第1の発明は、水を貯める貯水室と、前記貯水室内の水を加熱して蒸気を発生させる少なくとも1つの加熱手段と、前記貯水室に設けられた給水口および給水路を通じて水を送る給水手段と、前記貯水室上方に前記貯水室内で発生した蒸気を噴出する蒸気噴出口と、前記蒸気噴出口下方に蒸気発生方向と略同一方向に長手方向が形成された複数のフィンとを備え、前記複数のフィンは互いに離間して配置されるとともに、前記複数のフィンの第1の間隔または前記フィンと前記貯水室内面との第2の間隔が少なくとも1つは異なることにより、フィンの間隔が狭い箇所で水への接触面積を増やして伝熱効率を上げつつ、フィン間がスケールで詰まってきても、フィンの間隔が広い箇所はスケールで完全に詰まる前にスケール片が剥がれ落ちるため完全に詰まりにくく、常に蒸気噴出口から蒸気を噴出させることを可能にし、蒸気発生装置内圧力が高まって蒸気や水が漏れることを防ぎ、長期間使用し続けても変わらず蒸気発生性能を維持することができる信頼性のある蒸気発生装置を提供することができる。
第2の発明は、特に、第1の発明において、少なくとも1つの前記フィンは前記加熱手段を横切るように設けたことにより、特に温度の高い加熱手段付近の熱が、熱の伝わりにくい貯水室内の水の内部にまでフィンによって伝わり、また、貯水室と水との接触面積が増え、効率的に水に伝熱することができるため、加熱手段付近と水との接触部の温度が下がり、高温になればなるほど付着しやすいスケールの付着を抑制することができる蒸気発生装置を提供することができる。
第3の発明は、特に、第1または第2の発明において、前記貯水室内の前記加熱手段中央部を除く端部付近における前記第1の間隔または前記第2の間隔の少なくとも1つは他より広いことにより、特に加熱手段端部付近に比べて加熱手段中央部は温度が高く、フィ
ンの間隔が狭い箇所で水への接触面積を増やして伝熱効率を上げつつ、加熱手段の温度が低い加熱手段端部にフィン間隔の広い第2の間隔を設けるため、第2の間隔において高温になればなるほど付着しやすいスケールの付着を抑制し、スケールで完全に詰まる前にスケール片が剥がれ落ちて完全に詰まりにくくし、常に蒸気噴出口から蒸気を噴出させることを可能にし、蒸気発生装置内圧力が高まって蒸気や水が漏れることを防ぎ、長期間使用し続けても変わらず蒸気発生性能を維持することができる信頼性のある蒸気発生装置を提供することができる。
第4の発明は、特に、第1〜第3のいずれかの1つの発明において、前記貯水室内部の第1の側面と対向する第2の側面と、少なくとも1つの前記加熱手段付近の前記第1の側面に対向する前記第2の側面に凹部を設けたことにより、特に高温でスケールが付着しやすい加熱手段付近の内容積を増やし、スケールで完全にフィン間が詰まる前にスケール片が剥がれ落ちて完全に詰まりにくくし、常に蒸気噴出口から蒸気を噴出させることを可能にし、蒸気発生装置内圧力が高まって蒸気や水が漏れることを防ぎ、長期間使用し続けても変わらず蒸気発生性能を維持することができる信頼性のある蒸気発生装置を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における蒸気発生装置を備えた加熱調理器を表す扉が開かれた斜視図を示す。
図1において、加熱調理器1は前面2が加熱室開口部3となる矩形箱状の筐体4を有し、筐体4は内方が加熱室10となるアルミメッキ鋼板の表面をフッ素塗装された内箱5と、内箱5の外方を覆うPCM鋼板である外箱6とからなる。筐体4は加熱室10に加熱室開口部3を通して食品11および載置皿9が内箱5のレール12上をスライドして出し入れされる。内箱5は本実施の形態では壁面は汚れが拭き取りやすいフッ素塗装を行ったが、ホーロー塗装や他の耐熱性のある塗装を行ってもよい。また、材質としてはステンレスを用いることもできる。
載置皿9はアルミメッキ鋼鈑で形成され、加熱した時に食品11の油脂分が流れ出やすいようにプレスで凹凸加工され、表面はフッ素塗装され、裏面はマイクロ波を吸収して発熱する発熱体が備えられ、加熱室ヒータ15(図3参照)と組み合わせて食品11の両面を加熱することができる。また、載置皿9とレール12との間には加熱室10と絶縁するためにPPS樹脂の成型品で形成されたレール台13が備えられている。
載置皿9は本実施の形態では表面は汚れが拭き取りやすいフッ素塗装を行ったが、ホーロー塗装や他の耐熱性のある塗装を行ってもよい。また、材質としてはアルミニウムやステンレスを用いることもできる。
筐体4は扉7が水平方向の回転中心で開閉自在に取り付けられ、加熱室10は扉7が垂直状態に回転操作されることで閉鎖され、水平状態に回転操作されることで解放される。扉7を開いた時にはマグネトロン、各ヒータの動作を止める安全スイッチ8が備えられている。
図2は本発明の実施の形態1における蒸気発生装置を備えた外箱の除かれた加熱調理器を蒸気発生部側から見た斜視図を示す。
図2において、扉7は正面視した一方の側面にタッチパネル57および操作部58が配置されている。タッチパネル57は画面上を指で触れることで調理メニューや調理時間を詳細に設定できるようになっており、操作部58には「戻る」「取消」「スタート」の基本の操作ができるようになっている。なお、タッチパネル57でなく単に液晶表示とし、操作部58に十字キーや、ダイヤルキーを用いて液晶表示部に表示された調理メニューや調理時間の選択を行ってもよいものである。
図3は、本発明の実施の形態1における蒸気発生装置を備えた外箱の除かれた加熱調理器の正面断面図を示す。
図3において、加熱室10底面に加熱室10と固定され食品を載置する結晶化ガラスで形成された載置台14、加熱室10天面付近に加熱室ヒータ15が3本平行に設けられている。加熱室ヒータ15の3本のうち中央部に配置された加熱室ヒータ15の波長のピーク値は他の2本の加熱室ヒータ15の波長のピーク値よりも短い。
加熱室10壁面はアースコード(図示せず)によって接地されており、加熱室10と一体成型されたレール12も接地されている。
加熱室10奥には加熱室10内の空気を撹拌、循環させる循環ファン16と、加熱室10内を循環する空気を加熱する室内気加熱ヒータとしてのコンベクションヒータ17が循環ファン16を取り囲むようにして設けられている。
加熱室10奥面中央付近には加熱室10側から循環ファン16側に吸気を行う複数の吸気用通風孔18と、逆に循環ファン16側から加熱室10側に送風を行う複数の送風用通風孔19とが形成エリアを区別して設けられている。吸気用通風孔18、送風用通風孔19は複数のパンチング孔で形成されている。
