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JP6047172B2 - 患者部分集団における痛風の治療方法 - Google Patents

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JP6047172B2 JP2014541012A JP2014541012A JP6047172B2 JP 6047172 B2 JP6047172 B2 JP 6047172B2 JP 2014541012 A JP2014541012 A JP 2014541012A JP 2014541012 A JP2014541012 A JP 2014541012A JP 6047172 B2 JP6047172 B2 JP 6047172B2
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Description

血清尿酸レベルの上昇に関連する障害(高尿酸血症)には、尿酸結晶の蓄積の障害、例えば、痛風関節症および痛風結節、尿路結石症(尿路結石)、尿酸腎障害、ならびにこれらの障害の続発症が含まれる。高尿酸血症は、痛風関節症を発症するリスクを高め、痛風のリスクは、高尿酸血症の程度および期間と共に増加する。痛風関節症に加え、慢性高尿酸血症は、尿路、腎実質および柔組織における尿酸結晶の蓄積を生じ、その結果、それぞれ、尿路結石症、慢性腎臓疾患を伴う尿酸腎障害および柔組織痛風結節となりうる。
高尿酸血症または痛風に罹っている人々は、腎機能障害、例えば、急性または慢性腎臓疾患に罹っていることが多く、あるいはアスピリンまたは利尿療法を受けていることがありうる。このような対象における現在の尿酸低下薬の限定および不利益な点により、これらの集団において尿酸を低下させるための有効な方法、組成物および治療が必要とされている。
本出願は、対象の血清尿酸レベルを低下させる方法、血清尿酸レベルの上昇に関連する障害に罹っている対象の治療方法および痛風に罹っている対象の高尿酸血症の治療方法に関するものであって、前記対象が、腎機能障害に罹っている対象、アスピリン療法中の対象および利尿療法中の対象を含む部分集団の一員であるものである。
ある態様は、腎機能障害に罹っている対象の血清尿酸レベルを低下させる方法であって、式(I)
Figure 0006047172
(I)
[式中、Rは、ヒドロキシ、低級アラルコキシ、ジ−低級アルキルアミノ−低級アルコキシ、低級アルカンアミド−低級アルコキシ、ベンズアミド−低級アルコキシ、ウレイド−低級アルコキシ、N’−低級アルキル−ウレイド−低級アルコキシ、カルバモイル−低級アルコキシ、ハロフェノキシ置換低級アルコキシ、カルバモイル置換フェノキシ、カルボニル−低級アルキルアミノ、N,N−ジ−低級アルキルアミノ−低級アルキルアミノ、ハロ置換低級アルキルアミノ、ヒドロキシル置換低級アルキルアミノ、低級アルカノイルオキシ置換低級アルキルアミノ、ウレイドおよび低級アルコキシカルボニルアミノからなる群から選択され;ならびに各Xは、独立して、ハロゲンである]
の化合物またはその医薬的に許容される塩を前記対象に投与することを特徴とする方法を提供する。
他の態様は、血清尿酸レベルの上昇および腎機能障害に関連する障害に罹っている対象の治療方法であって、式(I)の化合物を前記対象に投与することを特徴とする方法を提供する。他の態様は、痛風および腎機能障害に罹っている対象の高尿酸血症の治療方法であって、それを必要とする対象に式(I)の化合物を投与することを特徴とする方法を提供する。他の態様は、痛風に罹っている対象の高尿酸血症の治療方法であって、それを必要とする対象に式(I)の化合物を投与することを特徴とし、前記対象が、アスピリンまたは利尿療法を受けているものである方法を提供する。ある態様において、前記式(I)の化合物は、(−)−ハロフェナート、(−)−ハロフェン酸(halofenic acid)またはその医薬的に許容される塩である。ある態様において、前記腎機能障害は、慢性腎臓疾患であり、さらなる態様において、慢性腎臓疾患は、軽度または中等度である。さらなる態様が下記に提供される。
現在利用可能な尿酸低下薬は、腎機能障害に罹っている患者において望まれるレベルまで血清尿酸を低下させる能力に限界があり、この集団におけるそれらの使用は、様々な有害な副作用または毒性によって限定されうる。現在開発中の治療剤にも同様の限定が課されうる。例えば、腎機能が低下し、または損なわれた患者は、正常な腎機能の人よりアロプリノールのより低い用量が必要とされ、このような患者は、この薬の投与初期の段階でよく見られる。(http://www.drugs.com/pro/allopurinol.htmlで利用可能なアロプリノールについての処方情報を参照のこと)。また、尿酸排泄性のプロベネシドは、尿酸腎結石の患者で禁忌であり、腎機能障害に罹っている患者でその有効性が失われている(http://www.drugs.com/pro/propenecid.htmlで利用可能なプロベネシドについての処方情報を参照のこと)。アスピリンおよび利尿薬は、血清尿酸を増加させることが知られており、それゆえ大半の尿酸低下治療薬の利益的な効果を相殺してしまうだろう。よって、本明細書に開示の方法の利点としては、現在利用可能な尿酸低下治療薬または他の開発中の尿酸低下薬と比較して、これらの集団における治療効果、投薬レベル、患者モニタリングおよびコンプライアンス、ならびに安全性プロフィールを向上させることが挙げられる。
図1は、(−)−ハロフェナートで1日あたり600mgにて治療後の(a)正常およびステージ1のCKD、(b)ステージ2のCKD、および(c)ステージ3のCKDに罹っているヒト対象における血清尿酸(sUA)の低下を示す図である。 図2は、(−)−ハロフェナートで1日あたり200mg、400mgおよび600mgの用量にて治療後のステージ2および3のCKDに罹っているヒト対象における血清尿酸の低下を示す図である。 図3は、(−)−ハロフェナートで治療後のステージ3、ステージ2およびステージ1のCKDに罹っているヒト対象における血清尿酸レベルの変化の散布図である。 図4は、(−)−ハロフェナートで1日あたり200mg、400mgおよび600mgの用量にて治療後のヒト対象におけるCrCLの変化を示す図である。 図5は、(−)−ハロフェナートで治療後のステージ2およびステージ3のCKDに罹っているヒト対象におけるHbA1cレベルの変化を示す図である。 図6は、(−)−ハロフェナートで治療後のステージ2およびステージ3のCKDに罹っているヒト対象における空腹時血漿グルコース(FPG)レベルの変化を示す図である。 図7は、(−)−ハロフェナートで治療後のステージ2およびステージ3のCKDに罹っているヒト対象におけるトリグリセリド(TG)レベルの変化を示す図である。 図8は、(−)−ハロフェナートで治療後の低用量または中用量アスピリン療法中のヒト対象における血清尿酸の変化レベルを示す図である。 図9は、(−)−ハロフェナートで治療後の利尿薬療法中のヒト対象における血清尿酸の変化レベルを示す図である。
本開示で利用されるように、下記の用語は、特に示されていない限り、下記の意味を示すものと理解されるべきである:
「約」は、数を特定する場合、特に示されていない限り、その値または数の10%の上限または下限の範囲を意味する。特許請求の範囲については、均等論の適用に限定されることなく、各数字は、有効数字の数の記載およびその数字を得るために用いられた手法または方法(例えば、精神、サンプル調製など)などの因子を考慮して解釈されるべきである。
「投与する」または「投与」は、薬物、プロドラッグまたは治療剤を対象に付与する行為を意味する。典型的な投与経路は下記で説明される。
「急性痛風」は、少なくとも1つの痛風の症状(例えば、足部痛風または他の痛風関節炎、痛風発赤、痛風発作)に罹っている対象に現れる痛風を意味する。
「アルハロフェナート」は、(−)−ハロフェナート、すなわち、(−)−(R)−(4−クロロ−フェニル)−(3−トリフルオロメチル−フェノキシ)−酢酸2−アセチルアミノ−エチルエステルを意味する。
「慢性腎臓疾患」(「CKD」)は、長期間にわたる腎機能のゆっくりした喪失(腎臓の機能障害)を意味する。腎(または腎臓の)機能は、糸球体濾過率(「GFR」)によって測定され得、これは、クレアチニンクリアランス率(CCrまたはCrCl)を測定することによって近似され得る(単位時間あたりのクレアチニンが排出される血中血漿体積)。クレアチニンクリアランス(糸球体濾過率)はまた、コッククロフト・ゴールト式[コッククロフト・ゴールトGFR=(140−年齢)x(基準体重kg)x(女性の場合、0.85)/(72x基準値における血清クレアチニン)]を用いて概算することができる。本明細書で用いられるCKD群またはCKDのステージは、下記のように定義される:CKD0(正常な腎機能)−120mL/分と同等またはそれ以上のGFR;CKD1−90〜119mL/分のGFR;CKD2(軽度のCKD)−60〜89mL/分のGFR;CKD3(中等度のCKD)−30〜59mL/分のGFR;CKD4(重症CKD)−15〜29mL/分のGFR;CKD5(腎不全)−15mL/分以下のGFR。
「慢性痛風」は、再発性または長期の痛風発赤、痛風結節の形成、慢性炎症関節炎または痛風に関連する関節の悪化に罹っている対象に現れる痛風を意味し、急性痛風からの回復後および急性痛風発作の間(すなわち、痛風の間欠期)の期間が含まれる。
