JP6047814B2 - 放射性物質汚染土壌処理方法及び放射性物質汚染土壌処理システム - Google Patents
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Description
一方、乾式除染方法は、汚染物質が土壌中の細粒に付着しやすいという性質を利用して、土壌を粒径で分別する分級を行い、粒度の細かい土壌のみ回収するものである。しかしながら、水分の含有量や、土壌の凝集等、処理対象となる土壌の状態によって、分級精度にばらつきが生じ得るものである。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、汚染土壌の処理の際に汚水が発生せず、効率的に除染を行うことが可能な汚染土壌処理技術を提供することにある。
以下の発明の態様は、本発明の構成を例示するものであり、本発明の多様な構成の理解を容易にするために、項別けして説明するものである。各項は、本発明の技術的範囲を限定するものではなく、発明を実施するための最良の形態を参酌しつつ、各項の構成要素の一部を置換し、削除し、又は、更に他の構成要素を付加したものについても、本願発明の技術的範囲に含まれ得るものである。
該汚染土壌採取工程で採取された土壌を乾燥させる乾燥工程と、
該乾燥工程にて乾燥された土壌の凝集を解く解砕工程と、
該解砕工程にて解砕された土壌を粒度に応じて分別する分級工程と、
該分級工程にて分別された土壌のうち、粒度の細かい土壌を隔離する隔離工程と、
該分級工程にて分級された土壌のうち、隔離されない残余の土壌の放射線量を測定する放射能レベル測定工程と、を含み、
該放射能レベル測定工程にて線量が所定値以下の残余の土壌を再利用すると共に、該放射能レベル測定工程にて線量が所定値を上回る場合には前記分級工程へと戻し、前記分級工程、前記隔離工程、前記放射能レベル測定工程を繰り返す放射性物質汚染土壌処理方法(請求項1)。
本項に記載の放射性物質汚染土壌処理方法は、汚染土壌採取工程で採取された放射性物質により汚染された土壌を乾燥工程にて乾燥させ、更に、乾燥された土壌の凝集を解砕工程にてほぐすことで、乾燥させた土壌の粒度を、続く分級工程における、粒度に応じた土壌の分別に適した状態となるように調整するものである。そして、解砕工程にて解砕された土壌を粒度に応じて分級工程にて分別する際に、採取された土壌の水分の含有量や、土壌の凝集等、処理対象となる土壌の状態に起因する分級精度のばらつきの発生を回避し、分級精度を高めることとなる。そして、分級工程にて分別された土壌のうち、粒度の細かい土壌を、続く隔離工程にて隔離し、残余の土壌を土壌採取地へと戻すことで、有害物質の大部分を含む粒径の小さな土壌を分別して回収し、粒径の大きな土壌を採取地に戻すものである。
又、放射性物質により汚染された土壌の除染に際して、分級工程にて分級された土壌のうち、隔離されない残余の土壌の放射線量を測定し、線量が所定値を上回る場合には、分級工程へと戻すことで、有害物質を含む土壌の隔離、保管を確実にするものである。
しかも、以上の各工程により乾式除染方法による土壌洗浄がなされるものであることから、全工程にわたり、汚染水等の副産物が発生することがない。又、土壌の必要成分(栄養分等)を洗い流してしまうことがないので、洗浄後の土壌は、土壌採取地に戻して再利用しやすい状態のものとなる。又、乾燥させた土壌を解砕して分級することにより、大量の土壌を粉砕する等の処理時間がかかる作業が不要となり、処理効率を高めるものとなる。
該微粉砕工程にて粉砕された土壌を粒度に応じて分別する二次分級工程と、
該二次分級工程にて分別された土壌のうち、粒度の細かい土壌を隔離する二次隔離工程と、
該二次分級工程にて分級された土壌のうち、隔離されない残余の土壌の放射線量を測定する二次放射能レベル測定工程と、を更に含み、
該二次放射能レベル測定工程にて線量が所定値以下の残余の土壌を再利用すると共に、該二次放射能レベル測定工程にて線量が所定値を上回る場合には前記二次分級工程へと戻し、前記二次分級工程、前記二次隔離工程、前記二次放射能レベル測定工程を繰り返す放射性物質汚染土壌処理方法(請求項2)。
