JP6008642B2 - 平板状結晶性アルミナ複合酸化物微粒子集合体、平板状結晶性アルミナ複合酸化物微粒子集合体からなる結晶性アルミナ複合酸化物粒子ならびに該平板状結晶性アルミナ複合酸化物微粒子集合体および該結晶性アルミナ複合酸化物粒子の製造方法 - Google Patents
平板状結晶性アルミナ複合酸化物微粒子集合体、平板状結晶性アルミナ複合酸化物微粒子集合体からなる結晶性アルミナ複合酸化物粒子ならびに該平板状結晶性アルミナ複合酸化物微粒子集合体および該結晶性アルミナ複合酸化物粒子の製造方法 Download PDFInfo
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Description
また特許文献2には、長鎖アルミニウムアルコキシドと酸による加水分解によりペーマイト構造を有するアルミナ水和物を調製し、水熱合成の工程を経て、粒子を成長させる、熟成工程の条件を調製することにより粒子形状を制御するアルミナ超微粒子の製造方法が開示されている。
特許文献4にはケイ素を含むアルミナ複合酸化物が開示さており、さらに、これらいずれのアルミナ複合酸化物微粒子を略球状の集合体として得る方法が開示され、多孔質粒状充填剤、軽量無機質成形体、耐火性断熱被膜などの用途が開示されている。
(2) 前記ウィスカー状のアルミナ複合酸化物微粒子は、平均長さが2〜100nm、平均直径が1〜20nmの範囲にあることを特徴とする(1)に記載の平板状結晶性アルミナ複合酸化物微粒子集合体。
(3) 前記ウィスカー状のアルミナ複合酸化物微粒子は、ベーマイトアルミナを主成分とすることを特徴とする上記(1)または(2)に記載の平板状結晶性アルミナ複合酸化物微粒子集合体。
(5) 前記平板状結晶性アルミナ複合酸化物微粒子集合体は、平均粒子径30〜300nm、平均厚み2〜50nmの範囲にあることを特徴とする上記(1)〜(4)のいずれかに記載の平板状結晶性アルミナ複合酸化物微粒子集合体。
(6) 前記平板状結晶性アルミナ複合酸化物微粒子集合体は、該平板状結晶性アルミナ複合酸化物微粒子集合体の0.5重量%水分散液でpHが5〜9の範囲における表面電荷密度が0.04μeq/m2以上の粒子であることを特徴とする上記(1)〜(5)のいずれかに記載の平板状結晶性アルミナ複合酸化物微粒子集合体。
(8) 前記アルミナ複合酸化物粒子は、前記平板状結晶性アルミナ複合酸化物微粒子集合体が積層したものであり、平均粒子径が250〜1000nmの範囲にあることを特徴とする上記(7)に記載の結晶性アルミナ複合酸化物粒子。
(9)(a)ウィスカー状のアルミナ複合酸化物微粒子のスラリーを生成させる工程
(b)前記工程(a)で得られたウィスカー状のアルミナ複合酸化物微粒子のスラリーから平板状結晶性アルミナ複合酸化物微粒子集合体のスラリーを生成させる工程
(c)前記工程(b)で得られたスラリー中の平板状結晶性アルミナ複合酸化物微粒子集合体の大きさを均一化させる工程
を含むことを特徴とする上記(1)〜(6)のいずれかに記載の平板状結晶性アルミナ複合酸化物微粒子集合体の製造方法。
(11) 前記工程(a)において、生成したスラリーのpHが2.5〜5.0の範囲であることを特徴とする上記(9)または(10)に記載の平板状結晶性アルミナ複合酸化物微粒子集合体の製造方法。
(12) 工程(a)において、生成したスラリーの調合温度が50〜100℃の範囲であることを特徴とする上記(9)〜(11)のいずれかに記載の平板状結晶性アルミナ複合酸化物微粒子集合体の製造方法。
(14) 前記工程(c)において、大きさが均一化したスラリーのpHが3.5〜5.0の範囲であることを特徴とする上記(9)〜(13)のいずれかに記載の平板状結晶性アルミナ複合酸化物微粒子集合体の製造方法。
