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JP6060893B2 - 重合液、この重合液から得られた導電性ポリマーフィルム及び固体電解コンデンサ - Google Patents

重合液、この重合液から得られた導電性ポリマーフィルム及び固体電解コンデンサ Download PDF

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Description

本発明は、環境負荷が小さく、経済性に優れる上に、耐熱性の高い導電性ポリマーを与える電解重合用の重合液に関する。本発明はまた、この重合液から得られた導電性ポリマーフィルム及び固体電解コンデンサに関する。
チオフェン、アニリン、ピロールのようなπ−共役二重結合を有するモノマーの重合により得られる導電性ポリマーは、導電性に優れ、様々な電気化学的用途に適しており、固体電解コンデンサをはじめとして、ポリマー電池、帯電防止フィルム、表示素子、センサー、電極材料等の幅広い分野に応用されてきた。例えば、アルミニウム、タンタル、ニオブ等の弁金属箔の表面に誘電体としての酸化皮膜が設けられている陽極と、酸化皮膜と接しており、真の陰極として作用する導電性ポリマー層とを含む固体電解コンデンサにおいて、上記導電性ポリマーが好適に使用されている。
ところで、これらの導電性ポリマーを得るために使用される電解重合用の重合液には、通常、π−共役二重結合を有するモノマーと、支持電解質と、これらを溶解するための溶媒とが含まれている。
重合液の溶媒は、モノマーの溶解性等を考慮して適宜選択される。例えば、特許文献1(特開昭61−239617号公報)は、アルキル基又はアルコキシル基で置換されたアニリンの電解重合により導電性ポリマー層を得る方法を開示しているが、実施例では重合液の溶媒として水が使用されている。特許文献2(特開平1−313521号公報)は、3,4−エチレンジオキシチオフェン(以下、3,4−エチレンジオキシチオフェンを「EDOT」と表わし、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)を「PEDOT」と表わす)等の3位と4位が置換されたチオフェンの電解重合により導電性ポリマーを得る方法を開示しているが、実施例では重合液の溶媒としてアセトニトリルが使用されている。また、特許文献3(特開平3−18009号公報)は、無置換ピロールの電解重合により形成した導電性ポリマー層を含む固体電解コンデンサを開示しているが、実施例ではアセトニトリル又は水が重合液の溶媒として使用されている。
ドーパントとしても作用する支持電解質は、溶媒への溶解度、得られるポリマーからのドーパントの脱離非容易性等を考慮して適宜選択され、電解重合のために十分な電流が得られる濃度で使用される。これまでに極めて多くの支持電解質が提案されている。例えば、特許文献4(特開2010−37466号公報)は、過塩素酸イオン、p−トルエンスルホン酸イオン、ボロジサリチル酸イオンのような従来提案されている支持電解質から放出されるドーパントを段落0026にまとめて示すと共に、従来の支持電解質より高い耐熱性を与える支持電解質として、分岐鎖状アルキル基を置換基として有するベンゼンスルホン酸塩を提案している。また、特許文献5(特開2000−269087号公報)は、固体電解コンデンサの製造のためにチオフェン誘導体をアルキルナフタレンスルホン酸系界面活性剤により乳化した水媒体の重合液を用いることを開示している。電解重合によりドーパントとしてポリマー層に取り込まれたアルキルナフタレンスルホン酸アニオンの嵩が大きいため、脱ドープが抑制され、高温・高湿中で安定な固体電解コンデンサが得られている。さらに、非特許文献1(講演集「高機能導電性高分子(PPy、PEDOT等)の合成と電子・エネルギーデバイスへの応用展開ならびに将来展望」,pp30−33)にはピロールの電解重合が記載されているが、支持電解質としてトリイソプロピルナフタレンスルホン酸ナトリウムが使用されている。
重合液の溶媒としての有機溶媒の使用は、水溶媒の使用に比較して、一般に環境負荷を増大させ、経済的にも不利である。さらに、有機溶媒の中には人体に有害なものも多く、可燃性溶媒を使用した電解重合の場合には電気火花による火災を防止する措置をとる必要がある。したがって、重合液の溶媒として水を使用するのが好ましく、支持電解質も水溶媒に溶解する安価なものを使用するのが好ましい。
これまでに知られている支持電解質のうち、ボロジサリチル酸及び/又はその塩は、比較的安価であり、経済的に有利であるが、一方、ボロジサリチル酸及び/又はその塩を水に溶解させて攪拌すると急速に沈殿が生じること、或いは攪拌しなくても徐々に沈殿が生じることが知られている。そのため、π−共役二重結合を有するモノマーの電解重合における支持電解質としてボロジサリチル酸及び/又はその塩が選択される場合には、有機溶媒が選択されてきた。例えば、特許文献6(特開平2−58818号公報)は、有機溶媒と、ピロール等のモノマーと、支持電解質としてのボロジサリチル酸アルキル置換アンモニウムとを含む重合液を用いた電解重合により固体電解コンデンサを得ているが、ボロジサリチル酸アルキル置換アンモニウムが有機溶媒に溶解する支持電解質として選択されている。この文献はまた、有機溶媒に対する溶解度が低いボロジサリチル酸アンモニウムを支持電解質とし、有機溶媒に水を添加した溶媒を使用した重合液からは、熱安定性の点で問題を有する重合膜が得られることを記載している。
特開昭61−239617号公報 特開平1−313521号公報 特開平3−18009号公報 特開2010−37466号公報 特開2000−269087号公報 特開平2−58818号公報
講演集「高機能導電性高分子(PPy、PEDOT等)の合成と電子・エネルギーデバイスへの応用展開ならびに将来展望」,pp30−33,講演日時:2010年5月28日,講演会場:中央大学駿河台記念館
ボロジサリチル酸及び/又はその塩を水に溶解させた際に沈殿が生じるのは、ボロジサリチル酸イオンの加水分解により水難溶性のサリチル酸とホウ酸とが生じるためである。図1に、参考として、ボロジサリチル酸アンモニウムを水に溶解させた際に生じる沈殿のFT−IRスペクトルを、サリチル酸及びホウ酸のFT−IRスペクトルと比較して示した。この図から、沈殿がサリチル酸とホウ酸とを含んでいることがわかる。
この沈殿の生成のため、水媒体を含む重合液において安価なボロジサリチル酸及び/又はその塩を用いるのは困難であったが、発明者らがボロジサリチル酸及び/又はその塩を水に溶解した直後の沈殿生成前の重合液に電極(導電性ポリマーフィルムの基体、固体電解コンデンサの陽極)を導入して電解重合を行う実験を行ったところ、ポリマー粒子が緻密に充填された導電性ポリマーフィルムが電極上に形成されることがわかった。そして、得られた導電性ポリマーフィルムは高い電気化学的活性を示し、得られた固体電解コンデンサは低下した誘電損失(tanδ)と等価直列抵抗(ESR)とを示した。さらに、得られた導電性ポリマーフィルム及び固体電解コンデンサは、特許文献5及び非特許文献1に示されているスルホン酸基又はスルホン酸塩基を有するアニオン系界面活性剤を含む重合液から得られた導電性ポリマーフィルム及び固体電解コンデンサよりも高い耐熱性を示す上に、多量の有機溶媒を含む重合液から得られた導電性ポリマーフィルム及び固体電解コンデンサよりも高い耐熱性を示した。特許文献6は重合液に対する水の添加がポリマーフィルムの耐熱性を低下させることを記載しているが、このことを考慮すると、上述した実験の結果は驚くべきことである。
この発明者らの実験結果自体が新しい知見であるが、残念ながら重合終了時には沈殿が生成しはじめており、同じ重合液を再利用することが困難であった。したがって、この沈殿の問題を解消した上で、ボロジサリチル酸及び/又はその塩を水に溶解した直後(沈殿が生じる前)の重合液と同等の耐熱性を示す導電性ポリマーを与える重合液が得られれば、環境負荷が小さく、経済性に優れ、繰り返しの使用が可能であり、耐熱性の高い導電性ポリマーを与える、極めて好ましい重合液が得られると期待される。