本項に記載の汚染土壌処理方法は、分級工程にて分別された土壌のうち、粒度の細かい土壌の粒度を、微粉砕工程において更に細かく粉砕し、微粉砕工程にて粉砕された土壌を、それに続く二次分級工程にて、粒度に応じて更に分別する。そして、二次分級工程にて分別された土壌のうち、粒度の細かい土壌を、続く二次隔離工程にて隔離し、残余の土壌を土壌採取地へと戻すことで、有害物質の大部分を含む粒径の小さな土壌を、より精密に分別して回収して、隔離、保管する土壌を減容し、可能な限り多くの土壌を採取地に戻すものであるから、再利用することのできる土壌の歩留まり向上が期待できる。しかも、放射性物質により汚染された土壌の除染に際して、二次分級工程にて分級された土壌のうち、隔離されない残余の土壌の放射線量を測定し、線量が所定値を上回る場合には、二次分級工程へと戻すことで、有害物質を含む土壌の隔離、保管を確実にするものである。又、本項の発明においても、全工程にわたり、乾式除染方法による土壌洗浄がなされるものであり、汚染水等の副産物が発生することがない。
本項に記載の汚染土壌処理方法は、微粉砕工程において、土壌粒子の表面部分を剥離させて土壌を研磨するとともに、前記二次分級工程で該剥離した土壌粒子の表面部分を細粒として分別することで、上記(2)項の所定の作用を、より効果的に奏するものである。すなわち、土壌の細粒子は、その表面部分に多くの汚染物質が付着していることから、土壌を強力な力で一挙に微粉砕するのではなく、研磨するような形で徐々に表面から微粉砕し、剥離した表面部分を、二次分級工程により細粒子として分別して分離すれば、極めて効率的に汚染物質が付着した細粒子を分離して隔離できることとなる。
本項に記載の汚染土壌処理方法は、乾燥工程において、熱した空気を供給することで土壌を所定の乾燥度まで乾燥させることで、全工程にわたり、乾式除染方法による土壌洗浄がなされるものであり、汚染水等の副産物が発生することがない。
該攪拌乾燥装置で乾燥させた土壌を解砕する、解砕工程を行う衝撃式破砕装置と、
該衝撃式破砕装置で破砕した土壌を粒度に応じて分別する、分級工程を行う気流式分級装置と、
該気流式分球装置により分別された土壌のうち、粒度の細かい土壌を隔離する隔離工程を経た後の、隔離されない残余の土壌の放射線量を測定する、放射能レベル測定工程を行う放射線測定器とを含み、
該放射線測定器を用いた放射能レベル測定工程で検出された、線量が所定値以下の残余の土壌を再利用すると共に、線量が所定値を上回る土壌を、前記気流式分球装置へと戻し、前記分球工程と、前記隔離工程と、前記放射能レベル測定工程とを繰り返す放射性物質汚染土壌処理システム(請求項5)。
本項に記載の放射性物質汚染土壌処理システムは、放射性物質により汚染された土壌を採取し攪拌乾燥装置に投入して乾燥させ(乾燥工程)、更に、乾燥された土壌の凝集を衝撃式破砕装置にてほぐすものである(解砕工程)。そして、乾燥され凝集が解かれた土壌を、気流式分級装置によって、粒度に応じた土壌の分別に適した状態となるように、調整するものである(分級工程)。これにより、衝撃式破砕装置にて解砕された土壌を気流式分級装置によって粒度に応じて分別する際に、採取された土壌の水分の含有量や、土壌の凝集等、処理対象となる土壌の状態に起因する分級精度のばらつきの発生を回避し、分級精度を高めるものである。そして、気流式分級装置にて分別された土壌のうち、粒度の細かい土壌、すなわち、有害物質の大部分を含む粒径の小さな土壌を、続く隔離工程にて隔離し、残余の、粒径の大きな土壌を採取地に戻すことで、乾式除染方法による土壌洗浄を行うものである。
又、放射線測定器を用いた放射能レベル測定工程で検出された、線量が所定値以下の残余の土壌を再利用すると共に、線量が所定値を上回る土壌を、気流式分球装置へと戻し、分球工程と、隔離工程と、放射能レベル測定工程とを繰り返すことで、有害物質を含む土壌の隔離、保管を確実にするものである。
よって、本システムにより実施される全工程にわたり、汚染水等の副産物が発生することがない。又、土壌の必要成分(栄養分等)を洗い流してしまうことがないので、洗浄後の土壌は、土壌採取地に戻して再利用するに適した状態を維持するものとなる。又、乾燥させた土壌を解砕して分級することにより、大量の土壌を粉砕する等の処理時間がかかる作業が不要となり、処理効率を高めるものとなる。
