JP6044773B2 - 二次電池正極用バインダー組成物、二次電池正極用スラリー組成物、二次電池正極及び二次電池 - Google Patents
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Description
しかしながら、ポリフッ化ビニリデンなどのフッ素系ポリマーは、集電体に対する接着力が弱く、充放電を繰り返すうちに電極活物質層と集電体との間の電気的接合が劣化して電池容量が減少する問題があった。また、集電体との接着力を高める目的でポリフッ化ビニリデンなどのフッ素系ポリマーの量を多くすると、電池の内部抵抗が上昇して容量が低下する問題があった。
特許文献1及び2によれば、PVDFとH−NBRとを含むバインダーを用いることで、二次電池のサイクル特性及び出力特性が向上することが例示されている。
さらに、特許文献1および2で提案されているバインダーを使用した電極では、高温での動作において、バインダーが電解液に対して膨潤し、電子ネットワークが切断され、その結果、電極の内部抵抗が上がり、電池のサイクル特性、特に高温におけるサイクル特性(以下、「高温サイクル特性」と記すことがある。)が悪化するおそれがあった。
〔1〕ニトリル基を有する重合単位、芳香族ビニル重合単位、親水性基を有する重合単位、及び炭素数4以上の直鎖アルキレン重合単位を含有するバインダーであって、
前記芳香族ビニル重合単位の含有割合が5〜50質量%である二次電池正極用バインダー組成物。
本発明の二次電池正極用バインダー組成物(「正極用バインダー組成物」と記載することがある。)は、特定のバインダーを含有する。
前記バインダーは、ニトリル基を有する重合単位、芳香族ビニル重合単位、親水性基を有する重合単位、及び炭素数4以上の直鎖アルキレン重合単位を含有する。ニトリル基を有する重合単位とは、ニトリル基を有する単量体を重合して形成される構造単位のことをいう。芳香族ビニル重合単位とは、芳香族ビニル単量体を重合して形成される構造単位のことをいう。親水性基を有する重合単位とは、親水性基を有する単量体を重合して形成される構造単位のことをいう。炭素数4以上の直鎖アルキレン重合単位とは、炭素数4以上の直鎖アルキレン重合単位を形成しうる単量体を重合して形成される構造単位のことをいい、具体的には、炭素数4以上の共役ジエンモノマーを重合することにより形成される構造単位の、炭素−炭素二重結合の少なくとも一部を、水素添加することにより直鎖アルキレン構造とした構造単位をいう。ここで、バインダーにおける各重合単位の割合は、通常、バインダーの重合に用いる全単量体における、各重合単位を形成しうる上記単量体の比率(仕込み比)に一致する。なお、炭素数4以上の直鎖アルキレン重合単位を、上記の共役ジエンモノマーを重合して形成される構造単位の水素添加により形成する場合には、後述する水素添加反応率により、炭素数4以上の直鎖アルキレン重合単位の割合は制御される。したがって、炭素数4以上の直鎖アルキレン重合単位を形成しうる単量体の比率(仕込み比)は、バインダーにおける共役ジエンモノマーを重合して形成される構造単位を水素添加した重合単位と、水素添加していない重合単位を合計したものの比率に一致する。
また、バインダーは、親水性基を有する重合単位を、好ましくは0.05〜20質量%、より好ましくは0.05〜10質量%、さらに好ましくは0.1〜8質量%、特に好ましくは1〜6質量%含む。前記親水性基を有する重合単位の含有割合を上記範囲とすることで、正極活物質間及び正極活物質層と後述する集電体との間の結着性が向上し、正極の捲回・プレス等の製造工程において正極活物質の一部が脱離(粉落ち)することによるセパレーターの破損や正極/負極間のショート等の原因を低減できる。
前記バインダーは、芳香族ビニル重合単位を、5〜50質量%、好ましくは10〜40質量%、より好ましくは、10〜35質量%含む。バインダー中の芳香族ビニル重合単位が、50質量%を超えると、正極活物質の分散安定性が低下し、さらに電極が硬くなるため、電極の集電体への結着性が低下してしまう。また、バインダー中の芳香族ビニル重合単位が、5質量%未満であると、電極内の導電剤の分散安定性が低下し、さらに電解液の安定性も損なわれることから二次電池の高温サイクル特性に劣る。バインダー中の芳香族ビニル重合単位を上記範囲含むことで、正極活物質の分散性が向上し、安定性の高い正極用スラリー組成物を得ることができる。さらに、電極の柔軟性が向上し、剥がれも生じにくくなり、集電体への結着性も高くなるため、二次電池の高温サイクル特性に優れる。
ニトリル基を有する重合単位を形成し得る単量体としては、α,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体が挙げられる。α,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体としては、ニトリル基を有するα,β−エチレン性不飽和化合物であれば特に限定されないが、例えば、アクリロニトリル;α−クロロアクリロニトリル、α−ブロモアクリロニトリルなどのα−ハロゲノアクリロニトリル;メタクリロニトリルなどのα−アルキルアクリロニトリル;などが挙げられる。これらのなかでも、アクリロニトリルおよびメタクリロニトリルが好ましい。これらは一種単独でまたは複数種併せて用いることができる。