(15) 前記(9)〜(14)のいずれかに記載の平板状結晶性アルミナ複合酸化物微粒子集合体の製造方法において、さらに
(d)前記工程(c)で平板状結晶性アルミナ複合酸化物微粒子得られた集合体のスラリーからカードハウス構造をもつ結晶性アルミナ複合酸化物粒子のスラリーを生成させる工程
(e)得られたアルミナ複合酸化物粒子のスラリーを濃縮、洗浄する工程
を含むことを特徴とする結晶性アルミナ複合酸化物粒子の製造方法。
(17) 前記工程(e)において、洗浄後のスラリー中に残存するNaおよび塩化物イオンの濃度が50ppm以下であることを特徴とする上記(15)または(16)に記載の結晶性アルミナ複合酸化物微粒子集合体の製造方法。
また、集合体表面にナノオーダーの凹凸を有しているため、樹脂フィラー、表面コート材および化粧品に用いた場合に、優れた光学特性を有する。
また、本発明のカードハウス構造をもつ結晶性アルミナ複合酸化物粒子は、より非常に大きな空隙率(細孔容積)を有しているため、非常に軽量な成形体を得ることができる。
<ウィスカー状アルミナ複合酸化物微粒子>
アルミナ微粒子を核粒子として用いる。アルミナ微粒子は、塩化物系アルミナを原料として用いる。
また、本発明においては、原料の核粒子として用いるアルミナとして、塩化物系アルミナを原料として用いることが好ましい。硫酸系または硝酸系アルミナを原料に用いた場合、ウィスカー状アルミナ複合酸化物微粒子が得られなかったり、ウィスカー状アルミナ複合酸化物微粒子が得られたとしても平板状の集合体が得られず、塊状のものが得られたりする。
ウィスカー状アルミナ複合酸化物微粒子の製造は以下の工程により行うことができる。
塩化物系アルミナを原料として用い、塩化物系アルミナ水溶液と塩基性物質を反応容器に入れ混合溶液のpHを2.5〜5.0の範囲に調製し、50〜100℃の範囲で0.5〜2時間処理することによって、ウィスカー状のアルミナ複合酸化物微粒子として得る。
塩基性物質としては、ナトリウム、カリウム、リチウム等の水酸化物や炭酸塩または水酸化アンモニウムや炭酸アンモニウムの無機アミンなどを用いることができる。
平板状結晶性アルミナ複合酸化物微粒子集合体の大きさは、平板状結晶性アルミナ複合酸化物微粒子集合体の透過型電子顕微鏡写真(TEM)を撮影し、50個の粒子について、粒子径(長軸径と短軸径の平均値)および厚みを測定し、各々の平均値として求める。
平板状結晶性アルミナ複合酸化物微粒子集合体は、該平板状結晶性アルミナ複合酸化物微粒子集合体の0.5重量%水分散液でpHが5〜9の範囲における表面電荷密度は0.04μeq/m2以上である。これにより、該粒子表面への吸着量が従来既存のアルミナ複合酸化物粒子と異なり格段に多くなり、吸着した物質の機能性が発揮できるだけでなく、吸着量が多いため、大きな効果を発現することが期待できる。
工程(a)で得られたウィスカー状のアルミナ複合酸化物微粒子を含むスラリーに、塩基性物質を混合して混合溶液とし、pHを7.0〜9.5の範囲に調製する。50〜100℃の範囲で0.5〜2時間撹拌処理することによって、前記ウィスカー状のアルミナ複合酸化物微粒子を平板状に集合した平板状結晶性アルミナ複合酸化物微粒子集合体を含有するスラリーを得ることができる。
塩基性物質としては、ナトリウム、カリウム、リチウム等の水酸化物や炭酸塩または水酸化アンモニウムや炭酸アンモニウムの無機アミンなどを用いることができる。
上記工程(b)で得られた平板状結晶性アルミナ複合酸化物微粒子集合体を含有するスラリーに、さらに塩化アルミニウム水溶液または塩化アルミニウム水溶液とチタニウムまたはケイ素から選ばれた少なくとも1種を含む化合物を50〜100℃の範囲の任意の温度で一定に保持しながら、添加終了時のpHが3.5〜5.0の範囲となる量を添加する。さらに、その温度で0.5〜2時間撹拌処理することによって、該平板状結晶性アルミナ複合酸化物微粒子集合体を成長させ、平板状結晶性アルミナ複合酸化物微粒子集合体の大きさが揃ったスラリーを得る。
