JP6023824B2 - 線維化組織から正常組織を再生するための組成物 - Google Patents
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Description
また、組織の線維化には、ウイルス感染、飲酒、薬物などに由来する線維症などの、病因が明確で、その除去が可能なものばかりでなく、直接的な病因が不明な線維症、例えば、特発性肝硬変、特発性肺線維症、特発性骨髄線維症など、または、直接的な病因は分かっているが、その病因の原因が不明なものや、除去困難なもの、例えば、原発性胆汁性肝硬変、非アルコール性脂肪肝炎(NASH)由来の肝線維症、原発性硬化性胆管炎なども含まれる。このような病因の除去が困難な線維化が存在する組織は、絶えず線維化刺激にさらされている状態にあるが、かかる線維化組織において病的な細胞外マトリックスの蓄積を減少させ得ることも、ましてや組織を再生し得ることもこれまで全く知られていなかった。
(1)コラーゲン低減物質を含む、線維化組織から正常組織を再生するための医薬組成物。
(2)コラーゲン低減物質が、コラーゲン産生細胞によるコラーゲン産生を抑制する物質、コラーゲンの分解を促進する物質、およびコラーゲン分解阻害物質を抑制する物質からなる群から選択される、上記(1)に記載の医薬組成物。
(3)線維化組織におけるコラーゲン産生細胞に対する標的化剤をさらに含む、上記(1)または(2)に記載の医薬組成物。
(4)標的化剤がレチノイドである、上記(3)に記載の医薬組成物。
(5)線維化組織が、線維化刺激を継続的に受けている、上記(1)〜(4)のいずれかに記載の医薬組成物。
(6)線維化組織に蓄積されたコラーゲンが低減されて生成される、幹細胞の増殖・分化用のスペースにおいて、線維化組織から正常組織を再生するための、上記(1)〜(5)のいずれかに記載の医薬組成物。
(8)コラーゲンの分解を促進する物質がコラゲナーゼまたはその産生促進物質である、上記(2)〜(6)のいずれかに記載の医薬組成物。
(9)コラーゲン分解阻害物質を抑制する物質がTIMP阻害物質である、上記(2)〜(6)のいずれかに記載の医薬組成物。
また、本発明により、線維化刺激に継続的にさらされている線維化組織の治療が可能となり、従来有効な治療法が存在しなかった線維化疾患や、臓器移植しか治療法がなかった線維化疾患を含むあらゆる線維化疾患の内科的治療が実現するため、医療および獣医療に対して多大な貢献が期待できる。
本発明において、「コラーゲン低減物質」とは、組織に蓄積したコラーゲンの量を低減し得る任意の物質を意味する。特定の理論にとらわれることを意図するわけではないが、線維化組織におけるコラーゲン蓄積は、コラーゲンの産生と分解とのバランスが産生側に偏ることが一因と考えられているため、コラーゲン低減物質は、コラーゲンの産生を抑制する物質ばかりでなく、コラーゲンの分解を促進する物質や、同物質を阻害する物質を抑制する物質をも含み得る。したがって、コラーゲン低減物質としては、限定することなく、例えば、コラーゲン産生細胞によるコラーゲン産生を抑制する物質、コラーゲンの分解を促進する物質、コラーゲン分解阻害物質を抑制する物質等が挙げられる。本発明におけるコラーゲンは特に限定されないが、線維化に関与するコラーゲン、例えば、I、III、V型コラーゲンなどが好ましく、線維化組織に最も多量に存在するI型コラーゲンが特に好ましい。
PPARγリガンドとしては、限定することなく、例えば、15−デオキシ−Δ12,14−プロスタグランジンJ2、ニトロリノール酸、酸化LDL(Low density lipoprotein)、長鎖脂肪酸、エイコサノイドといった内因性リガンドや、トログリタゾン、ピオグリタゾン、ロシグリタゾン、バラグリタゾン、リボグリタゾン等のチアゾリジンジオン系薬剤、非ステロイド性抗炎症薬といった外因性リガンドなどが挙げられる。
PDGF阻害物質としては、限定することなく、例えば、抗PDGF抗体などのPDGF活性阻害物質や、PDGFに対するRNAi分子、リボザイム、アンチセンス核酸などのPDGF産生阻害物質、これらを発現するベクター、およびこれらで形質転換された細胞等が挙げられる。