加熱室10右上方には加熱室10の壁面に設けた検出用孔20を通じて加熱室10内の食品の温度を検出する赤外線センサ21と、庫内温度を検出する庫内サーミスタ22が設けられている。
加熱室10左下方には左方から見て約80mm×80mmのマイクロ波発生手段であるマグネトロン23が水平方向に設けられ、アルミメッキ鋼鈑を曲げて略L字状に内部通路が構成された導波管24に接続され、加熱室10水平方向中央付近には電波撹拌手段としてのアルミニウムで構成された回転アンテナ25がモータ26に接続されて設けられている。
なお、マグネトロン23、回転アンテナ25、モータ26、導波管24は加熱室10の下面に設けているが、これに限らず加熱室10上部、側面側に設けることもでき、設置向きもあらゆる方向に設定することができ、回転アンテナ25、モータ26は必ずしも必要ない。
導波管24下方には制御手段34が設けられ、ユーザの調理メニューの選択により、マグネトロン23、モータ26、循環ファン16、加熱室ヒータ15、第1の蒸気発生ヒータ50、第2の蒸気発生ヒータ51、コンベクションヒータ17、庫内サーミスタ22、貯水室サーミスタ33、赤外線センサ21、給水ポンプ41、タッチパネル57、操作部58、庫内灯(図示せず)等を制御している。
加熱室10左方には蒸気発生装置27と、蒸気発生のための水を貯めるアルミダイキャストで形成された貯水室28と、貯水室28の開口にシリコーン製の貯水室パッキン29
を挟んで対向し加熱室10側に設けられアルミダイキャストで形成された貯水室カバー30と、貯水室28上方には貯水室28と接続され加熱室10上方の側面に蒸気を供給する内径φ10mmのシリコーンチューブで形成された蒸気導入路31と、蒸気導入路31と接続され加熱室10側面最上段のレール12上方から蒸気を加熱室10内に吹出すPPS樹脂で形成された蒸気噴出口32が設けられている。つまり、蒸気噴出口32は貯水室28内で発生した蒸気を加熱室10内に噴出する構成になっている。
蒸気導入路31は蒸気発生装置27中央部から上方に伸び、略水平方向に屈曲しており、 蒸気噴出口32は蒸気導入路31から略水平方向に伸び、加熱室10に向かって約斜め30°下方に屈曲して加熱室10の凹面に接続され、蒸気噴出口32先端が加熱室10の側面から飛び出ないように構成されており、蒸気噴出口32先端部にはコの字状の切欠きが2箇所設けられている。本実施の形態では斜め30°下方に屈曲しているとしたが、角度はこの限りではない。
また、本実施の形態では蒸気導入路31および蒸気噴出口32の断面形状は貯水室28天面上方に円形状で形成されているが、楕円形や矩形状でもよい。蒸気噴出口32は加熱室10側面上方に1つ設けたが、天面や底面、奥面でも加熱室10に供給できればどこでもよく、1つだけでなく複数個備えてもよい。蒸気発生装置27も側面上方に限らず、天面や底面、奥面に設けてもよい。
なお、蒸気噴出口32の孔の最長内寸はマイクロ波が漏れないようにマイクロ波の波長の1/2以下、本実施の形態ではマイクロ波の波長は約120mmであるため60mm以下が望ましい。
図4(a)は、本発明の実施の形態1における蒸気発生装置の側面断面図、図4(b)は、本発明の実施の形態1における蒸気発生装置の側面断面図の要部拡大図を示す。
図4において、貯水室28の高さ方向に対して中央付近に略水平方向に貯水室28のアルミダイキャストに鋳込まれ貯水室28内の水を加熱して蒸気を発生させる出力650Wの直線状のシーズヒータで構成された加熱手段である第1の蒸気発生ヒータ50と、第1の蒸気発生ヒータ50の上方に略水平方向に設けられ同様に貯水室28のアルミダイキャストに鋳込まれ貯水室28内の水を加熱して蒸気を発生させる出力350Wの直線状のシーズヒータで構成された加熱手段である第2の蒸気発生ヒータ51が設けられている。
第1の蒸気発生ヒータ50の下方の貯水室28の貯水室凹部28aと貯水室カバー30の第2の側面54との間隔L1は、第1の蒸気発生ヒータ50近傍における貯水室28の第1の側面53および第2の蒸気発生ヒータ51近傍における貯水室28の第1の側面53と貯水室カバー30の第2の側面54との間隔L2に比べて長くなっており、断面積も大きくなっている。本実施の形態では間隔L1は約18mm、間隔L2は約10mmで構成されている。
第1の蒸気発生ヒータ50近傍の貯水室28の貯水室凸部28bに対向する貯水室カバー30の貯水室カバー凹部30aは第1の蒸気発生ヒータ50と同心円状で右方に膨らんだ形状になっており、貯水室凸部28bと貯水室カバー凹部30aは約10mmの間隔で離間している。
貯水室28の中央で第1の蒸気発生ヒータ50と第2の蒸気発生ヒータ51の間に貯水室28の温度を検知する貯水室サーミスタ33が熱伝導グリスを塗布されて貯水室28と接触して設けられている。
なお、貯水室28内の水を加熱して蒸気を発生させる加熱手段である第1の蒸気発生ヒータ50、第2の蒸気発生ヒータ51は、本実施の形態では出力が合計1000Wで下方に650W、上方に350Wの異なる出力の直線状のシーズヒータを2本用いたが、貯水室28の形状、必要蒸気量に応じて出力合計1000W以外となるヒータの組み合わせ、また、出力が同じヒータの組み合わせ、3本以上や1本だけのヒータ、直線状ではなくU字形状やL字形状のヒータ、上方に高出力で下方に低出力のヒータ構成等を用いることもできる。
また、本実施の形態では、第1の蒸気発生ヒータ50近傍の貯水室28の貯水室凸部28bに対向する貯水室カバー30の貯水室カバー凹部30aは第1の蒸気発生ヒータ50と同心円状で右方に膨らんだ形状としたが、第2の蒸気発生ヒータ51や、他にヒータを設けた場合にはそのヒータに対抗する貯水室カバー30に同様の形状を設けても同様の効果が得られるものである。
また、スケール付着を減らすために貯水室28内面または貯水室カバー30内面をフッ素、シリコーン等でコーティングしてもよい。
また、フロートなどの水位を直接検知する水位センサを用いるとスケールが付着して感度が低下し、最悪水位が検知できなくなるが、貯水室サーミスタ33のような温度検知手段を用いることにより、スケールは付着するが付着しても温度を検知できなくなることはないため、スケールに対して信頼性の高いものである。
図5は、本発明の実施の形態1における蒸気発生装置を備えた加熱調理器を蒸気発生部側から見た側面図を示す。
