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JP6053631B2 - 淡水化装置及び淡水化方法、並びに淡水、塩及び有価物の併産方法 - Google Patents

淡水化装置及び淡水化方法、並びに淡水、塩及び有価物の併産方法 Download PDF

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Description

本発明は、電気透析部を用いて淡水及び塩を一つの設備で製造する淡水化装置及び淡水化方法、並びに淡水、塩及び有価物の併産方法に関する。
従来、逆浸透膜装置と電気透析部とを備えた飲料水及び塩の製造装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。かかる製造装置においては、海水などの塩分を含む原水を逆浸透膜装置に供給して脱塩して飲料水を製造する一方、逆浸透膜装置で濃縮された塩分濃縮水を電気透析部に供給して更に濃縮して濃縮かん水とする。そして、得られた濃縮かん水を蒸発器で蒸発晶析することにより塩を製造する。
特許第2887105号公報
ところで、飲料水及び塩の製造装置の提案において、淡水化処理の際のpHの調整等で用いる薬剤(例えば酸、アルカリ)は、別途外部から購入している。このため、外部から別途薬剤を購入する場合には、それらの保管場所を確保することが必要となる。
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、外部から薬剤を購入することなく、淡水化装置内で、塩酸及び水酸化ナトリウムを製造し、これらを用いて淡水化処理することができる淡水化装置及び淡水化方法並びに淡水、塩及び有価物の併産方法を提供することを目的とする。
前記課題を解決する第1の発明は、原水中の塩分が除去された淡水と原水中の塩分が濃縮された塩分濃縮水とを得る逆浸透膜装置と、前記塩分濃縮水から濃縮かん水と希釈かん水とを得る電気透析部と、前記濃縮かん水を蒸発晶析する蒸発晶析部と、前記蒸発晶析部からの濃縮された塩化ナトリウムスラリーを固液分離する固液分離部と、前記固液分離された塩化ナトリウムを淡水で溶解する溶解部と、前記溶解部で溶解された塩化ナトリウム水溶液を用い、塩素、水素及び水酸化ナトリウム水溶液を得る電気化学処理部と、前記電気化学処理部で得られた水素と塩素とから塩酸を製造する塩酸製造部と、前記塩酸を、前記逆浸透膜装置の入り口側に供給する塩酸供給ラインと、前記逆浸透膜装置の入り口側で前記原水の温度を計測する温度計とを備え、原水のpHを前記塩酸で調整すると共に、前記温度計で原水の温度を計測し、この計測した温度に応じて、前記原水のpHの値を前記塩酸で調整することを特徴とする淡水化装置にある。
本発明によれば、電気透析部で濃縮された濃縮かん水から得られた塩化ナトリウムを用いて、水酸化ナトリウムと塩酸とを製造することができる。また、逆浸透膜装置の濾過に好適なpHを塩酸により行うことができる。従来は、別途酸(例えば硫酸、塩酸等)を購入し、淡水化システム内で保管していたが、これをオンサイトで塩酸を供給することができ、外部からの薬剤の購入が不要となると共に、保管設備等も不要となり、淡水製造の生産効率の向上を図ることができる。また、原水の温度を温度計で計測し、その温度に応じて、適切なpHに塩酸で調整することで、常に最適な淡水処理が可能となる。
第2の発明は、第1の発明において、得られた前記塩酸を前記淡水化装置内に供給する塩酸供給ライン及び得られた前記水酸化ナトリウム水溶液を前記淡水化装置内に供給する水酸化ナトリウム水溶液供給ラインのいずれか一方又は両方を備えることを特徴とする淡水化装置にある。
本発明によれば、塩化ナトリウムから薬剤である塩酸や水酸化ナトリウムの有価物を回収し、これをオンサイトで利用することで、薬剤の購入が無くなると共に、保管設備等も不要となり、淡水化システムの生産効率の向上を図ることができる。
第3の発明は、第1又は2の発明において、前記電気透析により得られた水素を、塩酸製造部に供給する水素供給ラインを備えることを特徴とする淡水化装置にある。
本発明によれば、塩酸製造において、水素を別途投入することができ、水素過剰状態での反応により塩酸の製造を安定して行うことができる。
の発明は、第1乃至3のいずれか一つの発明において、原水にスケール防止剤を供給して淡水化する際、前記逆浸透膜装置の入り口側に前記水酸化ナトリウムを供給する水酸化ナトリウム水溶液供給ラインを備え、原水のpHを前記水酸化ナトリウムで調整することを特徴とする淡水化装置にある。
本発明によれば、スケール防止剤を原水に供給して逆浸透膜装置の濾過を行う際、アルカリ側にpHを調整する薬剤として水酸化ナトリウム水溶液により行うことができる。従来は、別途アルカリ剤(水酸化ナトリウム)を購入し、淡水化システム内で保管していたが、これをオンサイトで水酸化ナトリウム水溶液を供給することができ、外部からの薬剤の購入が不要となると共に、保管設備等も不要となり、淡水製造の生産効率の向上を図ることができる。