そこで、本発明の目的は、水を主溶媒として含み、π−共役二重結合を有するモノマーと、支持電解質としてのボロジサリチル酸及び/又はその塩とを含む重合液において、ボロジサリチル酸イオンの加水分解による沈殿生成を抑制し、耐熱性の高い導電性ポリマーを与える重合液を提供することである。
発明者らは、鋭意検討した結果、ニトロベンゼン及び/又はニトロベンゼン誘導体を安定化剤として重合液中に適量共存させることにより上述の目的が達成されることを発見した。
したがって、本発明はまず、100〜80質量%の水と0〜20質量%の有機溶媒とから成る溶媒と、π−共役二重結合を有する少なくとも一種のモノマーと、ボロジサリチル酸及びボロジサリチル酸塩から成る群から選択された少なくとも一種の支持電解質と、ニトロベンゼン及びニトロベンゼン誘導体から成る群から選択された少なくとも一種の安定化剤とを含む、上記記モノマーの電解重合のための重合液であって、上記安定化剤の含有量が、上記支持電解質1モルに対して1/8モルより多いことを特徴とする重合液に関する。100〜80質量%の水と0〜20質量%の有機溶媒とから成る溶媒を、以下「水リッチ溶媒」と表わす。水リッチ溶媒において、水と有機溶媒との合計量は100質量%である。水リッチ溶媒中の水の含有量は、80質量%以上であればよいが、90質量%以上であるのが好ましく、95質量%以上であるのがより好ましく、100質量%であるのが特に好ましい。
図2は、ボロジサリチル酸アンモニウムを0.267mMの濃度で溶解させた水溶液、p−ニトロフェノールを0.083mMの濃度で溶解させた水溶液、及び、ボロジサリチル酸アンモニウムとp−ニトロフェノールとをそれぞれ0.267mM及び0.083mMの濃度で溶解させた水溶液に関するUVスペクトルを示している。ボロジサリチル酸アンモニウム水溶液のUVスペクトルでは298nmに、p−ニトロフェノール水溶液のUVスペクトルでは317nmに、それぞれ最大吸収が認められるが、ボロジサリチル酸アンモニウムとp−ニトロフェノールの両方を含む水溶液のUVスペクトルでは306nmに最大吸収が認められる。このことは、ボロジサリチル酸アンモニウムとp−ニトロフェノールとから別の化合物(以下、「複合体」と表わす)が生成していることを示していると考えられる。この複合体形成によりボロジサリチル酸イオンの加水分解が抑制されるためであると思われるが、ボロジサリチル酸アンモニウムとp−ニトロフェノールとを含む水溶液からは沈殿が生じなかった。また、p−ニトロフェノールの代わりにニトロベンゼン又は他のニトロベンゼン誘導体を用いた場合でも、同様の現象が認められた。これらのことから、上記複合体はボロジサリチル酸アニオンと安定化剤のニトロ基との静電的な相互作用により生じたものと考えられた。
また、水リッチ溶媒と、π−共役二重結合を有する少なくとも一種のモノマーと、ボロジサリチル酸及びボロジサリチル酸塩から成る群から選択された少なくとも一種の支持電解質と、ニトロベンゼン及びニトロベンゼン誘導体から成る群から選択された少なくとも一種の安定化剤とを含む重合液を用いて電解重合を繰り返し行っても、重合液中には沈殿が生じず、得られた導電性ポリマーは、ボロジサリチル酸及び/又はその塩を溶解した直後(沈殿が生じる前)の安定化剤を含まない重合液から得られた導電性ポリマーと同様に優れた耐熱性を示した。これらのことから、上記複合体の形成によりボロジサリチル酸イオンの加水分解が抑制され、ボロジサリチル酸イオンが電解重合の過程でドーパントとして導電性ポリマーフィルム中に含まれた結果、優れた耐熱性を有する導電性ポリマーフィルムが得られたものと考えられた。
ニトロベンゼン及びニトロベンゼン誘導体から成る群から選択された少なくとも一種の安定化剤は、単独の化合物であっても2種以上の混合物であっても良いが、重合液における飽和溶解量が上記支持電解質1モルに対して1/8モル以下である化合物は、他の化合物と混合して使用される。上記安定化剤の量が上記支持電解質1モルに対して1/8モル以下であると、沈殿生成抑制効果が十分でない場合がある。上記安定化剤の含有量は、上記支持電解質1モルに対して1/4以上であるのが好ましく、1/2モル以上であるのがより好ましく、1モル以上であるのが特に好ましい。上記安定化剤としては、水易溶性の安定化剤が好ましく、o−ニトロフェノール、m−ニトロフェノール、及びp−ニトロフェノールから成る群から選択された少なくとも一種の化合物が特に好ましい。上記安定化剤は、ボロジサリチル酸イオンとの複合体を形成させてボロジサリチル酸イオンの加水分解による沈殿生成を抑制するために使用されるものであるから、少なくともボロジサリチル酸及び/又はその塩とほぼ同時に水リッチ溶媒に添加され、好ましくはボロジサリチル酸及び/又はその塩よりも前に水リッチ溶媒に添加される。
電解重合用の重合液におけるニトロベンゼン又はその誘導体の使用自体は特許文献4、特許文献5及び非特許文献1に記載されている。特許文献4及び非特許文献1ではポリピロールの製造のための重合液にp−ニトロフェノールが添加されており、非特許文献1にはp−ニトロフェノールの作用によりポリピロールの重合構造が変化することが記載されている。特許文献5には、ニトロベンゼン又はその誘導体の使用により、規則性の高い、共役長の発達したチオフェン誘導体ポリマーが得られることが記載されている。しかしながら、本発明におけるニトロベンゼン又はその誘導体が示す効果は、ボロジサリチル酸イオンとの複合体の形成によりボロジサリチル酸イオンの加水分解による沈殿生成を抑制する効果であり、これらの文献におけるニトロベンゼン又はその誘導体の効果とは異なっている。また、これらの文献のいずれにも、ニトロベンゼン又はその誘導体とボロジサリチル酸イオンとの複合体形成により水リッチ溶媒中でのボロジサリチル酸イオンの加水分解による沈殿生成が抑制され、ボロジサリチル酸及び/又はその塩と、ニトロベンゼン又はその誘導体とを併用した重合液の使用により、耐熱性に優れた導電性ポリマー層が得られることを示唆する記載が存在しない。
本発明では、飽和溶解量以下のモノマーが重合液中に含まれており、上記モノマーの全量が重合液に溶解していても良いが、飽和溶解量を超える量のモノマーが重合液中に含まれており、溶解しきれないモノマーが重合液中に油滴として分散していても良い。飽和溶解量を超える量のモノマーを含む液に超音波を照射することにより、モノマーを油滴として重合液中に高分散させることができ、解乳化が抑制された安定な重合液を得ることができる。油滴のサイズが微小であると、この油滴と電解重合用の電極との間の直接的な電荷移動により、電極上に緻密なポリマーフィルムが形成される。油滴のサイズが大きくなるにつれて電極との間の直接的な電荷移動が生じにくくなり、重合液に溶解しているモノマーが専ら電解重合に関与するようになるが、重合によるモノマーの消費量に相当する量のモノマーが電極近傍の油滴から補充されて液中に溶解するため、電解重合が迅速に進行する。なお、「超音波」とは10kHz以上の周波数を有する音波を意味する。
ところで、電解重合用の重合液の調製に超音波照射を利用する方法自体は公知である。J.AM.CHEM.SOC.(2005),127(38),13160−13161には、支持電解質としてのLiClOを溶解させた水溶液に飽和溶解量より多い量のEDOTを添加し、周波数20kHz、出力22.6W/cmの超音波を60秒間照射し、モノマー油滴が水に分散している乳濁した重合液を得(この文献の図1参照)、この重合液を用いてPt電極上に電解重合層を形成した結果が報告されている。しかし、この文献には、本発明で使用されるボロジサリチル酸及びボロジサリチル酸塩から成る群から選択された少なくとも一種の支持電解質と、ニトロベンゼン及びニトロベンゼン誘導体から成る群から選択された少なくとも一種の安定化剤との併用を示唆する記載が存在せず、この併用により耐熱性に優れた導電性ポリマーフィルムが得られることを示唆する記載も存在しない。