モノカルボン酸としては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸などが挙げられる。
モノカルボン酸誘導体としては、2−エチルアクリル酸、イソクロトン酸、α―アセトキシアクリル酸、β−trans−アリールオキシアクリル酸、α−クロロ−β−E−メトキシアクリル酸、β−ジアミノアクリル酸などが挙げられる。
ジカルボン酸としては、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸などが挙げられる。
ジカルボン酸誘導体としては、メチルマレイン酸、ジメチルマレイン酸、フェニルマレイン酸、クロロマレイン酸、ジクロロマレイン酸、フルオロマレイン酸などマレイン酸メチルアリル、マレイン酸ジフェニル、マレイン酸ノニル、マレイン酸デシル、マレイン酸ドデシル、マレイン酸オクタデシル、マレイン酸フルオロアルキルなどのマレイン酸エステル;が挙げられる。
また、加水分解によりカルボキシル基を生成する酸無水物も使用できる。
ジカルボン酸の酸無水物としては、無水マレイン酸、アクリル酸無水物、メチル無水マレイン酸、ジメチル無水マレイン酸などが挙げられる。
その他、マレイン酸モノエチル、マレイン酸ジエチル、マレイン酸モノブチル、マレイン酸ジブチル、フマル酸モノエチル、フマル酸ジエチル、フマル酸モノブチル、フマル酸ジブチル、フマル酸モノシクロヘキシル、フマル酸ジシクロヘキシル、イタコン酸モノエチル、イタコン酸ジエチル、イタコン酸モノブチル、イタコン酸ジブチルなどのα,β−エチレン性不飽和多価カルボン酸のモノエステルおよびジエステルも挙げられる。
これらの分散媒は、単独で使用しても、これらを2種以上混合して混合溶媒として使用してもよい。これらの中でも特に、後述の正極用スラリー組成物作製時に工業上使用されていること、製造上揮発しにくいこと、その結果、スラリー組成物の揮発を抑えられ、得られる正極の平滑性が向上することから、水、若しくはN−メチルピロリドン、シクロヘキサノンやトルエン等が好ましい。
δ=ΣG/V=dΣG/M
ΣG:分子引力定数Gの総計
V:比容
M:分子量
d:比重
ここで、水層水素化法には、水素化触媒存在下の反応系に水素を供給して水素化する(I)水層直接水素化法と、酸化剤、還元剤および活性剤の存在下で還元して水素化する(II)水層間接水素化法とがある。
また、用いる水素化触媒としては、水で分解しにくい化合物であれば特に限定されない。水素化触媒の具体例として、パラジウム触媒では、ギ酸、プロピオン酸、ラウリン酸、コハク酸、オレイン酸、フタル酸などのカルボン酸のパラジウム塩;塩化パラジウム、ジクロロ(シクロオクタジエン)パラジウム、ジクロロ(ノルボルナジエン)パラジウム、ヘキサクロロパラジウム(IV)酸アンモニウムなどのパラジウム塩素化物;ヨウ化パラジウムなどのヨウ素化物;硫酸パラジウム・二水和物などが挙げられる。これらの中でもカルボン酸のパラジウム塩、ジクロロ(ノルボルナジエン)パラジウムおよびヘキサクロロパラジウム(IV)酸アンモニウムが特に好ましい。水素化触媒の使用量は、適宜定めればよいが、水素化する不飽和重合体の量に対して、水素化触媒の金属量換算で、好ましくは5〜6000ppm、より好ましくは10〜4000ppmである。
=100×(水素添加反応前の炭素−炭素二重結合量−水素添加反応後の炭素−炭素二重結合量)/(水素添加反応前の炭素−炭素二重結合量)
なお、炭素−炭素二重結合量は、NMRを用いて分析することができる。
マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸等のエチレン性不飽和ジカルボン酸:
無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸等のエチレン性不飽和ジカルボン酸無水物:
マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノエチル、マレイン酸モノプロピル、マレイン酸モノ−n−ブチル、マレイン酸モノイソブチル、マレイン酸モノ−n−ペンチル、マレイン酸モノ−n−ヘキシル、マレイン酸モノ−2−エチルヘキシル、フマル酸モノメチル、フマル酸モノエチル、フマル酸モノプロピル、フマル酸モノ−n−ブチル、フマル酸モノイソブチル、フマル酸モノ−n−ペンチル、フマル酸モノ−n−ヘキシル、フマル酸モノ−2−エチルヘキシル、イタコン酸モノメチル、イタコン酸モノエチル、イタコン酸モノプロピル、イタコン酸モノ−n−ブチル、イタコン酸モノイソブチル、イタコン酸モノ−n−ペンチル、イタコン酸モノ−n−ヘキシル、イタコン酸モノ−2−エチルヘキシル、シトラコン酸モノメチル、シトラコン酸モノエチル、シトラコン酸モノプロピル、シトラコン酸モノ−n−ブチル、シトラコン酸モノイソブチル、シトラコン酸モノ−n−ペンチル、シトラコン酸モノ−n−ヘキシル、シトラコン酸モノ−2−エチルヘキシル、メサコン酸モノメチル、メサコン酸モノエチル、メサコン酸モノプロピル、メサコン酸モノ−n−ブチル、メサコン酸モノイソブチル、メサコン酸モノ−n−ペンチル、メサコン酸モノ−n−ヘキシル、メサコン酸モノ−2−エチルヘキシル、グルタコン酸モノメチル、グルタコン酸モノエチル、グルタコン酸モノプロピル、グルタコン酸モノ−n−ブチル、グルタコン酸モノイソブチル、グルタコン酸モノイソブチル、グルタコン酸モノ−n−ペンチル、グルタコン酸モノ−n−ヘキシル、グルタコン酸モノ−2−エチルヘキシル、アリルマロン酸モノメチル、アリルマロン酸モノエチル、アリルマロン酸モノプロピル、アリルマロン酸モノ−n−ブチル、アリルマロン酸モノイソブチル、アリルマロン酸モノ−n−ペンチル、アリルマロン酸モノ−n−ヘキシル、アリルマロン酸モノ−2−エチルヘキシル、テラコン酸モノメチル、テラコン酸モノエチル、テラコン酸モノプロピル、テラコン酸モノ−n−ブチル、テラコン酸モノイソブチル、テラコン酸モノ−n−ペンチル、テラコン酸モノ−n−ヘキシル、テラコン酸モノ−2−エチルヘキシル等の不飽和ジカルボン酸モノアルキルエステル等が挙げられる。
ポリブチルアクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリヒドロキシエチルメタクリレート、ポリアクリルアミド、ポリアクリロニトリル、ブチルアクリレート・スチレン共重合体、ブチルアクリレート・アクリロニトリル共重合体、ブチルアクリレート・アクリロニトリル・グリシジルメタクリレート共重合体などの、アクリル酸またはメタクリル酸誘導体の単独重合体またはそれと共重合可能な単量体との共重合体である、アクリル系軟質重合体;
ジメチルポリシロキサン、ジフェニルポリシロキサン、ジヒドロキシポリシロキサンなどのケイ素含有軟質重合体;
液状ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ−1−ブテン、エチレン・α−オレフィン共重合体、プロピレン・α−オレフィン共重合体、エチレン・プロピレン・ジエン共重合体(EPDM)、エチレン・プロピレン・スチレン共重合体などのオレフィン系軟質重合体;
ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリステアリン酸ビニル、酢酸ビニル・スチレン共重合体などビニル系軟質重合体;
ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、エピクロルヒドリンゴムなどのエポキシ系軟質重合体;
フッ化ビニリデン系ゴム、四フッ化エチレン−プロピレンゴムなどのフッ素含有軟質重合体;
天然ゴム、ポリペプチド、蛋白質、ポリエステル系熱可塑性エラストマー、塩化ビニル系熱可塑性エラストマー、ポリアミド系熱可塑性エラストマーなどのその他の軟質重合体;などが挙げられる。
これらの軟質重合体は、架橋構造を有したものであってもよく、また、変性により官能基を導入したものであってもよい。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの中でも、ポリアクリロニトリル誘導体が正極活物質の分散性を向上させるために好ましい。
本発明の二次電池正極用バインダー組成物は、上記のバインダーを含有し、その他に、後述するスラリー組成物の塗布性や二次電池の充放電特性を向上させるために添加剤を加えることができる。これらの添加剤としては、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースなどのセルロース系ポリマー、ポリアクリル酸ナトリウムなどのポリアクリル酸塩、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキシド、ポリビニルピロリドン、アクリル酸−ビニルアルコール共重合体、メタクリル酸−ビニルアルコール共重合体、マレイン酸−ビニルアルコール共重合体、変性ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリ酢酸ビニル部分ケン化物などが挙げられる。これらの添加剤の使用割合は、バインダー組成物の固形分合計質量に対して、好ましくは300質量%未満、より好ましくは30質量%以上250質量%以下、特に好ましくは40質量%以上200質量%以下である。この範囲であれば、平滑性が優れた二次電池正極を得ることができる。また、添加剤として、イソチアゾリン系化合物やキレート化合物を加えることもできる。これらの添加剤は、バインダー組成物に添加する方法以外に、後述する本発明の二次電池正極用スラリー組成物に添加することもできる。
本発明の二次電池正極用バインダー組成物の製造方法は、時に限定されず、上述のバインダー分散液に、必要に応じて添加剤を添加し、混合することで製造される。バインダー分散液に、添加剤を混合する方法は特に限定されず、例えば、撹拌式、振とう式、および回転式などの混合装置を使用した方法が挙げられる。また、ホモジナイザー、ボールミル、サンドミル、ロールミル、プラネタリーミキサーおよび遊星式混練機などの分散混練装置を使用した方法が挙げられる。