の発明は、第1乃至3のいずれか一つの発明において、前記逆浸透膜装置を2段直列とし、1段目の逆浸透膜装置と2段目の逆浸透膜装置との間に、前記水酸化ナトリウム水溶液を供給する水酸化ナトリウム水溶液供給ラインを備え、1段目で淡水化された淡水中のホウ素を除去することを特徴とする淡水化装置にある。
本発明によれば、逆浸透膜装置で淡水化された淡水中のホウ素を除去することができる。
の発明は、第1の発明において、前記希釈かん水から塩分を晶析分離する第1の晶析部を備えることを特徴とする淡水化装置にある。
本発明によれば、第1の晶析部の晶析により、濃縮水中の多価イオンから有価物(Mg塩、Ca塩等)を得ることができる。
の発明は、第1の発明において、前記固液分離部で塩化ナトリウムを分離した脱塩化ナトリウムスラリーから有価物を晶析分離する第2の晶析部を備えることを特徴とする淡水化装置にある。
本発明によれば、第2の晶析部の晶析により脱塩化ナトリウムスラリーから有価物(K塩等)を得ることができる。
の発明は、第1乃至のいずれか一つの発明において、前記塩酸と水酸化ナトリウムを、前記逆浸透膜装置の出口側の淡水中に供給する塩酸供給ラインと水酸化ナトリウム水溶液供給ラインとを備え、淡水のpHを塩酸又は水酸化ナトリウムのいずれか一方又は両方により調整することを特徴とする淡水化装置にある。
本発明によれば、得られた塩酸又は水酸化ナトリウム水溶液のいずれか一方又は両方を用いて淡水のpHを調整し、例えば飲料に適したpHに調整することができる。
の発明は、第1乃至のいずれか一つの発明の淡水化装置を用い、原水中の塩分を除去して淡水を得ると共に、濃縮された塩分濃縮水から塩化ナトリウムを得ることを特徴とする淡水及び塩の併産方法にある。
本発明によれば、淡水化装置内で発生した塩化ナトリウムの一部を用いて、塩酸と水酸化ナトリウムとの有価物を回収し、この得られた塩酸と水酸化ナトリウムとを用いて、淡水化処理をするので、外部からの薬剤の購入が不要となると共に、保管設備等も不要となり、淡水と塩化ナトリウムとの製造の生産効率の向上を図ることができる。
10の発明は、第乃至のいずれか一つの発明の淡水化装置を用い、原水中の塩分を除去して淡水を得ると共に、淡水化処理後の塩分濃縮水(濃縮かん水、希釈かん水)から塩化ナトリウム及び有価物を得ることを特徴とする淡水、塩及び有価物の併産方法にある。
本発明によれば、淡水化装置内で発生した塩化ナトリウムの一部を用いて、塩酸と水酸化ナトリウムとの有価物を回収し、この得られた塩酸と水酸化ナトリウムとを用いて、淡水化処理をするので、外部からの薬剤の購入が不要となると共に、保管設備等も不要となり、淡水と塩化ナトリウムと有価物との製造の生産効率の向上を図ることができる。
11の発明は、原水中の塩分が除去された淡水と原水中の塩分が濃縮された塩分濃縮水とを得る淡水化工程と、前記塩分濃縮水から濃縮かん水と希釈かん水とを得る電気透析工程と、前記濃縮かん水を蒸発晶析する蒸発晶析工程と、前記蒸発晶析工程からの濃縮された塩化ナトリウムスラリーを固液分離する固液分離工程と、前記固液分離された前記塩化ナトリウムを淡水で溶解する溶解工程と、前記溶解工程で溶解された塩化ナトリウム水溶液を用い、塩素、水素及び水酸化ナトリウム水溶液を得る電気化学処理工程と、電気化学処理工程で得られた水素と塩素とから塩酸を製造する塩酸製造工程と、を有し、前記塩酸を、前記淡水化工程の入り口側に供給し、原水のpHを前記塩酸で調整すると共に、前記淡水化工程の入り口側で前記原水の温度を計測し、この計測した温度に応じて、前記原水のpHの値を前記塩酸で調整することを特徴とする淡水化方法にある。
本発明によれば、電気透析工程で濃縮された濃縮かん水から得られた塩化ナトリウムを用いて、水酸化ナトリウムと塩酸とを製造することができる。また、逆浸透膜工程の濾過に好適なpHを塩酸により行うことができる。従来は、別途酸(硫酸、塩酸)を購入し、淡水化システム内で保管していたが、これをオンサイトで塩酸を供給することができ、外部からの薬剤の購入が不要となると共に、保管設備等も不要となり、淡水製造の生産効率の向上を図ることができる。また、原水の温度を温度計で計測し、その温度に応じて、適切なpHに塩酸で調整することで、常に最適な淡水処理が可能となる。
12の発明は、第11の発明において、得られた塩酸及び水酸化ナトリウム水溶液のいずれか一方又は両方を淡水化工程で用いることを特徴とする淡水化方法にある。
本発明によれば、塩化ナトリウムから薬剤である塩酸や水酸化ナトリウムの有価物を回収し、これをオンサイトで利用することで、薬剤の購入が無くなると共に、保管設備等も不要となり、淡水化システムの生産効率の向上を図ることができる。
13の発明は、第11又は12の発明において、前記電気透析により得られた水素を、塩酸製造工程に供給することを特徴とする淡水化方法にある。
本発明によれば、塩酸製造において、水素を別途投入することができ、水素過剰状態での反応により塩酸の製造を安定して行うことができる。
14の発明は、第11乃至13のいずれか一つの発明において、原水にスケール防止剤を供給して淡水化する際、前記逆浸透膜工程の入り口側に前記水酸化ナトリウム水溶液を供給し、原水のpHを前記水酸化ナトリウム水溶液で調整することを特徴とする淡水化方法にある。
