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JP6052970B2 - プリンタ - Google Patents

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JP6052970B2
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Description

この発明は、記録媒体の両面への記録が可能なプリンタに関する。
従来、外部装置から受け付けた命令情報に基づいて、記録対象とする記録媒体に対する記録動作をおこなうプリンタがあった。このようなプリンタには、記録媒体の片面のみならず、記録媒体の両面に対する記録動作をおこなうものがあった。このようなプリンタにおいては、たとえば、昇華型プリンタ(Dye−sublimation printer)などと称され、記録対象とする記録媒体における記録層に対して、インクリボンが備えるインク層に含有される昇華性染料(昇華性色素)を転写することによる、いわゆる昇華転写方式の記録動作をおこなうプリンタがあった。
昇華型プリンタは、記録する画像を、イエロー(Y)、マゼンタ(M)およびシアン(C)の各色に分解し、分解した各色の画像を重ねあわせることによってカラー画像を記録する。このため、従来、各色の画像の記録位置がずれないように、外周方向に突出した突起を有するグリップローラと、当該グリップローラに対向するピンチローラとから構成されるローラ対によって記録媒体を挟持することにより、各色の画像の記録位置のずれを防止するようにした技術があった。
昇華型プリンタにおいては、各色の画像を記録した後に、画像を記録した記録面の全体にオーバーコート層を設けることによって当該記録面を保護したり、記録面に光沢を付与したりするようにした技術があった。このようなプリンタにおいて、両面に対する記録動作をおこなった記録媒体をグリップローラとピンチローラとによって挟持すると、両面記録をおこなった記録物の表面または裏面の記録面にグリップローラの突起の痕がついてしまい、記録品質を低下させる。
この対策として、従来、記録媒体の表面に対する記録をおこなう第1のヘッドと当該記録媒体の裏面に対する記録をおこなう第2のヘッドとを備え、オーバーコート層を設ける前は記録面にグリップローラ(フィードローラ)が強く押圧されるようにし、オーバーコート層を設けた後の記録面にはグリップローラ(フィードローラ)が強く押圧されないように、グリップローラとピンチローラとの間の押圧力を調整するようにした技術があった(たとえば、下記特許文献1を参照。)。
また、従来、巻回された状態の長尺状の記録媒体を引き出しながら、当該記録媒体に対してサーマルヘッドを用いて記録動作をおこなうプリンタにおいて、巻回された状態の記録媒体全体を回転させることによってサーマルヘッドに対して記録媒体の表裏を反転させることにより、記録媒体の両面に対する記録動作をおこなうようにした技術があった(たとえば、下記特許文献2を参照。)。
特開2011−46157号公報 特開2011−93256号公報
しかしながら、上述した特許文献1に記載された従来の技術は、両面記録に際して、記録媒体におけるいずれか一方の面(たとえば裏面)には当該一方の面に当接したグリップローラの突起による凹みが生じるため、当該凹み部分に昇華性染料(昇華性色素)が転写されず、当該一方の面における記録品質が低下するという問題があった。
また、上述した特許文献2に記載された従来の技術は、両面記録に際して、先に記録する面(たとえば表面)は平滑であるが、記録媒体の表裏を反転した後に記録する面(たとえば裏面)は表面への記録に際して当接したグリップローラの突起により凹んでいるために昇華性染料(昇華性色素)が転写されない部分が生じ、裏面における記録品質が低下するという問題があった。
従来、画像を記録した裏面にオーバーコート層を転写する際に表面をマット(非光沢)調にする加工をおこなうことによって、グリップローラの突起に起因する記録媒体の裏面における記録品質の低下を目立ちにくくするようにした技術があるが、この技術では、記録媒体の両面を光沢調にすることはできないという問題があった。
この発明は、上述した従来技術による問題点を解消するため、記録媒体の両面において高い記録品質を確保することができるプリンタを提供することを目的とする。
また、この発明は、上述した従来技術による問題点を解消するため、記録媒体の両面において高い記録品質を確保するとともに、記録媒体の両面を同等の品質で仕上げた記録物を得ることができるプリンタを提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するため、この発明にかかるプリンタは、記録媒体を保持する記録媒体保持部と、前記記録媒体保持部が保持する記録媒体を当該記録媒体保持部から記録媒体排出位置に至る記録媒体搬送経路に引き出し、引き出した記録媒体を記録媒体搬送経路中を搬送するとともに、搬送する記録媒体に対して昇華転写方式の記録動作をおこなう記録手段と、前記記録手段によって片面に記録動作がおこなわれた記録媒体を、当該記録媒体の表裏を前記記録手段による記録位置に対して反転した後に前記記録媒体搬送経路に供給する反転手段と、前記記録手段による記録動作中の記録媒体の記録面の裏面に当接する、外周方向に突出した突起を有する第1のローラと、当該第1のローラに対向する第2のローラとから構成されるローラ対によって、前記記録媒体搬送経路中を搬送される記録媒体を挟持することにより、前記記録位置に対する当該記録媒体の位置を制御する位置制御手段と、前記反転手段が表裏を反転した後に前記記録媒体搬送経路に供給した記録媒体に対して、前記記録手段が昇華転写するインクを受容する受容層を形成する受容層形成手段と、を備えたことを特徴とする。
また、この発明にかかるプリンタは、上記の発明において、前記受容層形成手段が、前記記録媒体における記録対象となる面の全面に前記受容層を形成することを特徴とする。
また、この発明にかかるプリンタは、上記の発明において、前記記録手段が、複数の発熱素子を有するサーマルヘッドを備え、記録情報に基づいて前記複数の発熱素子に選択的に通電し、インクリボンに設けられた熱昇華型のインクを前記記録媒体に昇華転写することによって記録動作をおこない、前記受容層形成手段が、前記サーマルヘッドが備える複数の発熱素子に通電することにより前記インクリボンに設けられた受容層を前記記録媒体に転写することによって前記受容層を形成することを特徴とする。
また、この発明にかかるプリンタは、上記の発明において、前記受容層形成手段が、前記記録媒体の両面に対して前記受容層を形成することを特徴とする。
この発明にかかるプリンタによれば、記録媒体の両面において高い記録品質を確保することができるという効果を奏する。
また、この発明にかかるプリンタによれば、記録媒体の両面において高い記録品質を確保するとともに、記録媒体の両面を同等の品質で仕上げた記録物を得ることができるという効果を奏する。
この発明にかかる実施の形態のプリンタの外観を示す説明図である。 図1のA−A断面図(その1)である。 図1のA−A断面図(その2)である。 図1のA−A断面図(その3)である。 図1のA−A断面図(その4)である。 この発明にかかる実施の形態のプリンタのハードウエア構成を示す説明図である。 インクリボンの構成を示す説明図である。 従来の昇華型両面プリンタにおける記録動作を概略的に示す説明図である。 この発明にかかる実施の形態のプリンタにおける記録動作を概略的に示す説明図である。
以下に添付図面を参照して、この発明にかかるプリンタの好適な実施の形態を詳細に説明する。
まず、この発明にかかる実施の形態のプリンタの外観について説明する。図1は、この発明にかかる実施の形態のプリンタの外観を示す説明図である。図1において、この発明にかかる実施の形態のプリンタ100は、略箱形の外観をなす。プリンタ100は、プリンタユニット(記録ユニット)101と給紙・用紙反転ユニット(反転ユニット)102とを備えている。
プリンタ100は、たとえば、台などの上面に設置して使用する。プリンタ100を設置した状態において、プリンタユニット101は給紙・用紙反転ユニット102の上側に配置され、給紙・用紙反転ユニット102はプリンタユニット101の下側に配置される。プリンタユニット101と、給紙・用紙反転ユニット102と、は分離可能とされている。
プリンタユニット101と給紙・用紙反転ユニット102との連結部には、プリンタユニット101および給紙・用紙反転ユニット102の位置決めのための形状(図示を省略する)が設けられている。これにより、プリンタユニット101と給紙・用紙反転ユニット102とを分離可能に構成した場合にも、プリンタユニット101と給紙・用紙反転ユニット102との位置関係を精度よくかつ容易に確保することができる。プリンタ100(プリンタユニット101)の筐体101aには、プリンタ100の状態を報知する各種の状態報知ランプ103が設けられている。
プリンタユニット101は、記録対象となる記録媒体(印画紙)に対する記録動作をおこなう。給紙・用紙反転ユニット102は、プリンタユニット101における記録位置に対して、記録対象となる記録媒体の表裏を反転し、表裏を反転した記録媒体をプリンタユニット101に供給する。プリンタユニット101は、表裏を反転した記録媒体に対する記録動作をおこなうことにより、記録媒体に対する両面記録をおこなうことができる。
この発明にかかる実施の形態のプリンタ100は、記録対象とする記録媒体における記録層に対して、インクリボンが備えるインク層に含有される熱拡散性色素(昇華性色素)を転写することによる、いわゆる昇華転写方式の記録動作をおこなう。このような昇華転写方式の記録動作をおこなうは、たとえば、昇華型プリンタ(Dye−sublimation printer)などと称される。
昇華型プリンタであるプリンタ100は、記録層を備えた記録媒体(図8、図9を参照)を記録対象とする。記録媒体が備える記録層は、紙などによって形成される基材の表面に設けられる。記録層は、基材に塗布、あるいは貼合される断熱層と、当該断熱層に積層される受容層と、によって構成されている。受容層は、インクリボンが備えるインク層に含有される熱拡散性色素(昇華性色素)の転写を受け付ける。
この発明にかかる実施の形態のプリンタ100は、記録媒体の片面に対する記録動作(片面記録)をおこなう場合は片面記録に適した記録媒体を用い、記録媒体の両面に対する記録動作(両面記録)をおこなう場合は両面記録に適した記録媒体を用いる。具体的には、片面記録に適した記録媒体は、当該記録媒体の基材の片面にのみ記録層が設けられている。また、具体的には、両面記録に適した記録媒体は、当該記録媒体の基材の両面に、それぞれ記録層が設けられている。
