受け付けている場合にはそのファイル名のファイルを、受け付けていない場合には、例えばスキャン処理を行った日時情報等をファイル名としてファイルを作成することになる。
最後にこの表示画面(UI)1200の補足的な説明をしておく。図12に示す通り、この表示画面(UI)1200には、「MYスキャンチケット」タブと「固定スキャンチケット」タブとが用意されている。「MYスキャンチケット」タブが指定された場合には、図12に示す通り、ワークフロー申請を行ったことで作成されたスキャンチケットデータを選択し、ワークフローの処理を進めるために必要な画像データを作成するための処理を行うことになる。一方、「固定スキャンチケット」タブが選択された場合には、ワークフロー処理とは関係ない、解像度やファイル形式、作成したファイルの保存場所等の設定がなされた、複数のユーザが使用可能なスキャンチケットを選択可能となり、選択したスキャンチケットに設定された条件でのスキャン処理を行うことになる。また、スキャンチケットには、スキャン処理により作成されたスキャン画像に対する処理を定義可能であり、サーバ装置101のCPU201は、スキャンチケットデータとともに取得したスキャンファイルに対して、スキャンチケットデータに設定された処理を行うことになる。
以上が、複合機103の操作部308に表示される表示画面(UI)1200の構成の一例の説明である。
図6の説明に戻る。表示画面(UI)1200を操作部308に表示した後(ステップS606の処理の後)、複合機103のCPU301は、表示画面1200を介してスキャンチケットの選択指示を受け付ける(ステップS607)。そして、スキャンチケットが複数回スキャン可能なスキャンチケットであり、結合順の指定が任意指定の場合に、スキャンファイルの結合順の変更要求を受け付けた場合には(ステップS608でYES)、結合順の変更処理を行う(ステップS609)。尚、表示画面(UI)1200のスキャン開始ボタン1105の押下を受け付けることで発行されるスキャン要求を受け付けたと判断するまでは、スキャンチケットの選択を変更することなどが可能である。
そして、表示画面(UI)1200のスキャン開始ボタン1105の押下を受け付けることで発行されるスキャン要求を受け付けたと判断した場合に(ステップS610でYES)、処理をステップS611に進め、ステップS607で選択されたスキャンチケットの設定に従った書類のスキャン処理を実行する。
尚、スキャン処理を行う際に、複数枚の書類のスキャンが必要になる場合がある。この場合に対応するために、フィーダを用いず、書類が原稿台に置いた状態でスキャン指示を受け付けた場合には、他にスキャンを行う書類があるかについての確認を行い、他にスキャンを行う書類がある旨の入力を受け付けた場合には、引き続き同一のスキャンチケットを用いてのスキャン処理を行うことになる。
そして、スキャンして得られた情報に従って、スキャンチケットに設定された指定フォーマットのスキャンデータ(電子画像データ)を生成し、スキャンデータと結合順情報(結合順が任意指定の場合)をサーバ装置101に送信する(ステップS613)。尚、スキャンデータの送信先がスキャンチケットに設定されている場合には、スキャンチケットに設定された送信先にスキャンデータを送信することになる。ここでは、スキャン使用したスキャンチケットのST−IDもあわせて送信される。図10の新規申請画面1000の完了条件設定で完了情報送信1008が選択された形で作成されたスキャンチケットを用いてのスキャン処理を行った場合には、スキャン処理が終了後、図12に示すような、スキャンチケット完了画面1200を表示し、当該申請に必要な書類のスキャンが完了したか否かの入力を受け付けることになる。この場合、ステップS613ではこの情報も併せてサーバ装置101に送信することになる。図12のスキャンチケット完了画面で「はい」1201の押下指示を受け付けると、複合機103のCPU301は、サーバ装置101に対してスキャンチケットの使用完了の通知を行う。この通知を受け付けると、サーバ装置101は当該スキャンチケットの使用を完了させる。一方、「いいえ」1202の押下を受け付けた場合には、引き続き当該スキャンチケットの使用をすることができる。
複合機103よりスキャンデータ等を取得すると、CPU201は、スキャンデータ保存処理を行う(ステップS626)。この処理の詳細については、図7を参照して後述することにする。
ステップS626のスキャンデータ保存処理終了後、サーバ装置101のCPU201は、処理結果を複合機103に対して送信する(ステップS627)。処理結果を受信した複合機103側では処理が正常に終了したかそれともエラーが発生したかの情報を少なくとも含む画面の表示を操作部308に行う(ステップS614)。以上が図4のステップS404のスキャンチケットを用いたスキャン処理の詳細な説明である。
本発明では、ワークフローの申請データに対するファイルの添付処理を行う際に使用するスキャンチケットデータの選択という簡単な操作により、スキャン設定(解像度やファイル形式)や、作成される電子画像データが添付される申請データ等が決定されるので、業務効率が図れる。また、スキャンチケットの選択時には、その名称等を表示するので、ユーザによる選択ミスを好適に防止する効果もある。
