[go: up one dir, main page]

JP6047923B2 - 可変ピッチプロペラ制御装置および可変ピッチプロペラ制御装置を搭載した船舶ならびに可変ピッチプロペラ制御方法 - Google Patents

可変ピッチプロペラ制御装置および可変ピッチプロペラ制御装置を搭載した船舶ならびに可変ピッチプロペラ制御方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6047923B2
JP6047923B2 JP2012112523A JP2012112523A JP6047923B2 JP 6047923 B2 JP6047923 B2 JP 6047923B2 JP 2012112523 A JP2012112523 A JP 2012112523A JP 2012112523 A JP2012112523 A JP 2012112523A JP 6047923 B2 JP6047923 B2 JP 6047923B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
variable pitch
pitch propeller
propeller
control
prediction
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2012112523A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2013237392A (ja
Inventor
克治 谷澤
克治 谷澤
道雄 上野
道雄 上野
平田 宏一
宏一 平田
泰士 北川
泰士 北川
直哉 梅田
直哉 梅田
宏 板澤
宏 板澤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
KAMOME PROPELLER CO., LTD.
Osaka University NUC
National Institute of Maritime Port and Aviation Technology
Original Assignee
KAMOME PROPELLER CO., LTD.
Osaka University NUC
National Institute of Maritime Port and Aviation Technology
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by KAMOME PROPELLER CO., LTD., Osaka University NUC, National Institute of Maritime Port and Aviation Technology filed Critical KAMOME PROPELLER CO., LTD.
Priority to JP2012112523A priority Critical patent/JP6047923B2/ja
Publication of JP2013237392A publication Critical patent/JP2013237392A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6047923B2 publication Critical patent/JP6047923B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Control Of Vehicle Engines Or Engines For Specific Uses (AREA)

