JP6064869B2 - 熱線遮蔽フィルム - Google Patents
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Description
多層化された金属層の層数が、3層、5層、7層と増加するにつれて、反射率は低下し、反射防止効果に優れたものとなる。一方では、透過率は増加するため、熱線遮蔽フィルムとしては、より好ましいものとなる。
即ち、本発明は以下のような構成を有するものである。
前記多層金属層は、金属からなる層(以下、「金属層」と記載する。)と金属化合物からなる層(以下、「金属化合物層」と記載する。)とをそれぞれ1層以上積層して構成されている。また、前記反射色改善層は、可視光線領域における最大吸収ピークの波長λmaxが580〜620nmで、可視光線領域における最大吸収ピークの半値幅が50nm以下である色素を含有している。前記反射色改善層は、前記多層金属層の室外側に存在している。
本実施形態において、可視光線とは、電磁波のうち肉眼で認識することができる光のことであり、一般に380〜780nmの波長の電磁波(可視光線領域)のことを指している。近赤外線とは、およそ800〜2500nmの波長の電磁波であり、赤色の可視光線に近い波長を持つ。近赤外線は、太陽光の中に含まれており、物体を加熱する作用がある。これに対して、遠赤外線は、およそ5〜20μm(5000〜20000nm)の波長の電磁波であり、太陽光の中には含まれず、室温付近の物体から放射される波長に近いものである。
本実施形態において、熱線とは、近赤外線のことを意味する。
以下、第1実施形態について説明する。
図1は、第1実施形態の熱線遮蔽フィルム1Aの層構成を示す模式的断面図である。
第1実施形態の熱線遮蔽フィルム1Aは、透明樹脂からなる基材フィルム3と、基材フィルム3の室内側に積層されたハードコート層7と、基材フィルム3の室外側に積層された多層金属層4と、反射色改善層5と、粘着層6とを有している。粘着層6は、窓板2に密着させて設置するための層である。
以下、第1実施形態の熱線遮蔽フィルム1Aを構成する各材料について、詳細に説明する。
窓板2は、外界から建築物や交通車輛や船舶等の内部に太陽光を取り込むための透明な板である。窓板2としては、透明ガラス板や透明樹脂板を使用する。透明樹脂には、アクリル系、スチレン系、水添環状樹脂、ポリカーボネート系、ポリエステル系など種々の樹脂を使用することができる。
基材フィルム3は、熱線遮蔽フィルム1Aとしての形態を維持するための基材であり、多層金属層4、反射色改善層5、粘着層6等を保持する機能を有している。基材フィルム3は、可視光線を透過させるように透明樹脂から製造されている。基材フィルム3は、機械的強度、可視光線透過率、取扱性等に優れていることが好ましい。基材フィルム3として使用される透明樹脂としては、アクリル系、ポリカーボネート系、スチレン系、ポリエステル系、ポリオレフィン系、水添環状樹脂、フッ素系、シリコーン系、ウレタン系など種々の樹脂があり、用途や目的に応じて、使い分けることができる。これらの透明樹脂の中では、耐候性の観点から、ポリエステル系が好ましい。
基材フィルム3の厚さは、透明樹脂の機械的物性等にも因るが、8〜800μmであることが好ましく、12〜400μmであることがより好ましい。
多層金属層4は、室外から照射される太陽光のうち、熱線を吸収と反射によって遮蔽するとともに、室内から発せられる遠赤外線を主に反射によって再び室内に取り込む層である。多層金属層4による熱線、紫外線、遠赤外線の反射は、金属内の多数の自由電子が電磁波の振動電場に合わせて集団振動するために起こると考えられている。
反射色改善層5は、反射光から赤色成分を吸収することによって、反射光の色目(反射色度)を無彩色に近いものに修正するために設けられた層である。
多層金属層4の反射光のスペクトルを観察すると、可視光線の波長が長くなるにつれて、反射率が高くなる挙動を示す。そのため、可視光線の反射光は赤色成分を多く含む、赤味の強いものとなる。そこで、赤色成分を吸収する反射色改善層5を設けて、反射光を透過させることによって、反射光の赤色成分の量を低減させて、色目の改善を図ることが可能となる。
ポルフィリン系色素は、環状構造を有するとともに、環状構造の内部に金属を配位させることによって、安定した化学構造を形成するものである。配位させる金属種や修飾基を変えることによって、吸収波長や吸光度を調整することが可能である。ポルフィリン系色素としては、バナジウム、銅、鉄、マグネシウム、コバルト、ニッケル、白金等の金属を配位したテトラアザポルフィリンが代表的なものである。更に耐久性を向上させるためには、フエノール系熱安定剤やカルバミン酸ニッケル系のクエンチャーなどを適宜添加することが好ましい。
粘着層6は、熱線遮蔽フィルム1Aを窓板2に密着させて設置するための層である。
例えば、熱線遮蔽フィルム製品の購入者が熱線遮蔽フィルム1Aを窓板2に自ら設置する際に、熱線遮蔽フィルム1Aと窓板2とを密着させるために使用される。粘着層6には、取扱性向上のために、必要に応じて、離型シートが貼付されており、窓板2に設置するときには、この離型シートを剥がしてから密着させる。
粘着層6の厚さは、5〜50μmであることが好ましい。
熱線遮蔽フィルム1Aの室内側の最外層には、ハードコート層7が設けられている。このハードコート層7は、外力によって熱線遮蔽フィルム1Aの表面が傷付いたり、内層部が破壊されることを防止する。
ハードコート層7に用いられる材料としては、無機系ハードコート層、有機系ハードコート層、有機無機系ハードコート層、シリコーン系ハードコート層等を使用する。中でも、紫外線硬化型のアクリル樹脂が好ましい。ハードコート層7の厚さは、0.5〜20μmであることが好ましい。
熱線遮蔽フィルム1Aの反射光の色度a*と彩度C*を、分光光度計によって測定する。具体的には、JIS Z8722に準拠し、光源D65を標準光として用いて測定する。熱線遮蔽フィルム1Aの室外側の表面で反射した反射光について、JIS Z8729に記載のL*a*b*表色系の色度図における色度a*、b*、彩度C*を測定する。彩度C*は、色度a*、b*から、以下の式を用いて算出される。
C*={(a*)2+(b*)2}1/2
室内を明るくするためには、熱線遮蔽フィルム1Aは、波長380〜780nmの可視光線を透過させる能力に優れていることが好ましい。熱線遮蔽フィルム1Aの可視光線透過率としては、65%以上であることが好ましく、70%以上であることがより好ましい。
可視光線透過率を高くし、見栄えをよくするためには、熱線遮蔽フィルム1Aは、波長380〜780nmの可視光線の反射率を低くすることが好ましい。熱線遮蔽フィルム1Aの可視光線反射率としては、20%以下であることが好ましく、15%以下であることがより好ましく、10%以下であることがさらに好ましい。
熱線の遮蔽効率を定量化して評価するためには、熱線遮蔽係数という指標を用いる。熱線遮蔽係数は、JIS A5759に準拠し、(i)分光光度計と(ii)赤外反射測定機とを用いて測定する。熱線遮蔽係数は、0.9以下であることが好ましい。0.9を超えると、熱線の遮蔽効率が環境省のグリーン購入法基準等に照らして、不十分となる。熱線遮蔽係数は、0.8以下であることがより好ましく、0.7以下であることがさらに好ましい。
本実施形態の熱線遮蔽フィルム1Aは、基材フィルム3上に熱線遮蔽フィルム1Aを構成する各層を順次形成することによって、製造することができる。以下に各層を形成するための製造方法について、代表的な例を説明する。また、特に記載した以外の製造条件は、公知の条件に従って製造することができる。
コーティングの方法は、公知の方法を必要に応じて、適宜選択して用いることができる。バインダー樹脂としては、アクリル系、ポリエステル系、シリコーン系、ウレタン系などから、適宜選択して使用することができる。溶剤についてもバインダー樹脂の種類に応じて、適切なものを適宜選択することができる。
図2は、第2実施形態の熱線遮蔽フィルム1Bの層構成を示す模式的断面図である。