「組成物」または相互に交換可能である「製剤」は、化合物または薬物の比較的安定で所望される有用な形態を供する様々な賦形剤および有効成分の混合物を含有する調製物を意味する。
接頭語「d」および「l」または(+)および(−)は、化合物による平面偏光面の回転の表示を示すために用いられ、(+)またはd−は、化合物が「右旋性」であることを意味し、(−)またはl−は、化合物が「左旋性」であることを意味する。所定の化学構造については、これらの異性体または「光学異性体」は、それらが互いに鏡像である場合を除いて同一である。光学的に活性な化合物を記載する際、接頭語RおよびSは、そのキラル中心についての化合物の絶対配置を表示するために用いられる。絶対立体化学およびエナンチオマーの回転との間の命名については相関関係がない(すなわち、R−異性体はまた、l−異性体でありうる)。特定の光学異性体はまた、「エナンチオマー」とも称され、このような異性体の混合物は、「エナンチオマー」または「ラセミ」混合物と呼ばれることもある(例えば、A. Streitwiesser, & C.H. Heathcock, INTRODUCTION TO ORGANIC CHEMISTRY, 2nd Edition, Chapter 7 (MacMillan Publishing Co., U.S.A. 1981)。(−)−ハロフェナートの旋光[α]は、メチルアルコール中で測定した。
「血清尿酸レベルの上昇」は、正常より高い血清尿酸レベルを意味し、痛風に罹っている患者において、一般に、約6mg/dLより高いか、または同等である血清尿酸レベルを意味する。ある例において、血清尿酸レベルの上昇は、特定の世代または年齢の集団などの所定の集団における平均レベルより高いものである。
「有効量」は、(i)少なくとも部分的には、対象における所望の応答を達成するために;(ii)対象において治療される特定の状態の発症を遅延させ、または予防するために;あるいは(iii)対象において治療される特定の状態の進行を抑制し、または予防するために必要とされる量を意味する。特定の対象のための有効量は、治療されるべき対象の健康状態および身体状態、治療されるべき個体の分類群、所望される保護の程度、組成物の製剤化、医学的状況の評価および他の関連する因子に応じて変動する。その量は、所定の試験により調べることができる比較的広範囲で定まることが予想される。
「第1の尿酸低下薬」は、式(I)、(II)、(III)または(IV)のいずれかの化合物、あるいはその医薬的に許容される塩またはプロドラッグを意味する。明確化のため、この用語は、例えば、第2の尿酸低下薬に対して、時間相がなく、関連性がないことを意味する。
「痛風」は、尿酸の過剰産生または尿酸を排出する腎臓の能力低下による尿酸の蓄積に最も高い頻度で付随する障害または症状の一群を意味する。痛風は、関節(痛風関節症)または柔組織(痛風結節)における尿酸の結晶(尿酸またはその塩、例えば、尿酸モノナトリウム)の蓄積によって特徴付けられることが多い。本明細書で用いられる「痛風」には、急性痛風、慢性痛風、中等度痛風、難治性痛風および重症痛風が含まれる。
「痛風関連炎症」は、尿酸血症の蓄積に対する免疫応答に起因する局所または全身の炎症を意味する。
「ハロフェナート」は、式(III)の化合物、すなわち、(4−クロロフェニル)−(3−トリフルオロメチルフェノキシ)−酢酸2−アセチルアミノエチルエステル(4−クロロフェニル−(3−トリフルオロメチルフェノキシ)−酢酸の2−アセトアミドエチルエステルとも称される)を意味する。用語ハロフェナートおよびこれに対応する化学名には、他に特定されていない限り、式(III)の化合物の(+)および(−)エナンチオマーの両方、ならびにこれらの混合物が含まれる。
「ハロフェン酸(halofenic acid)」および「CPTA」は、式(IV)の化合物、すなわち、4−クロロフェニル−(3−トリフルオロメチルフェノキシ)−酢酸[2−(4−クロロフェニル)−2−(3−(トリフルオロメチル)フェノキシ)酢酸とも称される]ならびにその医薬的に許容される塩を意味する。用語ハロフェン酸およびこれに対応する化学名には、他に特定されていない限り、式(IV)の化合物の(+)および(−)エナンチオマーの両方、ならびにこれらの混合物が含まれる。
「高尿酸血症」は、血清尿酸レベルの上昇を意味する(上記を参照のこと)。
「腎機能障害」は、腎臓が血液からの毒素を適切に濾過し、生成物を排出することができない病状を意味する。腎機能障害には、急性腎臓傷害および慢性腎臓疾患(すなわち、CKD1−5)が含まれる。
「中等度痛風」は、過去12ヶ月の間に少なくとも2回の痛風発赤に罹っている対象中に存在する痛風を意味する。
「医薬的に許容される」は、一般的に安全で、非毒性で、生物学的にも不適切でもない、医薬組成物を調製する際に有用であるものを意味し、獣医学的またはヒト医薬的用途に許容可能であるものが含まれる。
「医薬的に許容される塩」には、医薬的に許容される酸付加塩および医薬的に許容される塩基付加塩が含まれ、溶媒和および非溶媒和の両方の形態が含まれる。医薬的に許容される塩の代表的な非限定的な記載は、S.M. Berge et al., J.Pharma Sci., 66(1), 1-19 (1977)およびRemington: The Science and Practice of Pharmacy, R. Hendrickson, ed., 21st edition, Lippincott, Williams & Wilkins, Philadelphia, PA, (2005)の第732頁の表38−5に見出すことができ、これらの両方は、出典明示により本明細書に取り込まれる。
「医薬的に許容される酸付加塩」は、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸などの無機酸、ならびに酢酸、トリフルオロ酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、シュウ酸、マレイン酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、桂皮酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、サリチル酸などの有機酸と形成された塩を意味する。
「医薬的に許容される塩基付加塩」は、無機塩基または有機塩基を遊離酸に加えることによって調製された塩を意味する。無機塩基に由来する塩としては、以下に限定されないが、ナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩、アンモニウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、鉄塩、亜鉛塩、銅塩、マンガン塩、アルミニウム塩などが挙げられる。有機塩基に由来する塩としては、以下に限定されないが、第一級、第二級および第三級アミン、置換アミン(天然に存在する置換アミンを含む)、環状アミンおよび塩基性イオン交換樹脂、例えば、イソプロピルアミン、トリメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、エタノールアミン、2−ジメチルアミノエタノール、2−ジエチルアミノエタノール、ジシクロヘキシルアミン、リジン、アルギニン、ヒスチジン、カフェイン、プロカイン、ヒドラバミン、コリン、ベタイン、エチレンジアミン、グルコサミン、メチルグルカミン、テオブロミン、プリン、ピペラジン、ピペリジン、N−エチルピペリジン、ポリアミン樹脂などの塩が挙げられる。
「難治性痛風」は、(1)第1の尿酸低下薬ではない1つまたはそれ以上の第2の尿酸低下薬、または(2)第2の尿酸低下薬ではなく第1の尿酸低下薬のいずれかで投与された後、反応しないか、もしくは反応性に乏しく、または有害事象を経験し、もしくは経験するリスクの高い患者における痛風を意味する。本明細書中の用語「反応しない」および「反応性に乏しい」には、(1)血清尿酸が低下しないか、もしくはほとんど低下せず、(2)(例えば、医師または他の医療従事者によって決定されるような)目標の血清尿酸レベルへの達成の失敗、および(3)1つまたはそれ以上の痛風の状態もしくは症状、例えば、痛風発赤、痛風結節、痛風関節炎または血清尿酸レベルが低いにもかからず付随する他の状態の持続が含まれる。
「第2の尿酸低下薬」は、第1の尿酸低下薬ではなく、血清尿酸レベルを低下させる治療剤を意味する。第2の尿酸低下薬には、血清尿酸を低下させる現在利用可能な薬剤(すなわち、本願の出願日時点でFDAまたは他の適当な当局によって認可されている薬剤)ならびに現在開発中または当局の審査中の化合物が含まれる。第2の尿酸低下薬の例は、下記で提供される。明確化のため、この用語は、例えば、第1の尿酸低下薬に対して、時間相がなく、関連性がないことを意味する。
「対象」および「患者」は、例えば、哺乳類(ヒトを含む)、他の霊長類、愛玩動物(例えば、イヌ、ネコ)、家畜動物(例えば、ウマ、ウシ、ヒツジ、ブタ)、ラットおよびマウスを意味する。
「重症痛風」は、関節、皮膚または腎臓における結節性沈着を有する対象に存在する痛風を意味し、これらは、慢性関節炎、関節破壊、皮下痛風結節または腎不全を生じ、ある場合には、後に変形および/または身体障害を生じる。