Description

本発明は、可変ピッチプロペラ(Controllable Pitch Propeller 以下、適宜CPPと記す。)装備船において、CPP翼角制御の応答遅れにより生じる問題を抑制することができる可変ピッチプロペラ制御装置、当該装置を搭載した船舶および可変ピッチプロペラ制御方法に関する。
特許文献1には、エンジンの負荷または出力を増加させる際に発生する煙の量を減少させることを目的として、(1)最初に一定出力のもとでプロペラのピッチを減少させ、エンジンおよび可変ピッチプロペラの回転速度を増加させる、(2)次いで、エンジンの出力を増加させるとともに、ほぼ一定の回転速度を維持するために、プロペラのピッチを増加させる、(3)エンジンの出力をプロペラ効率が最適値に達するまで増加させる、(4)出力増加の必要性に応じて(1)〜(3)の操作を繰り返す可変ピッチ・プロペラ及びディーゼルエンジンの燃料噴射制御方法が記載されている。
特許文献2には、船舶推進装置において、主機の燃料消費効率を最適に保つことができるように、ガバナ制御とプロペラピッチ制御手段等を総合的に制御する構成が記載されている。
特許文献3には、波浪等の影響によるプロペラ流入速度の変動に合わせて効率の高い回転数で主機を運転して燃費の向上を図ることを目的として、プロペラ流入速度把握手段と、主機の回転数を制御する回転数制御手段と、プロペラ流入速度の変動に合わせて目標回転数の修正を行う修正手段とを備え、修正手段は、プロペラ流入速度の変動に対して、効率線図上、効率が低下しない経路に沿って制御ポイントの移動を図り目標回転数を修正する舶用エンジン制御システムが記載されている。
特許文献4には、海象に合わせたガバナ制御を行い、主機の燃料消費を抑えることを目的として、主機の制御を複数の制御モードの下で行う制御手段と、主機の制御における制御量を検出する制御量検出手段と、船速および航海領域の波浪情報を用いて推定される制御量の変動量と、検出された制御量とに基づいて制御モードの選択を行うモード選択手段とを備えた主機制御システムが記載されている。
特開平7−149287号公報 特開平8−239093号公報 特開2010−236463号公報 特開2011−214471号公報
可変ピッチプロペラ装備船のCPP翼角制御においては、駆動方式による程度の差はあるものの指令値に対する応答遅れが存在する。このため、その精度を向上させ波浪により生じる負荷変動に推進系を追従させるためには、この応答遅れを考慮した上でCPP翼角を制御することが好ましい。しかし、特許文献1〜4に記載の発明はいずれも、直近の計測データを入力値として用いるものであり、CPP翼角の応答遅れについて何ら考慮されていない。
そこで、本発明は、CPP翼角制御において、CPP翼角の駆動における指令値に対する応答遅れを考慮することにより、特に波浪中における負荷変動の抑制による主機トラブルの減少や、最適制御理論等に基づくエネルギー消費量抑制等を実現することができる、可変ピッチプロペラ制御装置、当該装置を搭載した船舶および可変ピッチプロペラ制御方法を提供することを目的としている。
請求項1に記載の本発明の可変ピッチプロペラ制御装置は、船体を駆動する原動機としての主機と、前記主機により駆動軸を介して駆動される可変ピッチプロペラと、前記可変ピッチプロペラの運転条件を設定する運転条件設定手段と、前記可変ピッチプロペラへの水の流入速度を、リアルタイムで求めたリアルタイム流入速度に基づいて少なくとも前記可変ピッチプロペラの駆動系の時間遅れを考慮して設定した予測先時間における予測流入速度として予測するプロペラ流入速度予測手段と、前記運転条件設定手段により設定された運転条件と前記プロペラ流入速度予測手段で予測した前記予測流入速度に基づいて前記可変ピッチプロペラを制御する制御手段を備えたことを特徴とする。
上記の構成により、プロペラ流入速度予測手段による予測結果を用いて可変ピッチプロペラを制御して、可変ピッチプロペラのCPP翼角制御における応答遅れによる影響を抑制することができる。
請求項2に記載の本発明は、請求項1に記載の可変ピッチプロペラ制御装置において、前記プロペラ流入速度予測手段による前記予測流入速度の予測は、前記流入速度をリアルタイムで計測するために設けたリアルタイム計測手段の計測結果に基づく予測であることを特徴とする。
上記の構成により、リアルタイム計測手段により得られた計測結果に基づいて予測された流入速度を用いて、可変ピッチプロペラの応答遅れを考慮した制御を行うことができる。
請求項3に記載の本発明は、請求項2に記載の可変ピッチプロペラ制御装置において、前記リアルタイム計測手段は、前記駆動軸のトルク計測が可能な軸馬力計であることを特徴とする。
請求項4に記載の本発明は、請求項2に記載の可変ピッチプロペラ制御装置において、前記リアルタイム計測手段は、前記駆動軸のスラスト計測が可能な軸馬力計であることを特徴とする。
上記の構成により、軸馬力計により駆動軸のトルク計測、スラスト(推力)計測のリアルタイム計測により得られた計測結果に基づいて流入速度を予測することができる。
請求項5に記載の本発明は、請求項3または請求項4に記載の可変ピッチプロペラ制御装置において、前記予測流入速度の予測に当たって、前記可変ピッチプロペラの単独性能曲線と前記主機の回転数と前記可変ピッチプロペラのピッチ角を利用したことを特徴とする。
上記の構成により、可変ピッチプロペラの単独性能曲線と主機の回転数とピッチ角とを利用して、可変ピッチプロペラへの水の流入速度を容易に予測することができる。
請求項6に記載の本発明は、請求項2に記載の可変ピッチプロペラ制御装置において、前記船体にさらに相対水位計測手段および/または入射波計測手段と船体運動計測手段を備え、前記予測流入速度の予測に当たって前記相対水位計測手段および/または前記入射波計測手段と前記船体運動計測手段の計測結果を利用したことを特徴とする。
上記の構成により、相対水位計測手段および/または入射波計測手段により計測された波と、船体運動計測手段により計測された船体運動とから、プロペラ流入速度の変動に関する情報を得ることができる。
請求項7に記載の本発明は、請求項1から請求項6のうちの1項に記載の可変ピッチプロペラ制御装置において、前記制御手段は、前記主機のエネルギー消費量が最小となるように前記可変ピッチプロペラのピッチ角を制御したことを特徴とする。
請求項8に記載の本発明は、請求項7に記載の可変ピッチプロペラ制御装置において、前記ピッチ角の制御の前後において前記船体の速度が一定に保たれるように制御したことを特徴とする。
請求項9に記載の本発明は、請求項8に記載の可変ピッチプロペラ制御装置において、前記船体の速度は、海象を考慮したものであることを特徴とする。
上記の構成により、CPP翼角制御における応答遅れの影響をふまえた上、エネルギー消費量が最小となるように制御することができる。船体の速度を下げれば、通常、エネルギー消費量をも下げることができるが、船体の速度を一定に保つ必要がある場合、この条件下において応答遅れの影響をふまえた上で、主機のエネルギー消費量が最小となるよう制御を行うこともできる。なお、「船体の速度を一定に保つ」とは、CPP翼角の制御の前後において、速度を厳密に一定に維持すること、あるいは目標とする速度の周辺で平均的に維持することをいう。
請求項10に記載の本発明は、請求項1から請求項6のうちの1項に記載の可変ピッチプロペラ制御装置において、前記制御手段は、前記駆動軸の軸トルクの変動を平滑化するように前記可変ピッチプロペラを制御したことを特徴とする。
請求項11に記載の本発明は、請求項10に記載の可変ピッチプロペラ制御装置において、前記運転条件設定手段で前記軸トルクの目標値を設定し、前記軸トルクの目標値に近づけるように平滑化をおこなったことを特徴とする。
請求項12に記載の本発明は、請求項1から請求項6のうちの1項に記載の可変ピッチプロペラ制御装置において、前記制御手段は、前記駆動軸のスラストの変動を平滑化するように前記可変ピッチプロペラを制御したことを特徴とする。
請求項13に記載の本発明は、請求項12に記載の可変ピッチプロペラ制御装置において、前記運転条件設定手段で前記スラストの目標値を設定し、前記スラストの目標値に近づけるように平滑化をおこなったことを特徴とする。
上記の構成により、軸トルクまたはスラストの変動を抑制するように制御して、主機負荷変動を抑制することができる。
請求項14に記載の本発明は、請求項1から請求項6のうちの1項に記載の可変ピッチプロペラ制御装置において、前記制御手段は、前記予測流入速度の予測結果に基づいて前記可変ピッチプロペラのプロペラ効率が最大となる包絡線に沿うように前記可変ピッチプロペラのピッチ角を制御したことを特徴とする。