第2実施形態の熱線遮蔽フィルム1Bは、透明樹脂からなる基材フィルム3と、基材フィルム3の室内側に積層されたハードコート層7と、基材フィルム3の室外側に積層された多層金属層4と、反射色改善層を兼ねる粘着層6aとを有している。粘着層6aは、窓板2に密着させて設置するための層である。また、粘着層6aは、粘着層でありながら、反射色改善層に用いる色素を含有している。そのため、第2実施形態の熱線遮蔽フィルム1Bは、反射色改善層を独立して有していない。
図3は、第3実施形態の熱線遮蔽フィルム1Cの層構成を示す模式的断面図である。
第3実施形態の熱線遮蔽フィルム1Cは、透明樹脂からなる基材フィルム3と、基材フィルム3の室内側に積層されたハードコート層7と、基材フィルム3の室外側に積層された多層金属層4aと、反射色改善層を兼ねる粘着層6bとを有している。多層金属層4aは、島状の多層金属皮膜が多数配置して形成されている。粘着層6bは、窓板2に密着させて設置するための層である。また、粘着層6bは、粘着層でありながら、反射色改善層に用いる色素を含有している。そのため、第3実施形態の熱線遮蔽フィルム1Cは、反射色改善層を独立して有していない。
図4は、第4実施形態の熱線遮蔽フィルム1Dの層構成を示す模式的断面図である。
第4実施形態の熱線遮蔽フィルム1Dは、透明樹脂からなる基材フィルム3と、基材フィルム3の室内側に積層された粘着層6と、基材フィルム3の室外側に積層された多層金属層4と、反射色改善層5と、ハードコート層7とを有している。粘着層6は、室内側にある窓板2に密着させて設置するための層である。第4実施形態の熱線遮蔽フィルム1Dは、窓板2の室外側に設置して使用するものである。
図5は、第5実施形態の熱線遮蔽フィルム1Eの層構成を示す模式的断面図である。
第5実施形態の熱線遮蔽フィルム1Eは、透明樹脂からなる基材フィルム3と、基材フィルム3の室内側に積層された粘着層6と、基材フィルム3の室外側に積層された多層金属層4と、反射色改善層を兼ねるハードコート層7aとを有している。粘着層6は、室内側にある窓板2に密着させて設置するための層である。また、ハードコート層7aは、ハードコート層でありながら、反射色改善層に用いる色素を含有している。そのため、第5実施形態の熱線遮蔽フィルム1Eは、反射色改善層を独立して有していない。第5実施形態の熱線遮蔽フィルム1Dは、窓板2の室外側に設置して使用するものである。
図6は、第6実施形態の熱線遮蔽フィルム1Fの層構成を示す模式的断面図である。
第6実施形態の熱線遮蔽フィルム1Fは、透明樹脂からなる2枚の基材フィルム3a、3bと、基材フィルム3aの室内側に積層された粘着層6cと、2枚の基材フィルム3aと3bの間に積層された多層金属層4aと、反射色改善層を兼ねる粘着層6bと、基材フィルム3bの室外側に積層された粘着層6dとを有している。粘着層6cは、室内側の窓板2aに密着させて設置するための層である。また、粘着層6dは、室外側の窓板2bに密着させて設置するための層である。多層金属層4aは、島状の多層金属皮膜が多数配置して形成されている。粘着層6bは、粘着層でありながら、反射色改善層に用いる色素を含有している。そのため、第6実施形態の熱線遮蔽フィルム1Fは、反射色改善層を独立して有していない。
第6実施形態において、粘着層6bと粘着層6c、6dとは、その機能や材料を異にする。粘着層6bは、第1実施形態〜第5実施形態の粘着層6、6a、6bと同じ種類の粘着剤が使用され、2枚の基材フィルム3a、3bを積層させるためのものである(第1種の粘着層)。
一方、粘着層6c、6dは、例えば、室温では粘着性のない樹脂として基材フィルム3a、3bに塗布や積層され、熱線遮蔽フィルム1Fと窓板2a、2bとを積層させた後に、加熱処理することによって、粘着性・接着性が発現し、熱線遮蔽フィルム1Fと窓板2a、2bとを接着させる層である(第2種の粘着層)。この粘着層6c、6dは、接着後は粘着性が低下するものが多い。
図7は、第1比較例となる熱線遮蔽フィルム1Gの層構成を示す模式的断面図である。