「実質的に含まない」は、対応する(+)エナンチオマー(すなわち、(+)−ハロフェナート、(+)−ハロフェン酸またはその塩)を実質的に含まない(−)−ハロフェナートまたは(−)−ハロフェン酸(またはその塩)について用いられる場合、(+)エナンチオマーに対して高い割合で化合物の(−)エナンチオマーを含有する組成物を意味する。1の実施態様において、前記用語は、組成物に含まれる化合物が、重量比で、少なくとも85%の(−)エナンチオマーおよび15%以下の(+)エナンチオマーであることを意味する。1の実施態様において、前記用語は、組成物に含まれる化合物が、重量比で、少なくとも90%の(−)エナンチオマーおよび10%以下の(+)エナンチオマーであることを意味する。他の実施態様において、前記用語は、組成物中に含まれる化合物が、重量比で、少なくとも91%の(−)エナンチオマーおよび9%以下の(+)エナンチオマー、少なくとも92%の(−)エナンチオマーおよび8%以下の(+)エナンチオマー、少なくとも93%の(−)エナンチオマーおよび7%以下の(+)エナンチオマー、少なくとも94%の(−)エナンチオマーおよび6%以下の(+)エナンチオマー、少なくとも95%の(−)エナンチオマーおよび5%以下の(+)エナンチオマー、少なくとも96%の(−)エナンチオマーおよび4%以下の(+)エナンチオマー、少なくとも97%の(−)エナンチオマーおよび3%以下の(+)エナンチオマー、少なくとも98%の(−)エナンチオマーおよび2%以下の(+)エナンチオマー、あるいは少なくとも99%の(−)エナンチオマーまたは99%以上の(−)エナンチオマーであることを意味する。他の割合の(−)および(+)エナンチオマーもまた提供されうる。これらの割合は、組成物中の化合物の両方のエナンチオマーの総量と比較したエナンチオマーの量に基づくものである。
「治療上有効な用量」、「治療上有効な量」または相互に交換可能な「薬理学的に許容される用量」および「薬理学的に許容される量」は、十分量の治療剤またはその代謝物が、所望される結果を達成するために、例えば、尿酸レベルを目標の値まで低下させ、またはその様々な型の痛風を治療し、または高尿酸血症に関連する状態を治療するために存在することを意味する。
疾患、障害、病気または症状の「治療」および「治療する」は、(1)疾患、障害または病気を発症するリスクを予防し、または軽減し、すなわち、疾患、障害または病気の臨床症状を、疾患、障害または病気に晒されるか、または罹りやすいが、疾患、障害または病気の症状をまだ経験していないか、または示していない対象において、発症させなくし(すなわち、予防);(2)疾患、障害または病気を抑え、すなわち、疾患、障害または病気あるいはその臨床症状の発症を停止させ、または軽減し;ならびに(3)疾患、障害または病気を緩和し、すなわち、疾患、障害または病気を退行、反転もしくは改善させ、またはその臨床症状の数、頻度、期間もしくは重症度を減少させることを意味する。用語「管理」は、同意語として用いられうる。
「尿酸塩」は、尿酸(7,9−ジヒドロ−1H−プリン−2,6,8(3H)−トリオン)ならびにそのイオンおよび塩を意味する。
本出願は、対象の血清尿酸レベルを低下させるための方法であって、式(I)
Figure 0006047172
(I)
[式中、Rは、ヒドロキシ、低級アラルコキシ、ジ−低級アルキルアミノ−低級アルコキシ、低級アルカンアミド−低級アルコキシ、ベンズアミド−低級アルコキシ、ウレイド−低級アルコキシ、N’−低級アルキル−ウレイド−低級アルコキシ、カルバモイル−低級アルコキシ、ハロフェノキシ置換低級アルコキシ、カルバモイル置換フェノキシ、カルボニル−低級アルキルアミノ、N,N−ジ−低級アルキルアミノ−低級アルキルアミノ、ハロ置換低級アルキルアミノ、ヒドロキシ置換低級アルキルアミノ、低級アルカノイルオキシ置換低級アルキルアミノ、ウレイドおよび低級アルコキシカルボニルアミノからなる群から選択され;ならびに各Xは、独立して、独立して、ハロゲンである]
の化合物またはその医薬的に許容される塩をそれを必要とする対象に投与することを特徴とし、前記対象が、腎機能障害に罹っているものである方法を記載する。
ある態様において、前記化合物は、式(II)
Figure 0006047172
(II)
[式中、Rは、フェニル−低級アルキル、低級アルカンアミド−低級アルキルおよびベンズアミド−低級アルキルからなる群から選択されるものであり;ならびに各Xは、独立して、ハロゲンである]
の化合物またはその医薬的に許容される塩である。
他の態様において、前記化合物は、式(III)
Figure 0006047172
(III)
の化合物(ハロフェナートとも称される)またはその医薬的に許容される塩である。
他の態様において、前記化合物は、式(IV)
Figure 0006047172
(IV)
の化合物(ハロフェン酸とも称される)またはその医薬的に許容される塩である。
本明細書における式および実施例中の原子価を満たしていない炭素原子のいずれもが原子価を満たすように水素原子を有するものとされることに留意すべきである。
ある実施態様において、前記化合物は、下記により詳細に説明されるように、投与後に化学反応により式(IV)の化合物またはその医薬的に許容される塩を生じる化合物である。
ある実施態様において、前記化合物は、式(I)、(II)、(III)または(IV)の化合物の(−)エナンチオマーである。ある実施態様において、前記化合物は、(−)−ハロフェナート(すなわち、(−)−(R)−(4−クロロ−フェニル)−(3−トリフルオロメチル−フェノキシ)−酢酸2−アセチルアミノ−エチルエステル、アルハロフェナートとも称される)である。他の実施態様において、前記化合物は、(−)−ハロフェン酸(すなわち、(−)−4−クロロフェニル−(3−トリフルオロメチルフェノキシ)酢酸)またはその医薬的に許容される塩である。ある実施態様において、前記(−)−ハロフェナート、(−)−ハロフェン酸またはその医薬的に許容される塩は、対応する(+)エナンチオマーを実質的に含まれない。
式(I)、(II)、(III)または(IV)の化合物のエナンチオマー(立体異性体)およびその医薬的に許容される塩は、可能な限り方法におけるそれらの単一のエナンチオマー形態の反応剤または試薬または触媒を用いることにより、あるいはキラル酸またはキラル塩基と形成されたジアステレオマー塩を分割する微生物分割およびキラル担体の使用を含む従来の方法による立体異性体の混合物を分割することにより、製造することができる。出典明示によりその全体が本明細書に取り込まれる米国特許第7,199,259号(Daugs)、米国特許第6,646,004号;第6,624,194号;第6,613,802号;および第6,262,118号(各々、Luskeyら)、米国特許第7,714,131号(Zhuら)、米国特許第7,432,394号(Chengら)および米国特許第2010/0093854号(Brogginiら)もまた参照のこと。
(3−トリハロメチルフェノキシ)(4−ハロフェニル)酢酸誘導体のラセミ混合物の化学合成はまた、出典明示によりその教示が本明細書に取り込まれる米国特許第3,517,050号に記載の方法によって実施することができる。各エナンチオマーは、当業者に公知であり、用いられる従来の手法を用いて、エナンチオマーのラセミ混合物の分割によって得ることができる。例えば、Jaques, J., et al., in Enantiomers, Racemates, and Resolutions, John Wiley and Sons, New York (1981)を参照のこと。当業者に公知の分割の他の標準的な方法(以下に限定されないが、単純結晶化およびクロマトグラフ分割を含む)はまた、用いることができる(例えば、Stereochemistry of Carbon Compounds (1962) E.L.Eliel, McGraw Hill; J.Lochmuller, Chromatography, 113, 283-302 (1975))。また、ハロフェナート、ハロフェン酸またはその医薬的に許容される塩、すなわち、光学的に純粋な異性体は、酵素生体触媒的な分割によってラセミ混合物から調製することができる。酵素生体触媒的な分割は、一般に、以前に公開されている(例えば、出典明示により本明細書に取り込まれる米国特許第5,057,427号および第5,077,217号を参照のこと)。エナンチオマーを取得するための他の一般的な方法には、立体特異的合成法が含まれる(例えば、A.J.Li et al., Pharm.Sci.86, 1073-77 (1997)を参照のこと)。
本開示はまた、血清尿酸レベルの上昇に関連する1つまたはそれ以上の障害(すなわち、高尿酸血症)の治療方法であって、それを必要とする対象に式(I)、(II)、(III)または(IV)の化合物あるいはその医薬的に許容される塩を投与することを特徴とし、前記対象が腎機能障害である方法を提供する。高尿酸血症に関連する障害としては、以下に限定されないが、痛風;急性痛風;慢性痛風;中等度痛風;難治性痛風;重症痛風;尿路、腎実質、柔組織、関節、軟骨または骨における尿酸結晶の蓄積;尿路結石症;尿酸腎障害;痛風結節;足部痛風;急性炎症痛風関節炎;関節破壊;尿路感染;腎不全;慢性腎臓疾患;腎結石;局所炎症;全身炎症;免疫関連障害;循環器疾患(末梢血管性疾患、冠動脈疾患および脳血管疾患を含む);インスリン耐性;糖尿病;脂肪肝疾患;認知症(血管性認知症を含む);脂質異常症;妊娠高血圧腎症;高血圧症;肥満症;筋痙縮;限局性腫脹;疼痛(関節痛を含む)、筋疲労;およびストレス感情が挙げられる。