本発明の二次電池正極用スラリー組成物(以下において、「正極用スラリー組成物」と記載することがある。)は、上記二次電池正極用バインダー組成物及び正極活物質を含有する。以下においては、本発明の二次電池正極用スラリー組成物を、リチウムイオン二次電池正極用スラリー組成物として用いる態様について説明する。
正極活物質としては、リチウムイオンの吸蔵放出可能な活物質が用いられ、リチウムイオン二次電池正極用電極活物質(正極活物質)は、無機化合物からなるものと有機化合物からなるものとに大別される。
遷移金属硫化物としては、TiS2、TiS3、非晶質MoS2、FeS等が挙げられる。
リチウム含有複合金属酸化物としては、層状構造を有するリチウム含有複合金属酸化物、スピネル構造を有するリチウム含有複合金属酸化物、オリビン型構造を有するリチウム含有複合金属酸化物などが挙げられる。
なお、本発明において、「BET比表面積」とは、窒素吸着法によるBET比表面積のことをいい、ASTM D3037−81に準じて、測定される値である。
正極用スラリー組成物においては、導電剤を含有することが好ましい。導電剤としては、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、カーボンブラック、グラファイト、気相成長カーボン繊維、およびカーボンナノチューブ等の導電性カーボンを使用することができる。導電剤を含有することにより、正極活物質同士の電気的接触を向上させることができ、二次電池に用いる場合に放電レート特性を改善することができる。正極用スラリー組成物における導電剤の含有量は、正極活物質の総量100質量部に対して、好ましくは1〜20質量部、より好ましくは1〜10質量部である。
正極用スラリー組成物においては、増粘剤を含有することが好ましい。増粘剤としては、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースなどのセルロース系ポリマーおよびこれらのアンモニウム塩並びにアルカリ金属塩;(変性)ポリ(メタ)アクリル酸およびこれらのアンモニウム塩並びにアルカリ金属塩;(変性)ポリビニルアルコール、アクリル酸又はアクリル酸塩とビニルアルコールの共重合体、無水マレイン酸又はマレイン酸もしくはフマル酸とビニルアルコールの共重合体などのポリビニルアルコール類;ポリエチレングリコール、ポリエチレンオキシド、ポリビニルピロリドン、変性ポリアクリル酸、酸化スターチ、リン酸スターチ、カゼイン、各種変性デンプンなどが挙げられる。
正極用スラリー組成物には、上記成分のほかに、さらに補強材、レベリング剤、電解液分解抑制等の機能を有する電解液添加剤等の他の成分が含まれていてもよく、後述の二次電池正極中に含まれていてもよい。これらは電池反応に影響を及ぼさないものであれば特に限られない。
二次電池正極用スラリー組成物は、上記バインダー組成物、正極活物質および必要に応じ用いられる導電剤等を混合して得られる。正極用スラリー組成物を調製するときに使用する分散媒の量は、正極用スラリー組成物の固形分濃度が、通常1〜80質量%、好ましくは5〜50質量%の範囲となる量である。固形分濃度がこの範囲にあるときに、上記バインダー組成物が均一に分散するため好適である。
本発明の二次電池正極(「正極」と記載することがある。)は、本発明の二次電池正極用スラリー組成物からなる正極活物質層を集電体上に形成してなる。
本発明の二次電池正極の製造方法は、特に限定されない。具体的には、(I)上記正極用スラリー組成物をシート成形し、得られたシートを集電体上に積層し、正極活物質層を形成する方法(シート成形法)、(II)上記正極用スラリー組成物を集電体の少なくとも片面、好ましくは両面に塗布、乾燥し、正極活物質層を形成する方法(湿式成形法)、及び(III)上記正極用スラリー組成物から複合粒子を調製し、これを集電体上に供給してシート成形し、正極活物質層を形成する方法(乾式成形法)等が挙げられる。これらの中でも、(II)湿式成形法、又は(III)乾式成形法が好ましい。(II)湿式成形法は二次電池正極の生産効率に優れており、(III)乾式成形法は得られる二次電池正極の容量を高くでき、且つ内部抵抗を低減できる点で優れている。
アトマイザーは、回転円盤方式と加圧方式との二種類の装置がある。回転円盤方式は、高速回転する円盤のほぼ中央に正極用スラリー組成物を導入し、円盤の遠心力によって正極用スラリー組成物が円盤の外に放たれ、その際に正極用スラリー組成物を霧状にする方式である。円盤の回転速度は円盤の大きさに依存するが、通常は5,000〜40,000rpm、好ましくは15,000〜40,000rpmである。円盤の回転速度が低いほど、噴霧液滴が大きくなり、得られる複合粒子の重量平均粒子径が大きくなる。回転円盤方式のアトマイザーとしては、ピン型とベーン型が挙げられるが、好ましくはピン型アトマイザーである。ピン型アトマイザーは、噴霧盤を用いた遠心式の噴霧装置の一種であり、該噴霧盤が上下取付円板の間にその周縁に沿ったほぼ同心円上に着脱自在に複数の噴霧用コロを取り付けたもので構成されている。正極用スラリー組成物は噴霧盤中央から導入され、遠心力によって噴霧用コロに付着し、コロ表面を外側へと移動し、最後にコロ表面から離れ噴霧される。一方、加圧方式は、正極用スラリー組成物を加圧してノズルから霧状にして乾燥する方式である。