図5において、蒸気発生装置27左上部には135℃以上温度が上がると導通しなくなる温度スイッチ60が2個厚み1mmのアルミ板を介して貯水室28とビスによって固定されている。貯水室28下左方には給水口38と、給水口38上流側には半透明で弾性体のシリコーンで形成された内径φ3mm外径φ5mmの給水路40、水を送る給水ポンプ41及び貯水室28に送る水を貯えられている給水タンク42が設けられている。このように貯水室28に設けられた給水口38及び給水路40を通じて水を送る給水手段を設けている。
一方、貯水室下右方には排水口39と、排水口39右方下流側には排水路43が備えられ、排水路43は半透明で弾性体の内径φ7mm外径φ11mmのシリコーンで形成され、排水口39に接続され、排水口39から略水平方向に右方に伸び、垂直方向屈曲してやや右上方に傾斜しながら伸び、さらに貯水室28上部の貯水室蒸気噴出口45と略同一高さである排水路頂点44を頂点として180°にチューブ屈曲部材61により屈曲させられて略垂直方向下方に伸び、その後やや右下下方に傾斜しながら伸び、排水口39とほぼ同一高さで内径φ8mmの排水路出口46に接続され、排水路出口46下方には排水を貯える排水タンク47が設けられている。このように貯水室28に設けられた排水口39を通じて貯水室28内の水を排水する排水路43を備えている。
排水路43は本実施の形態ではシリコーンを用いたが、フッ素、ポリプロピレン、ポリエチレン等を用いることもできる。
給水タンク42は容器部と蓋部の2部品が透明AS樹脂で形成され、パッキン(図示せず)を挟んで水が漏れないように構成されている。給水タンク42側面には排水ライン49と満水ライン52がシルク印刷により表示されており、排水ライン49まで注水すると給水タンク42に収納される水容量は約100mlとなり、貯水室28内の内容積より1
0ml程多い容量となり、満水ライン52まで注水すると給水タンク42に収納される水容量は約650mlとなる。
排水タンク47は容器部の1部品がABS樹脂で形成され、加熱調理器1に装着されているか、装着されていないか分かる排水タンク脱着検出手段(図示せず)が設けられている。
排水ライン49と満水ライン52は本実施の形態ではシルク印刷によって表示したが、印刷に限らず、刻印や給水タンク42に凹部や凸部を設けて表示してもよい。
図6は、本発明の実施の形態1における蒸気発生装置を構成する貯水室の正面図、図7(a)は、本発明の実施の形態1における蒸気発生装置を構成する貯水室を正面右下方から見た斜視図、図7(b)は本発明の実施の形態1における蒸気発生装置を構成する貯水室を正面左上方から見た斜視図を示す。
図6において、貯水室28に頂点が貯水室28内中央上部になるような略円弧状の吹き零れ防止用仕切り板56と、貯水室28の中央付近には貯水室28に一体に各厚み約2mmの複数のフィン36が構成されている。複数のフィン36は、フィン36の長手方向が第1の蒸気発生ヒータ50と第2の蒸気発生ヒータ51を略垂直に横切るように水平方向に貯水室28中央部第1の範囲e1においては第1の間隔d1で並べて設けられている。ただし、貯水室28内面から第2の範囲e2のフィン36aとフィン36bについては第2の間隔d2で設けられており、貯水室28中央部の第1の範囲e1と端部の第2の範囲e2を左右合計した2×e2の比率は約5:6となっている。貯水室28中央部のフィン36cとフィン36dは貯水室サーミスタ33取付部と繋がっている。本実施の形態では第1の間隔d1は約5mm、第2の間隔d2は約12mm、第1の範囲e1は50mm、第2の範囲e2は30mmで構成されている。複数のフィン36は、蒸気発生方向(図6において、下から上の方向)と略同一方向に長手方向が形成され互いに離間して配置される構成である。
なお、フィンの厚み、長さ、位置、数、間隔は貯水室28の形状、第1の蒸気発生ヒータ50と第2の蒸気発生ヒータ51の構成等によって熱伝導性が異なるために適宜決定してよい。
貯水室28内底面には水平面との角度が約5°のテーパー37と、第1の蒸気発生ヒータ50下方でテーパー37の右上方における貯水室28の右下端には給水口38と、第1の蒸気発生ヒータ50下方でテーパー37の左下方における貯水室28の左下端には排水口39が同一方向逆向きに別々に設けられており、テーパー37は排水口39に向かって下方に傾斜している。
テーパー37は本実施の形態では水平面との角度を約5°としたが、貯水室28の形状、排水路43の形状、排水時の給水量等によって水の流れが異なるため適宜決定してよく、傾斜があれば直線である必要もない。
第1の蒸気発生ヒータ50の下方でフィン36下端には貯水室28内側側壁28Aとフィン36を連結するように貯水室28に一体に厚み約2mmのリブ55が、排水口39及び給水口38内部流路上方にテーパー37と平行に設けられ、複数のフィン36の下端で複数のフィン36を連結するように構成されている。
なお、フィン36の下端にリブ55を設けたが、貯水室28内側側壁28Aとフィン36を連結していればフィン36下端である必要はなく、フィン36のどこかに設ければよ
い。また、テーパー37と平行にリブ55を設けたが、テーパー37と平行である必要はなく、水平でも曲線でもよい。さらに、フィン36とリブ55とを連結させるように設けたが、完全に連結せずにフィン36とリブ55とを微小隙間を介して配置させても良い。
図8は、本発明の実施の形態1における蒸気発生装置の平面断面図を示す。
図8において、フィン36は、貯水室28の第1の側面53から延出されるとともに、第1の側面53と対向する貯水室カバー30で形成された第2の側面54に対してフィン36の先端36Aが離間している(図4(b)の側面断面図を参照)。ここで、貯水室28から延出されたフィン36先端36Aは第2の側面54と約2mmの隙間が開いており、リブ55近傍のフィン36先端36Bは第2の側面54と略接して設けられている。また、リブ55先端と第2の側面54とは約5mmの隙間が開いている。
加熱手段である第1の蒸気発生ヒータ50と第2の蒸気発生ヒータ51の下方に形成されたリブ55には、複数の凹部55Aで形成された複数の開口59を有している。フィン36とリブ55の凹部55A、第2の側面54の間により形成される開口59の略四角形の対角線の長さは、図7(a)に示す排水口39の排水口流路39Aである内径よりも小さくなっている。つまり、開口59の大きさは排水口39の上流に配され排水口流路39Aより小さく構成されている。
なお、フィン36およびリブ55は第1の側面53から第2の側面54に近づくに連れて約2°のテーパー形状が設けられている。第1の側面53とフィン36、第2の側面54の間で形成される空間の断面積は蒸気噴出口32の断面積以上となっている。