様々な因子により、患者が痛風に罹るか、またはその症状の1つまたはそれ以上を経験するリスクが増加する。高尿酸血症に加えて、これらの因子には、肥満症、糖尿病、慢性腎不全、高血圧症、利尿薬および一定の他の薬(例えば、サリチル酸塩、ピラジンアミド、エタンブトール、ニコチン酸、サイクロスポリン、2−エチルアミノ−1,3,4−チアジアゾール、フルクトースおよび細胞毒性剤)の使用、過食もしくは絶食、高プリン体を含有する食事、高フルクトースを含有する食事、鉛暴露、赤身肉およびタンパク質の摂取、アルコール摂取、ならびに傷害または最近の外科手術が挙げられる。急性痛風は、外科手術の患者における周術期ケトーシス、(例えば、就寝中の)体温の低下によって、ならびに(例えば、利尿薬の使用による)脱水症によって引き起こされうる。痛風および高尿酸血症についての一般的なリスク因子はまた同定されている。
様々な実施態様において、本明細書に記載の方法は、前記病気または障害のいずれかを治療するために用いられうる。すなわち、1の実施態様において、血清尿酸レベルの上昇に関連する障害は、痛風である。ある実施態様において、前記対象は、急性痛風に罹っている。ある実施態様において、前記対象は、慢性痛風に罹っている。ある実施態様において、前記対象は、中等度痛風に罹っている。ある実施態様において、前記対象は、難治性痛風に罹っている。ある実施態様において、前記対象は、重症痛風に罹っている。
ある方法は、痛風に罹っている対象における高尿酸血症の治療を提供する。例えば、方法は、痛風に罹っている対象における高尿酸血症の治療であって、第1の尿酸低下薬を含む医薬組成物を投与することを特徴とし、前記対象が腎機能障害に罹っている治療を提供する。ある方法において、前記化合物は、(−)−ハロフェナート、(−)−ハロフェン酸またはその医薬的に許容される塩でありうる。ある実施態様において、治療は、約4週間またはそれ以上、約1ヶ月間またはそれ以上、約12週間またはそれ以上、約3ヶ月間またはそれ以上、約6ヶ月間またはそれ以上、約1年間またはそれ以上、約2年間またはそれ以上、約5年間またはそれ以上、約10年間またはそれ以上でありうる。ある実施態様において、治療は、無期限、例えば、対象の人生の余生の間でありうる。
様々な実施態様において、前記方法には、痛風を治療することが含まれる。ある実施態様において、前記方法は、痛風発赤を予防することによって痛風を治療することを特徴とする。別の実施態様において、前記方法は、1つまたはそれ以上の痛風発赤の回数、頻度、期間または重症度を減少させることを特徴とする。別の実施態様において、前記方法は、尿酸結晶の形成を予防し、減らし、または反転させることを特徴とする。尿酸結晶の治療方法のある実施態様において、前記尿酸結晶は、1つまたはそれ以上の関節、皮下および腎臓で形成される。ある実施態様において、前記形成には、痛風結節の蓄積が含まれる。ある実施態様において、前記対象は、痛風結節の吸引または炎症関節の滑液の吸引によって調べられる尿酸結晶の形成を有する。別の実施態様において、前記方法は、尿酸の負荷を低下させることを特徴とする。別の実施態様において、前記方法は、痛風結節の大きさまたは数を減少させることを特徴とする。痛風結節の大きさまたは数は、公知の方法、例えば、CTスキャンの使用によって評価されうる。
様々な実施態様において、本明細書に記載の方法は、本明細書に記載の方法で投与する前の対象における血清尿酸レベルと比較して、約5%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%またはそれ以上に対象における血清尿酸レベルを低下させる。様々な実施態様において、血清尿酸レベルは、約5%〜約50%に低下され、約25%〜約75%に低下され、または約50%〜約99%に低下される。血清尿酸レベルを調べるための方法は、当該技術分野で周知であり、血液血清試料の標準的な化学パネルの一部として測定されることがよくある。
ある実施態様において、本開示の方法は、本明細書に記載の方法または組成物を投与する前の対象における血清尿酸レベルと比較して、約7mg/dLまたはそれ以下に、約6.5mg/dLまたはそれ以下に、約6mg/dLまたはそれ以下に、約5mg/dLまたはそれ以下に、約4mg/dLまたはそれ以下に、または約3mg/dLまたはそれ以下に対象における血清尿酸レベルを低下させる。ある実施態様において、本開示の方法は、本明細書に記載の方法または組成物を投与する前の対象における血清尿酸レベルと比較して、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、1.0、1.5、2.0、2.5、3.0、3.5、4.0、4.5、5.0、5.5、6.0、6.5、7.0、7.5、8.0、8.5、9.0、9.5または10.0mg/dL、あるいはこれら以上に対象における血清尿酸レベルを低下させる。さらなる実施態様において、本明細書に記載の方法は、0.1〜10.0mg/dL、0.5〜6.0mg/dL、1.0〜4.0mg/dLまたは1.5〜2.5mg/dLに血清尿酸レベルを低下させる。適当な血清尿酸レベルは、対象によって変動し、ならびに対象の総体的な病状に応じて時間経過とともに一定の対象について変動しうる。同様に、共通の病状を示すある群の対象の適当な血清尿酸レベルは、異なる病状を示す異なる群の対象とは相違しうる。よって、対象の所定の群の血清尿酸レベルを、例えば、約5mg/dL以下に低下させ、対象の別の群の血清尿酸レベルを、例えば、約4mg/dL以下に低下させることが望まれうる。ある実施態様において、本開示の方法は、一定の期間、例えば、約4週間またはそれ以上、約1ヶ月間またはそれ以上、約12週間またはそれ以上、約3ヶ月またはそれ以上、約6ヶ月間またはそれ以上、約1年間またはそれ以上、約2年間またはそれ以上、約5年間またはそれ以上、あるいは約10年間またはそれ以上などにわたり、対象における血清尿酸レベルを、血清尿酸の上昇に関連する1つまたはそれ以上の障害の消失、軽減、寛解または発症の予防となるのに十分な量まで減少させる。例えば、方法は、約1週間、約1ヶ月間、約6ヶ月間、約1年間、約2年間またはそれ以上、例えば、無期限に、例えば、対象の余生にわたり、対象における血中尿酸レベルを減少させることができる。
さらなる実施態様において、本開示の方法は、第1の尿酸低下薬を含む医薬組成物を、血清尿酸レベルが、少なくとも約4mg/dL、少なくとも約5mg/dL、少なくとも約6mg/dL、少なくとも約6.8mg/dL、少なくとも約7mg/dL、少なくとも約8mg/dL、少なくとも約9mg/dL、少なくとも約10mg/dLまたは少なくとも約11mg/dLである患者に投与することを特徴とする。再度、適当な血清尿酸レベルの低下量は、患者に応じて、患者の全体の病状に応じて変動しうる。同様に、共有の病状を示す対象のある群の適当な血清尿酸レベルの低下量は、異なる病状を示す対象の別の群とは異なりうる。
上記に記載されるように、本明細書の記載の方法の一定の対象は、腎機能障害、例えば、慢性腎臓疾患(CKD)に罹っている。ある実施態様において、対象は、上記で定義されるようなある異常なステージのCKD、例えば、CKD1、CKD2(軽度)、CKD3(中等度)、CKD4(重症)またはCKD5(腎不全)に罹っている。対象のCKDステージは、時間とともに変化しうる。他の実施態様において、前記対象は、別のタイプの腎機能障害、例えば、急性腎臓傷害に罹っている。
図1に示されるように、血清尿酸は、(−)−ハロフェナートで1日あたり600mgにて治療後の(a)正常およびステージ1のCKD、(b)ステージ2のCKD、ならびに(c)ステージ3のCKDに罹っている患者で低下されうる。これらのデータにより、一定用量の(−)−ハロフェナート(例えば、600mg/日)での血清尿酸を低下させる効果は、より重症なCKDに罹っている患者でより顕著でありうることが示唆される。よって、ある実施態様において、前記化合物は、患者のCKDのステージに応じた用量で投与される。例えば、正常な腎機能である対象に推奨される本明細書に記載の化合物の用量は、異常なCKDである対象、例えば、CKD3(30〜59mL/分のGFR)の患者またはCKD4−5(30mL/分以下のGFR)の患者で減少させることができる。
実施態様において、方法は、対象の腎機能を測定することが含まれうる。例えば、ある方法は、式(I)、(II)、(III)または(IV)の化合物あるいはその医薬的に許容される塩を投与する前に対象の腎機能を測定することを特徴とし、ある方法は、治療の一定期間後、例えば、約1日後、約1週間後、約2週間後、約1ヶ月後、約3ヶ月後、約6ヶ月後または約1年後に前記対象の腎機能を測定することを特徴としうる。ある方法において、対象の腎機能は、2つまたはそれ以上の一連の腎機能測定を行うことによってモニターされうる。例えば、第1の腎機能測定は、本開示の化合物が最初に投与される時またはその直前(例えば、対象が化合物を受容する前、7時間前、1または2日前など)に行うことができ、第2の腎機能測定は、上記のように治療の一定期間後(例えば、約1週間後、約1ヶ月後など)に行うことができる。ある方法において、前記対象は、第1の腎機能測定から第2の腎機能測定まで同一程度の腎臓の機能不全を有する(例えば、同一ステージのCKD、すなわち、CKD1、CKD2などを有する)。他の実施態様において、対象の腎臓の機能不全は、第1の腎機能測定から第2の腎機能測定まで改善される(例えば、対象は、第1の測定でCKD3および第2の測定でCKD2でありうるなど)。腎機能は、GFRまたは当業者に公知の他の方法によって測定され得る。