本発明の重合液には、水溶性のノニオン界面活性剤をさらに含ませることもできる。モノマーがノニオン界面活性剤のミセル中に濃縮されるため、速やかに電解重合が進行し、高電導度を示すポリマーが得られる。また、ノニオン界面活性剤自体はイオン化しないため、ドーパントによるドーピングが阻害されず、上記安定化剤とボロジサリチル酸イオンとの複合体形成も阻害されない。このため、ノニオン界面活性剤を含まない重合液から得られる導電性ポリマーフィルムと、ノニオン界面活性剤を含む重合液から得られる導電性ポリマーフィルムとは、同等の耐熱性を示す。ノニオン界面活性剤としては、公知のノニオン界面活性剤を特に限定無く使用することができるが、分散効果が高いアルキンジオールと他のノニオン界面活性剤、好ましくはポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、との組み合わせを重合液において使用すると、重合液におけるモノマーの含有量を大幅に増加させることができるため好ましい。
本発明の重合液の使用により、優れた耐熱性を有する導電性ポリマーフィルムを得ることができる。したがって、本発明はまた、導電性部分を有する基体を本発明の重合液に導入して電解重合を行うことにより得られた導電性ポリマーフィルムに関する。
本発明の重合液はさらに、アルミニウム、タンタル、ニオブ等の弁金属箔の表面に誘電体としての酸化皮膜が設けられている陽極と、酸化皮膜と接しており、真の陰極として作用する導電性ポリマー層とを含む固体電解コンデンサを製造するために好適に使用することができる。本発明の重合液の使用により、低下したtanδとESRとを有する上に耐熱性に優れたコンデンサを得ることができる。また、ボロジサリチル酸及び/又はボロジサリチル酸塩のみを含み上記安定化剤を含まない重合液を使用して沈殿生成前に固体電解コンデンサを製造し、さらに沈殿生成後に再度固体電解コンデンサを製造すると、沈殿生成後の重合液から得られた固体電解コンデンサのESRが沈殿生成前の重合液から得られた固体電解コンデンサのESRより上昇するが、上記安定化剤の併用によりこの上昇が抑制されるため、同じ重合液を繰り返し使用して固体電解コンデンサを再現性良く製造することが可能になる。
したがって、本発明はまた、表面に酸化皮膜を有する弁金属箔からなる陽極と、該陽極上に設けられた導電性ポリマー層と、を含む固体電解コンデンサであって、上記導電性ポリマー層が上記陽極を本発明の重合液に導入して電解重合を行うことにより形成されたものであることを特徴とする、第1の形態の固体電解コンデンサに関する。導電性ポリマー上に導電層(見かけの陰極)が設けられ、第1の形態の固体電解コンデンサが構成される。
本発明はまた、表面に酸化皮膜を有する弁金属箔からなる陽極と、弁金属箔からなる陰極と、上記陽極と上記陰極との間に配置された導電性ポリマー層を保持したセパレータと、を含む固体電解コンデンサであって、上記導電性ポリマー層が、上記陽極と上記陰極とこれらの間に配置されたセパレータとを含むコンデンサ素子を本発明の重合液に導入し、該コンデンサ素子に上記重合液を含浸させ、電解重合を行うことにより形成されたものであることを特徴とする、第2の形態の固体電解コンデンサに関する。電解重合により、導電性ポリマー層がセパレータに保持される。この方法により、巻回型或いは積層型の固体電解コンデンサを得ることができる。
本発明の重合液におけるπ−共役二重結合を有するモノマーとしては、水リッチ溶媒に安定であれば、従来導電性ポリマーの製造のために用いられているモノマーを使用することができる。特に、EDOTをモノマーとして用いると、耐熱性に優れる上に、可視光の透過性(透明性)に優れ、高い電導度と高い電気化学容量とを有するPEDOTフィルムが得られ、また、特に低いtanδとESRとを有する上に、耐熱性に優れた固体電解コンデンサが得られるため好ましい。
水リッチ溶媒と、π−共役二重結合を有する少なくとも一種のモノマーと、ボロジサリチル酸及びボロジサリチル酸塩から成る群から選択された少なくとも一種の支持電解質と、ニトロベンゼン及びニトロベンゼン誘導体から成る群から選択された少なくとも一種の安定化剤とを含む本発明の重合液は、上記安定化剤とボロジサリチル酸イオンとの複合体形成により水リッチ溶媒中でのボロジサリチル酸イオンの加水分解による沈殿生成が抑制されるため、電解重合のために繰り返し使用することができ、環境負荷が小さく、経済性に優れる。また、本発明の重合液の使用により、耐熱性に優れた導電性ポリマーフィルム及び固体電解コンデンサを得ることができる。
ボロジサリチル酸アンモニウムの加水分解により生成した沈殿物のFT−IRスペクトルである。 ボロジサリチル酸アンモニウム、p−ニトロフェノール、およびこれらの混合物のUVスペクトルである。
(1)重合液
本発明の電解重合用の重合液は、水リッチ溶媒と、π−共役二重結合を有する少なくとも一種のモノマーと、ボロジサリチル酸及びボロジサリチル酸塩から成る群から選択された少なくとも一種の支持電解質と、ニトロベンゼン及びニトロベンゼン誘導体から選択された少なくとも一種の安定化剤と、を必須成分として含む。本発明の重合液では、環境負荷が小さく、経済的にも優れる水を主溶媒として使用する。本発明の重合液には、水に加えて、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、エチレングリコール、アセトニトリル、アセトン、テトラヒドロフラン、酢酸メチルなどの有機溶媒が含まれていてもよいが、溶媒全体の80質量%以上は水である。水は溶媒全体の90質量%以上であるのが好ましく、溶媒全体の95質量%以上であるのがより好ましく、溶媒が水のみから成るのが特に好ましい。水リッチ溶媒における有機溶媒の含有量が増加すると、ポリマー粒子が緻密に充填された導電性ポリマーフィルムが電解重合により電極上に形成されにくくなり、有機溶媒の含有量が溶媒全体の20質量%を超えると、得られた導電性ポリマーフィルム及び固体電解コンデンサの耐熱性が顕著に低下する。
本発明の重合液では、モノマーとして、π−共役二重結合を有するモノマーを使用する。水リッチ溶媒に安定であれば、従来導電性ポリマーの製造のために用いられているπ−共役二重結合を有するモノマーを使用することができる。以下に代表的なモノマーを例示する。これらのモノマーは、単独で使用しても良く、2種以上の混合物として使用しても良い。
まず、チオフェン及びチオフェン誘導体、例えば、3−メチルチオフェン、3−エチルチオフェンなどの3−アルキルチオフェン、3,4−ジメチルチオフェン、3,4−ジエチルチオフェンなどの3,4−ジアルキルチオフェン、3−メトキシチオフェン、3−エトキシチオフェンなどの3−アルコキシチオフェン、3,4−ジメトキシチオフェン、3,4−ジエトキシチオフェンなどの3,4−ジアルコキシチオフェン、3,4−メチレンジオキシチオフェン、EDOT、3,4−(1,2−プロピレンジオキシ)チオフェンなどの3,4−アルキレンジオキシチオフェン、3,4−メチレンオキシチアチオフェン、3,4−エチレンオキシチアチオフェン、3,4−(1,2−プロピレンオキシチア)チオフェンなどの3,4−アルキレンオキシチアチオフェン、3,4−メチレンジチアチオフェン、3,4−エチレンジチアチオフェン、3,4−(1,2−プロピレンジチア)チオフェンなどの3,4−アルキレンジチアチオフェン、チエノ[3,4−b]チオフェン、イソプロピルチエノ[3,4−b]チオフェン、t−ブチル−チエノ[3,4−b]チオフェンなどのアルキルチエノ[3,4−b]チオフェン、を挙げることができる。
また、ピロール及びピロール誘導体、例えば、N−メチルピロール、N−エチルピロールなどのN−アルキルピロール、3−メチルピロール、3−エチルピロールなどの3−アルキルピロール、3−メトキシピロール、3−エトキシピロールなどの3−アルコキシピロール、N−フェニルピロール、N−ナフチルピロール、3,4−ジメチルピロール、3,4−ジエチルピロールなどの3,4−ジアルキルピロール、3,4−ジメトキシピロール、3,4−ジエトキシピロールなどの3,4−ジアルコキシピロールを使用することができる。
また、アニリン及びアニリン誘導体、例えば、2,5−ジメチルアニリン、2−メチル−5−エチルアニリンなどの2,5−ジアルキルアニリン、2,5−ジメトキシアニリン、2−メトキシ−5−エトキシアニリンなどの2,5−ジアルコキシアニリン、2,3,5−トリメトキシアニリン、2,3,5−トリエトキシアニリンなどの2,3,5−トリアルコキシアニリン、2,3,5,6−テトラメトキシアニリン、2,3,5,6−テトラエトキシアニリンなどの2,3,5,6−テトラアルコキシアニリンを使用することができる。