第1比較例となる熱線遮蔽フィルム1Gは、透明樹脂からなる基材フィルム3と、基材フィルム3の室内側に積層されたハードコート層7と、基材フィルム3の室外側に積層された反射色改善層を兼ねる粘着層6aと、透明樹脂からなる基材フィルム3cと、多層金属層4と、粘着層6とを有している。粘着層6は、窓板2に密着させて設置するための層である。また、粘着層6aは、粘着層でありながら、反射色改善層に用いる色素を含有している。そのため、第1比較例の熱線遮蔽フィルム1Gは、反射色改善層を独立して有していない。
図8は、第2比較例となる熱線遮蔽フィルム1Hの層構成を示す模式的断面図である。
第2比較例となる熱線遮蔽フィルム1Hは、透明樹脂からなる基材フィルム3と、基材フィルム3の室内側に積層された多層金属層4と、反射色改善層を兼ねる粘着層6aと、基材フィルム3の室外側に積層されたハードコート層7を有している。粘着層6aは、室内側にある窓板2に密着させて設置するための層である。粘着層6aは、粘着層でありながら、反射色改善層に用いる色素を含有している。そのため、第2比較例の熱線遮蔽フィルム1Hは、反射色改善層を独立して有していない。第2比較例の熱線遮蔽フィルム1Hは、窓板2の室外側に設置して使用するものである。
フィルム1は、第2実施形態の熱線遮蔽フィルム1Bの層構成を有するものである(図2参照)。
下記配合の組成物Aを易接着PETフィルム(東レ社製、U40、50μm厚さ)の一方の面にバーコーターを用いて塗工し、100℃の熱風オーブン中で2分間乾燥させた。その後、塗工面に高圧水銀灯にて紫外線(積算光量300mJ/cm2)を照射することで硬化させ、約4μm厚さのハードコート層を形成した。
ジペンタエリスリトールポリアクレート系紫外線硬化型樹脂(荒川化学社製、ビームセット700) 83.3質量部
光重合開始剤(BASF社製、イルガキュア184) 1質量部
トルエン 320質量部
一方、シリコーンで処理されたセパレータ(三菱樹脂社製、MRQ#38、厚さ38μm)上に下記配合の組成物Bをアプリケータを用いて塗工した。その後100℃の熱風オーブン中で2分間乾燥させて、約22μm厚さの粘着層を形成した。
アクリル系中性粘着剤(綜研化学社製、SKダイン2975) 100質量部
硬化剤(綜研化学社製、Y−75) 0.2質量部
トリアジン系紫外線吸収剤(BASF社製、Tinuvin477) 3質量部
カルバミン酸ニッケル(東京化成、ジブチルジチオカルバミン酸ニッケル(II) 0.03質量部
MEK 20質量部
フィルム2は、第2実施形態の熱線遮蔽フィルム1Bの層構成を有するものである(図2参照)。
組成物Bに、色素A(テトラアザポルフィリン(V)、山田化学社製、TAP10)0.034質量部を追加した以外はフィルム1と同様にして、フィルム2を作製し、フィルム1と同様にして、評価を行った。
フィルム3は、第2実施形態の熱線遮蔽フィルム1Bの層構成を有するものである(図2参照)。
組成物Bに、色素B(テトラアザポルフィリン(V)、山田化学社製、TAP24)0.022質量部を追加した以外はフィルム1と同様にして、フィルム3を作製し、フィルム1と同様にして、評価を行った。
フィルム4は、第2実施形態の熱線遮蔽フィルム1Bの層構成を有するものである(図2参照)。
組成物Bに、色素C(テトラアザポルフィリン(V)、山田化学社製、TAP26)0.015質量部を追加した以外はフィルム1と同様にして、フィルム4を作製し、フィルム1と同様にして、評価を行った。
フィルム5は、第2実施形態の熱線遮蔽フィルム1Bの層構成を有するものである(図2参照)。
組成物Bに、色素D(アンスラキノン系色素、山田化学社製、FD−B302)0.044質量部を追加した以外はフィルム1と同様にして、フィルム5を作製し、フィルム1と同様にして、評価を行った。
フィルム6は、第2実施形態の熱線遮蔽フィルム1Bの層構成を有するものである(図2参照)。
組成物Bに、色素Dを0.11質量部追加した以外はフィルム1と同様にして、フィルム6を作製し、フィルム1と同様にして、評価を行った。
フィルム7は、第2実施形態の熱線遮蔽フィルム1Bの層構成を有するものである(図2参照)。
組成物Bに、色素E(フタロシアニン(Cu)、山田化学社製、YMG−6)0.015質量部を追加した以外はフィルム1と同様にして、フィルム7を作製し、フィルム1と同様にして、評価を行った。