図2は、(−)−ハロフェナートで1日あたり200mg、400mgおよび600mgの用量にて治療後のステージ2およびステージ3のCKDに罹っている対象における血清尿酸の用量依存的な低下を示す。これらのデータにより、正常な腎機能である対象の血清尿酸の低下と比較して広い用量範囲にわたる軽度から中等度のCKDに罹っている患者の血清尿酸の低下が示される。
ある実施態様において、前記化合物は、慢性腎臓疾患のステージとは無関係である用量で投与される。例えば、プロベネシドおよびアロプリノールなどの一定の第2の尿酸低下薬とは対照的に、ある実施態様において、本明細書に記載の化合物の用量は、比較できる血清−酸低下が望まれる場合に軽度、中等度または重症CKDの患者に投与される時に調節されず、または調節する必要がない。図3は、(−)−ハロフェナートで治療後のステージ3、ステージ2およびステージ1のCKDに罹っているヒト対象における血清尿酸レベルの低下を示す。これらのデータにより、(−)−ハロフェナートの投与は、CKDのステージとは無関係に、CKD0、CKD1、CKD2およびCKD3(正常な腎機能から中等度CKDまで)の患者における血清尿酸の低下を生じることが示される。
ある実施態様において、第1の尿酸低下薬の投与は、腎機能に顕著な有害効果を生じないことを特徴としうる。例えば、方法には、痛風に罹っている対象における高尿酸血症の治療方法であって、第1の尿酸低下薬を含む医薬組成物を投与することを特徴とし、前記対象が腎機能障害に罹っており、前記投与が腎機能に顕著な有害効果を生じないものである方法が含まれる。図4は、(−)−ハロフェナートで1日あたり200mg、400mgおよび600mgの用量にて治療後のヒト対象におけるCrCLの変化を示す。上記に記載されるように、クレアチニンクレアランスは、腎機能を測定するために用いることができる。図4に示されるように、(−)−ハロフェナートの投与は、プラセボと比較してCrCLにおける顕著な変化を生じず、このことは、(−)−ハロフェナートが腎機能を試験用量および投与期間に悪化させないことを示す。
本出願はまた、高尿酸血症または高尿酸血症に関連する障害の治療方法であって、第1の尿酸低下薬(すなわち、式(I)、(II)、(III)または(IV)の化合物あるいはその医薬的に許容される塩)を投与することを特徴とし、前記対象が、腎機能障害(例えば、慢性腎臓疾患)に罹っており、前記投与がHbA1cまたは血漿グルコースレベルの低下を生じるものである方法を提供する。HbA1cまたはヘモグロビンA1cは、血中のグリコシル化されたヘモグロビンの大部分を含む。グリコシル化ヘモグロビンの総ヘモグロビンに対する比は、血中グルコースレベルに比例する。よって、HbA1cのレベルは、血中グルコースのマーカーとして役立つ。図5は、(−)−ハロフェナートで治療後のステージ2およびステージ3のCKDに罹っているヒト対象におけるHbA1cレベルの変化を示し、図6は、空腹時血漿グルコースの同様の変化を示す。ある方法において、前記化合物は、(−)−ハロフェナートである。ある方法において、高尿酸血症に関連する障害は、痛風である。ある方法において、前記対象は、空腹時血漿グルコースレベルの上昇(すなわち、100mg/dL以上のレベル;例えば、A.Tirosh et al., N.Engl.J.Med., 353, 1454-62 (2005)を参照のこと)を示す。ある方法において、前記化合物の投与は、少なくとも約0.8%まで、例えば、少なくとも約1%までのHbA1cレベルの低下を生じる。ある方法において、化合物の投与は、少なくとも約10%、例えば、少なくとも約15%までの空腹時血漿グルコースレベルの低下を生じる。これらの方法のある場合において、前記化合物は、対象に1日あたり1回で約4週間またはそれ以上、約1ヶ月間またはそれ以上投与される。
本出願はまた、高尿酸血症または高尿酸血症に関連する障害の治療方法であって、それを必要とする対象に第1の尿酸低下薬を投与することを特徴とし、前記対象が腎機能障害に罹っており、前記投与がトリグリセリドレベルの低下を生じるものである方法を提供する。図7は、(−)−ハロフェナートで治療後のステージ2およびステージ3のCKDであるヒト対象におけるトリグリセリドレベルの変化を示す。ある方法において、前記化合物は、(−)−ハロフェナートである。ある方法において、高尿酸血症に関連する障害は、痛風である。ある方法において、前記対象は、トリグリセリドレベルの上昇(すなわち、150mg/dL以上のレベル;例えば、上記のA.Tiroshらを参照のこと)を示す。ある方法において、前記化合物の投与は、少なくとも約20%まで、例えば、少なくとも約30%までのトリグリセリドレベルの低下を生じる。これらの方法のある方法において、前記化合物は、1日あたり1回約4週間またはそれ以上、約1ヶ月間またはそれ以上など対象に投与される。
本出願はまた、(1)対象における血清尿酸レベルを低下させ;(2)血清尿酸レベルの上昇に関連する障害に罹っている対象を治療し;および(3)痛風に罹っている対象における高尿酸血症を治療する方法であって、それを必要とする対象に式(I)、(II)、(III)または(IV)の化合物あるいはその医薬的に許容される塩を投与することを特徴とし、前記対象が1つまたはそれ以上の部分集合の一員であり、前記部分集合がアスピリン療法中の対象および利尿療法中の対象(すなわち、アスピリンまたは利尿治療剤を受けているか、または投与されている対象)を含むものである方法を提供する。ある実施態様において、前記対象は、低用量または中用量(例えば、325mg/日またはそれ以下)でアスピリン療法中である。典型的な利尿薬としては、下記に限定されないが、高天井(high-ceiling)またはループ利尿薬(例えば、エタクリン酸、トルセミドおよびブメタニド)、低天井(low-ceiling)利尿薬、チアジド(例えば、ヒドロクロロチアジド)、炭酸脱水酵素阻害剤(例えば、アセタゾラミドおよびメタゾラミド)、カリウム保持性利尿薬(例えば、スピロノラクトン、カンレノ酸カリウム、アミロライドおよびトリアムテレン)、カルシウム保持性利尿薬および浸透圧利尿薬(例えば、マンニトール)が挙げられる。図8は、低用量または中用量アスピリン療法中のヒト対象における血清尿酸レベルの低下を示す図である。図9は、利尿療法中のヒト対象における血清尿酸レベルの低下を示す図である。
本明細書に記載の方法は、難治性痛風に罹っている対象に有用でありうる。難治性痛風に罹っている対象は、1つまたはそれ以上の第2の尿酸低下薬に対して反応が示されないか、もしくは反応性が乏しく、あるいそこから有害事象を経験しているか、もしくは経験するリスクが高まっている。
第2の尿酸低下薬は、第1の尿酸低下薬ではない(すなわち、式(I)、(II)、(III)または(IV)のいずれの化合物あるいはその医薬的に許容される塩でもない)血清尿酸レベルを低下させる薬剤でありうる。これらの第2の尿酸低下薬には、尿酸生成阻害剤(例えば、キサンチンオキシダーゼ阻害剤およびプリンヌクレオシドホスホリラーゼ阻害剤)、尿酸排泄薬およびウリカーゼが含まれる。キサンチンオキシダーゼ阻害剤としては、以下に限定されないが:アロプリノール、フェブキソスタット、オキシプリノール、チソプリン、イノシトールおよびプロポリスが挙げられる。ある実施態様において、前記キサンチンオキシダーゼ阻害剤は、アロプリノール、フェブキソスタット、オキシプリノール、チソプリン、イノシトール、フィチン酸、ミオイノシトール、ケンフェロール、ミリセチンおよびケルセチンである。キサンチンオキシダーゼ阻害剤であるアロプリノール(1,5−ジヒドロ−4H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−オン)は尿酸レベルを低下させるための現在の第一標準薬である。別のキサンチンオキシダーゼ阻害剤であるフェブキソスタット(2−(3−シアノ−4−イソブトキシフェニル)−4−メチル−1,3−チアゾール−5−カルボン酸)は、2009年2月に痛風の治療用に認可された。プリンヌクレオシドホスホリラーゼ(PNP)阻害剤は、高尿酸血症、痛風および関連疾患に罹っている患者における血清尿酸レベルを低下させるための比較的新しいアプローチを示す。ある実施態様において、前記PNP阻害剤は、フォロデシン(BCX−1777)(BioCryst Pharmaceuticals,Inc.)である。他の実施態様において、前記PNP阻害剤は、BCX−4208(7−(((3R,4R)−3−ヒドロキシ−4−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−1−イル)メチル)−3H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4(5H)−オン)(BioCryst Pharmaceuticals,Inc.)である。40、80、120、160および240 mg/日で投与されるBCX4208単剤治療は、痛風患者における血清尿酸の迅速かつ顕著な低下が示された。尿酸排泄薬は、尿酸の腎排泄を高め、一般に、例えば、尿酸輸送体、例えば、SLC22A12を阻害することにより、腎近位尿細管から血液に戻る尿酸の吸収を低下させることによって作用する。尿酸排泄薬としては、以下に限定されないが、プロベネシド、2−((5−ブロモ−4−(4−シクロプロピルナフタレン−1−イル)−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)チオ)酢酸(RDEA594,lesinurad)、カリウム 4−(2−((5−ブロモ−4−(4−シクロプロピルナフタレン−1−イル)−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)チオ)アセトアミド)−3−クロロベンゾエート(RDEA806)、RDEA684、ベンズブロマロン、スルフィンピラゾン、アムロジピン、アトルバスタチン、フェノフィブラート、グアイフェネシン、ロサルタン、副腎皮質刺激ホルモンおよびコルチゾンが挙げられる。プロベネシドは、米国で最も一般的に用いられる尿酸排泄薬であり、アロプリノールと組み合わせて痛風患者に付与されうる。ベンズブロマロンおよびスルフィンピラゾンはまた、第一選択尿酸排泄薬として用いられる。グアイフェネシン、ロサルタン、アトルバスタチン、アムロジピン、副腎皮質刺激ホルモン(ACTHまたはコルチコトロピン)、フェノフィブラートおよびコルチゾンはまた、尿酸排泄性効果を有する。ウリカーゼまたは尿酸オキシダーゼ酵素は、ヒトではない多くの哺乳類で見出される。それらは、尿酸を、尿中に容易に排出される良性代謝物であるアラントインに変換することによって尿酸レベルを低下させることができる。ウリカーゼ酵素としては、以下に限定されないが、ラスブリカーゼまたはペグ化ウリカーゼ酵素(PEG−ウリカーゼ)が挙げられる。ある実施態様において、ペグ化ウリカーゼ酵素は、従来の治療に不応である成人患者における慢性痛風の治療について米国で認可されているKrystexxa(登録商標)(PURICASE(登録商標);pegloticase)(Savient Pharmaceuticals,Inc.)である。