本発明によれば、スケール防止剤を原水に供給して逆浸透膜装工程の濾過を行う際、アルカリ側にpHを調整する薬剤として水酸化ナトリウムにより行うことができる。従来は、別途アルカリ剤(水酸化ナトリウム)を購入し、淡水化システム内で保管していたが、これをオンサイトで水酸化ナトリウムを供給することができ、外部からの薬剤の購入が不要となると共に、保管設備等も不要となり、淡水製造の生産効率の向上を図ることができる。
15の発明は、第11乃至13のいずれか一つの発明において、前記淡水化工程を2段直列とし、1段目の淡水化工程と2段目の淡水化工程との間に、前記水酸化ナトリウム水溶液を供給し、1段目で淡水化された淡水中のホウ素を除去することを特徴とする淡水化方法にある。
本発明によれば、逆浸透膜工程で淡水化された淡水中のホウ素を除去することができる。
16の発明は、第11の発明において、前記希釈かん水から塩分を晶析分離する第1の晶析工程を有することを特徴とする淡水化方法にある。
本発明によれば、第1の晶析工程の晶析により、濃縮水中の多価イオンから有価物(Mg塩、Ca塩等)を得ることができる。
17の発明は、第11の発明において、前記固液分離工程で塩化ナトリウムを分離した脱塩化ナトリウムスラリーから有価物を晶析分離する第2の晶析工程を有することを特徴とする淡水化方法にある。
本発明によれば、第2の晶析部の晶析により脱塩化ナトリウムスラリーから有価物(K塩等)を得ることができる。
18の発明は、第11乃至17のいずれか一つの発明において、前記淡水化工程の出口側の淡水のpHを塩酸又は水酸化ナトリウム水溶液のいずれか一方又は両方により調整することを特徴とする淡水化方法にある。
本発明によれば、得られた塩酸又は水酸化ナトリウムのいずれか一方又は両方を用いて淡水のpHを調整し、例えば飲料に適したpHに調整することができる。
本発明によれば、電気透析工程で濃縮された濃縮かん水から得られた塩化ナトリウムを用いて、水酸化ナトリウム水溶液と塩酸とを製造することができる。この得られた水酸化ナトリウムと塩酸とを、淡水化工程内で利用することができる。これにより、外部から別途塩酸や水酸化ナトリウムの薬剤を購入することが無くなる。この結果、塩化ナトリウムから薬剤である塩酸や水酸化ナトリウムの有価物を回収し、これをオンサイトで利用することで、薬剤の購入が無くなると共に、保管設備等も不要となり、淡水化装置の生産効率の向上を図ることができる。
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る淡水化装置の概略図である。 図2は、本発明の第2の実施の形態に係る淡水化装置の概略図である。 図3は、本発明の第3の実施の形態に係る淡水化装置の概略図である。 図4は、本発明の第4の実施の形態に係る淡水化装置の概略図である。 図5は、本発明の第5の実施の形態に係る淡水化装置の概略図である。
以下、本発明の実施の形態について、添付図面を参照して詳細に説明する。なお、本発明は、以下の各実施の形態に限定されるものではなく、適宜変更して実施可能である。また、各実施の形態に係る淡水化装置の構成は、適宜組み合わせて実施可能である。
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る海水の淡水化装置の概略図である。
図1に示すように、海水の淡水化装置10Aは、供給される供給海水(原水)W中の塩分が除去された淡水W11と供給海水(原水)W中の塩分が濃縮された塩分濃縮水W12とを得る逆浸透膜装置12と、塩分濃縮水W12を電気透析し、濃縮かん水W13と希釈かん水W14とを得る電気透析部13と、濃縮かん水W13を蒸発晶析する蒸発晶析部21と、蒸発晶析部21からの濃縮された塩化ナトリウムスラリーS1を固液分離する固液分離部22と、固液分離された塩化ナトリウム(NaCl)を淡水W11で溶解する溶解部29と、溶解された塩化ナトリウム水溶液を用い、塩素、水素及び水酸化ナトリウム(NaOH)水溶液を得る電気化学処理部30と、電気化学処理部30で得られた水素(H2)と塩素(Cl2)とから塩酸(HCl)32を製造する塩酸製造部31と、得られた塩酸及び水酸化ナトリウム水溶液のいずれか一方又は両方を淡水化装置内で用いる塩酸供給ラインL25、水酸化ナトリウム水溶液供給ラインL26とを備えるものである。
本実施形態では、供給海水W中の不純物等を除去する前処理装置11を備えている。この前処理装置11は、海水中の微粒子やコロイドなどの懸濁物、藻類や貝類などの微生物を除去した前処理水W10とし、逆浸透膜装置12の逆浸透膜12aの透水性能が低下する現象(ファウリング現象)を抑えるためのものである。そして、この前処理装置11は、例えば、供給海水W中に無機系や有機系の凝集剤、殺菌剤等の薬剤を添加し、濾過材としての砂を容器に充填してなる砂濾過器に通水して海水中の懸濁物や微生物を除去する。また、砂濾過器を逆洗して濾過性能を回復させるための逆洗ポンプ等を備えている。濾過器内の砂などの担体の表面に生物膜を形成し、濾過性能と生物膜によるBOD成分の分解性能を併用して海水の前処理を行うように構成してもよい。なお、例えば一度前処理された処理海水をプラント用の冷却水として用いた海水に対して淡水化するような場合には、この前処理装置は省略されるようにしてもよい。