本発明で用いる集電体は、電気導電性を有しかつ電気化学的に耐久性のある材料であれば特に制限されないが、耐熱性を有するため金属材料が好ましく、例えば、鉄、銅、アルミニウム、ニッケル、ステンレス鋼、チタン、タンタル、金、白金などが挙げられる。中でも、二次電池正極に用いる集電体としてはアルミニウムが特に好ましい。集電体の形状は特に制限されないが、厚さ0.001〜0.5mm程度のシート状のものが好ましい。
集電体は、正極活物質層との接着強度を高めるため、予め粗面化処理して使用するのが好ましい。粗面化方法としては、機械的研磨法、電解研磨法、化学研磨法などが挙げられる。機械的研磨法においては、研磨剤粒子を固着した研磨布紙、砥石、エメリバフ、鋼線などを備えたワイヤーブラシ等が使用される。また、正極活物質層と集電体との接着強度や導電性を高めるために、集電体表面に中間層を形成してもよく、中でも、導電性接着剤層を形成するのが好ましい。
本発明の二次電池は、正極、負極、セパレーター及び電解液を備えてなる二次電池であって、正極が、上記二次電池正極である。
負極は、負極活物質及び二次電池負極用バインダー組成物を含む負極活物質層が、集電体上に積層されてなる。
本発明に用いる負極活物質は、二次電池負極内で電子の受け渡しをする物質である。
リチウムイオン二次電池用負極活物質としては、具体的には、アモルファスカーボン、グラファイト、天然黒鉛、メソカーボンマイクロビーズ(MCMB)、及びピッチ系炭素繊維などの炭素質材料;ポリアセン等の導電性高分子などが挙げられる。好ましくは、グラファイト、天然黒鉛、メソカーボンマイクロビーズ(MCMB)などの結晶性炭素質材料である。また、負極活物質としては、ケイ素、錫、亜鉛、マンガン、鉄、ニッケル等の金属やこれらの合金、前記金属又は合金の酸化物や硫酸塩を使用できる。加えて、金属リチウム、Li−Al、Li−Bi−Cd、Li−Sn−Cd等のリチウム合金、リチウム遷移金属窒化物、シリコーン等も使用できる。上記負極活物質は、単独または2種類以上を組み合わせて使用することができる。
二次電池負極用バインダー組成物としては、特に制限されず公知のものを用いることができる。例えば、ポリエチレン、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、ポリアクリル酸誘導体、ポリアクリロニトリル誘導体などの樹脂や、アクリル系軟質重合体、ジエン系軟質重合体、オレフィン系軟質重合体、ビニル系軟質重合体等の軟質重合体を用いることができる。これらは単独で使用しても、これらを2種以上併用してもよい。
セパレーターは気孔部を有する多孔性基材であって、使用可能なセパレーターとしては、(a)気孔部を有する多孔性セパレーター、(b)片面または両面に高分子コート層が形成された多孔性セパレーター、または(c)無機セラミック粉末を含む多孔質の樹脂コート層が形成された多孔性セパレーターが挙げられる。これらの非制限的な例としては、ポリプロピレン系、ポリエチレン系、ポリオレフィン系、またはアラミド系多孔性セパレーター、ポリビニリデンフルオリド、ポリエチレンオキシド、ポリアクリロニトリルまたはポリビニリデンフルオリドヘキサフルオロプロピレン共重合体などの固体高分子電解質用またはゲル状高分子電解質用の高分子フィルム、ゲル化高分子コート層がコートされたセパレーター、または無機フィラー、無機フィラー用分散剤からなる多孔膜層がコートされたセパレーターなどがある。
本発明に用いられる電解液は、特に限定されないが、例えば、非水系の溶媒に支持電解質としてリチウム塩を溶解したものが使用できる。リチウム塩としては、例えば、LiPF6、LiAsF6、LiBF4、LiSbF6、LiAlCl4、LiClO4、CF3SO3Li、C4F9SO3Li、CF3COOLi、(CF3CO)2NLi、(CF3SO2)2NLi、(C2F5SO2)NLiなどのリチウム塩が挙げられる。特に溶媒に溶けやすく高い解離度を示すLiPF6、LiClO4、CF3SO3Liは好適に用いられる。これらは、単独、または2種以上を混合して用いることができる。支持電解質の量は、電解液に対して、通常1質量%以上、好ましくは5質量%以上、また通常は30質量%以下、好ましくは20質量%以下である。支持電解質の量が少なすぎても多すぎてもイオン導電度は低下し電池の充電特性、放電特性が低下する。
本発明の二次電池の製造方法は、特に限定されない。例えば、上述した負極と正極とをセパレーターを介して重ね合わせ、これを電池形状に応じて巻く、折るなどして電池容器に入れ、電池容器に電解液を注入して封口する。さらに必要に応じてエキスパンドメタルや、ヒューズ、PTC素子などの過電流防止素子、リード板などを入れ、電池内部の圧力上昇、過充放電の防止をすることもできる。電池の形状は、ラミネートセル型、コイン型、ボタン型、シート型、円筒型、角形、扁平型などいずれであってもよい。