アポトーシス誘導剤としては、限定することなく、例えば、compound 861、グリオトキシン、アトルバスタチンなどが挙げられる。
レチノイドのシス−トランスを含む異性体全ては、本発明の範囲内に入る。レチノイドはまた1または2以上の置換基で置換されることもある。本発明におけるレチノイドは、単離された状態のものはもちろんのこと、これを溶解または保持することができる媒体に溶解または混合した状態のレチノイドをも含む。
このような成分としては、脂質、例えば、グリセロリン脂質などのリン脂質、スフィンゴミエリンなどのスフィンゴ脂質、コレステロールなどのステロール、大豆油、ケシ油などの植物油、鉱油、卵黄レシチンなどのレシチン類、ポリマー等が挙げられるが、これらに限定されない。このうち、リポソームを構成し得るもの、例えば、レシチンなどの天然リン脂質、ジミリストイルホスファチジルコリン(DMPC)、ジパルミトイルホスファチジルコリン(DPPC)、ジステアロイルホスファチジルコリン(DSPC)などの半合成リン脂質、ジオレイルホスファチジルエタノールアミン(DOPE)、ジラウロイルホスファチジルコリン(DLPC)、コレステロールなどが好ましい。
上記担体は、特定の3次元構造を有してもよい。かかる構造としては、限定されずに、直鎖状または分枝状の線状構造、フィルム状構造、球状構造などが挙げられる。したがって、担体は、限定されずに、ミセル、リポソーム、エマルジョン、微小球、ナノ小球などの任意の3次元形態を有してもよい。
例えば、経口投与に適した剤形としては、限定することなく、散剤、顆粒剤、錠剤、カプセル剤、液剤、懸濁剤、乳剤、ゲル剤、シロップ剤などが挙げられ、また非経口投与に適した剤形としては、溶液性注射剤、懸濁性注射剤、乳濁性注射剤、用時調製型注射剤などの注射剤が挙げられる。非経口投与用製剤は、水性または非水性の等張性無菌溶液または懸濁液の形態であることができる。
投与経路としては、経口および非経口の両方を包含する種々の経路、例えば、経口、経腸、静脈内、筋肉内、皮下、局所、肝内、胆管内、肺内、気道内、気管内、気管支内、経鼻、直腸内、動脈内、門脈内、心室内、骨髄内、リンパ節内、リンパ管内、脳内、髄液腔内、脳室内、経粘膜、経皮、鼻内、腹腔内および子宮内等の経路が含まれる。
投与頻度は、用いる組成物の性状や、上記のような対象の条件によって異なるが、例えば、1日多数回(すなわち1日2、3、4回または5回以上)、1日1回、数日毎(すなわち2、3、4、5、6、7日毎など)、1週間に数回(例えば、1週間に2、3、4回など)、1週間毎、数週間毎(すなわち2、3、4週間毎など)であってもよい。
本方法において、線維化組織におけるコラーゲンの低減および細胞増殖・分化用のスペースの生成は、本発明の組成物または上述のコラーゲン低減物質を線維化組織に投与することにより行うことができる。
(1)siRNAの調製
コラーゲン(I〜IV型)の共通分子シャペロンであるヒトHSP47のラットホモログ、gp46(GenBank Accession No. M69246)の塩基配列を標的とするsiRNA(北海道システム・サイエンス, Sapporo, Japan)のセンス鎖およびアンチセンス鎖は以下のものを用いた。
A:GUUCCACCAUAAGAUGGUAGACAACAG(gp46の塩基配列上の第757塩基から始まるセンス鎖siRNA、配列番号1)
B:GUUGUCUACCAUCUUAUGGUGGAACAU(アンチセンス鎖siRNA、配列番号2)
C:CGAUUCGCUAGACCGGCUUCAUUGCAG(センス鎖siRNA、配列番号3)
D:GCAAUGAAGCCGGUCUAGCGAAUCGAU(アンチセンス鎖siRNA、配列番号4)