昇華型プリンタは、記録媒体に転写するインクの濃度を、記録するドットごとに調整することができる。このため、昇華型プリンタは、階調表現に優れている。優れた階調表現ができることから、昇華型プリンタは、写真印刷用途にも耐えうる画質を得ることができる。このため、昇華型プリンタは、近年、DTP用途にも用いられている。
昇華転写方式の記録動作に用いられるインクリボンは、長尺状の基材と、当該基材の一面側に設けられたインク層を備えている。インク層は、昇華性染料インク(昇華性染料(昇華性色素)を含有するインク、すなわち昇華インク)によって形成されている。インクリボンについては、説明を後述する。
プリンタ100は、プリンタユニット101に設けられた片面印刷物排出口104や、給紙・用紙反転ユニット102に設けられた両面印刷物排出口105を備えている。プリンタ100は、プリンタユニット101において記録をおこなった記録物を、片面印刷物排出口104や両面印刷物排出口105を介して筐体101aの外に排出する。
この実施の形態においては、片面印刷物排出口104を介して記録物が排出される位置によって第1の記録媒体排出位置を実現することができる。また、この実施の形態においては、両面印刷物排出口105を介して記録物が排出される位置によって第2の記録媒体排出位置を実現することができる。片面記録がおこなわれた記録物は、片面印刷物排出口104を介して筐体101aの外に排出され、片面印刷物排出口104の近くに用意された、図示されない排紙トレイ上に載置される。両面記録がおこなわれた記録物は、両面印刷物排出口105を介して筐体101aの外に排出され、排紙トレイ106上に載置(積層)される。
(プリンタ100の内部構成)
つぎに、この発明にかかる実施の形態のプリンタ100の内部構成について説明する。図2、図3、図4および図5は、図1のA−A断面図である。図2、図3、図4および図5において、プリンタユニット101は、図示を省略する制御基板を備えている。制御基板は、プリンタ100の各部を駆動制御するマイクロコンピュータを備えている(図6を参照)。
また、プリンタユニット101は、第1の記録媒体保持部(記録媒体保持部)201を備えている。第1の記録媒体保持部201は、基材の片面に記録層が設けられた、片面記録に適した記録媒体Pを保持する。第1の記録媒体保持部201が保持する記録媒体Pは、長尺状をなし、長さ方向に沿ってロール状に巻回されている。第1の記録媒体保持部201は、巻回された状態の長尺状の記録媒体Pを、外周側から引き出し可能に保持する。以下、第1の記録媒体保持部201が保持する記録媒体Pを、適宜「ロール紙」とし、符号P1を付して説明する。
具体的には、第1の記録媒体保持部201は、ロール紙P1の巻き取り中心となる巻き取り芯を、当該巻き取り芯が回転可能な状態で保持する。これによって、第1の記録媒体保持部201は、ロール紙P1の外周側の端部を、第1の記録媒体保持部201から引き出し可能な状態で保持することができる。
プリンタユニット101は、第1の記録媒体搬送経路202を備えている。第1の記録媒体搬送経路202は、第1の記録媒体排出位置につながる片面印刷物排出口104と第1の記録媒体保持部201との間に形成されており、第1の記録媒体保持部201から片面印刷物排出口104に至る。
第1の記録媒体保持部201と第1の記録媒体搬送経路202との境界位置の近傍には、第1の用紙センサ203が設けられている。第1の用紙センサ203は、第1の記録媒体保持部201から第1の記録媒体搬送経路202に引き出される記録媒体P(ロール紙P1)の有無に応じて出力値が変化する。具体的には、第1の用紙センサ203は、たとえば、マイクロスイッチやフォトセンサによって実現することができる。
プリンタユニット101は、記録部(記録手段)204を備えている。記録部204は、サーマルヘッド205とプラテン206とを備えている。サーマルヘッド205とプラテン206とは、第1の記録媒体搬送経路202を間にして対向配置されている。サーマルヘッド205は、プラテン206に接触する位置とプラテン206から離間する位置とに移動可能に設けられている。
サーマルヘッド205は、記録媒体Pの幅方向(図2における紙面表裏方向)に沿ってライン状に配列された複数の発熱素子(発熱抵抗体)や、当該発熱素子を駆動するドライバIC(図6を参照)などを備えている。ドライバICは、図示を省略する電源から、サーマルヘッド205における各発熱素子に接続された電極配線に選択的に通電することによって、通電された電極配線に対応する発熱素子を発熱させる。サーマルヘッド205は、発熱素子において発生した熱をインクリボン207に伝達し、当該インクリボン207に設けられた昇華性染料インクを記録媒体に昇華転写することによって、記録媒体に対する記録動作をおこなう。
プラテン206は、記録媒体の幅方向を軸心方向とする円筒形状をなし、軸心周りに回転可能に設けられている。プラテン206は、接触する記録媒体の動きに合わせて、受動的に回転しながら、記録媒体を挟んで対向するサーマルヘッド205が記録媒体にかける圧力を受け止める。
また、記録部204は、リボンユニット208を備えている。リボンユニット208は、インクリボン207を保持する一対のローラ209、210を備えている。一対のローラ209、210は、巻き取りローラ209と供給ローラ210とによって構成される。巻き取りローラ209は、回転可能に設けられており、図2における時計回り方向に回転することにより、供給ローラ210が保持するインクリボン207を、当該リボンの一端側から巻き上げる。供給ローラ210は、巻回された長尺状のインクリボン207を、当該インクリボン207の外周側から繰り出し可能に保持する。供給ローラ210は、巻き取りローラ209が回転することによるインクリボン207の巻き上げにともなって、図2における時計回り方向に回転し、インクリボン207を外周側から繰り出す。
一対のローラ209、210は、サーマルヘッド205とプラテン206との間において、インクリボン207が張り渡されるようにして当該インクリボン207を保持する。一対のローラ209、210は、サーマルヘッド205とプラテン206との間において、インクリボン207におけるインク層がプラテン206に対向する状態で、当該インクリボン207を保持する。
プリンタユニット101において、第1の記録媒体保持部201と第1の記録媒体搬送経路202との接続位置には、フラップ211が設けられている。フラップ211は、片面印刷時にはロール紙P1を第1の記録媒体保持部201から記録媒体搬送経路202へガイドするとともに、両面印刷時には片面印刷物排出口104からサーマルヘッド205側に向かって搬送される両面印刷用の記録媒体であるカット紙P2が第1の記録媒体保持部201に進入しないように、当該記録媒体Pの搬送位置をガイドする。
プリンタユニット101において、片面印刷物排出口104の近傍には、第1のカッタ機構(第1の切断手段)212が設けられている。第1のカッタ機構212は、位置が固定された固定刃と、固定刃と接触しており、第1の記録媒体搬送経路202を分断する位置に設けられた可動刃と、を備えている(符号を省略する)。可動刃は、外周部分に刃を備えた円板形状をなし、固定刃に沿って記録媒体の幅方向に移動(往復移動)可能に設けられている。可動刃は、記録媒体の切断を待機している場合などの非動作時は、記録媒体の通過に支障のない位置に位置付けられる。
第1のカッタ機構212は、可動刃用のモータなどの駆動源や、当該可動刃用のモータが発生させた駆動力を可動刃に伝達する動力伝達機構(図示を省略する)などを備えている。第1のカッタ機構212は、記録媒体Pにおける切断位置(すなわち切断対象とする位置)が、第1の記録媒体搬送経路202において可動刃が当該第1の記録媒体搬送経路202を横断するように移動(往復移動)する位置(すなわち第1のカッタ機構212による切断位置)まで搬送された状態で、可動刃用のモータが発生させた駆動力によって可動刃を記録媒体Pの幅方向に移動させることによって記録媒体Pを切断する。
また、プリンタユニット101は、グリップローラ(第1のローラ)213とピンチローラ(第2のローラ)214とを備えている。グリップローラ213は、外周方向に突出した突起を有する。グリップローラ213は、記録部204による記録動作中の記録媒体Pの記録面の裏面側から当該記録媒体Pに当接する。ピンチローラ214は、第1の記録媒体搬送経路202を間にしてグリップローラ213に対向配置されている。
グリップローラ213とピンチローラ214とは、第1の記録媒体搬送経路202を搬送される記録媒体Pを挟持する。グリップローラ213およびピンチローラ214が記録媒体を挟持して搬送できる力(グリップ力)を、記録媒体が記録部や用紙搬送経路から受ける負荷よりも十分大きく確保することにより、グリップローラ213と、記録媒体Pがスリップすることを防止できる。
グリップローラ213とピンチローラ214で、記録媒体Pを挟持した状態で、グリップローラ213を回転させることにより、サーマルヘッド205およびプラテン206による記録位置に対する当該記録媒体Pの位置を制御できる。この実施の形態においては、グリップローラ213およびピンチローラ214によって位置制御手段を実現することができる。
また、プリンタユニット101において、片面印刷物排出口104の近傍であって、プリンタ100を設置した状態において第1のカッタ機構212の下方となる位置には、第1の余白片収容部215が設けられている。第1の余白片収容部215は、プリンタ100を設置した状態における上方に開口部を備え、当該開口部を介して第1のカッタ機構212が動作することにより発生した余白片を収容する。
第1の余白片収容部215は、プリンタユニット101の筐体101aに対して着脱可能に設けられている。プリンタ100の利用者は、プリンタユニット101の筐体101aから第1の余白片収容部215を取り外すことにより、第1のカッタ機構212が動作することにより発生した余白片を容易に廃棄することができる。
給紙・用紙反転ユニット102は、プリンタユニット101に設けられた電源から電力の供給を受けて動作する。給紙・用紙反転ユニット102は、第2の記録媒体保持部216を備えている。第2の記録媒体保持部216は、基材の両面に記録層が設けられた、両面記録に適した記録媒体Pを保持する。第2の記録媒体保持部216は、シート状の記録媒体Pを、それぞれの記録媒体Pを積層した状態で保持する。以下、第2の記録媒体保持部216が保持する記録媒体を、適宜「カット紙」とし、符号P2を付して説明する。