バインダーのガラス転移温度(Tg)は、示差走査熱量分析計(ナノテクノロジー社製 DSC6220SII)を用いて、JIS K 7121;1987に基づいて測定した。
バインダーのNMP溶液100グラムをメタノール1リットルで凝固した後、60℃で一晩真空乾燥した。乾燥したバインダーのヨウ素価をJIS K6235;2006に従って測定した。
バインダーのNMP溶液をポリテトラフルオロエチレン製シートにキャストし、乾燥してキャストフィルムを得た。このキャストフィルム4cm2を 切り取って重量(浸漬前重量A)を測定し、その後、温度60℃の電解液中に浸漬した。浸漬したフィルムを72時間後に引き上げ、タオルペーパーで拭きとってすぐに重量(浸漬後重量B)を測定した。バインダーの電解液膨潤度を下記の式より算出し、以下の基準で評価する。膨潤度が低いほど電池特性(高温サイクル特性)に優れることを示す。なお、電解液としては、エチレンカーボネート(EC)とジエチルカーボネート(DEC)とを20℃での容積比がEC:DEC=1:2となるように混合してなる混合溶媒に、LiPF6が1.0mol/Lの濃度で溶解した溶液を用いた。
膨潤度(%)=B/A×100(%)
正極の正極活物質層側に径の異なる棒を載置し、正極を棒に巻き付けて正極活物質層が割れるかどうかを評価した。棒の直径が小さいほど、正極の捲回性に優れることを示す。
捲回性に優れると、正極活物質層の剥がれを抑制することができるため、二次電池のサイクル特性に優れる。
A:1.2mmφで割れない
B:1.5mmφで割れない
C:2mmφで割れない
D:3mmφで割れない
E:4mmφで割れない
5セルリチウムイオン二次電池を45℃雰囲気下、0.5Cの定電流法によって4.2Vに充電し、3.0Vまで放電する充放電を、200サイクル繰り返した。200サイクル終了時の電気容量と5サイクル終了時の電気容量の比(=200サイクル終了時の電気容量/5サイクル終了時の電気容量×100)(%)で表される充放電容量保持率を求めた。この値が大きいほど高温サイクル特性に優れることを示す。
A:85%以上
B:80%以上85%未満
C:70%以上80%未満
D:60%以上70%未満
E:40%以上60%未満
F:40%未満
〔正極用バインダー組成物の製造〕
撹拌機付きのオートクレーブに、イオン交換水240部、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム2.5部、アクリロニトリル20部、スチレン10部、メタクリル酸5部をこの順で入れ、ボトル内を窒素で置換した後、1,3−ブタジエン65部を圧入し、過硫酸アンモニウム0.25部を添加して反応温度40℃で重合反応させ、ニトリル基を有する重合単位、芳香族ビニル重合単位、親水性基を有する重合単位及び共役ジエンモノマーを形成し得る重合単位を含んでなる重合体を得た。重合転化率は85%、ヨウ素価は280mg/100mgであった。
正極活物質として層状構造を有するコバルト酸リチウム(LiCoO2)(粒子径:12μm)100部と、アセチレンブラック(HS−100:電気化学工業)2.0部と、前記バインダーのNMP固形分量1.0部(固形分濃度8.0%)と、適量のNMPとをプラネタリーミキサーにて攪拌し、正極用スラリー組成物を調製した。
ディスパー付きのプラネタリーミキサーに、負極活物質として比表面積4m2/gの人造黒鉛(平均粒子径:24.5μm)を100部、分散剤としてカルボキシメチルセルロースの1%水溶液(第一工業製薬株式会社製「BSH−12」)を固形分相当で1部加え、イオン交換水で固形分濃度55%に調整した後、25℃で60分混合した。次に、イオン交換水で固形分濃度52%に調整した。その後、さらに25℃で15分混合し混合液を得た。
単層のポリプロピレン製セパレーター(幅65mm、長さ500mm、厚さ25μm、乾式法により製造、気孔率55%)を、5×5cm2の正方形に切り抜いた。
電池の外装として、アルミニウム包材外装を用意した。上記で得られた正極を、4×4cm2の正方形に切り出し、集電体側の表面がアルミニウム包材外装に接するように配置した。正極の正極活物質層の面上に、上記で得られた正方形のセパレーターを配置した。
さらに、上記で得られた負極を、4.2×4.2cm2の正方形に切り出し、これをセパレーター上に、負極活物質層側の表面がセパレーターに向かい合うよう配置した。さらに、ビニレンカーボネート(VC)を1.5%含有する、濃度1.0MのLiPF6溶液を充填した。このLiPF6溶液の溶媒はエチレンカーボネート(EC)とエチルメチルカーボネート(EMC)との混合溶媒(EC/EMC=3/7(体積比))である。さらに、アルミニウム包材の開口を密封するために、150℃のヒートシールをしてアルミニウム外装を閉口し、リチウムイオン二次電池を製造した。
得られたリチウムイオン二次電池について、高温サイクル特性を評価した。