フィルム8は、第6実施形態の熱線遮蔽フィルム1Fの層構成を有するものである(図6参照)。
フィルム1と同様にして、易接着PETフィルムの片面に3層構造の多層金属層を形成した。この多層金属層の上に、レジスト(感光性樹脂)フィルムを熱ラミネートし、フォトリソグラフィー法にて、露光、現像して、レジストを所定の島状の配置(60°ちどり型、正六角形、開口率20%、島の径(1.15W)420μm、島間の距離(P)50μm)となるように形成した。レジストを120〜160℃で乾燥させた後、塩化第二鉄の水溶液を用いて、レジストが印刷されていない部分の金属皮膜を溶解・除去した。その後、レジストを水酸化ナトリウムの水溶液を用いて溶解して、金属皮膜表面から剥離した。水洗・乾燥して、PETフィルムのハードコート層とは反対側の面に、所定の島状の金属皮膜が配置された多層金属層を形成した(図9参照)。
フィルム9は、第6実施形態の熱線遮蔽フィルム1Fの層構成を有するものである(図6参照)。
フィルム8で使用した組成物Bに、色素B(テトラアザポルフィリン(V)、山田化学社製、TAP24)0.022質量部を追加した以外はフィルム8と同様にして、フィルム9を作製し、評価を行った。
フィルム10は、第2実施形態の熱線遮蔽フィルム1Bの層構成を有するものである(図2参照)。
フィルム1と同様にして、ハードコート層を片面に形成した易接着PETフィルムを作製した。PETフィルムのハードコート層とは反対側の面に、5×10-5Torrの真空下で、スパッタリング法を用いて、40nm厚さのITO皮膜、10nm厚さのAg皮膜、70nm厚さのITO皮膜、12nm厚さのAg皮膜、35nm厚さのITO皮膜を順次積層して、5層構造の多層金属層を形成した。多層金属層を5層構造の金属層とした以外は、フィルム1と同様にして、フィルム10を作製し、フィルム1と同様にして、評価を行った。
フィルム10は、第2実施形態の熱線遮蔽フィルム1Bの層構成を有するものである(図2参照)。
組成物Bに、色素A(テトラアザポルフィリン(V)、山田化学社製、TAP10)0.034質量部を追加した以外はフィルム10と同様にして、フィルム11を作製し、フィルム1と同様にして、評価を行った。
フィルム12は、第2実施形態の熱線遮蔽フィルム1Bの層構成を有するものである(図2参照)。
組成物Bに、色素B(テトラアザポルフィリン(V)、山田化学社製、TAP24)0.022質量部を追加した以外はフィルム10と同様にして、フィルム12を作製し、フィルム1と同様にして、評価を行った。
フィルム13は、第2実施形態の熱線遮蔽フィルム1Bの層構成を有するものである(図2参照)。
組成物Bに、色素D(アンスラキノン系色素、山田化学社製、FD−B302)0.044質量部を追加した以外はフィルム10と同様にして、フィルム13を作製し、フィルム1と同様にして、評価を行った。
フィルム14は、第1比較例となる熱線遮蔽フィルム1Gの層構成を有するものである(図7参照)。
フィルム1と同様にして、ハードコート層を片面に形成した易接着PETフィルムを作製した。PETフィルムのハードコート層とは反対側の面に、実施例2で使用した色素Bを含有する組成物Bをバーコーターを用いて塗工し、100℃の熱風オーブン中で2分間乾燥させ、約22μm厚さの反射色改善層を兼ねる粘着層を形成した。
上記のハードコート層と粘着層とを有するフィルムの粘着層側の面と、上記の多層金属層と粘着層とを有するフィルムの粘着層とは反対側の面とを室温でラミネートして、フィルム14を作製した。その後、フィルム1と同様にして、評価を行った。
フィルム15は、第1比較例となる熱線遮蔽フィルム1Gの層構成を有するものである(図7参照)。
多層金属層を5層構造の金属層とした以外は、フィルム14と同様にして、フィルム15を作製し、フィルム1と同様にして、評価を行った。
(色素の最大吸収ピークの波長λmax、最大吸収ピークの半値幅、吸光度)
トルエン溶剤に、色素を0.001質量%濃度で均一に溶解させた。