逆浸透膜装置12は、逆浸透膜12aを用いて、前処理した前処理水W10を透過し、前処理水W10中の塩分を除去して淡水W11を得ると共に、前処理水W10中の塩分が濃縮された塩分濃縮水W12を得る。逆浸透膜装置12は、得られた淡水W11を供給ラインL12に供給して製造水14として排出すると共に、供給ラインL13を介して塩分濃縮水W12を電気透析部13に供給する。このように、逆浸透膜装置12を用いることにより、逆浸透膜12aの透過水として淡水W11を得ることができるので、蒸発器などを用いて淡水を得る場合と比較して更に消費エネルギーを低減することができる。本実施形態では、この電気透析部13は、逆浸透膜装置12の後流側に設置しているが、本発明はこれに限定されず、これらの配置を逆とするようにしてもよい。
ここで、逆浸透膜装置12としては、例えば、複数の逆浸透膜エレメント(逆浸透膜モジュール)を容器内に備えて構成され、各逆浸透膜エレメントで処理して得られた淡水W11と塩分濃縮水W12とをそれぞれ容器から導出(排出)させるための濃縮水管(濃縮水排出経路)と透過水管(淡水排出経路)を接続して配設されている。
逆浸透膜装置12の逆浸透膜12aとしては、一般的な逆浸透(RO:Reverse Osmosis)膜(以下「RO膜」ともいう)や、NF(Nanofiltration)膜(以下「NF膜」ともいう)などを用いることができる。
また、本実施の形態では、原水としての供給海水Wを逆浸透膜装置12で処理して淡水W11と塩分濃縮水W12とを得ているが、塩分を含むものであれば海水以外の水を原水として用いてもよい。また供給海水Wとしては、例えば、くみ上げた海水や、一度冷媒としてプラント内で使用された後の海水等を用いることもできる。
電気透析部13は、電気透析膜(ED:Elecrodialysis膜)13aを有する。電気透析部13は、電気透析膜13aにより塩分濃縮水W12を電気透析して塩分濃縮水W12中の塩分が濃縮された濃縮かん水W13と塩分濃縮水W12中の塩分が除去された希釈かん水W14とを得る。
電気透析手法としては、例えば、陽イオンのみを透過する陽イオン交換膜と陰イオンのみを透過する陰イオン交換膜を交互に配列し、これら陽イオン交換膜と陰イオン交換膜の両端から電圧を印加して直流電流を通電できるように構成されている。また、電気透析部13においては、塩分濃縮水W12を処理して得られる濃縮かん水W13と希釈かん水W14は、それぞれ、排出ラインL14、L15により排出されている。
ここで、逆浸透膜装置12からの塩分濃縮水W12を供給する供給ラインL13は、電気透析部13側に一部が分岐され、分岐されない塩分濃縮水W12は、供給ラインL13を介して外部に排水W20として排出される。
蒸発晶析部21は、電気透析部13から供給される濃縮かん水W13を蒸発晶析させて塩(塩化ナトリウム(NaCl))を得ると共に、蒸発水W15を得る。また、蒸発晶析部21からの蒸発水W15は、供給ラインL16及び供給ラインL12を介して淡水W11と合流し、製造水14として排出する。
ここで、蒸発晶析部21は、例えば多重効用蒸発缶、薄膜蒸発乾燥器又はドラムドライヤー等を例示することができ、この蒸発処理によって得られた析出物の塩化ナトリウムスラリーS1を排出する排出ラインL17が、固液分離部22に接続されている。
固液分離部22は、蒸発晶析部21からの濃縮された塩化ナトリウムスラリーS1を固液分離するものであり、有価物としての塩化ナトリウム(固体)34を得る。
また、塩化ナトリウムを分離した脱塩化ナトリウムスラリーS2は排出ラインL18を介して排出される。
また、分離された塩化ナトリウムは、排出ラインL21を介して排出され、その一部は溶解部29に導入される。また、残りの塩化ナトリウム(固体)34は、有価物として排出ラインL22を介して排出される。
溶解部29は、分離された塩化ナトリウムの一部を用いて、淡水W11により溶解し、水酸化ナトリウム水溶液を得る。この溶解には淡水化処理により得られた淡水W11と、蒸発水W15とが供給ラインL31、L32によりいずれか一方又は両方から供給されている。溶解された塩化ナトリウム水溶液は、供給ラインL23を介して電気化学処理部30へ供給される。
電気化学処理部30は、供給された塩化ナトリウム水溶液を用いて、例えば電気分解又は電気透析等の電気化学処理により、水酸化ナトリウム(NaOH)水溶液33、水素(H2)及び塩素(Cl2)を得る。
ここで、水酸化ナトリウム水溶液33は、電気化学処理部30から排出ラインL24により排出される。また、水素(H2)及び塩素(Cl2)は、電気化学処理部30から排出ラインL27、L28により排出される。
塩酸製造部31は、電気化学処理により得られた水素(H2)及び塩素(Cl2)を原料として塩酸(HCl)32を得る。