給紙・用紙反転ユニット102は、第2の記録媒体搬送経路217を備えている。第2の記録媒体搬送経路217は、プリンタユニット101における第1の記録媒体搬送経路202と第2の記録媒体保持部216との間に形成され、第2の記録媒体保持部216から第1の記録媒体搬送経路202に至る。また、給紙・用紙反転ユニット102は、第2の記録媒体搬送経路217中にある記録媒体Pを、第2の記録媒体保持部216から第1の記録媒体搬送経路202に向かう方向に搬送する用紙搬送ローラ218A、218Cを備えている。
給紙・用紙反転ユニット102は、シート供給機構(シート供給手段)219を備えている。シート供給機構219は、第2の記録媒体保持部216が保持するシート状の記録媒体P(カット紙P2)を、一枚ずつに捌いて第2の記録媒体搬送経路217に供給する。シート供給機構219は、用紙切り出しローラ220と用紙分離部(摩擦シート)221とを備えている。
用紙切り出しローラ220は、第2の記録媒体保持部216が保持する記録媒体P(カット紙P2)のうち、最上位に積層されている記録媒体P(以下、適宜「最上位紙」という)に当接する。用紙切り出しローラ220は、たとえば、シリコンゴムを用いて形成することができる。また、シート供給機構219は、第2の記録媒体保持部216が保持する記録媒体の量(枚数)にかかわらず、用紙切り出しローラ220が常時最上位紙に当接するように、当該用紙切り出しローラ220を付勢する付勢機構222を備えている。
この実施の形態において、用紙切り出しローラ220、用紙搬送ローラ218A、および用紙分離部(摩擦シート)221は、表面が平滑ではなく、表面が凹凸形状をなしている。あるいは、用紙切り出しローラ220、用紙搬送ローラ218A、および用紙分離部(摩擦シート)221は、表面が平滑ではなく、凹部あるいは凸部が設けられていてもよい。具体的に、用紙切り出しローラ220、用紙搬送ローラ218A、および用紙分離部(摩擦シート)221は、表面に、たとえば、エンボス加工、像肌加工などを施すことにより表面が平滑でなくなるようにすることができる。
第2の記録媒体保持部216が保持する記録媒体P(カット紙P2)を第2の記録媒体搬送経路217に供給する際には、最上位紙に用紙切り出しローラ220を当接させた状態で、当該用紙切り出しローラ220の軸を中心として、図2における反時計回り方向に回転させる。これにより、用紙切り出しローラ220と最上位紙との間の摩擦力によって、最上位紙が当該最上位紙の図2における紙面右側の端部から第2の記録媒体搬送経路217に移動する。
このとき、最上位紙である記録媒体P(カット紙P2)と当該最上位紙よりも下側に積層されている記録媒体P(カット紙P2)との摩擦、当該下側に積層されている記録媒体P(カット紙P2)どうしの摩擦などによって、複数枚の記録媒体P(カット紙P2)が同時に、第2の記録媒体搬送経路217に向かって移動しようとする。第2の記録媒体保持部216において、図2における紙面右側には、用紙分離部(摩擦シート)221が設けられているため、用紙切り出しローラ220の回転によって第2の記録媒体搬送経路217に向かって移動しようとする複数枚の記録媒体P(カット紙P2)は、いずれも、用紙分離部(摩擦シート)221に当接する。そして、第2の記録媒体搬送経路217に向かって移動しようとする複数枚の記録媒体P(カット紙P2)に対して、当該移動を規制する規制力が作用し、これらの複数枚の記録媒体P(カット紙P2)の移動が停止する。
用紙切り出しローラ220を形成する材料あるいは用紙切り出しローラ220の表面形状は、第2の記録媒体保持部216が保持する記録媒体P(カット紙P2)と用紙切り出しローラ220との間に作用する摩擦力が、記録媒体P(カット紙P2)の端部と用紙分離部(摩擦シート)221との間に作用する摩擦力よりも大きくなるように調整されている。また、用紙分離部(摩擦シート)221を形成する材料あるいは用紙分離部(摩擦シート)221の表面形状は、記録媒体P(カット紙P2)の端部と用紙分離部(摩擦シート)221との間に作用する摩擦力は、記録媒体P(カット紙P2)どうしの間に作用する摩擦力よりも大きくなるように調整されている。
これにより、シート供給機構219は、用紙切り出しローラ220の回転によって第2の記録媒体搬送経路217に向かって移動しようとする複数枚の記録媒体P(カット紙P2)のうち、用紙切り出しローラ220が直に接触している最上位紙のみを、第2の記録媒体保持部216から第2の記録媒体搬送経路217に供給することができる。
第2の記録媒体保持部216と第2の記録媒体搬送経路217との境界位置の近傍には、第2の用紙センサ223が設けられている。第2の用紙センサ223は、第2の記録媒体保持部216から第2の記録媒体搬送経路217に供給された記録媒体Pの有無に応じて出力値が変化する。具体的には、第2の用紙センサ223は、たとえば、第1の用紙センサ203と同様に、マイクロスイッチやフォトセンサによって実現することができる。
給紙・用紙反転ユニット102は、第3の記録媒体搬送経路224を備えている。第3の記録媒体搬送経路224は、一部が第2の記録媒体搬送経路217と重複している。第3の記録媒体搬送経路224は、両端が第1の記録媒体搬送経路202に連続した、ループ形状をなしている。また、給紙・用紙反転ユニット102は、第1の記録媒体搬送経路202から第3の記録媒体搬送経路224に排出された記録媒体を、当該第3の記録媒体搬送経路224を経由して、再び第1の記録媒体搬送経路202に供給する方向に搬送する用紙搬送ローラ218Bを備えている。
第3の記録媒体搬送経路224がループ形状をなしているため、第1の記録媒体搬送経路202から第3の記録媒体搬送経路224に排出された記録媒体Pは、用紙搬送ローラ218B、および218Cによって当該第3の記録媒体搬送経路224中を搬送されることにより、再び第1の記録媒体搬送経路202に供給される。第3の記録媒体搬送経路224中を搬送される記録媒体Pは、当該第3の記録媒体搬送経路224中を搬送されることにより、記録部204の記録位置(サーマルヘッド205の発熱素子に対向する位置)に対して、表裏を反転した状態で、再び第1の記録媒体搬送経路202に供給される。この発明にかかる実施の形態のプリンタ100においては、第3の記録媒体搬送経路224および当該第3の記録媒体搬送経路224において記録媒体Pを搬送する用紙搬送ローラ218B、218Cおよび当該用紙搬送ローラ218B、218Cに駆動力を付与する機構などによって、反転手段を実現することができる。
上記の用紙搬送ローラのうち、記録動作中に記録媒体が到達する位置に存在する用紙搬送ローラ218Bは、記録動作中は記録媒体Pに触れない位置に退避可能に設けられている。具体的には、用紙搬送ローラ218Bとモータとの間の輪列に連動してローラ位置が搖動するような機構(いずれも図示を省略する)を設けることにより、用紙搬送ローラ218Bに駆動力を付与するモータが記録媒体Pの搬送方向に回転した場合に、用紙搬送ローラ218Bのうち受動的に回転するローラ(押圧ローラ)が記録媒体Pに押し付けられるように動作し、モータが逆方向へ回転すると記録媒体Pから受動ローラが離れるように動く構成とすることによって実現することができる。
また、用紙切り出しローラ220の駆動と、用紙搬送ローラ218A、218B、218Cの駆動は、動力となるモータとそれぞれのローラに到達するまでの輪列の中に、反対方向に回転した場合は空転することにより、駆動を遮断するワンウェイクラッチを挿入すれば、モータの回転方向を切り替えることにより、一つのモータで行うことができるが、その場合、モータと用紙切り出しローラ220との間の輪列には、適当な量のガタ(遊び)を設けることが好ましい。これによって、記録媒体P(カット紙P2)の表裏を反転した後に、用紙搬送ローラ218Bが退避する位置まで当該用紙搬送ローラ218Bに対応するモータを逆転させても、第2の記録媒体保持部216が保持する記録媒体P(カット紙P2)が切り出されないように構成することができる。
給紙・用紙反転ユニット102が備える用紙搬送ローラ218のうち、表裏を反転された記録媒体Pが通過する位置に設けられた用紙搬送ローラ218Cは、クリーニングローラを兼ねている。クリーニングローラを兼ねる用紙搬送ローラ218Cは、記録媒体Pを搬送するとともに、再びプリンタユニット101に供給された際に記録動作がおこなわれる面(裏面)を清掃する清掃手段としての機能を実現する。
第3の記録媒体搬送経路224において、第2の記録媒体搬送経路217と重複している部分には、フラップ225が設けられている。フラップ225は、第1の記録媒体搬送経路202から第3の記録媒体搬送経路224に排出された記録媒体Pの、第3の記録媒体搬送経路224における搬送位置を案内する。フラップ225は、記録媒体Pを第1の記録媒体搬送経路202から第3の記録媒体搬送経路224に排出する場合と、記録媒体Pを第3の記録媒体搬送経路224から第1の記録媒体搬送経路202に供給する場合とで、それぞれ異なる位置に位置付けられる(図2および図4を参照)。
具体的には、フラップ225は、記録媒体を第1の記録媒体搬送経路202から第3の記録媒体搬送経路224に排出する場合は、図2に示した位置に位置付けられる。また、具体的には、フラップ225は、記録媒体を第3の記録媒体搬送経路224から第1の記録媒体搬送経路202に供給する場合は、図4に示した位置に位置付けられる。
給紙・用紙反転ユニット102は、第4の記録媒体搬送経路226を備えている。第4の記録媒体搬送経路226は、第2の記録媒体排出位置につながる両面印刷物排出口105と、第1の記録媒体搬送経路202における給紙・用紙反転ユニット102側の端部との間に形成され、第1の記録媒体搬送経路202から両面印刷物排出口105に至る。また、給紙・用紙反転ユニット102は、第1の記録媒体搬送経路202から第4の記録媒体搬送経路226中に排出された記録媒体Pを、第1の記録媒体搬送経路202から両面印刷物排出口105に向かう方向に搬送する用紙搬送ローラ218D、218Eを備えている。