なお、本実施の形態では貯水室28から延出されたフィン36先端36Aは貯水室カバー30の第2の側面54と約2mmの隙間を設けたが、さらに隙間を広げても狭めてもフィン36と貯水室カバー30との間に水が回り込めればよいものである。
以上のように構成された蒸気発生装置を備えた加熱調理器について、以下その動作、作用を説明する。
ユーザによってタッチパネル57でマイクロ波加熱モードを選択され、操作部58のスタートを押されると、マグネトロン23からマイクロ波が放出され、マイクロ波は導波管24を通り、回転アンテナ25に伝わり、モータ26によって回転する回転アンテナ25によってマイクロ波を加熱室10内に撹拌されながら供給される。加熱室10内に供給されたマイクロ波は直接食品11に吸収されるものもあれば、加熱室10壁面を反射しながら食品11に吸収され、食品11を加熱するものもある。マイクロ波のなかにはマグネトロン23に戻ってくるものもある。そして、主に自動加熱時は赤外線センサ15や庫内サーミスタ9を用いて、食品や庫内の状態を検知し、その状態に応じてマイクロ波出力やマイクロ波放出方向を制御手段34が制御する。なお、このマイクロ波加熱モード時は載置皿9を取り外し載置台14の上に食品11を載置し加熱する。
ユーザによってタッチパネル57でオーブン加熱モードを選択され、操作部58のスタートを押されると、加熱室ヒータ15またはコンベクションヒータ17が通電されて発熱し、循環ファン16によって加熱室10内を熱風が循環し食品11を加熱する。そして、主に自動加熱時は赤外線センサ21や庫内サーミスタ22を用いて、食品や庫内の状態を検知し、その状態に応じて加熱室ヒータ15とコンベクションヒータ17、循環ファン16の切り替えや、出力の制御を行う。
ユーザによって載置皿9をセットし、タッチパネル57でグリル加熱モードを選択され
、操作部58のスタートを押されると、マイクロ波加熱モードと同様にマイクロ波が加熱室10内に供給され、載置皿9底面の発熱体を加熱し、その熱伝導によって載置皿9が加熱され、食品11が下から加熱させられる。
それと同時に、マイクロ波が載置皿9と加熱室10壁面との隙間から回り込み食品11が加熱させられる。また、加熱室ヒータ15もマイクロ波と同時もしくは単独で通電されて発熱し、その輻射熱により食品11を上から加熱する。
そして、主に自動加熱時は赤外線センサ21や庫内サーミスタ22を用いて、食品や庫内の状態を検知し、その状態に応じてマイクロ波と加熱室ヒータ15の切り替えや、出力の制御を制御手段34が行う。このように食品11を上下両面から焼き上げる。
図9は、本発明の実施の形態1における蒸気発生装置のスチーム加熱モードのフローチャートを示し、図10は本発明の実施の形態1における蒸気発生装置の貯水室サーミスタの温度と時間の関係を示すグラフである。
ユーザによって、給水タンク42の満水ライン52まで水が補充された後、タッチパネル57でスチーム加熱モードを選択され、操作部58のスタートを押される(S10)と、第1の蒸気発生ヒータ50と第2の蒸気発生ヒータ51がONされ発熱する(S11)。
そして、図10に示すA1のように貯水室サーミスタ33が貯水室28の温度を検知し通電開始から30秒間で初期値から温度上昇値が60℃を超えると(S12)約40ml(S13)、図10に示すA2のように初期値から温度上昇値が60℃以下かつ50℃を超えると(S14)約20ml(S15)の給水タンク42の水が、給水ポンプ41から給水路40、給水口38を通じて貯水室28に給水されたところで給水ポンプ41の動作が止まる。
図10のA3のように温度上昇値が50℃以下の場合は初期から十分水が溜まっているとして給水されない(S16)。
給水が行われた場合、その後の5秒間で温度上昇値が7℃を超えると(S17)、さらに給水タンク42の水が給水ポンプ41から給水路40、給水口38を通じて貯水室28に約10ml給水され(S18)、5秒間で温度上昇値が7℃を下回るまで給水が繰り返される。
こうして貯水室28に給水されると第1の蒸気発生ヒータ50上方まで水位が上昇してフィン36間に水が満たされ、第1の蒸気発生ヒータ50と第2の蒸気発生ヒータ51によって貯水室28内の水が加熱され蒸発し、貯水室蒸気噴出口45、蒸気導入路31を通って蒸気噴出口32より加熱室10内に蒸気が放出され、加熱室10内部および食品11を加熱する。このとき、載置皿9の上に食品11を載置し、載置皿9をレール12の上に置くと、載置皿9により加熱室10内の空間が仕切られて蒸気が充満する空間が狭くなり食品11の存在する空間だけを効率よく加熱することもできる。
なお、給水されて貯水室28内の水位が上昇すると、排水路43も排水口39を通じて連通しているため排水路43内の水位も同時に上昇する。
そして、蒸発を続けると、貯水室28及び排水路43の水位が下がり、貯水室28の温度が上昇する。そして、貯水室サーミスタ33が給水タイミングである110℃を超えたことを検知すると(S22)、制御手段34が給水ポンプ41に給水命令を出し約10m
l給水を自動で行う(S23)。給水を行うと、貯水室28の温度が下がり、蒸発を続けて水位が下がり温度が上昇するまで次の給水は行わない。そのため、貯水室28の水位が一定の水位より下がらないように制御でき、直接的に水位を検出する水位センサなしで簡易的に貯水室サーミスタ33により水位を検出し給水することができる。
ここで、貯水室サーミスタ33が給水タイミングである110℃を超えたことを検知するときの図6の給水前水位h1は第1の蒸気発生ヒータ50中心より下方であり、図6の給水後水位h2は第1の蒸気発生ヒータ50中心より上方にすることにより、蒸気発生中は第1の蒸気発生ヒータ50近傍に水位を維持している。
なお、本実施の形態では水位が第1の蒸気発生ヒータ50中心より下方の時に第1の蒸気発生ヒータ50中心より上方まで給水したが、給水前水位h1が第1の蒸気発生ヒータ50中心より下方で給水後水位h2も第1の蒸気発生ヒータ50中心より下方でも給水前水位h1と給水後水位h2が共に第1の蒸気発生ヒータ50近傍であればよく、また、給水前水位h1が第1の蒸気発生ヒータ50中心より上方で給水後水位h2も第1の蒸気発生ヒータ50中心より上方でも給水前水位h1と給水後水位h2が共に第1の蒸気発生ヒータ50近傍であればよく、蒸気発生中の水位を常に第1の蒸気発生ヒータ50近傍に維持できればよいものである。