請求項15に記載の本発明は、請求項14に記載の可変ピッチプロペラ制御装置において、前記包絡線は、ピッチ角毎に求めた前記可変ピッチプロペラのプロペラ単独性能曲線群について、プロペラ効率がプロペラ前進定数に対して最大となるピッチ角を結んだ包絡線であることを特徴とする。
上記のようにピッチ角を制御することにより、可変ピッチプロペラのプロペラ効率を最大化することができる。
請求項16に記載の本発明の船舶は、請求項1から請求項15のうちの1項に記載の可変ピッチプロペラ制御装置を搭載したものであることを特徴とする。
上記の構成により、上述した可変ピッチプロペラ制御装置同様の作用を船舶として奏することができる。
請求項17に記載の本発明の可変ピッチプロペラ制御方法は、船体を駆動する原動機としての主機により駆動軸を介して駆動される可変ピッチプロペラの運転条件を設定する設定ステップと、前記可変ピッチプロペラへの水の流入速度を、リアルタイムで求めたリアルタイム流入速度に基づいて少なくとも前記可変ピッチプロペラの駆動系の時間遅れを考慮して設定した予測先時間における予測流入速度として予測する予測ステップと、前記設定ステップにおいて設定された運転条件と前記予測ステップで予測した前記予測流入速度に基づいて前記可変ピッチプロペラを制御する制御ステップを備えたことを特徴とする。
上記の構成により、予測ステップにおいて得られた予測結果を用いて可変ピッチプロペラを制御することにより、翼角制御における応答遅れによる影響を抑制することができる。
請求項18に記載の本発明は、請求項17に記載の可変ピッチプロペラ制御方法において、前記予測ステップにおける水の前記予測流入速度の予測は、前記可変ピッチプロペラへの水の流入速度のリアルタイム計測結果に基づく予測であることを特徴とする。
請求項19に記載の本発明は、請求項18に記載の可変ピッチプロペラ制御方法において、前記リアルタイム計測結果に基づく予測は、時系列解析手法または周波数解析手法に基づいておこなったことを特徴とする。
請求項20に記載の本発明は、請求項19に記載の可変ピッチプロペラ制御方法において、前記時系列解析手法は、時系列モデルおよび前記時系列モデルのモデル同定法によって構成されていることを特徴とする。
請求項21に記載の本発明は、請求項20に記載の可変ピッチプロペラ制御方法において、前記モデル同定法は、バーグ(Burg)法、ユールウォーカー(Yule Walker)法、ハウスホルダー(House Holder)法、パルコ(PARCOR)法、カルマンフィルタのいずれかから選択されたことを特徴とする。
請求項22に記載の本発明は、請求項19に記載の可変ピッチプロペラ制御方法において、前記周波数解析手法は、高速フーリエ変換法および逆高速フーリエ変換法によって構成されていることを特徴とする。
上記の構成により、予測ステップにおける水の流入速度を精度良く予測することができる。
請求項23に記載の本発明は、請求項17から請求項22のうちの1項に記載の可変ピッチプロペラ制御方法において、前記制御ステップにおける前記可変ピッチプロペラの制御は、前記主機のエネルギー消費量が最小となる制御、前記駆動軸の軸トルク変動を平滑化する制御、前記駆動軸のスラスト変動を平滑化する制御、前記可変ピッチプロペラのプロペラ効率が最大となる包絡線に沿うように前記可変ピッチプロペラのピッチ角を制御する制御のうちから選択されることを特徴とする。
請求項24に記載の本発明は、請求項23に記載の可変ピッチプロペラ制御方法において、前記エネルギー消費量が最小となる制御において、前記ピッチ角を制御する制御方法は、制御の前後において船体の速度を一定に保った上で、前記エネルギー消費量が最小となることを目的とした最適制御理論によって得られる制御解に基づくことを特徴とする。
請求項25に記載の本発明は、請求項24に記載の可変ピッチプロペラ制御方法において、前記制御解は、船体運動モデルと主機応答モデルとプロペラトルクモデルが前記制御解の導出過程において考慮されていることを特徴とする。
請求項26に記載の本発明は、請求項25に記載の可変ピッチプロペラ制御方法において、前記船体運動モデルは、船体抵抗、操縦運動による流体力、プロペラ推力、舵力、波浪外力を外力項として含むことを特徴とする。
請求項27に記載の本発明は、請求項25または請求項26に記載の可変ピッチプロペラ制御方法において、前記主機応答モデルは、前記主機の調速モデル、前記主機のトルク発生機構、前記駆動軸の応答モデルを含むことを特徴とする。
請求項28に記載の本発明は、請求項27に記載の可変ピッチプロペラ制御方法において、前記エネルギー消費量は、前記調速モデルの中に組み込まれ、前記制御解の計算時に評価される変数であることを特徴とする。
上記の構成により、主機の負荷変動の抑制やエネルギー消費量の抑制やエネルギー消費量を最小とすることができる。
本発明の可変ピッチプロペラ制御装置は、プロペラ流入速度予測手段による予測結果を用いてCPP翼角制御における応答遅れの影響を抑制することにより、特に波浪中における負荷変動の抑制による主機トラブルの減少、最適制御理論等に基づくエネルギー消費量抑制等を実現することが可能となる。また、駆動軸のトルク計測、スラスト計測により得られたリアルタイムでの計測結果に基づいて流入速度を予測することにより、応答遅れの影響を考慮した精度の良い制御が可能となる。
また、相対水位計測手段および/または入射波計測手段と、船体運動計測手段による計測結果から得られた、可変ピッチプロペラへの入射波に関する情報を用いれば、流入速度の予測精度をさらに向上させることが可能となる。
また、最適制御理論等に基づいて主機のエネルギー消費量が最小となるように可変ピッチプロペラのピッチ角を制御すれば、エネルギー消費量を最小となるように抑制することが可能となる。
また、ピッチ角の制御の前後において船体の速度を一定に保ったり、船体の速度を海象を考慮して制御することにより、船体の運航の実態に基づいた上で主機のエネルギー消費量が最小となるよう制御を行うことができる。また、制御手段により、軸トルクまたはスラストの変動を平滑化して主機負荷変動を抑制すれば、主機の負荷変動を抑制し、主機トラブルを減少することが可能となる。
また、プロペラ効率が最大となる包絡線に沿うように可変ピッチプロペラのピッチ角を制御すれば、例えば、プロペラ前進定数が変わってもエネルギー消費量をさらに小さく抑制することができる。
本発明の船舶は、本発明の可変ピッチプロペラ制御装置を搭載しているから、船舶として上述した可変ピッチプロペラ制御装置と同様の効果を奏することが可能である。
本発明の可変ピッチプロペラ制御方法は、CPP翼角制御における応答遅れの影響を抑制し、上述した本発明の可変ピッチプロペラ制御装置と同様の効果を奏することが可能である。
本発明の第1の実施形態に係る可変ピッチプロペラ制御装置の概略構成を示す機能ブロック図 プロペラオープンテストにより得られた特性としての単独性能曲線の一例を示す(a)スラスト常数と呼ばれるプロペラスラストの無次元値のグラフ、(b)トルク常数と呼ばれるプロペラトルクの無次元値のグラフ 流入速度の予測計算の一例を示すグラフ、(a)予測先時間:2.5秒後、(b)予測先時間:5.0秒後 プロペラ効率最大の包絡線の一例を示すグラフ 本発明の第2の実施形態に係る可変ピッチプロペラ制御方法のフローチャート
まず、CPP翼角自動制御法として既存例数点の概要を紹介して、現状技術の問題点について説明する。
既存例の一つとして自動船速調整機能を用いた制御法が挙げられる。これは設定した船速を保持するようにCPP翼角ならびに主機回転数を自動調整する制御法である。
また、他の既存例として、自動負荷制御機能を用いた制御法が挙げられる。これは主機が負荷状態となれば、CPP翼角を調整して主機への負荷を減ずる制御方法である。この制御法では、燃料投入量と主機回転数の計測値を用いてフィードバックを行う。
CPP翼角自動制御法は上記の制御法以外にも存在するが、上記を含めたいずれの制御法も直近の計測データを入力としたフィードバック制御である。そもそも、CPP翼角変節軸駆動系は、駆動方式による程度の差はあれど、指令値に対していくらかの応答遅れが存在する。
しかし、従来のCPP翼角自動制御は、指令値に対する応答遅れ分の時間が考慮されておらず、目標値に対してCPP翼角の追従性が必ずしも満足できるものではなかった。そこで、本発明の発明者らは、計測データの未来値を事前に予測し、CPP翼角制御における応答遅れ分の時間遅れを解消することを発明した。この解消により、例えば、出会い波によって時々刻々変動するプロペラ流入速度に対応したCPP翼角制御が追従性を問題とせず可能となる。したがって、主機のトルク変動抑制による主機トラブル抑制や、燃料消費量抑制等を従来の制御方法よりも高い効果で実現することができる。
(第1の実施形態)
本発明を可変ピッチプロペラ制御装置として実施する形態について、図面を参酌しつつ以下に説明する。