第1の記録媒体搬送経路202から第4の記録媒体搬送経路226に排出された記録媒体Pは、グリップローラ213とピンチローラ214とによって把持された状態で、用紙搬送ローラ218D、218Eの搬送力を受けることによって、両面印刷物排出口105を介して給紙・用紙反転ユニット102の外に向かう方向に搬送される。この実施の形態においては、用紙搬送ローラ218D、218E、グリップローラ213およびピンチローラ214などによって、第1の記録媒体搬送経路202から第4の記録媒体搬送経路226中に排出された記録媒体Pを、両面印刷物排出口105を介して給紙・用紙反転ユニット102の外(第2の記録媒体排出位置)まで搬送する記録媒体排出手段を実現することができる。
第3の記録媒体搬送経路224において、第2の記録媒体搬送経路217と重複している部分であって、第4の記録媒体搬送経路226との境界位置には、フラップ227が設けられている。フラップ227は、プリンタユニット101から第1の記録媒体搬送経路202を介して給紙・用紙反転ユニット102へ排出された記録媒体の搬送位置を案内する。フラップ227は、プリンタユニット101から第1の記録媒体搬送経路202を介して給紙・用紙反転ユニット102へ排出された記録媒体Pが第4の記録媒体搬送経路226に進入することを防止する位置(図2、図3、図4を参照)と、当該記録媒体Pを第4の記録媒体搬送経路226に案内する位置(図5を参照)と、のいずれか一方に選択的に位置付けられる。
また、給紙・用紙反転ユニット102において、両面印刷物排出口105の近傍には、第2のカッタ機構(第2の切断手段)228が設けられている。第2のカッタ機構228は、当該第2のカッタ機構228による切断位置と、プリンタユニット101が備えるグリップローラ213などの用紙搬送ローラ218との距離が、プリンタ100において、記録媒体P2に記録可能な最小の記録物の長さより短くなる位置に設けられている。
第2のカッタ機構228は、第1のカッタ機構212と同様の構成をなし、位置が固定された固定刃と、第2の記録媒体搬送経路217を間にして固定刃に対向する位置に設けられた可動刃と、を備えている(いずれも符号を省略する)。第2のカッタ機構228は、第1のカッタ機構212と同様の構成をなすため、説明を省略する。
この発明にかかる実施の形態のプリンタ100において、フラップ227は、第4の記録媒体搬送経路226に設けられた用紙搬送ローラ218D、および用紙搬送ローラ218Eの駆動をおこなうモータの駆動力によって動作する。このフラップ227を駆動するモータは、第4の記録媒体搬送経路226に設けられた用紙搬送ローラ218D、218Eの駆動とフラップ227の駆動とを兼用する。
具体的には、フラップ227が回動する支点となる支点軸上に歯車を設け、当該歯車を、図示を省略するクラッチ機構(トルクリミッタ)により排出側の用紙搬送ローラ218D、218Eを駆動する輪列と結合する。フラップ227は、第4の記録媒体搬送経路226において記録媒体Pを排出する方向へ用紙搬送ローラ218D、218Eを回転させるようモータを駆動すると、記録媒体Pを両面印刷物排出口105から排出する方向へ導く方向へ動くように構成されている(図5の位置)。また、フラップ227は、第4の記録媒体搬送経路226において記録媒体Pを排出する方向とは逆方向へ用紙搬送ローラ218D、218Eを回転させるようモータを駆動すると、第3の記録媒体搬送経路224側へ導く方向へ動くように構成されている(図2の位置)。
また、給紙・用紙反転ユニット102において、両面印刷物排出口105の近傍であって、プリンタ100を設置した状態において第2のカッタ機構228の下方となる位置には、第2の余白片収容部229が設けられている。第2の余白片収容部229は、プリンタ100を設置した状態における上方に開口部を備え、当該開口部を介して第2のカッタ機構228が動作することにより発生した余白片を収容する。
第2の余白片収容部229は、給紙・用紙反転ユニット102の筐体101aに対して着脱可能に設けられている。プリンタ100の利用者は、給紙・用紙反転ユニット102の筐体101aから第2の余白片収容部229を取り外すことにより、第2のカッタ機構228が動作することにより発生した余白片を容易に廃棄することができる。
この発明にかかる実施の形態のプリンタ100においては、第2の記録媒体保持部216が保持するシート状の記録媒体P(カット紙P2)を第2の記録媒体搬送経路217に供給する動作(切り出し動作)と、第2の記録媒体搬送経路217に供給した(切り出した)記録媒体P(カット紙P2)を給紙・用紙反転ユニット102からプリンタユニット101へ搬送する動作と、を1つのモータでおこなうように構成してもよい。
具体的には、たとえば、第2の記録媒体搬送経路217に記録媒体P(カット紙P2)を供給する(切り出す)用紙切り出しローラ220、および、給紙・用紙反転ユニット102からプリンタユニット101へ搬送する用紙搬送ローラ218A、218B、218Cまでの各々の輪列中にワンウェイクラッチを設け、用紙切り出しローラ220を駆動しているときには、用紙搬送ローラ218A、218B、218Cまでの輪列中のワンウェイクラッチが空転して駆動力が伝達されず、用紙搬送ローラ218A、218B、218Cを駆動しているときには、用紙切り出しローラ220までの輪列中のワンウェイクラッチが空転して駆動力が伝達されないような構成によって実現することができる。
これにより、シート供給機構219を駆動するモータの回転方向により、第2の記録媒体搬送経路217および第3の記録媒体搬送経路224において、記録媒体P2を切り出す、あるいは、切り出す動作は行わないで、記録媒体P2を搬送するなどの複数の動作を1つのモータによって選択的におこなうことができる。
(プリンタ100のハードウエア構成)
つぎに、この発明にかかる実施の形態のプリンタ100のハードウエア構成について説明する。図6は、この発明にかかる実施の形態のプリンタ100のハードウエア構成を示す説明図である。図6において、プリンタ100は、マイクロコンピュータ601と、通信I/F(インターフェイス)602と、ドライバIC603と、モータドライバ604と、状態報知ランプ103と、第1の用紙センサ203および第2の用紙センサ223と、を備えている。マイクロコンピュータ601、通信I/F602、ドライバIC603、モータドライバ604、状態報知ランプ103、第1の用紙センサ203および第2の用紙センサ223の各部は、バス605によって接続されている。
マイクロコンピュータ601は、プリンタ100が備える各部を駆動制御する。マイクロコンピュータ601は、たとえば、CPU、ROMやRAMなどのメモリ、入出力回路やタイマー回路などの各種回路を実装した基板によって実現することができる。この実施の形態のプリンタ100においては、マイクロコンピュータ601によって、当該プリンタユニット101が備える各部および給紙・用紙反転ユニット102が備える各部を駆動制御する制御手段を実現することができる。
マイクロコンピュータ601は、メモリに記憶された各種データや通信I/F602を介して外部装置から受信した各種データに基づいて、当該メモリに記憶された各種の制御プログラムをCPUにおいて実行することによってプリンタ100が備える各部を駆動制御する。マイクロコンピュータ601において、CPUは、たとえば、記録命令情報に基づく印刷にかかるイメージデータを展開する際のワークエリアとしてRAMを使用する。
通信I/F602は、図示を省略する外部装置に接続されている。通信I/F602は、ネットワークと内部とのインターフェイスをつかさどり、コンピュータ装置におけるデータの入出力を制御する。外部装置は、たとえば、プリンタ100に対する記録命令情報を生成し、生成した記録命令情報をプリンタ100に対して出力する。記録命令情報は、たとえば、記録媒体Pに記録する画像などに関する情報や、当該情報の記録を指示するコマンドなどを含む。外部装置は、具体的には、デジタルカメラで撮影した画像をプリント出力するサービスを提供するDPE店などに設置されたパーソナルコンピュータによって実現することができる。
ドライバIC603は、マイクロコンピュータ601によって駆動制御される。ドライバIC603は、マイクロコンピュータ601によって駆動制御されることにより、サーマルヘッド205における複数の発熱素子のそれぞれに対応する電極配線に対して選択的に通電する。これにより、各発熱素子を選択的に発熱させることができる。サーマルヘッド205の発熱素子において発生した熱をインクリボン207を介して記録媒体の記録層に伝達することによって、当該インクリボン207に設けられた昇華性染料インクを記録媒体に昇華転写し、記録媒体に対する記録動作をおこなうことができる。
モータドライバ604は、マイクロコンピュータ601によって駆動制御される。モータドライバ604は、マイクロコンピュータ601によって駆動制御されることにより、グリップローラ213用のモータ、用紙搬送ローラ218A、218B、218C用のモータ、用紙搬送ローラ218D、218E用のモータ、用紙切り出しローラ220用のモータ、可動刃用のモータおよびサーマルヘッド205を移動させるためのモータなどの各種モータ600を駆動制御する。
グリップローラ213用のモータや用紙搬送ローラ218A、218B、218C用のモータ、用紙搬送ローラ218D、218E用のモータ、および用紙切り出しローラ220用のモータは、たとえば、ステッピングモータなどによって実現することができる。可動刃用のモータは、たとえば、DCモータなどによって実現することができる。モータドライバ604は、グリップローラ213用のモータ、用紙搬送ローラ218用のモータおよび可動刃用のモータなどのモータごとに設けることができる。
モータドライバ604は、マイクロコンピュータ601からの制御信号に基づいて該当するモータを駆動制御し、各種モータ600の励磁シーケンスや印加する電流の方向を切り換える。各種モータ600は、それぞれ、モータドライバ604によって駆動制御されることにより、電気エネルギーを機械エネルギーに変換し、回転駆動力を発生する。また、各種モータ600の回転方向は、モータドライバ604による励磁シーケンスや印加する電流の方向の切り換えに応じて切り換わる。
状態報知ランプ103は、マイクロコンピュータ601によって駆動制御され、プリンタ100の状態に応じて点灯したり消灯したりする。状態報知ランプ103は、たとえば、LEDによって実現することができる。状態報知ランプ103は、たとえば、プリンタ100への電源の供給状態、プリンタ100におけるエラー発生の有無、記録媒体の有無などの報知内容に応じて点灯したり消灯したりする。
状態報知ランプ103は、たとえば、報知内容ごとに複数設けることができる。あるいは、状態報知ランプ103は、たとえば、報知内容ごとに発光色を異ならせてもよい。あるいは、状態報知ランプ103は、たとえば、報知内容ごとに点滅させたり点灯させたりして、報知内容ごとに点灯パターンを異ならせてもよい。