該遠心流動粉砕装置で微粉砕した土壌を粒度に応じて分別する、二次分級工程を行う気流式分級装置と、
前記気流式分球装置により分別された土壌のうち、粒度の細かい土壌を隔離する二次隔離工程を経た後の、隔離されない残余の土壌の放射線量を測定する、二次放射能レベル測定工程を行う放射線測定器とを含み、
該放射線測定器を用いた二次放射能レベル測定工程で検出された、線量が所定値以下の残余の土壌を再利用すると共に、線量が所定値を上回る土壌を、前記二次分級工程を行う気流式分球装置へと戻し、前記二次分級工程と、前記二次隔離工程と、前記二次放射能レベル測定工程とを繰り返す放射性物質汚染土壌処理システム(請求項6)。
本項に記載の放射性物質汚染土壌処理システムは、気流式分級装置(分級工程)にて分別された土壌のうち、粒度の細かい土壌の粒度を、遠心流動粉砕装置よって更に細かく粉砕し(微粉砕工程)、粉砕された土壌を、再度、気流式分級装置によって、粒度に応じて更に分別するものである(二次分級工程)。そして、二次分級された土壌のうち、粒度の細かい土壌を隔離し、残余の土壌を土壌採取地へと戻すことで、有害物質の大部分を含む粒径の小さな土壌を、より精密に分別して回収し、隔離、保管する土壌を減容し、可能な限り多くの土壌を採取地に戻すものである(二次隔離工程)。本項の発明においても、本システムにより実施される全工程にわたり、乾式除染方法による土壌洗浄がなされるものであり、汚染水等の副産物が発生することがない。しかも、二次分級工程にて分別された土壌のうち、粒度の細かい土壌を、続く二次隔離工程にて隔離し、残余の土壌を土壌採取地へと戻すことで、有害物質の大部分を含む粒径の小さな土壌を、より精密に分別して回収するので、隔離、保管する土壌を減容でき、可能な限り多くの土壌を採取地に戻すことができるものであるから、再利用することのできる土壌の歩留まり向上が期待できる。しかも、放射線測定器を用いた二次放射能レベル測定工程で検出された、線量が所定値以下の残余の土壌を再利用すると共に、線量が所定値を上回る土壌を、二次分級工程を行う気流式分球装置へと戻し、二次分級工程と、二次隔離工程と、二次放射能レベル測定工程とを繰り返すことで、有害物質を含む土壌の隔離、保管を確実にするものである。
本項に記載の放射性物質汚染土壌処理システムは、上記(5)(6)項記載の各装置が移動可能に構成されることで、土壌採取地にて各装置を稼動させて、乾式除染方法による土壌の採取、乾燥、解砕、分級の各工程を行い、有害物質の大部分を含む粒径の小さな土壌を分別して回収し、残余の土壌を採取地に戻すものである。又、上記(5)(6)項記載の各装置が移動可能となるように、例えば、各装置をトレーラの荷台に搭載し、あるいは、各装置を搭載する特殊車両を構成するものである。これらのトレーラや特殊車両には、各装置の大きさに応じて、各々別々に載置され、又は、一台の車両に複数種類(或いは全て)が載置され、土壌採取地にて、上記所定の作業工程が円滑に実施されるように配置されるものである。しかも、本システムを土壌採取地に設置する際に、基礎工事等が不要であり、設置に要する工期も短く、又、異なる土壌採取地に移動して稼動することが容易なものである。
本発明の実施の形態に係る汚染土壌処理方法は、図1(a)に示される各工程からなるものであり、以下に順を追って説明する。又、本方法は、図1(b)に示される汚染土壌処理システム1により実施されるものである。なお、汚染土壌は、例えば、セシウム137等の放射性物質により汚染された土壌を対象としている。
S110(乾燥工程):汚染土壌採取工程(S100)で採取された土壌を、攪拌乾燥装置2(図1(b)、図3参照)を用いて乾燥させる工程である。
S120(解砕工程):乾燥工程(S110)にて乾燥された土壌の凝集を、衝撃式破砕装置4(図1(b)、図4参照)を用いてほぐす工程である。
S130(分級工程):解砕工程(S120)にて解砕された土壌を、気流式分級装置6(図1(b)、図5参照)を用いて、粒度に応じて分別する工程である。
S140(管理工程):分級工程(S130)にて分別された土壌のうち、粒度の細かい土壌を隔離し、残余の土壌を土壌採取地へと戻す工程であり、以下の各工程を含むものである。