また、フラン及びフラン誘導体、例えば、3−メチルフラン、3−エチルフランなどの3−アルキルフラン、3,4−ジメチルフラン、3,4−ジエチルフランなどの3,4−ジアルキルフラン、3−メトキシフラン、3−エトキシフランなどの3−アルコキシフラン、3,4−ジメトキシフラン、3,4−ジエトキシフランなどの3,4−ジアルコキシフランを使用することができる。
モノマーとしては、3位と4位に置換基を有するチオフェンから選択されたモノマーを使用するのが好ましい。チオフェン環の3位と4位の置換基は、3位と4位の炭素と共に環を形成していても良い。特に、EDOTを使用するのが好ましい。
本発明の重合液には、上記モノマーの他、支持電解質として、ボロジサリチル酸及びボロジサリチル酸塩から成る群から選択された化合物が含まれる。これらの化合物は、単独で使用されても良く、2種以上の混合物として使用されても良い。ボロジサリチル酸及び/又はボロジサリチル酸塩は、重合液に対する飽和溶解量以下の濃度で且つ電解重合のために充分な電流が得られる量で使用され、好ましくは10mM以上、特に好ましくは30mM以上の濃度で使用される。
ボロジサリチル酸塩の例としては、アンモニウム塩の他、エチルアンモニウム塩、ブチルアンモニウム塩のようなアルキルアンモニウム塩、ジエチルアンモニウム塩、ジブチルアンモニウム塩のようなジアルキルアンモニウム塩、トリエチルアンモニウム塩、トリブチルアンモニウム塩のようなトリアルキルアンモニウム塩、テトラエチルアンモニウム塩、テトラブチルアンモニウム塩のようなテトラアルキルアンモニウム塩、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩のようなアルカリ金属塩、マグネシウム塩、カルシウム塩のようなアルカリ土類金属塩が挙げられる。
本発明の重合液にはさらに、ボロジサリチル酸イオンとの複合体を形成して水リッチ溶媒中でのボロジサリチル酸イオンの加水分解による沈殿生成を抑制する作用を有するニトロベンゼン及び/又はニトロベンゼン誘導体が安定化剤として含まれる。上記安定化剤は、重合液に対する飽和溶解量以下の濃度で使用され、ボロジサリチル酸及びボロジサリチル酸塩から成る群から選択された支持電解質の1モルに対して1/8モルを超える量で使用される。上記安定化剤は、単独の化合物であっても良く、2種以上の化合物であっても良いが、重合液における飽和溶解量が上記支持電解質1モルに対して1/8モル以下である化合物は、他の化合物と混合して使用される。上記安定化剤の量が上記支持電解質1モルに対して1/8モル以下であると、沈殿生成抑制効果が十分でない場合がある。上記安定化剤の含有量は、上記支持電解質1モルに対して1/4以上であるのが好ましく、1/2モル以上であるのがより好ましく、1モル以上であるのが特に好ましい。ニトロベンゼン誘導体としては、ニトロフェノール、ニトロベンジルアルコール、ニトロ安息香酸、ジニトロ安息香酸、ジニトロベンゼン、ニトロアニソール、ニトロアセトフェノンを例示することができる。上記安定化剤は、水易溶性の化合物であるのが好ましく、o−ニトロフェノール、m−ニトロフェノール、p−ニトロフェノール、及びこれらの混合物が特に好ましい。
重合液の調製は、モノマーの含有量に応じて、以下のような方法により行う。モノマーが飽和溶解量以下の量である場合には、重合液製造用の容器に、水リッチ溶媒、モノマー、ボロジサリチル酸及び/又はその塩、及びニトロベンゼン及び/又はその誘導体を導入し、手作業により或いは機械的な攪拌手段を使用して各成分を水リッチ溶媒に溶解させることにより、重合液を調製する。モノマーが飽和溶解量を超える量である場合には、すなわち、重合液製造用の容器に、水リッチ溶媒、モノマー、ボロジサリチル酸及び/又はその塩、及びニトロベンゼン及び/又はその誘導体を導入して攪拌・均一化した後静置するとモノマーが相分離する場合には、液に超音波照射を施して相分離したモノマーを重合液中に油滴として分散させることにより重合液を調製することができる。水リッチ溶媒に飽和溶解量を超える量のモノマーを添加した液に超音波照射を施してモノマーを油滴として分散させ、次いで得られた液にボロジサリチル酸及び/又はその塩及びニトロベンゼン及び/又はその誘導体を添加することにより、本発明の重合液を得ることもできる。
超音波照射のために、超音波洗浄機用、細胞粉砕機用等として従来から知られている超音波発振器を特に限定なく使用することができる。モノマー油滴が水リッチ溶媒に安定に分散している液を超音波照射により得るためには、相分離しているモノマーを数μm以下の直径を有する油滴にする必要があり、そのためには、少なくとも機械的作用が強い数百nm〜数μmのキャビテーションを発生させることができる15〜200kHzの周波数の超音波を相分離液に照射する必要がある。超音波の出力は、4W/cm以上であるのが好ましい。超音波照射時間には厳密な制限はないが、2〜10分の範囲であるのが好ましい。照射時間が長いほど、モノマー油滴の凝集が阻害され、解乳化までの時間が長期化する傾向にあるが、超音波照射時間が10分以上では、油滴の凝集阻害効果が飽和する傾向が認められる。異なる周波数及び/又は出力を有する超音波を用いて複数回の照射を行うことも可能である。飽和溶解量を超えるモノマーの含有量は、超音波照射により解乳化が抑制された分散液が得られる量であれば良く、モノマーの種類ばかりでなく、支持電解質の種類と量、超音波照射条件によっても変化する。
本発明の重合液には、水リッチ溶媒、π−共役二重結合を有する少なくとも一種のモノマー、ボロジサリチル酸及びボロジサリチル酸塩から成る群から選択された少なくとも一種の支持電解質、及びニトロベンゼン及びニトロベンゼン誘導体から成る群から選択された少なくとも一種の安定化剤に加えて、本発明に悪影響を与えない範囲内で他の添加物が含まれていても良い。好適な添加物として、水溶性のノニオン界面活性剤が挙げられる。モノマーがノニオン界面活性剤のミセル中に濃縮されるため、速やかに電解重合が進行し、高電導度を示すポリマーが得られる。その上、ノニオン界面活性剤自体はイオン化せず、ボロジサリチル酸アニオンによるポリマーへのドーピングを阻害することが無く、上記安定化剤とボロジサリチル酸イオンとの複合体形成を阻害することもない。そのため、電解重合により得られる導電性ポリマーの耐熱性が低下することがない。
ノニオン界面活性剤としては、公知の水溶性のノニオン界面活性剤を特に限定無く使用することができる。例としては、ポリアルキレングリコール、ポリビニルアルコール、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシアルキレンスチリルフェニルエーテル、ポリオキシアルキレンベンジルフェニルエーテル、ポリオキシアルキレン付加アルキルフェノールホルムアルデヒド縮合物、ポリオキシアルキレン付加スチリルフェノールホルムアルデヒド縮合物、ポリオキシアルキレン付加ベンジルフェノールホルムアルデヒド縮合物、アルキンジオール、ポリオキシアルキレン付加アルキンジオール、ポリオキシアルキレン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンひまし油、ポリオキシアルキレン硬化ひまし油、ポリグリセリンアルキルエーテル、ポリグリセリン脂肪酸エステルなどが挙げられる。これらは単独で使用しても良く、2種以上を混合して使用しても良い。また、例えば2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオールのような分散効果が高いアルキンジオールと他のノニオン界面活性剤、好ましくは、ポリオキシエチレン(9)ノニルフェニルエーテル分岐型のようなポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルとの組み合わせを重合液において使用すると、重合液におけるモノマーの含有量を大幅に増加させることができるため好ましい。