正極用バインダー組成物として、下記のバインダー組成物を用いたこと以外は、実施例1と同様の操作を行い、正極用スラリー組成物および正極を得、電池を作製した。各評価の結果を表1に示す。
撹拌機付きのオートクレーブに、イオン交換水240部、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム2.5部、アクリロニトリル20部、スチレン5部、メタクリル酸5部をこの順で入れ、ボトル内を窒素で置換した後、1,3−ブタジエン70部を圧入し、過硫酸アンモニウム0.25部を添加して反応温度40℃で重合反応させ、ニトリル基を有する重合単位、芳香族ビニル重合単位、親水性基を有する重合単位及び共役ジエンモノマーを形成し得る重合単位を含んでなる重合体を得た。重合転化率は85%、ヨウ素価は280mg/100mgであった。
正極用バインダー組成物として、下記のバインダー組成物を用いたこと以外は、実施例1と同様の操作を行い、正極用スラリー組成物および正極を得、電池を作製した。各評価の結果を表1に示す。
撹拌機付きのオートクレーブに、イオン交換水240部、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム2.5部、アクリロニトリル20部、スチレン45部、メタクリル酸5部をこの順で入れ、ボトル内を窒素で置換した後、1,3−ブタジエン30部を圧入し、過硫酸アンモニウム0.25部を添加して反応温度40℃で重合反応させ、ニトリル基を有する重合単位、芳香族ビニル重合単位、親水性基を有する重合単位及び共役ジエンモノマーを形成し得る重合単位を含んでなる重合体を得た。重合転化率は85%、ヨウ素価は280mg/100mgであった。
正極用バインダー組成物として、下記のバインダー組成物を用いたこと以外は、実施例1と同様の操作を行い、正極用スラリー組成物および正極を得、電池を作製した。各評価の結果を表1に示す。
撹拌機付きのオートクレーブに、イオン交換水240部、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム2.5部、アクリロニトリル20部、スチレン10部、メチルメタクリレート30部、メタクリル酸5部をこの順で入れ、ボトル内を窒素で置換した後、1,3−ブタジエン35部を圧入し、過硫酸アンモニウム0.25部を添加して反応温度40℃で重合反応させ、ニトリル基を有する重合単位、芳香族ビニル重合単位、親水性基を有する重合単位及び共役ジエンモノマーを形成し得る重合単位を含んでなる重合体を得た。重合転化率は85%、ヨウ素価は280mg/100mgであった。
正極用バインダー組成物として、下記のバインダー組成物を用いたこと以外は、実施例1と同様の操作を行い、正極用スラリー組成物および正極を得、電池を作製した。各評価の結果を表1に示す。
撹拌機付きのオートクレーブに、イオン交換水240部、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム2.5部、アクリロニトリル7部、スチレン15部、ブチルアクリレート15部、メタクリル酸5部をこの順で入れ、ボトル内を窒素で置換した後、1,3−ブタジエン58部を圧入し、過硫酸アンモニウム0.25部を添加して反応温度40℃で重合反応させ、ニトリル基を有する重合単位、芳香族ビニル重合単位、親水性基を有する重合単位及び共役ジエンモノマーを形成し得る重合単位を含んでなる重合体を得た。重合転化率は85%、ヨウ素価は280mg/100mgであった。
正極用バインダー組成物として、下記のバインダー組成物を用いたこと以外は、実施例1と同様の操作を行い、正極用スラリー組成物および正極を得、電池を作製した。各評価の結果を表1に示す。
撹拌機付きのオートクレーブに、イオン交換水240部、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム2.5部、アクリロニトリル30部、スチレン10部、メタクリル酸5部をこの順で入れ、ボトル内を窒素で置換した後、1,3−ブタジエン55部を圧入し、過硫酸アンモニウム0.25部を添加して反応温度40℃で重合反応させ、ニトリル基を有する重合単位、芳香族ビニル重合単位、親水性基を有する重合単位及び共役ジエンモノマーを形成し得る重合単位を含んでなる重合体を得た。重合転化率は85%、ヨウ素価は280mg/100mgであった。
正極用バインダー組成物として、下記のバインダー組成物を用いたこと以外は、実施例1と同様の操作を行い、正極用スラリー組成物および正極を得、電池を作製した。各評価の結果を表1に示す。
撹拌機付きのオートクレーブに、イオン交換水240部、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム2.5部、アクリロニトリル35部、メタクリル酸5部をこの順で入れ、ボトル内を窒素で置換した後、1,3−ブタジエン60部を圧入し、過硫酸アンモニウム0.25部を添加して反応温度40℃で重合反応させ、ニトリル基を有する重合単位、親水性基を有する重合単位及び共役ジエンモノマーを形成し得る重合単位を含んでなる重合体を得た。重合転化率は85%、ヨウ素価は280mg/100mgであった。