S160(放射能レベル測定工程):汚染物質が土壌中の細粒に付着しやすいという性質から、分級工程(S130)にて分別された粗粒子は、放射能レベル(放射線量)が低くなる。しかしながら、念のために粗粒子についても放射線測定器を用いて放射能レベルを測定する。そして、素粒子の放射能レベル予め適切に定められた基準値よりも高い場合には、粗粒子を分級工程(S130)へと戻す。
S170:放射能レベル測定工程(S160)において、素粒子の放射能レベルが予め適切に定められた基準値よりも低い場合には、粗粒子を土壌採取地に戻す。
S220(微粉砕工程):分級工程(S130)にて分別された土壌のうち、粒度の細かい土壌(細粒子)の粒度を、遠心流動粉砕装置8(図1(b)、図6参照)を用いて、更に細かく粉砕する工程である。
なお、前述の微粉砕工程においては、土壌を強力な力で一挙に微粉砕するのではなく、研磨するような形で徐々に表面から微粉砕していくことが好ましい。というのは、遠心流動装置8に投入される土壌の細粒子は、その表面部分に多くの汚染物質が付着しているから、表面部分が剥離するよう研磨するようにして微粉砕することにより、剥離した表面部分を二次分級工程により細粒子として分別して分離すれば、極めて効率的に汚染物質が付着した細粒子を分離して隔離できる。
S230(二次分級工程):微粉砕工程(S220)にて細かく解砕された土壌を、分級工程(S130)と同様の気流式分級装置6(図1(b)、図5参照)を用いて、粒度に応じて分別する工程である。
S240(二次管理工程):二次分級工程(S230)にて分別された土壌のうち、粒度の細かい土壌を隔離し、残余の土壌を土壌採取地へと戻す工程であり、以下の各工程を含むものである。
S260(放射能レベル測定工程):二次分級工程(S230)にて分別された粗粒子は、放射能レベル(放射線量)が低くなる。しかしながら、念のために粗粒子についても放射線測定器を用いて放射能レベルを測定する。そして、粗粒子の放射能レベルが予め適切に定められた基準値よりも高い場合には、粗粒子を二次分級工程(S230)へと戻す。
S270:放射能レベル測定工程(S260)において、粗粒子の放射能レベルが予め適切に定められた基準値よりも低い場合には、粗粒子を土壌採取地に戻す。
攪拌乾燥装置2は、図3に例示されるように、ガス分散板102を高さ方向略中央部に備えており、この上部には攪拌室103を、下部には送風室104を備えている。そして、攪拌室103の底板130は、断面が部分半円形の樋状に形成されており、この中央円弧部分にガス分散板102が配されている。
又、底板130の裏面を含む送風室104の内壁面には耐火物143が内張りされており、高温熱風に対して保護されている。なお、この耐火物143はガス分散板102にも施されており、そのガス孔としての開口部であるスリット120、又はスリット121の一部は耐火物143で形成されている。なお、本実施形態においては、内張りに耐火物143を使用したが、使用するガスの温度等により、耐火物を使用しなくても良い場合もあることは勿論である。
なお、本実施形態において、パドル151の供給口131側の4個は、パドル軸105の軸線に対して傾斜されて取付けられ、取出口132の側壁に臨んだ2個はパドル軸105の軸線と平行に設定されて取付けられている。さらに、パドル151は、パドル軸105の軸線に対して傾けられて取付けられており、本実施形態では約10度に設定されている。パドル151は、この傾斜により、被乾燥物である土壌をパドル軸方向へ移動させる効果を有する。
ここで、採取土壌の乾燥度は、パドル151の軸方向視の傾斜角度、回転数、又は熱風の温度等を、調整することによって、制御可能であり、解砕の度合いは、第1ゾーンX及び第2ゾーンYのガス分散板102に形成した開口面積、流量調整板125により残した連通部の面積等を調整することによって、調整可能である。従って、本実施形態においては、攪拌乾燥装置2により、採取土壌を所定の乾燥度にすることのみならず、採取土壌を充分に攪拌することができ、解砕(予備解砕)することができる。