ある実施態様において、前記対象は、アロプリノール、2−((5−ブロモ−4−(4−シクロプロピルナフタレン−1−イル)−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)チオ)酢酸(RDEA594,ledinurad)、2−(3−シアノ−4−イソブトキシフェニル)−4−メチル−1,3−チアゾール−5−カルボン酸(フェブキソスタット)またはBCX4208に無効である。ある実施態様において、前記対象は、アロプリノールに無効である。例えば、1の実施態様において、前記対象は、100mg/日〜800mg/日(例えば、100mg/日から300mg/日)で約1ヶ月間またはそれ以上、約3ヶ月間またはそれ以上、約1年間またはそれ以上など投与されるアロプリノールに無効である。ある実施態様において、前記対象は、フェブキソスタットに無効である。例えば、1の実施態様において、前記対象は、40mg/日から120mg/日で約1ヶ月間またはそれ以上、約3ヶ月間またはそれ以上、約1年間またはそれ以上など投与されるフェブキソスタットに無効である。ある実施態様において、前記対象は、軽度または中等度の慢性腎臓疾患(CKD2−3)に罹っている。他の実施態様において、前記対象は、重症慢性腎臓疾患(CKD4)に罹っている。他の実施態様において、前記対象は、アスピリンまたは利尿療法中である。
痛風に罹っているか、または痛風を発症するリスクのある患者は、痛風発赤を治療し、または管理するために、非ステロイド系抗炎症薬(NSAIDS)、コルヒチン、ステロイドまたは類似薬などの薬剤で投与されうることが当業者に認識される。よって、本明細書に記載のある実施態様において、前記対象はまた、NSAID、コルヒチンまたはステロイドなどの薬剤で投与されてもよい。
本明細書に記載の方法は、投与後に化学反応により、式(IV)の化合物またはその塩を生じる化合物の投与によって行われうる。このような化合物には、式(IV)の化合物のプロドラッグ含まれる。化合物のプロドラッグは、インビボで切断されて、親化合物または活性な代謝物を遊離しうるように、化合物中に存在する官能基を改変することによって調製される。例えば、プロドラッグには、化合物中のヒドロキシ、アミノまたはスルフヒドリル基が、インビボで切断されて、それぞれ、遊離のヒドロキシル、アミノまたはスルフヒドリル基を再生しうる基に結合する化合物が含まれる。一定のプロドラッグは、実施態様の化合物が対象に投与されると(例えば、経口投与した化合物を血液中により吸収しやすくすることによって)、このような化合物のバイオアベイラビリティを増加させ、あるいは親の種と比較して、一定の臓器または組織(例えば、腎臓、脂肪の組織、肝臓、筋肉または関節)に対する親化合物の送達を高めうる。より具体的には、式(IV)の化合物のプロドラックには、式(IV)の化合物のヒドロキシ官能基のエステル、アミドおよびカルバメート(例えば、N,N−ジメチルアミノカルボニル)が含まれる。式(I)、(II)および(III)の化合物は、式(IV)のプロドラッグの非限定的な例である。プロドラッグのさらなる例は、J.Rautio et al. Prodrugs: design and clinical applications, Nat.Rev.Drug Discov., 7, 255-270 (2008); Edward B. Roche, ed., Bioreversible Carriers in Drug Design, American Pharmaceutical Association and Pergamon Press, (1987);およびT.Higuchi and V.Stella, Pro-drugs as Novel Delivery Systems, Vol.14 of the A.C.S.Symposium Series (1975)中に見出すことができ、その各々は出典明示により本明細書に取り込まれるものである。
本明細書に記載の治療剤は、具体的な事例に依存しうる量で投与されると、治療活性を示すものと考えられる。量の変動は、例えば、治療される対象および選択される活性成分に依存しうる。広範囲の用量が適用可能でありうる。投薬計画は、最適な治療反応を供するように調整されうる。例えば、数回の分割用量は、1日1回、1週間に1回、1ヶ月に1回または他の適切な時間間隔で投与されうるか、または該用量は、状況の緊急性に示されるように比例的に減少されうる。このような用量は、多くの変数、以下に限定されることはないが、用いられる1つまたはそれ以上の活性成分、治療されるべき疾患または障害、投与様式、各対象の条件、治療される疾患または障害の重症度、ならびに医者の判断によって適宜変動してもよい。
診断、症状およびある対象の治療目的などの因子に応じて、式(I)、(II)、(III)または(IV)あるいはその医薬的に許容される塩の広範囲の用量が考慮されうる。様々な実施態様において、前記化合物は、1日あたり約10mg〜約1000mgで投与されうる。例えば、(−)−ハロフェナート、(−)−ハロフェン酸またはその医薬的に許容される塩は、約50mg/日、約100mg/日、約200mg/日、約300mg/日、約400mg/日、約500mg/日、約600mg/日、約700mg/日、約800mg/日、約900mg/日または約1000mg/日で投与されうる。
用量漸増または増加プロトコールは、対象に投与するために適正または最適な用量を調べるために用いられてもよい。例えば、用量漸増または増加実験は、有効性および耐容性を改善する用量について選択しうる。用量漸増または増加は、所望の効果が達成されるまで投与される用量を徐々に調整することを可能にする。用量漸増は、投与される用量を徐々に減らしつつ、用量増加は、投与される用量を徐々に増やす。用量漸増または増加の方法は、当該技術分野で周知である。非限定的な例として、対象は、1日1回200mg/日でハロフェナート、ハロフェン酸またはその医薬的に許容される塩が投与され、血清尿酸レベルについて毎日測定されうる。用量は、例えば、1週間単位で増加されてもよく、または減少されてもよい。前記対象は、望ましい用量を見出すために、例えば、2〜12週間モニターされうる。
式(I)、(II)、(III)または(IV)の化合物は、治療用投与のための様々な製剤および薬剤に取り込むことができる。より具体的には、これらの化合物は、適当な医薬的に許容される担体または希釈剤との組み合わせによって医薬組成物または製剤中に製剤化することができ、錠剤、カプセル剤、丸剤、散剤、顆粒剤、糖衣錠、ゲル剤、スラリー、軟膏剤、溶液、座剤、注射剤、吸入剤およびエアロゾルなどの固体、半固体、液体または気体形態の調製物中に製剤化することができる。そのようなものとして、化合物の投与は、バッカル、直腸、非経口、腹腔内、皮内、経皮または気管内投与を含む、様々な方法で実施することができる。さらに、前記化合物は、デポーまたは徐放性製剤で全身よりむしろ局所に投与することができる。また、前記化合物は、リポソーム中で投与することができる。