また、給水ポンプ41に給水命令を出しても温度上昇が止まらないときは給水タンク42内の水がなくなったもしくは給水ポンプ41等の故障と判定し、スチーム加熱を終了し、ブザー音を鳴らし、ユーザに給水タンク29に注水するようにタッチパネル57に表示し報知する。なお、スチーム加熱有無によって大きく調理性能に影響を与えないメニューに関してはブザー音を鳴らさずに調理を続行する場合もある。
そして、最終的にスチーム加熱時間が終了した時もしくはスチーム加熱が取り消された時(S19)、第1の蒸気発生ヒータ50と第2の蒸気発生ヒータ51をOFFし(S20)、調理を終了する(S21)。
主に自動加熱時は赤外線センサ21や庫内サーミスタ22を用いて、食品や庫内の状態を検知し、その状態に応じて第1の蒸気発生ヒータ50と第2の蒸気発生ヒータ51を同時に通電したり、どちらか一方のヒータを単独で通電したりする出力の切り替えや、給水ポンプ41の制御を行う。
なお、この給水を判定する温度上昇値や給水タイミングは、第1の蒸気発生ヒータ50と第2の蒸気発生ヒータ51の出力や、貯水室28の形状によって大きく異なるため、給水量も含めて場合に応じて適宜決定されるものである。
このように、貯水室28に少量の水を供給して瞬時に蒸発させるのではなく、貯水室28に水を貯えて蒸発させることによって、蒸発が進んでも水が貯えられているためスケール成分が濃縮されにくくなり、スケール成分の析出を抑え、信頼性が高い蒸気発生装置を提供することができる。
さらに、水を貯める貯水室28と、貯水室28内の水を加熱して蒸気を発生させる第1の蒸気発生ヒータ50と第2の蒸気発生ヒータ51と、貯水室28に設けられた給水口38及び給水路40を通じて水を送る給水ポンプ41と、給水ポンプ41を制御する制御手段34と、貯水室28内で発生した蒸気を噴出する蒸気噴出口32と、簡易的に貯水室28内の水位を検出する貯水室サーミスタ33を設け、貯水室サーミスタ33の検出に応じて制御手段34を用い、貯水室28内で最も下方に位置する第1の蒸気発生ヒータ50近傍に水位を維持するように制御することにより、貯水室28内下方の水への加熱を最小限
に抑えて第1の蒸気発生ヒータ50近傍の水面付近の水だけを蒸発させることができるため、素早く蒸気を発生させることができ、多量の水を貯えても初期の蒸気発生が早い蒸気発生装置を提供することができる。また、貯水室28内下方の水への加熱を最小限に抑えることにより、沸騰時に貯水室28下方で発生した気泡が上昇しながら成長して大きな気泡となり、水面に上昇して破裂することによる沸騰水の駆け上がりを少なくし、沸騰水が蒸気噴出口32から噴出することを防ぎ、さらに気泡の破裂音を抑えることができる。
また、水位を維持される第1の蒸気発生ヒータ50の出力は第2の蒸気発生ヒータ51の出力以上にすることにより、出力が高く温度上昇が早い第1の蒸気発生ヒータ50近傍に水位を維持するように制御し、より水面付近の水を効率よく加熱することができるため素早く蒸気を発生させることができ、多量の水を貯えても初期の蒸気発生が早い蒸気発生装置を提供することができる。
さらに、間隔L1を間隔L2より長くしたことにより、貯水室凹部28aには多量の水を貯えることができ、蒸発が進んでも貯えられている水量が多いためスケール成分が濃縮されにくくなり、スケール成分の析出を抑えながら素早く蒸気を発生させることができ、水を多量の水を貯えても初期の蒸気発生が早い蒸気発生装置を提供することができる。
また、給水口38は第1の蒸気発生ヒータ50より下方に設けることにより、給水時に温度の高い第1の蒸気発生ヒータ50近傍の水面付近に給水して水面付近の温度を下げることなく、温度の低い貯水室28内下方の水に給水し、すでに貯水され加熱されていた水を第1の蒸気発生ヒータ50の方に押し上げて効率的に素早く蒸気を発生させることができ、多量の水を貯えても初期の蒸気発生が早い蒸気発生装置を提供することができる。
さらに、本実施の形態では、満水ライン52まで水を補充したが、満水ライン52まで水を入れなくても長時間のスチーム加熱でなければ調理可能である。
また、給水口38と排水口39は貯水室28下方に設けることにより、蒸気発生時は水に浸かっている状態となるため、給水口38と排水口39の温度上昇が低く、スケールが付着しにくくなり、給水口38及び排水口39にスケールが詰まり早期に給水及び排水ができなくなることを防ぎ、長期間使用し続けても変わらず蒸気発生性能を維持することができる信頼性のある蒸気発生装置を提供することができる。
図11(a)は本発明の実施の形態1におけるサイフォンの原理による排水工程を模式的に示した第1の蒸気発生装置の断面図、図11(b)は本発明の実施の形態1におけるサイフォンの原理による排水工程を模式的に示した第2の蒸気発生装置の正面断面図、図11(c)は本発明の実施の形態1におけるサイフォンの原理による排水工程を模式的に示した第3の蒸気発生装置の断面図、図11(d)は本発明の実施の形態1におけるサイフォンの原理による排水工程を模式的に示した第4の蒸気発生装置の断面図を示す。
図11(a)に示すように、通常加熱時は貯水室28内の第2の蒸気発生ヒータ51下方の水位まで給水ポンプ41からの給水によって水が貯められ、同時に排水路43内の水位も上昇する。蒸気が発生していないときは貯水室28内の水位と排水路43の水位は同じであるが、蒸気が発生していると貯水室28内部の圧力が高まり排水路43の水位が上昇するため水位は必ずしも同一ではない。
ユーザによって、給水タンク42の満水ライン52まで水が補充された後、タッチパネル57で排水モードを選択され、操作部58のスタートを押されると、図11(b)に示すように、水位が通常加熱時の水位よりも上方の排水路頂点44に達するまで自動的に給水ポンプ41を動作させ給水を行う。排水路頂点44まで水位が上昇すると、貯水室28
内での水位と排水路43内との水位に高低差aができ、図11(c)に示すようにサイフォンの原理により貯水室28内及び排水路43内のスケール凝縮水及び析出したスケールが排水口39、排水路43、排水路出口46を通って排水タンク47に向かって流れる。
なお、貯水室28内での水位と排水路43内との水位に高低差aが発生すると排水が始まり、排水流量より少ない給水流量ならばそれ以上給水しても水位は上がらず、給水ポンプ41によって排水に必要な給水量より若干多く給水してもあふれたりすることはないため、給水ポンプ41の動作バラツキを考えて排水に必要な給水量より少し多めの給水量を狙って駆動時間を設定し、排水時の貯水室28内の水位を検知する検知手段は省略することができる。
