JP6009432B2 - 面材・ブレース併用耐力壁 - Google Patents
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Description
引張り型耐力ブレースは、比較的軽量な鋼材を用いて安価に生産できる特長を持つ一方、荷重・変形履歴(復元力特性)は、「スリップ型」の特性を示す。スリップ型の欠点としては、次の点が挙げられる。
・大地震の際、ブレースが塑性化して伸びた後、地震による揺れ戻しの力が作用したとき、伸びた分だけブレースが水平力に全く抵抗しない。
・そのため、揺れ戻し時には、建物が逆方向の水平力に対してブレースで抵抗するまで、何の抵抗力も持たないままで水平に動くことになり、ブレースが抵抗し出すときに衝撃を生じる。このことは、住人が建物に対する不安や不満を持つ一要因となり得る。
メンブレン型耐力壁は、一例を示すと、図21のように、壁面を複数(4分割または6分割)に区画し、各区画層に折板104を用いている。地震時に、水平力に対しては折板104がエネルギーを吸収する機構となっている。同耐力壁は、実験により適切な条件下では紡錘型に近い挙動を示すことが確認されている。
・耐力壁の全面に折板104を張るため、設備開口用等の孔を得ることができない。孔を開けることで耐力性能低下が予測される。耐力壁に設備開口用の孔を設けないようにするには、建物のプランが制約される。建築物建築計画においては、やむなくその耐力壁位置に開口部(給・排気用貫通口、採光用開口等)を設けなくてはならないこともある。
・切り欠かれた設備開口部分を、施工現場において同様な折板を増し張りする補強方法が先行技術として提案されているが、その施工の手間、品質保持、施工管理上等の現場省略施工の観点から、採用するには難がある。
・仮に折板104に設備開口用の孔を開けて補強したとしても、その部分の剛性評価方法が確立されていない。
すなわち、ブレース105で構成される区画層と折板104で構成される区画層の剛性が異なるため、縦フレーム材に曲げ応力が発生してしまう。具体的には、図23(A)のように地震が来て水平力Pがかかったときに、同図(B)のように耐力壁の各区画層の剛性が同じであると、各区画層の変形が同じとなり、縦フレーム材101に曲げが入らない。しかし、同図(C)のように、折板104を用いた区画層に対してブレース105を用いた区画層の剛性が高くて曲がり難いと、折板104を用いた区画層とブレース105を用いた区画層との間の部分106で縦フレーム材101に曲げ応力が発生してしまう。
この場合、縦フレーム材101に地震時の負荷(曲げ)応力を考慮した構造計算が必要であり、構造計算が煩雑となる。このため、煩雑な構造計算を必要とせずに、鉛直方向の荷重(圧縮、引張り)のみを受けるようにしたい。この為には、折板104を用いた区画層とブレース105を用いた区画層の剛性(単位変形量当たりの力の大きさ)を合わせる必要がある。
一部の区画層に設けられた前記耐力要素がこの区画層を覆う面材であり、他の一部の区画層に設けられた前記耐力要素が斜材であり、前記斜材が設けられた区画層に、この区画層の変形を吸収するデバイスが設けられ、
このデバイスは、前記区画層の前記横フレーム材と前記斜材の端部との間に設けられていて、前記横フレーム材に対して垂直な複数の鋼製の縦板を有し、
前記耐力要素が斜材であって前記デバイスが設けられた区画層の剛性と、前記耐力要素が面材である区画層の剛性とが同等である、
ことを特徴とする。
また、自身が変形するデバイスによって前記区画層の変形を吸収するため、このデバイスの寸法や形状により、剛性の調整が容易に行える。
角パイプを輪切りにした形状の部材を前記デバイスに用いると、このデバイスの製造が簡単に行える。この構成の場合も、前記斜材を有する前記区画層の全体の剛性調整は、前記デバイスにおける角パイプの板厚、断面サイズ、および輪切り厚さにより行える。
この構成の場合、前記斜材を有する前記区画層の全体の剛性調整が、前記デバイスにおける前記垂直な縦板の厚さ、長さ、奥行きの他に、前記垂直な縦板の枚数によっても調整できる。
この面材・ブレース併用耐力壁を耐力壁パネル等として構成される場合など、この耐力壁の上端または下端の横フレーム材は、建物躯体の梁とは別に、この梁の上下に近接して設置されることがある。このとき、耐力壁の上端または下端の横フレーム材が変形したときに建物躯体の梁と干渉すると、前記横フレーム材の変形が妨げられ、結果的に剛性が上がってしまうが、前記横フレーム材が変形する寸法以上の隙間を設けることで、変形が妨げられることが防止され、区画層の適切な剛性が保持される。