図1は、本形態に係る可変ピッチプロペラ制御装置の概略構成を示す機能ブロック図である。同図に示すように、可変ピッチプロペラ制御装置10は、主機11、主機11により駆動軸12を介して駆動される可変ピッチプロペラ13、運転条件設定手段14、プロペラ流入速度予測手段15、制御手段16および軸馬力計(リアルタイム計測手段)17を備えている。
主機11は、船体18を駆動する原動機である。ここで、「原動機」とは、火力、電力等のエネルギーを機械的エネルギーに変換する機関をいい、原動機にはエンジンやモータ(電動機)等が含まれる。主機11の回転数は、軸回転数計測手段(図示せず)により計測され、計測結果が軸回転数計測信号としてプロペラ流入速度予測手段15に出力される。
可変ピッチプロペラ13は、ボス(ハブ)内部の変節機構によりプロペラ翼を回転させて、その角度(CPP翼角、ピッチ角)を変化させることにより、そのプロペラピッチを変化させることが可能な装置である。可変ピッチプロペラ13のCPP翼角は、制御手段16から出力される指令値に対応したCPP翼角制御信号により制御される。このCPP翼角の制御においては、上述のように応答遅れが存在する。本発明の発明者らは、この可変ピッチプロペラ13の応答遅れに着目し、応答遅れを解消する時間に対応した未来の制御入力値を予測し、この予測した入力値を用いてCPP翼角制御を行うことにより、応答遅れによる影響を抑制できることを見出して、本発明に想到したものである。
発明者等が検証した結果、一般的な船舶における可変ピッチプロペラ13の応答遅れの時間は、通常1.5秒以下であることが明らかになった。そして、この応答遅れの時間は、プロペラ流入速度の予測精度が十分に実用的な範囲内であることも検証された(この点については、図3を参照して後に説明する。)。
そこで、本実施形態の可変ピッチプロペラ制御装置10は、運転条件設定手段14により設定された運転条件と、プロペラ流入速度予測手段15により予測された可変ピッチプロペラ13への水の流入速度の予測結果に基づいて、可変ピッチプロペラ13を制御する。これにより、可変ピッチプロペラ13の応答遅れを抑制し、主機11トラブルの減少、エネルギー消費量抑制等を実現することが可能となる。
運転条件設定手段14は、可変ピッチプロペラ13の運転条件を設定するものである。可変ピッチプロペラ13の運転条件は、例えば、運転条件設定手段14の入力手段を介して操作者により入力された指示に基づいて設定される。
プロペラ流入速度予測手段15は、可変ピッチプロペラ13への水の流入速度を予測するものである。本実施形態では、軸馬力計17により計測された軸トルク計測値、主機11により検出された回転数の計測値または運転条件設定手段14で設定した回転数、可変ピッチプロペラ13より検出されたピッチ角の計測値または運転条件設定手段14で設定したピッチ角、これら3つの計測値(または設定値)に基づいて流入速度が予測される。
制御手段16は、運転条件設定手段14により設定された運転条件とプロペラ流入速度予測手段15の予測結果に基づいて、可変ピッチプロペラ13を制御するものである。プロペラ流入速度予測手段15には、主機11から軸回転数計測信号が、軸馬力計17から軸トルク計測信号が、可変ピッチプロペラ13からCPP翼角計測信号が、運転条件設定手段14から予測に必要な計算条件である設定値が、それぞれ入力される。この予測計算結果を制御手段16に入力し、可変ピッチプロペラ13のピッチ角を決定するための各種演算を行う。そして、可変ピッチプロペラ13のCPP翼角を制御するための信号(CPP翼角制御信号)を可変ピッチプロペラ13の駆動系(図示せず)に出力する。
運転条件設定手段14、プロペラ流入速度予測手段15および制御手段16は、例えば、CPU(中央演算処理装置)、記憶手段、表示手段および入力手段等を備えたコンピュータ等を用いて構成される。図1は機能ブロック図であることから、これらを別に示しているが、これらの全ての機能を有する一つのコンピュータとして構成しても良い。
軸馬力計17は、主機11から可変ピッチプロペラ13へ駆動力を伝達する駆動軸12のねじれを測定することにより、伝達される馬力を計測するものである。軸馬力計17には、駆動軸12により伝達されるトルクを計測するものとスラスト(推力)を計測するものの2つのタイプがあるが、何れのタイプも用いることができる。また、双方を組み合わせたものを用いてもよい。軸馬力計17のセンジング手段(検出手段)としては、例えば、歪ゲージやアモルファス合金を用いた高感度変位センサー等が用いられる。
本実施形態では、可変ピッチプロペラ13への水の流入速度をリアルタイムで計測するためのリアルタイム計測手段として軸馬力計17を用いている。ここで「流入速度をリアルタイムで計測する」とは、流入速度を即時に計測すること、または、流入速度と直接的、間接的に関係のある値を即時に計測することをいう。プロペラ流入速度予測手段15は、軸馬力計17の計測結果に基づいて、可変ピッチプロペラ13への流入速度を予測することができる。この方法については後に述べる。
なお、リアルタイム計測手段は、軸馬力計17に限られるものではなく、例えば、船尾に設けられた公知の流速計を用いてもよい。また、主機11としてモータを用いる場合、軸馬力計17の代わりに、モータに流れる電流から間接的に駆動軸12のトルクを計測する構成を用いても良い。
可変ピッチプロペラ制御装置10は、大別すると三つの機能(プロペラ流入速度計測、プロペラ流入速度予測、CPP翼角制御)を有する。以下、それぞれの機能を実現するためのシステムについて順に説明する。
(1)プロペラ流入速度計測システム
本実施形態の可変ピッチプロペラ制御装置10のプロペラ流入速度計測システムでは、プロペラ流入速度予測手段15において、軸馬力計17により計測された軸トルク、主機11の回転数とギア比から求めた可変ピッチプロペラ13の回転数または運転条件設定手段14により設定された回転数、プロペラピッチ角の計測値または運転条件設定手段14により設定されたピッチ角、この3つからトルク一致法を用いて、可変ピッチプロペラ13へのプロペラ流入速度をリアルタイムで算出して計測を行う。
平水中のみならず、波浪中・可変ピッチプロペラ13の回転数変動中においても、プロペラ流入速度はトルク一致法により推定可能であることについて確認されている(上野道雄,塚田吉昭,谷澤克治:波浪中プロペラ流入速度に関する模型実験,日本船舶海洋工学会講演会論文集,第12号,2011,pp.419-420. 北川泰士,谷澤克治,塚田吉昭,瀧本忠教:プロペラ推力・トルクに及ぼす動的変動の影響,日本船舶海洋工学会講演会論文集,第13号,2012,pp.237-238.)。
トルク一致法を表す数式群を(1)〜(3)式に示す。
Qm=Qpm/ρn …(1)
=f(KQm,P) …(2)
Pm=J・n …(3)
式(1)〜(3)において、
ρ:流体密度、
pm:軸トルク計測値、
:回転数計測値、
:プロペラ直径、
:プロペラ前進定数、
Qm:プロペラトルク無次元値、
P:プロペラピッチ角、
Pm:プロペラ流入速度計測値、とする。
Qmはプロペラオープンテストで得られるトルク単独性能である。
図2はプロペラオープンテストにより得られた特性としての単独性能曲線の一例を示すグラフであり、(a)の縦軸(Kt)はスラスト常数と呼ばれるプロペラスラストの無次元値を示しており、(b)の縦軸(KQ)はトルク常数と呼ばれるプロペラトルクの無次元値を示している。(a)(b)のいずれも横軸はプロペラ前進定数(J)を示している。
図2に示すようにプロペラオープンテストから得られた単独性能曲線として、可変ピッチプロペラ13のピッチ角ごとの特性が得られる。トルク一致法を用いる上で、可変ピッチプロペラ13のトルク単独性能は、予めその前進定数Jとプロペラピッチ角Pで整理して関数化しておくとよい。(2)式はJとプロペラピッチ角で整理されたKQmからJを導出したことを示している。
上述したように、本実施形態の可変ピッチプロペラ制御装置10では、プロペラ流入速度予測手段15により可変ピッチプロペラ13への流入速度を予測するために、運転条件設定手段14で予測計算の設定を行った上で、駆動軸12のトルク計測が可能な軸馬力計17から得られた軸トルク計測値と、可変ピッチプロペラ13の単独性能曲線(図2(a)(b)参照)と、主機11の回転数計測値と可変ピッチプロペラ13のピッチ角計測値を利用している。これらを利用することにより、プロペラ流入速度予測手段15は可変ピッチプロペラ13への水の流入速度を予測することができる。なお、上述したように回転数とピッチ角の計測値の代わりに、運転条件設定手段14により設定された設定値を用いることができる。
プロペラ流入速度計測システムは、上述したトルク一致法の代わりに、スラスト一致法を使用することもできる。この場合、リアルタイム計測手段としての軸馬力計17として、駆動軸12のスラスト計測が可能なものを用いる。そして、軸馬力計17により計測されたスラストの値を軸トルクの値の代わりに用い、可変ピッチプロペラ13へのプロペラ流入速度をリアルタイムで算出して計測値とする。