最終的に、図11(d)に示すように貯水室28内及び排水路43の水は空になり排水タンク47に蓄えられる。排水タンク47はユーザによって取り出され、蓄えられた水が捨てられる。なお、この排水工程では給水ポンプ41前後の給水路40の水は排水されない。
このように、排水路43の経路構成を設けて排水路頂点44まで給水することにより、貯水室28内に析出するスケールをクリーニングし、さらに、給水するだけでサイフォンの原理による排水を行うことができるため、単純な構成でスケールおよびスケール凝縮水の排出を行うことができ、信頼性が高く、安価で、ユーザの負担にならない蒸気発生装置を提供することができる。
なお、本実施の形態ではユーザにより排水モードが選択されて排水が行われたが、あらかじめ調理後の給水タンクの残水に余裕を持っておけばスチーム加熱の都度自動排水を行ってもよいものである。
図12(a)は本発明の実施の形態1における給水路の水の排水工程を模式的に示した第1の蒸気発生装置の断面図、図12(b)は本発明の実施の形態1における給水路の水の排水工程を模式的に示した第2の蒸気発生装置の断面図、図12(c)は本発明の実施の形態1における給水路の水の排水工程を模式的に示した第3の蒸気発生装置の断面図、図12(d)は本発明の実施の形態1における給水路の水の排水工程を模式的に示した第4の蒸気発生装置の断面図を示す。
ユーザによって給水タンク42の排水ライン49まで水が補充された後、タッチパネル57で給水経路排水モードを選択され、操作部58のスタートを押されると、図12(a)に示すように給水タンク42の水が給水ポンプ41から給水路40、給水口38を通じて貯水室28に給水される。
さらに給水を続けて図12(b)に示すように貯水室28及び排水路43の水位は排水路頂点44に達し、給水タンク42には貯水室28内の内容積より10ml程多い容量しか蓄えられていないため、給水タンク42内の水はほとんどなくなる。
そして、図12(c)に示すように排水口39、排水路43、排水路出口46を通って排水タンク47に向かってサイフォンの原理による排水が行われ、排水を行っている間にもさらに給水ポンプ41を動作させ続けると、給水タンク42内の水は空になり、給水ポンプ41が水ではなく空気を給水路40に送り込むようになり、給水路40内の水を空気で押し出して排水し、給水ポンプ41は一定時間後に停止する。
そして、図12(d)に示すように押し出された水はサイフォンの原理による排水と合流して同時に排水タンク47に向かって排水され、給水タンク42、給水ポンプ41内部
、給水路40、貯水室28、排水路43の水は空になる。
なお、本実施の形態では給水タンク42に排水ライン49を設けたが、タッチパネル57に排水に必要量である100mlを表示し、ユーザに水を補充してもらってもよい。また、水の代わりにクエン酸水等の洗浄剤を用いて、さらに第1の蒸気発生ヒータ50と第2の蒸気発生ヒータ51で加熱すると貯水室28内のスケール、水垢等の汚れも落としやすくなり、より清潔な蒸気発生装置を提供できる。
このように、給水タンク42に所定容量の水を入れ、給水ポンプ41を動作させ排水路頂点44まで水位を押し上げてサイフォンの原理により排水を行っている間にも、さらに給水ポンプ41を動作させ続けると給水タンク42の水が空になり、給水ポンプ41が水ではなく空気を給水路40に送り込むようになり、給水路40内に残った水を空気で押し出して排水することができ、その水はサイフォンの原理による排水に合流して同時に排水され、サイフォンの原理では排水できない給水ポンプ41前後の給水路40の水及び給水ポンプ41内の水の排水を安価に行える蒸気発生装置を提供することができる。
以上のように本実施の形態では、水を貯める貯水室28と、貯水室28内の水を加熱して蒸気を発生させる加熱手段である第1の蒸気発生ヒータ50と第2の蒸気発生ヒータ51と、貯水室28に設けられた給水口38および給水路40を通じて水を送る給水ポンプ41と、貯水室28上方に貯水室28内で発生した蒸気を噴出する蒸気噴出口32と、蒸気噴出口32下方に蒸気発生方向と略同一方向に長手方向が形成された複数のフィン36とを備え、複数のフィン36は互いに離間して配置されるとともに、第1の間隔d1と第2の間隔d2が異なることにより、フィン36の間隔が狭い第1の間隔d1で水への接触面積を増やして伝熱効率を上げつつ、フィン36間がスケールで詰まってきても、フィン36の間隔が広い第2の間隔d2はスケールで完全に詰まる前にスケール片が剥がれ落ちるため完全に詰まりにくく、常に蒸気噴出口32から蒸気を噴出させることを可能にし、蒸気発生装置内圧力が高まって蒸気や水が漏れることを防ぎ、長期間使用し続けても変わらず蒸気発生性能を維持することができる信頼性のある蒸気発生装置を提供することができる。
また、フィン36は第1の蒸気発生ヒータ50と第2の蒸気発生ヒータ51を横切るように設けたことにより、特に温度の高い第1の蒸気発生ヒータ50と第2の蒸気発生ヒータ51付近の熱が、熱の伝わりにくい貯水室28内の水の内部にまでフィン36によって伝わり、また、貯水室28と水との接触面積が増え、効率的に水に伝熱することができるため、第1の蒸気発生ヒータ50と第2の蒸気発生ヒータ51付近と水との接触部の温度が下がり、高温になればなるほど付着しやすいスケールの付着を抑制することができる蒸気発生装置を提供することができる。
さらに、貯水室28内の第2の範囲e2における第2の間隔d2が第1の範囲e1における第1の間隔d1より広いことにより、第2の範囲e2と比べて第1の範囲e1は蒸気発生ヒータの温度が高く、フィン36の間隔が狭い第1の間隔d1で水への接触面積を増やして伝熱効率を上げつつ、蒸気発生ヒータの温度が低い第2の範囲e2にフィン間隔の広い第2の間隔d2を設けるため、第2の間隔d2において高温になればなるほど付着しやすいスケールの付着を抑制し、スケールで完全に詰まる前にスケール片が剥がれ落ちるため完全に詰まりにくくし、常に蒸気噴出口32から蒸気を噴出させることを可能にし、蒸気発生装置内圧力が高まって蒸気や水が漏れることを防ぎ、長期間使用し続けても変わらず蒸気発生性能を維持することができる信頼性のある蒸気発生装置を提供することができる。
なお、本実施の形態では、第2の範囲e2にフィン間隔の広い第2の間隔d2を設けた
が、第1の範囲e1にフィン間隔の広い第2の間隔d2を設ければ、温度の高い第1の範囲e1でフィン36間がスケールで完全に詰まる前にスケール片が剥がれ落ちて完全に詰まりにくくし、貯水室28全体にわたってスケール詰まりが抑制されるものである。