次に、図7を参照して、図6のステップS626のスキャンデータ保存処理の詳細について説明する。サーバ装置101のCPU201に本図に示す処理を実行させるためのプログラムは外部メモリ211に記憶されており、CPU201は、必要に応じて当該プログラムをRAM202にロードし、ロードしたプログラムによる制御に従って本処理を実行する。
まず、CPU201は、複合機103よりスキャンファイル、結合順情報(複合機103から送信された場合のみ)を受信する(ステップS701)と、受信情報に含まれるST−ID情報を有するスキャンチケットデータをスキャンチケットデータテーブルから取得する(ステップS702)。
その後、スキャンファイルの傾斜補正処理やOCR処理等の前処理が必要であるかを判定し(ステップS703)、前処理が必要である(YES)と判定した場合には、スキャンファイルに対して前処理を実行する。例えば、CPU201は、OCR結果によりスキャンチケットの使用の完了を判定する場合や、OCR結果に従った順でのファイル結合が指定されている場合に、前処理が必要であると判断することになる。
ステップS703で前処理の必要がない(NO)と判定した場合、ステップS704の前処理を実行後、ステップS701で受信したスキャンファイル(若しくはステップS704でスキャンファイルに前処理を実行することにより作成された電子画像ファイル)を所定のディレクトリ等に保存するとともに、スキャンファイルデータテーブルに当該スキャンファイルのデータを登録する(ステップS705)。
ステップS705の処理が終了後に、CPU201は、ステップS702で取得したスキャンチケットデータが複数回スキャン可能なスキャンチケットであるかを判定する(複数回スキャン?:ステップS706)。
複数回スキャン可能なスキャンチケットであると判定した場合には(ステップS706でYES)、処理をステップS707に進め、スキャンファイル結合順設定を行う必要があるかを判定する。スキャンファイルを結合する設定のスキャンチケットの場合には、スキャンファイル結合順の設定を行うと判定することになる。スキャンファイルの結合順設定を行うと判定した場合には(ステップS707でYES)、CPU201は処理をステップS708に進め、スキャンファイルの結合順設定を行う。例えば、結合順としてスキャン順が設定されている場合には、当該スキャンファイルの結合順を最下位に、結合順として任意指定が設定されている場合には、複合機103より取得した結合順情報に従って、当該結合順を設定する。結合順として、任意指定やOCR結果が選択されている場合には、今回のスキャン処理で作成されたスキャンファイル以外の結合順を変更する必要があることがある。その場合にはそれらの情報も変更することになる。
その後、ステップS702で取得したスキャンチケットデータを用いてのスキャン処理が完了したかを判定する(スキャン完了判定処理:ステップS709)。この処理の詳細については図8を参照して後述することにする。
ステップS708の処理終了後、当該スキャンチケットを用いたスキャン処理が完了したと判断した場合(ステップS710の「全スキャン完了?」でYES)、処理をステップS711に進める。一方、完了していないと判断した場合には、本処理を終了する。
ステップS711では、ステップS702で取得したスキャンチケットを用いて作成された他のスキャンファイル(関連スキャンファイル)があれば、その関連スキャンファイルを所定のディレクトリより取得する(ステップS711)。その後、スキャンチケットデータの結合1309の設定がスキャンファイルを結合する情報であるかを判定する(「ファイルを結合?」:ステップS712)。ファイルを結合する情報である場合には、ステップS701で取得したスキャンファイルとステップS711で取得した関連スキャンファイルを指定された結合順で結合する(ステップS713)。
ステップS706の判定処理でNOと判定した場合、またはステップS713の結合処理終了後、CPU201は処理をステップS714に進め、ステップS701で取得したスキャンファイル、ステップS711で取得した関連スキャンファイル、またはステップS713で作成した結合スキャンファイルを、ステップS702で取得したスキャンチケットに対応付けられている申請の添付書類として登録し(ステップS714)、ワークフローの処理を次のアクティビティに移行させる(ステップS715)。
そして、その後、ステップS702で取得したスキャンチケット情報のスキャンチケットデータテーブル1300からの削除(ステップS716)及び、当該スキャンチケットを用いたスキャン処理を行うことで作成したスキャンファイルのスキャンファイルデータテーブル1400からの削除(ステップS717)を行う。以上が、図6のステップS626のスキャンファイル保存処理の詳細な説明である。
本発明では、このような構成をとることにより、複数回使用可能なスキャンチケットの使用の完了を適切に判定し、ワークフローを次のアクティビティに進めることが可能となる。このような機能を有することにより、1つの申請データで複数の異なる申請(申請種別は同一)を行うことが可能となることで、必要となる申請、承認の数が減るため、申請者、承認者の業務負担を減らすことができる。
次に、図8を参照して、図7のステップS709のスキャン完了判定処理の詳細について説明する。本処理をサーバ装置101のCPU201に実行させるためのプログラムは外部メモリ211等に記憶されており、CPU201はこの処理を実行するに際し、当該プログラムをRAM202にロードし、ロードしたプログラムによる制御に従って本図に従った処理を実行する。