可変ピッチプロペラ制御装置10には、後述の予測精度を実用的な範囲とするため、計測値のノイズを除去するフィルタ機能が付与される。このフィルタ機能を実現する手段としては、例えばローパスフィルタを用いることができる。また、ローパスフィルタの代わりに、プロペラ流入速度予測手段15における演算内で数値フィルタを設けることで計測値のノイズを除去することもできる。
(2)プロペラ流入速度予測システム
可変ピッチプロペラ制御装置10では、上述したプロペラ流入速度計測システムとともに、プロペラ流入速度予測手段15においてプロペラ流入速度予測システムを構成している。このプロペラ流入速度予測システムでは流入速度の計測データに時系列解析手法を適応してリアルタイムで予測計算をおこなっている。
具体的には、自己回帰(AR、Auto regressive)モデルとBurg法を組み合わせた未来予測を用いている。ここで、Burg法は自己回帰モデル内の係数類を同定する手法であり、ユールウォーカー(Yule Walker)法、ハウスホルダー(House Holder)法、パルコ(PARCOR)法、カルマンフィルタを代替手法として選択することもできる。また、時系列解析手法の代替手法として、高速フーリエ変換(Fast Fourier Transform、FFT)/逆高速フーリエ変換(Inverse Fast Fourier Transform、IFFT)を応用した周波数解析手法を使用することもできる。
本プロペラ流入速度予測システムでは、運転条件設定手段14において、計測データの情報量であるデータサンプル数(もしくは計測範囲時間)と予測先の時間を設定して予測計算を行う。基本的性質として、データサンプル数が多ければ予測精度が向上するが、検証結果によれば対象時系列波形の不規則性に応じてサンプル情報量の大小を適切に設定することで更なる精度の向上が図れる。また、予測先時間が短い程予測精度が向上する傾向がある。本システムでは、ノイズのフィルタリングによる時間遅れと可変ピッチプロペラ13のCPP駆動系の時間遅れを予め把握してその合計時間を予測先時間に設定する。発明者らがおこなった船舶の調査結果ではこの合計時間は1.5秒以下であり、後述の翼角制御においては実用的な範囲で予測精度が保証されているとの検証を得ている。
図3は流入速度の予測計算の一例を示すグラフであり、(a)は予測先時間が2.5秒後の予測結果を示し、(b)は予測先時間が5.0秒後の予測結果を示している。これらグラフの横軸は経過時間を示し、縦軸はプロペラ流入速度uを示している。図3(a)および図3(b)中の点線(original)は4種の波形成分を有するプロペラ流入速度の計測値を示しており、各実線は異なるデータサンプル数(Ns)を設定して計算された予測値を示している。
図3(a)(b)に示された予測計算は、0.1秒間隔で取得された計測データを用いて求められたものである。例えば、データサンプル数が100(Ns:100)の場合、予測計算を行う前10秒間に得られた計測データが用いられている。具体的には、図3(a)においてNs:100の112.5秒の計算値は、100秒から110秒の間に得られた100の計測データを用いて、110秒の地点において予測された結果を示している。
図3(a)(b)から、予測に用いる計測データ数を増やすことにより、予測精度が向上すること、および、予測先時間2.5秒の予測精度が良好であることが分かる。また、上述したとおり、可変ピッチプロペラ13のCPP駆動系の遅延時間とノイズのフィルタリングによる時間遅れを合計した時間は1.5秒以下である。このため、上述の手法により予測されたプロペラ流入速度を用いて可変ピッチプロペラ13を制御すれば、翼角制御における応答遅れによる影響を十分に抑制することが可能である。ここで、本プロペラ流入速度予測システムにおける予測先時間を適切に設定するため、CPP駆動系の遅延時間とフィルタリングによる時間遅れの想定量は本装置を搭載する船舶に対して予め検証しておくべきである。
上述した検証により、上記遅延時間と上記時間遅れを合計した時間が1.5秒であり、図3(a)に示したとおり予測先時間2.5秒の予測精度が良好であることを、検証済みである。このことから、例えば、予測先時間を1.5秒以上2.5秒以下の範囲内とすれば、翼角制御における応答遅れによる影響を十分に抑制することできる。
(3)CPP翼角制御システム
可変ピッチプロペラ制御装置10では、運転条件設定手段14とプロペラ流入速度予測手段15と制御手段16によりCPP翼角制御システムを構成している。このCPP翼角制御システムではプロペラ流入速度の予測値に基づいて下記のような翼角制御を行う。
1)トルク変動抑制制御
制御手段16は、運転条件設定手段14により設定された軸トルク値の周辺でトルク変動を抑制する制御を行う。通常、プロペラトルクは、プロペラ流入速度、回転数、ピッチ角によって(4)式のように推定される。ここで、駆動軸12の軸トルクと可変ピッチプロペラ13のプロペラトルクは等しいとして、設定トルク値、プロペラ流入速度予測手段15により予測値として得られたプロペラ流入速度、および回転数の予測値を与えて(4)式を整理すれば、(5)式に示すように設定トルク値を常に保つ目標ピッチ角(CPP翼角)をリアルタイムで求めることができる。なお、可変ピッチプロペラ13の回転数は、予測値ではなく、過去の測定値の平均値など、運転条件設定手段14で設定した値を用いても良い。制御手段16は、この目標ピッチ角を用いて可変ピッチプロペラ13のCPP翼角を制御する。
=ρn ・K[u,n,P] …(4)
set=g(QPset,uPpredicted,nPpredicted) …(5)
ただし、式(4)(5)において、
ρ:流体密度、
:プロペラトルク、
:プロペラ回転数、
:プロペラ直径、
:プロペラトルク単独性能、
:プロペラ流入速度、
P:プロペラピッチ角、
set:プロペラピッチ角目標値、
QPset:軸トルク設定値、
Ppredicted:プロペラ流入速度予測値、
Ppredicted:プロペラ回転数予測値、とする。
上述したように、制御手段16は、目標値として設定された軸トルクの周辺で、駆動軸12の変動を平滑化するように可変ピッチプロペラ13を制御する。この制御の効果で、主機11の負荷変動を抑制し、トラブルの発生を未然に防ぐことが可能となる。
2)スラスト変動抑制制御
制御手段16は、上述した軸トルクの代わりに目標値としてスラスト値を用いることとしてもよい。この場合、設定したスラスト値の周辺でスラスト変動を抑制する制御を行う。目標値としてスラスト値を用いる場合も、軸トルクについて説明した手法と同様である。このため、詳細についての説明は割愛する。
制御手段16により、駆動軸12の軸トルクまたはスラストの変動を平滑化することにより、トルク変動抑制制御と同様に主機トラブルの発生を未然に防ぐことが可能となる。
3)プロペラ効率最大制御
可変ピッチプロペラ制御装置10に搭載する可変ピッチプロペラ13のプロペラオープンテストからプロペラ前進定数Jpに対してプロペラ効率が最大となる包絡線を用意する。そして、制御手段16は、流入速度の予測値から算出した前進定数に基づいてプロペラピッチ角が常に包絡線上に存在するように制御する。これにより、可変ピッチプロペラ13のプロペラ効率が最大となる制御を実現することができる。
図4は、プロペラ効率最大の包絡線の一例を示すグラフである。同図では、横軸が可変ピッチプロペラ13のプロペラ前進定数Jを示し、縦軸が可変ピッチプロペラ13のプロペラ効率を示し、点線がプロペラ効率最大の包絡線を示している。プロペラ効率最大の包絡線は、プロペラ前進定数Jに対してプロペラ効率が最大となる点を、ピッチ角毎に求めた可変ピッチプロペラ13のプロペラ単独性能曲線群全体から選び結んだ線である。すなわち、ピッチ角が包絡線上に存在することは、航行時に常にプロペラ効率が最大であることを意味する。
制御手段16が、流入速度の予測結果に基づいて前進定数を算出し可変ピッチプロペラ13のプロペラ効率が最大となる包絡線に沿うように、可変ピッチプロペラ13のピッチ角(CPP翼角)を制御することにより、プロペラ効率を最大とすることができる。
4)燃料消費量最小制御
制御手段16は、波浪中の主機応答、トルク変動、船体運動等を状態方程式としてモデル化し、燃料消費量を最小とする目的関数を設定することで定式化された最適制御問題を解くことで導出されたプロペラピッチ角の制御解に基づいて翼角制御を行う。これにより、主機11のエネルギー消費量が最小となるように可変ピッチプロペラ13のピッチ角を制御することができる。