この得られた塩酸32の濃度を調整するために、淡水供給ラインL33により供給される淡水W11が用いられる。なお、蒸発水W15を用いて濃度を調整するようにしてもよい。
本実施形態では、塩酸(HCl)32を供給する塩酸供給ラインL25は、逆浸透膜装置12の入り口側に供給するように、海水ラインL11に接続されている。
また、淡水W11を排出する供給ラインL12には、塩酸32を供給する塩酸供給ラインL25と、水酸化ナトリウム水溶液33を供給する水酸化ナトリウム水溶液供給ラインL26とが接続されている。
また、前処理装置11において、塩酸32を供給する塩酸供給ラインL25を接続するようにしてもよい。
また、淡水化装置のプラント停止の際における逆浸透膜装置12の洗浄用として、塩酸32及び水酸化ナトリウム水溶液33を供給するために、塩酸32を供給する塩酸供給ラインL25及び水酸化ナトリウム水溶液33を供給する水酸化ナトリウム水溶液供給ラインL26とを所定の洗浄ラインに接続されるようにしても良い。
次に、本実施の形態に係る淡水化装置10Aの全体動作について説明する。
海水ラインL11に介装された前処理装置11により、供給海水Wは前処理され、この処理された前処理水W10は、逆浸透膜装置12に供給される。この逆浸透膜装置12に供給された前処理水W10は、逆浸透膜12aを透過して前処理水W10中の塩分が除去された淡水W11と前処理水W10中の塩分が濃縮された塩分濃縮水W12とになる。淡水W11は、供給ラインL12を介して排出され、製造水14として利用される。塩分濃縮水W12は、供給ラインL13を介して一部が電気透析部13に供給されると共に、一部が排水W20として排出される。
電気透析部13に供給された塩分濃縮水W12は、電気透析膜13aによって塩分濃縮水W12中の塩分が更に濃縮され濃縮かん水W13と塩分濃縮水W12中の塩分が除去された希釈かん水W14となる。ここで、濃縮かん水W13は、塩分濃縮水W12に含まれる1価の塩(Na(ナトリウム)塩、K(カリウム)塩等)が多く含まれる。希釈かん水W14は、塩分濃縮水W12に含まれる多価の塩(Mg(マグネシウム)塩、Ca(カルシウム)塩等)が多く含まれる。
また、電気透析部13からの1価のイオンが濃縮された濃縮かん水W13から蒸発晶析部21により蒸発水W15を得ることで、さらに製造水14の製造量の増大を図ることができる。また、蒸発の結果、濃縮された塩化ナトリウムスラリーS1を固液分離装置22で固液分離して、有価物の塩化ナトリウム(NaCl)34を得る。
この分離された塩化ナトリウム(NaCl)の一部を用いて、電気化学処理部30で、電気化学処理をして、水酸化ナトリウム(NaOH)水溶液33、水素(H2)及び塩素(Cl2)を得る。
この電気化学処理により得られた水素(H2)及び塩素(Cl2)を原料とし、塩酸製造部31で塩酸(HCl)32を得る。
この得られた塩酸32は、淡水供給ラインL33により供給される淡水W11により適宜濃度調整される。
本実施形態では、逆浸透膜装置12の濾過に好適なpHの調整を塩酸32によりオンサイトで行うことができる。従来においては、別途酸(硫酸、塩酸)を購入し、購入した薬剤を淡水化プラント内で保管していたが、これをオンサイトで塩酸32を供給することができ、外部からの薬剤の購入が不要となると共に、保管設備等も不要となり、淡水製造の生産効率の向上を図ることができる。
また塩酸32と水酸化ナトリウム水溶液33を、逆浸透膜装置12の出口側の淡水中に供給する塩酸供給ラインL25と水酸化ナトリウム供給ラインL26とを備えるので、得られた淡水W11のpHを塩酸32又は水酸化ナトリウム水溶液33のいずれか一方又は両方により任意のpHの値に調整することができる。
特に、淡水化処理の条件により、得られる淡水W11のpHが所望のpHではない場合に、この調整が容易にできる。
また、得られた塩酸32又は水酸化ナトリウム水溶液33のいずれか一方又は両方を用いて淡水W11のpHを調整し、例えば飲料に適したpHに調整することができる。
さらに本実施形態では、逆浸透膜装置12の入り口側の海水供給ラインL11に前処理水W10の温度を計測する温度計40を備えている。
特に、供給海水Wの温度が高い場合には、塩酸32を用いてpHを下げる調整を行うことが好ましい。
逆浸透膜装置12の入り口に供給される前処理水W10の水温が、例えば30℃の場合において、pH7.2で運転する設定としている場合において、水温が35〜40℃に上昇した場合には、pHの値を例えばpH7.0〜6.8程度に下げる操作をするのが好ましい。よって、図示しない制御装置又は作業員により、温度計40を用いて計測し、塩酸32を所望pHとなるように制御する。これにより、適切な淡水化処理を引き続き実施することができる。