そして、供給口401aに投入された採取土壌は、チェーンカーテン405を押し上げるようにして落下し、回転するロータ402の打撃板402aに衝突して、強力な打撃を受けて打撃板402aの接線方向へと投げつけられる。そして、適切な距離に調整された調整板403、404に衝突して破砕され、同時に再び跳ね返って、順次投入される採取土壌と空中で衝突して更なる解砕が進行する。このようにして連続して解砕された土壌は、ケーシング401内を落下して、最終的には排出口401bから排出される。
図5に例示されるものは、円筒状の分級室601と下方縮径の分散室602の内部に構成されたもので、分級室601の中心に、回転可能に支持された垂直な駆動軸607とその周囲に一体的に回転する多数の分級羽根608を取付けた回転羽根車608Aを有し、羽根車608Aの上方には回転羽根608Aの内部と連通する微粉排出口609を配している。回転羽根車608Aの外周には、分級用空気に旋回を与えるための多数のスリット状開孔を具備する固定翼606を同心円状に適当間隔離間して固設し,固定翼606に連結して下方縮径のガイドコーン610を備えている。
分級は、最初1次旋回気流で行なわれ、さらに、2次旋回気流において、遠心力と内向きに流れる空気の抗力とのバランスで行なわれ、所要粒度の微粒子は微粉排出口609を経由して微粉として系外へ取り出される。一方、所要粒度より大きい粗粒子は2次旋回気流による遠心力を受け回転羽根車608の外周方向へ跳ね飛ばされて固定翼606の内側に沿って下降する間に、固定翼606を経由して内側へ侵入してくる分級用空気に晒されて、分散作用を受けるが、粗粒子はさらに粗粉排出口611に向かって落下を続ける。そして、分散した微粒子は再び分級用空気とともに2次旋回気流中に運ばれ分級されるものである。かかる分級原理から、気流式分級装置6は、分級工程(S130)、二次分級工程(S230)のいずれにも使用可能なものである。
又、外周環807には、本実施形態では、ライナが内張りされると共に、その壁面を貫通するように多数のスリット又は小孔815が穿孔されている。外周環807外面の底部とケーシング808内面との間には、側部カバー816が環状に設けられており、側部カバー816とケーシング808及び外周環807外面との間に空気導入室817が区画形成され、空気導入管818から空気が導入可能となっている。なお、側部カバー816の上端は、外周環807の側部外面に密着固定されている。
底部カバー820及び空気導入室817には、気流式分級装置6によって分級された、採取土壌のうちの細粒子の、抜出し及び搬送用の管路821が接続され、管路821は投入管812へ細粒子を返送可能となっている。又、回転皿806の外周縁下側には、スクレーパ822が設置され、底部カバー820内に落下した細粒子を抜出し用の管路821の接続部へ向けて寄せ集めるように構成されている。
そして、空気導入管818から空気導入室817及び底部カバー820内に導入された空気は、クリアランス819、スリット又は小孔815を通って粉砕室内に流入し、粉砕によって生じた粉末を伴ってダクト814内に入り、気流式分級装置6へと送られることとなる。
しかも、以上の各工程により乾式除染方法による土壌洗浄がなされるものである。よって、全工程にわたり、汚染水等の副産物が発生することがない。又、土壌の必要成分(栄養分等)を洗い流してしまうことがないので、洗浄後の土壌は、土壌採取地に戻して再利用するに適したものとなる。又、乾燥させた土壌を解砕して分級することにより、大量の土壌を粉砕する等の処理時間がかかる作業が不要となり、処理効率を高めるものとなる。
本応用例においても、全工程にわたり、乾式除染方法による土壌洗浄がなされるものであり、汚染水等の副産物が発生することがない。しかも、分級工程(S130)にて分級された、汚染土壌を含む細粒に対して微粉砕を行うことで(S220)、全工程での分級効率が高まることとなる。又、汚染土壌が除かれた残余の細粒土壌については、微粉砕を行うものではないので、土壌採取地に戻して再利用するに適した粒度を維持することとなる。
加えて、汚染土壌処理システム1の設置認可が不要であり、設置にあたって地元の承諾も得やすいといった、副次的効果も期待できるものとなる。