また、ケイ素を含む化合物としては、珪酸を用いることができる。
本願発明の結晶性アルミナ複合酸化物粒子は、ウィスカー状のアルミナ複合酸化物微粒子が平板状に集合した平板状結晶性アルミナ複合酸化物微粒子集合体がカードハウス構造をなしている粒子である。
本願発明のアルミナ複合酸化物粒子は平板状アルミナ複合酸化物微粒子集合体の積層数は、2〜10層が好ましく、さらに好ましくは、3〜7層である。
結晶性アルミナ複合酸化物粒子は上記工程(c)で得られた大きさの揃った平板状結晶性アルミナ微粒子集合体に以下に示す工程(d)、(e)を施すことにより得られる。
この工程(d)では、上記工程(c)で得られた大きさの揃った平板状結晶性アルミナ複合酸化物微粒子集合体を含有するスラリーが50〜100℃の範囲において、塩基性物質で混合溶液のpHを8.5〜10.5の範囲になるように添加し、0.5〜2時間処理することによって、該平板状結晶性アルミナ複合酸化物微粒子集合体がカードハウス構造をもつ結晶性アルミナ複合酸化物粒子を含むスラリーを得られる。
塩基性物質としては、ナトリウム、カリウム、リチウム等の水酸化物や炭酸塩または水酸化アンモニウムや炭酸アンモニウムの無機アミンなどを用いることができる。
この工程(d)により、カードハウス構造をもつ結晶性アルミナ複合酸化物粒子を含むスラリーが得られる。
この工程(e)では、上記工程(d)で得られたカードハウス構造をもつアルミナ結晶性複合酸化物粒子を含むスラリーを限外濾過装置で濃縮し、さらに希釈倍率が1000〜2000倍量の60℃の温純水で洗浄を行い、残留するNaおよび塩化物イオンの濃度が、50ppm以下、好ましくは10ppm以下となるまで洗浄を行い、カードハウス構造をもつ結晶性アルミナ複合酸化物粒子を含むスラリーを得る。
また、カードハウス構造をなすアルミナ複合酸化物粒子は、物理的解砕工程、例えば、超音波破砕機、ビーズミル、コロイドミル、ホモジナイザーなどの外部応力をかけることにより、容易に解砕でき2次粒子である平板状結晶性アルミナ複合酸化物微粒子集合体を得ることができる。
[測定方法]
<粒子の表面積測定>
平板状結晶性アルミナ複合酸化物微粒子集合体の比表面積は、平板状結晶性アルミナ複合酸化物微粒子集合体を凍結乾燥機で乾燥させた後、200℃で3時間乾燥した試料について、比表面積測定装置(湯浅アイオニクス社製、マルチソーブ12)を用いて窒素吸着法(BET法)により測定した。単位はm2/gで表示する。
<表面電荷量測定>
表面電位滴定装置(Muetek(株)社製: PCD−03)を用いて、平板状結晶性アルミナ複合酸化物微粒子集合体の分散液を0.5%に希釈し、0.001Nのポリジアリルジメチルアンモニウムクロライド(poly−DADMAC)で滴定し、単位質量当たりの表面電荷量(μeq/g)を求めた。
表面電荷密度(μeq/m2)は、下記に示す式のより求めた値で示される。
(表面電荷密度)= −(表面電荷)/(表面積)
pHの測定については、25℃のpH4、7および9の標準液で更正が完了したpHメータ(株式会社堀場製作所社製:F22)のガラス電極を溶液中に挿入して、pHの測定をした。
<結晶性アルミナ複合酸化物粒子(1)の製造方法>
<工程(a)> 100Lのスチームジャケット付タンクへ純水55.987kgを張り込み、これに塩化アルミニウム・六水和物(関東化学(株)社製、特級、純度98%)3.532kgを撹拌しながら溶解した。
この溶液に、濃度48質量%の水酸化ナトリウム溶液(関東化学(株)社製、特級)2.710kgを添加混合した。さらに、この溶液を撹拌しながら80℃へ昇温し1時間保持することで、pH4.0のウィスカー状のアルミナ複合酸化物微粒子(1a)のスラリー62.229kgを得た。