この溶液を透明ガラスセルに入れ、分光光度計(メーカー;島津製作所社製、製品名;UV3100PC)を使用して、可視光線領域におけるスペクトルを測定した。得られた可視光線領域におけるスペクトルから、380〜780nmの波長領域における最大吸収ピークの波長λmax(nm)と最大吸収ピークの半値幅(nm)を求めた。また、溶液を透過した透過率からランベルト・ベールの式より、最大吸収ピークの波長λmaxにおける吸光度を算出した。
JIS A5759に準拠して、測定した。本実施例では、分光光度計(島津製作所社製、UV3160)を使用した。
JIS A5759に準拠して、測定した。本実施例では、分光光度計(島津製作所社製、UV3160)を使用した。
JIS Z8729に記載のL*a*b*表色系の色度図における色度a*、b*、彩度C*を測定した。光源にはD65を用いた。
測定装置として、分光光度計(島津製作所社製、UV3160)を使用し、透過色、反射色共に室外側から入射して測定した。
彩度C*は色度a*、b*から、以下の式を用いて算出される。
C*={(a*)2+(b*)2}1/2
熱線遮蔽係数は、JIS A5759に準拠して、(i)分光光度計と(ii)赤外反射測定機とを用いて測定した。遮蔽係数が、0.8以下のとき、熱線遮蔽効率は優れていると判定した。好ましくは0.7以下である。
本実施例では、(i)分光光度計(島津製作所社製、UV3160)および(ii)赤外反射測定機(島津製作所社製、FTIR8700)を使用した。
そのため、色素Bを含有はしているものの、反射光は色素Bを含有する層を通過しないため、フィルム14と15は、それぞれ色素を含有しないフィルム1と10と比べて、外観の色相は、大きく改善されるものではなかった。
2;窓板
3、3a、3b、3c;基材フィルム
4、4a;多層金属層
5;反射色改善層
6、6a、6b、6c、6d;粘着層
7、7a;ハードコート層
Claims (9)
- 窓板に設置される熱線遮蔽フィルムであって、
透明樹脂からなる基材フィルムと、
前記基材フィルム上に設けられた多層金属層と反射色改善層とを有しており、
前記多層金属層は、金属からなる層と金属化合物からなる層とがそれぞれ1層以上積層されており、
前記反射色改善層は、可視光線領域における最大吸収ピークの波長λmaxが580〜620nmで、可視光線領域における最大吸収ピークの半値幅が50nm以下である色素を含有し、
前記反射色改善層は、前記多層金属層の室外側に存在することを特徴とする熱線遮蔽フィルム。 - 反射光の色度a*が5.5以下であることを特徴とする請求項1に記載の熱線遮蔽フィルム。
- 反射光の彩度C*が10以下であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の熱線遮蔽フィルム。
- 可視光線透過率が65%以上であることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の熱線遮蔽フィルム。
- 可視光線反射率が20%以下であることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の熱線遮蔽フィルム。
- 前記反射色改善層が含有する前記色素が、ポルフィリン系色素であることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の熱線遮蔽フィルム。
- 前記多層金属層が、金属からなる層と金属化合物からなる層とを交互に3層以上積層したものであることを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の熱線遮蔽フィルム。
- 熱線遮蔽係数が0.9以下であることを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の熱線遮蔽フィルム。
- 前記窓板に密着させるための粘着層を有することを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の熱線遮蔽フィルム。
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