第1の用紙センサ203および第2の用紙センサ223の出力値は、マイクロコンピュータ601に入力される。第1の用紙センサ203および第2の用紙センサ223の出力値は、常時マイクロコンピュータ601に入力されるものであってもよく、出力値に変化があった場合にマイクロコンピュータ601に入力されるものであってもよい。
(インクリボン207の構成)
図7は、インクリボン207の構成を示す説明図である。図7において、インクリボン207は、複数色のインク層701(701Y、701M、701C)を備えている。具体的に、この発明にかかる実施の形態のプリンタ100が用いるインクリボン207は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)およびシアン(C)の各色のインク層701Y、701M、701Cを備える。各インク層701Y、701M、701Cは、それぞれ、昇華性染料インク(昇華性染料(昇華性色素)を含有するインク、すなわち昇華インク)によって形成されている。
インクリボン207において、複数色のインク層701(701Y、701M、701C)は、色ごとに、基材の長さ方向に沿って周期的に配置されている。具体的には、たとえば、イエロー(Y)、マゼンタ(M)およびシアン(C)の各インク層701Y、701M、701Cは、基材702の長さ方向に沿って「イエロー(Y)のインク層→マゼンタ(M)のインク層→シアン(C)のインク層→・・・」の順序で周期的に配置されている。
この発明にかかる実施の形態のプリンタが用いるインクリボン207は、受容層703を備えている。受容層703は、記録媒体Pが備える記録層(図8、図9における符号802を参照)があらかじめ含む受容層と同様の材料を用いて形成されている。受容層703は、インク層701(701Y、701M、701C)とともに、基材702の長さ方向に沿って周期的に配置されている。
プリンタ100は、記録動作に際して、記録媒体Pにおいて記録対象となる面(記録対象面)に受容層703を設ける。プリンタ100は、記録動作に際して、記録対象面を覆うようにして、当該記録対象面の全面に受容層703を設ける。プリンタ100は、サーマルヘッド205が備える複数の発熱素子に通電することにより、インクリボン207に設けられた受容層703を記録媒体Pに転写することによって受容層を形成する。
また、プリンタ100がおこなう昇華転写方式の記録動作に用いられるインクリボン207は、オーバーコート層704を備えている。オーバーコート層704は、インク層701(701Y、701M、701C)とともに、基材702の長さ方向に沿って周期的に配置されている。
プリンタ100は、記録動作に際して、記録動作をおこなった記録媒体Pの表面(以下、適宜「記録面」という)に、当該記録面を覆うようにしてオーバーコート層704を設ける(ラミネート処理を施す)。これにより、記録物における昇華性染料インクの耐水性能や耐候性能の劣化を抑制し、記録物の耐水性や耐候性を高めることができる。
この発明にかかる実施の形態のプリンタ100は、記録媒体Pにおいて先に記録をおこなう面(たとえば表面)、および、記録媒体Pにおいて先に記録をおこなった面の後から記録をおこなう面(たとえば裏面)の、少なくともいずれか一方に受容層703を設ける。この場合、プリンタ100は、記録媒体Pにおいて先に記録をおこなった面の後から記録をおこなう面(たとえば裏面)に受容層703を設けることが好ましい。
具体的に、記録動作に際して、記録媒体Pにおけるいずれか一方の面(たとえば裏面)に受容層703を設ける場合に、この発明にかかる実施の形態のプリンタ100が用いるインクリボン207は、基材702の長さ方向に沿って、「イエロー(Y)のインク層→マゼンタ(M)のインク層→シアン(C)のインク層→オーバーコート層→受容層→イエロー(Y)のインク層→マゼンタ(M)のインク層→シアン(C)のインク層→オーバーコート層→イエロー(Y)のインク層→・・・」の順序で周期的に配置されている。
また、プリンタ100は、記録媒体Pの両面に対して受容層703を設けてもよい。具体的に、記録動作に際して、記録媒体Pの両面に受容層703を設ける場合に、この発明にかかる実施の形態のプリンタ100が用いるインクリボン207は、基材702の長さ方向に沿って、「受容層→イエロー(Y)のインク層→マゼンタ(M)のインク層→シアン(C)のインク層→オーバーコート層→受容層→イエロー(Y)のインク層→マゼンタ(M)のインク層→シアン(C)のインク層→オーバーコート層→受容層→イエロー(Y)のインク層→・・・」の順序で周期的に配置されている。
(プリンタ100がおこなう記録動作)
つぎに、この発明にかかる実施の形態のプリンタ100がおこなう記録動作について説明する。上述したように、プリンタ100は、片面記録および両面記録をおこなうことができる。
(片面記録)
プリンタ100は、外部装置から片面記録を指示する記録命令情報(片面印刷データ)を受信するまで待機し、外部装置から片面印刷データを受信した場合に、片面記録にかかる記録動作を開始する。
プリンタ100は、片面印刷データを受信した場合、該当するモータドライバ604を駆動制御して、当該モータドライバ604に対応する用紙搬送ローラ218Fを所定方向に回転させる。この場合、プリンタ100は、第1の記録媒体搬送経路202中の記録媒体が、第1の記録媒体保持部201から片面印刷物排出口104へ向かって移動する方向に、第1の記録媒体搬送経路202に設けられた用紙搬送ローラ218Fを回転させる。
これにより、第1の記録媒体保持部201が保持する記録媒体P(ロール紙P1)が、第1の記録媒体保持部201から第1の記録媒体搬送経路202に引き出される。記録媒体P(ロール紙P1)を第1の記録媒体搬送経路202に引き出す際に、プリンタ100は、第1の用紙センサ203、および第1の記録媒体搬送経路202上の用紙センサ(図示を省略する)の出力値に基づいて、第1の記録媒体保持部201が保持する記録媒体P(ロール紙P1)の先端が、第1の記録媒体搬送経路202に引き出され、グリップローラ213とピンチローラ214とによって挟持されたか否かを判断することができる。
プリンタ100は、引き続き、該当するモータドライバ604を駆動制御して、当該モータドライバ604に対応するグリップローラ213を所定方向に回転させる。プリンタ100は、記録媒体の先端が、あらかじめ設定された記録動作の開始位置(印刷開始位置)に到達するまで、第1の記録媒体保持部201が保持する記録媒体P(ロール紙P1)を、第1の記録媒体搬送経路202中に引き出す。
記録動作の開始位置(印刷開始位置)は、第1の記録媒体搬送経路202中に引き出した記録媒体P(ロール紙P1)の先端から記録部204の記録位置までの長さが、外部装置から受信した記録命令情報に基づいて特定される記録物の寸法よりも長くなる位置に設定することができる。プリンタ100は、記録媒体P(ロール紙P1)を第1の記録媒体保持部201から引き出す際には、サーマルヘッド205をプラテン206から離間させる。
つぎに、プリンタ100は、サーマルヘッド205をプラテン206側に移動させ、サーマルヘッド205とプラテン206とによって記録媒体およびインクリボン207を挟持する。この状態で、第1の記録媒体保持部201から第1の記録媒体搬送経路202に引き出した記録媒体P(ロール紙P1)を、第1の記録媒体保持部201に引き込む方向に搬送しながら、記録命令情報に基づいて、サーマルヘッド205が備える発熱素子を選択的に発熱させる。これにより、発熱素子において発生した熱がインクリボン207に伝達され、当該インクリボン207に設けられた昇華性染料インクが記録媒体に昇華転写され、記録媒体Pに対する記録動作をおこなうことができる。
上記の記録動作は、インク層701(701Y、701M、701C)の色ごとにおこなう。具体的には、たとえば、1色目(たとえばイエロー(Y))の記録動作をおこない、つぎに2色目(たとえばマゼンタ(M))の記録動作をおこない、そのつぎに3色目(シアン(C))の記録動作をおこなう。プリンタ100は、各色の記録動作をおこなうごとに、当該記録動作により第1の記録媒体保持部201に引き込まれた記録媒体P(ロール紙P1)の先端が、再び印刷開始位置に到達するまで、当該記録媒体P(ロール紙P1)を第1の記録媒体搬送経路202に引き出す。
具体的には、1色目(たとえばイエロー(Y))の記録動作をおこなった後、記録媒体Pの先端が印刷開始位置に到達するまで記録媒体P(ロール紙P1)を第1の記録媒体搬送経路202に引き出す。そして、2色目(たとえばマゼンタ(M))の記録動作をおこない、当該2色目(たとえばマゼンタ(M))の記録動作をおこなった後、記録媒体の先端が印刷開始位置に到達するまで記録媒体P(ロール紙P1)を第1の記録媒体搬送経路202に引き出す。3色目(シアン(C))の記録動作も同様におこなう。
そして、記録媒体Pの片面に対してすべての色の記録動作をおこなった後、記録動作をおこなった記録面にオーバーコート層704を設ける。プリンタ100は、記録動作をおこなった記録媒体Pの先端が印刷開始位置に到達するまで記録媒体P(ロール紙P1)を第1の記録媒体搬送経路202に引き出した状態で、上記の記録動作をおこなうことによって、記録動作をおこなった記録面にオーバーコート層704を設ける。オーバーコート層704は、記録動作をおこなった記録面の全面に設ける。
つぎに、プリンタ100は、該当するモータドライバ604を駆動制御して、オーバーコート層704を設けた記録媒体P(ロール紙P1)が、第1の記録媒体保持部201から片面印刷物排出口104へ向かって移動する方向に、第1の記録媒体搬送経路202に設けられたグリップローラ213を回転させる。プリンタ100は、オーバーコート層704を設けた記録媒体P(ロール紙P1)の先端が、第1のカッタ機構212による切断位置を通過して、所定の位置まで引き出されるまで該当するモータドライバ604を駆動制御する。
そして、オーバーコート層を設けた記録媒体P(ロール紙P1)を所定の位置まで引き出した状態で、第1のカッタ機構212における可動刃用のモータのモータドライバ604を駆動制御して、可動刃を動作させる。これにより、片面記録をおこなった記録媒体の先端の余白が記録物から切断される。この切断により生じた余白片は、第1の余白片収容部215に収容される。