式(I)、(II)、(III)または(IV)の化合物あるいはその医薬的に許容される塩はまた、一般的な賦形剤、希釈剤または担体で製剤化し、錠剤中に圧縮し、または経口投与の利便性のためにエリキシル剤または溶剤として製剤化し、または筋肉内または静脈内経路によって投与することができる。前記化合物は、経皮で投与することができ、徐放性製剤などとして製剤化することができる。1の実施態様において、上記方法は、キサンチンオキシダーゼ阻害剤、尿酸生成阻害剤、尿酸排泄薬およびウリカーゼからなる群から選択される第2の尿酸低下薬の投与をさらに含みうる。1の実施態様において、前記方法は、本明細書に記載されるように、血清尿酸レベルが、少なくとも約4mg/dL、少なくとも約5mg/dL、少なくとも約6mg/dL、少なくとも約6.8mg/dL、少なくとも約7mg/dL、少なくとも約8mg/dL、少なくとも約9mg/dL、少なくとも約10mg/dLまたは少なくとも約11mg/dLである対象に、第1の尿酸低下薬および第2の治療薬を含む医薬組成物を投与することを特徴とする。適当な血清尿酸レベルの低下量は、対象に応じて、対象の総体的な病状に応じて変動しうる。同様に、共通の病状を共有する対象の一群についての適当な血清尿酸レベルの低下量は、異なる病状を共有する対象の異なる群に適当なものと相違しうる。一定の実施態様において、本出願は、第1および第2の尿酸低下薬(これらの第1および第2の尿酸低下薬は、本明細書に記載される)の組み合わせ療法および同時投与の方法を提供する。組み合わせ療法および同時投与は、薬理効果が同時に対象に現れる方法における前記2つの薬剤(すなわち、本明細書に記載されるような第1の薬剤および第2の尿酸低下薬)の投与を意味する。よって、このような投与は、単一の医薬組成物、同一タイプの製剤、同一の剤形または同一の投与経路でさえ、第1および第2の両方の尿酸低下薬の投与に用いられることを要せず、または2つの薬剤が動じに投与されることも必要としない。このような投与は、実質的に同時に、同一製剤および同一投与経路によって最も利便的に達成されうる。例えば、第1の尿酸低下薬、例えば、ハロフェナート、ハロフェン酸またはその医薬的に許容される塩、および第2の尿酸低下薬、例えば、キサンチンオキシダーゼ阻害剤(例えば、アロプリノールまたはフェブキソスタット)は、単一の経口投与組成物(例えば、錠剤またはカプセル剤)中で一緒にヒト対象に投与することができ、あるいは各薬剤は、別々の経口投与製剤で投与することができる。別々の製剤による1つの利点は、投薬時の自由度を付け加わることであり、すなわち、第1および第2の尿酸低下薬の投薬は、独立して、迅速に、および簡便に変更することができる。別々の投与製剤が用いられる場合、第1および第2の尿酸低下薬は、必須として同時に(すなわち、同時にまたは共に)、または別々に時間差で(すなわち、連続的に)投与することができる。別の態様において、前記第2の尿酸低下薬は、キサンチンオキシダーゼ阻害剤であり、好ましくは、アロプリノール、フェブキソスタット、オキシプリノール、チソプリン、イノシトール、フィチン酸、ミオイノシトール、ケンフェロール、ミリセチンおよびケルセチンからなる群から選択され、特に、アロプリノールまたはフェブキソスタットである。なお別の実施態様において、前記第2の尿酸低下薬は、アロプリノールであり、1日あたり約50mg〜約800mgで投与される。別の態様において、前記第1の尿酸低下薬は、(−)−ハロフェナートであり、1日あたり約100mg〜約600mgで投与され、前記第2の尿酸低下薬は、フェブキソスタットであり、1日あたり約40mg〜約120mgで投与される。別の態様において、前記第2の尿酸低下薬は、尿酸排泄薬であり、好ましくは、プロベネシド、2−((5−ブロモ−4−(4−シクロプロピルナフタレン−1−イル)−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)チオ)酢酸、カリウム 4−(2−((5−ブロモ−4−(4−シクロプロピルナフタレン−1−イル)−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)チオ)アセトアミド)−3−クロロベンゾエート、RDEA684、ベンズブロマロン、スルフィンピラゾン、アムロジピン、アトルバスタチン、フェノフィブラート、グアイフェネシン、ロサルタン、副腎皮質刺激ホルモンおよびコルチゾンからなる群から選択され、特に、プロベネシドである。
本開示の医薬組成物は、1日1回(QD)、1日2回(BID)、1日3回(TID)または1日4回(QID)投与されうる。1の実施態様において、本開示の組成物は、1日1回(QD)投与される。別の態様において、本開示の組成物は、1日2回(BID)投与される。組成物、製剤およびそれらの使用方法を網羅する特定の実施態様は、本出願と同時に提出した発明の名称「ハロフェナートまたはハロフェン酸および第2の尿酸低下薬を用いる痛風に罹っている患者における高尿酸血症の治療方法」のPCT特許出願に開示され、PCT出願は出典明示によりその全体が取り込まれる。本出願の実施態様は、提出された本出願の本明細書および特許請求の範囲、およびこれらの化合物の対応する医薬組成物、方法および使用の特徴によって特徴付けられる。
実施例1:CKDに罹っている対象における血清尿酸低下を示す臨床試験の結果および分析
図1〜4は、2型糖尿病の患者において(−)−ハロフェナートを用いて行った4つの第2相試験のプールした解析に基づいて作成した。これらの試験では、合計955人の患者を登録した。M102−20303試験では、2種類の用量レベルの(−)−ハロフェナート(200mgおよび400mg)またはプラセボを合計217人の患者に経口で12週間毎日与えた。M102−20405試験では、600mgの用量で(−)−ハロフェナートまたはプラセボを合計100人の患者に12週間毎日与えた。M102−20509試験では、3種類の用量レベルの(−)−ハロフェナート(200mg、400mgおよび600mg)、Actos(登録商標)30mgまたはプラセボを合計396人の患者に経口で16週間毎日与えた。M102−20814試験では、2種類の用量レベルの(−)−ハロフェナート(400mgおよび600mg)、Actos(登録商標)30〜45mgまたはプラセボを合計242人の患者に24週間経口で毎日与えた。これらの試験では、基準値からの血清尿酸の変化(sUA)は、重要なエンドポイントの1つであった。盲検状態を維持するために、二重盲検試験薬の投与後のsUA結果は、試験が非盲検となるまでいずれの群にも入手不可とした。血清尿酸レベルに影響を及ぼすことが知られている薬の既存用量を加え、または変更した患者は、血清尿酸解析から除いた。試験中、(−)−ハロフェナートまたは適合するプラセボのいずれかを受けた患者は、この予備解析に含ませた。試験中に(−)−ハロフェナートを受けたが、血中に(−)−ハロフェナートが測定されなかった患者を不適合として定義し、この解析から除いた。この解析は、血清尿酸中で基準値から統計学的に顕著な用量依存的な減少を示した:プラセボ群で2%(n=252)、200mg群で−11%(n=125)、400mg群で−20%(n=174)、ならびに600mg群で−27%(n=159);全ての用量群でp<0.0001。上記に記載の解析に加えて、CKD患者におけるsUA応答を評価するために、彼らの基準腎機能状態を基にして分けた。各患者の腎機能状態は、コッククロフトとゴールトの式[コッククロフトとゴールトGFR=(140−年齢)x(体重kg)x(女性の場合、0.85)/(72x血清クレアチニン)]を用いてクレアチニンクリアランス(糸球体濾過率)を推定することによって評価した。基準クレアチニンクリアランスを推定するために、基準体重(kg)および基準血清クレアチニン値を用い、同様に、クレアチニンクリアランスの試験終了値を推定するために、体重の試験終了値および血清クレアチニンの試験終了値を用いた。推定したクレアチニンクリアランス値に基づいて、(GFR)患者を5つのCKD群−正常な腎機能(CKD0)−GFR≧120mL/分;CKD1−90〜119mL/分のGFR;CKD2(軽度CKD)−60〜89mL/分のGFR;CKD3(中等度CKD)−30〜59mL/分のGFR;CKD4(重症CKD)−15〜29mL/分のGFR;CKD5(腎不全)GFRの−15mL/分以下に分けた。この分析において、CKD4(重症CKD)またはCKD5(腎不全)に罹っている患者はいなかった。
図1および表1に示されるように、第2相試験のプールした解析からのデータは、(−)−ハロフェナートによる600mgの毎日用量での治療が、試験したCKDの全てのステージの患者における基準値から血清尿酸を著しく減少させることを示す。基準値からの平均sUA変化は、119mL/分の平均GFRの正常およびCKD1患者で−25%(n=105)、75mL/分の平均GFRのCKD2患者で−28%(n=48)、ならびに52mL/分の平均GFRのCKD3患者で−36%(n=6)であった。
表1
Figure 0006047172
図2および表2に示されるように、第2相試験の上記に記載の分析からのデータは、(−)−ハロフェナートによる治療が、CKD2およびCKD3患者において用量依存的に血清尿酸を減少させることを示し;ステージ2およびステージ3のCKD患者の基準値からのsUA変化(各々、eGFR<90および<60ml/分)は、200mg群で−14%(n=43)、400mg群で−21%(n=74)ならびに600mg群で−29%(n=54)であった。
表2
Figure 0006047172
図3は、基準値で推定したクレアチニンクリアランスをx軸上にプロットし、血清尿酸におけるパーセント変化をy軸上にプロットした線形回帰分析による散布図である。このデータは、同様の血清尿酸の変化が全ての試験したCKDステージにわたり見られたことから、血清酸の変化が基準CKD状態(R=0.009201)とは無関係であることを示す。
図4および表3に関して、上記に記載の第2相試験のプールした解析からのデータは、(−)−ハロフェナートによる200mg、400mgおよび600mgの毎日用量での治療が、プラセボ群と比較して全く腎機能状態の悪化を生じず;基準値からの推定クレアチニンクリアランスの変化が、プラセボ群(n=252)で−2.4mL/分、200mg群(n=125)で−1.4mL/分、400mg群(n=174)で−0.5mL/分、ならびに600mg群(n=159)で−2.7mL/分であったことを示す。プラセボ群と比較した200mg、400mgおよび600mg群における推定したクレアチニンクリアランス値の変化は、統計学的に有意ではなかった。