CPU201は、スキャン完了判定の対象となるスキャンチケットデータが複数回スキャン可能な設定がなされたスキャンチケットであるかを判定する(ステップS801)。複数回スキャン可能なスキャンチケットではないと判定した場合には(ステップS801でNO)、処理をステップ809に進める。
一方、複数回スキャン可能な設定がなされたスキャンチケットであると判定した場合には(ステップS801でYES)、処理をステップS802に進め、完了条件として日時指定が設定されているか(図10の新規申請画面1000で日時指定1005が選択されたか)を判定する。ステップS802の判定処理で日時条件が設定されていると判断した場合には、スキャンチケットの完了の指定日時に達したかを判定する(ステップS803)。CPU201は、指定日時に達したと判定した場合には(ステップS803でYES)処理をステップS810に、達していないと判定した場合には(ステップS803でNO)処理をステップS809に進める。
ステップS802の処理でNOと判定した場合には、CPU201は処理をステップS804に進め、完了条件として件数指定が設定されているか(図10の新規申請画面1000で件数指定1006が選択されたか)を判定する。ステップS804の判定処理で件数指定が設定されていると判断した場合には、当該スキャンチケットを用いて作成されたスキャンファイルが指定件数に達したかを判定する(ステップS805)。CPU201は、指定件数に達したと判定した場合には(ステップS805でYES)処理をステップS810に、達したと判定した場合には(ステップS805でNO)処理をステップS809に進める。
ステップS804の処理でNOと判定した場合には、CPU201は処理をステップS806に進め、完了条件としてOCR結果指定がなされているか(図10の新規申請画面でOCR1007が選択されたか)と判定する。ステップS806の判定処理で、完了判定に使用する文字列(又は文字列パターン)に合致する情報がOCR処理により得られたかを判定する(ステップS807)。CPU201は、得られたと判定した場合には(ステップS807でYES)処理をステップS810に、得られなかったと判定した場合には(ステップS807でNO)処理をステップS809に進める。
ステップS806の処理でNOと判定した場合には、複合機103からの完了情報送信が完了条件として設定されているので、CPU201は複合機103から完了情報を受け付けたかを判定する(ステップS808)。完了情報を受け付けたと判断した場合には(ステップS808でYES)処理をステップS810に、受け付けていないと判定した場合には(ステップS808でNO)、処理をステップS809に進める。
CPU201は、本処理を行った結果、処理をステップS809に進めた場合には、対象としたスキャンチケットを用いたスキャンは完了していないと、ステップS810に進めた場合には、スキャンは完了したと判定する。以上が図7のステップS709のスキャン完了判定処理の詳細である。
次に、図9を参照して、図4のステップS406のバッチ処理の詳細について説明する。本処理をCPU201に実行させるためのプログラムは外部メモリ211等に記憶されており、この処理を実行するに際し、CPU201は当該プログラムをRAM202にロードし、ロードしてプログラムの制御に従って、本処理を実行する。
CPU201は本処理において、図13に示すスキャンチケットデータテーブルに登録されている全てのスキャンチケットデータに対してステップS901からS910の処理を行う。
まず、CPU201は完了判定処理の対象とするスキャンチケットデータをスキャンチケットデータテーブル1300より取得し(ステップS901)、当該スキャンチケットによるスキャン完了判定処理を行う(ステップS902)。スキャン完了判定処理については、図8を用いて既に説明したとおりである。
スキャン完了判定処理の結果、当該スキャンチケットによるスキャン処理が完了したと判定した場合には(ステップS903でYES)、処理をステップS904に進め、スキャンファイルデータテーブルより当該スキャンチケットを用いたスキャン処理により作成されたスキャンファイル情報(関連スキャン情報:ST−ID1400で特定)を取得する(ステップS904)。そして、スキャンチケットの設定がスキャンファイルを結合する設定である場合には(ステップS905でYES)、ステップS904で取得した関連スキャンファイルを結合順情報に従って結合するファイル結合処理を行う(ステップS906)。
ステップS905でNOと判定した場合にはステップS904で取得した関連スキャンファイルを、ステップS905でYESと判定した場合には、ステップS906で関連スキャンファイルを結合することにより作成した結合ファイルを当該スキャンチケットに対応する申請の添付データとして登録し(ステップS907)、当該申請のワークフローを次のアクティビティに移行させる(ステップS908)。その後スキャンチケットデータテーブル1300から当該スキャンチケット情報を、スキャンファイルデータテーブル1400から当該スキャンチケットに対応するスキャンファイル情報を削除する(ステップS909、S910)。