さらに、片面記録をおこなった記録媒体の先端の余白を切断した記録媒体P(ロール紙P1)を、片面印刷物排出口104へ向かって搬送する方向にグリップローラ213が回転するように、該当するモータドライバ604を駆動制御する。プリンタ100は、片面記録をおこなった記録媒体P(ロール紙P1)が、当該記録媒体における記録部分が第1のカッタ機構212による切断位置を通過して、所定の位置まで搬送されるまで、該当するモータドライバ604を駆動制御する。
この状態で、第1の切断手段における可動刃用のモータのモータドライバ604を駆動制御して、再度、可動刃を動作させる。これにより、片面記録をおこなった記録媒体の記録部と未記録部の境界が切断される。このように、片面記録をおこなった記録媒体の記録部両端を切断することにより、余白のない記録物(縁なしの記録物)を提供することができる。
(両面記録)
プリンタ100は、外部装置から両面記録を指示する記録命令情報(両面印刷データ)を受信するまで待機し、両面印刷データを受信した場合に、両面記録にかかる記録動作を開始する。
プリンタ100は、両面印刷データを受信した場合、該当するモータドライバ604を駆動制御することにより、当該モータドライバ604に対応する用紙切り出しローラ220用のモータを駆動制御して、用紙切り出しローラ220を図2〜5における反時計回り方向に回転させる。
また、プリンタ100は、第2の用紙センサ223が用紙を検出すると、該当するモータドライバ604を駆動制御することにより、当該モータドライバ604に対応する用紙搬送ローラ218A、218C用のモータを駆動制御する。これにより、用紙搬送ローラ218A、218Cを所定方向に回転させる。
この場合、プリンタ100は、第2の記録媒体搬送経路217に設けられた用紙搬送ローラ218A、218Cを、当該第2の記録媒体搬送経路217における記録媒体が第2の記録媒体保持部216から第1の記録媒体搬送経路202へ向かって移動する方向に回転させる。これにより、第2の記録媒体保持部216が保持する記録媒体P(カット紙P2)が、第2の記録媒体保持部216から第2の記録媒体搬送経路217に引き出され、第2の記録媒体搬送経路217を経由して第1の記録媒体搬送経路202へ搬送される。
また、この場合、プリンタ100は、該当するモータドライバ604を駆動制御することにより、グリップローラ213を、第1の記録媒体搬送経路202における記録媒体が片面印刷物排出口104へ向かって移動する方向に回転させる。これにより、第2の記録媒体保持部216が保持する記録媒体P(カット紙P2)が、第2の記録媒体保持部216から開始位置(印刷開始位置)に到達するまで移動する。記録媒体を第2の記録媒体保持部216から引き出す際には、サーマルヘッド205はプラテン206から離間している。
つぎに、サーマルヘッド205をプラテン206側に移動し、サーマルヘッド205とプラテン206とによって記録媒体およびインクリボン207を挟持するとともに、用紙搬送ローラ218Bを離間させ、記録中の記録媒体に触れない位置に退避する。この状態で、第2の記録媒体保持部216から第1の記録媒体搬送経路202に引き出した記録媒体P(カット紙P2)を、第3の記録媒体搬送経路224に引き込む方向に搬送しながら、記録命令情報に基づいてサーマルヘッド205が備える発熱素子を選択的に発熱させる。これにより、発熱素子において発生した熱がインクリボン207に伝達され、当該インクリボン207に設けられた昇華性染料インクが記録媒体P(カット紙P2)に昇華転写され、記録媒体P(カット紙P2)の片面(表面)に対する記録動作をおこなうことができる。
そして、上記の片面記録の場合と同様にして、記録媒体P(カット紙P2)の片面(表面)に対してすべての色の記録動作をおこなった後、片面記録された記録媒体P(カット紙P2)の記録面に、オーバーコート層704を設ける。オーバーコート層704は、上記の片面記録の場合と同様に、記録動作をおこなった記録面の全面に設ける。記録媒体P(カット紙P2)の片面(表面)に対する記録動作が完了した後は、サーマルヘッド205とプラテン206とを離間させる。
つぎに、オーバーコート層704を設けた記録媒体P(カット紙P2)を、第3の記録媒体搬送経路224へ向かって搬送する方向に用紙搬送ローラ218B、218Cおよびグリップローラ213が回転するように、該当するモータドライバ604を駆動制御する。
そして、プリンタ100は、該当するモータドライバ604を駆動制御して、当該モータドライバ604に対応する用紙搬送ローラ218B、218Cおよびグリップローラ213を所定方向に回転させる。この場合、プリンタ100は、第3の記録媒体搬送経路224に引き込んだ記録媒体が、再び第1の記録媒体搬送経路202に供給される方向に、第3の記録媒体搬送経路224中に設けられた用紙搬送ローラ218B、218Cおよびグリップローラ213を回転させる。このとき、用紙搬送ローラ218Bは、記録媒体と接し、記録媒体を搬送できる位置となる。
記録媒体P(カット紙P2)は、第3の記録媒体搬送経路224を経由して、再び第1の記録媒体搬送経路202に供給されることによって、記録位置に対する表裏が反転される。プリンタ100は、表裏を反転されて第1の記録媒体搬送経路202に供給された記録媒体の先端が印刷開始位置に到達するまで、当該記録媒体P(カット紙P2)を、片面印刷物排出口104へ向かって搬送する。
つぎに、サーマルヘッド205をプラテン206側に移動し、サーマルヘッド205とプラテン206とによって再び第1の記録媒体搬送経路202に供給された記録媒体Pおよびインクリボン207を挟持するとともに、用紙搬送ローラ218Bを離間させ、記録中の記録媒体に触れない位置に退避する。この状態で、再び第1の記録媒体搬送経路202に供給した記録媒体Pを、第3の記録媒体保持部に引き込む方向に搬送しながら、記録命令情報に基づいてサーマルヘッド205が備える記録媒体Pの幅より多くの発熱素子を発熱させることにより、裏面に対して受容層703を設ける。これにより、記録媒体P(カット紙P2)の裏面における全記録領域に受容層703を設けることができる。そして、受容層703を設けた記録媒体P(カット紙P2)を、再び第1の記録媒体搬送経路202に供給する。
その後、再び第1の記録媒体搬送経路202に供給した、受容層703を設けた記録媒体P(カット紙P2)を、上記の表面に対する記録動作と同様に、第3の記録媒体保持部に引き込む方向に搬送しながら、記録命令情報に基づいてサーマルヘッド205が備える発熱素子を選択的に発熱させることにより、記録媒体P(カット紙P2)の裏面に対する記録動作をおこなう。そして、表面に対する記録動作と同様にして、裏面に対してオーバーコート層704を設ける。記録媒体P(カット紙P2)の裏面に対する記録動作が完了した後は、サーマルヘッド205とプラテン206とを離間させる。
つぎに、プリンタ100は、両面記録をおこなった記録媒体P(カット紙P2)が、当該記録媒体の先端が第1のカッタ機構212による切断位置を通過して、所定の位置まで引き出されるまで該当するモータドライバ604を駆動制御する。この状態で、第1のカッタ機構212における可動刃用のモータのモータドライバ604を駆動制御して、可動刃を動作させる。これにより、両面記録をおこなった記録媒体P(カット紙P2)の一端側の余白が記録物から切断される。この切断により生じた余白片は、第1の余白片収容部215に収容される。
つぎに、必要に応じて、該当するモータドライバ604を駆動制御してグリップローラ213を回転させ、記録媒体P(カット紙P2)をフラップ227の位置の切り換えに支障のない位置まで移動した後に、フラップ227の位置を切り換えるとともに、記録媒体P(カット紙P2)を、第4の記録媒体搬送経路226へ向かって搬送する方向に用紙搬送ローラ218D、218Eおよびグリップローラ213が回転するように、該当するモータドライバ604を駆動制御する。そして、一方の端部を切断した記録媒体P(カット紙P2)の他端が第2のカッタ機構228による切断位置を通過して、所定の位置に達するまで該当するモータドライバ604を駆動制御する。
この状態で、第2のカッタ機構228における可動刃用のモータのモータドライバ604を駆動制御して、可動刃を動作させる。これにより、両面記録をおこなった記録媒体P(カット紙P2)の両端の余白が記録物から切断される。この切断により生じた余白片は、第2の余白片収容部229に収容される。このように、両面記録をおこなった記録媒体P(カット紙P2)の両端の余白を記録物切断することにより、余白のない記録物(縁なしの記録物)を提供することができる。
なお、余白カットは上記シーケンスにとらわれることなく、カット紙P2の両端の余白を第2のカッタ機構で行ってもよい。その場合は、両面印刷終了後の記録媒体P2を、前記要領でフラップを切り換えて第4の記録媒体搬送経路226へ搬送し、先端の余白をカットする。つぎに記録媒体P2を一旦プリンタユニット101へ引き戻し、前記手順と同様に用紙の表裏を反転させてからプリンタユニット101まで記録媒体P2を搬送する。その後、再び記録媒体P2を第4の記録媒体搬送経路226へ搬送し、残されたもう一方の余白を切断することで実現できる。
(記録品質の差異)
図8は、従来の昇華型両面プリンタにおける記録動作を概略的に示す説明図である。図9は、この発明にかかる実施の形態のプリンタ100における記録動作を概略的に示す説明図である。図8および図9においては、いずれも、一方の面(たとえば表面)に対する記録動作をおこなった後に、他方の面(たとえば裏面)に対する記録動作をおこなう状況を示している。
図8および図9において、記録媒体Pは、基材801と、記録層802と、を備えている。基材801は、たとえば、紙などによって形成することができる。基材801は、長尺状をなすものであってもよく、サイズが規定されたシート状をなすものであってもよい。記録層802は、たとえば塩化ビニルと酢酸ビニルの共重合体などからなる受容層と、断熱層などから構成され、インクリボンの染料が効率的に拡散されるような構造となっている。
従来の昇華型両面プリンタは、両面記録にかかる裏面に対する記録動作に際して、表面と同様の記録動作をおこなう。表面に対する記録動作に際しては、記録媒体Pの裏面に当接するグリップローラ213が備える突起が当該裏面に押しつけられ、記録媒体P(カット紙P2)の裏面に突起の痕が生じる。
この状態で、記録媒体P(カット紙P2)の裏面に対して表面と同様の記録動作をおこなう場合、図8に示すように、裏面において突起の痕が生じている部分は、インクリボン207におけるインク層701(701Y、701M、701C)に接触しない。このため、突起の痕が生じている部分において、昇華性染料インクの転写抜けが生じてしまう。転写抜けは、グリップローラ213において突起が設けられている部分に当接した部分全体にわたって生じる。