最適制御問題の中で、翼角制御中は船速を保つことを制約条件としている。すなわち、制御手段16はピッチ角の制御の前後において船体の速度が一定に保たれるように制御する。このため、指定船速下で燃料消費量を最小に抑制する運航が可能となる。制御解は、遭遇が予想される波浪条件にて広範に求めておき、計測するプロペラ流入速度の波形情報に基づいて使い分ける。
なお、制御解を求めるための演算処理には、一般に長い時間を要するため、船舶の航行の際、制御手段16により制御解をリアルタイムで求めることが困難な場合が多い。そこで、波浪中の主機応答、トルク変動、船体運動等について船舶航行時の遭遇が想定される海象条件に基づいた各設定条件について予め制御解を求めておき、制御手段16の記憶手段に設定条件と制御解とを対応させたテーブルとして記憶しておくことが好ましい。この構成によれば、プロペラ流入速度予測手段15から得られた設定条件に対応する予測値を用いてテーブルを参照することにより、リアルタイムで制御解を求めずとも、制御解を用いた制御を行うことができる。
また、制御手段16は、海象を考慮した上で船体の速度が一定となるように、ピッチ角の制御を行う。ここで、「海象を考慮」には、波浪中における船体の抵抗増加、波浪により船体が受ける強制力等が含まれる。
可変ピッチプロペラ制御装置10は、船体18に相対水位計測手段19、入射波計測手段20および船体運動計測手段21を備えている。
相対水位計測手段19は、その位置から水面までの距離を測るものであり、例えば、超音波式、電磁波式のものが挙げられる。相対水位計測手段19により、水面の高さの変化を測定することができる。このため、その測定結果に基づいて可変ピッチプロペラ13に入射する波を評価することができる。
入射波計測手段20は、海面を直接計測することにより、船体18に入射する波を直接計測するものである。
船体運動計測手段21は、船体18の運動を計測するものであり、例えば、ジャイロや加速度計を用いることができる。
相対水位計測手段19および/または入射波計測手段20と船体運動計測手段21の計測結果により、可変ピッチプロペラ13位置での波と船体運動によるプロペラと流体との相対運動を求めることが可能で、これからプロペラ流入速度を予測することができる。このため、制御手段16が、可変ピッチプロペラ13への流入速度の予測に当たって、相対水位計測手段19および/または入射波計測手段20と船体運動計測手段21の計測結果を代替手法として利用することもできる。
本発明は上述した本実施形態の可変ピッチプロペラ制御装置を搭載した船舶として実施することもできる。本発明を船舶として実施する場合も、上述した可変ピッチプロペラ制御装置同様の効果が得られる。
(第2の実施形態)
本発明は、下記の(1)〜(3)のフロー(工程)を備えた可変ピッチプロペラ制御方法、およびこのフローを実施する可変ピッチプロペラ制御装置として実施することができる(図1参照)。
(1)軸馬力計17から駆動軸12の軸トルク、主機11とギア比よりプロペラ回転数、可変ピッチプロペラ13よりプロペラピッチ角、これらの計測値や設定値からトルク一致法により可変ピッチプロペラ13へのプロペラ流入速度を計測する。
(2)計測データに時系列解析を施すことで、可変ピッチプロペラ13の駆動系応答遅れ分と計測データフィルタリングによる時間遅れ分の合計時間先(合計時間に等しい時間だけ離れた未来の時点)のプロペラ流入速度を予測する。
(3)プロペラ流入速度の予測値を用いて可変ピッチプロペラ13の翼角制御を行う。
この手法を用いることで、出会い波(可変ピッチプロペラ13に流入する波)や船体運動によって時々刻々変動する水の流入速度に対応した可変ピッチプロペラ13の制御を行うことが可能となる。
この可変ピッチプロペラ制御方法においては、トルク変動・スラスト(推力)変動を平滑化する制御法、プロペラ効率を最大に保つ制御法、指定船速下で燃料投入量を最小にする最適制御理論から得られた制御解に基づく制御法等を用いることができる。これらの制御法により、主機負荷変動の抑制による安全な運航、波浪中推進性能の向上といった効果が期待できる。
以下では、本発明を可変ピッチプロペラ制御方法として実施する態様について、図面を参照して説明する。
図5は、本実施形態の可変ピッチプロペラ制御方法に係るフローチャートである。同図に示すように、本実施形態の可変ピッチプロペラ制御方法は、設定ステップS1と、予測ステップS2と、制御ステップS3とを備えている。
設定ステップS1は、船体18を駆動する原動機としての主機11により駆動軸12を介して駆動される可変ピッチプロペラ13の運転条件、およびプロペラ流入速度予測手段14の計算条件を設定するものである。可変ピッチプロペラ制御装置10では、運転条件設定手段14の入力手段から操作者が設定値を入力することによりなされる。
予測ステップS2は、可変ピッチプロペラ13への水の流入速度を予測するものであり、プロペラ流入速度予測手段15によりなされる。この予測ステップS2における水の流入速度の予測は、可変ピッチプロペラ13への水の流入速度をリアルタイムで計測した結果に基づいてなされる。ここで、計測される対象は、第1の実施形態において説明したように、水の流入速度そのもののみならず、これと直接的または間接的に関連する事象を計測した値も含まれる。
上記リアルタイムで計測した結果であるリアルタイム計測結果に基づく予測は、時系列解析手法または周波数解析手法に基づいて行うことができる。本発明で用いる「時系列解析手法」とは、計測対象の時間領域における状態量変位をモデリングすることで、計測対象の将来の状態量変位の予測を行う手法をいう。
「時系列解析手法」の構成要素として、時系列モデルおよび時系列モデルのモデル同定法を挙げることができる。「時系列モデル」とは、ある時間の点における状態量変位について、その時間点における入力情報、過去に計測された状態量変位などの他の時間点における状態量変位とその変位に係る係数、これらの要素から説明するモデルをいう。また「時系列モデルのモデル同定法」とは、時系列モデルを構成する係数を同定するための手法である。そして、将来の予測は同定された時系列モデルにおいて設定した予測時間先の状態量変位を求めることで行う。
モデル同定法としては、例えば、バーグ(Burg)法、ユールウォーカー(Yule Walker)法、ハウスホルダー(House Holder)法、パルコ(PARCOR)法、カルマンフィルタが挙げられる。
「周波数解析手法」としては、高速フーリエ変換法ならびに逆高速フーリエ変換法によって構成されている手法が挙げられる。
制御ステップS3は、設定ステップS1において設定された運転条件と予測ステップS2における流入速度の予測結果に基づいて可変ピッチプロペラ13を制御するものであり、制御手段16によりなされる。
制御ステップS3における可変ピッチプロペラ13の制御としては、具体的には、主機11のエネルギー消費量が最小となる制御、駆動軸12の軸トルク変動を平滑化する制御、駆動軸12のスラスト変動を平滑化する制御、可変ピッチプロペラ13のプロペラ効率が最大となる包絡線(図4参照)に沿うように可変ピッチプロペラ13のピッチ角を制御する制御等を用いることができる。
制御ステップS3における可変ピッチプロペラ13の制御は、ピッチ角を制御する制御方法はエネルギー消費量が最小となることを目的とした最適制御理論によって得られる制御解に基づく。
本発明における、「最適制御理論」とは、(1)対象とする制御系についてモデル方程式、制約条件などの定式化を行い、(2)入力条件に対して、設定された目的関数を最大限満足するような制御指令量を制御解として導出する制御理論をいう。
ここで、最適制御理論によって得られる制御解の導出過程において、船体18の運モデルと、主機11の応答モデルと、可変ピッチプロペラ13のプロペラトルクモデルが考慮されている。
ここで、主機11の応答モデルは、主機11の調速モデル、主機11のトルク発生機構、および駆動軸12の回転体としての力学モデルを含むものが挙げられる。そして、エネルギー消費量は、調速モデルの中に組み込まれ、制御解の計算時に評価される変数である。なお、主機11がエンジンである場合、その調速モデルはガバナの応答モデルとなる。
また、船体18の運動モデルとしては、船体18の船体抵抗、操縦運動による流体力、プロペラ推力、舵力、波浪外力を外力項として含むものが挙げられる。
本発明は、ピッチ角駆動系の応答遅れを解消し、特に波浪中における主機トラブルの減少や最適制御理論等に基づくエネルギー消費量抑制等を実現することができるため、可変ピッチプロペラを装備した船舶等に利用できる。
10 可変ピッチプロペラ制御装置
11 主機
12 駆動軸
13 可変ピッチプロペラ
14 運転条件設定手段
15 プロペラ流入速度予測手段
16 制御手段
17 軸馬力計(リアルタイム計測手段)
18 船体
19 相対水位計測手段
20 入射波計測手段
21 船体運動計測手段