カチオン性脂質として、O,O’−ジテトラデカノイル−N−(α−トリメチルアンモニオアセチル)ジエタノールアミンクロライド(DC−6−14)、コレステロールおよびジオレイルホスファチジルエタノールアミン(DOPE)を4:3:3のモル比で含むカチオン性リポソーム(LipoTrust)を北海道システム・サイエンス(Sapporo, Japan)から購入した。リポソームは、使用前に、凍結乾燥した脂質混合物に攪拌条件下で再蒸留水(DDW)を添加することによって、1mM(DC−6−14)の濃度で調製した。VA結合リポソームを調製するため、DMSOに溶解した200nmolのビタミンA(レチノール、Sigma, USA)をリポソーム懸濁液(DC−6−14として100nmol)と、1.5mlチューブ中で攪拌しながら25℃で混合した。siRNAgp46を担持するVA結合リポソーム(VA−lip−siRNAgp46)を調製するため、siRNAgp46溶液(DDW中に580pmol/ml)を、レチノール結合リポソーム溶液に攪拌しながら室温下で添加した。siRNAとDC−6−14とのモル比は1:11であった。in vitroでの使用に望ましい用量を得るため、VA−lip siRNAをリン酸緩衝生理食塩水(PBS)で再構成した。
(1)肝線維化モデルラットの作製
肝線維化モデルラットは、雄SDラット(体重150〜200g)(Slc Japan, Shizuoka, Japan)に対して総胆管結紮を施して作製し、結紮後28日目の個体を本実験に供した。本モデルラットにおいては、総胆管結紮により胆汁の鬱滞が生じ、肝組織が線維化刺激に継続的にさらされた状態となる。
GFP標識ラット肝幹細胞は、4週齢のGFP遺伝子導入ラット(Slc Japan)の肝臓より採取した。まず、GFP遺伝子導入ラットにEGTA溶液およびコラゲナーゼ溶液を灌流した後、肝臓を採取し、採取した肝臓を細切した後、セルストレーナー(孔径100μm)で濾過した。得られた細胞懸濁液にハンクス平衡塩液(HBSS)+0.25%ウシ血清アルブミン(BSA)溶液を加えて、4℃、500rpmで2分間遠心した。上清を採取して、4℃、1300rpmで5分間遠心を行った。上清を除去した後、沈殿に対してMACS(R)(Magnetic Activating Cell Sorting)バッファ(Miltenyi Biotec, Auburn, CA, USA)を加えて混合した。細胞数を数えた後、FITC結合マウス抗CD45抗体(BD Pharmingen)、ウサギポリクローナル抗CD133抗体(Abcam)およびマウスモノクローナル抗EpCAM抗体(Santa Cruz)を用いてMACS(R)を行い、CD133陽性、EpCAM陽性、CD45陰性細胞を採取し、ラット肝幹細胞として本実験に用いた。
(1)で作製した肝線維化モデルラットに、(2)で調製したGFP標識肝幹細胞を、200μlのDME/F12培地中に2×106個の濃度で局所移植した。
肝幹細胞の移植後24時間目から、ビタミンA結合リポソーム内包siRNAgp46(VA−lip siRNAgp46)またはmockとしてVA−lip siRNAscrambleを1日おきに、合計12回尾静脈投与した。投与したsiRNAの濃度は、ラット体重に対して0.75mg/kgで使用した。ビタミンAおよびリポソーム(LipoTrust、北海道システム・サイエンス、Sapporo、Japan)およびsiRNAのモル比は11.5:11.5:1とした。
(3)で12回目のVA−lip siRNAgp46投与が終了した24時間後(すなわち総胆管結紮後52日目)に、GFP発現肝幹細胞を移植した総胆管結紮ラットの肝臓を採取した。採取した肝臓をOCTコンパウンドを用いて封埋した後、凍結切片を作製した。肝臓切片を4%パラホルムアルデヒドで固定した。切片の一部は、常法により、アザン染色に供した。切片の別の一部は5%ヤギ血清入りPBSでブロッキングを施し、PBSで洗浄した後、マウスモノクローナル抗α平滑筋アクチン(α−SMA)抗体(Sigma)、マウスモノクローナル抗グリア線維性酸性タンパク質(GFAP)抗体(Sigma)、ウサギポリクローナル抗アルブミン抗体 (MP Biomedicals)、マウスモノクローナル抗CK19抗体(Novocastra)もしくはマウスモノクローナル抗血管内皮カドヘリン(ve−CAD、Vascular Endothelial Cadherin)抗体(Santa cruz)を用いて、4℃で一晩反応させた。