ノニオン界面活性剤を併用する場合には、重合液製造用の容器に、水リッチ溶媒、モノマー、ボロジサリチル酸及び/又はその塩、ニトロベンゼン及び/又はその誘導体、及びノニオン界面活性剤を導入し、手作業により或いは機械的な攪拌手段を使用して或いは超音波を照射して各成分を水リッチ溶媒に溶解させることにより、重合液を調製する。また、重合液製造用の容器に、水リッチ溶媒、モノマー、ニトロベンゼン及び/又はその誘導体、及びノニオン界面活性剤を導入して、各成分を水リッチ溶媒に溶解させた液を調製した後、電解重合直前に、この液にボロジサリチル酸及び/又はその塩を添加して溶解させても良い。
いずれの調製方法においても、ニトロベンゼン及び/又はその誘導体は、少なくともボロジサリチル酸及び/又はその塩とほぼ同時に水リッチ溶媒に添加され、好ましくはボロジサリチル酸及び/又はその塩よりも前に水リッチ溶媒に添加される。重合液における各成分が安定であれば、調製時の温度に制限は無い。
本発明の重合液では主溶媒として水が使用される。また、支持電解質として安価なボロジサリチル酸及び/又はその塩が使用され、またボロジサリチル酸イオンの加水分解による沈殿生成が安価なニトロベンゼン及び/又はその誘導体により抑制され、この重合液を用いて繰り返し電解重合を行うことができる。したがって、本発明の重合液は、環境負荷が小さく経済的にも有利な重合液である。
(2)電解重合
本発明の重合液を用いた電解重合により、耐熱性の高い導電性ポリマーが形成される。本発明の重合液を用いた電解重合は、固体電解コンデンサにおける導電性ポリマー層の形成の他、さまざまな用途における導電性ポリマーフィルムの形成のために実施される。以下、一般的な導電性ポリマーフィルムの形成のための電解重合と、固体電解コンデンサにおける導電性ポリマー層を形成するための電解重合とを分けて説明する。
(a)一般的な導電性ポリマーフィルムの形成
本発明の重合液中に導入する作用極(導電性ポリマーフィルムの基体)としては、少なくとも表面に導電性部分を有する材料が使用され、白金、ニッケル、チタン、鋼、カーボン等の導電体の板、箔、網、焼結体、発泡体等を用いることができる。また、透明で絶縁性のガラス又はプラスチックの表面にスズドープ酸化インジウム(ITO)、酸化スズ、フッ素ドープ酸化スズなどの半導体セラミックスの蒸着層を設けた透明基体を作用極とすることもできる。モノマーとしてEDOTを使用すると、この透明基体の使用により、透明なPEDOTフィルムを備えた透明電極を得ることができる。対極としては、白金、ニッケルなどの板を用いることができる。
電解重合は、本発明の重合液を用いて、定電位法、定電流法、電位掃引法のいずれかの方法により行われる。定電位法による場合には、モノマーの種類に依存するが、飽和カロメル電極に対して1.0〜1.5Vの電位が好適であり、定電流法による場合には、モノマーの種類に依存するが、1〜10000μA/cmの電流値が好適であり、電位掃引法による場合には、モノマーの種類に依存するが、飽和カロメル電極に対して0〜1.5Vの範囲を5〜200mV/秒の速度で掃引するのが好適である。電解重合により、導電性ポリマーフィルムが好ましくは0.001〜〜50μmの厚みで基体上に形成される。重合温度には厳密な制限がないが、一般的には10〜60℃の範囲である。重合時間は、一般的には0.6秒〜10時間の範囲である。
極めて透明度の高いPEDOTフィルムを得るためには、定電流法による重合を、5〜500μA/cm、好ましくは10〜100μA/cmの電流値で、0.6〜120秒間、好ましくは6〜60秒間行うのが好ましい。この条件の電解重合により、0.001〜0.05μm、好ましくは0.003〜0.035μmの厚さの極めて透明度が高いPEDOTフィルムが得られる。
電解重合後の導電性ポリマーフィルムを水、エタノール等で洗浄し、乾燥することにより、電気化学的活性に優れ、耐熱性に優れた導電性ポリマーフィルムを基体上に得ることができる。本発明の導電性ポリマーフィルムは、基体との接着性に優れるため、基体上に配置されたままの形態で使用することもでき、比較的厚い導電性ポリマーフィルムは基体から剥離して使用することもできる。
基体として上述した透明基体を使用し、透明なPEDOTフィルムを基体上に形成すると、基体上に配置されたままの形態で、耐熱性に優れ、高い電導度と高い電気化学容量とを有する透明電極が得られ、この透明電極は有機エレクトロルミネッセンス装置、タッチパネル式ディスプレー等の各種電子機器の構成要素として好適に使用することができる。また、PEDOTフィルムを基体から剥離して導電性透明フィルムとし、自立性で可撓性の透明電極として好適に使用することができる他、絶縁性のプラスチックトレーやプラスチックシートの上に透明性の高いPEDOTフィルムを貼付することにより、これらの外観に影響を与えることなく帯電を防止することができる。
(b)第1の形態の固体電解コンデンサ
表面に酸化皮膜を有する弁金属箔からなる陽極と、この陽極上に設けられた導電性ポリマー層とを含む、本発明の第1の形態の固体電解コンデンサの製造では、陽極として、アルミニウム箔、タンタル箔、ニオブ箔、チタン箔のような弁金属箔、好適にはアルミニウム箔、に化学的或いは電気化学的な手法によりエッチング処理を施して拡面し、さらに、アジピン酸アンモニウム水溶液、リン酸アンモニウム水溶液等を用いて化成処理し、弁金属箔の表面に酸化皮膜を形成したものが使用される。
導電性ポリマー層は、陽極の酸化皮膜の漏れ電流を利用して酸化皮膜上に直接形成しても良く、また、予め酸化皮膜上に導電性膜を設け、その上に形成しても良い。例えば、陽極の酸化皮膜をハロゲンガス等の腐食性気体又は酸水溶液等の腐食性液体に接触させて酸化皮膜中に電気的な微小欠陥を形成した後、導電性ポリマー層を形成しても良く、陽極の酸化皮膜を硝酸マンガン水溶液に浸漬した後300〜400℃で熱分解して酸化皮膜表面にマンガン酸化物層を形成した後、導電性ポリマー層を形成しても良いが、酸化皮膜の安定性、導電性ポリマーの重合効率を考慮すると、酸化皮膜上に上記モノマーの化学重合膜を設け、化学重合膜上に導電性ポリマー層を形成するのが好ましい。
化学重合膜の形成は、水、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、アセトニトリル等の溶媒にモノマーと酸化剤の両方を溶解させた液を用意し、この液を刷毛塗り、滴下塗布、浸漬塗布、スプレー塗布等により陽極の酸化皮膜上に適用し、乾燥する方法、又は、水、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、アセトニトリル等の溶媒にモノマーを溶解させた液と、水、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、アセトニトリル等の溶媒に酸化剤を溶解させた液とを用意し、これらの液を交互に刷毛塗り、滴下塗布、浸漬塗布、スプレー塗布等により陽極の酸化皮膜上に適用し、乾燥する方法により行うことができる。酸化剤としては、パラトルエンスルホン酸鉄(III)、ナフタレンスルホン酸鉄(III)、アントラキノンスルホン酸鉄(III)等の三価の鉄塩、若しくは、ペルオキソ二硫酸アンモニウム、ペルオキソ二硫酸ナトリウム等の過硫酸塩、などを使用することができ、単独の化合物を使用しても良く、2種以上の化合物を使用しても良い。
次いで、酸化皮膜に導電性を付与した陽極を対極と共に本発明の重合液に導入し、電解重合を行う。電解重合のための対極としては、白金板、ニッケル板等を用いることができる。
電解重合は、定電位法、定電流法、電位掃引法のいずれかの方法により行われる。定電位法による場合には、モノマーの種類に依存するが、飽和カロメル電極に対して1.0〜1.5Vの電位が好適であり、定電流法による場合には、モノマーの種類に依存するが、1〜10000μA/cmの電流値が好適であり、電位掃引法による場合には、モノマーの種類に依存するが、飽和カロメル電極に対して0〜1.5Vの範囲を5〜200mV/秒の速度で掃引するのが好適である。重合温度には厳密な制限がないが、一般的には10〜60℃の範囲である。重合時間は、一般的には1分〜10時間の範囲である。
陽極上に形成された導電性ポリマー層を、水、エタノール等で洗浄し、乾燥した後、カーボンペースト、銀ペースト等により導電性ポリマー層上に導電層(見かけの陰極)を形成し、耐熱性に優れた第1の形態の固体電解コンデンサを得ることができる。