また、貯水室28の貯水室凸部28bに対向する貯水室カバー30の貯水室カバー凹部30aを設けたことにより、特に高温でスケールが付着しやすい第1の蒸気発生ヒータ50付近の貯水室凸部28bと貯水室カバー凹部30a間の内容積を増やし、スケールで完全にフィン36間が詰まる前にスケール片が剥がれ落ちて完全に詰まりにくくし、常に蒸気噴出口32から蒸気を噴出させることを可能にし、蒸気発生装置内圧力が高まって蒸気や水が漏れることを防ぎ、長期間使用し続けても変わらず蒸気発生性能を維持することができる信頼性のある蒸気発生装置を提供することができる。
水を貯める貯水室28と、貯水室28内の水を加熱して蒸気を発生させる加熱手段である第1の蒸気発生ヒータ50と第2の蒸気発生ヒータ51と、貯水室28に設けられた給水口38及び給水路40を通じて水を送る給水手段である給水ポンプ41と、貯水室28に設けられた排水口39を通じて水を排水する排水路43と、貯水室28内で発生した蒸気を噴出する蒸気噴出口32と、排水口39の上流側に配され排水口流路39Aより小さい複数の開口59とで構成されることにより、スケール片の排水口39詰まりを防止する別部材のフィルターを溶接等で固定するときに生じるバラつきや、貯水室28とフィルターの異金属間接触部の腐食による隙間からスケール片が通過し、排水口39にスケール片が詰まり早期に排水ができなくなることを防ぎ、長期間使用し続けても変わらず蒸気発生性能を維持することができる信頼性があり安価な蒸気発生装置を提供することができる。
なお、本実施の形態では、リブ55に形成された凹部55Aにより開口59を形成したが、リブ55に透孔を形成しても良く、また開口59の形状は円形や楕円形、多角形でも同様の効果を得られるものである。
また、開口59は第1の蒸気発生ヒータ50と第2の蒸気発生ヒータ51下方に設けたことにより、特に温度が高くスケールが付着しやすい第1の蒸気発生ヒータ50と第2の蒸気発生ヒータ51付近に付着したスケール片が剥がれてきたときに確実にせき止めることができる蒸気発生装置を提供することができる。
さらに、開口59は貯水室28内で加熱時に貯められている水面より下方に設けたことにより、開口59を形成するリブ55の温度上昇を抑えて、流路自体にスケールが付着することを防ぎ、早期に排水口が詰まり排水ができなくなることを防ぐことができる蒸気発生装置を提供することができる。
また、蒸気噴出口32下方に蒸気発生方向と略同一方向に長手方向が形成された複数のフィン36とを備え、フィン36は互いに離間して配置され、複数のフィン36を連結するようにリブ55を設けて構成したことにより、複数のフィン36が貯水室28に付着したスケール片を分断して大きく成長させず、スケール片が剥がれてきても早期に開口59や排水口流路39Aが詰まり排水ができなくなることを防ぎ、また複数のフィン36により貯水室28が仕切られて各開口59が独立しているため、大きなスケール片で同時に複数の開口59が詰まってしまうことを防ぐことができる蒸気発生装置を提供することができる。
さらに、リブ55近傍のフィン36先端36Bは第2の側面54と略接して設けることにより、フィン36先端36Bと第2の側面54の隙間からスケール片が通過し、排水口39にスケール片が詰まり早期に排水ができなくなることを防ぎ、長期間使用し続けても変わらず蒸気発生性能を維持することができる信頼性があり安価な蒸気発生装置を提供す
ることができる。
また、水を貯める貯水室28と、貯水室28内の水を加熱して蒸気を発生させる第1の蒸気発生ヒータ50と第2の蒸気発生ヒータ51と、貯水室28に設けられた給水口38および給水路40を通じて水を送る給水ポンプ41と、貯水室28上方に貯水室28内で発生した蒸気を噴出する蒸気噴出口32と、蒸気噴出口32下方に蒸気発生方向と略同一方向に長手方向が形成された複数のフィン36と、複数のフィン36は互いに離間して配置されるとともに第1の蒸気発生ヒータ50と第2の蒸気発生ヒータ51を横切るように設けることにより、貯水室28と水との接触部で特に温度の高い部分で大きな気泡が発生し、この気泡が水面に上昇して破裂することにより沸騰水が蒸気噴出口32まで駆け上がり加熱室10に噴出されることが考えられるが、複数のフィン36を設けることにより、特に温度の高い第1の蒸気発生ヒータ50と第2の蒸気発生ヒータ51付近の熱が、熱の伝わりにくい貯水室28内の水の内部にまでフィン36によって伝わり、また、貯水室28と水との接触面積が増え、効率的に水に伝熱することができるため、貯水室28と水との接触部の温度が下がり、温度の高い部分で発生する大きな気泡が少なくなり、大きな気泡が水面に上昇して破裂することによる沸騰水の駆け上がりを少なくし、沸騰水が蒸気噴出口32から噴出することを防ぎ、さらに気泡の破裂音を抑えることができる。また、貯水室28と水との接触部の温度が下がるため、高温になればなるほど付着しやすいスケールの付着を抑制することができる。
さらに、複数のフィン36によって貯水室28を細かく区切ることにより物理的に沸騰時の気泡を小さくすることができ、大きな気泡が水面に上昇して破裂することによる沸騰水の駆け上がりを少なくし、沸騰水が蒸気噴出口32から噴出することを防ぎ、さらに気泡の破裂音を抑えることができる。また、複数のフィン36を蒸気発生方向と略同一方向に設けることにより、蒸気の流れを妨げることがないため、蒸気量、蒸気流速を向上させることができる蒸気発生装置を提供することができる。
また、貯水室28とフィン36、貯水室カバー30の間で形成される空間の断面積を蒸気噴出口32の断面積以上としたことにより、蒸気の流路において断面積が減少することによる流路圧損をなくし、蒸気量が低下することなく沸騰水の駆け上がりを少なくし、沸騰水が蒸気噴出口32から噴出することを防ぎ、さらに気泡の破裂音を抑えることができる蒸気発生装置を提供することができる。
さらに、フィン36は貯水室28から延出されるとともに、貯水室カバー30に対してフィン36の先端36Aが離間していることにより、フィン36と貯水室カバー30の間にも水が回り込み、貯水室28と水との接触面積が増大し、また、水の対流により温度分布が均一となり、大きな気泡が水面に上昇して破裂することによる沸騰水の駆け上がりを少なくし、沸騰水が蒸気噴出口32から噴出することを防ぎ、さらに気泡の破裂音を抑えることができる蒸気発生装置を提供することができる。