上記した処理を、スキャンチケットデータテーブル1300に登録されている全てのスキャンチケットデータに対して行うまで、上記の処理を繰り返すことになる。以上が図4のステップS406のバッチ処理の詳細な説明である。
本発明では、このような構成をとることにより、特に日時条件による複数回使用可能なスキャンチケットの使用の完了を適切に判定し、ワークフローを次のアクティビティに進めることが可能となる。このような機能を有することにより、1つの申請データで複数の異なる申請(申請種別は同一)を週単位、月単位等で行うことが可能となることで、必要となる申請、承認の数が減るため、申請者、承認者の業務負担を減らすことができる。
以上説明した本実施の形態によれば、ワークフローシステムへの申請内容に添付ファイルが必要な場合に、その添付ファイルを申請データに添付するために用いられるスキャンチケットを発行し、そのスキャンチケットを使用して画像処理装置でのスキャン処理装置を行う。スキャンチケットは申請データと対応付けられており、スキャンチケットを用いて作成された電子画像データは対応付けられている申請データに添付されることになるので、スキャンチケットを選択してスキャン処理を行うという簡単な操作のみで、申請データに対して適切に添付ファイルを添付することが可能となる。
また、本実施の形態によれば、スキャンチケットを複数回使用することを可能にするか/否かを設定することも可能であり、これにより、複数の申請を纏めて行うという交通費申請などの申請処理で良く行われている申請方法に好適に対応することが可能である。これにより、申請者、承認者の申請業務にかかる負荷を低減させることが可能となる。
(その他の実施例)
以上の説明では、スキャンチケットを用いたワークフローシステムの例について触れたが、スキャンチケットを用いてのスキャン処理が完了した場合にサーバ装置101が行う処理をスキャンチケットに定義することで、他の処理を行うようにしても勿論構わない。
例えば、ワークフロー申請ではなく、予めスキャンチケットを用いてのスキャン処理により作成される電子画像データを添付する電子メールの情報を登録しておき、スキャンチケットを用いたスキャン処理を行った結果作成される電子画像データを当該電子メールに添付し、スキャンチケットの使用が完了した場合に当該電子メールを指定された宛先に対して送信するといった形でスキャンチケットを用いても良い。また、そのほか、スキャンチケットデータを用いて作成された電子画像データを文書管理システムに登録するといったスキャンチケットの使用方法も勿論可能である。
以上説明したように、本発明におけるプログラムは、図4〜図9に示すフローチャートの処理に従って管理サーバ100、複合機300としてのコンピュータが実行可能なプログラムであり、本発明の記憶媒体は図4〜図9の処理方法を管理サーバ100、複合機300が実行可能なプログラムを記憶されている。なお、本発明におけるプログラムは図4〜図9の各装置の処理方法ごと、別の独立したプログラムであってもよい。
以上のように、前述した実施形態の機能を実現するプログラムを記録した記録媒体を、システムあるいは装置に供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に格納されたプログラムを読出し実行することによっても、本発明の目的が達成されることは言うまでもない。
この場合、記録媒体から読み出されたプログラム自体が本発明の新規な機能を実現することになり、そのプログラムを記憶した記録媒体は本発明を構成することになる。
プログラムを供給するための記録媒体としては、例えば、フレキシブルディスク,ハードディスク,光ディスク,光磁気ディスク,CD−ROM,CD−R,DVD−ROM,磁気テープ,不揮発性のメモリカード,ROM,EEPROM,シリコンディスク等を用いることができる。
また、画像管理サーバ110、情報処理端末、コンピュータ、または撮像装置が読み出したプログラムを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているOS(オペレーティングシステム)等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
さらに、記録媒体から読み出されたプログラムが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
また、本発明は、複数の機器から構成されるシステムに適用しても、1つの機器からなる装置に適用してもよい。また、本発明は、システムあるいは装置にプログラムを供給することによって達成される場合にも適応できることは言うまでもない。この場合、本発明を達成するためのプログラムを格納した記録媒体を該システムあるいは装置に読み出すことによって、そのシステムあるいは装置が、本発明の効果を享受することが可能となる。
さらに、本発明を達成するためのプログラムをネットワーク上のサーバ,データベース等から通信プログラムによりダウンロードして読み出すことによって、そのシステムあるいは装置が、本発明の効果を享受することが可能となる。なお、上述した各実施形態およびその変形例を組み合わせた構成も全て本発明に含まれるものである。
また上記のソフトウェアで実現する各処理を、ファームウェアやハードウェア構成にして、各処理を各手段として実現することも可能であり、本発明の技術的範囲はこのようなファームウェアやハードウェア構成による実現も含むものである。