なお、この面材・ブレース併用耐力壁1は、外壁パネル等の壁パネルとして構成されているが、軸組み工法建物の一部となる壁として構成されたものであっても良い。また、縦フレーム材3は、建築物の柱となる部材であっても、またパネル併用軸組み工法建物等において、柱とは別に設けられて柱に沿って設けられる部材であっても良い。前記柱は、壁に内蔵される柱であっても良い。
前記波板の他に、図5に示すように平坦な板材を用いても良い。この場合、例えば前記面材7として、スキンパネルや耐力合板を使用しても良い。
このように、紡錘型に近い履歴を示しエネルギー吸収性能に優れながら、鋼材使用量が少なくて済み、また性能低下や施工上の不利を生じることなく開口部分を設けることができ、かつ異なる種類の耐力要素を用いることにより生じる縦フレーム材3の腰折れ状の性状を簡易に防止することができる。
・耐力壁1の区画層bごとの剛性調製を容易に行うことができる。
・水平力エネルギーの吸収を行うことができる。
・耐力壁1内の波形鋼板等からなる面材7による区画層aと斜材8の区画層bの剛性を同じにすることにより、部分的な剛性低下を防ぐことができる。
・耐力壁1の両端部の縦フレーム材3が腰折れの性状とならず、耐力壁1の両端の縦フレーム材3に曲げモーメントが伝達されることを防ぐことができる。
横フレーム材4,5が変形したときに建物躯体の梁30と干渉すると、前記横フレーム材4,5の変形が妨げられ、結果的に剛性が上がってしまうが、前記横フレーム材4,5が変形する寸法以上の隙間を設けることで、変形が妨げられることが防止され、区画層4bの適切な剛性が保持される。
図8(B)の例は、斜材8を設けた区画層bを中央側の2箇所とし、これらの区画層aでは、いずれも2本の斜材8は上端側が交点側となり、交点の付近にデバイス9Aを配置している。
図8(C)の例は、同図(B)の例と同じく、斜材8を設けた区画層bを中央側の2箇所としているが、中央側2箇所の区画層bにおいて、斜材8の傾斜方向が互いに逆であり、上側の区画層bの斜材8と下側の区画層の斜材8とが一直線上に位置してX形を成すように配置されている。デバイス9Aは、4本の斜材8の交点に配置している。この場合、デバイス9Aは、各区画層b毎に別々に設けるが、一つで2つの区画層bの変形を吸収する構成としても良い。
2…枠体
3…縦フレーム材
4,5…横フレーム材
6…横フレーム材(中桟)
7…面材(耐力要素)
7a…山部
7b…谷部
8…斜材(耐力要素)
9A……デバイス
9B……デバイス
9C……デバイス
9Ba、9Ca…デバイス本体
12…縦板
13,14…水平鋼板
16…接合用板
17…接合用板
30…梁
a,b…区画層
d…隙間
Claims (4)
- 左右の縦フレーム材と、これら左右の縦フレーム材の上端間および下端間にそれぞれ接合された上下の横フレーム材と、前記左右の縦フレーム材間に接合された中桟となる横フレーム材とを備え、前記中桟となる横フレーム材を境界として上下に並ぶ複数の区画層に区画され、各区画層に耐力要素が設けられた耐力壁であって、
一部の区画層に設けられた前記耐力要素がこの区画層を覆う面材であり、他の一部の区画層に設けられた前記耐力要素が斜材であり、前記斜材が設けられた区画層に、この区画層の変形を吸収するデバイスが設けられ、
このデバイスは、前記区画層の前記横フレーム材と前記斜材の端部との間に設けられていて、前記横フレーム材に対して垂直な複数の鋼製の縦板を有し、
前記耐力要素が斜材であって前記デバイスが設けられた区画層の剛性と、前記耐力要素が面材である区画層の剛性とが同等である、
ことを特徴とする面材・ブレース併用耐力壁。 - 請求項1に記載の面材・ブレース併用耐力壁において、前記デバイスは、角パイプを輪切りにした形状を有し、その管壁となる一対の対向する板部が前記縦板となる面材・ブレース併用耐力壁。
- 請求項1に記載の面材・ブレース併用耐力壁において、前記デバイスは、上下に離れてそれぞれ前記斜材の端部および前記横フレーム材に接合される水平鋼板と、これら上下の水平鋼板間に接合されて互いに前記横フレーム材の長手方向に並ぶ複数の前記垂直な鋼製の縦板とでなる面材・ブレース併用耐力壁。
- 請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の面材・ブレース併用耐力壁において、前記斜材が設けられた区画層を、この耐力壁の上端または下端に有し、前記デバイスが、前記上端または下端の横フレーム材に接合され、この上端または下端の横フレーム材と、この耐力壁を設置する建物躯体の梁との間に、前記横フレーム材が変形する寸法以上の隙間を有する面材・ブレース併用耐力壁。
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