(c)第2の形態の固体電解コンデンサ
表面に酸化皮膜を有する弁金属箔からなる陽極と、弁金属箔からなる陰極と、陽極と陰極との間に配置された導電性ポリマー層を保持したセパレータとを含む第2の形態の固体電解コンデンサの製造では、電解重合に先立って、表面に酸化皮膜を有する弁金属箔からなる陽極と、弁金属箔からなる陰極と、上記陽極と上記陰極との間に配置されたセパレータとを含むコンデンサ素子を得る。
陽極としては、第1の形態の固体電解コンデンサの陽極と同様に、アルミニウム箔、タンタル箔、ニオブ箔、チタン箔のような弁金属箔、好適にはアルミニウム箔、に化学的或いは電気化学的な手法によりエッチング処理を施して拡面し、さらに、アジピン酸アンモニウム水溶液、リン酸アンモニウム水溶液等を用いて化成処理し、弁金属箔の表面に酸化皮膜を形成したものが使用される。陰極としては、アルミニウム箔、タンタル箔、ニオブ箔、チタン箔のような弁金属箔、好適にはアルミニウム箔、に化学的或いは電気化学的な手法によりエッチング処理を施して拡面したものが使用される。セパレータとしては、マニラ紙、クラフト紙、合成繊維紙、ガラスペーパー、ガラスペーパーとマニラ紙、クラフト紙との混抄紙等を使用することができる。
陽極及び陰極を、セパレータを介して巻回或いは積層し、コンデンサ素子を得る。次いで、水、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、アセトニトリル等の溶媒にモノマーと酸化剤の両方を溶解させた液を用意し、この液にコンデンサ素子を浸漬し、加熱乾燥することにより、陽極表面及び陰極表面に化学重合膜を形成する。酸化剤としては、パラトルエンスルホン酸鉄(III)、ナフタレンスルホン酸鉄(III)、アントラキノンスルホン酸鉄(III)等の三価の鉄塩、若しくは、ペルオキソ二硫酸アンモニウム、ペルオキソ二硫酸ナトリウム等の過硫酸塩、などを使用することができ、単独の化合物を使用しても良く、2種以上の化合物を使用しても良い。
この素子を水、エタノール等で洗浄し、乾燥した後、本発明の重合液に導入し、電解重合を行う。
電解重合は、定電位法、定電流法、電位掃引法のいずれかの方法により行われる。定電位法による場合には、モノマーの種類に依存するが、飽和カロメル電極に対して1.0〜1.5Vの電位が好適であり、定電流法による場合には、モノマーの種類に依存するが、1〜10000μA/cmの電流値が好適であり、電位掃引法による場合には、モノマーの種類に依存するが、飽和カロメル電極に対して0〜1.5Vの範囲を5〜200mV/秒の速度で掃引するのが好適である。重合温度には厳密な制限がないが、一般的には10〜60℃の範囲である。重合時間は、一般的には1分〜10時間の範囲である。
電解重合後、セパレータに保持された導電性ポリマー層を水、エタノール等で洗浄し、乾燥することにより、耐熱性に優れた第2の形態の固体電解コンデンサを得ることができる。
本発明における第1の固体電解コンデンサ及び第2の固体電解コンデンサは、低下したtanδとESRとを有する上に優れた耐熱性を示す。
以下に本発明の実施例を示すが、本発明は以下の実施例に限定されない。
(1)沈殿生成の確認
実験1
50mLの蒸留水に、異なる濃度のp−ニトロフェノールと、0.08Mのボロジサリチル酸アンモニウムとを添加して溶解させた3種の液を調製した。p−ニトロフェノールの濃度は、0.010M、0.050M或いは0.100Mとした。これらの液を一夜放置した。いずれの液にも沈殿は認められなかった。
実験2
50mLの蒸留水に、異なる濃度のm−ニトロフェノールと、0.08Mのボロジサリチル酸アンモニウムとを添加して溶解させた3種の液を調製した。m−ニトロフェノールの濃度は、0.010M、0.050M或いは0.100Mとした。これらの液を一夜放置した。いずれの液にも沈殿は認められなかった。
実験3
50mLの蒸留水に、p−ニトロフェノールとp−ニトロ安息香酸とをモル比で9:1に混合した異なる濃度の混合物と、0.08Mのボロジサリチル酸アンモニウムとを添加して溶解させた3種の液を調製した。上記混合物の濃度は、両化合物の合計で、0.010M、0.050M或いは0.100Mとした。これらの液を一夜放置した。いずれの液にも沈殿は認められなかった。
比較実験1
50mLの蒸留水に0.08Mのボロジサリチル酸アンモニウムを添加して溶解させたところ、直ぐに多量の沈殿が生成した。この沈殿は、水難溶性のサリチル酸とホウ酸であった(図1参照)。
比較実験2
50mLの蒸留水に、異なる濃度の4−ヒドロキシアセトフェノンと、0.08Mのボロジサリチル酸アンモニウムとを添加して溶解させた3種の液を調製した。4−ヒドロキシアセトフェノンの濃度は、0.010M、0.050M或いは0.100Mとした。これらの液を一夜放置した。いずれの液にも沈殿が発生していた。したがって、実験1,2における沈殿生成の抑制効果がヒドロキシ基に起因するものではないことが推測された。
比較実験3
50mLの蒸留水に、4−ヒドロキシアセトフェノンと2−ヒドロキシ安息香酸とをモル比で9:1に混合した異なる濃度の混合物と、0.08Mのボロジサリチル酸アンモニウムとを添加して溶解させた3種の液を調製した。上記混合物の濃度は、両化合物の合計で、0.010M、0.050M或いは0.100Mとした。これらの液を一夜放置した。いずれの液にも沈殿が発生していた。したがって、実験3における沈殿生成の抑制効果がヒドロキシ基及びカルボキシ基に起因するものではないことが推測された。
(2)重合液の製造
実施例1
ガラス容器に蒸留水50mLを導入し、この液にEDOTを0.113g(濃度0.016M)添加し、25℃で60分間攪拌し、EDOTの全量が水に溶解した液を得た。この液に、p−ニトロフェノール0.7g(濃度0.1M)、及び、ボロジサリチル酸アンモニウム1.08g(濃度0.08M)を、この順番で添加し、均一に攪拌し、EDOT、p−ニトロフェノール、及びボロジサリチル酸アンモニウムが水に溶解した重合液を得た。得られた液を常温で1日間放置しても、沈殿の生成は認められなかった。
実施例2
p−ニトロフェノールを0.35g(濃度0.05M)用いた以外は、実施例1と同じ手順を繰り返した。得られた液を常温で1日間放置しても、沈殿の生成は認められなかった。
実施例3
p−ニトロフェノールを0.14g(濃度0.02M)用いた以外は、実施例1と同じ手順を繰り返した。得られた液を常温で1日間放置しても、沈殿の生成は認められなかった。
実施例4
ガラス容器に蒸留水50mLを導入し、この液にEDOTを0.14g(濃度0.02M)添加し、EDOTが水と相分離している液を得た。この液に、周波数20kHz、出力2.6W/cmの超音波を5分間照射したところ、水にEDOTが油滴として分散した乳濁液が得られた。この液のEDOT油滴のサイズを25℃で動的光散乱法により測定したところ、油滴の平均直径は数平均で214nmであった。次いで、この液に、p−ニトロフェノール0.7g(濃度0.1M)、及び、ボロジサリチル酸アンモニウム1.08g(濃度0.08M)を、この順番で添加し、均一に攪拌して重合液を得た。得られた液を常温で1日間放置しても、沈殿の生成は認められなかった。
実施例5
ガラス容器に蒸留水50mLを導入し、この液にノニオン界面活性剤である2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオールを0.4質量%の量で添加し、さらにEDOT0.18g(濃度0.025M)、p−ニトロフェノール0.35g(濃度0.05M)、及びボロジサリチル酸アンモニウム1.08g(濃度0.08M)を添加し、均一に攪拌して重合液を得た。上記モノマー量は、上記界面活性剤を含む水溶液に溶解させることができるモノマー量のほぼ最大量に相当する。
実施例6
ガラス容器に蒸留水50mLを導入し、この液にノニオン界面活性剤であるポリオキシエチレン(9)ノニルフェニルエーテル分岐型を1.0質量%の量で添加し、さらにEDOT0.21g(濃度0.03M)、p−ニトロフェノール0.35g(濃度0.05M)、及びボロジサリチル酸アンモニウム1.08g(濃度0.08M)を添加し、均一に攪拌して重合液を得た。上記モノマー量は、上記界面活性剤を含む水溶液に溶解させることができるモノマー量のほぼ最大量に相当する。