表3
Figure 0006047172
実施例2:CKDに罹っている対象においてHbA1c、空腹時血漿グルコースおよびトリグリセリドの低下を示す臨床試験の結果および分析
図5〜7は、ランダム化二重盲検プラセボ−対照第2相試験、M102−20303に基づいて作成した。この実験では、2種類の用量レベルの(−)−ハロフェナート(200mgおよび400mg)またはプラセボを、既存のインスリン療法でコントロール不十分である合計217人の2型糖尿病患者に経口で12週間毎日与えた。それらの安定な用量のインスリンに加えて、これらの患者は、試験薬を12週間受け、さらに4週間追跡調査した。この実験では、16週目での基準値からのHbA1cの変化は、プライマリーエンドポイントであり、12週目での基準値からの空腹時血漿グルコースおよびトリグリセリドの変化がセカンダリーエンドポイントであった。盲検状態を維持するために、二重盲犬試験薬の投与後のHbA1cの結果は、試験が非盲検となるまでいずれの群にも利用不可とした。この実験では、患者は、いずれの他のグルコース低下薬を加え、またはインスリンの既存用量を変更させるようなことはされなかった。脂質低下薬を加え、脂質低下薬の既存用量を変更した患者は、トリグリセリド解析から除外した。試験中に(−)−ハロフェナートを受けたが、血中の(−)−ハロフェナートが測定できなかった患者は、不適合として定義し、解析から除外した。この試験では、(−)−ハロフェナートの両用量による治療が、HbA1cにおける基準値からの統計学的に顕著な減少を生じた(プラセボ(インスリンのみ)で−0.3%に対して、200mgおよび400mgでそれぞれ−0.9%および−1.0%,p=0.002)。(−)−ハロフェナートによる治療はまた、基準値からのFPGの用量依存的な減少を生じた(12週目で平均して観察された変化は、プラセボ、200mgおよび400mg群について、それぞれ8.9mg/dL、−10.9mg/dLおよび−29.2mg/dLであった)。基準から12週目までのトリグリセリドの変化は、プラセボ群で27.5mg/dL(13.4%)の増加に対して、200mg群で15.9mg/dL(9.3%)の増加および400mg群で13.0mg/dL(6.7%)の減少であった(p=0.074)。
図5および表4に関して、上記に記載した第2相試験、M102−20303からのデータにより、(−)−ハロフェナートによる400mgの毎日用量で12週間の治療が、プラセボ(インスリンのみ,n=21)で治療したCKD患者の同様の群と比較してCKD2およびCKD3患者(軽度から中等度CKD,n=22)のHbA1cレベルを顕著に減少させることが示される。HbA1cで観察された変化は、(−)−ハロフェナート 400mgで治療した軽度から中等度CKD患者およびプラセボで治療した軽度から中等度CKD患者において、それぞれ−1.1%および−0.3%であった(p=0.0459)。
表4
Figure 0006047172
図6および表5に関して、上記に記載の第2相試験、M102−20303からのデータは、(−)−ハロフェナートによる400mgの毎日用量の12週間の治療が、プラセボ(インスリンのみ,n=19)で治療したCKD患者の同様の群と比較して、CKD2およびCKD3患者(軽度から中等度CKD,n=22)のFPGレベルを顕著に減少させることを示す。FPGにおける観察された変化は、(−)−ハロフェナート400mgで治療した軽度から中等度CKD患者およびプラセボで治療した軽度から中等度CKD患者において、それぞれ、−18.0%および7.0%であった(p=0.0325)。
表5
Figure 0006047172
図7および表6に関して、上記に記載した第2相試験、M102−20303からのデータにより、(−)−ハロフェナートによる400mgの毎日用量で12週間の治療が、プラセボ(インスリンのみ,n=20)で治療したCKD患者の同様の群と比較して、CKD2およびCKD3患者(軽度から中等度CKD,n=22)においてトリグリセリドレベルを減少させることが示される。トリグリセリドにおいて観察された変化は、(−)−ハロフェナート 400mgで治療した軽度から中等度CKD患者およびプラセボで治療した軽度から中等度CKD患者において、それぞれ、−33.6mg/dLおよび1.4mg/dLであった(p=0.1757)。
表6
Figure 0006047172
実施例3:アスピリンおよび利尿療法中の患者における血清尿酸低下を示す臨床試験の結果および分析
図7〜8は、実施例1に記載のプールした解析に基づいて作成した。
図7に関して、上記に記載の第2相試験のプールした解析からのデータにより、(−)−ハロフェナートによる200mg、400mgおよび600mgの毎日用量での治療が、アスピリンを受けていない同等用量での(−)−ハロフェナート群と比較して、低から中用量のアスピリン(約325mg/日と同等用量またはそれ以下)で共投与した場合、尿酸低下効果を全く喪失させないことが示される。アスピリンで治療した患者における基準値からの血清尿酸の変化(sUA)は、200mg群(n=45)で−13%、400mg群(n=57)で−20%、ならびに600mg群(n=55)で−27%であり;アスピリンを摂取していない患者における基準値からの血清尿酸の変化(sUA)は、200mg群(n=80)で−10%、400mg群(n=117)で−20%、ならびに600mg群(n=104)で−26%であった。200mg、400mgおよび600mg群におけるアスピリン治療およびアスピリン非治療群間の尿酸変化は、統計学的に相違した。
図8に関して、上記に記載の第2相試験のプールした解析からのデータにより、(−)−ハロフェナートによる200mg、400mgおよび600mgの毎日用量での治療が、利尿薬を全く受けていない同等用量での(−)−ハロフェナート群と比較してチアジドまたは他の利尿薬で共投与した場合、尿酸低下効果を全く喪失させないことが示される。チアジド利尿薬で治療した患者における基準値からの血清尿酸の変化(sUA)は、200mg群(n=11)で−16%、400mg群(n=16)で−17%、ならびに600mg群(n=28)で−24%であり;いずれかの利尿薬を摂取している患者における基準値からの血清尿酸の変化(sUA)は、200mg群(n=17)で−12%、400mg群(n=25)で−15%、ならびに600mg群(n=34)で−24%であり;利尿薬を全く摂取していない患者における基準値からの血清尿酸の変化(sUA)は、200mg群(n=108)で−11%、400mg群(n=149)で−21%、ならびに600mg群(n=125)で−27%であった。200mg、400mgおよび600mg群における利尿薬で治療した群および利尿薬で治療していない群の間の尿酸の変化は、統計学的に相違しなかった。
前記記載は、具体的な実施態様を説明するが、当業者は、様々な改変と代替物が開発されうることを認識するものである。よって、上記に記載の特定の実施態様および実施例は、例示のみであって、本発明の範囲を限定するものとされず、本発明の範囲は、特許請求の範囲の全範囲およびそのいずれか全ての均等物に付与されるべきである。

Claims (14)

  1. 痛風、高尿酸血症、および中等度から重症の慢性腎臓疾患に罹っている対象における高尿酸血症を治療するための経口薬剤であって、(−)−ハロフェナートもしくは(−)−ハロフェン酸であって、それらの(+)−エナンチオマーを実質的に含まない化合物またはその医薬的に許容される塩を含む、薬剤。
  2. 前記化合物が、(−)−ハロフェナートであって、その(+)−エナンチオマーを実質的に含まないものである、請求項1に記載の経口薬剤。
  3. 前記化合物が、(−)−ハロフェン酸であって、その(+)−エナンチオマーを実質的に含まないものまたはその医薬的に許容される塩である、請求項1に記載の経口薬剤。
  4. 前記化合物が、1日あたり10mg〜1000mgで投与されるものである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の経口薬剤。
  5. 前記化合物が、1日あたり100mg〜600mgで投与されるものである、請求項4に記載の経口薬剤。
  6. 前記化合物の量が、1日1回の投薬に有効である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の経口薬剤。
  7. 前記中等度から重症の慢性腎臓疾患が、中等度である、請求項に記載の経口薬剤。
  8. 前記中等度から重症の慢性腎臓疾患が、重症である、請求項に記載の経口薬剤。
  9. 前記痛風が、急性痛風、慢性痛風、中等度痛風、難治性痛風または重症痛風である、請求項1〜のいずれか1項に記載の経口薬剤。
  10. 前記対象が、キサンチンオキシダーゼ阻害剤、尿酸生成阻害剤、尿酸排泄薬、またはウリカーゼである尿酸低下薬でさらに投与されるものである、請求項1〜のいずれか1項に記載の経口薬剤。
  11. 前記尿酸低下薬が、アロプリノールまたはフェブキソスタットである、請求項1に記載の経口薬剤。
  12. 前記尿酸低下薬が、フェブキソスタットである、請求項1に記載の経口薬剤。
  13. 前記尿酸低下薬が、プロベネシド、ベンズブロマロン、またはスルフィンピラゾンである、請求項1に記載の経口薬剤。
  14. 前記対象が、アスピリンまたは利尿療法を受けているものである、請求項1〜1のいずれか1項に記載の経口薬剤。
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