PBSで洗浄した後、Alexa555標識ヤギ抗マウスIgG抗体もしくはAlexa555標識ヤギ抗ウサギIgG抗体(いずれもInvitrogen)を室温で60分間反応させた。PBSで洗浄した後、ProLong(R) Gold with DAPI(Invitrogen)を用いて封入して、蛍光顕微鏡で観察を行った。切片の一部は、α−SMA抗体(Dako)と反応させた後、ヤギ抗ウサギ抗体との反応に代えて、ジアミノベンジジン(DAB)で発色させ、さらにヘマトキシリンで核染色を行った。
図1は、被験ラットから採取した肝臓の外観とそのその代表的切片のアザン染色像を表す。VA−lip siRNAscrambleを投与した群では、肝臓は萎縮し、表面が不整であり、組織中にアザン染色像において青色に染色された細胞外マトリックスの蓄積が広範囲にみられ、肝小葉構造も乱れていた。これに対し、VA−lip siRNAgp46を投与した群においては、外観的な萎縮が認められず、表面はなめらかであり、組織中に細胞外マトリックスの蓄積はほとんどみられず、VA−lip siRNAscramble投与群に比べ線維化領域の明らかな縮小がみられた。また、中心静脈から放射状に類洞が走行する正常な肝小葉構造が回復していることが明確に認められた。
図2は、α−SMA抗体のDAB染色像である。青色の部分はヘマトキシリンで染色された核を表し、濃い茶色の部分がα−SMA陽性領域である。α−SMAは活性化星細胞のマーカーとして知られており、α−SMA陽性領域には活性化星細胞が存在すると考えられる。VA−lip siRNAgp46投与群において、VA−lip siRNAscrambleと比較して顕著な活性化星細胞の減少が見られた。
図4は、GFP標識肝幹細胞移植部位の明視野像とGFP蛍光像である。VA−lip siRNAscramble投与群では、特に血管周囲などにおいて細胞外マトリックスの沈着のために細胞の形状がぼやけ、類洞も乱雑に走行しているのに対し、VA−lip siRNAgp46投与群では、はっきりした細胞形状と、中心静脈から放射状に走行する類洞構造が見られた。またVA−lip siRNAscramble投与群ではGFPの発色が見られなかったのに対し、VA−lip siRNAgp46投与群では、組織全体に渡ってGFPの発色が見られた。
図6は、VA−lip siRNAgp46投与群におけるDAPI、GFPの蛍光像とα−SMA抗体による蛍光染色像を倍率200倍で比較したものである。α−SMAを発現している細胞は、GFPを発現していなかった。図5および6の結果は、肝星細胞が肝幹細胞に由来するものではないことを示唆するものである。
図8はVA−lip siRNAgp46投与群におけるDAPI、GFPの蛍光像とCK19抗体による蛍光染色像を倍率200倍で比較したものである。CK19は胆管上皮細胞のマーカーであるが、胆管を構成するCK19陽性細胞は、GFPを発現していた。
図10は、VA−lip siRNAgp46投与群の細胞移植しなかった部位におけるDAPI、GFPの蛍光像とアルブミン抗体による蛍光染色像を倍率200倍で比較したものである。細胞移植しなかった部位においては、GFP発現細胞は観察されなかった。
GFPを発現する細胞は、移植した肝幹細胞由来の細胞であることから、VA−lip siRNAgp46の投与により、細胞移植部位において、線維化領域の縮小とともに肝幹細胞が肝実質細胞、胆管上皮細胞および血管内皮細胞へ分化することにより、正常な肝臓組織が再生されることが示された。すなわち、VA−lip siRNAgp46投与による治療は、肝線維症の治癒のみならず、肝再生をも誘起することが明らかとなった。また、VA−lip siRNAscramble投与群で肝幹細胞が検出できなかったこと(図3)は、VA−lip siRNAgp46による線維化領域の縮小が、肝幹細胞の増殖・分化に深く関与していることを示唆している。
(1)ラット膵星細胞(PSC)の単離