さらに、この結晶性アルミナ複合酸化物粒子(1d)のスラリーを、希釈倍率2000倍量の60℃の温純水にて洗浄を行い、残留するナトリウムイオンおよび塩化物イオンの濃度が、それぞれ10ppm以下となるまで洗浄を行い、アルミナ固形分濃度が5質量%の結晶性アルミナ複合酸化物粒子である結晶性アルミナ複合酸化物粒子(1)のスラリー20.000kgを得た。
結晶性アルミナ複合酸化物粒子(1)の細孔容積、細孔直径および比表面積を窒素ガス吸着法により測定するために加圧成型体を作成し測定したところ、細孔容積:0.67ml/g、細孔直径:11nm、比表面積:290m2/gであった。
<結晶性アルミナ複合酸化物粒子(2)分散液の製造方法>
<工程(a)> 100Lのスチームジャケット付タンクへ純水55.987kgを張り込み、これにポリ塩化アルミニウム(多木化学(株)社製、PAC250A、アルミナ濃度10.0質量%)7.097kgを撹拌しながら溶解した。
この溶液に、濃度48質量%の水酸化ナトリウム溶液(関東化学(株)社製、特級)1.525kgを添加混合した。
さらに、この溶液を撹拌しながら80℃へ昇温し1時間保持することで、pH4.0のウィスカー状のアルミナ複合酸化物微粒子(2a)のスラリー62.229kgを得た。
さらに、この結晶性アルミナ複合酸化物粒子(2d)のスラリーを、希釈倍率2000倍量の60℃の温純水にて洗浄を行い、残留するナトリウムイオンおよび塩化物イオンの濃度が、それぞれ10ppm以下となるまで洗浄を行い、アルミナ固形分濃度が5質量%の結晶性アルミナ複合酸化物粒子である結晶性アルミナ複合酸化物粒子(2)のスラリー20.000kgを得た。
結晶性アルミナ複合酸化物粒子(2)の細孔容積、細孔直径および比表面積を窒素ガス吸着法により測定するために加圧成型体を作成し測定したところ、細孔容積:0.76ml/g、細孔直径:19nm、比表面積:270m2/gであった。
<結晶性アルミナ複合酸化物粒子(3)分散液の製造方法>
<工程(a)> 100Lのスチームジャケット付タンクへ純水58.676kgを張り込み、これに高塩基性塩化アルミニウム(多木化学(株)社製、タキバイン(登録商標)#1500、アルミナ濃度24.0質量%)3.111kgを撹拌しながら溶解した。
この溶液に、濃度48質量%の水酸化ナトリウム溶液(関東化学(株)社製、特級)0.442kgを添加混合した。
さらに、この溶液を撹拌しながら80℃へ昇温し1時間保持することで、pH4.0のアルミナ複合酸化物微粒子(3a)のスラリー62.229kgを得た。
さらに、この結晶性アルミナ複合酸化物粒子(3d)のスラリーを、希釈倍率2000倍量の60℃の温純水にて洗浄を行い、残留するナトリウムイオンおよび塩化物イオンの濃度が、それぞれ10ppm以下となるまで洗浄を行い、アルミナ固形分濃度が5質量%の結晶性アルミナ複合酸化物粒子である結晶性アルミナ複合酸化物粒子(3)のスラリー20.000kgを得た。
結晶性アルミナ複合酸化物粒子(3)の細孔容積、細孔直径および比表面積を窒素ガス吸着法により測定するために加圧成型体を作成し測定したところ、細孔容積:1.18ml/g、細孔直径:27nm、比表面積:260m2/gであった。
<結晶性アルミナ複合酸化物粒子(4)分散液の製造方法>
実施例1の平板状結晶性アルミナ複合酸化物微粒子集合体(1c)のスラリーを得る工程において、pH8.5の平板状結晶性アルミナ複合酸化物微粒子集合体(1b)のスラリーを80℃に保ったまま、撹拌しながら塩化アルミニウム・六水和物(関東化学(株)社製、 特級、純度98%)1.314kgを純水1.463kgに溶解した塩化アルミニウム溶液2.777kgとTiO2換算で10質量%の硫酸チタン溶液1.740kgを添加混合し、撹拌下80℃で1時間保持して、pH4.5の平板状結晶性アルミナ複合酸化物微粒子集合体(4c)のスラリー66.746kgを得た以外は、同様にして固形分濃度が5質量%(TiO2が固形分中8質量%含有)の結晶性アルミナ複合酸化物粒子としての結晶性アルミナ複合酸化物粒子(4)のスラリー20.000kgを得た。