実施例7
ガラス容器に蒸留水50mLを導入し、この液にノニオン界面活性剤である2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオールを0.4質量%とポリオキシエチレン(9)ノニルフェニルエーテル分岐型を1.0質量%の量で添加し、さらにEDOT0.57g(濃度0.08M)、p−ニトロフェノール0.35g(濃度0.05M)、及びボロジサリチル酸アンモニウム1.08g(濃度0.08M)を添加し、均一に攪拌して重合液を得た。上記モノマー量は、上記界面活性剤を含む水溶液に溶解させることができるモノマー量のほぼ最大量に相当する。
比較例1
p−ニトロフェノールを0.07g(濃度0.01M)用いた以外は、実施例1と同じ手順を繰り返した。得られた液を常温で1日間放置したところ、微量の沈殿が認められた。以下に示す電解重合の比較実験では、p−ニトロフェノールとボロジサリチル酸アンモニウムを添加した直後の沈殿を含まない液を用いた。
比較例2
実施例1で使用したEDOTのみを水に溶解させた液に、ボロジサリチル酸アンモニウムを1.08g(濃度0.08M)添加し、攪拌したところ、直ぐに多量の沈殿が生成した。この沈殿は、水難溶性のサリチル酸とホウ酸であった(図1参照)。以下に示す電解重合の比較実験では、ボロジサリチル酸アンモニウムを添加した直後の沈殿を含まない液を用いた。
(2)電解重合I:固体電解コンデンサの製造及び評価
実施例8
エッチングを施したアルミニウム箔を皮膜耐圧3Vに化成した後、投影面積1×1cmに打ち抜き、陽極とした。この陽極を、20質量%のEDOTを含むエタノール溶液に浸漬した後、室温で乾燥した。次いで、酸化剤であるパラトルエンスルホン酸鉄(III)を20質量%の濃度で含むエタノール溶液に浸漬し、室温での10分間の乾燥の後、高温処理した。この化学酸化重合工程を繰り返し、陽極の酸化皮膜上にPEDOTの化学重合膜を形成した。得られたPEDOTの化学重合膜を有する陽極について、アジピン酸アンモニウム水溶液中で再化成処理を行った後、水洗し、乾燥した。
次いで、実施例1の重合液を用いて、PEDOTの化学重合膜を備えた陽極を作用極とし、面積4cm×4cmのPt箔を対極とし、銀−塩化銀電極を参照電極として、0.5mA/cmの電流条件下で60分間定電流電解重合を行った。重合終了後も重合液中に沈殿が認められず、同じ重合液を使用して繰り返しの重合が可能であった。重合後の膜をエタノールで洗浄し、水洗した後、乾燥した。最後に、PEDOTの電解重合層の上に、グラファイトペーストを塗布し、乾燥し、次いで銀ペーストを塗布し、乾燥して、皮膜耐圧3Vの陽極を備えた固体電解コンデンサを得た。
実施例9
実施例1の重合液の代わりに実施例2の重合液を使用し、実施例8の手順を繰り返した。重合終了後も重合液中に沈殿が認められず、同じ重合液を使用して繰り返しの重合が可能であった。
実施例10
実施例1の重合液の代わりに実施例4の重合液を使用し、実施例8の手順を繰り返した。重合終了後も重合液中に沈殿が認められず、同じ重合液を使用して繰り返しの重合が可能であった。
比較例3
実施例1の重合液の代わりに比較例1(沈殿生成前)の重合液を使用し、実施例8の手順を繰り返した。重合の途中で重合液中に沈殿が生成し始め、同じ重合液を使用した繰り返しの重合が困難であった。
比較例4
実施例1の重合液の代わりに比較例2(沈殿生成前)の重合液を使用し、実施例8の手順を繰り返した。重合の途中で重合液中に沈殿が生成し始め、同じ重合液を使用した繰り返しの重合は不可能であった。
従来、水難溶性のEDOTの水中濃度を高めるために、スルホン酸基又はスルホン酸塩基を有するアニオン系界面活性剤が支持電解質として多用されており、また、これらの界面活性剤のアニオンがドープされたPEDOT層を備えた固体電解コンデンサが、ドーパントの嵩高さにより脱ドープが抑制されるため、熱耐久性に優れることが報告されている(特許文献5参照)。そこで、本発明の固体電解コンデンサをこれらの従来のコンデンサと比較するために、以下の実験を行った。
比較例5
ガラス容器に水50mLを導入し、この液にEDOT0.14g(濃度0.02M)と、スルホン酸塩基を有する界面活性剤であるブチルナフタレンスルホン酸ナトリウム1.08g(濃度0.08M)とを添加し、25℃で60分間攪拌して重合液を得た。次いで、この重合液を用いて、実施例8で用いたPEDOTの化学重合膜を備えた陽極を作用極とし、面積4cm×4cmのPt箔を対極とし、銀−塩化銀電極を参照電極として、0.5mA/cmの電流条件下で60分間定電流電解重合を行った。重合後の膜をエタノールで洗浄し、水洗した後、乾燥した。最後に、PEDOTの電解重合層の上に、グラファイトペーストを塗布し、乾燥し、次いで銀ペーストを塗布し、乾燥して、皮膜耐圧3Vの陽極を備えた固体電解コンデンサを得た。
比較例6
実施例8で用いたPEDOTの化学重合膜を備えた陽極を使用し、この陽極の化学重合膜上に別途調製したPEDOTとポリスチレンスルホン酸とが分散したスラリーを塗布し、乾燥した。最後に、PEDOTとポリスチレンスルホン酸とが分散したスラリーから得られた層の上に、グラファイトペーストを塗布し、乾燥し、次いで銀ペーストを塗布し、乾燥することにより、皮膜耐圧3Vの陽極を備えた固体電解コンデンサを得た。
実施例8〜10及び比較例3〜6のコンデンサについて、120HzにおけるReal−容量出現率及びtanδ、100kHzにおけるESRの値を測定した。ここで、「Real−容量出現率」とは、PEDOTの化学重合膜及び電解重合層を形成した後の酸化皮膜の容量を基準として算出した容量出現率を意味する。また、表1において、「AmBS」はボロジサリチル酸アンモニウムを表わし、「p−Nph」はp−ニトロフェノールを表わしている。
Figure 0006060893
表1から把握されるように、実施例8〜10及び比較例3,4のコンデンサは、スルホン酸基又はスルホン酸塩基を有するアニオン系界面活性剤のアニオンがドープされたPEDOT層を有する比較例5,6のコンデンサに比較して、Real−容量出現率が高かった。その上、実施例8〜10及び比較例4のコンデンサは、比較例5,6のコンデンサに比較して、tanδとESRの両方が低いという優れたコンデンサ特性を示した。また、表1より、実施例8〜10のコンデンサは比較例3,4のコンデンサより低いESRを有することがわかる。比較例3,4のコンデンサを得るために用いた重合液には十分量のp−ニトロフェノールが含まれていないため、ボロジサリチル酸イオンの加水分解による沈殿が生成するが、このことが比較例3,4のコンデンサのESRを上昇させている。
さらに、実施例8〜10及び比較例4〜6のコンデンサについて、大気中150℃にて600時間熱エージングを行い、ESRとReal−容量出現率の変化を調査した。結果を表2に示す。
Figure 0006060893
比較例5,6のコンデンサのESRは、150℃の高温を600時間経験した後には、それぞれ初期値の16倍及び22倍にも達するのに対し、実施例8〜10及び比較例4のコンデンサのESRは、150℃の高温を600時間経験した後にも初期値の6.4〜6.5倍に過ぎなかった。また、実施例8〜10及び比較例4,6のコンデンサのReal−容量出現率は、150℃の高温を600時間経験した後でも、初期値の約90%に維持されているのに対し、比較例5のコンデンサのReal−容量出現率は、150℃の高温を600時間経験した後には、初期値の70%まで低下した。
したがって、水にボロジサリチル酸アンモニウムを支持電解質として添加した重合液から得られたPEDOT層を有する固体電解コンデンサは、スルホン酸基又はスルホン酸塩基を有するアニオン系界面活性剤のアニオンがドープされたPEDOT層を備えた従来の固体電解コンデンサよりも、優れた耐熱性を有することがわかった。この優れた効果はこれまで知られていなかったが、比較例4のコンデンサの製造に用いた重合液(比較例2)は、上述の沈殿の問題により、同じ重合液を使用した繰り返しの重合が不可能であった。これに対し、実施例8〜10の固体電解コンデンサの製造に用いた重合液(実施例1,2,4)は、このような沈殿の問題を有しておらず、重合に繰り返し使用することができた。さらに、耐熱性の点についても、実施例8〜10の固体電解コンデンサの耐熱性は比較例4のコンデンサと同等であり、比較例5,6のコンデンサより顕著に向上した耐熱性を示した。さらに、実施例8のコンデンサは、実施例10のコンデンサと略同一の初期特性及び熱耐久性を示しており、重合液中のEDOTが飽和溶解量以下であっても飽和溶解量を超える量であっても、同等の初期特性を有し且つ耐熱性に優れるコンデンサが得られることがわかった。