また、水を貯める貯水室28と、貯水室28内の水を加熱して蒸気を発生させる第1の蒸気発生ヒータ50と第2の蒸気発生ヒータ51と、貯水室28に設けられた給水口38および給水路40を通じて水を送る給水ポンプ41と、貯水室28上方に貯水室28内で発生した蒸気を噴出する蒸気噴出口32と、蒸気噴出口32下方でかつ貯水室28内で加熱時に貯められている水面近傍上方に第2の蒸気発生ヒータ51を設けることにより、沸騰時に発生する気泡が水面で破裂して駆け上がろうとしても、水面近傍上方の第2の蒸気発生ヒータ51により加熱されて蒸気になるため、水が蒸気噴出口32から噴出することを防ぐことができる蒸気発生装置を提供することができる。
また、水を貯める貯水室28と、貯水室28内の水を加熱して蒸気を発生させる第1の
蒸気発生ヒータ50と第2の蒸気発生ヒータ51と、貯水室28に設けられた給水口38および給水路40を通じて水を送る給水ポンプ41と、貯水室28内で発生した蒸気を噴出する蒸気噴出口32と、貯水室28の温度を検知する貯水室サーミスタ33とを設け、運転開始後、第1の蒸気発生ヒータ50と第2の蒸気発生ヒータ51で貯水室28の加熱を始め、貯水室サーミスタ33で検知した貯水室28の所定時間における温度上昇率に応じて初期給水量を決定する制御手段34を有し、貯水室28内に水を貯えて蒸気を発生させることにより、スケールに対して信頼性の低い水位検知手段を用いることなく、給水量が多いことで水があふれることを防ぎ、また給水量が少ないことで貯水室28が空焚きに近くなり、第1の蒸気発生ヒータ50と第2の蒸気発生ヒータ51が過加熱になり故障、および蒸気発生効率が悪くなることを防ぐ信頼性、安全性の高い蒸気発生装置を提供することができる。
また、貯水室サーミスタ33で検知した貯水室28の温度上昇率が30秒で50℃以下である図10のA3と、貯水室28の温度上昇率が30秒で50℃を超える図10のA2において、図10のA3時は給水ポンプ41を用いて貯水室28に水を送らず、また図10のA2時は給水ポンプ41を用いて貯水室28に20mlの水を送ることにより、温度上昇率が30秒で50℃以下の時は残っている水の水位が高いと推定し、給水を行わないことにより水があふれることを防ぎ、温度上昇率が30秒で50℃を超えている時は残っている水の水位が低いと推定し、所定量給水を行うことにより貯水室28の温度を下げ、貯水室28が空焚きに近くなり、第1の蒸気発生ヒータ50と第2の蒸気発生ヒータ51が過加熱になり故障、および蒸気発生効率が悪くなることを防ぐ信頼性、安全性の高い蒸気発生装置を提供することができる。
さらに、貯水室28の温度上昇率が30秒で50℃を超える温度上昇率の中で図10のA1と図10のA1より温度上昇率の低い図10のA2において、図10のA1時は図10のA2よりも給水ポンプ41を用いて貯水室28に多量の水を送ることにより、温度上昇率がより高い時は残っている水の水位がより低いと推定し、温度上昇率が低い時と比較して多量の水を給水し貯水室28の温度を下げ、水があふれることを防ぎ、かつ水が少ないことにより貯水室28が空焚きに近くなり、第1の蒸気発生ヒータ50と第2の蒸気発生ヒータ51が過加熱になり故障、および蒸気発生効率が悪くなることを防ぐ信頼性、安全性の高い蒸気発生装置を提供することができる。
また、貯水室28に設けられた排水口39を通じて排水路43を設け、排水路43は貯水室28内で通常加熱時に貯められている水面より上方を経由し、給水ポンプ41を動作させ排水路頂点44まで水位を押し上げることによって、サイフォンの原理により貯水室28に貯まっていた水を排水口39と排水路43を通じて排水可能としたことにより、水位が高いにもかかわらず多量の水を給水された時に、排水工程でないにもかかわらず排水路頂点44まで水位を押し上げてしまい排水口39と排水路43を通じて排水してしまうことによる誤動作を防ぐ蒸気発生装置を提供することができる。
また、排水路43をシリコーンで構成することにより、スケールとの結合が弱くなって固着することがなくなり、サイフォンの原理により排水した時にスケールを排出することが容易となり、長期間使用し続けても蒸気発生性能が低下しない蒸気発生装置を提供することができる。
また、排水路43を弾性体によって構成することより、排水口39及び排水路出口46との接続をチューブ等の別部品を用いずに構成することができるため、部品が増えることによる水漏れ等を防ぎ、信頼性が高く安価に構成することができる。
なお、本実施の形態では貯水室サーミスタ33を1つ用いて簡易的に水位を推定したが
、貯水室サーミスタ33を複数設けたり、水位を直接検知する水位センサを用いて貯水室28または排水路43の水位の測定を行うと、より正確に給水量を調整することができる。
さらに、本実施の形態では給水タンク42と排水タンク47を別々に形成したが、一体に形成することにより、排水タンク47の付け忘れを防止し、排水が床面にこぼれることを防ぐことができ、また、ユーザが給水タンク42に注水時に排水タンク47も取り出すことになるため、排水タンク47の取り出し忘れによる水の捨て忘れを防止し、排水タンク47が満水になりあふれることを防ぐことができる。
また、排水タンク脱着検知装置を設けることにより、排水タンク47が付け忘れられたとき、もしくは途中で外された場合は第1の蒸気発生ヒータ50と第2の蒸気発生ヒータ51、給水ポンプ41の動作を停止し、排水が床面にこぼれることを防ぐことができる。
さらに、貯水室28内底面に排水口39に向かって下方に傾斜するテーパー37と、給水口38と排水口39を同一方向逆向きにすることにより、貯水室28底面に溜まった小さいスケール片を給水口38からの水流によって排水口39に押し流しやすくし、サイフォンの原理による排水時の水残りも減らすことができる。
また、本実施の形態ではスチーム加熱が終了後、サイフォンの原理による排水を行うために給水を行った際に同時に貯水室28内の水の温度を下げることができるため、すぐに排水工程に移ったが、貯水室28内の水の温度が下がるまでしばらく自然冷却を行ってもよい。これはスケールの一種である炭酸カルシウムは温度が低いほど溶解度が大きくなるためであり、また排水された直後にユーザに触れられても火傷を起こさないためである。なお、温度については低いほうがよいが、自然冷却の時間が長くなるので、冷却時間とのバランスで適宜設定できる。
また、マイクロ波加熱モード、オーブン加熱モード、グリル加熱モード、スチーム加熱モードはそれぞれ単独で動作させることもできるが、それぞれの加熱方式を組み合わせて手動もしくは自動で加熱を行うこともできる。