ラット膵星細胞(PSC)を、既報(Apte et al. Gut 1998;43:128-133)に従い、濃度勾配遠心分離法を用いて単離した。純度は顕微鏡観察、内在性VAの自己蛍光、および筋アクチン架橋タンパク質であるデスミンに対するモノクローナル抗体(1:25、Dako)を用いた免疫細胞化学法でアッセイした。細胞のバイアビリティはトリパンブルー排出でアッセイした。細胞純度およびバイアビリティは共に95%を上回っていた。細胞は、10%のウシ胎児血清(FBS)を添加したイスコーブ改変ダルベッコ培地(Iscove’s modified Dulbecco’s medium:IMDM)中で、37℃、95%大気/5%CO2の加湿環境下で培養した。
ラットpPSC(初代膵星細胞、primary PSC)を、Lab-Tekチャンバーカバーガラスに、チャンバー当たり1×104個となるように播種した。VA−lip siRNAgp46−FAMまたはLip siRNAgp46−FAMを、最終siRNA濃度が50nMとなるように細胞に添加した。細胞を、10%FBS含有DMEMで30分間培養し、培地を新鮮な培地に交換した。処理後30分および2時間において、細胞をPBSで3回洗浄し、4%のパラホルムアルデヒドで、25℃で15分間処理して固定した。固定後、細胞をPBSで3回洗浄し、ProLong(R) Gold with DAPI(Invitrogen)に1分間曝露して核染色した。FAM標識siRNAgp46の細胞内局在を蛍光顕微鏡(Keyence, BZ-8000)を用いてアッセイした。
ラットpPSC(1×104個)を、10%FBSの存在下、VA−lip siRNAgp46−FAM(50nMのsiRNA)で処理し、30分間培養した。ブロッキングアッセイのため、VA−lip siRNAgp46−FAMの添加前に、1×104個の細胞をマウス抗RBP抗体(10μg/ml、BD Pharmingen)またはネガティブコントロールであるマウスIgG1(10μg/ml、Dako)で30分間処理した。VA−lip siRNAgp46−FAM処理細胞の平均蛍光強度(MFI)をFACScalibur with CellQuest software(Becton Dickinson)を用いてアッセイした。
siRNAgp46のノックダウン効果を評価するため、ウェスタンブロッティング実験を行った。具体的には、VA−lip siRNAgp46(1nM、5nM、50nM)、VA−lip−siRNArandom(50nM)およびLip−siRNAgp46(50nM)でそれぞれ30分処理したPSCのタンパク質抽出物を4/20 SDS−ポリアクリルアミドゲルで分離し、ニトロセルロース膜上に転写し、HSP47(gp46)に対する抗体(Stressgen)またはβ−アクチンに対する抗体(Cell Signaling)でプローブした後、ペルオキシダーゼ結合抗体(Oncogene Research Product, Boston, MA)を二次抗体として標識した。最終的に、細胞をECLウェスタンブロッティング検出システム(Amersham Life Science, Arlington Heights, IL)で可視化した。
ラットpPSCを6ウェル組織培養プレートに、10%FBS含有DMEM中5×104個/ウェルの密度で播種した。24時間の培養後、ラットpPSCをVA−lip siRNAgp46(50nMのsiRNA)またはVA−lip siRNArandom(50nMのsiRNA)で処理した。細胞を10%FBS含有DMEM中で30分間培養し、その後培地を新鮮な培地と交換した。処理の72時間後、細胞をPBSで3回洗浄し、ウェルに沈着したコラーゲンを、既報(Williams et al. Gut 2001;49:577-583)に従ってシリウスレッド(Biocolor, Belfast, UK)で染色した。結合しなかった染料を洗浄して除去し、結合複合体を0.5%の水酸化ナトリウムに溶解した。コラーゲンを540nmの吸光光度分析で定量し、結果を未処理コントロールに対するパーセンテージで表した。