正極用バインダー組成物として、下記のバインダー組成物を用いたこと以外は、実施例1と同様の操作を行い、正極用スラリー組成物および正極を得、電池を作製した。各評価の結果を表1に示す。
撹拌機付きのオートクレーブに、イオン交換水240部、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム2.5部、アクリロニトリル18部、スチレン70部、メタクリル酸2部をこの順で入れ、ボトル内を窒素で置換した後、1,3−ブタジエン10部を圧入し、過硫酸アンモニウム0.25部を添加して反応温度40℃で重合反応させ、ニトリル基を有する重合単位、芳香族ビニル重合単位、親水性基を有する重合単位及び共役ジエンモノマーを形成し得る重合単位を含んでなる重合体を得た。重合転化率は85%、ヨウ素価は280mg/100mgであった。
正極用バインダー組成物として、下記のバインダー組成物を用いたこと以外は、実施例1と同様の操作を行い、正極用スラリー組成物および正極を得、電池を作製した。各評価の結果を表1に示す。
撹拌機付きのオートクレーブに、イオン交換水240部、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム2.5部、スチレン30部、メタクリル酸2部をこの順で入れ、ボトル内を窒素で置換した後、1,3−ブタジエン68部を圧入し、過硫酸アンモニウム0.25部を添加して反応温度40℃で重合反応させ、芳香族ビニル重合単位、親水性基を有する重合単位及び共役ジエンモノマーを形成し得る重合単位を含んでなる重合体を得た。重合転化率は85%、ヨウ素価は280mg/100mgであった。
正極用バインダー組成物として、下記のバインダー組成物を用いたこと以外は、実施例1と同様の操作を行い、正極用スラリー組成物および正極を得、電池を作製した。各評価の結果を表1に示す。
重合缶Aに、2−エチルヘキシルアクリレート6.8部、アクリロニトリル2部、ラウリル硫酸ナトリウム0.12部、イオン交換水79部を加え、重合開始剤として過硫酸アンモニウム0.2部、イオン交換水10部を加え60℃に加温し90分攪拌した後に、別の重合缶Bに2−エチルヘキシルアクリレート61.2部、アクリロニトリル18部、メタクリル酸2.0部、スチレン10部、ラウリル硫酸ナトリウム0.7部、イオン交換水46部を加えて攪拌して作製したエマルジョンを約180分かけて重合缶Bから重合缶Aに逐次添加した後、約120分攪拌してモノマー消費量が95%になったところで冷却して反応を終了し、その後4%NaOH水溶液でpH調整し、重合体の水分散液を得た。
このバインダー水分散液100部にNMP320部を加え、減圧下に水を蒸発させて、正極用バインダー組成物として、上記バインダーのNMP溶液を得た。該NMP溶液100グラムをメタノール1リットルで凝固した後、60℃で一晩真空乾燥し、乾燥体を得、NMRで分析したところ、バインダーは、重合体全量に対して、ニトリル基を有する重合単位(アクリロニトリル由来の重合単位)を20質量%、芳香族ビニル重合単位(スチレン由来の重合単位)を10質量%、親水性基(カルボン酸基)を有する重合単位(メタクリル酸由来の重合単位)を2質量%含んでいた。また、バインダーのガラス転移温度は−20℃未満であった。なお、バインダーのヨウ素価は0mg/100mgであった。さらに、バインダーの膨潤度は、415%であった。
Claims (8)
- ニトリル基を有する重合単位、芳香族ビニル重合単位、親水性基を有する重合単位、及び炭素数4以上の直鎖アルキレン重合単位を含有するバインダーを含む二次電池正極用バインダー組成物であって、
前記芳香族ビニル重合単位の含有割合が5〜40質量%であり、
前記バインダーのガラス転移温度が15℃以下である二次電池正極用バインダー組成物。 - 前記親水性基を有する重合単位の含有割合が0.05〜20質量%である請求項1に記載の二次電池正極用バインダー組成物。
- 前記ニトリル基を有する重合単位の含有割合が2〜50質量%である請求項1または2に記載の二次電池正極用バインダー組成物。
- 前記バインダーのヨウ素価が、3〜60mg/100mgである、請求項1〜3のいずれかに記載の二次電池正極用バインダー組成物。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の二次電池正極用バインダー組成物及び正極活物質を含有してなる二次電池正極用スラリー組成物。
- 請求項5に記載の二次電池正極用スラリー組成物からなる正極活物質層を集電体上に形成してなる二次電池正極。
- 正極、負極、セパレーター及び電解液を有する二次電池であって、前記正極が、請求項6に記載の二次電池正極である二次電池。
- 請求項5に記載の二次電池正極用スラリー組成物を集電体の少なくとも片面に塗布、乾燥する工程を有する二次電池正極の製造方法。
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