アルミナ複合酸化物微粒子(4a)、平板状結晶性アルミナ複合酸化物微粒子集合体(4c)および結晶性アルミナ複合酸化物粒子(4)について、物性を評価した結果を表2に示す。
<結晶性アルミナ複合酸化物粒子(5)分散液の製造方法>
実施例1の平板状結晶性アルミナ複合酸化物微粒子集合体(1c)のスラリーを得る工程において、pH9.0の平板状結晶性アルミナ複合酸化物微粒子集合体(1b)のスラリーを80℃に保ったまま、撹拌しながら塩化アルミニウム・六水和物(関東化学(株)社製、 特級、純度 98%)1.314kgを 純水1.463kgに溶解した塩化アルミニウム溶液2.777kgとSiO2換算で4質量%となる珪酸水溶液2.650kgを添加混合し、撹拌下80℃で1時間保持して、pH2.5の平板状結晶性アルミナ複合酸化物微粒子集合体(5c)のスラリー67.656kgを得た以外は、同様にして固形分濃度が5質量%(SiO2が固形分中5質量%含有)の結晶性アルミナ複合酸化物粒子(5c)のスラリー22.391kgを得た。
アルミナ複合酸化物微粒子(5a)、平板状結晶性アルミナ複合酸化物微粒子集合体(5c)およびアルミナ複合酸化物粒子(5)のスラリーについて、物性を評価した結果を表2に示す。
<結晶性アルミナ複合酸化物粒子(R1)分散液の製造方法>
100Lのスチームジャケット付タンクへ純水48.645kgを張り込み、これに硝酸アルミニウム・九水和物(関東化学(株)社製、特級、純度98%)5.487kgを撹拌しながら溶解した。
さらに、この溶液を撹拌しながら80℃へ昇温し1時間保持することで、pH4.0のアルミナ複合酸化物微粒子(R1a)のスラリー56.842kgを得た。
結晶性アルミナ複合酸化物微粒子(R1a)の細孔容積、細孔直径および比表面積を窒素ガス吸着法により測定するために加圧成型体を作成し測定したところ、細孔容積:0.58ml/g、細孔直径:12nm、比表面積:180m2/gであった。
<結晶性アルミナ複合酸化物粒子(R2)分散液の製造方法>
100Lのスチームジャケット付タンクへ純水59.356kgを張り込み、これに硫酸アルミニウム・十四〜十八水和物(関東化学(株)社製、鹿特級、純度51%)1.348kgを撹拌しながら溶解した。
さらに、この溶液を撹拌しながら80℃へ昇温し1時間保持することで、pH4.0の結晶性アルミナ複合酸化物微粒子(R2a)62.229kgを得た。
結晶性アルミナ複合酸化物微粒子(R2a)の細孔容積、細孔直径および比表面積を窒素ガス吸着法により測定するために加圧成型体を作成し測定したところ、細孔容積:0.65ml/g、細孔直径:11nm、比表面積:220m2/gであった。
また、本発明のカードハウス構造をもつ結晶性アルミナ複合酸化物粒子は、より非常に大きな空隙率(細孔容積)を有した成形体を得られるため、上述用途において非常に軽量な素材を提供できる。
Claims (16)
- ウィスカー状のアルミナ複合酸化物微粒子が、平板状に集合した平板状結晶性アルミナ複合酸化物微粒子集合体。
- 前記ウィスカー状のアルミナ複合酸化物微粒子は、平均長さが2〜100nm、平均直径が1〜20nmの範囲にあることを特徴とする請求項1に記載の平板状結晶性アルミナ複合酸化物微粒子集合体。
- 前記ウィスカー状のアルミナ複合酸化物微粒子は、ベーマイトアルミナを主成分とすることを特徴とする請求項1または2に記載の平板状結晶性アルミナ複合酸化物微粒子集合体。