図11は、FAM標識されたsiRNAの細胞内分布を表す蛍光像である。左の2つはVA−lip siRNAgp46−FAMで処理したPSCの蛍光像であり、右の2つはLip siRNAgp46−FAMで処理したPSCの蛍光像である。上の2つはそれぞれにおける処理後30分後の像であり、下の2つは処理後2時間後の像である。VA−lip siRNAgp46−FAMでは、処理後30分で細胞質内にぼんやりした顆粒状パターンのFAMの緑色蛍光が観察され、処理後2時間でより濃い顆粒状パターンが核周辺領域に観察された。それに比べ、Lip siRNAgp46−FAM処理群においては、処理後30分では緑色蛍光が観察されず、処理後2時間における核周辺の蛍光はぼんやりしたものであった。
図13Bは、抑制効果の持続時間を確認するウェスタンブロッティングの結果を表す。VA−lip siRNAgp46で処理した場合、処理後72時間培養した細胞まではgp46の顕著な抑制が観察された。従って、処理後少なくとも72時間までは、gp46の発現抑制効果が持続することが確認できた。
上記の結果から、in vitroにおいて、VA−lip siRNAgp46は、RBPレセプター媒介性の取り込みによってPSCに特異的に取り込まれてgp46の発現を抑制し、その結果コラーゲンの産生を顕著に抑制することがわかる。これは、VA−lip siRNAgp46が膵線維症に冒された膵臓において、コラーゲンを低減し得ることを示唆するものである。
(1)膵臓線維化モデルラットの作製
体重が150〜200gの雄Lewisラット(Charles River)を用いた。既報(Inoue et al. Pancreas 2002;25:e64-70)に従って、二塩化ジブチルスズ(Dibutyltin dichloride、DBTC)を1部のエタノールに溶かしたのち、2部のグリセロールおよび2部のジメチルスルホキシド(DMSO)と混合した溶液(DBTC溶液)を調製し、5mg(DBTC)/kg(体重)に相当する量を、ラット右頸動脈よりシリンジを用いて投与した。
DBTC投与開始から43日後、重篤な膵臓の線維化が観察された時点で、DBTC処置ラットに1μl/g体重のVA−lip siRNAgp46−FITCまたはLip siRNAgp46−FITCを尾静脈より投与した。投与は常圧下で行われ、1回当たり0.75mg/kgのsiRNAを1日おきに3回投与した。最後の投与の24時間後、ラットを生理食塩水の灌流により殺処理し、膵臓および他の臓器(肝臓、肺、脾臓および網膜)を採取した。臓器標本を10%のパラホルムアルデヒドで固定し、パラフィン包埋切片をアザン−マロリー染色を用いて染色した。モノクローナル抗α−SMA抗体(1:1000、Sigma)、抗CD68抗体(1:500、Dako)および抗FITC抗体(1:500、Abcam)をそれぞれ用いたデキストランポリマー法、およびEnvision Kit(Dako)によって免疫組織染色を行い、続いてDAB(和光純薬工業、Osaka, Japan)による発色およびギルへマトキシリン液(和光純薬工業)による核染色を行った。
in vivoにおけるsiRNAgp46による発現抑制の持続時間を評価するため、VA−lip siRNAgp46の静脈内投与後0、1、2、3、4日後における膵臓からのタンパク質抽出物について、例3.(4)と同様にウェスタンブロッティングを行った。
3群のラット(1群当たりn=6)を組織学的評価に用いた。DBTC投与の43日後、各群をそれぞれPBS、VA−lip siRNArandomおよびVA−lip siRNAgp46の10回投与(0.75mg/kgのsiRNA、1日おきに3回投与)で処置した。全ての投与は尾静脈より常圧下で、1μl/g体重の量で行った。膵臓を10%のパラホルムアルデヒドで固定し、パラフィン包埋後、切片をアザン−マロリー染色およびヘマトキシリン−エオシン染色を用いて染色した。免疫組織染色は、モノクローナル抗α−SMA抗体(1:1000、Sigma)を用いたデキストランポリマー法、およびEnvision Kit(Dako)によって行い、続いてDAB(和光純薬工業、Osaka, Japan)による発色およびギルへマトキシリン液(和光純薬工業)による核染色を行った。