(3)電解重合II:固体電解コンデンサの製造及び評価
実施例11
エッチングを施したアルミニウム箔を皮膜耐圧3Vに化成した後、投影面積1×1cmに打ち抜き、陽極とした。この陽極を、20質量%のEDOTを含むエタノール溶液に浸漬した後、室温で乾燥した。次いで、酸化剤であるパラトルエンスルホン酸鉄(III)を20質量%の濃度で含むエタノール溶液に浸漬し、室温での10分間の乾燥の後、高温処理した。この化学酸化重合工程を繰り返し、陽極の酸化皮膜上にPEDOTの化学重合膜を形成した。得られたPEDOTの化学重合膜を有する陽極について、アジピン酸アンモニウム水溶液中で再化成処理を行った後、水洗し、乾燥した。
ガラス容器に蒸留水50mLを導入し、この液にEDOTを0.104g(濃度0.0147M)添加し、25℃で60分間攪拌し、EDOTの全量が水に溶解した液を得た。この液に、p−ニトロフェノール0.35g(濃度0.05M)、及び、ボロジサリチル酸アンモニウム1.08g(濃度0.08M)を、この順番で添加し、均一に攪拌して重合液を得た。次いで、この重合液を用いて、PEDOTの化学重合膜を備えた陽極を作用極とし、面積4cm×4cmのPt箔を対極とし、銀−塩化銀電極を参照電極として、1mA/cmの電流条件下で30分間定電流電解重合を行った。重合終了後も重合液中に沈殿が認められず、同じ重合液を使用して繰り返しの重合が可能であった。重合後の膜をエタノールで洗浄し、水洗した後、乾燥した。最後に、PEDOTの電解重合層の上に、グラファイトペーストを塗布し、乾燥し、次いで銀ペーストを塗布し、乾燥して、皮膜耐圧3Vの陽極を備えた固体電解コンデンサを得た。
実施例12
実施例11で用いた重合液の代わりに実施例5の重合液を使用し、実施例11の手順を繰り返した。
実施例13
実施例11で用いた重合液の代わりに実施例6の重合液を使用し、実施例11の手順を繰り返した。
実施例14
実施例11で用いた重合液の代わりに実施例7の重合液を使用し、実施例11の手順を繰り返した。
比較例7
ガラス容器に水50mLを導入し、この液にアニオン系界面活性剤であるブチルナフタレンスルホン酸ナトリウムを2.7質量%の量で添加し、さらにEDOT0.21g(濃度0.03M)を添加し、均一に攪拌して重合液を得た。上記モノマー量は、上記界面活性剤混合物を含む水溶液に溶解させることができるモノマー量のほぼ最大量に相当する。次いで、この重合液を用いて、実施例11で用いたPEDOTの化学重合膜を備えた陽極を作用極とし、面積4cm×4cmのPt箔を対極とし、銀−塩化銀電極を参照電極として、1.0mA/cmの電流条件下で30分間定電流電解重合を行った。重合後の膜をエタノールで洗浄し、水洗した後、乾燥した。最後に、PEDOTの電解重合層の上に、グラファイトペーストを塗布し、乾燥し、次いで銀ペーストを塗布し、乾燥して、皮膜耐圧3Vの陽極を備えた固体電解コンデンサを得た。
実施例11〜14及び比較例7のコンデンサについて、120HzにおけるReal−容量出現率、100kHzにおけるESRの値を測定した。また、大気中150℃にて200時間熱エージングを行い、ESRの変化を調査した。結果を表3に示す。
Figure 0006060893
表3から把握されるように、実施例11〜14において、重合液中のモノマー濃度がノニオン界面活性剤の併用により上昇するにつれてESRが低下し、モノマー濃度が顕著に増加する実施例14においてReal−容量出現率が上昇した。このことは、モノマーがノニオン界面活性剤のミセル中に濃縮されるため、速やかに電解重合が進行し、高電導度を示すポリマーが得られたこと、及び、ノニオン界面活性剤がドーパントによるドーピングに悪影響を与えないことを反映したものであると考えられる。さらに、耐熱性試験において、実施例12〜14のノニオン界面活性剤を含む重合液から得た固体電解コンデンサは、実施例11のノニオン界面活性剤を含まない重合液から得た固体電解コンデンサとほぼ同等の耐熱性を示した。したがって、ノニオン界面活性剤により、p−ニトロフェノールとボロジサリチル酸イオンとの複合体形成が阻害されず、ボロジサリチル酸アニオンによるポリマーへのドーピングが阻害されないと判断された。これに対し、アニオン系界面活性剤を支持電解質とした重合液から得られた比較例7の固体電解コンデンサは、実施例11〜14の固体電解コンデンサに比較して、耐熱性の点で著しく劣っていた。
本発明の重合液から得られた導電性ポリマーは、固体電解コンデンサをはじめとして、ポリマー電池、帯電防止フィルム、表示素子、センサー、電極材料等の幅広い分野に応用される。

Claims (11)

  1. 100〜80質量%の水と0〜20質量%の有機溶媒とから成る溶媒と、
    π−共役二重結合を有する少なくとも一種のモノマーと、
    ボロジサリチル酸及びボロジサリチル酸塩から成る群から選択された少なくとも一種の支持電解質と、
    ニトロベンゼン及びニトロベンゼン誘導体から成る群から選択された少なくとも一種の安定化剤と
    を含む、前記モノマーの電解重合のための重合液であって、
    前記安定化剤の含有量が、前記支持電解質1モルに対して1/8モルより多く、
    前記支持電解質と前記安定化剤とから生成した複合体を含む
    ことを特徴とする重合液。
  2. 前記安定化剤が、o−ニトロフェノール、m−ニトロフェノール、及びp−ニトロフェノールから成る群から選択された少なくとも一種の化合物である、請求項1に記載の重合液。
  3. 前記溶媒が水のみから成る、請求項1又は2に記載の重合液。
  4. 前記安定化剤がp−ニトロフェノールであり、p−ニトロフェノールの含有量が前記支持電解質1モルに対して1/4モル以上である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の重合液。
  5. 前記モノマーが3,4−エチレンジオキシチオフェンである、請求項1〜4のいずれか1項に記載の重合液。
  6. 少なくとも一種のノニオン界面活性剤をさらに含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載の重合液。
  7. 前記ノニオン界面活性剤が、アルキンジオールとポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルとの混合物である、請求項6に記載の重合液。
  8. 前記重合液中に前記モノマーが油滴として分散している、請求項1〜7のいずれか1項に記載の重合液。
  9. 少なくとも表面に導電性部分を有する基体を請求項1〜8のいずれか1項に記載の重合液に導入して電解重合を行うことにより得られた導電性ポリマーフィルム。
  10. 表面に酸化皮膜を有する弁金属箔からなる陽極と、該陽極上に設けられた導電性ポリマー層と、を含む固体電解コンデンサであって、
    前記導電性ポリマー層が、前記陽極を請求項1〜8のいずれか1項に記載の重合液に導入して電解重合を行うことにより形成されたものであることを特徴とする固体電解コンデンサ。
  11. 表面に酸化皮膜を有する弁金属箔からなる陽極と、弁金属箔からなる陰極と、前記陽極と前記陰極との間に配置された導電性ポリマー層を保持したセパレータと、を含む固体電解コンデンサであって、
    前記導電性ポリマー層が、前記陽極と前記陰極とこれらの間に配置されたセパレータとを含むコンデンサ素子を請求項1〜8のいずれか1項に記載の重合液に導入し、該コンデンサ素子に前記重合液を含浸させ、電解重合を行うことにより形成されたものであることを特徴とする固体電解コンデンサ。
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