これに対し、この発明にかかる実施の形態のプリンタ100によれば、両面記録にかかる裏面に対する記録動作に際して、裏面に対する記録動作に先立って、当該裏面に受容層703を設け、その後に表面と同様の記録動作をおこなう。裏面に対する記録動作に先立って、当該裏面に受容層703を設けることにより、グリップローラ213が備える突起が押しつけられることにより記録媒体P(カット紙P2)の裏面に生じた当該突起の痕(凹み)を、受容層703によって埋め、平滑な面にしてから記録動作をおこなうことができる。
上述した実施の形態においては、記録媒体Pにおけるいずれか一方の面(たとえば裏面)に受容層703を設ける場合に用いるインクリボン207、および、当該インクリボン207を用いるプリンタ100について説明したが、受容層703を備えるインクリボン207は、これに限るものではない。
受容層703を備えるインクリボンは、図示を省略するが、たとえば、複数色のインク層が面順次に塗布された単一のインクリボンでなくてもよい。具体的には、たとえば、転写可能な受容層のみが塗布されたリボンと、一般的な昇華性染料を含むインク層(オーバーコート層を含む)を備えるインクリボンとを組み合わせた構成であってもよい。この場合、記録媒体P(ロール紙P1、カット紙P2)の消費量にかかわらず、インクリボンを単独で交換できる機構としたり、サーマルヘッドを複数(たとえば2つ)備える構成のプリンタとすればよい。
上記のように、この発明にかかる実施の形態のプリンタ100は、以下に示す特徴を備える。すなわち、この発明にかかる実施の形態のプリンタ100は、ロール状に巻回された印画紙の一方の面に、インクリボン207のインクをサーマルヘッド205で熱転写することで任意の画像を印刷し、カット排出する一般的な熱転写プリンタ100(プリンタユニット101)と、前記プリンタ100(プリンタユニット101)にカットされた印画紙を供給でき、かつ、少なくとも1つ以上の給紙部と用紙の表裏を反転することができる用紙反転部をもつ給紙・用紙反転ユニット102と、を組み合わせることによって構成されているという特徴を備える。
これにより、この発明にかかる実施の形態のプリンタ100は、プリンタユニット101において保持する片面記録に適した記録媒体(片面印刷用印画紙)および給紙・用紙反転ユニット102において保持する両面記録に適した記録媒体(両面印刷用印画紙)に選択的に記録をおこなった記録物を得ることができる。
また、この発明にかかる実施の形態のプリンタ100は、片面記録した記録媒体P(カット紙P2)を、ループ形状をなす第3の記録媒体搬送経路224中を搬送することによって、記録部204の記録位置に対して当該記録媒体P(カット紙P2)の表裏を反転する機構(反転機構)によって、記録媒体P(カット紙P2)の表裏を入れ替えるという特徴を備える。
また、この発明にかかる実施の形態のプリンタ100は、記録媒体P(カット紙P2)をプリンタユニット101に供給する第2の記録媒体搬送経路217と、記録媒体P(カット紙P2)の表裏を反転するための第3の記録媒体搬送経路224と、の一部が兼ねられているという特徴を備える。
また、この発明にかかる実施の形態のプリンタ100は、給紙・用紙反転ユニット102側の用紙反転のためのループパスである第3の記録媒体搬送経路224に、記録媒体において記録動作がおこなわれる面を清掃(クリーニング)する機構を備えたという特徴を有する。
また、この発明にかかる実施の形態のプリンタ100は、給紙・用紙反転ユニット102が、第2の記録媒体保持部216が保持するシート状の記録媒体P(カット紙P2)を、一枚ずつに捌いて第2の記録媒体搬送経路217に供給するシート供給機構219と、シート状の記録媒体P(カット紙P2)の両端に位置する余白を切断する第2のカッタ機構228と、を備えたという特徴を有する。
シート状の記録媒体P(カット紙P2)を用いた両面記録に際して、記録面の全面に記録がなされた縁無しの記録物を得るためには、記録媒体において搬送方向の先端および後端となる両端の余白をカットする必要がある。従来、適切な長さにカットして使用する長尺状の記録媒体P(ロール紙P1)を記録対象として設計された一般的なプリンタ100は、切断する前の長い状態の記録媒体P(ロール紙P1)を把持することによって切断する位置を決定する構造とされているが、長さが限定されているシート状の記録媒体P(カット紙P2)の両端を精度よく切断することは難しい。
これに対し、この発明にかかる実施の形態のプリンタ100は、給紙・用紙反転ユニット102側に余白を切断するための第2のカッタ機構228と両面印刷物排出口105とを備えたことを特徴としているため、シート状の記録媒体P(カット紙P2)を用いた記録動作に際して、当該記録媒体P(カット紙P2)における余白の切断時に、当該記録媒体P(カット紙P2)を固定し、高精度に切断することができるという特徴を備える。
また、この発明にかかる実施の形態のプリンタ100は、給紙・用紙反転ユニット102が備えるカッタの下部に、カットした余白片を収容できる収容箱を備えたという特徴を有する。また、この発明にかかる実施の形態のプリンタ100は、片面記録をおこなった記録物と両面記録をおこなった記録物とを、それぞれ異なる排出口(片面印刷物排出口104および両面印刷物排出口105)から排出するという特徴を備えている。
また、この発明にかかる実施の形態のプリンタ100は、給紙・用紙反転ユニット102側に設けられた第2のカッタ機構228による切断位置と、プリンタ100におけるグリップローラ213との距離が、記録媒体P2への両面印刷で対応する最短印画物の長さより短く設定されていることを特徴としている。これにより、グリップローラ213を用いて、両面記録に際しての記録媒体の余白を精度良く切断することができる。
また、この発明にかかる実施の形態のプリンタ100は、プリンタユニット101と給紙・用紙反転ユニット102との連結部に位置決めのための形状を備えたという特徴を備えている。また、この発明にかかる実施の形態のプリンタ100は、給紙・用紙反転ユニット102の用紙搬送ローラ218Bが、記録動作中は記録媒体に触れない位置に退避しており、記録媒体を反転する際には搬送できる位置へ動くことを特徴としている。印刷中に用紙にローラが触れると印画ムラになってしまうが、このプリンタ100のように給紙・用紙反転ユニット102の用紙搬送ローラ218Bを退避させることにより、印画ムラの発生を防止して、高品質の印画物を得ることができる。
また、この発明にかかる実施の形態のプリンタ100は、給紙・用紙反転ユニット102に、用紙の幅方向の位置調整部をもつことを特徴としている。すなわち、左右印画位置を合わせるとともに、用紙の給紙角度も修正してからプリンタ100へ給紙することができるので、左右印画位置のばらつきを抑制し、高品質の記録物を得ることができる。
また、この発明にかかる実施の形態のプリンタ100は、第2の記録媒体保持部216が保持するシート状の記録媒体P(カット紙P2)を第2の記録媒体搬送経路217に供給する動作(切り出し動作)と、第2の記録媒体搬送経路217に供給した(切り出した)記録媒体P(カット紙P2)を給紙・用紙反転ユニット102からプリンタユニット101へ搬送する動作と、を1つのモータでおこない、記録媒体P(カット紙P2)の切り出し動作と、切り出した用紙を給紙・用紙反転ユニット102からプリンタユニット101へ供給する動作とを1つのモータでおこなうとともに、当該モータの回転方向により各々の動作を選択的におこなうことができるという特徴を備える。
また、この発明にかかる実施の形態のプリンタ100は、用紙搬送ローラ218Bが、記録動作中には記録媒体に触れず、記録媒体の搬送に際しては当該記録媒体を搬送できる位置まで移動するための動作を、用紙搬送ローラ218Bに駆動力を付与するモータでおこなうという特徴を備える。
また、この発明にかかる実施の形態のプリンタ100は、第3の記録媒体搬送経路224と第4の記録媒体搬送経路226とを切り替えるためのフラップ機構が設けられており、そのフラップ機構の駆動が、排出側に設けられた用紙搬送ローラ218D、218Eの駆動をおこなうモータで兼ねることができるという特徴を備える。
また、この発明にかかる実施の形態のプリンタ100は、給紙・用紙反転ユニット102側は、プリンタユニット101に設けられた電源から電力を受けて動作するという特徴を備える。プリンタ100において、最も電力を要する記録動作中は、給紙・用紙反転ユニット102の動きは少ない。この発明にかかる実施の形態のプリンタ100は、プリンタユニット101に設けられた電源から給紙・用紙反転ユニット102へ電力を供給することにより、記録動作中は少なくなる給紙・用紙反転ユニット102の動きを考慮し、プリンタユニット101側の電源を増やすことなく、給紙・用紙反転ユニット102が消費する電力を賄うことができるという特徴を備える。このように、プリンタユニット101と給紙・用紙反転ユニット102とにおいて電源を共通で使用することにより、プリンタ100の構成を簡易(シンプル)にすることができ、プリンタ100の小型化や製造にかかるコスト低減を図ることができる。
また、この発明にかかる実施の形態のプリンタ100は、給紙・用紙反転ユニット102側の制御をプリンタユニット101のマイクロコンピュータ601(コントロール基板)でおこなうという特徴を備える。給紙・用紙反転ユニット102の制御は、プリンタユニット101の制御と比較して簡易な制御であり、この給紙・用紙反転ユニット102の制御をプリンタユニット101のマイクロコンピュータ601によっておこなうことにより、給紙・用紙反転ユニット102を専用に駆動する制御基板を設けることなく、給紙・用紙反転ユニット102の動作をコントロールすることができる。また、このように、プリンタユニット101と給紙・用紙反転ユニット102とにおいて制御にかかるマイクロコンピュータ601を共通で使用することにより、プリンタ100の構成を簡易(シンプル)にすることができ、プリンタ100の小型化や製造にかかるコスト低減を図ることができる。
また、この発明にかかる実施の形態のプリンタ100は、用紙パスを構成するガイド部材のうち、一部が開閉可能な構造となっており、用紙ジャム時など、復旧作業が容易になるように構成されており、そのガイド部材が、プリンタ100の前面からアクセス可能な場所に設けられていることを特徴とする。