- 前記平板状結晶性アルミナ複合酸化物微粒子集合体は、平均粒子径30〜300nm、平均厚み2〜50nmの範囲にあることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の平板状結晶性アルミナ複合酸化物微粒子集合体。
- 前記平板状結晶性アルミナ複合酸化物微粒子集合体は、該平板状結晶性アルミナ複合酸化物微粒子集合体の0.5重量%水分散液でpHが5〜9の範囲における表面電荷密度が0.04μeq/m2以上の粒子であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の平板状結晶性アルミナ複合酸化物微粒子集合体。
- 前記請求項1〜5のいずれかに記載の平板状結晶性アルミナ複合酸化物粒子集合体からなるアルミナ複合酸化物粒子であって、カードハウス構造をなすことを特徴とする結晶性アルミナ複合酸化物粒子。
- 前記アルミナ複合酸化物粒子は、前記平板状結晶性アルミナ複合酸化物微粒子集合体が積層したものであり、平均粒子径が250〜1000nmの範囲にあることを特徴とする請求項6に記載の結晶性アルミナ複合酸化物粒子。
- (a)塩化物系アルミナを原料として用い、ウィスカー状のアルミナ複合酸化物微粒子のスラリーを生成させる工程
(b)前記工程(a)で得られたウィスカー状のアルミナ複合酸化物微粒子のスラリーから平板状結晶性アルミナ複合酸化物微粒子集合体のスラリーを生成させる工程
(c)前記工程(b)で得られたスラリー中の平板状結晶性アルミナ複合酸化物微粒子集合体の大きさを均一化させる工程
を含むことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の平板状結晶性アルミナ複合酸化物微粒子集合体の製造方法。 - 前記工程(a)において、得られるスラリー中に含まれるアルミナ固形分濃度は1〜5質量%の範囲にあることを特徴とする請求項8に記載の平板状結晶性アルミナ複合酸化物微粒子集合体の製造方法。
- 前記工程(a)において、生成したスラリーのpHが2.5〜5.0の範囲であることを特徴とする請求項8または9に記載の平板状結晶性アルミナ複合酸化物微粒子集合体の製造方法。
- 前記工程(a)において、スラリーの生成温度が50〜100℃の範囲であることを特徴とする請求項8〜10のいずれかに記載の平板状結晶性アルミナ複合酸化物微粒子集合体の製造方法。
- 前記工程(b)において、生成したスラリーのpHが7.0〜9.5の範囲であることを特徴とする請求項8〜11のいずれかに記載の平板状結晶性アルミナ複合酸化物微粒子集合体の製造方法。
- 前記工程(c)において、大きさが均一化したスラリーのpHが3.5〜5.0の範囲であることを特徴とする請求項8〜12のいずれかに記載の平板状結晶性アルミナ複合酸化物微粒子集合体の製造方法。
- 前記請求項8〜13のいずれかに記載の平板状結晶性アルミナ複合酸化物微粒子集合体の製造方法において、さらに
(d)前記工程(c)で平板状結晶性アルミナ複合酸化物微粒子集合体のスラリーからカードハウス構造をもつ結晶性アルミナ複合酸化物粒子のスラリーを生成させる工程
(e)得られたアルミナ複合酸化物粒子のスラリーを濃縮、洗浄する工程
を含むことを特徴とする結晶性アルミナ複合酸化物粒子の製造方法。 - 前記工程(d)において、生成したスラリーのpHが8.5〜10.5の範囲であることを特徴とする請求項14に記載の結晶性アルミナ複合酸化物粒子の製造方法。
- 前記工程(e)において、洗浄後のスラリー中に残存するNaおよび塩化物イオンの濃度が50ppm以下であることを特徴とする請求項14または15に記載の結晶性アルミナ複合酸化物微粒子集合体の製造方法。
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