本発明の実施の形態では、以上のごとく、土壌が放射性物質により汚染された場合の、汚染土壌処理方法及び汚染土壌処理システムを例示して説明したが、他の汚染源に対する土壌処理技術にも対応可能であることは、理解されるであろう。
Claims (7)
- 放射性物質により汚染された土壌を採取する汚染土壌採取工程と、
該汚染土壌採取工程で採取された土壌を乾燥させる乾燥工程と、
該乾燥工程にて乾燥された土壌の凝集を解く解砕工程と、
該解砕工程にて解砕された土壌を粒度に応じて分別する分級工程と、
該分級工程にて分別された土壌のうち、粒度の細かい土壌を隔離する隔離工程と、
該分級工程にて分級された土壌のうち、隔離されない残余の土壌の放射線量を測定する放射能レベル測定工程と、を含み、
該放射能レベル測定工程にて線量が所定値以下の残余の土壌を再利用すると共に、該放射能レベル測定工程にて線量が所定値を上回る場合には前記分級工程へと戻し、前記分級工程、前記隔離工程、前記放射能レベル測定工程を繰り返すことを特徴とする放射性物質汚染土壌処理方法。 - 前記分級工程にて分別された土壌のうち、粒度の細かい土壌の粒度を更に細かく粉砕する微粉砕工程と、
該微粉砕工程にて粉砕された土壌を粒度に応じて分別する二次分級工程と、
該二次分級工程にて分別された土壌のうち、粒度の細かい土壌を隔離する二次隔離工程と、
該二次分級工程にて分級された土壌のうち、隔離されない残余の土壌の放射線量を測定する二次放射能レベル測定工程と、を更に含み、
該二次放射能レベル測定工程にて線量が所定値以下の残余の土壌を再利用すると共に、該二次放射能レベル測定工程にて線量が所定値を上回る場合には前記二次分級工程へと戻し、前記二次分級工程、前記二次隔離工程、前記二次放射能レベル測定工程を繰り返すことを特徴とする請求項1記載の放射性物質汚染土壌処理方法。 - 前記微粉砕工程において、土壌粒子の表面部分を剥離させて土壌を研磨するとともに、前記二次分級工程で該剥離した土壌粒子の表面部分を細粒として分別することを特徴とする請求項2記載の放射性物質汚染土壌処理方法。
- 前記乾燥工程において、熱した空気を供給することで土壌を所定の乾燥度まで乾燥させることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の放射性物質汚染土壌処理方法。
- 採取された、放射性物質により汚染された土壌を乾燥させる、乾燥工程を行う攪拌乾燥装置と、
該攪拌乾燥装置で乾燥させた土壌を解砕する、解砕工程を行う衝撃式破砕装置と、
該衝撃式破砕装置で破砕した土壌を粒度に応じて分別する、分級工程を行う気流式分級装置と、
該気流式分球装置により分別された土壌のうち、粒度の細かい土壌を隔離する隔離工程を経た後の、隔離されない残余の土壌の放射線量を測定する、放射能レベル測定工程を行う放射線測定器とを含み、
該放射線測定器を用いた放射能レベル測定工程で検出された、線量が所定値以下の残余の土壌を再利用すると共に、線量が所定値を上回る土壌を、前記気流式分球装置へと戻し、前記分球工程と、前記隔離工程と、前記放射能レベル測定工程とを繰り返すことを特徴とする放射性物質汚染土壌処理システム。 - 前記気流式分級装置で分級した土壌のうち、粒度の細かい土壌の粒度を更に細かく粉砕する、微粉砕工程を行う遠心流動粉砕装置と、
該遠心流動粉砕装置で微粉砕した土壌を粒度に応じて分別する、二次分級工程を行う気流式分級装置と、
前記気流式分球装置により分別された土壌のうち、粒度の細かい土壌を隔離する二次隔離工程を経た後の、隔離されない残余の土壌の放射線量を測定する、二次放射能レベル測定工程を行う放射線測定器とを含み、
該放射線測定器を用いた二次放射能レベル測定工程で検出された、線量が所定値以下の残余の土壌を再利用すると共に、線量が所定値を上回る土壌を、前記二次分級工程を行う気流式分球装置へと戻し、前記二次分級工程と、前記二次隔離工程と、前記二次放射能レベル測定工程とを繰り返すことを特徴とする請求項5記載の放射性物質汚染土壌処理システム。 - 前記各装置が移動可能に構成されていることを特徴とする請求項5又は6記載の放射性物質汚染土壌処理システム。
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