また、本実施形態の淡水化方法においては、供給海水(原水)W中の塩分が除去された淡水W11と供給海水(原水)W中の塩分が濃縮された塩分濃縮水W12とを得る逆浸透膜装置12による淡水化工程と、塩分濃縮水W12を電気透析し、濃縮かん水W13と希釈かん水W14とを得る電気透析工程と、濃縮かん水W13を蒸発晶析する蒸発晶析工程と、蒸発晶析工程からの濃縮された塩化ナトリウムスラリーS1を固液分離する固液分離工程と、固液分離された塩化ナトリウムを淡水W11で溶解する溶解工程と、溶解された塩化ナトリウム水溶液を用い、塩素、水素及び水酸化ナトリウム水溶液を得る電気化学処理工程と、電気化学処理工程で得られた水素と塩素とから塩酸32を製造する塩酸製造工程と、を有し、得られた塩酸32及び水酸化ナトリウム水溶液33のいずれか一方又は両方を淡水化工程で用いる。
したがって、本実施形態の淡水化装置及び方法によれば、電気透析工程で濃縮された濃縮かん水W13から得られた塩化ナトリウム34を用いて、水酸化ナトリウム水溶液33と塩酸32とを製造し、この得られた水酸化ナトリウム水溶液33と塩酸34とを、淡水化工程内で利用することで、外部から別途塩酸や水酸化ナトリウムの薬剤を購入することが無くなる。この結果、塩化ナトリウムから薬剤である塩酸や水酸化ナトリウム水溶液の有価物を回収し、これをオンサイトで利用することで、薬剤の外部からの購入が無くなると共に、保管設備等も不要となり、淡水化システムの生産効率の向上を図ることができる。
(第2の実施の形態)
次に、本発明の第2の実施の形態に係る淡水化装置について説明する。以下においては、上記第1の実施の形態に係る淡水化装置との相違点を中心に説明する。なお、上記第1の実施の形態に係る淡水化装置と同一の構成要素については、同一の符号を付し、説明の重複を避ける。
図2は、本発明の第2の実施の形態に係る淡水化装置の概略図である。
図2に示すように、本実施の形態に係る淡水化装置10Bは、第1の実施形態の淡水化装置10Aにおいて、さらに電気透析部13により発生する水素(H2)を、塩酸製造部31に供給する水素供給ラインL29を備える。
塩酸製造部31では、水素(H2)と塩素(Cl2)から塩酸(HCl)を製造するが、電気化学処理部30での分解では、モル換算の生産比率は概ね1:1である。よって、水素過剰の反応として安定的に塩酸を製造するために、水素を別途供給し、水素過剰状態で反応させるようにしている。
この際、電気透析部13で発生する水素(H2)を用いることで、淡水化装置10B内で賄うことができるので、別途水素を購入することが不要となる。
(第3の実施の形態)
次に、本発明の第3の実施の形態に係る淡水化装置について説明する。以下においては、上記第1の実施の形態に係る淡水化装置との相違点を中心に説明する。なお、上記第1の実施の形態に係る淡水化装置と同一の構成要素については、同一の符号を付し、説明の重複を避ける。
図3は、本発明の第3の実施の形態に係る淡水化装置の概略図である。
図3に示すように、本実施の形態に係る淡水化装置10Cは、第1の実施形態の淡水化装置10Aにおいて、さらに前処理水W10にスケール防止剤41を供給して淡水化処理する際、逆浸透膜装置12の入り口側に水酸化ナトリウム水溶液33を供給する水酸化ナトリウム水溶液供給ラインL26を備え、前処理水W10のpHを水酸化ナトリウム水溶液33でアルカリ側(例えばpH9前後)に調整する。このpHを大きくすることにより、ホウ素除去効率を向上させるともに、有機物ファウリングの抑制効果の向上も図ることができる。
本発明によれば、スケール防止剤41を前処理水W10に供給して逆浸透膜装置12の濾過を行う際、アルカリ側にpHを調整する薬剤として、得られた水酸化ナトリウム水溶液33により行うことができる。
この結果、従来のように、別途アルカリ剤(水酸化ナトリウム)を購入し、淡水化システム内で保管することが解消される。この結果、オンサイトで水酸化ナトリウムを供給することができ、外部からの薬剤の購入が不要となると共に、保管設備等も不要となり、淡水製造の生産効率の向上を図ることができる。
(第4の実施の形態)
次に、本発明の第4の実施の形態に係る淡水化装置について説明する。以下においては、上記第1の実施の形態に係る淡水化装置との相違点を中心に説明する。なお、上記第1の実施の形態に係る淡水化装置と同一の構成要素については、同一の符号を付し、説明の重複を避ける。
図4は、本発明の第4の実施の形態に係る淡水化装置の概略図である。
図4に示すように、本実施の形態に係る淡水化装置10Dは、第1の実施形態の淡水化装置10Aにおいて、逆浸透膜装置12を2段直列した配置とした、第1逆浸透膜装置12A及び第2逆浸透膜装置12Bとし、この1段目の第1逆浸透膜装置12Aと2段目の第2逆浸透膜装置12Bとの間に、水酸化ナトリウム水溶液33を供給する水酸化ナトリウム水溶液供給ラインL26を備えている。そして、第1の逆浸透膜装置12Aで淡水化処理した淡水W11中のホウ素を除去するようにしている。その後、第2の逆浸透膜装置12Bで塩分濃縮水W12としてNa塩を除去し、ホウ素が除去された淡水W11を得る。
よって、逆浸透膜装置12を2段として、1段目の逆浸透膜装置12Aと2段目の逆浸透膜装置12Bとの間に、水酸化ナトリウム水溶液33を供給し、アルカリ条件(例えばpH9〜10.5前後)でホウ素が除去されるので、淡水W11中のホウ素を効率的に除去することができる。
(第5の実施の形態)