アザン−マロリー、ヘマトキシリン−エオシンおよびα−SMAによる染色領域の正確な定量のため、各ラットの膵臓切片ごとに6つの低倍率視野(×100)を無作為に選択し、顕微鏡(Axioplan 2; Carl Zeiss, Inc)で観察した。デジタル画像を、デジタルTVカメラシステム(Axiocam High Resolution color, Carl Zeiss, Inc.)を用いたビデオ記録システムによって撮像した。自動ソフトウェア分析プログラム(KS400, Carl Zeiss, Inc.)を用いて、デジタル顕微鏡写真中の、アザン−マロリーおよびα−SMAによって染色された領域の割合を決定した。
ヒドロキシプロリン含有量は、既報(Weidenbach et al. Digestion 1997;58:50-57)に従い、Weidenbach法によって決定した。簡潔には、膵臓の細胞破砕物を3000rpmで15分間遠心し、ペレットを6NのHCl中で16時間、96℃で完全に加水分解し、pHを6.5〜7.5に調節した後、再度遠心(3000rpmで15分間)した。25μlのアリコートを60℃で乾燥させ、沈殿物を1.2mlの50%イソプロパノールに溶解し、200mlの0.56% chloramine T Solution(Sigma)入り酢酸・クエン酸緩衝液pH6.0中でインキュベートした。25℃で10分間インキュベートした後、1mlのエールリッヒ試薬を加え、混合物を50℃で90分間インキュベートした。冷却後、560nmの波長の吸収を計測した。
コラーゲナーゼ活性の計測は、既報(Iredale et al. J.Clin.Invest. 1998;102:538-549)の変法により行った。簡潔には、野生型ラットおよび膵臓線維化モデルラットから採取し、液体窒素冷凍された膵臓を、セリン−およびチオール−プロテアーゼ阻害剤(PMSF 0.1mM、ロイペプチン10μM、ペプスタチンA 10μM、アプロチニン25μg/ml、ヨードアセトアミド0.1mM)を含むサンプルバッファ(50mM Tris、pH7.6、0.25%Triton X−100、0.15M NaCl、10mM CaCl2)中で、氷上で破砕した。細胞破砕物を4℃、14000gで30分間遠心して細胞残屑およびタンパク質凝集体を取り除いた。膵臓の細胞破砕物中のコラーゲナーゼ活性を、EnzCheck Collagenase Assay Collagen Conjugate kit (Molecular Probes)を用いて、取扱説明書に従って決定した。平行して適切なネガティブコントロールおよびポジティブコントロール(細菌性コラーゲナーゼ)を用いて分析し、結果をタンパク質のmgごとの分解コラーゲンの蛍光(血清アルブミン標準と比較した280nmの光学濃度によって決定)によって表した。
膵臓の各連続セクションにおいて活性化星細胞およびsiRNAgp46−FITCを免疫染色した結果、VA−lip siRNAgp46−FITC投与群においては、活性化星細胞(α−SMA陽性の細胞)が集まっている領域において、FITC陽性の細胞が同定されたのに対し、Lip siRNAgp46−FITC投与群においては、α−SMA陽性の領域において同定されたFITC陽性細胞はごく僅かであった(図15AおよびB)。
α−SMA陽性領域におけるFITC陽性細胞は、肝臓標本においても観察された(図15C)。この結果は、DBTCによって膵線維化のみならず肝硬変も誘導されるという知見と合致する。肺および脾臓を含むラットの他の臓器においては、マクロファージが浸潤している領域(CD68陽性細胞)においてFITC染色された細胞はわずかであったことから(図15DおよびE)、マクロファージによるsiRNAgp46−FITCの非特異的取り込みが示唆される。網膜はFITC染色に陰性であり(図15F)、このことは肝硬変におけるVA−lip siRNAgp46−FAMを用いた知見と合致する。おそらく、血液網膜関門の透過性の低さにより、眼球は独立した系を構築しているためと考えられる。