Claims (28)

  1. 船体を駆動する原動機としての主機と、
    前記主機により駆動軸を介して駆動される可変ピッチプロペラと、
    前記可変ピッチプロペラの運転条件を設定する運転条件設定手段と、
    前記可変ピッチプロペラへの水の流入速度を、リアルタイムで求めたリアルタイム流入速度に基づいて少なくとも前記可変ピッチプロペラの駆動系の時間遅れを考慮して設定した予測先時間における予測流入速度として予測するプロペラ流入速度予測手段と、
    前記運転条件設定手段により設定された運転条件と前記プロペラ流入速度予測手段で予測した前記予測流入速度に基づいて前記可変ピッチプロペラを制御する制御手段を備えたことを特徴とする可変ピッチプロペラ制御装置。
  2. 前記プロペラ流入速度予測手段による前記予測流入速度の予測は、前記流入速度をリアルタイムで計測するために設けたリアルタイム計測手段の計測結果に基づく予測であることを特徴とする請求項1に記載の可変ピッチプロペラ制御装置。
  3. 前記リアルタイム計測手段は、前記駆動軸のトルク計測が可能な軸馬力計であることを特徴とする請求項2に記載の可変ピッチプロペラ制御装置。
  4. 前記リアルタイム計測手段は、前記駆動軸のスラスト計測が可能な軸馬力計であることを特徴とする請求項2に記載の可変ピッチプロペラ制御装置。
  5. 前記予測流入速度の予測に当たって、前記可変ピッチプロペラの単独性能曲線と前記主機の回転数と前記可変ピッチプロペラのピッチ角を利用したことを特徴とする請求項3または請求項4に記載の可変ピッチプロペラ制御装置。
  6. 前記船体にさらに相対水位計測手段および/または入射波計測手段と船体運動計測手段を備え、
    前記予測流入速度の予測に当たって前記相対水位計測手段および/または前記入射波計測手段と前記船体運動計測手段の計測結果を利用したことを特徴とする請求項2に記載の可変ピッチプロペラ制御装置。
  7. 前記制御手段は、前記主機のエネルギー消費量が最小となるように前記可変ピッチプロペラのピッチ角を制御したことを特徴とする請求項1から請求項6のうちの1項に記載の可変ピッチプロペラ制御装置。
  8. 前記ピッチ角の制御の前後において前記船体の速度が一定に保たれるように制御したことを特徴とする請求項7に記載の可変ピッチプロペラ制御装置。
  9. 前記船体の速度は、海象を考慮したものであることを特徴とする請求項8に記載の可変ピッチプロペラ制御装置。
  10. 前記制御手段は、前記駆動軸の軸トルクの変動を平滑化するように前記可変ピッチプロペラを制御したことを特徴とする請求項1から請求項6のうちの1項に記載の可変ピッチプロペラ制御装置。
  11. 前記運転条件設定手段で前記軸トルクの目標値を設定し、前記軸トルクの目標値に近づけるように平滑化をおこなったことを特徴とする請求項10に記載の可変ピッチプロペラ制御装置。
  12. 前記制御手段は、前記駆動軸のスラストの変動を平滑化するように前記可変ピッチプロペラを制御したことを特徴とする請求項1から請求項6のうちの1項に記載の可変ピッチプロペラ制御装置。
  13. 前記運転条件設定手段で前記スラストの目標値を設定し、前記スラストの目標値に近づけるように平滑化をおこなったことを特徴とする請求項12に記載の可変ピッチプロペラ制御装置。
  14. 前記制御手段は、前記予測流入速度の予測結果に基づいて前記可変ピッチプロペラのプロペラ効率が最大となる包絡線に沿うように前記可変ピッチプロペラのピッチ角を制御したことを特徴とする請求項1から請求項6のうちの1項に記載の可変ピッチプロペラ制御装置。
  15. 前記包絡線は、ピッチ角毎に求めた前記可変ピッチプロペラのプロペラ単独性能曲線群について、プロペラ効率がプロペラ前進定数に対して最大となるピッチ角を結んだ包絡線であることを特徴とする請求項14に記載の可変ピッチプロペラ制御装置。
  16. 請求項1から請求項15のうちの1項に記載の可変ピッチプロペラ制御装置を搭載したものであることを特徴とする船舶。
  17. 船体を駆動する原動機としての主機により駆動軸を介して駆動される可変ピッチプロペラの運転条件を設定する設定ステップと、
    前記可変ピッチプロペラへの水の流入速度を、リアルタイムで求めたリアルタイム流入速度に基づいて少なくとも前記可変ピッチプロペラの駆動系の時間遅れを考慮して設定した予測先時間における予測流入速度として予測する予測ステップと、
    前記設定ステップにおいて設定された運転条件と前記予測ステップで予測した前記予測流入速度に基づいて前記可変ピッチプロペラを制御する制御ステップを備えたことを特徴とする可変ピッチプロペラ制御方法。
  18. 前記予測ステップにおける水の前記予測流入速度の予測は、前記可変ピッチプロペラへの水の前記流入速度のリアルタイム計測結果に基づく予測であることを特徴とする請求項17に記載の可変ピッチプロペラ制御方法。
  19. 前記リアルタイム計測結果に基づく予測は、時系列解析手法または周波数解析手法に基づいておこなったことを特徴とする請求項18に記載の可変ピッチプロペラ制御方法。
  20. 前記時系列解析手法は、時系列モデルおよび前記時系列モデルのモデル同定法によって
    構成されていることを特徴とする請求項19に記載の可変ピッチプロペラ制御方法。
  21. 前記モデル同定法は、バーグ(Burg)法、ユールウォーカー(Yule Walker)法、ハウスホルダー(House Holder)法、パルコ(PARCOR)法、カルマンフィルタのいずれかから選択されたことを特徴とする請求項20に記載の可変ピッチプロペラ制御方法。
  22. 前記周波数解析手法は、高速フーリエ変換法および逆高速フーリエ変換法によって構成されていることを特徴とする請求項19に記載の可変ピッチプロペラ制御方法。
  23. 前記制御ステップにおける前記可変ピッチプロペラの制御は、前記主機のエネルギー消費量が最小となる制御、前記駆動軸の軸トルク変動を平滑化する制御、前記駆動軸のスラスト変動を平滑化する制御、前記可変ピッチプロペラのプロペラ効率が最大となる包絡線に沿うように前記可変ピッチプロペラのピッチ角を制御する制御のうちから選択されることを特徴とする請求項17から請求項22のうちの1項に記載の可変ピッチプロペラ制御方法。
  24. 前記エネルギー消費量が最小となる制御において、前記ピッチ角を制御する制御方法は、制御の前後において船体の速度を一定に保った上で、前記エネルギー消費量が最小となることを目的とした最適制御理論によって得られる制御解に基づくことを特徴とする請求項23に記載の可変ピッチプロペラ制御方法。
  25. 前記制御解は、船体運動モデルと主機応答モデルとプロペラトルクモデルが前記最適制御解の導出過程において考慮されていることを特徴とする請求項24に記載の可変ピッチプロペラ制御方法。
  26. 前記船体運動モデルは、船体抵抗、操縦運動による流体力、プロペラ推力、舵力、波浪外力を外力項として含むことを特徴とする請求項25に記載の可変ピッチプロペラ制御方法。
  27. 前記主機応答モデルは、前記主機の調速モデル、前記主機のトルク発生機構、前記駆動軸の応答モデルを含むことを特徴とする請求項25または請求項26に記載の可変ピッチプロペラ制御方法。
  28. 前記エネルギー消費量は、前記調速モデルの中に組み込まれ、前記制御解の計算時に評価される変数であることを特徴とする請求項27に記載の可変ピッチプロペラ制御方法。
JP2012112523A 2012-05-16 2012-05-16 可変ピッチプロペラ制御装置および可変ピッチプロペラ制御装置を搭載した船舶ならびに可変ピッチプロペラ制御方法 Active JP6047923B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012112523A JP6047923B2 (ja) 2012-05-16 2012-05-16 可変ピッチプロペラ制御装置および可変ピッチプロペラ制御装置を搭載した船舶ならびに可変ピッチプロペラ制御方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012112523A JP6047923B2 (ja) 2012-05-16 2012-05-16 可変ピッチプロペラ制御装置および可変ピッチプロペラ制御装置を搭載した船舶ならびに可変ピッチプロペラ制御方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2013237392A JP2013237392A (ja) 2013-11-28
JP6047923B2 true JP6047923B2 (ja) 2016-12-21