次に、本発明の第5の実施の形態に係る淡水化装置について説明する。以下においては、上記第1の実施の形態に係る淡水化装置との相違点を中心に説明する。なお、上記第1の実施の形態に係る淡水化装置と同一の構成要素については、同一の符号を付し、説明の重複を避ける。
図5は、本発明の第5の実施の形態に係る淡水化装置の概略図である。
図5に示すように、本実施の形態に係る淡水化装置10Eは、第1の実施形態の淡水化装置10Aにおいて、さらに、電気透析部13からの希釈かん水W14から塩分を晶析分離する第1の晶析部23と、固液分離部22で塩化ナトリウムを分離した脱塩化ナトリウムスラリーS2から有価物を晶析分離する第2の晶析部24とを備える。
電気透析部13からの希釈かん水W14中には多価のイオン(例えばCaイオン、Mgイオン)が含まれているので、第1の晶析部23の晶析により、希釈かん水W14中の多価イオンから第1の有価物(Mg塩、Ca塩等)51を得ることができる。
この第1の晶析部23では、アルカリ条件での反応晶析のためのアルカリ剤として、水酸化ナトリウム(NaOH)水溶液33を、水酸化ナトリウム水溶液供給ラインL26を介して供給されている。
これにより、第1の晶析部23での晶析の際、水酸化ナトリウムを添加してアルカリ側の反応晶析を行うことができ、水酸化マグネシウム(Mg(OH)2)を効率よく得ることができる。
この結果、従来のように、別途アルカリ剤(水酸化ナトリウム)を購入し、淡水化システム内で保管することが解消される。この結果、オンサイトで水酸化ナトリウムを供給することができ、外部からの薬剤の購入が不要となると共に、保管設備等も不要となり、淡水製造の生産効率の向上を図ることができる。
本実施形態によれば、第1の晶析部23の反応晶析をアルカリ条件で行い、希釈かん水W14中の有価物である水酸化マグネシウム(Mg(OH)2)を効率よく得ることができる。
このように、本実施の形態に係る淡水化装置10Eによれば、淡水の製造と共に、有価物を高純度で製造でき、その際、回収された塩化ナトリウムを用いて電気化学処理部30により水酸化ナトリウムを製造し、この製造された水酸化ナトリウムを用いて第1の晶析部23としてアルカリ状態で反応晶析させることで、純度の高い水酸化マグネシウム(Mg(OH)2)を得ることができる。
また、塩化ナトリウムが除去された脱塩化ナトリウムスラリーS2から、第2の晶析部24での晶析により第2の有価物(K塩等)52を得ることができる。
なお、蒸発晶析部21での有価物(K塩等)を含む上澄水W17が排出ラインL19を介して、第2の晶析部23に導入され、ここで晶析されている。
したがって、本実施形態の淡水化装置及び方法によれば、淡水を製造すると共に、電気透析部13からの希釈かん水W14中に含まれる多価イオンを第1の有価物(Mg塩、Ca塩等)51として第1の晶析部23により回収することができる。また、塩化ナトリウムが除去された脱塩化ナトリウムスラリーS2に含まれる第2の有価物(K塩等)を第2の晶析部24により回収することができる。なお、本実施形態では有価物の回収に晶析法を用いたが、本発明はこれに限定されず、吸着法により有価物を回収するようにしてもよい。
また、この有価物を回収した処理水を循環ラインL30により逆浸透膜装置12の入り口側に循環水W16として、循環する場合、多価イオンが除去されているので、逆浸透膜装置12に供給する高圧ポンプの動力の大幅な低減を図ることができる。また、多価のイオンを第1の晶析部23で分離するので、再循環される循環水W16中には、多価のイオン(例えばCa2+、SO4 2-)の蓄積がなく、逆浸透膜装置12の逆浸透膜12aでのスケール(例えばCaSO4等)の析出が防止される。また、回収する有価物の純度を向上することができる。これにより、効率的な淡水、塩及び有価物の併産方法を実現できる。
10A〜10E 淡水化装置
11 前処理装置
12 逆浸透膜装置
12a 逆浸透膜
13 電気透析部
13a 電気透析膜
14 製造水
21 蒸発晶析部
22 固液分離部
23 第1の晶析部
24 第2の晶析部
30 電気化学処理部
31 塩酸製造部
32 塩酸
33 水酸化ナトリウム水溶液
W 供給海水
10 前処理水
11 淡水
12 塩分濃縮水
13 濃縮かん水
14 希釈かん水
20 排水
11 海水ライン
25 塩酸供給ライン
26 水酸化ナトリウム水溶液供給ライン
30 循環ライン

Claims (18)

  1. 原水中の塩分が除去された淡水と原水中の塩分が濃縮された塩分濃縮水とを得る逆浸透膜装置と、
    前記塩分濃縮水から濃縮かん水と希釈かん水とを得る電気透析部と、
    前記濃縮かん水を蒸発晶析する蒸発晶析部と、
    前記蒸発晶析部からの濃縮された塩化ナトリウムスラリーを固液分離する固液分離部と、
    前記固液分離された塩化ナトリウムを淡水で溶解する溶解部と、
    前記溶解部で溶解された塩化ナトリウム水溶液を用い、塩素、水素及び水酸化ナトリウム水溶液を得る電気化学処理部と、
    前記電気化学処理部で得られた水素と塩素とから塩酸を製造する塩酸製造部と、
    前記塩酸を、前記逆浸透膜装置の入り口側に供給する塩酸供給ラインと、