また、この発明にかかる実施の形態のプリンタ100は、用紙切り出しローラ220の材質がシリコンゴムであるという特徴を備える。両面用の記録媒体を想定した場合、記録動作前の受像紙の写真となる面にローラが接触する。たとえば、EPDM(エチレン・プロピレンゴム)などのローラ材質では、ローラ中の可塑剤が受像紙に影響を及ぼし(受容層を軟化させるなどして)、濃度ムラになることがある。これに対し、この発明にかかる実施の携帯のプリンタ100は、用紙切り出しローラ220が接触することによる濃度ムラの発生を抑制することができる。
また、この発明にかかる実施の形態のプリンタ100は、用紙搬送ローラ218のうち、印画品質に影響のあるローラの材質がシリコンゴムであるという特徴を備える。また、この発明にかかる実施の形態のプリンタ100は、用紙切り出し部の、分離機構に用いられ、受像紙表面と接触する摩擦材の材質がシリコンゴムであるという特徴を備える。これらにより、用紙切り出しローラ220の場合と同様に、用紙搬送ローラ218や用紙分離部(摩擦シート)221に接触することによる濃度ムラの発生を抑制することができる。
また、この発明にかかる実施の形態のプリンタ100は、用紙切り出しローラ220、用紙搬送ローラ218のうち必要なローラ、および用紙分離部(摩擦シート)221の表面が平滑でないという特徴を備える。具体的に、用紙切り出しローラ220、用紙搬送ローラ218のうち必要なローラ、および用紙分離部(摩擦シート)221の表面に、たとえば、エンボス加工、像肌加工などを施すことにより表面が平滑でなくなるようにしている。
平滑な面では摩擦力が安定しにくい。より具体的には、摩擦材の表面が平滑な場合、きれいな面同士が接触すると非常に大きな摩擦が生じるが、紙粉などにより急激に摩擦力が小さくなってしまう。凹凸を持つ表面の摩擦材では紙粉の影響が小さくなり、安定した摩擦力が得られる。
これに対して、この発明にかかる実施の形態のプリンタ100は、摩擦力を安定化し、安定した搬送をおこなうことができる。
また、この発明にかかる実施の形態のプリンタ100は、シート状の記録媒体P(カット紙P2)に代えて、給紙・用紙反転ユニット102において、ロール状の記録媒体P(ロール紙P1)を保持するとともに、当該ロール紙P1を所定の長さに切断してから給紙する構造としてもよい。
また、この発明にかかる実施の形態のプリンタ100は、記録媒体の表裏を反転する第3の記録媒体搬送経路224に、たとえば溶融型インクや転写箔などを転写する熱転写ユニットを設けるようにしてもよい。また、プリンタユニット101は、一般的なYMC(オーバーコート)面順次リボンを用いた記録部とし、記録媒体(裏面)への受容層転写のみをおこなう熱転写ユニットを第3の記録媒体搬送経路224に設けてもよい。この場合、記録媒体の搬送は、前記熱転写ユニットのプラテンによっておこなってもよい。
インク層の色ごとに記録動作をおこなう、いわゆるYMC面順次印刷をおこなうプリンタでは、色ずれが起きやすい。このため、YMC面順次印刷をおこなうプリンタではグリップローラ213による搬送が必須であり、この発明にかかる実施の形態のプリンタ100は、位置精度要求が低い用途では前記熱転写ユニットのプラテンによって記録媒体を搬送することにより、搬送ローラの突起による印画物の品質低下が2重に発生することを防止することができる。
以上説明したように、この発明にかかる実施の形態のプリンタ100は、第1の記録媒体保持部201あるいは第2の記録媒体保持部216が保持する記録媒体P(ロール紙P1、カット紙P2)に対して、記録部204によって昇華転写方式の記録動作をおこなう際に、外周方向に突出した突起を有するグリップローラ213と、当該グリップローラ213に対向するピンチローラ214とから構成されるローラ対によって記録媒体P(ロール紙P1、カット紙P2)を挟持することによって、記録部204の記録位置に対する記録媒体P(ロール紙P1、カット紙P2)の位置を制御する。そして、この発明にかかる実施の形態のプリンタ100は、記録部204によって片面に記録動作がおこなわれた記録媒体の表裏を反転した後に、記録対象となる記録媒体P(カット紙P2)に対して受容層703を形成するようにしたことを特徴としている。
この発明にかかる実施の形態のプリンタ100によれば、ローラ対によって記録位置に対する記録媒体の位置を制御することにより、多色記録に際して色ごとに記録位置がずれる、いわゆる色ずれの発生を防止することができる。
また、この発明にかかる実施の形態のプリンタ100によれば、両面記録に際して、表裏を反転した後の記録媒体における記録対象となる面に受容層を形成することにより、記録対象となる面を平滑化した後に記録動作をおこなうことができる。
これにより、この発明にかかる実施の形態のプリンタ100によれば、色ずれを防止するとともに、色ずれを防止するためにローラ対により記録媒体を挟持することによって記録媒体の裏面に生じた凹凸に起因する転写抜けをなくし、記録媒体の両面に対して良好にインクを昇華転写させることができるので、記録媒体の両面において高い記録品質を確保することができる。
そして、これにより、この発明にかかる実施の形態のプリンタ100によれば、両面記録に際して、先におこなった記録動作に際して裏面に生じた凹凸による転写抜け部分を目立たなくするために裏面をマット調にするなどの、裏面に表面とは異なる加工を施す必要をなくすことができ、記録媒体の両面を同等の品質で仕上げた記録物を得ることができる。
また、この発明にかかる実施の形態のプリンタ100は、記録媒体P(カット紙P2)における記録対象となる面(裏面)の全面に受容層703を形成することを特徴としている。これにより、この発明にかかる実施の形態のプリンタ100によれば、記録媒体P(カット紙P2)における記録対象となる面の全面に受容層703を形成することにより、受容層703を形成することによって記録対象となる面に段差が生じることを防止し、記録媒体P(カット紙P2)における記録対象となる面(たとえば裏面)の全面を平滑化した後に記録動作をおこなうことができる。
これにより、この発明にかかる実施の形態のプリンタ100によれば、記録媒体P(カット紙P2)の裏面に生じた凹凸や段差に起因する転写抜けをなくし、記録媒体P(カット紙P2)の両面に対して良好にインクを昇華転写させることができるので、記録媒体P(カット紙P2)の両面において高い記録品質を確保することができる。
また、この発明にかかる実施の形態のプリンタ100は、昇華転写方式による記録動作をおこない、サーマルヘッドが備える複数の発熱素子に通電することにより受容層703を記録媒体P(カット紙P2)に転写することによって、記録媒体P(カット紙P2)の裏面に受容層703を形成することを特徴としている。
これにより、この発明にかかる実施の形態のプリンタ100によれば、記録動作に用いるサーマルヘッドを利用して受容層を形成することができる。そして、これにより、この発明にかかる実施の形態のプリンタ100によれば、受容層703を形成するための専用の機構を設ける場合と比較して、プリンタの小型化を図ることができる。
また、この発明にかかる実施の形態のプリンタ100は、記録媒体P(ロール紙P1、カット紙P2)の両面に対して受容層703を形成するようにしてもよい。この場合、記録媒体P(ロール紙P1、カット紙P2)の両面に対して受容層703を形成することにより、記録対象となる面を確実に平滑化した後に記録動作をおこなうことができる。
これにより、この発明にかかる実施の形態のプリンタ100によれば、グリップローラの突起により記録媒体の裏面に生じた凹凸にかかわらず、記録対象となる面における凹凸に起因する転写抜けをなくし、記録媒体の両面に対して良好にインクを昇華転写させることができ、記録媒体の両面において高い記録品質を確保することができる。
以上のように、この発明にかかるプリンタは、記録媒体の両面への記録が可能なプリンタに有用であり、特に、昇華転写方式による記録動作をおこなうことによって記録媒体の両面への記録が可能なプリンタに適している。
100 プリンタ
101 プリンタユニット
102 給紙・用紙反転ユニット
201 第1の記録媒体保持部
202 第1の記録媒体搬送経路
204 記録部
205 サーマルヘッド
206 プラテン
207 インクリボン
212 第1のカッタ機構
213 グリップローラ
214 ピンチローラ
216 第2の記録媒体保持部
217 第2の記録媒体搬送経路
218 用紙搬送ローラ
224 第3の記録媒体搬送経路
226 第4の記録媒体搬送経路
228 第2のカッタ機構
P、P1、P2 記録媒体

Claims (3)

  1. 記録媒体を保持する記録媒体保持部と、
    前記記録媒体保持部が保持する記録媒体を当該記録媒体保持部から記録媒体排出位置に至る記録媒体搬送経路に引き出し、引き出した記録媒体を記録媒体搬送経路中を搬送するとともに、搬送する記録媒体に対して昇華転写方式の記録動作をおこなう記録手段と、
    前記記録手段によって片面に記録動作がおこなわれた記録媒体を、当該記録媒体の表裏を前記記録手段による記録位置に対して反転した後に前記記録媒体搬送経路に供給する反転手段と、
    前記記録手段による記録動作中の記録媒体の記録面の裏面に当接する、外周方向に突出した突起を有する第1のローラと、当該第1のローラに対向する第2のローラとから構成されるローラ対によって、前記記録媒体搬送経路中を搬送される記録媒体を挟持することにより、前記記録位置に対する当該記録媒体の位置を制御する位置制御手段と、
    前記反転手段が表裏を反転した後に前記記録媒体搬送経路に供給した記録媒体の前記第1のローラの突起が当接したことによって発生した当該突起の痕を有する裏面に対して、前記記録手段が昇華転写するインクを受容する受容層を形成する受容層形成手段と、
    を備えたことを特徴とするプリンタ。
  2. 前記受容層形成手段は、前記記録媒体における記録対象となる面の全面に前記受容層を形成することを特徴とする請求項1に記載のプリンタ。
  3. 前記記録手段は、複数の発熱素子を有するサーマルヘッドを備え、記録情報に基づいて前記複数の発熱素子に選択的に通電し、インクリボンに設けられた熱昇華型のインクを前記記録媒体に昇華転写することによって記録動作をおこない、
    前記受容層形成手段は、前記サーマルヘッドが備える複数の発熱素子に通電することにより前記インクリボンに設けられた受容層を前記記録媒体に転写することによって前記受容層を形成することを特徴とする請求項1または2に記載のプリンタ。
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