上記の結果に鑑みると、VA−lip siRNAgp46による処置により、siRNAgp46が活性化膵星細胞(aPSC)に特異的に取り込まれてgp46の発現を抑制し、その結果aPSCからのからのコラーゲン分泌を抑制することで膵線維化の改善に顕著な効果を発揮することがわかる。さらに、おそらくコラーゲン分泌の減少に起因してaPSCの顕著な減少が観察された。そして特筆すべきことに、VA−lip siRNAgp46による処置は、膵線維化の改善のみならず、膵臓組織の再生も誘導することが証明された。上記例2における結果と合わせ考えれば、これらの結果は、線維化組織において蓄積したコラーゲンを低減することにより、組織非特異的に線維化組織から正常組織を再生し得ることを示すものである。
活性化肝星細胞(aHSC)を、種々の密度の肝前駆細胞と共培養し、肝前駆細胞の分化に細胞周囲のスペースの有無が与える影響を検討した。肝前駆細胞としては、上記例2(2)で得たGFP標識ラット肝幹細胞を、aHSCとしては、SDラットから採取したHSCを培養し、1回継代したものをそれぞれ用いた。aHSCは以下のように採取・培養した。まず、SDラットにEGTA溶液およびコラゲナーゼ溶液を灌流した後、肝臓を採取し、採取した肝臓を細切した後、セルストレーナー(孔径100μm)で濾過した。得られた細胞懸濁液にHBSS+0.25%BSA溶液を加えて、4℃、500rpmで2分間遠心した。上清を採取して、4℃、1300rpmで5分間遠心を行った。上清を除去した後、HBSS+0.25%BSA溶液を加え、Nycodenzの濃度が13.2%になるように28.7% Nycodenz溶液(Axis Shield, Oslo, Norway)を加えて混合した。HBSS+0.25%BSA溶液を重層した後、4℃、1400×gで20分間遠心した。遠心終了後、中間層を採取して、Dulbecco’s Modified Eagle's medium(DMEM)+10%ウシ胎児血清(FBS)培地を用いて、5日間培養した。培養5日目に継代を行い、その細胞を本実験に用いた。
別な実験では、共培養10日目に、Premix WST-1 Cell Proliferation Assay System (Takara, Tokyo, Japan)を使用して、マイクロプレートリーダー(Bio-Rad Laboratories, Hercules, CA, USA)を用いて細胞増殖の測定を行った。結果を図21に示す。
以上の結果から、活性化星細胞が幹細胞の増殖・分化を誘導すること、および、幹細胞の増殖・分化に幹細胞周囲の物理的スペースの有無が重要な影響を及すことが判明した。これは、上記各例の結果と合わせ考えると、コラーゲン低減物質によって線維化組織における線維組織が縮小し、幹細胞の周囲にスペースが生じた結果、幹細胞が増殖・分化し、正常組織が再生することを示すものである。
Claims (5)
- コラーゲン低減物質を含む、線維化組織において幹細胞から正常組織細胞を分化させるための医薬組成物であって、コラーゲン低減物質が、アンジオテンシン受容体拮抗物質、PDGF阻害物質、リラキシンまたはその産生促進物質、および、細胞増殖抑制物質からなる群から選択され、
リラキシンの産生促進物質が、リラキシンをコードする核酸、これを含む発現構築物、これらを含む発現ベクター、およびこれらで形質転換された細胞からなる群から選択される、前記医薬組成物。 - さらに線維化組織において正常組織細胞を増殖させるための、請求項1に記載の医薬組成物。
- レチノイドをさらに含む、請求項1または2に記載の医薬組成物。
- 線維化組織が、線維化刺激を継続的に受けている、請求項1〜3のいずれか一項に記載の医薬組成物。
- 幹細胞からの正常組織細胞の分化が、線維化組織に蓄積されたコラーゲンが低減されて生成されるスペースにおいて生じる、請求項1〜4のいずれか一項に記載の医薬組成物。
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