    前記逆浸透膜装置の入り口側で前記原水の温度を計測する温度計とを備え、
    原水のpHを前記塩酸で調整すると共に、
    前記温度計で原水の温度を計測し、この計測した温度に応じて、前記原水のpHの値を前記塩酸で調整することを特徴とする淡水化装置。
  2. 請求項1において、
    得られた前記塩酸を前記淡水化装置内に供給する塩酸供給ライン及び得られた前記水酸化ナトリウム水溶液を前記淡水化装置内に供給する水酸化ナトリウム水溶液供給ラインのいずれか一方又は両方を備えることを特徴とする淡水化装置。
  3. 請求項1又は2において、
    前記電気透析により得られた水素を、塩酸製造部に供給する水素供給ラインを備えることを特徴とする淡水化装置。
  4. 請求項1乃至3のいずれか一つにおいて、
    原水にスケール防止剤を供給して淡水化する際、前記逆浸透膜装置の入り口側に前記水酸化ナトリウムを供給する水酸化ナトリウム水溶液供給ラインを備え、原水のpHを前記水酸化ナトリウム水溶液で調整することを特徴とする淡水化装置。
  5. 請求項1乃至3のいずれか一つにおいて、
    前記逆浸透膜装置を2段直列とし、1段目の逆浸透膜装置と2段目の逆浸透膜装置との間に、前記水酸化ナトリウム水溶液を供給する水酸化ナトリウム水溶液供給ラインを備え、1段目で淡水化された淡水中のホウ素を除去することを特徴とする淡水化装置。
  6. 請求項1において、
    前記希釈かん水から塩分を晶析分離する第1の晶析部を備えることを特徴とする淡水化装置。
  7. 請求項1において、
    前記固液分離部で塩化ナトリウムを分離した脱塩化ナトリウムスラリーから有価物を晶析分離する第2の晶析部を備えることを特徴とする淡水化装置。
  8. 請求項1乃至のいずれか一つにおいて、
    前記塩酸と水酸化ナトリウム水溶液を、前記逆浸透膜装置の出口側の淡水中に供給する塩酸供給ラインと水酸化ナトリウム水溶液供給ラインとを備え、淡水のpHを塩酸又は水酸化ナトリウムのいずれか一方又は両方により調整することを特徴とする淡水化装置。
  9. 請求項1乃至のいずれか一つの淡水化装置を用い、原水中の塩分を除去して淡水を得ると共に、濃縮された塩分濃縮水から塩化ナトリウムを得ることを特徴とする淡水及び塩の併産方法。
  10. 請求項乃至のいずれか一つの淡水化装置を用い、原水中の塩分を除去して淡水を得ると共に、淡水化処理後の塩分濃縮水から塩化ナトリウム及び有価物を得ることを特徴とする淡水、塩及び有価物の併産方法。
  11. 原水中の塩分が除去された淡水と原水中の塩分が濃縮された塩分濃縮水とを得る淡水化工程と、
    前記塩分濃縮水から濃縮かん水と希釈かん水とを得る電気透析工程と、
    前記濃縮かん水を蒸発晶析する蒸発晶析工程と、
    前記蒸発晶析工程からの濃縮された塩化ナトリウムスラリーを固液分離する固液分離工程と、
    前記固液分離された前記塩化ナトリウムを淡水で溶解する溶解工程と、
    前記溶解工程で溶解された塩化ナトリウム水溶液を用い、塩素、水素及び水酸化ナトリウム水溶液を得る電気化学処理工程と、
    電気化学処理工程で得られた水素と塩素とから塩酸を製造する塩酸製造工程と、を有し、
    前記塩酸を、前記淡水化工程の入り口側に供給し、原水のpHを前記塩酸で調整すると共に、
    前記淡水化工程の入り口側で前記原水の温度を計測し、この計測した温度に応じて、前記原水のpHの値を前記塩酸で調整することを特徴とする淡水化方法。
  12. 請求項11において、
    得られた塩酸及び水酸化ナトリウム水溶液のいずれか一方又は両方を淡水化工程で用いることを特徴とする淡水化方法。
  13. 請求項11又は12において、
    前記電気透析工程により得られた水素を、塩酸製造工程に供給することを特徴とする淡水化方法。
  14. 請求項11乃至13のいずれか一つにおいて、
    原水にスケール防止剤を供給して淡水化する際、前記淡水化工程の入り口側に前記水酸化ナトリウム水溶液を供給し、原水のpHを前記水酸化ナトリウム水溶液で調整することを特徴とする淡水化方法。
  15. 請求項11乃至13のいずれか一つにおいて、
    前記淡水化工程を2段直列とし、1段目の淡水化工程と2段目の淡水化工程との間に、前記水酸化ナトリウム水溶液を供給し、1段目で淡水化された淡水中のホウ素を除去することを特徴とする淡水化方法。
  16. 請求項11において、
    前記希釈かん水から塩分を晶析分離する第1の晶析工程を有することを特徴とする淡水化方法。
  17. 請求項11において、
    前記固液分離工程で塩化ナトリウムを分離した脱塩化ナトリウムスラリーから有価物を晶析分離する第2の晶析工程を有することを特徴とする淡水化方法。
  18. 請求項11乃至17のいずれか一つにおいて、
    前記淡水化工程の出口側の淡水のpHを塩酸又は水酸化ナトリウム水溶液のいずれか一方又は両方により調整することを特徴とする淡水化方法。
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