Family

ID=49762817

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012112523A Active JP6047923B2 (ja) 2012-05-16 2012-05-16 可変ピッチプロペラ制御装置および可変ピッチプロペラ制御装置を搭載した船舶ならびに可変ピッチプロペラ制御方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6047923B2 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DK179755B1 (da) * 2017-11-02 2019-05-08 Frugal Technologies Aps Fremgangsmåde til fremdriftskontrol ved hjælp af et fremdriftskontrolsystem samt anvendelse heraf
CN110001910A (zh) * 2019-04-12 2019-07-12 上海丰滋新能源船舶科技有限公司 一种双电机螺旋桨系统控制装置
JP7349670B2 (ja) * 2019-05-22 2023-09-25 国立研究開発法人 海上・港湾・航空技術研究所 エンジン制御方法、エンジン制御システム、及び船舶
KR20220010730A (ko) * 2019-05-22 2022-01-26 고쿠리츠겐큐카이하츠호진 가이죠·고완·고쿠기쥬츠겐큐죠 선박의 주기관 모니터링 방법, 주기관 모니터링 시스템, 주기관 상태 예측 시스템, 및 운항 상황 예측 시스템
CN114398734A (zh) * 2022-01-17 2022-04-26 华侨大学 微量给料的参数优化方法、装置、设备及可读存储介质

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6038288A (ja) * 1983-08-11 1985-02-27 Kawasaki Heavy Ind Ltd 舶用可変ピツチプロペラの翼角制御装置
JP5042977B2 (ja) * 2008-12-05 2012-10-03 日本郵船株式会社 可変ピッチプロペラの翼角制御方法および装置
JP4854756B2 (ja) * 2009-03-31 2012-01-18 三井造船株式会社 舶用エンジン制御システム

Also Published As

Publication number Publication date
JP2013237392A (ja) 2013-11-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6047923B2 (ja) 可変ピッチプロペラ制御装置および可変ピッチプロペラ制御装置を搭載した船舶ならびに可変ピッチプロペラ制御方法
US9195234B2 (en) Dynamic positioning systems and methods
EP2178745B1 (en) Efficiency optimizing propeller speed control for ships
JP5033210B2 (ja) 船舶の主機制御システムおよび方法
JP5042977B2 (ja) 可変ピッチプロペラの翼角制御方法および装置
EP2669177B1 (en) Control method for anti-roll stabilization of watercraft, and corresponding stabilization system and computer program product
SE1130084A1 (sv) Metod och anordning för undvikande och dämpning av ett fartygs rullning
Chuang et al. Speed loss of a vessel sailing in oblique waves
Vrijdag et al. Control of propeller cavitation in operational conditions
JP4854756B2 (ja) 舶用エンジン制御システム
CN103069135A (zh) 船舶用发动机控制系统及方法
JP7460090B2 (ja) 船舶の主機モニタリング方法、主機モニタリングシステム、主機状態予測システム、及び運航状況予測システム
CN103064288A (zh) 一种基于对转桨加鳍舵的低速auv航行控制方法
JP6351045B2 (ja) 自由航走模型船試験方法及び自由航走模型船試験装置
KR20170052339A (ko) 고풍속 고난류에서의 풍력발전기 피치제어 방법
Pivano et al. Nonlinear thrust controller for marine propellers in four-quadrant operations
JP6191984B2 (ja) 船舶の操舵方法及び船舶の自動操舵装置
JP2010236502A (ja) 舶用エンジン制御システム
JP2010285089A (ja) 船舶の推進制御装置
US10953968B2 (en) Control of propeller shaft movement
Steen et al. Measurement of speed loss due to waves
JP5084788B2 (ja) 船舶の燃料調節装置
Ueno et al. Model Ship Control and Estimation of Full-scale Propeller Torque in Wind and Waves
Pivano et al. Preliminary simulation studies of a new four-quadrant propeller thrust controller applied to underwater vehicles
JP6394276B2 (ja) 流体システム

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150508

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20150508

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20160324

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160329

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160524

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20161011

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20161107

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6047923

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313117

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250